JP2019086032A - 磁石を利用するフリータイプ双方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】入力軸と作動子とに形成した受け穴と突出片との間に十分な摩擦力を生じさせて、確実な動力伝達及び遮断が可能な簡易な構造のフリータイプ双方向クラッチを提供する。【解決手段】公転運動を行う作動子4を出力軸3の偏心輪31に嵌め込み、入力軸2の回転は、作動子4と入力軸側の円板部材21とを一体的に回転させて出力軸3に伝達するフリータイプ双方向クラッチにおいて、作動子4に対して磁力により拘束力を付与する作動子拘束部材5を設け、作動子4と円板部材21とに形成した突出片23と受け穴42の間に十分な摩擦力を発生させて滑りを防止し、確実な動力伝達を行わせる。【選択図】図1

Description

本発明は、入力軸と出力軸との間の動力伝達状態を変更するクラッチ装置、特に、入力軸からの正・逆回転の動力を出力軸に伝達し、出力軸からの動力の伝達は、出力軸を空転させて遮断するフリータイプ双方向クラッチに関するものである。
モーターなどの駆動源から機械装置あるいは作業機器等を駆動する動力伝達系では、駆動する機器の特性に対応するよう各種の伝達装置が使用される。このような伝達装置の中で双方向クラッチと呼ばれるものは、入力軸(駆動側)から出力軸(従動側)への動力伝達では、入力軸の正方向回転及び逆方向回転をともに出力軸に伝達し、反対向きの、出力軸から入力軸への動力伝達は遮断する機能を備えている。双方向クラッチには、出力軸からの動力伝達を遮断するときに出力軸を空転させるクラッチがあり、フリータイプ双方向クラッチと呼ばれている。
フリータイプ双方向クラッチは、一例として、巻き上げ式の電動カーテン等を手動でも操作できるようにした開閉駆動装置に適用することができる。この場合、フリータイプ双方向クラッチは、駆動モーターとカーテンの巻き上げ機構との間に介在され、入力軸に駆動モーターが、出力軸に巻き上げ機構が連結される。駆動モーターを正・逆回転させるとカーテンの昇降が可能であるとともに、駆動モーターの停止位置においては、手動による巻き上げ機構の操作が可能であって、このときには、出力軸が空転するので駆動モーターに悪影響を及ぼすことがない。こうした機能は、駆動モーターと巻き上げ機構との間に電磁クラッチを設置し、これを断・接しても達成できるが、電磁クラッチを作動させるには電力を必要とし、電力制御のための複雑な制御装置等も必要となる。
フリータイプ双方向クラッチとしては、例えば、本出願人の創案に係る特許第6058597号に記載された双方向クラッチが知られており、これについて、図7を参照して説明する。
図7に示すとおり、このフリータイプ双方向クラッチは、回転不能のハウジングHG、ハウジングHG内で共通の回転軸oを中心として回転可能な入力軸IS及び出力軸OSを備えている。ハウジングHGの内部には、入力軸ISに回転軸oと同軸に固着された円板部材CMと、回転軸oの周りで公転及び自転可能な作動子MMと、円板部材CMに対して拘束力を付与する拘束部材HMとが設けられている。作動子MMには、軸方向に突出する棒状の突出片PPが周方向に等角度間隔をおいて5個設けられており、突出片PPの断面は何れも円形である。作動子MMには、断面円形の中央孔CHも形成されており、この中央孔CHには、出力軸OSに設けられている断面円形の偏心輪EWが嵌り込んでいる。
円板部材CMには作動子MMの突出片PPが夫々挿通される受け穴RHが形成されている。受け穴RHも周方向に等角度間隔をおいて5個設けられており、断面は何れも突出片PPの断面よりも大きい円形である。図7には、作動子MMが円板部材CMに対して上方に偏移した状態が示されており、夫々の突出片PPは、紙面上側において受け穴RHと内接している。拘束部材HMは、円板部材CMを挟んで出力軸OSの偏心輪EWの反対側に設けられており、円板部材CMの受け穴RHと同形状の制動穴SHが形成された制動輪SWと、この制動輪SWに対して摩擦によって所定の拘束力を付加する板状の制動ばねSSとを備えている。制動穴SHも受け穴RHと同様に突出片PPと内接している。
入力軸ISが回転したときは、これに固着された円板部材CMが回転すると共に、円板部材CMの受け穴RH、制動穴SHと突出片PPとの摩擦によって、作動子MMが円板部材CM及び制動輪SWと一体となり、制動ばねSSによる拘束力に抗して回転(自転)する。そして、作動子MMの中央孔CHには出力軸OSの偏心輪EWが嵌め込まれているため、出力軸OSも作動子MMと一体となって回転する。つまり、入力軸ISが回転したときは、作動子MM、制動輪SW及び出力軸OSが一体となって回転することとなる。
これに対し、出力軸OSが回転すると、出力軸OSに設けられている偏心輪EWの中心o´が回転軸oの周りを回転することから、偏心輪EWが嵌り込む作動子MMは回転軸oの周りを公転する。この際には、制動ばねSSによる拘束力が円板部材CMに作用しているためこれが動くことなく、突出片PPは、円板部材CMの受け穴RHの内側をこれの内周面に沿って周方向に公転するだけで、突出片PPが円板部材CMを回転させることはない。従って、出力軸OSが回転しても作動子MMが回転軸oの周りを周方向に公転するだけで、入力軸ISに出力軸OSの回転が伝達されることはなく、出力軸OSから入力軸ISへの回転は遮断されることとなる。
特許第6058597号公報
上述のとおり、図7のフリータイプ双方向クラッチにおいては、コンパクトであって確実に動力伝達を制御可能な機械部品であるけれども、以下に述べるように、用途によっては未だ改良すべき余地が残されている。
即ち、入力軸の回転を出力軸に伝達する際には、円板部材CMが回転して、受け穴RHと突出片PPとの摩擦により作動子MMと一体となって回転する。作動子MMの回転は、その中央孔に嵌め込まれた偏心輪EWを介して出力軸OSを回転軸oの周りに回転させるが、このとき、出力軸OSに大きな負荷トルクが作用していると、出力軸OSつまり偏心輪EWが停止したまま、作動子MMが偏心輪EWの中心o´の周りに自転を起こすことがある(受け穴RHと突出片PPとの間には間隙が存在するので、機構上、突出片PPが受け穴RHに内接しながら回転する運動が可能。更に説明すると、図7の左下図には、作動子MMが偏心輪EWの中心o´の周りで自転をしたときの受け穴RHと突出片PPの包絡線が夫々、破線で示された円形のL1と二点鎖線で示された円形のL2によって示されている。本図において、突出片PPの包絡領域A1(一対の包絡線L1によって挟まれた円環状領域であって薄墨が付された領域)は受け穴RHの包絡領域A2(一対の包絡線L2によって挟まれた円環状の領域)の内側にあることから、上記の運動が機構上可能であるといえる)。こうなると、作動子MMと偏心輪EWとは一体的に回転せず、入力軸ISから出力軸OSへ回転を伝達することができない。
本発明は、入力軸ISの受け穴RHと作動子MMの突出片PPとの間に十分な摩擦力を生じさせて、確実な動力伝達及び遮断が可能な簡易な構造のフリータイプ双方向クラッチを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、公転運動を行う作動子を出力軸の偏心輪に嵌め込み、入力軸の回転は、作動子と入力軸側の円板部材とを一体的に回転させて出力軸に伝達するフリータイプ双方向クラッチにおいて、作動子に対して磁力により拘束力を付与する作動子拘束部材を設け、作動子と円板部材とに形成した突出片と受け穴の間に十分な摩擦力を発生させて滑りを防止し、確実な動力伝達を行わせるものである。すなわち、本発明は、
「回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
前記ハウジングの内部には、前記入力軸に前記回転軸と同軸に固着された円板部材と、前記出力軸に形成された断面円形の偏心輪に嵌め込まれ、前記回転軸の回りの公転運動及び自転運動が可能な作動子とが設けられ、
前記円板部材と前記作動子のいずれか一方には、軸方向に突出する突出片が形成されるとともに、他方には前記突出片が挿入される受け穴が形成され、さらに、
前記作動子に対して磁力により拘束力を付与する作動子拘束部材が設けられており、
前記入力軸が回転したときは、前記受け穴と前記突出片との間で噛み合いを生じ、前記円板部材が前記作動子及び前記偏心輪と一体となって前記共通の回転軸の周りを回転する一方、前記出力軸が回転したときは、前記作動子が前記共通の回転軸の周りを公転して、前記入力軸への回転の伝達が遮断される」
ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチである。
本発明においては、以下のような実施形態であるのが好ましい。すなわち、
前記作動子拘束部材は、前記作動子に固着された第一の永久磁石と、前記ハウジングに固着され且つ前記第一の永久磁石との間で引力を生じる第二の永久磁石とからなり、前記作動子には、前記ハウジングに対して前記拘束力が付与されること。
前記作動子拘束部材は、前記作動子に固着された第一の永久磁石と、前記入力軸に固着され且つ前記第一の永久磁石との間で引力を生じる第二の永久磁石とからなり、前記作動子には、前記入力軸に対して前記拘束力が付与されること。
軸方向に突出する前記突出片が前記入力軸に固着された前記円板部材に形成され、前記突出片の先端が、前記作動子を挟んで前記円板部材と対向する補助部材に支持されること。
前記突出片と前記受け穴の断面形状は、相互に相似形状の正多角形状であり、各辺の中央には凹部が形成されていること。
本発明のフリータイプ双方向クラッチは、回転不能のハウジング内に、共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸と、出力軸の偏心輪に嵌め込まれ、共通の回転軸の周りを公転する作動子を設置するものである。入力軸に固着の円板部材と作動子のいずれか一方には、軸方向に突出する突出片が形成され、他方には突出片が挿入される受け穴が形成されており、入力軸が回転したときは、受け穴と突出片との間で噛み合いを生じ、円板部材が作動子及び偏心輪と一体となって回転する。
こうした基本的な作動は、図7で説明した従来のフリータイプ双方向クラッチと変わりはないけれども、本発明では、作動子に対して磁力により拘束力を付与する作動子拘束部材、例えば2個の永久磁石、が設けられている。作動子拘束部材は、作動子に対して制動力を与え、作動子に対して一定のトルクが作用するまでは、突出片と受け穴の間に保持力を付与して滑りを防止する。
入力軸が回転したときは、入力軸に固着の円板部材が回転して、受け穴と突出片との間に摩擦が生じ、円板部材と作動子とを一体的に回転させようとする。このとき、本発明のフリータイプ双方向クラッチでは、作動子は、磁力に基づいて拘束力が付与されているので、受け穴と突出片との間で十分な噛み合いが生じる状態となる。したがって、出力軸に大きな負荷トルクが作用している場合であっても、作動子が偏心輪の中心の周りを自転して出力軸が回転しない事態は防止される。
出力軸側から回転したときは、従来のものと同様に、出力軸の回転に伴い作動子が回転軸の周りを公転して入力軸への回転の伝達が遮断される。
本発明のフリータイプ双方向クラッチでは、作動子への拘束力は磁力によって付与されることから、遠隔した位置からの付与が可能であり、作動子は、偏心輪によって偏心して位置しているにもかかわらず、拘束力を安定して受けることができる。これに対し、板ばね等を配設しても作動子に安定して拘束力を付与することは困難である。
本発明のフリータイプ双方向クラッチの第1実施例を示す構造図である。 第1実施例のフリータイプ双方向クラッチの作動を説明する図である。 第1実施例の可動(回転)部品の単体図である。 第1実施例の静止部品の単体図である。 本発明のフリータイプ双方向クラッチの第2実施例を示す構造図である。 本発明のフリータイプ双方向クラッチの第3実施例を示す構造図である。 従来のフリータイプ双方向クラッチの一例を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明のフリータイプ双方向クラッチについて説明する。図1には、本発明のフリータイプ双方向クラッチの第1実施例の全体構造を示し、その作動の説明図を図2に示す。また、図3、図4は、第1実施例のフリータイプ双方向クラッチの構成部品を単体の状態で示すものである。
図1に示すように、第1実施例のフリータイプ双方向クラッチは、固定されたハウジング1の中心部に配置された入力軸2及び出力軸3と、作動子4(分かり易いように、図1等ではハッチングを付す)とを備えている。入力軸2及び出力軸3は共通の回転軸oを有し、その回転軸oはハウジング1の中心軸と同一である。一方、作動子4の中心軸o´は回転軸oとは偏心して位置している。
図1と共に図4を参照して説明すると、ハウジング1は、円周壁部と端板部とからなるカップ状部材であって、開口端部には内部を閉鎖する円板状のシールド体1Sがボルトのような適宜の固定具により取り付けられる。ハウジング1の内側には端板部側から開口端部側に向かって軸方向に順に第一の空間部11、第二の空間部12、及び第三の空間部13が同軸上に設けられている。これらの空間部は全て円板形状であり、夫々の径は上記の順で漸次大きくなるように設定されている。シールド体1Sの片側面には、上記第二の空間部12と同じ径の第四の空間部14と、上記第一の空間部11と同形状の第五の空間部15とが形成されている。第1の空間部11及び第五の空間部15にはベアリング16が配設されて入力軸2及び出力軸3が軸受される。第三の空間部13には円環形状の第一の永久磁石17が固定される。図示の実施形態においては、第三の空間部13におけるハウジング1の内周面には、周方向に等角度間隔をおいて6個の係合部18が形成されているとともに、第一の永久磁石17の外周面には上記係合部18と相互に係合する6個の被係合部19が形成されており、係合部18と被係合部19との係合により、第一の永久磁石17は第三の空間部13においてハウジング1に固定される。
図1と共に図3を参照して説明すると、入力軸2の先端には、フランジ状の円板部材21が一体に形成されて固着されている。円板部材21は、ハウジング1と一体であるシールド体1Sに設けられた第四の空間部14に回転可能に設置される。入力軸2及び円板部材21の中央には中央軸穴22が形成されている。円板部材21の半径方向略中間部には、軸方向に突出する棒状の突出片23が周方向に等角度間隔をおいて6個形成されている。突出片23の断面の外周は全体的に正多角形状(図示の実施形態においては、正六角形状)であって各辺の中央には凹部24が形成されている。突出片23の先端には円柱形状の突起25が設けられている。円板部材21は、ハウジング1の第二の空間部12に回転可能に設置される補助部材26と組み合わされ、突出片23の突起25が補助部材26に形成された支持孔27に嵌り込んでこれに支持されることで、ハウジング1内で回転軸oに対して傾くことが防止される。
出力軸3は断面円形の棒状部材であって、その先端部には比較的大径の偏心輪31が一体に形成されて固着されている。偏心輪31の中心軸は、出力軸3の中心軸とeだけ離れていて、出力軸3が回転すると、偏心輪31の中心(この軸をo´とする)が出力軸3の中心軸を中心とする半径eの円周上を移動することとなる。また、偏心輪31の先端には出力軸3と同軸であって且つ断面円形の中央軸32が設けられている。中央軸32が入力軸2及び円板部材21に形成された中央軸穴22に嵌め込まれることで、入力軸2と出力軸3とは相互に軸受された状態となり、回転時における軸の傾き或いは不安定な作動が防止される。
作動子4は全体的に円板形状であって、円板部材21と補助部材26とによって挟み込まれた状態で配置される。作動子4の中央には、偏心輪31が嵌り込む円形の中央孔41が形成されている。偏心輪31の中心(回転軸o´)は回転軸oに対してeだけ離れていることから、図1に示す状態では、作動子4の中心も回転軸oから紙面上方にeだけ離れて位置している。作動子4の半径方向略中間部には、夫々の突出片23が入り込む受け穴42が形成されている。受け穴42の断面形状は突出片23の断面形状と相似であってこれよりも幾分大きく、受け穴42は突出片23の外周面の一部に内接している。作動子4の外周面には円環形状の第二の永久磁石43が固定されている。図示の実施形態においては、作動子4の外周面には、周方向に等角度間隔をおいて6個の係合部44が形成されているとともに、第二の永久磁石43の内周面には上記係合部44と相互に係合する6個の被係合部45が形成されており、係合部44と被係合部45との係合により、第二の永久磁石43は作動子4に固定される。
ハウジング1に固定された第一の永久磁石17と作動子4に固定された第二の永久磁石43とは相互に引力を生じる組み合わせであって、この組み合わせが、後述するとおり作動子に対して所定の拘束力を付与する作動子拘束部材5となる。
ここで、図1の第1実施例のフリータイプ双方向クラッチの作動について、図2を用いて説明する。
図2(a)の中央の縦断面図の矢印に示すように、入力軸2が、例えば、駆動源のモーターにより反時計方向(軸方向の右方から見て)に回転すると、入力軸2と一体に形成された円板部材21が回転軸oの周りを同一方向に回転し、突出片23と作動子4の受け穴42とが接点P1乃至P4にて噛み合い、作動子4に回転軸oの周りの反時計方向の回転トルクを付与する。このとき、本発明のフリータイプ双方向クラッチでは、作動子4は、磁力(つまり第一の永久磁石17と第二の永久磁石43とによる相互引力)に基づいて拘束力が付与されているので、受け穴42と突出片23との間で十分な噛み合いを生じる。このことから、出力軸3に大きな負荷トルクが作用している場合であっても、作動子4が偏心輪31の中心o´の周りを自転して出力軸3が回転しない事態は防止され、円板部材21は作動子4と一体となってロックした状態で、図2(a)の各矢印で示すとおり、回転軸oの周りを回転する。そして、作動子4の回転は、これの中央穴41に嵌り込んだ偏心輪31を回転軸o´の周りで公転及び自転させ、これによって偏心輪31に固着された出力軸3を回転させることとなり、結局、入力軸2、作動子4及び出力軸3が一体となって、出力軸3に連なる機械装置、例えば、カーテンの巻き上げ機構に駆動力が伝達される。
作動子4等の入出力軸間の部材が全体的にロックされるこの駆動力の伝達は、入力軸2の回転方向が逆であっても同じである。
これに対して、図2(b)の中央の縦断面図における矢印に示すように、出力軸3側からの回転トルクにより、出力軸3が反時計方向(軸方向の右方から見て)に回転した場合には、作動子4に嵌め込まれた偏心輪31により作動子4の中心軸o´が中心軸oの周りを半径eの円周上に移動する。このとき、作動子4の受け穴42は、円板部材21の突出片23の周壁に沿うような形で移動するのみであり、作動子4は自転することなく公転のみする。つまり、作動子4の受け穴42は、図2の下図のA−A断面、B−B断面における小円矢印のような軌跡を描き、円板部材21には回転トルクを及ぼさない。従って、出力軸3の回転は入力軸2に伝達されることなく、出力軸3は空転することとなる。
図5及び図6には、本発明のフリータイプ双方向クラッチの他の実施例を夫々示す。以下の説明では、図1に示した第1実施例のフリータイプ双方向クラッチと同一の構成要素には同一の付番に「´(ダッシュ)」を付して示して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
図5に示す本発明における第2実施例のフリータイプ双方向クラッチでは、入力軸に形成される突出片と、作動子に形成される受け穴との組み合わせを、複数ではなく単一としたものである。
入力軸2´の円板部材21´には、その中央において軸方向に突出する突出片23´と、外周縁部において軸方向に突出する入力筒壁28´とが設けられている。本実施形態においては、突出片23´は単一の筒形状であって、その内側には断面円形の内側空間部10a´が画成されている。一方、入力筒壁28´の断面内周は突出片23´の断面外周と相似であってこれよりも大きく、略正6角形状である。このことから、突出片23´と入力筒壁28´との間には略正6角形状の外側空間部10b´が画成されている。
作動子4´は円形中央孔41´が規定された円環部材46´を備えている。円環部材46´には、その内側縁に内側円筒壁47´と、外側縁に外側円筒壁48´と、内側円筒壁47´と外側円筒壁48´との間に作動筒壁49´とが設けられている。内側円筒壁47´は入力軸2´に画成されている内側空間部10a´において突出片23´と内接している。作動筒壁49´の断面形状(外周形状及び内周形状)は入力軸2´に画成されている外側空間部10b´と相似であってこれよりも幾分小さく、作動筒壁49´は外側空間部10b´において、内周面が突出片23´の外周面と内接すると共に外周面が入力筒壁28´の内周面と内接している。
本実施例においても、入力軸2´が回転したときは、突出片23´と作動筒壁49´とがP5で噛み合うと共に、入力筒壁28´と作動筒壁49´とがP6で噛み合い、作動子4に回転軸oの周りの反時計方向の回転トルクを付与する。一方、出力軸3側からの回転トルクにより、出力軸3が回転したときは、これに固着された偏心輪31´によって、内側円筒壁47´が内側空間部10a´内で突出片23´の内周に沿うように移動すると共に、作動筒壁49´が外側空間部10b´内で入力筒壁28´の内周に沿うように移動するのみで、作動子4´は自転することなく公転する。作動子4´が自転しないことから円板部材21に回転トルクが付与されることはない。従って、出力軸3の回転が入力軸2に伝達されることなく、出力軸3は空転することとなる。
図6に示す本発明における第3実施例のフリータイプ双方向クラッチでは、第二の永久磁石をハウジングではなく入力軸(及び補助部材)に設けたものである。
本実施例においては、第一の永久磁石17´は、入力筒壁28´の基端部の内周面と、補助部材26´の所定位置とに適宜の接着剤によって固定されている。一方、第二の永久磁石43´は作動筒壁49´の軸方向両端面に適宜の接着剤によって固定されている。全体的な作動は、上述した本発明における第2実施例のフリータイプ双方向クラッチのものと同じであるが、本実施例においては、第一の永久磁石17´と第二の永久磁石43´とによる相互引力によって、突出片23´と作動筒壁49´との噛み合い及び入力筒壁28´と作動筒壁49´との噛み合いがより強固なものとなる。従って、より確実に入力軸2´から出力軸3´へ回転トルクを伝達させることが可能となる。
以上詳述したように、本発明は、円板部材とこれに対する公転運動が許容される作動子とを利用するとともに、作動子には所定の拘束力を付与することで、入力軸が回転する際には、突出片と受け穴との間で確実に噛み合いを生じて出力軸へ確実に動力が伝達される一方、出力軸から入力軸への動力の伝達は、出力軸が空転して遮断される。そして、本発明のフリータイプ双方向クラッチでは、作動子への拘束力は磁力によって付与されることから、遠隔した位置からの付与が可能であり、作動子は、偏心輪によって偏心して位置しているにもかかわらず、拘束力を安定して受けることができる。これに対し、板ばね等を配設しても作動子に安定して拘束力を付与することは困難である。上記実施例においては何れも、突出片が円板部材に形成されていると共に受け穴が作動子に形成されていたが、突出片を作動子に形成すると共に受け穴を円板部材に形成するようにしてもよい。また、突出片と受け穴の断面形状及び個数を変更するなど、上記実施例等に対し各種の変形が可能であるのは明らかである。
1:ハウジング
17:第一の永久磁石
2:入力軸
21:円板部材
23:突出片
3:出力軸
31:偏心輪
4:作動子
42:受け穴
43:第二の永久磁石

Claims (5)

  1. 回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
    前記ハウジングの内部には、前記入力軸に前記回転軸と同軸に固着された円板部材と、前記出力軸に形成された断面円形の偏心輪に嵌め込まれ、前記回転軸の回りの公転運動及び自転運動が可能な作動子とが設けられ、
    前記円板部材と前記作動子のいずれか一方には、軸方向に突出する突出片が形成されるとともに、他方には前記突出片が挿入される受け穴が形成され、さらに、
    前記作動子に対して磁力により拘束力を付与する作動子拘束部材が設けられており、
    前記入力軸が回転したときは、前記受け穴と前記突出片との間で噛み合いを生じ、前記円板部材が前記作動子及び前記偏心輪と一体となって前記共通の回転軸の周りを回転する一方、前記出力軸が回転したときは、前記作動子が前記共通の回転軸の周りを公転して、前記入力軸への回転の伝達が遮断される、ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチ。
  2. 前記作動子拘束部材は、前記作動子に固着された第一の永久磁石と、前記ハウジングに固着され且つ前記第一の永久磁石との間で引力を生じる第二の永久磁石とからなり、前記作動子には、前記ハウジングに対して前記拘束力が付与される、請求項1に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  3. 前記作動子拘束部材は、前記作動子に固着された第一の永久磁石と、前記入力軸に固着され且つ前記第一の永久磁石との間で引力を生じる第二の永久磁石とからなり、前記作動子には、前記入力軸に対して前記拘束力が付与される、請求項1に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  4. 軸方向に突出する前記突出片が前記入力軸に固着された前記円板部材に形成され、前記突出片の先端が、前記作動子を挟んで前記円板部材と対向する補助部材に支持される、請求項1乃至3のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  5. 前記突出片と前記受け穴の断面形状は、相互に相似形状の正多角形状であり、各辺の中央には凹部が形成されている、請求項1乃至4のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
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