JP6220913B2 - フリータイプ双方向クラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、入力軸と出力軸との間の動力伝達状態を変更するクラッチ装置、特に、入力軸からの正・逆回転の動力を出力軸に伝達し、出力軸からの動力の伝達は、出力軸を空転させて遮断するフリータイプ双方向クラッチに関するものである。
モーターなどの駆動源から機械装置あるいは作業機器等を駆動する動力伝達系では、駆動する機器の特性に対応するよう各種の伝達装置が使用される。このような伝達装置の中で双方向クラッチと呼ばれるものは、入力軸(駆動側)から出力軸(従動側)への動力伝達では、入力軸の正方向回転及び逆方向回転をともに出力軸に伝達し、反対向きの、出力軸から入力軸への動力伝達は遮断する機能を備えている。双方向クラッチには、出力軸からの動力伝達を遮断するときに出力軸を空転させるクラッチがあり、フリータイプ双方向クラッチと呼ばれている。
フリータイプ双方向クラッチは、一例として、電動カーテンや電動スライドドア等を手動でも操作できるようにした開閉駆動装置に適用することができる。この場合、フリータイプ双方向クラッチは、駆動モーターとカーテンの巻き上げ機構との間に介在され、入力軸に駆動モーターが、出力軸に巻き上げ機構が連結される。駆動モーターを正・逆回転させるとカーテンの昇降が可能であるとともに、駆動モーターの停止位置においては、手動による巻き上げ機構の操作が可能であって、このときには、出力軸が空転するので駆動モーターに悪影響を及ぼすことがない。こうした機能は、電磁クラッチを使用しても達成できるが、電磁クラッチを作動させるには電力を必要とし、電力制御のための複雑な制御装置等も必要となる。
フリータイプ双方向クラッチとしては、例えば、本出願人の創案に係る特許文献1に記載された双方向クラッチが知られており、これについて、図6及び図7により説明する。図6は、フリータイプ双方向クラッチの全体的な構造を示す断面図、図7(a)(b)は、その作動を示す作動図である。
図6に示すとおり、円筒形のハウジングHGの内側には、入力軸IS、出力軸OS、及び作動子MBが配設されている。入力軸ISには、入力平板部IP、及びこの入力平板部IPから軸方向に延びる断面が環状の入力筒壁部ICが設けられている。入力筒壁部ICの内周面には内歯ITが6個形成され、隣接する内歯ITとの間の谷部の断面形状は略6角形である。出力軸OSには、断面が円形であってその中心軸がO’である偏心部EBが設けられている。
作動子MBには、作動平板部MP、及びこの作動平板部MPから軸方向に延びる断面が環状の作動筒壁部MCが設けられている。作動筒壁部MCには、出力軸OSに設けられた偏心部EBが嵌まり込む円形穴CHが形成されている。作動筒壁部MCの外周面には断面形状が略6角形である外歯ETが6個形成されており、夫々の外歯ETは入力筒壁部ICの内周面において隣接する内歯ITの間の谷部に入り込んでいる。更に、ハウジングHGの内側には、入力軸ISの回転軸部の外周面に接触して入力軸ISの回転に一定の拘束力を付与するばねSが設置されている。
入力軸ISが回転すると、図7(a)に示すように、入力筒壁部ICの内周面に形成された内歯ITが作動筒壁部MCの外周面に形成された外歯ETと噛み合いこれを外側から押しつける形で、作動子MBを回転軸Oの周りで回転させる。この際には、作動子MBの円形穴CHに嵌まり込んだ偏心部EBも回転軸Oの周りを回転することから、出力軸OSが回転軸Oの周りを回転することとなる。
一方、出力軸OS側から駆動されて偏心部EBが回転軸Oの周りを回転したとしても、図7(b)に示すように、作動子MBの外周面に形成された外歯ETが入力筒壁部ICの隣接する内歯ITの間の谷部に入り込んだ状態を維持しつつ、作動子MBが回転軸Oの周りを公転する。つまり、作動子MBは、いわば姿勢を変えることなく、その全体が偏心部EBの偏心量を半径とする円周上を移動する。そのため、上記出力軸OS側からの駆動は入力軸ISに伝達されず、出力軸OSは単に空転することとなる。
特開2015−158238号
上述のとおり、図6のフリータイプ双方向クラッチは、出力軸からの動力伝達を遮断することができるコンパクトな機械部品であるけれども、用途によってはいまだ改良すべき余地が残されている。本発明は、こうしたフリータイプ双方向クラッチの、以下に述べるような課題を解決するものである。
まず、図6の双方向クラッチでは、入力筒壁部ICの内周面に形成された内歯ITの形状及び作動筒壁部MCの外周面に形成された外歯ETの形状が共に複雑であるため、入力軸IS及び作動子MBの製造工程は煩雑になりコストがかかる。
また、入力軸ISの回転が出力軸OSに伝達する際には、図7(a)に示すように、入力軸ISと作動子MBとが、入力筒壁部ICの1つの内歯ITと作動筒壁部MCの1つの外歯ETとの1点においてのみ接触する。そのため、出力軸OS側に比較的高い負荷(トルク)がかかっている場合には、入力軸ISの内歯ITは、作動子MBを回転軸O周りに回転させるだけの十分な偶力(トルク)を作動筒壁部MCの外歯ETに作用させることができず、入力軸ISの回転が出力軸OSへ伝達されないおそれがある。
上記の課題に鑑み、本発明は、作動子に断面が環状の筒壁部を設けると共に、入力軸に作動子の筒壁部が嵌まり込む環状の溝部を設け、作動子の筒壁部と入力軸の溝部とを、回転軸を挟んで対向して位置する2個所の当接部において夫々当接するように構成したものである。すなわち、本発明は、
「回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
前記ハウジングの内部には、前記出力軸に設けられた断面円形の偏心部に嵌め込まれて前記回転軸の周りを公転する作動子が設置され、
前記作動子には、前記偏心部に嵌り合う円形穴が形成されるとともに、軸方向に延びる断面が環状の筒壁部が設けられ、
前記入力軸には、前記回転軸を取り巻く環状の溝部が形成され、前記作動子の筒壁部が前記入力軸の溝部に入り込んでおり、
前記作動子と前記入力軸とは、前記筒壁部の外周面と前記溝部の外周面とが第1当接部で当接するとともに、前記第1当接部と前記回転軸を挟んで対向する位置の第2当接部で、前記筒壁部の内周面と前記溝部の内周面とが当接している」
ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチとなっている。
本発明のフリータイプ双方向クラッチでは、回転不能のハウジング内に、共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を設置すると共に、出力軸に設けられた断面円形の偏心部に嵌め込まれて回転軸の周りを公転する作動子を設置する。これらは、従来のフリータイプ双方向クラッチ(図6)と同様であるが、本発明のものでは、作動子には軸方向に延びる断面が環状の筒壁部を設け、入力軸には、回転軸を取り巻く環状の溝部を形成して、この溝部に作動子の筒壁部を入れ込む。そして、作動子及び入力軸の断面は、筒壁部の外周面と溝部の外周面とが第1当接部で当接するとともに、第1当接部と回転軸を挟んで対向する位置の第2当接部で、筒壁部の内周面と溝部の内周面とが当接するように形成されている。
本発明のフリータイプ双方向クラッチにおいて、入力軸が回転したときは、後に図2を用いて説明するように、入力軸の溝部が作動子の筒壁部と上記2個所の当接部で当接しているため、作動子が入力軸とロック状態となり、作動子は、入力軸の回転軸の周りを入力軸と一体的に回転する。作動子には出力軸の偏心部が嵌め込まれ、出力軸の回転軸は入力軸と共通であるので、入力軸は作動子を介して出力軸と一体化されることとなり、入力軸からの正・逆方向の回転は出力軸にそのまま伝達されて、出力軸が同一回転数で同じ方向に回転する。
これに対し、出力軸が回転すると、出力軸の偏心部は作動子の円形穴に対して摺動し、作動子は、自転することなくその中心が共通の回転軸の周りを回転、即ち公転することとなる。このとき、作動子の筒壁部は入力軸の溝部に入り込んでいるが、上記第1当接部及び第2当接部以外では、筒壁部と溝部との間には間隙が存在し、入力軸が停止したままで筒壁部が溝部内で公転運動することが許容されている。つまり、出力軸が回転しても、作動子は公転するだけであって、出力軸は空転し、その回転は入力軸に伝達されない。
このように、本発明のフリータイプ双方向クラッチにおいては、入力軸の溝部と作動子の筒壁部を利用して、入力軸から出力軸へ動力を伝達するとともに、反対向きの伝達は、出力軸を空転させて遮断する。ここで、出力軸への伝達の際には、回転軸を挟んで対向する位置にある第1当接部と第2当接部の2点において入力軸から作動子へ力が作用する。そのため、従来のフリータイプ双方向クラッチのような、動力伝達が1点を介して行われる場合よりも格段に大きな偶力(トルク)を、確実に作動子に作用させることができる。これにより、出力軸側に高い負荷がかかっている場合でも、出力軸を回転させ動力を伝達することが可能となる。
また、本発明のフリータイプ双方向クラッチは、複雑な形状を有する外歯及び内歯を設けることなく比較的単純な形状の機械部品で構成することが可能であるため、製造コストを低減することができると共に装置全体をコンパクトにすることができる。
本発明のフリータイプ双方向クラッチの第1実施例を示す構造図である。 第1実施例のフリータイプ双方向クラッチの作動を説明する図である。 第1実施例の動力伝達関連部品の単体図である。 本発明のフリータイプ双方向クラッチの第2実施例を示す図である。 本発明のフリータイプ双方向クラッチの第3実施例を示す図である。 従来のフリータイプ双方向クラッチの一例を示す図である。 図7のフリータイプ双方向クラッチの作動を説明する図である。
以下、図面に基づいて、本発明のフリータイプ双方向クラッチについて説明する。図1には、本発明のフリータイプ双方向クラッチの第1実施例の全体構造を示し、その作動の説明図を図2に示す。また、図3は、第1実施例のフリータイプ双方向クラッチの動力伝達関連部品を単体の状態で示すものである。
図1に示すように、第1実施例のフリータイプ双方向クラッチは、固定された断面円形のハウジング1の中心部に配置された、共通の回転軸oを有する入力軸2と出力軸3とを備えている。
ハウジング1は、円周壁部と端板部とからなるカップ状部材であって、その中心軸は入力軸2及び出力軸3の回転軸oと同一である。ハウジング1の開口端部には、ハウジング1の一部であって、その内部を閉鎖する円板状のシールド体11が圧入されている。
入力軸2は、円柱形状である入力軸部21とその先端に固着された円板形状の入力平板部22とを備えている(単体図である図3(b)も参照)。入力平板部22において入力軸部21が固着された面とは反対側の面には、入力平板部22の外周縁から回転軸oと同心に軸方向に延びる円筒形状の外輪部23と、入力平板部22の中心部から回転軸oと同心に軸方向に延びる突出部24が設けられている。
入力平板部22からの外輪部23の延出長さは突出部24のそれよりも長い。これにより、外輪部23の内側には、外輪部23の基端部の内周面と突出部24の外周面と入力平板部22とで画成された、回転軸oを取り巻く環状の溝部25が形成され、また、この溝部25と軸方向に隣接すると共に外輪部23の内周面によって画成される空洞部26が形成される。図示の第1実施例においては、外輪部23の内周面及び突出部24の外周面の断面形状は共に正6角形であり、従って、溝部25はその断面形状が内周面及び外周面共に正6角形である。
入力平板部22において入力軸部21が固着された面、即ちハウジング1の端板部と対向する端面、には回転軸oを中心とした環状の突条27が形成されている。突出部24の中心には中心孔28が形成されている。この入力軸2は、入力軸部21がハウジング1の端板部の中心を貫通してハウジング1に軸受され、突条27がハウジング1の端板部と当接する。
出力軸3は、円柱形状である出力軸部31とそれに固着された断面円形の偏心部32とを備える(単体図である図3(d)も参照)。偏心部32の中心は、出力軸3の回転軸oと距離eだけ離れており、偏心部32の出力軸部31と反対側には、入力軸2に向けて延びる中心軸33が形成されている。
この出力軸3は、出力軸部31がシールド体11の中心を貫通してシールド体11に軸受され、中心軸33は入力軸2の中央孔22嵌まり込む。この構成により、入力軸2と出力軸3とは、相互に軸受けされた状態となり、回転時における軸の傾き或いは不安定な作動が防止される。
ハウジング1の内部には、出力軸3の偏心部32に嵌め込まれて回転軸oの周りを公転する作動子4(図1及び図2ではわかりやすいようにハッチングを施す)も設置されている。作動子4は、作動平板部41と、この作動平板部41の外周縁から軸方向に延びる断面が環状の筒壁部42とを備える(単体図である図3(c)も参照)。図示の第1実施例においては、作動平板部41は断面が正6角形の平板部材であり、従って、筒壁部42の断面形状の外周面も正6角形である。また、筒壁部42の断面形状の内周面も正6角形であり、筒壁部42の断面は、回転軸oを取り巻く環状の正6角形形状となっている。
作動平板部41の中央部には、出力軸3の偏心部32と嵌り合う円形穴43が形成されている。作動平板部41において筒壁部42が設けられた面とは反対側の面、即ちハウジング1の一部であるシールド体11と対向する端面、の外周縁には環状の突条44が形成されている。
作動子4は、円形穴43に出力軸3の偏心部32が嵌め込まれた状態でハウジング1内に設置される。この際には、図1の右側の断面矢視A−Aに示すとおり、筒壁部42が入力軸2の溝部25に入り込むと共に、図1の左側の断面矢視B−Bに示すとおり、作動平板部41が入力軸2の空洞部26内に入り込む。そして、作動子4と入力軸2とは、作動子4の筒壁部42の外周面と入力軸2の溝部25の外周面(即ち外輪部23の内周面)との当接部である第1の当接部P1、及び作動子4の筒壁部42の内周面と入力軸2の溝部25の内周面(即ち突出部24の外周面)との当接部である第2の当接部P2において相互に当接し、両方の当接部P1、P2は、回転軸oを挟んで対向する位置にある。当接部以外の部分には間隙が存在し、筒壁部42が溝部25内で公転運動することが許容されることとなる。
また、突条44はシールド体11と当接するとともに、筒壁部42の先端面は入力軸2の溝部25の底面(即ち入力平板部22)と当接する。
更に、ハウジング1の内部には、作動子4と入力軸1とが当接する端面に対して軸方向に押圧力を付与するばね5が設置されている。単体部品図である図3(a)を参照することによって理解されるとおり、ばね5は円環形状の波形ばねである(図3(a)の左図における3組の実線及び破線は、波形ばねの山部と谷部を表す)。このばね5は、入力軸部21が挿通されて入力平板部22とハウジング1の端板部との間に設置され、作動子4と入力軸1とが当接する面に作用する圧力を増大させる。
ここで、図1の第1実施例のフリータイプ双方向クラッチの作動について、図2を用いて説明する。
図2(a)の断面矢視A−A等における各矢印に示すように、入力軸2が、例えば、駆動源のモーターにより反時計方向(軸方向の右方から見て)に回転すると、第1の当接部P1において、作動子4の筒壁部42の外周面は入力軸2の外輪部23の内周面によって外側から押しつけられると共に、第1の当接部P1と回転軸oを挟んで対向して位置する第2の当接部P2においても、作動子4の筒壁部42の内周面が入力軸2の突出部24の外周面によって内側から押しつけられる形で、作動子4に回転軸o周りの回転トルクが付与される。これにより、入力軸2と作動子4とが一体となりロックされた状態で、回転軸oの周りを回転する。
このように、本発明のフリータイプ双方向クラッチにおいては、入力軸2から作動子4への回転トルクの伝達が、回転軸oを挟んで対向する第1の当接部P1及び第2の当接部P2の2点を介して行われる。そのため、入力軸2から作動子4への回転トルクの伝達が1点を介して行われる場合よりも、格段に大きな偶力(トルク)を効率よく作動子4に作用させることができる。従って、仮に出力軸3側に比較的高い負荷がかかっている場合であっても、作動子4を回転軸oの周りで回転させることが可能となり、入力軸2から作動子4へ確実に動力を伝達することができる。そして、最終的には出力軸3に連なる機械装置、例えば、カーテンの巻き上げ機構が駆動されることとなる。
図示の第1実施例においては、作動子4の筒壁部42と入力軸2の溝部25は、共に断面形状が正6角形となっており、第1の当接部P1及び第2の当接部P2は、両方とも直線状となる。そのため、作動子4と入力軸2の接触面積が大きく、この点からもより大きなトルク伝達が可能となる。なお、当接部を直線状にするには、筒壁部42と溝部25の断面形状が正6角形に限定されるものではなく、多角形形状であればよいことは明らかである。
また、入力軸2及び作動子4にはハウジング1と対向する端面にハウジング1と当接する環状の突条27及び44が形成されている。これによって、回転部材である入力軸2及び作動子4と固定部材であるハウジング1との接触面積が低減され、入力軸2から出力軸3への回転トルクの伝達に対する摩擦損失が低減され、伝達効率が向上する。
ところで、作動子4の筒壁部42と入力軸2の溝部25は、作動子4の公転運動を許容する構造となっている関係上、条件によっては作動子4と入力軸2との間に相対的な運動が生じて、入力軸2と作動子4とが一体となりロックされた状態での動力伝達が円滑に行われなくなる恐れがある。
このような事態を防止するため、第1実施例においては、ばね5によって、作動子4と入力軸1とが当接する端面に対して軸方向に押圧力が付与されている。これにより、作動子4と入力軸1との間に摩擦力が作用し、両者の間の相対的な運動を阻止して、入力軸2と作動子4とが一体化された動力伝達を確実に行わせることができる。
第1実施例のフリータイプ双方向クラッチにおいて、図2(b)の中央の縦断面図における矢印に示すように、出力軸3が反時計方向(軸方向の右方から見て)に回転した場合には、出力軸3の偏心部32が作動子4の円形穴43に対して同方向に回転して摺動し、作動子4は、自転することなくその中心が回転軸oを中心とする半径eの円周上を移動、即ち公転する。つまり、作動子4の筒壁部42と入力軸2の溝部25との間には、第1当接部P1及び第2当接部P2以外の個所では間隙が存在し、筒壁部42が溝部25内で公転運動することが許容されているので、筒壁部42は、図2(b)の断面矢視A−Aにおける小円矢印のように、半径eの円周上を移動することとなり、作動子4の公転が入力軸2に回転トルクを作用させることはない。
同様に、入力軸2の空洞部26内においても作動平板部41は公転し(図2(b)の断面矢視B−B参照)、入力軸2に回転トルクを作用させることはない。つまり、出力軸3が回転しても、作動子4は公転するだけであって、出力軸3は空転し、その回転は入力軸2に伝達されない。
このように、作動子6が入力軸2に対して公転運動をすることが許容されているので、出力軸3が回転しても、作動子6は、入力軸2の内側で公転するだけであって、出力軸3は空転し、その回転は入力軸2に伝達されない。例えば、出力軸3に連なるカーテンの巻き上げ機構を駆動する動力伝達系では、駆動源のモーターを停止したまま、カーテンを手動で昇降することが可能である。
図1に示す第1実施例のフリータイプ双方向クラッチにおいては、作動子4の筒壁部42と入力軸2の溝部25とは、その断面形状が、内周面及び外周面共に正6角形であったが、断面形状は、これに限定されることはなく種々の変形例が考えられる。
例えば、図4に示す本発明の第2実施例のフリータイプ双方向クラッチでは、作動子4´の筒壁部42´と入力軸2´の溝部25´の断面形状は楕円形状となっている(従って作動平板部41´と空洞部26´の断面形状も楕円形状となっている)。第2実施例のフリータイプ双方向クラッチにおいては、筒壁部42´と溝部25´とは、中心軸を挟んで対向する2点、即ちP1´、P2´で当接することとなる。
また、図5に示す本発明の第3実施例のフリータイプ双方向クラッチは、作動子4´´の筒壁部42´´と入力軸2´´の溝部25´´の断面形状を円形形状としたものである(従って作動平板部41´´と空洞部26´´の断面形状も楕円形状となっている)。ここで、図5の第3実施例のものでは、作動子4´´を回転軸oに対してαだけ偏心(つまり、出力軸偏心部の偏心量がα)させると共に、作動子4´´の円形穴43´´と入力軸2´´の溝部25´´とを更にβだけ位置ずれさせたものとなっている。
第2実施例及び第3実施例のフリータイプ双方向クラッチも、従来(図6)のものと比べると、作動子の形状が非常に単純であって、製造が容易である。
以上詳述したように、本発明のフリータイプ双方向クラッチは、回転軸を取り巻く環状の溝部が形成された入力軸とこの入力軸に形成された溝部に入り込む筒壁部が形成された作動子とを組み合わせ、入力軸の回転時には、作動子をロック状態として動力伝達を可能とする一方、出力軸の回転時には、作動子の公転運動を許容して出力軸を空転させることにより、フリータイプ双方向クラッチの機能を達成するものである。上記の実施例では、出力軸の偏心部と作動子との間を滑り軸受けの構造としているが、出力軸の偏心部と作動子との間に転がりベアリングを介在させてもよい、また、入出力軸と作動子との間に軸方向のスラスト軸受けを設け、各可動部品の円滑な回転を図るなど、上記実施例に対し各種の変形が可能であるのは明らかである。
1:ハウジング
2:入力軸
25:溝部
3:出力軸
32:偏心部
4:作動子
42:筒壁部
43:円形穴
5:ばね
P1:第1当接部
P2:第2当接部
o:回転軸

Claims (4)

  1. 回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
    前記ハウジングの内部には、前記出力軸に設けられた断面円形の偏心部に嵌め込まれて前記回転軸の周りを公転する作動子が設置され、
    前記作動子には、前記偏心部に嵌り合う円形穴が形成されるとともに、軸方向に延びる断面が環状の筒壁部が設けられ、
    前記入力軸には、前記回転軸を取り巻く環状の溝部が形成され、前記作動子の筒壁部が前記入力軸の溝部に入り込んでおり、
    前記作動子と前記入力軸とは、前記筒壁部の外周面と前記溝部の外周面とが第1当接部で当接するとともに、前記第1当接部と前記回転軸を挟んで対向する位置の第2当接部で、前記筒壁部の内周面と前記溝部の内周面とが当接している、ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチ。
  2. 前記作動子の筒壁部と前記入力軸の溝部とは、その断面形状が、内周面及び外周面共に正多角形である、請求項1に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  3. 前記ハウジングの内部には、前記作動子と前記入力軸とが当接する端面に対して軸方向に押圧力を付与するばねが設置されている、請求項1又は2に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  4. 前記入力軸及び前記作動子には、前記ハウジングと対向する端面に、前記ハウジングと当接する環状の突条が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
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