JP2021183863A - フリータイプ双方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】入力軸からの回転を良好な効率で出力軸に伝達することができる、新規のフリータイプ双方向クラッチを提供する。【解決手段】一対の係合面28の各々を同一の曲率半径で周方向に相互に離隔する凹弧状とするとともに被係合面52を凸弧状とし、入力軸6が回転した際には、係合面28が被係合面52と面接触して突出部50の自転運動を抑制するようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、入力軸と出力軸との間の動力伝達状態を変更するクラッチ装置、特に、入力軸からの正・逆回転の動力を出力軸に伝達し、出力軸からの動力の伝達は、出力軸を空転
させて遮断するフリータイプ双方向クラッチに関するものである。
モーターなどの駆動源から機械装置あるいは作業機器等を駆動する動力伝達系では、駆動する機器の特性に対応するよう各種の伝達装置が使用される。このような伝達装置の中で双方向クラッチと呼ばれるものは、入力軸(駆動側)から出力軸(従動側)への動力伝達では、入力軸の正方向回転及び逆方向回転をともに出力軸に伝達し、反対向きの、出力軸から入力軸への動力伝達は遮断する機能を備えている。双方向クラッチには、出力軸からの動力伝達を遮断するときに出力軸を空転させるクラッチがあり、フリータイプ双方向クラッチと呼ばれている。
フリータイプ双方向クラッチは、一例として、巻き上げ式の電動カーテン等を手動でも操作できるようにした開閉駆動装置に適用することができる。この場合、フリータイプ双方向クラッチは、駆動モーターとカーテンの巻き上げ機構との間に介在され、入力軸に駆動モーターが、出力軸に巻き上げ機構が連結される。駆動モーターを正・逆回転させるとカーテンの昇降が可能であるとともに、駆動モーターの停止位置においては、手動による巻き上げ機構の操作が可能であって、このときには、出力軸が空転するので駆動モーターに悪影響を及ぼすことがない。こうした機能は、駆動モーターと巻き上げ機構との間に電磁クラッチを設置し、これを断・接しても達成できるが、電磁クラッチを作動させるには電力を必要とし、電力制御のための複雑な制御装置等も必要となる。
下記特許文献1には、回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備えたフリータイプ双方向クラッチの一例が開示されている。このフリータイプ双方向クラッチにあっては、出力軸には同心の同心歯車が設けられるとともに、ハウジングの内部には、同心歯車と噛み合う外歯歯車の形成された遊星歯車体と、遊星歯車体を自転可能に軸支し前記共通の回転軸を中心として回転可能なキャリアとが配置されている。遊星歯車体には軸方向に突出する突出部が設けられるとともに入力軸には突出部が挿入される空間部が設けられており、空間部を画成する入力軸の内周面は周方向に対向する一対の係合面を含んでいるとともに突出部の外周面は一対の係合面と面接触可能な被係合面を含んでいる。そして、入力軸が回転したときは、係合面と被係合面とが面接触して遊星歯車体の自転が阻止され、出力軸が回転したときは、同心歯車による遊星歯車体の自転が許容される。
フリータイプ双方向クラッチは、手動操作ができる電動カーテン以外にも、例えば、複写機の紙送り用ローラに適用することも可能で、これに適用すると、紙詰まりの用紙を取り除くときに、ローラを手動で逆回転させることができる。そして、フリータイプ双方向クラッチを利用すると、簡易な装置による自動的な動力伝達の制御が可能となって、電磁クラッチにより制御する場合のような、電力等の使用が不必要となるとともに、出力軸側から不測の逆入力があった場合に、駆動源のモーター等を保護することも可能となる。
特許第5926846号公報
而して特許文献1で開示されたフリータイプ双方向クラッチには、以下のような点について改良の余地が残されている。即ち、突出部の外周面の断面及び空間部を画成する入力軸の内周面の断面は共に略矩形であって、係合面及び被係合面は共に直線であることから、入力軸が回転して係合面と被係合面とが面接触した際には、係合面が被係合面を充分に押さえつけることができずに突出部の自転運動を許容してしまい、入力軸の回転を良好な効率で出力軸に伝達することができなくなる虞がある。これは、係合面及び被係合面は共に直線であることから、係合面と被係合面とが面接触しても、係合面は突出部の自転運動を阻害するにすぎず突出部の自転運動を充分に抑制することはできないためである。突出部の自転運動が充分に抑制されないと、振動等の外乱によって係合面と被係合面との面接触が容易に毀損されて所謂ガタが発生し、突出部の自転運動が許容されてしまう。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、入力軸からの回転を良好な効率で出力軸に伝達することができる、新規且つ改良されたフリータイプ双方向クラッチを提供することである。
上記の課題に鑑み、本発明者は、鋭意検討の結果、一対の係合面の各々を同一の曲率半径で周方向に相互に離隔する凹弧状とするとともに被係合面を凸弧状とし、入力軸が回転した際には、係合面が被係合面と面接触して突出部の自転運動を抑制することで、上記主たる技術的課題が解決されることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するフリータイプ双方向クラッチとして、回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸から前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
前記出力軸には同心の同心歯車が設けられるとともに、前記ハウジングの内部には、前記同心歯車と噛み合う外歯歯車の形成された遊星歯車体と、前記遊星歯車体を自転可能に軸支し前記共通の回転軸を中心として回転可能なキャリアとが配置され、
前記遊星歯車体には軸方向に突出する突出部が設けられるとともに前記入力軸には前記突出部が挿入される空間部が設けられ、
前記空間部を画成する前記入力軸の内周面は周方向に対向する一対の係合面を含んでいるとともに前記突出部の外周面は前記一対の係合面と面接触可能な被係合面を含んでおり、
前記入力軸が回転したときは、前記係合面と前記被係合面とが面接触して前記遊星歯車体の自転が阻止され、前記出力軸が回転したときは、前記同心歯車による前記遊星歯車体の自転が許容されるフリータイプ双方向クラッチにおいて、
前記一対の係合面の各々は同一の曲率半径で周方向に相互に離隔する凹弧状であるとともに前記被係合面は凸弧状である、ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチが提供される。
好ましくは、前記係合面及び前記被係合面は同一の曲率半径を有する円弧形状であって、前記曲率半径は、前記遊星歯車体の自転軸を中心とする仮想円の曲率半径の300乃至360%である。好適には、前記係合面と面接触した状態の前記被係合面の中央における接線は、前記遊星歯車体の自転軸と前記共通の回転軸とを結ぶ直線に対して10度乃至12度傾斜している。前記突出部は複数個の被係合面を有しているのがよい。前記遊星歯車体が、前記共通の回転軸の周囲に等角度間隔に複数個配置されているのが好ましい。前記出力軸に設けられた前記同心歯車が、前記遊星歯車体の径方向内側から前記遊星歯車体の外歯歯車と噛み合う外歯歯車であってもよい。好ましくは、前記キャリアには、前記遊星歯車体を挟んで対向する位置に、キャリア補助板が一体的に結合されている。前記キャリアと前記ハウジングとの間には制動用のばねが配設されているのが好都合である。
本発明のフリータイプ双方向クラッチにおいては、係合面が凹弧状であるとともに被係合面が凸弧状であって且つ両弧状は同一の曲率半径を有することに起因して、入力軸が回転して係合面と被係合面とが面接触すると、突出部は、被係合面が係合面から受ける力によって、自身の自転軸周りの一方向と反対方向の両方向への回転モーメントを同時に受けることとなり、突出部の自転運動は阻害されるだけでなく充分に抑制もされる。それ故に、入力軸が回転する際には、係合面と被係合面との面接触が毀損されて所謂ガタが発生することなく係合面と被係合面との面接触は維持され、入力軸の回転を良好な効率で出力軸に伝達することができる。
本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチの好適実施形態の構造を示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチのハウジングを単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの入力軸を単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの出力軸を単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの遊星歯車体を単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチのキャリアを単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの入力軸を回転させたときの状態を示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの出力軸を回転させたときの状態を示す図。 本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチの他の実施形態の構造を示す図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成されるフリータイプ双方向クラッチの好適実施形態について、更に詳述する。
図1を参照して説明すると、全体が番号2で示される本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチは、回転不能のハウジング4、ハウジング4内で共通の回転軸oを中心として回転可能な入力軸6及び出力軸8を備えている。以下の説明においては、特に指定しない限り、「軸方向片側」とは図1の中央縦断面において右側を、「軸方向他側」とは同図の中央縦断面において左側を夫々示すものとする。
図1と共に図2を参照して説明すると、ハウジング4は金属製であって、図2(a)に示すハウジング本体4aと図2(b)に示すシールド板4bとを備えている。ハウジング本体4aは断面の外周が略正方形の筒壁10と端板12とからなるカップ状部材であって、中心軸は共通の回転軸oと同一である。筒壁10の断面の内周は円形である。端板12の中央には出力軸8を軸受けするための断面円形の貫通穴14が形成されている。端板12の軸方向片側面には貫通穴14の外周縁を囲繞して軸方向に突出し、外周面が筒壁10の内周面と対向する円筒形状の支持壁16が形成されている。シールド板4bは略正方形であってボルトの如き図示しない適宜の固定具によって筒壁10に固定されており、筒壁10の開口端を閉鎖している。シールド板4bの中央には入力軸6を軸受けするための断面円形の貫通穴20が形成されている。
図1と共に図3を参照して説明すると、入力軸6は金属製であり、シールド板4bの貫通穴20に挿入される軸部22を備えている。軸部22は軸方向に直線状に延びる筒状であって、その断面の外周は円形であるが内周は正6角形である。軸部22の軸方向片側端は解放されているが軸方向他側端は閉塞されており、電動モーターの如き図示しない駆動源から延びるシャフトが軸部22の内側に挿入されて、入力軸6は駆動源に接続される。軸部22の軸方向他側端部にはフランジ部24が設けられている。フランジ部24は軸部22の外周面から径方向外方に延出する円板形状であり、フランジ部24の中心軸も共通の中心軸oと同一である。フランジ部24には、軸方向に貫通し且つ後述する遊星歯車体の突出部が自転可能に挿入される空間部26が設けられている。図示の実施形態においては、空間部26は周方向に等角度間隔をおいて4つ形成されている。そして、空間部26を画成する入力軸6の内周面(つまりフランジ部24の内周面)には周方向に対向する一対の係合面28が設けられている。係合面28の形状については後述する。フランジ部24の中央には、軸方向他側に突出する円柱形状の軸突起30も形成されている。
図1と共に図4を参照して説明すると、出力軸8は金属製であり、ハウジング4aの貫通穴14に挿入される軸部32を備えている。軸部32は軸方向に直線状に延びる筒形状であって、軸方向他側端部を除いて断面円形である。軸部32の軸方向他側端部には、断面が正6角形である接続部34が設けられており、接続部34が図示しない従動部材から延びるシャフトに挿入されることで、出力軸8は従動部材に接続される。軸部32における、上記軸方向他側端部を除く部分の軸方向中間部には、外周面から径方向外方に延出する円環形状の鍔部36が設けられている。鍔部36の軸方向他側面はハウジング4aに形成された支持壁16の軸方向端面と当接し、これにより出力軸8がハウジング4aから抜けることが防止される。軸部32の軸方向片側端部の外周面には鍔部36の軸方向片側面と隣接して共通の中心軸oと同心の外歯歯車38(同心歯車)が形成されている。図1の中央縦断面図を参照することによって理解されるとおり、軸部32の軸方向片側端部の内側には入力軸6の軸突起30が嵌り込み、これによって、入力軸6及び出力軸8が相対回転する際の芯ぶれが防止される。
図1に示すとおり、ハウジング4の内部には、金属製の遊星歯車体40と、遊星歯車体40を自転可能に軸支し共通の回転軸oを中心として回転可能な金属製のキャリア42も配置されている。遊星歯車体40は、共通の回転軸oの周囲に等角度間隔に複数個配置されているのがよく、図示の実施形態においては、遊星歯車体40は4個配置されている。
図1と共に図5を参照して説明すると、遊星歯車体40は軸方向に延びる円筒形状の軸部44を備えている。軸部44の軸方向中間部には、外周面から径方向外方に延出する円環形状の鍔部46が形成されている。軸部44の外周面には、出力軸8の外歯歯車38(同心歯車)と噛み合う外歯歯車48も形成されている。外歯歯車48は、軸部44の軸方向他側端部を除く軸方向他側半部に形成されており、軸方向片側面は鍔部46の軸方向他側面に接続されている。遊星歯車体40には、軸方向に突出して入力軸6に形成された空間部26に挿入される突出部50も設けられている。突出部50は軸部44において鍔部46よりも軸方向片側部分に設けられており、突出部50が空間部26に挿入されると、鍔部46は入力軸6のフランジ部24と出力軸8の外歯歯車38とによって挟み込まれ、遊星歯車体40の軸方向への移動は規制される。突出部50の外周面は、入力軸6に形成された一対の係合面28の各々と面接触可能な被係合面52を備えている。被係合面52の形状については係合面28の形状と共に後述する。突出部50は複数個の被係合面52を有しているのがよく、図示の実施形態においては、2つの被係合面52が遊星歯車体40の中心軸を中心とする直径方向において対向して設けられている。
図1と共に図6を参照して説明すると、キャリア42は共通の回転軸oに対して垂直な円形の基板54を備えている。基板54の中央には軸方向に貫通する円形の支持穴56が形成されており、この支持穴56にハウジング4aに形成された支持壁16が挿入されることで、キャリア42は回転可能な状態でハウジング4aに支持される。基板54の径方向中間部には、遊星歯車体40を回転可能に軸支するためのキャリア軸58が周方向に等角度間隔をおいて4個形成されている。キャリア軸58は断面円形であって軸方向に直線状に延出しており、その延出端部60の外径は低減されている。基板54の外周縁には、軸方向片側に延出する円筒形状の外周壁62が接続されている。外周壁62の延出端部には周方向に延在する係止切り欠き64が周方向に等角度間隔をおいて4つ形成されている。
図1に示すとおり、キャリア42には、遊星歯車体40を挟んで対向する位置に、キャリア補助板66が一体的に結合されている。図6(b)に示すとおり、キャリア補助板66は円板形状であって、径方向中間部には軸方向に貫通する円形の軸穴68が、外周面には径方向外方に突出する円弧状の係止片70が夫々周方向に等角度間隔をおいて4つずつ形成されており、軸穴68にキャリア軸58の延出端部60が挿入されると共に係止片70が係止切り欠き64に嵌り込むことで、キャリア補助板66はキャリア42と一体的に結合される。キャリア補助板66の中央には円形の中央穴72も形成されており、中央穴72には入力軸6の軸部22が挿通される。図1に示すとおり、キャリア補助板66はシールド板4bと軸方向に隣接して配置され、両者の間には軸方向に付勢する金属製の波ばね74が設けられている。固定のシールド板4bと波ばね74との間、及び、波ばね74とキャリア補助板66との間の夫々の摩擦に起因して、キャリア42には所定の制動トルクが付与されることとなる。
ここで、本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチにあっては、入力軸6に設けられた一対の係合面28の各々と、遊星歯車体40の突出部50に設けられた被係合面52とは面接触可能であり、一対の係合面28の各々は同一の曲率半径で周方向に相互に離隔する凹弧状であるとともに被係合面52は凸弧状であることが重要である。係合面28及び被係合面52は同一の曲率半径を有する円弧形状であって、その曲率半径は、遊星歯車体40の自転軸82を中心とする仮想円76の曲率半径の300乃至360%であるのが好ましい(図1のA−A断面及び図7の部分拡大図を参照されたい)。
続いて、図7及び図8を参照して、フリータイプ双方向クラッチ2の作動について説明する。図7及び図8のA−A断面及びB−B断面においては、矢印を容易に認識できるようにハッチングは付していない。
図7における各矢印に示すように、入力軸6が、例えば、駆動源のモーターにより反時計方向(中央縦断面図の右方から見て)に回転すると、入力軸6のフランジ部24に形成された空間部26も反時計方向に移動する。これにより、空間部26を画成する入力軸6の内周面の一部である一対の係合面28のうち回転方向の後ろ側に位置する方と、遊星歯車体40の突出部50の外周面の一部である被係合面52とが面接触することとなる。このとき、同図中の拡大図に示すとおり、上記係合面28と面接触した状態の被係合面52の中央78における接線80は、遊星歯車体40の自転軸82と共通の回転軸oとを結ぶ直線84に対して10度乃至12度傾斜しているのがよく、図示の実施形態においては、11度傾斜している。上記係合面28と被係合面52とが面接触すると、突出部50は空間部26内で自転できなくなり、遊星歯車体40とキャリア42とは、入力軸6とロック状態で一体的に回転する。これにより、出力軸8は、外歯歯車38と遊星歯車40の外歯歯車48との噛み合いによって、遊星歯車体40の移動(回転軸oの周りの公転)と一体となって回転する。なお、係合面28と被係合面52とが面接触するまでは、遊星歯車体40は自転しながら公転することとなる。図示の実施形態においては、キャリア42には波ばね74によって所定の抵抗トルクが付与されていることで、係合面28と被係合面52とは円滑に面接触することができる。
本発明のフリータイプ双方向クラッチにおいては、係合面28が凹弧状であるとともに被係合面52が凸弧状であって且つ両弧状は同一の曲率半径を有することに起因して、入力軸6が回転して係合面28と被係合面52とが面接触すると、突出部50は、被係合面52が係合面28から受ける力(これを図7の拡大図において実線の小矢印で示す)によって、自身の自転軸82周りの一方向と反対方向の両方向への回転モーメント(これを同図において破線の矢印で示す)を同時に受けることとなり、突出部50の自転運動は阻害されるだけでなく抑制もされる。それ故に、入力軸6が回転する際には、係合面28と被係合面52との面接触が毀損されて所謂ガタが発生することなく係合面28と被係合面52との面接触は維持され、入力軸6の回転を良好な効率で出力軸8に伝達することができる。
このように、入力軸6が回転すると、遊星歯車体40の外歯歯車48と出力軸8の外歯歯車38を介して出力軸8を回転させ、これに連なる機械装置、例えば、カーテンの巻き上げ機構に駆動力が伝達される。遊星歯車体40等の入出力軸間の部材が全体的にロックされるこの駆動力の伝達は、入力軸6の回転方向が逆であっても同じである。
これに対して、図8において矢印で示すように、出力軸8が反時計方向(中央縦断面図の右方から見て)に回転した場合には、出力軸8の外歯歯車38が、これと噛み合う遊星歯車体40の外歯歯車48に自転の回転トルクを与えるが、遊星歯車体40の突出部50は入力軸6の空間部26内で自転することとなり、遊星歯車体40は入力軸6に対してなんら回転トルクを付与することはない。被係合面52と係合面28とが面接触していた状態(つまり図7に示す状態)であっても、遊星歯車体40に伝達された回転トルクによって被係合面52が係合面28を押すことで、遊星歯車体40(及びこれを軸支するキャリア42)は図8において小矢印で示す如く被係合面52がそれまで面接触していた係合面28から離隔する方向に僅かに公転し、突出部50は空間部26内で回転可能な状態となる。従って、出力軸8が回転しても、キャリア42に軸支された遊星歯車体40が自転するだけであって、入力軸6は回転せず、動力伝達は遮断される。
ここで、係合面28及び被係合面52が共に円弧形状であって、係合面28及び被係合面52の曲率半径が、遊星歯車体40の自転軸82を中心とする仮想円76の曲率半径の300乃至360%であると、入力軸6が回転した際には係合面28と係合面52との面接触が充分に維持されて良好な効率で出力軸8に回転を伝達することができると共に、出力軸8が回転した際には被係合面52が係合面28から容易に離隔することができて突出部50が円滑に自転可能となる。係合面28と面接触した状態の被係合面52の中央78における接線80が、遊星歯車体40の自転軸82と共通の回転軸oとを結ぶ直線84に対して10度乃至12度傾斜している場合も同様の効果が得られる。
図9には本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチの他の実施形態が示されている。以下においては、上述した実施形態のものと相違する構成についてのみ説明し、同一の構成については同一の番号に「´」を付して説明を省略する。
番号2´で示される本実施形態のフリータイプ双方向クラッチにあっては、出力軸8´には同心の内歯歯車38´(同心歯車)が形成されている。入力軸6´のフランジ部24´には空間部26´が周方向に等角度間隔をおいて3つ形成されている。このことから、本実施形態においては、遊星歯車体40´は3つ配設されている。キャリア42´は、その基板54´がシールド板4b´と軸方向に隣接して配置されており、波ばね74´はキャリア42´に直接的に抵抗トルクを付与している。本実施形態のフリータイプ双方向クラッチは、出力軸8´に設けられた同心歯車が内歯歯車38´であることから、図1に示すフリータイプ双方向クラッチと比較して、入力軸6´の回転を出力軸8´に伝達する際に遊星歯車体40´が自転して被係合面52´と係合面28´とが面接触するまでの回転角度(所謂遊び)を小さくすることができる、というメリットがあるが、出力軸8´の製造工程が幾分煩雑となり製造コストが増大する、というデメリットがある。
以上、本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチについて添付した図面を参照して詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲内において適宜の変更をすることができる。例えば、上述した実施形態においては、入力軸及び出力軸並びに遊星歯車体はいずれも金属製であったが、フリータイプ双方向クラッチが軽負荷で使用される場合には、上記構成部品は合成樹脂製であってもよい。
2:フリータイプ双方向クラッチ
4:ハウジング
6:入力軸
8:出力軸
24:フランジ部
26:空間部
28:係合面
38:同心歯車(外歯歯車、内歯歯車)
40:遊星歯車体
42:キャリア
48:(遊星歯車体の)外歯歯車
50:突出部
52:被係合面

Claims (8)

  1. 回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸から前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
    前記出力軸には同心の同心歯車が設けられるとともに、前記ハウジングの内部には、前記同心歯車と噛み合う外歯歯車の形成された遊星歯車体と、前記遊星歯車体を自転可能に軸支し前記共通の回転軸を中心として回転可能なキャリアとが配置され、
    前記遊星歯車体には軸方向に突出する突出部が設けられるとともに前記入力軸には前記突出部が挿入される空間部が設けられ、
    前記空間部を画成する前記入力軸の内周面は周方向に対向する一対の係合面を含んでいるとともに前記突出部の外周面は前記一対の係合面と面接触可能な被係合面を含んでおり、
    前記入力軸が回転したときは、前記係合面と前記被係合面とが面接触して前記遊星歯車体の自転が阻止され、前記出力軸が回転したときは、前記同心歯車による前記遊星歯車体の自転が許容されるフリータイプ双方向クラッチにおいて、
    前記一対の係合面の各々は同一の曲率半径で周方向に相互に離隔する凹弧状であるとともに前記被係合面は凸弧状である、ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチ。
  2. 前記係合面及び前記被係合面は同一の曲率半径を有する円弧形状であって、前記曲率半径は、前記遊星歯車体の自転軸を中心とする仮想円の曲率半径の300乃至360%である、請求項1に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  3. 前記係合面と面接触した状態の前記被係合面の中央における接線は、前記遊星歯車体の自転軸と前記共通の回転軸とを結ぶ直線に対して10度乃至12度傾斜している、請求項1又は2に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  4. 前記突出部は複数個の被係合面を有している、請求項1乃至3のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  5. 前記遊星歯車体が、前記共通の回転軸の周囲に等角度間隔に複数個配置されている、請求項1乃至4のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  6. 前記出力軸に設けられた前記同心歯車が、前記遊星歯車体の径方向内側から前記遊星歯車体の外歯歯車と噛み合う外歯歯車である、請求項1乃至5のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  7. 前記キャリアには、前記遊星歯車体を挟んで対向する位置に、キャリア補助板が一体的に結合されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  8. 前記キャリアと前記ハウジングとの間には制動用のばねが配設されている、請求項1乃至7のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
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