JP6854369B1 - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

逆入力遮断クラッチ Download PDF

Info

Publication number
JP6854369B1
JP6854369B1 JP2020052156A JP2020052156A JP6854369B1 JP 6854369 B1 JP6854369 B1 JP 6854369B1 JP 2020052156 A JP2020052156 A JP 2020052156A JP 2020052156 A JP2020052156 A JP 2020052156A JP 6854369 B1 JP6854369 B1 JP 6854369B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
engaging
output member
shaft
retainer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020052156A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021152370A (ja
Inventor
汐里 池川
汐里 池川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Origin Co Ltd
Original Assignee
Origin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Origin Co Ltd filed Critical Origin Co Ltd
Priority to JP2020052156A priority Critical patent/JP6854369B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6854369B1 publication Critical patent/JP6854369B1/ja
Publication of JP2021152370A publication Critical patent/JP2021152370A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

【課題】リンク機構を利用することで構成が簡単で且つコンパクトでありながら、入力部材から出力部材へ大きな回転トルクを伝達することが可能な逆入力遮断クラッチを提供すること。【解決手段】入力部材4に設けられた枢軸20にリンク部材22を回動自在に嵌め合わせ、リンク部材22が備える係合軸28には係合面32を、出力部材6の外周面には被係合面64を夫々形成し、入力部材4が回転したときに、係合面32と被係合面64とを面接触させる。【選択図】図1

Description

本発明は、逆入力遮断クラッチ、特に、入力部材から出力部材への回転は伝達されるが、所要操作がされた後にあっては、出力部材から入力部材への回転は出力部材が空転して伝達されない逆入力遮断クラッチに関するものである。
自動車やカートの如き車両や船舶等種々の乗り物の操舵機構として、例えばラック・アンド・ピニオン方式が従来から広く用いられている。この方式は、ピニオン・ギアとよばれる円形歯車と、長手方向に延びる平板若しくは棒に歯切りをしたラック・ギアとを組み合わせたものである。上記方式が車両に用いられる場合、ピニオン・ギアはステアリング・ホイールから延びるシャフトに連結され、ラック・ギアは車両前後軸に対して垂直な状態でピニオン・ギアと組み合わされ、車輪はラック・ギアの長手方向両端に設けられる。これにより、ステアリング・ホイールを操作することで、ピニオン・ギアが回転すると共にラックが車両前後軸に対し左右方向に水平移動し、車輪の向きを変えることができる。
また、近時では、自動運転が可能な乗り物もある。操舵機構がラック・アンド・ピニオン方式の場合、自動運転時には、ピニオン・ギア又はラック・ギアが電動モーターの如き駆動源によって直接的に駆動される。このとき、ピニオン・ギア又はラック・ギアが精確に作動するために、換言すれば、電動モーターによってピニオン・ギア又はラック・ギアが回転駆動される際にかかる回転駆動がステアリング・ホイールの操作によって阻害されることを防止するために、ステアリング・ホイールからの回転は遮断されるようにするのが良い。これは、例えば、ステアリング・ホイールとピニオン・ギアとの間に逆入力遮断クラッチを設け、手動運転時にはステアリング・ホイールからピニオン・ギアへ回転が伝達されるが、自動運転時には、ステアリング・ホイールを電磁ブレーキの如き適宜のブレーキ手段で保持し、ピニオン・ギアをステアリング・ホイールに対して空転させることで可能となる。
上述したような逆入力遮断クラッチの一例としては、本願の出願によって本願より先に出願されて既に特許された下記特許文献1のものがある。これについて図9を参照して説明する。図9に示す逆入力遮断クラッチは、共通の中心軸oの回りに回転する入力部材I及び出力部材Oを備えている。入力部材Iは略円柱形状であると共に出力部材Oは筒形状であり、入力部材Iは出力部材Oの内側にこれと相対回転可能に挿入されている。出力部材Oの断面の外周には、周方向に等角度間隔をおいて配置された複数個の円弧面S1が規定されている。複数個の円弧面S1の夫々は共通の円周の一部をなすと共にその周方向長さは同一であって、周方向に隣接する2つの円弧面S1の間には夫々直線状のカム面S2が設けられている。出力部材Oは円筒形状のリテーナRの内側にこれと相対回転可能に挿入されており、リテーナRと出力部材Oと入力部材Iとはリンク部材Lによって接続されている。リンク部材Lは径方向に延びるリンク本体Lmと、リンク本体Lmの径方向両端部において軸方向に延びる枢軸La及び係合軸Lbとを備えたコの字形状である。入力部材Iの外周面及びリテーナRの内周面には夫々軸方向に延びる溝が形成されており、リンク部材Lは、枢軸Laが入力部材Iの外周面に形成された溝に、係合軸LbがリテーナRの内周面に形成された溝に夫々挿入されて、リンク本体Lmが出力部材Oの内周面と外周面とを跨いだ状態で、リテーナRと出力部材Oと入力部材Iと組み合わされる。
そして、入力部材Iが一方向に回転すると、図9(b)に示すとおり、リンク部材Lは、入力部材Iの外周面に形成された溝に挿入された枢軸Laが入力部材Iと一体的に移動するのに対し、リテーナRの内周面に形成された溝に挿入された係合軸Lbは、リテーナRの抵抗力や慣性等により移動が遅延するため、リンク部材Lが入力部材Iと相対的に回動して、その連結部(つまりリンク本体Lm)が半径方向に対し傾斜することとなる。そのため、係合軸Lbの回転軸からの径方向の距離が縮小し、リンク部材Lの係合軸Lbは、出力部材Oの外周面に設けられたカム面S2に当接する。入力部材Iがさらに回転すると、入力部材Iは、リンク部材Lにより出力部材Oを連れ回すように回転させ、入力部材Iの回転トルクがリンク部材Lを介して出力部材Oに伝達される。入力部材Iの回転が完了した後には、入力部材Iを反対方向に回転させることによって、枢軸Laが反対方向に回転してリンク本体Lmは径方向に対して再び起立し、係合軸Lbの回転軸からの径方向の距離が増大する。これによって、出力部材Oは入力部材Iに対して回転可能となり、出力部材Oから入力部材Iへの回転、つまり逆入力が遮断されることとなる。
特許第6524291号公報
上記特許文献1で開示された逆入力遮断クラッチは、リンク機構を利用したことで構成が簡単で且つ比較的コンパクトであるものの以下のような解決すべき課題を備えている。即ち、上記特許文献1で開示された逆入力遮断クラッチにあっては、リンク部材Lの係合軸Lbの断面形状は円形であり、入力部材Iから出力部材Oに回転が伝達される際には、係合軸Lbは出力部材Oの外周面と線接触(断面図においては点接触)することから、(1)係合軸Lbと出力部材Oの外周面との間で充分な摩擦力を得ることができずに係合軸Lbが出力部材Oに対して滑りを生ずる虞、(2)係合軸Lbと出力部材Oの外周面との接触部に荷重が集中して損傷する虞があり、入力部材Iから出力部材Oに充分な大きさの回転トルクを伝達することができない、という課題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、リンク機構を利用することで構成が簡単で且つコンパクトでありながら、入力部材から出力部材へ大きな回転トルクを伝達することが可能な、新規且つ改良された逆入力遮断クラッチを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、入力部材に設けられた枢軸にリンク部材を回動自在に嵌め合わせ、リンク部材が備える係合軸には係合面を、出力部材の外周面には被係合面を夫々形成し、入力部材が回転したときに、係合面と被係合面とを面接触させることで、上記主たる技術的課題を解決することができることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決する逆入力遮断クラッチとして、共通の回転軸を中心として回転可能な入力部材及び出力部材を備えた逆入力遮断クラッチであって、
前記入力部材には前記共通の回転軸と平行に軸方向に延びる枢軸が設けられ、前記枢軸にはリンク部材が回動自在に嵌め合わされており、
前記リンク部材は前記枢軸と平行に軸方向に延びる係合軸を備え、前記係合軸の先端部には案内片が形成されており、前記案内片は、前記共通の回転軸を中心として回転可能なリテーナに形成された径方向に延びる案内溝に沿って移動可能であって、前記リテーナには抵抗トルク付与手段によって所定の抵抗トルクが付与されており、
前記リンク部材の前記係合軸の外周には係合面が、前記出力部材の外周には被係合面が夫々形成されており、前記係合面と前記被係合面とは面接触可能であり、
前記入力部材の回転により、前記係合面と前記被係合面とが面接触すると、前記入力部材の回転は前記出力部材に伝達される一方、前記案内片が前記案内溝の所定位置にあるときは、前記係合面は前記被係合面から離隔し、前記出力部材の回転は、前記入力部材が前記出力部材に対し空転して前記入力部材に伝達されない、ことを特徴とする逆入力遮断クラッチが提供される。
好ましくは、前記出力部材の外周面には軸方向に延びる凹溝が形成されており、前記被係合面は前記凹溝の周方向両側面に規定されている。この場合には、前記凹溝は周方向に間隔をおいて複数形成されているのがよい。好適には、前記凹溝の周方向両側面に規定された2つの前記被係合面は90度の角度をなしており、前記係合面及び前記被係合面はいずれも平坦である。前記枢軸は周方向に180度の角度間隔をおいて2つ設けられており、2つの前記枢軸の各々に前記リンク部材が嵌め合わされているのが好ましい。好ましくは、前記入力部材、前記出力部材、前記リンク部材、前記抵抗トルク付与手段、及び前記リテーナは固定のハウジングに収納されている。この場合には、前記抵抗トルク付与手段は波ばねであって、前記ハウジングとの間の摩擦によって前記リテーナに抵抗トルクを付与するのがよい。
本発明の逆入力遮断クラッチでは、入力部材に設けられた枢軸にリンク部材が回動自在に嵌め合わされ、リンク部材が備える係合軸の外周には係合面が、出力部材の外周には被係合面が夫々形成されており、そして、入力部材からの回転は、係合面と被係合面とが面接触することにより出力部材へ伝達される。これにより、入力部材から出力部材に回転を伝達する際に、リンク部材の係合軸が出力部材に対して滑ること、また係合軸と出力部材とに荷重が集中していずれかの部位又は部材が損傷してしまうことが可及的に防止され、入力部材から出力部材に大きな回転トルクを伝達することができる。
本発明に従って構成された逆入力遮断クラッチの好適実施形態を示す構成図。 図1に示す逆入力遮断クラッチの各構成部品を分解して示す斜視図。 図1に示す逆入力遮断クラッチの入力部材を単体で示す図。 図1に示す逆入力遮断クラッチのリンク部材を単体で示す図。 図1に示す逆入力遮断クラッチのリテーナを単体で示す図。 図1に示す逆入力遮断クラッチの出力部材を単体で示す図。 図1に示す逆入力遮断クラッチのハウジングを単体で示す図。 図1に示す逆入力遮断クラッチの作動を説明するための図。 従来の逆入力遮断クラッチの一例を説明するための図。
以下、本発明に従って構成された逆入力遮断クラッチの好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1及び図2を参照して説明すると、本発明に従って構成された、全体を番号2で示す逆入力遮断クラッチは、共通の回転軸oを中心として回転可能な入力部材4及び出力部材6を備えている。ここで、以下の説明における「軸方向片側」及び「軸方向他側」とは、特に指定しない限り、図1の中央縦断面に示される状態を基準として、「軸方向片側」は同図において入力部材4が配置されている側つまり同図において左側を、「軸方向他側」は同図において出力部材6が配置されている側つまり同図において右側のことを言う。
図1及び図2と共に図3を参照して説明すると、入力部材4は金属製であって、軸方向に延びる筒状の入力軸部8と、この入力軸部8の軸方向他側端に設けられた入力フランジ部10とを備えており、中央には軸方向に貫通する断面円形の軸穴12が形成されている。かかる軸穴12には、図1の中央縦断面に示されるとおり、金属製の円筒形状部材であるシム14が配設され、シム14の内側には後述する出力連結軸部材が挿通される。入力軸部8は全体的に円筒形状であってその外周面には直径方向に対向する一対の平坦面16が形成されており、入力軸部8は一対の平坦面16を介して、例えばステアリング・ホイールから延びるシャフトに接続される。入力フランジ部10は円板形状であって、その外周面には径方向外側に向かって突出する一対の突部18a及び18bが形成されている。一対の突部18a及び18bの各々は同一の周方向長さを有する円弧形状であって直径方向に対向して設けられている。入力部材4には共通の回転軸oと平行に軸方向に延びる枢軸20が設けられている。図示の実施形態においては、枢軸20は円柱形状であって、入力フランジ部10の軸方向他側面に設けられている。枢軸20は周方向に180度の角度間隔をおいて2つ設けられており、いずれの枢軸20も周方向に見て一対の突部18a及び18bの中間に位置している。
入力部材4の枢軸20には番号22で示されるリンク部材が回動自在に嵌め合わされている。図1及び図8の中央縦断面においては、容易に理解できるように、リンク部材22の断面には薄墨を付して示している。図示の実施形態においては、枢軸20は2つ設けられており、2つの枢軸20の各々にリンク部材22は嵌め合わされている。図1及び図2と共に図4を参照して説明すると、リンク部材22は金属製であって、細長板形状のリンク片24を備えている。リンク片24の一方端は半円形状にせしめられており、一方端部には枢軸20が挿通される円形の軸穴26が形成されている。リンク片24の他方端部には、枢軸20と平行に軸方向に延びる係合軸28が形成されている。係合軸28は円柱形状の係合軸主部28aと、係合軸主部28aの外周面に付設された係合突部28bとを備えている。係合突部28bは係合軸主部28aの先端部を除く部分に設けられており、係合軸主部28aの先端部には、案内片30が規定されている。従って、図示の実施形態においては、案内片30の断面は円形である。案内片30については後に言及する。係合突部28bは、平面視(つまり図4左図)において係合軸主部28aの外周面から軸穴26に向かって突出する略矩形形状である。ここで、係合軸28の外周には係合面32が形成されている。図示の実施形態においては、係合面32は、係合突部28bの外周面における係合軸主部28aの中心と軸穴26の中心とを結ぶ直線に対し垂直な面に規定されており、平坦である。
係合軸28に形成された案内片30は番号36で示されるリテーナと協働し、リテーナ36に形成された径方向に延びる案内溝38に沿って移動可能である。図1及び図2と共に図5を参照して説明すると、リテーナ36は金属製であって、共通の回転軸oを中心として回転可能であり、円環形状のリテーナ基部40と、リテーナ基部40の外周縁から軸方向に延びる円筒形状のリテーナ側壁部42とを具備している。リテーナ基部40は、入力部材4の入力フランジ部10の軸方向他側においてこれと軸方向に対向すると共に、出力部材6の外周を囲繞して配置されている。上記案内溝38はリテーナ基部40の軸方向片側面において直線状に形成されており、案内溝38には案内片30が嵌り込んでいる。図示の実施形態においては、案内溝38は周方向に180度の角度間隔をおいて2つ設けられている。一方、リテーナ基部40の軸方向他側面には円形の凹部44が形成されている。凹部44には後述する抵抗トルク付与手段が配設され、リテーナ36には所定の抵抗トルクが付与される。
リテーナ側壁部42はリテーナ基部40の軸方向片側面から軸方向片側に向かって延びている。リテーナ側壁部42には径方向に貫通する開口46が2つ形成されている。2つの開口46は共にリテーナ側壁部42の軸方向片側端からリテーナ基部40の軸方向片側面まで直線状に延びる矩形形状であって、上記軸方向片側端は軸方向に開放されている。2つの開口46は案内溝38が形成されている周方向角度位置に対応して形成されており、案内溝38は周方向に見て開口46の内側に位置している。リテーナ側壁部42の内周面には、一対のばね支持片48a及び48bが形成されている。一対のばね支持片48a及び48bの各々はリテーナ側壁部42の内周面から径方向内側に突出するL字形状であって、軸方向片端に臨む部分50a及び50bを備えている。図5の下段左図において、一対のばね支持片48a及び48bの各々は線対称に配置されている。そして、同図の時計方向に見て、部分50aの時計方向端面から部分50bの反時計方向端面までの周方向角度間隔は、部分50bの時計方向端面から部分50aの反時計方向端面までの周方向角度間隔よりも大きい。ここで、リテーナ36が所要とおりに入力部材4と組み合されると、図1のC−C断面に示すとおり、リテーナ側壁部42の軸方向片端部が入力フランジ部10の外周面を囲繞すると共に、入力フランジ部10の外周面に形成された一対の突部18a及び18bの各々と上記部分50a及び50bとは夫々周方向の異なる位置に配置され、突部18aと部分50aとの間、突部18aと部分50bとの間には夫々空間部52a及び52bが規定される。空間部52a及び52bには夫々付勢ばね54a及び54bが収容され、突部18aは、付勢ばね54aにより図1のC−C断面において時計方向に、付勢ばね54bにより同反時計方向に夫々付勢される。
図1及び図2と共に図6を参照して説明すると、出力部材6は金属製であって、軸方向に所要厚さを有し、軸方向両側には共に軸方向に対し垂直で平坦な一対の側面56が設けられている。出力部材6は、リテーナ36の内側において、軸方向片側の側面56が、入力部材4の入力フランジ部10の軸方向他側の面と対向して配置されている。出力部材6の中央には貫通穴58が形成されており、この貫通穴58には出力連結軸部材60が挿通されている。出力連結軸部材60と出力部材6とはキー62によって一体回転可能に連結され、出力部材6は出力連結軸部材60を介して例えばピニオン・ギアに接続される。出力連結軸部材60は共通の回転軸oに沿って直線状に延びており、入力部材4に形成された軸穴12にも挿通されている。上述したとおり、出力連結軸部材60と入力部材4との間にはシム14が介在する。出力部材6の外周面には、リンク部材22の係合軸28に形成された係合面32と面接触可能な被係合面64が形成されている。図示の実施形態においては、出力部材6の外周面には軸方向に延びる凹溝66が周方向に間隔をおいて複数(図示の実施形態においては10個)形成されており、被係合面64は複数の凹溝66の夫々の周方向両側面に規定されている。そして、凹溝66の周方向両側面に規定された2つの被係合面64は90度をなし、いずれも平坦である。出力部材6における凹溝66が形成されていない部分は、図6の左図において一点鎖線で示される共通の仮想円周上に位置する。
ここで、図示の実施形態の逆入力遮断クラッチ2にあっては、入力部材4、出力部材6、リンク部材22、及びリテーナ36は固定のハウジング68に収容されている。図1及び図8では、全体が容易に理解できるようにハウジング68にはハッチングを付していない。ハウジング68について図1及び図2と共に図7を参照して説明すると、ハウジング68は図7(a)に示される合成樹脂製のハウジング本体70と、図7(b)に示される合成樹脂製のシールド板72とから構成されている。ハウジング本体70は共通の回転軸oに対して垂直な円形の端板74と、端板74の軸方向片側面から共通の回転軸oと同心軸状に軸方向に延びる円筒形状の外周壁76とを備え、上記の各構成部材は外周壁76の内側に形成された空間部に収容されている。端板74の中央には出力連結軸部材60が貫通する断面円形の挿通穴78が形成されている。端板74の外周縁部、さらに詳しくは、外周壁76よりも径方向外側の縁部には、ハウジング本体70を外部の固定壁(図示せず)に取り付ける際に使用される取付穴80が周方向に間隔をおいて複数形成されている。外周壁76の軸方向片端部の内周面には、周方向に連続して形成された円環形状の装着溝82が形成されている。シールド板72は全体的に円板形状であって、中央には入力軸部8が挿通される挿通穴84が形成されている。シールド板72の外周面には径方向外側に向かって突出する円環形状の装着突条86が周方向に連続してされており、この装着突条86がハウジング本体70に形成された装着溝82に圧入されることで、ハウジング本体70の外周壁76の内側に形成された空間部は閉塞される。
主に図1及び図2を参照して説明すると、上記した抵抗トルク付与手段は番号88で示される波ばねであって、これはリテーナ基部40に形成された凹部44に配設され、ハウジング本体70の端板74との間の摩擦によってリテーナ36に所定の抵抗トルクを付与している。従って、波ばね88もハウジング68に収容されている。図示の実施形態においては更に、波ばね88と端板74との間、及び波ばね88とリテーナ基部40との間には夫々金属製のワッシャー90が配設されている。所望ならば、抵抗トルク付与手段はリテーナ36の外周面とハウジング本体70の外周壁76の内周面との間に配設される板ばねであってもよい。
続いて、図1に示す逆入力遮断クラッチ2の作動について図1と共に図8を参照して説明する。
図1に示す状態にあっては、リンク部材22の案内片30は、図1のA−A断面に示すとおり、リテーナ36に形成された案内溝38中の径方向外側に位置している。このとき、図1のB−B断面及びそのD部拡大図に示すとおり、リンク部材22の係合突部28bは出力部材6の外周面から離隔している。係合突部28bが出力部材6の外周面から離隔しているときに、案内片30が案内溝38の「所定位置」にあるという。この状態においては、出力部材6が正・逆いずれの方向に回転しても、係合突部28bが出力部材6の外周面に当接(干渉)、つまりリンク部材22の係合面32と出力部材6の被係合面64とが係合することはなく、従って出力部材6は入力部材4に対して回転可能となる。つまり、出力部材6から入力部材4への回転の伝達は、出力部材6が空転して遮断される。
図1に示す状態から、入力部材4が同図の中央縦断面の左方向から見て時計方向に回転すると、図8に示すとおり、入力部材4に形成された枢軸20及びこれに嵌め合わされたリンク部材22も同時計方向に回転することとなる。このとき、リンク部材22の案内片30はリテーナ基部40に形成された案内溝38に沿って径方向に移動可能であること、及びリテーナ36には波ばね88(抵抗トルク付与手段)によって所定の抵抗トルクが付与されていることに起因して、入力部材4及びリンク部材22が上記のとおりに回転しても、案内溝38の角度位置はその場で保持若しくは入力部材4と同一方向に僅かに回転させられるのみである。これにより、案内片30は案内溝38中を径方向内側に移動し、リンク片24は係合軸主部28aを中心に同図のB−B断面において時計方向に幾分回転せしめられる。これにより、同図のD部拡大図に示すとおり、リンク部材22の係合突部28bにおける頂部が出力部材6の凹溝66に嵌り込み、リンク部材22と出力部材6とは係合する。このとき、リンク部材22の係合突部28bの外周に形成された係合面32は、出力部材6の外周面に形成された凹溝66における、図8のB−B断面(及びそのD部拡大図)の反時計方向側面に規定された被係合面64に面接触する。図示の実施形態においては、凹溝66の同時計方向側面に形成された被係合面64はリンク部材22の係合突部28bの側面と面接触している。リンク部材22と出力部材6とが係合した後は、入力部材4及びリンク部材22は出力部材6及びリテーナ36と一体となって、波ばね88による上記抵抗トルクに抗して回転する。つまり、入力部材4の回転は出力部材6へ伝達される。
入力部材4の時計方向への回転が終了した後には、入力部材4は反対方向に回転させられて再び図1に示す状態となる。図示の実施形態にあっては、付勢ばね54a及び54bの存在に起因して、入力部材4はリテーナ36に対し円滑に回転することが可能となる。つまり、図8に示す状態にあっては、同図のC−C断面に示されるとおり、付勢ばね54bが入力フランジ部10の外周面に形成された突部18aによって圧縮せしめられていることから、入力部材4を反時計方向に回転させる場合には、付勢ばね54bによる反発力によって軽い力で回転させることができる。このとき、入力部材4とこれに接続された外部部材との接続を完全に遮断することができれば、入力部材4(入力フランジ部10)はリテーナ36に対し付勢ばね54a及び54bのばね力によって自動的に上記反対方向に回転させられて図1に示す状態に戻ることができる。
図1に示す状態から、入力部材4が同図の中央縦断面の左方向から見て反時計方向に回転した場合は、リンク部材22の係合面32が、出力部材6の外周面に形成された凹溝66における、図1のB−B断面(及びそのD部拡大図)の時計方向側面に規定された被係合面64と面接触することを除いて、入力部材4が時計方向に回転した場合と同様である。
本発明の逆入力遮断クラッチでは、入力部材に設けられた枢軸にリンク部材が回動自在に嵌め合わされ、リンク部材が備える係合軸の外周には係合面が、出力部材の外周には被係合面が夫々形成されており、そして、入力部材からの回転は、係合面と被係合面とが面接触することにより出力部材へ伝達される。これにより、入力部材から出力部材に回転を伝達する際に、リンク部材の係合軸が出力部材に対して滑ること、また係合軸と出力部材とに荷重が集中していずれかの部位又は部材が損傷してしまうことが可及的に防止され、入力部材から出力部材に大きな回転トルクを伝達することができる。
以上、本発明に従って構成された逆入力遮断クラッチについて添付した図面を参照して詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲内において適宜の修正や変更が可能である。例えば、図示の実施形態においては、係合突部28bは略矩形であったが、入力部材の回転によって係合面32と被係合面64とが面接触可能であれば、係合突部の形状並びに係合面及び被係合面の形状は任意であってよい。また、図示の実施形態においては、出力部材6は出力連結軸部材60を介して外部部材に接続されていたが、出力部材6に軸方向に延びる出力軸部を設け、この出力軸部が外部部材に接続されるようにしてもよい。更にまた、図示の実施形態においては、入力部材、出力部材、リンク部材、及びリテーナはいずれも金属製であったが、これらは合成樹脂製であってもよい。ハウジングについても、図示の実施形態においては合成樹脂製であったが、ハウジング本体とシールド板とをボルトの如き適宜の固定手段で固定すれば金属製であってもよい。
2:逆入力遮断クラッチ
4:入力部材
6:出力部材
20:枢軸
22:リンク部材
28:係合軸
30:案内片
32:係合面
36:リテーナ
38:案内溝
64:被係合面
88:波ばね(抵抗トルク付与手段)

Claims (7)

  1. 共通の回転軸を中心として回転可能な入力部材及び出力部材を備えた逆入力遮断クラッチであって、
    前記入力部材には前記共通の回転軸と平行に軸方向に延びる枢軸が設けられ、前記枢軸にはリンク部材が回動自在に嵌め合わされており、
    前記リンク部材は前記枢軸と平行に軸方向に延びる係合軸を備え、前記係合軸の先端部には案内片が形成されており、前記案内片は、前記共通の回転軸を中心として回転可能なリテーナに形成された径方向に延びる案内溝に沿って移動可能であって、前記リテーナには抵抗トルク付与手段によって所定の抵抗トルクが付与されており、
    前記リンク部材の前記係合軸の外周には係合面が、前記出力部材の外周には被係合面が夫々形成されており、前記係合面と前記被係合面とは面接触可能であり、
    前記入力部材の回転により、前記係合面と前記被係合面とが面接触すると、前記入力部材の回転は前記出力部材に伝達される一方、前記案内片が前記案内溝の所定位置にあるときは、前記係合面は前記被係合面から離隔し、前記出力部材の回転は、前記入力部材が前記出力部材に対し空転して前記入力部材に伝達されない、ことを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記出力部材の外周面には軸方向に延びる凹溝が形成されており、前記被係合面は前記凹溝の周方向両側面に規定されている、請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記凹溝は周方向に間隔をおいて複数形成されている、請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記凹溝の周方向両側面に規定された2つの前記被係合面は90度の角度をなしており、前記係合面及び前記被係合面はいずれも平坦である、請求項2又は3に記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 前記枢軸は周方向に180度の角度間隔をおいて2つ設けられており、2つの前記枢軸の各々に前記リンク部材が嵌め合わされている、請求項1乃至4のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 前記入力部材、前記出力部材、前記リンク部材、前記抵抗トルク付与手段、及び前記リテーナは固定のハウジングに収納されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  7. 前記抵抗トルク付与手段は波ばねであって、前記ハウジングとの間の摩擦によって前記リテーナに抵抗トルクを付与する、請求項6に記載の逆入力遮断クラッチ。
JP2020052156A 2020-03-24 2020-03-24 逆入力遮断クラッチ Active JP6854369B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052156A JP6854369B1 (ja) 2020-03-24 2020-03-24 逆入力遮断クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052156A JP6854369B1 (ja) 2020-03-24 2020-03-24 逆入力遮断クラッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6854369B1 true JP6854369B1 (ja) 2021-04-07
JP2021152370A JP2021152370A (ja) 2021-09-30

Family

ID=75267868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020052156A Active JP6854369B1 (ja) 2020-03-24 2020-03-24 逆入力遮断クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6854369B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021152370A (ja) 2021-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10670087B2 (en) Power transmitting apparatus
JP3971051B2 (ja) モータ
WO2015098548A1 (ja) パワーステアリング装置
US8360927B2 (en) Vehicle power transmission device
US11198463B2 (en) Foldable steering wheel assembly and steering apparatus comprising the same
CN109826879B (zh) 电磁促动器及离合装置
US6382384B2 (en) Clutch having reduced noise level and motor including such clutch
US20190337554A1 (en) Electric power steering system
JP2008174024A (ja) 電動式パワーステアリング装置
US11473673B2 (en) Shift device
US10544856B2 (en) Differential apparatus
JPWO2021065022A1 (ja) 双方向トルクリミッタ
JP6854369B1 (ja) 逆入力遮断クラッチ
WO2017018123A1 (ja) 逆入力遮断クラッチ
WO2020166261A1 (ja) ウォーム減速機および電動アシスト装置
JP7404688B2 (ja) ウォーム減速機および電動アシスト装置
JP7082964B2 (ja) 逆入力遮断クラッチ
EP0884494A1 (en) Locking mechanism
CA3158341C (en) Bidirectional torque limiter
JP7375991B1 (ja) 逆入力遮断クラッチおよびその組立方法
JP6828202B1 (ja) フリータイプ双方向クラッチ
JP6906581B2 (ja) 逆入力遮断クラッチ
JP7299145B2 (ja) 自動車用シートのブレーキ装置
JP4604663B2 (ja) クラッチ
WO2018168851A1 (ja) クラッチ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201204

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201204

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6854369

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250