JP2021152350A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

ベーン型圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2021152350A
JP2021152350A JP2020052902A JP2020052902A JP2021152350A JP 2021152350 A JP2021152350 A JP 2021152350A JP 2020052902 A JP2020052902 A JP 2020052902A JP 2020052902 A JP2020052902 A JP 2020052902A JP 2021152350 A JP2021152350 A JP 2021152350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
supply
drive shaft
back pressure
type compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020052902A
Other languages
English (en)
Inventor
正人 米田
Masato Yoneda
正人 米田
昭治 中嶋
Akiharu Nakajima
昭治 中嶋
雅洋 稲垣
Masahiro Inagaki
雅洋 稲垣
紀一 出戸
Kiichi Ideto
紀一 出戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2020052902A priority Critical patent/JP2021152350A/ja
Priority to CN202110300732.2A priority patent/CN113446220A/zh
Publication of JP2021152350A publication Critical patent/JP2021152350A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/30Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members
    • F04C18/34Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F04C18/08 or F04C18/22 and relative reciprocation between the co-operating members
    • F04C18/344Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F04C18/08 or F04C18/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the inner member
    • F04C18/3446Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F04C18/08 or F04C18/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the inner member the inner and outer member being in contact along more than one line or surface
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • F04C29/026Lubricant separation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • F04C29/028Means for improving or restricting lubricant flow

Abstract

【課題】各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを抑制可能であり、かつ、チャタリング及び圧縮室からの冷媒の漏れを好適に抑制可能なベーン型圧縮機を提供する。【解決手段】本発明のベーン型圧縮機において、背圧供給機構50は、第1供給路3eと、中間室3fと、供給室3gと、第2供給路3hと、第1回転路81aとを有している。中間室3fと、供給室3gとは駆動軸心O方向で互いに離間している。このベーン型圧縮機では、駆動軸8の回転により、第1供給路3eと中間室3fとの間、中間室3fと供給室3gとの間及び供給室3gと第1〜5背圧室16a〜16eとの間の少なくとも1つは非連通となる。【選択図】図4

Description

本発明はベーン型圧縮機に関する。
特許文献1に従来のベーン型圧縮機が開示されている。このベーン型圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、ロータと、複数個のベーンとを備えている。ハウジングには、吸入室、吐出室及びシリンダ室が形成されている。また、ハウジングは、第1区画壁と第2区画壁とを有している。駆動軸はハウジングに支承されており、駆動軸心周りで回転可能となっている。ロータは、シリンダ室内で駆動軸と同期回転可能に設けられている。ロータには複数個のベーン溝が形成されている他、各ベーン溝と同数個の細溝が形成されている。各ベーンは、各ベーン溝に各々出没可能に設けられている。
このベーン型圧縮機では、シリンダ室の内面、ロータの外面、第1区画壁、第2区画壁及び各ベーンによって圧縮室が形成されている。そして、各ベーン溝と各ベーンとの間は、第1区画壁と第2区画壁とで区画される背圧室とされている。また、各ベーン溝はそれぞれ細溝と接続している。これにより、各背圧室は細溝と連通している。
また、このベーン型圧縮機には、背圧供給機構が設けられている。背圧供給機構は、吐出室と各背圧室との間に位置しており、吐出室内の潤滑油を各背圧室に供給する。背圧供給機構は、第1供給路と、第2供給路と、回転路とを有している。
第1供給路及び第2供給路は、それぞれ第2区画壁に形成されている。第1供給路は吐出室と連通している。一方、第2供給路は、潤滑油の流通方向で第1供給路の下流側に位置しており、駆動軸の回転方向の位相に応じて各細溝と間欠的に連通する。回転路は駆動軸に形成されている。回転路は、駆動軸の回転に伴い第1供給路と第2供給路とを間欠的に連通させる。
このベーン型圧縮機では、駆動軸が駆動軸心周りで回転し、回転路が第1供給路と第2供給路とを連通すれば、第1供給路を通じて吐出室と第2連通路とが連通する。これにより、吐出室内の潤滑油が第1供給路を経て第2供給路内に至る。そして、ロータの回転によって、各細溝と第2供給路とが連通することにより、第2供給路内の潤滑油、ひいては吐出室内の潤滑油が細溝を通じて背圧室内に供給される。こうして、このベーン型圧縮機では、背圧室に供給された潤滑油によって背圧室内が高圧となることで、各ベーンがシリンダ室の内面に押し付けられる。こうして、このベーン型圧縮機では、チャタリングが抑制されているとともに、圧縮室からの冷媒の漏れが抑制されている。また、このベーン型圧縮機では、回転路が第1供給路と第2供給路とを非連通とすることにより、吐出室と第2連通路とが非連通となる。
ここで、このベーン型圧縮機では、第1供給路と第2供給路とが非連通であるとき、第2供給路と細溝とが連通する。反対に、第1供給路と第2供給路とが連通しているときには、第2供給路と細溝とが非連通となる。つまり、吐出室と第2供給路とが非連通であるときにのみ、第2供給路と細溝とが連通して第2供給路から背圧室へ潤滑油が供給される。これにより、このベーン型圧縮機では、たとえ第2供給路と細溝とが連通した状態、すなわち、第2供給路と背圧室とが連通した状態で運転を停止させた場合であっても、背圧室と第1供給路、ひいては、背圧室と吐出室とは非連通となっている。こうして、このベーン型圧縮機では、背圧室内の潤滑油が背圧供給機構を経て吐出室内に逆流したり、背圧室内から吐出室内に逆流する潤滑油によって駆動軸が逆回転したりすることを抑制している。
特開2015−34518号公報
背圧供給機構によって各背圧室に潤滑油を供給するとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを抑制するためには、第1供給路と第2供給路とが非連通となるタイミングで、第2供給路を各背圧室に連通させる必要がある。また、潤滑油によって背圧室内を好適に高圧とし、各ベーンをシリンダ室の内面に好適に押し付けるためには、駆動軸の1回転当たりにおいて、第2供給路と各背圧室とが連通する区間(以下、連通区間という。)を十分に確保する必要がある他、第2供給路と一つの背圧室とが連通した後、第2供給路と次の背圧室とが連通するまでの間隔(以下、連通間隔という。)を好適に調整する必要がある。
ここで、上記従来のベーン型圧縮機では、ロータに対して、各ベーン溝に加えて各細溝を形成し、各ベーン溝と各細溝とが接続する角度を調整することによって、第2供給路が各細溝に連通するタイミング、すなわち、第2供給路が各背圧室に連通するタイミングを調整している。
しかし、発明者の検証によれば、たとえロータに各細溝を形成する構成であっても、第2供給路が各背圧室に連通するタイミングには制限が多く、設計の自由度を高くし得ない。このため、このベーン型圧縮機では、駆動軸の1回転当たりにおける連通区間を好適に確保することが難しく、また、連通間隔を好適に調整することも難しい。この結果、このベーン型圧縮機では、潤滑油によって背圧室内が十分に昇圧されなかったり、昇圧した背圧室が減圧するまでの期間が早まったりすることで、シリンダ室の内面にベーンを十分に押し付け難い。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを抑制可能であり、かつ、チャタリング及び圧縮室からの冷媒の漏れを好適に抑制可能なベーン型圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のベーン型圧縮機は、吸入室、吐出室、支承穴及びシリンダ室が形成されたハウジングと、
前記支承穴に支承され、駆動軸心周りに回転可能な駆動軸と、
前記シリンダ室内で前記駆動軸と同期回転可能に設けられ、複数個のベーン溝が形成されたロータと、
前記各ベーン溝に各々出没可能に設けられたベーンとを備え、
前記ハウジングは、前記駆動軸心方向の一方側で前記シリンダ室に面する第1区画壁と、前記駆動軸心方向の他方側で前記シリンダ室に面するとともに、前記吐出室と前記シリンダ室とを区画する第2区画壁とを有し、
前記シリンダ室の内面、前記ロータの外面、前記第1区画壁、前記第2区画壁及び前記各ベーンによって圧縮室が形成され、
前記各ベーン溝と前記各ベーンとの間は、前記第1区画壁と前記第2区画壁とで区画される背圧室とされ、
前記吐出室と前記各背圧室との間に位置し、前記吐出室内の潤滑油を前記各背圧室に供給する背圧供給機構が設けられているベーン型圧縮機であって、

前記支承穴は、前記第2区画壁に形成され、
前記背圧供給機構は、前記第2区画壁に形成されて前記吐出室と連通する第1供給路と、
前記第1供給路とは異なる位置で前記第2区画壁に形成された中間室と、
前記第1供給路及び前記中間室とは異なる位置で前記第2区画壁に形成された供給室と、
前記第2区画壁に形成されて前記供給室と接続し、前記駆動軸の回転方向の位相に応じて前記供給室と前記背圧室とを間欠的に連通させる第2供給路と、
前記駆動軸に形成されて前記中間室と前記供給室とに開口し、前記駆動軸の回転によって、前記第1供給路と前記中間室とを間欠的に連通させるとともに、前記中間室と前記供給室とを間欠的に連通させる回転路とを有し、
前記中間室と前記供給室とは、前記駆動軸心方向で互いに離間し、
前記供給室は、前記支承穴の外周側に位置して前記支承穴と接続するとともに、前記駆動軸の外周面によって前記支承穴と区画され、
前記駆動軸の回転により、前記第1供給路と前記中間室との間、前記中間室と前記供給室との間及び前記供給室と前記背圧室との間の少なくとも1つは非連通となることを特徴とする。
本発明のベーン型圧縮機では、駆動軸の回転によって、回転路が第1供給路と中間室とを連通させることにより、第1供給路を通じて吐出室と中間室とが連通する。こうして、吐出室内の潤滑油が第1供給路を経て中間室内に至る。この中間室内の潤滑油は、駆動軸の回転によって、回転路が中間室と供給室とを連通させることにより、供給室内に至る。そして、供給室内の潤滑油は、駆動軸の回転によって、第2供給路が背圧室と連通することにより、背圧室内に至る。こうして、このベーン型圧縮機においても、背圧室に供給された潤滑油によって背圧室内が高圧となることで、各ベーンがシリンダ室の内面に押し付けられる。
ここで、このベーン型圧縮機では、駆動軸が回転することによって、第1供給路と中間室との間、中間室と供給室との間及び供給室と背圧室との間の少なくとも1つは非連通となる。これにより、このベーン型圧縮機では、第1供給路と中間室との間と、中間室と供給室との間と、供給室と背圧室との間との3つが同時に連通することがない。このため、このベーン型圧縮機では、第2供給路が背圧室と連通した状態、つまり、第2供給路を通じて供給室と背圧室との間が連通した状態で運転を停止させた場合には、第1供給路と中間室との間及び中間室と供給室との間の少なくとも一方は非連通となる。
これにより、例えば、供給室と背圧室との間が連通した状態において、第1供給路と中間室との間が非連通となり、中間室と供給室との間が連通する場合には、背圧室内の潤滑油が第2供給路によって供給室に逆流し、さらに、供給室に逆流した潤滑油は、回転路によって中間室に逆流し得る。しかし、この場合であっても、第1供給路と中間室との間が非連通であるため、中間室に逆流した潤滑油が中間室を経由して第1供給路、ひいては吐出室に逆流することを抑制できる。
また、例えば、供給室と背圧室との間が連通した状態において、第1供給路と中間室との間が連通し、中間室と供給室との間が非連通となる場合には、第2供給路によって背圧室から供給室に潤滑油が逆流しても、この潤滑油は供給室から中間室に逆流し難い。このため、この場合にも、潤滑油が吐出室に逆流することを抑制できる。さらに、供給室と背圧室との間が連通した状態において、第1供給路と中間室との間及び中間室と供給室との間の両方が非連通である場合にも、供給室に逆流した潤滑油は、供給室から中間室に逆流し難い。
このように、このベーン型圧縮機では、第1供給路と中間室との間と、中間室と供給室との間と、供給室と背圧室との間との3つが同時に連通することがない。このため、第1供給路と中間室との間が非連通となるタイミング又は中間室と供給室との間が非連通となるタイミングのいずれかにおいて、第2供給路が背圧室に連通しても、背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを抑制できる。このため、このベーン型圧縮機では、上記従来のベーン型圧縮機に比べて、第2供給路が背圧室に連通するタイミング、つまり、供給室と各背圧室との各連通区間の設計の自由度を高くすることができる。これにより、このベーン型圧縮機では、駆動軸の1回転当たりにおける供給室と各背圧室との連通区間を好適に確保することができ、また、供給室と各背圧室との各連通区間同士における連通間隔についても好適に調整することができる。こうして、このベーン型圧縮機では、潤滑油によって背圧室内を十分に昇圧させることができるとともに、昇圧した背圧室が減圧するまでの期間を好適に調整することができるため、シリンダ室の内面にベーンを十分に押し付けることができる。
したがって、本発明のベーン型圧縮機によれば、各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを抑制可能であり、かつ、チャタリング及び圧縮室からの冷媒の漏れを好適に抑制できる。
ところで、中間室や供給室には、第1供給路を通じて吐出室から流通した潤滑油が貯留される。このため、中間室と供給室とは、吐出室から流通した潤滑油を十分に貯留し得る大きさで形成される必要がある。このため、例えば、中間室又は供給室を駆動軸内に形成することが考えられる。しかし、この場合には、中間室又は供給室によって駆動軸の剛性が低下し易くなる問題がある。
そこで、第2区画壁に中間室及び供給室の両方を形成することが考えられる。この場合、駆動軸内に中間室や供給室を形成する場合に比べて、駆動軸の剛性を確保し易くなる。ここで、第2区画壁において、中間室と供給室とが駆動軸心方向で重なるように配置される場合には、中間室及び供給室について、潤滑油を十分に貯留可能な大きさを確保しつつ、それぞれが回転路に依らずに連通することがないように確実に区画する必要がある。このため、中間室及び供給室の形状が複雑化し、第2区画壁に中間室及び供給室を形成し難くなる。
この点、このベーン型圧縮機では、第2区画壁において、中間室と供給室とは、駆動軸心方向で互いに離間している。このため、中間室と供給室とが駆動軸心方向に重なるように配置される場合に比べて、中間室と供給室とについて、形状の複雑化を抑制しつつ、潤滑油を十分に貯留し得る大きさを確保できるとともに、互いを好適に区画することができる。これにより、このベーン型圧縮機では、第2区画壁に中間室と供給室とを容易に形成することができる。また、第2区画壁における第1供給路と供給室との配置の設計の自由度も高くすることができることから、これに応じて、回転路の設計の自由度も高くすることができる。
また、このベーン型圧縮機では、第2供給路が背圧室に連通するタイミングを調整するに当たって、ロータに対して上記従来のベーン型圧縮機のような細溝を必ずしも形成する必要はない。このため、ロータに細溝を形成しない場合には、ロータ、ひいては、ベーン型圧縮機の製造を容易化することができるため、製造コストの低廉化も実現できる。
回転路は、駆動軸の内部を駆動軸心方向に延びて駆動軸の端面から中間室に開口する軸孔と、駆動軸を径方向に延び、駆動軸の外周面から供給室に開口するとともに、駆動軸の内部で軸孔と連通する径孔とからなり得る。そして、軸孔は、常に中間室と連通することが好ましい。この場合には、回転路の構成を簡素化することができるため、回転路を駆動軸に容易に形成することができる。
また、この場合、径孔は、駆動軸を径方向に貫通して第1供給路と連通可能な第1径孔と、第1径孔とは異なる位置で駆動軸を径方向に貫通して供給室と連通可能な第2径孔とからなることが好ましい。この場合には、第1供給路や供給室の形状の他、第2区画壁における第1供給路や供給室の位置等について、設計の自由度をより高くすることができる。
供給室は、一方側供給室と、駆動軸心を挟んで一方側供給室と対向するとともに、駆動軸の外周面によって一方側供給室と区画される他方側供給室とからなり得る。そして、第2供給路は、一方側供給室と背圧室とを間欠的に連通させる一方側第2供給路と、他方側供給室と背圧室とを間欠的に連通させる他方側第2供給路とからなることが好ましい。
この場合には、一方側第2供給路を通じて、一方側供給室内の潤滑油を背圧室内へ好適に供給することができるとともに、他方側第2供給路を通じて、他方側供給室内の潤滑油を背圧室内へ好適に供給することができる。また、このベーン型圧縮機では、第2区画壁に供給室が1つだけ形成されている場合に比べて、一方側供給室及び他方側供給室の大型化や形状の複雑化を抑制しつつ、一方側供給室及び他方側供給室によって潤滑油を好適に貯留することができる。
本発明のベーン型圧縮機によれば、各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを抑制可能であり、かつ、チャタリング及び圧縮室からの冷媒の漏れを好適に抑制できる。
図1は、実施例1のベーン型圧縮機を示す断面図である。 図2は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図1のA−A断面を示す断面図である。 図3は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図1のB−B断面を示す断面図である。 図4は、実施例1のベーン型圧縮機を示す要部拡大断面図である。 図5は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、ロータを示す模式図である。 図6は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、ベーン溝を示す模式拡大図である。 図7は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、回転路によって第1供給路と中間室とが連通している際における図4のC−C断面を示す要部拡大断面図である。 図8は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、回転路によって中間室と供給室とが連通している際における図4のC−C断面を示す要部拡大断面図である。 図9は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、第1供給路と中間室とが連通するタイミングと、中間室と供給室とが連通するタイミングと、供給室と各背圧室とが連通するタイミングとを示すタイミングチャートである。 図10は、実施例2のベーン型圧縮機を示す要部拡大断面図である。 図11は、実施例2のベーン型圧縮機に係り、回転路によって第1供給路と中間室とが連通している際における図10のD−D断面を示す要部拡大断面図である。 図12は、実施例2のベーン型圧縮機に係り、回転路によって第1供給路と中間室とが連通している際における図10のE−E断面を示す要部拡大断面図である。 図13は、実施例2のベーン型圧縮機に係り、回転路によって中間室と供給室とが連通している際における図10のD−D断面を示す要部拡大断面図である。 図14は、実施例2のベーン型圧縮機に係り、回転路によって中間室と供給室とが連通している際における図10のE−E断面を示す要部拡大断面図である。 図15は、実施例3のベーン型圧縮機を示す要部拡大断面図である。 図16は、実施例3のベーン型圧縮機に係り、回転路によって第1供給路と中間室と供給室とが連通している際における図15のF−F断面を示す要部拡大断面図である。 図17は、実施例3のベーン型圧縮機に係り、回転路によって第1供給路と中間室と供給室とが連通している際における図15のG−G断面を示す要部拡大断面図である。 図18は、実施例3のベーン型圧縮機に係り、回転路によって中間室と供給室とが連通している際における図15のF−F断面を示す要部拡大断面図である。 図19は、実施例3のベーン型圧縮機に係り、回転路によって中間室と供給室とが連通している際における図15のG−G断面を示す要部拡大断面図である。 図20は、実施例3のベーン型圧縮機に係り、第1供給路と中間室と供給室とが連通するタイミングと、中間室と供給室とが連通するタイミングと、供給室と各背圧室とが連通するタイミングとを示すタイミングチャートである。
以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。実施例1〜3のベーン型圧縮機はいずれも図示しない車両に搭載されており、車両の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1〜図3に示すように、実施例1のベーン型圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸8と、ロータ15と、第1〜第5ベーン17a〜17eと、背圧供給機構50とを備えている。ハウジング1は、フロントハウジング2と、リヤサイドプレート3と、シェル5とを有している。フロントハウジング2は、本発明における「第1区画壁」の一例である。また、リヤサイドプレート3は、本発明における「第2区画壁」の一例である。
本実施例では、図1に示す実線矢印によって、ベーン型圧縮機の前後方向及び上下方向を規定している。また、図2では、図1に対応してベーン型圧縮機の上下方向を規定している他、ベーン型圧縮機の左右方向、すなわち幅方向を規定している。そして、図3以降では、図1に対応してベーン型圧縮機の前後方向、上下方向及び左右方向を規定している。また、ベーン型圧縮機の前方側が本発明における「駆動軸心方向の一方側」に対応しており、ベーン型圧縮機の後方側が本発明における「駆動軸心方向の他方側」に対応している。なお、これらの各方向は説明の便宜上のための一例である。
図1に示すように、フロントハウジング2は、本体壁2aと第1側壁2bとを有している。本体壁2aは、フロントハウジング2の径方向に延びている。本体壁2aの後面は、第1面2cとされている。第1面2cは、駆動軸8の駆動軸心Oに直交して本体壁2aの径方向に延びている。また、本体壁2aには、駆動軸心O方向で前方に突出する第1ボス2dが形成されており、第1ボス2d内には第1支承穴2eが形成されている。第1支承穴2eは、駆動軸心O方向で第1ボス2dの前端から第1面2cまで延びている。ここで、駆動軸心O方向は、ベーン型圧縮機の前後方向と平行である。第1支承穴2e内には軸封装置11が設けられている。また、本体壁2aには、連通路2fが形成されている。連通路2fは、本体壁2a内を傾斜しつつ前後方向に延びている。これにより、連通路2fは、軸封装置11と後述する吸入室9とを連通させている。さらに、本体壁2aの外周面には、第1Oリング13aが設けられている。
第1側壁2bは、本体壁2aと一体をなしており、本体壁2aから駆動軸心O方向で後方に向かって筒状に延びている。第1側壁2b内には、シリンダ室7が凹設されている。図2及び図3に示すように、シリンダ室7は、駆動軸心Oに直交する断面が楕円形となる柱状をなしている。また、第1側壁2bの外周面には、吸入室9と2個の吸入ポート9bとが形成されている。吸入室9は、第1側壁2bを1周する環状をなしている。各吸入ポート9bは、それぞれ第1側壁2bの径方向に延びており、シリンダ室7と吸入室9とを連通している。さらに、図3に示すように、第1側壁2bの後方側には、2個の吐出ポート10bが形成されている。各吐出ポート10bは、それぞれシリンダ室7と連通している。また、図1に示すように、第1側壁2bの外周面において、吸入室9よりも後方側となる個所には、第2Oリング13bが設けられている。
リヤサイドプレート3は、フロントハウジング2の後方側に配置されている。図4に示すように、リヤサイドプレート3には、第2面3aと、2個の排油溝3bと、吐出路3cと、第2支承穴3dと、第1供給路3eと、中間室3fと、供給室3gと、第2供給路3hとが形成されている。第2支承穴3dは、本発明における「支承穴」の一例である。
第2面3aは、リヤサイドプレート3の前端に位置しており、第1側壁2bの後端と当接している。各排油溝3bは、それぞれ第2面3aに凹設されている。図5に示すように、各排油溝3bは、それぞれ駆動軸心O周りに延びる略円弧形状に形成されており、駆動軸心Oを挟んで上下に配置されている。
図4に示すように、吐出路3cは、リヤサイドプレート3において、各排油溝3bよりも外周側となる個所に形成されている。吐出路3cは、リヤサイドプレート3内を傾斜しつつ前後に延びている。
第2支承穴3dは、リヤサイドプレート3において、各排油溝3b同士の間となる位置に配置されており、第2面3aから駆動軸心O方向で後方に向かって延びている。ここで、第2支承穴3dは、リヤサイドプレート3を駆動軸心O方向に貫通はしていない。これにより、第2支承穴3dの後端はリヤサイドプレート3内に位置している。一方、第2支承穴3dの前端は、各排油溝3b同士の間で第2面3aに開口している。
第1供給路3eは、リヤサイドプレート3内を径方向に直線状に延びている。そして、第1供給路3eは、リヤサイドプレート3の外周側に開口している。また、第1供給路3eは、第2支承穴3dと連通している。より具体的には、第1供給路3eは、第2支承穴3dにおける前後方向の略中央となる位置で第2支承穴3dと連通している。
中間室3fは、リヤサイドプレート3において、第2支承穴3d及び第1供給路3eよりも駆動軸心O方向で後方側となる位置に形成されている。中間室3fは、第2支承穴3dよりも大径の円柱状に形成されており、第2支承穴3dの後端と連通している。このように、中間室3fは、第1供給路3eとは異なる位置で第2支承穴3dの後端と連通している。このため、中間室3fと第1供給路3eとは、直接連通する構成とはなっていない。
図7及び図8に示すように、供給室3gは、一方側供給室31と他方側供給室33とからなる。一方側供給室31及び他方側供給室33は、第2支承穴3dと接続する略半円の柱状に形成されている。一方側供給室31と他方側供給室33とは、駆動軸心Oを挟んでリヤサイドプレート3の左右方向に配置されており、互いに対向している。
また、図4に示すように、リヤサイドプレート3において、一方側供給室31及び他方側供給室33は、いずれも中間室3fよりも駆動軸心O方向で前方側となる位置に形成されている。これにより、リヤサイドプレート3において、中間室3fと、一方側供給室31及び他方側供給室33とは、駆動軸心O方向で互いに離間して配置されている。
また、図7及び図8に示すように、リヤサイドプレート3において、一方側供給室31と他方側供給室33との間となる位置に第1供給路3eが位置している。そして、第1供給路3eは、一方側供給室31と他方側供給室33との間となる位置で第2支承穴3dと連通している。換言すれば、一方側供給室31及び他方側供給室33は、リヤサイドプレート3において、駆動軸心O方向で第1供給路3eと重なる位置(一方側供給室31、他方側供給室33及び第1供給路3eが駆動軸心Oに垂直な仮想平面上に存在している。)であって、第1供給路3eの外周側となる位置にそれぞれ配置されている。こうして、一方側供給室31及び他方側供給室33と、第1供給路3eとについても、直接連通する構成とはなっていない。
第2供給路3hは、一方側第2供給路35と他方側第2供給路37とからなる。一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37は、リヤサイドプレート3において、第1供給路3e、中間室3f及び供給室3gよりも潤滑油の流通方向の下流側となる位置に配置されている。また、一方側第2供給路35と他方側第2供給路37とは、駆動軸心Oを挟んで左右に離間して配置されている。
図4に示すように、一方側第2供給路35は、リヤサイドプレート3内を駆動軸心O方向に延びている。これにより、図5に示すように、一方側第2供給路35は、前端が第2面3aに開口しており、後端が一方側第2供給室31内に開口している(図7及び図8参照。)。詳細な図示を省略するものの、他方側第2供給路37についても、一方側第2供給路35と平行でリヤサイドプレート3内を駆動軸心O方向に延びている。これにより、図5に示すように、他方側第2供給路37は、前端が第2面3aに開口しており、後端が他方側第2供給室33内に開口している(図7及び図8参照。)。
ここで、図5に示すように、第2面3aにおいて、一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37の各前端は、第2支承穴3dの外周側であって、各排油溝3b同士の間となる個所に開口している。この際、一方側第2供給路35前端と、他方側第2供給路37の前端とは、左右方向に離間して第2面3aに開口している。これにより、一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37は、各排油溝3bと非連通となっている。
また、図4に示すように、リヤサイドプレート3には、油分離室4aと、連通孔4bとが形成されている。さらに、リヤサイドプレート3の外周面には、第3Oリング13cが設けられている。
油分離室4aは、リヤサイドプレート3において、中間室3fよりも後方側に位置しており、リヤサイドプレート3内を径方向に円柱状に延びている。油分離室4aの上端は、リヤサイドプレート3の上端面に開口している。これにより、油分離室4aは、後述する吐出室10内に連通している。油分離室4a内には、円筒状に形成された分離筒21が圧入されている。分離筒21の上端は吐出室10内に連通している。また、油分離室4aには、分離筒21の下部と対面する円筒状の案内面22が形成されている。案内面22には、吐出路3cの後端が開口している。これにより、油分離室4aは吐出路3cと連通している。これらの案内面22と分離筒21と吐出路3cとによって、油分離機構20が構成されている。
油分離機構20では、吐出路3cが冷媒ガスを油分離室4a内へ流通させる。これにより、油分離室4a内において冷媒ガスは、案内面22と分離筒21の外周面との間を周回する。こうして、油分離機構20は、冷媒ガスに含まれた潤滑油を分離させる。
連通孔4bは、駆動軸心O方向に延びており、油分離室4aの下端と吐出室10とに連通している。
図1に示すように、シェル5は、底壁5aと第2側壁5bとを有している。底壁5aはシェル5の後端に位置しており、径方向に延びている。第2側壁5bは、底壁5aと一体をなしており、底壁5aから駆動軸心O方向で前方に向かって筒状に延びている。これらの底壁5a及び第2側壁5bにより、シェル5は、有底の筒状をなしている。
シェル5は、内部に本体壁2aの一部と、第1側壁2bと、リヤサイドプレート3とを収容した状態で、フロントハウジング2と接合されている。この際、本体壁2aと第2側壁5bとの間は、第1Oリング13aによって封止されている。同様に、第1側壁2bと第2側壁5bとの間は、第2Oリング13bによって封止されている。リヤサイドプレート3と第2側壁5bとの間は、第3Oリング13cによって封止されている。そして、シェル5内において、リヤサイドプレート3と底壁5aとの間に吐出室10が形成されている。吐出室10は、リヤサイドプレート3によって、シリンダ室7と区画されている。さらに、吐出室10は、第1供給路3eと連通している。これにより、第1供給路3eは、吐出室10と第2支承穴3dとを連通させている。
図3に示すように、第1側壁2bと第2側壁5bとの間には2個の吐出空間10aが形成されている。各吐出空間10aは、各吐出ポート10bとそれぞれ連通している。各吐出空間10a内には、吐出ポート10bを閉鎖する吐出弁10cと、吐出弁10cのリフト量を規制するリテーナ10dとがそれぞれ設けられている。さらに、図1に示すにように、各吐出空間10aは、吐出路3cと連通している。これにより、各吐出空間10aは吐出路3cを通じて油分離室4aと連通している。
また、第2側壁5bには、吸入室9を外部に開く流入口5cと、吐出室10を外部に開く流出口5dとが形成されている。流入口5cは、配管を通じて蒸発器と接続している。流出口5dは、配管を通じて凝縮器と接続している。なお、配管、蒸発器及び凝縮器の図示は省略する。
さらに、第2側壁5bには、第1取付足5eと第2取付足5fとが形成されている。シェル5、ひいては、本実施例のベーン型圧縮機は、第1、2取付足5e、5fを通じて図示しない車両のエンジン等に取り付けられている。
駆動軸8は、駆動軸心O方向で前後に延びる円柱状をなしている。駆動軸8は、前端側に位置する前端部位8aと、後端側に位置する後端部位8bと、前端部位8aと後端部位8bとの間に位置する中央部位8cとを有している。前端部位8aは、後端部位8b及び中央部位8cに比べて大径に形成されている。後端部位8bと中央部位8cとは同径に形成されている。また、前端部位8a及び後端部位8b、すなわち駆動軸8の外周面80には、コーティング処理によって、PTEF製の摺動層(図示略)が設けられている。
駆動軸8は、前端部位8aが軸封装置11に挿通されつつ、第1支承穴2eに支承されている。また、中央部位8cがシリンダ室7内に位置している。そして、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されている。こうして、駆動軸8はハウジング1に対して支承されており、駆動軸心O周りで回転可能となっている。また、軸封装置11は、前端部位8aを挿通しつつ、ハウジング1の内部と外部との間を封止している。また、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されることにより、図7及び図8に示すように、後端部位8b、ひいては駆動軸8は、一方側供給室31と他方側供給室33との間に位置している。これにより、駆動軸8は、後端部位8bの外周面80によって一方側供給室31と他方側供給室33とを区画している。また、駆動軸8は、一方側供給室31と第2支承穴3dとを区画しているとともに、他方側供給室33と第2支承穴3dとを区画している。なお、第1支承穴2eと前端部位8aとの間と、第2支承穴3dと後端部位8bとの間とにそれぞれ軸受を設ける構成としても良い。
図4に示すように、後端部位8bには、第1回転路81aが形成されている。第1回転路81aは、1つの軸孔810と、1つの第1径孔811とで構成されている。第1回転路81aは本発明における「回転路」の一例である。また、軸孔810は本発明における「軸孔」の一例であり、第1径孔811は本発明における「径孔」の一例である。
軸孔810は、後端部位8bの内部に形成されており、後端部位8bの内部を駆動軸心O方向に延びている。そして、軸孔810は、後端が駆動軸8の後端面82に開口しており、前端は、後端部位8bの内部において、第1径孔811よりも前方側となる個所に位置している。つまり、軸孔810は、駆動軸8を駆動軸心O方向に貫通していない。そして、軸孔810は、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されることにより、後端面82から中間室3fに開口する状態となっている。
第1径孔811は、後端部位8bの内部を駆動軸8の径方向に延びており、軸孔810と連通している。また、第1径孔811は、後端部位8bを駆動軸8の径方向に貫通している。これにより、第1径孔811は、後端部位8bの外周面80において、2箇所に開口している。第1径孔811は、軸孔810よりも小径であって、第1供給路3eとほぼ同径に形成されている。ここで、第1径孔811は、後端部位8bにおいて、第2支承穴3dの前後方向の略中央となる位置に形成されている。これにより、図7及び図8に示すように、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されることにより、第1径孔811は、第1供給路3eや第1、2供給室31、33と対向するとともに、第1供給路3e及び第1、2供給室31、33に開口する状態となっている。
第1径孔811は、駆動軸8が駆動軸心O周りに回転することにより、第1供給路3eや第1、2供給室31、33と連通する。この際、第1径孔811は後端部位8bを貫通して形成されているため、第1径孔811は、一方側供給室31と他方側供給室33とに同時に連通する。ここで、第1径孔811は、図7に示すように、第1径孔811は、第1供給路3eと連通しているときには、第1、2供給室31、33と非連通となる。また、図8に示すように、第1径孔811は、第1、2供給室31、33と連通しているときには、第1供給路3eと非連通となる。
第1回転路81aでは、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されることにより、軸孔810が中間室3f内に開口する状態となる。これにより、軸孔810が中間室3fと常に連通している。そして、第1回転路81aは、図7に示すように、第1径孔811が第1供給路3eと連通することにより、第1径孔811及び軸孔810を通じて第1供給路3eと中間室3fとを連通させる。また、第1回転路81aは、図8に示すように、第1径孔811が第1、2供給室31、33と連通することにより、第1径孔811及び軸孔810を通じて、第1、2供給室31、33と中間室3fとを連通させる。こうして、第1回転路81aは、駆動軸8の回転によって、第1供給路3eと中間室3fとを間欠的に連通させるとともに、中間室3fと一方側供給室31及び他方側供給室33、すなわち、中間室3fと供給室3gとを間欠的に連通させる。
より具体的には、このベーン型圧縮機では、図7に示す駆動軸8の回転角度を含め、図9に示すように、駆動軸8が所定の第1角度範囲にあるとき、第1供給路3eと中間室3fとが連通する。つまり、駆動軸8が第1角度範囲にあるとき、第1供給路3e及び第1回転路81aを通じて、吐出室10と中間室3fとが連通する。このように、このベーン型圧縮機では、駆動軸8が第1角度範囲にあるとき、吐出室10と中間室3fとが連通する第1連通区間X1となる。また、駆動軸8が第1角度範囲にあるときには、中間室3fと供給室3gとが非連通となる第1非連通区間Y1となる。一方、図8に示す駆動軸8の回転角度を含め、図9に示すように、駆動軸8が所定の第2角度範囲にあるとき、中間室3fと供給室3gとが連通する。すなわち、駆動軸8が第2角度範囲にあるとき、中間室3fと供給室3gとが連通する第2連通区間X2となる。第2角度範囲は、第1角度範囲よりも大きく設定されている。また、駆動軸8が第2角度範囲にあるときには、第1供給路3eと中間室3fとが非連通となる第2非連通区間Y2となる。
さらに、このベーン型圧縮機では、第1角度範囲と第2角度範囲との間に第3角度範囲が設定されている。第3角度範囲は、第1角度範囲及び第2角度範囲に比べて小さく設定されている。そして、駆動軸8が第3角度範囲にあるときには、第3非連通区間Y3となる。第3非連通区間Y3では、第1供給路3eと中間室3fとが非連通となるとともに、中間室3fと供給室3gとについても非連通となる。つまり、第3非連通区間Y3は、第1非連通区間Y1と第2非連通区間Y2とが重なる範囲に設定されている。
ここで、第1回転路81aにおいて、第1径孔811が後端部位8bを貫通しているため、このベーン型圧縮機では、駆動軸8の1回転する間に、第1角度範囲と第2角度範囲と第3角度範囲とがそれぞれ2回ずつ存在することになる。つまり、第1連通区間X1と第2連通区間X2とが2回存在する。また、このベーン型圧縮機において、第2角度範囲は、第1角度範囲に比べて大きく設定されているため、駆動軸8の1回転当たりにおいて、第2連通区間X2は、第1連通区間X1よりも長くなっている。さらに、駆動軸8の1回転当たりにおいて、第3非連通区間Y3は、最も短くなっている。
図1〜図3に示すように、ロータ15は、シリンダ室7内に配置されている。ロータ15は、駆動軸8の中央部位8cに圧入されており、駆動軸8と一体化されている。これにより、ロータ15は、シリンダ室7内において、駆動軸8と同期しつつ駆動軸心O周りに回転可能となっている。ロータ15は、駆動軸心Oに直交する断面が円形状である柱状をなしている。
図5に示すように、ロータ15には、第1〜第5ベーン溝15a〜15eが形成されている。第1〜第5ベーン溝15a〜15e同士は、ロータ15の周方向に等間隔で配置されている。第1〜第5ベーン溝15a〜15eは、それぞれロータ15を駆動軸心O方向に貫通している。
第1ベーン溝15aは、第1本体部150aと第1延在部151aとを有している。第2ベーン溝15bは、第2本体部150bと第2延在部151bとを有している。第3ベーン溝15cは、第3本体部150cと第3延在部151cとを有している。第4ベーン溝15dは、第4本体部150dと第4延在部151dとを有している。第5ベーン溝15eは、第5本体部150eと第5延在部151eとを有している。第1〜第5本体部150a〜150eは同様の構成であり、第1〜第5延在部151a〜151eは同様の構成である。以下、第1本体部150a及び第1延在部151aを基に構成を説明する。
図6に示すように、第1本体部150aは断面形状が丸形状をなしている。第1本体部150aは、ロータ15において、駆動軸心Oから第1半径r1となる位置に配置されている。そして、第1本体部150aは、駆動軸心O周りで第1角度幅W1を有するように径の大きさが設定されている。図5に示すように、第1延在部151aは断面形状が矩形状をなしている。第1延在部151aは第1本体部150aと連通しており、第1本体部150aからロータ15の外周面に向かって直線状に延びている。そして、第1延在部151aは、ロータ15の外周面に開口している。
図5に示すように、第1〜第5ベーン溝15a〜15eでは、ロータ15が駆動軸心O周りで回転することにより、第1〜第5本体部150a〜150eが各排油溝3bと順次対向する。また、ロータ15が駆動軸心O周りで回転することにより、第1〜第5ベーン溝15a〜15eでは、第1〜第5本体部150a〜150eが第2供給路3h、すなわち、一方側第2供給路35や他方側第2供給路37と間欠的に連通する。こうして、第2供給路3hを通じて、供給室3gと第1〜第5ベーン溝15a〜15eとが間欠的に連通する。より具体的には、一方側第2供給路35を通じて、一方側供給室31と第1〜第5ベーン溝15a〜15eとが間欠的に連通する。そして、他方側第2供給路37を通じて、他方側供給室33と第1〜第5ベーン溝15a〜15eとが間欠的に連通する。
図2及び図3に示すように、第1〜第5ベーン17a〜17eは、それぞれ矩形の板状に形成されている。第1〜第5ベーン17a〜17eは、それぞれ第1〜第5ベーン溝15a〜15eに出没可能に収容されている。これにより、第1〜第5ベーン溝15a〜15e内において、第1〜第5ベーン17a〜17eとの間は、第1〜第5背圧室16a〜16eとされている。第1〜第5背圧室16a〜16eは、第1面2c及び第2面3a、ひいては、フロントハウジング2及びリヤサイドプレート3によってシリンダ室7から区画されている。また、第1〜第5背圧室16a〜16eは、第1〜第5本体部150a〜150eが一方側第2供給路35や他方側第2供給路37と間欠的に連通することにより、一方側第2供給路35を通じて一方側供給室31と間欠的に連通するとともに、他方側第2供給路37を通じて他方側供給室33と間欠的に連通する。
このベーン型圧縮機では、隣り合う第1〜第5ベーン17a〜17eと、ロータ15の外周面と、シリンダ室7の内周面と、第1面2cと、第2面3aとよって、圧縮室19が形成されている。つまり、このベーン型圧縮機では、5つの圧縮室19が形成されている。そして、吸入行程にある圧縮室19と吸入室9とは、吸入ポート9bによって連通するようになっている。また、吐出行程にある圧縮室19と吐出空間10aとは、吐出ポート10bによって連通するようになっている。
背圧供給機構50は、第1供給路3eと、中間室3fと、一方側供給室31と、他方側供給室33と、一方側第2供給路35と、他方側第2供給路37と、第1回転路81aとによって構成されている。これにより、背圧供給機構50は、ハウジング1内において、吐出室10と第1〜第5背圧室16a〜16eとの間に位置している。
以上のように構成されたこのベーン型圧縮機では、エンジン等によって駆動軸8が駆動されると、ロータ15が駆動軸8と同期回転する。これにより、各圧縮室19は容積を変化させつつ、吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を行う。このため、蒸発器を経た低圧の冷媒ガスは、流入口9aから吸入室9に吸入され、吸入ポート9bを経て、吸入行程にある圧縮室19に吸入される。そして、冷媒ガスは、圧縮行程で圧縮されて高圧となり、さらに吐出行程で圧縮室19から吐出ポート10bを経て吐出空間10aに吐出される。こうして、高圧の冷媒ガスは油分離機構20において内部に含まれる潤滑油が遠心分離される。分離された潤滑油は、油分離室4a内から連通孔4bを経て吐出室10内に貯留される。一方、潤滑油が分離された高圧の冷媒ガスは流出口5dから凝縮器に向けて吐出される。
この間、このベーン型圧縮機では、背圧供給機構50が吐出室10内に貯留された潤滑油を第1〜第5背圧室16a〜16eに供給する。具体的には、背圧供給機構50において、第1供給路3eは、吐出室10内に貯留された潤滑油を第2支承穴3dに向けて流通させる。そして、図9に示すように、駆動軸8の回転角度が第1角度範囲となり、第1連通区間X1となることで、第1回転路81aが第1供給路3eと中間室3fとを連通させる。このため、吐出室10内の潤滑油が第2支承穴3d、第1径孔811、軸孔810を経て、中間室3f内に流入する。ここで、駆動軸8が第1角度範囲にあるときは、中間室3fと供給室3gとが非連通となるため、中間室3f内に流入した潤滑油は、中間室3f内に貯留される。
そして、駆動軸8が第1角度範囲から第3角度範囲に移行することで、第1回転路81aが第1供給路3eと中間室3fとを非連通とする。このため、吐出室10と中間室3fとが非連通となり、吐出室10内の潤滑油が中間室3f内に流入しなくなる。なお、駆動軸8の回転角度が第3角度範囲にあるときには、中間室3fと供給室3gとが非連通となるため、潤滑油は中間室3f内に貯留されたままとなる。
そして、駆動軸8が第3角度範囲から第2角度範囲に移行することで、第2連通区間X2となり、第1回転路81aが中間室3fと供給室3gとを連通させる。このため、中間室3f内の潤滑油が軸孔810から第1径孔811を経て、供給室3g、すなわち、一方側供給室31及び他方側供給室33内に流入する。また、一方側供給室31は一方側第2供給路35と連通しているため、一方側供給室31内に流入した潤滑油の一部は、一方側第2供給路35内まで至ることになる。同様に、他方側供給室33は他方側第2供給路37と連通しているため、他方側供給室33内に流入した潤滑油の一部は、他方側第2供給路37内まで至ることになる。
ここで、駆動軸8が第2角度範囲にあるときは、図8に示すように、第1径孔811は第1供給路3eと非連通となるため、中間室3fと第1供給路3eとが非連通となる。これにより、軸孔810内を流通する潤滑油が第1供給路3e側、つまり、吐出室10側に向かって流通することはない。
そして、供給室3gに至った潤滑油は、駆動軸心O周りに回転する駆動軸8の位相によって、第1〜第5本体部150a〜150eと、第2供給路3h、つまり一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37とが連通することにより、第1〜第5背圧室16a〜16e内に供給される。こうして、このベーン型圧縮機では、第1〜第5背圧室16a〜16e内に供給された潤滑油によって、第1〜第5ベーン17a〜17eが好適にシリンダ室7の内面に押し付けられるとともに、第1〜第5ベーン17a〜17eが第1〜第5ベーン溝15a〜15e内で潤滑される。これにより、このベーン型圧縮機ではチャタリングが防止される。また、このベーン型圧縮機では、圧縮室19からの冷媒ガスの漏れが防止されるため、圧縮効率が高くなっている。なお、第1〜第5背圧室16a〜16e内に供給された潤滑油は、駆動軸8の回転によって第1〜第5本体部150a〜150eが各排油溝3bに連通した際に、各排油溝3b内に排出される。そして各排油溝3b内に排出された潤滑油は、ロータ15とリヤサイドプレート3との隙間等を経てシリンダ室7内に還流される。
このベーン型圧縮機では、第2供給路3hは、第1供給路3eと中間室3fとが非連通であるとき又は中間室3fと供給室3gとが非連通であるときにのみ、第1〜第5背圧室16a〜16eと連通する。つまり、このベーン型圧縮機では、図9に示すように、第1供給路3eと中間室3fとが非連通となる第2非連通区間Y2又は、中間室3fと供給室3gとが非連通となる第1非連通区間Y1又は、第1供給路3eと中間室3fとが非連通となるとともに中間室3fと供給室3gとが非連通となる第3非連通区間Y3であるときに、第2供給路3hを通じて、供給室3gと第1〜第5背圧室16a〜16eとが連通する。換言すれば、このベーン型圧縮機では、第1非連通区間Y1又は第2非連通区間Y2又は第3非連通区間Y3であるときに、供給室3gと第1〜第5背圧室16a〜16eとが連通する各第3連通区間X3が設定されている。
具体的には、第2非連通区間Y2であるときに、供給室3gと第1〜3背圧室16a〜16cとが連通するとともに、供給室3gと第5背圧室16eとが連通する。ここで、第2非連通区間Y2であるときに、供給室3gと第1背圧室16aとが連通する区間と、供給室3gと第2背圧室16bとが連通する区間と、供給室3gと第3背圧室16cとが連通する区間と、供給室3gと第5背圧室16eとが連通する区間とは互いに異なっている。そして、第1非連通区間Y1であるときに、供給室3gと第4背圧室16dとが連通する区間となる。より厳密には、供給室3gと第1背圧室16aとが連通する区間は、第2非連通区間Y2と第3非連通区間Y3とに跨るように設定されている。供給室3gと第4背圧室16dとが連通する区間は、第1非連通区間Y1と第3非連通区間Y3とに跨るように設定されている。なお、図9では、供給室3gと第1〜5背圧室16a〜16eとが連通する各第3連通区間X3の他、第1供給路3eと中間室3fとが連通する第1連通区間X1及び中間室3fと供給室3gとが連通する第2連通区間X2をそれぞれハッチングによって示している。後述する図20についても同様である。
このように、このベーン型圧縮機では、第1供給路3eと中間室3fとが連通する第1連通区間X1と、中間室3fと供給室3gとが連通する第2連通区間X2とに跨って、第2供給路3h、ひいては、供給室3gと第1〜第5背圧室16a〜16eとが連通することがない。
ここで、仮にこのベーン型圧縮機において、第1連通区間X1と第2連通区間X2とに跨って、第2供給路3hが第4背圧室16dと連通する構成、すなわち、図9に示す位置よりも、供給室3gと第4背圧室16dとが連通する区間を紙面の右側にずらして構成する場合を想定する。この場合には、第2供給路3h、供給室3g、第1回転路81a、中間室3f及び第1供給路3e、すなわち背圧供給機構50を通じて、第4背圧室16dと吐出室10とが連通することになる。このため、第2供給路3hが第4背圧室16dに連通した状態でベーン型圧縮機の運転を停止させることにより、第2供給路3hを通じて第4背圧室16d内から供給室3g内へ潤滑油が逆流し、さらに、供給室3gに逆流した潤滑油は、中間室3f及び第1供給路3eを通じて、最終的に吐出室10内へ逆流し得ることになる。
これに対し、このベーン型圧縮機では、第2供給路3hが第1〜第5背圧室16a〜16eと連通しているときには、第1回転路81aは、中間室3fと供給室3gと非連通にしているか又は第1供給路3eと中間室3fとを非連通にしている。このため、このベーン型圧縮機では、例えば第2供給路3hが第1〜第5背圧室16a〜16eと連通した状態、つまり、第2供給路3hを通じて供給室3gと第1〜第5背圧室16a〜16eとが連通した状態で運転を停止させた場合には、第1〜第5背圧室16a〜16e内の潤滑油は、第2供給路3hによって供給室3gまでは逆流し得ることになる。しかし、たとえ供給室3gまで潤滑油が逆流したとしても、この潤滑油は、第1回転路81a及び中間室3fを経由して第1供給路3eには逆流し難い。この結果、このベーン型圧縮機では、第2供給路3hを通じて供給室3gと第1〜第5背圧室16a〜16eとが連通した状態で運転を停止させた場合であっても、第1〜第5背圧室16a〜16e内の潤滑油が背圧供給機構50を経て吐出室10内に逆流することが、ほぼ生じることがない。
このように、このベーン型圧縮機では、吐出室10と供給室3gとが直接連通するタイミングが存在しないため、第3非連通区間Y3を含む第1非連通区間Y1又は第2非連通区間Y2のいずれかにおいて、第2供給路3hを第1〜第5背圧室16a〜16eに連通させれば、つまり、このタイミングで各第3連通区間X3を設定すれば、第1〜第5背圧室16a〜16e内の潤滑油が吐出室10内に逆流することを抑制できる。このため、このベーン型圧縮機では、第2供給路3hが第1〜第5背圧室16a〜16eに連通する各タイミング、すなわち、各第3連通区間X3の設計の自由度を高くすることができる。これにより、このベーン型圧縮機では、駆動軸8の1回転当たりにおける各第3連通区間X3を好適に確保することが可能となっている。また、このベーン型圧縮機では、各第3連通区間X3同士での連通間隔についても好適に調整することが可能となっている。こうして、このベーン型圧縮機では、潤滑油によって第1〜第5背圧室16a〜16e内を十分に昇圧させることができるとともに、昇圧した第1〜第5背圧室16a〜16eが減圧するまでの期間を好適に調整することが可能となっているため、シリンダ室7の内面に第1〜第5ベーン17a〜17eを十分に押し付けることが可能となっている。
したがって、実施例1のベーン型圧縮機によれば、第1〜第5背圧室16a〜16e内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、第1〜第5背圧室16a〜16eの潤滑油が吐出室10内に逆流することを抑制可能であり、かつ、チャタリング及び圧縮室19からの冷媒ガスの漏れを好適に抑制できる。
特に、このベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3に供給室3g及び中間室3fを形成することにより、駆動軸8内に供給室3gや中間室3fを形成する必要がなく、駆動軸8の剛性を好適に確保することが可能となっている。そして、リヤサイドプレート3において、供給室3gが中間室3fよりも駆動軸心O方向で前方側となる位置に形成されることにより、中間室3fと供給室3gとが駆動軸心O方向で互いに離間している。このため、このベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3において、中間室3fと供給室3gとが駆動軸心O方向で重なるように配置される場合に比べて、中間室3fと供給室3gとについて、形状の複雑化を抑制しつつ、潤滑油を十分に貯留し得る大きさに形成されているとともに、互いが好適に区画されている。このように、このベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3において、中間室3fと供給室3gとを容易に形成することが可能となっている。
さらに、このベーン型圧縮機では、第1回転路81aが1つの軸孔810と、軸孔810と連通する1つの第1径孔811とで構成されている。軸孔810は、常に中間室3fと連通している。そして、第1径孔811は、第1供給路3eと非連通であるときに供給室3gと連通する一方、第1供給路3eと連通するときに供給室3gと非連通となる。これにより、このベーン型圧縮機では、第1回転路81aを簡素化しつつ、上記の作用を奏することが可能となっている。ここで、このベーン型圧縮機では、第1、2供給室31、33が駆動軸心O方向で第1供給路3eと重なる位置であって、第1供給路3eの開口箇所より外周側となる位置にそれぞれ配置されている。このため、第1回転路81aにおいて、第1径孔811は、第1供給路3eから中間室3fへ潤滑油が流通する際の潤滑油の入口として機能するとともに、中間室3fから第1、2供給室31、33へ潤滑油が流通する際の潤滑油の出口としても機能する。こうして、このベーン型圧縮機では、第1回転路81aを簡素化することで、駆動軸8に第1回転路81aを容易に形成することが可能となっている。
また、このベーン型圧縮機では、供給室3gが一方側供給室31と他方側供給室33とからなり、第2供給路3hが一方側第2供給路35と他方側第2供給路37とからなる。これにより、このベーン型圧縮機では、第1回転路81aを通じて、中間室3fから一方側供給室31及び他方側供給室33にそれぞれ潤滑油を流通させることが可能となっている。そして、一方側第2供給路35を通じて、一方側供給室31から第1〜第5背圧室16a〜16eに潤滑油を供給できるとともに、他方側第2供給路37を通じて、他方側供給室33から第1〜第5背圧室16a〜16eに潤滑油を供給できる。こうして、このベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3に供給室3gが1つだけ形成されている場合に比べて、一方側供給室31及び他方側供給室33の大型化や形状の複雑化を抑制しつつ、一方側供給室31及び他方側供給室33によって、潤滑油を第1〜第5背圧室16a〜16eに好適に供給することが可能となっている。
ここで、このベーン型圧縮機では、一方側供給室31と他方側供給室33とが左右対称の形状であり、一方側第2供給路35と他方側第2供給路37とは同一の形状である。そして、第1回転路81aにおいて、第1径孔811が駆動軸8の後端部位8bを径方向に貫通しているため、中間室3fに貯留された潤滑油を一方側供給室31と他方側供給室33とに同時に流通させることが可能となっている。これらにより、このベーン型圧縮機では、一方側供給室31と他方側供給室33とで、潤滑油の貯留量、ひいては、第1〜第5背圧室16a〜16eに対する潤滑油の供給量を均等にすることが可能となっている。
また、このベーン型圧縮機では、第2供給路3hが第1〜第5背圧室16a〜16eに連通するタイミングを調整するに当たって、ロータ15に対して、特開2015−34518号公報記載のベーン型圧縮機のような細溝を形成する必要がない。このため、このベーン型圧縮機では、製造の容易化による製造コストの低廉化も実現している。
(実施例2)
図10に示すように、実施例2のベーン型圧縮機では、駆動軸8の後端部位8bに対して、第2回転路81bが形成されている。第2回転路81bも本発明における「回転路」の一例である。これにより、このベーン型圧縮機では、第1供給路3eと、中間室3fと、一方側供給室31と、他方側供給室33と、一方側第2供給路35と、他方側第2供給路37と、第2回転路81bとによって、背圧供給機構50が構成されている。
また、このベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3において、一方側供給室31及び他方側供給室33、すなわち供給室3gが第1供給路3eよりも、駆動軸心O方向で前方側となる位置に形成されている。これにより、このベーン型圧縮機において、供給室3gは、中間室3fと駆動軸心O方向で離間していることに加えて、第1供給路3eとも駆動軸心O方向で離間している。また、このように、供給室3gが第1供給路3eよりも駆動軸心O方向で前方側となる位置に形成されることにより、一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37、すなわち第2供給路3hは、実施例1のベーン型圧縮機に比べて、駆動軸心O方向に短く形成されている。
第2回転路81bは、軸孔810と、第1径孔811と、第2径孔812とで構成されている。軸孔810は、実施例1のベーン型圧縮機に比べて、駆動軸心O方向に長く形成されている。第1径孔811は、実施例1のベーン型圧縮機に比べて、後端部位8bの後方側に形成されており、軸孔810と連通している。これにより、第1径孔811は、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されることで、第1供給路3eと対向して第1供給路3eに開口するようになっているものの、一方側供給室31及び他方側供給室33とは対向しなくなっている。
第2径孔812は、第1径孔811と同様、後端部位8bの内部を駆動軸8の径方向に延びており、軸孔810と連通している。また、第2径孔812は、第1径孔811と同径とされており、後端部位8bを駆動軸8の径方向に貫通している。これにより、第2径孔812も後端部位8bの外周面80において、2箇所で開口している。ここで、第2径孔812は、後端部位8bにおいて、第1径孔811よりも前方側に配置されている。これにより、第2径孔812は、第1径孔811よりも前方側で軸孔810と連通しているとともに、第1径孔811よりも前方側で外周面80に開口している。また、第2径孔812は、第1径孔811と平行に延びている。これにより、駆動軸8において、第1径孔811と第2径孔812とは、互いに位相が揃っている。
このように、後端部位8bにおいて、第2径孔812が第1径孔811よりも前方側に配置されていることにより、第2径孔812は、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されることで、一方側供給室31及び他方側供給室33と対向して一方側供給室31及び他方側供給室33に開口するようになっている。この一方で、第2径孔812は、第1供給路3eとは対向しないようになっている。こうして、第2回転路81bでも、駆動軸8の回転によって、第1供給路3eと中間室3fとを間欠的に連通させるとともに、中間室3fと供給室3gとを間欠的に連通させる。
より具体的には、第2回転路81bは、駆動軸8が駆動軸心O周りで回転し、図11に示すように、第1径孔811が第1供給路3eと対向しつつ、第1供給路3eと連通することにより、第1径孔811及び軸孔810を通じて、第1供給路3eと中間室3fとを連通させる。つまり、実施例1のベーン型圧縮機と同様、駆動軸8が第1角度範囲にあるとき、第2回転路81bによって第1供給路3eと中間室3fとが連通する第1連通区間X1となる。ここで、第2回転路81bにおいて、第1径孔811が第1供給路3eと連通しているときには、図12に示すように、第2径孔812は、一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37のいずれとも対向しない状態となる。つまり、第2径孔812は供給室3gと非連通となる。こうして、第2回転路81bでも、駆動軸8が第1角度範囲にあるときには、中間室3fと供給室3gとが非連通となる第1非連通区間Y1となる。
一方、図13に示すように、図13に示す駆動軸8の回転角度を含め、駆動軸8が第2角度範囲にあるときには、第1径孔811が第1供給路3eと非連通となる。つまり、駆動軸8が第2角度範囲にあるときには、第1供給路3eと中間室3fとが非連通となる第2非連通区間Y2となる。また、駆動軸8が第2角度範囲にあるときには、第2径孔812が一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37の両方と対向しつつ、一方側第2供給路35及び他方側第2供給路37と連通する。こうして、駆動軸8が第2角度範囲にあるとき、第2回転路81bは、第2径孔812及び軸孔810を通じて、中間室3fと供給室3gとを連通させることで第2連通区間X2となる。なお、実施例1のベーン型圧縮機と同様、このベーン型圧縮機においても、第1角度範囲と第2角度範囲との間に第3角度範囲が設定されている。このベーン型圧縮機における他の構成は実施例1のベーン型圧縮機と同様であり、同一の構成については、同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
このベーン型圧縮機では、駆動軸8が第1角度範囲にあるとき、第1供給路3eと中間室3fとが連通することで、吐出室10内の潤滑油が中間室3f内に流入する。この際、第2径孔812は供給室3gと非連通であるため、吐出室10から中間室3fに向かう潤滑油が供給室3g内に流入することがない。そして、駆動軸8が第2角度範囲にあるとき、中間室3fと供給室3gとが連通することで、中間室3f内の潤滑油が供給室3g内に流入する。この際、第1径孔811は第1供給路3eと非連通であるため、中間室3fから供給室3gに向かう潤滑油が第1供給路3e、ひいては吐出室10内に流入することがない。
そして、このベーン型圧縮機においても、第3非連通区間Y3を含め第1非連通区間Y1又は第2非連通区間Y2であるときに第2供給路3hが第1〜第5背圧室16a〜16eと連通する。つまり、第1非連通区間Y1や第2非連通区間Y2や第3非連通区間Y3であるときに、各第3連通区間X3となる。こうして、このベーン型圧縮機でも、実施例1のベーン型圧縮機と同様の作用を奏することができる。
また、このベーン型圧縮機では、駆動軸8の後端部8bに対して、軸孔810と第1供給路3eとに連通する第1径孔811と、軸孔810と供給室3gとに連通する第2径孔812とが形成されている。これにより、このベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3において、供給室3gと第1供給路3eとを駆動軸心O方向で離間させて配置することが可能となっている。こうして、このベーン型圧縮機では、供給室3gや第1供給路3eの設計の自由度を高くすることが可能となっている。
(実施例3)
図15〜図19に示すように、実施例3のベーン型圧縮機では、実施例1、2のベーン型圧縮機に比べて、一方側供給室31及び他方側供給室33、すなわち供給室3gを大径化させている。また、実施例3のベーン型圧縮機では、実施例2のベーン型圧縮機と同様、駆動軸8の後端部位8bに対して、第2回転路81bを形成している。ここで、実施例3のベーン型圧縮機では、第2回転路81bにおいて、第1径孔811よりも第2径孔812をやや大径化させている。
このように、供給室3gを大径化するとともに、第2径孔812を大径化することにより、図16及び図17に示すように、このベーン型圧縮機では、第1径孔811を介して第1供給路3eと中間室3fとが連通する際、中間室3fが第2径孔812を介して供給室3gとも連通し始める。つまり、図16及び図17に示す駆動軸8の回転角度を含め、図20に示すように、駆動軸8が第1角度範囲にあるとき、第1供給路3eと中間室3fと供給室3gとが連通する第1連通区間X1となる。これにより、第1連通区間X1の一部では、潤滑油が第1供給路3eから第2回転路81bを通じて中間室3fに流通するとともに、供給室3gにも流通する。
また、図18及び図19に示す駆動軸8の回転角度を含め、第2非連通区間Y2では、第1供給路3eと中間室3fとが非連通となる。この際、第1供給路3eと供給室3gとについても非連通となる。
また、このベーン型圧縮機においても、図18及び図19に示す駆動軸8の回転角度を含め、図20に示すように、駆動軸8が第2角度範囲にあるときには、中間室3fと供給室3gとが連通する第2連通区間X2となる。上記のように、このベーン型圧縮機では、供給室3gが大径化されているため、実施例1、2のベーン型圧縮機に比べて、第2角度範囲が大きくなっており、駆動軸8の1回転当たりにおける第2連通区間X2が長くなっている。また、このベーン型圧縮機では、第1非連通区間Y1では、中間室3fが第1供給路3eと非連通となる。ここで、駆動軸8の1回転当たりにおける第2連通区間X2が長くなっている分、このベーン型圧縮機では、実施例1、2のベーン型圧縮機に比べて、駆動軸8の1回転当たりにおける第1非連通区間Y1が短くなっている。
また、このベーン型圧縮機では、駆動軸8が1回転する間おいて第1連通区間X1と第2連通区間X2とが一部で重なる。換言すれば、このベーン型圧縮機では、駆動軸8が1回転する間に、第1供給路3eと中間室3fとの間、中間室3fと供給室3gとの間及び供給室3gと背圧室16a〜16eとの間について、いずれも非連通となる状態が存在しない。
そして、図20に示すように、このベーン型圧縮機では、第1連通区間X1と第2連通区間X2とが重ならないタイミングにおいて、供給室3gと第1〜5背圧室16a〜16eとが連通する各第3連通区間X3を設定している。このベーン型圧縮機における他の構成は実施例1、2のベーン型圧縮機と同様である。
このベーン型圧縮機でも、実施例1、2のベーン型圧縮機と同様の作用を奏することができる。つまり、このベーン型圧縮機においても、第1供給路3eと中間室3fとの間と、中間室3fと供給室3gとの間と、供給室3gと背圧室16a〜16eとの間との3つが同時に連通することがない。
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1のベーン型圧縮機では、軸孔810と第1径孔811とで第1回転路81aを構成しており、実施例2、3のベーン型圧縮機では、軸孔810と第1径孔811と第2径孔812とで第2回転路81bを構成している。しかし、これらに限らず、他の構成によって本発明における「回転路」を構成しても良い。
また、実施例1、2のベーン型圧縮機において、第3非連通区間Y3に重なることがないように各第3連通区間X3を設定することにより、駆動軸8が1回転する間において、第1供給路3eと中間室3fとが非連通となるとともに、中間室3fと供給室3gとが非連通となり、かつ、供給室3gと第1〜第5背圧室16a〜16eとが非連通となる状態を設定しても良い。
さらに、実施例1〜3のベーン型圧縮機において、リヤサイドプレート3に供給室3gを1つ形成する構成としても良い。
また、実施例1〜3のベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3によって本発明の「第2区画壁」が形成されている。しかし、これに限らず、リヤサイドプレート3と他の部材とを組み合わせて、本発明における「第2区画壁」を形成しても良い。
本発明は車両用空調装置に利用可能である。
1…ハウジング
2…フロントハウジング(第1区画壁)
3…リヤサイドプレート(第2区画壁)
3d…第2支承穴(支承穴)
3e…第1供給路
3f…中間室
3g…供給室
3h…第2供給路
7…シリンダ室
8…駆動軸
9…吸入室
10…吐出室
15…ロータ
15a〜15e…第1〜第5ベーン溝(ベーン溝)
16a〜16e…第1〜第5背圧室(背圧室)
17a〜17e…第1〜第5ベーン(ベーン)
19…圧縮室
31…一方側供給室
33…他方側供給室
35…一方側第2供給路
37…他方側第2供給路
50…背圧供給機構
81a…第1回転路(回転路)
81b…第2回転路(回転路)
810…軸孔
811…第1径孔(径孔)
812…第2径孔(径孔)
O…駆動軸心

Claims (4)

  1. 吸入室、吐出室、支承穴及びシリンダ室が形成されたハウジングと、
    前記支承穴に支承され、駆動軸心周りに回転可能な駆動軸と、
    前記シリンダ室内で前記駆動軸と同期回転可能に設けられ、複数個のベーン溝が形成されたロータと、
    前記各ベーン溝に各々出没可能に設けられたベーンとを備え、
    前記ハウジングは、前記駆動軸心方向の一方側で前記シリンダ室に面する第1区画壁と、前記駆動軸心方向の他方側で前記シリンダ室に面するとともに、前記吐出室と前記シリンダ室とを区画する第2区画壁とを有し、
    前記シリンダ室の内面、前記ロータの外面、前記第1区画壁、前記第2区画壁及び前記各ベーンによって圧縮室が形成され、
    前記各ベーン溝と前記各ベーンとの間は、前記第1区画壁と前記第2区画壁とで区画される背圧室とされ、
    前記吐出室と前記各背圧室との間に位置し、前記吐出室内の潤滑油を前記各背圧室に供給する背圧供給機構が設けられているベーン型圧縮機であって、
    前記支承穴は、前記第2区画壁に形成され、
    前記背圧供給機構は、前記第2区画壁に形成されて前記吐出室と連通する第1供給路と、
    前記第1供給路とは異なる位置で前記第2区画壁に形成された中間室と、
    前記第1供給路及び前記中間室とは異なる位置で前記第2区画壁に形成された供給室と、
    前記第2区画壁に形成されて前記供給室と接続し、前記駆動軸の回転方向の位相に応じて前記供給室と前記背圧室とを間欠的に連通させる第2供給路と、
    前記駆動軸に形成されて前記中間室と前記供給室とに開口し、前記駆動軸の回転によって、前記第1供給路と前記中間室とを間欠的に連通させるとともに、前記中間室と前記供給室とを間欠的に連通させる回転路とを有し、
    前記中間室と前記供給室とは、前記駆動軸心方向で互いに離間し、
    前記供給室は、前記支承穴の外周側に位置して前記支承穴と接続するとともに、前記駆動軸の外周面によって前記支承穴と区画され、
    前記駆動軸の回転により、前記第1供給路と前記中間室との間、前記中間室と前記供給室との間及び前記供給室と前記背圧室との間の少なくとも1つは非連通となることを特徴とするベーン型圧縮機。
  2. 前記回転路は、前記駆動軸の内部を前記駆動軸心方向に延びて前記駆動軸の端面から前記中間室に開口する軸孔と、
    前記駆動軸を径方向に延び、前記駆動軸の前記外周面から前記供給室に開口するとともに、前記駆動軸の内部で前記軸孔と連通する径孔とからなり、
    前記軸孔は、常に前記中間室と連通する請求項1記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記径孔は、前記駆動軸を径方向に貫通して前記第1供給路と連通可能な第1径孔と、前記第1径孔とは異なる位置で前記駆動軸を径方向に貫通して前記供給室と連通可能な第2径孔とからなる請求項2記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記供給室は、一方側供給室と、前記駆動軸心を挟んで前記一方側供給室と対向するとともに、前記駆動軸の前記外周面によって前記一方側供給室と区画される他方側供給室とからなり、
    前記第2供給路は、前記一方側供給室と前記背圧室とを間欠的に連通させる一方側第2供給路と、前記他方側供給室と前記背圧室とを間欠的に連通させる他方側第2供給路とからなる請求項1乃至3のいずれか1項記載のベーン型圧縮機。
JP2020052902A 2020-03-24 2020-03-24 ベーン型圧縮機 Pending JP2021152350A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052902A JP2021152350A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 ベーン型圧縮機
CN202110300732.2A CN113446220A (zh) 2020-03-24 2021-03-22 叶片型压缩机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052902A JP2021152350A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 ベーン型圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021152350A true JP2021152350A (ja) 2021-09-30

Family

ID=77809117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020052902A Pending JP2021152350A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 ベーン型圧縮機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2021152350A (ja)
CN (1) CN113446220A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CN113446220A (zh) 2021-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5018993B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2006220142A (ja) スクロール型圧縮機
JP6402648B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP5261992B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5708570B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP2008031920A (ja) 回転式圧縮機
JP6083408B2 (ja) ベーン型圧縮機
KR100793001B1 (ko) 스크롤 압축기
JP5277283B2 (ja) スクロール圧縮機およびそれを搭載した冷凍サイクル
JP2021152350A (ja) ベーン型圧縮機
JP2008038616A (ja) 回転式圧縮機
JP2012184709A (ja) スクロール圧縮機
JP4881709B2 (ja) スクロール圧縮機およびそれを搭載した冷凍サイクル
WO2013140458A1 (ja) スクロール圧縮機
JP2006214445A (ja) ロータリコンプレッサ
JP2009299523A (ja) スクロール型流体機械
JP5786907B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP4604968B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5626260B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP2021124064A (ja) ベーン型圧縮機
JP2021124086A (ja) ベーン型圧縮機
JP4726444B2 (ja) 多気筒回転圧縮機
JP7272310B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP2022149117A (ja) ベーン型圧縮機
JP2005351111A (ja) スクロール圧縮機