JP2021124086A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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翔太 久保山
Shota Kuboyama
翔太 久保山
強 関森
Tsutomu Sekimori
強 関森
雅洋 稲垣
Masahiro Inagaki
雅洋 稲垣
紀一 出戸
Kiichi Ideto
紀一 出戸
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Abstract

【課題】各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを好適に防止可能であり、かつ、製造コストの低廉化を実現可能なベーン型圧縮機を提供する。【解決手段】本発明のベーン型圧縮機では、ロータ15に第1〜第5ベーン溝15a〜15eと、第1〜第4連絡溝16a〜16dとが形成されている。第1〜第4ベーン溝15a〜15dは、それぞれ第1〜第4連絡溝16a〜16dと繋がっている。このベーン型圧縮機では、第1供給路3eと各第2供給路3fとが非連通であるとき、各第2供給路3fと第1〜第4連絡溝16a〜16dとが対向して連通する。これにより、吐出室10内の潤滑油が第1〜第4背圧室18a〜18dに供給される。一方、第5背圧室18eには各排油溝3b内の潤滑油が供給される。【選択図】図5

Description

本発明はベーン型圧縮機に関する。
特許文献1に従来のベーン型圧縮機が開示されている。このベーン型圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、ロータと、複数個のベーンとを備えている。ハウジングには、吸入室、吐出室及びシリンダ室が形成されている。駆動軸はハウジングに支承されており、駆動軸心周りで回転可能となっている。ロータは、シリンダ室内で駆動軸と同期回転可能に設けられている。ロータには複数個のベーン溝が形成されている。各ベーンは、各ベーン溝に各々出没可能に設けられている。ハウジングは第1区画壁と第2区画壁とを有している。また、各ベーン溝と各ベーンとの間は、第1区画壁と第2区画壁とで区画される背圧室とされている。
また、このベーン型圧縮機では、ロータに対して、ベーン溝と同数の連絡溝が形成されている。各連絡溝は、駆動軸心に向かって延びている。また、各ベーン溝と各連絡溝とは、それぞれ繋がっている。さらに、このベーン型圧縮機には、各背圧室に対して吐出室内の潤滑油を供給する背圧供給機構が設けられている。背圧供給機構は、第2区画壁に形成された上流路及び下流路と、駆動軸に形成された回転路とを有している。上流路は吐出室と連通している。下流路は、駆動軸の回転方向の位相に応じて各連絡溝と間欠的に連通する。回転路は、駆動軸の回転に伴い上流路と下流路とを間欠的に連通させる。
このベーン型圧縮機では、回転路が上流路と下流路とを非連通にしているときに、下流路と各連絡溝とが連通する。これにより、吐出室内の潤滑油が連絡溝を通じて背圧室内に供給される。こうして、このベーン型圧縮機では、背圧室に供給された潤滑油によって各ベーンがシリンダ室の内面に押し付けられるため、チャタリングが防止されるとともに、圧縮室からの冷媒の漏れが防止されている。
一方、ベーン型圧縮機では、回転路が上流路と下流路とを連通させているときには、下流路と各連絡溝とが非連通となる。これにより、このベーン型圧縮機では、たとえ下流路と各連絡溝とが連通した状態、つまり、下流路と背圧室とが連通した状態で運転を停止させた場合であっても、背圧室と吐出室とは非連通となる。こうして、このベーン型圧縮機では、背圧室内の潤滑油が背圧供給機構を経て吐出室内に逆流したり、背圧室内から吐出室内に逆流する潤滑油によって駆動軸が逆回転したりすることを防止している。
特開2015−34518号公報
各背圧室に潤滑油を供給するとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを防止するためには、下流路が各背圧室に連通する連通区間では、上流路と下流路とが非連通となるように調整する必要がある。この点、上記従来のベーン型圧縮機では、各連絡溝を通じて下流路と各背圧室とを連通させることにより、下流路が各背圧室に連通する連通区間が短くなるように調整している。さらに、このベーン型圧縮機では、各連絡溝が各ベーン溝に接続する角度を調整することによって、下流路と各背圧室とが連通する連通区間と、上流路と下流路とが連通する連通区間とがずれるように調整している。こうして、このベーン型圧縮機では、下流路と各背圧室とが連通する連通区間と、上流路と下流路とが連通する連通区間とが重ならないようにしている。
しかし、発明者の検証によれば、全てのベーン溝の背圧室がそれぞれ連絡溝を通じて下流路と連通する構成では、下流路と各背圧室とが連通する連通区間の設計が厳しく制限されてしまう。このため、このベーン型圧縮機では、潤滑油によって背圧室内が十分に昇圧されなかったり、昇圧した背圧室が減圧するまでの期間が早まったりすることで、シリンダ室の内面にベーンを好適に押し付けることができなくなるおそれがある。
また、このベーン型圧縮機では、ロータに対して、ベーン溝と同数の連絡溝を形成する必要があるため、ロータの加工が複雑となる。これにより、このベーン型圧縮機では、製造効率を向上させ難く、製造コストの低廉化が難しい。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを好適に防止可能であり、かつ、製造コストの低廉化を実現可能なベーン型圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のベーン型圧縮機は、吸入室、吐出室及びシリンダ室が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに支承され、駆動軸心周りに回転可能な駆動軸と、
前記シリンダ室内で前記駆動軸と同期回転可能に設けられ、複数個のベーン溝が形成されたロータと、
前記ベーン溝に各々出没可能に設けられたベーンとを備え、
前記ハウジングは、前記駆動軸心方向の一方側で前記シリンダ室に面する第1区画壁と、前記駆動軸心方向の他方側で前記シリンダ室に面するとともに、前記吐出室と前記シリンダ室とを区画する第2区画壁とを有し、
前記ロータの外面、前記第1区画壁、前記第2区画壁及び前記各ベーンによって、前記シリンダ室内に圧縮室が形成され、
前記各ベーン溝と前記各ベーンとの間は、前記第1区画壁と前記第2区画壁とで区画される背圧室とされるベーン型圧縮機であって、
前記第2区画壁には、前記回転方向の位相に応じて前記各ベーン溝と対向する排油溝が形成され、
前記第2区画壁に対向する前記ロータの端面には、前記ベーン溝より少なく、前記駆動軸心に向かって延在する連絡溝が形成され、
前記各ベーン溝は、前記連絡溝と繋がった前記ベーン溝である連絡溝付きベーン溝と、前記連絡溝付きベーン溝以外の連絡溝なしベーン溝とに定義され、
前記第2区画壁に形成されて前記吐出室と連通する第1供給路と、前記第2区画壁に形成され、前記排油溝とは異なる位置で開口し、前記駆動軸の回転方向の位相に応じて前記連絡溝と間欠的に連通する第2供給路と、前記駆動軸に形成され、前記駆動軸の回転に伴い前記第1供給路と前記第2供給路とを間欠的に連通させる回転路とが形成され、
前記連絡溝は、前記第2供給路と対向する位置まで延び、
前記第1供給路と前記第2供給路とが非連通であるとき、前記連絡溝が前記第2供給路と対向して連通することにより、前記連絡溝付きベーン溝の前記背圧室に前記吐出室内の潤滑油が供給され、
前記連絡溝なしベーン溝の前記背圧室には、前記排油溝内の潤滑油が供給されることを特徴とする。
本発明のベーン型圧縮機は、ベーン溝が連絡溝付きベーン溝と、連絡溝なしベーン溝とに定義されている。そして、連絡溝付きベーン溝の背圧室には、第1供給路、回転路及び第2供給路を通じて、吐出室内の潤滑油が供給される。ここで、このベーン型圧縮機では、連絡溝が第2供給路と対向する位置まで延びている。そして、連絡溝が第2供給路と対向して連通することによって、第2供給路内、ひいては吐出室内の高圧の潤滑油が連絡溝付きベーン溝の背圧室に供給される。これにより、連絡溝付きベーン溝に設けられたベーンは、背圧室に供給された潤滑油によってシリンダ室の内面に押し付けられる。また、この背圧室に供された潤滑油は、連絡溝付きベーン溝が排油溝と対向することにより、排油溝に排出される。
これに対し、連絡溝なしベーン溝の背圧室には、排油溝内の潤滑油が供給される。ここで、排油溝内の潤滑油は、連絡溝付きベーン溝の背圧室から排出された潤滑油であるため、十分に高圧となっている。これにより、連絡溝なしベーン溝に設けられたベーンについても、背圧室に供給された潤滑油によってシリンダ室の内面に押し付けられる。
このように、連絡溝なしベーン溝の背圧室には排油溝内の潤滑油が供給されるため、全てのベーン溝の背圧室に対して、第2供給路を通じて吐出室内の潤滑油を供給する構成に比べて、このベーン型圧縮機では、連絡溝付きベーン溝の背圧室に潤滑油が供給されるタイミング、つまり、第2供給路と連絡溝付きベーン溝の背圧室とが連通する連通区間の設計の自由度を高くできる。このため、第2供給路及び連絡溝を通じて、連絡溝付きベーン溝の背圧室に好適に潤滑油を供給できる。また、このベーン型圧縮機において、連絡溝なしベーン溝の背圧室に対しては、第2供給路から吐出室内の潤滑油が供給されないため、連絡溝なしベーン溝の背圧室に潤滑油が供給されるタイミングも好適に設計できる。これにより、連絡溝なしベーン溝の背圧室にも好適に潤滑油を供給できる。
こうして、このベーン型圧縮機では、連絡溝付きベーン溝及び連絡溝なしベーン溝の両方において、潤滑油によって背圧室内が好適に昇圧されるとともに、昇圧した背圧室が減圧するまでの期間を好適に調整することができる。この結果、このベーン型圧縮機では、各ベーンを好適にシリンダ室の内面に押し付けることが可能となり、チャタリングや圧縮室からの冷媒の漏れを好適に防止できる。
そして、このベーン型圧縮機では、第2供給路と連絡溝とが連通しているときには、回転路が第1供給路と第2供給路とを非連通とする。このため、このベーン型圧縮機では、たとえ連絡溝を通じて、連絡溝付きベーン溝の背圧室と第2供給路とが対向した状態で運転を停止させた場合であっても、連絡溝付きベーン溝の背圧室と第1供給路とは非連通となる。このため、連絡溝付きベーン溝の背圧室内の潤滑油が連絡溝、第2供給路、回転路及び第1供給路を経て吐出室内に逆流したり、背圧室内から吐出室内に逆流する潤滑油によって駆動軸が逆回転したりすることを防止できる。また、このベーン型圧縮機において、連絡溝なしベーン溝の背圧室には、第2供給路によって吐出室内の潤滑油が供給されないため、連絡溝なしベーン溝の背圧室内の潤滑油が第2供給路、回転弁及び第1供給路を経て吐出室内に逆流することもない。
さらに、このベーン型圧縮機において、連絡溝の個数はベーン溝の個数よりも少ないことから、連絡溝は全てのベーン溝と繋がることはない。このため、ロータに対して、ベーン溝と同数の連絡溝を形成する場合に比べて、ロータに連絡溝を形成するための加工も容易となる。これにより、このベーン型圧縮機では、製造効率を向上させることができる。
したがって、本発明のベーン型圧縮機によれば、各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを好適に防止可能であり、かつ、製造コストの低廉化を実現できる。
連絡溝なしベーン溝は、連絡溝付きベーン溝よりも少数であることが好ましい。この場合には、排油溝から連絡溝なしベーン溝の背圧室に供給される潤滑油が不足し難くなるため、潤滑油によって連絡溝なしベーン溝の背圧室内を十分に昇圧させることが可能となる。
連絡溝は複数であるとともに、排油溝と対向し得る。また、連絡溝なしベーン溝の隣には、ロータの回転方向の前後で連絡溝付きベーン溝が配置され得る。そして、連絡溝は、連絡溝なしベーン溝に向けて傾斜していることが好ましい。
連絡溝なしベーン溝の背圧室内の圧力は、第2供給路から吐出室内の潤滑油が供給される連絡溝付きベーン溝の背圧室内の圧力に比べて低くなる傾向にある。この点、このベーン型圧縮機では、連絡溝が連絡溝なしベーン溝に向けて傾斜しているため、連絡溝を通じて、連絡溝付きベーン溝の背圧室から排油溝に排出された潤滑油は、高圧を好適に維持しつつ、連絡溝なしベーン溝の背圧室に供給され易くなる。また、連絡溝なしベーン溝の隣には、ロータの回転方向の前後で連絡溝付きベーン溝が配置されるため、たとえ連絡溝なしベーン溝が複数存在する場合であっても、連絡溝なしベーン溝同士が隣り合うことがない。これらのため、連絡溝付きベーン溝の背圧室から排油溝に排出された潤滑油によって、連絡溝なしベーン溝の背圧室内の圧力を好適に高くすることができる。
本発明のベーン型圧縮機によれば、各背圧室内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、各背圧室内の潤滑油が吐出室内に逆流することを好適に防止可能であり、かつ、製造コストの低廉化を実現できる。
図1は、実施例1のベーン型圧縮機を示す断面図である。 図2は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図1のA−A断面を示す断面図である。 図3は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図1のB−B断面を示す断面図である。 図4は、実施例1のベーン型圧縮機を示す要部拡大断面図である。 図5は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、ロータを示す模式図である。 図6は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、ロータの端面を示す模式拡大図である。 図7は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図5に示す状態よりも駆動軸心周りに回転したロータを示す模式図である。 図8は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図5及び図7に示す状態よりも駆動軸心周りに回転したロータを示す模式図である。 図9は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図4のC−C断面を示す要部拡大断面図である。 図10は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図4のC−C断面を示す要部拡大断面図である。 図11は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、第2供給路と背圧室とが連通するタイミングと、第1供給路と第2供給路とが連通するタイミングとを示すタイミングチャートである。 図12は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、駆動軸の回転角度と、背圧室内の圧力変化とを示すグラフである。 図13は、実施例2のベーン型圧縮機に係り、図5と同様の模式図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。実施例1、2のベーン型圧縮機はいずれも図示しない車両に搭載されており、車両の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1〜図3に示すように、実施例1のベーン型圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸8と、ロータ15と、第1〜第5ベーン17a〜17eと、背圧供給機構50とを備えている。ハウジング1は、フロントハウジング2と、リヤサイドプレート3と、ブロック4と、シェル5とを有している。フロントハウジング2は、本発明における「第1区画壁」の一例である。また、リヤサイドプレート3及びブロック4によって、本発明における「第2区画壁」が形成されている。
本実施例では、図1に示す実線矢印によって、ベーン型圧縮機の前後方向及び上下方向を規定している。また、図2では、図1に対応してベーン型圧縮機の上下方向を規定している他、ベーン型圧縮機の左右方向、すなわち幅方向を規定している。そして、図3以降では、図1に対応してベーン型圧縮機の前後方向、上下方向及び左右方向を規定している。また、ベーン型圧縮機の前方側が本発明における「駆動軸心方向の一方側」に対応しており、ベーン型圧縮機の後方側が本発明における「駆動軸心方向の他方側」に対応している。なお、これらの各方向は説明の便宜上のための一例である。
図1に示すように、フロントハウジング2は、本体壁2aと第1側壁2bとを有している。本体壁2aは、フロントハウジング2の径方向に延びている。本体壁2aの後面は、第1面2cとされている。第1面2cは、駆動軸8の駆動軸心Oに直交して延びている。また、本体壁2aには、駆動軸心O方向で前方に突出する第1ボス2dが形成されており、第1ボス2d内には第1支承穴2eが形成されている。第1支承穴2eは、駆動軸心O方向で第1ボス2dの前端から第1面2cまで延びている。ここで、駆動軸心O方向は、ベーン型圧縮機の前後方向と平行である。第1支承穴2e内には軸封装置11が設けられている。また、本体壁2aには、連通路2fが形成されている。連通路2fは、本体壁2a内を傾斜しつつ前後方向に延びている。これにより、連通路2fは、軸封装置11と後述する吸入室9とを連通させている。さらに、本体壁2aの外周面には、第1Oリング13aが設けられている。
第1側壁2bは、本体壁2aと一体をなしており、本体壁2aから駆動軸心O方向で後方に向かって筒状に延びている。第1側壁2b内には、シリンダ室7が凹設されている。図2及び図3に示すように、シリンダ室7は、駆動軸心Oに直交する断面が楕円形となる柱状をなしている。また、第1側壁2bの外周面には、吸入室9と2個の吸入ポート9bとが形成されている。吸入室9は、第1側壁2bを1周する環状をなしている。各吸入ポート9bは、それぞれ第1側壁2bの径方向に延びており、シリンダ室7と吸入室9とを連通している。さらに、図3に示すように、第1側壁2bの後方側には、2個の吐出ポート10bが形成されている。各吐出ポート10bは、それぞれシリンダ室7と連通している。また、図1に示すように、第1側壁2bの外周面において、吸入室9よりも後方側となる個所には、第2Oリング13bが設けられている。
リヤサイドプレート3は、フロントハウジング2の後方側に配置されている。図4に示すように、リヤサイドプレート3には、第2面3aと、2個の排油溝3bと、第2ボス3cと、第2支承穴3dと、第1供給路3eと、2本の第2供給路3fと、第1吐出路3gとが形成されている。また、リヤサイドプレート3の外周面には、第3Oリング13cが設けられている。
第2面3aは、リヤサイドプレート3の前端に位置しており、第1側壁2bの後端と当接している。各排油溝3bは、それぞれ第2面3aに凹設されている。図5に示すように、各排油溝3bは、それぞれ駆動軸心O周りに延びる略円弧形状に形成されており、駆動軸心Oを挟んで配置されている。
図4に示すように、第2ボス3cは、リヤサイドプレート3の中心に位置しており、駆動軸心O方向で後方に向かって突出している。第2支承穴3dは、第2ボス3c内に形成されている。第2支承穴3dは、リヤサイドプレート3を駆動軸心O方向で前後に貫通している。これにより、第2支承穴3dは、前端が各排油溝3b同士の間で第2面3aに開口しており、後端が第2ボス3cの後端面30に開口している。
第1供給路3eは、第2支承穴3dと連通しており、リヤサイドプレート3内を径方向に延びている。そして、第1供給路3eは、リヤサイドプレート3の外周側に開口している。
各第2供給路3fは、それぞれリヤサイドプレート3内において、第1供給路3e及び後述する供給室6よりも潤滑油の流通方向の下流側となる位置に設けられている。各第2供給路3fは、それぞれリヤサイドプレート3内を駆動軸心O方向に貫通している。これにより、各第2供給路3fは前端が第2面に開口しており、後端が第2ボス3cの後端面30に開口している。ここで、図5に示すように、各第2供給路3fの前端は、第2面3aにおいて、各排油溝3b同士の間となる位置に開口している。つまり、第2面3aにおいて、各第2供給路3fは各排油溝3bとは異なる位置に開口している。これにより、各第2供給路3fは、各排油溝3bと非連通となっている。また、図4に示すように、各第2供給路3fは、リヤサイドプレート3において、第1供給路3eとは異なる位置に形成されている。各第2供給路3fの後端は、第2ボス3cの後端面30に開口している。
第1吐出路3gは、リヤサイドプレート3において、第2ボス3cよりも外周側となる個所に形成されている。第1吐出路3gは、リヤサイドプレート3内を傾斜しつつ延びており、リヤサイドプレート3を前後に貫通している。
ブロック4は、リヤサイドプレート3に固定されており、リヤサイドプレート3の後方側に位置している。ブロック4には、嵌合溝4aと、油分離室4bと、第2吐出路4cと 連通孔4dとが形成されている。
嵌合溝4aは、ブロック4の中央に位置しており、ブロック4の前端面から後方に向かって凹設されている。嵌合溝4aには、リヤサイドプレート3の第2ボス3cが嵌合している。ここで、嵌合溝4aの深さは、第2ボス3cが突出する長さに比べて深く形成されている。これにより、嵌合溝4aに第2ボス3cが嵌合した状態で、嵌合溝4aの底面40と第2ボス3cの後端面30とは前後方向に離間している。こうして、嵌合溝4a内において、底面40と第2ボス3cの後端面30との間、すなわち、リヤサイドプレート3とブロック4との間に供給室6が形成されている。供給室6は、各第2供給路3fと連通している。
油分離室4bは、嵌合溝4aよりも後方側に位置しており、ブロック4内を径方向に円柱状に延びている。油分離室4bの上端は、ブロック4の上端面に開口している。これにより、油分離室4bは、後述する吐出室10内に連通している。油分離室4b内には、円筒状に形成された分離筒21が圧入されている。分離筒21の上端は吐出室10内に連通している。また、油分離室4bには、分離筒21の下部と対面する円筒状の案内面22が形成されている。案内面22と分離筒21と第2吐出路4cとによって、油分離機構20が構成されている。
第2吐出路4cは、ブロック4内を傾斜しつつ延びており、後端が案内面22に開口している。また、第2吐出路4cは、ブロック4がリヤサイドプレート3に固定されることにより、前端で第1吐出路3gと連通している。第2吐出路4cは、第1吐出路3g内を流通する冷媒ガスを油分離室4b内へ流通させる。これにより、油分離室4b内に流通した冷媒ガスは、案内面22と分離筒21の外周面との間を周回しつつ、自己に含まれた潤滑油を分離させる。連通孔4dは、駆動軸心O方向に延びており、油分離室4bの下端と吐出室10とに連通している。
図1に示すように、シェル5は、底壁5aと第2側壁5bとを有している。底壁5aはシェル5の後端に位置しており、径方向に延びている。第2側壁5bは、底壁5aと一体をなしており、底壁5aから駆動軸心O方向で前方に向かって筒状に延びている。これらの底壁5a及び第2側壁5bにより、シェル5は、有底の筒状をなしている。
シェル5は、内部に本体壁2aの一部と、第1側壁2bと、リヤサイドプレート3と、ブロック4とを収容した状態で、フロントハウジング2と接合されている。この際、本体壁2aと第2側壁5bとの間は、第1Oリング13aによって封止されている。同様に、第1側壁2bと第2側壁5bとの間は、第2Oリング13bによって封止されている。リヤサイドプレート3と第2側壁5bとの間は、第3Oリング13cによって封止されている。そして、シェル5内において、リヤサイドプレート3と底壁5aとの間に吐出室10が形成されている。吐出室10は、リヤサイドプレート3によって、シリンダ室7と区画されている。また、ブロック4は吐出室10内に配置されている。さらに、吐出室10は、第1供給路3eと連通している。これにより、第1供給路3eは、吐出室10と第2支承穴3dとを連通させている。
図3に示すように、第1側壁2bと第2側壁5bとの間には2個の吐出空間10aが形成されている。各吐出空間10aは、各吐出ポート10bとそれぞれ連通している。各吐出空間10a内には、吐出ポート10bを閉鎖する吐出弁10cと、吐出弁10cのリフト量を規制するリテーナ10dとがそれぞれ設けられている。さらに、図1に示すように、各吐出空間10aは、第1吐出路3gと連通している。これにより、各吐出空間10aは第1、2吐出路3g、4cを通じて油分離室4bと連通している。
また、第2側壁5bには、吸入室9を外部に開く流入口5cと、吐出室10を外部に開く流出口5dとが形成されている。流入口5cは、配管を通じて蒸発器と接続している。流出口5dは、配管を通じて凝縮器と接続している。なお、配管、蒸発器及び凝縮器の図示は省略する。
さらに、第2側壁5bには、第1取付足5eと第2取付足5fとが形成されている。シェル5、ひいては、本実施例のベーン型圧縮機は、第1、2取付足5e、5fを通じて図示しない車両のエンジン等に取り付けられている。
駆動軸8は、駆動軸心O方向で前後に延びる円柱状をなしている。駆動軸8は、前端側に位置する前端部位8aと、後端側に位置する後端部位8bと、前端部位8aと後端部位8bとの間に位置する中央部位8cとを有している。前端部位8aは、後端部位8b及び中央部位8cに比べて大径に形成されている。後端部位8bと中央部位8cとは同径に形成されている。また、前端部位8a及び後端部位8bの各外周面80には、コーティング処理によって、PTEF製の摺動層(図示略)が設けられている。
駆動軸8は、前端部位8aが軸封装置11に挿通されつつ、第1支承穴2eに支承されている。また、中央部位8cがシリンダ室7内に位置している。そして、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されている。こうして、駆動軸8はハウジング1に対して支承されており、駆動軸心O周りで回転可能となっている。また、軸封装置11は、前端部位8aを挿通しつつ、ハウジング1の内部と外部との間を封止している。また、後端部位8bが第2支承穴3dに支承されることにより、後端部位8b、ひいては駆動軸8は第2支承穴3dと供給室6とを区画している。なお、第1支承穴2eと前端部位8aとの間と、第2支承穴3dと後端部位8bとの間とにそれぞれ軸受を設ける構成としても良い。
図4に示すように、後端部位8bには、回転路81が形成されている。回転路81は、径孔81aと軸孔81bとで構成されている。径孔81aは、後端部位8bの内部を径方向に延びており、後端部位8bを径方向に貫通している。これにより、図9及び図10に示すように、径孔81aは、駆動軸心Oを挟んだ2箇所で外周面80に開口している。径孔81aは、第1供給路3eと同径をなしている。軸孔81bは、後端部位8bの内部を駆動軸心O方向に延びている。軸孔81bは、前端で径孔81aと接続しており、後端が後端部位8bの後端面、すなわち駆動軸8の後端面に開口している。これにより、軸孔81bは、径孔81aと供給室6とを連通している。軸孔81bは、径孔81aよりも大径に形成されている。なお、径孔81a及び軸孔81bの形状は適宜設計可能である。また、径孔について、後端部位8bを径方向に貫通せずに、外周面80の1箇所に開口しつつ、軸孔81bと接続する構成としても良い。
回転路81は、駆動軸8が駆動軸心O周りで回転し、第2支承穴3d内で径孔81aが第1供給路3eと整合することにより、径孔81aが第1供給路3eと連通する。これにより、径孔81a及び軸孔81bを通じて、第1供給路3eと供給室6とが連通する。ここで、供給室6は各第2供給路3fと連通している。このため、回転路81は、第1供給路3eと供給室6とを連通することにより、供給室6を通じて第1供給路3eと各第2供給路3fとを連通させる。
一方、回転路81は、駆動軸8が駆動軸心O周りで回転し、径孔81aと第1供給路3eとが駆動軸8の周方向にずれることで径孔81aと第1供給路3eとを非連通とする。これにより、回転路81は、第1供給路3eと供給室6とを非連通、ひいては、第1供給路3eと各第2供給路3fとを非連通とする。こうして、回転路81は、駆動軸8が駆動軸心O周りで回転することにより、第1供給路3eと各第2供給路3fとを間欠的に連通させる。つまり、このベーン型圧縮機において、第1供給路3eと各第2供給路3fとは、駆動軸8の回転角度のうち、図11に示す第1角度範囲Rにあるときに連通する。換言すれば、駆動軸8の回転角度が第1角度範囲Rにあるとき、第1供給路3eと各第2供給路3fとの連通区間となる。ここで、径孔81aが後端部位8bを径方向に貫通しており、外周面80の2箇所に開口している。このため、このベーン型圧縮機では、駆動軸8が1回転する間に径孔81aと第1供給路3eとが連通するタイミング、すなわち、第1供給路3eと各第2供給路3fとが連通する第1角度範囲Rが2回生じることになる。
図1〜図3に示すように、ロータ15は、シリンダ室7内に配置されている。ロータ15は、駆動軸8の中央部位8cに圧入されており、駆動軸8と一体化されている。これにより、ロータ15は、シリンダ室7内において、駆動軸8と同期しつつ駆動軸心O周りに回転可能となっている。ロータ15は、駆動軸心Oに直交する断面が円形状である柱状をなしている。
図5に示すように、ロータ15には、第1〜第5ベーン溝15a〜15eが形成されている。第1〜第5ベーン溝15a〜15eは、本発明における「ベーン溝」の一例である。第1〜第5ベーン溝15a〜15e同士は、ロータ15の周方向に等間隔で配置されている。第1ベーン溝15aは、第1本体部151aと第1先端部152aとを有している。第2ベーン溝15bは、第2本体部151bと第2先端部152bとを有している。第3ベーン溝15cは、第3本体部151cと第3先端部152cとを有している。第4ベーン溝15dは、第4本体部151dと第4先端部152dとを有している。第5ベーン溝15eは、第5本体部151eと第5先端部152eとを有している。
第1〜第5本体部151a〜151eは、それぞれ同様の構成である。また、第1〜第5先端部152a〜152eは、それぞれ同様の構成である。以下、第1本体部151a及び第5先端部152aを基に構成を説明する。
第1本体部151aは断面形状が丸形状をなしており、ロータ15を駆動軸心O方向に貫通している。図6に示すように、第1本体部151aは、ロータ15において、駆動軸心Oから第1半径r1となる位置に配置されている。そして、第1本体部151aは、駆動軸心O周りで第1角度幅W1を有するように径の大きさが設定されている。図5に示すように、第1先端部152aは断面形状が矩形状をなしており、第1本体部151aと同様にロータ15を駆動軸心O方向に貫通している。第1先端部152aは第1本体部151aと連通しており、第1本体部151aからロータ15の外周面に向かって直線状に延びている。そして、第1先端部152aは、ロータ15の外周面に開口している。こうして、第1〜第5ベーン溝15a〜15eは、それぞれロータ15を駆動軸心O方向に貫通する形状をなしている。
また、ロータ15には、第1〜第4連絡溝16a〜16dが形成されている。第1〜第4連絡溝16a〜16dは、本発明における「連絡溝」の一例である。このように、このベーン型圧縮機では、ロータ15に対して形成されるベーン溝の個数は、第1〜第5ベーン溝15a〜15eの5つであるのに対し、ロータ15に対して形成される連絡溝の個数はベーン溝の個数よりも1つ少なく、第1〜第4連絡溝16a〜16dの4つとなっている。つまり、第1〜第4連絡溝16a〜16dは、第1〜第5ベーン溝15a〜15eよりも少数となっている。
第1〜第4連絡溝16a〜16dは、それぞれロータ15の後面、すなわち、ロータ15において、リヤサイドプレート3の第2面3aに対向する側の端面に凹設されている。これにより、第1〜第4連絡溝16a〜16dは、第1〜第5ベーン溝15a〜15eとは異なり、ロータ15を駆動軸心O方向に貫通はしていない。第1〜第4連絡溝16a〜16dは、それぞれ第1〜第4ベーン溝15a〜15dと繋がっている。より具体的には、第1連絡溝16aは、第1ベーン溝15aの第1本体部151aと繋がっている。第2連絡溝16bは、第2ベーン溝15bの第2本体部151bと繋がっている。第3連絡溝16cは、第3ベーン溝15cの第3本体部151cと繋がっている。第4連絡溝16dは、第4ベーン溝15dの第4本体部151dと繋がっている。こうして、第1〜第4連絡溝16a〜16dは、それぞれ第1〜第5ベーン溝15a〜15dと連通している。これに対し、第5ベーン溝15eは、第1〜第4連絡溝16a〜16dのいずれとも繋がっておらず、第1〜第4連絡溝16a〜16dとは非連通となっている。これにより、第1〜第5ベーン溝15a〜15eのうち、第1〜第4ベーン溝15a〜15dが本発明における「連絡溝付きベーン溝」に相当しており、第5ベーン溝15eが本発明における「連絡溝なしベーン溝」に相当している。
また、第5ベーン溝15eは、第1ベーン溝15aと第4ベーン溝15dとの間に配置されている。これにより、ロータ15において、連絡溝なしベーン溝としての第5ベーン溝15eの隣には、ロータ15の回転方向X1の前後で、連絡溝付きベーン溝としての第1ベーン溝15a及び第4ベーン溝15dが配置されている。
図6に示すように、第1連絡溝16aは、ロータ15において、駆動軸心Oから第2半径r2となる位置に形成されている。そして、第1連絡溝16aは、駆動軸心O周りで第2角度幅W2を有するように大きさが設定されている。第2半径r2は第1半径r1より小さく設定されており、第2角度幅W2は第1角度幅W1よりも小さく設定されている。これにより、第1連絡溝16aは、第1基端部位151aの角度幅よりも狭い角度幅で第1本体部151a、すなわち第1ベーン溝15aから駆動軸心Oに向かって延びている。図5に示す第2〜第4連絡溝16b〜16dについても、それぞれ第2〜第4ベーン溝15aから駆動軸心Oに向かって延びている。より具体的には、第1〜第4連絡溝16a〜16dは、それぞれ駆動軸心Oに向かいつつ、第2供給路3fと対向する位置まで延びている。
また、第1〜第4連絡溝16a〜16dのうち、第1〜第4ベーン溝15a〜15dの延在方向に対して所定角度で傾斜しつつ駆動軸心Oに向かって延びている。これに対し、第1連絡溝16aは、第1ベーン溝15aの延在方向に沿う角度で駆動軸心Oに向かって延びている。ここで、このベーン型圧縮機では、ロータ15の駆動軸心O周りの回転時において、各第2供給路3fと、第1〜第4連絡溝16a〜16dとが各々連通する4つの連通区間(図11参照。)同士の間隔がそれぞれほぼ等しくなるように、第1〜第4連絡溝16a〜16dが傾斜する角度を設定している。なお、各第2供給路3fと、第1〜第4連絡溝16a〜16dとが各々連通する4つの連通区間についての詳細は後述する。
また、第2〜第4連絡溝16b〜16dは、それぞれ第1〜第4ベーン溝15a〜15d側から駆動軸心O側に向かうにつれて、図5〜図8と図13とに示すロータ15の回転方向X1で第5ベーン溝15eに向かって傾斜している。特に、第4連絡溝16dは、第5ベーン溝15eにより近づくように、第2、3連絡溝16b、16cに比べてより傾斜している。なお、第1連絡溝16aについても、第5ベーン溝15eに向かって傾斜させても良い。
第1〜第5ベーン溝15a〜15e及び第1〜第4連絡溝16a〜16dは、ロータ15が駆動軸心O周りで回転することにより、各排油溝3bと順次対向する。また、図5、図7及び図8に示すように、ロータ15が駆動軸心O周りで回転することにより、第1〜第4連絡溝16a〜16dは、各第2供給路3fと順次対向することにより、各第2供給路3fと間欠的に連通する。より具体的には、図6に示すように、第1〜第4連絡溝16a〜16dは、第2角度範囲θ1において各第2供給路3fと対向して連通する。こうして、各第2供給路3f及び第1〜第4連絡溝16a〜16dを通じて、供給室6と第1〜第4ベーン溝15a〜15dとが間欠的に連通する。
ここで、第5ベーン溝15eは、第1〜第4連絡溝16a〜16dのいずれとも接続していない。このため、図5、図7及び図8に示すように、第5ベーン溝15eは、ロータ15が駆動軸心O周りで回転しても、各第2供給路3fのいずれとも対向することがない。これにより、第5ベーン溝15eと各第2供給路3fとは常に非連通となっており、供給室6と第5ベーン溝15eとは非連通となっている。
図2及び図3に示すように、第1〜第5ベーン17a〜17eは、それぞれ矩形の板状に形成されている。第1〜第5ベーン17a〜17eは、それぞれ第1〜第5ベーン溝15a〜15eに出没可能に収容されている。これにより、第1〜第5ベーン溝15a〜15e内において、第1〜第5ベーン17a〜17eとの間は、第1〜第5背圧室18a〜18eとされている。第1〜第5背圧室18a〜18eは、第1面2c及び第2面3a、ひいてはフロントハウジング2及びリヤサイドプレート3によってシリンダ室7から区画されている。
また、第1〜第5背圧室18a〜18eのうち、第1〜第4背圧室18a〜18dは、第1〜第4連絡溝16a〜16dが各第2供給路3fと間欠的に連通することにより、第1〜第4連絡溝16a〜16d及び各第2供給路3fを通じて、供給室6と間欠的に連通する。一方、上記のように、第5ベーン溝15eが各第2供給路3fと常に非連通であることから、第5背圧室18eは、各第2供給路3f、ひいては供給室6と非連通となっている。
このベーン型圧縮機では、隣り合う第1〜第5ベーン17a〜17eと、ロータ15の外周面と、シリンダ室7の内周面と、第1面2cと、第2面3aとよって、シリンダ室7内に圧縮室19が形成されている。つまり、このベーン型圧縮機では、シリンダ室7内に5つの圧縮室19が形成されている。そして、吸入行程にある圧縮室19と吸入室9とは、吸入ポート9bによって連通するようになっている。また、吐出行程にある圧縮室19と吐出空間10aとは、吐出ポート10bによって連通するようになっている。
背圧供給機構50は、第1供給路3eと、供給室6と、各第2供給路3fと、回転路81とによって構成されている。これにより、背圧供給機構50は、ハウジング1内において、吐出室10と第1〜第5背圧室18a〜18eとの間に位置している。
以上のように構成されたこのベーン型圧縮機では、エンジン等によって駆動軸8が駆動されると、ロータ15が駆動軸8と同期回転する。これにより、各圧縮室19は容積を変化させつつ、吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を行う。このため、蒸発器を経た低圧の冷媒ガスは、流入口9aから吸入室9に吸入され、吸入ポート9bを経て、吸入行程にある圧縮室19に吸入される。そして、冷媒ガスは、圧縮行程で圧縮されて高圧となり、さらに吐出行程で圧縮室19から吐出ポート10bを経て吐出空間10aに吐出される。こうして、高圧の冷媒ガスは、第1、2吐出路3h、4cを流通し、油分離機構20において内部に含まれる潤滑油が遠心分離される。分離された潤滑油は油分離室4b内から連通孔4dを経て吐出室10内に貯留される。一方、潤滑油が分離された高圧の冷媒ガスは流出口5dから凝縮器に向けて吐出される。
この間、このベーン型圧縮機では、背圧供給機構50が吐出室10内に貯留された高圧の潤滑油を第1〜第4背圧室18a〜18dに供給する。具体的には、背圧供給機構50において、第1供給路3eは、吐出室10内に貯留された潤滑油を第2支承穴3dに向けて流通させる。そして、駆動軸8の回転によって、図9に示すように、第2支承穴3d内において第1供給路3eと径孔81aとが連通すれば、潤滑油が第1供給路3eから径孔81a及び軸孔81bを経て供給室6に流入する。なお、供給室6は、各第2供給路3fと連通しているため、供給室6内に流入した潤滑油は、各第2供給路3f内にも至ることになる。
そして、供給室6内乃至各第2供給路3f内に至った潤滑油は、駆動軸心O周りに回転する駆動軸8の位相によって、各第2供給路3fと、第1〜第4連絡溝16a〜16dとが対向して連通することにより、第1〜第2背圧室18a〜18dに供給される。こうして、このベーン型圧縮機では、第1〜第4背圧室18a〜18dに供給された潤滑油によって、第1〜第4ベーン17a〜17dが好適にシリンダ室7の内面に押し付けられるとともに、第1〜第4ベーン17a〜17dが第1〜第4ベーン溝15a〜15d内で潤滑される。
ここで、図11に示すように、このベーン型圧縮機では、駆動軸8が第1角度範囲R以外にあるとき、各第2供給路3fと、第1〜第4連絡溝16a〜16dとが対向し、ひいては、各第2供給路3fと、第1〜第4背圧室18a〜18dとが連通することで、第1〜第4背圧室18a〜18dに潤滑油が供給される。つまり、このベーン型圧縮機では、第1供給路3eと各第2供給路3fとの連通区間ではないときに、各第2供給路3fと第1〜第4連絡溝16a〜16dとが各々連通する連通区間、すなわち、各第2供給路3fと第1〜第4背圧室18a〜18dとが各々連通する連通区間となる。なお、図11では、これら4つの連通区間について、それぞれハッチングによって示している。
一方、このベーン型圧縮機では、駆動軸8が第1角度範囲Rにあるとき、つまり、第1供給路3eと各第2供給路3fとの連通区間では、第1〜第4連絡溝16a〜16dがいずれも各第2供給路3fと対向せず、第1〜第4連絡溝16a〜16dと各第2供給路3fとが非連通となる。このため、各第2供給路3fを通じて第1〜第2背圧室18a〜18dに潤滑油が供給されることがない。
そして、第1〜第4背圧室18a〜18dに供給された潤滑油は、駆動軸8の回転によって第1〜第4ベーン溝15a〜15d及び第1〜第4連絡溝16a〜16dが各排油溝3bに対向した際に、各排油溝3b内に排出される。
これに対し、第5ベーン溝15eは各第2供給路3fと常に非連通であるため、第5背圧室18eには、各第2供給路3fを通じて吐出室10内の潤滑油が供給されることがない。そこで、このベーン型圧縮機では、駆動軸8の回転によって第5ベーン溝15eが各排油溝3bに対向した際に、各排油溝3b内の潤滑油が第5背圧室18eに供給される。
ここで、各排油溝3b内の潤滑油は、吐出室10内から第1〜第4背圧室18a〜18dに供給された後、第1〜第4背圧室18a〜18dから排出された潤滑油である。このため、吐出室10内の潤滑油に比べて低圧であるものの、各排油溝3b内の潤滑油も十分に高圧となっている。なお、厳密には、各排油溝3b内の潤滑油は、第1〜第4背圧室18a〜18dから排出された潤滑油の他に、過去に各排油溝3bから第5背圧室18eに供給されて第5背圧室18eから排出された潤滑油も含んでいる。
こうして、各排油溝3b内の潤滑油が第5背圧室18eに供給されることにより、第5ベーン溝15eに設けられた第5ベーン17eについても、第5背圧室18eに供給された潤滑油によってシリンダ室7の内面に押し付けられる。また、第5ベーン17eは第5ベーン溝15e内で潤滑される。なお、各排油溝3bから第5背圧室18eに供給された潤滑油についても、第5ベーン17eをシリンダ室7の内面に押し付けるために必要な分以外は、各排油溝3b内に排出されることになる。ここで、各排油溝3b内に排出された潤滑油のうち、第5背圧室18eに供給されなかった分については、他の第1〜4背圧室18a〜18dに供給される他、ロータ15とリヤサイドプレート3との隙間と流通して摺動部分を潤滑した後、シリンダ室7内や吐出室10内に還流される。
このように、このベーン型圧縮機では、第5ベーン溝15eに形成された第5背圧室18eには、各排油溝3b内の潤滑油が供給される。このため、第1〜第5背圧室18a〜18eの全てについて、背圧供給機構50によって吐出室10内の潤滑油を供給する構成に比べて、このベーン型圧縮機では、第1〜第4背圧室18a〜18dに潤滑油が供給されるタイミング、すなわち、各第2供給路3fと第1〜第4背圧室18a〜18dとが各々連通する4つの連通区間について、設計の自由度を高くすることが可能となっている。つまり、このベーン型圧縮機では、図11に示すように、第1角度範囲Rと重ならない位置に、各第2供給路3fと第1〜第4背圧室18a〜18dとが各々連通する4つの連通区間を設定すれば足りるため、4つの連通区間をそれぞれ調整し易くなっている。こうして、このベーン型圧縮機では、各第2供給路3f及び第1〜第4連絡溝16a〜16dを通じて、第1〜第4背圧室18a〜18dに好適に潤滑油を供給することが可能となっている。このため、第1〜第4背圧室18a〜18d内を好適に昇圧することが可能となっている。
また、このベーン型圧縮機では、第5背圧室18eには、背圧供給機構50を通じて吐出室10内の潤滑油を供給しないため、第5背圧室18eに潤滑油が供給されるタイミングの設計の自由度も高くすることが可能となっている。これにより、このベーン型圧縮機では、第5背圧室18e内に供給される各排油溝3b内の潤滑油は、吐出室10内の潤滑油に比べて低圧であるものの、第5背圧室18e内に潤滑油を適切なタイミングで供給することができる。このため、第5ベーン溝15eについて、背圧供給機構50によって吐出室10内の潤滑油が供給されるものの、供給されるタイミングが不適切となる場合に比べて、第5背圧室18eに好適に潤滑油を供給でき、第5背圧室18e内を好適に昇圧することが可能となっている。
こうして、図12に示すように、このベーン型圧縮機では、第1〜第5背圧室18a〜18e内に供給された高圧の潤滑油により、第1〜第5背圧室18a〜18e内の圧力について、それぞれ必要圧力P1を超えて昇圧させることが可能となっている。ここで、必要圧力P1とは、各圧縮室19を形成し、各圧縮室19内で冷媒ガスを圧縮させるに当たって、第1〜第5ベーン17a〜17eをシリンダ室7の内面に押し付けるために最低限必要となる第1〜第5背圧室18a〜18e内の圧力である。
また、このベーン型圧縮機では、第1〜第5背圧室18a〜18e同士で多少の差異は生じているものの、駆動軸8の回転角度が変化する間において、昇圧した第1〜第5背圧室18a〜18eが減圧するまでの期間、つまり、第1〜第5背圧室18a〜18eから各排油溝3b内に潤滑油が排出されるまでの期間についても好適に調整することが可能となっている。これらにより、このベーン型圧縮機では、第1〜第5ベーン17a〜17eを好適にシリンダ室7の内面に押し付けることが可能となっており、チャタリングや各圧縮室19からの冷媒ガスの漏れを好適に防止している。
より具体的には、このベーン型圧縮機では、図11に示すように、各第2供給路3fと第1〜第4背圧室18a〜18dとが各々連通する4つの連通区間は、第1供給路3eと各第2供給路3fとの連通区間である第1角度範囲R同士の間において、ほぼ均等の間隔で配置されている。このため、ロータ15が1回転する間に、各第2供給路3fと第1〜第4背圧室18a〜18dとは、各々ほぼ均等のタイミングで連通する。このため、図12に示すように、このベーン型圧縮機では、第1〜第4背圧室18a〜18d内の圧力のバラつきを可及的に小さくすることが可能となっている。
さらに、このベーン型圧縮機では、第3連絡溝16c及び第4連絡溝16dは、駆動軸心O側の端部が第5ベーン溝15eに近づくように傾斜して延びている。特に、第4連絡溝16dは、第5ベーン溝15eに近づくようにより傾斜して延びている。これにより、このベーン型圧縮機では、各排油溝3bを介した第3、第4連絡溝16c、16dと第5ベーン溝15eとの連通経路を短くしている。このため、第3、第4ベーン溝15c、15dから排出された潤滑油によって、各排油溝3b内の潤滑油の圧力を高め易くなっているとともに、このような各排油溝3b内の潤滑油を第5ベーン溝15eに供給し易くなっている。つまり、このベーン型圧縮機では、各排油溝3bに排出された潤滑油は、高圧を好適に維持しつつ、第5背圧室18eに供給されるようになっている。こうして、このベーン型圧縮機では、第5背圧室18e内の圧力についても、第1〜第4背圧室18a〜18d内の各圧力に近づくように上昇させることが可能となっており、結果として、第1〜第5ベーン17a〜17eのいずれについても好適にシリンダ室7の内面に押し付けることが可能となっている。
そして、このベーン型圧縮機では、各第2供給路3fと第1〜第4連絡溝16a〜16dとが対向して連通しているときには、図10に示すように、回転路81において、径孔81aが第1供給路3eと非連通となる。これにより、第1供給路3eと供給室6とが非連通となることで、回転路81は、第1供給路3eと各第2供給路3fとを非連通とする。このため、このベーン型圧縮機では、たとえ第1〜第4連絡溝16a〜16dを通じて第1〜第4背圧室18a〜18dと各第2供給路3fとが連通する状態で運転を停止させた場合であっても、第1〜第4背圧室18a〜18dと第1供給路3eとは非連通となる。このため、第1〜第4背圧室18a〜18d内の潤滑油が第1〜第4連絡溝16a〜16d、各第2供給路3f、供給室6及び第1供給路3eを経て吐出室10内に逆流したり、第1〜第4背圧室18a〜18d内から吐出室10内に逆流する潤滑油によって駆動軸8が逆回転したりすることが防止されている。また、このベーン型圧縮機において、第5ベーン溝15eは各第2供給路3fと非連通であるため、第5背圧室18e内の潤滑油が各第2供給路3f、供給室6及び第1供給路3eを経て吐出室10内に逆流することもない。
さらに、このベーン型圧縮機では、ロータ15に形成される第1〜第4連絡溝16a〜16dは、第1〜第5背圧室ベーン溝15a〜15eの5つよりも少数である。このため、ロータ15に第1〜第4連絡溝16a〜16dを形成するための加工も容易となっている。このため、このベーン型圧縮機では、製造効率が高くなっている。
したがって、実施例1のベーン型圧縮機によれば、第1〜第5背圧室18a〜18e内に潤滑油を好適に供給可能であるとともに、第1〜第5背圧室18a〜18e内の潤滑油が吐出室10内に逆流することを好適に防止可能であり、かつ、製造コストの低廉化を実現できる。
特に、このベーン型圧縮機では、第1〜第5ベーン溝15a〜15eのうち、第1〜第4ベーン溝15a〜15dの4つが本発明における「連絡溝付きベーン溝」とされており、第5ベーン溝15eの1つのみが本発明における「連絡溝なしベーン溝」とされている。このため、各排油溝3b内から第5背圧室18eに供給される潤滑油が不足し難くなっており、各排油溝3b内から第5背圧室18eに供給された潤滑油によって、第5背圧室18e内を十分に昇圧させることが可能となっている。
また、このベーン型圧縮機では、回転路81が供給室6を通じて第1供給路3eと各第2供給路3fとを間欠的に連通させている。これにより、ベーン型圧縮機の上下方向において、駆動軸8の高さで潤滑油を一旦貯留することが可能となり、第1供給路3eと各第2供給路3fとを間欠的に連通させることで生じ易い一時的な潤滑油不足を回避することが可能となっている。さらに、リヤサイドプレート3とブロック4との間に供給室6を形成することにより、このベーン型圧縮機では、供給室6の形成も容易となっている。
(実施例2)
図13に示すように、実施例2のベーン型圧縮機では、ロータ15に対して、第1連絡溝16aと、第3連絡溝16cと、第4連絡溝16dとが形成されている。つまり、ロータ15に対して形成される連絡溝の個数は、実施例1のベーン型圧縮機よりも少ない3つとなっている。これにより、このベーン型圧縮機では、第5ベーン溝15eだけでなく、第2ベーン溝15bについても第1連絡溝16a、第3連絡溝16c及び第4連絡溝16dのいずれとも接続していない。こうして、このベーン型圧縮機では、第1〜第5ベーン溝15a〜15eのうち、第1ベーン溝15a、第3ベーン溝15c及び第4ベーン溝15dが本発明における「連絡溝付きベーン溝」に相当しており、第2ベーン溝15b及び第5ベーン溝15eが本発明における「連絡溝なしベーン溝」に相当している。
また、ロータ15において、第2ベーン溝15bの隣には、ロータ15の回転方向X1の前後で、第1ベーン溝15a及び第3ベーン溝15cが配置されている。また、実施例1のベーン型圧縮機と同様、このベーン型圧縮機においても、第5ベーン溝15eの隣には、ロータ15の回転方向X1の前後で、第1ベーン溝15a及び第4ベーン溝15dが配置されている。換言すれば、連絡溝なしベーン溝となる第2ベーン溝15bと第5ベーン溝15eとは、ロータ15の回転方向X1の前後で隣り合ってはいない。このベーン型圧縮機における他の構成は実施例1のベーン型圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
このベーン型圧縮機では、第5ベーン溝15eの第5背圧室18eに加えて、第2ベーン溝15bの第2背圧室18bについても、各排油溝3b内の潤滑油が供給される。これにより、第2ベーン溝15bに設けられた第2ベーン17bについても、各排油溝3b内から第2背圧室18bに供給された潤滑油によってシリンダ室7の内面に好適に押し付けることができる。このように、このベーン型圧縮機では、実施例1のベーン型圧縮機と異なり、第2背圧室18bについても、背圧供給機構50によって吐出室10内の潤滑油が供給されることはない。
このため、このベーン型圧縮機では、各第2供給路3fと第1背圧室18aとが連通する連通区間と、各第2供給路3fと第3背圧室18cとが連通する連通区間と、各第2供給路3fと第4背圧室18dとが連通する連通区間とについて、設計の自由度をより高くすることが可能となっている。また、このベーン型圧縮機では、実施例1のベーン型圧縮機に比べて、ロータ15に形成される連絡溝の個数がより少なくなっているため、製造効率がより高くなっている。さらに、このベーン型圧縮機では、連絡溝なしベーン溝としての第2ベーン溝15bと第5ベーン溝15eとは、ロータ15の回転方向X1の前後で隣り合っていない。これにより、このベーン型圧縮機では、第1ベーン溝15a、第3ベーン溝15c及び第4ベーン溝15dから排出された潤滑油が高圧を好適に維持しつつ、第2ベーン溝15b及び第5ベーン溝15eにそれぞれ供給されるようになっている。このベーン型圧縮機における他の作用は実施例1のベーン型圧縮機と同様である。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1、2のベーン型圧縮機では、ロータ15に第1〜第5ベーン溝15a〜15eを形成しているが、これに限らず、ロータ15に形成されるベーン溝の個数は適宜設計可能である。同様に、ロータ15に形成される連絡溝の個数についても、ベーン溝の個数よりも少数であれば適宜設計可能である。また、連絡溝付きベーン溝と連絡溝なしベーン溝とは同数であっても良く、連絡溝付きベーン溝が連絡溝なしベーン溝よりも少数であっても良い。
また、実施例1、2のベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート3とブロック4との間に供給室6を形成しているが、これに限らず、リヤサイドプレート3内に供給室6を形成したり、駆動軸8内に供給室6を形成したりしても良い。さらに、供給室6の形成を省略しても良い。
また、実施例1、2のベーン型圧縮機では、回転路81が径孔81aと軸孔81bとで構成されているが、これに限らず、回転路81を他の構成としても良い。
本発明は車両用空調装置に利用可能である。
1…ハウジング
2…フロントハウジング(第1区画壁)
3…リヤサイドプレート(第2区画壁)
3b…排油溝
3e…第1供給路
3f…第2供給路
4…ブロック(第2区画壁)
6…供給室
7…シリンダ室
8…駆動軸
9…吸入室
10…吐出室
15…ロータ
15a…第1ベーン溝(ベーン溝、連絡溝付きベーン溝)
15b…第2ベーン溝(ベーン溝、連絡溝付きベーン溝、連絡溝なしベーン溝)
15c…第3ベーン溝(ベーン溝、連絡溝付きベーン溝)
15d…第4ベーン溝(ベーン溝、連絡溝付きベーン溝)
15e…第5ベーン溝(ベーン溝、連絡溝なしベーン溝)
16a〜16d…第1〜第4連絡溝(連絡溝)
17a〜17e…第1〜第5ベーン(ベーン)
18a〜18e…第1〜第5背圧室(背圧室)
19…圧縮室
81…回転路

Claims (3)

  1. 吸入室、吐出室及びシリンダ室が形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに支承され、駆動軸心周りに回転可能な駆動軸と、
    前記シリンダ室内で前記駆動軸と同期回転可能に設けられ、複数個のベーン溝が形成されたロータと、
    前記ベーン溝に各々出没可能に設けられたベーンとを備え、
    前記ハウジングは、前記駆動軸心方向の一方側で前記シリンダ室に面する第1区画壁と、前記駆動軸心方向の他方側で前記シリンダ室に面するとともに、前記吐出室と前記シリンダ室とを区画する第2区画壁とを有し、
    前記ロータの外面、前記第1区画壁、前記第2区画壁及び前記各ベーンによって、前記シリンダ室内に圧縮室が形成され、
    前記各ベーン溝と前記各ベーンとの間は、前記第1区画壁と前記第2区画壁とで区画される背圧室とされるベーン型圧縮機であって、
    前記第2区画壁には、前記回転方向の位相に応じて前記各ベーン溝と対向する排油溝が形成され、
    前記第2区画壁に対向する前記ロータの端面には、前記ベーン溝より少なく、前記駆動軸心に向かって延在する連絡溝が形成され、
    前記各ベーン溝は、前記連絡溝と繋がった前記ベーン溝である連絡溝付きベーン溝と、前記連絡溝付きベーン溝以外の連絡溝なしベーン溝とに定義され、
    前記第2区画壁に形成されて前記吐出室と連通する第1供給路と、前記第2区画壁に形成され、前記排油溝とは異なる位置で開口し、前記駆動軸の回転方向の位相に応じて前記連絡溝と間欠的に連通する第2供給路と、前記駆動軸に形成され、前記駆動軸の回転に伴い前記第1供給路と前記第2供給路とを間欠的に連通させる回転路とが形成され、
    前記連絡溝は、前記第2供給路と対向する位置まで延び、
    前記第1供給路と前記第2供給路とが非連通であるとき、前記連絡溝が前記第2供給路と対向して連通することにより、前記連絡溝付きベーン溝の前記背圧室に前記吐出室内の潤滑油が供給され、
    前記連絡溝なしベーン溝の前記背圧室には、前記排油溝内の潤滑油が供給されることを特徴とするベーン型圧縮機。
  2. 前記連絡溝なしベーン溝は、前記連絡溝付きベーン溝よりも少数である請求項1記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記連絡溝は複数であるとともに、前記排油溝と対向し、
    前記連絡溝なしベーン溝の隣には、前記ロータの回転方向の前後で前記連絡溝付きベーン溝が配置され、
    前記連絡溝は、前記連絡溝なしベーン溝に向けて傾斜している請求項1又は2記載のベーン型圧縮機。
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