JP2021152330A - 短管取付け工法 - Google Patents

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忠秀 山本
Tadahide Yamamoto
忠秀 山本
和樹 百野
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Abstract

【課題】穿孔時の回転切削力や振動等に起因する流路の内周面の亀裂等による流体漏洩及び切断鉄筋の切断端面からの腐食進行を抑制することができ、しかも、そのための流路の内周面の被覆処理を能率良く行う。【解決手段】コンクリート製の構造体Wに穿孔装置で貫通形成されている流路1に対面する状態で構造体Wの外面Wa側に取付けられた挿入装置に、流路1の内周面1aを被覆可能な被覆筒体4を装着する装着工程と、挿入装置の被覆筒体4を不断流状態で流路1内に挿入する挿入工程と、挿入された被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の設定密封領域L4を密封手段6で密封処理する密封処理工程と、挿入装置を撤去する撤去工程と、を実行する。【選択図】図7

Description

本発明は、例えば、既設の鉄筋コンクリート製の浄水池・排水池等の貯水池での管路増設工事、或いは、鉄筋コンクリート製の貯水池の新設に伴う管路工事等において、不断流状態でコンクリート製の構造体に穿孔装置で貫通形成された流路の処理技術に関する。
コンクリート製の構造体に不断流状態で流路を穿孔する技術としては、例えば、特許文献1において開示されているコンクリート製の構造体の穿孔方法が存在する。この穿孔方法では、コンクリート製の構造体の外面の穿孔予定箇所に、穿孔装置の円筒状カッターが出退可能な内径の短管を介して仕切弁を取付け、この仕切弁に穿孔装置を取付ける。そして、仕切弁を開弁操作し、穿孔装置の円筒状カッターを仕切弁及び短管の内部を通して送り込むことにより、コンクリート製構造体の穿孔予定箇所に流路を貫通形成する。
穿孔後に、穿孔装置の円筒状カッターを、短管及び仕切弁の内部を通して初期待機位置に戻し移動させ、仕切弁を閉弁操作したのち、この仕切弁から穿孔装置を撤去する。その後、仕切弁に分岐用の配管工事を実行する。
特開2014−218036号公報
上述の穿孔方法では、穿孔装置の円筒状カッターで穿孔された構造体の穿孔口をそのまま流路として使用するため、穿孔時の円筒状カッターの回転切削力や振動等によって構造体の流路の内周面に亀裂等が発生している場合には、この亀裂等を伝って流体が構造体の外面側に漏洩する不都合がある。
さらに、コンクリート製の構造体中に配された鉄筋の一部が円筒状カッターの穿孔進行経路上に位置する場合には、切断された鉄筋の切断端面が流路に露出するため、切断鉄筋が流体との接触によって切断端面から腐食が進行する不都合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、穿孔時の回転切削力や振動等に起因する流路の内周面の亀裂等による流体漏洩及び切断鉄筋の切断端面からの腐食進行を抑制することができ、しかも、そのための流路の内周面の被覆処理を能率良く行うことのできるコンクリート製構造体の流路被覆処理工法及びそれに用いられる被覆筒体を提供する点にある。
本発明による第1の特徴構成は、コンクリート製の構造体に穿孔装置で貫通形成されている流路の内周面を不断流状態で被覆処理するコンクリート製構造体の流路被覆処理工法であって、
前記流路に対面する状態で前記構造体の外面側に取付けられた挿入装置に、前記流路の内周面を被覆可能な被覆筒体を装着する装着工程と、
前記挿入装置の被覆筒体を不断流状態で前記流路内に挿入する挿入工程と、
挿入された前記被覆筒体の外周面と前記流路の内周面との間の設定密封領域を密封手段で密封処理する密封処理工程と、
前記挿入装置を撤去する撤去工程と、
を実行することを特徴とする点にある。
上記構成によれば、穿孔装置による穿孔後の装着工程において、穿孔装置に取り替えた挿入装置に被覆筒体を装着し、挿入工程において、挿入装置により被覆筒体を不断流状態で構造体の流路内に挿入する。この挿入された被覆筒体により流路の内周面を非密封状態で略被覆することができる。次に、密封処理工程において、挿入された被覆筒体の外周面と流路の内周面との間の小さな径方向幅の環状空間における設定密封領域を密封処理する。この密封処理により、構造体の流路の内周面に亀裂等が発生したり、或いは、構造体中の鉄筋が切断されて構造体の流路の内周面に露出していても、亀裂等による流体漏洩及び鉄筋の切断端面の腐食発生を抑制することができる。
したがって、穿孔時の回転切削力や振動等に起因する流路の内周面の亀裂等による流体漏洩及び切断鉄筋の切断端面からの腐食進行を抑制することができる。しかも、被覆筒体を流路内に挿入するだけで、流路の内周面を非密封状態で略覆い被せることができるので、被覆筒体の外周面と流路の内周面との間の小さな径方向幅の環状空間における設定密封領域を密封処理するだけで済む。それ故に、流路の内周面の被覆処理を能率良く行うことができる。
本発明による第2の特徴構成は、前記流路内に挿入された前記被覆筒体の離脱移動を離脱規制手段で規制する離脱規制工程を実行する点にある。
上記構成によれば、構造体の流路内に挿入された被覆筒体に対して流体圧による離脱側への移動力が作用するが、離脱規制工程の実行により、流路内に挿入配置されている被覆筒体の離脱移動を離脱規制手段で確実に規制することができる。
したがって、被覆筒体を流路内に挿入維持することができるので、挿入された被覆筒体の外周面と流路の内周面との間の設定密封領域を確実に密封処理することができる。
本発明による第3の特徴構成は、前記密封手段は、前記挿入工程での前記被覆筒体の挿入に伴って、前記被覆筒体の外周面と前記流路の内周面との間に圧接状態で配置されるシール材から構成され、前記離脱規制手段は、前記密封手段の前記シール材をもって構成されている点にある。
上記構成によれば、密封手段のシール材は、挿入工程での被覆筒体の挿入に伴って被覆筒体の外周面と流路の内周面との間で圧接され、被覆筒体の外周面と流路の内周面との間の設定密封領域を適切に密封処理することができる。しかも、被覆筒体の外周面と流路の内周面との間に圧入されるシール材の摩擦抵抗により、流路内に挿入された被覆筒体の離脱移動を抑制することができる。
したがって、密封手段のシール材を活用して離脱規制手段を構造面及びコスト面で有利に構成することができる。
本発明による第4の特徴構成は、前記密封手段は、前記挿入工程での前記被覆筒体の挿入に伴って、前記被覆筒体の外周面と前記流路の内周面との間に圧接状態で配置される複数のシール材と、当該シール材で密封された前記被覆筒体の外周面と前記流路の内周面との間の密封領域に注入される充填材とから構成され、前記離脱規制手段は、前記密封手段の前記シール材及び前記充填材をもって構成されている点にある。
上記構成によれば、挿入工程での被覆筒体の挿入に伴って被覆筒体の外周面と流路の内周面との間に圧接される複数のシール材と、この複数のシール材で密封された密封領域に注入される充填材とにより、被覆筒体の外周面と流路の内周面との間の設定密封領域をより適切に密封処理することができる。しかも、密封手段の複数のシール材と充填材とを活用して離脱規制手段を構造面及びコスト面で一層有利に構成することができる。
本発明による第5の特徴構成は、前記挿入装置は、前記構造体の外面に短管及び仕切弁を介して脱着自在に取付けられ、前記離脱規制手段は、前記被覆筒体に設けられた係合部と前記短管の内周面に設けられた被係合部とを備えた係合手段から構成され、前記係合部と前記被係合部とは、前記短管に対する前記被覆筒体の回動操作により、流路軸線方向から係合して前記被覆筒体の離脱移動を規制する離脱規制状態と、前記流路軸線方向での相対移動を許容する係合解除状態とに切り替え自在に構成されている点にある。
上記構成によれば、挿入装置によって被覆筒体を構造体の流路内に挿入するときには、短管と被覆筒体との回動方向での相対位置を、短管の被係合部に対する被覆筒体の係合部の流路軸線方向での通過移動を許容する係合解除状態に設定することにより、被覆筒体の流路内への挿入操作を、短管の被係合部に邪魔されることなく確実、スムーズに行うことができる。
そして、被覆筒体の係合部が短管の被係合部を通過して流路内に挿入されたときには、短管に対して被覆筒体を回動操作して係合解除状態から離脱規制状態に変更することにより、流路内に挿入された被覆筒体に流体圧による離脱方向の移動力が作用したとき、短管の被係合部に対して被覆筒体の係合部が流路軸線方向から係合して当該被覆筒体の離脱移動を確実に阻止することができる。
したがって、被覆筒体に係合部を設け、短管の内周面に被係合部を設けるだけの簡単な改造をもって、被覆筒体の流路内への挿入操作を確実、スムーズに行いながらも、被覆筒体の離脱移動を確実に阻止することができる。
本発明による第6の特徴構成は、前記係合手段の被係合部は、前記被覆筒体の外周面に摺接して、前記流路に対して前記被覆筒体を同芯又は略同芯状態で挿入案内する挿入ガイド突起から構成されている点にある。
上記構成によれば、挿入装置によって被覆筒体を流路内に挿入するとき、短管の内周面に設けられた挿入ガイド突起に被覆筒体の荷重を支持させながら、被覆筒体を流路に対して同芯又は略同芯状態でスムーズに挿入案内することができる。しかも、このための挿入ガイド突起をもって係合手段の被係合部を構成することができるので、離脱規制手段を構造面及びコスト面で一層有利に構成することができる。
本発明による第7の特徴構成は、前記構造体の外面における前記流路の開口周縁部で、かつ、前記短管の連結フランジが流路軸線方向から当接するフランジ当接部位が平滑処理されたのち、前記フランジ当接部位と前記短管の連結フランジとの間に弾性シール材を介装した状態で、前記短管の連結フランジが前記フランジ当接部位にボルトで固定されている点にある。
従来の短管取付け工程では、構造体の外面をはつり加工して内部の鉄筋の一部を露出させるはつり作業工程と、短管の外周面の軸線方向及び周方向の複数個所に、多数の連結鉄筋の一端部を溶接し、多数の連結鉄筋の他端部を構造体側の露出鉄筋に溶接する短管固定作業工程、構造体の外面におけるはつり加工箇所に防水モルタルを施す防水モルタル塗布作業工程とが実行されている。そのため、従来の短管取付け工程では、はつり作業工程と短管固定作業工程及び防水モルタル塗布作業工程の各々に多くの手間を要している。
しかし、本発明の上記構成によれば、コンクリート製の構造体の外面における流路の開口周縁部で、かつ、短管の連結フランジが流路軸線方向から当接するフランジ当接部位を平滑処理するため、構造体の外面におけるフランジ当接部位の不陸を整正することができる。そのため、構造体の外面におけるフランジ当接部位と短管の連結フランジとの間を防水処理するにあたっても、簡易な弾性シール材を用いることができる。
したがって、構造体の平滑処理されたフランジ当接部位に対して、それとの間に弾性シール材を介装した状態で短管の連結フランジをボルト固定するだけで済み、短管取付け作業を能率良く行うことができる。
上述の第1〜第7の特徴構成のいずれか1つに記載のコンクリート製構造体の流路被覆処理工法に用いられる前記被覆筒体であって、前記被覆筒体の一端部には、前記構造体の外面における前記流路の開口周縁部に当接可能なフランジ部が形成されているとともに、前記被覆筒体の外周面には、前記流路の内周面との間を密封する前記密封手段の複数のシール材が設けられている点にある。
上記構成によれば、挿入装置によって被覆筒体を構造体の流路内に挿入するとき、被覆筒体の一端部に形成されているフランジ部が、構造体の外面における流路の開口周縁部に当接する位置まで挿入するだけでよく、被覆筒体の挿入操作の簡便化を図ることができる。しかも、被覆筒体が流路内に挿入された状態では、被覆筒体の外周面に設けた複数のシール材により、被覆筒体の外周面と流路の内周面との間の設定密封領域を適切に密封処理することができる。
本発明による第9の特徴構成は、被覆筒体の外周面における先端から前記フランジ部までの長さが、前記流路の軸線方向長さと同一又はそれよりも大に構成されている点にある。
上記構成によれば、被覆筒体の外周面における先端からフランジ部までの長さが、流路の軸線方向長さと同一に構成されている場合には、流路内に挿入された被覆筒体が流体圧によって離脱側に少し移動しても、流路の内周面の設定密封領域を略適正に密封維持することができる。
さらに、被覆筒体の外周面における先端からフランジ部までの長さが、流路の軸線方向長さよりも大に構成されている場合には、流路内に挿入された被覆筒体が流体圧によって離脱側に少し移動しても、流路の内周面の設定密封領域を確実に密封維持することができる。
本発明の第1実施形態のコンクリート製構造体の流路被覆処理工法の装着工程を示す一部切欠き側面図 挿入装置の拡大側断面図 係合解除状態での図1のIII−III線断面図 装着工程を示す一部切欠き側面図 離脱規制状態での図4のV−V線断面図 挿入装置を初期位置に戻し移動させたときの一部切欠き側面図 被覆筒体が流路内に挿入されたときの拡大側断面図 被覆筒体が離脱移動したときの拡大側断面図 本発明の第2実施形態のコンクリート製構造体の流路被覆処理工法を示し、挿入装置に流路遮断治具を装着したときの一部切欠き側面図 挿入装置の流路遮断治具を被覆筒体内の流路遮断位置に挿入したときの一部切欠き側面図 充填材注入時の拡大側断面図 充填材注入完了時の拡大側断面図 本発明の第3実施形態を示す一部切欠き拡大側断面図
〔第1実施形態〕
図1〜図8は、コンクリート製構造体の流路被覆処理工法及びそれに用いられる被覆筒体4の第1実施形態を示す。この流路被覆処理工法では、コンクリート製の構造体の一例である鉄筋コンクリート製の貯水池のコンクリート壁Wのうち、貯水の水面レベルよりも下方部位に穿孔装置(図示せず)で貫通形成されている流路1の内周面1aを不断水状態(不断流状態)で被覆処理する。
上述の流路被覆処理工法では、コンクリート壁Wの外面Waにおける流路1の開口周縁部に固着される短管(フランジ短管)2と、この短管2の下流側の連結フランジ2Bに連結される仕切弁3と、流路1の内周面1aを被覆可能な円筒状の被覆筒体4と、当該被覆筒体4を脱着自在に装着可能で、且つ、流路1に対面する状態で仕切弁3に連結される挿入装置5と、当該挿入装置5で流路1内に挿入された被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の設定密封領域L4を密封する密封手段6と、流路1内に挿入配置された被覆筒体4の離脱移動を規制する離脱規制手段7とが用いられる。
短管2及び仕切弁3は、穿孔装置による穿孔作業時に使用されたものであり、そのまま流路被覆処理工法でも使用される。そのうち、短管2の上流側の連結フランジ2Aは、図7、図8に示すように、複数本のボルト10・ナット11でコンクリート壁Wの外面Waに水密状態で固定されている。また、短管2の下流側の連結フランジ2Bと仕切弁3の上流側の連結フランジ3Aとは、水密状態でボルト15・ナット16にて固定連結されている。
短管2の上流側の連結フランジ2Aが当接するコンクリート壁Wの外面Waの少なくともフランジ当接部位には、図7、図8に示すように、研磨、パテ埋め、素地調整等により平滑処理された平滑処理層12が形成されている。本実施形態においては、平滑処理層12の範囲は、流路1の開口縁から短管2の連結フランジ2Aよりも径方向外方側に広がる範囲に設定されている。
そして、平滑処理されたコンクリート壁Wの平滑処理層12と短管2の連結フランジ2Aとの間は、連結フランジ2Aの当接面側のシール装着溝に装着された環状の弾性シール材(ゴム輪等)13で水密に密封されている。
短管2の連結フランジ2Aを固定するボルト10としては、ケミカルアンカーボルトが使用され、コンクリート壁Wのフランジ固定部位にドリルで形成されたボルト取付け穴14にケミカルアンカーボルトを化学反応式接着剤で固定してある。
また、図1、図5に示すように、短管2の内周面における下半部の周方向二箇所には、穿孔装置の円筒状カッターの外周面又は被覆筒体4の外周面4a側に摺接して、コンクリート壁Wの穿孔中心又は流路1の中心に対して円筒状カッター又は被覆筒体4を同芯又は略同芯状態で挿入案内する流路軸線方向に沿った第1挿入ガイド突起20が固着されている。
この第1挿入ガイド突起20の一端は、短管2の上流側端部に極力近接した位置に配置され、第1挿入ガイド突起20の他端は、仕切弁3の上流側部位内に入り込む位置に突設配置されている。
さらに、短管2の内周面における上半部の周方向二箇所には、第1挿入ガイド突起20の一端と同じ位置に一端が位置する流路軸線方向に沿った短尺の突条21が固着されている。この突条21の一端部21aと第1挿入ガイド突起20の一端部20aとをもって、流路1内に挿入された被覆筒体4の一定以上の離脱移動を規制する後述の離脱規制手段7の一例で、係合手段の一方の被係合部7Bが構成されている。
被覆筒体4は、図1〜図3に示すように、流路1の内径よりも小なる外径で円筒状に形成された耐食性に優れた金属製の被覆筒部4Aと、コンクリート壁Wの外面Waにおける流路1の開口周縁部に流路軸線方向から当接可能な状態で被覆筒部4Aの一端部に一体形成されたフランジ部4Bとからなる。
図1、図2に示すように、被覆筒体4の外周面4aにおける先端からフランジ部4Bまでの筒長さL1は、流路1の軸線方向長さL2と同一に構成され、この被覆筒体4の外周面4aにおける流路軸線方向の二箇所には、密封手段6の構成部材で、流路1の内周面1aと被覆筒体4の外周面4aとの間の環状空間を密封するする環状のシール材(Oリング等)6a,6bが設けられている。
そして、図7に示すように、両シール材6a,6bの流路軸線方向での取付け間隔L3は、コンクリート壁W内の鉄筋19の流路軸線方向での配筋領域を含む設定密封領域L4よりも大なる間隔に構成されている。そのため、図8に示すように、被覆筒体4が水圧(流体圧)によって離脱規制手段7の融通範囲内で離脱側に移動しても、流路1の内周面1aにおける少なくとも設定密封領域L4を確実に密封維持することができる。
また、図3、図5に示すように、被覆筒体4のフランジ部4Bには、短管2の両第1挿入ガイド突起20及び両突条21が流路軸線方向から通過可能な凹部4bが形成されている。この円周方向で隣接する凹部4b間に位置するフランジ部4Bの中間フランジ部分4cは、突条21の一端部21aと第1挿入ガイド突起20の一端部20aとをもって構成される被係合部7Bに対して流路軸線方向から係合することにより、流路1内に挿入された被覆筒体4の一定以上の離脱移動を阻止する係合手段の他方の係合部7Aに構成されている。
そして、係合手段の係合部7Aと被係合部7Bとは、短管2に対する被覆筒体4の回動操作により、流路軸線方向から係合して短管2に対する被覆筒体4の離脱移動を阻止する離脱規制状態と、短管2に対する被覆筒体4の流路軸線方向での通過移動を許容する係合解除状態とに切り替え自在に構成されている。
挿入装置5は、図1、図2に示すように、被覆筒体4を脱着自在に外装状態で保持する筒体装着部30と、この筒体装着部30をコンクリート壁Wの流路1内に挿入操作する挿入操作部40と、筒体装着部30を被覆筒体4と共に収納可能で、且つ、仕切弁3の下流側の連結フランジ3Bに水密状態でボルト15・ナット16にて固定連結される連結フランジ50Aを備えた作業用ケース50とからなる。
筒体装着部30には、図2に示すように、被覆筒体4の内径よりも小径で、且つ、被覆筒体4の流路軸線方向長さよりも小なる長さの装着筒体31と、当該装着筒体31の基端部に対して流路軸芯方向に摺動自在に嵌合する押出部材32とが主要構成として備えられている。
押出部材32には、被覆筒体4のフランジ部4Bに流路軸線方向から当接する押圧フランジ部32Aと、装着筒体31の底板31Aに形成された小径部分31aに摺動自在に嵌合する嵌合筒部32Bとが設けられている。
装着筒体31の外周面の先端側部位には、被覆筒体4の内周面の先端側部位を径方向から接触支持する環状支持突起31Bが一体形成され、装着筒体31の小径部分31aの環状段差面と押出部材32の嵌合筒部32Bの先端面との間には、被覆筒体4の内周面の基端側部位を径方向から突っ張り状態で圧接支持する径方向外方側に弾性膨出変形可能な円環状のゴム製の弾性体33が設けられている。
そして、挿入操作部40の拡張ナット44を拡張側に回転操作すると、装着筒体31と押出部材32との近接移動に伴って弾性体33が径方向外方側に膨出変形され、被覆筒体4の内周面の基端側部位を突っ張り状態で支持する保持状態になる。逆に、挿入操作部40の拡張ナット44を収縮側に回転操作すると、装着筒体31と押出部材32との離間移動に伴って弾性体33が弾性復元力で径方向内方側に収縮し、被覆筒体4の内径よりも小となる保持解除状態になる。
挿入操作部40は、図1、図2に示すように、作業用ケース50内の筒体装着部30を仕切弁3、短管2の各内部を経由してコンクリート壁Wの流路1内に送り込み可能な長さを備えた外軸41と内軸42との内外二重軸構造に構成されている。外軸41は、作業用ケース50の底板50Bに水密状態で摺動自在に貫通支持され、この外軸41の先端側の第1ネジ軸部41aは、筒体装着部30の押出部材32の連結筒部32Cに螺合連結されている。他方、内軸42の先端側の第1ネジ軸部42aは、筒体装着部30の装着筒体31の底板31Aに螺合連結されている。
図2に示すように、内軸42の操作側となる基端部に形成された第2ネジ軸部42bには、外軸41の基端部の端面をスラストベアリング43を介して軸方向から押圧可能な拡張ナット44が螺合されている。
また、外軸41は、継ぎ連結可能な複数本の分割外軸から構成され、内軸42も、継ぎ連結可能な複数本の分割内軸から構成されている。
図1、図3に示すように、作業用ケース50の内周面における下半部の周方向二箇所には、穿孔装置の円筒状カッターの外周面又は被覆筒体4の外周面4a側に摺接して、コンクリート壁Wの穿孔中心又は流路1の中心に対して円筒状カッター又は被覆筒体4を同芯又は略同芯状態で挿入案内する流路軸線方向に沿った第2挿入ガイド突起51が固着されている。
次に、上述の如く構成された被覆筒体4や挿入装置5等の機器を用いたコンクリート製構造体の流路被覆処理工法の第1実施形態について説明する。
[1]装着工程について、
図1〜図3は、コンクリート壁Wに穿孔装置で貫通形成されている流路1に対面する状態でコンクリート壁Wの外面Wa側に取付けられた挿入装置5に、流路1の内周面を被覆可能な被覆筒体4を装着する装着工程を示す。
この装着工程では、図1に示すように、穿孔装置が撤去された閉弁状態にある仕切弁3の下流側の連結フランジ3Bに、被覆筒体4が装着されている挿入装置5の作業用ケース50の連結フランジ50Aが水密状態で固定連結されている。
被覆筒体4は、図2に示すように、挿入装置5の筒体装着部30の装着筒体31と押出部材32とに亘って外装されている。この外装状態では、被覆筒体4のフランジ部4Bは押出部材32の押圧フランジ部32Aに流路軸芯方向から当接している。
更に、この装着工程では、挿入操作部40の拡張ナット44が拡張側に回転操作されており、この回転操作に伴う装着筒体31と押出部材32との近接移動により、弾性体33が径方向外方側に膨出変形された状態に変更されている。そのため、被覆筒体4の内周面の基端側部位は、膨出変形された弾性体33で径方向から突っ張り状態で圧接支持され、被覆筒体4の内周面の先端側部位は、装着筒体31の外周面の先端側部位に一体形成されている環状支持突起31Bに径方向から受止め支持されている。これにより、被覆筒体4を弾性体33と環状支持突起31Bとの二点で所定の装着姿勢に確実、良好に保持することができる。
図1、図2に示すように、被覆筒体4の外周面4aにおける流路軸線方向の二箇所には、密封手段6の構成部材で、流路1の内周面1aと被覆筒体4の外周面4aとの間の環状空間を密封するする環状のシール材(Oリング等)6a,6bが設けられている。この両シール材6a,6bの流路軸線方向での取付け間隔L3は、図7、図8に示すように、コンクリート壁W内の鉄筋19の流路軸線方向での配筋領域を含む設定密封領域L4よりも大なる間隔に構成されている。
また、被覆筒体4の両シール材6a,6bは、作業用ケース50の内周面における下半部の周方向二箇所に固着された第2挿入ガイド突起51と流路軸線方向に摺動自在に接触している。
作業用ケース50の内周面の両第2挿入ガイド突起51と短管2の内周面における下半部の周方向二箇所に固着された両第1挿入ガイド突起20とは、流路軸線方向で一直線状の二本のガイドレールを構成している。
また、図1、図3に示すように、被覆筒体4のフランジ部4Bの周方向4箇所に形成されている凹部4bは、作業用ケース50の両第2挿入ガイド突起51と短管2の両第1挿入ガイド突起20及び短管2の内周面における上半部の周方向二箇所に固着された突条21に対して、流路軸線方向で対面する同一位相に配置されている。
そのため、図3に示すように、被覆筒体4のフランジ部4Bの凹部4bは、作業用ケース50の両第2挿入ガイド突起51と短管2の両第1挿入ガイド突起20及び突条21に沿って通過移動可能な状態にある。
[2]挿入工程及び密封処理工程について、
図4は、挿入装置5の被覆筒体4を不断水状態でコンクリート壁Wの流路1内に挿入する挿入工程、及び、挿入された被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の設定密封領域L4を密封手段6で密封処理する密封処理工程を示す。
挿入工程では、仕切弁3の弁体3Cを開弁操作し、挿入装置5の挿入操作部40を押込み操作する。この押込み操作時には、挿入装置5の筒体装着部30に装着されている被覆筒体4の外周面4a側の両シール材6a,6bは、作業用ケース50の両第2挿入ガイド突起51と短管2の両第1挿入ガイド突起20及び突条21に沿って摺接案内される。
図4に示すように、コンクリート壁Wの外面Waにおける流路1の開口周縁部に対して、被覆筒体4のフランジ部4Bが流路軸線方向から当接した状態が最大挿入状態となる。この被覆筒体4の流路1内への挿入に伴って、被覆筒体4の外周面4a側の両シール材6a,6bは、流路1の内周面1aとの当接によって縮径側に圧縮されながら流路1内に進入する。そのため、被覆筒体4の外周面4a側の両シール材6a,6bは、流路1の内周面1aに圧接された密封状態に変更され、その密封状態が維持される。
[3]離脱規制工程について、
図4、図5は、流路1内に挿入された被覆筒体4の離脱移動を離脱規制手段7で規制する離脱規制工程を示す。
この離脱規制工程の離脱規制手段7は二つの構成要素からなる。そのうちの一つの構成要素は、密封手段6の両シール材6a,6bをもって構成されている。この場合、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間に圧入される両シール材6a,6bの摩擦抵抗により、被覆筒体4の設定挿入領域からの離脱移動を抑制することができる。
離脱規制手段7の他の構成要素は、被覆筒体4に設けられた係合部7Aと短管2の内周面に設けられた被係合部7Bとを備えた係合手段から構成されている。この係合手段の係合部7Aと被係合部7Bとは、短管2に対する被覆筒体4の回動操作により、流路軸線方向から係合して被覆筒体4の離脱移動を規制する離脱規制状態と、流路軸線方向での相対移動を許容する係合解除状態とに切り替え自在に構成されている。
本実施形態においては、係合部7Aは、被覆筒体4のフランジ部4Bのうち、円周方向で隣接する凹部4b間に位置する中間フランジ部分4cをもって構成されている。他方、被係合部7Bは、突条21の一端部21aと第1挿入ガイド突起20の一端部20aとをもって構成されている。
上述の挿入工程で述べたように、挿入装置5によって被覆筒体4を流路1内に挿入するときには、図3に示すように、短管2と被覆筒体4との回動方向での相対位置を係合解除状態に設定する。つまり、短管2側の被係合部7Bを構成する突条21の一端部21a及び第1挿入ガイド突起20の一端部20aに対して、被覆筒体4側の係合部7Aを構成するフランジ部4Bの中間フランジ部分4cが流路軸線方向で係合しない係合解除状態に設定することにより、被覆筒体4の流路1内への挿入操作を、短管2の被係合部7Bに邪魔されることなく確実、スムーズに行うことができる。
そして、離脱規制工程においては、図5に示すように、被覆筒体4側の係合部7Aが短管2側の被係合部7Bを通過して流路1内に挿入されたとき、換言すれば、コンクリート壁Wの外面Waにおける流路1の開口周縁部に対して、被覆筒体4のフランジ部4Bが流路軸線方向から当接したとき、挿入装置5の挿入操作部40を回転操作して、短管2と被覆筒体4との回動方向での相対位置を係合解除状態から離脱規制状態に変更する。
そのため、図8に示すように、流路1内に挿入された被覆筒体4が水圧(流体圧)によって離脱移動しても、短管2側の被係合部7Bを構成する突条21の一端部21a及び第1挿入ガイド突起20の一端部20aに対して、被覆筒体4側の係合部7Aを構成するフランジ部4Bの中間フランジ部分4cが流路軸線方向から係合し、被覆筒体4の離脱移動を確実に阻止することができる。
しかも、図7に示すように、両シール材6a,6bの流路軸線方向での取付け間隔L3は、コンクリート壁W内の鉄筋19の流路軸線方向での配筋領域を含む設定密封領域L4よりも大なる間隔に構成されているため、図8に示すように、被覆筒体4が水圧(流体圧)によって離脱規制手段7の融通範囲内で離脱側に移動しても、流路1の内周面1aにおける少なくとも設定密封領域L4を確実に密封維持することができる。
[4]撤去工程について、
図6は、挿入装置5を撤去する撤去工程を示す。
この撤去工程では、図4に示すように、被覆筒体4がコンクリート壁Wの流路1内に密封状態で挿入保持されている離脱規制工程後において、挿入操作部40の拡張ナット44を収縮側に戻し回転操作する。この戻し回転操作により、装着筒体31と押出部材32との離間移動に伴って弾性体33が弾性復元力で径方向内方側に収縮し、被覆筒体4の内径よりも小となる保持解除状態になる。
そのため、挿入装置5の挿入操作部40を引き抜き操作しても、被覆筒体4はコンクリート壁Wの流路1内に挿入保持されたまま、この被覆筒体4に対して挿入装置5の筒体装着部30のみが抜き出される。
そして、図6に示すように、挿入装置5の筒体装着部30が作業用ケース50内に戻し移動されると、仕切弁3の弁体3Cを閉弁操作し、仕切弁3の下流側の連結フランジ3Bから挿入装置5の作業用ケース50を撤去する。
〔第2実施形態〕
図9〜図12はコンクリート製構造体の流路被覆処理工法の第2実施形態を示す。
この第2実施形態の流路被覆処理工法では、上述の第1実施形態の装着工程、挿入工程、密封処理工程、離脱規制工程、撤去工程を実行したのち、被覆筒体4内の上流側の流路遮断位置を流路遮断治具60で仮止水する流路遮断工程と、密封手段6の両シール材6a,6bで密封された被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の密封領域に充填装置70で固化性の充填材の一例であるセメントミルク76を注入する充填材注入工程と、流路遮断治具60を撤去する治具撤去工程とを実行する。
流路遮断治具60は、図9に示すように、挿入装置5の挿入操作部40の先端部に対して脱着自在に取付けられており、流路遮断治具60をコンクリート壁Wの流路1に装着された被覆筒体4内に挿入操作するにあたっては、挿入装置5の挿入操作部40を作業用ケース50に対して押込み操作する。
流路遮断治具60は、外軸41の先端部に脱着自在に連結される第1押圧板60Aと、内軸42の先端部に脱着自在に連結される第2押圧板60Bと、第2押圧板60Bに対する第1押圧板60Aの近接移動に伴って径方向外方側に弾性膨出変形して流路1を遮断するゴム製の流路遮断体60Cとから構成されている。
充填装置70は、図11に示すように、セメント系の材料と水を混合してなるセメントミルク76を圧送する圧送部71と、この圧送部71のホース72が接続される被覆筒体4の下部側の注入口73と、密封領域に充満したセメントミルク76が流出する被覆筒体4の上部側の排出口74と、セメントミルク76の充填後に注入口73及び排出口74を密封状態で閉止するプラグ75から構成されている。
被覆筒体4としては、図11に示すように、それの外周面4aにおける流路軸線方向の二箇所に、密封手段6の構成部材で、流路1の内周面1aと被覆筒体4の外周面4aとの間の環状空間における少なくとも設定密封領域L4を密封する環状のシール材6a,6bが設けられ、且つ、被覆筒部4Aにおけるシール材6a,6b間には注入口73及び排出口74が形成されているものを用いる。
次に、上述の如く構成された流路遮断治具60及び充填装置70を用いた第2実施形態の流路被覆処理工法の流路遮断工程及び充填材注入工程を説明する。
[5]流路遮断工程について、
図9に示すように、閉弁状態にある仕切弁3の下流側の連結フランジ3Bに、流路遮断治具60及び挿入操作部40が装着されている作業用ケース50の連結フランジ50Aを水密状態で固定連結する。
次に、図10に示すように、仕切弁3の弁体3Cを開弁操作し、挿入操作部40を押込み操作して、流路遮断治具60を被覆筒体4内の流路遮断位置に送り込む。この状態で挿入操作部40の拡張ナット44を拡張側に回転操作すると、第2押圧板60Bに対する第1押圧板60Aの近接移動に伴って、ゴム製の流路遮断体60Cが径方向外方側に弾性膨出変形され、流路遮断体60Cの全周が被覆筒体4の内周面の全周に水密状態で圧接された流路遮断状態に変更される。
流路遮断治具60による被覆筒体4の流路遮断位置に対応する部位には上流側のシール材6aが配置され、この上流側のシール材6aにより、流路遮断体60Cの全周が水密状態で圧接されている被覆筒体4の流路遮断部位を直径方向外方から強固に支持することができる。
被覆筒体4内で流路1が遮断されると、図11に示すように、流路遮断治具60の第1押圧板60A及び第2押圧板60Bから挿入操作部40の外軸41及び内軸42を分離し、流路遮断状態にある流路遮断治具60を被覆筒体4内の流路遮断位置に残置したまま、挿入操作部40を作業用ケース50側に抜き出し操作する。その後、仕切弁3の弁体3Cを閉弁操作し、仕切弁3の下流側の連結フランジ3Bから作業用ケース50を撤去する。
[6]充填材注入工程について、
図11に示すように、被覆筒体4の下部側の注入口73に、セメントミルク76を圧送する圧送部71のホース72を接続し、密封手段6の両シール材6a,6bで密封された被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の密封領域にセメントミルク76を充填する。被覆筒体4の上部側の排出口74からのセメントミルク76の流出を目視確認し、セメントミルク76の流出があれば、密封領域内にセメントミルク76が充満されたと判断し、圧送部71によるセメントミルク76の圧送を停止する。その後、図12に示すように、被覆筒体4の注入口73及び排出口74をプラグ75で閉止する。
そして、密封領域内に充填されたセメントミルク76の固化により、コンクリート壁Wの流路1の内周面1aと被覆筒体4の外周面4aとがセメントミルク76を介して一体的に固着される。
そのため、第2実施形態の流路被覆処理工法においては、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の少なくとも設定密封領域L4を密封する密封手段6が、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間に圧接状態で配置される両シール材6a,6bと、両シール材6a,6bで密封された密封領域に注入される充填材の一例であるセメントミルク76とから構成されている。
さらに、第2実施形態の流路被覆処理工法では、離脱規制工程の離脱規制手段7は三つの構成要素からなる。そのうちの第1の構成要素は、密封手段6の両シール材6a,6bをもって構成されている。
第2の構成要素は、密封領域内に充填される充填材の一例だあるセメントミルク76をもって構成されている。
第3の構成要素は、被覆筒体4に設けられた係合部7Aと短管2の内周面に設けられた被係合部7Bとを備えた係合手段から構成されている。この係合手段の係合部7Aと被係合部7Bとは、短管2に対する被覆筒体4の回動操作により、流路軸線方向から係合して被覆筒体4の離脱移動を規制する離脱規制状態と、流路軸線方向での相対移動を許容する係合解除状態とに切り替え自在に構成されている。
これにより、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の密封領域をより適切に密封処理することができると同時に、密封手段6の複数のシール材6a,6bと、充填材の一例であるセメントミルク76と、係合手段の係合部7Aを構成する被覆筒体4のフランジ部4Bにおける凹部4b間の中間フランジ部分4c、係合手段の被係合部7Bを構成する突条21の一端部21a及び第1挿入ガイド突起20の一端部20aとにより、離脱規制手段7を構造面及びコスト面で一層有利に構成することができる。
[7]治具撤去工程について、
閉弁状態にある仕切弁3の下流側の連結フランジ3Bに、挿入操作部40が装着されている作業用ケース50の連結フランジ50Aを水密状態で固定連結する。次に、仕切弁3の弁体3Cを開弁操作し、作業用ケース50に装着されている挿入操作部40を、被覆筒体4内の流路遮断位置を遮断している流路遮断治具60まで押込み操作し、この挿入操作部40の外軸41及び内軸42を、流路遮断治具60の第1押圧板60A及び第2押圧板60Bに連結する(図10参照)。
そして、挿入操作部40の拡張ナット44を縮径側に回転操作すると、第2押圧板60Bに対する第1押圧板60Aの離間移動に伴って、流路遮断体60Cが弾性復元力で径方向内方側に収縮変形され、流路遮断体60Cが被覆筒体4の内周面から離間した遮断解除状態に変更される。
この状態で挿入装置5の挿入操作部40を引き抜き操作し、遮断解除状態にある流路遮断治具60を作業用ケース50内に戻し移動させたのち(図9参照)、仕切弁3の弁体3Cを閉弁操作し、仕切弁3の下流側の連結フランジ3Bから作業用ケース50を撤去する。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第3実施形態〕
図13は、コンクリート製構造体の流路被覆処理工法に用いられる被覆筒体4の第3実施形態を示す。この第3実施形態では、被覆筒体4の外周面4aにおける先端からフランジ部4Bまでの筒長さL1が、コンクリート壁Wに貫通形成される流路1の軸線方向長さL2よりも大に構成されている。
そして、図13の上側半断面図に示すように、コンクリート壁Wの外面Waにおける流路1の開口周縁部に対して、被覆筒体4のフランジ部4Bが流路軸線方向から当接した状態では、被覆筒体4の先端がコンクリート壁Wの内面Wbから突出する。
また、図13の下側半断面図に示すように、係合部7Aを構成する被覆筒体4のフランジ部4Bにおける凹部4b間の中間フランジ部分4cが、被係合部7Bを構成する突条21の一端部21a及び第1挿入ガイド突起20の一端部20aに当接した状態では、被覆筒体4の先端がコンクリート壁Wの内面Wbと面一又は略面一に位置する。
そのため、流路1内に挿入された被覆筒体4が水圧によって離脱側に少し移動しても、流路1の内周面1aの設定密封領域L4を確実に密封維持することができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)流路1内に挿入された被覆筒体4の離脱移動を規制する離脱規制手段7を構成するにあたって、上述の第1実施形態では、密封手段6のシール材6a,6bと係合手段の係合部7A及び係合部7Bとの組み合せから構成した。また、上述の第2実施形態では、密封手段6のシール材6a,6bと充填材の一例であるセメントミルク76と係合手段の係合部7A及び被係合部7Bとの組み合せから構成した。しかし、この構成に限定されるものではなく、例えば、被覆筒体4に作用する水圧が小さい場合には、密封手段6のシール材6a,6bのみから構成してもよい。
さらに、被覆筒体4の外周面4aにおける先端からフランジ部4Bまでの長さを、コンクリート壁Wに貫通形成される流路1の軸線方向長さよりも大に構成し、コンクリート壁Wの内面Wbから突出する被覆筒体4の先端部を抜止め状態に拡径変形することにより、この被覆筒体4の拡径先端部をもって上述の離脱規制手段7を構成してもよい。
(2)上述の第2実施形態では、充填材としてセメントミルク76を例示したが、充填材としては、樹脂系の接着剤や充填後に発泡する発泡樹脂等であってもよい。
(3)上述の各実施形態では、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間に圧接状態で配置される一対のシール材6a,6bを設けたが、被覆筒体4のフランジ部4Bが、コンクリート壁Wの外面Waにおける流路1の開口周縁部に対して密着する場合には、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間に一つのシール材6aを配置して実施してもよい。無論、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間に三つ以上のシール材を配置してもよい。
(4)上述の各実施形態では、係合手段の被係合部7Bを、短管2の内周面における下半部の周方向二箇所に固着した第1挿入ガイド突起20と、短管2の内周面における上半部の周方向二箇所に固着した短尺の突条21とから構成したが、第1挿入ガイド突起20又は短尺の突条21のいずれか一方で被係合部7Bを構成してもよい。
(5)上述の実施形態では、離脱規制手段7を、コンクリート壁Wの流路1内に挿入された被覆筒体4を位置保持するシール材6a,6b等の位置保持手段と、流路1内に挿入された被覆筒体4をコンクリート壁Wに固定するセメントミルク76等の固定手段と、流路1内に挿入された被覆筒体4の一定以上の離脱移動を係合阻止する係合手段との少なくとも一つから構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、流路1内に挿入された被覆筒体4をコンクリート壁Wに固定する固化性充填材76やボルト等の専用の固定手段を設け、離脱規制手段7を、被覆筒体4が固定手段でコンクリート壁Wに固定されるまで当該被覆筒体4を位置保持する又は一定以上の離脱移動を係合阻止する機能に特化して構成してもよい。
その一例としては、密封手段6を、挿入工程での被覆筒体4の挿入に伴って、被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間に圧接状態で配置される複数のシール材6a,6bと、当該シール材6a,6bで密封された被覆筒体4の外周面4aと流路1の内周面1aとの間の密封領域に注入される固化性充填材76とから構成するとともに、離脱規制手段7を、流路1内に挿入された被覆筒体4と流路軸線方向から係合して当該被覆筒体4の一定以上の離脱移動を阻止する係合手段から構成する。
1 流路
1a 内周面
2 短管
2A 連結フランジ
3 仕切弁
4 被覆筒体
4B フランジ部
4a 外周面
5 挿入装置
6 密封手段
6a シール材
6b シール材
7 離脱規制手段
7A 係合部
7B 被係合部
10 ボルト
13 弾性シール材
20 挿入ガイド突起(第1挿入ガイド突起)
76 充填材(セメントミルク)
L1 筒長さ
L2 流路1の軸線方向長さ
L3 取付け間隔
L4 設定密封領域
W 構造体(コンクリート壁)
Wa 外面

Claims (4)

  1. コンクリート製の構造体の外面で、且つ、前記構造体に貫通形成される流路の開口周縁部に、穿孔装置の円筒状カッターを挿入可能な短管の連結フランジを取付ける短管取付け工法であって、
    前記構造体の外面における前記流路の開口周縁部で、かつ、前記短管の前記連結フランジが流路軸線方向から当接するフランジ当接部位を平滑処理したのち、前記フランジ当接部位と前記短管の前記連結フランジとの間に弾性シール材を介装した状態で、前記短管の前記連結フランジを前記フランジ当接部位にボルトで固定する短管取付け工法。
  2. 前記平滑処理された平滑処理層は、前記流路の開口縁から前記連結フランジの外径よりも径方向外方側に広がる範囲に設定されている請求項1記載の短管取付け工法。
  3. 前記平滑処理された平滑処理層は、研磨、パテ埋め、素地調整等により形成されている請求項1又は2記載の短管取付け工法。
  4. 前記ボルトがケミカルアンカーボルトであり、前記平滑処理された平滑処理層の複数のフランジ固定部位にドリルで形成されたボルト取付け穴に接着剤で固定されている請求項1、2又は3記載の短管取付け工法。

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