JP5947581B2 - コア組付装置及びそれを用いたコア嵌設方法 - Google Patents

コア組付装置及びそれを用いたコア嵌設方法 Download PDF

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Description

本発明は、流体管に穿設された穿孔に連通し該流体管の外周を密封状に被覆したケースと、前記穿孔に嵌設されるコアと、前記ケース内で前記コアを介して進退移動し流体管内を開閉する弁体とを備え、穿孔に嵌設される前のコアが組み付けられたコア組付装置及びそれを用いたコア嵌設方法に関する。
従来のコア嵌設方法は、流体管の外周を密封状に固定したケースを構成する分岐管の内周面に縮径可能なコア(防錆ブッシュ)を拡径状態で保持し、流体管に穿孔装置により穿孔を穿設後、分岐管の周方向に配設した複数の押しボルトの径方向内方の押圧移動によりコアを縮径させると共に、分岐管の周方向に配設したカム状の押圧部を備えた操作軸の回動によりにコアの後端部を穿孔に向かって押圧してコアを穿孔に嵌設可能な所定位置まで移動させた後、押しボルトを径方向該方に後退させて、コアを再び拡径状態にして穿孔に嵌設保持した技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特許第3838897号公報(第9頁、第6図)
しかしながら、特許文献1にあっては、分岐管の周方向にコアを縮径させる複数の押しボルトと、同じく分岐管の周方向にコアを押込むカム状の押圧部を備えた操作軸が配設されており、コアを穿孔に嵌設するための専用の組付用具が分岐管の周方向の周りに多く集まりすぎて構造が複雑となるばかりでなく、コアの縮径操作とコアの押込み操作、更にコア挿入後のコア嵌設のためのコア拡径操作が必要であり、コアの嵌設作業が煩雑であった。また、押しボルトで押圧する箇所のみが部分的に縮径してしまい、コアを周方向に一様に縮径できない虞が生じていた。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、分岐管周りに専用の組付及び押し込み用具を用いることなく分岐管内面にコアを保持させることができ、コアに対して穿孔に向かう押込み力を作用するだけで容易にかつ確実にコアを穿孔に嵌設させることができるコア組付装置及びそれを用いたコア嵌設方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のコア組付装置は、
流体管に穿設された穿孔に連通し該流体管の外周を密封状に被覆したケースと、前記穿孔に嵌設されるコアと、前記ケース内で前記コアを介して進退移動し流体管内を開閉する弁体とを備え、穿孔に嵌設される前のコアが組み付けられたコア組付装置であって、
前記ケースは、流体管に取り付けられた分岐管と、該分岐管に密封状に接続される弁体が収納可能な弁蓋とで構成され、
前記コアは、周方向の一部が切断された切欠き部を有するC型筒状体であり、該コアの後端部において外径方向に膨出したフランジ部が形成され、該フランジ部の前記切欠き部には外径方に突出した一対の鍔部、及び該鍔部と対向する側には外径方に突出した係合突部が、それぞれ設けられ、前記弁体を進退方向に移動させる際にガイドするための分岐管の内面に形成した一対のガイド溝に、前記一対の鍔部と係合突部が摺動可能に嵌合していることを特徴としている。
この特徴によれば、コアが分岐管の内周面に移動かつ縮径可能となるように保持されているので、分岐管周りに専用の組付及び押し込み用具を用いることなく、穿孔に向かう押込み力を作用するだけで、コアを穿孔に容易にかつ確実に嵌設することができる。また、切欠き部を有するC型筒状体に構成されたコアは容易に縮径状態となるので、分岐管内の所望位置に挿入して縮径状態を開放すれば、コアの拡径弾発力により分岐管の該所望位置に確実に保持することができる。さらに、コアに対し穿孔に向かう押込み力が作用したときに、コアのフランジ部の一対の鍔部と係合突部がそれぞれ一対のガイド溝に沿って移動するので、穿孔に対し正確にコアを嵌合させることができ、しかも弁体を進退方向に移動させるための形成されたガイド溝を利用することで、コアのためのガイド溝を新たに設ける必要がない。
本発明のコア組付装置は、
前記分岐管の内周面は、前記コアが保持されている箇所から穿孔に向かって漸次縮径するテーパ面で形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、コアに対し穿孔に向かう押込み力が作用したときに、コアを漸次縮径させて穿孔に対し的確にかつ大きな復元力を生じさせることができるように嵌設させることが可能である。
本発明のコア組付装置は、
前記コアの外周部には、前記穿孔の略全内周面に亘り当接する防錆部材を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、コアの防錆部材を穿孔の略全内周面に亘り当接させることで、穿孔の防錆を確実にできる。
本発明のコア嵌設方法は、前記コア組付装置を用いたコア嵌設方法であって、
前記弁体の穿孔方向に向かう押込み力で、前記分岐管の内周面に保持されているコアを押込んで、該コアを穿孔に嵌設することを特徴としている。
この特徴によれば、弁体を閉鎖方向に進行させる工程でコアを穿孔に嵌設することができるので、嵌設作業を容易に行うことができる。
本発明のコア嵌設方法は、前記コア組付装置を用いたコア嵌設方法であって、
前記分岐管に対し弁蓋を取り付ける際の該弁蓋の先端部による穿孔方向に向かう押込み力で、前記分岐管の内周面に保持されているコアを押込んで、該コアを穿孔に嵌設することを特徴としている。
この特徴によれば、分岐管に対し弁蓋を取り付ける工程でコアを穿孔に嵌設することができるので、嵌設作業を容易に行うことができる。
(a)は、実施例1におけるコアの平面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図であり、(c)は、(a)のB−B断面図である。 実施例1における穿孔装置により穿孔を穿設している態様を示す正面断面図である。 実施例1における弁体及び弁蓋を分岐管に設置する前の態様を示す正面断面図である。 実施例1におけるコアの穿孔への嵌設状態を示す正面一部断面図である。 実施例1におけるコアの穿孔への嵌設状態を示す側面断面図である。 実施例2におけるコアの穿孔への嵌設状態を示す側面断面図である。
本発明に係るコア組付装置及びそれを用いたコア嵌設方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係るコア組付装置及びそれを用いたコア嵌設方法につき、図1から図5を参照して説明する。先ずコア組付装置10に用いるコア40について、図1に基づいて説明する。
コア40は、本実施例において流体管1の管壁を穿設形成した穿孔Qを防錆するために用いられる。図1(a)に示されるように、コア40は平面視略円形状の周壁を有し内部が貫通形成され、周方向の一部が上下方向に切断された切欠き部41aを有するC型筒状体41と、C型筒状体41の外周面に図示しない接着材により接着された防錆部材42から成り、C型筒状体41はその上端部において外径方向に膨出したフランジ部41bが一体成形されている。そしてこのフランジ部41bには、切欠き部41aのところで外径方に突出した一対の鍔部41b’、41b’が形成されている。
そしてC型筒状体41は、切欠き部40aを有しているため拡径状態から縮径状態に弾性変形が可能であり、材質としては例えば腐食に強いステンレス製で構成され、防錆部材42はC型筒状体41よりも軟質で弾性を有する例えばゴム材若しくはエラストマー等の樹脂材から成っている。断面視略円形状の流体管1に径方向に穿設された穿孔QにC型筒状体41が嵌設されるとき、C型筒状体41は縮径されて穿孔Qの内周面形状に正確に沿うように、図1(b)、(c)に示す如く曲線形状に形成されている。したがって穿孔QにC型筒状体41が嵌設されると、C型筒状体41からの拡径しようとする弾性復元力が防錆部材42に作用し、防錆部材42は穿孔Qの内周面に強い圧着力を持って確実に当接することができる。
また図1(a)に示したように、C型筒状体41のフランジ部41bの切欠き部41aに対し径方向に対向する位置に外径方に突出する係合突部41cが形成されており、後述するが、この係合突部41cと、2つの鍔部41b’、41b’が、分岐管12に形成した上流側と下流側に対向した一対のガイド溝12a,12a(図3に一方のみ示されている)にそれぞれ嵌合することで、コア40を穿孔Qに向かって安定して摺動移動させることができる。
次に分岐管12にコア40を組み付けたコア組付装置10の組付工程について説明する。図2,3に示すように、先ずコア40の2つの鍔部41b’、41b’に外力を加えて近接させて、C型筒状体41を縮径状態にし、上方から2つの鍔部41b’、41b’を一緒にして分岐管12に形成した一方のガイド溝12a(図3)に摺動自在に嵌合させるとともに、2つの鍔部41b’、41b’の径方向の対向位置に配置されている係合突部41cを分岐管12に形成した一方のガイド溝12aと対向する位置に配置した他方のガイド溝(図示せず)に摺動自在に嵌合させた後、縮径状態にしたC型筒状体41に作用する外力を解放する。このとき2つの鍔部41b’、41b’が流体管1の上流側に、係合突部41cが下流側になるように嵌合させる方が好ましい。
C型筒状体41に作用する外力を解放すると、C型筒状体41自体に拡径しようとする弾性復元力が作用して、コア40は分岐管12の内周面に拡径した状態で嵌合係止する。このような状態で嵌合係止したコア40を押し下げていくと、コア40の中程の内周面から穿孔Qに向かって分岐管12の内周面に漸次縮径するテーパ面12bが形成されているので、拡径状態のコア40は縮径され、下に押し下げられる毎に次第に大きくなる弾性復元力の作用で、コア40は分岐管12のテーパ面12bに係合保持される。
このように穿孔Qに嵌設する前のコア40が分岐管12のテーパ面12bに係合保持された本発明のコア組付装置10は、図3に示されるように、主として、本実施例では内部を上水が流れる流体管1の上部に穿設される穿孔Qに連通し流体管1の外周を密封状に被覆したケース2と、穿孔Qに嵌設するために予め分岐管12の内周面に保持された筒状体のコア40と、ケース2内でコア40を介して進退移動し流体管1内を開閉する仕切弁としての弁体5とを備え、穿孔Qに嵌設される前のコア40が予め分岐管12に組み付けられた装置をいう。またケース2は、流体管1の外周を密封状に被覆して取り付けた分岐管12と、この分岐管12に着脱自在に取り付けた弁蓋3と、流体管1の外周の下部を被覆するカバー11と、からなる。
本実施例の流体管1は、断面視略円形状に形成されたダクタイル鋳鉄、その他鋳鉄、鋼等の金属製管から成り、内周面がモルタル層で被覆されている。尚、流体管の内周面はモルタル層に限らず、例えばエポキシ樹脂等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。また、本実施例では流体管1内の流体は上水であるが、流体管の内部を流れる流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水であってもよいし、また気体や気液混合状態の流体が流れる流体管であっても構わない。
流体管1の外周面に固定に取り付けられるカバー11と分岐管12は、流体管1の管軸と略直交方向に延設されるいわゆる割T字管であって、カバー11のフランジ11a及び分岐管12の下フランジ12cとを流体管1を挟む位置で対向させ、複数のボルト・ナット13により締結される。また、後述するように穿設する穿孔Qの外周には、穿孔Qを介し流体管1内からの溢流が生じることを防止するゴムリング22が分岐管12の内面と流体管1の外面との間に予め介設されている。尚、流体管1にカバー11と分岐管12を取り付けた後に、分岐管12内に流体圧を加えることで、流体管1の外面と分岐管12の内面との間隙の密封性を適宜確認してもよい。
次に、穿孔Qに嵌設するためのコア40が予め分岐管12に保持されたコア組付装置10を用いてコア40を穿孔Qに嵌設する方法について図2ないし図5に基づき説明する。先ず、図2に示されるように、分岐管12の上フランジ12dには、内部に作業弁36を配設した作業弁ケース35を密封状に接続し、この作業弁ケース35内に穿孔装置50を接続する。穿孔装置50は、図示しない駆動手段に接続され分岐管12内を流体管1に向け軸方向に伸出するとともに軸周りに回転する軸部材51と、軸部材51の先端に固設され流体管1を穿設する穿孔刃52aを備えたカッタ部材52と、から主として構成されており、カッタ部材52を流体管1の外面にアプローチして穿孔Qを穿設する。
そして、穿孔装置50はコア40のC型筒状体41の内面の内側を通過して伸出し、カッタ部材52により穿孔Qが穿設され、穿設後は穿孔装置50を引き上げて作業弁ケース35の上方に配設させ、作業弁36によって分岐管12内を閉塞するとともに、図3に示されるように、穿孔装置50に替えて、弁体5を収納した弁蓋3を挿入機38に取り付けて外ケース37内に配設する。
作業弁36を開放し挿入機38を不断流状態で分岐管12内に向けて挿入することで、図4、図5に示されるように、分岐管12の拡径上面部12eに弁蓋3の先端面が密封状に当接する。このとき、弁蓋3は、分岐管12の上端部の内径より小径の外径を有しており、弁蓋3の下部の外周に沿ってOリング19が設けられていることにより、分岐管12の内周面に沿って密封状に嵌挿されている。そして弁蓋3の先端面が分岐管12の拡径上面部12eに密封状に当接した時は、弁体5が弁蓋3より一部しか突出しておらず、弁蓋3の上方位置に収容されている。
また挿入機38の挿入操作に際し、分岐管12から分岐するホース39を介し、流体管1から流入する流体が外ケース37内へ排出され、作業弁36を境にした分岐管12側と外ケース37側とを等圧とすることができるため、挿入機38の挿入が容易である。
そして、図4、図5に示されるように、弁蓋3を分岐管12に対し定置させるよう、固定ボルト16で弁蓋3の位置固定を行い弁蓋3を分岐管12に仮保持させた状態で、作業弁ケース35、外ケース37及び挿入機38を取り外し、その後リング状のフランジ9を弁蓋3の外周面に係合させてながら、ボルト・ナット14でフランジ9と分岐管12の上フランジ12dとを締結する。更に、フランジ9は、その内周部が弁蓋3の外周部に係合することで、弁蓋3を上下方向に規制している。
図5に示すように、弁蓋3の頂部に貫通して穿設された挿通孔32には、上端部を弁蓋3の外部に突出した回転ネジ4が回転自在に取り付けられている。押え板33は、弁蓋3の上端面にボルト34で固定され、回転ネジ4の抜出しを阻止している。上記構成により、回転ネジ4は弁蓋3に対し正逆両方向に回転自在であるが上下動はしない。4bは、回転ネジ4の上端部を除いて略全長に亘ってその周面が螺設されたネジ部である。ネジこま25は、後述する弁体5の上端部に形成されたガイド溝21に嵌合するとともに、ネジ部4bに螺合しており、回転ネジ4の上端部に形成された回転操作部4aの回転に応じネジ部4bが回転することで、ネジ部4bに沿って螺挿するネジこま25に追随して弁体5が上下動可能となっている。
弁体5は、鋳物や鋼材などにより形成された図示しない弁本体と、前記弁本体の略全面に亘り被覆して弾性材から成るゴム体7とを備える。更に弁体5には、回転ネジ4のネジ部4bを挿入する挿入孔31が形成されている。弁体5における上下流側の外面には、上下方向に沿った張出部8、8が延設されており、弁蓋3の内面に設けられた一対のガイド溝3a及び分岐管12の内面に設けられた一対のガイド溝12aに沿って摺動可能になっている。上記のように構成された張出部8、8がガイド溝3a、ガイド溝12aに摺動することで、回転ネジ4の回転に伴う弁体5の回転を規制できる。
前記したように、ボルト・ナット14でフランジ9と分岐管12の上フランジ12dとを締結した後、図4、5に示すように弁体5を非上昇の回転ネジ4を回転させると、弁体5の張出部8、8がガイド溝3aに沿って穿孔Qに向かって進行移動し、やがて分岐管12のガイド溝12aにも摺動係合して進行移動する。
このような弁体5の進行移動が継続すると、張出部8、8の下部に形成した張出部8、8よりもやや小径の押圧突起部8aが、分岐管12のテーパ面12bに嵌合保持されているコア40の係合突部41cと、2つの鍔部41b’、41b’とに当接する。更に回転ネジ4を回転させることによりコア40は弁体5の押圧突起部8aによる押込み力により穿孔Qに近接すると同時に、分岐管12の内周面が漸次縮径するテーパ面12bによりコア40が縮径され、筒状体41の外周面に設けた防錆部材42が穿孔Qの略全内周面に亘り当接する位置に配置されたときに、回転ネジ4の回転を停止させる。尚、上記した弁体5の押圧突起部8aは、弁体5を流体管1内に進行移動させることで、コア40の内周面に密接して流体を遮断するようになっている。
防錆部材42が穿孔Qの略全内周面に亘り当接する位置では、防錆部材42は穿孔Qの内径のより若干大きく形成されているので、防錆部材42は弾性変形しながら穿孔Q内に挿入されるとともにC型筒状体41からの拡径しようとする弾性復元力が防錆部材42に作用し、その結果、穿孔Qの略全内周面に密着して穿孔Qの防錆を確実にできると同時に、回転ネジ4の逆回転により、弁体5が退行方向に移動してコア40に対し引き上げ力が作用してもコア40は穿孔Qの内面に嵌設状態に確実に維持される。更にまた切欠き部41aのところに形成されている一対の鍔部41b’、41b’が流体管1の上流側に位置しているので、流体の流れに基づく動圧がコア40の内面に有効に作用しやすく、一層コア40の穿孔Qに対する嵌設状態が強固に維持される。また、流体管1内を遮断した弁体5は、流体圧により下流側に押圧されることになるが、当該弁体5は前述したように上流側に配置された切欠き部41を押圧することがないため、コア40が拡径してしまう等の不具合を回避できる。
以降、コア40が穿孔Qに嵌設状態、すなわちコア40が穿孔Qを防錆している状態を維持したまま、使用者が任意で回転ネジ4を回転することにより、弁体5が進行移動することで流体管1の管路を遮断し、若しくは弁体5が退行移動することで流路を開放できるように成る。
以上説明したように本発明の実施例1に係るコア組付装置は、流体管1に穿設された穿孔Qに連通し該流体管1の外周を密封状に被覆したケース2と、穿孔Qに嵌設される筒状体のコア40と、ケース2内でコア40を介して進退移動し流体管内を開閉する弁体5とを備え、穿孔に嵌設される前のコア40が組み付けられたコア組付装置10であって、ケース2は、流体管に取り付けられた分岐管12と、分岐管12に密封状に接続される弁体5が収納可能な弁蓋3とで構成され、コア40は、穿孔Qに向かう押込み力で、穿孔Qに向かって移動かつ縮径可能となる縮径可能な部材からなり、分岐管12の内周面に保持されている。これによれば、コア40が分岐管12の内周面に移動かつ縮径可能となるように保持されているので、分岐管周りに専用の組付及び押し込み用具を用いることなく、穿孔Qに向かう押込み力を作用するだけで、コア40を穿孔Qに容易にかつ確実に嵌設することができる。
また、本発明の実施例1に係るコア組付装置は、分岐管12のコア40が保持されている内周面から穿孔Qに向かって分岐管の内周面が漸次縮径するテーパ面12bで形成されている。これによれば、コア40に対し穿孔Qに向かう押込み力が作用したときに、コアQを漸次縮径させて穿孔Qに対し的確に嵌設させることができる。
また、本発明の実施例1に係るコア組付装置は、コア40は周方向の一部が上下方向に切断された切欠き部41aを有するC型筒状体41である。これによれば、切欠き部41aを有するC型筒状体41に構成されたコア40は容易に縮径状態となるので、分岐管12内の所望位置に挿入して縮径状態を開放すれば、コア40の拡径弾発力により分岐管12の該所望位置に確実に保持することができる。
また、本発明の実施例1に係るコア組付装置は、コア40は上端部において外径方向に膨出したフランジ部41bが形成され、該フランジ部41bの切欠き部41aには外方に突出した一対の鍔部41b’が、該鍔部41b’と対向する側には外方に突出した係合突部41cが、それぞれ設けられ、弁体5を進退方向に移動させための分岐管12の内面に形成した一対のガイド溝12aに前記一対の鍔部41b’と係合突部41cが摺動可能に嵌合している。これによれば、コア40に対し穿孔Qに向かう押込み力が作用したときに、コア40のフランジ部41bの一対の鍔部41b’と係合突部41cがそれぞれ一対のガイド溝12aに沿って移動するので、穿孔Qに対し正確にコア40を嵌合させることができ、しかも弁体5を進退方向に移動させるための形成されたガイド溝を利用することで、コアのためのガイド溝を新たに設ける必要がない。
また、本発明の実施例1に係るコア組付装置は、コア40の穿孔Qに嵌設する部分は、穿孔Qの略全内周面に亘り当接する防錆部材42を備えている。これによれば、コア40の防錆部材42を穿孔Qの略全内周面に亘り当接させることで、穿孔Qの防錆を確実にできる。
また、本発明の実施例1に係るコアが穿孔に嵌設される前のコア組付装置を用いたコア嵌設方法は、弁体5の穿孔方向に向かう押込み力で、分岐管12内周面に保持されているコア40を押込んでコア40を穿孔Qに嵌設する。これによれば、弁体5を閉鎖方向に進行させる工程でコア40を穿孔Qに嵌設することができるので、嵌設作業を容易に行うことができる。
次に、実施例2に係るコア嵌設方法につき、図6を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。
実施例2の弁蓋60の構造が実施例1で用いた弁蓋3の構造と相違しており、そのためにコアの嵌設方法が異なるものである。実施例1における弁蓋3は穿孔Q側の先端面が分岐管12の拡径上面部12eに当接して終わっているが、実施例2の弁蓋60は分岐管12の拡径上面部12eと当接する拡径段部60aが形成され、更に流体管1の外表面に近接する先端部60dを備えた突出部60bとなって延出している。また本実施例2のコアコア40’は、フランジ部41eが実施例1のコア40のフランジ部40bよりも外径方に大きく張り出している。尚、弁蓋の突出部は、周方向に一部のみ形成されるものであっても構わない。
穿孔Qに嵌設するためのコア40’が予め分岐管12に保持されたコア組付装置10が流体管1に対し密封状に組み付けられており(図2参照)、この状態から先ず穿孔装置50によって流体管1を嵌設して穿孔Qを形成し、穿設後、穿孔装置50を引き上げて作業弁ケース35の上方に配設させ、作業弁36によって分岐管12内を閉塞するとともに、図3に示されるように、穿孔装置50に替えて、弁体5を収納した弁蓋60を挿入機38に取り付けて外ケース37内に配設する作業工程は実施例1におけるコア嵌設方法と同じである。
挿入機38により弁蓋60を図6に示す位置まで下方に移動させる進行工程において、弁蓋60の下方に延在した突出部60bの先端部60dが、先ず分岐管12のテーパ面12bに嵌合保持されているコア40’の係合突部41cと、2つの鍔部41b’、41b’とに当接する。更に挿入機38を下方に移動させると、弁蓋60は下方に移動し、コア40’は弁蓋60の突出部60bによる押込み力により穿孔Qに近接すると同時に、分岐管12の内周面が漸次縮径するテーパ面によりコア40’が縮径される。突出部60bの長さは、防錆部材42が穿孔Qの略全内周面に亘り当接する位置に配置されたときに、弁蓋60の拡径段部60aが分岐管12の拡径上面部12eと当接するとともに、突出部60bの先端部60dがコア40’のフランジ部41eを流体管1の外面との間で保持するように設定されている。
この後、弁蓋60を分岐管12に対し定置させるよう、実施例1と同じように固定ボルトで弁蓋60の位置固定を行い弁蓋60を分岐管12に仮保持させた状態で、作業弁ケース35、外ケース37及び挿入機38を取り外し、その後リング状のフランジ9を弁蓋3の外周面に係合させながら、ボルト・ナット14でフランジ9と分岐管12の上フランジ12dとを締結する。
コア40’の嵌設後は、実施例1に係る発明と同じように弁体5が非上昇の回転ネジ4の回転により、弁体5の張出部8、8が弁蓋60の内面に設けられた溝部60cに沿って摺動しケース2内部をコア40’に向けて進行移動し、最後に流体管1の管路を遮断することで弁体5が閉弁状態となる。使用者が回転ネジ4を逆回転することにより、弁体5の閉鎖移動とは逆の上方への退行移動となり流路を開放できる。このように実施例2における発明においては、弁蓋60が分岐管12に固定され、弁蓋60の突出部60bの先端部60dでコア40’のフランジ部41eの浮き上がりを阻止しているので、コア40’の穿孔Qに対する嵌設状態が強固に維持される。
以上説明したように本発明の実施例2に係るコアが穿孔に嵌設される前のコア組付装置を用いたコア嵌設方法は、分岐管12に対し弁蓋60を取り付ける際の弁蓋60の先端部による穿孔方向に向かう押込み力で、分岐管内周面に保持されているコア40’を押込んでコア40’を穿孔Qに嵌設する。これによれば、分岐管12に対し弁蓋60を取り付ける工程でコア40’を穿孔Qに嵌設することができるので、嵌設作業を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、弁体としての弁体5は、ケース2内で回転ネジ4の軸方向に操作される仕切弁であったが、本発明の弁体は、これに限られず、例えば軸回りに回転操作されることで流路を遮断するいわゆるバタフライ弁等であってもよい。
また例えば、前記実施例では、流体管1が金属製の管であって、コア40がステンレス製であって、流体管1に穿設された穿孔Qを防錆する防錆部材42を備えた防錆用のコアであるが、流体管の材質若しくはコアの用途は必ずしも本実施例に限られず、例えば流体管が塩ビ管等の樹脂製の管であるとともに、コアが前記樹脂製の管に穿設された穿孔の周囲管壁の強度を増進する用途で設けられる他の金属製のコアであっても構わない。
また例えば、前記実施例では、コア40が、ステンレス材から成っているが、コアを構成する部材の材質は、例えばポリエチレン等の樹脂材若しくはゴム材であってもよいし、エラストマー等の他の材料から成るものでも構わない。
また例えば、前記実施例では、コア40は縮径できるように周方向の一部が上下方向に切断された切欠き部を形成したが、両端部が重合可能であって縮拡径できる帯状体であっても構わない。更に前記実施例では、コア40は穿孔Qに嵌設される筒状体であるが、コアの形状は平面視略円形に限らず、穿孔の形状に応じて例えば楕円、略矩形等の形状であっても構わない。
また例えば、前記実施例では、コアが穿孔に嵌設される前のコア組付装置において、コア40は分岐管12のテーパ面12bに係合保持されているものとして説明したが、必ずしもテーパ面の位置で保持させておく必要はなく、例えば分岐管の内面は、略鉛直面に形成されていてもよい。
また例えば、防錆部材42は、接着剤による接着に替えて例えばC型筒状体41の外周面に熱溶着されていてもよい。
1 流体管
2 ケース
3,60 弁蓋
5 弁体
10 コア組付装置
12 分岐管
12a ガイド溝
12b テーパ面
40,40’ コア
41 C型筒条体
41a 切欠き部
41b,41e フランジ部
41b’ 鍔部
41c 係合突部
42 防錆部材
50 穿孔装置

Claims (5)

  1. 流体管に穿設された穿孔に連通し該流体管の外周を密封状に被覆したケースと、前記穿孔に嵌設されるコアと、前記ケース内で前記コアを介して進退移動し流体管内を開閉する弁体とを備え、穿孔に嵌設される前のコアが組み付けられたコア組付装置であって、
    前記ケースは、流体管に取り付けられた分岐管と、該分岐管に密封状に接続される弁体が収納可能な弁蓋とで構成され、
    前記コアは、周方向の一部が切断された切欠き部を有するC型筒状体であり、該コアの後端部において外径方向に膨出したフランジ部が形成され、該フランジ部の前記切欠き部には外径方に突出した一対の鍔部、及び該鍔部と対向する側には外径方に突出した係合突部が、それぞれ設けられ、前記弁体を進退方向に移動させる際にガイドするための分岐管の内面に形成した一対のガイド溝に、前記一対の鍔部と係合突部が摺動可能に嵌合していることを特徴とするコア組付装置。
  2. 前記分岐管の内周面は、前記コアが保持されている箇所から穿孔に向かって漸次縮径するテーパ面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコア組付装置。
  3. 前記コアの外周部には、前記穿孔の略全内周面に亘り当接する防錆部材を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のコア組付装置。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のコア組付装置を用いたコア嵌設方法であって、
    前記弁体の穿孔方向に向かう押込み力で、前記分岐管の内周面に保持されているコアを押込んで、該コアを穿孔に嵌設することを特徴とするコア嵌設方法。
  5. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のコア組付装置を用いたコア嵌設方法であって、
    前記分岐管に対し弁蓋を取り付ける際の該弁蓋の先端部による穿孔方向に向かう押込み力で、前記分岐管の内周面に保持されているコアを押込んで、該コアを穿孔に嵌設することを特徴とするコア嵌設方法。
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