JP2021151083A

JP2021151083A - 配線部材

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Publication number: JP2021151083A
Application number: JP2020048673A
Authority: JP
Inventors: 克明田中; Katsuaki Tanaka; 昌樹水下; Masaki MIZUSHITA; 純山崎; Jun Yamazaki
Original assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Current assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date: 2020-03-19
Filing date: 2020-03-19
Publication date: 2021-09-27
Anticipated expiration: 2040-03-19
Also published as: JP7384084B2; WO2021187102A1; CN115298767A; US20230147609A1

Abstract

【課題】シート上に交差部を有する配線部材において、線状伝送部材がシートからより外れにくくなる技術を提供することを目的とする。【解決手段】配線部材１０は、シート２０と、前記シート２０に固定された第１線状伝送部材３０と、前記第１線状伝送部材３０Ａよりも剛性が低く、前記シート２０に固定された第２線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃと、を備える。前記第１線状伝送部材３０Ａと前記第２線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃとの交差部４０ＡＢ、４０ＡＣが前記シート２０上に設けられ、前記交差部４０ＡＢ、４０ＡＣにおいて前記第１線状伝送部材３０Ａが前記第２線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃよりも前記シート２０側に位置する。【選択図】図２

Description

本開示は、配線部材に関する。

特許文献１はシート材と、シート材の主面上において交差部を有するように配設された複数の絶縁電線と、を備える配線部材を開示している。

特開２０１９−２０７８１６号公報

シート上に交差部を有する配線部材において、線状伝送部材がシートからより外れにくいことが望まれている。

そこで、シート上に交差部を有する配線部材において、線状伝送部材がシートからより外れにくくなる技術を提供することを目的とする。

本開示の配線部材は、シートと、前記シートに固定された第１線状伝送部材と、前記第１線状伝送部材よりも剛性が低く、前記シートに固定された第２線状伝送部材と、を備え、前記第１線状伝送部材と前記第２線状伝送部材との交差部が前記シート上に設けられ、前記交差部において前記第１線状伝送部材が前記第２線状伝送部材よりも前記シート側に位置する、配線部材である。

本開示によれば、シート上に交差部を有する配線部材において、線状伝送部材がシートからより外れにくくなる。

図１は実施形態１にかかる配線部材を示す概略平面図である。図２は図１の部分拡大図である。図３は図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿って切断した断面図である。図４は配線部材の変形例を示す断面図である。図５は配線部材の別の変形例を示す断面図である。

［本開示の実施形態の説明］
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。

本開示の配線部材は、次の通りである。

（１）シートと、前記シートに固定された第１線状伝送部材と、前記第１線状伝送部材よりも剛性が低く、前記シートに固定された第２線状伝送部材と、を備え、前記第１線状伝送部材と前記第２線状伝送部材との交差部が前記シート上に設けられ、前記交差部において前記第１線状伝送部材が前記第２線状伝送部材よりも前記シート側に位置する、配線部材である。第２線状伝送部材よりも剛性の高い第１線状伝送部材が交差部において第シート側に位置する。このため、第１線状伝送部材は交差部を含む区間において連続的にシートに固定されたり、小さい固定間隔でシートと固定されたりすることができる。これにより、交差部を含む区間において第１線状伝送部材がシートから外れにくくなる。

（２）（１）の配線部材において、前記第１線状伝送部材は、電源線、グランド線、シールド線及び多心線のいずれかであり、前記第２線状伝送部材は単心の信号線であってもよい。これにより、電源線、グランド線、シールド線及び多心線のいずれかである第１線状伝送部材がシートから外れにくくなる。

（３）（１）又は（２）の配線部材において、前記第２線状伝送部材が複数並行している並行経路部において前記第１線状伝送部材が複数の前記第２線状伝送部材と交差していてもよい。これにより、複数の第２線状伝送部材によって第１線状伝送部材がシートから浮くことを抑えられる。

（４）（１）から（３）のいずれか１つの配線部材において、前記第１線状伝送部材及び前記第２線状伝送部材それぞれの被覆層が前記シートに融着されていてもよい。これにより、第１線状伝送部材及び複数の第２線状伝送部材が簡易にシートに固定される。

［本開示の実施形態の詳細］
本開示の配線部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

［実施形態１］
以下、実施形態１にかかる配線部材について説明する。図１は実施形態１にかかる配線部材１０を示す概略平面図である。図２は図１の部分拡大図である。図３は図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿って切断した断面図である。図２及び図３において仮想線によって示される部分は固定部ＦＰである。

配線部材１０は、シート２０と複数の線状伝送部材３０とを備える。シート２０には複数の線状伝送部材３０が固定されている。シート２０は、全体として扁平な形状に形成されている。複数の線状伝送部材３０がシート２０に固定されることによって、配線部材１０が扁平な形態に保たれる。

シート２０は複数の線状伝送部材３０を固定可能であればよく、材料、構造等は特に限定されるものではない。シート２０を構成する材料に関し、ここでは、シート２０は樹脂材料によって形成されている。シート２０を構成する材料は、金属、無機物等、樹脂以外の材料が用いられてもよい。シート２０の構造に関し、ここでは、シート２０は２層構造を有している。シート２０の構造は、１層構造であってもよいし、３層以上の多層構造であってもよい。

シート２０は第１層２２及び第２層２４を含む。第１層２２は融着層である。融着層には線状伝送部材３０が融着固定される。融着層は樹脂材料、好ましくは熱可塑性樹脂材料を含む。融着層の樹脂材料が軟化して融着相手に融着される。かかる樹脂材料の種類は特に限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）等を採用することができる。

融着層の構造は特に限定されるものではない。例えば融着層は一様充実断面を有するシート（非発泡シート又はソリッドシートなどとも呼ばれる）であってもよい。また例えば、融着層は、発泡シート等であることも考えられる。また例えば、融着層は、編布、織布又は不織布等の繊維材シートであることも考えられる。第１層２２の一方の表面がシート２０の一方主面とされる。

第２層２４は融着層とは異なる材料で形成されたり、異なる構造を有したりする。第２層２４は融着層にある機能を高めたり、融着層にない機能をシート２０に追加したりする。第２層２４を構成する材料は、上記融着層で説明された材料のほか、金属、無機物等などであってもよい。第２層２４の構造は、上記融着層で説明された構造のいずれかであってもよい。第２層２４の一方の表面がシート２０の他方主面とされる。

第１層２２の他方の表面と第２層２４の他方の表面とが接触しつつ、第１層２２と第２層２４とが固定されている。第１層２２と第２層２４との固定態様は特に限定されるものではないが、融着又は接着により固定されているとよい。例えば、第１層２２及び第２層２４の少なくとも一方が、繊維材シート又は発泡シートのように表面に空隙があるシートであると、空隙に樹脂材料又は接着剤が入り込んで固定されることができる。これによりいわゆるアンカー効果が発揮されて、第１層２２及び第２層２４が強固に固定される。

ここでは第１層２２が樹脂製のソリッドシートであり、第２層２４が繊維材シートであるものとして説明される。ここでは第１層２２と第２層２４とが融着されているものとして説明される。つまり、第１層２２の樹脂が流動性を有する状態で第２層２４の繊維の間に入り込んだ後に硬化される。これにより、第１層２２の樹脂が第２層２４における繊維の間に入り込んだ状態が維持され、第１層２２と第２層２４とが強固に固定される。

第１層２２及び第２層２４は同じ大きさ（同じ平面形状）に形成されている。第１層２２及び第２層２４は一方が他方よりも大きく形成されていてもよい。第１層２２及び第２層２４は接触する領域が全体的に固定されている。第１層２２及び第２層２４は接触する領域の一部のみが固定されていてもよい。

シート２０は柔らかい部材であってもよい。例えば、第１層２２が軟質ＰＶＣなど軟質な樹脂を材料とするソリッドシートであり、第２層２４がＰＥＴを材料とする不織布であるなどして、シート２０が柔らかい部材とされる。例えば、シート２０は線状伝送部材３０の曲げに追従可能な可撓性を有してもよい。配線部材１０は厚み方向への曲げ（折目がシート２０の主面に沿うような曲げ）が可能とされてもよい。

複数の線状伝送部材３０は、それぞれ電気又は光等を伝送する線状の部材である。複数の線状伝送部材３０は、車両における部品同士を接続する部材であることが想定される。線状伝送部材３０の端部には、例えばコネクタＣが設けられる。このコネクタＣが相手側部品に設けられたコネクタと接続されることで、線状伝送部材３０が相手側部品に接続される。つまり、本配線部材１０は、車両等において各種部品同士を電気的に（或は光通信可能に）接続する配線部材１０として用いられる。コネクタＣは、シート２０に固定されていてもよい。

複数の線状伝送部材３０の経路は、接続先となる部品の位置等に応じて設定される。複数の線状伝送部材３０がシート２０に固定されることによって、複数の線状伝送部材３０がそれぞれの接続先となる部品の位置等に応じた配線経路に沿った状態に保たれる。複数の線状伝送部材３０の経路は直線経路と曲げ経路との組み合わせによって構成されていてもよい。シート２０も直線経路と曲げ経路との組み合わせによって構成されていてもよい。複数の線状伝送部材３０は、幹線から枝線が分岐する態様で、シート２０に固定されていてもよい。シート２０も幹線が固定される部分から枝線が固定される部分が分岐する形状に形成されていてもよい。ここでは複数の線状伝送部材３０はシート２０上で曲がっている。また複数の線状伝送部材３０はシート２０上で分岐している。

線状伝送部材３０は、伝送線本体３１及び被覆層３２を含む。伝送線本体３１は電気又は光を伝送する伝送路である。例えば、線状伝送部材３０が電線の場合、伝送線本体３１は導体芯線である。導体芯線は１本又は複数本の素線によって構成される。素線は銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を材料として形成される。また線状伝送部材３０が光ファイバの場合、伝送線本体３１はコア及びクラッドである。被覆層３２は伝送線本体３１を覆う層である。被覆層３２を構成する樹脂材料は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、線状伝送部材３０は、芯線と芯線の周囲の被覆層とを有する一般電線であってもよいし、シールド線、ツイスト線、エナメル線、ニクロム線、光ファイバ等であってもよい。

電気を伝送する線状伝送部材３０としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。電気を伝送する線状伝送部材３０の一部等は、信号又は電力を空間に対して送る又は空間から受けるアンテナ、コイル等として用いられてもよい。

また、線状伝送部材３０は、単心線であってもよい。単心線は単一の線状物である。単心線は伝送路が１つの線状伝送部材３０である。線状伝送部材３０は、多心線であってもよい。多心線は複数の線状物の複合物である。単心線は複数の伝送路を有する線状伝送部材３０である。多心線は、例えば、ツイスト線、複数の線状物を集合させてこれをシース３６で覆ったケーブル等であってもよい。

ここでは線状伝送部材３０はシート２０に融着固定されている。この場合、線状伝送部材３０の最外層と融着層とが融着される。線状伝送部材３０において最外層は被覆層３２である。被覆層３２は融着層に融着可能な材料である。被覆層３２を構成する樹脂材料は融着層を構成する樹脂材料と種類が同じである。例えば、融着層を構成する樹脂材料、及び被覆層３２を構成する樹脂材料はＰＶＣ又はポリオレフィンである。もっとも線状伝送部材３０とシート２０との固定態様は融着に限られない。融着以外の固定態様については後述する変形例にて詳しく説明する。

またここではシート２０と線状伝送部材３０との固定部ＦＰは線状伝送部材３０の延びる方向に沿って間隔をあけて複数設けられる。固定部ＦＰの間隔は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。もっとも、シート２０と線状伝送部材３０との固定部ＦＰは線状伝送部材３０の延びる方向に沿って連続的に設けられていてもよい。

ここでは線状伝送部材３０は８本含まれる。８本の線状伝送部材３０は２本の線状伝送部材３０Ａと、２本の線状伝送部材３０Ｂと、４本の線状伝送部材３０Ｃとに分けられる。２本の線状伝送部材３０Ａは、第１交差領域Ａ１において２本の線状伝送部材３０Ｂとそれぞれ交差している。２本の線状伝送部材３０Ａ及び２本の線状伝送部材３０Ｂは第２交差領域Ａ２において４本の線状伝送部材３０Ｃとそれぞれ交差している。第１交差領域Ａ１及び第２交差領域Ａ２は線状伝送部材３０Ａの延在方向に沿って離れた位置に設けられている。第１交差領域Ａ１及び第２交差領域Ａ２はいずれか一方のみが設けられていてもよい。

本明細書において、シート２０上において２つの線状伝送部材３０が交差する部分は交差部４０とされる。以下では、２つの線状伝送部材３０Ａ、３０Ｂが交差する部分は交差部４０ＡＢとされる。２つの線状伝送部材３０Ａ、３０Ｃが交差する部分は交差部４０ＡＣとされる。２つの線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃが交差する部分は交差部４０ＢＣとされる。

複数の線状伝送部材３０には、剛性の異なる２種以上の線状伝送部材が存在する。剛性が異なる２つの線状伝送部材の組み合わせにおいて、剛性の高い方の線状伝送部材が第１線状伝送部材とされ、剛性の低い方の線状伝送部材が第２線状伝送部材とされる。２つの線状伝送部材３０の剛性の高低は、例えば、所定の長さの試験片が所定の姿勢で支持された状態で、所定の位置に所定の荷重をかけたときの曲げの量によって求められてもよい。

線状伝送部材３０の剛性は、線状伝送部材３０の層構造、伝送線本体３１の材料及び構造、被覆層３２の材料及び構造等の複数の条件が複合的に組み合わさって決まる。

例えば、単心の一般電線と単心のシールド線との２つの線状伝送部材３０において、層構造以外の条件が同じであるとする。この場合、通常、単心のシールド線の剛性が単心の一般電線の剛性よりも高くなりやすい。なお、単心の一般電線は、例えば、１つの導体芯線と１つの被覆層とからなる電線である。単心のシールド線は、例えば、単心の一般電線にシールド層及び第２の被覆層がさらに設けられた電線である。

また例えば、単心の一般電線と多心線との２つの線状伝送部材３０において、心数以外の条件が同じであるとする。つまり、多心線は、複数の単心の一般電線の複合物である。この場合、通常、多心線の剛性が単心の一般電線の剛性よりも高くなりやすい。

また例えば、異なる導体断面積を有する２つの線状伝送部材３０において、導体断面積以外の条件が同じであるとする。この場合、通常、導体断面積の大きい方の線状伝送部材３０の剛性が、導体断面積が小さい方の線状伝送部材３０の剛性よりも高くなりやすい。ここで電源線、グランド線、信号線が単心の一般電線によって構成されている場合、通常、電源線、グランド線の導体断面積の方が、信号線の導体断面積よりも大きくなりやすい。このため、電源線、グランド線の剛性の方が、信号線の剛性よりも高くなりやすい。電源線、グランド線は、アクチュエータなどに電力を供給するための回路に用いられることがあり、そのような回路では大電流が流れてもよいように、導体断面積を大きくする必要があるからである。

また例えば、伝送線本体３１の材料が銅である銅電線と、アルミニウムであるアルミニウム電線との２つの線状伝送部材３０において、伝送線本体３１の材料以外の条件が同じであるとする。この場合、通常、アルミニウム電線の剛性が銅電線の剛性よりも高くなりやすい。

また例えば、同程度の導体断面積を有し、伝送線本体３１の素線の本数が異なる２つの線状伝送部材３０において、伝送線本体３１の素線の本数以外の条件が同じであるとする。この場合、通常、素線の本数が少ない方の線状伝送部材３０の剛性が、素線の本数が多い方の線状伝送部材３０の剛性よりも高くなりやすい。

１つの交差部４０を構成する２つの線状伝送部材３０のうちシート２０側に位置する一方の線状伝送部材３０は下側線状伝送部材と称され、他方の線状伝送部材３０は上側線状伝送部材と称されることがある。交差部４０を構成する下側線状伝送部材及び上側線状伝送部材の剛性に着目すると、交差部４０は、第１交差部、第２交差部及び第３交差部の３つに分けられる。第１交差部は、下側線状伝送部材の剛性が上側線状伝送部材の剛性よりも高い交差部である。第２交差部は、上側線状伝送部材の剛性が下側線状伝送部材の剛性よりも高い交差部である。第３交差部は、下側線状伝送部材の剛性と上側線状伝送部材の剛性とが同じである交差部である。

図２に示す例では、第１交差領域Ａ１における４つの交差部４０はすべて交差部４０ＡＢである。第１交差領域Ａ１において線状伝送部材３０Ａ、Ｂは並び順を変えるために交差している。第１交差領域Ａ１に対して両側において、線状伝送部材３０Ａ、Ｂは並行している。

線状伝送部材３０Ａは、線状伝送部材３０Ｂよりも剛性が高い。従って、線状伝送部材３０Ａ、３０Ｂの組み合わせにおいて線状伝送部材３０Ａは第１線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｂは第２線状伝送部材である。そして、交差部４０ＡＢにおいて、線状伝送部材３０Ａがシート２０側に位置する下側線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｂが上側線状伝送部材である。従って、交差部４０ＡＢはすべて第１交差部である。

なお線状伝送部材３０Ａは交差部４０ＡＢを含む区間において直線状に延びる。線状伝送部材３０Ｂは交差部４０ＡＢを含む区間において曲がって延びる。並行経路部の間の交差部４０ＡＢを含む区間において線状伝送部材３０Ａの経路の方が線状伝送部材３０Ｂの経路よりも短い。このように、２つの線状伝送部材３０が並び順を変える交差部４０を含む区間において、第１線状伝送部材の経路よりも第２線状伝送部材の経路が長くなるように配置されるとよい。

図２に示す例では、第２交差領域Ａ２における１６つの交差部４０のうち８つの交差部４０は交差部４０ＡＣであり、８つの交差部４０は交差部４０ＢＣである。第２交差領域Ａ２において線状伝送部材３０Ａ、３０Ｂ、３０Ｃは分岐するために交差している。第２交差領域Ａ２に対して一方側において、線状伝送部材３０Ａ、３０Ｂ、３０Ｃは並行している。第２交差領域Ａ２に対して他方側において、線状伝送部材３０Ａ、３０Ｂと線状伝送部材３０Ｃとは異なる方向に延びている。なお、第２交差領域Ａ２に対して一方側においても、線状伝送部材３０Ａ、３０Ｂと線状伝送部材３０Ｃとは異なる方向に延びていてもよい。

線状伝送部材３０Ａは、線状伝送部材３０Ｃよりも剛性が高い。従って、線状伝送部材３０Ａ、３０Ｃの組み合わせにおいて線状伝送部材３０Ａは第１線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｃは第２線状伝送部材である。交差部４０ＡＣにおいて、線状伝送部材３０Ａがシート２０側に位置する下側線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｃが上側線状伝送部材である。従って、交差部４０ＡＣはすべて第１交差部である。

線状伝送部材３０Ｂの剛性と、線状伝送部材３０Ｃの剛性とは同じである。このため線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃの組み合わせにおいて第１線状伝送部材及び第２線状伝送部材は存在しない。また、交差部４０ＢＣはすべて第３交差部である。なお、交差部４０ＢＣにおいて、線状伝送部材３０Ｂがシート２０側に位置する下側線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｃが上側線状伝送部材である。

図２示す例では、１つの線状伝送部材３０Ａに設定された複数の交差部４０ＡＢ、４０ＡＣすべてが第１交差部である。１つの線状伝送部材３０Ｂに設定された複数の交差部４０ＡＢ、４０ＢＣのうち一部の交差部４０ＡＢが第１交差部であり、他の一部の交差部４０ＢＣが第３交差部である。同様に１つの線状伝送部材３０Ｃに設定された複数の交差部４０ＡＣ、４０ＢＣのうち一部の交差部４０ＡＣが第１交差部であり、他の一部の交差部４０ＢＣが第３交差部である。このように、１つの線状伝送部材３０における複数の交差部は第１交差部、第２交差部及び第３交差部のうち複数を含んでいてもよい。

第１交差部を構成する線状伝送部材３０が同じ交差領域における別の交差部４０において第２交差部又は第３交差部を構成する場合、第１交差部において上側線状伝送部材となる線状伝送部材３０は、第２交差部又は第３交差部においても上側線状伝送部材であるとよい。例えば、交差部４０ＡＣにおいて第１交差部を構成する線状伝送部材３０Ｃは同じ交差領域における別の交差部４０ＢＣにおいて第３交差部を構成している。線状伝送部材３０Ｃは交差部４０ＡＣ、ＢＣのいずれの交差部４０においても上側線状伝送部材である。同様に、第１交差部を構成する線状伝送部材３０が同じ交差領域における別の交差部４０において第２交差部又は第３交差部を構成する場合、第１交差部において下側線状伝送部材となる線状伝送部材３０は、第２交差部又は第３交差部においても下側線状伝送部材であるとよい。

第１線状伝送部材は電源線、グランド線、シールド線及び多心線のいずれかであり、第２線状伝送部材は単心の信号線であってもよい。ここでは２つの線状伝送部材３０Ａの一方が電源線であり、他方がグランド線である。電源線及びグランド線は機器に電力を供給する線である。電源線はプラス側の電線である。グランド線はマイナス側の電線である。ボディアース等が採用されることによって、グランド線は省略されることもあり得る。残りの線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃはすべて単心の信号線である。

図２に示すように、第２線状伝送部材が複数設けられている。複数の第２線状伝送部材は並行経路部において並行している。並行経路部において第１線状伝送部材が複数の第２線状伝送部材と交差している。複数の第２線状伝送部材が第１線状伝送部材を押さえている。具体的には、第２交差領域Ａ２において４本の線状伝送部材３０Ｃが並行している。そして、２本の線状伝送部材３０Ａそれぞれが４本の線状伝送部材３０Ｃと交差している。２本の線状伝送部材３０Ａそれぞれが４本の線状伝送部材３０Ｃによって押さえられている。

＜実施形態１の効果等＞
以上のように構成された配線部材１０によると、交差部４０ＡＢ、４０ＡＣにおいて線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃよりも剛性の高い線状伝送部材３０Ａがシート２０側に位置する。このため、線状伝送部材３０Ａは交差部４０ＡＢ、４０ＡＣを含む区間において連続的にシート２０に固定されたり、小さい固定間隔でシート２０と固定されたりすることができる。これにより、交差部４０ＡＢ、４０ＡＣを含む区間において線状伝送部材３０Ａがシート２０からより外れにくくなる。ここでは電源線、グランド線である線状伝送部材３０Ａがシート２０からより外れにくくなる。

剛性が高い線状伝送部材３０Ａは、剛性の低い線状伝送部材３０Ｂ、３０Ｃと比べて、シート２０が曲げられたときなどに、シート２０の曲げに追従しにくいため、シート２０から外れやすくなる。交差部４０をなす２つの線状伝送部材３０のうち上側線状伝送部材には、交差部４０を含む区間においてシート２０から浮いてしまいシート２０に固定できない部分が生じる。これに対して下側線状伝送部材は、交差部４０を含む区間においてシート２０に接触でき、固定できる。このため、剛性の高い線状伝送部材３０Ａが下側線状伝送部材となることによって、交差部４０ＡＢ、ＡＣを含む区間においてシート２０に接触でき、固定できることによって、シート２０から外れにくくなる。

また、並行経路部において線状伝送部材３０Ａが複数の線状伝送部材３０Ｃと交差しているため、複数の線状伝送部材３０Ｃによって線状伝送部材３０Ａがシート２０から浮くことを抑えられる。

また、線状伝送部材３０それぞれの被覆層３２がシート２０に融着されているため、線状伝送部材３０が簡易にシート２０に固定される。

［変形例］
図４は配線部材１０の変形例を示す断面図である。図４に示す配線部材１１０において線状伝送部材１３０Ａはシールド線である。線状伝送部材１３０Ａは伝送線本体３１と第１の被覆層３２ａとシールド層３３と第２の被覆層３２ｂとを備える。伝送線本体３１と第１の被覆層３２ａとシールド層３３と第２の被覆層３２ｂとは内側から外側に向けてこの順で積層している。伝送線本体３１及び第１の被覆層３２ａは配線部材１０における伝送線本体３１及び被覆層３２と同様の構成を採用できる。シールド層３３は、特に限定されるものではない。例えば、シールド層３３は導体箔であってもよい。導体箔は螺旋巻きされていてもよいし、縦添えされていてもよい。また例えばシールド層３３は、編組線であってもよい。編組線は筒状に形成されていてもよい。線状伝送部材１３０Ａにおいて第２の被覆層３２ｂが最外層とされる。第２の被覆層３２ｂが融着層と融着される場合、第２の被覆層３２ｂは融着層と融着可能な材料であると良い。

線状伝送部材１３０Ａは、線状伝送部材３０Ｃよりも剛性が高い。従って、線状伝送部材１３０Ａ、３０Ｃの組み合わせにおいて線状伝送部材１３０Ａは第１線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｃは第２線状伝送部材である。線状伝送部材１３０Ａと線状伝送部材３０Ｃとの交差部１４０ＡＣにおいて、線状伝送部材１３０Ａが下側線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｃが上側線状伝送部材である。従って、交差部１４０ＡＣは第１交差部である。この場合でも、シールド線である線状伝送部材１３０Ａがシート２０から外れにくくなる。

図５は配線部材１０の別の変形例を示す断面図である。図５に示す配線部材２１０において線状伝送部材２３０Ａは多心線である。図５に示す線状伝送部材２３０Ａは伝送路を２つ有する。線状伝送部材は３つ以上の伝送路を有する多心線であってもよい。線状伝送部材２３０Ａは２本の被覆電線３５を含む。２本の被覆電線３５はシース３６によって覆われている。従って、線状伝送部材２３０Ａはシース３６付きの多心線である。

線状伝送部材２３０Ａは、線状伝送部材３０Ｃよりも剛性が高い。従って、線状伝送部材２３０Ａ、３０Ｃの組み合わせにおいて線状伝送部材２３０Ａは第１線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｃは第２線状伝送部材である。線状伝送部材２３０Ａと線状伝送部材３０Ｃとの交差部２４０ＡＣにおいて、線状伝送部材２３０Ａが下側線状伝送部材であり、線状伝送部材３０Ｃが上側線状伝送部材である。従って、交差部２４０ＡＣは第１交差部である。この場合でも、多心線である線状伝送部材２３０Ａがシート２０から外れにくくなる。

これまでシート２０上の線状伝送部材３０が第１線状伝送部材又は第２線状伝送部材であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、シート２０上において他の線状伝送部材３０と交差しない第３線状伝送部材が設けられていてもよい。第３線状伝送部材はシート２０上において第１線状伝送部材又は第２線状伝送部材と同じ経路で延びていてもよい。第３線状伝送部材はシート２０上において第１線状伝送部材及び第２線状伝送部材とは異なる経路で延びていてもよい。

またこれまで、配線部材１０、１１０、２１０としては第２交差部を含まない例が説明されたが、このことは必須の構成ではない。配線部材は第２交差部を含んでいてもよい。シート２０上に交差部４０が複数ある場合、少なくとも１つの交差部４０が第１交差部であればよい。

また実施形態１に示す例では、１つの線状伝送部材３０が複数の箇所においてそれぞれ別の線状伝送部材３０と交差している。つまり、１つの線状伝送部材３０に複数の交差部４０が設定されている。もっとも、１つの線状伝送部材に１つの交差部のみが設定されていてもよい。

また実施形態１に示す例では、並行経路部において線状伝送部材３０Ａが複数の線状伝送部材３０Ｃと交差するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。線状伝送部材３０Ａが１本の線状伝送部材３０と交差していてもよい。

また実施形態１に示す例は、剛性の異なる２種類の線状伝送部材３０が設けられるもであったが、１つの配線部材１０に剛性の異なる３種以上の線状伝送部材３０が設けられる場合もあり得る。例えば、剛性の高い方から順に、高剛性の線状伝送部材、中剛性の線状伝送部材、低剛性の線状伝送部材の３種の線状伝送部材が設けられる場合について考える。この場合、高剛性の線状伝送部材と中剛性の線状伝送部材との組み合わせにおいて、高剛性の線状伝送部材が第１線状伝送部材であり、中剛性の線状伝送部材が第２線状伝送部材である。また高剛性の線状伝送部材と底剛性の線状伝送部材との組み合わせにおいて、高剛性の線状伝送部材が第１線状伝送部材であり、底剛性の線状伝送部材が第２線状伝送部材である。また中剛性の線状伝送部材と底剛性の線状伝送部材との組み合わせにおいて、中剛性の線状伝送部材が第１線状伝送部材であり、底剛性の線状伝送部材が第２線状伝送部材である。このように、中剛性の線状伝送部材は組み合わさる相手によって、第１線状伝送部材ともなり得るし、第２線状伝送部材ともなり得る。このため、中剛性の線状伝送部材における複数の交差部は第１交差部及び第２交差部を含みうる。

１つの配線部材に剛性の異なる３種以上の線状伝送部材が設けられる場合、交差部をなしている線状伝送部材の中で最も高剛性の線状伝送部材は当該線状伝送部材のなす複数の交差部すべてにおいて下側電線部とされてもよい。交差部をなしている線状伝送部材の中で最も底剛性の線状伝送部材は、当該線状伝送部材のなす複数の交差部すべてにおいて上側電線部とされてもよい。

上述したように、シート２０と線状伝送部材３０との固定態様は融着固定であってもよいし、融着固定以外の固定態様であってもよい。シート２０と線状伝送部材３０との固定態様としては、接触部位固定であってもよいし、非接触部位固定であってもよいし、両者が併用されていてもよい。ここで接触部位固定とは、シート２０と線状伝送部材３０とが接触する部分がくっついて固定されているものである。また、非接触部位固定とは、接触部位固定でない固定態様であり、例えば、縫糸、カバー、粘着テープなどが、線状伝送部材３０をシート２０に向けて押え込んだり、シート２０と線状伝送部材３０とを挟み込んだりして、その状態に維持するものである。

係る接触部位固定の態様として、接触部位間接固定であってもよいし、接触部位直接固定であってもよいし、異なる領域で両者が併用されていてもよい。ここで接触部位間接固定とは、シート２０と線状伝送部材３０とが、その間に設けられた接着剤、粘着剤、両面粘着テープなどを介して間接的にくっついて固定されているものである。また接触部位直接固定とは、シート２０と線状伝送部材３０とが別に設けられた接着剤等を介さずに直接くっついて固定されているものである。接触部位直接固定では、例えばシート２０と線状伝送部材３０とのうち少なくとも一方に含まれる樹脂が溶かされることによってくっついて固定されることが考えられる。

係る接触部位直接固定の状態が形成されるに当たり、樹脂は、例えば、熱によって溶かされることも考えられるし、溶剤によって溶かされることも考えられる。つまり、接触部位直接固定の状態としては、熱による接触部位直接固定の状態であってもよいし、溶剤による接触部位直接固定の状態であってもよい。好ましくは、熱による接触部位直接固定の状態であるとよい。

このとき接触部位直接固定の状態を形成する手段は特に限定されるものではなく、融着等の公知の手段を用いることができる。例えば、融着によって熱による接触部位直接固定の状態を形成する場合、超音波融着、加熱加圧融着、熱風融着、高周波融着など種々の融着手段を採用することができる。またこれらの手段によって接触部位直接固定の状態が形成されると、シート２０と線状伝送部材３０とは、その手段による接触部位直接固定の状態とされる。具体的には、例えば、超音波融着によって接触部位直接固定の状態が形成されると、シート２０と線状伝送部材３０とは、超音波融着による接触部位直接固定の状態とされる。従って、上記融着固定は、接触部位直接固定の一態様である。

なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。

１０、１１０、２１０配線部材
２０シート
２２第１層
２４第２層
３０線状伝送部材
３０Ａ、１３０Ａ、２３０Ａ線状伝送部材（第１線状伝送部材）
３０Ｂ、３０Ｃ線状伝送部材（第２線状伝送部材）
３１伝送線本体
３２、３２ａ、３２ｂ被覆層
３３シールド層
３５被覆電線
３６シース
４０、４０ＡＢ、４０ＡＣ、４０ＢＣ交差部
Ａ１第１交差領域
Ａ２第２交差領域
Ｃコネクタ
ＦＰ固定部

Claims

シートと、
前記シートに固定された第１線状伝送部材と、
前記第１線状伝送部材よりも剛性が低く、前記シートに固定された第２線状伝送部材と、
を備え、
前記第１線状伝送部材と前記第２線状伝送部材との交差部が前記シート上に設けられ、
前記交差部において前記第１線状伝送部材が前記第２線状伝送部材よりも前記シート側に位置する、配線部材。
請求項１に記載の配線部材であって、
前記第１線状伝送部材は、電源線、グランド線、シールド線及び多心線のいずれかであり、前記第２線状伝送部材は単心の信号線である、配線部材。
請求項１又は請求項２に記載の配線部材であって、
前記第２線状伝送部材が複数並行している並行経路部において前記第１線状伝送部材が複数の前記第２線状伝送部材と交差している、配線部材。
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の配線部材であって、
前記第１線状伝送部材及び前記第２線状伝送部材それぞれの被覆層が前記シートに融着されている、配線部材。