JP2021147476A - 樹脂組成物および該樹脂組成物からなる樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶ポリエステル樹脂と比べて遜色ない溶融成形加工性と耐熱性を兼ね備えたうえで、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物の提供。【解決手段】本発明による樹脂組成物は、ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)、ジオール化合物に由来する構成単位(II)、およびジカルボン酸に由来する構成単位(III)を含む液晶ポリエステル樹脂(A)と、フッ素樹脂(B)と、無機中空充填剤(C)とを含んでなり、測定周波数10GHzにおける空洞共振器摂動法で測定した誘電正接が、2.×10−3以下であり、かつ比誘電率が3.50以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物に関する。さらに、本発明は該樹脂組成物からなる樹脂成形品、および該樹脂成形品を備える電気電子部品に関する。
近年、通信分野における情報通信量の増加に伴い、電子機器や通信機器等において高周波数帯の周波数を有する信号の使用が増加しており、特に、周波数が10Hz以上であるギガヘルツ(GHz)帯の周波数を有する信号の使用が盛んに行われている。しかしながら、使用される信号の周波数が高くなるに伴い、情報の誤認識を招きうる出力信号の品質低下、すなわち、伝送損失が大きくなる。この伝送損失は、導体に起因する導体損失と、電子機器や通信機器における基板等の電気電子部品を構成する絶縁用の樹脂組成物に起因する誘電損失とからなるが、導体損失は使用する周波数の0.5乗、誘電損失は周波数の1乗に比例するため、高周波数帯、とりわけGHz帯においては、この誘電損失による影響が非常に大きくなる。また、誘電損失は、樹脂組成物の誘電正接や誘電率にも比例して増大するため、情報の劣化を防ぐため低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物が求められている。
ところで、液晶ポリエステル樹脂は成形性や耐熱性に優れているため、液晶ポリエステル樹脂を使用して製造した樹脂成形品(例えば、射出成形品)は、各種電子部品に用いられている。近年、パーソナル・コンピューターやスマートフォンなどの小型化から電子部品の高集積化、薄肉化、低背化が進んでおり、非常に薄い肉厚部を有する成形品の需要が高まっている。また、液晶ポリエステル樹脂は低粘度および高耐熱性を兼ね備えた熱可塑性樹脂であり、ポリイミド等の基板向けの絶縁材料に比べると一桁小さい誘電正接を有することから注目を集めている。こうした社会的な要請に応えるべく本出願人は誘電正接の低い液晶ポリエステル樹脂を提案している(特許文献1参照)。
また、液晶ポリエステル樹脂の誘電正接をさらに小さくするために、誘電率が1の空気層を有する中空ガラスバルーンフィラーを液晶ポリエステル樹脂に混練することが提案されている(特許文献2参照)。空気は誘電率1と極めて低い誘電率をもつため、樹脂にブレンドすることで誘電率を低下させることができる。しかし、ガラスバルーンフィラーは、誘電率を下げるとは言っても、誘電正接を上昇(悪化)させてしまうという問題があり、効率的に電気特性の改良ができない。
特許第6434195号公報 特開2004−27021号公報
したがって、本発明の目的は、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物を提供することである。また、このような樹脂組成物からなる樹脂成形品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の液晶ポリエステル樹脂(A)と、フッ素樹脂(B)と、無機中空充填剤(C)とを混合した樹脂組成物であって、誘電正接および比誘電率を特定の数値範囲内に調節することで、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)、ジオール化合物に由来する構成単位(II)、およびジカルボン酸に由来する構成単位(III)を含む液晶ポリエステル樹脂(A)と、
フッ素樹脂(B)と、
無機中空充填剤(C)と
を含んでなり、
測定周波数10GHzにおける空洞共振器摂動法で測定した誘電正接が、2×10−3以下であり、かつ比誘電率が3.50以下である、樹脂組成物が提供される。
本発明の態様においては、前記液晶ポリエステル樹脂(A)の融点が280℃以上であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記液晶ポリエステル樹脂(A)は、10GHz空洞共振器摂動法で測定した誘電正接が1.00×10−3以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記樹脂(B)が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を含むことが好ましい。
本発明の態様においては、前記液晶ポリエステル樹脂(A)、前記フッ素樹脂(B)、および前記無機中空充填剤(C)の合計100質量部に対して、前記液晶ポリエステル樹脂(A)の配合量が30質量部以上98質量部以下であり、前記フッ素樹脂(B)の配合量が1質量部以上50質量部以下であり、前記無機中空充填剤(C)の配合量が、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)が、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する構成単位であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記液晶ポリエステル樹脂(A)全体の構成単位に対する前記構成単位(I)の組成比が、30モル%以上80モル%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記ジオール化合物に由来する構成単位(II)が、4,4−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、および4,4’−イソプロピリデンジフェノールからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記ジカルボン酸に由来する構成単位(III)が、テレフタル酸、イソフタル酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位であることが好ましい。
本発明の別の態様によれば、上記樹脂組成物からなる、樹脂成形品が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記樹脂成形品を備える電気電子部品が提供される。
本発明によれば、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物を得ることができる。また、このような樹脂組成物を用いることで、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂成形品を得ることができる。
また、電子部品の薄肉化により、リフロー工程時にソリが生じやすくなり、不良が発生することが問題となっているが、本発明に係る樹脂成形品は、リフロー工程など高温で加熱された場合のソリの発生も抑制することができる。
実施例で製造したソリ量測定用の成形品の上面図および側面図である。
発明を実施するための態様
[樹脂組成物]
本発明による樹脂組成物は、下記の液晶ポリエステル樹脂(A)と、フッ素樹脂(B)と、無機中空充填剤(C)とを含むものであり、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有するものである。このような樹脂組成物を用いることで、耐熱性に優れ、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂成形品を得ることができる。
樹脂組成物の10GHzにおける空洞共振器摂動法で測定した誘電正接は、2.0×10−3以下であり、好ましくは1.9×10−3以下であり、より好ましくは1.8×10−3以下である。
樹脂組成物の10GHzの空洞共振器摂動法で測定した比誘電率は、3.50以下であり、好ましくは3.40以下である。
当該値は、樹脂組成物の射出成形品の流動方向の測定値である。なお、当該射出成形品は、60mm×60mm×0.8mm(厚み)の平板から60mm×3mm幅に切削した試験片である。
なお、本明細書において、樹脂組成物の10GHzにおける誘電正接は、アンリツ社のネットワークアナライザーとエーイーティー社の共振器を用いて、空洞共振器摂動法により測定することができる。また、特別に指定がない場合、誘電正接の値は、23℃、大気雰囲気下での測定値である。
以下、樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
(液晶ポリエステル樹脂(A))
本発明の樹脂組成物に用いる液晶ポリエステル樹脂は、ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)、ジオール化合物に由来する構成単位(II)、およびジカルボン酸に由来する構成単位(III)を含むものである。以下、液晶ポリエステル樹脂に含まれる各構成単位について説明する。
(ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I))
液晶ポリエステル樹脂(A)を構成する単位(I)は、ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位であり、下記式(I)で表される芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位であることが好ましい。なお、構成単位(I)は、1種のみが含まれてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
Figure 2021147476
上記式中Arは、所望により置換基を有するフェニル基、ビフェニル基、4,4’−イソプロピリデンジフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基からなる群より選択される。これらの中でもフェニル基、ビフェニル基、およびナフチル基が好ましく、ナフチル基がより好ましい。置換基としては、水素、アルキル基、アルコキシ基、ならびにフッ素等が挙げられる。アルキル基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。また、直鎖状のアルキル基であっても、分岐鎖状のアルキル基であってもよい。アルコキシ基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
上記式(I)で表される構成単位を与えるモノマーとしては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(HNA、下記式(1))、p−ヒドロキシ安息香酸(HBA、下記式(2))、およびこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物等が挙げられる。
Figure 2021147476
Figure 2021147476
ポリエステル樹脂全体の構成単位に対する構成単位(I)の組成比(モル%)は、下限値としては好ましくは30モル%以上であり、より好ましくは35モル%以上であり、さらに好ましくは40モル%以上であり、さらにより好ましくは45モル%以上であり、上限値としては、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは75モル%以下であり、さらに好ましくは70モル%以下であり、さらにより好ましくは65モル%以下である。構成単位(I)が2種以上含まれる場合、それらの合計モル比が上記組成比の範囲内であればよい。なお、構成単位(I)として、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する構成単位の組成比は、p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構成単位の組成比よりも多いことが好ましい。また、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する構成単位の組成比は、構成単位(I)が2種以上含まれる場合、構成単位(I)の合計の50モル%超であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。
(ジオール化合物に由来する構成単位(II))
液晶ポリエステル樹脂(A)を構成する単位(II)は、ジオール化合物に由来する構成単位であり、下記式(II)で表される芳香族ジオール化合物に由来する構成単位であることが好ましい。なお、構成単位(II)は、1種のみが含まれてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
Figure 2021147476
上記式中Arは、所望により置換基を有するフェニル基、ビフェニル基、4,4’−イソプロピリデンジフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基からなる群より選択される。これらの中でもフェニル基およびビフェニル基がより好ましい。置換基としては、水素、アルキル基、アルコキシ基、ならびにフッ素等が挙げられる。アルキル基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。また、直鎖状のアルキル基であっても、分岐鎖状のアルキル基であってもよい。アルコキシ基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
構成単位(II)を与えるモノマーとしては、例えば、4,4−ジヒドロキシビフェニル(BP、下記式(3))、ハイドロキノン(HQ、下記式(4))、メチルハイドロキノン(MeHQ、下記式(5))、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(BisPA、下記式(6))、およびこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物等が挙げられる。これらの中でも4,4−ジヒドロキシビフェニル(BP)およびこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物を用いることが好ましい。
Figure 2021147476
Figure 2021147476
Figure 2021147476
Figure 2021147476
ポリエステル樹脂全体の構成単位に対する構成単位(II)の組成比(モル%)は、下限値としては好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは12.5モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、さらにより好ましくは17.5モル%以上であり、上限値としては、好ましくは35モル%以下であり、より好ましくは32.5モル%以下であり、さらに好ましくは30モル%以下であり、さらにより好ましくは27.5モル%以下である。構成単位(II)が2種以上含まれる場合、それらの合計モル比が上記組成比の範囲内であればよい。
(芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位(III))
液晶ポリエステル樹脂(A)を構成する単位(III)は、ジカルボン酸に由来する構成単位であり、下記式(III)で表される芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位であることが好ましい。なお、構成単位(III)は、1種のみが含まれてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
Figure 2021147476
上記式中Arは、所望により置換基を有するフェニル基、ビフェニル基、4,4’−イソプロピリデンジフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基からなる群より選択される。これらの中でもフェニル基およびビフェニル基がより好ましい。置換基としては、水素、アルキル基、アルコキシ基ならびにフッ素等が挙げられる。アルキル基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。また、直鎖状のアルキル基であっても、分岐鎖状のアルキル基であってもよい。アルコキシ基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
構成単位(III)を与えるモノマーとしては、テレフタル酸(TPA、下記式(7))、イソフタル酸(IPA、下記式(8))、2,6−ナフタレンジカルボン酸(NADA、下記式(9))、およびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物等が挙げられる。
Figure 2021147476
Figure 2021147476
Figure 2021147476
ポリエステル樹脂(A)全体の構成単位に対する構成単位(III)の組成比(モル%)は、下限値としては好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは12.5モル%以上であり、さらにより好ましくは15モル%以上であり、特に好ましくは17.5モル%以上であり、上限値としては、好ましくは35モル%以下であり、より好ましくは32.5モル%以下であり、さらに好ましくは30モル%以下であり、さらにより好ましくは27.5モル%以下である。構成単位(II)が2種以上含まれる場合、それらの合計モル比が上記組成比の範囲内であればよい。なお、構成単位(II)の組成比と構成単位(III)の組成比は実質的に当量((構成単位(II)≒構成単位(III))となる。
本発明のポリエステル樹脂(A)の特に好ましい配合としては、ポリエステル樹脂(A)全体の構成単位に対して、少なくとも、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の構成単位が45モル%以上75モル%以下の範囲内である。ポリエステル樹脂(A)の格別に好ましい配合としては、
45モル%≦6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する構成単位(I)≦75モル%
12モル%≦芳香族ジオール化合物に由来する構成単位(II)≦27.5モル%
3モル%≦テレフタル酸に由来する構成単位構成単位(III)≦25モル%
2モル%≦2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構成単位(III)≦9モル%
である。
ポリエステル樹脂(A)全体の構成単位に対して、各構成単位が上記範囲内であれば、誘電正接の低いポリエステル樹脂を得ることができる。
液晶ポリエステル樹脂(A)の液晶性は、メトラー製の顕微鏡用ホットステージ(商品名:FP82HT)を備えたオリンパス(株)製の偏光顕微鏡(商品名:BH−2)等を用い、族液晶ポリエステル樹脂(A)を顕微鏡加熱ステージ上にて加熱溶融させた後、光学異方性の有無を観察することにより確認することができる。
液晶ポリエステル樹脂(A)の融点は、下限値として、好ましくは280℃以上であり、より好ましくは290℃以上であり、さらに好ましくは300℃以上であり、さらにより好ましくは305℃以上である。上限値として、好ましくは370℃以下であり、好ましくは360℃以下であり、さらに好ましくは355℃以下であり、さらにより好ましくは350℃以下である。液晶ポリエステル樹脂(A)の融点を上記数値範囲とすることにより、本発明で示す範囲の液晶ポリエステル樹脂(A)を含む樹脂組成物の加工安定性、具体的にはせん断をかけた溶融加工性の安定性、せん断をかけない状態での溶融加工安定性を向上させることができると共に、これを用いて作製した成形品の材料としての耐熱性をはんだ耐熱の観点で良好な範囲に維持させることができる。
液晶ポリエステル樹脂(A)の10GHzにおける空洞共振器摂動法で測定した誘電正接は、1.00×10−3以下であり、好ましくは0.95×10−3以下であり、より好ましくは0.90×10−3以下であり、さらに好ましくは0.85×10−3以下である。
液晶ポリエステル樹脂(A)の10GHzにおける空洞共振器摂動法で測定した比誘電率は、3.7以下であり、好ましくは3.6以下である。
当該値は、液晶ポリエステル樹脂(A)の射出成形品の流動方向の測定値である。なお、当該射出成形品は、60mm×60mm×0.8mm(厚み)の平板状試験片を60mm×3mmに切削した試験片である。
本発明による樹脂組成物においては、液晶ポリエステル樹脂(A)の配合量は、液晶ポリエステル樹脂(A)、フッ素樹脂(B)、および無機中空充填剤(C)の合計100質量部に対して、下限値として、好ましくは30質量部以上であり、より好ましくは40質量部以上であり、さらに好ましくは45質量部以上であり、さらにより好ましくは50質量部以上であり、上限値として、好ましくは98質量部以下であり、より好ましくは90質量部以下であり、さらに好ましくは85質量部以下である。液晶ポリエステル樹脂(A)の配合量が上記数値範囲程度であれば、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物を得ることができる。
(液晶ポリエステル樹脂(A)の製造方法)
液晶ポリエステル樹脂(A)は、所望により構成単位(I)〜(III)を与えるモノマーを、従来公知の方法で重合することにより製造することができる。一実施態様において、本発明に係る全芳香族液晶ポリエステル樹脂は、溶融重合によりプレポリマーを作製し、これをさらに固相重合する2段階重合によっても製造することができる。
溶融重合は、本発明に係るポリエステル化合物が効率よく得られる観点から、所望により上記構成単位(I)〜(III)を与えるモノマーを、所定の配合で合わせて100モル%として、モノマーが有する全水酸基に対し、1.05〜1.15モル当量の無水酢酸を存在させて酢酸還流下において行うことが好ましい。
溶融重合とこれに続く固相重合の二段階により重合反応を行う場合は、溶融重合により得られたプレポリマーを冷却固化後に粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法、例えば、窒素等の不活性雰囲気下、または真空下において200〜350℃の温度範囲で1〜30時間プレポリマー樹脂を熱処理する等の方法が好ましくは選択される。固相重合は、攪拌しながら行ってもよく、また攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。
重合反応において触媒は使用してもよいし、また使用しなくてもよい。使用する触媒としては、ポリエステルの重合用触媒として従来公知のものを使用することができ、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属塩触媒、N−メチルイミダゾール等の窒素含有複素環化合物等、有機化合物触媒等が挙げられる。触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、モノマーの総量100重量部に対して、0.0001〜0.1重量部であることが好ましい。
溶融重合における重合反応装置は特に限定されるものではないが、一般の高粘度流体の反応に用いられる反応装置が好ましく使用される。これらの反応装置の例としては、例えば、錨型、多段型、螺旋帯型、螺旋軸型等、あるいはこれらを変形した各種形状の攪拌翼をもつ攪拌装置を有する攪拌槽型重合反応装置、又は、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー等の、一般に樹脂の混練に使用される混合装置等が挙げられる。
(フッ素樹脂(B))
本発明おいてフッ素樹脂(B)とは、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂をいい、完全フッ素化樹脂 部分フッ素化樹脂 フッ素化物の共重合体のすべてを言う。本発明において、これらのフッ素樹脂は、粉末として使用されることが好ましい。また、粉末状のフッ素樹脂の平均粒径は、好ましくは0.5〜70μmである。なお、平均粒子径は、体積平均粒子径を表し、レーザー回折法により測定することができる。
フッ素樹脂(B)の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体樹脂(ECTFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂(EPE)等が挙げられる。これらの中でもポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)を用いることが好ましい。フッ素樹脂(B)は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を用いてもよい。また、本発明のフッ素樹脂(B)は、液晶ポリエステル樹脂(A)よりも誘電正接が低いものがよい。
本発明による樹脂組成物においては、フッ素樹脂(B)の配合量は、液晶ポリエステル樹脂(A)、フッ素樹脂(B)、および無機中空充填剤(C)の合計100質量部に対して、フッ素樹脂(B)の配合量は、下限値として、好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは3質量部以上であり、さらに好ましくは5質量部以上であり上限値として、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは45質量部以下であり、さらに好ましくは40質量部以下であり、さらにより好ましくは35質量部以下である。フッ素樹脂(B)の配合量が上記数値範囲程度であれば、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物を得ることができる。
(無機中空充填剤(C))
本発明において無機中空充填剤(C)とは、無機成分を主成分とする中空体の充填剤である。ここで中空体とは、充填剤の内部に単一の中空部があるのみならず、複数のバブルが内部に存在するものや軽石のように内部の発泡が外部と通じているものも含む。また、無機中空充填剤(C)の平均粒径は、好ましくは0.5〜100μmであり、より好ましくは1〜80μmであり、さらに好ましくは5〜50μmである。なお、平均粒子径は、体積平均粒子径を表し、レーザー回折法により測定することができる。
無機中空充填剤(C)の具体例としては、例えば、ガラス、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、シラス、フライアッシュ、ホウ酸塩、リン酸塩、セラミックス等の無機材料からなる中空体が挙げられる。これらの無機中空充填剤が樹脂成形品中に分散すると、見かけ上、樹脂成形品は微細な気泡を含有するものとなり、比誘電率が低くなる。これらの無機中空充填剤は、組成物の製造工程や樹脂成形品の製造工程での応力の履歴を受けることによって破損する可能性があるため、強度が高い方が好ましい。
本発明による樹脂組成物においては、無機中空充填剤(C)の配合量は、液晶ポリエステル樹脂(A)、フッ素樹脂(B)、および無機中空充填剤(C)の合計100質量部に対して、下限値として、好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは2質量部以上であり、さらに好ましくは3質量部以上であり、さらにより好ましくは5質量部以上であり、上限値として、好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは20質量部以下であり、さらに好ましくは15質量部以下であり、さらにより好ましくは12質量部以下である。無機中空充填剤(C)の配合量が上記数値範囲程度であれば、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有する樹脂組成物を得ることができる。
(他の添加剤)
本発明による樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤、例えば、着色剤、分散剤、可塑剤、酸化防止剤、硬化剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。
樹脂組成物における添加剤の配合量は、液晶ポリエステル樹脂(A)、フッ素樹脂(B)、および無機中空充填剤(C)の合計100質量部に対して、下限値としては、好ましくは0.01質量部以上であり、より好ましくは0.5質量部以上であり、上限値としては、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは1質量部以下である。
(樹脂成形品)
本発明による樹脂成形品は上記の樹脂組成物からなるものである。本発明による樹脂成形品は、必要な耐熱性を備えながら、低誘電正接および低誘電率を有するものである。
(樹脂成形品の製造方法)
本発明においては、上記の液晶ポリエステル樹脂(A)、フッ素樹脂(B)、無機中空充填剤(C)、および所望により他の添加剤等を含む樹脂組成物を、従来公知の方法で成形して得ることができる。なお、樹脂組成物は、全液晶ポリエステル樹脂(A)およびフッ素樹脂(B)、および無機中空充填剤(C)等をバンバリーミキサー、ニーダー、一軸または二軸押出機等を用いて、溶融混練することにより得ることができる。
上記の成形方法としては、例えば、プレス成形、発泡成形、射出成形、押出成形、打ち抜き成形等が挙げられる。上記のようにして製造される成形品は、用途に応じて、様々な形状に加工することができる。成形品の形状としては、例えば、板状やフィルム状等とすることができる。
(電気電子部品)
本発明による電気電子部品は、上記の樹脂組成物を備えてなる。電気電子部品としては、例えば、ETC、GPS、無線LANおよび携帯電話等の電子機器や通信機器に使用されるアンテナ、高速伝送用コネクタ、CPUソケット、回路基板、フレキシブルプリント基板(FPC)、積層用回路基板、衝突防止用レーダーなどのミリ波および準ミリ波レーダー、RFIDタグ、コンデンサー、インバーター部品、絶縁フィルム、ケーブルの被覆材、リチウムイオン電池等の二次電池の絶縁材、スピーカー振動板等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<液晶ポリエステル樹脂(A)の製造>
(合成例1)
攪拌翼を有する重合容器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(HNA)60モル%、4,4−ジヒドロキシビフェニル(BP)20モル%、テレフタル酸(TPA)15.5モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸(NADA)4.5モル%を加え、触媒として酢酸カリウムおよび酢酸マグネシウムを仕込み、重合容器の減圧−窒素注入を3回行って窒素置換を行った後、無水酢酸(水酸基に対して1.08モル当量)を更に添加し、150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
アセチル化終了後、酢酸留出状態にした重合容器を0.5℃/分で昇温して、槽内の溶融体温度が310℃になったところで重合物を抜き出し、冷却固化した。得られた重合物を粉砕し目開き2.0mmの篩を通過する大きさに粉砕してプレポリマーを得た。
次に、上記で得られたプレポリマーを、ヤマト科学(株)製のオーブンでヒーターにより、温度を室温から7時間かけて300℃まで昇温した後、300℃で温度を1時間保持して固相重合を行った。その後室温で自然放熱し、液晶ポリエステル樹脂A1を得た。メトラー製の顕微鏡用ホットステージ(商品名:FP82HT)を備えたオリンパス(株)製の偏光顕微鏡(商品名:BH−2)を用い、液晶ポリエステル樹脂試料を顕微鏡加熱ステージ上にて加熱溶融させ、光学異方性の有無から液晶性を示すことを確認した。
(合成例2)
モノマー仕込みを、HBA60モル%、BP20モル%、TPA15モル%、およびIPA5モル%に変更し、300℃までの昇温時間を14時間にした以外は合成例1と同様にして、液晶ポリエステル樹脂A2を得た。続いて、上記と同様にして、得られた液晶ポリエステル樹脂A2が液晶性を示すことを確認した。
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1〜A2の構成単位(モノマー組成)を表1に示した。
(融点の測定)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1〜A2の融点を、ISO11357、ASTM D3418の試験方法に準拠して、日立ハイテクサイエンス(株)製の示差走査熱量計(DSC)により測定した。このとき、昇温速度10℃/分で室温から360〜380℃まで昇温してポリマーを完全に融解させた後、速度10℃/分で30℃まで降温し、更に10℃/分の速度で380℃まで昇温するときに得られる吸熱ピークの頂点を融点(Tm)とした。測定結果を表1に示した。
(誘電正接・比誘電率測定(10GHz))
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1〜A2を用いて、それぞれの融点〜融点+30℃条件で加熱溶融し、60mm×60mm×0.8mm(厚み)の金型を用いて射出成形し、平板状試験片を作製した。続いて、作製した平板状試験片を幅3mmに切削し、アンリツ社製のネットワークアナライザーMS46122Bとエーイーティー社製の共振器を用いて空洞共振器摂動法により、周波数10GHzの面内方向の比誘電率と誘電正接を測定した。なお、各種類のサンプルをN=3ずつ測定し、3回の平均値を表1に示した。
Figure 2021147476
<フッ素樹脂(B)の準備>
フッ素樹脂(B)として、以下の樹脂を準備した。
・ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE):(株)喜多村製、商品名KT−400M
<無機中空充填剤(C)の準備>
無機中空充填剤(C)として、以下の中空充填剤を準備した。
・中空ガラス(GB):3M社製、商品名S−60HS、平均粒子径24μm、真比重0.60g/cm
<他の添加剤の準備>
他の添加剤として、以下の添加剤を準備した。
・ミルドファイバー(MGF):セントラルグラスファイバー社製、商品名:EFH150−01
・マイカ:ヤマグチマイカ社製、商品名:AB−25S
<樹脂組成物の製造>
(実施例1)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を85質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を10質量部と、上記の中空ガラスを5質量部と、ドライブレンドし、その後2軸混練機(株式会社池貝製、PCM 30)で液晶ポリエステル樹脂A1のTm2+20〜50℃の温度で混練し、ストランドカットしてペレタイズすることで、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(実施例2)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を75質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を10質量部と、上記の中空ガラスを15質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(実施例3)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を80質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を10質量部と、上記の中空ガラスを5質量部と、上記のミルドファイバーを5質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(実施例4)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を80質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を10質量部と、上記の中空ガラスを5質量部と、上記のマイカを5質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(実施例5)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を75質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を10質量部と、上記の中空ガラスを5質量部と、上記のマイカを5質量部と、上記のミルドファイバーを5質量部とを混練した以外は、実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(実施例6)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を75質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を20質量部と、上記の中空ガラスを5質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(実施例7)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を65質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を30質量部と、上記の中空ガラスを5質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(比較例1)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を65質量部と、上記の中空ガラスを35質量部とを混錬した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(比較例2)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A2を83質量部と、上記の中空ガラスを12質量部と、上記のミルドファイバーを5質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(比較例3)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A2を75質量部と、上記のマイカを15質量部と、上記のミルドファイバーを10質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
(比較例4)
上記で得られた液晶ポリエステル樹脂A1を30質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン樹脂を65質量部と、上記の中空ガラスを5質量部とを混練した以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物を製造した。上記と同様にして液晶性を確認したところ、融解した液晶ポリエステル樹脂部分に液晶性を確認することができた。
上記で得られた樹脂組成物の組成を表2に示した。
Figure 2021147476
<誘電正接・比誘電率測定(10GHz)>
上記の実施例および比較例で得られたペレット状の樹脂組成物を小型の射出成形機を用いて、融点〜融点+30℃条件で加熱溶融し、60mm×60mm×0.8mm(厚み)の金型を用いて射出成形し、平板状試験片を作製した。続いて、作製した平板状試験片を幅3mmに切削し、アンリツ社製のネットワークアナライザーMS46122Bとエーイーティー社製の共振器を用いて、空洞共振器摂動法により、周波数10GHzの流動方向の比誘電率と誘電正接を測定した。なお、各種類のサンプルをN=3ずつ測定し、3回の平均値を表3に示した。
<荷重たわみ温度の測定>
上記の実施例および比較例で得られたペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(住友重機械工業(株)製、SG−25)を用いて、シリンダー最高温度360℃、射出速度100mm/sec、金型温度80℃で射出成形して、ASTM D790に準じた曲げ試験片を作製した。続いて、作製した曲げ試験の試験片を用い、ASTM D648に準拠して、荷重たわみ温度(℃)の測定を行った。測定結果を表3に示した。
<ソリ量の測定>
上記の実施例および比較例で得られたペレット状の樹脂組成物を、射出成形機(Sodick製、商品名:LD10EH2)にて、シリンダー温度を融点+10℃、金型温度100℃とし、射出速度133mm/secで成形し、図1に示す箱型成形品を得た。上記のようにして得られた成形品を260℃に保持したエアーオーブン中に10分間放置し、加熱後の成形品の底面のソリ(ソリ量)をワンショット3Dマクロスコープ((株)キーエンス社製、商品名:VR−3100)を用いて測定した。測定結果を表3にまとめた。なお、形状安定性が良いほどソリ量は小さくなる。
<ガラスバルーンの誘電正接への影響>
比較例1と実施例7を比較すると、液晶ポリエステル樹脂に配合するフッ素樹脂およびガラスバルーンの合計量が同等であっても、ガラスバルーンは誘電正接がポリエステル樹脂よりも高いため、ガラスバルーン単独では誘電正接の大きな上昇が確認された。
Figure 2021147476

Claims (12)

  1. ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)、ジオール化合物に由来する構成単位(II)、およびジカルボン酸に由来する構成単位(III)を含む液晶ポリエステル樹脂(A)と、
    フッ素樹脂(B)と、
    無機中空充填剤(C)と
    を含んでなり、
    測定周波数10GHzにおける空洞共振器摂動法で測定した誘電正接が、2.0×10−3以下であり、かつ比誘電率が3.50以下である、樹脂組成物。
  2. 前記無機中空充填剤(C)が、ガラス中空充填剤を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記液晶ポリエステル樹脂(A)の融点が280℃以上である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記液晶ポリエステル樹脂(A)は、10GHz空洞共振器摂動法で測定した誘電正接が1.0×10−3以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記フッ素樹脂(B)が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記液晶ポリエステル樹脂(A)、前記フッ素樹脂(B)、および前記無機中空充填剤(C)の合計100質量部に対して、前記液晶ポリエステル樹脂(A)の配合量が30質量部以上98質量部以下であり、前記フッ素樹脂(B)の配合量が1質量部以上50質量部以下であり、前記無機中空充填剤(C)の配合量が、1質量部以上30質量部以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)が、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する構成単位を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記液晶ポリエステル樹脂(A)全体の構成単位に対する前記構成単位(I)の組成比が、30モル%以上80モル%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記ジオール化合物に由来する構成単位(II)が、4,4−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、および4,4’−イソプロピリデンジフェノールからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記ジカルボン酸に由来する構成単位(III)が、テレフタル酸、イソフタル酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる、樹脂成形品。
  12. 請求項11に記載の樹脂成形品を備えてなる、電気電子部品。
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