JP2021147345A - AGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体 - Google Patents

AGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】 AGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体を提供する。【解決手段】 スフィンゴシン誘導体とはスフィンゴシン、ジカルボン酸ピリジン及びグルロン酸から構成される両親媒性化合物である。この製造方法はマコンブを海洋性微生物であるスフィンゴモナスにより発酵させ、さらに、精製する工程からなる。得られるスフィンゴシン誘導体は優れたAGEs吸着作用を呈し、細胞機能の改善に適する。皮膚細胞に対する抗AGEs作用による皮膚細胞の増殖性を示す。この誘導体は水溶性及び油溶性の化粧料、食品及び植物活性化剤として応用される。【選択図】 なし

Description

この発明はAGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体に関するものである。
AGEsとはAdvances Glycation End Productsの略であり、終末糖化産物や最終糖化生成物などといわれる。タンパク質と糖質の生体内反応によって作られる複合体であり、身体の様々な老化により発現する物質である。
AGEsは加齢の指標であるともに加齢を誘発する生理的反応物質である。加齢を防ぐために、このAGEsを減少させることは有意義な方策である。そのため、AGEsを減少させる様々な研究が行われている。
AGEsに関する発明として、たとえば、黒ガリンガル抽出物を有効成分として含有する蛋白質糖化反応阻害剤の発明があるものの、具体的な構造体が特定されていないため、産業上の利用に乏しい(例えば、特許文献1参照。)。
また、甘藷茎葉末もしくは甘藷茎葉抽出物のいずれか1種、及び大麦葉末もしくは大麦葉抽出物のいずれか1種を含有することを特徴とする、抗糖化用組成物の発明があるものの、これも構造体の特定には至らず、産業への利用は限定される(例えば、特許文献2参照。)。
特開2017−210452 特許第6260804号
既存の物質によるAGEs吸着作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、安全性が高く、優れたAGEs吸着作用を呈する天然物が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は下記の式(1)で示されるAGEs吸着作用を有するスフィンゴシン誘導体に関するものである。
Figure 2021147345
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のスフィンゴシン誘導体はAGEs吸着作用に優れている。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
AGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体とは、下記の式(1)で示される構造からなるものである。
Figure 2021147345
前記の式(1)のようにAGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体はスフィンゴシンの1分子、カルボン酸を2分子有するピリジンの1分子、3分子のグルロン酸分子から構成されている。これらの分子及びその結合はすべて自然界に存在する天然型であり、また、各分子の間の結合は自然界に認められるエステル結合、ペプチド結合またはエーテル結合で結合されている。
このスフィンゴシン誘導体はスフィンゴシン、カルボン酸、ピリジン及びグルロン酸を原料として化学合成により得ることができる。しかし、この場合、化学的合成では原料の損失が多く、製造コストが高くなるため、産業への利用は限定される。
一方、化学合成された純度の高いスフィンゴシン誘導体は分析の標準品や微量な試供品を得るために用いられる。
このスフィンゴシン誘導体の構造を解析することは有効成分の特定ができる点から好ましい。また、製品や製剤に利用して販売する際の有効成分の含有量の指標として利用できることから好ましい。
このスフィンゴシン誘導体の構造解析として化学合成された高純度(純度98.2%)の標準品を用いて重水素化クロロホルム中の500MHzのH−NMRにより解析した場合、ピークの位置は0.95、1.00、1.65、1.66、1.75、1.77、1.79、1.84、1.96、2.08、2.52、2.56、2.75、2.77、3.30、3.31、3.32、3.42、3.61、3.67、3.69、3.74、3.91、3.93、3.97、4.02、4.06、4.23、4.84、4.86、5.05、5.99、6.02、6.14、6.17、7.55及び7.58ppmに認められる。
また、このスフィンゴシン誘導体の構造解析として重水素化クロロホルム中の500MHzのC−NMRにより解析した場合、ピークの位置は13.2、13.5、14.3、16.4、32.4、32.8、35.7、41.4、41.5、42.0、42.9、44.5、48.6、52.4、63.3、63.5、67.0、67.7、72.2、72.3、75.4、75.5、78.6、78.7、79.1、79.3、80.6、95.5、95.8、101.3、101.6、110.3、111.5、124.6、125.4、131.7、133.1、154.7、155.9、169.9、170.0、174.5及び175.3ppmに認められる。
さらに、このスフィンゴシン誘導体は高速液体クロマトグラフィーなどでも解析され、それぞれの解析データを集約してその構造が同定されることは好ましい。この化学式はC43H62N2O22である。
つまり、炭素43個、水素62個、窒素2個及び酸素22個から構成されている。また、この構成成分であるスフィンゴシン誘導体は天然に存在している化合物である。
もともと、このスフィンゴシンとは動植物や微生物に広く分布する脂溶性の高いスフィンゴ脂質またはスフィンゴリピドの主要構成成分であり、脂肪側鎖、水酸基2個及びアンモニウム基を有している。細胞膜、神経ミエリン鞘、セラミドの成分としても広く存在している。スフィンゴシンが活性化された状態は細胞膜が安定に維持される状態に関係している。
このスフィンゴシン誘導体では1分子のスフィンゴシンの2個の水酸基は1分子のピリジン環に結合した2個のカルボン酸とエステル結合をしている。ピリジン環は弱塩基性を示すことから、電気的にプラス、つまり、陽性の状態にある。一方、スフィンゴシンのアンモニウム基は1分子のグルロン酸とペプチド結合、または、エステル状態の結合をしている。また、グルロン酸は糖質としてのエーテル結合により3分子が結合している。2分子のグルロン酸のカルボン酸はいずれもフリー体であり、弱酸性を示す。
電気的にはマイナス、つまり、陰性の状態にある。ピリジン環が電気的にプラスにあり、グルロン酸が電気的にマイナスにあることは、この誘導体が細胞膜に取り込まれた場合、細胞膜の電位をプラスとマイナスで調整するという働きがあり、神経細胞、心筋細胞、筋肉細胞や皮膚細胞における細胞膜の安定化と活性化に寄与する。さらに、親和性の点からスフィンゴシンは親油性を示し、ピリジン環とグルロン酸は親水性を示す両媒性であり、細胞膜の構造を維持する働きがある。
このスフィンゴシン誘導体は電気的な活性と両媒性の性質の結果として皮膚や腸管からの吸収率が高くなる。特に、経皮吸収においてはスフィンゴシン単体に比して4倍程度の吸収が増加する。
さらに、このスフィンゴシン誘導体はAGEsを吸着する働きがある。このスフィンゴシン誘導体のグルコン酸とスフィンゴシンの間の空間にAGEsを吸着する働きがあるためである。つまり、酸化された糖質とタンパク質の結合部分に対して結合することができる。
このスフィンゴシン誘導体と結合したAGEsはマクロファージ系の食細胞に貪食されて分解される。分解されることによりAGEsは消滅する。このスフィンゴシン誘導体と結合したAGEsは体内のプロテアーゼによっても分解される。たとえば、血液中ではトリプシンにより分解される。トリプシンは血中ではアンチトリプシンと結合体を形成しており、AGEsとの接触によりアンチトリプシンが解放され、トリプシンが活性化されることによりAGEsが分解される。
このスフィンゴシン誘導体は細胞膜の表面の受容体のAGEsに対しても吸着作用を呈する。細胞膜受容体はタンパク質であることからAGEs化することにより受容体としての働きが欠落する。また、このスフィンゴシン誘導体は細胞膜に取り込まれて細胞膜を安定化させる働きがある。また、細胞膜に存在している受容体を活性化する。さらに、細胞膜の流動性を高めて細胞膜の機能を高める。このスフィンゴシン誘導体は細胞内に移動してAGEsを吸着して細胞外に排泄させる。
さらに、スフィンゴシンのカルボン酸部分は弱酸性に荷電していることから、耐酸性が強く、経口摂取された場合に、胃酸に対して抵抗性を示し、吸収率が高まることは、好ましい。このスフィンゴシン誘導体が胃の中で安定化することにより、食事の中に含有されているAGEsを吸着して排泄させる。
また、弱酸性であるため、皮膚に塗布した場合、皮膚に対して刺激性がないことは好ましい。皮膚の表面においてもこのスフィンゴシン誘導体は安定となり、皮膚に付着するAGEsを吸着して排泄させる。また、皮下組織ではこのスフィンゴシン誘導体はAGEsと結合してランゲルハンス細胞などの食細胞によりAGEsを分解させる。
さらに、このスフィンゴシン誘導体は活性酸素、フリーラジカル、紫外線、化学物質、医薬品の副作用、金属、加齢などすべての物質によるAGEsの形成を抑制させ、さらに、AGEsを吸着させる。
また、このスフィンゴシン誘導体は脂溶性と水溶性の両方の性質を呈することから動物の細胞膜及び植物や酵母の細胞壁を通過し、細胞内に吸収されやすい。また、水溶性溶媒と油溶性溶媒の両方に溶解することから幅広い溶媒を利用することができる点は好ましい。
さらに、皮膚の角質細胞膜も通過しやすく、角質層のバリア機能を維持することは皮膚の健康や美容の点から好ましい。また、このスフィンゴシン誘導体は細胞膜を通過し、皮膚細胞内でAGEsを吸着して細胞の再生や機能を促進することから好ましい。
植物に対してはこのスフィンゴシン誘導体が植物の細胞壁と細胞膜を通過して植物細胞内に入り、AGEs吸着を促進し、花の開花や結実、葉の成長を促進して植物の寿命を延長することは好ましい。すなわち、植物活性化剤としての働きがある。
また、このスフィンゴシン誘導体は粉末にした場合水溶性溶媒と反応して水素ガスを発生し、活性酸素を消去する。水素ガスの発生量は1,6ppmの飽和濃度であり、溶解した1分から2時間程度発生する。水素ガスはヒドロキシラジカルを消去する働きがあり、優れた活性酸素消去作用が確認されている。
このスフィンゴシン誘導体はAGEsを吸着させる他に、細胞増殖、セラミド、コラーゲンやエラスチン産生を促進することにより皮膚細胞機能を促進することは好ましい。
神経細胞においても細胞内のAGEsを吸着して排泄させる。神経細胞は認知症、アルツハイマー症などで活性酸素やアミロイドβたんぱく質による遺伝子の障害を受けやすく、遺伝子は修復されにくいという弱点がある。そのため、このスフィンゴシン誘導体によるAGEs吸着は神経の働きを回復させ、かつ、神経疾患の防御と回復の目的で好ましい。
また、ミエリン鞘を保護して神経終末からの神経伝達物質の放出を促進して神経伝達を高めることは好ましい。さらに、発生する水素ガスは低分子で血液脳関門を通過して障害された脳細胞を修復する。
運動神経細胞の神経末端からのアセチルコリンの放出を高めることにより筋肉の収縮を高めて神経と筋肉の活動性を増すことは好ましい。
また、このスフィンゴシン誘導体は皮膚細胞のAGEs吸着作用を呈し、かつ、コラーゲンやエラスチンの遺伝子を防御してこれらの産生を高めることは好ましい。化粧料としての利用が高まることから好ましい。
このスフィンゴシン誘導体は心筋梗塞においては冠状動脈の梗塞や虚血状態でも心筋細胞のAGEs吸着作用により心臓の活動を活性化して強心作用を発揮することは好ましい。また、同時に発生する水素ガスは心筋における虚血再灌流による活性酸素の障害を改善する。
特に、梗塞部位の血管においてはこのスフィンゴシン誘導体は血管新生を促進し、血流の改善し、血圧を低下させる。
また、このスフィンゴシン誘導体はアスリートの運動、一般人の運動時、また、筋肉を増強したい場合、筋肉細胞に対して脂肪の輸送を促進する。これは遺伝子レベルでのエネルギー産生を活性化する経路を介することから好ましい。また、筋肉の活動時にこの誘導体から発生する水素ガスが運動時の活性酸素を消去し、活性酸素による筋肉細胞の遺伝子障害を減少させることから好ましい。
このスフィンゴシン誘導体は生体内では腎臓や肝臓のエステラーゼや酸化酵素により分解され、尿中に排泄される。分解されて構成成分である安全性の高いスフィンゴシン、カルボン酸、ピリジン及びグルロン酸に分解される。したがって、このスフィンゴシン誘導体は体内に蓄積されることはなく、分解も生体内酵素で行われ、分解物も天然物であることから安全性が高い。
さらに、スフィンゴシン部分には植物の生育を促進する植物活性化作用があることからこのスフィンゴシン誘導体にも植物の生育を促進できる点は産業上の利用の点から好ましい。
また、植物が細菌やウイルスに感染した場合、遺伝子が障害を受ける場合がある。このような遺伝子の障害に対してAGEs吸着を活性化することは好ましい。
このスフィンゴシン誘導体は天然にも存在しており、海洋性微生物であるスフィンゴモナスやコンブなどの海藻類にも極微量認められる。
このスフィンゴシン誘導体を精製により上記の植物から抽出することは可能である。ただし、精製には大量の原料を必要とし、有機溶媒などを利用することから産業上への利用は制限される。
このスフィンゴシン誘導体はスフィンゴモナスとコンブを発酵させて製造させることは好ましい。発酵法としてはスフィンゴモナスにより発酵させて得る。用いる菌体は食用に利用できるものであるため、安全性が高い。
このスフィンゴシン誘導体の原料となるコンブには食経験があり、安全であり、スフィンゴシン誘導体の産生量も多いことから好ましい。特に、マコンブをスフィンゴモナスにより発酵させた発酵液を精製することにより得られるスフィンゴシン誘導体は天然物のみを原材料として発酵工程により製造されることから安全性の高いスフィンゴシン誘導体が得られることからより好ましい。また、マコンブをスフィンゴモナスにより発酵させた発酵液を精製する製造工程により製造されるスフィンゴシン誘導体とすることにより、安全性の高い製造方法によってスフィンゴシン誘導体を得ることが可能となる。
得られたスフィンゴシン誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするスフィンゴシン誘導体を精製することは、目的とするスフィンゴシン誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品としては注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤はシェラックまたは砂糖などで被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
食品製剤としてはAGEs吸着作用を呈するため、エナジードリンクや強壮性の食品に利用される。神経活動を促進することから神経細胞の遺伝子の障害を介した神経のリハビリ用食品や学習時の食事などに利用される。また、美容食品にも利用される。保健機能食品として栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、筋肉の遺伝子の障害の回復、老化の抑制と運動能力の向上を目的とした飼料やペット用サプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。この誘導体は水溶性と油溶性の両方の溶媒に溶解することから幅広い化粧料に利用できる。すなわち、水溶液とオイルに溶解することができる。
ここで製造された化粧料は皮膚の障害された遺伝子の修復、セラミド、コラーゲンやエラスチンなどの増加及び皮膚の健康維持の目的で利用される。
また、このスフィンゴシン誘導体は遺伝子が障害された歯肉細胞の機能の維持を目的とした歯磨き剤、洗口液や歯磨きペーストなどに利用できる。
また、植物に対しては遺伝子の障害を回復させることにより、結実と収穫量の増加を目的とした植物活性化剤として利用することができる。
この植物活性化剤は高級で希少な蘭、胡蝶蘭やマツバランなどの花の栽培促進の目的で利用でき、葉や野菜、穀類の栽培を安定化させる。植物工場における野菜や葉の栽培にも利用でき、栽培効率を上げることができる。
次に、マコンブを海洋性微生物であるスフィンゴモナスにより発酵させた後、三菱化学製のダイヤイオンHP20によって精製する工程からなるAGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体の製造方法について説明する。
ここでいうスフィンゴシン誘導体とは前記の式(1)で示されるスフィンゴシンの1分子、カルボン酸を有するピリジン及び3分子のグルロン酸から構成されている。これらの結合はすべて天然型であり、物質の間はエステル結合、ペプチド結合及びエーテル結合を介して結合している。
このスフィンゴシン誘導体のスフィンゴシン、カルボン酸を有するピリジン及びグルロン酸は天然に存在し、食経験も豊富であり、安全性が認められていることから好ましい。
この誘導体は皮膚、神経、骨、筋肉、肝臓や腎臓などに存在するAGEsにも働き、AGEsを吸着して排泄させ、組織及び身体機能を回復させる。
この製造方法とはマコンブを海洋性微生物であるスフィンゴモナスにより発酵する工程からなる。マコンブの代わりとして、グルロン酸を含む植物や藻類などを用いることもできる。
原料となる物質はマコンブ及びスフィンゴモナスである。
ここでいうコンブとは学名Saccharina Japonicaでコンブ目コンブ科コンブ属の海洋性昆布である。日本、アジア諸国で養殖されている。食経験も豊富であり、安全性が確認されている。
使用するのはマコンブの食用部分である。
マコンブは日本、アメリカ、アジア、その他の国で採取されたいずれのものでも良いが、品質が高く、価格の点から、日本産は品質が良いことから好ましい。
マコンブは乾燥され、粉末化されることが好ましく、発酵の前にオートクレーブ滅菌されることは発酵をスムーズに行うることから好ましい。
3マイクロメーター以下の粒子サイズの粉末が発酵の工程を実施しやすくすることから好ましい。
発酵に用いる菌は海洋性微生物であるスフィンゴモナスである。スフィンゴモナスはグラム陰性の非芽胞形成好気性桿菌であり、スフィンゴモナス科スフィンゴモナス属に属している。代表的な菌はスフィンゴモナス パウシモビリスであるが、スフィンゴモナス属の微生物であれば、いずれでも良い。
スフィンゴモナスは細胞壁を有せず、細胞のようにスフィンゴ脂質を細胞膜に有している点が特徴的である。海洋性微生物であり、日本近海に存在している。特に、九州産のスフィンゴモナスは衛生的に、かつ、発酵の効率からも優れている。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量はマコンブの乾燥粉末1重量に対し、スフィンゴモナスは0.001〜0.03重量が好ましい。納豆菌は発酵される前に、前培養することは、発酵の初発時間を短縮し、発酵時間が短縮されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は38〜40℃に加温され、2日間から14日間発酵される。目的とするスフィンゴシン誘導体をHPLCやTLCにより定量することならびに菌体の増殖性を確認することにより、発酵の工程管理を実施することは産生量が調整されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
この発酵の工程によって生成されるスフィンゴシン誘導体が形成される。
前記の発酵物は含水エタノールで抽出されることは、生成物を効率良く回収し、菌を滅菌でき、次の工程が実施しやすいことから、好ましい。また、得られた発酵物を超音波処理することは、生成物が分離しやすいことから、好ましい。また、凍結乾燥などにより、濃縮することは、以下の工程が短時間に実施できることから好ましい。なお、精製工程は組み合せを行い、また、繰り返すことにより純度が高くなる。
前記の還元反応物から、目的とするスフィンゴシン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては三菱化学製のダイヤイオンHP20によって精製する。また、この精製は繰り返すことにより純度が増すことから、精製を繰り返して実施することは好ましい。
三菱化学製のダイヤイオンHP20によって精製され、分取されることにより高純度の目的とするスフィンゴシン誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
さらに、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用されることは好ましい。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオンHP−20は天然物から有機酸、ペプチドやポリフェノールを精製できる点から好ましい。また、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して2〜40倍量が好ましく、4〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から10〜30℃が好ましく、12〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。また、水溶性の溶媒に加えて油溶性の溶媒である植物油、魚油、ラードなどの動物性油脂に溶解できる。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオンHP−20を用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
スフィンゴシン誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするスフィンゴシン誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから好ましい。
また、最終抽出を食用油や化粧料に用いる油脂で実施することは、得られるスフィンゴシン誘導体が安定に維持されることから好ましい。例えば、大豆油、米ぬか油、グレープシード油、オリーブ油、ホホバ油で抽出することは好ましい。
また、このスフィンゴシン誘導体を粉末化することは防腐の目的から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
北海道で養殖されたマコンブ(学名Laminaria Japonica)をマルハニチロ株式会社から購入して用いた。マコンブを水道水で水洗後、天日で乾燥させ、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)にて粉砕し、マコンブ粉砕物を1.0kg得た。これに精製水2kgを添加し、ガラス製容器に入れて121℃、5分間、オートクレーブ滅菌した。
これを清浄な発酵タンク(滅菌された発酵用丸形40リットルタンク、遠藤科学製)に入れ、滅菌された精製水3kgを添加し、攪拌した。
これとは別に、長崎県産のスフィンゴモナス(学名Sphingomonas)を長崎大学水産学部より供与をうけて用いた。まず、スフィンゴモナスの10gを滅菌精製水50mLに添加し、滅菌した10gの大豆粉末(北海道産)とともに、前培養させた発酵準備液を用意した。この発酵準備液は以下の発酵を効率的に実施するために必要である。
前記の前培養したスフィンゴモナスの発酵準備液とマコンブの乾燥粉末を発酵タンクに添加し、攪拌後、40〜44℃の温度範囲で加温し、発酵させた。
発酵過程では通気によりバブリングと攪拌を行いつつ、発酵液のサンプリングを行った。これを7日間発酵させた。発酵終了後、発酵タンクより発酵物を取り出し、煮沸滅菌した。この発酵物を濾過布及び珪藻土により濾過して、発酵液3.1kgを得た。
この発酵物をオートクレーブ(121℃、5分間)により滅菌し、発酵を停止させた。これを再度濾過し、濾過液を目的とするスフィンゴシン誘導体とした。これを検体1とした。
さらに、三菱化学製のダイヤイオンHP−20を用いて精製した。つまり、前述の検体1のスフィンゴシン誘導体の100gに7%エタノール含有精製水の4Lを添加し、ダイヤイオン(HP20型、三菱化学製)500gを7%エタノール液に懸濁して充填したガラス製カラム(遠藤科学製)に供した。
これに5Lの7%エタノール液を添加して清浄し、さらに、40%エタノール液を1L添加して洗浄した。また、70%エタノール液を1L添加して目的とするスフィンゴシン誘導体を溶出させ、この溶出液を濃縮して精製した。
この精製操作を3回繰り返した。3度の精製操作により精製されたスフィンゴシン誘導体を減圧蒸留により、エタノール部分を除去し、水溶液とした。これを真空乾燥させ、スフィンゴシン誘導体の精製物6.1gを得た。これを検体2とした。スフィンゴシン誘導体の純度は99.5%で、収率は約6.1%であり、天然物から製造するには十分な収量であり、この製造方法が優れた製法であることが確認された。
以下に、スフィンゴシン誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体2を重水素化ジメチルスルホキシド(シグマアルドリッチ製)に溶解し、高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、これを核磁気共鳴装置(500MHz、NMR、ブルカー製)で解析した結果、この精製物の重水素化ジメチルスルホキシド中のH−NMR測定の結果、ピークの位置は0.95、1.00、1.65、1.66、1.75、1.77、1.79、1.84、1.96、2.08、2.52、2.56、2.75、2.77、3.30、3.31、3.32、3.42、3.61、3.67、3.69、3.74、3.91、3.93、3.97、4.02、4.06、4.23、4.84、4.86、5.05、5.99、6.02、6.14、6.17、7.55及び7.58ppmに認められた。これらのピークは化学合成したスフィンゴシン誘導体標準品のピークと一致した。
また、このスフィンゴシン誘導体の構造解析として重水素化ジメチルスルホキシド中の500MHzのC−NMRにより解析した場合、ピークの位置は13.2、13.5、14.3、16.4、32.4、32.8、35.7、41.4、41.5、42.0、42.9、44.5、48.6、52.4、63.3、63.5、67.0、67.7、72.2、72.3、75.4、75.5、78.6、78.7、79.1、79.3、80.6、95.5、95.8、101.3、101.6、110.3、111.5、124.6、125.4、131.7、133.1、154.7、155.9、169.9、170.0、174.5及び175.3ppmに認められた。これらのピークは化学合成したスフィンゴシン誘導体標準品のピークと一致した。
以下に、13C−NMRの解析結果のチャートを示した。(横軸単位はppm、縦軸単位はピーク強度を示す。)
Figure 2021147345
また、精製物である検体2のHPLCによる分析ではメインピークは1本となり、不純物は0.5%未満であった。なお、検体1に含まれる目的とするスフィンゴシン誘導体の純度は69%であった。
上記の解析結果から化学的に合成したこれらのピークは化学合成したスフィンゴシン誘導体標準品と同一構造を呈し、目的とするスフィンゴシン誘導体として同定することができた。また、検体2を粉末化した場合、これを水溶液に溶解した結果、水素ガスの発生がガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により確認された。この場合の水素ガスの発生量は1.6ppmであった。
以下にAGEsを添加した条件でヒト皮膚表皮細胞を用いた皮膚作用試験について述べる。なお、この試験方法は生化学的に成分の効果を検証できる再現性のある常法である。
(試験例2)
クラボウより購入したヒト由来表皮細胞(表皮由来、エピーダーセル)を用いた。培養液として5%牛胎児血清含有MEM培地(Sigma製)を用いて培養した1000個の細胞を35mm培養シャーレ(FALCON製)に培養液1mLとともに播種し、5%炭酸ガス下、37℃で培養した。ここにヒトアルブミン由来AGEs(Funakoshi製)の10mgを添加した。前記の検体1、検体2及び陽性対照としてEGF(フナコシ製、表皮成長因子)をいずれも0.1mg/mlの最終濃度で添加した。これを48時間培養して以下の試験に供した。
培養液を採取後、表皮細胞の生存率をトリパンブルー法により顕微鏡下で計数した。その後、表皮細胞の細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液に含まれるAGEs量をELISA法(OxiSelect、コスモバイオ製)により分光学的に定量した。すなわち、AGE化したBSAを標準物質として抗AGEs抗体とHRPにより発色させ、450nmの吸光度を測定することによりAGEs量を定量した。なお、シャーレは5枚を用い、その平均値を算出した。溶媒のみを添加した溶媒対照群と比較した。
その結果、検体1の0.1mg/mlの添加によりヒト由来表皮細胞数は溶媒対照群に比して平均値として180%に増加した。また、検体2では242%に増加した。一方、EGFでは168%となった。この結果、検体1及び検体2の方がEGFよりも優れた細胞増殖性を呈した。また、検体1とEGFを同時に添加した場合、細胞数は409%となり、検体1とEGFの相乗的な作用が確認された。
上記の細胞懸濁液中のAGEs量は溶媒対照群では339μg、検体1処理群では36μg、検体2処理群では12μg、EGF処理群では324μgであった。この結果、検体1及び検体2にはAGEsを減少させる働きが確認された。
また、上記の細胞中の8OHdG量は溶媒対照群では677ng、検体1処理群では83ng、検体2処理群では41ng、EGF処理群では640ngであった。
8OHdGは遺伝子が活性酸素やAGEsにより修飾され、酸化された状態であり、遺伝子の障害をあらわしている。検体1及び検体2でこの値が低く、EGFの働きより優れていた。これは検体1及び検体2によるAGEs吸着による遺伝子の酸化防止作用に起因している。
一方、安全性試験の一環として人工皮膚であるEpiSkin(SkinEthic社製)を用いた皮膚刺激性実験では、検体1及び検体2の添加により刺激性は認められず、安全性が確認された。なお、この方法は細胞を用いる皮膚刺激性試験評価法として動物を使用しない方法として確立されている。
以下に検体1及び検体2によるBSA結合AGEs吸着作用について調べた。
(試験例3)
コスモバイオから購入したBSA結合AGEsの1mgをリン酸緩衝液(PH7.4)1mLとともに試験管に入れた。これに検体1及び検体2の1mg/mL溶液の1mLを添加した。溶媒対照として1mLの精製水を用いた。また、対照物質として活性炭(和光純薬製)1mgを用いた。
これらを入れた試験管を37℃で1時間放置してAGEsと検体との吸着を行った。1時間後、反応液を採取してイオン交換樹脂(ダウエックス、弱酸性陽イオン交換樹脂タイプ)を充填したカラムに供して通過した濾過液を採取した。なお、検体1と検体2に吸着したAGEsはイオン交換樹脂に吸着しフリー体のAGEsは排泄されることを事前に確認した。
得られた濾過液に含有されるAGEs量をELISA法(OxiSelect、コスモバイオ製)により分光学的に定量した。なお、実験は5回実施し、得られたデータの平均値を示した。
その結果、溶媒対照の場合、濾過液中のAGEs量は0.93mgであった。検体1添加による濾過液中のAGEs量は0.13mgとなり、溶媒対照に対する吸着率は86%であった。検体2添加による濾過液中のAGEs量は0.04mgとなり、溶媒対照に対する吸着率は96%であった。活性炭処理の場合、濾過液中のAGEs量は0.92mgであった。吸着率は1.1%であった。
上記の結果、検体1及び検体2はAGEs吸着作用を示し、AGEsを減少させることが判明した。一方、活性炭にはAGEs吸着作用は認められなかった。
本発明で得られるスフィンゴシン誘導体はAGEs吸着作用を呈し、糖化による疾患や細胞障害を軽減させる。これにより国民のQOLを改善し、健康な労働人口を増加させ、かつ、医療費を削減できる。
本発明で得られるスフィンゴシン誘導体はAGEs吸着作用を呈し、これにより皮膚の細胞を増加させ、化粧料として糖化によるシミ、シワやタルミなどの皮膚トラブルに悩む方の皮膚の改善に貢献して化粧品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるスフィンゴシン誘導体は発酵法により製造されることから機能性を有する食品として利用でき、食品産業や発酵業界の発展に寄与する。

Claims (1)

  1. 下記の式(1)で示されるAGEs吸着作用を呈するスフィンゴシン誘導体。
    Figure 2021147345
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20140048905A (ko) * 2014-02-28 2014-04-24 부경대학교 산학협력단 다시마 추출물 또는 이로부터 분리한 폴피린계 화합물을 유효 성분으로 함유하는 당뇨성 합병증의 예방 및 치료용 약학 조성물
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