JP2021144202A - 波長変換装置および波長変換方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換効率が環境温度の影響を受け難い波長変換装置を提供する。【解決手段】波長変換装置2は、信号光および信号光とは波長が異なると共に信号光より電界強度が強い励起光から信号光および励起光とは波長が異なる光を生成する非線形光学媒質4と、光の強度に基づいて、非線形光学媒質の温度を制御する温度制御部6とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換装置および波長変換方法に関する。
光ファイバの非線形光学効果を用いて信号光から、信号光とは波長が異なる新たな光を生成する波長変換装置が提案されている。信号光の波長が一定の範囲(以下、波長変換帯域と呼ぶ)内にある場合に、新たな光は効率的に生成される。波長変換帯域は、波長変換装置が置かれる環境の温度(以下、環境温度と呼ぶ)の変化により変動する。
光ファイバの波長分散スロープ等を一定値以下に制限することで、波長変換帯域の変動はある程度抑制される(例えば、特許文献1参照)。波長変換帯域の変動を更に抑制するためには、光ファイバは恒温槽に収納される(例えば、特許文献1参照)。
光ファイバの温度は、光ファイバで発生するラマン散乱光の測定結果から導出できる(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−301009号公報 特開平6−281510号公報
上述したように、光ファイバの波長分散スロープ等を一定値以下に制限することで、環境温度の変化による波長変換帯域の変動をある程度抑制することは可能である。しかし、波長分散スロープ等を制限しても光ファイバの温度は環境温度共に変化するので、波長変換帯域の変動の抑制は限定的で不十分である。そこで本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
ところで、波長変換帯域は、信号光の強度に対する新たに生成される光の強度の比率E(すなわち、波長変換効率)とその最大値E(すなわち、波長変換効率Eの最大値)の比率(E/E)が一定の値(例えば、−3dB)以上に保たれる波長の範囲である。環境温度等の変化により波長変換効率が変化すると、波長変換帯域も変化する。従って、「波長変換帯域の変動」は、「波長変換効率の変動」と言い換えることができる。
上記の問題を解決するために、一つの実施の形態では、波長変換装置は、信号光および前記信号光とは波長が異なると共に前記信号光より電界強度が強い励起光から前記信号光および前記励起光とは波長が異なる光を生成する非線形光学媒質と、前記光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御する温度制御部とを有し、前記光を出力する。
一つの側面では、本発明によれば、波長変換効率が環境温度の影響を受け難い波長変換装置を提供することが可能となる。
図1は、実施の形態1の波長変換装置2の一例を示す機能ブロック図である。 図2は、波長変換装置2における信号光等の流れの一例を示す図である。 図3は、信号光等のスペクトルの一例を示す図である。 図4は、温度制御部を有しない波長変換装置16の一例を示す機能ブロック図である。 図5は、単一モード光ファイバの零分散波長と温度の関係の一例を示す図である。 図6は、非線形光学媒質4の零分散波長と励起光10の波長との離長に対する波長変換帯域の関係の一例を示す図である。 図7は、図1の波長変換装置2において実行される波長変換方法の手順の一例を説明する図である。 図8は、実施の形態1の変形例1を説明する図である。 図9は、実施の形態1の変形例3を説明する図である。 図10は、実施の形態1の変形例4を説明する図である。 図11は、実施の形態1の変形例5を説明する図である。 図12は、実施の形態2の波長変換装置102の一例を示す機能ブロック図である。 図13は、波長変換装置102における信号光108等の流れの一例を示す図である。 図14は、信号光108等のスペクトルの一例を示す図である。 図15は、波長変換装置102のハードウエア構成の一例を示す図である。 図16は、励起光源32等の一例を示す図である。 図17は、光フィルタ60等の一例を示す図である。 図18は、制御装置58の一例を示す図である。 図19は、制御プログラム78のフローチャートの一例を示す図である。 図20は、制御プログラム78のフローチャートの一例を示す図である。 図21は、実施の形態2の変形例3の波長変換装置102M3のハードウエア構成の一例を示す図である。 図22は、実施の形態2の変形例4の加熱冷却部22M4(図13参照)の一例を示す図である。 図23は、実施の形態2の変形例4の加熱冷却部22M4(図13参照)の一例を示す図である。 図24は、実施の形態2の変形例4の制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。 図25は、実施の形態2の変形例4の制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。 図26は、実施の形態2の変形例5の加熱冷却部22M5(図13参照)の一例を示す図である。 図27は、実施の形態2の変形例5の加熱冷却部22M5(図13参照)の一例を示す図である。 図28は、実施の形態2の変形例6の加熱冷却部22M6(図13参照)を説明する図である。 図29は、実施の形態2の変形例7の波長変換装置102M7のハードウエア構成の一例を示す図である。 図30は、実施の形態3の波長変換装置202の一例を示す機能ブロック図である。 図31は、実施の形態3の波長変換装置202にける信号光208等の流れの一例を示す図である。 図32は、信号光208等のスペクトルの一例を示す図である。 図33は、実施の形態3の波長変換装置202のハードウエア構成の一例を示す図である。 図34は、付加光源203、偏波コントローラ205および光合波器207それぞれの一例を示す図である。 図35は、信号光308等のスペクトルの一例を示す図である。 図36は、実施の形態4の波長変換装置302のハードウエア構成の一例を示す図である。 図37は、計測部324のハードウエア構成の一例を示す図である。 図38は、実施の形態4の制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。 図39は、実施の形態4の制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。 図40は、実施の形態4の制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。 図41は、不揮発性メモリ76に記録されたルックアップテーブルの一例を示す図である。 図42は、第1の偏波ダイバーシティ構成が用いられた波長変換装置402D1の一例を示す図である。 図43は、波長変換装置402D1における信号光108等の流れの一例を示す図である。 図44は、第2の偏波ダイバーシティ構成が用いられた波長変換装置402D2の一例を示す図である。 図45は、波長変換装置402D2における信号光108等の流れの一例を示す図である。 図46は、第3の偏波ダイバーシティ構成が用いられた波長変換装置402D3の一例を示す図である。 図47は、波長変換装置402D3における信号光108等の流れの一例を示す図である。 図48は、実施の形態1〜4の波長変換装置を有する光送信装置317の一例を示す図である。 図49は、光送信装置317における信号光等の流れの一例を示す図である。 図50は、実施の形態1〜4の波長変換装置を有する光受信装置331の一例を示す図である。 図51は、光受信装置331における信号光等の流れの一例を示す図である。 図52は、実施の形態3の変形例を説明する図である。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。図面が異なっても同じ構造を有する部分等には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
(1)構造
図1は、実施の形態1の波長変換装置2の一例を示す機能ブロック図である。図1に示されているように、実施の形態1の波長変換装置2は、入力光から新たな光を生成する非線形光学媒質4を有する。実施の形態1の波長変換装置2は更に、非線形光学媒質4が生成する新たな光の強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度を制御する温度制御部6を有する。
非線形光学媒質4は例えば、単一モード光ファイバである。実施の形態1の単一モード光ファイバの材料は例えば、石英(SiO)である。この単一モード光ファイバのコアは例えば、P(りん)またはGe(ゲルマニウム)が添加された石英である。実施の形態1の単一モード光ファイバ(すなわち、非線形光学媒質4)の長さは例えば、100〜1000mまたは250m〜750mである。非線形光学媒質4は、信号光の偏波を保持する媒質(例えば、偏波保持光ファイバ)であってもよい。
非線形光学媒質4は、半導体(例えば、Si,GaAs,AlGaAs)で形成された光導波路であってもよい。非線形光学媒質4は、誘電体(例えば、石英ガラス、ニオブ酸リチウム、カルコゲナイドガラス)で形成された光導波路であってもよい。
温度制御部6のハードウエア構成は、実施の形態2で説明される。
(2)動作
図1に示す各機能ブロックの動作等が説明される。
(2−1)非線形光学媒質の動作
図2は、波長変換装置2における信号光等の流れの一例を示す図である。
図3は、信号光等のスペクトルの一例を示す図である。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。縦軸の単位は任意単位であり、縦軸のスケールはログスケールである(以下の図面についても、同様)。図3の各スペクトルには、各スペクトルに対応する光(例えば、信号光)に付される符号(例えば、「8」)が付されている(以下、同様)。すなわち信号光8のスペクトルには、符号「8」が付されている。
非線形光学媒質4(図2参照)は、信号光8(図2および3参照)と励起光10とを含む第1の光12aから、第2の光12bを生成する。第1の光12aは、非線形光学媒質4の入力光である。第2の光12bは、非線形光学媒質4が生成する新たな光である。実施の形態1の第2の光12bは、信号光8と励起光10とから生成される波長変換光14である。
図3に示す例では、信号光8の周波数はνである。励起光10の周波数は、信号光8の周波数νとは異なる周波数ν10である。励起光10は、信号光8より強い光である。新たな光(すなわち、第2の光12b)の周波数ν12bは、信号光8の周波数νおよび励起10の周波数ν10とは異なる周波数である。励起光10の強度(すなわち、光パワー)は好ましくは、時間に対して一定に保たれる。
光の周波数は、光の波長に反比例する。光の電界強度は、光の強度(すなわち、光電力)の平方根に比例する。
以上のように、非線形光学媒質4は、信号光8および信号光8とは波長が異なると共に信号光8より電界強度が強い励起光10から、信号光8および励起光10とは波長が異なる光(すなわち、第2の光12b)を生成する。
ところで信号光8等のスペクトルは、狭い波長範囲に局在している。信号光8の波長とは、信号光8の中心波長のことである。中心波長とは、光の3dB帯域(すなわち、光の強度がその最大値の-3dB以内である波長範囲)の中心に位置する波長である。信号光8以外の光(例えば、励起光10等)についても同様である。
実施の形態1の非線形光学媒質4(例えば、単一モード光ファイバ)は、縮退4光波混合により波長変換光14(図2および3参照)を生成する。すなわち、波長変換光14は、非線形光学媒質4の3次の非線形分極により生成される。波長変換光14の周波数ν12bは、2ν10−ν(=ν1010−ν)である。
(2−2)温度制御部の動作
温度制御部6は、第2の光12bに含まれる第3の光12cの強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度(以下、第1の温度と呼び)を制御する。
温度制御部6は好ましくは、第3の光12cの強度が増加するように、非線形光学媒質4の温度(第1の温度)を制御する。
実施の形態1では特に断らない限り温度制御部6は、第3の光12cの強度が増加するように、非線形光学媒質4の温度を制御するものとする。
第3の光12cは例えば、波長変換光14である。実施の形態1では、特に断らない限り第3の光12cは、波長変換光14である。
第3の光12cは第2の光12bの一部(または全部)であり共に非線形光学媒質4により生成されるので、第3の光12cの強度は第2の光12bの強度に比例する。従って温度制御部6は結果的に、非線形光学媒質4により生成された光(すなわち、第2の光12b)の強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度を制御する。従って、温度制御部6は好ましくは、第2の光12bの強度が増加するように、非線形光学媒質4の温度(第1の温度)を制御する。
(2−3)波長変換光の出力
波長変換装置2は、第2の光12bに含まれる光であって信号光8と励起光10とから生成される波長変換光14を出力する。
(3)波長変換効率の変動の抑制
図4は、温度制御部6を有しない波長変換装置16の一例を示す機能ブロック図である。
図4の波長変換装置16の非線形光学媒質4は、図2の波長変換装置2の非線形光学媒質4と同じ媒質である。非線形光学媒質4は例えば、室温(例えば27℃;以下、同様)における零分散波長が励起光10の波長に略一致する単一モード光ファイバである。非線形光学媒質4の零分散波長と励起光10の波長とが一致すると、縮退4光波混合のための位相整合条件が満たされて、波長変換効率が高くなる。波長変換効率とは、信号光8の強度Iと波長変換光の強度I14の比(=I14/I)のことである。ここで「波長変換光」は、非線形光学媒質により信号光から生成され波長が信号光とは異なる新なる光である。
従って、非線形光学媒質4の室温における零分散波長と励起光10の波長とは、略一致することが好ましい。室温における非線形光学媒質4の零分散波長と励起光10の波長との差分の絶対値は例えば、1nm以下が好ましく、更に好ましくは0.5nm以下であり、最も好ましくは0.2nm以下である。図2に示す実施の形態1の波長変換装置2についても、同様である。
図5は、単一モード光ファイバの零分散波長と温度の関係の一例を示す図である。縦軸は、単一モード光ファイバの零分散波長である。横軸は、単一モード光ファイバの温度である。
いま、非線形光学媒質4が単一モード光ファイバであって更に、室温における非線形光学媒質4の零分散波長が励起光10の波長λ10に略一致する場合を考える。図5に示されているように、単一モード光ファイバの温度が変化すると零分散波長も変化する。従って、単一モード光ファイバ(すなわち、非線形光学媒質4)の環境温度が室温から別の温度に変化すると、励起光10の波長λ10と零分散波長とが乖離する。その結果、単一モード光ファイバを伝搬する光(具体的には、信号光と励起光)の間の位相関係が位相整合条件から乖離しその結果、信号光の波長変換効率が低下する。
図6は、非線形光学媒質4の零分散波長と励起光10の波長との差分(以下、離長と呼ぶ)に対する波長変換帯域(「発明が解決しようとする課題」参照)の関係の一例を示す図である。横軸は、離長である。縦軸は、波長変換帯域の幅である。縦軸は、ログスケールである。
上述したように、非線形光学媒質4の零分散波長と励起光波長(すなわち、励起光10の波長)が乖離すると、信号光の波長変換効率が低下する。波長変換効率は信号光の波長が励起光波長から離れることでも低下するが、非線形光学媒質の零分散波長と励起光波長の乖離の影響(すなわち、波長変換効率の低下)は、信号光の波長と励起光波長の乖離が大きいほど大きくなる。従って、図6に示されているように、非線形光学媒質4の零分散波長と励起光波長の乖離(すなわち、離長の絶対値)が大きくなるほど、波長変換帯域は縮小する。
波長変換帯域の縮小は、離長の絶対値が小さい間は僅かである。しかし離長の絶対値が大きくなるに従い、波長変換帯域は加速度的に縮小する。
温度制御部6を有さない波長変換装置16(図4参照)は、環境温度の変化による非線形光学媒質4の温度の変化を抑制できないので、環境温度の変化による波長変換帯域の縮小も抑制できない。波長分散スロープ等の制限([背景技術]参照)を行っても、波長変換帯域の縮小の抑制は限定的である。
一方、実施の形態1の波長変換装置2(図2参照)では、温度制御部6が第3の光12c(具体的には、波長変換光14)の強度が増加するように、非線形光学媒質4の温度を制御する。従って、波長変換装置2の環境温度が変化しても、非線形光学媒質4の波長変換効率は最大値(すなわち、波長変換効率の最大値)の近傍に保持される。
この波長変換効率の保持は、温度制御部6の温度制御により、非線形光学媒質4の温度が略一定に保たれることで実現される。非線形光学媒質4の温度が略一定に保たれるため、非線形光学媒質4の零分散波長は励起光波長λpの近傍に保持され、環境温度の変化による波長変換効率の低下が抑制される。
―温度測定による波長変換効率の低下の抑制―
波長変換装置2の環境温度(例えば、波長変換装置2が配置された室内の温度)を測定し、この測定の結果に基づいて非線形光学媒質4の温度を制御することも考えられる。しかし、光ファイバ等の非線形光学媒質の熱抵抗は高いので、非線形光学媒質4の温度は環境温度から乖離しやすい。従って、環境温度の測定結果に基づいて非線形光学媒質4の温度を制御しても、非線形光学媒質4の波長変換効率の低下の抑制は限定的であり、十分ではない。
サーミスタや熱電対などの温度センサを非線形光学媒質4に装着して測定した温度に基づいて非線形光学媒質4の温度を制御しても、非線形光学媒質の高い熱抵抗が正確な温度測定を妨げる。従って、温度センサで測定した温度に基づいて非線形光学媒質4の温度を制御しても、環境温度の変化による波長変換効率の低下の抑制は限定的であり、十分ではない。
温度センサによって測定可能な温度は、非線形光学媒質4の表面の温度であって、信号光8が伝搬する非線形光学媒質4の中心部の温度ではない。従って温度センサで測定した非線形光学媒質4の温度を制御しても、環境温度の変化による波長変換効率の低下の抑制は限定的であり、十分ではない。放射赤外線により非線形光学媒質4の温度を測定する場合についても、同様である。
非線形光学媒質4を恒温槽に収納して、非線形光学媒質4の温度を一定に保つことも考えられる。しかし、非線形光学媒質4を恒温槽に収納すると、波長変換装置が大型化してしまう。
(4)波長変換方法
図7は、図2の波長変換装置2において実行される波長変換方法の手順の一例を説明する図である。図7に示す波長変換方法は、図1以外の装置で実行されてもよい。
―ステップs2―
信号光8および信号光8とは波長が異なると共に信号光8より電界強度が強い励起光10を含む第1の光12aを非線形光学媒質4に入力して、信号光8および励起光10とは波長が異なる新たな光(すなわち、第2の光12b)を生成する工程が実行される。
―ステップs4―
更に、ステップs2が実行されながら、第2の光12bに含まれる第3の光(例えば、波長変換光14)の強度に基づいて非線形光学媒質4の温度(すなわち、第1の温度)を制御する工程が実行される。
上述したように、第2の光12bの強度と第3の光12cの強度とは比例する。従ってステップs2が実行されながら、非線形光学媒質4により生成された光(すなわち、第2の光12b)の強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度(以下、第1の温度と呼ぶ)が制御される。
―ステップs6―
ステップs2およびステップs4を実行しながら、第2の光12bに含まれる光であって信号光8と励起光10とから生成される波長変換光14が出力される。
非線形光学媒質4の温度を制御するステップs4では例えば、第3の光12cの強度が増加するように非線形光学媒質4の温度(すなわち、第1の温度)が制御される。ステップs4では、第3の光12cの強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度(すなわち、第1の温度)が目標値(すなわち、第1の温度の目標値)に近づくように、非線形光学媒質4の温度が制御されてもよい(例えば、変形例4参照)。
ステップs4〜s6は、ステップs2の開始と同時またはステップs2の開始後に開始され、ステップs2が実行されている間は継続される。
(5)変形例
(5−1)変形例1
図8は、実施の形態1の変形例1を説明する図である。図8には、変形例1の信号光等のスペクトルが示されている。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。
変形例1の信号光8M1は図8に示されているように、第1の信号光8aと、第1の信号光8aとは周波数が異なる第2の信号光8bとを含む光である。第1の信号光8aの周波数はν8aである。第2の信号光8bの周波数はν8bである。
換言するならば、変形例1の信号光8M1は、第1の信号光8aおよび第1の信号光8aとは波長が異なる第2の信号光8bを含む。すなわち、変形例1の信号光8M1は、波長が互いに異なる複数の光の集まりである。変型例1の第1の光12aは、信号光8M1と励起光10とを含む。
変形例1の非線形光学媒質4は、第1の信号光8aと励起光10とから第1の波長変換光14aを生成する。非線形光学媒質4は更に、第2の信号光8bと励起光10とから第2の波長変換光14bを生成する。第1の波長変換光14aの周波数はν14aである。第2の波長変換光14bの周波数は、ν14aとは異なるν14bである。
すなわち変形例1の波長変換光14M1(第2の光12b)は、第1の信号光8aと励起光10とから生成される第1の波長変換光14aと、第2の信号光8bと励起光10とから生成される第2の波長変換光14bとを含む光である。変型例1の第2の光12bは、波長変換光14M1である。
変形例1の温度制御部6は、波長変換光14M1の強度が増加するように非線形光学媒質4の温度を制御するので、環境温度の変化による波長変換効率の変動を抑制できる(「(3)波長変換効率の変動の抑制」参照)。変形例1の第3の光12cは、波長変換光14M1である。
従って変形例1によれば、波長が互いに異なる複数の信号光から複数の波長変換光を生成しながら、環境温度の変化による波長変換効率の変動を抑制することができる。
(5−2)変形例2
変形例2は、変形例1に類似している。従って、変形例1と共通する部分については説明を省略する。
変形例2の温度制御部6は、第1の波長変換光14a(図8参照)と第2の波長変換光14bのうち周波数が励起光10の周波数から最も離れた光(図8に示す例では、第1の波長変換光14a)の強度が増加するように、非線形光学媒質4の温度を制御する。すなわち、変形例2の温度制御部6は、第1の波長変換光14a(図8参照)および第2の波長変換光14bのうち波長が励起光10の波長から最も離れた光(図8に示す例では、第1の波長変換光14a)の強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度を制御する。
信号光の周波数が励起光10の周波数から離れる程、信号光の波長変換効率は、非線形光学媒質4の温度の影響を強く受ける。従って、第1の波長変換光14aと第2の波長変換光14bのうち波長が励起光10の波長から最も離れた光(図8に示す例では、第1の波長変換光14a)の強度が、非線形光学媒質4の温度の影響を最も受ける。
従って、変形例2の温度制御部6は、第1の波長変換光14aと第2の波長変換光14bのうち非線形光学媒質4の温度の影響を最も受ける光の強度が増加するように、非線形光学媒質4の温度を制御する。このため変形例2によれば、環境温度の変化による波長変換効率の変動を、効果的に抑制することができる。
(5−3)変形例3
図9は、実施の形態1の変形例3を説明する図である。図9には、変形例3の信号光等のスペクトルが示されている。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。
変形例3の非線形光学媒質4は、図9に示されているように、信号光8と励起光10と付加光18とを含む入力光(すなわち、第1の光12aM3)から、新たな光(すなわち、第2の光12bM3)を生成する。付加光18の周波数ν18(または、波長)は、信号光8の周波数ν(または、波長)および励起光10の周波数ν10(または、波長)とは異なる周波数(または、波長)である。励起光10の強度および付加光18の強度は好ましくは、時間に対して一定に保たれる。
変形例3では非線形光学媒質4は、信号光8と励起光10とから波長変換光14を生成する。非線形光学媒質4は更に、付加光18と励起光10とから第3の波長変換光14cを生成する。すなわち、変形例3の第2の光12bM3は、波長変換光14と第3の波長変換光14cとを含む光である。波長変換光14と第3の波長変換光14cとは、同じ非線形光学効果(図9に示す例では、縮退4光波混合)により生成される。
温度制御部6は、第3の波長変換光14cの強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度を制御する。具体的には温度制御部6は、第3の波長変換光14cの強度が増加するように非線形光学媒質4の温度を制御する。すなわち、変形例3の第3の光12cM3は、第3の波長変換光14cである。変形例3の波長変換装置2は、非線形光学媒質4により生成された光(すなわち、第2の信号光12bM4)のうちの少なくとも波長変換光14を出力する。
信号光8の強度が変化すると、波長変換光14の強度も変化する。従って非線形光学媒質4の温度を波長変換光14の強度に基づいて制御すると、環境温度が変化しなくても、信号光8の強度の変化により非線形光学媒質4の温度が変更されてしまう。
変形例3では、付加光18(図9参照)の強度に基づいて非線形光学媒質4の温度を制御するので、信号光8の強度が変化しても非線形光学媒質4の温度は変更されない。従って変形例3によれば、信号光8の強度の変化による波長変換効率の変動が抑制される。
なお「信号光8の強度」とは信号光8の瞬間的な強度のことではなく、信号光8の強度の時間平均のことである(以下、同様)。同様に、「波長変換光14の強度」とは波長変換光14の瞬間的な強度ではなく、波長変換光14の強度の時間平均のことである(以下、同様)。
(5−4)変形例4
図10は、実施の形態1の変形例4を説明する図である。図10には、変形例4の信号光等のスペクトルが示されている。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。
変形例4の非線形光学媒質4は、信号光8および励起光10を含む入力光(すなわち、第1の光12a)から、ラマン散乱により励起光10から生成される光と波長変換光14とを含む新たな光(すなわち、第2の信号光12bM4)を生成する。ラマン散乱により生成される光は以後、ラマン散乱光と呼ばれる。励起光10の強度は好ましくは、時間に対して一定に保たれる。変形例4の波長変換装置2は、非線形光学媒質4により生成された光(すなわち、第2の信号光12bM4)のうちの少なくとも波長変換光14を出力する。
非線形光学媒質4に入射した励起光10は、光学フォノンの放出または吸収を伴う非弾性散乱(すなわち、ラマン散乱)により散乱される。その結果、ストークス光301とアンチストークス光303とが生成される。図10に示されているように、ストークス光301の周波数ν301は、信号光8の周波数νおよび励起光10の周波数ν10とは異なる周波数である。アンチストークス光303の周波数ν303は、信号光8の周波数ν、励起光10の周波数ν10およびストークス光301の周波数ν301とは異なる周波数である。非線形光学媒質4により生成される光(第2の光12bM4)は、信号光8と励起光10から生成される波長変換光14および励起光10からラマン散乱により生成されるストークス光301とアンチストークス光303とを含む。
温度制御部6は、アンチストークス光303およびストークス光301それぞれの強度に基づいて非線形光学媒質4の温度(すなわち、第1の温度)が目標値(すなわち、第1の温度の目標値)に近づくように、非線形光学媒質4の温度を制御する。すなわち変形例4の第3の光12cM4は、励起光10のラマン散乱光により生成される、ストークス光301およびアンチストークス光303である。
温度制御部6(図2参照)は例えば、第3の光12cM4の強度に基づいて非線形光学媒質4の温度または非線形光学媒質4の温度に相当する量(以下、温度相当量)を導出し、導出した温度または温度相当量に基づいて非線形光学媒質4の温度を制御する。「温度相当量」の具体例は、実施の形態4で説明される。
温度の目標値(すなわち、非線形光学媒質4の温度の目標値)は例えば、励起光10の波長と非線形光学媒質4の零分散波長との差の絶対値が一定値(以下、許容誤差と呼ぶ)以下になる温度(以下、第2の温度と呼ぶ)である。許容誤差は、好ましくは1nmであり、更に好ましくは0.5nmであり、最も好ましくは0.2nmである。
ラマン散乱光(すなわち、ストークス光301およびアンチストークス光303)の強度に基づく温度制御は、信号光8の強度変化には影響されない。従って、変形例4によれば、信号光8の強度変化による波長変換効率の変動(変形例3参照)を抑制することができる。
変形例4では、付加光18(図9参照)は用いられない。従って変形例4によれば、付加光18の光源を設けずに、信号光8の強度変化による波長変換効率の変動が抑制される。
以上の例では、温度制御部6は、非線形光学媒質4におけるラマン散乱光の強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度を制御する。しかし温度制御部6は、ラマン散乱以外の散乱により生成される光の強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度を制御してもよい。例えば温度制御部6は、非線形光学媒質4におけるブリルアン散乱により生成される光の強度に基づいて、非線形光学媒質4の温度を制御してもよい。
(5−5)変形例5
図11は、実施の形態1の変形例5を説明する図である。図11には、変形例5の信号光等のスペクトルが示されている。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。
ここまでは、第1〜第3の波長変換光14a〜14cは、縮退4光波混合により生成される。しかし第1〜第3の波長変換光14a〜14cは、非縮退4光波混合により生成されてもよい。
この場合、励起光10M5は、第1の励起光10aおよび第1の励起光10aとは波長が異なる第2の励起光10bを含む。第1の励起光10aの周波数がν10aで第2の励起光10bの周波数がν10bの場合、波長変換光14M5の周波数ν14M5はν10a10bである。νは、信号光8の周波数である。
変形例5の波長変換装置2(図1参照)は、波長変換光14M5の強度が増加するように非線形光学媒質4の温度を制御する。この制御では、非線形光学媒質4の零分散波長に相当する周波数が、第1の励起光源10aの周波数ν10aと第2の励起光10bの周波数ν10bの平均値Av1に近づくように制御される。平均値Av1は、(ν10a10b)/2である。
変形例5の波長変換装置2は、第1の励起光10aまたは第2の励起光10bの少なくとも一方のラマン散乱光の強度に基づいて非線形光学媒質4の温度が目標値に近づくように、非線形光学媒質4の温度を制御してもよい。温度の目標値は、第1および第2の励起光10a,10bの周波数ν10a,ν10bの平均値Av2に相当する波長と非線形光学媒質4の零分散波長との差異が一定値(すなわち、上記許容誤差)以下になる温度(第3の温度)である。平均値Av2に相当する波長とは、3×10を平均値Avで除した波長(=3×10/Av2)のことである。単位は、メートルである。
第1の励起光10aおよび第2の励起光10bは例えば、別々の励起光源で生成される。従って励起光10M5の強度(すなわち、励起光10a,10bの強度の合計)を、励起光が単一の場合より強くすることは容易である。従って変形例5によれば、励起光が単一の場合より励起光10M5の強度を強くすることで、波長変換効率を高くすることができる。
(5−6)変形例6
図3を参照して説明した波長変換光14は、非線形光学媒質4の3次の非線形分極により生成される。しかし波長変換光14は、非線形光学媒質4の2次の非線形分極により生成されてもよい。変形例1〜5の波長変換光および第3の波長変換光14c等についても、同様である。
例えば、波長変換光14は差周波として生成されてもよい。或いは、波長変換光14は和周波として生成されてもよい。2次の非線形分極は、化合物半導体などの中心対称性が無い物質で起きる現象である。従って、変形例6の非線形光学媒質4は、GaAsの光導波路やニオブ酸リチウムの光導波路等である。
実施の形態1の波長変換装置は、非線形光学媒質が入力光(例えば、信号光と励起光)から生成する新たな光(例えば、波長変換光)の強度に基づいて、非線形光学媒質の温度を制御する。新たな光の生成は非線形光学媒質の温度の影響を強く受けるので、新たな光の強度に基づいて非線形光学媒質の温度を制御する実施の形態1の波長変換装置によれば、非線形光学媒質の温度を正確に制御できる。実施の形態1の波長変換方法についても、同様である。
従って実施の形態1によれば、波長変換効率が環境温度の変化の影響を受け難い波長変換装置および波長変換方法を提供することが可能となる。
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2の波長変換装置102の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態2の波長変換装置102は、励起光を供給する励起光供給部20と複数の機能ブロックを含む温度制御部106とを有する。その他の構成および工程(以下、構成等と呼ぶ)は、実施の形態1(特に、変形例1)に類似している。従って、実施の形態1と同じ構成等については、説明を省略または簡単にする。実施の形態2は、実施の形態1の変形例1の一例である。
(1)構造
実施の形態2の波長変換装置102は図12に示されているように、非線形光学媒質104と、温度制御部106と、励起光10(図2参照)を供給する励起光供給部20とを有する。
励起光供給部20は、省略されてもよい(後述する実施の形態3〜4についても同様)。その場合には、励起光10は波長変換装置102の外部から供給される。非線形光学媒質104は、実施の形態1で説明した非線形光学媒質4(例えば、単一モード光ファイバ)である。温度制御部106は、実施の形態1で説明した温度制御部6の一例である。
温度制御部106は、加熱冷却部22と、計測部24と、制御部26とを有する。加熱冷却部22、計測部24および制御部26の詳細は後述する。
(2)動作
図12に示された各機能ブロックの動作等が説明される。
(2−1)励起光供給部の動作
図13は、波長変換装置102における信号光108等の流れの一例を示す図である。励起光供給部20は励起光10を生成し、生成した励起光10と信号光108とを合波する。非線形光学媒質104の入力光(すなわち、第1の光112a)は、励起光10と信号光108とを含む光である。
(2−2)非線形光学媒質の動作
図14は、信号光108等のスペクトルの一例を示す図である。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。
実施の形態2の信号光108(図14参照)は、実施の形態1の変形例1(図8参照)と同様、第1の信号光108aと、第1の信号光108aとは波長(すなわち周波数)が異なる第2の信号光108bとを含む光である。但し、実施の形態2の第1の信号光108aは、波長が互いに異なる複数の信号光X1〜Xm(mは1より大きい整数)を含む。同様に、第2の信号光108bは、波長が互いに異なる複数の信号光Xm+1〜Xn(nはm+1より大きい整数)を含む。すなわち、実施の形態2の信号光108は、高度に波長多重された光である。実施の形態2の第1の光112a(すなわち、非線形光学媒質104の入力光)は、信号光108と励起光10とを含む。
実施の形態2の非線形光学媒質104は、第1の信号光108aと励起光10とから第1の波長変換光114aを生成する。非線形光学媒質104は更に、第2の信号光108bと励起光10とから第2の波長変換光114bを生成する。実施の形態2の波長変換光114は、第1の波長変換光114aと第2の波長変換光114bとを含む。実施の形態2の第2の光112b(すなわち、非線形光学媒質104が生成する新たな光)は、波長変換光114である。
励起光10の周波数ν10は、多重化された信号光108に含まれる各信号光Xk(kは1以上n以下の整数)の周波数νXkとは異なる周波数である。励起光10の電界強度は、各信号光Xkの電界強度より強い光である。
実施の形態2の第1の波長変換光114aは、波長が互いに異なる複数の波長変換光Y1〜Ym(mは1より大きい整数)を含む。同様に、第2の波長変換光114bは、波長が互いに異なる複数の波長変換光Ym+1〜Yn(nはm+1より大きい整数)を含む。
図14に示す例では、第1の信号光108aおよび第2の信号光108bの双方が、複数の信号光を含む。しかし、第1の信号光108aおよび第2の信号光108bの一方が複数の信号光を含み、他方は単一の信号光であってもよい。
―グループ分けによらない説明―
図14に示す例では、信号光108は、2つのグループ(すなわち、第1の信号光108aと第2の信号光108b)に分けられている。信号光108を2つのグループに分けることで、後述する変形例3の説明が容易になる。しかし信号光108は、グループ分けされなくてもよい。
グループ分けしない場合、信号光108は複数の信号光Xk(kは2以上n以下の整数、nは2以上の整数)を含み、各信号光Xkの波長は、多重化された信号光108に含まれる別の信号光Xj(k以外の整数)の波長とは異なる波長である。
同様に、波長変換光114は複数の波長変換光Yk(kは2以上n以下の整数、nは2以上の整数)を含み、各波長変換光Ykの波長は、波長変換光114に含まれる別の波長変換光Yj(jはk以外の整数)の波長とは異なる波長である。
非線形光学媒質104は、信号光Xkと励起光10とから波長変換光Ykを生成する。波長変換光114が縮退4光波混合により生成される場合、k番目(kはn以下の整数、nは2以上の整数)の波長変換光Ykの周波数νykは、2ν10−νxkである。ν10は、励起光10の周波数である。νxkはk番目の信号光Xkの周波数である。
(2−3)温度制御部の動作
温度制御部106(図13参照)は、非線形光学媒質104により生成される光(すなわち、第2の光112b)の強度に基づいて、非線形光学媒質104の温度(すなわち、第1の温度)を制御する。
具体的には温度制御部106は、計測部24の計測の結果30に基づいて、波長変換光114の強度が増加するように加熱冷却部22を制御する。計測部24は、非線形光学媒質104により生成される光(すなわち、第2の光112b)から分岐された光(すなわち、分岐光)の強度を計測する。実施の形態2の第2の光112bおよび第3の光112cは、波長変換光114である。
以下の説明では、計測部24等の測定の結果は計測結果と呼ばれる(実施の形態3〜4においても同様)。
(2−3−1)加熱冷却部の動作
加熱冷却部22は、非線形光学媒質104の加熱および冷却の少なくとも一方を行う。
加熱冷却部22は例えば、非線形光学媒質104に熱28を供給(すなわち、加熱)する。或いは加熱冷却部22は、非線形光学媒質104から熱28を吸収(すなわち、冷却)する。加熱冷却部22は、非線形光学媒質104に対する加熱および冷却の双方を行ってもよい。
(2−3−2)計測部の動作
計測部24(図13参照)は、非線形光学媒質104が生成する新たな光(すなわち、第2の光112b)の強度を計測する。具体的には計測部24(図13参照)は、第2の光112bから分岐された光(すなわち、分岐光)の強度を計測することで、間接的に非線形光学媒質104が生成する新たな光(すなわち、第2の光112b)の強度を計測する。
(2−3−3)制御部の動作
制御部26(図13参照)は、計測部24の計測の結果30に基づいて、加熱冷却部22を制御する。
例えば制御部26は、計測部24の計測の結果30に基づいて、第3の光112cの強度が増加するように加熱冷却部22を制御する。例えば制御部26は、第3の光112cの強度を示す情報(すなわち、計測結果30)を取得しながら、取得した情報に基づいて第3の光112cの強度が増加するように加熱冷却部22を制御する。
(2−4)波長変換光の出力
波長変換装置102(図13参照)は、第2の光112b(すなわち、波長変換光114)を出力する。
励起光10および信号光108の一部は、波長変換光114に変換されず非線形光学媒質104から出力される。これらの光(すなわち、励起光10の一部および信号光108の一部)は、後述する光フィルタにより除去される。実施の形態3〜5についても、同様である。
(3)波長変換効率の変動の抑制
実施の形態2の温度制御部106は、非線形光学媒質104が生成する波長変換光114(すなわち、第3の光112c)の強度が増加するように、非線形光学媒質104の温度を制御する。その結果、非線形光学媒質104の波長変換効率は、環境温度が変化しても最大値(すなわち、波長変換効率の最大値)の近傍に保持される。この波長変換効率の保持は、温度制御部106の温度制御により、非線形光学媒質104の温度が略一定に保たれることで実現される。非線形光学媒質104の温度が略一定に保たれるため、非線形光学媒質104の零分散波長は励起光波長λpの近傍に保持され、環境温度の変化による波長変換効率の低下が抑制される。(実施の形態1の「(3)波長変換効率の変動の抑制」参照)。
(4)波長変換方法
実施の形態2の波長変換方法は、図7を参照して説明した実施の形態1の波長変換方法と略同じである。但しステップs2では、高度に多重化された信号光108(すなわち、第1の光112a)から高度に多重化された波長変換光114(すなわち、第2の光112b)が生成される。ステップs4およびs6は、高度に多重化された波長変換光114(すなわち、第2の光112b)に基づいて実行される。
(5)ハードウエア構成
図15は、波長変換装置102のハードウエア構成の一例を示す図である。図15に示された各ハードウエア(例えば、光合波器36)は、図12に示された機能ブロック(例えば、励起光供給部20)のいずれかに含まれる。以下、図15に基づいて図12に示された各機能ブロックのハードウエアの構造および動作を説明する。
(5−1)励起光供給部のハードウエア構成
励起光供給部20(図13参照)は例えば、励起光源32(図15参照)と偏波コントローラ34と光合波器36とを有する。図16は、励起光源32等のハードウエア構成の一例を示す図である。
―励起光源32―
励起光源32は例えば、レーザドライバー38と半導体レーザ40と光増幅器42とを有する。励起光源32は、励起光10の種を生成する。
レーザドライバー38は、半導体レーザ40を駆動する回路である。半導体レーザ40は、レーザドライバー38に駆動されると、レーザ光を出力する。半導体レーザ40から出力されたレーザ光は連続光であり、光増幅器42により増幅される。
半導体レーザ40は例えば、分布帰還型半導体レーザである。半導体レーザ40は、分布反射型半導体レーザや外部共振器型半導体レーザであってもよい。光増幅器42は例えば、光ファイバアンプである。光増幅器42は、半導体光増幅器であってもよい。
―偏波コントローラ34―
増幅されたレーザ光は、偏波コントローラ34を通過した後、光合波器36に入射する。励起光10(図13参照)は、光増幅器42により増幅され更に偏波コントローラ34により偏光方向が制御されたレーザ光である。
偏波コントローラ34は、信号光108と合波された後の励起光10の偏光方向(すなわち、磁場ベクトルの振動方向)が信号光108の偏光方向に一致するように、光増幅器42により増幅されたレーザ光の偏光方向を制御する。
偏波コントローラ34は例えば、半波長板と4分の1波長板とを有する光学装置である。
―光合波器36―
光合波器36(図15参照)は、波長変換装置102の入力ポートPinから入力された信号光108と励起光10とを合波する。第1の光112a(図13参照)は、光合波器36により合波された、信号光108と励起光10とを含む。
光合波器36(図16参照)は例えば、誘電体多層膜44と誘電体多層膜44を挟む透明な一対のプリズム46とを有する。誘電体多層膜44は信号光108(図13参照)を通過させながら、励起光10の進路を非線形光学媒質104側に変更する。その結果、信号光108と励起光10とが合波される。
光合波器36等(入力ポートPin、光合波器36、偏波コントローラ34、光増幅器42および半導体レーザ40)は例えば、光ファイバ(例えば、偏波保持ファイバ)により互いに接続される。後述する光フィルタ等についても同様である。
(5−2)非線形光学媒質のハードウエア構成
非線形光学媒質104(図13参照)は例えば、単一モード光ファイバ48(図16参照)である。
非線形光学媒質104は、多重化された信号光Xk(すなわち、第1の信号光108a)と励起光10とを含む第1の光112aから、多重化された第2の光112bを生成する(「(2−2)非線形光学媒質の動作」参照)。
(5−3)加熱冷却部のハードウエア構成
加熱冷却部22(図13参照)は例えば、加熱冷却装置50(図15参照)を有する。加熱冷却装置50は例えば、ペルチェ素子52(図16参照)と電流源54とASIC 56(Application Specific Integrated Circuit)とを有する。
―電流源54―
電流源54は、ペルチェ素子52に電流を供給する回路である。
―ペルチェ素子52―
ペルチェ素子52は例えば、光ファイバ48に熱的に接続される。ペルチェ素子52は、電流源54から供給される電流の向きに応じて、光ファイバ48に熱28(図13参照)を供給しまたは光ファイバ48から熱28を吸収する。
―ASIC 56―
ASIC 56は制御部26(図13参照)からのコマンド88に応答して、電流源54を制御する集積回路である。
以上の例では、非線形光学媒質104に対して直接、加熱および冷却の少なくとも一方が実行される。しかし、非線形光学媒質104を液体に浸し、この液体を介して非線形光学媒質104の加熱および冷却の少なくとも一方が実行されもよい。例えば、加熱冷却部22(図13参照)は、非線形光学媒質104が浸された液体49(図16参照)と、この液体(例えば、純水)を介して線形光学媒質104の加熱および冷却の少なくとも一方を行う装置(例えば、ペルチェ素子52)とを有する。非線形光学媒質104を液体に浸すことで、非線形光学媒質104が均一に加熱または冷却される。
非線形光学媒質104が浸される液体49は、純水には限られない。非線形光学媒質104は例えば、フルオロカーボン、オイル、シリコン油、およびビフェニルとジフェニルエーテルとの混合物のいずれかに浸されてもよい。
(5−4)計測部のハードウエア構成
計測部24(図13参照)は例えば、光フィルタ60(図15参照)と光スプリッタ62と計測装置64とを有する。図17は、光フィルタ60等の一例を示す図である。
―光フィルタ60―
光フィルタ60(図15参照)は、非線形光学媒質104により生成された新たな光(すなわち、第2の光112b)を通過させ、励起光10と信号光108とを遮断する。光フィルタ60(図17参照)は例えば、誘電体多層膜を有する光学装置である。
―光スプリッタ62―
光スプリッタ62(図15参照)、非線形光学媒質104により生成された新たな光(すなわち、第2の光112b)に含まれる光(例えば、波長変換光Y1〜Yn)それぞれの一部(以下、分割光と呼ぶ)を抽出し、計測装置64(図15参照)に送出する。
光スプリッタ62は、入力光から入力の一部(以下、分岐光と呼ばれる)を分岐するデバイスである。入力光(ここでは、第2の光112b)が互いに波長が異なる複数の光を含む場合、分岐光は複数の光のそれぞれを分割した複数の分割光を含む。図15に示す例では、光スプリッタ62の入力光は非線形媒質104により生成された互いに波長の異なる複数の生成光(すなわち、波長変換光Y1〜Yn)である。
光スプリッタ62は、入力光の一部(例えば、1〜10%)を抽出する。後述する実施の形態3の光スプリッタ262についても、同様である。
光スプリッタ62は更に、新たな光(すなわち、第2の光112b)のうち分岐光以外の部分(以下、出力光と呼ぶ)を出力ポートPoutに送出する。出力ポートPoutに到達した出力光は、出力ポートPoutから波長変換装置102の外部に出力される。
光スプリッタ62は例えば、図17に示されているように、光ファイバカプラである。光スプリッタ62は、光ファイバカプラ以外の光学装置(例えば、基板上に形成された方向性結合器)であってもよい。
―計測装置64―
計測装置64(図15参照)は例えば、光検出器66(図17参照)と電流-電圧変換回路68とアナログデジタル変換器70とを有する。計測装置64は光スプリッタ62からの分岐光を受信して、分岐光の強度を示すデジタル信号を制御部26(図13参照)に送信する。このデジタル信号は、図13を参照して説明した「計測の結果30」の一例である。
先ず、光検出器66が光スプリッタ62からの分岐光を受信し、受信した分岐光を光電流に変換する。この光電流は、電流-電圧変換回路68に送信される。光検出器66は例えば、pinフォトダイオードである。光検出器66は、他の光検出器(例えば、アバランシェフォトダイオード)であってもよい。後述する、第1の光検出器366aおよび第2の光検出器366b(実施の形態4参照)についても、同様である。
電流―電圧変換回路68は、光検出器66からの光電流を電圧に変換する。この電圧は、アナログデジタル変換器70に送信される。アナログデジタル変換器70は、電流―電圧変換回路68から送信された電圧をデジタル信号に変換する。このデジタル信号が、計測部24の計測の結果30である。
(5−5)制御部のハードウエア構成
制御部26(図13参照)は例えば、制御装置58(図15参照)を有する。図18は、制御装置58の一例を示す図である。
制御部26(すなわち、制御装置58)は例えば、メモリ72(図18参照)と、メモリ72に結合されたプロセッサとを有する。プロセッサは、ハードウエアである。図18に示す例ではプロセッサは、CPU74(Central Processing Unit)である。プロセッサ(すなわち、CPU74)は、非線形光学媒質104が生成する新たな光に含まれる光(すなわち、第3の光112c)の強度を示す情報(すなわち、「計測の結果30」)を取得しながら、取得した情報に基づいて加熱冷却部22を制御する。プロセッサにより取得される情報は、非線形光学媒質104により生成された新たな光(すなわち、第2の光112b)の強度を示す情報でもある。メモリ72は例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
制御装置58は更に、不揮発性メモリ76を有する。不揮発性メモリ76には、CPU74が実行する複数のプログラム78が記録されている。複数のプログラム78には、後述する制御プログラムが含まれる。
実施の形態2の制御プログラムが一旦開始されると、同じ処理がエンドレスに繰り返される。このようなエンドレスな処理を強制的に終了させるための終了プログラムも、複数のプログラム78には含まれる。実施の形態3〜4のプログラムについても同様である。終了プログラムにより実行される処理は、割り込み処理である。
制御装置58は更に、複数の入出力インターフェース80a〜80eとバス82とを有する。CPU74等は、バス82を介して互いに接続される。
入出力インターフェースの一つ(例えば、入出力インターフェース80a)には、入力装置84(例えば、キーボード)が接続されてもよい。入出力インターフェースの別の一つ(例えば、入出力インターフェース80b)には、表示装置86(例えば、液晶ディスプレイ)が接続されてもよい。
入出力インターフェースの別の一つ(例えば、入出力インターフェース80c)には、加熱冷却部22のASIC56(図16参照)が接続される。
入出力インターフェースの別の一つ(例えば、入出力インターフェース80d)には、計測部24のアナログデジタル変換器70(図17参照)が接続される。
従って、実施の形態2の制御部26は、CPU74とメモリ72と不揮発性メモリ76と複数の入出力インターフェース80a〜80dとにより実現される。入出力インターフェース80eは、実施の形態4の制御装置で使用される。実施の形態2の制御装置58では、入出力インターフェース80eは省略されてもよい。
図18に示された例では、制御装置58はメモリ72とプロセッサ(すなわち、CPU74)とを有する装置であるが、制御装置58は他の回路であってもよい。制御装置58は例えば、ASICや論理回路であってもよい。
―制御プログラム―
図19〜20は、制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。図19〜20の各ステップは、制御部26により実行される。
CPU74は、例えば入力装置84(図18参照)において実行される起動操作に応答して、不揮発性メモリ76から制御プログラムを読み出して実行する。
−ステップS2−
CPU74は先ず、終了プログラム等による割り込み処理を許可する。
−ステップS4−
ステップS2の後CPU74は、複数の変数i,Inc,M1,M2に初期値を代入する。変数i,M1,M2の初期値は、例えば零である。変数Incの初期値は、例えば10である。
変数iは、ペルチェ素子52(図16参照)に接続された電流源54の出力電流である。変数Incは、変数iの増分である。変数iおよび変数Incの単位は、例えばmAである。
−ステップS6−
ステップS4の後CPU74は、計測装置64(図15参照)に接続された入出力インターフェース80dを介して、計測部24(図13参照)の計測の結果30を取得する。計測の結果30は、第3の光112c(すなわち、波長変換光114)の強度を示す情報である。
−ステップS8―
ステップS6の後CPU74は、ステップS6で取得した測定結果を変数M1に代入する。
−ステップS10―
ステップS8の後CPU74は、変数iに変数Incの値を加える。
−ステップS12―
ステップS10の後CPU74は、コマンド88(図13参照)を加熱冷却部22に送信する。コマンド88は、変数iの値(例えば、10)に相当する電流(例えば、10mA)を電流源54(図16参照)から出力するように加熱冷却部22に指示するコマンドである。電流源54の出力は、ペルチェ素子52に供給される。
コマンド88は、加熱冷却部22に接続された入出力インターフェース80cを介して、加熱冷却部22のASIC 56(図16参照)に送信される。
加熱冷却部22はコマンド88に応答して、非線形光学媒質104の加熱または冷却の程度を変更する。その結果、非線形光学媒質104の温度は変化する。
−ステップS14―
ステップS12の後CPU74は、一定の時間(例えば、1〜1000秒)待機する。CPU74の待機中に、コマンド88による非線形光学媒質104の温度変化は略終了する。
−ステップS16―
ステップS14の後CPU74は再度、計測部24(図13参照)の計測の結果30を取得する。
−ステップS18―
ステップS16の後CPU74は、ステップS16で取得した測定結果を変数M2に代入する。
−ステップS20―
ステップS18の後CPU74は、変数M2が変数M1より大きいか否か判定する。変数M2が変数M1より大きい場合、CPU74はステップS24に進む。変数M2が変数M1以下の場合、CPU74はステップS22に進む。
−ステップS22―
ステップS20からテップS22に進んだ場合、CPU74は変数Incに−1を乗じた値を変数Incに代入する。
−ステップS24―
ステップS20またはステップS24の後、CPU74は変数M2の値を変数M1に代入する。その後CPU74は、ステップS10に戻る。
ステップS20では、ステップS10で変更された変数iにより第3の光112c(ここでは、波長変換光114)の強度が増加するか否か判定される。この判定結果に基づいて、第3の光112cの強度が増加するように、変数iの値が繰り返し変更される(ステップS10〜S24)。従って非線形光学媒質104の温度は、第3の光112cの強度が増加するように制御される。
(6)変形例
(6−1)変形例1
以上の例では、図12に示されているように、波長変換装置102は励起光供給部20を有する。しかし波長変換装置102は、励起光供給部20を有さなくてもよい。この場合、励起光10は波長変換装置の外部で生成され信号光108と合波された後、波長変換装置に入力される。励起光供給部20を有さない波長変換装置は、外部に設けられた一つの励起光供給部20を別の波長変換装置と一緒に利用できる。
変形例1によれば、波長変換装置102を小型化できる。
(6−2)変形例2
以上の例では、図12に示されているように、温度制御部106は計測部24を有する。しかし温度制御部106は、計測部24を有さなくてもよい。この場合、温度制御部106は、第3の光112cの強度を示す情報を例えば、波長変換装置102の外部から取得する。計測部24を有さない波長変換装置は、外部に設けられた一つの計測部24を別の波長変換装置と一緒に利用することができる。
変形例2によれば、波長変換装置を小型化できる。
(6−3)変形例3
図21は、実施の形態2の変形例3の波長変換装置102M3のハードウエア構成の一例を示す図である。波長変換装置102M3は、光スプリッタ62と計測装置64の間に配置された光フィルタ160を有する。光フィルタ160は、非線形光学媒質104と光スプリッタ62の間に配置された光フィルタ60とは異なる光フィルタである。変型例3は、実施の形態1の変形例2の一例である。
光フィルタ160は、第1の波長変換光114a(図14参照)および第2の波長変換光114bのうち波長が励起光10の波長から最も離れた光を通過させ、他方の光を遮断する。図14に示す例では、第1の波長変換光114a(すなわち、波長変換光Y1〜Ym)が通過させられ、第2の波長変換光114b(すなわち、波長変換光Ym+1〜Yn)が遮断される。変形例3の第3の光112c(すなわち、計測部24が強度を計測する光)は、第1の波長変換光114aおよび第2の波長変換光114bのうち光フィルタ160を通過した光(すなわち、第1の波長変換光114a)である。
以上の点を除けば、変形例3の波長変換装置102M3の構造および動作等は、図12〜20を参照して説明した波長変換装置102の構造および動作等と略同じである。
図14に示す例では、第1の波長変換光114aの波長は、第2の波長変換光114bの波長より、励起光10の波長から離れている。従って、第1の波長変換光114aの波長変換効率は、第2の波長変換光114bの波長変換効率より、非線形光学媒質104の温度の影響を受けやすい(実施の形態1の「(3)波長変換効率の変動の抑制」参照)。
従って、第1の波長変換光114a(すなわち、励起光10から最も離れた波長変換光)の強度に基づいて非線形光学媒質104の温度を制御する変形例3によれば、環境温度の変化による波長変換効率の変動を効果的に抑制することができる。
(6−4)変形例4
図22〜23は、実施の形態2の変形例4の加熱冷却部22M4(図12参照)の一例を示す図である。変形例4の波長変換装置102M4は、図12〜20を参照して説明した実施の形態2の波長変換装置102に類似している。従って、波長変換装置102と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
変形例4の加熱冷却部22M4(図12参照)はペルチェ素子52(図16参照)の代わりに、非線形光学媒質104(図23参照)を囲う被膜90M4と、被膜90M4に埋め込まれた電熱線92とを有する。変形例4の加熱冷却部22M4は更に、ペルチェ素子52の電流源54(図16参照)の代わりに、電熱線92に電力を供給する電源94a(図22参照;以下、第1の電源と呼ぶ)を有する。被膜90M4の材料は例えば、ナイロンやUV硬化性樹脂等のポリマー(変形例5についても同様)である。電熱線92は例えば、Ni−Cr系合金やFe−Cr−Al系合金である。
変形例4の加熱冷却部22M4は、電熱線92で発生する熱により非線形光学媒質104の温度を制御する。
変形例4の制御部26M4(すなわち、図15の制御装置58)は、ASIC 56M4(図22参照)を介して第1の電源94aを制御する。変形例4の制御部26M4(図12参照)のハードウエア構成は、図18を参照して説明した制御部26(図12参照)のハードウエア構成と略同じである。但し、不揮発性メモリ78(図18参照)に記録される制御プログラムは、図19〜20を参照して説明した制御プログラムとは異なる。
図24〜25は、実施の形態2の変形例4の制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。図24〜25の各ステップは、制御部26M4(図12参照)により実行される。
図24〜25のフローチャートは、図19〜20を参照して説明したフローチャートと同じステップを含む。破線の枠で囲われたステップは、図19〜20で説明したステップである。図19〜20で説明したステップの説明は、省略する。
―ステップS28―
CPU74は、ステップS10の後、変数iが零以上であるか否かを判定する。変数iが零以上の場合、CPUはステップS12に進む。変数iが零未満の場合、CPUはステップS30に進む。変形例4では、変数iは電熱線92に接続された電源94a(すなわち、第1の電源)の出力電流である。
―ステップS30―
CPU74は、ステップS30に進んだ場合、表示装置86(図18参照)に警告を表示して、制御プログラムを終了する。
ステップS10〜S24が繰り返されても第3の光112c(例えば、波長変換光114)の強度の増加が止まらない場合、変数iが零未満(すなわち、負の値)になることがある。この場合、非線形光学媒質104を冷却することが好ましいが、電熱線92への電流供給により非線形光学媒質104を冷却することは困難である。そこでCPU74は、表示装置に警告を表示して電熱線92への通電を終了する。
−ステップS112―
CPU74は、ステップS112に進んだ場合、コマンド88M4(図13参照)を加熱冷却部22M4に送信する。コマンド88M4は、変数iの値(例えば、10)に相当する電流(例えば、10mA)を電源94a(図22参照)から出力するように加熱冷却部22M4に指示するコマンドである。電源94aの出力は、電熱線92に供給される。
以上の点を除き、変形例4の波長変換装置102M4は、図12〜20を参照して説明した実施の形態2の波長変換装置102と略同じ装置である。波長変換方法についても、同様である。
電熱線92が埋め込まれた被膜90M4が非線形光学媒質104を囲っているので、変形例4によれば、非線形光学媒質104の温度を略均一に制御することができる。
変形例4では更に、電熱線92が被膜90M4を介して非線形光学媒質104に接続されているので、電熱線92と非線形光学媒質104の間の熱抵抗が小さくなる。従って、変形例4によれば、非線形光学媒質104に対する温度制御の応答時間を短縮することができる。
(6−5)変形例5
図26〜27は、実施の形態2の変形例5の加熱冷却部22M5(図12参照)の一例を示す図である。変形例5は、図12〜20を参照して説明した実施の形態2の波長変換装置102に類似している。従って、波長変換装置102と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
変形例5の加熱冷却部22M5(図12参照)は、非線形光学媒質104(図27参照)を囲うと共に赤外線を吸収して発熱する材料(以下、赤外線吸収材料と呼ぶ)を含む被膜90M5を有する。変形例5の加熱冷却部22M5は更に、被膜90M5に照射される赤外線を生成する光源96M5(図26参照)を有する。変形例5の加熱冷却部22M5は、ペルチェ素子52(図16参照)の代わりに、被膜90M5と光源96M5とを有する。被膜90M5の赤外線吸収材料は例えば、炭素粒子、グラフェン、カーボンナノチューブなどの黒体や、赤外線吸収色素等である。
変形例5の加熱冷却部22M5(図12参照)は更に、ペルチェ素子52の電流源54(図16参照)の代わりに、赤外線の光源96M5に電力を供給する電源94b(図26参照;以下、第2の電源と呼ぶ)を有する。変形例5の加熱冷却部22M5(図12参照)は、被膜90M5の赤外線吸収材料が光源96M5の赤外線を吸収して発生する熱により、非線形光学媒質104の温度を制御する。
変形例5の加熱冷却部22M5(図12参照)は更に、ASIC 56M5(図26参照)を有する。
変形例5の制御部26M5(図12参照)は、ASIC 56M5(図26参照)を介して第2の電源94bを制御する。
変形例5の制御部26M5(図12参照)のハードウエア構成は、図18を参照して説明した制御部26(図12参照)のハードウエア構成と略同じである。不揮発性プメモリ78(図18参照)に記録される制御プログラムは、図24〜25を参照して説明した変形例4の制御プログラムと略同じである。
以上の点を除き、変形例5の波長変換装置102M5(図12参照)は、図12〜20を参照して説明した実施の形態2の波長変換装置102と略同じ装置である。波長変換方法についても、同様である。
変形例5によれば、赤外線吸収材料を含む被膜90M5が非線形光学媒質104を囲っているので、非線形光学媒質104の温度を略均一に制御することができる。
変形例5では更に、赤外線吸収材料を含む被膜90M5(図27参照)が非線形光学媒質104に密着している。従って、赤外線吸収材料と非線形光学媒質104の間の熱抵抗を小さくできるので、変形例5によれば、非線形光学媒質104に対する温度制御の応答時間を短縮することができる。
(6−6)変形例6
図28は、実施の形態2の変形例6の加熱冷却部22M6(図12参照)を説明する図である。変形例6は、図26〜27を参照して説明した実施の形態2の変形例5に類似している。従って、変形例5と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
変形例6の光源96M6(図28参照)は、非線形光学媒質104を導波する赤外線を生成する。例えば、光源96M6により生成された赤外線は、レンズ98により集光され、光合波器36M6に接続された光ファイバ502の端面に照射される。
光ファイバ502の端面に照射された赤外線は、光合波器36M6により信号光108(図13参照)および励起光10と合波されて、非線形光学媒質104に入射する。非線形光学媒質104に入射した赤外線は非線形光学媒質104を導波しながら、被膜90M5(図27参照)の赤外線吸収材料に徐々に吸収される。赤外線吸収材料に吸収された赤外線は熱に変換され、非線形光学媒質104を加熱する。
以上の点を除き、変形例6の波長変換装置102M6(図12参照)は変形例5の波長変換装置102M5と略同じ装置である。波長変換方法についても、同様である。
変形例6によれば、変形例5と同様、赤外線吸収材料を含む被膜90M5が非線形光学媒質104を囲っているので、非線形光学媒質104の温度を略均一に制御することができる。
変形例5と同様、変形例6では、赤外線吸収材料を含む被膜90M5が非線形光学媒質104に密着している。従って、赤外線吸収材料と非線形光学媒質104の間の熱抵抗を小さくできるので、変形例6によれば、非線形光学媒質104に対する温度制御の応答時間を短縮することができる。
(6−7)変形例7
図29は、実施の形態2の変形例7の波長変換装置102M7(図12参照)のハードウエア構成の一例を示す図である。波長変換装置102M7のハードウエア構成は、図15を参照して説明した波長変換装置102のハードウエア構成に類似している。従って、図15の波長変換装置102と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
変形例7の波長変換装置102M7は、非線形光学媒質104の温度を測定する温度測定装置100を有している。温度測定装置100は例えば、サーミスタや熱電対等のセンサ(以下、温度センサと呼ぶ)と、温度センサの出力を非線形光学媒質104の温度を示す温度情報に変換する回路とを有する装置である。温度センサは、非線形光学媒質104が放射する赤外線を検出する装置であってもよい。
変形例7の制御装置58M7は、図15の制御装置58に類似している。但し変形例7の制御装置58M7は、制御プログラム(例えば、図19〜20のプログラム)を実行しながら、温度測定装置100の測定の結果に基づいて、非線形光学媒質104の温度を監視する。
監視の結果、非線形光学媒質104の温度が許容範囲内にないことが検出された場合には、変形例7の制御装置58M7は、例えば表示装置86(図18参照)に警告を表示する。非線形光学媒質104の温度の監視は、温度測定装置100により行われてもよい。変形例7の制御部26M7(図12参照)は、制御装置58M7(図29参照)と温度測定装置100とにより実現される。
以上の点を除き、変形例7の波長変換装置102M7は、図12〜20を参照して説明した実施の形態2の波長変換装置102と略同じである。波長変換方法についても、同様である。
変形例7によれば、非線形光学媒質104の温度を監視することができるので、温度制御部106(図12参照)の暴走を抑制することができる。
以上の例では温度制御部106は、加熱冷却部22を有している。しかし温度制御部106は、加熱冷却部22を有さなくてもよい。この場合、加熱冷却部22の一部または全部が、波長変換装置102の外部に設けられる。例えば、変形例5または6の加熱冷却部22M5,22M6のうち非線形光学媒質104を覆う被膜90M5以外の部分(すなわち、光源96M5,96M6等)が、波長変換装置102の外部に設けられる。温度制御部106は、これら外部に設けられた装置を用い、第3の光112cの強度に基づいて非線形光学媒質104の加熱および冷却の少なくとも一方を制御できる。
実施の形態2は、実施の形態1の変形例1の一例である。実施の形態1の変形例1の信号光の数は2つであるが、実施の形態2の信号光の数は3つ以上である。従って、実施の形態2の波長変換装置および波長変換方法によれば、高度に多重化された信号光から多数の波長変換光を生成しながら、環境温度の変化による波長変換効率の変動を抑制することができる。
(実施の形態3)
図30は、実施の形態3の波長変換装置202の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態3の波長変換装置202は、付加光を供給する付加光供給部201を有する。その他の構成および工程(以下、構成等と呼ぶ)は、実施の形態1〜2(特に、実施の形態1の変形例3)の構成等に類似している。従って、実施の形態1〜2と同じ構成等については、説明を省略または簡単にする。実施の形態3は、実施の形態1の変形例3の一例である。
(1)構造
実施の形態3の波長変換装置202(図30参照)は、実施の形態2の波長変換装置102(図12参照)と同様、非線形光学媒質204と、温度制御部206と、励起光供給部220とを有する。実施の形態3の波長変換装置202は更に、付加光(実施の形態1の変形例3参照)を供給する付加光供給部201を有する。
励起光供給部220は、実施の形態2の励起光供給部20(図13参照)と同様、励起光10を供給する。非線形光学媒質204は例えば、実施の形態1で説明した非線形光学媒質4(例えば、単一モード光ファイバ)である。
付加光供給部201は、省略されてもよい。その場合、付加光は波長変換装置202の外部から供給される。
温度制御部206は、加熱冷却部22と計測部224と制御部26とを有する。加熱冷却部22および制御部26は、実施の形態2で説明された。
(2)動作
図30に示された各機能ブロック(例えば、付加光供給部201)の動作が説明される。
(2−1)付加光供給部の動作
図31は、実施の形態3の波長変換装置202にける信号光208等の流れの一例を示す図である。付加光供給部201は付加光18を生成し、生成した付加光18と信号光208とを合波する。
(2−2)励起光供給部の動作
励起光供給部220は励起光10を生成し、信号光208と付加光18とに励起光10を合波する。非線形光学媒質204の入力光(すなわち、第1の光212a)は、信号光208と付加光18と励起光10とを含む光である。
図30に示す例では付加光供給部201は、入力ポートPinと励起光供給部220の間に配置される。しかし付加光供給部201は、励起光供給部220と非線形光学媒質204の間に配置されてもよい。その場合、付加光供給部201は、信号光208と励起光10とに付加光18を合波する。
(2−3)非線形光学媒質の動作
図32は、信号光208等のスペクトルの一例を示す図である。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。実施の形態3の信号光208は例えば、図14を参照して説明した実施の形態2の信号光108である。すなわち、実施の形態3の信号光208は、波長多重された信号光である。実施の形態3はこの点で、信号光8が一つである実施の形態1の変形例3(図9参照)とは異なる。
非線形光学媒質204(図31参照)は、信号光208(図32参照)と付加光18と励起光10とを含む入力光(すなわち、第1の光212a)から、新たな光(すなわち、第2の光212b)を生成する。
付加光18の周波数ν18(図32参照)は、多重化された信号光208に含まれる各信号光Xk(kは1以上n以下の整数、nは2以上の整数)の周波数νXkおよび励起光10の周波数ν10とは異なる周波数である。すなわち付加光18の波長は、励起光10の波長および信号光208(すなわち、信号光X1〜Xn)の波長とは異なる。励起光10の電界強度は、信号光208(すなわち、信号光X1〜Xn)の電界強度および付加光18の電界強度より強い。
非線形光学媒質204は例えば、縮退4光波混合により信号光208と励起光10とから波長変換光214(図32参照)を生成する。非線形光学媒質204は更に、縮退4光波混合により付加光18と励起光10とから第3の波長変換光14cを生成する。実施の形態3の第2の光212b(図32参照)は、波長変換光214と第3の波長変換光14cとを含む。
実施の形態3の波長変換光214は例えば、図14を参照して説明した実施の形態2の波長変換光114である。波長変換光214に含まれる各信号光Yk(kは、2以上n以下の整数、nは2以上の整数)の周波数νYkは、信号光208の周波数νX1〜νXn、励起光10の周波数ν10および付加光18の周波数ν18のいずれとも異なる周波数である。
第3の波長変換光14cの周波数ν14cは、信号光208の周波数νX1〜νXn、励起光10の周波数ν10、付加光18の周波数ν18および波長変換光214の周波数νY1〜νYnのいずれとも異なる周波数である。
波長変換光214は、非縮退4光波混合により生成されてもよい。この場合、第3の波長変換光14cも非縮退4光波混合により生成される。
(2−4)温度制御部の動作
温度制御部206(図31参照)は、第3の波長変換光14cの強度を示す情報(すなわち、「計測の結果230」)を取得しながら、取得した情報に基づいて非線形光学媒質204の温度(すなわち、第1の温度)を制御する。
具体的には温度制御部206は、計測部224の計測結果230に基づいて、第3の波長変換光14c(図32参照)の強度が増加するように非線形光学媒質204の温度(すなわち、第1の温度)を制御する。すなわち、実施の形態3の第3の光212c(図31参照)は、第3の波長変換光14cである。
(2−4−1)加熱冷却部の動作
加熱冷却部22(図31参照)の動作は、熱交換の相手が実施の形態3の非線形光学媒質204である点を除けば、実施の形態2の「(2−3−1)加熱冷却部の動作」で説明した通りである。従って、加熱冷却部22の動作の説明は省略する。
(2−4−2)計測部の動作
計測部224(図31参照)は、非線形光学媒質204が生成する新たな光(すなわち、第2の光212b)に含まれる第3の波長変換光14c(図32参照)の強度を計測する。
(2−4−3)制御部の動作
制御部26(図31参照)の動作は、実施の形態3の「計測の結果230」に基づいて加熱冷却部22を制御する事以外は、実施の形態2の「(2−3−3)制御部の動作」で説明した通りである。従って、制御部26の動作の説明は省略する。
(2−5)波長変換光の出力
波長変換装置202は、第2の光212bに含まれる波長変換光214を出力する。
励起光10と付加光18から生成される第3の波長変換光14cは、波長変換光214と共に波長変換装置202から出力されてもよい。
第3の波長変換光14cが波長変換装置202から出力されても、第3の波長変換光14cの波長と波長変換光214の波長とは異なるので、波長変換装置202の外部で第3の波長変換光14cと波長変換光214とを分離することは容易である。
(3)波長変換効率の変動の抑制
温度制御部206(図31参照)は、付加光18から生成される第3の波長変換光14c(すなわち、第3の光212c)の強度が増加するように、非線形光学媒質204の温度を制御する。従って、非線形光学媒質204の波長変換効率は、環境温度が変化しても最大値(すなわち、波長変換効率の最大値)の近傍に保持される。この波長変換効率の保持は、温度制御部206の温度制御により、非線形光学媒質204の温度が略一定に保たれることで実現される。非線形光学媒質204の温度が略一定に保たれるため、非線形光学媒質204の零分散波長は励起光波長λpの近傍に保持され、環境温度の変化による波長変換効率の低下が抑制される(実施の形態1の「(3)波長変換効率の変動の抑制」参照)。
更に、実施の形態3では信号光208の強度とは無関係な付加光18の強度に基づいて、非線形光学媒質204の温度が制御されるので、実施の形態3によれば、信号光208の強度変化による波長変換効率の変動も抑制される。
(4)波長変換方法
実施の形態3の波長変換方法は、図7を参照して説明した波長変換方法と略同じである。但し、ステップs2(図7参照)では、信号光208と付加光18と励起光10とを含む第1の光212aが非線形光学媒質204に入力されて、波長変換光214と第3の波長変換光14cとを含む第2の光212bが生成される。波長変換光214は、信号光208と励起光10とから生成される。第3の波長変換光14cは、付加光18と励起光10とからを生成される。
更にステップs4では、ステップS2が実行されながら、第3の波長変換光14c(すなわち、第3の光212c)の強度に基づいて非線形光学媒質204の加熱および冷却の少なくとも一方が実行される。
ステップs6では、波長変換光214が出力される。
(5)ハードウエア構成
図33は、実施の形態3の波長変換装置202(図31参照)のハードウエア構成の一例を示す図である。波長変換装置202の各機能ブロック(例えば、付加光供給部201)は、図33に示される1つまたは複数のハードウエアにより実現される。以下、波長変換装置202の各機能ブロックのハードウエア構成を説明する。
(5−1)付加光供給部のハードウエア構成
付加光供給部201(図31参照)は例えば、付加光源203(図33参照)と偏波コントローラ205と光合波器207とを有する。図34は、付加光源203、偏波コントローラ205および光合波器207それぞれの一例を示す図である。
―付加光源203―
付加光源203は例えば、レーザドライバー209と半導体レーザ211とを有する。付加光源203は、付加光18の種を生成する。
レーザドライバー209は、半導体レーザ211を駆動する回路である。半導体レーザ211は、レーザドライバー209に駆動されると、レーザ光を出力する。半導体レーザ211から出力されたレーザ光は例えば連続光である。半導体レーザ211は例えば、分布帰還型半導体レーザや分布反射型レーザや外部共振器型半導体レーザである。
―偏波コントローラ205―
半導体レーザ211から出力されたレーザ光は、偏波コントローラ205を通過した後、光合波器207に入射する。付加光18(図31参照)は、半導体レーザ211から出力され更に、偏波コントローラ205により偏光方向が制御されたレーザ光である。
偏波コントローラ205は、信号光208と合波された後の付加光18の偏光方向が信号光208の偏光方向に一致するように、半導体レーザ211から出力されたレーザ光の偏光方向を制御する。偏波コントローラ205は例えば、半波長板と4分の1波長板とを有する光学装置である。
―光合波器207―
光合波器207は、波長変換装置202の入力ポートPinから入力された信号光208と付加光18とを合波する。光合波器36は例えば、透明な一対のプリズム46に挟まれた誘電多層膜244を有する光学装置である。
(5−2)励起光供給部のハードウエア構成
励起光供給部220(図31参照)は例えば、図33に示されるように、励起光源32と偏波コントローラ34と光合波器236とを有する。励起光源32は、図15〜16を参照して説明した実施の形態2の励起光源32である。同様に、偏波コントローラ34は、図15〜16を参照して説明した実施の形態2の偏波コントローラ34である。
光合波器236は、図15〜16を参照して説明した実施の形態2の光合波器36に類似している。但し、光合波器236(図33参照)は、誘電体多層膜44(図16参照)が信号光208に加え付加光18を通過させる点で、実施の形態2の光合波器36とは異なる。
(5−3)非線形光学媒質のハードウエア構成
非線形光学媒質204(図31参照)は例えば、実施の形態2の非線形光学媒質104と物理的には同じ部材(例えば、単一モード光ファイバー)である。「物理的には同じ」とは、構造および材料が実質的に同じことである。
但し、非線形光学媒質204は、波長変換光214(図32参照)に加え、付加光18と励起光10とから第3に波長変換光14cを生成する。
(5−4)加熱冷却部および制御部のハードウエア構成
加熱冷却部22(図31参照)は例えば、加熱冷却装置50(図33参照)を有する。加熱冷却部22は、制御部26からのコマンド88に従って、非線形光学媒質204の温度を制御する。加熱冷却装置50は例えば、図15〜16を参照して説明した実施の形態2の加熱冷却装置50である。
制御部26(図31参照)は例えば、制御装置58(図33参照)を有する。制御装置58は、計測部224(図31参照)の計測の結果230を受信しながら第3の波長変換光14c(すなわち、第3の光212c)の強度が増加するように、加熱冷却部22を制御する。
制御装置58は例えば、図18を参照して説明した実施の形態2の制御装置(すなわち、メモリ72とメモリ72に結合されたプロセッサとを有する装置)である。制御装置58のプロセッサ(すなわち、CPU74)は例えば、図19〜20にフローチャートが示された制御プログラムを実行することで、加熱冷却部22の温度を制御する。
加熱冷却装置50(図33参照)は、実施の形態2の変形例4の加熱冷却装置であってもよい(実施の形態4の加熱冷却装置についても同様)。この場合、制御装置58は実施の形態2の変形例4で説明した制御装置(すなわち、電熱線92の電源94aを制御する制御装置)である。
加熱冷却装置50(図33参照)は、実施の形態2の変形例5または6の加熱冷却装置であってもよい(実施の形態4の加熱冷却装置についても同様)。この場合の制御装置58は、実施の形態2の変形例5または6の制御装置(すなわち、赤外線の光源96M5,96M6を制御する制御装置)である。
(5−5)計測部のハードウエア構成
計測部224(図31参照)は例えば、光フィルタ260(図33参照)と光スプリッタ262とを有する。計測部224は更に、別の光フィルタ261と計測装置64とを有する。
―光フィルタ260―
光フィルタ260(図33参照)は、非線形光学媒質204により生成された新たな光(すなわち、第2の光212b)を通過させ、励起光10と信号光208と付加光18とを遮断する。
光フィルタ260は例えば、図17の光フィルタ60と同様、誘電体多層膜を有する光フィルタである。
―光スプリッタ262―
光スプリッタ262(図33参照)は、光フィルタ260を通過した光(すなわち、波長変換光214および第3の波長変換光14c)それぞれの一部(以下、分割光と呼ぶ)を、光フィルタ261に送出する。光スプリッタ262は更に、光フィルタ260を通過した光のうち分割光以外の部分(以下、出力光と呼ぶ)を出力ポートPoutに送出する。出力ポートPoutに到達した出力光は、出力ポートPoutから波長変換装置202の外部に出力される。
光スプリッタ262は例えば、図17を参照して説明した光スプリッタ(すなわち、光ファイバカプラや基板上の方向性結合器)である。
―光フィルタ261―
光フィルタ261(図33参照)は、光スプリッタ262から送出された分割光(すなわち、分岐光)のうち第3の波長変換光14c(すなわち、第3の波長変換光14cの一部)を通過させ、波長変換光214(すなわち、波長変換光214の一部)を遮断する。光フィルタ261を通過した第3の波長変換光14cは、計測装置64に送出される。
光フィルタ261は例えば、図17の光フィルタ60と同様、誘電体多層膜を有する光フィルタである。
―計測装置64―
計測装置64(図33参照)は光フィルタ261からの第3の波長変換光14cを受信して、第3の波長変換光14cの強度を示すデジタル信号(すなわち、「計測の結果230」)を制御部26(図31参照)に送信する。計測装置64は例えば、図17を参照して説明した装置である。
(6)変形例
図52は、実施の形態3の変形例を説明する図である。図52に示すように、変形例の波長変換装置202Mは、光スプリッタ262(図33参照)と光フィルタ261の代わりに光分波器263を有する。
光分波器263は、光フィルタ260を通過した光(すなわち、波長変換光214および第3の波長変換光14c)のうち第3の波長変換光14cを計測装置64に送出し、波長変換光214を出力ポートPoutに送出する。
換言するならば、光分波器263は、光フィルタ260を通過した互いに波長が異なる複数の光(すなわち、第2の光212b)から該複数の光のうちの一部(ここでは、第3の波長変換光14c)を分岐する。光分波器263は更に、第2の光212bのうちの残りの部分(ここでは、波長変換光214)を出力ポートPoutに送出する。光フィルタ263は例えば、誘電体多層膜と該誘電体多層膜を挟む透明な一対のプリズムとを有する光学デバイスである。図52に示す例では、光分波器263の入力光(すなわち、第2の光212b)は非線形媒質204により生成された互いに波長の異なる複数の光である。
制御部206は、第2の光212bから分岐された分岐光の強度に基づいて非線形光学媒質204の温度を制御する。
以上の例では、付加光18は連続光である。しかし、付加光18はパルス光であってもよい。この場合、第3の波長変換光14cの検出(具体的には、光検出器66から出力される光電流の検出)を付加光18の生成と同期させることで、計測結果230の信号対雑音比を改善することができる。
更に、実施の形態3は、実施の形態1の変形例3の一例である。但し、実施の形態1の変形例3の信号光8の数は1つであるが、実施の形態3の信号光208の数は2つ以上である。従って、実施の形態3の波長変換装置および波長変換方法によれば、強度が変動する波長多重信号から波長変換光を生成しながら、環境温度の変化による波長変換効率の変動を抑制することができる。
実施の形態3では信号光208の強度とは無関係な付加光18の強度に基づいて、非線形光学媒質204の温度が制御されるので、実施の形態3によれば、信号光208の強度変化による波長変換効率の変動も抑制される。
(実施の形態4)
実施の形態2で説明した図12は、実施の形態4の波長変換装置302の機能ブロック図の一例も示している。実施の形態4の波長変換装置302および波長変換方法は、実施の形態1〜2(特に、実施の形態1の変形例4)の波長変換装置および波長変換方法に類似している。従って、実施の形態1〜2と同じ部分については、説明を省略または簡単にする。実施の形態4は、実施の形態1の変形例4の一例である。
(1)構造
実施の形態4の波長変換装置302(図12参照)は、非線形光学媒質304と、温度制御部306と、励起光供給部20とを有する。
励起光供給部20の構造は、実施の形態2で説明された。非線形光学媒質304は、実施の形態1で説明した媒質(例えば、単一モード光ファイバ)である。
温度制御部306は、加熱冷却部22と計測部324と制御部326とを有する。加熱冷却部22の構造は、実施の形態2で説明された。
(2)動作
以下、図12に示された各機能ブロック(例えば、励起光供給部20)の動作等が説明される。
(2−1)励起光供給部の動作
実施の形態2で説明した図13は、実施の形態4の波長変換装置302における信号光308等の流れの一例も示している。
励起光供給部20は励起光10を生成し、信号光308と励起光10とを合波する。非線形光学媒質304の入力光(すなわち、第1の光312a)は、信号光308と励起光10とを含む光である。
(2−2)非線形光学媒質の動作
図35は、信号光308等のスペクトルの一例を示す図である。横軸は、光の周波数である。縦軸は、光の強度(すなわち、光電力)である。実施の形態4の信号光308は例えば、図14を参照して説明した実施の形態2の信号光108である。すなわち、実施の形態4の信号光308は、波長多重された信号光である。実施の形態4はこの点で、信号光8が一つである実施の形態1の変形例4(図10参照)とは異なる。
非線形光学媒質304(図13参照)は、信号光308と励起光10とを含む入力光(すなわち、第1の光312a)から、新たな光(すなわち、第2の光312b)を生成する。
非線形光学媒質304は例えば、縮退4光波混合により信号光308と励起光10とから波長変換光314を生成する。波長変換光314は例えば、図14を参照して説明した実施の形態2の波長変換光114である。波長変換光314は、非縮退4光波混合により生成されてもよい。
非線形光学媒質304は更に、励起光10のラマン散乱によりストークス光301(図35参照)とアンチストークス光303とを生成する。非線形光学媒質304が生成する新たな光(すなわち、第2の光312b)は、波長変換光314とストークス光301とアンチストークス光303とを含む光である。
(2−3)温度制御部の動作
温度制御部306(図13参照)は、ストークス光301およびアンチストークス光303の強度を示す情報(すなわち、「計測の結果330」)を取得しながら、取得した情報に基づいて非線形光学媒質304の温度(すなわち、第1の温度)を制御する。
具体的には温度制御部306は、ラマン散乱光(すなわち、ストークス光301およびアンチストークス光)の強度に基づいて、非線形光学媒質304の温度が目標値に近づくように、非線形光学媒質304の温度を制御する。実施の形態4の第3の光312cは、ラマン散乱光である。
実施の形態1の変形例4で説明されたように、上記目標値は例えば、非線形光学媒質304の零分散波長と励起光10の波長との差の絶対値が一定値(すなわち、許容誤差)以下になる温度(第2の温度)である。
上述したように非線形光学媒質304は、非縮退4光波混合により波長変換光314を生成してもよい。この場合の目標値は、実施の形態1の変形例5で説明された。
(2−3−1)加熱冷却部の動作
加熱冷却部22の動作は、熱交換(熱28の供給および吸収)の相手が実施の形態2の非線形光学媒質104ではなく実施の形態4の非線形光学媒質304である点以外は、実施の形態2で説明した通りである。従って、加熱冷却部22の動作の説明は省略する。
(2−3−2)計測部の動作
計測部324(図13参照)は、非線形光学媒質304が生成する新たな光(すなわち、第2の光312b)に含まれるラマン散乱光(すなわち、ストークス光301とアンチストークス光303)の強度を計測する。
実施の形態4では、励起光10はラマン散乱のプローブ光としても用いられる。プローブ光の波長が1400〜1700nmの場合、プローブ光とストークス光301の波長差は100nm程度である。同様に、プローブ光とアンチストークス光303の波長差は100nm程度である。
Sバンド、Cバンド、Lバンドそれぞれの帯域幅は、約40nmである。従って、CバンドとSバンドの境界にプローブ光(すなわち、励起光10)を配置すると、CバンドおよびSバンドの外側にラマン散乱光を発生させることができる。同様に、CバンドとLバンドの境界にプローブ光(すなわち、励起光10)を配置すると、CバンドおよびLバンドの外側にラマン散乱光を発生させることができる。従って、光通信帯域(Sバンド、Cバンド、Lバンド等)内の信号光の波長変換光を発生させながら、励起光10のラマン散乱光を光通信帯域の外側に発生させることができる。
(2−3−3)制御部の動作
制御部326(図13参照)は、計測部324の計測の結果330に基づいて非線形光学媒質304の温度(すなわち、第1の温度)が目標値(すなわち、第1の温度の目標値)に近づくように、加熱冷却部22を制御する。
制御部326は例えば、計測部324の計測の結果330に基づいて非線形光学媒質304の温度に相当する量(以下、温度相当量と呼ぶ)を導出し、導出した温度相当量がその目標値(すなわち、温度相当量の目標値)に近づくように、加熱冷却部22を制御する。
ラマン散乱光の強度比(すなわち、Ias/Is)は、非線形光学媒質304の温度に応じて変化する。ここでIasは、アンチストークス光303の強度である。Isは、ストークス光301の強度である。上述された温度相当量は例えば、ラマン散乱光の強度比(すなわち、Ias/Is)である。
制御部326は、計測部324の計測の結果330に基づいて非線形光学媒質304の温度を導出し、導出した温度に基づいて加熱冷却部22を制御してもよい。
(2−4)波長変換光の出力
波長変換装置302(図13参照)は、第2の光312bに含まれる波長変換光314を出力する。
(3)波長変換効率の変動の抑制
温度制御部306は、励起光10のラマン散乱光の強度に基づいて非線形光学媒質304の温度が目標値に近づくように、非線形光学媒質304の温度を制御する。その結果、非線形光学媒質304の温度は環境温度が変化しても、目標値の近傍に保たれる。従って実施の形態4によれば、環境温度の変化による波長変換効率の変動が抑制される。
更に、実施の形態4では信号光308の強度とは無関係なラマン散乱光の強度に基づいて、非線形光学媒質304の温度が制御されるので、実施の形態4によれば、信号光308の強度変化による波長変換効率の変動も抑制される。
(4)波長変換方法
実施の形態4の波長変換方法は、図7を参照して説明した波長変換方法と略同じである。但し、ステップs2(図7参照)では、信号光308と励起光10とを含む第1の光312aが非線形光学媒質304に入力されて、波長変換光314とラマン散乱光とを含む第2の光312b(すなわち、「新たな光」)が生成される。
更にステップs4では、ステップs2が実行されながら、ラマン散乱光の強度に基づいて非線形光学媒質304の加熱および冷却の少なくとも一方が実行される。
ステップs6では、波長変換光314が出力される。
(5)ハードウエア構成
図36は、実施の形態4の波長変換装置302(図12参照)のハードウエア構成の一例を示す図である。波長変換装置302の各機能ブロック(例えば、計測部324)は、図36に示される1つまたは複数のハードウエアにより実現される。以下、波長変換装置302の各機能ブロックのハードウエア構成を説明する。
(5−1)励起光供給部のハードウエア構成
励起光供給部20(図12参照)のハードウエア構成は、実施の形態2で説明された。
(5−2)非線形光学媒質のハードウエア構成
非線形光学媒質304(図12参照)は例えば、実施の形態2の非線形光学媒質104と物理的には同じ部材(例えば、単一モード光ファイバー)である。
(5−3)加熱冷却部のハードウエア構成
加熱冷却部22(図12参照)は例えば、加熱冷却装置50(図36参照)を有する。加熱冷却装置50は、制御部326からのコマンド88に従って、非線形光学媒質304の温度を制御する。加熱冷却装置50は例えば、図16を参照して説明された実施の形態2の加熱冷却装置である。
(5−4)計測部のハードウエア構成
計測部324は例えば、光フィルタ360(図36参照)と光分波器305とを有する。計測部324は更に、第1の計測装置364aと第2の計測装置364bとを有する。
図37は、計測部324(図12参照)のハードウエア構成の一例を示す図である。
―光フィルタ360―
光フィルタ360は、非線形光学媒質304により生成された新たな光(すなわち、波長変換光314とラマン散乱光)を通過させ、励起光10と信号光308とを遮断する。光フィルタ360は例えば、図17を参照して説明した光フィルタ(誘電体多層膜を有する光フィルタ)である。
―光分波器305―
光分波器305(図36参照)は、光フィルタ360を通過した光からストークス光301を抽出し第1の計測装置364aに送出する。光分波器305は更に、光フィルタ360を通過した光からアンチストークス光303を抽出し、第2の計測装置364bに送出する。
光分波器305は更に、光フィルタ360を通過した光から波長変換光314を抽出し、出力ポートPoutに送出する。出力ポートPoutに到達した波長変換光314は、出力ポートPoutから波長変換装置302の外部に出力される。
光分波器305は例えば、第1の光分波器305a(図37参照)と第2の光分波器305bとを有する。第1の光分波器305aは光フィルタ360を通過した光から例えば、ストークス光301(図35参照)を抽出し第1の計測装置364a(図36参照)に送出する。第2の光分波器305b(図37参照)は第1の光分波器305aを通過した光からアンチストークス光303(図35参照)を抽出し第2の計測装置364b(図36参照)に送出する。
第1の光分波器305aは例えば、誘電体多層膜344aと誘電体多層膜344aを挟む透明な一対のプリズム346aとを有する。誘電体多層膜344aは波長変換光314とアンチストークス光303を通過させながら、ストークス光301を第1の計測装置364a側に反射する。
第2の光分波器305b(図37参照)は例えば、誘電体多層膜344bと誘電体多層膜344bを挟む透明な一対のプリズム346bとを有する。誘電体多層膜344bは波長変換光314を通過させながら、アンチストークス光303を第2の計測装置364b側に反射する。
―第1の計測装置364a―
第1の計測装置364a(図36参照)は光分波器305からストークス光301を受信して、ストークス光301の強度を示す第1の情報を制御部326(図13参照)に送信する。第1の情報は、計測部324の測定結果330(図13参照)に含まれる。
第1の計測装置364a(図36参照)は例えば、第1の光検出器366a(図37参照)と第1の電流-電圧変換回路368aと第1のアナログデジタル変換器370aとを有する。第1の光検出器366aは第1の光分波器305aからのストークス光301を受信し、受信したストークス光301を光電流に変換する。第1の電流-電圧変換回路368aはこの光電流を、電圧に変換する。第1のアナログデジタル変換器370aは、この電圧を第1のデジタル信号に変換して制御部326(図13参照)に送信する。第1のデジタル信号は、上記第1の情報の一例である。
―第2の計測装置364b―
第2の計測装置364b(図36参照)は光分波器305からアンチストークス光303を受信して、アンチストークス光303の強度を示す第2の情報を制御部326(図13参照)に送信する。第2の情報は、計測部324の測定結果330(図13参照)に含まれる情報である。
第2の計測装置364b(図36参照)は例えば、第2の光検出器366b(図37参照)と第2の電流-電圧変換回路368bと第2のアナログデジタル変換器370bとを有する。第2の光検出器366bは第2の光分波器305bからのアンチストークス光303を受信し、受信したアンチストークス光303を光電流に変換する。第2の電流-電圧変換回路368bはこの光電流を、電圧に変換する。第2のアナログデジタル変換器370bは、この電圧を第2のデジタル信号に変換して制御部326(図13参照)に送信する。第2のデジタル信号は、上記第2の情報の一例である。
(5−5)制御部のハードウエア構成
制御部326(図13参照)は例えば、制御装置358(図36参照)を有する。制御装置358は例えば、計測部324(図13参照)の計測結果330を受信しながら、非線形光学媒質304の温度が目標値に近づくように、加熱冷却部22を制御する。
制御装置358(図36参照)は、例えば図18を参照して説明した実施の形態2の制御装置と物理的には同じ装置である。制御装置358(すなわち、制御部326)は例えば、CPU74とメモリ72と不揮発性メモリ76と複数の入出力インターフェース80a〜80eとにより実現される。
不揮発性メモリ76には、第1の計測装置364aからの第1の情報と第2の計測装置364bからの第2の情報とを含む計測結果330に基づいて、加熱冷却装置50を制御する制御プログラムが記録されている。不揮発性メモリ76には更に、終了プログラム(実施の形態2参照)と後述するルックアップテーブルとが記録されている。
CPU74は例えば入出力インターフェース80dを介して、第1の計測装置364aの第1のアナログデジタル変換器370aに接続される。CPU74は更に別の入出力インターフェース80eを介して、第2の計測装置364bの第2のアナログデジタル変換器370bに接続される。
CPU74は、非線形光学媒質304が生成する第2の光312bに含まれる第3の光312c(すなわち、ラマン散乱光)の強度を示す情報(すなわち、「計測の結果330」)を取得しながら、取得した情報に基づいて加熱冷却部22を制御する。この情報を取得する際、CPU74は例えば、入出力インターフェース80d,80eを介して、第1の計測装置364aおよび第2の計測装置364bから、計測結果330を取得する。
―制御プログラム―
図38〜40は、実施の形態4の制御プログラムのフローチャートの一例を示す図である。図38〜40の各ステップは、制御部326(図12参照)により実行される。図41は、不揮発性メモリ76に記録されたルックアップテーブル307の一例を示す図である。
CPU74(図18参照)は入力装置84で行われる起動指示操作に応答して、不揮発性メモリ76から制御プログラムを読み出して実行する。図38〜40の各ステップのうち実施の形態2の制御プログラムに含まれるステップ(すなわち、破線の枠で囲われたステップ)の説明は、省略または簡単にする。
−ステップS302−
ステップS2の後CPU74は、複数の変数i,Inc,M1,M2に初期値を代入する。変数iの初期値は、例えば零である。変数Incの初期値は、例えば10である。変数iは、電流源54(図16参照)の出力電流である。変数Incは、変数iの増分である。変数iおよび変数Incの単位は、例えばmAである。
変数M1の初期値は例えば、ルックアップテーブル307の第2列に記録された強度比(Ias/Is)の最大値以上の値である。図38に示す例では、M1の初期値は2である。変数M2の初期値は例えば、零である。
−ステップS304−
ステップS302の後CPU74は、励起光10の波長λpの入力操作を促す画面を表示装置86に表示する。波長λpの入力操作は例えば、入力装置84で行われる。
−ステップS306−
ステップS304の後CPU74は、波長λpが入力されたか否か判定する。波長λpが入力されていない場合、CPU74はステップS306を再度実行する。波長λpが入力された場合、CPU74はステップS308に進む。
−ステップS308−
ステップS306の後CPU74は、ルックアップテーブル307を参照して、励起光10の波長λpに対応する目標値Rを決定する。目標値Rは、非線形光学媒質304の温度相当量(ここでは、ラマン散乱光の強度比)の目標値である。
ルックアップテーブル307の第1列には、非線形光学媒質304の温度が示されている。ルックアップテーブル307の第2列には、ラマン散乱光の強度比(すなわち、Ias/Is)が示されている。ルックアップテーブル307の第3列には、非線形光学媒質304の零分散波長が示されている。例えば非線形光学媒質304の温度が30℃の場合、非線形光学媒質304で発生するラマン散乱光の強度比は1.00である。非線形光学媒質304の温度が30℃の場合、非線形光学媒質304の零分散波長は1567.8nmである。ルックアップテーブル307には例えば、予め実測された情報が記録される。
ステップS306で入力が確認された波長λp(すなわち、励起光10の波長)が1567.8nmの場合、CPU74はルックアップテーブル307の第4行目に基づいて、目標値Rを1.00に決定する。目標値Rの値1.00は、非線形光学媒質304の温度30℃に相当する。
−ステップS310−
ステップS14の後CPU74は、計測部324(図13参照)の測定結果330を取得する。具体的にはCPU74は、ストークス光301の強度を示す第1の情報およびアンチストークス光303の強度を示す第2の情報を取得する。
−ステップS312−
ステップS310の後CPU74は、ステップS310で取得した測定結果330に基づいて、ラマン散乱光の強度比R(すなわち、Ias/Is)を算出する。
−ステップS314−
ステップS312の後CPU74は、ステップS312で算出した強度比RとステップS308で決定した目標値Rの差の絶対値(以下、強度偏差と呼ぶ)を変数M2に代入する。
−ステップS316−
ステップS314の後CPU74は、変数M2が変数M1より小さいか否か判定する。変数M2が変数M1より小さい場合、CPU74はステップS24に進む。変数M2が変数M1以上の場合、CPU74ステップS22に進む。
ステップS10〜S24により、電流源54(図16参照)の出力電流i(例えば、ペルチェ素子52の駆動電流)は、ラマン散乱光の強度比Rと目標値Rの強度偏差が減少するように繰り返し変更される。
ラマン散乱光の強度比Rは、非線形光学媒質304の温度に相当する量である。従って、CPU74が図38〜40に示された制御プログラムを実行することで、非線形光学媒質304の温度は目標値(例えば、30℃)の近傍に保持される。
この目標値(例えば、30℃)は、非線形光学媒質304の零分散波長(例えば、1567.8nm)と波長λ10が一致する温度である。従って、非線形光学媒質304の零分散波長は励起光10の波長λ10の近傍に保たれる。その結果、非線形光学媒質304の波長変換効率の変動が抑制される。
以上の例では、加熱冷却装置50(図36参照)は、図16を参照して説明した装置である。しかし、加熱冷却装置50は、実施の形態2の変形例4〜6の加熱冷却装置であってもよい。この場合CPU74は例えば、図38〜40の制御プログラムに図24のステップS28〜ステップS32を加えたプログラムを実行する。
(6)変形例
(6−1)変形例1
以上の例では波長変換装置302は、前方散乱されたラマン散乱光の強度に基づいて、非線形光学媒質304の温度を制御する。しかし、波長変換装置302は、後方散乱されたラマン散乱光の強度に基づいて、非線形光学媒質304の温度を制御してもよい。この場合、光分波器305(図36参照)は例えば、光合波器36と非線形光学媒質304の間に配置される。
従って変形例1によれば、光分波器305による波長変換光314の損失を回避することができる。
(6−2)変形例2
以上の例では波長変換装置302は、励起光10から生成されるラマン散乱光の強度に基づいて、非線形光学媒質304の温度を制御する。しかし波長変換装置302は、励起光10とは波長が異なるパルス光から生成されるラマン散乱光の強度に基づいて、非線形光学媒質304の温度を制御してもよい。この制御によれば、ラマン散乱光もパルス光なので、ラマン散乱光の強度の計測値(すなわち、「計測の結果330」)の信号対雑音比を改善することができる(実施の形態3の「(5−5)計測部のハードウエア構成」参照)。更にパルス光を用いることにより、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)による温度分布の測定が可能になるので、非線形光学媒質304の温度分布の制御も可能になる。
(7)偏波ダイバーシティ構成
実施の形態2〜3および本実施の形態(図36参照)では、励起光10の偏光方向が信号光108,208,308の偏光方向に一致させられその後、固定される。このため、信号光108,208,308の偏光方向が変化すると、信号光108,208,308の波長変換効率が低下する。信号光の偏光方向の変化による波長変換効率の低下は、偏波ダイバーシティ構成を用いることにより抑制できる。
以下、実施の形態2の波長変換装置102を用いた偏波ダイバーシティ構成が説明される。この説明に基づけば、実施の形態3または本実施の形態(図36参照)の波長変換装置202,302を用いた偏波ダイバーシティ構成の波長変換装置も、容易に実現できる。
(7−1)第1の偏波ダイバーシティ構成
図42は、第1の偏波ダイバーシティ構成が用いられた波長変換装置402D1の一例を示す図である。図42に示されているように波長変換装置402D1は、第1の波長変換装置102D1と第2の波長変換装置102D2とを有する。第1の波長変換装置102D1および第2の波長変換装置102D2は、実施の形態2の波長変換装置102(図15参照)である。従って、第1の波長変換装置102D1および第2の波長変換装置102D2それぞれに含まれる装置(例えば、制御装置)の説明は、省略または簡単にする。波長変換装置402D1は更に、偏波ビームスプリッタ309と偏波ビームコンバイナ311とを有する。
図43は、波長変換装置402D1における信号光108等の流れの一例を示す図である。偏波ビームスプリッタ309は信号光108を、第1の偏光P1(以下、H偏波と呼ぶ)と第2の偏光P2(以下、V偏波と呼ぶ)とに分割する。第1の偏光P1の偏光方向は、第1の偏光方向である。第2の偏光P2の偏光方向は、第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向である。
第1の波長変換装置102D1の光合波器36D1は、第1の偏光P1と第3の励起光10P1とを合波する。第3の励起光10P1は、偏波コントローラ34D1により偏光方向が第1の偏光方向に一致するように制御される点を除き、図13を参照して説明した励起光10と実質的に同じ光である。光合波器36D1は、図15を参照して説明した光合波器36と物理的には同じ装置である。同様に、偏波コントローラ34D1は、図15を参照して説明した偏波コントローラ34と物理的には同じ装置である。
第1の波長変換装置102D1の非線形光学媒質104D1は、偏光方向が一致した第1の偏光P1と第3の励起光10P1とから波長変換光114D1aを生成する。
第2の波長変換装置102D2の光合波器36D2は、第2の偏光P2と第4の励起光10P2とを合波する。第4の励起光10P2は、偏波コントローラ34D2により偏光方向が第2の偏光方向に一致するように制御される点を除き、図13を参照して説明した励起光10と実質的に同じ光である。光合波器36D2は、図15を参照して説明した光合波器36と物理的には同じ装置である。同様に、偏波コントローラ34D2は、図15を参照して説明した偏波コントローラ34と物理的には同じ装置である。
第2の波長変換装置102D2の非線形光学媒質104D2は、偏光方向が一致した第2の偏光P2と第4の励起光10P2とから波長変換光114D1bを生成する。
偏波ビームコンバイナ311は、第1の波長変換装置102D1が生成する波長変換光114D1aと第2の波長変換装置102D2が生成する波長変換光114D1bとを合波して波長変換光414D1を生成する。
第1の偏光P1の偏光方向(すなわち、第1の偏光方向)と第3の励起光10P1の偏光方向(すなわち、第1の偏光方向)は一致している。従って、信号光108の偏光方向が変化しても、第1の偏光P1の波長変換効率E1D1は変化しない。同じ理由で、信号光108の偏光方向が変化しても、第2の偏光P2の波長変換効率E2D1は変化しない。従って、第1の偏光P1の第1の波長変換効率E1D1と第2の偏光P2の第2の波長変換効率E2D1が略一致すれば、波長変換装置402D1の波長変換効率は、信号光108の偏光方向の変化に影響されない。
第1の波長変換効率E1D1と第2の波長変換効率E2D1とを略一致させることは、容易である。例えば先ず、第1の波長変換装置102D1の非線形光学媒質104D1の材料および構造と第2の波長変換装置102D2の非線形光学媒質104D2の材料および構造を一致させる。更に、第3の励起光10P1の強度と第4の励起光10P2の強度を一致させることで、第1の波長変換効率E1D1と第2の波長変換効率E2D1とを一致させることができる。従って、図43の波長変換装置402D1によれば、信号光108の偏光方向の変化による波長変換効率の変動の抑制が可能である。
図42に示された例では、第1の波長変換装置102D1および第2の波長変換装置102D2は、実施の形態1の波長変換装置102である。しかし、第1の波長変換装置102D1および第2の波長変換装置102D2は、実施の形態3および本実施の形態(図36参照)の波長変換装置であってもよい。更に、第1の波長変換装置102D1および第2の波長変換装置102D2は、実施の形態2〜3の各変形例の波長変換装置または本実施の形態(図36参照)の各変形例の波長変換装置であってもよい。
(7−2)第2の偏波ダイバーシティ構成
図44は、第2の偏波ダイバーシティ構成が用いられた波長変換装置402D2の一例を示す図である。図44に示されているように波長変換装置402D2は、実施の形態2の波長変換装置102(図15参照)に含まれる装置(例えば、光合波器36)の略全てを有する。但し、波長変換装置402D2は実施の形態2の制御装置58の代わりに、別の制御装置58D2を有する。図44の波長変換装置402D2は、実施の形態2の波長変換装置102の一変形例である。
制御装置58D2は、実施の形態2の制御装置58と略同じ構造を有する。更に制御装置58D2は、制御装置58と略同じ動作をする。
但し制御装置58D2は、後述する第1の加熱冷却装置50aと同じく後述する第2の加熱冷却装置50bとに接続され、第1の加熱冷却装置50aと第2の加熱冷却装置50bの両方を制御する。制御装置58D2は例えば、第1〜第2の加熱冷却装置50a,50bそれぞれに同じコマンド88(例えば、図19のステップ12で送信するコマンド)を送信して、第1の加熱冷却装置50aおよび第2の加熱冷却装置50bを制御する。制御装置58D2は、実施の形態2の制御装置58の一変形例である。
波長変換装置402D2は、第1の非線形光学媒質104aと第2の非線形光学媒質104bとを有する。第1の非線形光学媒質104aおよび第2の非線形光学媒質104bは、図15を参照して説明した非線形光学媒質104と物理的には同じ部材である。波長変換装置402D2は、第1の加熱冷却装置50aと第2の加熱冷却装置50bとを有する。第1の加熱冷却装置50aおよび第2の加熱冷却装置50bは、図15を参照して説明した加熱冷却装置50と物理的には同じ装置である。
波長変換装置402D2は更に、偏波ビームスプリッタ309と偏波ビームコンバイナ311とを有する。
図45は、波長変換装置402D2における信号光108等の流れの一例を示す図である。光合波器36は、励起光10D2と信号光108とを合波して、第1の光112aD2を出力する。励起光10D2は、偏波コントローラ34により偏光方向が第3の偏光方向に一致するように制御された光である。励起光10D2は、この点で実施の形態2の励起光10と異なりその他の点では略一致する光である。第3の偏光方向は、第1および第2の偏光方向(「(7−1)第1の偏波ダイバーシティ構成」参照)それぞれに対して45°傾いた方向である。
偏波ビームスプリッタ309は第1の光112aD2を、第1の偏光P1(すなわち、H偏波)と第2の偏光P2(すなわち、V偏波)とに分割する。偏波ビームスプリッタ309は、第1の偏光P1を第1の非線形光学媒質104aに送出する。偏波ビームスプリッタ309は更に、第2の偏光P2を第2の非線形光学媒質104bに送出する。
第1の偏光P1は、励起光10D2の第1の偏光方向の成分(以下、第1の励起光成分と呼ぶ)および信号光108の第1の偏光方向の成分(以下、第1の信号光成分と呼ぶ)を含む。第1の非線形光学媒質104aは、第1の励起光成分と第1の信号光成分とから波長変換光114D2aを生成する。
第2の偏光P2は、励起光10D2の第2の偏光方向の成分(以下、第2の励起光成分と呼ぶ)および信号光108の第2の偏光方向の成分(以下、第2の信号光成分と呼ぶ)を含む。第2の非線形光学媒質104bは、第2の励起光成分と第2の信号光成分とから波長変換光114D2bを生成する。
偏波ビームコンバイナ311は、波長変換光114D2aと波長変換光114D2bとを合波して波長変換光414D2を生成する。第1の励起光成分の偏光方向(すなわち、第1の偏光方向)と第1の信号光成分の偏光方向(すなわち、第1の偏光方向)は一致している。従って、信号光108の偏光方向が変化しても、第1の信号光成分の波長変換効率E1D2は変化しない。同じ理由で、信号光108の偏光方向が変化しても、第2の信号光成分の波長変換効率E2D2は変化しない。
ところで、励起光10D2の偏光方向である第3の偏光方向は第1の偏光方向および第2の偏光方向に対して45°傾いているので、第1の励起光成分の強度は、第2の励起光成分の強度と同じである。従って、第1の非線形光学媒質104aの材料および構造と第2の非線形光学媒質104bの材料および構造を一致させることで、第1の信号光成分の波長変換効率E1D2と第2の信号光成分の波長変換効率E2D2とを一致させることができる。
両方の波長変換効率E1D2,E2D2が略同じであれば、信号光108の波長変換効率は、信号光108の偏光方向に影響されない。従って、図44の波長変換装置402D2によれば、信号光108の偏光方向の変化による波長変換効率の変動が抑制される。更に図44の波長変換装置402D2によれば、第1の偏波ダイバーシティ構成が用いられた波長変換装置402D1より装置構造を簡素化できる。
図44の波長変換装置402D2は、実施の形態2の波長変換装置102(図15参照)に基づく装置である。しかし波長変換装置402D2は、実施の形態3および本実施の形態(図36参照)の波長変換装置に基づく装置であってもよい。更に波長変換装置402D2は、実施の形態2〜3の各変形例の波長変換装置または本実施の形態(図36参照)の各変形例の波長変換装置に基づく装置であってもよい。例えば波長変換装置402D2は、付加光供給部201(図30参照)を有する装置であってもよい。
(7−3)第3の偏波ダイバーシティ構成
図46は、第3の偏波ダイバーシティ構成が用いられた波長変換装置402D3の一例を示す図である。図46に示されているように波長変換装置402D3は、実施の形態2の波長変換装置102(図15参照)に含まれる装置(例えば、光合波器36)の略全てを有する。但し図46の波長変換装置402D3は、光フィルタ60は有さない。
図46の波長変換装置402D3では、光フィルタ60に代わりに、例えば光合波器36が波長変換光と共に伝搬する励起光を除去する。波長変換装置402D3は更に、偏波ビームスプリッタ309と光分波器313と偏波制御器315とを有する。波長変換装置402D3は、実施の形態2の波長変換装置102の一変形例である。
図47は、波長変換装置402D3における信号光108等の流れの一例を示す図である。光分波器313は、信号光108を通過させる。光分波器313は例えば、図37を参照して説明した第1の光分波器305a(または、第2の光分波器305b)と物理的には同じ装置である。
光合波器36は、光分波器313を通過した信号光108と励起光10D2とを合波して、第1の光112aD3を出力する。励起光10D2は、偏波コントローラ34により偏光方向が第3の偏光方向(「(7−2)第2の偏波ダイバーシティ構成」参照)に一致するように制御された光である。励起光10D2は、図45を参照して説明した励起光10D2である。偏波コントローラ34は、図15を参照して説明した偏波コントローラ34と物理的には同じ装置である。
偏波ビームスプリッタ309は第1の光112aD3を、第1の偏光P1(例えば、H偏波)と第2の偏光P2(例えば、V偏波)とに分割する。第1の偏光P1の偏光方向は例えば、第1の偏光方向である。第2の偏光P2の偏光方向は例えば、第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向である。
偏波ビームスプリッタ309は、第1の偏光P1を非線形光学媒質104の一端に送出する。偏波ビームスプリッタ309は更に、第2の偏光P2を、偏波制御器315を介して非線形光学媒質104の他端に送出する。
非線形光学媒質104は、第1の偏光P1から第4の波長変換光(図示せず)を生成する。偏波制御器315は、生成された第4の波長変換光の偏光方向を第1の偏光方向から第2の偏光方向に変更する。
偏波制御器315は更に、第2の偏光P2の偏光方向を第2の偏光方向から第1の偏光方向に変更する。非線形光学媒質104は、偏向方向が変更された第2の偏光P2から第5の波長変換光(図示せず)を生成する。
偏波ビームスプリッタ309は、第4の波長変換光と第5の波長変換光とを合波して波長変換光414D3を生成する。生成された波長変換光414D3は、光合波器36を通過し光分波器313に入射する。光分波器313は、光合波器36を通過した波長変換光414D3を光スプリッタ62に送出する。波長変換光414D3は、光スプリッタ62を介して波長変換装置402D3の外部に出力される。
波長変換装置402D3では、第1の偏光方向および第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向に対して45°傾いた励起光10D2を用いて波長変換光414D3を生成するので、信号光108の偏光方向の変化による波長変換効率の変動が抑制される(「(7−2)第2の偏波ダイバーシティ構成」参照)。
更に、図46の波長変換装置402D3によれば、非線形光学媒質104における波長変換効率の偏光方向依存性の影響が抑制される。大半の非線形光学媒質104では、第1の偏光方向の光(すなわち、H偏波)の波長変換効率と第2の偏光方向の光(すなわち、V偏波)の波長変換効率とは僅かに異なる。
図46の波長変換装置402D3では、第2の偏光P2(図47参照)は偏波制御器315により、偏光方向が第1の偏光方向に変換されてから非線形光学媒質104に入射する。従って、第1の偏光P1の偏光方向と第2の偏光P2の偏光方向は、非線形光学媒質104に入射する時点では同じである。
このため、第1の偏光P1および第2の偏光P2の波長変換効率は、偏光方向に影響されず実質的に同一である。従って、図46の波長変換装置402D3によれば、波長変換効率の偏光方向依存性の影響が抑制される。
図46の波長変換装置402D3は、実施の形態2の波長変換装置102(図15参照)に基づく装置である。しかし波長変換装置402D3は、実施の形態3および本実施の形態(図36参照)の波長変換装置に基づく装置であってもよい。更に波長変換装置402D3は、実施の形態2〜3の各変形例の波長変換装置または本実施の形態(図36参照)の各変形例の波長変換装置に基づく装置であってもよい。例えば波長変換装置402D3は、付加光供給部201(図31参照)を有する装置であってもよい。
(8)光送信装置への応用
図48は、実施の形態1〜3または本実施の形態(図36参照)の波長変換装置を有する光送信装置317の一例を示す図である。図49は、光送信装置317における信号光等の流れの一例を示す図である。
光送信装置317は、C帯の信号光を処理する装置(C帯の光送信機やC帯の光増幅器)を用いて、S帯、C帯およびL帯に亘る複数の信号光を送信する装置である。
光送信装置317は、複数のC帯送信機319a(図49参照)と、複数のC帯送信機319aが出力する複数の信号光321aを合波する第1のC帯光合波器323aを有する。複数の信号光321aは、互いに波長が異なる信号光である。C帯送信機とは、C帯の信号光を出力する光送信機のことである。C帯光合波器とは、C帯の信号光を合波する光合波器のことである。
光送信装置317は更に、複数のC帯送信機319b(図49参照)と、複数のC帯送信機319bが出力する複数の信号光321bを合波する第2のC帯光合波器323bを有する。複数の信号光321bは、互いに波長が異なる信号光である。
光送信装置317は更に、複数のC帯送信機319cと、複数のC帯送信機319cが出力する複数の信号光321c(図49参照)を合波する第3のC帯光合波器323cを有する。複数の信号光321cは、互いに波長が異なる信号光である。
光送信装置317は更に、第1のC帯光合波器323aにより合波された複数の信号光321aを含む第1の波長多重光325aを増幅する第1のC帯光増幅器(すなわち、C帯の信号光を増幅する光増幅器)327aを有する。光送信装置317は更に、第2のC帯光合波器323bにより合波された複数の信号光321bを含む第2の波長多重光325bを増幅する第2のC帯光増幅器327bを有する。光送信装置317は更に、第3のC帯光合波器323cにより合波された複数の信号光321cを含む第3の波長多重光325cを増幅する第3のC帯光増幅器327cを有する。
光送信装置317は更に、増幅された第1の波長多重光325aからL帯の光(以下、第1の波長変換光314aと呼ぶ)を生成する波長変換装置(以下、C帯L帯波長変換装置と呼ぶ)402aを有する。C帯L帯波長変換装置402aは例えば、図42を参照して説明した偏波ダイバーシティ構成の波長変換装置402D1である。C帯L帯波長変換装置402aの励起光10P1,10P2は例えば、波長がC帯とL帯の境界に位置する光である。
光送信装置317は更に、増幅された第3の波長多重光325cからS帯の光(以下、第2の波長変換光314bと呼ぶ)を生成する波長変換装置(以下、C帯S帯波長変換装置と呼ぶ)402bを有する。C帯S帯波長変換装置402bは例えば、図42を参照して説明した偏波ダイバーシティ構成の波長変換装置402D1である。C帯S帯波長変換装置402bの励起光10P1,10P2は例えば、波長がC帯とS帯の境界に位置する光である。
C帯L帯波長変換装置402aおよびC帯S帯波長変換装置402bは例えば、図44を参照して説明した波長変換装置402D2または図46を参照して説明した波長変換装置402D3であってもよい。
光送信装置317は更に、第1の波長変換光314aと、増幅された第2の波長多重光325bと、第2の波長変換光314bとを合波して、出力光327を形成する光合波器329を有する。出力光327は、L帯の波長多重光である第1の波長変換光314aと、C帯の波長多重光である第2の波長多重光325bと、S帯の波長多重光である第2の波長変換光314bとを含む。
すなわち光送信装置317は、C帯の信号光を処理する装置(C帯の光送信機やC帯の光増幅器)を用いて、S帯、C帯およびL帯に亘る複数の信号光(すなわち、出力光327)を送信する光送信装置である。
S帯の信号光を処理する装置、C帯の信号光を処理する装置およびL帯の信号光を処理する装置を用意して光送信装置を製造することは、光送信装置の製造を複雑にする。一方、図48の光送信装置317はC帯の信号光を処理する装置を用意するだけで製造可能なので、図48の光送信装置317によれば製造の複雑さが抑制される。
更に、偏波ダイバーシティ構成の波長変換装置が用いられるので、図48の光送信装置317によれば、信号光321a,321b,321cの偏光方向の変化に出力光327が影響され難い光送信装置が提供される。
(9)光受信装置への応用
図50は、実施の形態1〜3および本実施の形態(図36参照)の波長変換装置を有する光受信装置331の一例を示す図である。図51は、光受信装置331における信号光等の流れの一例を示す図である。
光受信装置331は、C帯の信号光を処理する装置(C帯の光受信機やC帯の光増幅器)を用いて、S帯、C帯およびL帯に亘る複数の信号光を受信し電気信号に変換する装置である。
図50の光受信装置331は、図48の光送信装置317の出力光327を受信して電気信号に変換する装置である。光受信装置331は入力光333(図51参照)を、L帯の第1の波長変換光314a(図49参照)と、C帯の第2の波長多重光325bと、S帯の第2の波長変換光314bとに分割する光分波器335(図51参照)を有する。ここでは入力光333は、光伝送路(図示せず)を介して光受信装置331に入射する光送信装置317の出力光327である。
光受信装置331は更に、第1の波長変換光314aからC帯の光(以下、第3の波長変換光314cと呼ぶ)を生成する波長変換装置(以下、L帯C帯波長変換装置と呼ぶ)402cを有する。L帯C帯波長変換装置402cは例えば、図42を参照して説明した偏波ダイバーシティ構成の波長変換装置402D1である。L帯C帯波長変換装置402cの励起光10P1,10P2は例えば、波長がL帯とC帯の境界に位置する光である。第3の波長変換光314cは、L帯C帯波長変換装置402cにより再生された第1の波長多重光325aである。
光受信装置331は更に、第2の波長変換光314bからC帯の光(以下、第4の波長変換光314dと呼ぶ)を生成する波長変換装置(以下、S帯C帯波長変換装置と呼ぶ)402dを有する。S帯C帯波長変換装置402dは例えば、図42を参照して説明した偏波ダイバーシティ構成の波長変換装置402D1である。S帯C帯波長変換装置402dの励起光10P1,10P2は例えば、波長がS帯とC帯の境界に位置する光である。第4の波長変換光314dは、S帯C帯波長変換装置402dにより再生された第3の波長多重光325cである。
L帯C帯波長変換装置402cおよびS帯C帯波長変換装置402dは例えば、図44を参照して説明した波長変換装置402D2または図46を参照して説明した波長変換装置402D3であってもよい。
光受信装置331は更に、第3の波長変換光314cを増幅する第4のC帯光増幅器327dを有する。光受信装置331は更に、第2の波長多重光325bを増幅する第5のC帯光増幅器327eを有する。光受信装置331は更に、第4の波長変換光314dを増幅する第6のC帯光増幅器327fを有する。
光受信装置331は更に、増幅された第3の波長変換光314cを複数の信号光321dに分割する第1のC帯光分波器(すなわち、C帯の複数の信号光を波長に応じて分離する分波器)337aを有する。信号光321dは、L帯C帯波長変換装置402cにより再生された第1の信号光321a(図49参照)である。第1の信号光321aは、C帯の信号光である。
光受信装置331は更に、増幅された第2の波長多重光325bを第2の信号光321b(図49参照)に分割する第2のC帯光分波器337bを有する。第2の信号光321bは、C帯の信号光である。
光受信装置331は更に、増幅された第4の波長変換光314dを複数の信号光321eに分割する第3のC帯光分波器337cを有する。信号光321eは、S帯C帯波長変換装置402dにより再生された第3の信号光321c(図49参照)である。第3の信号光321cは、C帯の信号光である。
光受信装置331は更に、第4の信号光321dを受信して電気信号に変換する複数のC帯光受信機(すなわち、C帯の信号光を電気信号に変換する光受信機)339aを有する。光受信装置331は更に、第2の信号光321bを受信して電気信号に変換する複数のC帯光受信機339bを有する。光受信装置331は更に、第5の信号光321eを受信して電気信号に変換する複数のC帯光受信機339cを有する。
すなわち光受信装置331は、C帯の信号光を処理する装置(C帯の光受信機やC帯の光増幅器)を用いて、S帯、C帯およびL帯に亘る複数の信号光(すなわち、入力光333)を受信する光受信装置である。
S帯の信号光を処理する装置、C帯の信号光を処理する装置およびL帯の信号光を処理する装置を用意して光受信装置を製造することは、光受信装置の製造を複雑にする。一方、図50の光受信装置331はC帯の信号光を処理する装置を用意するだけで製造可能なので、図50の光受信装置331によれば製造の複雑さが抑制される。
更に、偏波ダイバーシティ構成の波長変換装置が用いられるので、図50の光受信装置331によれば、入力光333の偏光方向の変化に影響され難い光受信装置が提供される。
実施の形態4は、実施の形態1の変形例4の一例である。但し、実施の形態1の変形例4の信号光8の数は1つであるが、実施の形態4の信号光308の数は2つ以上である。従って、実施の形態4の波長変換装置および波長変換方法によれば、強度が変動する波長多重信号から波長変換光を生成しながら、環境温度の変化による波長変換効率の変動を抑制することができる。
更に、実施の形態4では信号光308の強度とは無関係なラマン散乱光の強度に基づいて、非線形光学媒質304の温度が制御されるので、実施の形態4によれば、信号光308の強度変化による波長変換効率の変動も抑制される。
更に、波長変換のための励起光10によりラマン散乱光を生成するので、実施の形態4によれば、装置の大型化(例えば、付加光供給部の増設)を伴わずに、信号光308の強度変化による波長変換効率の変動を抑制できる。
以上の実施の形態1〜4に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
信号光および前記信号光とは波長が異なると共に前記信号光より電界強度が強い励起光から、前記信号光および前記励起光とは波長が異なる光を生成する非線形光学媒質と、
前記光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御する温度制御部とを有し、
前記光を出力する
波長変換装置。
(付記2)
前記温度制御部は、前記光の強度が増加するように前記非線形光学媒質の前記第1の温度を制御することを
特徴とする付記1に記載の波長変換装置。
(付記3)
前記温度制御部は、前記光から分岐された分岐光の強度に基づいて前記非線形光学媒質の第1の温度を制御し、
前記光が互いに波長が異なる複数の生成光を含む場合、
前記分岐光は、各生成光を分割した複数の分割光または前記複数の生成光のうちの一部を含むことを
特徴とする付記1または2に記載の波長変換装置。
(付記4)
前記信号光は、第1の信号光および前記第1の信号光とは波長が異なる第2の信号光を含み、
前記光は、前記第1の信号光と前記励起光とから生成される第1の波長変換光および前記第2の信号光と前記励起光とから生成される第2の波長変換光を含むことを
特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の波長変換装置。
(付記5)
温度制御部は、前記第1の波長変換光および前記第2の波長変換光のうち波長が前記励起光の波長から最も離れた光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御することを
特徴とする付記4に記載の波長変換装置。
(付記6)
前記非線形光学媒質は、前記信号光、前記励起光、および前記信号光および前記励起光とは波長が異なる付加光から、前記信号光、前記励起光および前記付加光とは波長が異なる前記光を生成し、
前記光は、前記信号光と前記励起光から生成される波長変換光および前記付加光と前記励起光とから生成される第3の波長変換光を含み、
前記温度制御部は、前記光のうちの前記第3の波長変換光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御し、
前記光のうちの少なくとも前記波長変換光を出力することを
特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の波長変換装置。
(付記7)
前記温度制御部は、前記光の強度に基づいて前記第1の温度が前記第1の温度の目標値に近づくように、前記非線形光学媒質の前記第1の温度を制御することを
特徴とする付記1に記載の波長変換装置。
(付記8)
前記目標値は、前記励起光の波長と前記非線形光学媒質の零分散波長との差の絶対値が一定値以下になる第2の温度であることを
特徴とする付記7に記載の波長変換装置。
(付記9)
前記励起光は、第1の励起光と前記第1の励起光とは波長が異なる第2の励起光とを含み、
前記目標値は、前記第1の励起光の周波数と前記第2の励起光の周波数の平均値に相当する波長と前記非線形光学媒質の零分散波長との差異が一定値以下になる第3の温度であることを
特徴とする付記7に記載の波長変換装置。
(付記10)
前記光は、前記信号光と前記励起光から生成される波長変換光および前記励起光からラマン散乱により生成されるストークス光とアンチストークス光とを含み、
前記温度制御部は、前記光のうちの前記ストークス光および前記アンチストークス光それぞれの強度に基づいて、前記第1の温度が前記目標値に近づくように前記非線形光学媒質の前記第1の温度を制御し、
前記光のうちの少なくとも前記波長変換光を出力することを
特徴とする付記7乃至9のいずれか1項に記載の波長変換装置。
(付記11)
前記光は、前記非線形光学媒質の2次の非線形分極または3次の非線形分極により生成されることを
特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の波長変換装置。
(付記12)
前記温度制御部は、前記非線形光学媒質の加熱および冷却の少なくとも一方を行う加熱冷却部と、前記光の強度に基づいて前記加熱冷却部を制御する制御部とを有することを
特徴とする付記1乃至11のいずれか1項に記載の波長変換装置。
(付記13)
前記温度制御部は更に、前記光の強度を計測する計測部を有し、
前記制御部は、前記計測の結果に基づいて前記加熱冷却部を制御することを
特徴とする付記12に記載の波長変換装置。
(付記14)
前記加熱冷却部は、前記非線形光学媒質を囲う被膜と、前記被膜に埋め込まれた電熱線と、前記電熱線に電力を供給する第1の電源とを有し、
前記制御部は、前記光の強度に基づいて前記第1の電源を制御することを
特徴とする付記12または13に記載の波長変換装置。
(付記15)
前記加熱冷却部は、前記非線形光学媒質を囲うと共に赤外線を吸収して発熱する材料を含む被膜と、前記被膜に照射されまたは前記非線形光学媒質を導波する前記赤外線を生成する光源と、前記光源に電力を供給する第2の電源とを有し、
前記制御部は、前記光の強度に基づいて前記第2の電源を制御することを
特徴とする付記12または13に記載の波長変換装置。
(付記16)
前記加熱冷却部は、前記非線形光学媒質が浸された液体と、前記液体を介して前記非線形光学媒質の加熱および冷却の少なくとも一方を行う装置とを有することを
特徴とする付記12または13に記載の波長変換装置。
(付記17)
前記制御部は、メモリと、前記メモリに結合されたプロセッサとを有し、
前記プロセッサは、前記光の強度を示す情報を取得しながら、取得した前記情報に基づいて前記加熱冷却部を制御するように構成されていることを
特徴とする付記12乃至16のいずれか1項に記載の波長変換装置。
(付記18)
信号光および前記信号光とは波長が異なると共に前記信号光より電界強度が強い励起光を非線形光学媒質に入力して、前記信号光および前記励起光とは波長が異なる光を生成する工程と
前記生成する工程を実行しながら、前記光の強度に基づいて前記非線形光学媒質の第1の温度を制御する工程と、
前記光を出力する工程とを有する
波長変換方法。
(付記19)
前記制御する工程では、前記光の強度が増加するように前記非線形光学媒質の前記第1の温度を制御することを
特徴とする付記18に記載の波長変換方法。
(付記20)
信号光および前記信号光とは波長が異なると共に前記信号光より電界強度が強い励起光から前記信号光および前記励起光とは波長が異なる波長変換光を生成し更に、前記信号光および前記励起光とは波長が異なる付加光と前記励起光とから第3波長変換光を生成する非線形光学媒質と、
前記第3波長変換光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御する温度制御部とを有し、
前記波長変換光を出力する
波長変換装置。
2,102,202,302・・・波長変換装置
4・・・非線形光学媒質
6,106,206・・・温度制御部
8,108,208,308・・・信号光
8a,108a,212a,312a・・・第1の信号光
8b,108b,212b,312b・・・第2の信号光
10・・・励起光
12a,112a,212a・・・第1の光
12b,112b,212b・・・第2の光
12c,112c,212c,312c・・・第3の光
14,114,214,314・・・波長変換光
14a,114a・・・第1波長変換光
14b,114b・・・第2波長変換光
14c・・・・第3の波長変換光
18・・・付加光
20・・・励起光供給部
22・・・加熱冷却部
24・・・計測部
26・・・制御部
49・・・液体
90M4,90M5・・・被膜
92・・・電熱線
94a・・・第1の電源 94b・・・第2の電源
96M5,96M6・・・光源

Claims (17)

  1. 信号光および前記信号光とは波長が異なると共に前記信号光より電界強度が強い励起光から、前記信号光および前記励起光とは波長が異なる光を生成する非線形光学媒質と、
    前記光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御する温度制御部とを有し、
    前記光を出力する
    波長変換装置。
  2. 前記温度制御部は、前記光の強度が増加するように前記非線形光学媒質の前記第1の温度を制御することを
    特徴とする請求項1に記載の波長変換装置。
  3. 前記温度制御部は、前記光から分岐された分岐光の強度に基づいて前記非線形光学媒質の第1の温度を制御し、
    前記光が互いに波長が異なる複数の生成光を含む場合、
    前記分岐光は、各生成光を分割した複数の分割光または前記複数の生成光のうちの一部を含むことを
    特徴とする請求項1または2に記載の波長変換装置。
  4. 前記信号光は、第1の信号光および前記第1の信号光とは波長が異なる第2の信号光を含み、
    前記光は、前記第1の信号光と前記励起光とから生成される第1の波長変換光および前記第2の信号光と前記励起光とから生成される第2の波長変換光を含むことを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の波長変換装置。
  5. 温度制御部は、前記第1の波長変換光および前記第2の波長変換光のうち波長が前記励起光の波長から最も離れた光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御することを
    特徴とする請求項4に記載の波長変換装置。
  6. 前記非線形光学媒質は、前記信号光、前記励起光、および前記信号光および前記励起光とは波長が異なる付加光から、前記信号光、前記励起光および前記付加光とは波長が異なる前記光を生成し、
    前記光は、前記信号光と前記励起光から生成される波長変換光および前記付加光と前記励起光とから生成される第3の波長変換光を含み、
    前記温度制御部は、前記光のうちの前記第3の波長変換光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御し、
    前記光のうちの少なくとも前記波長変換光を出力することを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の波長変換装置。
  7. 前記温度制御部は、前記光の強度に基づいて前記第1の温度が前記第1の温度の目標値に近づくように、前記非線形光学媒質の前記第1の温度を制御することを
    特徴とする請求項1に記載の波長変換装置。
  8. 前記目標値は、前記励起光の波長と前記非線形光学媒質の零分散波長との差の絶対値が一定値以下になる第2の温度であることを
    特徴とする請求項7に記載の波長変換装置。
  9. 前記励起光は、第1の励起光と前記第1の励起光とは波長が異なる第2の励起光とを含み、
    前記目標値は、前記第1の励起光の周波数と前記第2の励起光の周波数の平均値に相当する波長と前記非線形光学媒質の零分散波長との差異が一定値以下になる第3の温度であることを
    特徴とする請求項7に記載の波長変換装置。
  10. 前記光は、前記信号光と前記励起光から生成される波長変換光および前記励起光からラマン散乱により生成されるストークス光とアンチストークス光とを含み、
    前記温度制御部は、前記光のうちの前記ストークス光および前記アンチストークス光それぞれの強度に基づいて、前記第1の温度が前記目標値に近づくように前記非線形光学媒質の前記第1の温度を制御し、
    前記光のうちの少なくとも前記波長変換光を出力することを
    特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の波長変換装置。
  11. 前記光は、前記非線形光学媒質の2次の非線形分極または3次の非線形分極により生成されることを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の波長変換装置。
  12. 前記温度制御部は、前記非線形光学媒質の加熱および冷却の少なくとも一方を行う加熱冷却部と、前記光の強度に基づいて前記加熱冷却部を制御する制御部とを有することを
    特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の波長変換装置。
  13. 前記加熱冷却部は、前記非線形光学媒質を囲う被膜と、前記被膜に埋め込まれた電熱線と、前記電熱線に電力を供給する第1の電源とを有し、
    前記制御部は、前記光の強度に基づいて前記第1の電源を制御することを
    特徴とする請求項12に記載の波長変換装置。
  14. 前記加熱冷却部は、前記非線形光学媒質を囲うと共に赤外線を吸収して発熱する材料を含む被膜と、前記被膜に照射されまたは前記非線形光学媒質を導波する前記赤外線を生成する光源と、前記光源に電力を供給する第2の電源とを有し、
    前記制御部は、前記光の強度に基づいて前記第2の電源を制御することを
    特徴とする請求項12に記載の波長変換装置。
  15. 前記加熱冷却部は、前記非線形光学媒質が浸された液体と、前記液体を介して前記非線形光学媒質の加熱および冷却の少なくとも一方を行う装置とを有することを
    特徴とする請求項12に記載の波長変換装置。
  16. 信号光および前記信号光とは波長が異なると共に前記信号光より電界強度が強い励起光を非線形光学媒質に入力して、前記信号光および前記励起光とは波長が異なる光を生成する工程と
    前記生成する工程を実行しながら、前記光の強度に基づいて前記非線形光学媒質の第1の温度を制御する工程と、
    前記光を出力する工程とを有する
    波長変換方法。
  17. 信号光および前記信号光とは波長が異なると共に前記信号光より電界強度が強い励起光から前記信号光および前記励起光とは波長が異なる波長変換光を生成し更に、前記信号光および前記励起光とは波長が異なる付加光と前記励起光とから第3波長変換光を生成する非線形光学媒質と、
    前記第3波長変換光の強度に基づいて、前記非線形光学媒質の第1の温度を制御する温度制御部とを有し、
    前記波長変換光を出力する
    波長変換装置。
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