JP2021138915A - アリールアミン−フルオレン交互共重合体、ならびに当該共重合体を用いるエレクトロルミネッセンス素子材料およびエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

アリールアミン−フルオレン交互共重合体、ならびに当該共重合体を用いるエレクトロルミネッセンス素子材料およびエレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】エレクトロルミネッセンス素子の耐久性(特に発光寿命)を向上させる、アリールアミン−フルオレン交互共重合体、およびそれを用いたエレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】式(1)で示される構成単位(A)を有するアリールアミン−フルオレン交互共重合体。(式(1)中、R1〜R4は炭化水素基等を、L1とL2は芳香族炭化水素基等を、それぞれ表し、xは0、1または2であり、L2は、Ar1と環を形成してよく、Ar1は2価の芳香族複素環基等を表し、かつAr2またはL2と環を形成し、Ar2は芳香族炭化水素基等を表し、この際、Ar2は、Ar1と環を形成してよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、アリールアミン−フルオレン交互共重合体、ならびに当該共重合体を用いるエレクトロルミネッセンス素子材料およびエレクトロルミネッセンス素子に関する。
エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)は、研究開発が活発に進められている。特に、EL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視されている。EL素子は、陽極と陰極との間に数ナノメートルから数百ナノメートルの薄膜を有する発光素子である。また、EL素子は、通常、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などをさらに有する。
このうち、発光層としては、蛍光発光材料、りん光発光材料がある。りん光発光材料は、蛍光発光材料と比較し、高い発光効率が見込まれる材料である。また、広い色域を網羅するために、RGB光源は半値幅の狭い発光スペクトルが要求される。特に青色は深い青が要求されるが、長寿命かつ色純度の観点を満足できる素子は見出されていないのが現状である。
これらの問題を解決する方法として、発光材料に無機発光物質である「量子ドット」を用いる発光デバイスがある(特許文献1)。量子ドット(quantum dot;QD)は、数ナノメートルの大きさの結晶構造を有する半導体物質であって、数百から数千個程度の原子で構成されている。量子ドットは、大きさが非常に小さいため、単位体積当たりの表面積が広い。このため、大部分の原子がナノ結晶の表面に存在し、量子閉じ込め(quantum confinement)効果などを示す。このような量子閉じ込め効果により、量子ドットは、その大きさを調節することだけで発光波長を調節することができ、優れた色純度および高いPL(photoluminescence)発光効率などの特性を有するため、多くの関心を集めている。量子ドット発光素子(quantum dot electroluminescence device;QD LED)は、量子ドット発光層を間において両側に正孔輸送層(hole transport layer;HTL)および電子輸送層(electron transport layer;ETL)を含む3層構造の素子が基本素子として知られている。
特開2010−199067号公報
しかし、特許文献1に記載の正孔輸送材料を用いたエレクトロルミネッセンス素子(特に量子ドットエレクトロルミネッセンス素子)では、十分な耐久性(特に発光寿命)を達成することができなかった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、エレクトロルミネッセンス素子(特に量子ドットエレクトロルミネッセンス素子)の耐久性(特に発光寿命)を向上できる技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、特定の構造を有する高分子を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記目的は、下記式(1)で示される構成単位(A)を有するアリールアミン−フルオレン交互共重合体によって達成できる。
Figure 2021138915
上記式(1)中、
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表し、
は、置換されたもしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表し、
xは、0、1または2であり、xが2である場合には、Lはそれぞれ同じであってもまたは異なるものであってもよく、
は、置換されたもしくは非置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換されたもしくは非置換の芳香族複素環基を表し、この際、Lは、Arと環を形成してよく、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表し、かつArまたはLと環を形成し、
Arは、炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐した炭化水素基で置換された、炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、この際、Arは、Arと環を形成してよい。
本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子を示す模式図である。
第1の側面では、本発明は、下記式(1)で示される構成単位(A)を有するアリールアミン−フルオレン交互共重合体を提供する:
Figure 2021138915
上記式(1)中、
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表し、
は、置換されたもしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表し、
xは、0、1または2であり、xが2である場合には、Lはそれぞれ同じであってもまたは異なるものであってもよく、
は、置換されたもしくは非置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換されたもしくは非置換の芳香族複素環基を表し、この際、Lは、Arと環を形成してよく、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表し、かつArまたはLと環を形成し、
Arは、炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐した炭化水素基で置換された、炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、この際、Arは、Arと環を形成してよい。本明細書において、式(1)で示される構成単位(A)を単に「構成単位(A)」または「本発明に係る構成単位(A)」とも称する。また、式(1)で示される構成単位(A)を有するアリールアミン−フルオレン交互共重合体を、単に「アリールアミン−フルオレン交互共重合体」または「本発明に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体」または「本発明に係る交互共重合体」とも称する。
第2の側面では、本発明は、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含むエレクトロルミネッセンス素子材料を提供する。
第3の側面では、本発明は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される1層以上の有機膜と、を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機膜の少なくとも1層が本発明に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む、エレクトロルミネッセンス素子を提供する。本明細書において、エレクトロルミネッセンス素子を、単に「LED」とも称する。量子ドットエレクトロルミネッセンス素子を、単に「QLED」とも称する。有機エレクトロルミネッセンス素子を、単に「OLED」とも称する。
エレクトロルミネッセンス素子の発光層やキャリア輸送層を構成する材料として、種々の低分子材料や高分子材料が使用されている。これらのうち、低分子材料は素子の効率・寿命の面で優れている。しかし、低分子材料を用いる場合には、真空プロセスで素子を作成する必要があるため製造コストが高いという課題がある。一方、高分子材料としては、TFB等が正孔輸送材料として知られている(例えば、特許文献1の段落「0037」)。しかしながら、このような高分子材料では耐久性(発光寿命)が十分長いとはいえない(下記比較例1参照)。このため、耐久性(発光寿命)を向上できる高分子材料の開発が求められた。本発明者らは、上記課題(ゆえに耐久性(発光寿命)を向上する)手段について鋭意検討を行った。その結果、上記式(1)の構成単位(A)を有する交互共重合体をエレクトロルミネッセンス素子に適用することによって、公知の材料を使用した場合に比して発光寿命を向上できることを見出した。さらに、上記式(1)の構成単位(A)を有する交互共重合体をエレクトロルミネッセンス素子に適用することによって、ある程度低駆動電圧を維持したまま十分な発光効率を達成できることをも見出した。本発明の構成による上記作用効果の発揮のメカニズムは以下のように推測される。上記式(1)の構成単位(A)では、炭化水素基が側鎖(Ar)に存在する。これにより、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む正孔輸送層と量子ドットを含む発光層とを有する量子ドットエレクトロルミネッセンス素子では、正孔輸送層中のアリールアミン−フルオレン交互共重合体の側鎖の炭化水素基と発光層中に含まれる量子ドットとがより近接して存在して、アリールアミン−フルオレン交互共重合体の側鎖の炭化水素基は量子ドットと密接に相互作用する。ゆえに、正孔が効率よく量子ドットに注入でき(ホール注入性が高い)、耐久性(発光寿命)を向上できる。
また、上記式(1)の構成単位(A)では、窒素原子が主鎖の共役を切断している。これにより、アリールアミン−フルオレン交互共重合体の三重項エネルギー準位を高め、主鎖に沿った正孔移動性(Bulk Mobility)が高く、高い電流効率を達成できる。ゆえに、構成単位(A)を有する高分子化合物(主鎖)により、優れた発光効率を達成できる。加えて、上記式(1)の構成単位(A)では主鎖が窒素原子で切断されているため、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、高分子化しても量子ドットとエネルギー準位が近い低分子化合物様の性質を示す。このため、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を用いることにより、駆動電圧の上昇を抑制し、低駆動電圧化が可能になる。
ゆえに、上記式(1)の構成単位(A)を有する交互共重合体を用いたエレクトロルミネッセンス素子(特に量子ドットエレクトロルミネッセンス素子)は、高い耐久性(発光寿命)を発揮できるとともに、低駆動電圧下で十分な発光効率を達成できる。
加えて、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、製膜性および溶媒溶解性に優れるため、湿式(塗布)法での製膜が可能である。ゆえに、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を用いることによって、エレクトロルミネッセンス素子の大面積化、高生産性が可能となる。上記効果は、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体がEL素子、特にQLEDの正孔輸送層または正孔注入層に適用される場合に、効果的に発揮できる。
なお、上記メカニズムは推測によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら拘泥されるものではない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されており、各図面における各構成要素の寸法比率が実際とは異なる場合がある。また、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明した場合では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本明細書において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で測定する。
[アリールアミン−フルオレン交互共重合体]
本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、下記式(1)で示される構成単位(A)を有する。このような構成単位(A)を有するアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、高い量子ドットへのホール注入性を有し、耐久性(発光寿命)を向上できる。また、高電流効率化および低駆動電圧化を達成できる。本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、構成単位(A)1種を含むものであっても、または2種以上の構成単位(A)を含むものであってもよい。
Figure 2021138915
上記式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表す。ここで、R〜Rは、同じであってもまたは異なるものであってもよい。好ましくは、RおよびRは、同じであることが好ましい。また、上記式(1)中、2個あるRは、同じであってもまたは異なるものであってもよいが、同じであることが好ましい。同様にして、上記式(1)中、2個あるRは、同じであってもまたは異なるものであってもよいが、同じであることが好ましい。
〜Rとしての炭素数1以上16以下の炭化水素基は、特に制限されないが、直鎖もしくは分岐の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびシクロアルキル基などが挙げられる。なお、R〜Rがアルケニル基またはアルキニル基である場合には、R〜Rの炭素数は2以上16以下である。同様にして、Rがシクロアルキル基である場合には、R〜Rの炭素数は3以上16以下である。
炭素数1以上16以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基などが挙げられる。
炭素数2以上16以下のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、イソプロペニル基などが挙げられる。
炭素数2以上16以下のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。
炭素数は3以上16以下のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
これらのうち、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)の観点から、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数4以上15以下の直鎖もしくは炭素数4以上15以下の分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数5以上12以下の直鎖もしくは炭素数5以上12以下の分岐のアルキル基であることがより好ましく、炭素数6以上10以下の直鎖のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数6以上8以下の直鎖のアルキル基であることが特に好ましい。また、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)の観点から、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子(無置換)または炭素数1以上8以下の直鎖もしくは炭素数1以上8以下の分岐のアルキル基であることが好ましく、水素原子(無置換)または炭素数3以上6以下の直鎖のアルキル基であることがより好ましく、水素原子(無置換)であることが特に好ましい。
上記式(1)において、Lは、置換されたもしくは非置換の炭素数(環形成炭素数)6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表す。ここで、芳香族炭化水素基としては、特に制限されないが、炭素数(環形成炭素数)6以上25以下の芳香族炭化水素基でありえる。具体的には、ベンゼン(フェニレン基)、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、ヘプタレン、アセナフテン、フェナレン、フルオレン、フェナントリン、ビフェニル、テルフェニル、クアテルフェニル、キンキフェニル、セキシフェニル、ピレン、9,9−ジフェニルフルオレン、9,9’−スピロビ[フルオレン]、9,9−ジアルキルフルオレン等の芳香族炭化水素由来の2価の基が挙げられる。また、芳香族複素環基としては、特に制限されないが、炭素数(環形成原子数)12以上25以下の芳香族複素環基でありえる。具体的には、アクリジン、フェナジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、フェナンスリジン、フェナントロリン、アントラキノン、フルオレノン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾフェナンスリジン、ベンズイミダゾフェナンスリジン、アザジベンゾフラン、9−フェニルカルバゾール、アザカルバゾール、アザジベンゾチオフェン、ジアザジベンゾフラン、ジアザカルバゾール、ジアザジベンゾチオフェン、キサントン、チオキサントン、ピリジン、キノリン、アントラキノリンなどの複素環式芳香族化合物由来の2価の基が挙げられる。これらのうち、Lは、ベンゼン、フルオレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ビフェニルから選択される化合物由来の2価の基であることが好ましい。より好ましくは、Lは、ベンゼン(o,m,p−フェニレン基)、ジベンゾフラン、フルオレンから選択される化合物由来の2価の基である。Lは、フェニレン基であることがさらに好ましく、m−フェニレン基、p−フェニレン基であることがさらにより好ましく、m−フェニレン基であることが特に好ましい。このようなLであれば、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)を達成できる。なお、上記好ましい形態において、Lは無置換であってもまたはいずれかの水素原子が置換基で置換されてもよい。
ここで、Lのいずれかの水素原子が置換される場合の置換基の導入数は、特に制限されないが、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは1以上2以下であり、特に好ましくは1である。本発明の一実施形態では、Lは非置換である。本発明の一実施形態では、Lは1個の置換基を有する。Lが置換基を有する場合の置換基の結合位置は、特に制限されない。置換基は、好ましくはLが連結する主鎖の窒素原子に対してなるべく遠位に存在することが好ましい。例えば、Lがp−フェニレン基である場合には、置換基は主鎖の窒素原子に連結した結合手に対してメタ位に配置されることが好ましい。このような位置に置換基が存在することにより、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)を達成できる。
また、Lのいずれかの水素原子が置換される場合に存在しえる置換基は、特に限定されず、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヒドロキシル基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、チオール基(−SH)、シアノ基(−CN)等が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、直鎖もしくは分岐のいずれでよいが、好ましくは炭素数1以上18以下の直鎖もしくは炭素数1以上18以下の分岐のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、例えば、上記アルキル基が1以上3以下(好ましくは1以上2以下、特に好ましくは1)の水酸基で置換されるもの(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基)が例示される。
アルコキシアルキル基としては、例えば、上記アルキル基が1以上3以下(好ましくは1以上2以下、特に好ましくは1)の上記アルコキシ基で置換されるものが例示される。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基などが挙げられる。
シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、1−オクテニル基、3−オクテニル基、5−オクテニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンテチル基、2−ペンテチル基、3−ペンテチル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、2−ヘプチニル基、5−ヘプチニル基、1−オクチニル基、3−オクチニル基、5−オクチニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、アンスリル基、ピレニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基などが挙げられる。
シクロアルキルチオ基としては、例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基などが挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基などが挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
これらのうち、Lのいずれかの水素原子が置換される場合に存在しえる置換基は、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
上記のうち、Lは、下記群から選択される2価の基であることがより好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態では、上記式(1)中、xは1または2(特に好ましくは1)であり、Lは、それぞれ独立して、下記群から選択される2価の基である。なお、下記構造において、R111〜R125は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の直鎖もしくは炭素数1以上16以下の分岐した炭化水素基を表す(特に好ましくは、R111〜R125は水素原子またはメチル基である)。
Figure 2021138915
上記式(1)において、xは、0、1または2である。なお、xが2である場合には、Lはそれぞれ同じであってもまたは異なるものであってもよい。また、xが0である場合には、Lは単結合であり、主鎖の窒素原子がLと直接結合する。より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)の観点から、xは、0または1であることが好ましく、1であることがより好ましい。
上記式(1)において、Lは、置換されたもしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価または3価の芳香族炭化水素基または置換されたもしくは非置換の2価または3価の芳香族複素環基を表す。この際、Lは、Arと環を形成してよい。なお、LがArと環を形成する場合には、Lは3価の基である。LがArと環を形成しない場合には、Lは2価の基である。
ここで、Lとしての炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基は、特に制限されない。LがArと環を形成しない場合には、上記Lにて規定した炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素由来の2価の基が例示できる。同様にして、上記場合において、Lとしての芳香族複素環基は、特に制限されないが、上記Lにて規定した複素環式芳香族化合物由来の2価の基が例示できる。また、LがArと環を形成する場合には、上記Lにて規定した炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素由来の2価の基を3価の基に変換して例示できる。同様にして、上記場合において、Lとしての芳香族複素環基は、特に制限されないが、上記Lにて規定した複素環式芳香族化合物由来の2価の基を3価の基に変換して例示できる。これらのうち、ベンゼン、フルオレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ビフェニルから選択される化合物由来の2価または3価の基であることが好ましい。より好ましくは、Lは、ベンゼン、フルオレン、ジベンゾフランから選択される化合物由来の2価の基(例えば、o,m,p−フェニレン基)または3価の基(例えば、1,3,4−フェニリレン基)である。特に好ましくは、Lがベンゼン由来の2価(フェニレン基)(特にp−フェニレン基)または3価の基(特に1,3,4−フェニリレン基)である。このようなLであれば、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)を達成できる。なお、上記好ましい形態において、Lは無置換であってもまたはいずれかの水素原子が置換基で置換されてもよい。また、Lのいずれかの水素原子が置換される場合に存在しえる置換基は、特に限定されず、上記Lと同様の例示が適用できる。好ましくは、Lは無置換である。
上記式(1)において、Arは、置換もしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表す。
ここで、Arとしての炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基は、特に制限されないが、上記Lにて規定した炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素由来の2価の基が例示できる。同様にして、Arとしての芳香族複素環基は、特に制限されないが、上記Lにて規定した複素環式芳香族化合物由来の2価の基が例示できる。これらのうち、フェニレン基、ビフェニレン基、ジベンゾフランニル基およびフルオレニル基から選択されることが好ましい。より好ましくは、Arは、フェニレン基(o,m,p−フェニレン基)である。特に好ましくは、Arはo−フェニレン基である。このようなArであれば、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)を達成できる。なお、Arは無置換であってもまたはいずれかの水素原子が置換基で置換されてもよい。なお、Arのいずれかの水素原子が置換される場合に存在しえる置換基は、特に限定されず、上記Lと同様の例示が適用できる。Arは、好ましくは無置換のまたは炭素数3以上10以下の直鎖のもしくは炭素数3以上10以下の分岐したアルキル基で置換されたベンゼン、無置換のまたは炭素数3以上10以下の直鎖のもしくは炭素数3以上10以下の分岐したアルキル基で置換されたビフェニレン基、および無置換のまたは炭素数3以上10以下の直鎖のもしくは炭素数3以上10以下の分岐したアルキル基で置換されたフルオレニル基から選択される化合物由来の2価の基である。より好ましくは、Arは、無置換のまたは炭素数3以上10以下の直鎖のもしくは炭素数3以上10以下の分岐したアルキル基で置換されたo,m,p−フェニレン基であり、特に好ましくは無置換のまたは炭素数5以上8以下の直鎖のアルキル基で置換されたo−フェニレン基である。なお、Arが置換基を有する(すなわち、置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基または置換の2価の芳香族複素環基である)場合の置換基の存在位置は特に制限されないが、Arに結合する窒素原子に対して、なるべく離れた位置に存在することが好ましい。例えば、Arがo−フェニレン基である場合には、置換基は窒素原子に対しパラ位に存在することが好ましい。このような配置により、交互共重合体と量子ドットとの距離がより近くなり、正孔輸送層中のアリールアミン−フルオレン交互共重合体と発光層中の量子ドットとの相互作用がより強くなるため、ホール注入性(ゆえに、耐久性(発光寿命))をさらに向上できる。
また、Arは、ArまたはLと環を形成する。このように、ArがArまたはLと環を形成することにより、より高い三重項エネルギー準位を与えうる。これらのうち、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)の観点から、Arは、Lと環を形成することが好ましい。ArがLと環を形成する際の、ArとLとで形成される環構造は特に制限されないが、ArとLとで、カルバゾール環を形成することが好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態では、上記式(1)中の−L−N(Ar)(Ar)は、下記群から選択される構造を有する。
Figure 2021138915
ただし、R211〜R214は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数3以上10以下の直鎖もしくは炭素数3以上10以下の分岐したアルキル基である。
より好ましくは、ArとLとで下記構造のカルバゾール環を形成する。
Figure 2021138915
より好ましくは、ArとLとで下記構造のカルバゾール環を形成する。
Figure 2021138915
本発明の好ましい形態では、上記式(1)において、ArがLと環を形成し、−(L−L−N(Ar)(Ar)は、下記群から選択される構造を有する。
Figure 2021138915
ただし、R211〜R214は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数3以上10以下の直鎖もしくは炭素数3以上10以下の分岐したアルキル基である。好ましくは、R211およびR213は水素原子であり、R212およびR214は水素原子または炭素数5〜8の直鎖のアルキル基である。
上記式(1)において、Arは、炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐した炭化水素基で置換された、炭素数6以上25以下の1価または2価の芳香族炭化水素基、または炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐した炭化水素基で置換された、1価または2価の芳香族複素環基を表す。この際、Arは、Arと環を形成してよい。なお、ArがArと環を形成する場合には、Arは2価の基である。ArがArと環を形成しない場合には、Arは1価の基である。
ここで、Arとしての炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基は、特に制限されない。ArがArと環を形成しない場合には、上記Lにて規定した炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素由来の2価の基を1価の基に変換して例示できる。同様にして、上記場合において、Arとしての芳香族複素環基は、特に制限されないが、上記Lにて規定した複素環式芳香族化合物由来の2価の基を1価の基に変換して例示できる。また、ArがArと環を形成する場合には、上記Lにて規定した炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素由来の2価の基が例示できる。同様にして、上記場合において、Arとしての芳香族複素環基は、特に制限されないが、上記Lにて規定した複素環式芳香族化合物由来の2価の基が例示できる。これらのうち、Arは、ベンゼン、ビフェニル、ジベンゾフランニル基およびフルオレニル基から選択される化合物由来の価の基であることが好ましい。より好ましくは、Arは、ベンゼン由来の価の基(フェニル基またはo,m,p−フェニレン基)である。特に好ましくは、Arは、ArがArと環を形成しない場合にはフェニル基であり、または、ArがArと環を形成する場合にはo−フェニレン基である。このようなAr(非置換形態)であれば、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)を達成できる。
また、Arは、炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐した炭化水素基を置換基として有する。このような炭化水素基をアリールアミン−フルオレン交互共重合体の末端に配置することにより、正孔輸送層中の本発明に係る交互共重合体は発光層中の量子ドットと密接に相互作用できるため、正孔が効率よく量子ドットに注入でき(ホール注入性が高い)、耐久性(発光寿命)を向上できる。ここで、炭素数1以上12以下の炭化水素基は、特に制限されないが、直鎖もしくは分岐の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびシクロアルキル基などが挙げられる。なお、Arがアルケニル基またはアルキニル基である場合には、Arの炭素数は2以上16以下である。同様にして、Arがシクロアルキル基である場合には、Arの炭素数は3以上6以下である。
炭素数1以上12以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基などが挙げられる。
炭素数2以上16以下のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、イソプロペニル基などが挙げられる。
炭素数2以上16以下のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。
炭素数は3以上6以下のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
これらのうち、より高いホール注入性、さらにはより高い三重項エネルギー準位およびより低駆動電圧化および製膜性の観点ならびにこれらのいずれか2種以上のバランス(特にホール注入性と製膜性とのバランス)の観点から、Arに存在する炭化水素基は、炭素数4以上10以下の直鎖もしくは炭素数4以上10以下の分岐のアルキル基であることが好ましい。このようにArに存在する炭化水素基の炭素数を大きく(長鎖に)することにより、交互共重合体と量子ドットとの距離がより近くなり、正孔輸送層中のアリールアミン−フルオレン交互共重合体と発光層中の量子ドットとの相互作用がより強くなるため、ホール注入性(ゆえに、耐久性(発光寿命))をさらに向上できる。すなわち、本発明の好ましい形態では、Arはベンゼン、ビフェニル、ジベンゾフランおよびフルオレンからなる群より選択される化合物由来の基であり、かつ、炭素数4以上10以下の直鎖のもしくは炭素数4以上10以下の分岐したアルキル基で置換される。より好ましくは、Arに存在する炭化水素基は、炭素数5以上8以下の直鎖のアルキル基である。すなわち、本発明のより好ましい形態では、Arは、炭素数5以上8以下の直鎖のアルキル基で置換された、ベンゼン由来の基(フェニル基、o,m,p−フェニレン基)である。特に好ましくは、Arに存在する炭化水素基は、炭素数6以上8以下の直鎖のアルキル基である。すなわち、本発明の好ましい形態では、Arは、炭素数6以上8以下の直鎖のアルキル基で置換された、フェニル基(ArがArと環を形成しない場合)またはo−フェニレン基(ArがArと環を形成する場合)である。
なお、Arに存在する炭化水素基の位置は特に制限されないが、−L−N(Ar)(Ar)の窒素原子からなるべく離れた位置に存在することが好ましい。例えば、ArがLと環を形成し、Arがフェニル基である場合には、炭化水素基は窒素原子に対しパラ位に存在することが好ましい。このような配置により、交互共重合体と量子ドットとの距離がより近くなり、正孔輸送層中のアリールアミン−フルオレン交互共重合体と発光層中の量子ドットとの相互作用がより強くなるため、ホール注入性(ゆえに、耐久性(発光寿命))をさらに向上できる。
Arは、Arと環を形成してもよい。ArがArと環を形成する際の、ArとArとで形成される環構造は特に制限されないが、ArとArとで、カルバゾール環を形成することが好ましい。すなわち、本発明のより好ましい形態では、上記式(1)中、ArがArと環を形成し、−N(Ar)(Ar)が下記群から選択される基である。
Figure 2021138915
ただし、R311〜R323は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表し、かつR311〜R323のすくなくとも1つは炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐したアルキル基(より好ましくは炭素数4以上10以下の直鎖のもしくは炭素数4以上10以下の分岐したアルキル基、さらに好ましくは炭素数5以上8以下の直鎖のアルキル基、特に好ましくは炭素数6以上8以下の直鎖のアルキル基)を表す。
より好ましくは、ArとArとで下記構造のカルバゾール環を形成する。すなわち、本発明のより好ましい形態では、上記式(1)中の−L−N(Ar)(Ar)は、下記構造を有する。
Figure 2021138915
ただし、R311は、水素原子または炭素数4以上10以下の直鎖のもしくは炭素数4以上10以下の分岐したアルキル基(より好ましくは水素原子または炭素数5以上8以下の直鎖のアルキル基)を表し、R312は、炭素数4以上10以下の直鎖のもしくは炭素数4以上10以下の分岐したアルキル基(より好ましくは炭素数5以上8以下の直鎖のアルキル基、特に好ましくは炭素数6以上8以下の直鎖のアルキル基)を表す。
したがって、本発明に係る構成単位(A)は、下記群から選択されることが好ましい。
Figure 2021138915
ただし、R411〜R431は、それぞれ独立して、炭素数1以上12以下の直鎖もしくは炭素数1以上12以下の分岐したアルキル基を表し、R511〜R543は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表す。
本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体における構成単位(A)の組成は、特に制限されない。得られるアリールアミン−フルオレン交互共重合体を用いて形成した層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)の耐久性(発光寿命)や正孔輸送能のさらなる向上効果などを考慮すると、構成単位(A)は、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を構成する全構成単位に対して、好ましくは10モル%以上100モル%以下、より好ましくは50モル%を超え100モル%以下、特に好ましくは100モル%である。すなわち、本発明の好ましい形態では、構成単位(A)は、全構成単位に対して、10モル%以上100モル%以下の割合で含まれる。本発明のより好ましい形態では、構成単位(A)は、全構成単位に対して、50モル%を超え100モル%以下の割合で含まれる。本発明の特に好ましい形態では、アリールアミン−フルオレン交互共重合体は、構成単位(A)のみから構成される(即ち、全構成単位に対する構成単位(A)の割合=100モル%)。なお、アリールアミン−フルオレン交互共重合体が2種以上の構成単位(A)を含む場合には、上記構成単位(A)の含有量は、構成単位(A)の合計量を意味する。
上述したように、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、構成単位(A)のみで構成されてもよい。または、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、構成単位(A)以外の他の構成単位をさらに含んでもよい。他の構成単位を含む場合の他の構成単位は、アリールアミン−フルオレン交互共重合体の効果(特に高い三重項エネルギー準位、低い駆動電圧)を阻害しない限り特に制限されない。具体的には、下記群から選択される構成単位などが挙げられる。なお、以下では、下記群で示される構成単位を「構成単位(B)」とも称する。
Figure 2021138915
本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体における構成単位(B)の組成は、特に制限されない。得られる高分子化合物による製膜容易性、被膜強度のさらなる向上効果などを考慮すると、構成単位(B)は、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を構成する全構成単位に対して、好ましくは1モル%以上10モル%以下である。なお、アリールアミン−フルオレン交互共重合体が2種以上の構成単位(B)を含む場合には、上記構成単位(B)の含有量は、構成単位(B)の合計量を意味する。
アリールアミン−フルオレン交互共重合体の重量平均分子量(Mw)は、本発明の目的効果が得られる限りにおいて、特に制限されるものではない。重量平均分子量(Mw)は、例えば、8,000以上1,000,000以下であることが好ましく、12,000以上1,000,000以下であることがより好ましく、20,000以上800,000以下であることがさらに好ましく、50,000以上500,000以下であることが特に好ましい。このような重量平均分子量であれば、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を用いて層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)を形成するための塗布液の粘度を適切に調節して、均一な膜厚の層を形成することが可能である。
また、アリールアミン−フルオレン交互共重合体の数平均分子量(Mn)は、本発明の目的効果が得られる限りにおいて、特に制限されるものではない。数平均分子量(Mn)は、例えば、4,000以上250,000以下であることが好ましく、10,000以上250,000以下であることがより好ましく、20,000以上150,000以下であることがさらに好ましく、特に好ましくは30,000以上100,000以下である。このような数平均分子量であれば、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を用いて層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)を形成するための塗布液の粘度を適切に調節して、均一な膜厚の層を形成することが可能である。また、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体の多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、例えば、1.2以上6.0以下、好ましくは1.2以上4.0以下、好ましくは1.5以上3.5以下である。
本明細書において、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定は、特に制限されず、公知の方法を用いてまたは公知の方法を適宜修飾して適用できる。本明細書では、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、下記方法により測定される値を採用する。なお、ポリマーの多分散度(Mw/Mn)は、下記方法により測定された数平均分子量(Mn)で重量平均分子量(Mw)を除することによって算出される。
(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定)
高分子材料の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質として用いて、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー:Size Exclusion Chromatography)により、以下の条件で測定する:
Figure 2021138915
本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体の主鎖の末端は、特に制限されず、使用される原料の種類によって適宜規定されるが、通常、水素原子である。
本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、公知の有機合成方法を用いることで合成することが可能である。本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体の具体的な合成方法は、後述する実施例を参照した当業者であれば、容易に理解することが可能である。具体的には、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、下記式(1’)で示される1種以上の単量体(1)を用いた重合反応により、または下記式(1’)で示される1種以上の単量体(1)および上記他の構成単位に相当する他の単量体を用いた共重合反応により製造することができる。
Figure 2021138915
または、下記式(2’)で示される1種以上の単量体(2)及び下記式(3’)で示される1種以上の単量体(3)を用いた、または下記式(2’)で示される1種以上の単量体(2)及び下記式(3’)で示される1種以上の単量体(3)および上記他の構成単位に相当する他の単量体を用いた共重合反応により製造することができる。
Figure 2021138915
Figure 2021138915
本発明において、アリールアミン−フルオレン交互共重合体の重合に用いられる上記単量体は、公知の合成反応を適宜組み合わせて合成することができ、その構造も、公知の方法(例えば、NMR、LC−MS等)により確認できる。
上記式(1’)〜(3’)中、R〜R、L、L、Ar、Arおよびxは、上記式(1)におけるのと同様の定義である。XおよびX、X1’およびX2’、ならびにX1”およびX2”は、それぞれ独立して、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、特に臭素原子)または下記構造の基である。なお、下記構造において、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1以上3以下のアルキル基である。好ましくは、R〜Rはメチル基である。なお、上記式(1’)〜(3’)中のXおよびX、X1’およびX2’、ならびにX1”およびX2”は、それぞれ、同じであってもまたは異なるものであってもよい。好ましくは、上記式(1’)中、XおよびXは異なる。上記式(2’)中、X1’およびX2’は同じであることが好ましい。上記式(3’)中、X1”およびX2”は同じであることが好ましい。
Figure 2021138915
本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、構成単位(A)を有する。このため、当該アリールアミン−フルオレン交互共重合体は高いホール注入性を有する。ゆえに、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体を正孔注入材料または正孔輸送材料(特に正孔輸送材料)として使用する場合には、高い耐久性(発光寿命)を達成できる。また、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、高い三重項エネルギー準位を有し、かつ低い駆動電圧を有する。ゆえに、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体を正孔注入材料または正孔輸送材料(特に正孔輸送材料)として使用する場合には、低駆動電圧で高いホール移動性が達成される。ゆえに、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体を用いるエレクトロルミネッセンス素子は耐久性(発光寿命)および発光効率に優れる。
[エレクトロルミネッセンス素子材料]
本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、エレクトロルミネッセンス素子材料として好適に用いられる。本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体によれば、優れた耐久性(発光寿命)および高いホール移動性を有するエレクトロルミネッセンス素子材料が提供される。また、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体によれば、高い三重項エネルギー準位(電流効率)および低い駆動電圧を有するエレクトロルミネッセンス素子材料もまた提供される。さらに、アリールアミン−フルオレン交互共重合体の主鎖(式(1)の構成単位)は適切なフレキシビリティーを有する。このため、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、溶媒への高い溶解性および高い耐熱性を示す。ゆえに、湿式(塗布)法により容易に製膜(薄膜化)できる。したがって、第2の側面では、本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含むエレクトロルミネッセンス素子材料が提供される。または、アリールアミン−フルオレン交互共重合体のエレクトロルミネッセンス素子材料としての使用が提供される。
また、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、5.20eVを超える、特に5.33eV以上のHOMOレベルを有する。このため、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子(特に正孔輸送層)にも好適に使用できる。
[エレクトロルミネッセンス素子]
上述したように、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、エレクトロルミネッセンス素子に好適に用いられる。すなわち、一対の電極と、該電極間に配置され、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体またはエレクトロルミネッセンス素子材料を含む1層以上の有機膜と、を備える、エレクトロルミネッセンス素子を提供する。このようなエレクトロルミネッセンス素子は、低駆動電圧で優れた発光効率を発揮できる。したがって、第3の側面では、本発明は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される1層以上の有機膜と、を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機膜の少なくとも1層が本発明のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む、エレクトロルミネッセンス素子が提供される。本発明の目的(または効果)は、このような本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子によっても達成できる。上記態様の好ましい形態としては、エレクトロルミネッセンス素子は、上記電極間に配置され、三重項励起子からの発光が可能な発光材料を含む発光層をさらに備える。なお、本実施形態のエレクトロルミネッセンス素子は、本発明に係るエレクトロルミネッセンス素子の一例である。
さらに、本実施形態は、一対の電極と、該電極間に配置され、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む1層以上の有機膜と、を備える、エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、上記有機膜のうち少なくとも1層を塗布法により形成する、方法を提供する。また、このような方法により、本実施形態は、上記有機膜のうち少なくとも1層が塗布法により形成される、エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体、および本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子材料(EL素子材料)(以下、一括して、「アリールアミン−フルオレン交互共重合体/EL素子材料」とも称する)は、有機溶媒に対する溶解性に優れる。このため、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体/EL素子材料は、塗布法(ウェットプロセス)による素子(特に薄膜)の製造に特に好適に用いられる。このため、本実施形態は、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体と、溶媒または分散媒と、を含有する液状組成物を提供する。このような液状組成物は、本発明に係る液状組成物の一例である。
また、上記のように実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子材料が、塗布法(ウェットプロセス)による素子(特に薄膜)の製造に好適に用いられる。上記観点から、本実施形態は、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含有する薄膜を提供する。このような薄膜は、本発明に係る薄膜の一例である。
また、本実施形態に係るEL素子材料は、ホール注入性およびホール移動性に優れる。このため、正孔注入材料、正孔輸送材料または発光材料(ホスト)等のいずれの有機膜の形成においても好適に利用され得る。このうち、正孔の輸送性の観点から、正孔注入材料または正孔輸送材料として好適に用いられ、正孔輸送材料として特に好適に用いられる。
すなわち、本実施形態は、アリールアミン−フルオレン交互共重合体と、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料と、を含有する組成物を提供する。ここで、組成物に含まれる発光材料は、特に制限されないが、有機金属錯体(発光性有機金属錯体化合物)または半導体ナノ粒子(半導体無機ナノ粒子)を含有し得る。
[エレクトロルミネッセンス素子]
以下では、図1を参照して、本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子を示す模式図である。なお、本明細書において、「エレクトロルミネッセンス素子」は「EL素子」と省略する場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係るEL素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180とを備える。
ここで、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、例えば、第1電極120と第2電極180との間に配置されたいずれかの有機膜(有機層)中に含まれる。具体的には、アリールアミン−フルオレン交互共重合体は、正孔注入材料として正孔注入層130または正孔輸送材料として正孔輸送層140または発光材料(ホスト)として発光層150に含まれることが好ましい。アリールアミン−フルオレン交互共重合体は、正孔注入材料として正孔注入層130にまたは正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることがより好ましい。アリールアミン−フルオレン交互共重合体は、正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることが特に好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態では、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む有機膜が、正孔輸送層、正孔注入層または発光層である。本発明のより好ましい形態では、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む有機膜が、正孔輸送層または正孔注入層である。本発明の特に好ましい形態では、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む有機膜が、正孔輸送層である。
また、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体/EL素子材料を含む有機膜は、塗布法(溶液塗布法)によって形成される。具体的には、有機膜は、スピンコート(spin coat)法、キャスティング(casting)法、マイクログラビアコート(micro gravure coat)法、グラビアコート(gravure
coat)法、バーコート(bar coat)法、ロールコート(roll coat)法、ワイアーバーコード(wire bar coat)法、ディップコート(dip coat)法、スプレーコート(spry coat)法、スクリーン(screen)印刷法、フレキソ(flexographic)印刷法、オフセット(offset)印刷法、インクジェット(ink jet)印刷法等の溶液塗布法を用いて製膜される。
なお、溶液塗布法に使用する溶媒は、アリールアミン−フルオレン交互共重合体/EL素子材料を溶解することができるものであれば、どのような溶媒でも使用することができ、使用するアリールアミン−フルオレン交互共重合体の種類によって適宜選択できる。例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メチシレン、プロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジメトキシベンゼン、アニソール、エトキシトルエン、フェノキシトルエン、イソプロピルビフェニル、ジメチルアニソール、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、シクロヘキサン等が例示できる。また、溶媒の使用量は、特に制限されないが、塗布容易性などを考慮すると、アリールアミン−フルオレン交互共重合体の濃度が、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下程度となるような量である。
なお、アリールアミン−フルオレン交互共重合体/EL素子材料を含む有機膜以外の層の製膜方法については、特に限定されない。本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体/EL素子材料を含む有機膜以外の層は、例えば、真空蒸着法にて製膜されてもよく、溶液塗布法にて製膜されてもよい。
基板110は、一般的なEL素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、シリコン(silicon)基板などの半導体基板、または透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
基板110上には、第1電極120が形成される。第1電極120は、具体的には、陽極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が大きいものによって形成される。例えば、第1電極120は、透明性および導電性に優れる酸化インジウムスズ(In−SnO:ITO)、酸化インジウム亜鉛(In−ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等によって透過型電極として形成されてもよい。また、第1電極120は、上記透明導電膜に対して、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを積層することによって反射型電極として形成されてもよい。また、基板110上に第1電極120を形成した後、必要であれば、洗浄、UV−オゾン処理を行ってもよい。
第1電極120上には、正孔注入層130が形成される。正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする層であり、具体的には、約10nm以上約1000nm以下、より具体的には約20nm以上約50nm以下の厚さ(乾燥膜厚;以下同様)にて形成されてもよい。
正孔注入層130は、公知の正孔注入材料にて形成することができる。正孔注入層130を形成する公知の正孔注入材料としては、例えば、トリフェニルアミン含有ポリエーテルケトン(poly(ether ketone)-containg triphenylamine:TPAPEK)、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(4-isopropyl-4’-methyldiphenyliodonium tetrakis(pentafluorophenyl)borate:PPBI)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(N,N’-diphenyl-N,N’-bis-[4-(phenyl-m-tolyl-amino)-phenyl]-biphenyl-4,4’-diamine:DNTPD)、銅フタロシアニン(copper phthalocyanine)、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine:m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’-di(1-naphthyl)-N,N’-diphenylbenzidine:NPB)、4,4’,4”−トリス(ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”-tris(diphenylamino)triphenylamine:TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”-tris(N,N-2-naphthylphenylamino)triphenylamine:2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(polyaniline/dodecylbenzenesulphonic acid)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/poly(4-styrenesulfonate):PEDOT/PSS)、およびポリアニリン/10−カンファースルホン酸(polyaniline/10-camphorsulfonic acid)等を挙げることができる。
正孔注入層130上には、正孔輸送層140が形成される。正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を備えた層であり、例えば、約10nm以上約150nm以下、より具体的には約20nm以上約50nm以下の厚さにて形成されてもよい。正孔輸送層140は、本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を用いて溶液塗布法によって製膜されることが好ましい。この方法によれば、EL素子100の耐久性(発光寿命)を延長することが可能である。また、EL素子100の電流効率を向上させ、駆動電圧を低減させることも可能である。また、溶液塗布法にて正孔輸送層を形成できるため、効率的に大面積にて製膜することができる。
ただし、EL素子100のいずれかの他の有機膜が本実施形態のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む場合、正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料にて形成されてもよい。公知の正孔輸送材料としては、例えば、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(1,1-bis[(di-4-tolylamino)phenyl]cyclohexane:TAPC)、N−フェニルカルバゾール(N-phenylcarbazole)およびポリビニルカルバゾール(polyvinylcarbazole)などのカルバゾール(carbazole)誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(N,N’-bis(3-methylphenyl)-N,N’-diphenyl-[1,1-biphenyl]-4,4’-diamine:TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、ならびにN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’-di(1-naphthyl)-N,N’-diphenylbenzidine:NPB)等を挙げることができる。
正孔輸送層140上には、発光層150が形成される。発光層150は、蛍光、りん光等によって光を発する層であり、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット印刷法などを用いて形成される。発光層150は、例えば、約10nm以上約60nm以下、より具体的には約20nm以上約50nm以下の厚さにて形成されてもよい。発光層150の発光材料としては、公知の発光材料を用いることができる。ただし、発光層150に含まれる発光材料は、三重項励起子からの発光(すなわち、りん光発光)が可能な発光材料であることが好ましい。このような場合、EL素子100の駆動寿命をさらに向上させることができる。
発光層150は、特に制限されず、公知の構成とすることができる。好ましくは、発光層は、半導体ナノ粒子または有機金属錯体を含む。すなわち、本発明の好ましい形態では、有機膜が半導体ナノ粒子または有機金属錯体を含む発光層を有する。なお、発光層が半導体ナノ粒子を含む場合には、EL素子は、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子(QLED)、量子ドット発光素子または量子点発光素子である。また、発光層が有機金属錯体を含む場合には、EL素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)である。
発光層が半導体ナノ粒子を含む形態(QLED)において、発光層は、多数の半導体ナノ粒子(量子ドット)が単一層または複数層に配列されたものである。ここで、半導体ナノ粒子(量子ドット)は、量子拘束効果を持つ所定サイズの粒子である。半導体ナノ粒子(量子ドット)の直径は、特に制限されないが、1nm以上10nm以下程度である。
発光層に配列される半導体ナノ粒子(量子ドット)は、ウェット化学工程、有機金属化学蒸着工程、分子線エピタキシー工程または他の類似した工程等により合成することができる。中でも、ウェット化学工程は、有機溶媒に前駆体物質を入れて粒子を成長させる方法である。
ウェット化学工程では、結晶が成長する際に、有機溶媒が自然に量子ドット結晶の表面に配位されて、分散剤の役割を果たすことで、結晶の成長が調節される。そのため、ウェット化学工程では、有機金属化学蒸着(MOCVD、Metal Organic Chemical Vapor Deposition)や、分子線エピタキシー(MBE、Molecular Beam Epitaxy)などの気相蒸着法に比べて、容易かつ低コストで、半導体ナノ粒子の成長を制御することができる。
半導体ナノ粒子(量子ドット)は、そのサイズを調節することによって、エネルギーバンドギャップを調節できるようになり、発光層(量子ドット発光層)で多様な波長帯の光を得ることができる。したがって、複数の異なるサイズの量子ドットを使用することで、複数波長の光を出射(または発光)するディスプレイを可能にする。量子ドットのサイズは、カラーディスプレイを構成できるように、赤色、緑色、青色光が出射されるように選択できる。また、量子ドットのサイズは、多様なカラー光が白色光を出射するように組み合わせられる。
半導体ナノ粒子(量子ドット)としては、II−VI族半導体化合物;III−V族半導体化合物;IV−VI族半導体化合物;IV族元素または化合物;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される半導体物質等を用いることができる。
II−VI族半導体化合物は、特に限定されないが、例えば、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnTeSe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物;及びCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物からなる群から選択される。
III−V族半導体化合物は、特に限定されないが、例えば、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物;及びGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物からなる群から選択される。
IV−VI族半導体化合物は、特に限定されないが、例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物;及びSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物からなる群から選択されることができる。
IV族元素または化合物は、特に限定されないが、例えば、Si、Ge、及びこれらの混合物からなる群から選択される一元素化合物;及びSiC、SiGe、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物からなる群から選択される。
半導体ナノ粒子(量子ドット)は、均質な単一構造またはコア・シェルの二重構造を持つことができる。コア・シェルは相異なる物質を含むことができる。それぞれのコアとシェルとを構成する物質は、相異なる半導体化合物からなり得る。ただし、シェル物質のエネルギーバンドギャップは、コア物質のエネルギーバンドギャップより大きい。具体的には、ZnTeSe/ZnSe/ZnS、InP/ZnSe/ZnS、CdSe/ZnS、InP/ZnSなどの構造が好ましい。
例えば、コア(CdSe)・シェル(ZnS)構造を持つ量子ドットを作製する場合を説明する。まず、界面活性剤として、TOPO(trioctylphosphine oxide)を使用した有機溶媒に、(CHCd(dimethylcadmium)、TOPSe(trioctylphosphine selenide)などのコア(CdSe)の前駆体物質を注入して結晶を生成させる。このとき、結晶が一定のサイズに成長するように高温で一定時間維持した後、シェル(ZnS)の前駆体物質を注入して、既に生成されたコアの表面にシェルを形成させる。これによって、TOPOでキャッピングされたCdSe/ZnSの量子ドットを作製することができる。
また、発光層が有機金属錯体を含む形態(OLED)において、発光層150は、ホスト材料として、例えば、6,9−ジフェニル−9’−(5’−フェニル−[1,1’:3’,1”−ターフェニル]−3−イル)3,3’−ビ[9H−カルバゾール]、3,9−ジフェニル−5−(3−(4−フェニル−6−(5’−フェニル−[1,1’:3’,1”−ターフェニル]−3−イル)−1,3,5,−トリアジン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール、9,9’−ジフェニル−3,3’−ビ[9H−カルバゾール]、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8-quinolinato)aluminium:Alq3)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(4,4’-bis(carbazol-9-yl)biphenyl:CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(poly(n-vinyl carbazole):PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(9,10-di(naphthalene)anthracene:ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5-tris(N-phenyl-benzimidazol-2-yl)benzene:TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(3-tert-butyl-9,10-di(naphth-2-yl)anthracene:TBADN)、ジスチリルアリーレン(distyrylarylene:DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(4,4’-bis(9-carbazole)2,2’-dimethyl-bipheny:dmCBP)などを含んでもよい。
また、発光層150は、ドーパント材料として、例えば、ペリレン(perylene)およびその誘導体、ルブレン(rubrene)およびその誘導体、クマリン(coumarin)およびその
誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(4-dicyanomethylene-2-(pdimethylaminostyryl)-6-methyl-4H-pyran:DC
M)およびその誘導体、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(bis[2-(4,6-difluorophenyl)pyridinate]picolinate iridium(III):FIrpic)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(bis(1-phenylisoquinoline)(acetylacetonate)iridium(III):Ir(piq)(acac))、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(tris(2-phenylpyridine)iridium(III):Ir(ppy))、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジンイリジウム(III)などイリジウム(Ir)錯体、オスミウム(Os)錯体、白金錯体などを含んでもよい。これらのうち、発光材料が発光性有機金属錯体化合物であることが好ましい。
発光層を形成する方法は、特に制限されない。半導体ナノ粒子または有機金属錯体を含む塗布液を塗布すること(溶液塗布法)によって形成できる。この際、塗布液を構成する溶媒としては、正孔輸送層中の材料(正孔輸送材料、特にアリールアミン−フルオレン交互共重合体)を溶解しない溶媒を選択することが好ましい。
発光層150上には、電子輸送層160が形成される。電子輸送層160は、電子を輸送する機能を備えた層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて形成される。電子輸送層160は、例えば、約15nm以上約50nm以下の厚さにて形成されてもよい。
電子輸送層160は、公知の電子輸送材料にて形成されてもよい。公知の電子輸送材料としては、例えば、(8−キノリノラト)リチウム(リチウムキノレート)(Liq)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8-quinolinato)aluminium:Alq)、および含窒素芳香環を有する化合物等を挙げることができる。含窒素芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(1,3,5-tri[(3-pyridyl)-phen-3-yl]benzene)のようなピリジン(pyridine)環を含む化合物、2,4,6−トリス(3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン(2,4,6-tris(3’-(pyridin-3-yl)biphenyl-3-yl)-1,3,5-triazine)のようなトリアジン(triazine)環を含む化合物、2−(4−(N−フェニルベンゾイニダゾリル−1−イル−フェニル)−9,10−ジナフチルアントラセン(2-(4-(N-phenylbenzoimidazolyl-1-yl-phenyl)-9,10-dinaphthylanthracene)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5-tris(N-phenyl-benzimidazol-2-yl)benzene:TPBI)のようなイミダゾール(imidazole)環を含む化合物等を挙げることができる。上記電子輸送材料は、1種を単独で使用してもまたは2種以上の混合物として使用してもよい。
電子輸送層160上には、電子注入層170が形成される。電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層である。電子注入層170は、真空蒸着法などを用いて形成される。電子注入層170は、約0.1nm以上約5nm以下、より具体的には約0.3nm以上約2nm以下の厚さにて形成されてもよい。電子注入層170を形成する材料として公知の材料ならば、いずれも使用することができる。例えば、電子注入層170は、(8−キノリノラト)リチウム(リチウムキノレート)((8-quinolinato)lithium:Liq)およびフッ化リチウム(LiF)等のリチウム(lithium)化合物、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(LiO)、または酸化バリウム(BaO)等にて形成されてもよい。
電子注入層170上には、第2電極180が形成される。第2電極180は、真空蒸着法などを用いて形成される。第2電極180は、具体的には、陰極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が小さいものによって形成される。例えば、第2電極180は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)等の金属、またはアルミニウム−リチウム(Al−Li)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等の合金で反射型電極として形成されてもよい。第2電極180は、約10nm以上約200nm以下、より具体的には約50nm以上約150nm以下の厚さにて形成されてもよい。または、第2電極180は、上記金属材料の20nm以下の薄膜、酸化インジウムスズ(In−SnO)および酸化インジウム亜鉛(In−ZnO)などの透明導電膜によって透過型電極として形成されてもよい。
以上、本発明に係るエレクトロルミネッセンス素子の一例として、本実施形態に係るEL素子100について説明した。本実施形態に係るEL素子100は、アリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む有機膜(特に正孔輸送層または正孔注入層)を設置することにより、耐久性(発光寿命)をより向上させることができる。また、発光効率(電流効率)をより向上させ、駆動電圧を低減させることができる。
なお、本実施形態に係るEL素子100の積層構造は、上記例示に限定されない。本実施形態に係るEL素子100は、他の公知の積層構造にて形成されてもよい。例えば、EL素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160および電子注入層170のうちの1層以上が省略されてもよく、また、追加で他の層を備えていてもよい。また、EL素子100の各層は、それぞれ単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
例えば、EL素子100は、励起子または正孔が電子輸送層160に拡散することを防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層をさらに備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、または、フェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成することができる。
さらに、本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体は、上記QLEDまたはOLED以外のエレクトロルミネッセンス素子に適用することができる。本実施形態に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体を適用することが可能な他のエレクトロルミネッセンス素子としては、特に限定されないが、例えば、有機無機ペロブスカイト発光素子等が挙げられる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
合成例1
(化合物A−1の合成)
化合物A−1を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
1L−四つ口フラスコに、カルバゾール(35.0g)、4−ブロモヘキシルベンゼン(50.2g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))(9.57g)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(t−BuP・BF)(4.55g)、t−ブトキシナトリウム(t−BuONa)(40.2g)、トルエン(500mL)を入れ、窒素雰囲気で、100℃で8時間加熱、攪拌した。室温(25℃;以下同様)まで放冷し、不溶物をセライト(Celite:登録商標、以下同様)でろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール(51.4g)を得た。
1L−四つ口フラスコに、上記で得られた9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール(51.4g)、ヨウ化カリウム(KI)(13.02g)、ヨウ素酸カリウム(KIO)(16.7g)、エタノール(EtOH)(525mL)を入れ、窒素雰囲気、室温で98%硫酸(17.1mL)を滴下し、75℃で3時間攪拌した。室温まで放冷し、トルエン(500mL)を加え、水(100mL×2)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL×2)、水(100mL×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、9−(4−ヘキシルフェニル)−3−ヨード−9−カルバゾール(60.6g)を得た。
100mL−三つ口フラスコに、上記で得られた9−(4−ヘキシルフェニル)−3−ヨード−9−カルバゾール(5.61g)、ビス(4−ブロモフェニル)アミン(4.45g)、ヨウ化銅(CuI)(0.105g)、t−ブトキシナトリウム(t−BuONa)(2.12g)、trans−1,2−シクロヘキシルジアミン(0.251g)、1,4−ジオキサン(28mL)を加え、窒素雰囲気下で90℃で11時間還流した。セライトを濾過助剤に用いて不溶物を濾別し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、N、N−ビス(4−ブロモフェニル)−9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール−3−アミン(化合物A−1)(1.05g)を得た。
合成例2
(化合物A−3の合成)
化合物A−3を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
アルゴン下において反応溶器中に、3−ブロモカルバゾール(3.5g、14.1mmol)、4−ヨード−1−ペンチルベンゼン(4.6g、16.9mmol)、ヨウ化銅(I)(CuI)(0.134g、0.7mmol)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(trans−CyHexDiAm)(0.32g、2.82mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(t−BuONa)(2.71g、28.2mmol)、ジオキサン(50ml)を加え、90℃にて5時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラムグラフィーにて精製し、3−ブロモ−9−ペンチルフェニル−9−カルバゾール(4.5g)を得た。
アルゴン下において反応溶器中に、上記で得られた3−ブロモ−9−ペンチルフェニル−9−カルバゾール(4.5g、11.5mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(2.6g、12.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(0.39g、0.345mmol)、炭酸ナトリウム(2.4g、23.0mmol)、トルエン(100ml)、水(50ml)を加え、85℃にて10時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラムグラフィーにて精製し、4−(9−4−(ペンチルフェニル)−9−カルバゾール−3−イル)アニリンを得た(4.0g)。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、上記で得られた4−(9−4−(ペンチルフェニル)−9−カルバゾール−3−イル)アニリン(4.0g、9.9mmol)、4−ブロモ−ヨードベンゼン(2.8g、10.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))(0.091g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)(0.11g)、ナトリウムtert−ブトキシド(t−BuONa)(0.95g、9.9mmol)、トルエン(100mL)を入れ、100℃で20時間加熱した。室温まで放冷し、セライトを用いて不純物でろ別した。溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物A−3を得た(1.7g)。
合成例3
(化合物A−4の合成)
化合物A−4を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
1L−四つ口フラスコに、9−(4−ヘキシルフェニル)−3−ヨード−9−カルバゾール(20.0g)、4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(15.3g)、炭酸ナトリウム(9.51g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(2.49g)、トルエン(221mL)、エタノール(110mL)、水(110mL)を加え、120℃(バス温)で3時間攪拌した。室温まで冷却後、水層を分離し、有機層を水(100L×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、4−(9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール−3−イル)−N,N−ジフェニル)アニリン(17.7g)を得た。
500mL−四つ口フラスコに、上記で得られた4−(9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾールー3−イル)−N,N−ジフェニル)アニリン(17.7g)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(310mL)を加え氷冷し、窒素雰囲気下でDMF(30mL)に溶解したN−ブロモスクシンイミド(NBS)(11.7g)を滴下し、6時間攪拌した。不溶物を濾別し、メタノール(800mL)、水(800mL)で洗浄し、真空乾燥し、4−ブロモ−N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−(9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール−3−イル)フェニル)アニリン(14.0g)を得た。
500mL−四つ口フラスコに、上記で得られた4−ブロモ−N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−(9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール−3−イル)フェニル)アニリン(14.0g)、ビスピナコールジボレート(14.8g)、酢酸カリウム(KOAc)(11.4g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)CHCl)(0.477g)、1,4−ジオキサン(160mL)を入れ、窒素雰囲気下で100℃で4時間還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ液をシリカゲルに通した。溶媒を減圧留去し、トルエン(200mL)に溶解し、活性炭(14.2g)を加えて30分間還流した。活性炭を濾別し、溶媒を減圧留去し、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、化合物A−4(11.9g)を得た。
合成例4
(化合物A−5の合成)
化合物A−5を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
100mL−四つ口フラスコに、2−ブロモカルバゾール(20.0g)、4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)−N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)アニリン(10.0g)、炭酸ナトリウム(4.84g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(1.31g)、トルエン(80mL)、エタノール(30mL)、水(30mL)を加え、100℃(バス温)で3時間攪拌した。室温まで冷却後、水層を分離し、有機層を水(100L×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣にトルエン(200mL)を加え、60℃で1時間還流し、固体を濾別および乾燥し、N−(4−(9−カルバゾール−2−イル)フェニル)−4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)アニリン(6.08g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、上記で得られたN−(4−(9−カルバゾール−2−イル)フェニル)−4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)アニリン(6.00g)、1−ブロモ−4−ヘキシルベンゼン(3.00g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))(0.580g)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(t−BuP・BF)(0.276g)、ナトリウムtert−ブトキシド(t−BuONa)(2.43g)、トルエン(60mL)を入れ、110℃で7時間加熱した。室温まで放冷し、セライトを用いて不純物でろ別した。溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィーにて精製し、4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)−N−(4−(9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール−2−イル)フェニル)アニリン(1.60g)を得た。
50mL−三つ口フラスコに、4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)−N−(4−(9−(4−ヘキシルフェニル)−9−カルバゾール−2−イル)フェニル)アニリン(1.60g)、ビスピナコールジボレート(1.90g)、酢酸カリウム(KOAc)(1.47g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))(0.114)、Xphоs(0.177)、1,4−ジオキサン(16mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温100℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、セライトを濾過助剤として不溶物を除去した。溶媒を減圧留去し、トルエン20mLおよびヘキサン(40mL)の混合溶媒に溶解し、活性炭(2.0g)を加えて、30分間還流した。セライトを濾過助剤に用い不溶物を濾別し溶媒を減圧留去し、残渣をトルエン/アセトニトリルで再結晶し、化合物A−5を得た(1.85g)。
合成例5
(化合物B−3の合成)
化合物B−3を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
500mL−三つ口フラスコに、9−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジ−tert−ブチルカルバゾール(15.0g)、ビスピナコールジボレート(15.7g)、酢酸カリウム(KOAc)(12.1g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)CHCl)(0.504g)、1,4−ジオキサン(170mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温100℃で6時間攪拌した。室温まで冷却し、セライトを濾過助剤として不溶物を除去した。溶媒を減圧留去し、トルエン170mLに溶解し、活性炭(17g)を加えて、30分間還流した。セライトを濾過助剤に用い不溶物を濾別し溶媒を減圧留去し、残渣をトルエン/エタノールで再結晶し、3,6−ジ−tert−ブチル−9−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)−9−カルバゾール(16.0g)を得た。
500mL−三つ口フラスコに、上記で得られた3,6−ジ−tert−ブチル−9−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)−9−カルバゾール(15.7g)、4−ブロモトリフェニルアミン(9.00g)、炭酸ナトリウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(1.60g)、トルエン(140mL)、エタノール(70mL)、水(70mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温100℃で、3時間攪拌した。室温まで冷却し、有機層を分液し、水層をトルエン(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(50mL×3)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をテトラヒドロフラン(THF)(150mL)に溶解し、活性炭(16g)を加え、30分間還流した。活性炭をセライトを濾過助剤に用いて濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた固体にエタノール(100mL)を加え、30分間還流し、固体を濾別し乾燥して4’−(3,6−ジ−tert−ブチル−9−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(8.34g)を得た。
300mL−四つ口フラスコに、上記で得られた4’−(3,6−ジ−tert−ブチル−9−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(8.30g)、ジクロロメタン(150mL)を入れ、窒素雰囲気下、0℃で予めジクロロメタン(15mL)に溶解したN−ブロモスクシンイミド(NBS)(0.762g)を滴下し、3時間攪拌した。析出した固体を濾別し、メタノールで洗浄し、トルエン/アセトニトリルで再結晶し、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4’−(3,6−ジ−tert−ブチル−9−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(5.40g)を得た。
200mL−三つ口フラスコに、上記で得られN,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4’−(3,6−ジ−tert−ブチル−9−カルバゾール−9−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(5.30g)、ビスピナコールジボレート(7.24g)、酢酸カリウム(KOAc)(4.20g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)CHCl)(0.303g)、1,4−ジオキサン(60mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温100℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、セライトを濾過助剤として不溶物を除去した。溶媒を減圧留去し、トルエン170mLに溶解し、活性炭(6g)を加えて、30分間還流した。セライトを濾過助剤に用い不溶物を濾別し溶媒を減圧留去し、残渣をトルエン/アセトニトリルで再結晶し、化合物B−3(3.20g)を得た。
合成例6
(化合物B−4の合成)
化合物B−4を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
2L−三つ口フラスコに、塩化アルミニウム(43.9g)、ジクロロメタン(500mL)を入れ窒素雰囲気下で0℃に冷却、ヘキサノイルクロリド(46.3g)を滴下、次いでカルバゾール(25.0g)のジクロロメタン溶液(300mL)を滴下した。滴下完了後、室温にて12時間攪拌した。反応終了後、0℃に冷却し、酒石酸ナトリウム・カリウム水溶液(90.0g、300mL)を滴下、室温で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄後、硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、1,1−(9H−カルバゾール−3,6−ジイル)ビス(ヘキサン−1−オン)(43.0g)を得た。
2L−三つ口フラスコに、塩化アルミニウム(16.9g)、テトラヒドロフラン(THF)(180mL)を入れ窒素雰囲気下で0℃に冷却、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)(10%テトラヒドロフラン溶液、100mL)を滴下した。次いで、上記で得られた1,1−(9H−カルバゾール−3,6−ジイル)ビス(ヘキサン−1−オン)(23.0g)のテトラヒドロフラン溶液(240mL)を滴下し、0℃、窒素雰囲気下で30分攪拌したのち、室温にて10時間攪拌した。反応終了後、0℃に冷却し、酒石酸ナトリウム・カリウム水溶液(107.0g、360mL)を滴下、室温で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄後、硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、3,6−ジヘキシル−9H−カルバゾール(16.2g)を得た。
500mL−三つ口フラスコに、上記で得られた3,6−ジヘキシル−9H−カルバゾール(9.0g)、N−(4−クロロ−(1,1−ビフェニル)−N,N−ジフェニルアミン(8.64g)、t−ブトキシナトリウム(t−BuONa)(4.86g)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(Pd(dba))(0.463g)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロプルビフェニル(Xphos)(0.482g)、トルエン(127mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温110℃で6時間攪拌した。室温まで冷却し、セライトを濾過助剤として不溶物を除去した。溶媒を減圧留去し、トルエン150mLに溶解し、活性炭(1.0g)を加えて、30分間還流した。セライトを濾過助剤に用い不溶物を濾別し溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、4’−(3,6−ジヘキシル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(14.6g)を得た。
200mL−四つ口フラスコに、上記で得られた4’−(3,6−ジヘキシル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(11.0g)、ジメチルホルムアミド(60mL)を入れ、窒素雰囲気下、0℃で予めジメチルホルムアミド(DMF)(25mL)に溶解したN−ブロモスクシンイミド(NBS)(5.98g)を滴下し、3時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄後、硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、減圧留去にて濃縮した。濃縮液をメタノールに滴下、析出した固体を濾別し、4’−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(12.6g)を得た。
500mL−三つ口フラスコに、上記で得られた4’−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(12.6g)、ビスピナコールジボレート(11.8g)、酢酸カリウム(KOAc)(9.13g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド(PdCl(dppf)CHCl)(0.380g)、1,4−ジオキサン(160mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温100℃で5時間攪拌した。室温まで冷却し、セライトを濾過助剤として不溶物を除去した。溶媒を減圧留去し、トルエン200mLに溶解し、シリカゲル(150g)ショートカラムにより不溶物を除去した。溶媒を減圧留去し、残渣をトルエン/アセトニトリルで再結晶し、化合物B−4(11.0g)を得た。
合成例7
(化合物C−1の合成)
化合物C−1を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
500mL−四つ口フラスコに、9−(4−ヘキシルフェニル)−3−ブロモ−9H−カルバゾール(20.0g)、ビスピナコールジボレート(16.8g)、酢酸カリウム(KOAc)(26.0g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))(1.08g)、1,4−ジオキサン(300mL)を入れ、窒素雰囲気下で100℃で4時間還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ液をシリカゲルに通した。溶媒を減圧留去し、トルエン(200mL)に溶解し、活性炭(10.2g)を加えて30分間還流した。活性炭を濾別し、溶媒を減圧留去し、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、9−(4−ヘキシルフェニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチルー1,3,2−ジオキサボランー2−イル)−9H−カルバゾール(18.3g)を得た。
アルゴン下において反応溶器中に、ビス(4−クロロフェニル)アミン(15.0g)、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(19.6g)、ヨウ化銅(I)(CuI)(0.600g)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(trans−CyHexDiAm)(1.43g、13.0)、ナトリウム−tert−ブトキシド(t−BuONa)(12.1g)、ジオキサン(160ml)を加え、90℃にて14時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラムグラフィーにて精製し、3−ブロモ−N、N−ビス(4−クロロフェニル)アニリン(21.4g)を得た。
アルゴン下において500mL−四つ口フラスコに、上記で得られた3−ブロモ−N、N−ビス(4−クロロフェニル)アニリン(10.0g)、上記で得られた9−(4−ヘキシルフェニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−9H−カルバゾール(11.5g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(1.46g)、炭酸ナトリウム(5.40g)、トルエン(130ml)、水(60ml)、エタノール(60mL)を加え、85℃にて3時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラムグラフィーにて精製し、N,N−ビス(4−クロロフェニル)−3−(9−(4−ヘキシルフェニル))−9H−カルバゾール−3−イル)アニリン(13.7g)を得た。
500mL−四つ口フラスコに、上記で得られたN,N−ビス(4−クロロフェニル)−3−(9−(4−ヘキシルフェニル))−9H−カルバゾール−3−イル)アニリン(10.0g)、ビスピナコールジボレート(15.1g)、酢酸カリウム(KOAc)(11.6g)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc))(0.906g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(Xphos)(1.41g)、1,4−ジオキサン(160mL)を入れ、窒素雰囲気下、100℃で1.5時間還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ液をシリカゲルに通した。溶媒を減圧留去し、トルエン(200mL)に溶解し、活性炭(10.0g)を加えて30分間還流した。活性炭を濾別し、溶媒を減圧留去し、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、化合物C−1(7.76g)を得た。
合成例8
(化合物C−2の合成)
化合物C−2を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
アルゴン下において反応溶器中に、ビス(4−クロロフェニル)アミン(15.0g)、2−ブロモ−5−ヨードトルエン(37.4g)、ヨウ化銅(I)(CuI)(0.600g)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(trans−CyHexDiAm)(1.43g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(t−BuONa)(12.1g)、ジオキサン(160ml)を加え、90℃にて14時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、トルエン(100ml)で溶解し、1N−塩酸(50ml×2)、水(50ml×2)で洗浄し、MgSOで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をトルエンとメタノールの混合溶媒で再結晶し、4−ブロモ−N、N−ビス(4−クロロフェニル)−3−メチルアニリン(19.2g)を得た。
アルゴン下において500mL−四つ口フラスコに、上記で得られた4−ブロモ−N、N−ビス(4−クロロフェニル)−3−メチルアニリン(10.0g)、9−(4−ヘキシルフェニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−9H−カルバゾール(11.4g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(1.42g)、炭酸ナトリウム(5.21g)、トルエン(120ml)、水(60ml)、エタノール(60mL)を加え、85℃にて7時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラムグラフィーにて精製し、さらに、ヘキサンとエタノールの混合溶媒で再結晶しN,N−ビス(4−クロロフェニル)−4−(9−(4−ヘキシルフェニル))−9H−カルバゾール−3−イル)3−メチルアニリン(10.9g)を得た。
500mL−四つ口フラスコに、上記で得られたN,N−ビス(4−クロロフェニル)−4−(9−(4−ヘキシルフェニル))−9H−カルバゾール−3−イル)3−メチルアニリン(9.90g)、ビスピナコールジボレート(15.4g)、酢酸カリウム(KOAc)(8.97g)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc))(0.201g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(Xphos)(1.07g)、1,4−ジオキサン(130mL)を入れ、窒素雰囲気下、100℃で3時間還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ液をシリカゲルに通した。溶媒を減圧留去し、トルエン(100mL)に溶解し、活性炭(3.0g)、合成ゼオライト(3.0g)を加えて30分間還流した。セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ溶媒を減圧留去し、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、化合物C−2(5.02g)を得た。
合成例9
(化合物C−3の合成)
化合物C−3を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
アルゴン下において反応溶器中に、2−ブロモカルバゾール(25.0g)、1−ヘキシル−4−ヨードベンゼン(58.5g)、ヨウ化銅(I)(CuI)(0.967g)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(trans−CyHexDiAm)(2.31g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(t−BuONa)(19.5g)、ジオキサン(250ml)を加え、100℃にて18時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、トルエン(400ml)で溶解し、1N−塩酸(100ml×2)、水(100ml×2)で洗浄し、MgSOで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ブロモ−9−(4−ヘキシルフェニル)−9H−カルバゾール(36.8g)を得た。
500mL−四つ口フラスコに、上記で得られた2−ブロモ−9−(4−ヘキシルフェニル)−9H−カルバゾール(30.0g)、ビスピナコールジボレート(28.1g)、酢酸カリウム(KOAc)(43.5g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)CHCl)(3.01g)、1,4−ジオキサン(600mL)を入れ、窒素雰囲気下、100℃で4時間還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ液をシリカゲルに通した。溶媒を減圧留去し、トルエン(200mL)に溶解し、活性炭(10.2g)を加えて30分間還流した。活性炭を濾別し、溶媒を減圧留去し、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、9−(4−ヘキシルフェニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−9H−カルバゾール(28.5g)を得た。
アルゴン下において500mL−四つ口フラスコに、上記で得られた9−(4−ヘキシルフェニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−9H−カルバゾール(7.86g)、4−ブロモ−N、N−ビス(4−クロロフェニル)−3−メチルアニリン(7.00g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(0.993g)、炭酸ナトリウム(3.64g)、トルエン(45ml)、水(22ml)、エタノール(22mL)を加え、85℃にて6時間、混合物を攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラムグラフィーにて精製し、さらに、ヘキサンとエタノールの混合溶媒で再結晶し、N,N−ビス(4−クロロフェニル)−4−(9−(4−ヘキシルフェニル))−9H−カルバゾール−2−イル)3−メチルアニリン(11.9g)を得た。
300mL−四つ口フラスコに、上記で得られたN,N−ビス(4−クロロフェニル)−4−(9−(4−ヘキシルフェニル))−9H−カルバゾール−2−イル)3−メチルアニリン(11.9g)、ビスピナコールジボレート(13.9g)、酢酸カリウム(KOAc)(10.7g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))(0.204g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(Xphos)(1.30g)、1,4−ジオキサン(150mL)を入れ、窒素雰囲気下、100℃で6時間還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ液をシリカゲルに通した。溶媒を減圧留去し、トルエン(100mL)に溶解し、活性炭(4.0g)、合成ゼオライト(4.0g)を加えて30分間還流した。セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ溶媒を減圧留去し、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、化合物C−3(14.0g)を得た。
(比較合成例1)
(化合物A−2の合成)
化合物A−2を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
200mL−四つ口フラスコに、3−(4−ブロモフェニル)−9−フェニルカルバゾール(21.0g)、ジフェニルアミン(8.91g)、t−ブトキシナトリウム(10.0g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)CHCl)(2.14g)、トルエン(75mL)を入れ、窒素雰囲気下で、110℃で3時間還流した。セライトを濾過助剤に用いて不溶物を濾別し、シリカゲルに通し、活性炭(25g)を加えて、30分間還流した。セライトを濾過助剤に用いて活性炭を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた固体をトルエンおよびアセトニトリルを用いて再結晶し、N,N−ジフェニル−4−(9−フェニル−9−カルバゾール−3−イル)アミン(19.9g)を得た。
500mL−四つ口フラスコに、上記で得られたN,N−ジフェニル−4−(9−フェニル−9−カルバゾール−3−イル)アミン(17.7g)、DMF(310mL)を加え氷冷し、窒素雰囲気下でDMF(30mL)に溶解したN−ブロモスクシンイミド(NBS)(11.7g)を滴下し、6時間攪拌した。不溶物を濾別し、メタノール(800mL)、水(800mL)で洗浄し、真空乾燥し、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4−(9−フェニル−9−カルバゾール−3−イル)アミン(14.0g)を得た。
200mL−四つ口フラスコに、上記で得られたN,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4−(9−フェニル−9−カルバゾール−3−イル)アミン(8.00g)、酢酸カリウム(KOAc)(7.31g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン付加体(PdCl(dppf)CHCl)(0.304g)、1,4−ジオキサン(100mLを入れ、窒素雰囲気下で100℃で4時間還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトを濾過助剤に用い固体を濾別し、ろ液をシリカゲルに通した。溶媒を減圧留去し、トルエン(100mL)およびヘキサン(150mL)に溶解し、活性炭(8.0g)を加えて30分間還流した。活性炭を濾別し、溶媒を減圧留去し、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、化合物A−2(6.29g)を得た。
(比較合成例2)
(化合物B−1の合成)
化合物B−1を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
500mL−三つ口フラスコに、カルバゾール(2.93g)、4,4’−ジブロモ−4”−フルオロトリフェニルアミン(7.58g)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)(175mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温120℃で加熱し、水素化ナトリウム(0.329g)を加え、1時間攪拌した。185℃に昇温し、水素化ナトリウム(0.329g)を加え、6時間攪拌した。室温まで徐冷し、トルエン(175mL)、メタノール(90mL)を加えた。水(200mL×3)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物B−1(1.26g)を得た。
(比較合成例3)
(化合物B−2の合成)
化合物B−2を下記反応に従って合成した。
Figure 2021138915
500mL−三つ口フラスコに、9−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(5.34g)、4,4’−ジブロモ−4”−ヨードトリフェニルアミン(7.50g)、炭酸ナトリウム(2.69g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(0.74g)、1,4−ジオキサン(125mL)、水(63mL)を入れ、窒素雰囲気下、バス温100℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、トルエン(125mL)を加え、水(50mL×3)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、トルエン(50mL)、ヘキサン(100mL)に溶解し、活性炭(8g)を加え、30分間還流した。室温まで冷却しセライトを濾過助剤として、活性炭を除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーおよび再結晶(トルエン/アセトン)し、化合物B−2(6.38g)を得た。
実施例1
アルゴン雰囲気下、上記合成例1で合成した化合物A−1(1.48g)、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−)−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(1.45g)、酢酸パラジウム(10.2mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(48.0mg)、トルエン(60mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.7g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(121mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(159mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.7g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.92g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−1を得た(1.19g)。得られた高分子化合物P−1の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−1の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、240,000および5.20であった。
このようにして得られた高分子化合物P−1は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例2
アルゴン雰囲気下、上記合成例2で合成した化合物A−3(1.01g)、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−)−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(0.971g)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(20.3mg)、トルエン(40mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.61g)を四つ口フラスコに加え、85℃で7時間攪拌した。その後、イオン交換水(40mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.86g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−2を得た(0.92g)。得られた高分子化合物P−2の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−2の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、91,600および2.50であった。
このようにして得られた高分子化合物P−2は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例3
アルゴン雰囲気下、上記合成例3で合成した化合物A−4(1.64g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン(0.983g)、酢酸パラジウム(9.0mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(42.2mg)、トルエン(53mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.3g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(241mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(140mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.3g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(13.5g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−3を得た(1.35g)。得られた高分子化合物P−3の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−3の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、86,000および2.56であった。
このようにして得られた高分子化合物P−3は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例4
アルゴン雰囲気下、上記合成例3で合成した化合物A−4(1.72g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(1.15g)、酢酸パラジウム(9.4mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(44.2mg)、トルエン(57mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.7g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(121mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(146mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.7g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(14.1g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−4を得た(1.14g)。得られた高分子化合物P−4の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−4の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、139,000および3.39であった。
このようにして得られた高分子化合物P−4は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例5
アルゴン雰囲気下、上記合成例3で合成した化合物A−4(1.46g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−デシルフルオレン(1.07g)、酢酸パラジウム(8.0mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(37.5mg)、トルエン(51mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.15g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(214mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(124mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.15g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(12.0g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−5を得た(1.29g)。得られた高分子化合物P−5の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−5の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、101,000および2.66であった。
このようにして得られた高分子化合物P−5は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例6
アルゴン雰囲気下、上記合成例3で合成した化合物A−4(1.39g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ドデシルフルオレン((1.11g)、酢酸パラジウム(7.6mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(35.6mg)、トルエン(50mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(8.67g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(121mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(118mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(8.67g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(11.4g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−6を得た(1.41g)。得られた高分子化合物P−6の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−6の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、108,000および2.70であった。
このようにして得られた高分子化合物P−6は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例7
アルゴン雰囲気下、上記合成例6で合成した化合物B−4(1.82g)、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−)−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(1.10g)、酢酸パラジウム(4.49mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(42.3mg)、トルエン(58.5mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.36g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(97.5mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(56.1mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.36g)を加え、6時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.92g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%塩酸、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−7を得た(0.51g)。得られた高分子化合物P−7の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−1のMwおよびMw/Mnは、それぞれ、160,000および2.50であった。
このようにして得られた高分子化合物P−7は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
比較例1
アルゴン雰囲気下、上記比較合成例1で合成した化合物A−2(1.43g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−デシルフルオレン(1.17g)、酢酸パラジウム(8.7mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(40.9mg)、トルエン(52mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.98g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(234mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(136mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.98g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(13.1g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−8を得た(0.788g)。得られた高分子化合物P−8の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−8の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、209,000および1.90であった。
このようにして得られた高分子化合物P−8は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
比較例2
アルゴン雰囲気下、上記比較合成例1で合成した化合物A−2(1.34g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ドデシルフルオレン(1.20g)、酢酸パラジウム(8.2mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(38.6mg)、トルエン(51mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.41g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(221mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(128g)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(941g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(12.3g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−9を得た(0.788g)。得られた高分子化合物P−9の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−9の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、79,000および2.56であった。
このようにして得られた高分子化合物P−9は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例8
アルゴン雰囲気下、上記合成例3で合成した化合物A−4(1.54g)、2,7−ジブロモ−9,9−(2−エチルヘキシル)フルオレン(1.03g)、酢酸パラジウム(8.4mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(39.7mg)、トルエン(52mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.69g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(227mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(132mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.69g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(12.7g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−10を得た(1.07g)。得られた高分子化合物P−10の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−10の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、108,000および2.74であった。
このようにして得られた高分子化合物P−10は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例9
アルゴン雰囲気下、上記合成例4で合成した化合物A−5(1.54g)、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン(1.03g)、酢酸パラジウム(4.2mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(39.7mg)、トルエン(52mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.69g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(227mg)、テトラキシ(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(79.2mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.36g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.35g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−11を得た(1.03g)。得られた高分子化合物P−11の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−11の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、45,900および2.19であった。
このようにして得られた高分子化合物P−11は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例10
アルゴン雰囲気下、合成例7で合成した化合物C−1(1.54g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(1.03g)、酢酸パラジウム(4.2mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(39.7mg)、トルエン(54mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.69g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(227mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(79.2mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.69g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.35g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−12を得た(0.83g)。得られた高分子化合物P−12の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−12の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、218,000および2.07であった。
このようにして得られた高分子化合物P−12は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例11
アルゴン雰囲気下、合成例7で合成した化合物C−1(1.46g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−デシルフルオレン(1.07g)、酢酸パラジウム(4.0mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(38.5mg)、トルエン(54mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.15g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(214mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(74.8mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.15g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.00g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−13を得た(0.20g)。得られた高分子化合物P−13の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−13の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、81,900および2.47であった。
このようにして得られた高分子化合物P−13は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例12
アルゴン雰囲気下、合成例7で合成した化合物C−1(1.38g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ドデシルフルオレン(1.11g)、酢酸パラジウム(3.8mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(35.6mg)、トルエン(54mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(8.67g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(203mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(70.9mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(8.67g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.69g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−14を得た(0.38g)。得られた高分子化合物P−14の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−14の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、78,800および1.57であった。
このようにして得られた高分子化合物P−14は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例13
アルゴン雰囲気下、合成例8で合成した化合物C−2(1.55g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(1.01g)、酢酸パラジウム(4.2mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(39.2mg)、トルエン(54mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.55g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(224mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(78.0mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.55g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.26g)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−15を得た(0.64g)。得られた高分子化合物P−15の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−15の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、219,000および1.94であった。
このようにして得られた高分子化合物P−15は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例14
アルゴン雰囲気下、合成例4で合成した化合物A−5(1.64g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン(0.983g)、酢酸パラジウム(4.5mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(42.2mg)、トルエン(54mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.2g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(241mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(84.1mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.2g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.75)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−16を得た(0.930g)。得られた高分子化合物P−16の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−16の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、104,000および2.04であった。
このようにして得られた高分子化合物P−16は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例15.
アルゴン雰囲気下、合成例4で合成した化合物A−5(1.54g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(1.03g)、酢酸パラジウム(4.2mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(39.7mg)、トルエン(54mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.69g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(227mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(79.2mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.69g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(50mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.35)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−17を得た(0.930g)。得られた高分子化合物P−17の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−17の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、50,000および1.94であった。
このようにして得られた高分子化合物P−17は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例16
アルゴン雰囲気下、合成例4で合成した化合物A−5(0.974g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−デシルフルオレン(0.716g)、酢酸パラジウム(2.7mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(25.0mg)、トルエン(36mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.10g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(143mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(49.4mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.10g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(40mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(4.00)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−18を得た(0.42g)。得られた高分子化合物P−18の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−18の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ、59,000および1.76であった。
このようにして得られた高分子化合物P−18は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例17
アルゴン雰囲気下、合成例4で合成した化合物A−5(0.923g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ドデシルフルオレン(0.741g)、酢酸パラジウム(2.5mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(23.9mg)、トルエン(36mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.78g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(135mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(47.2mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.78g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(40mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(3.79)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−19を得た(0.25g)。得られた高分子化合物P−19の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−19の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ9,100および1.93であった。
このようにして得られた高分子化合物P−19は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例18
アルゴン雰囲気下、合成例9で合成した化合物C−3(1.55g)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン(1.01g)、酢酸パラジウム(4.2mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(39.2mg)、トルエン(54mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.55g)を四つ口フラスコに加え、85℃で6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(224mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(78.0mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.55g)を加え、3時間攪拌した。その後、イオン交換水(40mL)に溶解したN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(6.26)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層をシリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をトルエンに溶解させた。次に、この溶液をメタノールに滴下し析出させ、析出した固体をろ別、乾燥して、高分子化合物P−20を得た(0.25g)。得られた高分子化合物P−20の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、高分子化合物P−20の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、それぞれ169,000および2.39であった。
このようにして得られた高分子化合物P−20は、単量体の仕込み比から以下の構成単位を有する高分子化合物であると推定される。
Figure 2021138915
実施例19
第1電極(陽極)として、酸化インジウムスズ(ITO)が膜厚150nmでパターニングされているITO付きガラス基板を使用した。このITO付きガラス基板を、中性洗剤、脱イオン水、水及びイソプロピルアルコールを用いて順次洗浄した後、UV−オゾン処理を実施した。次に、このITO付きガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)(Sigma−Aldrich製)を、乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法により塗布した後、乾燥させた。その結果、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔注入層がITO付きガラス基板上に形成された。
この正孔注入層上に、実施例1の高分子化合物P−1(正孔輸送材料)の1.0質量%のトルエン溶液を、乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法により塗布した後、230℃で60分間熱処理して、正孔輸送層を形成した。その結果、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔輸送層が正孔注入層上に形成された。
シクロヘキサン中に、下記構造:
Figure 2021138915
を有するZnTeSe/ZnSe/ZnS(コア/シェル/シェル;平均直径=約10nm)の青色量子ドットを、1.0質量%となるように分散させ、量子ドット分散液を調製した。なお、正孔輸送層(特に高分子化合物P−1)はシクロヘキサンには溶解しない。この量子ドット分散液を、乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法により上記正孔輸送層上に塗布した後、乾燥させた。その結果、厚さ(乾燥膜厚)30nmの量子ドット発光層が正孔輸送層上に形成された。なお、量子ドット分散液に紫外線を照射することにより発せられる光は、中心波長が462nm、半値幅が30nmであった。
この量子ドット発光層を完全に乾燥させた。この量子ドット発光層上に、真空蒸着装置を用いて、リチウムキノレート(Liq)及び電子輸送材料としての1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)(Sigma−Aldrich製)を共蒸着させた。その結果、厚さが36nmの電子輸送層が量子ドット発光層上に形成された。
真空蒸着装置を用いて、この電子輸送層上に、(8−キノリノラト)リチウム(リチウムキノレート)(Liq)を蒸着させた。その結果、厚さ0.5nmの電子注入層が電子輸送層上に形成された。
真空蒸着装置を用いて、この電子注入層上に、アルミニウム(Al)を蒸着させた。その結果、厚さ100nmの第2電極(陰極)が電子注入層上に形成された。これにより、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1を得た。
実施例20
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例2の高分子化合物P−2を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子2を作製した。
実施例21
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例3の高分子化合物P−3を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子3を作製した。
実施例22
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例4の高分子化合物P−4を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子4を作製した。
実施例23
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例5の高分子化合物P−5を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子5を作製した。
実施例24
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例6の高分子化合物P−6を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子6を作製した。
実施例25
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例7の高分子化合物P−7を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子7を作製した。
実施例26
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例9の高分子化合物P−11を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子8を作製した。
実施例27
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例10の高分子化合物P−12を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子9を作製した。
実施例28
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例11の高分子化合物P−13を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子10を作製した。
実施例29
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例12の高分子化合物P−14を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子11を作製した。
実施例30
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例13の高分子化合物P−15を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子12を作製した。
実施例31
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例14の高分子化合物P−16を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子13を作製した。
実施例32
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例15の高分子化合物P−17を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子14を作製した。
実施例33
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例16の高分子化合物P−18を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子15を作製した。
実施例34
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例17の高分子化合物P−19を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子16を作製した。
実施例35
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、実施例18の高分子化合物P−20を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子17を作製した。
比較例3
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、下記構成単位を有するポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)](TFB)(Luminescence Technology Corp.製)を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、比較量子ドットエレクト
ロルミネッセンス素子1を作製した。なお、TFBの重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、TFBの重量平均分子量及びMw/Mnは、それぞれ、359,000および3.4であった。
Figure 2021138915
比較例4
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、比較例1の高分子化合物P−8を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子2を作製した。
比較例5
実施例19において、高分子化合物P−1の代わりに、比較例2の高分子化合物P−9を使用する以外は、実施例19と同様の操作を行い、比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子2を作製した。
[量子ドットエレクトロルミネッセンス素子の評価1]
上記実施例19〜33にて作製した量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1〜15および比較例3〜5にて作製した比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1〜3について、下記方法により、発光効率および発光寿命を評価した。結果を下記表1に示す。
(発光効率)
各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子に対して、電圧を印加すると、一定の電圧で電流が流れ始め、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子が発光する。直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各素子に対して、徐々に電圧を増加させ、その時の電流値を計測し、発光時の輝度を輝度測定装置(Topcom製、SR−3)を用いて測定する。ここで、輝度が減衰を始めた時点で測定を終了する。各素子の面積から単位面積あたりの電流値(電流密度)を計算し、輝度(cd/m)を電流密度(A/m)にて除算することで、電流効率(cd/A)を算出する。下記表1中、測定した電圧範囲で最も高い電流効率を「cd/A max」とする。なお、電流効率は、電流を発光エネルギーへ変換する効率(変換効率)を示し、電流効率が高いほど素子の性能が高いことを示す。
また、輝度測定装置で測定した分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定して、cd/A max時の外部量子効率(EQE)(%)を算出し、発光効率を評価する。
さらに、直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子に対して電圧を印加すると、一定の電圧で電流が流れ始め、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子が発光する。各素子の発光を輝度測定装置(Topcom製、SR−3)を用いて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が1000nit(cd/m)になったところで電流を一定にし、放置する。ここで、1000nit時の電圧を「V@1000nit」とする。
(発光寿命)
直流定電圧電源(株式会社キーエンス製、ソースメータ(source meter))を用いて、各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子に対して所定の電圧を加え、各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子を発光させる。量子ドットエレクトロルミネッセンス素子の発光を輝度測定装置(株式会社Topcom製、SR−3)にて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が650nit(cd/m)になったところで電流を一定にし、放置する。輝度測定装置で測定した輝度の値が徐々に低下し、初期輝度の50%になるまでの時間を「LT50(hr)」とする。
Figure 2021138915
上記表1の結果から、実施例の量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1〜17は、本発明に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体を使用しない比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子2〜3に比して、有意に高い耐久性(有意に長い発光寿命)を発揮できることが分かる。また、実施例の量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1〜17は、本発明に係るアリールアミン−フルオレン交互共重合体を使用しない比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子2〜3に比して、同等以下の低駆動電圧でより高い発光効率を発揮できることも分かる。なお、比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1は、発光効率(EQE)は、実施例の量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1〜6に比して高いものの、発光寿命(LT50)の点でかなり劣る。このため、総体的に考えると、比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1は、実施例の量子ドットエレクトロルミネッセンス素子1〜6より、実使用面での発光性能(発光効率と発光寿命とのバランス)の点で劣ると考えられる。
実施例36
第1電極(陽極)として、酸化インジウムスズ(ITO)が膜厚150nmでパターニングされているITO付きガラス基板を使用した。このITO付きガラス基板を、中性洗剤、脱イオン水、水及びイソプロピルアルコールを用いて順次洗浄した後、UV−オゾン処理を実施した。次に、このITO付きガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)(Sigma−Aldrich製)を、乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法により塗布した後、乾燥させた。その結果、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔注入層がITO付きガラス基板上に形成された。
この正孔注入層上に、実施例3の高分子化合物P−3(正孔輸送材料)を1.0質量%含むトルエン溶液を、乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法により塗布した後、230℃で60分間熱処理して、正孔輸送層を形成した。その結果、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔輸送層が正孔注入層上に形成された。
シクロヘキサン中に、下記構造:
Figure 2021138915
を有するInP/ZnSe/ZnS(コア/シェル/シェル;平均直径=約10nm)の赤色量子ドットを、1.0質量%となるように分散させ、量子ドット分散液を調製した。なお、正孔輸送層(特に高分子化合物P−3)はシクロヘキサンには溶解しない。この量子ドット分散液を、乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法により上記正孔輸送層上に塗布した後、乾燥させた。その結果、厚さ(乾燥膜厚)30nmの量子ドット発光層が正孔輸送層上に形成された。なお、量子ドット分散液に紫外線を照射することにより発せられる光は、中心波長が627nm、半値幅が35nmであった。
この量子ドット発光層を完全に乾燥させた。この量子ドット発光層上に、真空蒸着装置を用いて、リチウムキノレート(Liq)及び電子輸送材料としての1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)(Sigma−Aldrich製)を共蒸着させた。その結果、厚さが36nmの電子輸送層が量子ドット発光層上に形成された。
真空蒸着装置を用いて、この電子輸送層上に、(8−キノリノラト)リチウム(リチウムキノレート)(Liq)を蒸着させた。その結果、厚さ0.5nmの電子注入層が電子輸送層上に形成された。
真空蒸着装置を用いて、この電子注入層上に、アルミニウム(Al)を蒸着させた。その結果、厚さ100nmの第2電極(陰極)が電子注入層上に形成された。これにより、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子18を得た。
実施例37
実施例36において、高分子化合物P−3の代わりに、実施例4の高分子化合物P−4を使用する以外は、実施例36と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子19を作製した。
実施例38
実施例36において、高分子化合物P−3の代わりに、実施例8の高分子化合物P−10を使用する以外は、実施例36と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子20を作製した。
実施例39
実施例36において、高分子化合物P−3の代わりに、実施例7の高分子化合物P−7を使用する以外は、実施例36と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子21を作製した。
実施例40
実施例36において、高分子化合物P−3の代わりに、実施例9の高分子化合物P−11を使用する以外は、実施例36と同様の操作を行い、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子22を作製した。
比較例6
実施例36において、高分子化合物P−3の代わりに、下記構成単位を有するポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)](TFB)(Luminescence Technology Corp.製)を使用する以外は、実施例36と同様の操作を行い、比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子4を作製した。なお、TFBの重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をSECで測定した。その結果、TFBの重量平均分子量及びMw/Mnは、それぞれ、359,000および3.4であった。
Figure 2021138915
[量子ドットエレクトロルミネッセンス素子の評価2]
上記実施例36〜40にて作製した量子ドットエレクトロルミネッセンス素子18〜22および比較例6にて作製した比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子4について、下記方法により、発光効率および発光寿命を評価した。結果を下記表2に示す。
(発光効率)
各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子に対して、電圧を印加すると、一定の電圧で電流が流れ始め、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子が発光する。直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各素子に対して、徐々に電圧を増加させ、その時の電流値を計測し、発光時の輝度を輝度測定装置(Topcom製、SR−3)を用いて測定する。ここで、輝度が減衰を始めた時点で測定を終了する。各素子の面積から単位面積あたりの電流値(電流密度)を計算し、輝度(cd/m)を電流密度(A/m)にて除算することで、電流効率(cd/A)を算出する。下記表1中、測定した電圧範囲で最も高い電流効率を「cd/A max」とする。なお、電流効率は、電流を発光エネルギーへ変換する効率(変換効率)を示し、電流効率が高いほど素子の性能が高いことを示す。
また、輝度測定装置で測定した分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定して、cd/A max時の外部量子効率(EQE)(%)を算出し、発光効率を評価する。
さらに、直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子に対して電圧を印加すると、一定の電圧で電流が流れ始め、量子ドットエレクトロルミネッセンス素子が発光する。各素子の発光を輝度測定装置(Topcom製、SR−3)を用いて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が1000nit(cd/m)になったところで電流を一定にし、放置する。ここで、1000nit時の電圧を「V@1000nit」とする。
(発光寿命)
直流定電圧電源(株式会社キーエンス製、ソースメータ(source meter))を用いて、各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子に対して所定の電圧を加え、各量子ドットエレクトロルミネッセンス素子を発光させる。量子ドットエレクトロルミネッセンス素子の発光を輝度測定装置(株式会社Topcom製、SR−3)にて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が4500nit(cd/m)になったところで電流を一定にし、放置する。輝度測定装置で測定した輝度の値が徐々に低下し、初期輝度の80%になるまでの時間を「LT80(hr)」とする。
Figure 2021138915
上記表2の結果から、実施例の量子ドットエレクトロルミネッセンス素子18〜22は、比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子4に比して、有意に高い耐久性(有意に長い発光寿命)を発揮できることが分かる。また、実施例の量子ドットエレクトロルミネッセンス素子18〜22は、比較量子ドットエレクトロルミネッセンス素子4に比して、より低駆動電圧でほぼ同等の発光効率を発揮できることも分かる。
[各高分子化合物の特性評価]
上記実施例1〜18の高分子化合物P−1〜P−7およびP−10〜P−20について、下記方法により、HOMO準位(eV)、LUMO準位(eV)およびガラス転移温度(Tg)(℃)を測定した。結果を下記表3に示す。
(HOMO準位の測定)
各高分子化合物を、濃度が1質量%となるようにキシレンに溶解させ、塗布液を調製する。UV洗浄したITO付きガラス基板上に、上記で調製した塗布液を用い、回転数2000rpmの条件で、スピンコート法により製膜した後、ホットプレート上で、150℃、30分の条件で乾燥させ、測定用のサンプルを作製する。大気中光電子分光装置(理研計器株式会社製、AC−3)を用いて、サンプルのHOMO準位を測定する。このとき、測定結果から、立ち上がりの接線交点を算出し、HOMO準位(eV)とする。なお、HOMO準位は、通常、負の数値である。
(LUMO準位の測定)
各高分子化合物を、濃度が3.2質量%となるようにトルエンに溶解させ、塗布液を調製する。UV洗浄したITO付きガラス基板上に、上記で調製した塗布液を用い、回転数1600rpmの条件で、スピンコート法により製膜した後、ホットプレート上で、250℃、60分の条件で乾燥させ、測定用のサンプル(製膜された膜の膜厚:約70nm)を作製する。得られたサンプルを77K(−196℃)まで冷却して、フォトルミネッセンス(PL)スペクトルを測定する。PLスペクトルの最も短波長側のピーク値から、LUMO準位(eV)を算出する。
(ガラス転移温度(Tg))
各高分子化合物を、示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツル社製、商品名:DSC6000)を用いて、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温して10分間保持したサンプルを、降温速度10℃/分で25℃まで冷却して10分間保持した後、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温して測定を行う。測定終了後は10℃/分で室温(25℃)まで冷却する。
Figure 2021138915
Figure 2021138915
Figure 2021138915
Figure 2021138915
Figure 2021138915
以上、本発明について実施形態および実施例を挙げて説明したが、本発明は特定の実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100…エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)、
110…基板、
120…第1電極、
130…正孔注入層、
140…正孔輸送層、
150…発光層、
160…電子輸送層、
170…電子注入層、
180…第2電極。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で示される構成単位(A)を有するアリールアミン−フルオレン交互共重合体:
    Figure 2021138915

    上記式(1)中、
    〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表し、
    は、置換されたもしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表し、
    xは、0、1または2であり、xが2である場合には、Lはそれぞれ同じであってもまたは異なるものであってもよく、
    は、置換されたもしくは非置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換されたもしくは非置換の芳香族複素環基を表し、この際、Lは、Arと環を形成してよく、
    Arは、置換もしくは非置換の炭素数6以上25以下の2価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基を表し、かつArまたはLと環を形成し、
    Arは、炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐した炭化水素基で置換された、炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、この際、Arは、Arと環を形成してよい。
  2. ArがLと環を形成する、請求項1に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体。
  3. 上記式(1)中の−L−N(Ar)(Ar)は、下記群から選択される構造を有する、請求項2に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体。
    Figure 2021138915

    ただし、R211〜R214は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数3以上10以下の直鎖もしくは炭素数3以上10以下の分岐したアルキル基を表す。
  4. 上記式(1)中、ArがArと環を形成し、−N(Ar)(Ar)が下記群から選択される基である、請求項1に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体。
    Figure 2021138915

    ただし、R311〜R323は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表し、かつR311〜R323のいずれか少なくとも1つは炭素数1以上12以下の直鎖のもしくは炭素数1以上12以下の分岐したアルキル基を表す。
  5. Arは、ベンゼン、ビフェニル、ジベンゾフランおよびフルオレンからなる群より選択される化合物由来の基であり、かつ、炭素数4以上10以下の直鎖のもしくは炭素数4以上10以下の分岐したアルキル基で置換される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体。
  6. 前記構成単位(A)は、全構成単位に対して、10モル%以上100モル%以下の割合で含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体。
  7. 前記式(1)中、xは1または2であり、前記Lは下記群から選択される基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体。
    Figure 2021138915

    ただし、R111〜R125は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の直鎖もしくは炭素数1以上16以下の分岐した炭化水素基を表す。
  8. 前記構成単位(A)は、下記群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体。
    Figure 2021138915

    ただし、R411〜R431は、それぞれ独立して、炭素数1以上12以下の直鎖もしくは炭素数1以上12以下の分岐したアルキル基を表し、R511〜R543は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上16以下の炭化水素基を表す。
  9. 請求項1〜8に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含むエレクトロルミネッセンス素子材料。
  10. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される1層以上の有機膜と、を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機膜の少なくとも1層は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む、エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記アリールアミン−フルオレン交互共重合体を含む有機膜が、正孔輸送層または正孔注入層である、請求項10に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記有機膜が半導体ナノ粒子または有機金属錯体を含む発光層を有する、請求項10または11に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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