JP2021137838A - ダイカストマシンの油圧システム、それを備えた射出装置、およびダイカスト成形方法 - Google Patents

ダイカストマシンの油圧システム、それを備えた射出装置、およびダイカスト成形方法 Download PDF

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芳紀 岡崎
Yoshinori Okazaki
芳紀 岡崎
寛人 佐々木
Hiroto Sasaki
寛人 佐々木
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Abstract

【課題】射出装置の加速度が十分に高くても、オーバーシュートを抑えて目標速度に制御することが可能なダイカスト成形の油圧システム、それを備えた射出装置、およびダイカスト成形方法を提供すること。【解決手段】ダイカストマシンの油圧システム10は、ダイカストマシン100の射出装置20を油圧により駆動する射出シリンダ11と、射出シリンダ11に作動油を供給する油圧源(13,121,122)と、射出シリンダ11に供給される作動油の流量を調整可能な流量調整部14とを備える。流量調整部14は、直列に配置される第1流量調整弁141および第2流量調整弁142を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイカストマシンに用いられる油圧システム、それを備えた射出装置、およびダイカスト成形方法に関する。
近年、薄肉かつ投影面積のより大きなダイカスト成形品が求められている。そうした成形品に対応するキャビティの全体に亘り溶湯を迅速に充填するため、射出装置により射出される溶湯の最大速度および加速度の高速化を図る必要がある。
ダイカストマシンの射出装置は、射出シリンダおよびアキュムレータ等の油圧源を含む油圧システムと、射出シリンダのピストンロッドに結合したプランジャと、キャビティに連通したスリーブとを備えている。かかる射出装置は、射出シリンダによりプランジャを駆動してスリーブ内の溶湯をキャビティに向けて射出する。
特許文献1に記載された射出装置は、高速射出用のアキュムレータと、昇圧保持用のアキュムレータとを備えており、それぞれのアキュムレータは、ノンリーク式サーボバルブを介して射出シリンダ内のピストンヘッド側油室に接続されている。
特許文献1においては、油圧ポンプにより射出シリンダに与えられる油圧によってプランジャを低速で前進させ、プランジャのチップにより押された溶湯がゲートに到達したならば、油圧源を高速射出用のアキュムレータに切り替えて高速射出用のサーボバルブを開くことで、プランジャによる射出速度を増加させて溶湯をキャビティに充填する。
また、射出成形機のスクリュを駆動する特許文献2の油圧式射出装置は、油圧回路上に並列に配置される4ポート式の第1サーボ弁および第2サーボ弁を備えている。第1サーボ弁の各ポートは、射出シリンダのロッド側油室、ヘッド側油室、アキュムレータ、およびオイルタンクに接続されている。第2サーボ弁の各ポートの接続先も同様である。特許文献2によれば、同一の特性を備える第1サーボ弁および第2サーボ弁に対して同一の指令を並列に送ることにより、制御遅れをなくしている。
特開2009−107010号公報 特開2007−253389号公報
射出最大速度の増加は、アキュムレータ等の並列接続による大容量化によって実現できるとしても、低速域から高速域へと射出速度を切り替える際の加速度を増加させることは難しい。
加速度を増加させようとすると、より短時間で大流量の作動油の流れを制御する必要がある。例えば、充填用アキュムレータに接続されたサーボバルブを一旦全開にした後、目標速度に到達する直前から、サーボバルブの開度を目標速度に対応する開度に調整する必要があり、このサーボバルブの動作は瞬時に精度良くなされることが要求される。
しかし、こうした俊敏な動作は、ボールねじを介してサーボモータとスプールとが一体化された電子制御式バルブユニットによっても、慣性等の影響により実現出来ていない。全開状態から開度調整指令どおりの開度にサーボバルブが追従するまでの機械的および電気的な遅れにより、目標速度を超過する現象であるオーバーシュートが発生することを避けるためには、射出装置の加速度を抑えざるを得ない。
以上より、本発明は、射出装置の加速度が十分に高くても、オーバーシュートを抑えて目標速度に制御することが可能なダイカスト成形の油圧システム、それを備えた射出装置、およびダイカスト成形方法を提供することを目的とする。
本発明のダイカストマシンの油圧システムは、ダイカストマシンの射出装置を油圧により駆動する射出シリンダと、射出シリンダに作動油を供給する油圧源と、射出シリンダに供給される作動油の流量を調整可能な流量調整部と、を備える。
流量調整部は、直列に配置される第1流量調整弁および第2流量調整弁を含む。
本発明のダイカストマシンの油圧システムにおいて、流量調整部は、射出シリンダのピストンロッド側の油室に連通していることが好ましい。
本発明のダイカストマシンの油圧システムにおいては、第1流量調整弁および第2流量調整弁のうち任意に選択されるいずれか一方が、射出シリンダ側に位置し、他方が、作動油を貯留する貯留タンク側に位置していることが好ましい。
本発明のダイカストマシンの油圧システムは、第1流量調整弁および第2流量調整弁へ開度の指令を発する制御部を備え、制御部は、射出装置の射出速度を低速域から高速域へと切り替える際には、第1流量調整弁へ発せられた指令に基づいて射出速度を目標速度に向けて増加させている間に、第2流量調整弁へ開度減少の指令を発することが好ましい。
本発明のダイカストマシンの油圧システムにおいて、第1流量調整弁へ発せられた指令に基づいて射出速度を目標速度に向けて増加させている間に、第2流量調整弁は、全開状態から開度を減少させることが好ましい。
本発明のダイカストマシンの射出装置は、金型に形成されるキャビティに連通するスリーブと、スリーブに対して進退可能なプランジャと、プランジャを駆動する上述の油圧システムと、を備える。
また、本発明は、ダイカストマシンの射出装置を油圧により駆動する射出シリンダと、射出シリンダに作動油を供給する油圧源と、射出シリンダに供給される作動油の流量を調整可能な流量調整部と、を備える油圧システムを用いるダイカスト成形方法であって、流量調整部は、直列に配置される第1流量調整弁および第2流量調整弁を含み、射出装置により相対的に低い速度域にて溶湯を射出する低速射出ステップから、射出装置により相対的に高い速度域にて溶湯を射出する高速射出ステップへと切り替える際に、第1流量調整弁へ発せられた指令に基づいて射出装置の射出速度を目標速度に向けて増加させている間に、記第2流量調整弁へ開度減少の指令を発する。
本発明によれば、第1流量調整弁および第2流量調整弁のそれぞれに遅れ時間を見越したタイミングで制御部から順次指令を送ることにより、射出速度の切替時に第1流量調整弁を全開状態とし、単一の流量調整弁を備える場合にはオーバーシュートが発生する程の加速度で射出装置を目標速度に到達させる一方で、第2流量調整弁を絞り射出装置を急減速させることが可能となるので、加速度が十分に高くても、オーバーシュートを抑えつつ目標速度に制御することができる。
こうした第1流量調整弁および第2流量調整弁の動作の連携により射出装置の急加速および急減速が可能となることで、より短時間での溶湯の充填を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの油圧システムを示す図である。 図1に示す油圧システムにより駆動される射出装置を備えたダイカストマシンを示す図である。 図1および図2に示す射出装置および油圧システムに関し、低速射出ステップおよび高速射出ステップからなる射出工程と、増圧工程とにおける速度および圧力の変化を示す図である。 (a)および(b)は、射出速度の切替時における第1流量調整弁および第2流量調整弁の動作を説明するためのグラフである。(a)は、制御部から各流量調整弁へ開度指令が発せられるタイミングを示し、(b)は、各流量調整弁の開度の変化を示している。図4(a)および(b)のいずれにおいても、第1流量調整弁の値を実線(#1)で示し、第2流量調整弁の値を一点鎖線(#2)で示している。 また、図4(b)においては、第1流量調整弁の全開時の開度A1−2を100%としたときの弁の開度を示すとともに、第2流量調整弁の全開時の開度A2−1を100%としたときの弁の開度を示している。図4(a)の開度指令の開度も上記に準じる。 (a)は、本発明の実施形態について、2つの流量調整弁からなる流量調整部全体としての流量と、射出速度とを模式的に示すグラフである。(b)は、比較例について、単一の流量調整弁の流量と、射出速度とを模式的に示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1に示す油圧システム10は、図2に示すダイカストマシン100に備わる射出装置20を油圧により駆動する。油圧システム10により射出装置20を例えば図3に示す速度および圧力により動作させる射出工程S1および増圧・保圧工程S2を経て、ダイカスト成形による鋳造品を得ることができる。
ダイカストマシン100は、図2に構成の一例を簡略に示すように、溶湯が充填されるキャビティ2を形成する固定金型3および可動金型4と、固定金型3および可動金型4に型締め力を与える型締め装置5と、キャビティ2に溶湯を射出する射出装置20とを備えている。型締め装置5は、固定プラテン51と、図示しない可動プラテンおよびタイバーとを備えている。
射出装置20は、固定プラテン51に設けられたスリーブ21と、スリーブ21に対して進退可能に設けられるプランジャ22とを備えている。プランジャ22のロッド22Aは、油圧システム10の射出シリンダ11のピストンロッド110Bに対して、カップリング221を介して結合している。
アルミニウム合金等の溶湯を注入口21Aからスリーブ21の内側に注入した後、射出シリンダ11によりプランジャ22をキャビティ2に向けて前進させると、プランジャ22のチップ22Bによりスリーブ21内から溶湯23が押し出され、固定金型3に形成されたランナ24やゲート25を通りキャビティ2に向けて射出される(射出工程S1)。
プランジャ22がキャビティ2に向けて移動する速度のことを「射出速度」と称する。
射出工程S1の開始時から、プランジャ22の前進によりスリーブ21に溶湯が満たされ、溶湯がゲート25に到達するまでの間は、プランジャ22が相対的に低い低速域、例えば速度vにて駆動される(低速射出ステップS11)。溶湯がゲート25に到達するとプランジャ22による射出速度が相対的に高い高速域、例えば目標速度vへと切り替えられ(高速射出ステップS12)、プランジャ22を一気に前進させて溶湯をキャビティ2に充填する。
ここで、製品が薄肉であるほど金型3,4による溶湯の抵抗が大きく、また、金型3,4の分割面に対するキャビティ2およびランナ24の投影面積が大きいほど溶湯の流動長が長い。そのため、特に、薄肉や投影面積が大きい製品を成形する場合は、金型により溶湯が凝固しないうち、つまり出来るだけ短時間のうちに、キャビティ2全体に溶湯が行き渡るように、低速射出ステップS11から高速射出ステップS12へと急激に射出速度を増加させて大流量で溶湯を射出する必要がある。
図1は、油圧システム10の油圧回路の一例を示している。油圧システム10は、射出装置20(図2)を油圧により駆動する射出シリンダ11と、いずれも蓄圧器である充填用アキュムレータ121および増圧用アキュムレータ122と、油圧ポンプ13と、第1流量調整弁141および第2流量調整弁142を含み、射出シリンダ11に供給される作動油の流量を調整可能な流量調整部14と、開閉弁151〜154と、油圧ポンプ13への作動油の逆流を防ぐチェック弁16と、作動油を貯留する貯留タンク17と、流量調整部14や開閉弁151〜154の動作を制御する制御部18とを備えている。
射出シリンダ11は、シリンダ本体111と、ピストン110と、ピストンヘッド110A側の流入油室11Aと、ピストンロッド110B側の排出油室11Bとを備えている。流入油室11Aは、開閉弁151,152が開閉されることにより、充填用アキュムレータ121と増圧用アキュムレータ122とに切り替え可能に接続される。
排出油室11Bは、流量調整部14を介して貯留タンク17に接続されている。排出油室11Bからの作動油の排出流量を流量調整部14により調整すると、充填用アキュムレータ121から流入油室11Aに供給される作動油により射出シリンダ11に得られる油圧が調整されることで、プランジャ22による射出速度が制御される。
排出油室11Bに連通した流量調整部14により射出シリンダ11のピストンロッド110B側が絞られていると、充填用アキュムレータ121から流入油室11Aへの作動油の供給によりピストン110に作用する圧力に対する背圧を排出油室11Bに与えることができるので、負荷の変動に対して射出シリンダ11の動作を安定させることができる。
加えて、流量調整弁141,142の動作に対するプランジャ22の追従性が高い。例えば、開閉弁151,154を開いて充填用アキュムレータ121から流入油室11Aに油圧を付与しておくことで、流量調整部14の流量調整弁141,142の動作に追従してプランジャ22を応答性よく動作させることができる。
本実施形態とは異なり、流量調整部14が流入油室11Aに接続されることも許容される。その場合でも、流入油室11Aに流入する作動油の流量が流量調整部14により調整されることで、プランジャ22による射出速度が制御される。
充填用アキュムレータ121、増圧用アキュムレータ122、および油圧ポンプ13は、油圧システム10の油圧源に相当する。
充填用アキュムレータ121および増圧用アキュムレータ122のいずれも、作動油の流入、流出に伴う流体エネルギーの蓄積、放出が可能である。充填用アキュムレータ121および増圧用アキュムレータ122は、各々のシリンダ内のピストン121A,122Aよりも上方の区画に図示しないガス供給源から窒素ガス等の不活性ガスを給気可能に構成されている。
なお、充填用アキュムレータ121および増圧用アキュムレータ122は、ピストン形アキュムレータには限られず、公知の適宜なアキュムレータであってよい。また、油圧システム10の油圧源として機能する限り、アキュムレータに代えて、適宜な圧力源を用いることができる。
射出工程S1に用いられる充填用アキュムレータ121は、蓄えた圧力により射出シリンダ11の流入油室11Aに作動油を供給する。増圧・保圧工程S2に用いられる増圧用アキュムレータ122も同様である。
充填用アキュムレータ121には、射出工程S1に必要な容量が確保される。
高速射出ステップS12に続く増圧・保圧工程S2では、典型的には高速射出ステップS12の終了時に対してキャビティ2の溶湯の圧力を増加させるため、充填用アキュムレータ121とは別の増圧用アキュムレータ122が用いられる。
充填用アキュムレータ121に圧力を蓄える際は、開閉弁151,153を開き、開閉弁152,154を閉じた状態で、例えば図3に一点鎖線で示す規定圧力Pに到達するまで貯留タンク17の作動油を油圧ポンプ13により充填用アキュムレータ121に圧送する。充填用アキュムレータ121への圧力蓄積が終了したならば、開閉弁151,153が閉じられる。
規定圧力Pは、例えば流入油室11Aの作動油の圧力(射出圧力)に相当し、図示しない圧力センサにより検知される。増圧用アキュムレータ122の規定圧力P、後述する切替圧力Pxおよび保持圧力Pmも、例えば流入油室11Aの作動油の圧力に相当する。
増圧用アキュムレータ122に圧力を蓄える際は、開閉弁152,153を開き、開閉弁151,154を閉じた状態で、例えば図3に二点鎖線で示す規定圧力Pに流入油室11Aの作動油の圧力が到達するまで、貯留タンク17の作動油を油圧ポンプ13により増圧用アキュムレータ122に圧送する。図3に示す例では、典型例と同様に、規定圧力Pが充填用アキュムレータ121の規定圧力Pよりも小さいが、必ずしもその限りではない。
増圧用アキュムレータ122への圧力蓄積が終了したならば、開閉弁152,153が閉じられる。
流量調整部14に備わる第1流量調整弁141および第2流量調整弁142のいずれも、制御部18により発せられる開度の指令に応じて開度が調整されることにより、作動油の流量を調整する。
第1流量調整弁141および第2流量調整弁142は、互いに直列に配置されている。具体的には、第1流量調整弁141の流入ポート141Aは、射出シリンダ11の排出油室11Bに接続され、第1流量調整弁141の排出ポート141Bは、第2流量調整弁142の流入ポート142Aに接続されている。第2流量調整弁142の排出ポート142Bは、貯留タンク17に接続されている。
第1流量調整弁141の開度と第2流量調整弁142の開度とによって、流量調整部14の全体として、射出シリンダ11から排出される作動油の流量が決まり、当該流量に応じて射出シリンダ11に得られる油圧が調整される。
流量調整弁141,142の作動油の流れ方向における順序は、任意に定めることができる。つまり、第1流量調整弁141および第2流量調整弁142のうち任意に選択されるいずれか一方が射出シリンダ11側に位置し、他方が貯留タンク17側に位置している。
図1に示す例とは異なり、第2流量調整弁142が射出シリンダ11側に位置し、第1流量調整弁141が貯留タンク17側に位置していてもよい。流量調整弁141,142の油の流れ方向における順序に関係なく、後述するように、第1流量調整弁141および第2流量調整弁142の動作の連携により、射出速度の制御に関して同様の効果を得ることができる。
本実施形態では、図3に射出速度の一例を実線で示すように、低速射出ステップS11の開始時から高速射出ステップS12の最大速度(目標速度v)への到達後に破線で示す射出圧力が切替圧力Pxに到達する時までに亘り、規定の速度パターンに射出速度を追従させるフィードバック制御を行う。射出速度のフィードバック制御は、射出速度を検出しつつ、射出速度の検出値の目標速度に対する偏差を解消するように、制御部18からの開度指令により第1流量調整弁141の開度を調整する。
射出速度を検出するため、例えばピストンロッド110Bに設置されたリニアエンコーダ等のセンサ19を用いることができる。
射出工程S1を開始する前は、第1流量調整弁141を全閉状態とし、第2流量調整弁142を全開状態としておく。
図4(a)は、低速射出ステップS11から高速射出ステップS12へと射出速度を切り替える際における第1流量調整弁141への開度指令C1−1および第2流量調整弁142への開度指令C2−1,C2−2のそれぞれのタイミングを示している。
制御部18は、第1流量調整弁141へ発せられた開度指令C1−1(図4(a))に基づいて射出速度を目標速度v(図3)に向けて増加させている間に、第2流量調整弁142へ開度減少の指令C2−1(図4(a))を発する。
第1流量調整弁141および第2流量調整弁142のうち少なくとも、第1流量調整弁141(図1)は、フィードバック制御の精度等に鑑みて、サーボモータ14A、ボールねじ14B等の直動機構、およびスプール14F等を備えたサーボ弁であることが好ましい。
本実施形態の第1流量調整弁141および第2流量調整弁142はいずれもサーボ弁であるが、それに限られない。
指令による開度の調整により流量を調整可能である限り、サーボ弁である必要はなく、例えば、比例制御弁等の公知の適宜な流量調整弁であってもよい。第1流量調整弁141および第2流量調整弁142のそれぞれの特性は、同一であっても相違していても良い。
第2流量調整弁142は、射出工程S1の開始から、指令C2−1により開度を減少させるまでの間に亘り、全開又はほぼ全開の状態(以下、全開状態)に維持されることが好ましい。そうすると、第2流量調整弁142が作動油の流動に対する抵抗とならず、流量調整部14が第1流量調整弁141を単一の流量調整弁として備えている状態に相当する。そのため、第2流量調整弁142が全開状態に維持されている間は、第1流量調整弁141および第2流量調整弁142を連携して動作させることなく、第1流量調整弁141のみの開度を調整して射出速度のフィードバック制御を行うことができる。
射出速度の切り替えに際し、射出速度を目標速度v(図3)に向けて急激に増加させるため、第1流量調整弁141は、図4(a)および(b)に一例を示すように、制御部18からの指令C1−1により、急加速の直前における低速射出に対応した開度A1−1から、全開状態の開度A1−2に変更される。
そうすると、全開状態の第1流量調整弁141および全開状態の第2流量調整弁142を通じた排出油室11Bからの作動油の大流量の排出に伴い射出シリンダ11に得られる油圧により射出速度が急激に増加する。
射出速度が増加している途中で、第2流量調整弁142に対して目標速度vに対応する開度A2−2への開度減少の指令C2−1が発せられる。この第2流量調整弁142の開度を全開状態から減少させる動作の進行に伴い、流量調整部14全体として作動油の流量が減少することで、射出シリンダ11に得られる油圧が減少する結果、プランジャ22の前進が制動されるため、射出速度が目標速度vを超えるオーバーシュートを出来る限り回避してプランジャ22に目標速度vを与えることが可能となる。
ここで、第2流量調整弁142が全開状態から指令C2−1どおりの開度に追従するには、スプール14F等の慣性の影響を含め、指令C2−1の発生時に対して機械的および電気的な遅れが生じる。この遅れを考慮して、第2流量調整弁142への開度減少の指令C2−1が制御部18から発せられる。
第1流量調整弁141および第2流量調整弁142が直列に配置されているため、第1流量調整弁141を全開状態にしてプランジャ22を急加速させる一方で、全開状態から所定開度に減少される第2流量調整弁142によってプランジャ22を急制動することができる。
図4(b)に示すように、第1流量調整弁141の開度がA1−1からA1−2へと増加する間に、第2流量調整弁142の開度がA2−1からA2−2へと減少し、かつ、A1−2に向けて増加する第1流量調整弁141の開度(実線)と、A2−2に向けて減少する第2流量調整弁142の開度(一点鎖線)とが交差する(図4(b)のX参照)。
概ね、Xよりも前は、相対的に開度が小さい第1流量調整弁141により作動油の流れが絞られることで、第1流量調整弁141の開度に応じて射出速度を制御することができる。Xよりも後は、相対的に開度が小さい第2流量調整弁142により作動油の流れが絞られることで、第2流量調整弁142の開度に応じて射出速度を制御することができる。Xの後、第1流量調整弁141が全開状態(A1−2)まで開いた後、全開状態を維持する間に亘り、第1流量調整弁141が作動油の流動に対する抵抗とならないので、第2流量調整弁142のみの開度を調整して射出速度を制御することができる。
開度指令に対する弁応答の遅れが一定であるとすると、プランジャ22の加速度が大きいほどオーバーシュートの度合が大きい傾向にある。また、指令C1−1の発生時に対して指令C2−1の発生が早過ぎると、プランジャ22の制動開始が早いがために加速度が増加しない可能性があり、逆に遅過ぎると、プランジャ22の制動が間に合わずに射出速度が目標速度vを超過する可能性がある。
したがって、指令C1−1の発生時から指令C2−1までの時間t1は、必要な加速度に応じたオーバーシュートの度合を考慮しつつ、オーバーシュートを許容範囲に抑えるために必要な限度において設定することができる。
その後、キャビティ2への溶湯の充填が進行するに伴い射出圧力が増加して切替圧力Pxに到達すると、射出速度のフィードバック制御から射出圧力のフィードバック制御へと制御が切り替わり、増圧用アキュムレータ122を用いる増圧・保圧工程S2へと移行する。例えば切替圧力Pxへの到達時に指令C2−2が発せられることで、第2流量調整弁142は、プランジャ22を制動する際の開度A2−2から、増圧・保圧工程S2に対応する開度A2−3にまで絞られる。
増圧・保圧工程S2においてキャビティ2の溶湯が押湯により緻密化し、射出圧力が保持圧力Pmに到達した時から所定時間に亘り保圧したならば、金型3,4を開いて製品を取り出す。その後、図示しない別の油圧回路により排出油室11Bにポンプで作動油を送ると共に、流入油室11Aの作動油をタンクに抜くことで、プランジャ22を後退させる。型開き後、次のサイクルの射出工程S1の開始までの間、充填用アキュムレータ121および増圧用アキュムレータ122への蓄圧を行うことができる。
以上で説明したように、第1流量調整弁141および第2流量調整弁142を含む流量調整部14を備えた本実施形態の油圧システム10、およびそれを用いるダイカスト成形方法は、プランジャ22を急加速させるために流量調整部14の一方である第1流量調整弁141を指令C1−1により全開にした後、射出速度が増加している途中で制御部18から指令C2−1を発することで、他方の第2流量調整弁142の開度を目標速度vに相当する開度まで減少させる。
このことによれば、第1流量調整弁141が全開状態に開かれてから、指令C2−1による第2流量調整弁142の開度減少動作によりプランジャ22の制動が開始されるまでの間に亘り、第1流量調整弁141が全開状態であることに基づいて、ごく短時間のうちに射出速度を目標速度vに到達させることが可能な加速度を実現することができ、かつ、プランジャ22の制動によって、第1流量調整弁141の応答の遅れに起因した射出速度のオーバーシュートを許容範囲内に留めて成形品の品質を確保することができる。
本実施形態によれば、上述したように順次発せられる指令C1−1,C2−1に基づいて、流量調整部14の全体としては、図5(a)に示すように、最大流量F1の状態から見かけ上遅滞なく、目標速度vに対応する目標流量F2へと切り替えることができる。
比較例としての図5(b)は、単一の流量調整弁が射出シリンダ11の排出油室11Bに接続されている場合に例えば10m秒間程度の遅れ時間tdに起因してオーバーシュートOsが発生したことを示している。ここでは、低速射出から高速射出への切替時に例えば100G程度の加速度により射出速度を増加させた場合を想定している。
本実施形態によれば、指令C2−1を発することにより、流量調整部14の全体の流量として見かけ上遅れ時間tdが無い状態に射出速度を制御することができるため、オーバーシュートを避けるために加速度を抑える必要がない。
つまり、異なるタイミングで発せられる指令C1−1,C2−1による第1流量調整弁141および第2流量調整弁142の動作の連携により、例えば数m秒間以内に低速射出時の速度vから例えば10m/秒まで射出速度を増加させるほどの加速度をオーバーシュートの発生を抑えながら実現することができる。
したがって、本実施形態によれば、薄肉で投影面積の大きい製品のダイカスト成形を実現でき、また、ダイカスト成形品の薄肉化による軽量化の促進に寄与することができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
流量調整部14は、第1流量調整弁141および第2流量調整弁142を含む限りにおいて、他の弁を含むことも許容される。
2 キャビティ
3 固定金型
4 可動金型
5 型締め装置
10 油圧システム
11 射出シリンダ
11A 流入油室
11B 排出油室
13 油圧ポンプ(油圧源)
14 流量調整部
14A サーボモータ
14B ボールねじ
14F スプール
16 チェック弁
17 貯留タンク
18 制御部
19 センサ
20 射出装置
21 スリーブ
21A 注入口
22 プランジャ
22A ロッド
22B チップ
23 溶湯
24 ランナ
25 ゲート
51 固定プラテン
100 ダイカストマシン
110 ピストン
110A ピストンヘッド
110B ピストンロッド
111 シリンダ本体
121 充填用アキュムレータ(油圧源)
121A ピストン
122 増圧用アキュムレータ(油圧源)
122A ピストン
141 第1流量調整弁
141A 流入ポート
141B 排出ポート
142 第2流量調整弁
142A 流入ポート
142B 排出ポート
151〜154 開閉弁
221 カップリング
1−1,A1−2 第1流量調整弁の開度
2−1,A2−2,A2−3 第2流量調整弁の開度
C1−1,第1流量調整弁への開度指令
C2−1,C2−2 第2流量調整弁への開度指令
F1 最大流量
F2 目標流量
Os オーバーシュート
規定圧力
規定圧力
Pm 保持圧力
Px 切替圧力
S1 射出工程
S11 低速射出ステップ
S12 高速射出ステップ
S2 増圧・保圧工程
t1 時間
td 時間
速度
目標速度

Claims (7)

  1. ダイカストマシンの射出装置を油圧により駆動する射出シリンダと、
    前記射出シリンダに作動油を供給する油圧源と、
    前記射出シリンダに供給される前記作動油の流量を調整可能な流量調整部と、を備え、
    前記流量調整部は、
    直列に配置される第1流量調整弁および第2流量調整弁を含む、
    ことを特徴とするダイカストマシンの油圧システム。
  2. 前記流量調整部は、
    前記射出シリンダのピストンロッド側の油室に連通している、
    請求項1に記載のダイカストマシンの油圧システム。
  3. 前記第1流量調整弁および前記第2流量調整弁のうち任意に選択されるいずれか一方が、前記射出シリンダ側に位置し、他方が、前記作動油を貯留する貯留タンク側に位置している、
    請求項1または2に記載のダイカストマシンの油圧システム。
  4. 前記第1流量調整弁および前記第2流量調整弁へ開度の指令を発する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記射出装置の射出速度を低速域から高速域へと切り替える際には、
    前記第1流量調整弁へ発せられた指令に基づいて前記射出速度を目標速度に向けて増加させている間に、前記第2流量調整弁へ開度減少の指令を発する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のダイカストマシンの油圧システム。
  5. 前記第1流量調整弁へ発せられた指令に基づいて前記射出速度を目標速度に向けて増加させている間に、前記第2流量調整弁は、全開状態から開度を減少させる、
    請求項4に記載のダイカストマシンの油圧システム。
  6. 金型に形成されるキャビティに連通するスリーブと、
    前記スリーブに対して進退可能なプランジャと、
    前記プランジャを駆動する請求項1から5のいずれか一項に記載の油圧システムと、を備える、
    ことを特徴とするダイカストマシンの射出装置。
  7. ダイカストマシンの射出装置を油圧により駆動する射出シリンダと、前記射出シリンダに作動油を供給する油圧源と、前記射出シリンダに供給される前記作動油の流量を調整可能な流量調整部と、を備える油圧システムを用いるダイカスト成形方法であって、
    前記流量調整部は、直列に配置される第1流量調整弁および第2流量調整弁を含み、
    前記射出装置により相対的に低い速度域にて溶湯を射出する低速射出ステップから、前記射出装置により相対的に高い速度域にて前記溶湯を射出する高速射出ステップへと切り替える際に、
    前記第1流量調整弁へ発せられた指令に基づいて前記射出装置の射出速度を目標速度に向けて増加させている間に、前記第2流量調整弁へ開度減少の指令を発する、
    ことを特徴とするダイカスト成形方法。
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