JP2021136186A - バリア放電ランプ、バリア放電ランプユニット、および液体処理装置 - Google Patents

バリア放電ランプ、バリア放電ランプユニット、および液体処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率の向上を図ることができるバリア放電ランプ、バリア放電ランプユニット、および液体処理装置を提供することである。【解決手段】実施形態に係るバリア放電ランプは、筒状を呈し、内部空間にガスが封入された発光管と;前記内部空間に設けられた内部電極と;前記発光管の外部に設けられた外部電極と;を具備している。前記発光管の外径は、10mm以上、25mm以下である。入力密度は、0.3W/cm以上、1.4W/cm以下である。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、バリア放電ランプ、バリア放電ランプユニット、および液体処理装置に関する。
例えば、水中にある不純物を除去する方法として、濾過法、活性炭吸着法、イオン交換法、蒸留法、逆浸透膜脱塩法などが知られている。また、近年においては、紫外線を用いた不純物の除去が行われている。例えば、紫外線を水に照射すると、酸化力の強いヒドロキシラジカルが生成される。ヒドロキシラジカルは、水中にある全有機炭素(Total Organic Carbon、TOC)を有機酸を経て二酸化炭素に分解するので、濾過法などに比べてより純度の高い純水を製造することができる。紫外線を照射する光源としては、低圧水銀ランプが用いられている。
ここで、水の吸収係数は、500nm近辺で最小となり、500nmより長波長側または短波長側へシフトするにつれて増加する。低圧水銀ランプは、ピーク波長が254nm、185nmの紫外線を照射するが、この様な波長を有する紫外線の水の吸収係数は小さい。そのため、十分な純度の純水を得るためには、照射時間を長くするか、低圧水銀ランプに印加する電力を多くする必要がある。しかしながら、照射時間を長くすると生産効率が低下する。印加する電力を多くすると、低圧水銀ランプ内の水銀蒸気圧が上昇して、発光効率が低下する。
そのため、水の吸収係数がより大きい172nmのピーク波長を有する紫外線を照射するバリア放電ランプ(キセノンエキシマランプ)の採用が提案されている。ところが、バリア放電ランプの発光効率は、温度依存特性が大きいので、バリア放電ランプを液体処理に用いる場合には、発光効率の向上に改善の余地があった。
特開2014−182916号公報
本発明が解決しようとする課題は、発光効率の向上を図ることができるバリア放電ランプ、バリア放電ランプユニット、および液体処理装置を提供することである。
実施形態に係るバリア放電ランプは、筒状を呈し、内部空間にガスが封入された発光管と;前記内部空間に設けられた内部電極と;前記発光管の外部に設けられた外部電極と;を具備している。前記発光管の外径は、10mm以上、25mm以下である。入力密度は、0.3W/cm以上、1.4W/cm以下である。
本発明の実施形態によれば、発光効率の向上を図ることができるバリア放電ランプ、バリア放電ランプユニット、および液体処理装置を提供することができる。
(a)は、本実施の形態に係るバリア放電ランプを例示するための模式図である。(b)は、(a)におけるバリア放電ランプのA部の模式拡大図である。 図1(a)におけるバリア放電ランプのB−B線方向の模式断面図である。 入力密度と、相対照度(紫外線照度)の関係を例示するためのグラフである。 OH基の含有量、照度維持率、および点灯時間の関係を例示するためのグラフである。 OH基の含有量と相対紫外線照度の関係を例示するためのグラフである。 (a)〜(d)は、他の実施形態に係るバリア放電ランプを例示するための模式図である。 バリア放電ランプユニットおよび液体処理装置を例示するための模式図である。 クリアランス寸法と紫外線の相対照度との関係を例示するためのグラフである。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(バリア放電ランプ1)
図1(a)は、本実施の形態に係るバリア放電ランプ1を例示するための模式図である。
図1(b)は、図1(a)におけるバリア放電ランプ1のA部の模式拡大図である。
図2は、図1(a)におけるバリア放電ランプ1のB−B線方向の模式断面図である。
図1(a)、図1(b)および図2に示すように、バリア放電ランプ1には、発光管2、導電部3、内部電極4、アンカ5、ホルダ6、外部電極7、リード線8、およびリード線9を設けることができる。
発光管2は、筒状を呈し、管径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。発光管2は、例えば、円筒管とすることができる。発光管2の外径は、例えば、10mm以上、25mm以下とすることができる。
発光管2の、管軸方向における両側の端部のそれぞれには、封止部2aが設けられている。封止部2aを設けることで、発光管2の内部空間を気密に封止することができる。封止部2aは、例えば、ピンチシール法やシュリンクシール法を用いて形成することができる。
発光管2の外面には、突起部2bを設けることができる。突起部2bは、バリア放電ランプ1を製造する際に、発光管2の内部空間を排気したり、発光管2の内部空間に後述するガスを導入したりするために設けることができる。突起部2bは、排気およびガスの導入後に、合成石英ガラスから形成された管を焼き切ることで形成されたものとすることができる。
発光管2の内部空間には、ガスが封入されている。バリア放電ランプ1においては、内部電極4と外部電極7との間で誘電体バリア放電を行って、封入されているガスに高いエネルギー電子を与えてエキシマ励起分子を生成する。エキシマ励起分子が元に戻る際に、ガスの種類に応じて特定のピーク波長を有する光が発生する。そのため、発光管2の内部空間に封入するガスは、バリア放電ランプ1の用途に応じて適宜変更することができる。発光管2の内部空間に封入するガスは、例えば、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンなどの希ガス、あるいは、複数種類の希ガスを混合させた混合ガスとすることができる。ガスには、必要に応じて、ハロゲンガスなどをさらに含めることもできる。
発光管2の内部空間の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、例えば、1.3kPa〜200kPa程度とすることができる。発光管2の内部空間の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
例えば、水などの液体に含まれている不純物を分解する場合には、封入するガスをキセノンとすることが好ましい。キセノンの封入圧力は、例えば、47kPa程度とすることができる。封入するガスをキセノンとすれば、ピーク波長が172nmの紫外線を発生させることができるので不純物の分解を効果的に行うことができる。
導電部3は、封止部2aの内部に設けられている。導電部3は、1つの封止部2aに対して1つ設けることができる。導電部3の平面形状は四角形とすることができる。導電部3は、薄膜状を呈している。導電部3は、例えば、モリブデン箔から形成することができる。
内部電極4は、コイル4aおよびレグ4bを有することができる。コイル4aおよびレグ4bは、一体に形成することができる。コイル4aおよびレグ4bは、線材を塑性加工することで形成することができる。線材の線径(直径)は、例えば、0.2mm〜1.0mm程度とすることができる。
コイル4aおよびレグ4bは、例えば、タングステンを主成分として含むことができる。タングステンの含有量は、例えば、50wt%以上とすることができる。この場合、タングステンにカリウムなどを添加したドープタングステンを用いれば、コイル4aの寸法安定性を高めることができる。
コイル4aは螺旋状を呈し、発光管2の内部空間に設けられている。コイル4aは、発光管2の内部空間の中央領域を発光管2の管軸に沿って延びている。発光管2の管軸方向における隣接する線材の間隔をコイル4aのピッチ寸法Pとすると、コイル4aのピッチ寸法Pは、例えば、0.5mm〜3.0mm程度とすることができる。また、発光管2の管軸方向と直交する方向におけるコイル4aの外径Dは、例えば、1mm〜5mm程度とすることができる。
レグ4bは、コイル4aの両側の端部のそれぞれに設けられている。レグ4bは、線状を呈し、コイル4aの端部から発光管2の管軸に沿って延びている。レグ4bの端部は、封止部2aの内部において導電部3と電気的に接続されている。レグ4bの端部の近傍は、導電部3と、レーザ溶接または抵抗溶接することができる。
図2に示すように、アンカ5は、発光管2の内部空間に設けることができる。アンカ5の材料は、例えば、内部電極4の材料と同じとすることができる。アンカ5は、線材を塑性加工することで形成することができる。例えば、アンカ5の一方の端部側は、コイル4aの外面に設けることができる。例えば、アンカ5の一方の端部側を、コイル4aの外面に巻き付けることができる。例えば、アンカ5の一方の端部側は、螺旋状を呈するものとすることができる。例えば、アンカ5の他方の端部側は、発光管2の内壁に接触させることができる。例えば、アンカ5の他方の端部側は、発光管2の内壁に沿って湾曲した形状を有することができる。なお、アンカ5をコイル4aに取り付ける場合を例示したが、コイル4aの一部分の直径を大きくしてアンカ5としてもよい。
アンカ5の一方の端部側がコイル4aの外面に設けられ、アンカ5の他方の端部側が発光管2の内壁に接触することで、アンカ5により、コイル4aが、発光管2の内部空間に支持される。また、アンカ5がコイル4aに電気的に接続されることで、アンカ5が内部電極4として機能する。すなわち、アンカ5は、コイル4aを支持するサポート部材、および内部電極4の一部として機能する。
アンカ5が内部電極4の一部として機能すれば、内部電極4(アンカ5)と外部電極7との間の距離が小さくなるので、低い始動電圧でも始動させることができる。また、低い維持電圧でも発光を維持することができる。すなわち、瞬時点灯性能が向上し、点灯状態も安定させることができる。また、内部電極4(アンカ5)と外部電極7との間の距離が小さくなれば、ランプ始動直後の安定性も向上する。そのため、ランプ始動直後の発光むらを抑制することができるので、ランプ始動直後の光を直ちに利用することができる。
アンカ5は、例えば、ランプの発光特性や始動特性、および、コイル4aの支持性能などを考慮して、複数設けることができる。この場合、発光管2の管軸方向における隣接するアンカ5の間隔をアンカ5のピッチ寸法とすると、アンカ5のピッチ寸法は、例えば、10mm〜40mm程度とすることができる。
ホルダ6は、筒状を呈し、一方の端部側が封止部2aの内部に設けられ、他方の端部側が封止部2aから露出している。ホルダ6は、1つの封止部2aに対して1つ設けることができる。ホルダ6は、例えば、樹脂や、セラミックスなどの無機材料から形成することができる。ホルダ6は、例えば、ステアタイト(steatite)、酸化アルミニウムなどを含むことができる。
外部電極7は、発光管2の外部に設けることができる。外部電極7は、例えば、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、銀、金、プラチナなどの金属を用いて形成することができる。外部電極7は、内部電極4との間で誘電体バリア放放電を発生させる。前述したように、誘電体バリア放電が生じると、発光管2の内部空間においてエキシマ励起分子が生成され、エキシマ励起分子が元に戻る際に、ガスの種類に応じて特定のピーク波長を有する光が発生する。例えば、キセノンが封入されている場合には、ピーク波長が172nmの紫外線が発生する。
バリア放電ランプ1が、例えば、水などの液体に含まれている不純物を分解する用途に用いられる場合には、発光管2の内部空間で発生した光が、発光管2の周囲の全方位に照射されることが好ましい。そのため、外部電極7は、発光管2の内部空間で発生した光を透過させることができる。例えば、外部電極7は、厚み方向を貫通する孔やスリットなどが設けられたものとすることができる。この場合、外部電極7の遮光率は10%以下とすることが好ましい。
例えば、図1(a)に示すように、外部電極7は、メッシュ状を呈するものとすることができる。例えば、メリヤス編組構造を有する外部電極7とすることができる。メリヤス編組構造に用いられる線材は、例えば、線径が0.1mm程度のステンレス線やアルミニウム線などとすることができる。メッシュ間隔は、例えば、縦が2.8mm程度、横が3mm程度とすることができる。
メッシュ状の外部電極7とすれば、遮光率を10%以下とするのが容易となる。また、メッシュ状の外部電極7とすれば、発光管2の外面を覆うことができるので、内部電極4との対峙面積を大きくすることができる。そのため、誘電体バリア放電が、大面積にわたって安定的に生じ易くなる。
例えば、メッシュ状の金属を筒状に成形し、筒状の金属体の内部に発光管2を挿入することで、外部電極7を設けることができる。
リード線8は、少なくとも一方のホルダ6に設けることができる。リード線8の一方の端部は、ホルダ6の内部を通り、封止部2aの内部において導電部3に電気的に接続されている。リード線8の一方の端部の近傍は、導電部3と、レーザ溶接または抵抗溶接することができる。また、リード線8とホルダ6との間の隙間は、封止材により封止されている。リード線8の他方の端部は、ホルダ6から露出させることができる。リード線8の他方の端部には、圧着端子やコネクタなどを接続することができる。
リード線9の一方の端部は、ニッケルスリーブ9aを介して外部電極7に電気的に接続されている。リード線9の他方の端部には、圧着端子やコネクタなどを接続することができる。
リード線8とリード線9は、例えば、液体処理装置200に設けられた点灯回路201に電気的に接続することができる(図7を参照)。
ここで、前述したように、発光管2の内部空間に封入するガスをキセノンとすれば、ピーク波長が172nmの紫外線を発生させることができる。ピーク波長が172nmの紫外線は、低圧水銀ランプから照射されるピーク波長が254nm、185nmの紫外線よりも水の吸収係数が大きい。そのため、バリア放電ランプ1を、水などの液体に含まれている不純物の分解に用いれば、不純物の除去を効果的に行うことができる。
ところが、バリア放電ランプ1の発光効率は、温度依存特性が大きいので、温度が高くなるとバリア放電ランプ1の発光効率が低下してしまう。バリア放電ランプ1を液体の処理に用いる場合、バリア放電ランプ1を液体中に直接設けることができない。そのため、バリア放電ランプ1は保護管101の内部に設けられる(図7を参照)。ところが、バリア放電ランプ1と保護管101の内壁との間の空間にはガスが充填されているため、バリア放電ランプ1の点灯により発生した熱が、液体中に放熱されにくくなる。バリア放電ランプ1からの放熱が抑制されると、バリア放電ランプ1の温度が上昇して、発光効率が低下するおそれがある。
図3は、入力密度と、相対照度(紫外線照度)の関係を例示するためのグラフである。 相対照度は、ウシオ電機製紫外線照度計UIT−250を用いて測定した。ヘッドはVUV−S172を使用し、測定距離は3mmとした。
入力密度は、発光長に対する印加電力の比である。発光長は、発光管2の管軸方向における外部電極7の長さとすることができる。
図3から分かるように、入力密度を0.3W/cm以上、1.4W/cm以下とすれば、相対照度が90%以上となるようにすることができる。このことは、周囲への放熱が抑制されるような環境においてバリア放電ランプ1を点灯させる場合であっても、入力密度を0.3W/cm以上、1.4W/cm以下とすれば、発光効率の向上を図ることができることを意味する。
また、前述したように、発光管2の内部空間において発生した紫外線は、発光管2を介して外部に照射される。そのため、発光管2は、紫外線の透過率が高い材料から形成されている。紫外線の透過率が高い材料は、例えば、合成石英ガラスなどのSiOを含む材料とすることができる。ところが、ピーク波長が172nmの紫外線がSiOを含む材料に入射すると、経時的に、材料の化学的な構造が変化する場合がある。例えば、SiOに紫外線が入射すると、SiとOの結合が切れる場合がある。そのため、バリア放電ランプ1を長時間点灯させると、発光管2の材料の化学的な構造に欠陥が生じて、紫外線の透過率の急激な低下、ひいては、照度維持率が低下するおそれがある。
本発明者の得た知見によれば、SiOを含む材料に含まれるOH基の量を多くすれば、紫外線の入射により、SiとOの結合が切れたとしても、化学的な構造の欠陥を修復できる。
図4は、OH基の含有量、照度維持率、および点灯時間の関係を例示するためのグラフである。
図4から分かるように、OH基の含有量を100ppm以上とすれば、ピーク波長が172nmの紫外線を発生させるバリア放電ランプ1であっても、長時間にわたり高い照度維持率を保つことができる。このことは、バリア放電ランプ1の長寿命化を図ることができることを意味する。
ただし、OH基の含有量を多くし過ぎると紫外線の透過率が低下することが判明した。 図5は、OH基の含有量と相対紫外線照度の関係を例示するためのグラフである。
図5から分かるように、OH基の含有量が1500ppmを越えると、紫外線の透過率が低下するため相対紫外線照度が低くなる。
そのため、図4および図5から分かるように、発光管2は合成石英ガラスなどのSiOを含む材料から形成され、OH基の含有量が100ppm以上、1500ppm以下となるようにすることが好ましい。この様にすれば、発光管2の内部空間において、ピーク波長が172nmの紫外線が発生したとしても、長時間にわたり高い照度維持率を保つことができる。また、紫外線の透過率が低下するのを抑制することができる。
図6(a)〜(d)は、他の実施形態に係るバリア放電ランプを例示するための模式図である。なお、煩雑となるのを避けるために、前述したバリア放電ランプ1の構成要素と同様の構成要素は適宜省略している。
図6(a)に示すように、内部電極14は、コイル14aおよびレグ4bを有することができる。コイル14aは、螺旋状を呈し、発光管2の内部空間に設けられている。発光管2の管軸方向における隣接する線材の間隔をコイル14aのピッチ寸法Paとすると、コイル14aのピッチ寸法Paは、例えば、15mm〜90mm程度とすることができる。コイル14aは、発光管2の内部空間を発光管2の管軸に沿って延びている。図1(a)および図1(b)に例示をしたコイル4aはアンカ5により支持されていたが、コイル14aの外側端は発光管2の内壁と接触している。なお、コイル14aの外側端と発光管2の内壁との間に僅かな隙間が設けられていてもよい。この場合、アンカ5は省くことができる。
この様にすれば、コイル14aと外部電極7との間の距離を小さくすることができるので、より低い始動電圧でも始動させることができる。また、より低い維持電圧でも発光を維持することができる。すなわち、瞬時点灯性能がさらに向上し、点灯状態もさらに安定させることができる。
図6(b)に示すように、外部電極17は、螺旋状を呈し、発光管2の外面に巻き付けられたものとすることができる。
この様にすれば、発光管2の内部空間で発生した紫外線が外部に照射される際に、外部電極17により遮られるのを抑制することができる。
図6(c)に示すように、外部電極17は、螺旋状を呈し、発光管2の外面に巻き付けられたものとすることができる。また、アンカ5は省くことができる。
この様にすれば、発光管2の内部空間で発生した紫外線が外部に照射される際に、外部電極17により遮られるのを抑制することができる。また、アンカ5を省くことで製造コストの低減を図ることができる。
図6(d)に示すように、外部電極7はメッシュ状とし、内部電極4は、コイル4aおよびレグ4bを有することができる。そして、アンカ5を省くことができる。
この様にすれば、製造コストの低減を図ることができる。
(バリア放電ランプユニット100および液体処理装置200)
次に、バリア放電ランプユニット100および液体処理装置200について例示をする。
なお、以下においては、一例として、図1(a)に例示をしたバリア放電ランプ1が設けられる場合を説明するが、例えば、図6(a)〜(d)に例示をしたバリア放電ランプが設けられるようにしてもよい。
図7は、バリア放電ランプユニット100および液体処理装置200を例示するための模式図である。
図7に示すように、液体処理装置200には、バリア放電ランプユニット100、点灯回路201、およびコントローラ202を設けることができる。
バリア放電ランプユニット100は、バリア放電ランプ1、保護管101、蓋102、およびシール部材103を有することができる。
保護管101は、筒状を呈し、管径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。保護管101は、例えば、円筒管とすることができる。保護管101の一方の端部は塞がれ、他方の端部は開口している。保護管101の開口側の端部にはフランジ101aが設けられている。保護管101の内部空間には、バリア放電ランプ1を収納することができる。
図7に示すように、保護管101は、処理対象の液体300(例えば、水)の中に設けることができる。この場合、保護管101に収納されたバリア放電ランプ1が、液体300の内部に位置する様にする。蓋102およびシール部材103は、液体300の外部に位置する様にすることが好ましい。保護管101は、例えば、水槽などの流れがない液体300の中に設けてもよいし、溝や配管などの流路を流れる液体300の中に設けてもよい。
バリア放電ランプ1から照射された紫外線は、保護管101を介して液体300に照射される。そのため、保護管101は、紫外線の透過率が高い材料から形成されている。保護管101は、例えば、合成石英ガラスなどのSiOを含む材料から形成される。この場合、前述した発光管2の場合と同様に、保護管101は、合成石英ガラスなどのSiOを含む材料から形成され、OH基の含有量が100ppm以上、1500ppm以下となるようにすることが好ましい。この様にすれば、バリア放電ランプ1からピーク波長が172nmの紫外線が照射されても、長時間にわたり高い照度維持率を保つことができる。このことは、バリア放電ランプユニット100の長寿命化を図ることができることを意味する。また、紫外線の透過率が低下するのを抑制することができる。
蓋102は、板状を呈し、保護管101の開口を塞いでいる。蓋102には厚み方向を貫通する孔が設けられている。リード線8とリード線9は、蓋102に設けられた孔を介して外部に引き出されている。リード線8と孔の隙間、リード線9と孔の隙間は、封止材により封止されている。
シール部材103は、蓋102と、保護管101のフランジ101aとの間に設けられている。シール部材103は、例えば、Oリングなどとすることができる。蓋102とシール部材103を保護管101のフランジ101aに取り付けることで、保護管101の内部空間が気密となるように封止される。
ここで、保護管101の内部空間に酸素があると、バリア放電ランプ1から照射された紫外線が減衰するおそれがある。そのため、保護管101の内部空間には、窒素ガスや不活性ガスを封入することが好ましい。この場合、封入するガスを窒素ガスとすれば、製造コストの低減を図ることができる。
点灯回路201は、例えば、高周波発生回路を有することができる。高周波発生回路は、例えば、周波数が100kHz程度、電圧が2kVp−pの電力を発生させることができる。リード線8とリード線9は、点灯回路201に電気的に接続することができる。また、点灯回路201は、バリア放電ランプ1への電力の印加と、電力の印加の停止とを切り替えるスイッチを有することができる。また、1つの点灯回路201で複数のバリア放電ランプ1に電力を印加することもできる。
コントローラ202は、CPU(Central Processing Unit)などの演算素子と、半導体メモリなどの記憶素子を有することができる。コントローラ202は、例えば、コンピュータとすることができる。記憶素子には、点灯回路201を制御する制御プログラムを格納することができる。演算素子は、記憶素子に格納されている制御プログラムに基づいて、バリア放電ランプ1への電力の印加、電力の印加の停止などを制御することができる。コントローラ202には、操作者がデータを入力する入力部、バリア放電ランプ1の稼働状況や異常表示などを表示するモニタ、電源スイッチなどを設けることができる。また、1つのコントローラ202で複数の点灯回路201を制御することもできる。
ここで、保護管101の内壁と、外部電極7の外側端との間のクリアランス寸法S(最短距離)を長くし過ぎると、保護管101から照射された紫外線の相対照度が低下することが判明した。
図8は、クリアランス寸法Sと紫外線の相対照度との関係を例示するためのグラフである。
図8における相対照度は、入力密度が1W/cmの場合の紫外線の相対照度である。また、クリアランス寸法Sが2mmの場合の紫外線の相対照度を100%としている。
図8から分かるように、クリアランス寸法Sを10mm以下とすれば、相対照度が90%以上となるようにすることができる。このことは、保護管101の内部における紫外線の減衰を抑制することができ、紫外線の取り出し効率を向上できることを意味する。紫外線の取り出し効率が向上すれば、液体中の不純物の除去率を向上させたり、照射時間を短縮したり、印加電力を低減させたりすることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 バリア放電ランプ、2 発光管、4 内部電極、7 外部電極、14 内部電極、17 外部電極、100 バリア放電ランプユニット、101 保護管、200 液体処理装置、201 点灯回路

Claims (6)

  1. 筒状を呈し、内部空間にガスが封入された発光管と;
    前記内部空間に設けられた内部電極と;
    前記発光管の外部に設けられた外部電極と;
    を具備し、
    前記発光管の外径は、10mm以上、25mm以下であり、
    入力密度は、0.3W/cm以上、1.4W/cm以下であるバリア放電ランプ。
  2. 前記発光管は、SiOを含む材料を含み、前記材料の、OH基の含有量が100ppm以上、1500ppm以下である請求項1記載のバリア放電ランプ。
  3. 前記外部電極は、メッシュ状を呈している請求項1または2に記載のバリア放電ランプ。
  4. 前記内部電極は、コイルを有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のバリア放電ランプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のバリア放電ランプと;
    前記バリア放電ランプが収納される保護管と;
    を具備し、
    前記保護管の、前記バリア放電ランプが収納される内部空間には窒素ガスが封入され、
    前記保護管の内壁と、前記バリア放電ランプに設けられた外部電極の外側端との間のクリアランス寸法が、10mm以下であるバリア放電ランプユニット。
  6. 請求項5記載のバリア放電ランプユニットと;
    前記バリア放電ランプユニットに設けられたバリア放電ランプに電気的に接続された点灯回路と;
    を具備した液体処理装置。
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