JP2021132019A - 固体電解質材料、その製造方法及び電池 - Google Patents

固体電解質材料、その製造方法及び電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高いリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン電池用固体電解質材料を提供する。【解決手段】リチウム原子と、ジルコニウム原子と、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン原子と、を含むリチウムイオン電池用固体電解質材料である。【選択図】図3

Description

本開示は、固体電解質材料、その製造方法及び電池に関する。
電解質として固体電解質を用いた、より安全性に優れる全固体リチウムイオン二次電池が望まれている。固体電解質としては、リチウムと金属元素と酸素を含む酸化物系固体電解質、リチウムとリンと硫黄を含む硫化物系固体電解質、リチウムと金属元素とハロゲンを含むハロゲン系固体電解質等が挙げられる。ハロゲン系固体電解質としては、インジウムを含むハロゲン化物(例えば、特許文献1参照)、イットリウムを含むハロゲン化物(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開2006−244734号公報 国際公開第2018/025582号
本開示の一態様は、高いリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン電池用固体電解質材料を提供することを目的とする。
第一態様は、リチウム原子と、ジルコニウム原子と、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択される少なくとも一種のハロゲン原子と、を含むリチウムイオン電池用固体電解質材料である。第二態様は、前記固体電解質材料を含む電解質と、正極と、負極とを備える電池である。第三態様は、ヨウ化リチウム、臭化リチウム及び塩化リチウムからなる群から選択される少なくとも1種と、ヨウ化ジルコニウム、臭化ジルコニウム及び塩化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種とを混合して混合物を得ることを含む、固体電解質材料の製造方法である。
本開示の一態様によれば、高いリチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン電池用固体電解質材料を提供することができる。
電池1000の概略構成を示す断面図である。 イオン伝導度の測定セルの概略構成を示す断面図である。 実施例1に係る固体電解質材料のX線回折(XRD)パターンである。 実施例2に係る固体電解質材料のXRDパターンである。 実施例3に係る固体電解質材料のXRDパターンである。 実施例4に係る固体電解質材料のXRDパターンである。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、固体電解質材料、その製造方法及び電池を例示するものであって、本発明は、以下に示す固体電解質材料、その製造方法及び電池に限定されない。
固体電解質材料
固体電解質材料は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択される少なくとも1種のハロゲン原子と、リチウム原子と、ジルコニウム原子とを含んで構成される。以上の構成によれば、高いリチウムイオン伝導性を有するハロゲン化物固体電解質材料を実現できる。また、固相中での結晶相の変化を含むような相転移について、相転移温度が電池の動作温度域に存在する固体電解質材料とは異なり、電池の想定動作温度域において構造安定性に優れる固体電解質材料を実現できる。これにより、温度変化がある環境においても電池の動作温度域で相転移が生じずに、高いリチウムイオン伝導性を安定的に維持できる。
固体電解質材料を含む電解質を備えることで、充放電特性に優れる全固体二次電池を実現することができる。また、実質的に硫黄を組成に含まない固体電解質材料を実現することができる。これにより、固体電解質材料が大気に暴露される場合でも、硫化水素の発生が抑制され、安全性により優れる全固体二次電池を実現することができる。ここで、実質的に硫黄を含まないとは、具体的には、固体電解質材料に含まれる硫黄の含有率が100ppm以下であることを示し、不可避的に混入する硫黄原子を排除しないことを意味する。
固体電解質材料は、結晶相及び非結晶相のいずれを含んでいてもよく、少なくとも結晶相を含んでいてよい。結晶相は単一の結晶相からなるものであっても、複数の結晶相を含むものであってもよい。
非結晶相と比較して結晶相においてはジルコニウム原子の周辺にハロゲン原子がより強く引きつけられると考えられる。これにより、固体電解質材料の結晶相において、リチウムイオンが拡散する経路が形成され、リチウムイオン伝導性がより向上すると考えられる。
固体電解質材料が結晶相を含む場合、例えばX線回折(XRD)スペクトルを測定することでその存在及び構造を確認することができる。XRDスペクトルは、例えばCuKα線をX線源として測定される。CuKα線は、波長0.15405nm及び0.15444nmのX線を含んでいてよい。
固体電解質材料が含む結晶相の結晶構造は、X線回折法(XRD法)を用いた構造解析によって同定が可能である。X線回折法は、例えばCuKα線をX線源として用いてθ−2θ法で実施される。固体電解質材料が含む結晶相のX線回折スペクトルは、粉末X線回折法で測定されてよく、不活性雰囲気下、又は露点−30℃以下の乾燥雰囲気下における粉末X線回折法で測定されてよい。固体電解質材料が含む結晶相は、回折角2θの値が25°以上27°未満、27°以上29°未満、29°以上31°以下、42°以上44°以下、及び50°以上54°以下であるそれぞれの範囲のうち、少なくとも1つの範囲にピークを有するX線回折スペクトルを有していてよく、すべての範囲にそれぞれピークを有するX線回折スペクトルを有していてよい。また、固体電解質材料が含む結晶相は、回折角2θの値が19°以上21°未満の範囲、及び27°以上29°未満の範囲のうち、少なくとも1つの範囲にピークを有するX線回折スペクトルを有していてよい。固体電解質材料が特定の結晶相を含むことによって、より高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質材料を実現できると考えられる。具体的には、例えばリチウムイオンの伝導経路が三次元的に接続されるため、リチウムイオン伝導性が向上すると考えられる。
ある一形態においてヨウ素を含む固体電解質材料は、CuKα線をX線源とするθ−2θ法によるX線回折スペクトルにおいて、回折角2θの値が27°以上29°未満の範囲に第1ピークを有していてよい。またさらに、回折角2θの値が25°以上27°未満の範囲に第2ピークを有していてよい。第2ピークの強度に対する第1ピークの強度の比は、例えば0.6以上5以下であってよく、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上である。また、第2ピークの強度に対する第1ピークの強度の比は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下又は2以下である。ここで、回折角2θの所定範囲内に複数のピークが存在する場合、最大強度のピークをその範囲におけるピークとする。
ある一形態において臭素を含む固体電解質材料は、CuKα線をX線源とするθ−2θ法によるX線回折スペクトルにおいて、回折角2θの値が29°以上31°以下の範囲に第3ピークを有していてよい。またさらに、回折角2θの値が27°以上29°未満の範囲に第4ピークを有していてよい。第4ピークの強度に対する第3ピークの強度の比は、例えば0.9以上7以下であってよく、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上である。また、第4ピークの強度に対する第3ピークの強度の比は、好ましくは6以下、より好ましくは5以下又は2以下である。
固体電解質材料の組成は、ジルコニウム原子の含有モル数に対するリチウム原子の含有モル数の比が、例えば0を超えて3未満であってよく、好ましくは1以上2.5以下、より好ましくは1.35以上2.1以下である。また、固体電解質材料の組成は、ジルコニウム原子の含有モル数に対するハロゲン原子の含有モル数の比が、0を超えて7未満であってよく、好ましくは3以上6.5以下、より好ましくは4.35以上6.1以下である。
固体電解質材料は、例えば下式(1)で表される組成を有する化合物を含んで構成されていてよい。
LiZrX (1)
ここで、p及びqは、0<p<3、且つ0<q<7を満たしていてよい。また、XはCl、Br及びIからなる群から選択される少なくとも1種を表していてよい。更にp及びqは1≦p≦2.5、且つ3≦q≦6.5を満たしていてよく、好ましくは1.35≦p≦2.1、且つ4.35≦q≦6.1である。
また、固体電解質材料の形状は、例えば、粒子状であってよく、その粒子形状は、針状、球状、楕円球状などのいずれであってもよい。固体電解質材料は、複数の粒子を積層した後、加圧によりペレット状、又は板状に成形されていてよい。
固体電解質材料の形状が粒子状の場合、平均粒径は例えば、0.1μm以上100μm以下であってよく、好ましくは0.5μm以上70μm以下である。平均粒径は、体積基準の累積粒度分布において小径側からの体積累積50%に相当する粒径であるメディアン径であってよい。なお、体積基準の累積粒度分布は、レーザー回折散乱式粒度分布計(例えば、MALVERN社製MASTER SIZER 3000)にて測定される。固体電解質材料の平均粒径が前記範囲であると、リチウムイオン伝導度をより高めることができる。また固体電解質材料と電極活物質等とのより良好な分散状態を形成できる。
固体電解質材料は、電極活物質の平均粒径よりも小さい平均粒径を有していてもよい。これにより、電極活物質とのより良好な分散状態を形成できる。電極活物質の平均粒径は例えば、0.1μm以上100μm以下であってよく、好ましくは1μm以上50μm以下である。また、電極活物質の平均粒径に対する固体電解質材料の平均粒径の比(固体電解質材料/電極活物質)は、例えば0.001以上1000以下であってよく、好ましくは100以下、より好ましくは70以下である。また、比(固体電解質材料/電極活物質)は、好ましくは0.003以上、より好ましくは0.005以上である。
固体電解質材料の製造方法
リチウム原子と、ジルコニウム原子と、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン原子とを含む固体電解質材料は、例えば、リチウム原子を含む二元系ハロゲン化合物と、ジルコニウム原子を含む二元系ハロゲン化合物とを混合して混合物を得る混合工程と、混合物の成分を反応させる合成工程とを含む製造方法で製造することができる。リチウム原子を含む二元系ハロゲン化合物は、例えば、ヨウ化リチウム、臭化リチウム及び塩化リチウムからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。また、ジルコニウム原子を含む二元系ハロゲン化合物は、ヨウ化ジルコニウム、臭化ジルコニウム及び塩化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
混合工程におけるリチウム原子を含む二元系ハロゲン化合物と、ジルコニウム原子を含む二元系ハロゲン化合物の混合比は、目標とする固体電解質材料の組成に応じて適宜選択すればよい。例えば、固体電解質材料がLiZrIで表される組成を有する場合、ヨウ化リチウム(LiI)とヨウ化ジルコニウム(ZrI)とを、LiI:ZrIが、4:1から1:2の範囲内で混合すればよく、好ましくは3:1から1:1の範囲内で、より好ましくは約2:1で混合すればよい。
混合工程における混合方法としては、通常用いられる混合方法から適宜選択すればよく、例えば、高速せん断ミキサー、乳鉢等を用いて混合することで原料混合物を得ることができる。
合成工程は、原料混合物をメカノケミカル処理することを含んでいてよい。メカノケミカル処理することで、原料混合物を充分に混合、粉砕、反応させることができる。メカノケミカル処理は、例えば、ジルコニア等のセラミック容器に、原料混合物と、ジルコニア等のセラミックボールとを収容し、ボールミル、遊星ボールミル等を用いて実施することができる。この合成工程は上述の混合工程と同時に行われてもよい。
また、合成工程は原料混合物を熱処理することを含んでいてよい。熱処理の温度は、例えば300℃以上800℃以下であってよく、好ましくは450℃以上650℃以下である。熱処理の温度が300℃以上であると、結晶相を有する固体電解質が得られ易くなる。また、熱処理の温度が800℃以下であると分解が抑制され、目的の組成の固体電解質材料が得られ易くなる。熱処理の時間は、例えば4時間以上16時間以下であってよく、好ましくは6時間以上14時間以下である。熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気下、又は減圧下であってよい。この熱処理は上述の混合工程と同時に行われてもよく、また上述のメカノケミカル処理の後に行ってもよく、メカノケミカル処理の前に行ってもよい。
製造される固体電解質材料に含まれる結晶相の結晶構造は、原料混合物の反応方法、反応条件等を調整することで制御することができる。また、固体電解質材料の組成は、例えば誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、イオンクロマトグラフィー等の公知の方法によって決定することができる。
電池
電池は、上記の固体電解質材料を含む電解質と、正極と、負極とを備えて構成される。電解質は正極と負極との間に配置される電解質層を形成していてよい。ここで電池の構成例を、図面を参照して説明する。図1は電池1000の概略構成を示す断面図である。電池1000は、正極201および負極203と、正極201および負極203の間に配置される電解質層202とを備える。正極201は正極活物質204を含む正極活物質層を備える。正極201を構成する正極活物質層は正極活物質204に加えて、導電助剤、固体電解質材料等を含んでいてよい。また、正極201は集電体と集電体に接続するリードを備えていてよい。負極203は負極活物質205を含む負極活物質層を備える。負極203を構成する負極活物質層は負極活物質205に加えて、導電助剤、固体電解質材料100等を含んでいてよい。また、負極203は集電体と集電体に接続するリードを備えていてよい。電解質層202は固体電解質材料を含んで構成される。また電池の一例としては、リチウムイオン電池であり、全固体二次電池であってよい。
本明細書におけるリチウムイオン電池は、正極にリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池、負極にリチウムを吸蔵放出する材料を用いたリチウム硫黄電池を含む。リチウム遷移金属複合酸化物の具体例については、例えば、国際公開第2017/141735号明細書の第0066段落(米国公開特許公報第2018/0309167号明細書の第0152段落から第0156段落)等を参照することができる。またリチウムを吸蔵放出する材料としては、国際公開第2015/056564号明細書の第0058段落(米国公開特許公報第2016/0254529号明細書の第0070段落)などを参照することができる。
正極活物質204には、例えばリチウム遷移金属複合酸化物が用いられ、上述した公報に記載の層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、スピネル型構造を有する遷移金属酸化物等を適用することができる。また、正極活物質204には、リチウム含有遷移金属リン酸化合物、リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物およびリチウム含有遷移金属ケイ酸化合物のほか、遷移金属フッ化物、および、遷移金属硫化物、遷移金属オキシフッ化物、遷移金属オキシ硫化物、遷移金属オキシ窒化物なども用いられる。リチウム硫黄電池の場合には、正極活物質として単体の硫黄などを用いることができる。
正極活物質204の平均粒径は、例えば0.1μm以上100μm以下であってよい。正極活物質204の平均粒径が100μm以下であると、正極活物質204内におけるリチウム拡散が遅くなり過ぎず、電池の高出力での動作が容易になる可能性がある。正極活物質層の厚みは、例えば10μm以上500μm以下であってよい。正極活物質層の厚みが10μm以上であれば、十分な電池のエネルギー密度の確保が容易になる可能性がある。また、正極活物質層の厚みが500μm以下であれば、高出力での動作が容易になる可能性がある。
正極活物質204の平均粒径は、固体電解質材料の平均粒径よりも大きくてもよい。これにより、正極活物質層において正極活物質204と固体電解質材料とが良好な分散状態を形成できる。
正極活物質層に含まれる、正極活物質204および固体電解質材料の体積和に対する正極活物質の体積比率は、例えば30%以上95%以下であってよい。体積比率が30%以上であると、電池のエネルギー密度を充分に確保することができる。また、体積比率が95%以下であると、高出力での動作が容易になる可能性がある。
電解質層202は、上記の固体電解質材料を含む固体電解質層であってよい。固体電解質層の厚みは、例えば1μm以上100μm以下であってよい。固体電解質層の厚みが1μm以上であれば、正極201と負極203との短絡を抑制することができる。また、固体電解質層の厚みが100μm以下であれば、高出力での動作が容易になる可能性がある。
負極活物質205は、リチウムイオン等の金属イオンを吸蔵・放出可能な特性を有する材料を含んで構成される。負極活物質205として具体的には、金属材料、炭素材料などが使用される。金属材料は単体の金属または合金であってもよい。金属材料の例として、リチウム金属、リチウム合金などが挙げられる。炭素材料の例として、天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、人造黒鉛、非晶質炭素などが挙げられる。
負極活物質205の平均粒径は、例えば0.1μm以上100μm以下であってよい。負極活物質205の平均粒径が0.1μm以上であると、負極活物質層において負極活物質205と固体電解質材料100とが、良好な分散状態を形成できる可能性がある。これにより、電池の充放電特性が低下することを抑制することができる。また、負極活物質205の平均粒径が100μm以下であると、負極活物質205内のリチウム拡散が遅くなりすぎず、電池の高出力での動作が容易になる可能性がある。
負極活物質205の平均粒径は、固体電解質材料100の平均粒径よりも大きくてもよい。これにより、負極活物質層において負極活物質205と固体電解質材料とが良好な分散状態を形成できる。
負極活物質層に含まれる、負極活物質205および固体電解質材料100の体積和に対する負極活物質205の体積比率は、例えば30%以上95%以下であってよい。体積比率が30%以上であると、電池のエネルギー密度を充分に確保することができる。また、体積比率が95%以下であると、高出力での動作が容易になる可能性がある。
正極201および負極203のうちの少なくとも一方は必要に応じて導電助剤を含んでいてもよい。導電助剤は、電池の電気抵抗を低減するために用いられる。導電助剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボン類などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
露点−40℃以下の乾燥雰囲気下で、原材料LiIとZrIとを、モル比でLiI:ZrI=2:1となるように秤量した。これらを乳鉢で粉砕、混合して混合物を得た。ジルコニア製のポッドに5gの混合物と72gの5mmφZrボールを充填し、遊星ボールミルを用いて、100時間、600rpmでメカノケミカル処理した。以上により、結晶相を含む実施例1の固体電解質材料の粉末を得た。実施例1の固体電解質材料は、例えばLiZrIで表される組成を有する化合物を含むと考えられる。
(実施例2)
実施例1と同様にして混合物を得た。得られた混合物をルツボに充填し、石英製の密閉容器に入れた。密閉容器には炭素パッキンを挟み、3.0Nmのトルクで締めた。密閉容器を窒素雰囲気下で550℃、10h熱処理して、実施例2の固体電解質材料の粉末を得た。実施例2の固体電解質材料の組成は、例えばLiZrIで表される組成を有する化合物を含むと考えられる。
(比較例1)
比較例1の固体電解質材料としてヨウ化リチウム(LiI)を準備した。
(実施例3)
露点−40℃以下の乾燥雰囲気下で、原材料LiBrとZrBrとを、モル比でLiBr:ZrBr=2:1となるように秤量した。これらを乳鉢で粉砕、混合して混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の固体電解質材料を得た。実施例3の固体電解質材料の組成は、例えばLiZrBrで表される組成を有する化合物を含むと考えられる。
(実施例4)
実施例3と同様にして混合物を得た。得られた混合物をルツボに充填し、石英製の密閉容器に入れた。密閉容器には炭素パッキンを挟み、3.0Nmのトルクで締めた。密閉容器を窒素雰囲気下で500℃、10h熱処理して、実施例4の固体電解質材料の粉末を得た。実施例4の固体電解質材料の組成は、例えばLiZrBrで表される組成を有する化合物を含むと考えられる。
(比較例2)
比較例2の固体電解質材料として臭化リチウム(LiBr)を準備した。
[評価]
(イオン伝導度の評価)
図2はイオン伝導度の評価方法を示す模式図である。加圧成型用ダイス300は、電気的に絶縁性のポリカーボネート製の枠型301と、電気伝導性のステンレス製のパンチ上部303およびパンチ下部302とから構成されている。パンチ上部303およびパンチ下部302の間にはポテンショスタットが接続されている。図2に示す構成の測定装置を用いて。下記の方法によってイオン伝導度の評価を行った。
露点−40℃以下の乾燥雰囲気で、上記で得られた固体電解質材料の粉末100を加圧成型用ダイス300に充填し、310MPaで一軸加圧してイオン伝導度測定用セルを作製した。加圧状態のまま、パンチ上部303とパンチ下部302のそれぞれから導線を取り回し、周波数応答アナライザを搭載したポテンショスタット(Bio−Logic製、sp−300型番)に接続し、電気化学的インピーダンス測定法により、室温におけるイオン伝導度の測定を行った。測定結果を表1および表2に示す。
Figure 2021132019
Figure 2021132019
(結晶構造解析)
固体電解質の結晶構造の解析には、露点−40℃で密閉セルに詰めた試料を、X線回折装置(RIGAKU社製、SmartLab)を用いてX線回折パターンを測定した。X線源については波長0.15405nm及び0.15444nmであるCuKα線を用いた。
実施例1の固体電解質材料のXRDパターンを図3に示す。図3に示されるように2θの値が、25.8°、27.7°、29.6°、43.2°、51.0°の位置にピークが観測された。25.8°のピーク強度に対する27.7°のピーク強度の比は、0.88であった。
実施例2の固体電解質材料のXRDパターンを図4に示す。図4に示されるように2θの値が、20.7°、25.6°、29.6°、42.4°、50.2°の位置にピークが観測された。
実施例3の固体電解質材料のXRDパターンを図5に示す。図5に示されるように2θの値が、28.1°、30.2°、32.5°、46.8°、55.5°の位置にピークが観測された。28.1°のピーク強度に対する30.2°のピーク強度の比は、1.93であった。
実施例4の固体電解質材料のXRDパターンを図6に示す。図6に示されるように2θの値が、28.0°、32.5°、46.6°、55.3°の位置にピークが観測された。
1000 電池
100 固体電解質材料
201 正極
202 電解質層
203 負極
204 正極活物質
205 負極活物質
300 加圧成形用ダイス
301 枠型
302 パンチ下部
303 パンチ上部

Claims (12)

  1. リチウム原子と、
    ジルコニウム原子と、
    塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン原子と、を含むリチウムイオン電池用固体電解質材料。
  2. 波長0.15405nm及び0.15444nmであるCuKα線をX線源としてθ−2θ法で測定した場合に、回折角2θの値が19°以上21°未満の範囲、及び27°以上29°未満の範囲のうち、少なくとも1つの範囲にピークが観測される請求項1に記載の固体電解質材料。
  3. ヨウ素原子を含み、波長0.15405nm及び0.15444nmであるCuKα線をX線源としてθ−2θ法で測定した場合に、回折角2θの値が27°以上29°未満の範囲に第1ピークが観測され、さらに回折角2θの値が25°以上27°未満の範囲に第2ピークが観測され、前記第2ピークの強度に対する前記第1ピークの強度の比が0.6以上である、請求項1に記載の固体電解質材料。
  4. 臭素原子を含み、波長0.15405nm及び0.15444nmであるCuKα線をX線源としてθ−2θ法で測定した場合に、回折角2θの値が29°以上31°以下の範囲に第3ピークが観測される請求項1に記載の固体電解質材料。
  5. 前記ジルコニウム原子の含有モル数に対する前記リチウム原子の含有モル数の比が、0を超えて3未満である請求項1から4のいずれか1項に記載の固体電解質材料。
  6. 前記ジルコニウム原子の含有モル数に対する前記ハロゲン原子の含有モル数の比が、0を超えて7未満である請求項1から5のいずれか1項に記載の固体電解質材料。
  7. 下式により表される組成を有する化合物を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の固体電解質材料。
    LiZrX
    ここで、0<p<3、0<q<7を満たし、XはCl、Br及びIからなる群から選択される少なくとも1種を表す。
  8. 1≦p≦2.5、3≦q≦6.5を満たす請求項7に記載の固体電解質材料。
  9. 1.35≦p≦2.1、4.35≦q≦6.1を満たす請求項8に記載の固体電解質材料。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の固体電解質材料を含む電解質と、正極と、負極とを備える電池。
  11. ヨウ化リチウム、臭化リチウム及び塩化リチウムからなる群から選択される少なくとも1種と、ヨウ化ジルコニウム、臭化ジルコニウム及び塩化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種とを混合して混合物を得ることを含む、固体電解質材料の製造方法。
  12. 前記混合物を熱処理することを更に含む、請求項11に記載の製造方法。
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