以下、図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る管理システム1は、電子コンテンツについての一次流通及び二次流通を管理することで、電子コンテンツが一次流通又は二次流通に係る譲渡がなされた際に、その収益が電子コンテンツの著作権者に計上されるようになっている。また、管理システム1は、コンテンツについての収益の提供を請求し得る権利についての取引を管理することで、当該権利の少なくとも一部を第三者が取引可能な形で提供することを可能としている。また、管理システム1は、電子コンテンツについての管理のみならず、物理的なコンテンツについても管理する。ここで、コンテンツには、具体的には、書籍(小説、漫画、実用本など)、音楽、動画などが含まれる。すなわち、コンテンツには、ユーザに視覚的に提供されるものとして、主として文字により構成されるもの、画像により構成されるもの、文字および画像により構成されるものなどがある。また、コンテンツとは、ユーザに聴覚的に提供されるものがある。また、コンテンツとは、その他、ユーザの触覚、味覚など五感を通じて提供されるものなどがある。管理システム1は、これらユーザの五感を通じて提供されるコンテンツを利用するための権利(例えば、スポーツをプレイするための施設、テーマパーク等の所定の施設を利用することができる権利)を、一時流通及び二次流通可能とし、これら一時流通及び二次流通にかかる譲渡がなされた際の収益を、権利の販売者に計上することとしてもよい。
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る管理システム1と、管理システム1と接続する通信端末40との構成例を表す模式図である。図1に示される管理システム1は、サーバ装置10、管理ネットワーク20、及び窓口端末30を備える。サーバ装置10、管理ネットワーク20、及び窓口端末30は、例えば、インターネット、及び/又は通信事業者が提供する通信網等のネットワークを介して接続されている。
サーバ装置10は、コンピュータ、及びメインフレーム等により実現される。サーバ装置10は、管理装置の一例である。サーバ装置10は、例えば、電子化されたコンテンツに関するデータを記憶している。なお、図1では、サーバ装置10が1台である場合が示されているが、サーバ装置10は、1台でなくても構わず、複数台のコンピュータが組み合わされて実現されてもよい。
管理ネットワーク20は、ノード装置として機能する複数の情報処理装置201が、例えば、ピア・ツー・ピア型ネットワークで互いに接続されてなる。情報処理装置201は、例えば、コンピュータ等により実現される。情報処理装置201のそれぞれは、例えば、インターネット、及び/又はLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されている。管理ネットワーク20では、ブロックチェーン技術を利用し、データが共有されている。
例えば、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、記録すべきデータを取得する。情報処理装置201は、取得したデータを含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、ブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する。これにより、管理ネットワーク20で、同一のコンテンツ管理データ及び債権管理データが保存されることになる。
なお、管理ネットワーク20の構成は、図1に示されるものに限定されない。例えば、管理ネットワーク20が備える情報処理装置201の台数は、2台以上であれば何台でも構わない。
窓口端末30は、管理システム1へアクセスする際に窓口となる端末であり、情報処理装置の一例である。窓口端末30は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PHS、コンピュータ、又はPDA等により実現される。例えば、窓口端末30は、コンテンツの作成者から、コンテンツの出品依頼を受け付ける。窓口端末30は、受け付けたコンテンツについての記憶制御を、サーバ装置10及び管理ネットワーク20に対して実施する。
図1において管理システム1と接続する通信端末40は、例えば、コンテンツを作成した著作者、コンテンツの利用者、又は、債権の購入者等のサービスを受ける者が利用する端末である。通信端末40は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PHS、コンピュータ、PDA、腕時計、スマートウォッチ、又はヘッドマウントディスプレイ等により実現される。なお、本実施形態において、債権とは、コンテンツについての収益の提供を請求し得る権利である。債権は、例えば、トークンであり、さらに具体的には、非代替トーク(NFT:Non-Fungible Token)である。また、図1では、通信端末40が3台である場合が示されているが、通信端末40はこれに限定されない。
<サーバ装置及び通信端末の構成>
図2は、図1に示されるサーバ装置10及び窓口端末30の構成例を表すブロック図である。なお、図2では、サーバ装置10及び窓口端末30とネットワークを介して接続される管理ネットワーク20も表されている。
図2に示されるサーバ装置10は、例えば、処理部11、記憶部12、及び通信インタフェース13を備える。処理部11、記憶部12、及び通信インタフェース13は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、CPUが処理を実行する際に用いるメモリを備える。メモリは、いわゆる主記憶装置であり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成される。CPUは、例えば、記憶部12に記憶されているプログラムをメモリに読み込む。CPUは、メモリに読み込まれたプログラムを実行する。これにより、処理部11は、プログラムに対応する種々の機能を実現する。例えば、処理部11は、書籍ストア、中古書籍ストア、又は債権ストアについてのサイトを提供するための機能を実現する。また、処理部11は、他のサービスが提供する、書籍ストア、中古書籍ストア、又は債権ストアと接続するための機能を実現する。
記憶部12は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)、及びSSD(solid state drive)等の不揮発性の記憶回路を備える、いわゆる補助記憶装置である。なお、記憶部12は、CD−ROM、DVD、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。
記憶部12には、窓口端末30で受け付けられたコンテンツについてのデータが記憶される。記憶部12には、例えば、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、債権画像データ124が記憶される。表紙画像データ121は、例えば、コンテンツが電子コンテンツとして配信される際の、表紙の画像についてのデータである。コンテンツデータ122は、コンテンツそのものについてのデータである。
契約データ123は、例えば、コンテンツの出品を依頼した際に著作者と締結される契約に関するデータである。契約データ123には、例えば、物理コンテンツ、及び/又は電子コンテンツの出版権に関する情報が含まれる。また、契約データ123には、例えば、発行部数又は販売部数に応じた著作物利用料に関する情報が含まれる。また、契約データ123には、例えば、電子コンテンツについての最大発行数に関する情報が含まれる。また、契約データ123には、例えば、物理コンテンツ、及び/又は電子コンテンツについての最低販売価格に関する情報が含まれる。また、契約データ123には、例えば、物理コンテンツ、及び/又は電子コンテンツについての販売手数料に関する情報が含まれる。また、契約データ123には、債権の発行数に関する情報が含まれる。
債権画像データ124は、例えば、コンテンツの債権が販売される際に表示される画像についてのデータである。表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124は、例えば、コンテンツを識別可能な識別情報と関連付けられて記憶されている。
なお、記憶部12で記憶されるコンテンツに関するデータは、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124に限定されない。コンテンツが動画、アニメーション、イラスト等である場合、コンテンツに関するデータは、これらの態様に対応したデータを含んでもよい。
通信インタフェース13は、例えば、ネットワークと接続する回路により実現される。通信インタフェース13は、ネットワークを介し、窓口端末30と通信する。
なお、サーバ装置10は、入力インタフェースを有していてもよい。入力インタフェースは、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等により実現される。入力インタフェースは、操作者からの入力指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理部11へ出力する。なお、入力インタフェースは、マウス、及びキーボード等の物理的な操作デバイスに限定されない。入力インタフェースには、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
また、サーバ装置10は、出力インタフェースを有していてもよい。出力インタフェースは、例えば、表示機器、及び印刷機器等により実現される。表示機器としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、及びCRTディスプレイ等、任意のディスプレイが利用可能である。表示機器は、映像データに基づく映像等を表示する。印刷機器は、例えば、プリンタである。印刷機器は、通信に関する所定の情報を所定用紙に印刷する。なお、出力インタフェースは、表示機器、及び印刷機器等の物理的な出力装置に限定されない。出力インタフェースには、例えば、外部の出力装置へ画像データを送信する送信ポートが含まれてもよい。
図2に示される窓口端末30は、例えば、処理部31、記憶部32、入力インタフェース33、出力インタフェース34、及び通信インタフェース35を備える。処理部31、記憶部32、入力インタフェース33、出力インタフェース34、及び通信インタフェース35は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理部31は、例えば、CPU、CPUが処理を実行する際に用いるメモリを備える。メモリは、いわゆる主記憶装置である。CPUは、例えば、記憶部32に記憶されているプログラムをメモリに読み込んで実行することで、プログラムに対応する種々の機能を実現する。
記憶部32は、種々の情報を記憶する不揮発性の記憶回路を備える、いわゆる補助記憶装置である。なお、記憶部32は、CD−ROM、DVD、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。
記憶部32は、本実施形態に係るプログラム、例えば、コンテンツ管理プログラム321を記憶している。なお、コンテンツ管理プログラム321は、例えば、記憶部32に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されて記憶部32にインストールされてもよい。
入力インタフェース33は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等により実現される。入力インタフェース33は、操作者からの入力指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理部31へ出力する。なお、入力インタフェース33は、マウス、及びキーボード等の物理的な操作デバイスに限定されない。入力インタフェース33には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
出力インタフェース34は、例えば、表示機器、及び印刷機器等により実現される。表示機器としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、及びCRTディスプレイ等、任意のディスプレイが利用可能である。表示機器は、映像データに基づく映像等を表示する。印刷機器は、例えば、プリンタである。印刷機器は、通信に関する所定の情報を所定用紙に印刷する。なお、出力インタフェース34は、表示機器、及び印刷機器等の物理的な出力装置に限定されない。出力インタフェース34には、例えば、外部の出力装置へ画像データを送信する送信ポートが含まれてもよい。
通信インタフェース35は、例えば、ネットワークと接続する回路により実現される。通信インタフェース35は、ネットワークを介し、サーバ装置10、又は管理ネットワーク20と通信する。
図2に示される処理部31は、記憶部32に記憶されているプログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、処理部31は、コンテンツ管理プログラム321を実行することで、記憶制御部311の機能を実現する。
なお、処理部31は、複数のCPUが組み合わされて形成されていても構わない。また、処理部31は、記憶制御部311の機能を有する専用のハードウェア構成により形成されていても構わない。また、処理部11は、記憶制御部311の機能を有する専用のハードウェア回路を組み込んだ特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又は単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により形成されていても構わない。
記憶制御部311は、記憶部12及び管理ネットワーク20へのデータの記憶を制御する。具体的には、例えば、コンテンツの出品が依頼されると、記憶制御部311は、記憶部12へコンテンツについてのデータを記憶させる。また、記憶制御部311は、コンテンツの出品が依頼されると、コンテンツ管理プログラム21、及び債権管理プログラム22を管理ネットワーク20へ展開(デプロイ)する。コンテンツ管理プログラム21は、コンテンツの取引に関するデータを管理ネットワーク20上で管理するためのプログラムであり、例えば、いわゆるスマートコントラクトにより実現される。債権管理プログラム22は、コンテンツの債権の取引に関するデータを管理ネットワーク20上で管理するためのプログラムであり、例えば、いわゆるスマートコントラクトにより実現される。また、記憶制御部311は、コンテンツ管理プログラム21及び債権管理プログラム22を管理ネットワーク20へデプロイすると、コンテンツの取引に関するデータと、コンテンツの債権の取引に関するデータとを管理ネットワーク20に記憶させる。
<コンテンツ管理データ及び債権管理データ>
本実施形態に係る管理ネットワーク20は、例えば、ブロックチェーン技術を用い、コンテンツ管理プログラム21、債権管理プログラム22、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を記憶している。コンテンツ管理データ23は、コンテンツの取引に関するデータであり、コンテンツに関する第1取引情報の一例である。債権管理データ24は、コンテンツの債権の取引に関するデータであり、コンテンツについての収益の提供を請求し得る権利に関する第2取引情報の一例である。コンテンツ管理プログラム21、債権管理プログラム22、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を記憶するブロックチェーン25のデータ構造の一例を図3を参照して説明する。
図3に示されるように、ブロックチェーン25は、複数のブロックを含む。例えば、ブロックチェーン25は、n−1番目のブロック251と、n番目のブロック252と、n+1番目のブロック253とが連結されている。
各ブロックには、ブロックヘッダと、トランザクションデータとが含まれる。トランザクションデータは、例えば、コンテンツ管理プログラム21をデプロイするためのデータ、債権管理プログラム22をデプロイするためのデータ、コンテンツの取引に関するデータ、又はコンテンツの債権の取引に関するデータを含む。各ブロックには、例えば、それぞれ異なるコンテンツについてのトランザクションデータが含まれていても構わない。
コンテンツの取引は、例えば、電子コンテンツの一次流通又は二次流通、若しくは物理コンテンツの一次流通又は二次流通等である。ここで、一次流通は、例えば、コンテンツ提供者から利用者がコンテンツを購入することを表す。また、二次流通は、利用者間でコンテンツを譲渡すること、又は、コンテンツを二次流通業者、例えば、中古品業者へ譲渡することを表す。本実施形態では、三次流通以上のn次流通も、二次流通として扱う。コンテンツの債権の取引は、例えば、債権の譲渡等である。
ブロックヘッダは、少なくともブロック番号、直前のブロックのブロックヘッダのハッシュ値、時刻情報、及びトランザクションデータのマークルルートを含む。
具体的には、例えば、n−1番目のブロック251には、ブロックヘッダ2511と、トランザクションデータ2512とが含まれる。ブロックヘッダ2511は、ブロック251を識別可能なブロック番号2511aを含む。また、ブロックヘッダ2511は、n−2番目のブロックのブロックヘッダのハッシュ値2511bを含む。また、ブロックヘッダ2511は、当該ブロックを作成する時の時刻情報2511cを含む。また、ブロックヘッダ2511は、トランザクションデータ2512に関するハッシュ値である、マークルルート2511dを含む。
トランザクションデータ2512のうち、コンテンツ管理プログラム21をデプロイするためのデータ、又は債権管理プログラム22をデプロイするためのデータは、例えば、1つ又は2以上の相互作用するスマートコントラクトをデプロイするためのデータである。コンテンツ管理プログラム21及び債権管理プログラム22は、例えば、1つ又は2以上の相互作用するスマートコントラクトにより構成される。コンテンツ管理プログラム21又は債権管理プログラム22をデプロイするためのデータは、例えば、コンテンツの販売単位毎、より具体的には、コンテンツの巻が発行される度にトランザクションデータ2512に含められ、管理ネットワーク20へ送信される。
なお、コンテンツ管理プログラム21及び債権管理プログラム22のデプロイは、新たなコンテンツが発行される度に限定されない。一般化されたコンテンツ管理プログラム21及び債権管理プログラム22が、管理ネットワーク20に予めデプロイされていてもよい。
トランザクションデータ2512のうち、コンテンツ管理データ23及び債権管理データ24に係るデータは、例えば、図4に示される情報を含み得る。すなわち、トランザクションデータ2512は、「出品日」、「ID」、「タイトル」、「著者」、「著作権者」、「第1分配率」、「第2分配率」、「最低販売価格」、「管理者」、「販売手数料設定」、「流通形態」、「n次流通」、「譲渡人」、「譲受人」、「譲渡額」、「債権者」、「購入口数」、「売却口数」、「取引価格」、「発行体」、「発行数」等についての情報を含む。
ここで、出品日は、コンテンツが出品された日時を表す。IDは、コンテンツを識別するための識別情報を表す。タイトルは、コンテンツの題名を表す。著者は、コンテンツを作成した者の識別情報を表す。著作権者は、コンテンツの著作権を有している者の識別情報を表す。第1分配率は、著作物利用料に基づいて設定される、一次流通の譲渡額に対する分配の割合である。第2分配率は、二次流通の譲渡額に対する分配の割合である。最低販売価格は、コンテンツが流通される際に想定される最も低い販売価格である。管理者は、コンテンツの流通を管理する主体の識別情報を表す。販売手数料設定は、管理者がコンテンツを流通させる際に発生する手数料の設定である。販売手数料設定は、例えば、譲渡額に対する割合、又は固定額で設定される。
流通形態は、コンテンツが流通される形態を表す。流通形態には、例えば、電子的な流通又は物理的な流通がある。n次流通は、流通の次数を表し、一次流通又は二次流通がある。譲渡人は、コンテンツを譲渡する者の識別情報を表す。譲受人は、コンテンツを譲渡される者の識別情報を表す。譲渡数は、譲渡されるコンテンツの数を表す。譲渡額は、コンテンツが譲渡される際の金額を表す。
債権者は、債権を購入、又は売却した、債権を所有する者の識別情報を表す。購入口数は、購入した債権の口数を表す。売却口数は、売却した債権の口数を表す。取引価格は、購入、又は売却された際の債権の価格を表す。発行体は、債権を発行した主体を表す。なお、トランザクションデータ2512に含まれる情報は上記に限定されず、上記の一部であっても、コンテンツの容量等、追加の要素があっても構わない。
トランザクションデータ2512は、図4に示される情報を含むことで、例えば、以下の取引を表すことが可能である。例えば、トランザクションデータ2512は、コンテンツの出品についてのトランザクション、例えば、「出品日:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著者:CCCC1、著作権者:CCCC1、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、最低販売価格:OOOO1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1のコンテンツが出品されました。」の取引を表すことが可能となる。
また、トランザクションデータ2512は、コンテンツが書籍として一次流通されたことについてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:物理、n次流通:一次、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH1円で流通されました。」の取引を表すことが可能となる。また、トランザクションデータ2512は、コンテンツが書籍として二次流通されたことについてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:物理、n次流通:二次で、譲渡人:FFFF1から譲受人:GGGG1へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH1円で流通されました。」の取引を表すことが可能となる。
また、トランザクションデータ2512は、電子コンテンツが一次流通されたことについてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:一次で、譲渡人:FFFF1から譲受人:GGGG1へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH1で流通されました。」の取引を表すことが可能となる。また、トランザクションデータ2512は、電子コンテンツが二次流通されたことについてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:二次で、譲渡人:FFFF1から譲受人:GGGG1へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH1で流通されました。」の取引を表すことが可能となる。
また、トランザクションデータ2512は、著作権が譲渡されたことについてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツの著作権が、著作権者:CCCC2となりました。」の取引を表すことが可能となる。このような取引のデータがトランザクションデータ2512に含まれることで、ブロックチェーンでコンテンツ管理データ23が管理される。
また、例えば、トランザクションデータ2512は、コンテンツの小口債権の発行についてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツについての債権を、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、発行数:NNNN1で発行しました。」の取引を表すことが可能となる。
また、トランザクションデータ2512は、コンテンツの小口債権の購入についてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツについての債権を、購入口数:JJJJ1、取引価格:LLLL1で債権者:IIII1が購入しました。」の取引を表すことが可能となる。また、トランザクションデータ2512は、コンテンツの小口債権の売却についてのトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツについての債権を、売却口数:KKKK1、取引価格:LLLL1で債権者:IIII1が売却しました。」の取引を表すことが可能となる。このような取引のデータがトランザクションデータ2512に含まれることで、ブロックチェーンで債権管理データ24が管理される。なお、トランザクションデータ2512に含まれる情報は、上述の一部でもよいし、その他の情報であってもよい。
また、n番目のブロック252には、ブロックヘッダ2521と、トランザクションデータ2522とが含まれる。ブロックヘッダ2521は、ブロック252を識別可能なブロック番号2521aを含む。また、ブロックヘッダ2521は、n−1番目のブロック251のブロックヘッダ2511のハッシュ値2521bを含む。また、ブロックヘッダ2521は、ブロックが作成される時の時刻情報2521c、及びトランザクションデータ2522のマークルルート2521dを含む。
同様に、n+1番目のブロック253は、ブロック253を識別可能なブロック番号2531a、n番目のブロック252のブロックヘッダ2521のハッシュ値2531bと、時刻情報2531cと、トランザクションデータ2532のマークルルート2531dとを含むブロックヘッダ2531と、トランザクションデータ2532とを含む。
仮にn番目のブロック252のトランザクションデータ2522が変更されると、当該ブロック252のトランザクションデータ2522とマークルルート2521dとが整合しないことになる。仮にトランザクションデータ2522に合わせてマークルルート2521dを変更すると、次のn+1番目のブロック253に記録された直前ブロックのブロックヘッダのハッシュ値2531bがn番目のブロック252のブロックヘッダ2521のハッシュ値と整合しないことになる。このように、ブロックチェーンに保存されたトランザクションデータの改変は、容易に発見され得る。これにより、ブロックチェーン技術を用いて記憶されているコンテンツ管理データ23及び債権管理データ24の真正性は保証される。
なお、トランザクションデータ2512,2522,2532に複数の取引が含まれている場合、マークルルート2511d,2521d,2531dは、これらの取引を纏めたハッシュ値となる。
また、上記では、各ブロックは、直前ブロックのブロックヘッダのハッシュ値を含むものとしたが、これに限らない。各ブロックは、例えば直前ブロック全体のハッシュ値を含んでいてもよい。つまり、各ブロックは、過去に保存したデータに基づいて算出された値であって、過去に保存したデータが変化したら変化する値を含んでいればよい。
コンテンツの取引に関するデータがブロックチェーン25で承認されると、管理ネットワーク20でコンテンツ管理プログラム21が実行される。これにより、承認されたコンテンツの取引が自動的に実行される。コンテンツの取引に関するデータがコンテンツ管理データ23として管理されることで、ブロックチェーン25では、コンテンツが取引された履歴が正確に管理される。例えば、電子コンテンツが一次流通された回数が管理される。このため、例えば、電子コンテンツの発行数が制限されている場合、電子コンテンツを配信可能な残数が正確に管理される。また、電子コンテンツを譲り受けた譲受人が、一次流通及び二次流通を通じ、歴代の所有者として管理される。このため、電子コンテンツの所有者に応じた価値が創造される。
また、コンテンツの債権の取引に関するデータがブロックチェーン25で承認されると、管理ネットワーク20で債権管理プログラム22が実行される。これにより、承認されたコンテンツの債権の取引が自動的に実行される。コンテンツの債権の取引に関するデータが債権管理データ24として管理されることで、ブロックチェーン25では、債権が取引された履歴が正確に管理される。例えば、債権者が保有する債権数が管理される。また、債権者が保有する債権数が正確に把握されるため、債権者毎に保有される債権の保有割合が正確に管理される。また、債権者毎に保有される債権の保有割合が正確に管理されるため、コンテンツの流通に伴って債権者が得られる収益が正確に管理される。
<管理システムにおけるデータの記憶動作>
コンテンツが書籍である場合を例に、本実施形態に係る管理システム1において、サーバ装置10及び管理ネットワーク20にデータが記憶される際の動作を説明する。
図5は、本実施形態に係る管理システム1と、この管理システム1の利用者との関係の例を表す模式図である。図5に示される図では、管理システム1は、例えば、出版社により管理されている。また、図5において、管理システム1の利用者は、例えば、書籍の著作者、電子書籍の読者、及び書籍の債権を購入する債権者である。
図6は、図5に示されるサーバ装置10及び管理ネットワーク20にデータが登録される際の窓口端末30の動作の例を説明する図である。
まず、窓口端末30に対して書籍の作成者である著作者から、書籍を出品する依頼がなされる。書籍の出品依頼の際に、例えば、単行本、及び電子書籍等の著作物の出版権を出版社に対して設定する一方で、出版社から発行部数又は販売部数に応じた著作物利用料(いわゆる印税)の支払いを受けられるよう、出版社と著作者との間で契約が結ばれる。また、この契約では、例えば、第2分配率、最低販売価格、又は販売手数料設定も決定され得る。また、作成者は、例えば、出版社等との間で、債権の発行数等の、債権についての契約も結ぶ。
契約が結ばれると、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124が作成される。表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124が作成されると、窓口端末30の処理部31は、記憶制御を実施し、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を、サーバ装置10へ送信する(ステップS101)。サーバ装置10は、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を受信すると、受信した表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を記憶部12に記憶する(ステップS102)。
また、契約が結ばれると、処理部31の記憶制御部311は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイする。記憶制御部311は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイすると、「出品日:YYMMDD1に、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著者:CCCC1、著作権者:CCCC1、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、最低販売価格:OOOO1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1のコンテンツが出品された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。また、記憶制御部311は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイすると、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツについての債権が、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、発行数:NNNN1で発行された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する(ステップS101)。
取引信号を受信すると、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、取引信号を含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、自装置におけるブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する(ステップS103)。
図7は、図5に示される通信端末(読者)40が書籍ストア50から電子書籍を購入する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図5において、書籍ストア50は、例えば、サーバ装置10により提供される電子書籍の販売サイトである。なお、書籍ストア50は、サーバ装置10により提供されるものに限定されず、他の事業者により提供されても構わない。書籍ストア50では、サーバ装置10で管理されるコンテンツについての電子書籍が販売されている。
まず、通信端末40の使用者は、通信端末40を介して書籍ストア50に接続する。通信端末40による接続を受け付けると書籍ストア50は、書籍ストア50のポータル画像データをサーバ装置10の記憶部12から読み出し、読み出したポータル画像データを通信端末40へ送信する。通信端末40は、書籍ストア50から送信されたポータル画像データに基づく画像をディスプレイに表示する(ステップS201)。
通信端末40の使用者は、ポータル画面において、キーワードの入力等の操作をし、電子書籍の一覧を表示させる指示を書籍ストア50へ要求する。通信端末40からの要求信号を受信すると書籍ストア50は、要求を満たすコンテンツの表紙画像データ121を記憶部12から読み出し(ステップS202)、読み出した表紙画像データ121を通信端末40へ送信する。通信端末40は、書籍ストア50から送信された表紙画像データ121に基づく画像の一覧をディスプレイに表示する(ステップS203)。
使用者は、表示されている電子書籍一覧から所望の電子書籍を選定する。使用者により電子書籍が指定されると、通信端末40は、指定された電子書籍についての情報を、例えば、コンテンツのIDをキーに、管理ネットワーク20に対して要求する。
管理ネットワーク20は、通信端末40からの要求信号を受信すると、例えば、IDにより特定される書籍についてのコンテンツ管理データ23を読み出す(ステップS204)。コンテンツ管理データ23を読み出すと、管理ネットワーク20は、読み出したコンテンツ管理データ23を通信端末40へ送信する。
通信端末40は、管理ネットワーク20から送信されるデータを受信し、受信したデータをディスプレイに表示する。図8は、図5に示される、電子書籍を購入する際の通信端末40の表示例を表す模式図である。図8で示される例では、表紙画像データ121に基づく画像41が画面の左上に表示されている。また、画面の表示領域42には、受信したコンテンツ管理データ23に基づく情報、例えば、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著作者:CCCC1、出品日:YYMMDD1、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、及び最低販売価格:OOOO1と、書籍の価格:HHHH1とが表示されている。なお、表示領域42に表示される情報は、これらの一部であってもよいし、他の情報が含まれていてもよい。また、画面の下方には、購入ボタン43が表示されている。表示されている電子書籍を購入する場合、使用者は、購入ボタン43を押下し、購入を確定させる(ステップS205)。
通信端末40は、図8に示される画面において、表示している電子書籍がすでに購入済みか否かを表示してもよい。このとき、通信端末40は、例えば、管理ネットワーク20から送信されるコンテンツ管理データ23に含まれるIDが、すでに購入済みの電子書籍のIDと同じであるか否かを判断し、同じである場合、通信端末40のディスプレイに、「購入済み」の記載を表示する。
購入ボタン43が押下されると、通信端末40は、購入した電子書籍のコンテンツデータ122を、書籍ストア50に対して要求する。通信端末40からの要求信号を受信すると書籍ストア50は、コンテンツデータ122を記憶部12から読み出し(ステップS206)、読み出したコンテンツデータ122を通信端末40へ送信する。なお、通信端末40からの要求信号に対する応答は、コンテンツデータ122の送信に限定されない。書籍ストア50は、要求信号に応じ、例えば、コンテンツデータ122へのアクセス権を通信端末40へ送付しても構わない。
また、購入ボタン43が押下されると、通信端末40は、「日時:YY年MM月DD2日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:一次で、譲受人:GGGG1へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH1円で流通された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。取引信号を受信すると、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、取引信号を含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、自装置におけるブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する(ステップS207)。
電子書籍の一次流通が確定すると、追加されたブロックを作成した情報処理装置201は、コンテンツ管理プログラム21を実行する。コンテンツ管理プログラム21を実行すると情報処理装置201は、管理ネットワーク20で記憶されるコンテンツ管理データ23及び債権管理データ24を参照し、著作権者及び債権者毎の収益を算出する。具体的には、例えば、情報処理装置201は、書籍の譲渡額:HHHH1に第1分配率:DDDD1をかけた値を、債権の保有割合に従って分割し、著作権者及び債権者毎の収益を算出する。算出された著作権者及び債権者毎の収益は、ブロックチェーン上で管理されてもよいし、著作権者又は債権者が所有する口座へ振り込まれてもよい。また、情報処理装置201は、販売手数料設定:QQQQ1に基づいて手数料を算出する。
図9は、図5に示される通信端末(読者)40が中古書籍ストア60から電子書籍を購入する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図9において、中古書籍ストア60は、例えば、サーバ装置10により提供される、二次流通以上を経た電子書籍の販売サイトである。なお、中古書籍ストア60は、サーバ装置10により提供されるものに限定されない。中古書籍ストア60では、サーバ装置10で管理される、一次流通が済んだコンテンツについての電子書籍が販売されている。
まず、通信端末40の使用者は、通信端末40を介して中古書籍ストア60に接続する。通信端末40による接続を受け付けると中古書籍ストア60は、ポータル画像データをサーバ装置10の記憶部12から読み出し、読み出したポータル画像データを通信端末40へ送信する。通信端末40は、中古書籍ストア60から送信されたポータル画像データに基づく画像をディスプレイに表示する(ステップS301)。
通信端末40の使用者は、ポータル画面において、キーワードの入力等の操作をし、電子書籍の一覧を表示させる指示を中古書籍ストア60へ要求する。通信端末40からの要求信号を受信すると中古書籍ストア60は、要求を満たすコンテンツの表紙画像データ121を記憶部12から読み出し(ステップS302)、読み出した表紙画像データ121を通信端末40へ送信する。通信端末40は、中古書籍ストア60から送信された表紙画像データ121に基づく画像の一覧をディスプレイに表示する(ステップS303)。
使用者は、表示されている電子書籍一覧から所望の電子書籍を選定する。使用者により電子書籍が指定されると、通信端末40は、指定された電子書籍についての情報を、例えば、コンテンツのIDをキーに、管理ネットワーク20に対して要求する。
管理ネットワーク20は、通信端末40からの要求信号を受信すると、例えば、IDにより特定される書籍についてのコンテンツ管理データ23を読み出す(ステップS304)。コンテンツ管理データ23を読み出すと、管理ネットワーク20は、読み出したコンテンツ管理データ23を通信端末40へ送信する。
通信端末40は、管理ネットワーク20から送信されるデータを受信し、受信したデータをディスプレイに表示する。図10は、図5に示される、中古の電子書籍を購入する際の通信端末40の表示例を表す模式図である。図10で示される例では、表紙画像データ121に基づく画像41が画面の左上に表示されている。また、画面の表示領域42には、受信したコンテンツ管理データ23に基づく情報、例えば、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著作者:CCCC1、出品日:YYMMDD1、書籍の価格:HHHH2、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、譲渡人:FFFF1、過去所有者:GGGG1,GGGG2,GGGG3…、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、及び最低販売価格:OOOO1が表示されている。書籍の価格、及び譲渡人は、例えば、電子書籍を2次流通物として登録する際に、管理ネットワーク20に記憶されたものである。なお、表示領域42に表示される情報は、これらの一部であってもよいし、他の情報が含まれていてもよい。また、画面の下方には、購入ボタン43が表示されている。表示されている電子書籍を購入する場合、使用者は、購入ボタン43を押下し、購入を確定させる(ステップS305)。
通信端末40は、図10に示される画面において、表示している電子書籍がすでに購入済みか否かを表示してもよい。このとき、通信端末40は、例えば、管理ネットワーク20から送信されるコンテンツ管理データ23に含まれるIDが、すでに購入済みの電子書籍のIDと同じであるか否かを判断し、同じである場合、通信端末40のディスプレイに、「購入済み」の記載を表示する。また、通信端末40は、購入済みか否かの判断を、コンテンツ管理データ23で管理されている「譲受人」の履歴に基づいて実施してもよい。
また、通信端末40は、図10に示される画面において、表示している電子書籍に対して過去の所有者が付したコメント及びメモを表示してもよい。過去の所有者が付したコメント及びメモは、例えば、電子書籍がサーバ装置10へ売却される際に、サーバ装置10へ送信され、コンテンツデータ122と共に記憶される。
購入ボタン43が押下されると、通信端末40は、購入した電子書籍のコンテンツデータ122を、中古書籍ストア60に対して要求する。通信端末40からの要求信号を受信すると中古書籍ストア60は、コンテンツデータ122を記憶部12から読み出し(ステップS306)、読み出したコンテンツデータ122を通信端末40へ送信する。なお、通信端末40からの要求信号に対する応答は、コンテンツデータ122の送信に限定されない。中古書籍ストア60は、要求信号に応じ、例えば、コンテンツデータ122へのアクセス権を通信端末40へ送付しても構わない。
また、購入ボタン43が押下されると、通信端末40は、「日時:YY年MM月DD3日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:二次で、譲渡人:FFFF1から譲受人:GGGG1へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH2円で流通された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。取引信号を受信すると、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、取引信号を含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、自装置におけるブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する(ステップS307)。
電子書籍の二次流通が確定すると、追加されたブロックを作成した情報処理装置201は、コンテンツ管理プログラム21を実行する。情報処理装置201は、管理ネットワーク20で記憶されるコンテンツ管理データ23及び債権管理データ24を参照し、著作権者及び債権者毎の収益を算出する。具体的には、例えば、情報処理装置201は、書籍の譲渡額:HHHH2に第2分配率:EEEE1をかけた値を、債権の保有割合に従って分割し、著作権者及び債権者毎の収益を算出する。また、書籍の譲渡額:HHHH2から著作権者及び債権者の収益を減じた額を、譲渡人:FFFF1の収益とする。算出された著作権者、債権者、及び譲渡人の収益は、ブロックチェーン上で管理されてもよいし、著作権者、債権者、又は譲渡人が所有する口座へ振り込まれてもよい。また、情報処理装置201は、販売手数料設定:QQQQ1に基づいて手数料を算出する。
図11は、図5に示される通信端末(販売者)40が電子書籍を譲渡する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図5では、購入した電子書籍を譲渡する際、電子書籍の所有者は、通信端末40を介してサーバ装置10に接続する場合を例に説明している。
まず、通信端末40の使用者は、通信端末40を介してサーバ装置10に接続する。通信端末40による接続を受け付けるとサーバ装置10は、ポータル画像データを記憶部12から読み出し、読み出したポータル画像データを通信端末40へ送信する。通信端末40は、サーバ装置10から送信されたポータル画像データに基づく画像をディスプレイに表示する(ステップS401)。
通信端末40の使用者は、ポータル画面において、自身が所有する電子書籍のうち、販売したい電子書籍を選定する。使用者により電子書籍が指定されると、通信端末40は、指定された電子書籍についての情報を、例えば、コンテンツのIDをキーに、サーバ装置10、及び管理ネットワーク20に対して要求する。通信端末40からの要求信号を受信するとサーバ装置10は、IDにより特定されるコンテンツの表紙画像データ121を記憶部12から読み出し(ステップS402)、読み出した表紙画像データ121を通信端末40へ送信する。通信端末40からの要求信号を受信すると管理ネットワーク20は、IDにより特定されるコンテンツについてのコンテンツ管理データ23を読み出す(ステップS403)。コンテンツ管理データ23を読み出すと、管理ネットワーク20は、読み出したコンテンツ管理データ23を通信端末40へ送信する。
通信端末40は、サーバ装置10から送信された表紙画像データ121に基づく画像と、管理ネットワーク20から送信されたデータをディスプレイに表示する(ステップS403)。
図12は、図5に示される通信端末(販売者)40の表示例を表す模式図である。図12で示される例では、表紙画像データ121に基づく画像41が画面の左上に表示されている。また、画面の表示領域42には、受信したコンテンツ管理データ23に基づく情報、例えば、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著作者:CCCC1、出品日:YYMMDD1、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、過去所有者:GGGG1,GGGG2,GGGG3…、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、及び最低販売価格:OOOO1と、書籍の価格:HHHH2、及び譲渡人:FFFF1とが表示されている。ここで表示される書籍の価格は、コンテンツ管理データ23で管理されている最低販売価格を下回ることはない。また、過去所有者の変遷によっては、一般の市場価値よりも高い価格が設定される場合もある。なお、表示領域42に表示される情報は、これらの一部であってもよいし、他の情報が含まれていてもよい。また、画面の下方には、売却ボタン44が表示されている。表示されている電子書籍を売却する場合、使用者は、売却ボタン44を押下し、売却を確定させる(ステップS404)。
売却ボタン44が押下されると、通信端末40は、電子書籍の売却が発注された旨の発注信号をサーバ装置10へ送信する。通信端末40からの発注信号を受信するとサーバ装置10は、コンテンツデータ122についての売却処理を実行する(ステップS405)。サーバ装置10による売却処理は、例えば、通信端末40に付与しているアクセス権の停止、通信端末40に記憶されているコンテンツデータ122の削除、又は、売却した電子書籍が実際に二次流通されるまでのアクセス権の一次的な保留等である。売却する電子書籍に歴代所有者のコメント等が付している場合には、通信端末40からサーバ装置10へコメントに関するデータが送付され、サーバ装置10の記憶部12で、コンテンツデータ122と共に記憶される。
また、売却ボタン44が押下されると、通信端末40は、「日時:YY年MM月DD4日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:二次で、譲渡人:FFFF1からサーバ装置10へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH2円を希望して売却発注された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。取引信号を受信すると、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、取引信号を含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、自装置におけるブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する(ステップS406)。
図13は、図5に示される通信端末(債権者)40が債権ストア70から債権を注文する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図5において、債権ストア70は、例えば、サーバ装置10により提供される、コンテンツについての収益の提供を請求し得る権利である債権の取引サイトである。なお、債権ストア70は、サーバ装置10により提供されるものに限定されない。債権ストア70では、コンテンツについて設定された債権が取引されている。コンテンツの著作者は、例えば、契約時に、著作物利用料の何割を、何分割して債権とするかを決定する。債権の発行数に関する情報は、例えば、契約データ123の一部としてサーバ装置10で記憶されている。
まず、例えば、通信端末40の使用者は、通信端末40を介し、債権ストア70へアクセスする。通信端末40による接続を受け付けると債権ストア70は、ポータル画像データをサーバ装置10の記憶部12から読み出し、読み出したポータル画像データを通信端末40へ送信する。通信端末40は、債権ストア70から送信されたポータル画像データに基づく画像をディスプレイに表示する(ステップS501)。
通信端末40の使用者は、ポータル画面において、コンテンツのタイトル等のキーワードを入力し、取引可能な債権の一覧を表示させる指示を債権ストア70へ要求する。通信端末40からの要求信号を受信すると債権ストア70は、要求を満たす債権の債権画像データ124をサーバ装置10の記憶部12から読み出し(ステップS502)、読み出した債権画像データ124を通信端末40へ送信する。通信端末40は、債権ストア70から送信された債権画像データ124に基づき、取引可能な債権の一覧をディスプレイに表示する(ステップS503)。
使用者は、表示されている債権一覧から所望の債権を選定する。使用者により債権が指定されると、通信端末40は、指定された債権についての情報を、例えば、コンテンツのIDをキーに、管理ネットワーク20に対して要求する。
管理ネットワーク20は、通信端末40からの要求信号を受信すると、例えば、IDにより特定される債権についてのコンテンツ管理データ23及び債権管理データ24を読み出す(ステップS504)。コンテンツ管理データ23及び債権管理データ24を読み出すと、管理ネットワーク20は、読み出したコンテンツ管理データ23及び債権管理データ24を通信端末40へ送信する。
通信端末40は、管理ネットワーク20から送信されるデータを受信し、受信したデータをディスプレイに表示する。図14は、図5に示される債権者が使用する通信端末40の表示例を表す模式図である。図14で示される例では、画面の上部の表示領域46には、債権の取引価格の推移が表示されている。また、画面の中央部の表示領域47に債権管理データ24に基づく情報、例えば、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著作者:CCCC1、出品日:YYMMDD1、取引価格:LLLL1、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、発行体:MMMM1、発行部数:○○○○、総売上:〇〇〇〇、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、及び最低販売価格:OOOO1が表示されている。なお、表示領域47に表示される情報は、これらの一部であってもよいし、他の情報が含まれていてもよい。
表示領域47の下方には、「指値条件」、及び「注文口数」の入力フォーム48が表示されている。口数から指定して注文する場合、使用者は、注文を希望する口数をプラス又はマイナスを指定して「注文口数」に入力する。取引価格から指定して注文する場合、使用者は、注文を希望する価格を、以上又は以下を指定して「指値条件」から入力する。使用者は、取引価格の推移、表示領域47に表示されている情報を確認し、注文口数、又は指値条件を入力する。また、画面の下方には、注文確定ボタン49が表示されている。使用者は、表示されている口数、又は指値条件での債権の注文を確定させる場合、注文確定ボタン49を押下する(ステップS505)。
注文確定ボタン49が押下されると、通信端末40から、指定された注文が債権ストア70へ送信される。債権ストア70は、通信端末からの注文を受信すると、注文を確定させる(ステップS506)。
また、注文確定ボタン49が押下されると、通信端末40は、注文内容に基づくトランザクション、例えば、「日時:YY年MM月DD5日に、ID:AAAA1のコンテンツの債権が、取引価格:LLLL1、購入口数:JJJJ1で、債権者:IIII1に取引された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。
取引信号を受信すると、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、取引信号を含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、自装置におけるブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する(ステップS507)。なお、管理ネットワーク20は、債権ストア70から送信されたトランザクションデータのブロックが承認されると、債権ストア70に対して手数料を計上するようにしてもよい。
債権の注文が確定すると、追加されたブロックを作成した情報処理装置201は、債権管理プログラム22を実行する。情報処理装置201は、例えば、販売手数料設定:QQQQ1に基づいて手数料を算出する。
なお、通信端末40の表示は図14に示されるものに限定されない。債券の発行数がそれほど多くない場合には、例えば、図15に示されるような表示であっても構わない。図14で示される例では、債権画像データ124に基づく画像410が画面の左上に表示されている。また、画面の表示領域411には、受信したコンテンツ管理データ23及び債権管理データ24に基づく情報が表示されている。また、画面の下方には、購入ボタン412が表示されている。表示されている電子書籍の債権を購入する場合、使用者は、購入ボタン412を押下し、購入を確定させる。
以上のように、上記実施形態では、情報処理装置としての窓口端末30は、処理部31の記憶制御部311により、コンテンツに関して契約が締結されると、コンテンツデータ122、及び契約データ123をサーバ装置10に記憶させる。また、記憶制御部311は、契約が締結されると、コンテンツの取引に関するデータ、及びコンテンツについての収益の提供を請求し得る権利の取引に関するデータを、複数のノード装置間で互いに承認させ合いながら記憶させるようにしている。これにより、窓口端末30は、更新頻度が高く、更新情報を正確に記憶する必要のある、流通及び債権の取引に関するデータを、コンテンツデータ122及び契約データ123とは別に、ブロックチェーンを利用した管理ネットワーク20に記憶させることが可能となる。
また、上記実施形態では、債権の取引に関する履歴が複数のノード装置間で互いに承認されながら記憶されることで、債権者が保有する債権の保有割合が管理される。そして、コンテンツが譲渡された履歴と、管理されている保有割合とから、著作者及び債権者に配分される収益が算出されるようになっている。これにより、著作者及び債権者に配分される収益が正確に算出されるようになる。
また、上記実施形態では、コンテンツが譲渡された履歴には、コンテンツの一次流通又は二次流通に係る譲渡が含まれている。これにより、一次流通及び二次流通の際に発生した譲渡額を含めて著作者及び債権者に配分される収益が算出されるようになる。
また、上記実施形態では、管理システム1は、サーバ装置10により、コンテンツデータ122を管理し、コンテンツデータ122に対する譲渡依頼があると、コンテンツデータ122又はコンテンツデータ122へのアクセス権を送信する。そして、管理ネットワーク20により、コンテンツ管理データ23と、債権管理データ24とを管理し、コンテンツ管理データ23及び債権管理データ24に基づき、コンテンツの作成者と債権者とに配分される収益を算出するようにしている。これにより、コンテンツについての債権の取引をコンテンツデータ122とは別に管理することで、正確性を担保することが可能となる。
また、上記実施形態では、管理ネットワーク20は、電子コンテンツ、又は物理コンテンツの二次流通に係る譲渡がなされると、コンテンツの著作権者と債権者とに配分される、二次流通による収益を算出するようにしている。これにより、二次流通により発生する収益を迅速に計上することが可能となる。
また、上記実施形態では、管理ネットワーク20は、収益の算出をスマートコントラクトにより自動的に実行するようにしている。これにより、コンテンツの取引が確定すると、債権管理データ24に基づき、正確かつ迅速に収益が算出されることになる。
また、上記実施形態では、管理ネットワーク20は、算出した収益を仮想通貨として管理するようにしている。これにより、他の金融機関を経ずに直接的に著作者及び債権者へ収益を配分することが可能となる。
したがって、本開示に係る窓口端末30、管理システム1、データ管理方法、及びデータ管理プログラムによれば、作成されたコンテンツに対する支援を安全かつ容易に受け付けることができる。また、著作権者がコンテンツの流通時に早期の資産交換、例えば、現金化を望むことができる。
なお、上記実施形態の管理システム1は、上記で説明されているものに限定されない。例えば、上記実施形態では、窓口端末30がコンテンツデータ122、及び契約データ123をサーバ装置10に記憶させ、コンテンツの取引に関するデータ、及びコンテンツについての収益の提供を請求し得る権利の取引に関するデータを、管理ネットワーク20に記憶させるようにしている。この窓口端末30の動作を、著作者が自身の通信端末40を用いて実行しても構わない。
図16は、サーバ装置10及び通信端末40のその他の構成例を表すブロック図である。図16に示される通信端末40は、例えば、処理部401、記憶部402、入力インタフェース403、出力インタフェース404、及び通信インタフェース405を備える。処理部401、記憶部402、入力インタフェース403、出力インタフェース404、及び通信インタフェース405は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理部401は、例えば、CPU、CPUが処理を実行する際に用いるメモリを備える。メモリは、いわゆる主記憶装置である。CPUは、例えば、記憶部402に記憶されているプログラムをメモリに読み込んで実行することで、プログラムに対応する種々の機能を実現する。例えば、処理部401は、記憶部402に記憶されているコンテンツ管理プログラム4021を実行することで、記憶制御部4011の機能を実現する。
記憶制御部4011は、サーバ装置10の記憶部12及び管理ネットワーク20へのデータの記憶を制御する。具体的には、例えば、コンテンツが作成されると、作成者からの操作に従い、記憶制御部4011は、記憶部12へコンテンツについてのデータを記憶させる。また、記憶制御部4011は、作成者からの操作に従い、コンテンツ管理プログラム21、及び債権管理プログラム22を管理ネットワーク20へ展開(デプロイ)する。また、記憶制御部4011は、コンテンツ管理プログラム21及び債権管理プログラム22を管理ネットワーク20へデプロイすると、コンテンツの取引に関するデータと、コンテンツの債権の取引に関するデータとを管理ネットワーク20に記憶させる。
記憶部402は、種々の情報を記憶する不揮発性の記憶回路を備える、いわゆる補助記憶装置である。記憶部402は、本実施形態に係るプログラム、例えば、コンテンツ管理プログラム4021を記憶している。なお、コンテンツ管理プログラム4021は、例えば、記憶部402に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されて記憶部402にインストールされてもよい。また、例えば、不図示のサーバ装置からダウンロードされ、記憶部402にインストールされてもよい。
図17は、図16に示されるサーバ装置10及び管理ネットワーク20にデータが登録される際の通信端末40の動作の例を説明する図である。
まず、例えば、コンテンツを作成した著作者は、通信端末40を介してサーバ装置10に接続する。通信端末40による接続を受け付けるとサーバ装置10は、ポータル画像データを記憶部12から読み出し、読み出したポータル画像データを通信端末40へ送信する。通信端末40は、サーバ装置10から送信されたポータル画像データに基づく画像をディスプレイに表示する(ステップS601)。
著作者は、ポータル画面を操作して登録フォームをディスプレイに表示させ、登録フォームから、例えば、コンテンツのタイトル、著作者、コンテンツの発行数、販売価格、第2分配率、最低販売価格等、コンテンツに係る設定を登録する。また、著作者は、登録フォームから、債権の発行数等、債権に係る設定を登録する。なお、販売手数料設定は、例えば、予め決定されている。設定登録がなされると、コンテンツのIDが割り振られる。
IDが割り当てられると、著作者は、コンテンツのデータ、及びコンテンツの代表画像をサーバ装置10にアップロードする。これにより、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124が作成される。表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124が作成されると、通信端末40の処理部401は、記憶制御を実施し、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を、サーバ装置10へ送信する(ステップS602)。サーバ装置10は、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を受信すると、受信した表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を記憶部12に記憶する(ステップS603)。
また、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124が作成されると、処理部401の記憶制御部4011は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイする。記憶制御部4011は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイすると、「出品日:YYMMDD1に、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著者:CCCC1、著作権者:CCCC1、第2分配率:EEEE1、最低販売価格:OOOO1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1のコンテンツが出品された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。また、記憶制御部4011は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイすると、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツについての債権が、第2分配率:EEEE1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、発行数:NNNN1で発行された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する(ステップS602)。
取引信号を受信すると、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、取引信号を含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、自装置におけるブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する(ステップS604)。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、窓口端末30又は通信端末40が管理ネットワーク20へ取引信号を送信する場合を例に説明した。第2の実施形態では、サーバ装置10が管理ネットワーク20へ取引信号を送信する場合を説明する。
<システム構成>
図18は、本実施形態に係る管理システム1aと、管理システム1aと接続する通信端末40との構成例を表す模式図である。図1に示される管理システム1aは、サーバ装置10a、及び管理ネットワーク20を備える。サーバ装置10a、及び管理ネットワーク20は、例えば、インターネット、及び/又は通信事業者が提供する通信網等のネットワークを介して接続されている。
サーバ装置10aは、コンピュータ、及びメインフレーム等により実現される。サーバ装置10aは、管理装置の一例である。サーバ装置10aは、例えば、電子化されたコンテンツに関するデータを記憶している。なお、図18では、サーバ装置10aが1台である場合が示されているが、サーバ装置10aは、1台でなくても構わず、複数台のコンピュータが組み合わされて実現されてもよい。
<サーバ装置及び通信端末の構成>
図19は、図1に示されるサーバ装置10aの構成例を表すブロック図である。なお、図19では、サーバ装置10aとネットワークを介して接続される管理ネットワーク20も表されている。
図19に示されるサーバ装置10aは、例えば、処理部11a、記憶部12a、及び通信インタフェース13を備える。処理部11a、記憶部12a、及び通信インタフェース13は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理部11aは、例えば、CPU、CPUが処理を実行する際に用いるメモリを備える。メモリは、いわゆる主記憶装置であり、例えば、DRAM等により構成される。CPUは、例えば、記憶部12aに記憶されているプログラムをメモリに読み込む。CPUは、メモリに読み込まれたプログラムを実行する。これにより、処理部11aは、プログラムに対応する種々の機能を実現する。例えば、処理部11aは、記憶部12aに記憶されているコンテンツ管理プログラム125を実行することで、記憶制御部111の機能を実現する。また、例えば、処理部11aは、書籍ストア、中古書籍ストア、又は債権ストアについてのサイトを提供するための機能を実現する。また、処理部11は、他のサービスが提供する、書籍ストア、中古書籍ストア、又は債権ストアと接続するための機能を実現する。
なお、処理部11aは、複数のCPUが組み合わされて形成されていても構わない。また、処理部11aは、記憶制御部111の機能を有する専用のハードウェア構成により形成されていても構わない。また、処理部11aは、記憶制御部111の機能を有する専用のハードウェア回路を組み込んだ特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、他の複合プログラマブル論理デバイス、又は単純プログラマブル論理デバイスにより形成されていても構わない。
記憶制御部111は、記憶部12a及び管理ネットワーク20へのデータの記憶を制御する。具体的には、例えば、コンテンツの出品が依頼されると、記憶制御部111は、記憶部12aへコンテンツについてのデータを記憶させる。また、記憶制御部111は、コンテンツの出品が依頼されると、コンテンツ管理プログラム21、及び債権管理プログラム22を管理ネットワーク20へ展開(デプロイ)する。また、記憶制御部111は、コンテンツ管理プログラム21及び債権管理プログラム22を管理ネットワーク20へデプロイすると、コンテンツの取引に関するデータと、コンテンツの債権の取引に関するデータとを管理ネットワーク20に記憶させる。
記憶部12aは、種々の情報を記憶するHDD、及びSSD等の不揮発性の記憶回路を備える、いわゆる補助記憶装置である。なお、記憶部12aは、CD−ROM、DVD、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。
記憶部12aには、例えば、通信端末40からアップロードされた、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、債権画像データ124等の、コンテンツについてのデータが記憶される。
<管理システムにおけるデータの記憶動作>
コンテンツが書籍である場合を例に、本実施形態に係る管理システム1aにおいて、サーバ装置10a及び管理ネットワーク20にデータが記憶される際の動作を説明する。
図20は、本実施形態に係る管理システム1aと、この管理システム1aの利用者との関係の例を表す模式図である。図20に示される図では、管理システム1aは、例えば、出版社により管理されている。また、図20において、管理システム1aの利用者は、例えば、書籍の著作者、電子書籍の読者、及び書籍の債権を購入する債権者である。
図21は、図20に示されるサーバ装置10a及び管理ネットワーク20にデータが登録される際の窓口端末30の動作の例を説明する図である。
まず、窓口端末30に対して書籍の作成者である著作者から、書籍を出品する依頼がなされる。書籍の出品依頼の際に、出版社と著作者との間で契約が結ばれる。契約が結ばれると、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124が作成され、作成された表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124が管理システム1aにアップロードされる(ステップS701)。
表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124がアップロードされると、管理システム1aの処理部11aは、記憶制御を実施し、表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を、記憶部12aに記憶させる(ステップS702)。
表紙画像データ121、コンテンツデータ122、契約データ123、及び債権画像データ124を、記憶部12aに記憶させると、記憶制御部111は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイする。記憶制御部111は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイすると、例えば、「出品日:YYMMDD1に、ID:AAAA1、タイトル:BBBB1、著者:CCCC1、著作権者:CCCC1、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、最低販売価格:OOOO1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1のコンテンツが出品された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。また、記憶制御部111は、コンテンツ管理データ23、及び債権管理データ24を管理ネットワーク20にデプロイすると、例えば、「日時:YY年MM月DD1日に、ID:AAAA1のコンテンツについての債権が、第1分配率:DDDD1、第2分配率:EEEE1、管理者:PPPP1、販売手数料設定:QQQQ1、発行数:NNNN1で発行された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。
取引信号を受信すると、管理ネットワーク20を構成するいずれか1つの情報処理装置201は、取引信号を含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。情報処理装置201は、追加したブロックの情報を他の情報処理装置201へ送信する。他の情報処理装置201は、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、自装置におけるブロックチェーンに追加する。管理ネットワーク20は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する(ステップS703)。
図22は、図20に示される通信端末(読者)40が書籍ストア50から電子書籍を購入する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図22は、ステップS205まで図7と同様であるため、ここでは、ステップS205以降の動作を説明する。
ステップS205において、購入ボタン43が押下されると、通信端末40は、購入した電子書籍のコンテンツデータ122を、書籍ストア50に対して要求する。通信端末40からの要求信号を受信すると書籍ストア50は、コンテンツデータ122を記憶部12から読み出し(ステップS801)、読み出したコンテンツデータ122を通信端末40へ送信する。なお、通信端末40からの要求信号に対する応答は、コンテンツデータ122の送信に限定されない。書籍ストア50は、要求信号に応じ、例えば、コンテンツデータ122へのアクセス権を通信端末40へ送付しても構わない。
通信端末40からの要求信号に応答すると、書籍ストア50は、「日時:YY年MM月DD2日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:一次で、譲受人:GGGG1へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH1円で流通された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。取引信号を受信すると、管理ネットワーク20は、取引信号を含むブロックを情報処理装置201間で承認し合いながらブロックチェーンに追加する(ステップS802)。
図23は、図20に示される通信端末(読者)40が中古書籍ストア60から電子書籍を購入する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図23は、ステップS305まで図9と同様であるため、ここでは、ステップS305以降の動作を説明する。
ステップS305において、購入ボタン43が押下されると、通信端末40は、購入した電子書籍のコンテンツデータ122を、中古書籍ストア60に対して要求する。通信端末40からの要求信号を受信すると中古書籍ストア60は、コンテンツデータ122を記憶部12から読み出し(ステップS901)、読み出したコンテンツデータ122を通信端末40へ送信する。なお、通信端末40からの要求信号に対する応答は、コンテンツデータ122の送信に限定されない。中古書籍ストア60は、要求信号に応じ、例えば、コンテンツデータ122へのアクセス権を通信端末40へ送付しても構わない。
通信端末40からの要求信号に応答すると、中古書籍ストア60は、「日時:YY年MM月DD3日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:二次で、譲渡人:FFFF1から譲受人:GGGG1へ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH2円で流通された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。取引信号を受信すると、管理ネットワーク20は、取引信号を含むブロックを情報処理装置201間で承認し合いながらブロックチェーンに追加する(ステップS902)。
図24は、図20に示される通信端末(販売者)40が電子書籍を譲渡する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図23は、ステップS404まで図11と同様であるため、ここでは、ステップS404以降の動作を説明する。
ステップS404において、売却ボタン44が押下されると、通信端末40は、電子書籍の売却が発注された旨の発注信号をサーバ装置10aへ送信する。通信端末40からの発注信号を受信するとサーバ装置10aは、コンテンツデータ122についての売却処理を実行する(ステップS1001)。売却する電子書籍に歴代所有者のコメント等が付している場合には、通信端末40からサーバ装置10aへコメントに関するデータが送付され、サーバ装置10aの記憶部12aで、コンテンツデータ122と共に記憶される。
売却処理を実行すると、サーバ装置10aは、「日時:YY年MM月DD4日に、ID:AAAA1のコンテンツが、流通形態:電子、n次流通:二次で、譲渡人:FFFF1からサーバ装置10aへ、譲渡数:RRRR1、譲渡額:HHHH2円を希望して売却発注された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。取引信号を受信すると、管理ネットワーク20は、取引信号を含むブロックを情報処理装置201間で承認し合いながらブロックチェーンに追加する(ステップS1002)。
図25は、図5に示される通信端末(債権者)40が債権ストア70から債権を注文する際の管理ネットワーク20によるデータの管理の例を説明する図である。図25は、ステップS505まで図13と同様であるため、ここでは、ステップS505以降の動作を説明する。
ステップS505において、注文確定ボタン49が押下されると、通信端末40から、指定された注文が債権ストア70へ送信される。債権ストア70は、通信端末からの注文を受信すると、注文を確定させる(ステップS1101)。注文を確定させると、債権ストア70は、注文内容に基づく取引信号、例えば、「日時:YY年MM月DD5日に、ID:AAAA1のコンテンツの債権が、取引価格:LLLL1、購入口数:JJJJ1で、債権者:IIII1に取引された」ことを表す取引信号を管理ネットワーク20へ送信する。
取引信号を受信すると、管理ネットワーク20は、取引信号を含むブロックを情報処理装置201間で承認し合いながらブロックチェーンに追加する(ステップS1102)。
以上のように、第2の実施形態では、コンテンツに関して契約が締結されると、サーバ装置10aは、処理部11aの記憶制御部111aにより、コンテンツデータ122、及び契約データ123を記憶部12aに記憶させる。また、記憶制御部111aは、契約が締結されると、コンテンツの取引に関するデータ、及びコンテンツについての収益の提供を請求し得る権利の取引に関するデータを、複数のノード装置間で互いに承認させ合いながら記憶させるようにしている。これにより、管理システム1aは、更新頻度が高く、更新情報を正確に記憶する必要のある、流通及び債権の取引に関するデータを、コンテンツデータ122及び契約データ123とは別に、ブロックチェーンを利用した管理ネットワーク20に記憶させることが可能となる。
したがって、本開示に係る管理システム1a、管理システム1a、データ管理方法、及びデータ管理プログラムによれば、作成されたコンテンツに対する支援を安全かつ容易に受け付けることができる。また、著作権者がコンテンツの流通時に早期の資産交換、例えば、現金化を望むことができる。
なお、第1の実施形態において、窓口端末30の動作を、著作者が自身の通信端末40を用いて実行する場合について説明したが、この代替は、第2の実施形態においても適用可能である。
また、第1及び第2の実施形態では、電子書籍の購入、又は売却の際の管理ネットワーク20でのデータ管理について説明したが、物理書籍の購入、又は売却の際であっても同様にデータが管理される。
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。