以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の情報処理システムについて図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の情報処理システムの一例を示す図である。
情報処理システム60は、コンテンツの取引を行うシステムである。コンテンツは、取引の対象となるデジタルコンテンツであり、たとえば、音楽、映画、電子化書籍、デザイン等である。以下、デジタルコンテンツを、コンテンツと記載する。情報処理システム60は、情報処理装置10,20,30,40と、コンテンツ利用装置45とを含む。情報処理システム60に含まれる各装置は、ネットワーク50を介して情報通信が可能である。ネットワーク50は、有線ネットワーク、無線ネットワークの何れでもよい。
情報処理装置10は、コンテンツの取引方法を実現するプログラムが実行されるコンピュータである。情報処理装置10の運営主体であるシステム提供者は、システム利用時にシステム利用者(コンテンツホルダー、サービス利用者、サービス提供者等)からシステム利用料を徴収してもよいし、その他の方法でシステム利用料を徴収してもよい。
情報処理装置10は、コンテンツの取引に伴う処理をスマートコントラクトやブロックチェーンの技術を用いて実現できる。また、情報処理装置10は、コンテンツの取引に伴う利用料の徴収や利益の配分の指示を行う機能を備える。たとえば、情報処理装置10は、金融機関のサーバに対して仮想通貨や現金等の入出金の指示を送信することにより、利用料の徴収や利益の配分の指示を行うことができる。なお、金融機関のサーバは、図示を省略する。
情報処理装置10は、制御部11と記憶部12を備える。制御部11は、情報処理装置10全体を制御するものであり、たとえば、プロセッサ等である。制御部11は、各種装置と情報通信を行う。また、制御部11は、記憶部12に対して情報の記憶および読み出しが可能である。記憶部12は、メモリやディスク等の記憶装置であり、コンテンツの取引を行うために必要なデータを記憶する。記憶部12は、取引規約15、取引履歴16、コンテンツ情報17を記憶する。
取引規約15は、コンテンツの取引における利益配分を定めた情報である。取引規約15は、規約ID、利益配分条件、利用料、利用料支払者、利益配分の項目を含む。規約IDの項目には、取引規約15に含まれる各取引規約の識別情報(規約ID)が登録される。利益配分条件の項目には、利益を配分する指示を実行する条件が登録される。利用料の項目には、コンテンツのサービスを受けるための利用料が登録される。利用料支払者の項目には、利用料の支払者が登録される。利益配分の項目には、利用料から得られる利益を配分する配分者および配分比率が登録される。
取引履歴16は、コンテンツの取引状態を含む取引の履歴を管理する情報である。取引履歴16は、履歴ID、取引状態、取引日時、サービス利用者、コンテンツIDの項目を含む。履歴IDの項目には、取引履歴16に含まれる各履歴の識別情報(履歴ID)が登録される。取引状態の項目には、コンテンツの取引の状態(ステータス)が登録される。取引日時の項目には、コンテンツの取引の日時が登録される。サービス利用者の項目には、コンテンツの利用者が登録される。コンテンツIDの項目には、取引対象となるコンテンツの識別情報(コンテンツID)が登録される。なお、コンテンツには、それぞれを一意に認識可能な識別情報が付与され、情報処理装置10に記憶される。
コンテンツ情報17は、取引対象となるコンテンツを管理する情報であり、各コンテンツに適用する取引規約15を定めた情報である。
コンテンツ情報17は、コンテンツID、規約ID、規約適用条件の項目を含む。コンテンツID、規約IDの項目は、上述のとおりである。規約適用条件の項目は、取引対象となるコンテンツ(コンテンツIDで識別されるコンテンツ)に取引規約(規約IDで識別される取引規約)を適用する際の適用条件である。
情報処理装置20は、コンテンツの権利を有するコンテンツホルダーが用いるコンピュータである。コンテンツホルダーは、情報処理装置20を介して情報処理装置10にアクセスし、取引を行うコンテンツのアップロード、取引規約15の閲覧、コンテンツに適用する取引規約15の選択等を行う。なお、取引規約15は、ブラウザ等を用いることで閲覧可能であるものとする。また、情報処理装置10は、WWW(World Wide Web)サーバの機能も備えており、情報閲覧の要求に応じて、情報を提示することができるものとする。
情報処理装置30は、コンテンツを利用するサービス利用者が用いるコンピュータである。サービス利用者は、情報処理装置30を介して情報処理装置10にアクセスし、利用するコンテンツの選択等を行う。
情報処理装置40は、コンテンツを実行するサービスを提供するサービス提供者が用いるコンピュータである。サービス提供者は、情報処理装置40を介して情報処理装置10にアクセスし、サービス利用者が選択したコンテンツの実行をコンテンツ利用装置45に指示する。コンテンツ利用装置45は、コンテンツを用いてサービス利用者に対してサービスを提供する装置である。
たとえば、コンテンツがネイルデザインである場合、サービス利用者はネイルアートの施術を受ける顧客であり、サービス提供者はネイルサロンであり、コンテンツ利用装置45は、ネイルプリンタである。この場合、サービス提供者であるネイルサロンにおいて、サービス利用者(顧客)が選択したネイルデザインのネイルプリントの施術を行う。
また、コンテンツが立体的形状のキャラクターデザインである場合、コンテンツ利用装置45は3Dプリンタである。サービス提供者は、サービス利用者が選択した立体的形状のキャラクターデザインに基づき3Dプリンタで人形の作成を行う。
ここで、情報処理システム60におけるデジタルコンテンツ取引方法について説明する。情報処理装置10の制御部11は、情報処理装置20を介してコンテンツホルダーから取引対象となるコンテンツを受け付け、コンテンツにコンテンツIDを付与し、記憶部12に記憶する。また、制御部11は、情報処理装置20からコンテンツを受け付ける際に、取引規約15を提示し、規約の選択と規約適用条件を受け付け、コンテンツIDと規約IDと規約適用条件とを対応づけコンテンツ情報17として記憶部12に記憶する。
制御部11は、情報処理装置30を介してサービス利用者からコンテンツの利用要求を受け付け、コンテンツおよびコンテンツIDを提示し、コンテンツの選択を受け付ける。制御部11は、利用者からコンテンツの選択を受け付けたことに伴い、コンテンツの取引状態「選択」を含むエントリを取引履歴16に記録する。
制御部11は、情報処理装置40を介してサービス提供者からコンテンツの実行要求を受け付け、コンテンツに対する利用を一時的に許可する。サービス提供者は、サービス利用者からコンテンツのサービスの要求を受け、情報処理装置40を介してコンテンツ利用装置45にコンテンツの実行を指示する。制御部11は、コンテンツの実行要求を処理したことに伴い、コンテンツの取引状態「実行」を含むエントリを取引履歴16に記録する。
制御部11は、取引履歴16に含まれる取引状態が取引規約15に定められた利益配分条件に規定された取引状態と合致した場合、コンテンツに適用する取引規約に従い利益を配分する指示を行う。
ここで、取引規約15の規約ID「01」について説明する。取引規約15の規約ID「01」の規約は、利益配分条件「取引状態「実行」」を満たす場合に、コンテンツを利用するサービス利用者から利用料「Mコイン」を徴収し、コンテンツホルダーに20%およびサービス提供者に80%の利益を配分する規約である。制御部11は、取引履歴16に基づき取引状態「実行」であると判定し、取引されたコンテンツが規約ID「01」と対応づけられている場合、サービス利用者から利用料「Mコイン」を徴収し、コンテンツホルダーに20%およびサービス提供者に80%の割合で利益を配分する指示を行う。なお、取引規約15において、コンテンツを利用して作成した2次利用コンテンツの権利を有する2次コンテンツホルダーに利益を配分する規約を含む場合、制御部11は、利用料から得られる利益から2次コンテンツホルダーに対する利益を配分する指示を行う。
次に、取引規約15の規約ID「02」について説明する。取引規約15の規約ID「02」の規約は、利益配分条件「取引状態「実行」」を満たす場合に、コンテンツホルダーから利用料「Nコイン」を徴収し、サービス提供者に80%およびサービス利用者に20%の利益を配分する規約である。制御部11は、取引履歴16に基づき取引状態「実行」であると判定し、取引されたコンテンツが規約ID「02」と対応づけられている場合、コンテンツホルダーから利用料「Nコイン」を徴収し、サービス提供者に80%およびサービス利用者に20%の割合で利益を配分する指示を行う。
次に、コンテンツ情報17のコンテンツID「X1」の規約適用条件について説明する。コンテンツ情報17のコンテンツID「X1」は、規約ID「02」と規約適用条件「利用数≦100」と対応づけて記憶されている。これは、コンテンツID「X1」で識別されるコンテンツが取引され、コンテンツの利用数が100回以下である場合に規約ID「02」の規約を適用することを示している。この規約適用条件は、たとえば、コンテンツホルダーがサービス提供者およびサービス利用者に利益を提供し、所定数のコンテンツの拡散を行う場合に利用できる。たとえば、コンテンツホルダーは、サービス提供者およびサービス利用者に利益を配分し、自社のロゴマークや製品名等を記したコンテンツを拡散することにより、宣伝広告や製品拡販を図ることが可能となる。このように、コンテンツホルダーは、規約適用条件においてコンテンツの利用数や取引日時の期間を定めることにより、広告予算や宣伝計画に応じたコンテンツの取引や流通を図ることができる。
このように、情報処理システム60において、コンテンツと対応づけた規約に基づいてコンテンツを取引することで、コンテンツの利用料の徴収や利益配分方法の多様化に対応できる。また、情報処理システム60において、取引履歴16に記録された取引状態に応じて、利用料の徴収や利益配分の実行を指示することにより、サービス提供者における利用料の入出金の手間を省くことができる。また、情報処理システム60において、コンテンツホルダーは、取引規約15を閲覧し内容を確認した上でコンテンツと規約とを対応づけて出品できるため、取引における利益配分の透明性を高めることができる。また、情報処理システム60において、サービス利用者が利用料を支払う規約のみではなく、コンテンツホルダーが利用料を支払う規約も規定することにより、コンテンツの取引の多目的化に対応することができる。
こうして、情報処理システム60により、コンテンツの取引において利得の配分の多様化に対応できる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態として、情報処理装置10をサーバに適用した情報処理システムについて図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態の情報処理システムの一例を示す図である。
情報処理システム500は、サーバ100を介してデジタルコンテンツ(以下、コンテンツと記載する。)の取引を行うシステムである。デジタルコンテンツとは、音楽、映像、画像、文章、設計図、デザイン等がデジタルデータ化されたものである。
情報処理システム500は、サーバ100、端末200,300,400およびコンテンツ利用装置450を含む。サーバ100は、ネットワーク550を介して端末200,300,400と情報通信を行う。なお、ネットワーク550は、無線ネットワーク、有線ネットワークを問わない。また、サーバ100、端末200,300,400、コンテンツ利用装置450は、図示した台数に限られるものではなく、2台以上であってもよい。
サーバ100は、コンテンツ取引システムを実現するプログラムを実行するコンピュータである。サーバ100は、端末200,300,400が送信する情報を受信し、受信した情報を管理する。サーバ100は、端末200,300,400から受信した要求に基づき、コンテンツの取引を実行する。また、サーバ100は、情報を記憶する機能と、情報を提示する機能も備える。たとえば、サーバ100は、Webサーバとしての機能も備えており、端末200,300,400からの要求に基づき、情報をWebページとして端末200,300,400に提示することが可能である。端末200,300,400は、サーバ100と情報通信が可能であり、ブラウザ等のプログラムを実行してサーバ100が提示する情報を閲覧する機能を備えるものとする。
また、サーバ100は、コンテンツの取引に伴う利益の移動(仮想通貨や現金等の入出金)を指示するため、金融機関のサーバに対して情報通信が可能であるものとする。金融機関のサーバについては、図示を省略する。また、サーバ100は、コンテンツの取引に伴う規約の定義および実行をスマートコントラクトやブロックチェーンの技術を用いて実現できるものとする。
サーバ100は、情報処理システム500においてコンテンツの取引を行う際のシステム基盤である。サーバ100の運営主体であるシステム提供者は、システム利用時にシステム利用者(コンテンツホルダー、サービス提供者等)からシステム利用料を徴収してもよいし、その他の方法でシステム利用料を徴収してもよい。
端末200は、コンテンツホルダーが用いるコンピュータである。コンテンツホルダーは、取引の対象となるコンテンツの権利を有する者であり、コンテンツの作成やコンテンツの出品を行う者である。コンテンツホルダーは、端末200を用いて取引の対象となるコンテンツをサーバ100にアップロードする。
端末300は、サービス利用者が用いるコンピュータである。サービス利用者は、サーバ100にアップロードされたコンテンツから利用するコンテンツを選択し、サービス提供者が有するコンテンツ利用装置450を介してコンテンツを利用する者である。
端末400は、サービス提供者が用いるコンピュータである。サービス提供者は、サービス利用者が選択したコンテンツをコンテンツ利用装置450で実行することにより、サービス利用者にサービスを提供する者である。なお、サービス提供者が法人等である場合、実際にはサービス提供者の店舗において端末400やコンテンツ利用装置450を操作してサービスを行う係員であるが、以下の説明においては、単にサービス提供者と記載する。
なお、端末200,300,400は、デスクトップ型コンピュータであってもよいし、ノート型コンピュータであってもよいし、タブレット型コンピュータであってもよいし、携帯型コンピュータであってもよい。
コンテンツ利用装置450は、サービス提供者がコンテンツをサービス利用者に利用させる装置である。たとえば、コンテンツがネイルデザインであり、サービス利用者がネイルプリントのサービスを受ける場合、サービス提供者がネイルサロンであり、コンテンツ利用装置450がネイルプリンタである。
また、コンテンツが3次元の人形キャラクターデザインであり、サービス利用者が人形を作成する場合、サービス提供者が3Dプリンタ加工業者であり、コンテンツ利用装置450は3Dプリンタである。
また、コンテンツが音楽であり、音楽が録音されたテープやレコードの作製をサービス利用者が行う場合、サービス提供者が音楽媒体制作店であり、コンテンツ利用装置450には音楽記録装置および媒体(テープレコーダおよびテープ、レコード制作機およびレコード等)が含まれる。
また、コンテンツがVR(Virtual Reality)画像であり、サービス利用者が視聴を行う場合、サービス提供者が視聴覚機器レンタル店であり、コンテンツ利用装置450はVRゴーグルやVRシアターである。なお、コンテンツ利用装置450は、これらに限るものではなく、コンテンツに応じて設置することが可能である。
情報処理システム500における取引のイメージについては、後で図4~図6を用いて説明する。
次に、第2の実施形態のサーバのハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態のサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
サーバ100は、プロセッサ111、RAM(Random Access Memory)112、HDD(Hard Disk Drive)113、画像信号処理部114、入力信号処理部115、媒体リーダ116、通信インタフェース117を含む。サーバ100は、プロセッサ111によって装置全体が制御されている。プロセッサ111には、バス118を介してRAM112と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ111は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ111は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ111は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM112は、サーバ100の主記憶装置として使用される。RAM112には、プロセッサ111に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に記憶される。また、RAM112には、プロセッサ111による処理に必要な各種データが記憶される。
バス118に接続されている周辺機器としては、HDD113、画像信号処理部114、入力信号処理部115、媒体リーダ116および通信インタフェース117がある。
HDD113は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD113は、サーバ100の補助記憶装置として使用される。HDD113には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが記憶される。なお、HDD113に限らず、SSD(Solid State Drive)を使用することもできる。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
画像信号処理部114は、プロセッサ111からの命令に従って、サーバ100に接続されたディスプレイ114aに画像を出力する。ディスプレイ114aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ、有機EL(OEL:Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等、任意の種類のディスプレイを用いることができる。
入力信号処理部115は、サーバ100に接続された入力デバイス115aから入力信号を取得し、プロセッサ111に出力する。入力デバイス115aとしては、マウス、タッチパネル、タッチパッド、トラックボール、キーボード、リモートコントローラ、ボタンスイッチ等、任意の種類の入力デバイスを用いることができる。
媒体リーダ116は、記録媒体119に記録されたプログラムやデータを読み取る読み取り装置である。記録媒体119として、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)、半導体メモリ等を使用できる。磁気ディスクには、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDが含まれる。光ディスクには、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)が含まれる。
媒体リーダ116は、たとえば、記録媒体119から読み取ったプログラムやデータを、RAM112やHDD113等の他の記録媒体にコピーする。読み取られたプログラムは、たとえば、プロセッサ111によって実行される。なお、記録媒体119は可搬型記録媒体であってもよく、プログラムやデータの配布に用いられることがある。また、記録媒体119やHDD113を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体と言うことがある。
通信インタフェース117は、ネットワーク550に接続されている。通信インタフェース117は、他のコンピュータ、記憶装置、または通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施形態のサーバ100の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施形態の情報処理装置10,20,30,40は、図3に示したサーバ100のハードウェア構成で実現できる。また、第2の実施形態の端末200,300,400も図3に示したサーバ100のハードウェア構成で実現できる。
なお、上記の構成は一例であり、構成部の組み合わせは適宜決定できる。たとえば、端末300は、ディスプレイ114aおよび入力デバイス115aに換えて、液晶画面およびタッチパネルを本体と一体型として備え、無線通信機能を備えるものとしてもよい。
サーバ100は、たとえばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施形態の処理機能を実現する。サーバ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、サーバ100に実行させるプログラムをHDD113に記憶しておくことができる。プロセッサ111は、HDD113内のプログラムの少なくとも一部をRAM112にロードし、プログラムを実行する。また、サーバ100に実行させるプログラムを、光ディスク、メモリ装置、メモリカード等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に記憶されたプログラムは、たとえばプロセッサ111からの制御により、HDD113にインストールされた後、実行可能となる。また、プロセッサ111が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
次に、第2の実施形態の情報処理システム500におけるコンテンツ取引イメージの一例について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態のコンテンツ取引イメージの一例を示す図である(その1)。
コンテンツ取引イメージ610は、情報処理システム500におけるコンテンツ取引のイメージを示したものである。コンテンツ取引イメージ610において、端末200を用いるコンテンツホルダーがデザイナーAであり、端末300を用いるサービス利用者がユーザJであるものとする。また、端末400およびコンテンツ利用装置450を提供するサービス提供者が店舗P(ネイルサロン)であるものとする。また、コンテンツ利用装置450は、ネイルプリンタであり、端末400からネイルデザインおよびプリントの指示を受け、ネイルプリントを実行する機能を備えるものとする。
サーバ100は、予め取引対象となるコンテンツが蓄積されており、サービス利用者に対してコンテンツの情報を提供する。コンテンツホルダーは、端末200を介して、サーバ100で管理された規約を確認し、取引対象となるコンテンツを規約と対応づけてサーバ100にアップロードするものとする。
(1)ユーザJは、端末300を用いてサーバ100にアクセスし、各種情報(コンテンツ、利用料、サービス提供者)を確認し、ネイルデザインAを選択する。サーバ100は、端末300からのアクセス要求を受け付け、サービス利用者(ユーザJ)がコンテンツ(ネイルデザインA)を選択したことを記録する。
(2)ユーザJは、店舗PでネイルデザインAのネイルプリントを実行する。具体的には、店舗Pの係員が端末400を用いてサービス利用者(ユーザJ)に対しコンテンツ(ネイルデザインA)を実行する要求をサーバ100に送信する。サーバ100は、端末400からコンテンツを実行する要求を受け付け、ネイルデザインAを端末400に対してダウンロードし、コンテンツの利用が実行されたことを記録する。端末400は、ネイルデザインAのダウンロードを実行し、コンテンツ利用装置450(ネイルプリンタ)にネイルプリントの実行を指示する。ユーザJは、店舗Pにおいてコンテンツ利用装置450を介してネイルデザインAのネイルプリントのサービスを受ける。
なお、端末400にダウンロードしたコンテンツは、端末400において所定時間の経過に伴い消去することで、転売を防ぐことができる。また、サーバ100は、コンテンツのダウンロードを行わず、コンテンツをサーバ100に保持した状態で、コンテンツに対して端末400から所定時間アクセスする権限をサービス提供者に与えてもよいし、その他の方法でコンテンツの一時的な利用権限を付与してもよい。このように、サーバ100は、取引対象のコンテンツについて一時的な利用権限をサービス提供者に供与し、転売を防止する方法を講じることができる。以下の説明においても同様とする。
(3)サーバ100は、コンテンツ(ネイルデザインA)の利用が実行されたことに伴い、ネイルデザインAに対応する規約に基づき、通貨の移転を行う。通貨とは、ものやサービスの交換に用いられる価値交換媒体であり、たとえば、仮想通貨、電子マネー、現金等を含む。以下、通貨および通貨の単位として「コイン」と記載する。
ここで、ネイルデザインAと対応する規約は、サービス利用者から利用料を徴収し、コンテンツホルダーおよびサービス提供者に対し利益を配分する規約であるものとする。サーバ100は、規約に基づき、ユーザJのコインアドレスからデザイナーAのコインアドレスにコインを送信する。
(4)サーバ100は、規約に基づき、ユーザJのコインアドレスから店舗Pのコインアドレスにコインを送信する。
このように、情報処理システム500を用いたコンテンツ取引において、サービス利用者に対してコンテンツの利用を実行されたことに伴い、利用するコンテンツに対応した規約に基づきコインの移転を行うことが可能となる。
また、情報処理システム500において、コンテンツホルダーが端末200を用いて予め規約を参照してコンテンツの利用料の利益配分を確認し、コンテンツと規約とを対応づけてサーバ100にアップロードできるため、コンテンツ取引の透明性を高めることができる。
次に、第2の実施形態の情報処理システム500におけるコンテンツ取引イメージの一例について図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態のコンテンツ取引イメージの一例を示す図である(その2)。
コンテンツ取引イメージ620は、情報処理システム500におけるコンテンツ取引のイメージを示したものである。なお、図5の説明において、図4と同様の内容については適宜省略するものとする。
コンテンツ取引イメージ620において、端末200を用いるコンテンツホルダーはメーカーBである。メーカーBは、自社の商品拡販のため、商品のロゴマークや商品情報にアクセス可能な2次元バーコード等をネイルデザインBとしてサーバ100に登録する。また、メーカーBは、ネイルデザインBについて、サービス利用者およびサービス提供者に対してコインを提供する規約と対応づけてサーバ100に登録する。また、端末300を用いるサービス利用者は、ユーザKであるものとする。
また、端末400およびコンテンツ利用装置450を提供するサービス提供者は、移動店舗Q(移動型店舗のネイルサロン)であるものとする。移動店舗Qは、メーカーBが商品拡販活動を行う各種エリア(球場、スタジアム、ショッピングモール、公園、催事場、展覧会、商品見本市、テーマパーク等)に適宜設置されるものとする。コンテンツ利用装置450は、ネイルプリンタである。
(1)ユーザKは、端末300を用いてサーバ100にアクセスし、各種情報を確認し、ネイルデザインBを選択する。サーバ100は、端末300からのアクセス要求を受け付け、サービス利用者(ユーザK)がコンテンツ(ネイルデザインB)を選択したことを記録する。
(2)ユーザKは、移動店舗QでネイルデザインBのネイルプリントを実行する。具体的には、移動店舗Qの係員が端末400を用いてサービス利用者(ユーザK)に対しコンテンツ(ネイルデザインB)を実行する要求をサーバ100に送信する。サーバ100は、端末400からコンテンツを実行する要求を受け付け、ネイルデザインBを端末400に対してダウンロードし、コンテンツが実行されたことを記録する。端末400は、ネイルデザインBのダウンロードを実行し、コンテンツ利用装置450(ネイルプリンタ)にネイルプリントの実行を指示する。ユーザKは、移動店舗Qにおいてコンテンツ利用装置450を介してネイルデザインBのネイルプリントのサービスを受ける。
(3)サーバ100は、コンテンツ(ネイルデザインB)が実行されたことに伴い、ネイルデザインBに対応する規約に基づき、コインの移転を行う。
ここで、ネイルデザインBと対応する規約は、コンテンツホルダーから利用料を徴収し、サービス利用者およびサービス提供者に対し利益を配分する規約であるものとする。サーバ100は、規約に基づき、メーカーBのコインアドレスからユーザKのコインアドレスにコインを送信する。
(4)サーバ100は、規約に基づき、メーカーBのコインアドレスから移動店舗Qのコインアドレスにコインを送信する。
このように、情報処理システム500において、コンテンツホルダーは、拡散を希望するコンテンツについて、サービス利用者およびサービス提供者に利益配分を行う規約と対応づけて登録することで、サービス利用者に対しコンテンツの利用を促すことができる。
次に、第2の実施形態の情報処理システム500におけるコンテンツ取引イメージの一例について図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態のコンテンツ取引イメージの一例を示す図である(その3)。
コンテンツ取引イメージ630は、情報処理システム500におけるコンテンツ取引のイメージを示したものである。なお、図6の説明において、図4または図5と同様の内容については適宜省略するものとする。
コンテンツ取引イメージ630において、端末200aを用いるコンテンツホルダーはデザイナーCであり、端末200bを用いるコンテンツホルダーはデザイナーDである。なお、端末200a,200bは、端末200と同様の機能を備えたコンピュータである。
デザイナーDは、デザイナーCが作成したキャラクターデザインCを利用してキャラクターデザインDを作成したものとする。また、デザイナーDは、キャラクターデザインDについて、利用元コンテンツホルダー(デザイナーC)、コンテンツホルダー(デザイナーD)、サービス提供者に対してコインを提供する規約と対応づけてサーバ100に登録する。利用元コンテンツホルダーとは、デザインを作成するときに利用した利用元のコンテンツのコンテンツホルダーを意味する。また、端末300を用いるサービス利用者は、ユーザLであるものとする。
また、端末400およびコンテンツ利用装置450を提供するサービス提供者は、店舗Rであるものとする。店舗Rは、キャラクターデザインの造形が可能な3Dプリンタをコンテンツ利用装置450として備えるものとする。
(1)ユーザLは、端末300を用いてサーバ100にアクセスし、各種情報を確認し、キャラクターデザインDを選択する。サーバ100は、端末300からのアクセス要求を受け付け、サービス利用者(ユーザL)がコンテンツ(キャラクターデザインD)を選択したことを記録する。
(2)ユーザLは、店舗RでキャラクターデザインDの3Dプリントを実行する。具体的には、店舗Rの係員がサービス利用者(ユーザL)の要求に従い、端末400を用いてコンテンツ(キャラクターデザインD)を実行する要求をサーバ100に送信する。サーバ100は、端末400からコンテンツを実行する要求を受け付け、キャラクターデザインDを端末400に対してダウンロードし、コンテンツが実行されたことを記録する。端末400は、キャラクターデザインDのダウンロードを実行し、コンテンツ利用装置450(3Dプリンタ)にプリントの実行を指示する。ユーザLは、店舗Rにおいてコンテンツ利用装置450を介してキャラクターデザインDの3Dプリントのサービスを受ける。3Dプリントのサービスとは、たとえば、キャラクターデザインDに基づき、人形を3Dプリンタで形成することや、キーホルダー等を3Dプリンタで形成することを含む。
(3)サーバ100は、コンテンツ(キャラクターデザインD)が実行されたことに伴い、キャラクターデザインDに対応する規約に基づき、コインの移転を行う。
ここで、キャラクターデザインDに対応する規約は、サービス利用者から利用料を徴収し、利用元コンテンツホルダー、コンテンツホルダーおよびサービス提供者に対し利益を配分する規約であるものとする。サーバ100は、規約に基づき、ユーザLのコインアドレスからデザイナーC(利用元コンテンツホルダー)のコインアドレスにコインを送信する。
(4)サーバ100は、規約に基づき、ユーザLのコインアドレスからデザイナーDのコインアドレスにコインを送信する。
(5)サーバ100は、規約に基づき、ユーザLのコインアドレスから店舗Rのコインアドレスにコインを送信する。
このように、情報処理システム500において、コンテンツホルダーは、コンテンツの2次利用を行う際に、利用元コンテンツに対する利益配分を行う規約と対応づけて登録することで、利益の配分方法を明確にできる。また、利用元コンテンツのコンテンツホルダーは、規約に基づき、自作したコンテンツが他のコンテンツホルダーによって2次利用されることにより、利益配分を得ることができる。
次に、第2の実施形態のサーバ100が記憶するコンテンツ管理情報の一例について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態のコンテンツ管理情報の一例を示す図である。
コンテンツ管理情報710は、コンテンツホルダーがサーバ100にアップロードしたコンテンツを管理する情報である。コンテンツホルダーは、端末200を介してサーバ100に記録された規約を確認し、コンテンツと規約と他の情報とを関連づけて登録要求を送信する。サーバ100は、コンテンツホルダーが操作する端末200からコンテンツの登録要求を受け付け、コンテンツ管理情報710に記憶する。サーバ100は、HDD113やRAM112等の記憶部にコンテンツ管理情報710を記憶する。
コンテンツ管理情報710は、コンテンツID、コンテンツ名、利用元コンテンツID、コミュニティ、コンテンツホルダー、登録日時、基本コイン、規約IDの項目を含む。コンテンツIDの項目には、コンテンツの識別情報(コンテンツID)が登録される。コンテンツ名の項目には、コンテンツの名称が登録される。
利用元コンテンツIDの項目には、コンテンツが他のコンテンツを利用して作成された場合(いわゆる、二次的著作物である場合)、利用元のコンテンツ(いわゆる、二次的著作物に対する原著作物)の識別情報(利用元コンテンツのコンテンツID)が登録される。また、コンテンツが、他のコンテンツを利用しない場合(原著作物である場合)、利用元コンテンツIDには「-(無)」が登録される。
コミュニティの項目には、コンテンツが所属するコミュニティの名称が登録される。コミュニティは、コンテンツを種類に応じて区分するためのものであり、グループと言い換えてもよい。コミュニティごとに、コミュニティの趣旨、コミュニティに所属するコンテンツに対応づけられる規約等が規定される。なお、規約については、後で図8を用いて説明する。
コンテンツホルダーの項目には、コンテンツを登録したコンテンツの所有者の名称が登録される。ここで、コンテンツを登録した者と、コンテンツの所有者とは同一の者であるとするが、コンテンツを登録した者とコンテンツ所有者とが異なる場合は、それぞれを異なる項目で管理してもよい。また、コンテンツホルダーは、規約に同意の上でサーバ100にコンテンツを登録するものとする。登録日時の項目には、コンテンツがサーバ100に登録された日時が登録される。基本コインの項目には、コンテンツに対する利益配分の基本となるコインの値が登録される。規約IDの項目には、規約の識別情報(規約ID)が登録される。規約IDの項目には、条件に対応した規約を定義することができる。たとえば、コンテンツID「C02」のエントリを例に説明する。当該エントリは、「利用数≦10000」(利用数が10000回以下)の条件を満たす場合、規約IDが「AGN02」の規約が有効となることを示す。また、「利用数>10000,取引日時≦2018/12/31」(利用数が10000回を越え、かつ、取引日時が2018年12月31日まで)の条件を満たす場合、規約IDが「AGN99」の規約が有効となることを示す。利用数は、コンテンツがサービス利用者によって利用された数であり、取引の履歴によって算出できる。取引日時は、コンテンツが取引された日時である。このように、コンテンツの利用数や期日(取引日時)を条件として規約を定めることは、コンテンツホルダーがコンテンツを所定数のみ利益供与して拡散する場合や、キャンペーン期間のみ無料配布する場合に有効である。なお、以下のコンテンツID「C02」については、利用数が10000以下の条件を満たし、規約ID「AGN02」が適用される場合について説明するものとする。
ここで、コンテンツ管理情報710に含まれる項目に登録される内容について説明する。コンテンツ管理情報710には、コンテンツIDが「C01」、コンテンツ名が「ネイルデザインA」、利用元コンテンツIDが「-」、コミュニティが「ネイルコミュニティ」という情報が登録される。また、コンテンツホルダーが「デザイナーA」、登録日時が「2018/7/10 10:00」、基本コインが「1000」、規約IDが「AGN01」という情報が登録される。
これは、コンテンツID「C01」で識別されるコンテンツについて、コンテンツの名称が「ネイルデザインA」であり、利用元コンテンツIDが無く(コンテンツID「C01」が原著作物であり)、所属するコミュニティが「ネイルコミュニティ」であることを示す。また、「デザイナーA」がコンテンツホルダーであり、コンテンツの登録日時が「2018年7月10日10時」であり、コンテンツID「C01」の基本コインが「1000(コイン)」であり、コンテンツID「C01」と対応づけられた規約IDが「AGN01」であることを示す。
なお、コンテンツ管理情報710に含まれる項目は一例に過ぎず、項目の組み合わせは適宜決定できる。たとえば、上記項目のうち必要のないものを削除するとしてもよいし、他の項目を追加するとしてもよい。
次に、第2の実施形態のサーバ100が記憶する規約管理情報の一例について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態の規約管理情報の一例を示す図である。
規約管理情報720は、システム運営者がサーバ100にアップロードした規約を管理する情報である。システム運営者は、予めコンテンツの取引を定めた規約をサーバ100に記録する。サーバ100は、システム運営者が操作する端末から規約の登録要求を受け付け、規約管理情報720に記憶する。サーバ100は、HDD113やRAM112等の記憶部に規約管理情報720を記憶する。
規約管理情報720は、規約ID、コミュニティ、利益配分タイミング、利用元コンテンツ有無、利益配分、利用料支払者、利用料の項目を含む。
規約IDの項目には、規約の識別情報(規約ID)が登録される。コミュニティの項目には、規約が所属するコミュニティの名称が登録される。利益配分タイミングの項目には、コンテンツの取引において利益が配分されるタイミングが登録される。情報処理システム500を用いたコンテンツ取引においては、サーバ100が、取引を行った履歴を取引履歴管理情報として記録する。利益配分タイミングには、取引履歴管理情報に含まれる取引ステータスが登録され、取引ステータスに応じて利益配分が行われる。取引履歴管理情報については、後で図11を用いて説明する。
利用元コンテンツ有無の項目には、利用元のコンテンツについて「有」または「無」が登録される。利用元コンテンツ有無の項目が「無」の場合、当該規約と対応づけられるコンテンツについて利用元となるコンテンツが無い場合を示す。利用元コンテンツ有無の項目が「有」の場合、当該規約と対応づけられるコンテンツについて利用元となるコンテンツが有る場合を示す。
利益配分の項目には、コンテンツの取引における利益を配分する宛先(利益配分者とも記載する。)と利益を配分する比率が登録される。
利用料支払者の項目には、コンテンツの取引においてコンテンツを利用する利用料の支払者が登録される。なお、利用料支払者は、コンテンツ利用者に限らず、コンテンツホルダーやサービス提供者であってもよい。
利用料の項目には、コンテンツを利用する際の利用料(コイン)の算出方法が登録される。なお、利用料は、予め定められた値であってもよいし、コンテンツの利用数に応じて決定する値であってもよいし、オークション形式で決定する値であってもよい。
ここで、規約管理情報720に含まれる項目に登録される内容について説明する。たとえば、規約管理情報720には、規約IDが「AGN01」、コミュニティが「ネイルコミュニティ」、利益配分タイミングが「取引ステータス「実行」」、利用元コンテンツ有無が「無」という情報が登録される。また、利益配分が「コンテンツホルダー20%、サービス提供者80%」、利用料支払者が「サービス利用者」、利用料「基本コイン+サービス提供者決定コイン」という情報が登録される。
これは、規約ID「AGN01」で識別される規約について、所属するコミュニティが「ネイルコミュニティ」であり、「取引ステータス「実行」」となった場合に利益の配分を実行することを示す。また、規約ID「AGN01」で識別される規約は、利用元コンテンツが「無」のコンテンツに適用される規約であり、利益について「コンテンツホルダー」に「20%」配分され、「サービス提供者」に「80%」配分されることを示す。また、規約ID「AGN01」で識別される規約は、利用料支払者が「サービス利用者」であり、利用料は「基本コイン」に「サービス提供者が決定したコイン」を加算した値となることを示す。
なお、規約管理情報720に含まれる項目は一例に過ぎず、項目の組み合わせは適宜決定できる。たとえば、上記項目のうち必要のないものを削除するとしてもよいし、他の項目を追加するとしてもよい。たとえば、規約管理情報720において、コンテンツを利用するサービス提供者の参加条件や、2次著作物をさらに利用した場合の利益配分について定めることもできる。
このように、規約管理情報720において、コンテンツの利用料支払者、利益配分、利用料等を規約ごとに定める。サーバ100において、規約管理情報720を提示することにより、コンテンツの取引における利益配分を明確化できる。また、サーバ100は、コンテンツの取引を希望するコンテンツホルダーから規約の選択を受け付けることにより、コンテンツホルダーは合意可能な規約を選択してコンテンツを取引することが可能となる。また、サーバ100は、規約管理情報720に基づいて利用料を徴収し利益を配分する。このため、コンテンツホルダーは、コンテンツ利用者から利益を徴収するのみでなく、コンテンツの拡散を促進するためにコンテンツ利用者に利益を付与することも可能となる。
次に、第2の実施形態のサーバ100が記憶するサービス管理情報の一例について図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態のサービス管理情報の一例を示す図である。
サービス管理情報730は、コンテンツの取引においてサービス提供者を管理する情報である。サービス提供者は、端末400を介してサーバ100に記録されたコンテンツを確認し、サービス提供者側の情報と関連づけて登録要求を送信する。サーバ100は、サービス提供者が操作する端末400から登録要求を受け付け、サービス管理情報730に記憶する。サーバ100は、HDD113やRAM112等の記憶部にサービス管理情報730を記憶する。
サービス管理情報730は、サービス管理ID、サービス提供者、コミュニティ、サービス可能コンテンツID、サービス提供者決定コイン、コンテンツ利用装置の項目を含む。
サービス管理IDの項目には、サービス提供者の識別情報(サービス管理ID)が登録される。なお、サービス管理IDは、サービス提供者ごとに付与してもよい。また、サービス提供者が複数のコミュニティに所属する場合は、サービス提供者と所属コミュニティの組み合わせごとに付与してもよいし、その他の方法でサービス管理IDを付与してもよい。サービス提供者の項目には、サービス提供者の名称が登録される。コミュニティの項目には、サービス提供者が所属するコミュニティの名称が登録される。
サービス可能コンテンツIDの項目には、サービス提供者がサービスを実行することが可能なコンテンツのコンテンツIDが登録される。なお、サービス提供者は、所属するコミュニティの中で提供することが可能なコンテンツIDを選択する。サービス提供者は、所属するコミュニティに含まれる全てのコンテンツについてサービスを実行することが可能である場合、コミュニティに登録された全てのコンテンツをサービス可能コンテンツIDとして登録できる。
サービス提供者決定コインの項目には、サービス決定者が決定したコインの値が登録される。サービス提供者決定コインの値は、利用料を算出する際に用いられる。
コンテンツ利用装置の項目には、サービス提供者が提供するコンテンツ利用装置450の名称が登録される。コンテンツ利用装置450は、コンテンツに応じて異なる。たとえば、取引対象のコンテンツがネイルデザインである場合、コンテンツ利用装置450がネイルプリンタとなる。
ここで、サービス管理情報730に含まれる項目に登録される内容について説明する。たとえば、サービス管理情報730には、サービス管理IDが「SV01」、サービス提供者が「店舗P」、コミュニティが「ネイルコミュニティ」、サービス可能コンテンツIDが「ネイルコミュニティ登録コンテンツ全て」という情報が登録される。また、サービス提供者決定コインが「C01」および「9000」、コンテンツ利用装置が「最新型ネイルプリンタ」という情報が登録される。
これは、サービス管理ID「SV01」のエントリについて、サービス提供者が「店舗P」であり、店舗Pの所属コミュニティが「ネイルコミュニティ」であり、店舗Pでサービス可能なコンテンツが「ネイルコミュニティ登録コンテンツ全て」であることを示す。また、サービス管理ID「SV01」のエントリについて、店舗PにおいてコンテンツID「C01」のサービスを実行するために決定したコインの値が「9000」であり、店舗Pでコンテンツを利用するための装置が「最新型ネイルプリンタ」であることを示す。
なお、サービス管理情報730に含まれる項目は一例に過ぎず、項目の組み合わせは適宜決定できる。たとえば、上記項目のうち必要のないものを削除するとしてもよいし、他の項目を追加するとしてもよい。また、サービス管理情報730において、サービス提供者が複数のコミュニティに所属するよう情報を管理してもよい。また、サービス管理情報730において、コンテンツごとにコンテンツ利用装置を対応づけて管理してもよい。
また、上述の説明において、コミュニティとは、コンテンツの種類に応じて区分したものとしたが、これは一例に過ぎず、その他の区分をコミュニティとしてもよい。たとえば、コンテンツホルダーのコミュニティ(個人デザイナーコミュニティ、スポンサーコミュニティ、企業デザイナーコミュニティ等)を形成し、各管理情報でコミュニティとして扱い管理してもよい。
次に、第2の実施形態のサーバ100が記憶するコイン管理情報の一例について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態のコイン管理情報の一例を示す図である。
コイン管理情報740は、コンテンツの取引において取引を行う者のコインアドレスを管理する情報である。コンテンツの取引を行う者(コンテンツホルダー、サービス利用者、サービス提供者)は、端末200,300,400を介してサーバ100に予めコインアドレスとコインアドレスのオーナーの登録要求を送信する。サーバ100は、コンテンツの取引を行う者が操作する端末200,300,400から登録要求を受け付け、コイン管理情報740に記憶する。サーバ100は、HDD113やRAM112等の記憶部にコイン管理情報740を記憶する。
コイン管理情報740は、口座管理ID、オーナー、コインアドレスの項目を含む。口座管理IDの項目には、コインアドレスのオーナーの識別情報(口座管理ID)が登録される。オーナーの項目には、コインアドレスの所有者(オーナー)の名称が登録される。コインアドレスの項目には、コインを送受信するためのアドレスが登録される。
なお、上述のオーナーおよびコインアドレスの項目は一例であり、その他のものでもよい。たとえば、オーナーを口座所有者に置き換えて、コインアドレスを口座番号に置き換えてもよい。また、コインアドレスは、コンテンツの取引において利用料の徴収、利益配分の受入が可能な情報であればよく、仮想通貨を保管するウォレットや金融機関の口座番号に限らず他の情報でもよい。
ここで、コイン管理情報740に含まれる項目に登録される内容について説明する。たとえば、コイン管理情報740には、口座管理IDが「A01」、オーナーが「デザイナーA」、コインアドレスが「DA111」という情報が登録される。これは、口座管理ID「A01」のエントリについて、コインアドレスの所有者(オーナー)が「デザイナーA」であり、コインアドレスが「DA111」であることを示す。
なお、コイン管理情報740に含まれる項目は一例に過ぎず、項目の組み合わせは適宜決定できる。
次に、第2の実施形態のサーバ100が記憶する取引履歴管理情報の一例について図11を用いて説明する。図11は、第2の実施形態の取引履歴管理情報の一例を示す図である。
取引履歴管理情報750は、コンテンツの取引の履歴を管理する情報である。
コンテンツの取引を行う者は、端末200,300,400を介してサーバ100に取引の要求を送信する。サーバ100は、コンテンツの取引を行う者が操作する端末200,300,400から取引の要求を受け付け、取引履歴管理情報750に記憶する。サーバ100は、HDD113やRAM112等の記憶部に取引履歴管理情報750を記憶する。
取引履歴管理情報750は、取引ID、取引日時、コンテンツID、サービス利用者、サービス提供者、取引ステータス、支払コイン、送信元コインアドレス、送信先コインアドレス、送信コインの項目を含む。
取引IDの項目には、取引の履歴の識別情報(取引ID)が登録される。取引日時の項目には、取引を行った日時が登録される。コンテンツIDの項目には、取引対象であるコンテンツの識別情報(コンテンツID)が登録される。サービス利用者の項目には、コンテンツの取引を行ったサービス利用者の名称が登録される。サービス提供者の項目には、取引対象であるコンテンツのサービスを提供したサービス提供者の名称が登録される。なお、サービス提供者が存在しない場合、サービス提供者の項目に「-(無)」が登録される。
取引ステータスの項目には、取引の状態(ステータス)が登録される。取引ステータスの種別は、取引されるコンテンツに応じて異なる。図11においては、一例として「選択」、「実行」の2種類の種別があるが、これらは一例に過ぎない。たとえば、コンテンツがVR画像であり、サービス提供者がVRシアターである場合、コンテンツの実行にサービス提供者の設備について予約が必要である場合、取引ステータスに「設備予約」という種別を設けてもよいし、その他の種別であってもよい。
支払コインの項目には、コンテンツの取引において支払われるコインが登録される。支払コインが発生しない場合、支払コインの項目に「-(無)」が登録される。支払コインの値は、規約管理情報720の利用料の規定に従って決定される。
ここで、支払コインの算出について、取引ID「T01-02」のエントリを例に説明する。図11においては、理解を助けるため、支払コインの値の算出式を括弧書きで併記した。取引ID「T01-02」のエントリについて、支払コインが「10000」であり、算出式が「(1000+9000)」である。この算出式について説明する。まず、取引ID「T01-02」のエントリに含まれるコンテンツID「C01」の利用料は、コンテンツ管理情報710に基づき規約ID「AGN01」で定められている。次に、規約管理情報720に基づき、規約ID「AGN01」の利用料は「基本コイン+サービス提供者決定コイン」で定められている。コンテンツID「C01」の基本コインは、コンテンツ管理情報710に基づき「1000」である。また、サービス管理情報730に基づき、サービス提供者「店舗P」におけるコンテンツID「C01」に対するサービス提供者決定コインは「9000」である。よって、コンテンツID「C01」について、サービス提供者「店舗P」でサービスを受ける場合の支払コインは「1000」に「9000」を加算した結果「10000」コインとなる。
送信元コインアドレスの項目には、支払コインの送信元となるコインアドレスが登録される。支払コインの送信元となるコインアドレスは、規約管理情報720の利用料支払者で規定された者のコインアドレスである。
送信先コインアドレスの項目には、規約管理情報720の利益配分で規定された者のコインアドレスが登録される。送信コインの項目には、送信元コインアドレスから送信先コインアドレスに送信されるコインの値が登録される。送信コインの値は、規約管理情報720の利益配分に基づいて支払コインを分配した値となる。なお、各コインアドレスは、コイン管理情報740に登録されている。
ここで、コインの送受信(入出金)について、取引ID「T01-02」のエントリを例に説明する。サービス利用者である「ユーザJ」のコインアドレスは、コイン管理情報740に基づき「YJ321」である。ユーザJが支払うコインは「10000」コインである。このため、送信元コインアドレス「YJ321」から「10000」コインが出金される。また、コンテンツID「C01」に対応する規約ID「AGN01」に基づき、コンテンツホルダー(デザイナーA)20%、サービス提供者(店舗P)80%の配分となるようコインが送信される。つまり、送信先コインアドレス「DA111」に「2000」コイン、「SHP12」に「8000」コインが入金される。
次に、取引履歴管理情報750に含まれる項目に登録される内容について説明する。たとえば、取引履歴管理情報750には、取引IDが「T01-01」、取引日時が「2018/7/20 10:00」、コンテンツIDが「C01」、サービス利用者が「ユーザJ」、サービス提供者が「-」、取引ステータスが「選択」という情報が登録される。また、支払コインが「-」、送信元コインアドレスが「-」、送信先コインアドレスが「-」、送信コインが「-」という情報が登録される。
これは、取引ID「T01-01」のエントリについて、取引日時が「2018年7月20日10時」であり、取引対象のコンテンツのコンテンツIDが「C01」であることを示す。また、サービス利用者「ユーザJ」が、コンテンツID「C01」を「選択」した状態であり、サービス提供者が「-(無)」であることを示す。また、コンテンツID「C01」の取引ステータスが「選択」であるため、未だ利益配分が行われておらず、支払コイン、送信元コインアドレス、送信先コインアドレス、送信コインについて「-(無)」であることを示す。なお、コンテンツID「C01」は、規約ID「AGN01」に定められたとおり、取引ステータスが「実行」の場合に利益配分が実行される。このため、取引ステータスが「選択」である場合には利益配分が実行されない。
次に、第2の実施形態のサーバ100におけるコンテンツ登録処理について図12を用いて説明する。図12は、第2の実施形態のコンテンツ登録処理のフローチャートの一例を示す図である。
コンテンツ登録処理は、サーバ100がコンテンツホルダーから端末200を介して登録要求を受信し、受信した情報に基づきコンテンツ管理情報710を更新する処理である。サーバ100の制御部(プロセッサ111)は、端末200を介してコンテンツホルダーから登録要求を受信し、コンテンツ登録処理を実行する。なお、サーバ100は、HDD113等の記憶部に予め規約管理情報720を記憶しているものとする。
[ステップS11]制御部は、コンテンツホルダーから端末200を介して登録要求を受信する。
なお、コンテンツホルダーは、予め基本情報(名称、連絡先、システム利用IDおよびパスワード等)がサーバ100に登録されているものとする。コンテンツホルダーは、端末200を介してコンテンツホルダー自身のシステム利用IDおよびパスワードを入力して情報処理システム500にログインし、各種要求を送信するものとする。制御部は、ログイン時に入力されたシステム利用IDを用いて複数のコンテンツホルダーを識別する。また、以下の説明において、サービス利用者およびサービス提供者も、コンテンツホルダーと同様に予め基本情報がサーバ100に登録されており、システム利用IDおよびパスワードを用いて情報処理システム500にログインして利用するものとする。
[ステップS12]制御部は、登録要求がコンテンツの新規登録であるか否かを判定する。制御部は、コンテンツの新規登録である場合はステップS13にすすみ、コンテンツの更新登録である場合はステップS16にすすむ。
なお、制御部は、登録要求とともにコンテンツIDを受信した場合は更新登録と判定し、登録要求とともにコンテンツIDを受信しない場合は新規登録と判定できる。
[ステップS13]制御部は、記憶部から規約管理情報720を読み出し、規約の情報を提示する。具体的には、制御部は、規約管理情報720に登録された情報をコミュニティごとに分類して提示する。
なお、コンテンツホルダーは、端末200で実行するブラウザを介して制御部が提示する情報を閲覧できる。
[ステップS14]制御部は、コミュニティおよび規約の選択と、登録対象であるコンテンツのアップロードを受け付ける。制御部は、受け付けたコンテンツを記憶部に記憶する。なお、制御部は、規約を適用する条件を設ける場合(コンテンツの利用数や取引日時に応じて適用する規約を設定する場合)、規約の選択とともに規約を適用する条件を受け付ける。
[ステップS15]制御部は、コンテンツ管理情報710に新規エントリを追加する。具体的には、制御部は、新規のコンテンツIDを付与したエントリに、ステップS14で受け付けたコンテンツのコンテンツ名、コンテンツホルダーの名称、基本コイン、規約IDを対応づけてコンテンツ管理情報710に記憶する。なお、制御部は、基本コインの値の入力や利用元コンテンツIDの入力も受け付け、コンテンツ管理情報710の新規エントリに登録できる。制御部は、新規エントリを追加後、処理を終了する。
[ステップS16]制御部は、コンテンツ管理情報710からコンテンツホルダーが登録した情報を抽出し提示する。具体的には、制御部は、ステップS12において登録要求とともにコンテンツIDを受信した場合、コンテンツ管理情報710に基づきコンテンツIDおよび更新登録を送信したコンテンツホルダーが同一のエントリであるか否かを判定する。制御部は、コンテンツIDと更新登録を送信したコンテンツホルダーが同一のエントリである場合、コンテンツIDを含むエントリの情報を提示する。
なお、制御部は、コンテンツIDと更新登録を送信したコンテンツホルダーが同一のエントリでない場合(コンテンツIDの誤入力等の場合)、該当する情報が存在しない旨を提示し、処理を終了する。
[ステップS17]制御部は、コンテンツホルダーから端末200を介して更新情報を受け付ける。たとえば、制御部は、コンテンツホルダーの名称の変更や、基本コインの変更等を受け付ける。また、制御部は、変更された情報について、変更日時以降の新規の取引について適用する等の注意事項等を提示する。
[ステップS18]制御部は、ステップS17で受け付けた更新情報に基づきコンテンツ管理情報710を更新し、処理を終了する。
次に、第2の実施形態のサーバ100におけるサービス登録処理について図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態のサービス登録処理のフローチャートの一例を示す図である。
サービス登録処理は、サーバ100がサービス提供者から端末400を介してサービス登録要求を受信し、受信した情報に基づきサービス管理情報730を更新する処理である。サーバ100の制御部(プロセッサ111)は、端末400を介してサービス提供者からサービス登録要求を受信し、サービス登録処理を実行する。
[ステップS21]制御部は、サービス提供者から端末400を介してサービス登録要求を受信する。
[ステップS22]制御部は、サービス登録要求がサービスの新規登録であるか否かを判定する。制御部は、サービスの新規登録である場合はステップS23にすすみ、サービスの更新登録である場合はステップS26にすすむ。
なお、制御部は、登録要求とともにサービス管理IDを受信した場合は更新登録と判定し、登録要求とともにサービス管理IDを受信しない場合は新規登録と判定できる。
[ステップS23]制御部は、記憶部からコンテンツ管理情報710を読み出し、コンテンツの情報を提示する。具体的には、制御部は、コンテンツ管理情報710に登録された情報をコミュニティごとに分類して提示する。
なお、サービス提供者は、端末400で実行するブラウザを介して制御部が提示する情報を閲覧できる。
[ステップS24]制御部は、コミュニティおよびコンテンツの選択と、サービス提供者の管理情報を受け付ける。サービス提供者の情報とは、たとえば、選択されたコンテンツに対するサービス提供者決定コインの値や、コンテンツ利用装置の名称および機能等である。
[ステップS25]制御部は、サービス管理情報730に新規エントリを追加する。具体的には、制御部は、新規のサービス管理IDを付与したエントリに、ステップS24で選択されたコンテンツのコンテンツIDおよびコミュニティ、サービス提供者の名称、選択されたコンテンツに対するサービス提供者決定コインの値、コンテンツ利用装置の名称および機能等を対応づけてサービス管理情報730に記憶する。制御部は、新規エントリを追加後、処理を終了する。
[ステップS26]制御部は、サービス管理情報730からサービス提供者が登録した情報を抽出し提示する。具体的には、制御部は、ステップS22において登録要求とともにサービス管理IDを受信した場合、サービス管理情報730に基づきサービス管理IDおよび更新登録を送信したサービス提供者が同一のエントリであるか否かを判定する。制御部は、サービス管理IDと更新登録を送信したサービス提供者が同一のエントリである場合、サービス管理IDを含むエントリの情報を提示する。
なお、制御部は、サービス管理IDと更新登録を送信したサービス提供者が同一のエントリでない場合(サービス管理IDの誤入力等の場合)、該当する情報が存在しない旨を提示し、処理を終了する。
[ステップS27]制御部は、サービス提供者から端末400を介して更新情報を受け付ける。たとえば、制御部は、サービス提供者の名称の変更や、サービス提供者決定コインの変更、コンテンツ利用装置の変更等を受け付ける。また、制御部は、変更された情報について、変更日時以降の新規の取引について適用する等の注意事項等を提示する。
このように、制御部は、サービス提供者から、コンテンツごとの情報更新を受け付けることができる。これにより、サービス提供者は、サービス提供のための値上げや値下げをコンテンツごとに実行できる。
[ステップS28]制御部は、ステップS27で受け付けた更新情報に基づきサービス管理情報730を更新し、処理を終了する。
次に、第2の実施形態のサーバ100におけるコンテンツ選択処理について図14を用いて説明する。図14は、第2の実施形態のコンテンツ選択処理のフローチャートの一例を示す図である。
コンテンツ選択処理は、サーバ100がサービス利用者から端末300を介してサービスの利用要求を受信し、受信した情報に基づき取引履歴管理情報750を更新する処理である。サーバ100の制御部(プロセッサ111)は、端末300を介してサービス利用者からサービスの利用要求を受信し、コンテンツ選択処理を実行する。
[ステップS31]制御部は、サービス利用者から端末300を介してサービスの利用要求を受信する。
[ステップS32]制御部は、コミュニティの情報を提示する。具体的には、制御部は、記憶部からコンテンツ管理情報710を読み出し、コンテンツ管理情報710に登録された情報をコミュニティごとに分類して提示する。また、制御部は、コンテンツIDに対応してコンテンツの内容も提示する。
なお、サービス利用者は、端末300で実行するブラウザを介して制御部が提示する情報を閲覧できる。また、サービス利用者は、閲覧した情報に基づきコンテンツを選択する入力を行ったものとする。
[ステップS33]制御部は、サービス利用者から端末300を介してコンテンツの選択を受け付ける。
[ステップS34]制御部は、サービス利用者から端末300を介してサービス提供者の選択を受け付ける。なお、制御部は、ステップS33において、選択されたコンテンツを提供するサービス提供者が1名のみである場合、本ステップを省略する。
[ステップS35]制御部は、コンテンツの利用料を算出する。具体的には、制御部は、コンテンツ管理情報710から選択されたコンテンツのコンテンツIDに対応する基本コインと規約IDとを特定する。制御部は、規約管理情報720から規約IDに対応する利用料を取得する。制御部は、サービス管理情報730から選択されたコンテンツIDおよびサービス提供者に対応するサービス提供者決定コインを取得する。制御部は、基本コインおよびサービス提供者決定コインから利用料を算出する。
[ステップS36]制御部は、ステップS35で特定した規約IDに対応する利益配分にサービス利用者が含まれるか否かを判定する。具体的には、制御部は、コンテンツ管理情報710から選択されたコンテンツのコンテンツIDに対応する規約IDを取得する。制御部は、規約管理情報720から規約IDに対応する利益配分を取得し、利益配分の対象者にサービス利用者が含まれるか否かを判定する。
制御部は、利益配分にサービス利用者が含まれる場合はステップS37にすすみ、サービス利用者が含まれない場合はステップS38にすすむ。
[ステップS37]制御部は、サービス利用者が受取る利益を端末300に提示する。ここで、サービス利用者が、コンテンツID「C02」を選択した場合について具体的に説明する。コンテンツID「C02」の利用数が10000回以下であり、コンテンツID「C02」に適用する規約は、規約ID「AGN02」であるものとする。規約ID「AGN02」は、コンテンツホルダーが利用料支払者であり、サービス利用者が40%、サービス提供者が60%で利用料である基本コインを配分する規定である。また、コンテンツID「C02」の基本コインは、コンテンツ管理情報710に基づき「5000」コインである。制御部は、「5000」コインの40%である「2000」コインをサービス利用者が受取る利益とし、「5000」コインの60%である「3000」コインをサービス提供者が受取る利益として算出する。制御部は、コンテンツID「C02」を選択したサービス利用者に対して受取る利益が「2000」コインである旨を提示する。また、制御部は、規約を適用する条件と利益とを共に説明する内容(たとえば、「本コンテンツをご利用するお客様1万名様まで2000コインを受取れます」)を提示してもよい。
[ステップS38]制御部は、サービス利用者が支払う利用料を端末300に提示する。ここで、サービス利用者が、コンテンツID「C01」およびサービス提供者「店舗P」を選択した場合について具体的に説明する。コンテンツID「C01」と対応する規約は、規約ID「AGN01」である。規約ID「AGN01」は、サービス利用者が利用料支払者であり、基本コインとサービス提供者決定コインとを合算した値を利用料とする規定である。コンテンツID「C01」の基本コインは、コンテンツ管理情報710に基づき「1000」コインである。コンテンツID「C01」のサービス提供者「店舗P」におけるサービス提供者決定コインは、サービス管理情報730に基づき「9000」コインである。制御部は、「1000」と「9000」とを合算した「10000」コインを利用料として算出する。制御部は、コンテンツID「C01」およびサービス提供者「店舗P」を選択したサービス利用者が支払う利用料が「10000」コインである旨を提示する。
[ステップS39]制御部は、端末300からコンテンツの選択を確定する入力を受け付けたか否かを判定する。なお、サービス利用者は、端末300を介してステップS37またはS38で提示された情報を確認し、コンテンツの選択を確定するか否かを入力し、サーバ100に送信したものとする。
制御部は、コンテンツの選択の確定を受け付けた場合はステップS40にすすみ、そうでない場合はステップS41にすすむ。
[ステップS40]制御部は、取引履歴管理情報750に新規のエントリを追加し、取引ステータスに「選択」を登録する。具体的には、制御部は、選択されたコンテンツIDとサービス利用者名とを、ステップS39でコンテンツの選択の確定を受け付けた日時の情報とともに取引履歴管理情報750に新規のエントリとして記録し、取引ステータスに「選択」を登録する。
また、制御部は、取引履歴管理情報750の取引ステータスが「選択」に変更されたことを検知し、実行されたコンテンツに対応する規約において利益配分タイミングが「取引ステータス「選択」」であるか否かを判定する。ここで、制御部は、規約管理情報720に基づき、利益配分タイミングが「取引ステータス「選択」」である規約は無いものとして利益配分の指示を実行せず、処理を終了する。
なお、本ステップの処理は、取引ステータスが「選択」の場合に利益配分を行わない処理の一例であり、規約管理情報720で定めた内容に応じて他の処理に置き換えてもよい。
[ステップS41]制御部は、端末300から他のコンテンツまたは他のコミュニティを選択する入力を受け付けたか否かを判定する。なお、サービス利用者は、端末300を介して他のコンテンツまたは他のコミュニティを選択するか否かを入力し、サーバ100に送信したものとする。
制御部は、他のコンテンツまたは他のコミュニティを選択する入力を受け付けた場合はステップS32にすすみ、そうでない場合は処理を終了する。
次に、第2の実施形態のサーバ100におけるコンテンツ実行処理について図15を用いて説明する。図15は、第2の実施形態のコンテンツ実行処理のフローチャートの一例を示す図である。
コンテンツ実行処理は、サーバ100がサービス提供者から端末400を介してサービスの利用要求を受信し、受信した情報に基づきコンテンツをダウンロードさせ、取引履歴管理情報750を更新する処理である。サーバ100の制御部(プロセッサ111)は、端末400を介してサービス提供者からサービスの実行要求を受信し、コンテンツ実行処理を実行する。
[ステップS51]制御部は、サービス提供者から端末400を介してサービス利用者の名称とともにサービスの実行要求を受け付ける。
[ステップS52]制御部は、取引履歴管理情報750に基づきステップS51で受け付けたサービス利用者が選択したコンテンツ情報を提示する。本ステップにおけるコンテンツ情報の提示とは、コンテンツIDのみではなく、コンテンツ名やコンテンツの内容を画像等で提示することを含む。
[ステップS53]制御部は、選択されたコンテンツIDに対応する規約IDに基づき、規約管理情報720を読み出し利用料の支払者を判定する。また、制御部は、選択されたコンテンツIDに規約を適用する条件が設定されている場合、規約を適用する条件も合わせて判定する。制御部は、利用料支払者がサービス利用者以外の場合、ステップS54にすすむ。制御部は、利用料支払者がサービス利用者である場合、ステップS55にすすむ。
[ステップS54]制御部は、利用料支払者と利益配分を端末400に提示する。なお、制御部は、利用料の支払をサービス利用者以外の者が行う旨をあわせて提示することで、サービス利用者から利用料の徴収をしないようにサービス提供者に対して注意を促すことができる。また、制御部は、利益配分においてサービス利用者が利益を得られる場合、その旨と対象となるコンテンツとをサービス提供者の店舗で表示することでコンテンツに関する宣伝を行うことができる。
[ステップS55]制御部は、サービス利用者が支払う利用料と、利益配分を端末400に提示する。なお、制御部は、利用料の支払をサービス利用者が行う旨をあわせて提示することで、サービス利用者から利用料を徴収するようにサービス提供者に対して注意を促すことができる。
[ステップS56]制御部は、端末400からコンテンツの実行を確定する入力を受け付けたか否かを判定する。なお、サービス提供者は、端末400を介してステップS54またはS55で提示された情報に基づきサービス利用者に内容を確認し、コンテンツの実行を確定するか否かを入力し、サーバ100に送信したものとする。
制御部は、コンテンツの実行の確定を受け付けた場合はステップS57にすすみ、そうでない場合はステップS60にすすむ。
[ステップS57]制御部は、選択されたコンテンツのダウンロードを端末400に対して実行する。また、制御部は、コンテンツ利用装置450がネットワーク対応の装置である場合、コンテンツの実行の確定を受け付け、コンテンツ利用装置450に対してコンテンツのダウンロードを行ってもよい。
なお、サービス提供者は、端末400にコンテンツをダウンロードし、コンテンツ利用装置450に対してコンテンツの実行を指示する。たとえば、コンテンツがネイルデザインであり、コンテンツ利用装置450がネイルプリンタである場合、サービス提供者は、ネイルデザインのネイルプリントの実行をネイルプリンタに対して指示する。
[ステップS58]制御部は、取引履歴管理情報750に実行されたコンテンツに関する新規のエントリを追加し、新規のエントリの取引ステータスの項目に「実行」を登録する。また、制御部は、新規のエントリについて、取引IDを付与し、更新日時、実行されたコンテンツのコンテンツID、サービス利用者、サービス提供者を登録する。また、制御部は、算出した利用料を支払コインの項目に登録する。また、制御部は、コインの送信元コインアドレス、送信先コインアドレス、送信コインのそれぞれの値を、送信元コインアドレス、送信先コインアドレス、送信コインの各項目に登録する。
[ステップS59]制御部は、取引履歴管理情報750の取引ステータスが「実行」に変更されたことを検知し、実行されたコンテンツに対応する規約に基づきコイン送信を指示する。
具体的には、制御部は、規約管理情報720で定められた利用料支払者のコインアドレスから支払コインを出金する指示を金融機関のサーバに送信する。また、制御部は、規約管理情報720で定められた利益配分に従ってコインを送信する指示を金融機関のサーバに送信する。なお、制御部は、コイン管理情報740から、利用料支払者、利益配分者それぞれのコインアドレス(口座番号等)を取得し、コインの入出金の指示ができるものとする。
なお、本ステップの処理は、取引ステータスが「実行」の場合に利益配分を行う処理の一例であり、規約管理情報720で定めた内容に応じて他の処理に置き換えてもよい。また、制御部は、取引履歴管理情報750を更新する処理と、取引履歴管理情報750の更新状態を検知して金融機関のサーバへの送金指示を行う処理とを別のプログラムで実行してもよい。
[ステップS60]制御部は、端末400から他のコンテンツを選択する入力を受け付けたか否かを判定する。なお、サービス提供者は、端末400を介して他のコンテンツを選択するか否かを入力し、サーバ100に送信したものとする。制御部は、他のコンテンツを選択する入力を受け付けた場合はステップS52にすすみ、そうでない場合は処理を終了する。
このように、情報処理システム500において、コンテンツと対応づけた規約に基づいてコンテンツを取引することで、コンテンツの利用料の徴収や利益配分方法の多様化に対応できる。また、情報処理システム500において、コンテンツ取引において得られる利益の配分率をコンテンツホルダーやサービス提供者に開示することにより、利益配分の透明性を高めることができる。情報処理システム500において、コンテンツホルダーは、コンテンツを提供するにあたり、サービス利用者からコンテンツの利用料を徴収する規約をコンテンツと対応づけることで、コンテンツの取引で利益を得ることができる。また、情報処理システム500において、コンテンツホルダーは、コンテンツを提供するにあたり、サービス利用者に利益供与する規約をコンテンツと対応づけることにより、コンテンツを拡散して製品の拡販や宣伝広告を図ることができる。
こうして、情報処理システム500により、コンテンツの取引において利得の配分の多様化に対応できる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、情報処理装置10およびサーバ100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD、DVD-RAM、CD-ROM(Read Only Memory)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。