以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の電子チケット管理システム10およびその周辺システムを含む全体構成が示されている。図2には、分散型台帳記憶手段60の構成が示され、図3は、非代替トークン型の電子チケットの2種類の発行タイミングの比較図である。また、図4には、パラメータ素材登録画面200の一例が、図5には、パラメータ付与画面300の一例が、図6には、会員希望受付画面410,420の一例がそれぞれ示されている。さらに、図7には、会員希望受付手段23による担当者の自動決定処理の説明が、図8には、パラメータ素材登録手段22による報酬適正度のチェック処理の説明がそれぞれ示されている。図9〜図12には、電子チケット管理システム10による各種処理の流れがフローチャートで示されている。
<電子チケット管理システム10およびその周辺システムを含む全体構成>
図1において、ネットワーク1には、電子チケット管理システム10を構成する電子チケット管理サーバ20と、チケット販売システム70と、興行システム80と、パラメータ使用対象システム90と、複数の管理者端末100と、複数(通常は多数)の会員端末110と、複数のパラメータ素材提供者端末120とが接続されている。
また、チケット発行ノード50と、その他の複数のノード130とが、分散型台帳形成用のピア・ツー・ピア・ネットワーク2(以下、P2Pネットワーク2という。)で接続されている。本実施形態の電子チケット管理システム10は、図1中の1点鎖線で示すように、電子チケット管理サーバ20と、チケット発行ノード50とにより構成され、これらは通信回線3で接続されている。この通信回線3は、ネットワーク1でもよく、専用線でもよい。
ここで、ネットワーク1は、P2Pネットワークではなく、主としてインターネットにより構成された外部ネットワークであり、インターネットと、LANやイントラネット等の内部ネットワーク(例えば、社内、グループ企業内等で構築された限定的なネットワーク)との組合せでもよく、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
また、P2Pネットワーク2は、分散型台帳形成用のネットワークであり、チケット発行ノード50も、その他の複数のノード130も、分散型台帳の構成ノードである。具体的には、本実施形態の分散型台帳として、例えば、イーサリアム等のブロックチェーンを採用することができる。この際、各ノードは、ブロックの共有記憶に参加するノードであればよく、全てのノードがブロック承認(マイニング作業)を行うノードである必要はない。従って、チケット発行ノード50が、ブロック承認を行うノードであるか否かは問わない。なお、P2Pネットワーク2は、例えばインターネットや通信事業者が提供する各種のサービス網等の公衆ネットワークを使って形成された仮想的なネットワーク(インターネット上にVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を用いて構築されたイントラネットを含む。)などである。従って、P2Pネットワーク2は、物理的には、ネットワーク1(P2P以外)と同じ通信回線を使用していてよい。
電子チケット管理サーバ20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、チケット発行事業者による各種の処理を実行する処理手段20Aと、この処理手段20Aで実行される各種の処理で使用される各種のデータを記憶する興行データ記憶手段40、パラメータ素材記憶手段41、識別モデル記憶手段42、取得販売データ記憶手段43、会員情報記憶手段44、担当者情報記憶手段45、電子チケット記憶手段46、および売買情報記憶手段47とを含んで構成されている。なお、チケット発行事業者(ticket agency)は、いわゆるプレイガイドであり、例えば、コンサート、演劇、映画、スポーツイベント等の各種興行のチケット(入場券)の購入予約受付や発券業務を代行する事業者である。
処理手段20Aは、販売データ取得手段21と、パラメータ素材登録手段22と、会員希望受付手段23と、電子チケット発行手段24と、電子チケット移転手段25と、電子チケット参照手段26と、売買支援手段27と、仮想通貨取引支援手段28と、入場時提示情報作成手段29と、入場管理情報送信手段30とを含んで構成されている。
この処理手段20Aに含まれる各手段21〜30は、電子チケット管理サーバ20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。なお、これらの各手段21〜30の詳細は、後述する。
また、各記憶手段40〜47は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、USBメモリ、DVD、CD、MO、磁気テープ等の他の記録媒体を採用してもよい。なお、これらの各記憶手段40〜47の詳細は、後述する。
チケット発行ノード50は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、チケット発行事業者による各種の処理のうち、主として分散型台帳へのデータ登録および分散型台帳からのデータ取得の処理を実行する処理手段50Aと、分散型台帳への記帳データを記憶する分散型台帳記憶手段60(図2参照)とを含んで構成されている。
処理手段50Aは、発行情報登録手段51と、移転情報登録手段52と、参照情報取得手段53と、出品情報登録手段54とを含んで構成されている。なお、図1中の2点鎖線で示すように、トークンIDの付与処理を、電子チケット管理サーバ20側ではなく、チケット発行ノード50側で実行する場合は、処理手段50Aに、電子チケット発行手段(の一部)が含まれることになる。
この処理手段50Aに含まれる各手段51〜54は、チケット発行ノード50を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。また、各手段51〜54を実現するプログラムは、本実施形態では、分散型台帳記憶手段60から取得し、チケット発行ノード50を構成するコンピュータにデプロイしたスマートコントラクト用のプログラムである。但し、必ずしもスマートコントラクト用のプログラムにより実現する必要はなく、要するに、各手段51〜54による処理を実行する際に、チケット発行ノード50を構成するコンピュータに搭載されたプログラムが主メモリ上に展開されていればよく、取得源は問わない。なお、これらの各手段51〜54の詳細は、後述する。
また、分散型台帳記憶手段60は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により実現される。
チケット販売システム70は、チケット発行事業者が運営・管理する既存のシステムであり、1台または複数台のコンピュータにより構成され、チケット販売手段71と、販売データ記憶手段72とを含んで構成されている。このうち、チケット販売手段71は、チケット販売システム70を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。また、販売データ記憶手段72は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により実現される。
チケット販売手段71は、チケット発行事業者の会員による会員端末110からのネットワーク1を介したチケットの購入予約を受け付け、受け付けた未確定の購入予約情報(申込日、申込枚数、席種、チケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額を含む)、未確定を示すステータス等)、およびその後のチケット代金の入金確認処理で確定した購入予約情報(申込日、申込枚数、席種、チケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額を含む)、入金日、確定を示すステータス等)を、会員IDおよびチケットID、並びに興行IDと関連付けて販売データ記憶手段72に記憶させる処理を実行するものである。
ここで、会員IDは、チケット発行事業者が自己の会員に付与した会員識別情報である。また、チケットIDは、興行、開催日、会場、席種(S席、A席等の別)、座席番号等の識別情報であり、1枚のチケット(興行に参加する権利を有することを示す紙片または電子データ)に対し、1つのチケットIDが付与される。なお、チケットIDは、興行や席種の識別情報にもなるが、興行ID、席種を、別途に独立した識別情報として用意してもよい。
販売データ記憶手段72は、会員によるチケットの購入予約情報(未確定および確定を示す各ステータスにおける申込日、申込枚数、席種、チケット価格等のデータ)を、会員IDおよびチケットID、並びに興行IDと関連付けて記憶するものである(図3のA1参照)。また、販売データ記憶手段72は、購入申込受付前の段階(販売開始前または販売中を示す各ステータス)におけるチケット、すなわち会員からの申込がない段階(会員IDが紐付いていない段階)におけるチケットに関するデータ(席種、チケット価格等のデータ)も、チケットIDおよび興行IDと関連付けて記憶する(図3のB1参照)。
さらに、販売データ記憶手段72は、購入予約を受け付けただけで入金確認をしていない未確定の購入予約情報(申込日、申込枚数、席種、チケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額を含む)、未確定を示すステータス等)およびその後のチケット代金の入金確認処理で確定した購入予約情報(申込日、申込枚数、席種、チケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額を含む)、入金日、確定を示すステータス等)を、チケットIDと関連付けることなく、会員IDおよび興行IDと関連付けて記憶することもできる(図3のB4参照)。このように購入予約情報を、チケットIDと関連付けることなく、会員IDおよび興行IDと関連付けて記憶するのは、次のような場合である。
すなわち、購入申込受付前(販売開始前または販売中)における販売見込数量分に対して非代替トークン型の電子チケットを事前に発行して用意しておく場合(図3の(B)参照)には、先ず、非代替トークン型の電子チケットを発行する際に、チケットIDが必要となるため、チケットIDをチケット販売システム70から電子チケット管理サーバ20に送信するが(図3のB2参照)、本実施形態では、非代替トークン型の電子チケットの最初の所有者は、会員ではなく、チケット発行事業者の担当者とするので、発行の際には会員IDは必要ない(図3のB3参照)。つまり、発行の際には、チケットIDと会員IDとが紐付けられるのではなく、チケットIDと担当者IDとが紐付けられることになる。次に、チケット販売システム70において、会員によるチケット代金の入金が確認されて購入予約が確定すると、その確定された会員の購入予約情報は、会員IDと関連付けられて販売データ記憶手段72に記憶される状態となるが、このとき、チケットIDは、発行作業を行った担当者についての担当者IDと紐付けられているので、販売データ記憶手段72に記憶されることはない(図3のB4参照)。その後、会員が、発行済の非代替トークン型の電子チケットのいずれかを受け取ることを選択すると、そこで初めて、選択された発行済の非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDと、選択を行った会員についての会員IDとが、紐付けられることになる(図3のB5参照)。
興行システム80は、興行を開催する会場等に設けられたシステムであり、1台または複数台のコンピュータにより構成され、入場管理手段81と、入場管理情報記憶手段82とを含んで構成されている。このうち、入場管理手段81は、興行システム80を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。また、入場管理情報記憶手段82は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により実現される。
入場管理手段81は、興行の開催日当日に来場者から提示された電子チケットのデータを用いて、来場者が、正当に入場することができる会員であるか否かを判断する処理を実行するものである。具体的には、入場管理手段81は、モバイル端末である会員端末110に画面表示された電子チケットのデータ(例えば、2次元バーコード)、あるいは非接触ICの通信モジュールを備えたモバイル端末である会員端末110に格納された電子チケットのデータを読取装置で読み取り、得られた電子チケットのデータ(会員IDおよびチケットIDを含む)と、入場管理情報記憶手段82に記憶された入場管理情報との比較により、来場者の入場の可否を判断する。
入場管理情報記憶手段82は、来場者の入場の可否を判断するための入場管理情報(会員IDおよびチケットIDを含む)を記憶するものである。この入場管理情報は、興行の開始前に、入場管理手段81により、チケット販売システム70または電子チケット管理サーバ20からネットワーク1を介して取得した情報であり、チケット販売システム70の販売データ記憶手段72または電子チケット管理サーバ20の取得販売データ記憶手段43に記憶された会員の確定した購入予約情報と同じ内容である。
パラメータ使用対象システム90は、パラメータを使用する対象となるシステムの総称であり、1台または複数台のコンピュータにより構成されている。具体的には、例えば、動画視聴サイト、オンラインサロン、ゲームシステム等のような遊興システム、画像や動画等の各種のコンテンツをダウンロードすることができるサイト、興行に関連する知識を得るための知識データベースを備えたシステム等である。
このパラメータ使用対象システム90を利用するにあたっては、例えば、動画視聴サイトの場合であれば、会員は、会員端末110を操作し、権限のパラメータとして付与された動画の視聴キーを用いて、動画視聴サイトにアクセスすることで動画を視聴することができ、オンラインサロンの場合であれば、会員は、会員端末110を操作し、権限のパラメータとして付与された入場キーを用いて、オンラインサロンに参加することができる。また、ゲームシステムの場合であれば、会員は、会員端末110を操作し、コンテンツの一種である仮想空間のデジタルアセットのパラメータとして付与された交換用のキーやコイン等を用いて、ゲームで使用する各種のアイテム(例えば、キャラクタアイテム、武器アイテム等)を獲得し、ゲームを楽しむことができる。さらに、画像や動画のコンテンツのパラメータの場合は、データ容量が比較的小さいコンテンツであれば、コンテンツ自体をパラメータとして付与してもよいが(すなわち、非代替トークン型の電子チケットの中にコンテンツ自体を含ませてもよいが)、データ容量が比較的大きいコンテンツであれば、コンテンツをサイト(パラメータ使用対象システム90)から取得するためのコンテンツIDやダウンロード用キーをパラメータとして付与し、会員が会員端末110を操作し、ネットワーク1を介してコンテンツを取得できるようにしてもよい。
また、パラメータ使用対象システム90は、売買等による非代替トークン型の電子チケットの所有権の移転に伴ってパラメータ(例えば、動画の視聴キー等)の更新を行う場合に、電子チケット管理サーバ20の電子チケット移転手段25からの取得要求を受けて、更新後の新たなパラメータ(新しい所有者の使用を許可するためのパラメータ)を発行し、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信するとともに、更新前の古いパラメータ(前の所有者の使用を許可するために発行したパラメータ)を使用できないようにする処理を実行する。
管理者端末100は、電子チケット管理システム10の管理者であるチケット発行事業者の各担当者が操作する端末であり、コンピュータにより構成され、液晶ディスプレイ等の表示手段と、キーボードやマウスやタッチパネル等の入力手段とを備えている。この管理者端末100は、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル機器であってもよい。
会員端末110は、チケット発行事業者の会員または会員候補者が操作する端末であり、コンピュータにより構成され、液晶ディスプレイ等の表示手段と、キーボードやマウスやタッチパネル等の入力手段とを備えている。会員候補者とは、特定の手続を行う段階では、会員登録を要するが、それ以前の段階では、会員登録は必ずしも必要でない場合において、後者の段階で電子チケット管理サーバ20やチケット販売システム70にアクセスする者である。この会員端末110は、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル機器であってもよい。また、同一人が、複数の端末を使用する場合もあるので、その場合には、会員端末110は、同一人の操作する全ての端末の総称であり、例えば、チケット購入予約の際には、デスクトップやラップトップのコンピュータで購入手続を行い、興行参加のために興行の会場ゲートを通過する際には、モバイル機器を用いるとすれば、それらのデスクトップやラップトップのコンピュータおよびモバイル機器は、いずれも会員端末110である。
会員端末110は、入場時提示情報作成補助手段111を備えている。この入場時提示情報作成補助手段111は、会員端末110の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定するプログラム(チケット専用アプリ)、並びに、主メモリ等の作業用メモリ等により実現される。この入場時提示情報作成補助手段111は、電子チケット管理サーバ20またはチケット販売システム70からネットワーク1を介して送信されてくる入場時提示情報の作成用データ(会員の確定した購入予約情報)を受信し、入場時提示情報(例えば、会員端末110で画面表示する2次元バーコード等)を作成する処理を実行するものである。なお、電子チケット管理サーバ20またはチケット販売システム70で作成された入場時提示情報がネットワーク1を介して会員端末110へ送信されてくる場合には、会員端末110に搭載されたチケット専用アプリで入場時提示情報を作成する必要はないので、入場時提示情報作成補助手段111の設置は、省略してよく、その場合には、会員端末110に搭載された汎用のメールアプリ等により、受信した入場時提示情報(例えば、2次元バーコード等)を画面表示すればよい。
パラメータ素材提供者端末120は、興行への出演者(アーティスト、アスリート、著名人等)やその関係者、興行主やその関係者等のパラメータ素材提供者、またはその入力代行者が操作する端末であり、コンピュータにより構成され、液晶ディスプレイ等の表示手段と、キーボードやマウスやタッチパネル等の入力手段とを備えている。このパラメータ素材提供者端末120は、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル機器であってもよい。なお、チケット発行事業者の担当者が、パラメータ素材提供者と直接にコンタクトをとり、入力代行者となってパラメータ素材の登録作業を行ってもよく(チケット発行事業者の担当者が、自社の仕事として、アーティスト等に対し、積極的にパラメータ素材の提供をするように促す場合を含む。)、その場合には、登録作業を行う端末は、物理的には管理者端末110と同じであるが、パラメータ素材提供者の入力代行者としての登録作業であるため、パラメータ素材提供者端末120であると捉える。
<電子チケット管理サーバ20/販売データ取得手段21の詳細構成:図3>
販売データ取得手段21は、チケット販売システム70から、ネットワーク1を介して販売データ記憶手段72に記憶されている会員の確定した購入予約情報、すなわちチケット代金の入金確認済の購入予約情報(申込日、申込枚数、チケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額を含む)、入金日等)を取得し、会員IDおよびチケットID、並びに興行IDと関連付けて取得販売データ記憶手段43に記憶させる処理を実行するものである。
また、販売データ取得手段21は、購入申込受付前(販売開始前または販売中)における販売見込数量分に対して非代替トークン型の電子チケットを事前に発行して用意しておく場合(図3の(B)参照)には、チケット販売システム70から、ネットワーク1を介して購入申込受付前(販売開始前または販売中)のチケットに関するデータ(席種、チケット価格等のデータ)を取得し、チケットIDおよび興行IDと関連付けて取得販売データ記憶手段43に記憶させる処理を実行する(図3のB2参照)。本実施形態では、非代替トークン型の電子チケットを発行する際には、チケットを購入した会員ではなく、非代替トークン型の電子チケットの発行作業を行った担当者を所有者として分散型台帳に登録するので、購入予約の確定した会員についての会員IDは必要ないが、購入申込受付前(販売開始前または販売中)の状態のチケットについてのチケットIDが必要となるからである。
<電子チケット管理サーバ20/パラメータ素材登録手段22の詳細構成:図4、図8>
パラメータ素材登録手段22は、パラメータ素材提供者(アーティストや興行主等)やその入力代行者によるパラメータ素材提供者端末120からのパラメータ素材の登録のための入力を受け付け、受け付けた入力データを、素材IDと関連付けてパラメータ素材記憶手段41に記憶させる処理を実行するものである。この際、パラメータ素材登録手段22は、パラメータ素材提供者端末120からの要求に応じ、図4に示すようなパラメータ素材登録画面200の表示用データ(例えばWeb画面のデータ)を、ネットワーク1を介してパラメータ素材提供者端末120へ送信するとともに、パラメータ素材登録画面200で入力されたデータを、パラメータ素材提供者端末120からネットワーク1を介して受信する。素材IDは、自動付与される。
図4において、パラメータ素材登録画面200には、パラメータ素材を登録する対象となる興行を指定する興行指定部201と、パラメータ素材提供者の種別(パラメータ素材提供者と興行との関係)を選択するパラメータ素材提供者種別選択部202と、パラメータの種別(提供するパラメータ素材が、どのような権限なのか、どのようなコンテンツなのかを示す情報)を選択するパラメータ種別選択部203と、提供するパラメータ素材についての説明文をテキスト入力する説明文入力部204とが設けられている。
また、パラメータ素材登録画面200には、発行枚数上限(すなわち、提供するパラメータ素材を使用することができる会員数)を入力する発行枚数上限入力部210が設けられている。発行枚数上限を入力しない場合は、無制限となる。
さらに、パラメータ素材登録画面200には、パラメータ使用時のアクセス先URL、すなわちパラメータ使用対象システム90(例えば、動画視聴サイト、オンラインサロン等)にアクセスする際のURLを入力するアクセス先URL入力部220が設けられている。
また、パラメータ素材登録画面200には、提供するパラメータ素材がパラメータとして付与された非代替トークン型の電子チケットの売買取引が成立した場合にパラメータ素材提供者が得られる対価(売買取引に係るチケット価格に対する報酬の割合)を入力する報酬入力部230と、報酬の振込先の金融機関を指定する振込先指定部231と、パラメータ素材提供者が仮想通貨で報酬を受け取る場合のパラメータ素材提供者についての所有者IDを入力する所有者ID入力部232と、報酬入力部230で入力した報酬の適正度のチェック処理を実行するための「入力した報酬の適正度チェック実行」ボタン233とが設けられている。
「入力した報酬の適正度チェック実行」ボタン233をクリックすると、パラメータ素材登録手段22による報酬適正度のチェック処理が実行される(図8参照)。図4での図示は省略されているが、報酬適正度のチェック処理の実行後には、登録対象のパラメータ素材がチケット発行事業者の担当者にパラメータとして選ばれることの確からしさを示す尤度(確率)、または尤度に基づく判定結果(選択されるか否かや、その程度)が表示される。図8に示すように、パラメータ素材登録手段22は、識別アルゴリズムによるパターン認識処理を実行する機能も備え、パラメータ素材登録手段22と、識別モデル(パターン認識処理で用いるパラメータ(重み等)であり、このパラメータは電子チケットに付与するパラメータのことではない。)を記憶する識別モデル記憶手段42とにより、報酬入力部230に入力した報酬の適正度判定用の識別器が構成されている。この識別器は、例えば、ニューラルネットワーク等により構築することができる。
図8において、識別モデル記憶手段42に記憶されている識別モデルは、パラメータ素材提供者の種別(興行との関係)、パラメータの種別、および報酬の割合を説明変数とし、パラメータ素材がチケット発行事業者の担当者によりパラメータとして選ばれたか否かを目的変数として学習された識別モデルである。なお、運用の初期の段階では、説明変数についての実データがない場合があるので、その場合には、仮想の興行を設定し、説明変数となる仮想のデータを人為的に作成し、チケット発行事業者の各担当者に各パラメータ素材を選択するか否かを判断させる実験を行い、学習用データを用意してもよい。
この報酬適正度判定用の識別器は、運用段階では(すなわち「入力した報酬の適正度チェック実行」ボタン233をクリックしたときには)、パラメータ素材提供者種別選択部202で選択したパラメータ素材提供者の種別と、パラメータ種別選択部203で選択したパラメータの種別と、報酬入力部230に入力した報酬の割合とを入力データとし、登録対象のパラメータ素材がチケット発行事業者の担当者によりパラメータとして選ばれる尤度または尤度に基づく判定結果を出力する。この際、パラメータ素材提供者の種別や、パラメータの種別は、例えば、ワンホット(One-hot)ベクトル等として入力することができる。また、報酬の割合は、数値であるため、そのまま入力してもよいが、数値の大きさを複数のレベルに分け、ワンホットベクトル等として入力してもよい。そして、パラメータ素材提供者は、出力された尤度(確率)の値が小さいか、選ばれる可能性が低い旨の判定結果が出力された場合には、報酬入力部230に入力した報酬の割合を小さい値に変更し、再度、報酬適正度のチェック処理を実行することができる。一方、出力された尤度(確率)の値が大きいか、選ばれる可能性が高い旨の判定結果が出力された場合には、報酬の割合をもっと大きくしても、良い判定結果が得られるか否かを確認することもできる。
なお、報酬入力部230への報酬の割合の入力は必須ではない。例えば、提供するパラメータ素材が、パラメータ素材提供者である興行主による宣伝広告を兼ねた価値物である場合には、必ずしも報酬の割合は入力しなくてもよい。また、パラメータ素材提供者がアーティスト等であっても、自分の創作物を無償で提供するような場合は、報酬の割合は入力しなくてもよい。
さらに、図4において、パラメータ素材登録画面200には、パラメータとして権限を付与する場合の権限行使時のキーの受渡方法の設定部240が設けられている。チケット発行事業者の担当者がパラメータを付与する作業(図5参照)で権限のパラメータを付与することを選択した場合は、例えば動画の視聴キー等のような権限行使時に用いるキーをパラメータとして付与することになる。この権限行使時に用いるキーとしては、非代替トークン型の電子チケットの発行の際のパラメータ付与で必要になるキーと、売買取引等により非代替トークン型の電子チケットの所有権の移転が行われた際の所有者の変更に伴うパラメータ更新で必要になるキーとがある。これらのキーは、パラメータ素材提供者または対象サイト(パラメータ使用対象システム90)から、電子チケット管理サーバ20(電子チケット管理システム10)に提供される必要があるので、そのためのキーの受渡方法が、この設定部240で設定される。
この設定部240には、パラメータ付与時および売買等の移転時においてその都度に対象サイト(パラメータ使用対象システム90)からキーをオンラインで取得する場合の設定を行うための「取得先・取得方法の設定」ボタン241と、電子チケット管理サーバ20にキーを予め登録しておく場合に複数のキーをまとめて入力する(ここでは、一例としてカンマ区切りでの入力とする。)利用者用キー入力部242と、チケット発行事業者の担当者がパラメータ素材の内容を確認する際に用いるキーを入力する管理者用キー入力部243とが設けられている。
「取得先・取得方法の設定」ボタン241は、対象サイト(パラメータ使用対象システム90)からキーをオンラインで取得する際のアクセス先や、その際に送信する要求信号の形式等を設定する画面に遷移するためのボタンである。前述したアクセス先URL入力部220には、サイトの利用者である会員がパラメータ使用対象システム90にアクセスする際のURLを入力するのに対し、この「取得先・取得方法の設定」では、電子チケット管理サーバ20がパラメータ使用対象システム90からキーをオンラインで取得するための要求信号の送信先を設定する。
利用者用キー入力部242には、サイトの利用者である会員がパラメータ使用対象システム90にアクセスする際に用いるキーを入力するのに対し、管理者用キー入力部243には、チケット発行事業者の担当者がパラメータを付与する作業(図5参照)で用いるキーを入力する。なお、パラメータ使用対象システム90からキーをオンラインで取得する場合は、利用者用キー入力部242へのキーの入力は行わなくてもよい。
サイトの利用者である会員は、複数(通常は多数)いるので、利用者用キー入力部242には、複数のキーを入力する。また、所有者の変更に伴うパラメータ更新で、新たなキーが必要となるので、利用者用キー入力部242には、前述した発行枚数上限入力部210に入力した発行枚数上限(すなわち、提供するパラメータ素材を使用することができる会員数)を超える数のキーを入力する必要がある。また、パラメータ付与やパラメータ更新で使用したキーと、未使用のキーとを区別するため、図4の例では、利用者用キー入力部242に「K000001,未使用,K000002,未使用,K000003,未使用,…」のような入力を行っているが、「未使用」は自動挿入されるようにしてもよい。この例の場合、パラメータ付与やパラメータ更新でキーが使用されると、そのキーに対応する「未使用」は「使用済」に変わることになる。なお、非代替トークン型の電子チケットの発行の際のパラメータ付与で必要になるキーと、売買取引等により非代替トークン型の電子チケットの所有権の移転が行われた際の所有者の変更に伴うパラメータ更新で必要になるキーとを、別々に入力するようにしてもよい。また、1つのパラメータとして、複数のキー(例えば、複数の動画の各々の視聴キー)を付与することもでき、その場合には、例えば「K000011,K000012,…,未使用,K000021,K000022,…,未使用,K000031,K000032,…,未使用,…」のような入力を行ってもよい。
チケット発行事業者の担当者は、図5に示すように、複数のパラメータ素材の中から、パラメータとして採用するパラメータ素材を選択する作業を行うが、この際、登録されたパラメータ素材の内容を説明文(テキストによる情報)で確認するだけではなく、実際に動画を視聴したり、ゲームのアイテムを使用してみること等により、選択するパラメータ素材を決定してもよく、その際に担当者が用いるキーを、管理者用キー入力部243に入力する。
また、図4のパラメータ素材登録画面200には、パラメータとしてコンテンツを付与する場合の設定部250が設けられている。コンテンツのパラメータを付与する場合は、データ容量が比較的小さい場合には、コンテンツ自体をパラメータとしてもよいが、ここでは、コンテンツIDやダウンロード用キー、あるいはアイテムとの交換用のキーやコイン等をパラメータとして付与する例が示されている。
この設定部250には、コンテンツを獲得する会員用のコンテンツIDやダウンロード用キー、あるいはアイテムとの交換用のキーやコイン等を入力する利用者用キー入力部251と、チケット発行事業者の担当者がパラメータ素材の内容を確認する際に用いるコンテンツIDやダウンロード用キー、あるいはアイテムとの交換用のキーやコイン等を入力する管理者用キー入力部252とが設けられている。複数の会員の各々に異なるコンテンツIDやダウンロード用キー、あるいはアイテムとの交換用のキーやコイン等を付与してもよく、複数の会員に共通のコンテンツIDやダウンロード用キー、あるいはアイテムとの交換用のキーやコイン等を付与してもよい。複数の会員の各々に異なるコンテンツID等を付与する場合には、前述した利用者用キー入力部242の入力例ように、例えばカンマ区切りでの入力とすることができる。また、1つのパラメータとして、複数のコンテンツID等を付与してもよく、その場合も、前述した利用者用キー入力部242と同様な入力とすることができる。
そして、図4のパラメータ素材登録画面200の最下部には、「登録」ボタン260が設けられている。この「登録」ボタン260を押下操作すると、素材IDが自動付与され、パラメータ素材登録画面200で入力した各データが、素材IDおよび興行IDと関連付けられてパラメータ素材記憶手段41に記憶される。
<電子チケット管理サーバ20/会員希望受付手段23の詳細構成:図6>
会員希望受付手段23は、チケット発行事業者の会員により会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる会員希望情報(会員が、チケット発行事業者に所属する複数の担当者の中から、自分が入手する非代替トークン型の電子チケットを発行する担当者または発行した担当者を選択するための情報)を受信し、受信した会員希望情報を、会員IDおよびチケットIDと関連付けて取得販売データ記憶手段43に記憶させる処理を実行するものである。
ここで、会員が、チケット発行事業者に所属する複数の担当者の中から、自分が入手する非代替トークン型の電子チケットを「発行する担当者」を選択する場合というのは、その担当者の選択の段階で、未だその担当者による非代替トークン型の電子チケットの発行作業が行われておらず、これからその担当者に発行してもらう場合(図3の(A)参照)である。この場合に、会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる会員希望情報は、会員により選択された担当者についての担当者IDである。また、会員希望情報の受信時には、取得販売データ記憶手段43に、チケットIDとそのチケットを購入した会員についての会員IDとが既に関連付けられているので、この状態で、会員希望情報として、会員により選択された担当者についての担当者IDが、会員IDおよびチケットIDと関連付けられて記憶されることになる(図3のA3参照)。
一方、「発行した担当者」を選択する場合というのは、既に非代替トークン型の電子チケットの発行作業が行われ、会員が、パラメータの内容の異なる複数種類の発行済の非代替トークン型の電子チケットの中から、自分の好みのものを選択する場合(図3の(B)参照)であるが、この場合は、会員は、付与されているパラメータの内容で、入手する非代替トークン型の電子チケットを選択することになるので、結局、それぞれの電子チケット作成ポリシーに従ってパラメータの付与を行った担当者を選択していることにもなる。この場合に、会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる会員希望情報は、会員により選択された非代替トークン型の電子チケットの発行作業を行った担当者についての担当者ID若しくはそれに代わるハンドルネーム、またはパラメータイメージ名(個々のパラメータではなく、パラメータ全体の識別情報)である。1人の担当者が、パラメータ内容の異なる複数種類の非代替トークン型の電子チケットを発行し、複数のパラメータイメージ名を付する場合もあり、その場合には、担当者IDだけでは、会員が選択した非代替トークン型の電子チケットのパラメータ内容を特定することができないので、パラメータイメージ名を、会員希望情報として受信する。また、会員希望情報の受信時には、取得販売データ記憶手段43に、チケットIDとその電子チケットの発行作業を行った担当者についての担当者ID(または担当者IDに加えてパラメータイメージ名)とが既に関連付けられているので、この状態で、会員により選択された担当者についての担当者IDやパラメータイメージ名(パラメータ全体の識別情報)を含むレコードに、その会員についての会員IDが追加されることにより、会員希望情報が、取得販売データ記憶手段43に反映されて記憶されることになる(図3のB5参照)。
また、会員希望受付手段23は、会員希望情報の入力を受け付ける際に、会員が選択入力した会員の趣味嗜好から得られた会員の趣味嗜好ベクトルと、担当者情報記憶手段45に記憶された担当者の趣味嗜好から得られた担当者の趣味嗜好ベクトルとの類似度を算出し、趣味嗜好ベクトルが会員と最も類似する担当者を自動決定する処理を実行する。
具体的には、会員希望受付手段23は、次のような処理を実行する。先ず、チケット販売システム70において、チケット代金の入金確認処理が行われ、チケットの購入予約が確定すると、チケット販売システム70からの電子メールにより、会員端末110には、図6の入金確認通知画面400に示すように、その旨を通知する表示が行われる。この入金確認通知画面400には「電子チケットの発行をご希望の場合は、こちらをクリック」選択部401が設けられている。なお、この例では、電子チケットを発行するか否かは、チケットの購入予約が確定した会員の選択行為となっているが、全ての会員に対して電子チケットを発行するようにしてもよい。
図6の入金確認通知画面400の「電子チケットの発行をご希望の場合は、こちらをクリック」選択部401をクリックすると、電子チケット発行希望の信号が、会員IDとともにネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信される。電子チケット管理サーバ20では、電子チケット発行希望の信号を会員IDとともに受信すると、会員希望受付手段23は、会員希望受付画面410,420(例えば、Web画面)のいずれかの表示用データを、ネットワーク1を介して会員端末11に送信する。
会員希望受付画面410は、非代替トークン型の電子チケットの発行が未だ行われていない場合の画面であり(図3のA3参照)、会員希望受付画面420は、非代替トークン型の電子チケットの発行が既に行われている場合の画面である(図3のB5参照)。興行によって、これらの画面410,420を使い分けてもよく、一方の画面しか使わない構成としてもよい。また、同じ興行について、時期によって使い分けてもよく、例えば、チケットの販売開始前の時期に、ある程度の枚数の非代替トークン型の電子チケットを予め発行しておき、最初は、会員希望受付画面420を送信し、その後、確定する購入予約が増えて非代替トークン型の電子チケットの追加発行が必要になった段階で、会員希望受付画面410を送信すること等ができる。
図6の会員希望受付画面410には、選択することを決めた担当者についての番号(担当者ID)を入力する担当者入力部411と、選択対象の担当者についての属性等の情報(担当者ID、ハンドルネーム、年齢、性別、趣味、電子チケット作成ポリシー、指名数ランキング、満足度ランキング)を表示する選択対象担当者情報表示部412と、この選択対象担当者情報表示部412における担当者情報の表示順を変えるための「指名数ランキングでソート」選択部413および「満足度ランキングでソート」選択部414と、アクセス中の会員が過去に指名した担当者についての属性等の情報(担当者ID、ハンドルネーム、年齢、性別、趣味、電子チケット作成ポリシー、アクセス中の会員による過去の評価)を表示する過去選択担当者情報表示部415とが設けられている。
選択対象担当者情報表示部412に表示される担当者情報(ハンドルネーム、趣味等)は、担当者IDと関連付けられて担当者情報記憶手段45に記憶されている。また、過去選択担当者情報表示部415に表示される担当者情報のうち、アクセス中の会員による過去の評価については、会員IDと関連付けられて会員情報記憶手段44に記憶され、その他の情報については、担当者IDと関連付けられて担当者情報記憶手段45に記憶されている。なお、指名数ランキングは、過去に開催された興行を含めて他の興行について取得販売データ記憶手段43に記憶された会員希望情報を集計して得られ、満足度ランキングは、電子メール等による会員へのアンケート結果を集計して得られる。
本実施形態では、複数枚のチケットを同時に購入予約した場合には、図6に示すように、チケット毎に担当者入力部411が設けられ、チケット毎に担当者を選択できるようになっている。この際、アクセス中の会員が購入した複数枚のチケットについての各チケットIDは、会員IDを用いて取得販売データ記憶手段43から取得することができる。なお、複数枚のチケットについて、同一の担当者しか選択できないようにしてもよい。
また、図6の会員希望受付画面410の最下部には、入力したデータを電子チケット管理サーバ20へ送信するための「決定」ボタン416と、入力したデータを取り消すための「取消」ボタン417と、担当者の自動決定を行う場合の「自動決定へ進む」ボタン418とが設けられている。「決定」ボタン416をクリックすると、入力したデータ(会員希望情報としての担当者ID)は、会員IDおよびチケットID、並びに興行IDとともに電子チケット管理サーバ20へ送信され、会員希望受付手段23により、会員IDおよびチケットID、並びに興行IDと関連付けて取得販売データ記憶手段43に保存される。
一方、図6の会員希望受付画面420には、各担当者が作成した複数種類の発行済の非代替トークン型の電子チケットに付与されているパラメータの内容を表示して発行済のいずれかの電子チケットを受け取ることを選択するための発行済電子チケット選択部421が設けられている。この発行済電子チケット選択部421には、非代替トークン型の電子チケットを作成した担当者のハンドルネームと、担当者が命名したパラメータイメージ名と、付与された各パラメータについての素材ID、パラメータ素材提供者の種別(興行との関係)、パラメータの種別、パラメータ素材の説明文、および売買取引が成立した場合の報酬の割合とが表示されている。
発行済電子チケット選択部421に表示されるのは、発行済の非代替トークン型の電子チケットについてのパラメータの内容およびその発行作業を行った担当者の情報であるから、電子チケット記憶手段46または分散型台帳に発行情報(パラメータとして選択されたパラメータ素材についての各素材IDと、発行作業を行った担当者についての所有者IDとの関係)として記憶されるか、または、取得販売データ記憶手段43に作業情報(各素材IDと、発行作業を行った担当者についての担当者IDとの関係)として記憶されている。担当者のハンドルネームは、担当者IDや担当者についての所有者IDと関連付けられて担当者情報記憶手段45に記憶され、パラメータイメージ名は、取得販売データ記憶手段43に作業情報として記憶されるか、または図示されない作業情報記憶手段に記憶されている。素材ID、パラメータ素材提供者の種別(興行との関係)、パラメータの種別、パラメータ素材の説明文、および報酬の割合は、パラメータ素材記憶手段41に記憶されている。この場合、非代替トークン型の電子チケットは、既に発行され、発行作業を行ったチケット発行事業者の担当者が所有している状態であるから、チケットIDと、発行作業を行った担当者(担当者IDや、担当者についての所有者ID)とは紐付けられた状態であるが、発行済電子チケット選択部421で会員選択を受け付ける前は、会員の関与はないので、チケットIDと、会員(会員IDや、会員についての所有者ID)とは、未だ紐付けられていない状態である。そして、会員が、発行済電子チケット選択部421で、発行済の非代替トークン型の電子チケットのいずれかを選択した段階で初めて、選択された非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDと、選択を行った会員についての会員IDとが紐付けられ、取得販売データ記憶手段43に記憶される(図3のB5参照)。
また、複数枚のチケットを同時に購入予約した場合には、チケット毎に発行済電子チケット選択部421が設けられる。なお、図示は省略されているが、会員希望受付画面410の場合と同様に、会員希望受付画面420にも、「決定」ボタンおよび「取消」ボタンが設けられている。
さらに、図6の会員希望受付画面410の最下部に設けられた「自動決定へ進む」ボタン418をクリックすると、会員端末110には、図7に示すように、会員希望受付手段23による担当者の自動決定処理のための自動決定画面500が表示される。この自動決定画面500には、アクセス中の会員が自分の趣味嗜好を選択して回答するための会員趣味嗜好選択部501と、担当者の自動決定処理を実行するための「実行」ボタン502とが設けられている。会員趣味嗜好選択部501への選択入力は、会員のアクセスの都度に行うようにしてもよく、あるいは、この選択入力を1度行うと、選択入力情報から得られた会員の趣味嗜好ベクトルが、会員IDと関連付けて会員情報記憶手段44に記憶されるようにしてもよい。
会員が会員趣味嗜好選択部501への選択入力を行った後、「実行」ボタン502をクリックすると、選択入力情報が、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信される。電子チケット管理サーバ20では、選択入力情報を受信すると、会員希望受付手段23により、選択入力情報を用いて会員の趣味嗜好ベクトルが作成される。趣味嗜好ベクトルは、各選択入力結果を示す数値をそのままベクトルの各構成要素の値として用いて作成してもよく、ワンホットベクトルとしてから連結して作成してもよい。
続いて、会員希望受付手段23は、担当者情報記憶手段45から各担当者の趣味嗜好ベクトルを取得する。各担当者の趣味嗜好ベクトルは、各担当者に対し、図7に示すような会員への質問と同じ質問をすることにより、事前に作成されて担当者IDと関連付けて担当者情報記憶手段45に記憶されている。
それから、会員希望受付手段23は、会員の趣味嗜好ベクトルと、各担当者の趣味嗜好ベクトルとの間の類似度を算出する。この際、類似度としては、例えばコサイン類似度等を採用することができる。そして、会員の趣味嗜好ベクトルとの類似度が最も大きい趣味嗜好ベクトルの担当者を選択する自動決定を行う。コサイン類似度の場合は、1に近い程、類似度が大きいので、最も1に近い値の担当者を選択する自動決定を行う。その後、会員希望受付手段23は、自動決定された担当者についての担当者IDを、会員希望情報として、会員IDおよびチケットID、並びに興行IDと関連付けて取得販売データ記憶手段43に記憶させる(図3のA3参照)。
なお、会員希望受付手段23は、担当者の直接の選択指定も、趣味嗜好ベクトルを用いた担当者の自動決定も行わない会員(無指名者)について、担当者を自動的に割り当てる処理を実行するようにしてもよい。
<電子チケット管理サーバ20/電子チケット発行手段24の詳細構成:図3、図5>
電子チケット発行手段24は、チケット発行事業者による処理として、興行に参加する権利を有することを示すチケットに対し、興行参加以外の目的での利用価値を付加するためのパラメータを付与することにより非代替トークン型の電子チケットを発行し、この非代替トークン型の電子チケットに対し、処理対象のチケットについてのチケットID(チケットの識別情報)に1対1で対応するトークンID(トークンの識別情報)を付与し、トークンID、チケットID、発行作業を行ったチケット発行事業者の担当者についての所有者ID、およびパラメータを組み合わせた情報を、非代替トークン型の電子チケットの発行情報として、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行するものである。
ここで、チケット発行事業者に所属する複数の担当者の各々についての所有者IDは、担当者IDと関連付けて担当者情報記憶手段45に記憶されている。所有者IDは、分散型台帳におけるアカウント情報であり、例えば、分散型台帳が、イーサリアムによるブロックチェーンである場合には、イーサリアムのアドレスに相当するものである。
なお、トークンIDの付与は、図1中の2点鎖線の如く、電子チケット管理サーバ20側ではなく、チケット発行ノード50側で行ってもよく、その場合には、本発明における電子チケット発行手段は、電子チケット管理サーバ20およびチケット発行ノード50に跨って設けられていることになる。
また、電子チケット発行手段24は、チケット発行ノード50から通信回線3を介して送信されてくる発行情報を受信し、受信した発行情報(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合は、チケット発行ノード50で生成されたブロック)を、分散型台帳と同期または略同期させる状態で、電子チケット記憶手段46に記憶させる処理を実行する。
図3に示すように、電子チケット発行手段24による非代替トークン型の電子チケットの発行タイミングは、2種類あり、(A)確定した購入予約に対して非代替トークン型の電子チケットを発行する場合と、(B)購入申込受付前(販売開始前または販売中)に事前に非代替トークン型の電子チケットを発行して用意する場合とがある。
図3の(A)の確定購入予約に対する発行の場合は、先ず、チケット販売システム70において、会員がチケットの購入申込を行い、入金が確認され、購入予約が確定すると、販売データ記憶手段72には、興行IDと、チケットIDと、購入した会員についての会員IDとが関連付けられて記憶された状態となる(図3のA1参照)。その後、チケット販売システム70から電子チケット管理サーバ20への確定した販売データの送信が行われると、取得販売データ記憶手段43には、興行IDと、チケットIDと、チケットを購入した会員についての会員IDとが関連付けられて記憶された状態となる(図3のA2参照)。
それから、会員希望受付手段23による会員希望情報の受付が行われると(図6の会員希望受付画面410参照)、取得販売データ記憶手段43には、興行IDと、チケットIDと、購入した会員についての会員IDと、会員希望情報(発行作業を行う担当者についての担当者ID)とが関連付けられて記憶された状態となる(図3のA3参照)。つまり、会員希望情報が追加される。
そして、この段階で、電子チケット発行手段24は、取得販売データ記憶手段43に記憶された会員希望情報を用いて、担当者毎のアクセス時に、それぞれの担当者の作業担当分についての集計およびその集計結果の表示を行う(図5の確定購入予約用の作業情報表示部310参照)。例えば、図5に示すように、担当者名=チケット太郎のアクセスに対し、その担当者の作業担当分を集計する。続いて、電子チケット発行手段24は、会員希望情報に従って非代替トークン型の電子チケットの発行を行った後、作成した発行情報を、チケット発行ノード50へ送信する。すると、発行情報登録手段51により、分散型台帳への発行情報の登録が行われるので、電子チケット発行手段24は、この分散型台帳への登録と同期または略同期させる状態で、発行情報を電子チケット記憶手段46に保存する。この際の発行情報は、トークンIDと、チケットIDと、発行作業を行った担当者についての所有者IDと、パラメータとを組み合わせた情報である(図3のA4参照)。また、この発行作業で、電子チケット発行手段24は、取得販売データ記憶手段43に、作業情報として、発行作業を実際に行った担当者についての担当者ID、パラメータイメージ名、選択されたパラメータ素材についての各素材ID、自動付与したトークンIDを、チケットIDと関連付けて記憶させる。
その後、電子チケット移転手段25による配布処理が行われると、非代替トークン型の電子チケットの移転情報の一種である配布情報が作成され、移転情報登録手段52により、分散型台帳への配布情報の登録が行われる。この際の配布情報は、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者(発行作業を行った担当者)についての所有者IDと、新しい所有者(チケットを購入した会員)についての所有者IDとを組み合わせた情報である(図3のA5参照)。
一方、図3の(B)の事前発行の場合は、先ず、チケット販売システム70においては、購入申込受付前であるため、会員IDの紐付けはない状態である。従って、販売データ記憶手段72には、興行IDと、チケットIDとが関連付けられて記憶されているだけである(図3のB1参照)。その後、チケット販売システム70から電子チケット管理サーバ20への販売予定データ(販売開始前のデータ、または販売中の時期であるが購入申込を受け付けていないデータ)の送信が行われると、取得販売データ記憶手段43には、興行IDと、チケットIDと、作業情報(発行作業を割り当てられた担当者についての担当者ID)とが関連付けられて記憶された状態となる。この段階でも、購入申込受付前であるため、会員IDの紐付けはないが、作業情報が追加されている(図3のB2参照)。この作業情報は、システムにより自動的に各担当者に割り当てられた作業分担分であるか、または複数の担当者の監督者により各担当者に割り当てられた作業分担分である。
そして、この段階で、電子チケット発行手段24は、取得販売データ記憶手段43に記憶された作業情報を用いて、担当者毎のアクセス時に、それぞれの担当者の作業担当分についての集計およびその集計結果の表示を行う(図5の事前発行用の作業情報表示部311参照)。例えば、図5に示すように、担当者名=チケット太郎のアクセスに対し、その担当者の作業担当分を集計する。続いて、電子チケット発行手段24は、作業情報に従って非代替トークン型の電子チケットの発行を行った後、作成した発行情報を、チケット発行ノード50へ送信する。すると、発行情報登録手段51により、分散型台帳への発行情報の登録が行われるので、電子チケット発行手段24は、この分散型台帳への登録と同期または略同期させる状態で、発行情報を電子チケット記憶手段46に保存する。この際の発行情報は、トークンIDと、チケットIDと、発行作業を行った担当者についての所有者IDと、パラメータとを組み合わせた情報である(図3のB3参照)。この段階でも、未だ会員の関与はないので、チケットIDと、会員IDとは紐付けられていない。非代替トークン型の電子チケットの発行作業を行うには、チケットIDは必要であるが、最初の所有者を担当者とするので、会員の関与(会員IDや、その会員についての所有者ID)は必要ないからである。また、この発行作業で、電子チケット発行手段24は、取得販売データ記憶手段43に、作業情報として、発行作業を実際に行った担当者についての担当者ID、パラメータイメージ名、選択されたパラメータ素材についての各素材ID、自動付与したトークンIDを、チケットIDと関連付けて記憶させる。
その後、チケット販売システム70において、会員によるチケットの購入予約が確定すると、販売データ記憶手段72には、興行IDと、会員IDと、会員が申し込んだ申込枚数や席種やチケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額)等とが関連付けられて記憶された状態となる(図3のB4参照)。なお、このときの販売データ記憶手段72のテーブルは、前述したB1のときのテーブルとは、別のテーブルである。従って、このB4のときのテーブルでは、チケットIDとの紐付けを行うことなく、会員による購入申込の受付、入金確認を行い、購入予約情報を管理している。例えば、大和太郎が、「ABC公演2021」のS席のチケット、3枚、合計3万円の購入申込を行ったという情報およびそのステータス、その後に入金確認が行われて購入予約が確定したというステータスを、大和太郎の会員IDと関連付けて記憶しているが、チケットID(座席番号を含む)は紐付いていない状態での購入予約情報の管理である。
それから、会員希望受付手段23による会員希望情報の受付が行われるが、この際には、図6の会員希望受付画面420に示すように、チケットを購入した会員に対し、各担当者により作成された複数種類の発行済の非代替トークン型の電子チケットの各々について、付与されたパラメータの内容、発行作業を行った担当者の情報(ハンドルネーム)、およびパラメータイメージ名(個々のパラメータではなく、パラメータ全体の識別情報)が示され、会員は、その中から好みのものを選択する。この会員選択の受付が行われると、取得販売データ記憶手段43には、興行IDと、選択された電子チケット(選択された担当者が作成した電子チケット)についてのチケットIDと、作業情報(発行作業を実際に行った担当者についての担当者ID、パラメータイメージ名)と、電子チケット(担当者)を選択した会員についての会員IDとが関連付けられて記憶された状態となる(図3のB5参照)。なお、1人の担当者が作成した同じ種類の非代替トークン型の電子チケットは複数枚あるので、選択された電子チケット(選択された担当者が作成した電子チケット)に対応するチケットIDは、複数存在するため、対応する複数のチケットIDのうちのいずれかが自動的に選択される。
その後、電子チケット移転手段25による配布処理が行われると、非代替トークン型の電子チケットの移転情報の一種である配布情報が作成され、移転情報登録手段52により、分散型台帳への配布情報の登録が行われる。この際の配布情報は、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者(発行作業を行った担当者)についての所有者IDと、新しい所有者(チケットを購入した会員)についての所有者IDとを組み合わせた情報である(図3のB6参照)。
具体的には、電子チケット発行手段24は、先ず、チケット発行事業者の担当者による管理者端末100からの要求に応じ、図5に示すようなパラメータ付与画面300(例えば、Web画面)の表示用データを、ネットワーク1を介して管理者端末100へ送信するとともに、パラメータ付与画面300で入力されて管理者端末100からネットワーク1を介して送信されてくるパラメータ付与情報(素材ID等)を受信する処理を実行する。
図5のパラメータ付与画面300には、担当者名の表示部301と、担当者のハンドルネームの表示部302と、興行の指定部303と、席種(S席、A席等の別)の指定部304とが設けられている。表示部301,302には、ログイン時にパスワードとともに入力した担当者IDを用いて担当者情報記憶手段45から取得した情報が表示される。席種の指定部304は、席種によって付与するパラメータの内容や数を変える場合があるので、今からパラメータの付与作業を行う席種を指定するために設けられている。例えば、S席は、10個のパラメータを付与し、A席は、5個のパラメータを付与する等である。
また、図5のパラメータ付与画面300には、確定した購入予約の数量分に対して非代替トークン型の電子チケットを発行する場合の作業情報を表示する確定購入予約用の作業情報表示部310と、購入申込受付前(販売開始前または販売中)における販売見込数量分に対して非代替トークン型の電子チケットを事前に発行して用意しておく場合の作業情報を表示する事前発行用の作業情報表示部311と、今回のアクセスで発行する非代替トークン型の電子チケットの枚数を入力する発行枚数入力部312とが設けられている。
確定購入予約用の作業情報表示部310には、会員が直接に当該担当者(パラメータの付与作業を行おうとしているアクセス中の担当者)を選択指定した場合の指名数と、会員希望受付手段23により当該担当者が自動決定された場合の自動決定数と、無指名者(担当者の直接の選択指定、担当者の自動決定のいずれも行わなかった会員)に対してシステムが当該担当者を自動的に割り当てた場合の自動割当数と、これらの合計枚数(当該担当者が発行作業を行うべき合計枚数)と、前回作業時までの当該担当者の発行枚数と、今回以降の作業で当該担当者が発行すべき残り枚数とが表示されている。これらの枚数のうち、指名数、自動決定数、無指名者の自動割当数、および合計枚数は、電子チケット発行手段24が、取得販売データ記憶手段43に記憶された各会員の会員希望情報(会員希望情報には、会員が直接に選択指定した担当者についての担当者IDのみならず、自動決定された担当者についての担当者IDや、無指名者に対して自動割当した担当者についての担当者IDも含まれる。)を集計した情報である。また、前回作業時までの発行枚数、および今回以降の作業で発行すべき残り枚数は、取得販売データ記憶手段43に記憶された各担当者の作業情報を集計した情報である。なお、これらの枚数は、席種毎のパラメータ付与を行う場合には、席種の指定部304で指定した席種の電子チケットについての発行枚数である。
事前発行用の作業情報表示部311には、当該担当者(パラメータの付与作業を行おうとしているアクセス中の担当者)への発行の割当数と、前回作業時までの当該担当者の発行枚数と、今回以降の作業で当該担当者が発行すべき残り枚数とが表示されている。割当数は、システムによる自動割当としてもよく、複数の担当者の監督者による割当としてもよい。これらの枚数は、取得販売データ記憶手段43に記憶された各担当者の作業情報を集計した情報である。なお、これらの枚数は、席種毎のパラメータ付与を行う場合には、席種の指定部304で指定した席種の電子チケットについての発行枚数である。
さらに、図5のパラメータ付与画面300には、担当者が今回の作業での発行枚数を入力する入力部312が設けられている。この入力部312には、前述した確定購入予約用の作業情報表示部310または事前発行用の作業情報表示部311に表示された「今回以降の作業で発行すべき残り枚数」以下の枚数を入力する。
また、図5のパラメータ付与画面300には、パラメータ全体の特徴を示すパラメータイメージ名の入力部320が設けられている。この入力部320で入力されたパラメータイメージ名は、取得販売データ記憶手段43に記憶され、図6の会員希望受付画面420内の発行済電子チケット選択部421に表示される。
さらに、図5のパラメータ付与画面300には、パラメータ素材一覧の表示部330が設けられている。この表示部330には、各パラメータ素材について、素材ID、パラメータ素材提供者(興行との関係)、パラメータの種別、パラメータ素材の説明文および担当者による内容確認用情報、発行枚数上限、残り枚数、報酬の割合が表示されるとともに、それぞれのパラメータ素材について選択部331が設けられている。表示部330で一覧表示される情報は、興行の指定部303で指定した興行についての興行IDに関連付けられてパラメータ素材記憶手段41に記憶されている情報である。担当者は、パラメータ素材の説明文を読んで内容を把握し、さらに選択の判断材料が必要な場合は、説明文とともに示された動画の視聴キー等のキー、コンテンツID、ダウンロード用キー等を用いて、対象サイト(パラメータ使用対象システム90)にアクセスし、パラメータ素材の内容を確認することができる。発行枚数上限に対し、残り枚数が表示されているのは、他の担当者が、自分と同じパラメータ素材をパラメータとして選択する場合があるからである。
また、図5のパラメータ付与画面300には、担当者が入力した情報を集計するための「計算実行」ボタン340と、計算結果の表示部341とが設けられている。担当者が、付与するパラメータを選択部331で選択した後、「計算実行」ボタン340をクリックすると、計算結果の表示部341には、担当者が選択したパラメータの数、付与できたパラメータの数、報酬の割合の合計が表示されるとともに、選択した各パラメータ素材について、残り枚数が表示されるか、または、残り枚数不足で付与できなかった旨が表示される。報酬の割合の合計は、当然、100%を超えることはできない。仮に100%にすると、売買取引に係るチケット価格の全額が、パラメータ素材提供者の報酬となるので、非代替トークン型の電子チケットを売却した会員が得る金額はゼロとなる。担当者は、計算結果の表示部341に表示された情報を見て、選択するパラメータ素材を変更する作業等を行うことができる。
そして、図5のパラメータ付与画面300の最下部には、入力したデータを電子チケット管理サーバ20へ送信するための「OK」ボタン350と、入力したデータを取り消すための「取消」ボタン351とが設けられている。担当者が、図5のパラメータ付与画面300でデータを入力して「OK」ボタン350をクリックすると、入力したデータ(興行ID、席種、今回の発行枚数、パラメータイメージ名、選択したパラメータ素材についての各素材IDを含む。)が、発行作業を行っている担当者についての担当者IDとともに、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信される。
電子チケット管理サーバ20では、電子チケット発行手段24が、管理者端末100からネットワーク1を介して送信されてくるデータを受信した後、取得販売データ記憶手段43のレコードの中から、受信した興行ID(席種毎に異なるパラメータを付与する場合には、受信した興行IDおよび席種)に対応するチケットのレコードを抽出し、さらに、抽出したレコードの中から、受信した担当者ID(発行作業を行っている担当者についての担当者ID)を、会員希望情報または作業情報として含んでいるレコードを抽出する。但し、抽出したレコードのうち、今回、発行作業を行うレコードの数は、受信した今回の発行枚数だけであるので、残りのレコードは、次回以降の発行作業の対象となる。
この際、受信した担当者IDを、会員希望情報として含んでいるレコードを抽出するのは、図3の(A)の確定購入予約に対する発行の場合であり、作業情報として含んでいるレコードを抽出するのは、図3の(B)の事前発行の場合である。
なお、前者の図3の(A)の確定購入予約に対する発行の場合において、抽出したレコードのうち、受信した担当者IDが、会員希望情報として含まれているレコードは、発行作業を行っている担当者が、会員が直接に選択指定した担当者に該当するか、会員希望受付手段23により自動決定された担当者に該当するか、無指名者(担当者の直接の選択指定も、趣味嗜好ベクトルを用いた担当者の自動決定も行わない会員)に対して自動割当された担当者に該当するチケットのレコードである。
また、後者の図3の(B)の事前発行の場合において、抽出したレコードのうち、受信した担当者IDが、作業情報として含まれているレコードは、発行作業を行っている担当者が、システムにより自動的に割り当てられた担当者に該当するか、複数の担当者の監督者により割り当てられた担当者に該当するチケットのレコードである。
そして、図3の(A)、(B)のいずれの場合(図3のA4,B3参照)においても、電子チケット発行手段24は、取得販売データ記憶手段43のレコード(抽出したレコード)に、作業情報として、受信した担当者ID(実際に発行作業を行った担当者についての担当者ID)と、受信したパラメータイメージ名と、選択されたパラメータ素材についての各素材IDと、発行済を示すステータスとを記憶させる。なお、選択されたパラメータ素材についての各素材IDは、取得販売データ記憶手段43の該当レコードに記憶させるのではなく、パラメータイメージ名と関連付けて図示されない作業情報記憶手段に記憶させてもよい。
また、電子チケット発行手段24は、図5のパラメータ付与画面300で入力されたデータを受信した後、選択されたパラメータ素材についての各素材IDを用いてパラメータ素材記憶手段41に記憶されているキー(動画の視聴キー等)、コンテンツID、ダウンロード用キー、アイテムとの交換用のキーやコイン等を取得し、取得販売データ記憶手段43から抽出したレコードのチケットIDに対して、これらをパラメータとして付与する。さらに、電子チケット発行手段24は、チケットIDおよびパラメータに対して、トークンIDを自動付与するとともに、受信した担当者ID(発行作業を行っている担当者についての担当者ID)を用いて、担当者情報記憶手段45から当該担当者についての所有者ID(分散型台帳における当該担当者のアカウント情報であり、例えば、イーサリアムの場合であれば、当該担当者のアドレスに相当する。)を取得する。また、電子チケット発行手段24は、取得販売データ記憶手段43のレコード(抽出したレコード)に、作業情報として、自動付与したトークンIDも記憶させる。
そして、電子チケット発行手段24は、トークンID、チケットID、発行作業を行った担当者についての所有者ID、および少なくとも1つのパラメータ(素材ID、および権限またはコンテンツに関する情報であるキーやコンテンツID等)を組み合わせることにより、非代替トークン型の電子チケットを作成し、作成した非代替トークン型の電子チケットを、電子チケットの発行情報として、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する(図3のA4,B3参照)。なお、トークンIDの付与を、図1中の2点鎖線の如く、チケット発行ノード50側で実行する場合には、チケットID、発行作業を行った担当者についての所有者ID、および少なくとも1つのパラメータの組合せを、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信し、チケット発行ノード50でトークンIDを付与して非代替トークン型の電子チケットを完成させる。
<電子チケット管理サーバ20/電子チケット移転手段25の詳細構成>
電子チケット移転手段25は、非代替トークン型の電子チケットの所有権の移転が行われた際に、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケットについての所有者IDを変更するための変更前後の所有者IDを含む移転情報を作成し、作成した移転情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行するものである。
また、電子チケット移転手段25は、チケット発行ノード50から通信回線3を介して送信されてくる移転情報を受信し、受信した移転情報(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合は、チケット発行ノード50で生成されたブロック)を、分散型台帳と同期または略同期させる状態で、電子チケット記憶手段46に記憶させる処理を実行する。
具体的には、電子チケット移転手段25は、次のような配布処理と、売買移転処理と、指定移転処理と、交換処理と、分配処理とを実行する。
すなわち、電子チケット移転手段25は、配布処理として、配布作業を行うチケット発行事業者の担当者による管理者端末100からのアクセス(担当者IDおよびパスワードによるログイン)を受け付け、アクセスした担当者についての担当者IDを用いて、担当者情報記憶手段45から、当該担当者についての所有者ID(分散型台帳における当該担当者のアカウント情報)を取得し、取得した所有者IDを含む非代替トークン型の電子チケット、すなわちアクセス中の担当者が作成した非代替トークン型の電子チケットを、電子チケット記憶手段46または分散型台帳から抽出する。そして、抽出した非代替トークン型の電子チケット(現在、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケット)についての所有者IDを、発行作業を行った担当者についての所有者IDから、チケットを最初に購入したチケット発行事業者の会員についての所有者IDに変更するための変更前後の所有者IDを含む移転情報(配布情報)を作成し、作成した配布情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。
この際、配布情報の作成対象として抽出された非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDに対応する会員ID(そのチケットを購入した会員についての会員ID)は、取得販売データ記憶手段43に記憶されている(図3のA3,B5参照)。この配布処理で作成される移転情報(配布情報)は、図2に示すように、例えば、担当者から会員Aへの移転であれば、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者ID(=担当者のアカウント情報)と、新しい所有者ID(=会員Aのアカウント情報)とを組み合わせた情報であるが、チケットIDは省略してもよい。なお、配布処理では、パラメータの更新は行わない。
また、電子チケット移転手段25は、売買移転処理として、売買支援手段27による支払確認処理で代金支払いが確認された後に、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケットについての所有者IDを、チケットを売却した会員についての所有者IDから、当該チケットを購入した会員についての所有者IDに変更するための変更前後の所有者IDを含む移転情報(売買移転情報)を作成し、作成した売買移転情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。
この際、売買移転情報の作成対象の非代替トークン型の電子チケットを購入した会員についての会員IDは、チケットIDまたはトークンIDを用いて売買情報記憶手段47から取得することができ、購入した会員についての所有者IDは、会員IDを用いて会員情報記憶手段44から取得することができる。この売買移転処理で作成される移転情報(売買移転情報)は、図2に示すように、例えば、会員Aから会員Bへの移転であれば、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者ID(=会員Aのアカウント情報)と、新しい所有者ID(=会員Bのアカウント情報)と、更新後のパラメータ(更新後のキーやコンテンツIDやコイン等を含む)とを組み合わせた情報であるが、チケットIDは省略してもよい。
また、電子チケット移転手段25は、売買移転処理として、パラメータ素材記憶手段41に記憶されたパラメータ素材に関する情報を用いて、売買取引に伴うパラメータの更新処理を実行する。非代替トークン型の電子チケットの所有権が移転された場合に、元の所有者がそのパラメータを使用できないようにするとともに、新しい所有者がそのパラメータを使用できるようにするためである。この際、電子チケット移転手段25は、更新後の新しいパラメータとするキー(動画の視聴キー等)やコンテンツID、ダウンロード用キー、アイテムとの交換用のキーやコイン等を、パラメータ使用対象システム90からオンラインで取得する場合には、そのパラメータの素材IDを用いて、パラメータ素材記憶手段41から取得先・取得方法の情報を読み込み、取得源となるパラメータ使用対象システム90にアクセスし、ネットワーク1を介して新しいパラメータとするキーやコンテンツID等を取得する。また、素材IDを用いてパラメータ素材記憶手段41に記憶されている更新用のキーやコンテンツID等(未使用のもの)を取得してもよく、この場合は、更新前の古いパラメータを使用できなくするために、パラメータ使用対象システム90への通知処理を実行する。
さらに、電子チケット移転手段25は、売買移転処理として、売買取引の対象とされた非代替トークン型の電子チケットについてのパラメータの素材IDを用いて、パラメータ素材提供者への報酬の割合をパラメータ素材記憶手段41から取得し、売買情報記憶手段47または電子チケット記憶手段46(若しくは分散型台帳記憶手段60でもよい。)に記憶された売買取引に係るチケット価格に、取得した報酬の割合を乗じて報酬額を算出し、算出した報酬額を、パラメータ素材提供者へ支払うための処理を実行する。パラメータ素材提供者への報酬の割合は、パラメータ素材提供者またはその入力代行者により、図4のパラメータ素材登録画面200で報酬入力部230に入力され、パラメータ素材提供者への報酬の支払方法は、振込先指定部231または所有者ID入力部232に入力され、パラメータ素材記憶手段41に記憶されている。このパラメータ素材提供者へ報酬を支払うための処理は、電子チケットの購入者(会員)や、その購入者からチケット代金の支払いを受けた出品者(会員)に対し、電子メール等により、パラメータ素材提供者へ報酬を支払うための情報(支払先、報酬額等)を通知する処理でもよい。電子チケットの購入者(会員)に対してパラメータ素材提供者への報酬支払いを通知する場合とは、電子チケットの購入者(会員)が、出品者(会員)に対し、チケット価格から報酬額を差し引いた金額を支払った場合である。また、報酬を仮想通貨でパラメータ素材提供者へ支払う場合には、仮想通貨取引支援手段28に支払情報(支払元=チケットを購入した会員またはチケット購入者からチケット代金の支払いを受けた会員についての所有者ID、支払先=パラメータ素材提供者についての所有者ID、支払金額=報酬額)を伝達し、仮想通貨取引支援手段28により仮想通貨支払処理を実行する。なお、一旦、チケット発行事業者が、チケットを購入した会員からチケット代金を徴収し、チケット発行事業者を経由させて、報酬額をパラメータ素材提供者へ支払ってもよい。また、チケット代金の徴収の際には、チケット発行事業者は、売買取引の取り扱いについて手数料を徴収してもよい。
また、電子チケット移転手段25は、指定移転処理として、非代替トークン型の電子チケットの現在の所有者が、他の会員に対し、自分の所有する非代替トークン型の電子チケットの所有権を有償または無償で譲渡する処理を実行する。無償譲渡の場合は、チケット価格がゼロとなるので、チケット価格に対する割合で設定されている報酬額もゼロとなる。有償譲渡の場合は、売買移転処理と略同様であり、売買移転処理では、売買支援手段27により購入申込を行った会員が、新しい所有者となるのに対し、指定移転処理では、不特定の会員への出品ではなく、現在の所有者である会員が、譲渡先となる他の会員を指定する点が異なっている。
すなわち、電子チケット移転手段25は、指定移転処理として、会員による会員端末110からのアクセス(会員IDおよびパスワードによるログイン)後に、会員端末110から送信されてくる譲渡先の他の会員についての会員ID、有償譲渡の場合のチケット価格(無償譲渡の場合は、ゼロ)等の入力を受け付け、指定移転対象の非代替トークン型の電子チケット(現在、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケット)についての所有者IDを、チケットを譲渡する会員についての所有者IDから、当該チケットを譲り受ける他の会員についての所有者IDに変更するための変更前後の所有者IDを含む移転情報(指定移転情報)を作成し、作成した指定移転情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。
この指定移転処理では、不特定の会員との売買取引ではなく、知り合いである特定の会員への譲渡であるたため、本実施形態では、有償譲渡の場合でもあっても、入金確認を経ることなく、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケットの所有権の移転処理を進める。なお、入金確認を待って移転処理を進める場合には、その間、チケットを譲り受ける会員についての会員IDや、有償譲渡の場合のチケット価格等を、図示されない指定移転処理用情報記憶手段に記憶させておく。
この際、指定移転処理で作成される移転情報(指定移転情報)は、前述した売買移転情報と同様であり、図2に示すように、例えば、会員Aから会員Bへの移転であれば、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者ID(=会員Aのアカウント情報)と、新しい所有者ID(=会員Bのアカウント情報)と、更新後のパラメータ(更新後のキーやコンテンツIDやコイン等を含む)とを組み合わせた情報であるが、チケットIDは省略してもよい。
さらに、電子チケット移転手段25は、交換処理として、会員同士が各自の所有する非代替トークン型の電子チケットを交換する処理を実行する。交換される2つの非代替トークン型の電子チケットのうちの一方は、出品中の非代替トークン型の電子チケットである。
すなわち、電子チケット移転手段25は、交換処理として、出品中において、出品者である会員とは別の会員による会員端末110からのアクセス(会員IDおよびパスワードによるログイン)後に、会員端末110から送信されてくる当該別の会員による交換の申出を受け付け、受け付けた交換対象の双方の非代替トークン型の電子チケットの情報(双方のチケットIDおよび/またはトークンID、並びに双方の会員ID)を、図示されない交換処理用情報記憶手段に記憶させるとともに、交換対象とされた出品中の非代替トークン型の電子チケットを所有する会員に対し、交換の申出があった旨を通知する処理を実行する。
さらに、電子チケット移転手段25は、交換処理として、交換の申出に対する出品中の非代替トークン型の電子チケットを所有する会員による受諾の可否情報を受け付け、受諾可である場合には、出品中の非代替トークン型の電子チケット(現在、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケット)についての所有者IDを、出品者である会員についての所有者IDから、交換の申出を行った会員についての所有者IDに変更するための変更前後の所有者IDを含む移転情報(交換情報の一部)を作成するとともに、交換の申出を行った会員の所有する非代替トークン型の電子チケット(現在、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケット)についての所有者IDを、交換の申出を行った会員についての所有者IDから、出品者である会員についての所有者IDに変更するための変更前後の所有者IDを含む移転情報(交換情報の一部)を作成し、これらの2つの移転情報からなる交換情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。一方、受諾不可である場合には、その旨を交換の申出を行った会員に通知する処理を実行する。
また、電子チケット移転手段25は、分配処理として、複数枚のチケットを同時に購入した会員(共同購入親の会員)から知人の会員(共同購入子の会員)への移転処理を実行する。この分配処理では、例えば、親の会員が、3枚のチケットを代表で購入し、その後、そのうちの2枚のチケットについて分配を行う場合には、先ず、3枚の非代替トークン型の電子チケットの所有者を、配布処理で、3枚とも発行作業を行った担当者から親の会員に変更し、次に、2枚の非代替トークン型の電子チケットの所有者を、分配処理で、親の会員から、2人の子の会員に変更する。
すなわち、電子チケット移転手段25は、分配処理として、分配を行う親の会員による会員端末110からのアクセス(会員IDおよびパスワードによるログイン)後に、会員端末110から送信されてくる当該親の会員による分配の申出に係る情報(分配により所有者を変更する非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDおよび/またはトークンID、並びに、分配を受ける子の会員についての会員ID)を受け付け、子の会員についての会員IDを用いて会員情報記憶手段44から子の会員についての所有者IDを取得する。そして、分配対象の非代替トークン型の電子チケット(現在、分散型台帳に登録されている非代替トークン型の電子チケット)についての所有者IDを、親の会員についての所有者IDから、子の会員についての所有者IDに変更するための変更前後の所有者IDを含む移転情報(分配情報)を作成し、作成した分配情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。
この際、分配処理で作成される移転情報(分配情報)は、図2に示すように、例えば、会員A(共同購入親の会員)から知人の会員C(共同購入子の会員)への移転であれば、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者ID(=会員Aのアカウント情報)と、新しい所有者ID(=会員Cのアカウント情報)と、更新後のパラメータ(更新後のキーやコンテンツIDやコイン等を含む)とを組み合わせた情報であるが、チケットIDは省略してもよい。
<電子チケット管理サーバ20/電子チケット参照手段26の詳細構成>
電子チケット参照手段26は、チケット発行事業者の担当者による管理者端末100からのアクセス(担当者IDおよびパスワードによるログイン)後、または、会員による会員端末110からのアクセス(会員IDおよびパスワードによるログイン)後に、管理者端末100または会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる参照要求に応じ、非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を、ネットワーク1を介して管理者端末100または会員端末110へ送信する処理を実行するものである。
具体的には、電子チケット参照手段26は、チケット発行事業者の担当者または会員が、会員の所有する非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を参照する場合には、参照対象の会員についての会員IDを、管理者端末100または会員端末110から受信し、受信した会員IDを用いて、取得販売データ記憶手段43から、参照対象の会員が所有する非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDまたはトークンIDを取得し、取得したチケットIDまたはトークンIDを用いて、電子チケット記憶手段46から参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を取得する。
また、チケット発行事業者の担当者または会員は、参照対象の電子チケットについてのチケットID若しくはトークンIDが判っている場合には、管理者端末100または会員端末110からチケットID若しくはトークンIDを送信すればよく、電子チケット参照手段26は、受信したチケットID若しくはトークンIDを用いるか、または、受信したチケットIDを用いて取得販売データ記憶手段43からトークンIDを取得し、取得したトークンIDを用いて、電子チケット記憶手段46から参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータを取得すればよい。
さらに、電子チケット記憶手段46の設置が省略されている場合や、電子チケット記憶手段46または分散型台帳記憶手段60のいずれから参照要求に係るデータを取得するかを選択できるようになっている場合には、分散型台帳記憶手段60から参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を取得してもよい。この場合には、取得販売データ記憶手段43から、チケットIDを取得するか、または作業情報として記憶されているトークンIDを取得し、取得したチケットIDまたはトークンIDを、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する。チケット発行ノード50では、参照情報取得手段53が、チケットIDまたはトークンIDを受信し、受信したチケットIDまたはトークンIDを用いて、分散型台帳記憶手段60から参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータを取得し、取得したデータを、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する。これにより、電子チケット参照手段26は、参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を取得することができる。
そして、電子チケット参照手段26は、電子チケット記憶手段46または分散型台帳記憶手段60から取得した参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータを、ネットワーク1を介して管理者端末100または会員端末110へ送信する。
また、電子チケット参照手段26は、チケット発行事業者の担当者が、自分の発行した配布処理前の非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報)を参照する場合には、参照対象の担当者についての担当者IDを、管理者端末100から受信し、受信した担当者IDを用いて、取得販売データ記憶手段43から、参照対象の担当者が発行作業を行った非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDまたはトークンIDを取得し、取得したチケットIDまたはトークンIDを用いて、電子チケット記憶手段46から参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を取得する。
さらに、電子チケット記憶手段46の設置が省略されている場合や、電子チケット記憶手段46または分散型台帳記憶手段60のいずれから参照要求に係るデータを取得するかを選択できるようになっている場合には、チケットIDまたはトークンIDを用いて、分散型台帳記憶手段60から参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を取得してもよい。この点は、前述した会員の所有する非代替トークン型の電子チケットのデータを参照する場合と同様である。
<電子チケット管理サーバ20/売買支援手段27の詳細構成>
売買支援手段27は、チケット発行事業者の会員間での非代替トークン型の電子チケットの売買取引を支援する処理として、出品受付処理と、出品一覧表示処理と、電子チケット購入受付処理と、支払確認処理とを実行するものである。
ここで、出品受付処理は、自己の所有する非代替トークン型の電子チケットを売却したい会員により会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる出品情報(出品者である会員についての会員ID、出品対象の非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDおよび/またはトークンID、チケット価格を含む。)を受信し、受信した出品情報を、分散型台帳に登録するために、通信回線3を介してチケット発行ノード50の出品情報登録手段54へ送信する処理である。
出品一覧表示処理は、他人の所有する非代替トークン型の電子チケットを購入したい会員若しくは会員候補者により会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる閲覧要求を受信し、電子チケット記憶手段46またはチケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60から、出品中の非代替トークン型の電子チケットの情報(チケット価格およびパラメータの内容を含む。)を取得し、出品一覧としてネットワーク1を介して閲覧要求に係る会員端末110へ送信する処理である。この際、売買支援手段27は、各パラメータの素材IDを用いてパラメータ素材記憶手段41から各パラメータ素材に関する詳細情報を取得し、各パラメータの内容として、説明文(テキスト情報、図4の説明文入力部204参照)、各パラメータの発行枚数上限(図4の発行枚数上限入力部210参照)等を一覧表示する。また、売買支援手段27は、取得販売データ記憶手段43に作業情報として記憶されている同じ種類の電子チケット(同じパラメータ群を付与した同じパラメータイメージ名の電子チケット)の発行枚数(図5の発行枚数入力部312参照)も取得し、一覧表示してもよい。これにより、他人の所有する非代替トークン型の電子チケットを購入したい会員若しくは会員候補者は、一覧表示を見ることにより、少なくとも1つのパラメータが付与された電子チケットについて、個々のパラメータの発行枚数上限や、パラメータ全体(パラメータイメージ名)としての発行枚数を確認し、購入を検討中の電子チケットの希少性を把握することができる。このため、一覧表示中に、発行枚数が少なく、かつ、希少性を有する電子チケットが含まれていれば、その電子チケットを収集し、所有したいという人間の感情を助長することになる。
電子チケット購入受付処理は、出品一覧を閲覧し、出品中の非代替トークン型の電子チケットを購入することを決めた会員の会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる購入手続に係る情報(購入することを決めた会員についての会員ID、チケット代金の支払方法等)を受信し、売買情報記憶手段47に記憶させる処理である。
支払確認処理は、非代替トークン型の電子チケットの購入手続を行った会員によるチケット代金の支払いを確認する処理である。仮想通貨での支払いの場合は、分散型台帳での支払確認処理となるので、売買支援手段27からチケット発行ノード50に対し、支払確認指示として、支払確認情報(トークンIDおよび/またはチケットID、送金元および送金先の所有者ID、支払金額または支払金額に相当する仮想通貨の数量等)を、通信回線3を介して送信する。チケット発行ノード50では、処理手段50Aにより、支払確認指示を受けて、分散型台帳記憶手段60に記憶されている売買移転時の支払情報を取得し、分散型台帳から取得した支払情報またはそれによる支払確認結果を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20の売買支援手段27に送信する。また、売買支援手段27による支払確認処理は、仮想通貨による支払いの確認処理に限らず、金融機関の口座への振込や、クレジットカードによる支払いを確認する処理としてもよい。さらに、必ずしも全部を自動化した確認処理とする必要はなく、チケット発行事業者の担当者が支払いを確認し、その確認結果を管理者端末100で入力し、売買支援手段27が、その入力情報をネットワーク1を介して受け付ける処理としてもよい。
<電子チケット管理サーバ20/仮想通貨取引支援手段28の詳細構成>
仮想通貨取引支援手段28は、仮想通貨を用いた取引を支援する処理として、会員やパラメータ素材提供者による仮想通貨の購入手続や使用開始手続を受け付ける仮想通貨購入受付処理と、会員による仮想通貨でのチケット代金の支払手続やパラメータ素材提供者への報酬の支払手続を受け付ける仮想通貨支払処理と、仮想通貨を円等の現実通貨に換える仮想通貨換金処理とを実行するものである。これにより、会員やパラメータ素材提供者は、分散型台帳における自己の所有者ID(アカウント情報)で、仮想通貨の支払いや受取を行うことができる。
具体的には、仮想通貨取引支援手段28は、仮想通貨購入受付処理として、会員端末110やパラメータ素材提供者端末120からネットワーク1を介して送信されてくる会員やパラメータ素材提供者による仮想通貨の購入手続や使用開始手続のための情報(購入金額、クレジットカードの情報、入出金用の口座情報等)を受信し、仮想通貨の入金指示として、購入金額に相当する仮想通貨の数量および入金先の所有者ID(アカウント情報)を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。チケット発行ノード50では、処理手段50Aにより、受信した入金指示に従って、購入金額に相当する仮想通貨の数量を、入金先(仮想通貨の購入者)についての所有者ID(分散型台帳におけるアカウント情報)に関連付けて分散型台帳に登録する。
また、仮想通貨取引支援手段28は、仮想通貨支払処理として、会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる会員による仮想通貨での支払情報(送金元、送金先、支払金額等)を受信するか、または、パラメータ素材提供者への報酬支払いを仮想通貨で行う場合において電子チケット移転手段25から伝達された支払情報(支払元=チケットを購入した会員またはチケット購入者からチケット代金の支払いを受けた会員についての所有者ID、支払先=パラメータ素材提供者についての所有者ID、支払金額=報酬額)を受け取り、仮想通貨の支払指示として、支払情報(トークンIDおよび/またはチケットID、送金元および送金先の所有者ID、支払金額または支払金額に相当する仮想通貨の数量等)を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。チケット発行ノード50では、処理手段50Aにより、受信した支払指示に従って、支払金額に相当する仮想通貨の数量を移動させるための支払情報を、送金元および送金先についての所有者ID(分散型台帳におけるアカウント情報)に関連付けて分散型台帳に登録する(分散型台帳記憶手段60に記憶させる)。
例えば、非代替トークン型の電子チケットの売買取引の際に、チケットを購入した会員から売却した会員へのチケット代金の支払いや、チケットを購入した会員からパラメータ素材提供者(アーティスト等)への報酬の支払いが行われるが、図2に示すように、これらの支払いを、仮想通貨を用いて行うことができる。なお、チケットを購入した会員からパラメータ素材提供者への報酬の支払いが行われる場合とは、チケットを購入した会員が、チケットを売却した会員(出品者)に対し、チケット価格から報酬額を差し引いた金額を支払った場合である。
図2の例では、売買移転時等の支払情報(会員Bから会員Aへのチケット代金の支払い)として、トークンIDと、チケットIDと、送金元の所有者ID(=会員Bのアカウント情報)と、送金先の所有者ID(=会員Aのカウント情報)と、チケット価格(または、チケット価格から報酬額を指し引いた金額)とが、分散型台帳に登録されている。また、売買移転時等の支払情報(会員Bからパラメータ素材提供者への報酬の支払い)として、トークンIDと、チケットIDと、送金元の所有者ID(=会員Bのアカウント情報)と、送金先の所有者ID(=パラメータ素材提供者のカウント情報)と、報酬額とが、分散型台帳に登録されている。これらの支払情報についての分散型台帳への登録は、仮想通貨取引支援手段28による仮想通貨支払処理としての支払指示を受けて、チケット発行ノード50の処理手段50Aにより行われる。
なお、売買移転時等におけるチケット代金の支払いやパラメータ素材提供者への報酬の支払いは、上記のように当事者間での送金とするのではなく、チケット発行事業者の勘定を介した送金としてもよい。また、パラメータ素材提供者への報酬の支払いは、チケットの購入者が行うのではなく、チケットの購入者からのチケット代金の支払いを受けたチケットの売却者が行うようにしてもよい。
さらに、仮想通貨取引支援手段28は、仮想通貨換金処理として、会員端末110やパラメータ素材提供者端末120からネットワーク1を介して送信されてくる会員やパラメータ素材提供者による仮想通貨の換金手続のための情報(換金額、口座情報等)を受信し、仮想通貨の換金指示として、換金額に相当する仮想通貨の数量および換金者の所有者IDを、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する処理を実行する。チケット発行ノード50では、処理手段50Aにより、受信した換金指示に従って、換金額に相当する仮想通貨の数量を、仮想通貨の換金者についての所有者ID(分散型台帳におけるアカウント情報)に関連付けて分散型台帳に登録する。
<電子チケット管理サーバ20/入場時提示情報作成手段29、入場管理情報送信手段30の詳細構成>
入場時提示情報作成手段29は、取得販売データ記憶手段43に記憶された会員の確定した購入予約情報(会員IDおよびチケットIDを含む)を用いて、興行の開催日当日の来場者の入場可否判断で使用される入場時提示情報を作成し、作成した入場時提示情報を、ネットワーク1を介して会員端末110へ送信する処理を実行するものである。入場時提示情報は、興行の開催日当日に、会場ゲートの通過時に興行システム80の読取装置で読み取られる情報であり、例えば、会員端末110で画面表示する電子チケットのデータ(例えば2次元バーコード等)や、会員端末110に設けられた非接触ICの通信モジュールから送信される電子チケットのデータ等である。なお、入場時提示情報を、チケット販売システム70から会員端末110へ送信する場合には、この入場時提示情報作成手段29の設置は、省略してよい。また、会員端末110に設けられた入場時提示情報作成補助手段111により、入場時提示情報を作成する場合には、入場時提示情報作成手段29は、入場時提示情報の作成用データ(会員の確定した購入予約情報)を、ネットワーク1を介して会員端末110へ送信するだけでよい。
入場管理情報送信手段30は、興行システム80の入場管理手段81からの興行開始前の取得要求に応じ、取得販売データ記憶手段43に記憶された会員の確定した購入予約情報と同じ内容の入場管理情報(会員IDおよびチケットIDを含む)を、ネットワーク1を介して興行システム80へ送信する処理を実行するものである。興行システム80へ送信された入場管理情報は、入場管理情報記憶手段82に記憶され、興行の開催日当日の来場者の入場の可否の判断に使用される。なお、入場管理情報を、チケット販売システム70から興行システム80へ送信する場合には、この入場管理情報送信手段30の設置は、省略してよい。
<電子チケット管理サーバ20/興行データ記憶手段40、パラメータ素材記憶手段41、識別モデル記憶手段42の詳細構成>
興行データ記憶手段40は、興行名、興行の種別(コンサート、演劇、スポーツイベント等の別)、興行の開催場所、開催日時(入場開始時刻および開演時刻を含む)、席種毎のチケットの販売枚数および販売価格等を、興行IDと関連付けて記憶するものである。
パラメータ素材記憶手段41は、図4のパラメータ素材登録画面200で入力されたデータを、素材IDおよび興行IDと関連付けて記憶するものである。具体的には、パラメータ素材記憶手段41は、パラメータ素材提供者の種別(パラメータ素材提供者と興行との関係)と、パラメータの種別(提供するパラメータ素材が、どのような権限なのか、どのようなコンテンツなのかを示す情報)と、提供するパラメータ素材についての説明文(テキスト情報)と、発行枚数上限(すなわち、提供するパラメータ素材を使用することができる会員数)と、パラメータ使用時のアクセス先URL(例えば、動画視聴サイト、オンラインサロン等のパラメータ使用対象システム90にアクセスする際のURL)と、非代替トークン型の電子チケットの売買取引が成立した場合にパラメータ素材提供者が得られる対価(売買取引に係るチケット価格に対する報酬の割合)と、報酬の振込先の金融機関またはパラメータ素材提供者が仮想通貨で報酬を受け取る場合のパラメータ素材提供者についてのアカウント情報である所有者IDと、権限のパラメータを付与する場合においてキー(動画の視聴キー等)をオンラインで取得するための取得先・取得方法、予め登録する利用者(会員)用のキー、チケット発行事業者の担当者がパラメータ素材の内容を確認する際に用いるキーと、コンテンツのパラメータを付与する場合の利用者(会員)用のコンテンツIDやダウンロード用キー、あるいはアイテムとの交換用のキーやコイン等、チケット発行事業者の担当者がパラメータ素材の内容を確認する際に用いるコンテンツIDやダウンロード用キー、あるいはアイテムとの交換用のキーやコイン等とを、素材IDおよび興行IDと関連付けて記憶する。
識別モデル記憶手段42は、図8に示すように、パラメータ素材登録手段22により実行される識別アルゴリズムとともに報酬の適正度判定用の識別器を構成する識別モデルを記憶するものである。この識別モデルは、提供対象のパラメータ素材が担当者により電子チケットに付与するパラメータとして選択されるか否かの2クラス識別のためのパターン認識処理で用いるパラメータであるが、このパターン認識処理用のパラメータは、非代替トークン型の電子チケットに付与するパラメータとは全く関係ないものであり、例えば、ニューラルネットワークにより識別器を構築する場合には、重み係数や、層数等のハイパーパラメータである。
<電子チケット管理サーバ20/取得販売データ記憶手段43の詳細構成>
取得販売データ記憶手段43は、チケット販売システム70の販売データ記憶手段72からネットワーク1を介して取得したデータと、会員希望受付手段23により受け付けた会員希望情報と、電子チケット発行手段24により入出力される非代替トークン型の電子チケットの発行に関する作業情報とを、会員IDおよびチケットID、並びに興行IDと関連付けて記憶するものである。なお、購入申込受付前(販売開始前または販売中)、すなわち会員からの申込がない段階のチケットに関するデータを記憶する場合は、会員IDは紐付いていない段階であるため、チケットIDおよび興行IDと関連付けて記憶する。
ここで、チケット販売システム70の販売データ記憶手段72からネットワーク1を介して取得したデータとしては、チケットの購入予約を受け付けただけで入金確認の行われていない未確定の購入予約情報(申込日、申込枚数、席種、チケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額を含む)、未確定を示すステータス等)、およびその後のチケット代金の入金確認処理で確定した購入予約情報(申込日、申込枚数、席種、チケット価格(複数枚の申込の場合は、合計金額を含む)、入金日、確定を示すステータス等)があり、これらは会員IDおよびチケットID、並びに興行IDと関連付けて記憶される。
なお、取得販売データ記憶手段43は、チケット販売システム70の販売データ記憶手段72からネットワーク1を介して取得したデータとして、購入申込受付前(販売開始前または販売中を示す各ステータス)、つまり会員からの申込がない段階(会員IDが紐付いていない段階)におけるチケットのデータ(席種、チケット価格等)を、チケットIDおよび興行IDと関連付けて記憶する場合もある。すなわち、購入申込受付前(販売開始前または販売中)における販売見込数量分に対して非代替トークン型の電子チケットを事前に発行して用意しておく場合には、会員IDが紐付いていない段階(発行する非代替トークン型の電子チケットを受け取る会員が決まっていない段階)で、チケットIDを用いて非代替トークン型の電子チケットを発行する。
また、会員希望情報には、会員が直接に選択指定した担当者についての担当者IDと、会員希望受付手段23により自動決定された担当者についての担当者IDと、無指名者(担当者の直接の選択指定も、趣味嗜好ベクトルを用いた担当者の自動決定も行わない会員)に対して自動割当された担当者についての担当者IDとが含まれる。
さらに、発行に関する作業情報には、発行済・発行未済の別を示すステータスと、発行作業を実際に行った担当者についての担当者IDと、発行日時と、付与したパラメータについてのパラメータイメージ名(図5の入力部320参照)と、同じ種類の電子チケット(同じパラメータ群を付与した同じパラメータイメージ名の電子チケット)の発行枚数(図5の発行枚数入力部312参照)と、選択したパラメータ素材についての各素材IDと、自動付与したトークンIDとが含まれる。なお、選択したパラメータ素材についての素材IDは、取得販売データ記憶手段43に記憶するのではなく、パラメータイメージ名と関連付けて図示されない作業情報記憶手段に記憶してもよい。また、購入申込受付前(販売開始前または販売中)における販売見込数量分に対して非代替トークン型の電子チケットを事前に発行して用意しておく場合(図3の(B)参照)には、会員IDが紐付いていない段階(発行する非代替トークン型の電子チケットを受け取る会員が決まっていない段階)で、非代替トークン型の電子チケットを発行するので、会員希望情報がない状態であるため、作業情報として、システムにより自動的に割り当てられた担当者、あるいは複数の担当者の監督者により割り当てられた担当者についての担当者IDが、チケットIDおよび興行IDと関連付けられて記憶される(図3のB2参照)。
<電子チケット管理サーバ20/会員情報記憶手段44、担当者情報記憶手段45の詳細構成>
会員情報記憶手段44は、チケット発行事業者の会員の氏名、年齢、生年月日、性別、住所、電話番号、電子メールアドレス、ログイン用のパスワード、分散型台帳における会員のアカウント情報である所有者ID等の会員情報を、会員IDと関連付けて記憶するものである。なお、図7の自動決定画面500で入力された選択入力結果や、その選択入力結果から得られた会員の趣味嗜好ベクトルを、会員IDと関連付けて記憶してもよい。
担当者情報記憶手段45は、チケット発行事業者に所属する複数の担当者の各々について、氏名、ハンドルネーム、年齢、生年月日、性別、趣味、電子チケット作成ポリシー、指名数ランキング、満足度ランキング、管理者としてのログイン用のパスワード、分散型台帳における担当者のアカウント情報である所有者ID等の担当者情報を、担当者IDと関連付けて記憶するものである。これらの担当者情報の一部は、図6の選択対象担当者情報表示部412や過去選択担当者情報表示部415の表示に用いられる。また、担当者情報記憶手段45は、図7に示すように、担当者の趣味嗜好ベクトルを、担当者IDと関連付けて記憶する。なお、担当者の趣味嗜好ベクトルを作成する際に用いた担当者の選択入力結果も併せて記憶してもよい。
<電子チケット管理サーバ20/電子チケット記憶手段46、売買情報記憶手段47の詳細構成>
電子チケット記憶手段46は、分散型台帳に登録した情報、すなわちチケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60に記憶されている情報(図2に示すような電子チケットの発行情報、移転情報、出品情報、売買代金支払情報等)と同じ情報を、同期または略同期させる状態で記憶するものである。この電子チケット記憶手段46の設置は省略してもよい。
売買情報記憶手段47は、売買取引に係るチケット価格、出品の有効期限、出品者である会員についての売買取引に係るチケット代金の受取方法(銀行口座への振込で受け取る場合の口座情報や、仮想通貨で受け取る旨の情報)、購入申込を行った会員についての会員IDおよびチケット代金の支払方法(銀行口座への振込で支払うか、仮想通貨で支払うかの別)等を、出品対象の非代替トークン型の電子チケットについてのトークンIDおよび/またはチケットID、出品者である会員についての会員ID、並びに興行IDと関連付けて記憶するものである。
<チケット発行ノード50/発行情報登録手段51の詳細構成>
発行情報登録手段51は、電子チケット管理サーバ20から通信回線3を介して送信されてくるトークンID、チケットID、発行作業を行った担当者についての所有者ID、および少なくとも1つのパラメータ(素材ID、権限またはコンテンツに関する情報であるキーやコンテンツID等)を、電子チケット発行手段24による非代替トークン型の電子チケットの発行情報として受信し、受信した発行情報を、P2Pネットワーク2で接続された複数のノード(チケット発行ノード50およびその他のノード130)で構成される分散型台帳に登録する処理を実行するものである。
この際、発行情報登録手段51は、分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、図2に示すように、受信した電子チケットの発行情報(トークンID、チケットID、発行作業を行った担当者についての所有者ID、および少なくとも1つのパラメータ)をトランザクションデータのレコードとして含むブロックを生成する。そして、生成されたブロックは、ブロック承認の処理を経て、チケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60およびその他のノード130の分散型台帳記憶手段60に共有記憶される状態となるが、ブロック承認は、必ずしもチケット発行ノード50が担当する必要はない。
また、発行情報登録手段51は、分散型台帳に登録した発行情報(複数のノードの分散型台帳記憶手段60に共有記憶させた発行情報)と同じ情報を、電子チケット管理サーバ20の電子チケット記憶手段46にも記憶させておくために、登録した発行情報(分散型台帳がブロックチェーンの場合には、生成したブロック)を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理も実行する。
<チケット発行ノード50/移転情報登録手段52の詳細構成>
移転情報登録手段52は、電子チケット移転手段25により作成されて電子チケット管理サーバ20から通信回線3を介して送信されてくる移転情報を受信し、受信した移転情報を、トークンIDと関連付けるか、またはトークンIDおよびチケットIDと関連付けて分散型台帳に登録する処理を実行するものである。なお、本実施形態では、トークンIDおよびチケットIDと関連付けて登録するが、トークンIDとチケットIDとの対応関係は、図2に示すように、電子チケットの発行情報として分散型台帳に登録されているので、移転情報としてのチケットIDの登録は、省略してもよい。
この際、移転情報登録手段52は、分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、図2に示すように、受信した電子チケットの移転情報をトランザクションデータのレコードとして含むブロックを生成する。そして、生成されたブロックは、ブロック承認の処理を経て、チケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60およびその他のノード130の分散型台帳記憶手段60に共有記憶される状態となるが、ブロック承認は、必ずしもチケット発行ノード50が担当する必要はない。
また、移転情報登録手段52は、分散型台帳に登録した移転情報(複数のノードの分散型台帳記憶手段60に共有記憶させた移転情報)と同じ情報を、電子チケット管理サーバ20の電子チケット記憶手段46にも記憶させておくために、登録した移転情報(分散型台帳がブロックチェーンの場合には、生成したブロック)を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理も実行する。
具体的には、移転情報登録手段52は、図2に示す如く、移転情報として、次のような配布情報、売買移転情報、指定移転情報、分配情報、交換情報について、分散型台帳への登録処理、および電子チケット管理サーバ20の電子チケット記憶手段46にも記憶させるための送信処理を実行する。
すなわち、移転情報登録手段52は、電子チケット移転手段25による配布処理で作成された移転情報(電子チケットの移転情報のうちの配布情報)を、トークンIDと関連付けるか、またはトークンIDおよびチケットIDと関連付けて分散型台帳に登録する処理と、この配布情報を電子チケット記憶手段46に記憶させるために、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理とを実行する。この配布情報は、図2に示すように、担当者から会員Aへの移転であれば、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者ID(=担当者のアカウント情報)と、新しい所有者ID(=会員Aのアカウント情報)とを組み合わせた情報であるが、チケットIDは省略してもよい。
また、移転情報登録手段52は、電子チケット移転手段25による売買移転処理で作成された移転情報(電子チケットの移転情報のうちの売買移転情報)を、トークンIDと関連付けるか、またはトークンIDおよびチケットIDと関連付けて分散型台帳に登録する処理と、この売買移転情報を電子チケット記憶手段46に記憶させるために、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理とを実行する。この売買移転情報は、図2に示すように、会員Aから会員Bへの移転であれば、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者ID(=会員Aのアカウント情報)と、新しい所有者ID(=会員Bのアカウント情報)と、更新後のパラメータ(更新後のキーやコンテンツIDやコイン等を含む)とを組み合わせた情報であるが、チケットIDは省略してもよい。
さらに、移転情報登録手段52は、電子チケット移転手段25による指定移転処理で作成された移転情報(電子チケットの移転情報のうちの指定移転情報)を、トークンIDと関連付けるか、またはトークンIDおよびチケットIDと関連付けて分散型台帳に登録する処理と、この指定移転情報を電子チケット記憶手段46に記憶させるために、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理とを実行する。この指定移転情報は、図2に示すように、上記の売買移転情報と同様である。
また、移転情報登録手段52は、電子チケット移転手段25による分配処理で作成された移転情報(電子チケットの移転情報のうちの分配情報)を、トークンIDと関連付けるか、またはトークンIDおよびチケットIDと関連付けて分散型台帳に登録する処理と、この分配情報を電子チケット記憶手段46に記憶させるために、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理とを実行する。この分配情報は、図2に示すように、例えば、共同購入親の会員Aから知人の会員Cへの移転であれば、トークンIDと、チケットIDと、元の所有者ID(=会員Aのアカウント情報)と、新しい所有者ID(=会員Cのアカウント情報)とを組み合わせた情報であるが、チケットIDは省略してもよい。
さらに、移転情報登録手段52は、電子チケット移転手段25による交換処理で作成された2つの移転情報(電子チケットの移転情報のうちの交換情報)を、トークンIDと関連付けるか、またはトークンIDおよびチケットIDと関連付けて分散型台帳に登録する処理と、この交換情報を電子チケット記憶手段46に記憶させるために、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理とを実行する。この交換情報は、2つの移転情報からなり、それぞれの移転情報は、前述した売買移転情報と同様である。
<チケット発行ノード50/参照情報取得手段53の詳細構成>
参照情報取得手段53は、電子チケット管理サーバ20から通信回線3を介して送信されてくるチケットIDまたはトークンIDを受信し、受信したチケットIDまたはトークンIDを用いて、分散型台帳記憶手段60から参照要求に係る非代替トークン型の電子チケットのデータを取得し、取得したデータを、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理を実行するものである。
<チケット発行ノード50/出品情報登録手段54の詳細構成>
出品情報登録手段54は、売買支援手段27により作成されて電子チケット管理サーバ20から通信回線3を介して送信されてくる出品情報(非代替トークン型の電子チケットを売却するためのチケット価格、出品の有効期限、出品中・売却手続中・売却済等の状態を示すステータスを含む。)を受信し、受信した出品情報を、トークンIDと関連付けるか、またはトークンIDおよびチケットIDと関連付けて分散型台帳に登録する処理を実行するものである。この出品情報の登録処理は、ステータスが変わる都度に行われる。なお、本実施形態では、トークンIDおよびチケットIDと関連付けて登録するが、トークンIDとチケットIDとの対応関係は、図2に示すように、電子チケットの発行情報として分散型台帳に登録されているので、出品情報としてのチケットIDの登録は、省略してもよい。
この際、出品情報登録手段54は、分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、図2に示すように、受信した電子チケットの出品情報をトランザクションデータのレコードとして含むブロックを生成する。そして、生成されたブロックは、ブロック承認の処理を経て、チケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60およびその他のノード130の分散型台帳記憶手段60に共有記憶される状態となるが、ブロック承認は、必ずしもチケット発行ノード50が担当する必要はない。
また、出品情報登録手段54は、分散型台帳に登録した出品情報(複数のノードの分散型台帳記憶手段60に共有記憶させた出品情報)と同じ情報を、電子チケット管理サーバ20の電子チケット記憶手段46にも記憶させておくために、登録した出品情報(分散型台帳がブロックチェーンの場合には、生成したブロック)を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する処理も実行する。
<チケット発行ノード50/分散型台帳記憶手段60の詳細構成>
分散型台帳記憶手段60は、複数のノード(チケット発行ノード50およびその他の複数のノード130)で共有記憶するデータを記憶するものである。図1での図示は省略されているが、各ノード130にも、分散型台帳記憶手段60が設けられている。
本実施形態の分散型台帳には、一例として、イーサリアム等のブロックチェーンを採用している。従って、分散型台帳には、図2に示すように、ブロックの状態でデータが記憶され、各ブロックには、タイムスタンプ、およびチェーン形成情報(例えば前のブロックのハッシュ値等)が含まれるとともに、各種のトランザクションデータのレコード、スマートコントラクト用の各種のプログラムのうちの少なくとも1つを含むデータが含まれている。
各種のトランザクションデータには、図2に示すように、例えば、電子チケットの発行情報、電子チケットの移転情報(配布情報、売買移転情報、指定移転情報、分配情報、交換情報)、電子チケットの出品情報、売買移転時等の支払情報(チケット代金や報酬の支払情報)等がある。
スマートコントラクト用のプログラムには、図2に示すように、例えば、発行情報の登録用のプログラム、移転情報(配布情報、売買移転情報、指定移転情報、分配情報、交換情報)の登録用のプログラム、参照情報の取得用のプログラム、出品情報の登録用のプログラム等がある。
<電子チケットの発行・配布の処理の流れ:図9>
図9において、電子チケット管理サーバ20で、チケット販売システム70からチケット販売予定の興行データ(興行ID、興行名、日付、場所、席種毎の席数を含む)を取得し、取得した興行データを、興行データ記憶手段40に記憶させる(ステップS1)。
続いて、パラメータ素材提供者(アーティスト等)は、パラメータ素材提供者端末120を操作し、図4のパラメータ素材登録画面200を用いて、興行を指定し、パラメータ素材に関するデータを入力する。このパラメータ素材に関する入力データは、パラメータ素材登録手段22により受け付けられ、興行IDおよび素材IDと関連付けてパラメータ素材記憶手段41に記憶される(ステップS2)。
図3に示すように、電子チケット発行手段24による非代替トークン型の電子チケットの発行タイミングは、2種類あるので、以下の処理の流れは、(A)確定した購入予約に対して非代替トークン型の電子チケットを発行する場合と、(B)購入申込受付前(販売開始前または販売中)に事前に非代替トークン型の電子チケットを発行して用意する場合とで異なるが、ここでは、まとめて説明する。
図9において、図3の(A)の確定購入予約に対してのみ電子チケットを発行する場合には、電子チケット管理サーバ20で、販売データ取得手段21により、チケット販売システム70から、ネットワーク1を介して販売データ記憶手段72に記憶されている販売済(確定)のチケットデータ(興行ID、チケットID、チケットを購入した会員についての会員IDを含む)を取得し、取得した販売済のチケットデータを、取得販売データ記憶手段43に記憶させる(ステップS3)。ここで取得するチケットデータは、チケット販売システム70において、会員からのチケットの購入申込を受け付け、さらに入金確認を経て、確定した購入予約情報である。なお、チケット代金の支払いは、銀行振込、クレジットカードでの支払い等でもよく、仮想通貨での支払いでもよく、仮想通貨での支払いの場合には、チケット販売システム70において、電子チケット管理サーバ20の売買支援手段27による支払確認処理と同様な処理を行うことができる。
そして、チケットを購入した会員は、会員端末110を操作し、図6の入金確認通知画面400で「電子チケットの発行をご希望の場合は、こちらをクリック」選択部401をクリックする。さらに、図6の会員希望受付画面410で、自分の希望する担当者(自分の入手する非代替トークン型の電子チケットの発行作業を行う担当者)を選択し、選択した担当者についての担当者IDを、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する。電子チケット管理サーバ20では、会員希望受付手段23により、会員端末110から送信されてくる担当者IDを受信し、受信した担当者IDを、会員希望情報として、興行ID、チケットID、購入した会員についての会員IDと関連付けて取得販売データ記憶手段43に記憶させる(ステップS3)。
続いて、チケット発行事業者の担当者は、管理者端末100を操作し、図5のパラメータ付与画面300を用いて、取得販売データ記憶手段43に記憶された会員希望情報(図3の(A)の確定購入予約に対する発行の場合)または作業情報(図3の(B)の事前発行の場合)に従って、自分が発行作業の担当者となっているチケットについて、パラメータを付与する作業を行い、さらに、パラメータを付与したチケットに対し、トークンIDを自動付与し、非代替トークン型の電子チケットを作成する(ステップS4)。この際、付与するパラメータは、素材IDを用いてパラメータ素材記憶手段41から取得してもよく、パラメータ使用対象システム90からオンラインで取得してもよい。この作業は、電子チケット発行手段24により実行される。
それから、電子チケット発行手段24により、電子チケットの発行情報(トークンID、チケットID、担当者についての所有者ID、パラメータを含む。図2参照)を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する(ステップS5)。チケット発行ノード50では、発行情報登録手段51により、電子チケットの発行情報(トークンID、チケットID、担当者についての所有者ID、パラメータを含む)を受信し、分散型台帳へ登録する(ステップS6)。
一方、図3の(B)の購入申込受付前に事前に非代替トークン型の電子チケットを発行して用意する場合には、上記のステップS4で、電子チケット発行手段24により非代替トークン型の電子チケットが既に発行され、かつ、上記のステップS5,S6で、発行された非代替トークン型の電子チケットが分散型台帳に登録されている状態において、前述したステップS3に相当する処理を実行する(ステップS7)。
すなわち、図9において、電子チケット管理サーバ20で、販売データ取得手段21により、チケット販売システム70から、ネットワーク1を介して販売データ記憶手段72に記憶されている販売済(確定)のチケットデータ(興行ID、チケットを購入した会員についての会員IDを含む)を取得し、取得した販売済のチケットデータを、取得販売データ記憶手段43に記憶させる(ステップS7)。但し、前述したステップS3の場合とは異なり、販売済のチケットデータ(確定した購入予約情報)は、未だチケットIDと紐付けられていない。従って、ここで取得するチケットデータは、チケット販売システム70において、会員からのチケットの購入申込を受け付け、さらに入金確認を経て、確定した購入予約情報であることに変わりないが、チケットIDと関連付けられることなく、つまり座席番号と関連付けられることなく、購入予約が確定し、会員IDと紐付けられたチケットデータである。なお、この段階で、上記のステップS4で既に発行され、かつ、上記のステップS5,S6で分散型台帳に登録された非代替トークン型の電子チケットについてのチケットIDは、チケット発行事業者の担当者が所有者となっているので、担当者と紐付けられているが、会員とは未だ紐付けられていない。
そして、チケットを購入した会員は、会員端末110を操作し、図6の入金確認通知画面400で「電子チケットの発行をご希望の場合は、こちらをクリック」選択部401をクリックする。さらに、図6の会員希望受付画面420で、各担当者により作成された複数種類の発行済の非代替トークン型の電子チケットの中から、自分の好みの電子チケットを選択し(従って、発行作業を行った担当者を選択していることにもなる。)、選択した担当者についての担当者IDやパラメータイメージ名を、会員希望情報として、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する。電子チケット管理サーバ20では、会員希望受付手段23により、会員端末110から送信されてくる担当者IDやパラメータイメージ名を受信し、取得販売データ記憶手段43において、受信した担当者IDやパラメータイメージ名を含むレコードに、その電子チケット(担当者)を選択した会員についての会員IDを追加することにより、会員希望情報を取得販売データ記憶手段43に反映させて記憶させる(ステップS7)。
その後、チケット発行事業者の担当者は、管理者端末100を操作し、自分が発行作業を行った非代替トークン型の電子チケットについての所有者IDを、自分(担当者)についての所有者IDから、チケットを購入した会員についての所有者IDに変更するための移転情報(配布情報)を作成し(図2参照)、作成した配布情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する(ステップS8)。この配布情報を作成し、送信する配布処理は、電子チケット移転手段25により実行される。
チケット発行ノード50では、移転情報登録手段52により、電子チケットの移転情報のうちの配布情報(トークンID、チケットID、新旧の所有者IDを含む。図2参照)を受信し、分散型台帳へ登録する(ステップS9)。
<電子チケットの内容を参照する処理の流れ:図10>
図10において、会員またはチケット発行事業者の担当者が、会員の所有する非代替トークン型の電子チケットのデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を参照する場合には、先ず、会員端末110または管理者端末100を操作し、参照対象の会員についての会員ID、または、参照対象の電子チケットについてのチケットID若しくはトークンIDが判っている場合にはチケットID若しくはトークンIDを、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する。電子チケット管理サーバ20では、電子チケット参照手段26により、会員端末110または管理者端末100からネットワーク1を介して送信されてくる会員ID、またはチケットID若しくはトークンIDを受信する(ステップS21)。この際、会員またはチケット発行事業者の担当者が、参照対象のデータ(発行情報、移転情報、出品情報等)を、電子チケット管理サーバ20の電子チケット記憶手段46またはチケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60のいずれから取得するのかを選択できるようにしてもよい。
続いて、電子チケット管理サーバ20の電子チケット記憶手段46から参照対象のデータを取得する場合には、電子チケット参照手段26により、(1)受信した会員IDを用いて取得販売データ記憶手段43からチケットID若しくはトークンIDを取得し、取得したチケットID若しくはトークンIDを用いるか、(2)受信した会員IDを用いて会員情報記憶手段44から当該会員についての所有者IDを取得し、取得した所有者IDを用いるか、(3)受信したチケットID若しくはトークンIDを用いるか、または、(4)受信したチケットIDを用いて取得販売データ記憶手段43からトークンIDを取得し、取得したトークンIDを用いて、電子チケット記憶手段46から電子チケットの情報(パラメータを含む)を取得し、参照要求を行った会員端末110または管理者端末100へ送信する(ステップS22)。この際、電子チケット記憶手段46からの参照対象データの取得は、該当する全てのレコード(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、該当する全てのブロック)について行う。なお、パラメータの素材IDを用いてパラメータ素材記憶手段41からパラメータの説明文(テキスト情報)を取得し、この説明文も併せて、参照要求を行った会員端末110または管理者端末100へ送信してもよい。
一方、チケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60から参照対象のデータを取得する場合には、電子チケット参照手段26により、(1)受信した会員IDを用いて取得販売データ記憶手段43からチケットID若しくはトークンIDを取得し、取得したチケットID若しくはトークンIDを、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信するか、(2)受信した会員IDを用いて会員情報記憶手段44から当該会員についての所有者IDを取得し、取得した所有者IDを、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信するか、(3)受信したチケットID若しくはトークンIDを、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信するか、または、(4)受信したチケットIDを用いて取得販売データ記憶手段43からトークンIDを取得し、取得したトークンIDを、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する(ステップS23)。
チケット発行ノード50では、参照情報取得手段53により、電子チケット管理サーバ20から受信したチケットID若しくはトークンIDを用いるか、または、電子チケット管理サーバ20から受信した所有者IDを用いて、分散型台帳記憶手段60から電子チケットの情報(パラメータを含む)を取得する(ステップS24)。この際、分散型台帳記憶手段60からの参照対象データの取得は、該当する全てのレコード(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、該当する全てのブロック)について行う。
続いて、参照情報取得手段53により、取得した電子チケットの情報(パラメータを含む)を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する(ステップS25)。
その後、電子チケット管理サーバ20では、電子チケット参照手段26により、チケット発行ノード50から送信されてくる電子チケットの情報(パラメータを含む)を受信し、受信した電子チケットの情報を、ネットワーク1を介して参照要求を行った会員端末110または管理者端末100へ送信する(ステップS26)。なお、パラメータの素材IDを用いてパラメータ素材記憶手段41からパラメータの説明文(テキスト情報)を取得し、この説明文も併せて、参照要求を行った会員端末110または管理者端末100へ送信してもよい。
<電子チケットの売買取引の処理の流れ:図11>
図11において、自分の保有する非代替トークン型の電子チケットを売却したい会員は、会員端末110を操作し、会員IDおよびパスワードを用いてログインした後に、出品対象の電子チケットの指定情報(チケットIDおよび/またはトークンID、並びにチケット価格、出品の有効期限を含む)を、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する。なお、自分の保有する非代替トークン型の電子チケットの情報(チケットID、トークンID、パラメータを含む)は、前述した図10の参照要求で得ることができるので、その参照情報を見て、売却したい電子チケットを決めることができる。電子チケット管理サーバ20では、売買支援手段27により、出品対象の電子チケットの指定情報を受け付け、受け付けた指定情報から、電子チケットの出品情報(トークンID、チケットID、チケット価格、出品の有効期限、出品中を示すステータスを含む。図2参照)を作成し、作成した出品情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する出品受付処理を実行する(ステップS41)。
チケット発行ノード50では、出品情報登録手段54により、電子チケット管理サーバ20から送信されてくる電子チケットの出品情報を受信し、分散型台帳記憶手段60に記憶させるとともに、分散型台帳に登録した出品情報(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、出品情報登録手段54により生成したブロック)を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する(ステップS42)。電子チケット管理サーバ20では、売買支援手段27により、受信した出品情報(本実施形態では、ブロック)を、分散型台帳と同期または略同期させる状態で、電子チケット記憶手段46に記憶させる。
その後、他人の保有する非代替トークン型の電子チケットの購入を検討したい会員または会員候補者は、会員端末110を操作し、出品中の電子チケットの情報の参照要求を、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する。電子チケット管理サーバ20では、売買支援手段27により、出品中の電子チケットの情報の参照要求を受け付けると、電子チケット記憶手段46から、出品中の全ての非代替トークン型の電子チケットについての情報(パラメータ、チケット価格を含む)を抽出する。すなわち、ステータス=出品中となっている電子チケットについての出品情報(チケット価格を含む)を抽出し、抽出した出品情報に含まれるトークンIDまたはチケットIDを含む発行情報を取得し、取得した発行情報に含まれるパラメータの素材IDを取得し、取得した素材IDを用いてパラメータ素材記憶手段41からパラメータの説明文(テキスト情報)を取得する。そして、抽出した出品中の電子チケットの情報(チケット価格、パラメータの説明文を含む)の一覧画面を作成し、作成した出品一覧画面(例えば、Web画面)の表示用データを、ネットワーク1を介して参照要求を行った会員端末110へ送信する出品一覧表示処理を実行する(ステップS43)。なお、出品中の電子チケットについての情報(出品情報、発行情報)の抽出は、電子チケット記憶手段46からではなく、分散型台帳からでもよい。電子チケット記憶手段46の設置を省略する場合には、通信回線3を介してのチケット発行ノード50の分散型台帳記憶手段60からの取得となる。
続いて、出品中の非代替トークン型の電子チケットを購入することを決めた会員は、会員端末110を操作し、出品中の電子チケットの購入手続のための情報(購入したい電子チケットについてのトークンIDおよび/またはチケットIDを含む)を、ネットワーク1を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する。電子チケット管理サーバ20では、売買支援手段27により、購入手続のための情報を受け付け、受け付けた情報(購入対象の電子チケットについてのトークンIDおよび/またはチケットID、出品者である会員および購入希望者である会員についての各会員ID、チケット価格を含む)を、売買情報記憶手段47に記憶させる電子チケット購入受付処理を実行する(ステップS44)。
それから、売買支援手段27により、売買情報記憶手段47に記憶された購入手続のための情報を用いて、購入希望者である会員から、出品者である会員へのチケット代金の入金を確認する支払確認処理を実行する(ステップS45)。なお、仮想通貨でのチケット価格の支払いの場合は、売買支援手段27により、チケット発行ノード50への確認要求を行い、チケット発行ノード50の処理手段50Aによる確認処理(ステップS46)の結果を、チケット発行ノード50から通信回線3を介して受信する。
その後、売買支援手段27による支払確認処理でチケット代金の支払いが確認され、売買取引が成立した場合には、電子チケット移転手段25により、売買取引に係る出品中の非代替トークン型の電子チケットの所有権を移転する売買移転処理を実行する(ステップS47)。すなわち、電子チケット移転手段25により、所有者IDを、元の所有者であった会員(出品者)についての所有者IDから、新たな所有者となる会員(購入者)についての所有者IDへ変更するとともに、移転に伴うパラメータの更新(例えば動画の視聴キー等のキー、コンテンツID、ダウンロード用キー、アイテムとの交換用のキーやコイン等の更新)を行うことにより売買移転情報(図2参照)を作成し、作成した売買移転情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する。この際、新しいパラメータは、パラメータ使用対象システム90からオンラインで取得してもよく、パラメータ素材記憶手段41から取得してもよい。
チケット発行ノード50では、移転情報登録手段52により、電子チケット管理サーバ20から送信されてくる電子チケットの売買移転情報を受信し、受信した売買移転情報を、分散型台帳記憶手段60に記憶させるとともに、分散型台帳に登録した売買移転情報(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、移転情報登録手段52により生成したブロック)を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する(ステップS48)。電子チケット管理サーバ20では、電子チケット移転手段25により、受信した売買移転情報(本実施形態では、ブロック)を、分散型台帳と同期または略同期させる状態で、電子チケット記憶手段46に記憶させる。
また、電子チケット移転手段25により、パラメータ素材提供者(アーティスト等)への報酬支払いの処理を実行する(ステップS49)。仮想通貨での報酬の支払いの場合は、電子チケット移転手段25が、支払情報(支払元=チケットを購入した会員またはチケット購入者からチケット代金の支払いを受けた会員についての所有者ID、支払先=パラメータ素材提供者についての所有者ID、支払金額=報酬額)を作成して仮想通貨取引支援手段28に伝達し、この支払情報を、仮想通貨取引支援手段28による支払指示として、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する。
チケット発行ノード50では、処理手段50Aにより、仮想通貨取引支援手段28からの支払指示を受けて、支払情報(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、生成したブロック)を分散型台帳に登録する(分散型台帳記憶手段60に記憶させる)とともに、登録した支払情報を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する(ステップS50)。電子チケット管理サーバ20では、電子チケット移転手段25により、受信した支払情報(本実施形態では、ブロック)を、分散型台帳と同期または略同期させる状態で、電子チケット記憶手段46に記憶させる。
<電子チケットの交換取引の処理の流れ:図12>
図12において、電子チケットの交換取引では、先ず、前述した図11の電子チケットの売買取引におけるステップS41〜S43の処理と同じ処理を実行する。
続いて、出品中の電子チケットと、自己の所有する電子チケットとの交換を行いたい会員(ここでは、会員Bとする。)は、会員端末110を操作し、会員IDおよびパスワードを用いて電子チケット管理サーバ20にログインし、交換の申出のための手続を行う。電子チケット管理サーバ20では、電子チケット移転手段25により、交換の申出を受け付け、出品中の電子チケットおよびこれとの交換対象となる電子チケットの情報(双方のチケットIDおよび/またはトークンID、双方の会員についての各会員ID)を取得する(ステップS61)。
それから、電子チケット移転手段25により、出品中の電子チケットを所有する会員(ここでは、会員Aとする。)に対し、電子メール等により、交換の申出があった旨の通知を行う(ステップS62)。
続いて、電子チケット移転手段25により、会員端末110からネットワーク1を介して送信されてくる交換の申出に対する受諾の可否情報(出品中の電子チケットを所有する会員Aによる交換の申出を受けるか否かの選択情報)を受信する(ステップS63)。
ここで、会員Aが、会員Bからの交換の申出を受諾した場合には、電子チケット移転手段25により、電子チケットの交換処理を実行する(ステップS64)。すなわち、所有者IDの変更および移転に伴うパラメータの更新(キーやコンテンツID等の更新)のための交換情報を作成し、作成した交換情報を、通信回線3を介してチケット発行ノード50へ送信する。この交換情報は、2つの移転情報からなり、一方は、出品中の電子チケットの所有者IDを、会員Aについての所有者IDから、会員Bについての所有者IDに変更するための移転情報であり、他方は、交換対象の電子チケットの所有者IDを、会員Bについての所有者IDから、会員Aについての所有者IDに変更するための移転情報である。
チケット発行ノード50では、移転情報登録手段52により、電子チケット管理サーバ20から送信されてくる交換情報(2つの移転情報)を受信し、受信した2つの移転情報(分散型台帳をイーサリアム等のブロックチェーンとする場合には、生成したブロック)を分散型台帳に登録する(分散型台帳記憶手段60に記憶させる)とともに、登録した2つの移転情報を、通信回線3を介して電子チケット管理サーバ20へ送信する(ステップS65)。電子チケット管理サーバ20では、電子チケット移転手段25により、受信した2つの移転情報(本実施形態では、ブロック)を、分散型台帳と同期または略同期させる状態で、電子チケット記憶手段46に記憶させる。
<本実施形態の効果>
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、電子チケット管理システム10では、チケットに興行参加以外の目的での利用価値を付加するために、パラメータを付与した非代替トークン型の電子チケットを発行するようにしたので、人々は、主目的である興行への参加に加え、新たなエンターテイメントを体験することができる。
また、チケット発行事業者は、パラメータの付与により電子チケットの価値を高めるとともに、価値に多様性を持たせることができるので、チケット販売を促進することができることに加え、移転(但し、配布を除く)に伴って手数料を徴収することもでき、新たな収益基盤を得ることができる。
さらに、非代替トークン型の電子チケットは、発行情報およびその後の移転情報を分散型台帳に登録されるので、主目的である興行の開催前および開催後を含む長い期間に渡り、非代替トークン型の電子チケットを所有する個人の所有履歴を記録しておくことができる。従って、情報の改ざんが困難な分散型台帳の特徴を活かし、個人の所有履歴を長期間に渡り、保障することができる。このため、電子チケットの所有権の移転が確実に行われたという保障が得られるので、移転に伴うリスク、すなわち、ある電子チケットの所有権を得ることの対価として、自己の保有する金銭等の価値物を手放すという取引、逆の立場で見れば、ある電子チケットの所有権を手放すことの対価として、金銭等の別の価値物を得るという取引に伴うリスクを低減することができるとともに、取引の安全性の確保により、取引の活性化を期待することができる。
そして、電子チケット管理システム10は、売買支援手段27および出品情報登録手段54により、売買支援を行い、電子チケット移転手段25および移転情報登録手段52により、売買取引に伴う移転情報を作成し、分散型台帳に登録する構成とされているので、非代替トークン型の電子チケットの売買移転の実現により、非代替トークン型の電子チケットの存在価値(利用価値)を高めることができる。すなわち、ある会員にとっては、不要となった非代替トークン型の電子チケットであっても、別の会員にとっては、利用価値の高いものである場合があり、そのような場合に、売買移転を行うことで、非代替トークン型の電子チケットの存在価値を高めることができる。
この際、売買支援手段27は、会員端末110に出品中の電子チケットの一覧表示画面を送信する出品一覧表示処理を実行するが、この出品一覧表示画面には、各パラメータの内容として、説明文(テキスト情報、図4の説明文入力部204参照)が表示されるので、出品中の電子チケットの購入を検討する者は、その電子チケットに付与されているパラメータの詳細内容を把握することができる。さらに、売買支援手段27は、出品一覧表示画面に、各パラメータの発行枚数上限(図4の発行枚数上限入力部210参照)や、同じ種類の電子チケット(同じパラメータ群を付与した同じパラメータイメージ名の電子チケット)の発行枚数(図5の発行枚数入力部312参照)も表示することができるので、出品中の電子チケットの購入を検討する者は、その電子チケットについて、個々のパラメータの発行枚数上限や、パラメータ全体(パラメータイメージ名)としての発行枚数を確認し、購入を検討中の電子チケットの希少性を把握することができる。このため、一覧表示中に、発行枚数が少なく、かつ、希少性を有する電子チケットが含まれていれば、その電子チケットを収集し、所有したいという人間の感情を助長することができる。
また、売買に伴う移転情報を分散型台帳に登録するので、非代替トークン型の電子チケットの所有権が売買により移転されたという事実が、情報の改ざんが困難な状態で記録され、これにより自己の所有を証明できる状態となる。このため、会員は、安心して売買を行うことができる。
さらに、電子チケット管理システム10は、売買取引が成立した場合に、パラメータ素材提供者(アーティスト等)への報酬の支払いを行う構成とされているので、パラメータ素材提供者は、パラメータ素材の提供について、対価を得ることができる。このため、提供するパラメータ素材が、例えば、アーティストの創作物である場合には、アーティストは、自己の創作物を他人に提供することにつき、売買取引に係るチケット価格に対する一定割合の金額を、対価として得ることができるので、創作の対価の新たな入手チャンネルを得ることができる。
また、パラメータ素材登録手段22は、入力した報酬の割合の適正度をチェックすることができる構成とされているので(図4の「入力した報酬の適正度チェック実行」ボタン233、図8参照)、パラメータ素材提供者(アーティスト等)が、自分の提供するパラメータ素材について報酬の割合を設定する際に、そのパラメータ素材が、チケット発行事業者の担当者によりパラメータとして選ばれる確率が高まるように、報酬の割合を設定することができる。
さらに、電子チケット移転手段25は、売買移転に伴ってパラメータの更新処理を行う構成とされているので、売買移転前の所有者によるパラメータの利用を防ぎ、売買移転後の新たな所有者のみにパラメータを利用させることができる。例えば、権限のパラメータが、動画の視聴キーであれば、売買移転前の所有者が保有していた視聴キーでは、パラメータ使用対象システム90での動画視聴ができなくなるようにすることができる。また、コンテンツのパラメータが、コンテンツIDとして付与されている場合に、売買移転前の所有者が保有していた古いコンテンツIDを用いてパラメータ使用対象システム90から取得することができる動画や静止画等のコンテンツの内容と、売買移転後の所有者が保有する新たなコンテンツIDを用いてパラメータ使用対象システム90から取得することができる動画や静止画等のコンテンツの内容とを、異なる状態とすることにより、電子チケットの新たな所有者が獲得するコンテンツを、前の所有者が獲得していたコンテンツの単なる複製物ではないものとすることができる。具体的には、例えば、動画や静止画等のコンテンツに付帯させる電子署名を、コンテンツID毎に変えることができる。
また、電子チケット管理システム10は、電子チケット発行手段24により、複数の担当者のうちのいずれかがパラメータの付与を伴う非代替トークン型の電子チケットの発行作業を行い(図5参照)、電子チケット移転手段25により、その発行作業を行った担当者から会員への所有権の移転による配布処理を行う構成とされているので、一旦、チケット発行事業者の担当者に所有権を発生させることから、発行作業を行った担当者を分散型台帳に記録してその発行コンセプトを残すことができるとともに、会員によるチケットの購入前(予約確定前)に、担当者が非代替トークン型の電子チケットを発行して用意しておくこともできる(図3の(B)参照)。
さらに、電子チケット管理システム10は、会員希望受付手段23を備えているので、非代替トークン型の電子チケットを発行するか若しくは発行した担当者を選択するための会員希望情報の入力を受け付けることができる(図6参照)。このため、チケットを購入する会員は、自分の趣味嗜好に合ったパラメータを付与された非代替トークン型の電子チケットを入手することができるので、チケットを購入する会員の満足度を、より一層高めることができる。
そして、会員希望受付手段23は、趣味嗜好ベクトルにより担当者を自動決定することができる構成とされているので(図6の「自動決定へ進む」ボタン418、図7参照)、チケットを購入する会員は、各担当者の個人的な趣味嗜好を意識することなく、自分の趣味嗜好に合った担当者を選択することができる。
<変形の形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、電子チケット管理システム10は、電子チケット管理サーバ20と、チケット発行ノード50とにより構成されていたが、本発明の電子チケット管理システムは、必ずしもこのような分割形態をとる必要はなく、これらを一体化したシステムとしてもよい。
また、前記実施形態では、チケットを購入した会員が、チケット発行事業者に所属する複数の担当者の中から、自分が入手する非代替トークン型の電子チケットの発行作業を行う担当者または発行作業を行った担当者を選ぶことができるようになっていたが、担当者を選ぶことができないシステムとしてもよく、また、複数の担当者が発行作業を行うことを前提としないシステムとしてもよい。
さらに、前記実施形態では、非代替トークン型の電子チケットの発行直後の所有者は、チケット発行事業者の担当者とされ、その後の配布処理で、チケットを購入した会員に所有権が移転するようになっていたが、最初から会員に所有権が発生するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、非代替トークン型の電子チケットに付与されるパラメータについて、パラメータ素材提供者(アーティスト等)またはパラメータ使用対象システム90の管理者によりパラメータの使用期限が設定可能となっていたので(図4の説明文入力部204参照)、1つの電子チケットに複数のパラメータが付与されている場合は、パラメータ毎に異なる使用期限となる場合があったが、チケット発行事業者の担当者が、電子チケットの使用期限、すなわちパラメータ全体としての使用期限を設定可能な構成としてもよい。また、個々のパラメータの使用期限の設定と、パラメータ全体としての使用期限の設定とを、混在させてもよく、その場合は、個々のパラメータのうちのいずれかの使用期限が、パラメータ全体としての使用期限よりも早い時期に到来したときには、そのパラメータだけが使用できなくなり、逆に、個々のパラメータのうちのいずれかの使用期限が、パラメータ全体としての使用期限よりも遅い時期に到来するとしても、そのパラメータは、パラメータ全体としての使用期限までしか使用できなくなる。なお、チケット発行事業者の担当者が、電子チケットの使用期限を設定した場合は、その使用期限は、発行情報として分散型台帳に登録される。