JP2021129425A - 交流チョッパ回路の制御装置 - Google Patents

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【課題】切り替えタイミングのずれに起因する入力電流への振動の重畳を防ぐことができる交流チョッパ回路の制御装置を提供する。【解決手段】単相の交流電源の出力側に、一組の半導体スイッチング素子と、一組のダイオードとを並列に接続したチョッパ回路において、前記一組の半導体スイッチング素子のオン、オフタイミングを切り替える位相信号θを出力するPLLブロックに設けられた位相指令値演算ブロックであり、位相信号θを入力とし、交流電源電圧に対して90deg位相のずれた正弦波sinθを出力する正弦値テーブル101と、交流チョッパ回路の入力電流Ichpと正弦波sinθを乗算する乗算器102と、乗算器102の出力から直流成分(無効電力成分)を抽出するLPF103と、LPF103の出力を比例積分演算により増幅するPIアンプ104とを有し、PIアンプ104の出力を位相指令値として出力する。【選択図】 図5

Description

本発明は、交流チョッパ回路の制御装置に関し、例えば単相インバータの1レグをダイオードに置換した交流チョッパ回路において、電流ひずみを抑えるための技術に関する。
図1に代表的な交流チョッパ回路の主回路構成を示す。図1において、単相の交流電源11の一端は、LCフィルタを構成するリアクトル12a,12bを介して、上、下アームとして直列接続された一組の半導体スイッチング素子Sa,Sbの共通接続点に接続されている。半導体スイッチング素子Sa,Sbは、例えば図示のMOSFETやIGBTなどで構成されている。
交流電源11の他端は、直列接続された一組のダイオード13a,13bの共通接続点に接続されている。
14は交流チョッパ回路の直流出力側のコンデンサであり、このコンデンサ14と、ダイオード13a,13bの直列回路と、半導体スイッチング素子Sa,Sbの直列回路(以下、これをレグと称することもある)は並列に接続されている。
リアクトル12a,12bの共通接続点と交流電源11の他端の間には、LCフィルタを構成するコンデンサ15が接続されている。
交流電源11の両端間には計器用変圧器16が接続され、その二次側には交流電源電圧検出値V1が得られる。
前記下アームの半導体スイッチング素子Sbの両端間(ドレイン−ソース間)には、半導体スイッチング素子電圧検出回路として作用する抵抗17,18が直列に接続されている。これら抵抗17,18によって分圧された電圧が半導体スイッチング素子電圧検出値Vdsとして出力される。
図中のIoutは交流電源11の出力電流、Ichpは交流チョッパ回路の入力電流(チョッパ入力電流)、Vdcはコンデンサ14の両端間の直流電圧を各々示している。
上記構成において、半導体スイッチング素子Sa,Sbを図示省略の制御装置によってオン、オフ制御することで、有効電力を交流電源11側からVdcへ一方向のみ流すことができる。
尚、特許文献1には、汎用インバータにおいて、入力電圧が急変しても応答性が良く、出力電圧と目標電圧とが一致するように制御する技術が開示されている。
特開平10−337032号公報
図1の交流チョッパ回路を含む交流チョッパは、交流電源電圧V1の極性にあわせて、スイッチングを行う半導体スイッチング素子を適切に切り替える必要がある。
図4に切り替えタイミングがずれてしまったときのシミュレーション波形を示す。図4(a)は切り替えのタイミングが0.01rad=0.57deg早すぎる場合、図4(b)は最適の場合、図4(c)は遅すぎる場合を各々示している。
図4の上段は入力電流Ichpの波形、下段は交流電源の出力電流Ioutの波形であり、図4(a),(c)の上段では零クロス付近で瞬間的にひげ状の異常電流が流れている。この異常電流が発生した瞬間からLC共振による振動が重畳し、基本波半周期である程度減衰するが、次の異常電流発生時に振動が拡大してしまう。この現象は、以下の場合に顕著になる。
(1)スイッチングを行う半導体スイッチング素子切り替えのタイミングずれが大きい
(2)同期整流を適用している
(3)フィルタL(図1のリアクトル12a,12b)が小さい
(4)入力電流が小さい
(5)装置の交流側にフィルタとしてのコンデンサ(図1のコンデンサ15)が接続されている。
フィルタコンデンサは除去することもできるが、スイッチングリプルが交流電源側に流出してしまう。また、系統に力率調整用のコンデンサが接続されていれば共振を誘発してしまう。電流へのこのような振動の重畳は、LCの発熱や焼損、騒音の発生、周辺の機器の誤動作を引き起こしてしまう。
特許文献1は、交流電源電圧が急変した場合において、電流の偏差を小さくすることを目的としているため、上記現象には対応することができない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、交流チョッパ回路において、上記のような切り替えタイミングのずれに起因する入力電流への振動の重畳を防ぐことができる交流チョッパ回路の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の交流チョッパ回路の制御装置は、
コンデンサと、上、下アームとして直列接続された一組の半導体スイッチング素子と、直列接続された一組のダイオードとを並列に接続し、前記一組の半導体スイッチング素子どうしの共通接続点と前記一組のダイオードどうしの共通接続点との間に単相の交流電源を接続した交流チョッパ回路の制御装置であって、
前記交流チョッパ回路の入力電流を検出した入力電流検出値が入力電流指令値になるように制御する電流制御ブロックと、
基準正弦波から演算したデューティ比に前記電流制御ブロックの出力を重畳して出力電圧指令値を演算する出力電圧指令値演算ブロックと、
前記交流チョッパ回路の入力電流の無効電力が零になるようにフィードバックループを構成した位相指令値演算ブロックにより演算された位相指令値と、前記単相の交流電源の電圧を検出した交流電源電圧検出値、又は前記一組の半導体スイッチング素子のうち下アームに接続された半導体スイッチング素子の両端間電圧を検出した半導体スイッチング素子電圧検出値、又は前記出力電圧指令値演算ブロックで演算された1演算周期前の出力電圧指令値から求めた電圧位相との偏差に基づいて、前記単相の交流電源の電圧に同期した位相信号を演算するPLLブロックと、
前記PLLブロックで演算された位相信号、前記出力電圧指令値演算部で演算された出力電圧指令値およびキャリア信号に基づいて、前記一組の半導体スイッチング素子のゲート信号を生成するPWM変調ブロックと、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の交流チョッパ回路の制御装置は、請求項1において、
前記PLLブロックの位相指令値演算ブロックは、
前記PLLブロックで演算された位相信号θを入力とし、交流電源電圧に対して90deg位相のずれた正弦波sinθを出力する正弦値テーブルと、
前記交流チョッパ回路の入力電流と前記正弦波sinθを乗算する乗算器と、
前記乗算器の出力から直流成分を抽出する低域通過フィルタと、
前記低域通過フィルタの出力を比例積分演算により増幅するPIアンプとを有し、
前記PIアンプの出力を位相指令値として出力することを特徴としている。
請求項3に記載の交流チョッパ回路の制御装置は、請求項1において、
前記PLLブロックの位相指令値演算ブロックは、
前記PLLブロックで演算された位相信号θを入力とし、交流電源電圧に対して90deg位相のずれた正弦波sinθを出力する正弦値テーブルと、
前記交流チョッパ回路の入力電流と前記正弦波sinθを乗算する乗算器と、
前記乗算器の出力から直流成分を抽出する低域通過フィルタと、
前記低域通過フィルタの出力を比例積分演算により増幅するPIアンプと、
運転により前記位相指令値演算ブロックのフィードバックループが有効となっているときの前記PIアンプの出力を位相指令値として出力するか、又は運転時に記憶しておいたPIアンプの出力値を固定の位相指令値として出力するかを切り替える手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の交流チョッパ回路の制御装置は、請求項2又は3において、
前記PLLブロックの位相指令値演算ブロックは、
前記交流チョッパ回路の入力電流振幅指令値と交流側インダクタンス値の積に比例した値を、前記位相指令値に加算して位相指令値を補正することを特徴としている。
(1)請求項1〜4に記載の発明によれば、半導体スイッチング素子のオン、オフの切り替えタイミングを自動的に調整して異常電流の発生を抑制することができる。また、無効電力を零とすることができ、力率の向上、入力電流の振幅減少、損失低減が可能となる。
(2)請求項3に記載の発明によれば、例えば通常運転時の位相指令値には、試運転時に記憶しておいた固定の位相指令値を用いることができるので、装置の安定性が向上し、運転開始直後から電流の異常波形を抑制することができる。
また例えば、試運転時に記憶しておいた固定の位相指令値を用いて通常運転を行っている場合でも、入力電流振幅指令値が低下したら一時的に位相指令値演算ブロックのフィードバックループを有効とし、位相指令値を切り替えて再調整することができる。これによって、検出器等の経年変化に追従することができる。
(3)請求項4に記載の発明によれば、入力電流振幅が変化しても常に電流の異常波形を抑制することができる。
代表的な交流チョッパ回路の主回路構成図。 本発明の実施形態による交流チョッパの制御ブロック図。 図2の要部のブロック図。 スイッチングを行う素子の切り替えタイミングのずれによる電流波形への影響を示す説明図。 本発明の実施例1の位相指令値演算ブロック図。 本発明の実施例2の位相指令値演算ブロック図。 本発明の実施例3の位相指令値演算ブロック図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。図2は、図1の交流チョッパ回路に適用される本発明の実施形態例による制御ブロックを示している。
図2において、21は、図1の交流チョッパ回路の入力電流を、図示省略の変流器により検出した入力電流検出値Ichpを入力とし、Ichpからノイズやスイッチングリプルなどを除去するLPF(低域通過フィルタ)である。
22は、後述のPLLブロック50で演算された、単相の交流電源11の電圧に同期した位相θに対応する余弦値(cosθ)と、設定した入力電流振幅指令値Ichp*とを乗算する乗算器である。ただし、余弦値(cosθ)は予め用意した余弦値テーブル31を参照して求める。
23は、乗算器22の出力である瞬時の電流振幅指令値Ichp*cosθ(入力電流指令値)から、LPF21の出力を減算する減算器である。
24は、減算器23の出力を入力し、ゲインをかけて比例した値を出力するPアンプ(電流制御アンプ)である。尚、Pアンプ24は、基本波周波数に対してゲインが無限大になる共振アンプを併用する場合がある。
前記LPF21、乗算器22、減算器23およびPアンプ24は、入力電流検出値Ichpが瞬時の電流振幅指令値Ichp*cosθ(入力電流指令値)になるように制御して出力電圧指令V*を演算する電流制御ブロックを構成しており、一般的な電流制御により出力電圧指令値V*を求めている。
32は、図1のコンデンサ14の両端電圧を検出した直流電圧検出値Vdcからその逆数を除算器33によって求めた1/Vdcと、前記cosθとを乗算して基準正弦波cosθ/Vdcを求める乗算器である。
34は、Pアンプ24の出力である出力電圧指令値V*と乗算器32の出力である基準正弦波cosθ/Vdcを乗算する乗算器である。
35は、乗算器34の出力を一時的に記憶し、1演算周期前の出力電圧指令値V*´を出力するバッファである。
PLLブロック50は、交流チョッパ回路の入力電流の無効電力が零になるようにフィードバックループを構成した、後述の位相指令値演算ブロックを有し、半導体スイッチング素子電圧検出値Vds又は交流電源電圧検出値V1又は1演算周期前の出力電圧指令値V*´から求めた電圧位相のいずれかを入力とし、図1の交流電源11の電圧に同期した位相信号θを演算して出力する。
61はPアンプ24から出力される出力電圧指令値V*を2倍する乗算器、62は乗算器32から出力される基準正弦波cosθ/Vdcを2倍する乗算器である。
63は乗算器62の出力2cosθ/Vdcに2を加算する加算器、64は乗算器62の出力2cosθ/Vdcから2を減算する減算器である。
65は加算器63の出力にデューティ比を補正するための補正係数αを乗算する乗算器、66は減算器64の出力にデューティ比を補正するための補正係数αを乗算する乗算器である。
補正係数αは、設定した固定の補正係数であるか、又は例えば瞬時の電流振幅指令値Ichp*cosθの絶対値が、リプル電流のピークtoピークの半分の値Irpl/2よりも小さく、且つ入力電流振幅指令値Ichp*が閾値Ith以下である場合0〜1となり、それ以外の場合は1となる補正係数である。
尚、補正係数αを用いない場合には乗算器65、66は除外する。
67は、乗算器65の出力又は加算器63の出力から1を減算する減算器、68は乗算器66の出力又は減算器64の出力に1を加算する加算器である。減算器67、加算器68からは、図1の半導体スイッチング素子Sa,Sbのスイッチングのデューティ比(基準正弦波cosθ/Vdcから演算したデューティ比)が各々出力される。
69は、減算器67の出力から乗算器61の出力を減算して(前記デューティ比に出力電圧指令値V*の2倍成分を重畳して)出力電圧指令α(2cosθ/Vdc+2)−1−2V*を出力する減算器である。
70は、加算器68の出力から乗算器61の出力を減算して(前記デューティ比に出力電圧指令値V*の2倍成分を重畳して)出力電圧指令α(2cosθ/Vdc−2)+1−2V*を出力する減算器である。
71は、前記cosθが、マイナスならば減算器69から出力される出力電圧指令α(2cosθ/Vdc+2)−1−2V*を選択し、プラスならば減算器70から出力される出力電圧指令α(2cosθ/Vdc−2)+1−2V*を選択するスイッチである。
前記乗算器32,34,61,62,65,66、バッファ35、加算器63,68、減算器64,67,69,70およびスイッチ71によって、出力電圧指令値演算ブロックを構成している。
72は−1から1の間で変化するキャリア三角波を出力するキャリア生成部であり、このキャリア三角波は減算器73において、スイッチ71により選択された出力電圧指令から減算される。
74は、減算器73の減算出力がプラスであることを検出する比較器である。75は比較器74の出力にデッドタイムを付加するデッドタイム付加部であり、このデッドタイム付加部75から図1の半導体スイッチング素子Sa,Sbのゲート信号が出力される。
前記キャリア生成部72、減算器73、比較器74およびデッドタイム付加部75によってPWM変調ブロックを構成している。
図2の制御ブロックでは、同期整流を適用することを想定している。図1の半導体スイッチング素子Sa,SbがMOSFETの場合、電流が逆並列ダイオードを流れている最中にMOSFETをONすると、電流はMOSFETを流れる。このとき、MOSFET寄生の逆並列ダイオードよりもMOSFET本体の方が特性が良いため、導通損を低減することができる。入力電流検出値Ichp>0の時、本来ならば下アームの半導体スイッチング素子Sbだけをスイッチングさせればよいが、SbがOFFの時は上アームの半導体スイッチング素子SaをONすることにより同期整流を行う。
交流電源電圧検出値V1≒0の時、V1>0ならばIchp>0となりダイオード直列回路の下アーム側のダイオード13bが導通するため、チョッパ出力電圧を0付近にするにはキャリア三角波と比較する出力電圧指令値を−1付近にして半導体スイッチング素子SbのON時間を長くする。同様にV1<0ならば出力電圧指令値を1付近にして半導体スイッチング素子SaのON時間を長くする。この操作を図2の出力電圧指令値演算ブロックにて行う。
そして図2のPWM変調ブロックでは、出力電圧指令値をキャリア三角波と比較しデッドタイムを付加して得られたゲート指令を、図1の対応する半導体スイッチング素子に入力する。
前記PLLブロック50の詳細は図3のように構成されている。図3のPLLブロック50は、図1の計器用変圧器16により検出された交流電源電圧検出値V1と、図1の抵抗17,18の分圧により検出された半導体スイッチング素子電圧検出値Vdsと、図2のバッファ35から出力される1演算周期前の出力電圧指令値V*´とが入力される。
51は、半導体スイッチング素子電圧検出値Vdsに、設定したゲインG(例えばG=2)をかける乗算器である。
52は、交流チョッパ回路が停止中ならば乗算器51の出力である2Vdsを、運転中ならば図2のバッファ35の出力である1演算周期前の出力電圧指令値V*´を各々選択して出力するスイッチである。
53は、交流電源電圧検出値V1か、又はスイッチ52の出力を選択して出力するスイッチである。
54は、スイッチ53の出力と、後述の正弦値テーブル59から出力される、交流電源電圧に対して90deg遅れた正弦波sinθとの積を求める乗算器である。
55は乗算器54の出力から直流成分を抽出するLPFである。
56は、LPF55の出力と、後述する交流チョッパ回路の入力電流の無効電力が零になるようにフィードバックループを構成した位相指令値演算ブロックにより演算された位相指令値との偏差を求める減算器である。
57は、減算器56の出力を入力し、ゲインをかけて比例した値と積分した値を足し合わせて出力するPIアンプであり、PIアンプ57の出力は交流電源電圧の角周波数ωに相当する。
58は、PIアンプ57の出力である角周波数ωを積分して位相信号θを求める積分器である。積分器58から出力される位相信号θは、図2の余弦値テーブル31に入力されるとともに、正弦値テーブル59に入力される。正弦値テーブル59では、テーブル内に用意された位相θに対応する正弦値が参照され、交流電源電圧に対して90deg遅れた正弦波sinθが生成される。
スイッチ53がスイッチ52の出力を選択しているとき、装置の停止中では半導体スイッチング素子電圧検出値Vdsを、運転中では1演算周期前の出力電圧指令値V*´を入力し、乗算器54において90degずれた正弦波sinθ(正弦値テーブル59の出力)との積を求める。入力がsinθに対して正確に90degずれているならば、乗算器54の出力からLPF55によって抽出した直流成分は零である。
しかし、入力がθに対して遅れていてsinθとの位相ずれが90degに満たない場合は、入力にsinθとの同相成分が含まれるので、直流成分はプラスになる。同様に、入力がθに対して進みならばLPF55の出力はマイナスになる。LPF55の出力と位相指令値との偏差をPIアンプ57で増幅しており、入力が遅れならば、PIアンプ57の出力である角周波数ωは減少し、位相θも遅れて入力信号に同期する。
装置の運転中は、PLLブロック50の出力位相であるθと交流電源位相が大きくずれた場合、本来ならば異常な電流が流れるが、電流制御ブロックの制御により異常電流が抑制されるよう、すなわち電源電圧位相と装置の出力電圧位相が揃うように出力電圧指令値V*が補正される。その結果をバッファ35を介してPLLブロック50に入力することで、位相信号θを交流電源位相に同期させることができる。
装置の停止中は、半導体スイッチング素子電圧検出値VdsをPLLブロック50の入力信号としている。半導体スイッチング素子電圧検出値VdsにはゲインGをG=2倍する乗算器51を追加しているが、これは交流電源電圧がプラスの場合電流は図1の分圧抵抗(抵抗17,18)とダイオード下アーム(ダイオード13b)を通過し、Vdsは交流電源電圧に比例した値となる。交流電源電圧がマイナスの場合は電流の流れる経路が存在せず、半導体スイッチング素子電圧検出値Vdsは零である。
そのため、半導体スイッチング素子電圧検出値Vdsは半波整流状の波形になり、LPF55の出力は半分になる。一方、1演算周期前の出力電圧指令値V*´は正弦波状の波形のためLPF54の出力に2倍の差が生じる。この差を除去するため、乗算器51においてVdsをあらかじめ2倍してPLLブロック(50)に入力している。
前記図3の減算器56に入力される位相指令値は、以下に示す実施例1〜3の位相指令値演算ブロックにより演算される。
図5は実施例1の位相指令値演算ブロックを示し、101は、PLLブロック50で演算された位相信号θを入力とし、交流電源電圧に対して90deg位相のずれた正弦波sinθを出力する正弦値テーブルである。
正弦値テーブル101から出力される正弦波sinθは、乗算器102において交流チョッパ回路の入力電流検出値Ichpとの積が求められる。
103は乗算器102の出力から直流成分を抽出するLPF(低域通過フィルタ)である。
104は、LPF103の出力を比例積分演算により増幅するPIアンプであり、その出力は位相指令値として図3のPLLブロックの減算器56に入力される。
図4の異常波形はIchpの零クロス付近で発生するため、無効電力成分を持つ。また、図4の(a)と(c)では互いに逆向きに発生する。実施例1ではこの異常波形を無効電力として検出する。図5のブロックにおいて、Ichpとsinθを乗算器102で乗算し、LPF103にて直流成分を抽出することで無効電力成分に相当する値を検出することができる。これをPIアンプ104に入力することでフィードバックループを構成し、PIアンプ104の入力である無効電力成分が零になるようPIアンプ104によって位相指令値が自動的に適切な値に調整される。これにより、異常波形を抑制することができる。
本実施例1により、スイッチングを行う半導体スイッチング素子(Sa,Sb)を切り替えるタイミング(位相信号θ)を自動的に調整し、異常波形を抑制することができ、交流電源(11)への高調波流出を抑えることができる。同期整流を適用しても異常波形が発生しなくなり、同期整流の長所である効率向上効果を得ることができる。また、無効電力が零になるため、わずかではあるが力率の向上、入力電流の振幅減少、損失低減につながる。
実施例1のPIアンプ104は、安定性向上のためPLL(PLLブロック50)よりもさらに応答速度を遅くする必要がある。そのため、運転を開始してからしばらくの間は図4(a),(c)のように電流に振動が重畳してしまう。位相指令値を適切な固定値に設定すればよいが、その求め方が問題となる。適切な位相指令値は、入力電流検出値Ichpや交流電源電圧検出値V1の検出遅延に依存する。検出器や入力回路の特性が装置ごとに異なることを考慮すると、装置ごとに位相指令値を調整する必要が生じる。
そこで、本実施例2では最初に実施例1と同じ位相指令値演算ブロックで試運転を行い、フィードバックにより適切な位相指令値を求めて記憶し、実際の運転で前記記憶した値を固定の位相指令値として図3のPLLブロックに入力するように構成した。
図6は実施例2の位相指令値演算ブロックを示している。図6において図5と異なる点は、PIアンプ104の出力側にスイッチ105(切り替え手段)を設け、例えば試運転時に、スイッチ105をPIアンプ104側に接続してフィードバックにより適切な位相指令値を求め、それを例えば図示省略のメモリに記憶しておき、通常運転時にはスイッチ105を前記記憶した値側に接続して固定の位相指令値として出力することにあり、その他の部分は図5と同一に構成されている。
以上の動作により位相指令値の調整を自動で行うことができる。通常運転ではフィードバックループが1つなくなるため安定性の向上が期待でき、運転開始直後から図4(b)のような正常な電流波形を得ることができる。
試運転は異常波形が出やすい条件で行う必要があり、入力電流振幅指令値Ichp*が10%以下になったら一時的にスイッチ105をPIアンプ104側に接続してフィードバックループを有効にし、位相指令値の再調整を行うことで経年変化に追従することができる。
本実施例2により、スイッチングを行う半導体スイッチング素子(Sa,Sb)を切り替えるタイミング(位相信号θ)を適切な固定値にするため、装置の安定性が向上し、運転開始直後から異常波形を抑制し高調波流出を抑えることができる。前記固定値の調整は自動で行うため、調整作業を簡略にできる。
通常運転時においても入力電流振幅指令値Ichp*が小さいときに一時的にPIアンプ104によるフィードバックループを有効にすることで、装置の経年変化に追従することができる。
図1において、スイッチングを行う半導体スイッチング素子(Sa,Sb)の切り替えは、スイッチングを行うレグの交流端子電圧の位相を用いる必要がある。PLL(PLLブロック50)にVdsやV*´を用いる(図3のスイッチ53をスイッチ52側に切り替える)場合は問題ないが、V1を使用する(図3のスイッチ53をV1側に切り替える)場合は、交流端子電圧の位相とV1位相との間に差が生じる。
この差は、V1検出点(計器用変圧器16が接続されている点)からスイッチングを行うレグの交流端子(半導体スイッチング素子Sa,Sbの共通接続点)までのインダクタンスと入力電流の振幅との積で決定する。
そこで、本実施例3では、入力電流振幅指令値Ichp*と前記インダクタンスから位相差を求め、これを用いて位相指令値を補正するように構成した。これにより、電流振幅が変化しても常に電流の異常波形を抑制することができる。
図7は実施例3の位相指令値演算ブロックを示している。図7において図6と異なる点は、設定した入力電流振幅指令値Ichp*に、図1のV1検出点から半導体スイッチング素子Sa,Sbの共通接続点までのインダクタンス値に設定したゲインGを乗算する乗算器106と、乗算器106の出力をスイッチ105の出力に加算する加算器107とを設けたことにあり、その他の部分は図6と同一に構成されている。
乗算器106からは、図1のV1検出点の電圧位相と半導体スイッチング素子Sa,Sbの共通接続点電圧の位相との位相差が出力され、加算器107からは前記位相差を補正した位相指令値が出力される。これによって、電流振幅が変化した場合でも異常波形を抑制することができる。
11…交流電源
12a,12b…リアクトル
13a,13b…ダイオード
14,15…コンデンサ
16…計器用変圧器
17,18…抵抗
21,55,103…LPF
22,32,34,51,54,61,62,65,66,102,106…乗算器
23,56,64,67,69,70,73…減算器
24…Pアンプ
31…余弦値テーブル
33…除算器
35…バッファ
50…PLLブロック
52,53,71,105…スイッチ
57,104…PIアンプ
58…積分器
59,101…正弦値テーブル
63,68,107…加算器

Claims (4)

  1. コンデンサと、上、下アームとして直列接続された一組の半導体スイッチング素子と、直列接続された一組のダイオードとを並列に接続し、前記一組の半導体スイッチング素子どうしの共通接続点と前記一組のダイオードどうしの共通接続点との間に単相の交流電源を接続した交流チョッパ回路の制御装置であって、
    前記交流チョッパ回路の入力電流を検出した入力電流検出値が入力電流指令値になるように制御する電流制御ブロックと、
    基準正弦波から演算したデューティ比に前記電流制御ブロックの出力を重畳して出力電圧指令値を演算する出力電圧指令値演算ブロックと、
    前記交流チョッパ回路の入力電流の無効電力が零になるようにフィードバックループを構成した位相指令値演算ブロックにより演算された位相指令値と、前記単相の交流電源の電圧を検出した交流電源電圧検出値、又は前記一組の半導体スイッチング素子のうち下アームに接続された半導体スイッチング素子の両端間電圧を検出した半導体スイッチング素子電圧検出値、又は前記出力電圧指令値演算ブロックで演算された1演算周期前の出力電圧指令値から求めた電圧位相との偏差に基づいて、前記単相の交流電源の電圧に同期した位相信号を演算するPLLブロックと、
    前記PLLブロックで演算された位相信号、前記出力電圧指令値演算部で演算された出力電圧指令値およびキャリア信号に基づいて、前記一組の半導体スイッチング素子のゲート信号を生成するPWM変調ブロックと、
    を備えたことを特徴とする交流チョッパ回路の制御装置。
  2. 前記PLLブロックの位相指令値演算ブロックは、
    前記PLLブロックで演算された位相信号θを入力とし、交流電源電圧に対して90deg位相のずれた正弦波sinθを出力する正弦値テーブルと、
    前記交流チョッパ回路の入力電流と前記正弦波sinθを乗算する乗算器と、
    前記乗算器の出力から直流成分を抽出する低域通過フィルタと、
    前記低域通過フィルタの出力を比例積分演算により増幅するPIアンプとを有し、
    前記PIアンプの出力を位相指令値として出力することを特徴とする請求項1に記載の交流チョッパ回路の制御装置。
  3. 前記PLLブロックの位相指令値演算ブロックは、
    前記PLLブロックで演算された位相信号θを入力とし、交流電源電圧に対して90deg位相のずれた正弦波sinθを出力する正弦値テーブルと、
    前記交流チョッパ回路の入力電流と前記正弦波sinθを乗算する乗算器と、
    前記乗算器の出力から直流成分を抽出する低域通過フィルタと、
    前記低域通過フィルタの出力を比例積分演算により増幅するPIアンプと、
    運転により前記位相指令値演算ブロックのフィードバックループが有効となっているときの前記PIアンプの出力を位相指令値として出力するか、又は運転時に記憶しておいたPIアンプの出力値を固定の位相指令値として出力するかを切り替える手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の交流チョッパ回路の制御装置。
  4. 前記PLLブロックの位相指令値演算ブロックは、
    前記交流チョッパ回路の入力電流振幅指令値と交流側インダクタンス値の積に比例した値を、前記位相指令値に加算して位相指令値を補正することを特徴とする請求項2又は3に記載の交流チョッパ回路の制御装置。
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