JP2021127736A - 燃料電池用水素循環ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転軸が撓んだ状態で回転することを抑制することが可能であり、かつ低温時に起動しやすい燃料電池用水素循環ポンプを得る。【解決手段】燃料電池用水素循環ポンプは、ハウジング1と、ギヤ室4b側からロータ室3b内に突出する第1回転軸11および第2回転軸21と、ロータ室3b内で第1回転軸11と一体回転可能に設けられた第1ロータ10と、ロータ室3b内で第2回転軸21と一体回転可能に設けられ、第1ロータ10と噛み合う第2ロータ20と、モータ室5b内に設けられ、第1回転軸11を駆動可能なモータ機構18とを備え、ハウジング1は、軸方向においてロータ室3bに対してギヤ室4b側とは反対側に配置される、リヤハウジング2を含み、リヤハウジング2におけるロータ室3bを区画している内壁2sは、第1回転軸11および第2回転軸21のうちの少なくとも一つと当接している。【選択図】図1
Description
本明細書は、燃料電池用水素循環ポンプに関する。
特開2002−213381号公報(特許文献1)に開示されているように、ルーツ式の流体機械が知られている。このような流体機械は、燃料電池用水素循環ポンプとして用いることができる。
ルーツ式の燃料電池用水素循環ポンプにおいては、ギヤ室側からロータ室内に突出するように回転軸が配置される。回転軸におけるこの突出側の部分に、ロータが取り付けられる。ロータはロータ室内に配置され、回転軸と一体回転する。回転軸におけるギヤ室側(モータ室側)の部分は、軸受等により回転可能に支持される。回転軸の両端が支持される場合、回転軸におけるロータに対して両側の位置に各々軸受が配置され、さらにロータ室とギヤ室とを封止するシール部材が配置され、大型化していた。一方で、回転軸におけるギヤ室とは反対側の部分は、支持されずに、自由端を構成するという片持ち支持の場合もある。このような片持ち支持構造を採用した場合には、両端支持の場合に比べて、回転体としての軽量化、小型化および製造コストの低減などを図ることが可能になる。
しかしながら片持支持構造の場合には、両端支持の場合に比べて、回転時にロータに発生する遠心力や、圧縮行程時にロータに発生する圧縮反力などの影響を受けやすくなり、回転軸の自由端側(ロータが取り付けられている側)の部分にたわみが生じやすくなる。回転軸が撓んだ状態で回転することにより、性能向上の妨げになったり、騒音や振動が発生しやすくなったりする。
また、燃料電池用水素循環ポンプには、燃料電池によって生成された水が、水素オフガスとともに燃料電池から導入される。低温環境下でポンプが停止した場合、あるいは、ポンプ停止後にポンプが低温環境下に置かれた場合などには、ポンプに導入された水が凍結する可能性がある。凍結した状態でポンプを起動するには大きなトルクを必要とする。
本明細書は、回転軸が撓んだ状態で回転することを抑制することが可能であり、かつ低温時に起動しやすい構成を備えた燃料電池用水素循環ポンプを開示することを目的とする。
本開示に基づく燃料電池用水素循環ポンプは、ロータ室、ギヤ室およびモータ室が形成されたハウジングと、上記ギヤ室側から上記ロータ室内に突出するように配置され、互いに平行な第1回転軸および第2回転軸と、上記ロータ室内で上記第1回転軸と一体回転可能に設けられ、山歯および谷歯を有する第1ロータと、上記ロータ室内で上記第2回転軸と一体回転可能に設けられ、上記第1ロータと噛み合う山歯および谷歯を有する第2ロータと、上記モータ室内に設けられ、上記第1回転軸を駆動可能なモータ機構と、を備え、上記ハウジングは、軸方向において上記ロータ室に対して上記ギヤ室側とは反対側に配置される、リヤハウジングを含み、上記リヤハウジングにおける上記ロータ室を区画している内壁は、上記第1回転軸および上記第2回転軸のうちの少なくとも一つと当接している。
上記燃料電池用水素循環ポンプにおいては、上記第1回転軸における第1端面および上記第1端面に対向する上記内壁のうちの少なくとも一方には、第1コーティング層が設けられており、上記第2回転軸における第2端面および上記第2端面に対向する上記内壁のうちの少なくとも一方には、第2コーティング層が設けられていてもよい。
上記燃料電池用水素循環ポンプにおいては、上記リヤハウジングには、凸状部が上記ギヤ室側に向かって突出して設けられており、上記第1回転軸および上記第2回転軸のうちの上記少なくとも一つと当接している上記内壁は、上記凸状部上に形成されていてもよい。
上記燃料電池用水素循環ポンプにおいては、上記第1回転軸および上記第2回転軸は、いずれも複列アンギュラベアリングによって回転可能に支持されていてもよい。
上記の技術的思想が適用された燃料電池用水素循環ポンプによれば、回転軸が撓んだ状態で回転することを抑制することが可能であり、かつ低温時に起動しやすくすることが可能になる。
発明を実施するための形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1における燃料電池用水素循環ポンプ100の断面図である。燃料電池用水素循環ポンプ100は、ハウジング1、第1ロータ10、第2ロータ20、第1回転軸11、第2回転軸21、第1ギヤ15、第2ギヤ25、軸封装置13,17,23、軸受装置14,16,19,24,26、およびモータ機構18を備える。
図1は、実施の形態1における燃料電池用水素循環ポンプ100の断面図である。燃料電池用水素循環ポンプ100は、ハウジング1、第1ロータ10、第2ロータ20、第1回転軸11、第2回転軸21、第1ギヤ15、第2ギヤ25、軸封装置13,17,23、軸受装置14,16,19,24,26、およびモータ機構18を備える。
(ハウジング1)
ハウジング1は、リヤハウジング2、ロータハウジング3、ギヤハウジング4、およびモータハウジング5を含む。リヤハウジング2、ロータハウジング3、およびギヤハウジング4は、不図示のボルトにより接合される。リヤハウジング2とロータハウジング3との間にはOリング3aが設けられる。ロータハウジング3とギヤハウジング4との間にはOリング4aが設けられる。ギヤハウジング4およびモータハウジング5は、ボルト5aにより接合される。
ハウジング1は、リヤハウジング2、ロータハウジング3、ギヤハウジング4、およびモータハウジング5を含む。リヤハウジング2、ロータハウジング3、およびギヤハウジング4は、不図示のボルトにより接合される。リヤハウジング2とロータハウジング3との間にはOリング3aが設けられる。ロータハウジング3とギヤハウジング4との間にはOリング4aが設けられる。ギヤハウジング4およびモータハウジング5は、ボルト5aにより接合される。
ハウジング1の内部には、ロータ室3b、ギヤ室4bおよびモータ室5bが形成される。ロータ室3bは、リヤハウジング2およびロータハウジング3によって区画される。ロータ室3bには、図示しない吸入ポートおよび吐出ポートが形成されている。ギヤ室4bは、ロータハウジング3およびギヤハウジング4によって区画される。モータ室5bは、ギヤハウジング4およびモータハウジング5によって区画される。
ロータハウジング3には軸孔3c,3dが形成され、ギヤハウジング4には軸孔4cおよび凹所4dが形成され、モータハウジング5には凹所5cが形成される。軸孔3c,4cおよび凹所5cは同軸上に並んでおり、軸孔3dおよび凹所4dも同軸上に並んでいる。軸孔3c,3dはロータ室3bとギヤ室4bとを連通させ、軸孔4cはギヤ室4bとモータ室5bとを連通させる。
(第1回転軸11および第2回転軸21)
第1回転軸11は軸孔3c,4cおよび凹所5cに挿入され、第2回転軸21は軸孔3dおよび凹所4dに挿入される。ギヤ室4b内では、第1回転軸11に第1ギヤ15が固定され、第2回転軸21に第2ギヤ25が固定される。第1ギヤ15および第2ギヤ25は互いに噛合している。
第1回転軸11は軸孔3c,4cおよび凹所5cに挿入され、第2回転軸21は軸孔3dおよび凹所4dに挿入される。ギヤ室4b内では、第1回転軸11に第1ギヤ15が固定され、第2回転軸21に第2ギヤ25が固定される。第1ギヤ15および第2ギヤ25は互いに噛合している。
モータ室5b内にモータ機構18が設けられる。モータ機構18のステータはモータハウジング5に固定され、モータ機構18のロータは第1回転軸11に固定される。ステータには、図示しないハーネスにより電流が供給され、モータ機構18は第1回転軸11を駆動する。第2回転軸21は、第1ギヤ15および第2ギヤ25を介して第1回転軸11に従動して回転する。
第1回転軸11は、軸封装置13、軸受装置14、軸受装置16、軸封装置17および軸受装置19により、回転可能に支持される。軸封装置13および軸受装置14は、軸孔3cの内側に配置され、軸封装置13が軸受装置14よりもロータ室3bの側に配置される。軸受装置16および軸封装置17は、軸孔4cの内側に配置され、軸封装置17が軸受装置16よりもモータ室5bの側に配置される。軸受装置19は、凹所5cの内側に配置される。
第2回転軸21は、軸封装置23、軸受装置24、および軸受装置26により、回転可能に支持される。軸封装置23および軸受装置24は、軸孔3dの内側に配置され、軸封装置23が軸受装置24よりもロータ室3bの側に配置される。軸受装置26は、凹所4dの内側に配置される。
第1回転軸11および第2回転軸21は、ギヤ室4b側からロータ室3b内に突出するように配置され、互いに平行である。第1ロータ10および第2ロータ20は、互いに噛み合う山歯および谷歯を有する二葉型のものである。
(第1ロータ10および第2ロータ20)
第1ロータ10には固定穴12が形成される。第1回転軸11は固定穴12に圧入されて第1ロータ10に固定される。第1ロータ10は、ロータ室3b内で第1回転軸11と一体回転可能に設けられる。第1回転軸11は、第1ロータ10よりも高強度とされる。第1回転軸11はたとえばステンレスからなり、第1ロータ10はたとえばアルミニウム合金からなる。
第1ロータ10には固定穴12が形成される。第1回転軸11は固定穴12に圧入されて第1ロータ10に固定される。第1ロータ10は、ロータ室3b内で第1回転軸11と一体回転可能に設けられる。第1回転軸11は、第1ロータ10よりも高強度とされる。第1回転軸11はたとえばステンレスからなり、第1ロータ10はたとえばアルミニウム合金からなる。
第2ロータ20には固定穴22が形成される。第2回転軸21は固定穴22に圧入されて第2ロータ20に固定される。第2ロータ20は、ロータ室3b内で第2回転軸21と一体回転可能に設けられる。第2回転軸21は、第2ロータ20よりも高強度とされる。第2回転軸21はたとえばステンレスからなり、第2ロータ20はたとえばアルミニウム合金からなる。
第1ロータ10の外周面および第2ロータ20の外周面には、図示しない樹脂製の摺動皮膜が形成される。摺動皮膜は、第1ロータ10の全面および第2ロータ20の全面を被覆する。摺動皮膜は、スプレー、ディッピング、ロールコート等によって形成可能である。
図2は、第1ロータ10および第2ロータ20を示す斜視図である。図1および図2に示すように、第1ロータ10は、底部10aおよび端面10bを有し、第2ロータ20は、底部20aおよび端面20bを有する。
底部10aは、第1ロータ10におけるリヤハウジング2の側に位置する部分であり、平坦な平面形状を有している。底部10aは、第1回転軸11の回転中心軸に対して略直交するように延在している。第1回転軸11の端面11t(第1端面)は、底部10aの中央部分からリヤハウジング2の側に向かって突出している。端面10bは、底部10aの外周縁に沿って環状に延在する形状を有しており、底部10aの外周縁から、リヤハウジング2の側に向かって突出して形成されている。
底部20aは、第2ロータ20におけるリヤハウジング2の側に位置する部分であり、平坦な平面形状を有している。底部20aは、第2回転軸21の回転中心軸に対して略直交するように延在している。第2回転軸21の端面21t(第2端面)は、底部20aの中央部分からリヤハウジング2の側に向かって突出している。端面20bは、底部20aの外周縁に沿って環状に延在する形状を有しており、底部20aの外周縁から、リヤハウジング2の側に向かって突出して形成されている。
(リヤハウジング2)
図1に示すように、リヤハウジング2は、軸方向においてロータ室3bに対して、ギヤ室4b側とは反対側に配置されている。換言すると、軸方向において、リヤハウジング2とギヤ室4bとの間に、ロータ室3bが位置している。リヤハウジング2は、内壁2sを有する。内壁2sは、第1回転軸11および第2回転軸21の回転中心軸に対して、略直交するように延在する。内壁2sは、ロータ室3bを区画しているとともに、第1ロータ10、第2ロータ20、第1回転軸11、および第2回転軸21に対向している。
図1に示すように、リヤハウジング2は、軸方向においてロータ室3bに対して、ギヤ室4b側とは反対側に配置されている。換言すると、軸方向において、リヤハウジング2とギヤ室4bとの間に、ロータ室3bが位置している。リヤハウジング2は、内壁2sを有する。内壁2sは、第1回転軸11および第2回転軸21の回転中心軸に対して、略直交するように延在する。内壁2sは、ロータ室3bを区画しているとともに、第1ロータ10、第2ロータ20、第1回転軸11、および第2回転軸21に対向している。
リヤハウジング2におけるロータ室3bを区画している内壁2sは、第1回転軸11および第2回転軸21のうちの少なくとも一つと当接している。ここでは、リヤハウジング2に、凸状部2p,2qがギヤ室4b側に向かって突出して設けられている。凸状部2p,2qの各々上に、第1回転軸11および第2回転軸21に当接する内壁2sの表面部分が形成されている。凸状部2pの表面は、内壁2sの表面の一部である。
上記構成に限られず、たとえば、凸状部2p,2qをリヤハウジング2に設けずに、第1回転軸11および第2回転軸21の各々の長さを調節することによって、リヤハウジング2の内壁2sが、第1回転軸11および第2回転軸21のうちの少なくとも一つと当接する、あるいはこれらのうちの少なくとも一つを付勢するように構成してもよい。
凸状部2p上の内壁2sは、第1回転軸11および第2回転軸21のうち、第1回転軸11におけるギヤ室4b側とは反対側の端面11t(第1端面)を、ギヤ室4b側に向けて付勢する。第1回転軸11の端面11t側の部分および第1ロータ10が回転半径方向において自由に移動することが、付勢力によって規制される。
凸状部2qの内壁2sは、第1回転軸11および第2回転軸21のうち、第2回転軸21におけるギヤ室4b側とは反対側の端面21t(第2端面)を、ギヤ室4b側に向けて付勢する。第2回転軸21の端面21t側の部分および第2ロータ20が回転半径方向において自由に移動することが、付勢力によって規制される。
(作用および効果)
燃料電池用水素循環ポンプ100は、ルーツ式の燃料電池用水素循環ポンプである。ギヤ室4b側からロータ室3b内に突出するように第1回転軸11および第2回転軸21が配置される。第1ロータ10は、第1回転軸11におけるこの突出側の部分に取り付けられ、第2ロータ20は、第2回転軸21におけるこの突出側の部分に取り付けられる。
燃料電池用水素循環ポンプ100は、ルーツ式の燃料電池用水素循環ポンプである。ギヤ室4b側からロータ室3b内に突出するように第1回転軸11および第2回転軸21が配置される。第1ロータ10は、第1回転軸11におけるこの突出側の部分に取り付けられ、第2ロータ20は、第2回転軸21におけるこの突出側の部分に取り付けられる。
第1回転軸11におけるギヤ室4b側(モータ室5b側)の部分は、軸封装置13、軸受装置14、軸受装置16、軸封装置17および軸受装置19により、回転可能に支持される。第2回転軸21におけるギヤ室4b側(モータ室5b側)の部分は、軸封装置23、軸受装置24、および軸受装置26により、回転可能に支持される。
一方で、第1回転軸11および第2回転軸21におけるギヤ室4bとは反対側に位置する部分は、軸受装置や軸封装置によって支持されていない。リヤハウジング2におけるロータ室3bを区画している内壁2sが、第1回転軸11および第2回転軸21のうちの少なくとも一つ(ここではこれらの両方)と当接している。
燃料電池用水素循環ポンプ100においては、第1回転軸11および第2回転軸21に上記のような支持構造が採用されている。第1回転軸11および第2回転軸21の各々の両端を、軸受装置や軸封装置を用いて支持する場合に比べて、回転体(ひいては装置全体)としての軽量化、小型化および製造コストの低減などを図ることが可能になっている。すなわち、軸受の数を減らすことで、回転軸に作用し得る摩擦抵抗を小さくでき、より小さな摩擦で回転軸を支持することにより、ポンプの低温起動時のトルクを小さくして起動しやすくするとともに、動力損失を低減することが可能になる。
冒頭で述べたとおり、第1回転軸11や第2回転軸21を完全な片持支持構造で支持する場合には、両端支持の場合に比べて、回転時に第1ロータ10および第2ロータ20に発生する遠心力や、圧縮行程時に第1ロータ10および第2ロータ20に発生する圧縮反力などの影響を受けやすくなる。また、燃料電池用水素循環ポンプには、燃料電池によって生成された水が、水素オフガスとともに燃料電池から導入される。低温環境下でポンプが停止した場合、あるいは、ポンプ停止後にポンプが低温環境下に置かれた場合などには、ポンプに導入された水が凍結する可能性がある。凍結した状態でポンプを起動するには大きなトルクを必要とする。
これに対して燃料電池用水素循環ポンプ100において採用されている支持構造は、完全な片持ち支持構造の場合とは異なり、リヤハウジング2の内壁2sが、第1回転軸11および第2回転軸21のうちの少なくとも一つ(ここではこれらの両方)と当接しており、これらの間に摩擦が発生する状態が形成されている。たとえば第1回転軸11または第1ロータ10がギヤ室4b側に向けて付勢されている場合には、第1回転軸11の端面11t側の部分および第1ロータ10が回転半径方向(スラスト方向)において自由に移動することが、付勢力によって規制される。
第1回転軸11の端面11t側(ロータが取り付けられている側)の部分にたわみが生じることは抑制され、第1回転軸11が撓んだ状態で回転することも抑制される。性能向上を図ることが可能となり、騒音や振動が発生することも効果的に抑制することが可能となる。軸ぶれした状態で回転することが抑制されるため、ロータが傾かず、圧縮室からの漏洩を抑制でき、ひいてはポンプからの水素の漏洩を抑制することも可能になる。これらの作用および効果については、第2回転軸21または第2ロータ20がギヤ室4b側に向けて付勢されている場合も同様に得られるものである(以下同様)。
また、たとえばリヤハウジング2の内壁2sと第1回転軸11の端面11tとを、軸受の場合よりも低トルクとなるように設定して接触させることで、低温時にポンプが起動しやすくなり、装置が速やかに安定して起動可能になる。また、軸受や、軸受とロータ室とをシールするためのシール部材の数を減らすことで、水の侵入によって軸受やシール部材に発生し得る凍結箇所を減らすことも可能になる。
第1回転軸11の端面11tの径方向における中心位置にできるだけ近い部分に対して内壁2sが当接する、あるいは付勢力を付与することで、端面11tと内壁2sとの回転方向における相対的な周速を小さくすることができ、端面11tと内壁2sとの間に発生する摩擦を軽減し、消費動力を低減でき、耐用年数などを長くすることが可能になる。
第1回転軸11における端面11tおよび端面11tに対向するリヤハウジング2の内壁2sのうちの少なくとも一方には、コーティング層31(第1コーティング層)が設けられているとよい。同様に、第2回転軸21における端面21tおよび端面21tに対向するリヤハウジング2の内壁2sのうちの少なくとも一方には、コーティング層32(第2コーティング層)が設けられているとよい。端面11tと内壁2sとの間の摩擦係数や、端面21tと内壁2sとの間の摩擦係数を小さくすることで、消費動力を低減でき、耐用年数などを長くすることが可能になる。
本実施の形態においては、軸受装置14および軸受装置24がいずれも複列アンギュラベアリングから構成されており、第1回転軸11および第2回転軸21は、これらの複列アンギュラベアリングによって回転可能に支持されている。上記の付勢力を作用させることによって、複列アンギュラベアリングの内部隙間を小さくまたはなくすことで、第1回転軸11および第2回転軸21が傾いて支持されることが一層抑制され、第1ロータ10、第2ロータ20、第1回転軸11および第2回転軸21は、軸ブレなくより安定して回転することが可能になる。
[実施の形態2]
図3は、実施の形態2における燃料電池用水素循環ポンプ201の断面図である。図3に示すように、第1回転軸11の端面11tは軸方向において、第1ロータ10の底部10aの位置よりも、固定穴12の内部側の位置(ギヤ室4b側の位置)に配置されていてもよい。たとえば、コーティング層31の一部または全部が、固定穴12の内側に配置されていることによって、コーティング層31から発生した微粉末などがロータ室3b内に移動することが抑制可能となる。これは、コーティング層32についても同様である。
図3は、実施の形態2における燃料電池用水素循環ポンプ201の断面図である。図3に示すように、第1回転軸11の端面11tは軸方向において、第1ロータ10の底部10aの位置よりも、固定穴12の内部側の位置(ギヤ室4b側の位置)に配置されていてもよい。たとえば、コーティング層31の一部または全部が、固定穴12の内側に配置されていることによって、コーティング層31から発生した微粉末などがロータ室3b内に移動することが抑制可能となる。これは、コーティング層32についても同様である。
(変形例)
図4は、実施の形態2の変形例における燃料電池用水素循環ポンプ202の断面図である。図4に示すように、凸状部2pは、弾性部材2rによって、ギヤ室4b側に付勢されていてもよい。簡素な構成にて付勢力を発生させることが可能になり、弾性部材2rのバネ定数や長さを調整して凸状部2pの突出高さを変更することで、付勢力の大きさを容易に増減させることも可能となる。図4に示すように、凸状部2pの周囲には、凸状部2pの軸方向における移動をガイドする部材が設けられているとよい。
図4は、実施の形態2の変形例における燃料電池用水素循環ポンプ202の断面図である。図4に示すように、凸状部2pは、弾性部材2rによって、ギヤ室4b側に付勢されていてもよい。簡素な構成にて付勢力を発生させることが可能になり、弾性部材2rのバネ定数や長さを調整して凸状部2pの突出高さを変更することで、付勢力の大きさを容易に増減させることも可能となる。図4に示すように、凸状部2pの周囲には、凸状部2pの軸方向における移動をガイドする部材が設けられているとよい。
弾性部材2rの代わりに、あるいは弾性部材2rに加えて、ネジなどの螺合手段を配置してもよい。ネジを回転させることで凸状部2pの突出高さを変更することで、付勢力の大きさを容易に増減させることも可能となる。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ハウジング、2 リヤハウジング、2p,2q 凸状部、2r 弾性部材、2s 内壁、3 ロータハウジング、3a,4a リング、3b ロータ室、3c,3d,4c 軸孔、4 ギヤハウジング、4b ギヤ室、4d,5c 凹所、5 モータハウジング、5a ボルト、5b モータ室、10 第1ロータ、10a,20a 底部、10b,11t,20b,21t 端面、11 第1回転軸、12,22 固定穴、13,17,23 軸封装置、14,16,19,24,26 軸受装置、15 第1ギヤ、18 モータ機構、20 第2ロータ、21 第2回転軸、25 第2ギヤ、31,32 コーティング層、100,201,202 燃料電池用水素循環ポンプ。
Claims (4)
- ロータ室、ギヤ室およびモータ室が形成されたハウジングと、
前記ギヤ室側から前記ロータ室内に突出するように配置され、互いに平行な第1回転軸および第2回転軸と、
前記ロータ室内で前記第1回転軸と一体回転可能に設けられ、山歯および谷歯を有する第1ロータと、
前記ロータ室内で前記第2回転軸と一体回転可能に設けられ、前記第1ロータと噛み合う山歯および谷歯を有する第2ロータと、
前記モータ室内に設けられ、前記第1回転軸を駆動可能なモータ機構と、を備え、
前記ハウジングは、軸方向において前記ロータ室に対して前記ギヤ室側とは反対側に配置される、リヤハウジングを含み、
前記リヤハウジングにおける前記ロータ室を区画している内壁は、前記第1回転軸および前記第2回転軸のうちの少なくとも一つと当接している、
燃料電池用水素循環ポンプ。 - 前記第1回転軸における第1端面および前記第1端面に対向する前記内壁のうちの少なくとも一方には、第1コーティング層が設けられており、
前記第2回転軸における第2端面および前記第2端面に対向する前記内壁のうちの少なくとも一方には、第2コーティング層が設けられている、
請求項1に記載の燃料電池用水素循環ポンプ。 - 前記リヤハウジングには、凸状部が前記ギヤ室側に向かって突出して設けられており、
前記第1回転軸および前記第2回転軸のうちの前記少なくとも一つと当接している前記内壁は、前記凸状部上に形成されている、
請求項1または2に記載の燃料電池用水素循環ポンプ。 - 前記第1回転軸および前記第2回転軸は、いずれも複列アンギュラベアリングによって回転可能に支持されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池用水素循環ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020023296A JP2021127736A (ja) | 2020-02-14 | 2020-02-14 | 燃料電池用水素循環ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020023296A JP2021127736A (ja) | 2020-02-14 | 2020-02-14 | 燃料電池用水素循環ポンプ |
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ID=77488307
Family Applications (1)
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JP2020023296A Pending JP2021127736A (ja) | 2020-02-14 | 2020-02-14 | 燃料電池用水素循環ポンプ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2021127736A (ja) |
-
2020
- 2020-02-14 JP JP2020023296A patent/JP2021127736A/ja active Pending
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