JP2021127622A - トイレ空間用脱臭装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水脱臭部での集塵ができなくなってもファン装置を保護できるトイレ空間用脱臭装置を提供すること。【解決手段】トイレ空間用脱臭装置は、吸気口を形成する吸気部と、排気口を形成する排気部と、吸気口から空気を吸気するファン装置と、吸気口と排気口とを連通し空気を流通させる脱臭風路中に設けられ、脱臭風路中で水を溜める及び/又は吸気口から吸気した空気に水を噴出することが可能な水脱臭部と、水脱臭部へ給水する給水部と、水脱臭部から排水する排水口を形成する排水部と、給水部による給水及びファン装置による吸気を制御する制御部と、ファン装置よりも脱臭風路における上流に設けられる集塵フィルタと、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、トイレ空間用脱臭装置に関する。
トイレ空間において脱臭を行う脱臭装置として、臭気成分を含む空気を水に接触させることによって、臭気成分を水に溶解させるものが知られている。例えば、特許文献1に記載の脱臭機能部は、温水洗浄便座装置に設けられ、ファン装置によって気体流路に吸入された気体に水を噴出する水噴出装置を備える。この水噴出装置は、水を貯留する貯水部及びこの貯水部の底部に配置される振動子を備える。または、水噴出装置は、水を霧状に噴出するノズルである。気体流路に吸入された気体に含まれる臭気および浮遊物(粉塵)が、水噴出装置によって噴出された水に付着することで気体中から除去される。
特許文献1のような形態では、水噴出装置が水を貯留する場合、水の蒸発や施工時の傾き、使用者により加えられる衝撃等により、貯留された水が無くなる又は少なくなり、そのような状態において仮に振動子に故障が生じた場合、十分な量の水による集塵を行えず、ファン装置が埃等の粉塵を吸い込み、ファン装置を故障させる原因となる可能性がある。また、水噴出装置が水を霧状に噴出するノズルである場合においても、ノズルの詰まり等で仮にノズルから水が噴出されない又は噴出量が少なくなった場合、十分な量の水による集塵を行えず、ファン装置が埃等の粉塵を吸い込み、ファン装置を故障させる原因となる可能性がある。
そこで、本発明は、水脱臭部での集塵ができなくなってもファン装置を保護できるトイレ空間用脱臭装置を提供する。
第1の発明のトイレ空間用脱臭装置は、吸気口を形成する吸気部と、排気口を形成する排気部と、前記吸気口から空気を吸気するファン装置と、前記吸気口と前記排気口とを連通し空気を流通させる脱臭風路中に設けられ、前記脱臭風路中で水を溜める及び/又は前記吸気口から吸気した空気に水を噴出することが可能な水脱臭部と、前記水脱臭部へ給水する給水部と、前記水脱臭部から排水する排水口を形成する排水部と、前記給水部による給水、及び、前記ファン装置による吸気を制御する制御部と、前記ファン装置よりも前記脱臭風路における上流に設けられる集塵フィルタと、を備える。
第1の発明によれば、仮に水脱臭部や給水部などの故障が発生し、水脱臭部で集塵ができなくなっても、ファン装置よりも脱臭風路の上流に設けた集塵フィルタによって粉塵を補足することができる。これにより、ファン装置への粉塵の流入を抑制し、ファン装置を粉塵から保護することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記集塵フィルタは、前記脱臭風路における前記水脱臭部よりも下流に設けられる。
水脱臭部や給水部が故障していない通常時においては、吸気口から吸い込んだ粉塵を水脱臭部にて集塵し、水とともに排水口から排水することができる。したがって、第2の発明によれば、集塵フィルタを脱臭風路における水脱臭部よりも下流に設けた構成においては通常時は集塵フィルタには粉塵はほとんど流入せず、集塵フィルタのメンテナンス頻度を抑えることができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記集塵フィルタは、前記ファン装置の吸気面と対面して配置される。
第3の発明によれば、ファン装置への粉塵の流入をより確実に抑制することができる。
第4の発明は、第2または第3の発明において、前記制御部は、前記ファン装置を駆動させ、この駆動により形成される負圧によって前記水脱臭部に流れ込む空気を、水に押し当てることで、前記給水部から給水される水を前記水脱臭部に溜め、前記ファン装置の停止によって、前記水脱臭部に溜めた水を前記排水口から排水させる。
粉塵がファン装置に流入しやすいのは、ファン装置の駆動時である。第4の発明によれば、ファン装置の駆動によって水脱臭部に形成される負圧の作用によって水脱臭部に水を溜める。そのため、脱臭動作におけるファン装置の駆動時は、水脱臭部に水が溜められ、その水によって確実に集塵することができ、ファン装置側への粉塵の流入を抑制することができる。
第5の発明は、第2〜第4の発明のいずれか1つにおいて、前記水脱臭部と前記集塵フィルタとの間には、前記水脱臭部の底面から前記脱臭風路内へ向けて突出する水受け壁が設けられる。
第5の発明によれば、水受け壁は、水脱臭部の水が気流に乗って集塵フィルタ側に飛散してしまうことを抑制する。これにより、集塵フィルタが濡れることが抑制され、集塵フィルタにバイオフィルムが発生することを抑制できる。
第6の発明は、第2〜第5の発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記給水部による給水を停止し、前記排水口から排水された状態で前記ファン装置を駆動し前記水脱臭部を乾燥させる乾燥モードを実行する。
第6の発明によれば、仮に集塵フィルタへと水が飛散しても、乾燥モードにて集塵フィルタを乾燥させることができ、集塵フィルタにバイオフィルムが発生することを抑制できる。
第7の発明は、第2〜第6の発明のいずれか1つにおいて、前記集塵フィルタは、前記脱臭風路の外部から取り出し可能に設けられる。
第7の発明によれば、集塵フィルタにメンテナンスが必要になった場合、容易に集塵フィルタを脱臭風路から取り出してメンテナンスまたは交換することができる。
第1の発明によれば、仮に水脱臭部や給水部などの故障が発生し、水脱臭部で集塵ができなくなっても、ファン装置よりも脱臭風路の上流に設けた集塵フィルタによって粉塵を補足することができる。これにより、ファン装置への粉塵の流入を抑制し、ファン装置を粉塵から保護することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記集塵フィルタは、前記脱臭風路における前記水脱臭部よりも下流に設けられる。
水脱臭部や給水部が故障していない通常時においては、吸気口から吸い込んだ粉塵を水脱臭部にて集塵し、水とともに排水口から排水することができる。したがって、第2の発明によれば、集塵フィルタを脱臭風路における水脱臭部よりも下流に設けた構成においては通常時は集塵フィルタには粉塵はほとんど流入せず、集塵フィルタのメンテナンス頻度を抑えることができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記集塵フィルタは、前記ファン装置の吸気面と対面して配置される。
第3の発明によれば、ファン装置への粉塵の流入をより確実に抑制することができる。
第4の発明は、第2または第3の発明において、前記制御部は、前記ファン装置を駆動させ、この駆動により形成される負圧によって前記水脱臭部に流れ込む空気を、水に押し当てることで、前記給水部から給水される水を前記水脱臭部に溜め、前記ファン装置の停止によって、前記水脱臭部に溜めた水を前記排水口から排水させる。
粉塵がファン装置に流入しやすいのは、ファン装置の駆動時である。第4の発明によれば、ファン装置の駆動によって水脱臭部に形成される負圧の作用によって水脱臭部に水を溜める。そのため、脱臭動作におけるファン装置の駆動時は、水脱臭部に水が溜められ、その水によって確実に集塵することができ、ファン装置側への粉塵の流入を抑制することができる。
第5の発明は、第2〜第4の発明のいずれか1つにおいて、前記水脱臭部と前記集塵フィルタとの間には、前記水脱臭部の底面から前記脱臭風路内へ向けて突出する水受け壁が設けられる。
第5の発明によれば、水受け壁は、水脱臭部の水が気流に乗って集塵フィルタ側に飛散してしまうことを抑制する。これにより、集塵フィルタが濡れることが抑制され、集塵フィルタにバイオフィルムが発生することを抑制できる。
第6の発明は、第2〜第5の発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記給水部による給水を停止し、前記排水口から排水された状態で前記ファン装置を駆動し前記水脱臭部を乾燥させる乾燥モードを実行する。
第6の発明によれば、仮に集塵フィルタへと水が飛散しても、乾燥モードにて集塵フィルタを乾燥させることができ、集塵フィルタにバイオフィルムが発生することを抑制できる。
第7の発明は、第2〜第6の発明のいずれか1つにおいて、前記集塵フィルタは、前記脱臭風路の外部から取り出し可能に設けられる。
第7の発明によれば、集塵フィルタにメンテナンスが必要になった場合、容易に集塵フィルタを脱臭風路から取り出してメンテナンスまたは交換することができる。
本発明のトイレ空間用脱臭装置によれば、水脱臭部での集塵ができなくなってもファン装置を保護できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態の1つについて説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態のトイレ装置1の斜視図である。
トイレ装置1はトイレ空間に設置される。トイレ装置1は、腰掛大便器(以下、単に便器と称する)100と、便器100の上に設置された衛生洗浄装置200とを有する。便器100は、上方に向けて開口され水が溜められたボウル部101を有する。ボウル部101は操作部(図示せず)を使用者が操作することで洗浄水により洗浄され、排水配管(図示せず)へと洗浄水を排水する。
衛生洗浄装置200は、便器100に便座(図示せず)を介して腰掛けた使用者のおしりなどの局部の洗浄を実現する局部洗浄機能部などを有する。なお、図1においては、局部洗浄機能部に含まれるノズル等を図示せず省略している。また、衛生洗浄装置200は、トイレ空間用脱臭装置(以下、単に脱臭装置と称する)10を有する。脱臭装置10は、水脱臭ユニット20と、制御部90とを有する。
図2(a)及び(b)は、水脱臭ユニット20の断面図である。後述するように、図2(a)は水溜め動作を説明する断面図であり、図2(b)は排水動作を説明する断面図である。
水脱臭ユニット20は、水脱臭部40と、ファン装置60と、集塵フィルタ30と、酸化触媒70とを有する。水脱臭部40、ファン装置60、集塵フィルタ30、および酸化触媒70は、ケース21とカバー22とによって形成される空間内に設けられている。ファン装置60は、例えばシロッコファンである。または、ファン装置60は、軸流ファンやクロスフローファンであってもよい。
ケース21とカバー22とによって形成される空間内に、ファン装置60の駆動により空気が流通する脱臭風路80が形成されている。脱臭風路80中に水溜め部50が設けられている。また、水脱臭ユニット20は、吸気口23を形成する吸気部123と、排気口24を形成する排気部124と、排水口25を形成する排水部125とを有する。この例では、吸気口23が排水口25を兼ねている。吸気口23および排気口24は、脱臭風路80と連通している。
ファン装置60の駆動により、吸気口23から脱臭風路80内に空気が吸気され、吸気された空気は水溜め部50を流通した後、集塵フィルタ30を経由して、ファン装置60に吸い込まれ、さらに酸化触媒70を流通して、排気口24から水脱臭ユニット20の外に排気される。
水溜め部50は、吸気口23とファン装置60との間に位置する。ファン装置60は、水溜め部50よりも、脱臭風路80における下流側に配置されている。
水溜め部50の上方はカバー22によって閉塞され、左右の側方はケース21の側壁部によって閉塞されている。水溜め部50の脱臭風路80における最下流に後壁41が設けられている。
ケース21に水溜め部50の底面51が形成されている。底面51は、後壁41から排水口25(吸気口23を兼ねる)に向かう方向に沿って下り傾斜している。
ファン装置60よりも脱臭風路80における上流に、集塵フィルタ30が設けられている。集塵フィルタ30は、例えばメッシュフィルタである。集塵フィルタ30は、脱臭風路80における水脱臭部40の水溜め部50よりも下流に設けられている。集塵フィルタ30は、その集塵を行うための面がファン装置60の吸気面61と対面して配置されている。
水溜め部50の後壁41に、後壁41から脱臭風路80中に突出する水受け壁42が設けられている。水受け壁42は、脱臭風路80内において水溜め部50と集塵フィルタ30との間に位置し、水溜め部50の底面から後壁41を介して脱臭風路80内に向けて突出している。水受け壁42は、その上端が下端よりも脱臭風路80における上流側に位置するように鉛直方向に対して傾斜している。水受け壁42の上端の上方には、水溜め部50からファン装置60側への空気の流通を許容する空間が形成されている。
水溜め部50には、給水部27から水が給水される。給水部27は、例えば給水口27aを有する給水ノズルである。例えば、給水源(水道)から図示しない局部洗浄機能部に含まれるノズルへの給水路に給水され、さらにその給水路から分岐して給水部27へ給水される。前記給水路からの分岐後、電解槽に給水し、電解槽にて除菌水を生成して、その除菌水を給水部27に給水してもよい。
水溜め部50に溜められた水は、排水口25から排水される。水脱臭ユニット20が図1に示す便器100の上に設置された状態において、排水口25はボウル部101に向けて開口し、水溜め部50に溜められた水は排水口25からボウル部101へ排水される。
本実施形態では、例えば、排水口25の近傍に給水部27が設けられている。給水部27は水溜め部50の外部に位置し、排水口25は、水溜め部50と給水部27との間に位置する。給水部27の給水口27aは排水口25に向けられている。なお、給水部27が設けられる位置は、この例に限るものではなく、水溜め部50に水を給水可能な位置であればよい。
次に、本実施形態の脱臭装置10の動作について説明する。
制御部90は、給水部27による給水、およびファン装置60による吸気の動作を制御する。図1に示す便器100への使用者の着座が検知されると、制御部90の制御により、ファン装置60が駆動され、給水部27から水溜め部50へ水が給水される。給水部27から吸気口23(排水口25)に向けて吐水され、吸気口23(排水口25)を通じて水溜め部50に水が給水される。便器100への使用者の着座の検知は、便座や便器100、あるいはトイレ空間に設けられたセンサにより検知される。
例えば、ファン装置60の駆動と、給水部27からの給水は同時に開始される。または、ファン装置60の駆動タイミングと、給水タイミングにはタイムラグがあってもよい。制御部90は、ファン装置60の駆動開始および停止、ならびに給水部27からの水の給水開始および停止を制御する。駆動されたファン装置60は、吸気口23から脱臭風路80内に空気を吸気する。
図2(a)は、本実施形態における水溜め動作を説明する断面図である。
図2(a)において、脱臭風路80内の空気の流れを黒太線の矢印で表す。ファン装置60の駆動により吸気口23から吸気された空気は、水溜め部50を流れてファン装置60に吸い込まれ、排気口24から排気される。
図2(a)において、脱臭風路80内の空気の流れを黒太線の矢印で表す。ファン装置60の駆動により吸気口23から吸気された空気は、水溜め部50を流れてファン装置60に吸い込まれ、排気口24から排気される。
大気圧下の空気が吸気口23から脱臭風路80内に吸い込まれる。ファン装置60は、脱臭風路80に負圧を発生させる負圧形成手段として機能する。水溜め部50の底面51は、排水口25に向かう方向に沿って下り傾斜しているため、水溜め部50に給水された水は水溜め部50の底面51を排水口25に向かって流れ得る。
しかしながら、ファン装置60が駆動された状態においては、水溜め部50に発生した負圧によって、水の排水方向に逆らう方向に流れる空気を水Wに押し当て、給水部27から給水された水Wを水溜め部50の底面51上に溜めることができる。空気に押された水Wは、後壁41に堰き止められ、脱臭風路80における下流側への移動が阻止される。給水部27からの水の給水は所定時間後に停止される。
吸気口23から吸気され臭気成分を含んだ空気の一部は、水溜め部50に溜められた水Wの水面に沿うように流れ、水溜め部50に溜められた水Wの水面が脱臭風路80の一部を形成する。そして、臭気成分の内、アンモニアやトリメチルアミンなどの水溶性の高い臭気成分が水溜め部50に溜められた水Wに溶解し、脱臭される。
脱臭風路80中を水溜め部50よりもさらに下流側に流れた空気中における水Wに溶解しなかった硫化水素やメチルメルカプタンなどの臭気成分は、排気口24に隣接して配置された酸化触媒70により脱臭される。酸化触媒70は、硫化水素、メチルメルカプタンを酸化し分解する。
また、吸気口23から空気と一緒に吸い込まれた埃や紙片等の粉塵を、水溜め部50に溜められた水Wで捕捉して集塵することができ、ファン装置60への粉塵の流入を抑制することができる。これにより、ファン装置60の故障や性能低下を防ぐことができる。また、水溜め部50は、酸化触媒70よりも脱臭風路80における上流に配置されているため、酸化触媒70に粉塵が流入することによる酸化触媒70の性能低下を抑制することができる。
このような構成において、仮に水脱臭部40や給水部27などの故障が発生すると、水溜め部50に十分な量の水を溜めることができなくなる。すなわち、水脱臭部40で十分な集塵ができなくなる。本実施形態によれば、水脱臭部40で集塵ができなくなっても、ファン装置60よりも脱臭風路80の上流に設けた集塵フィルタ30によって粉塵を補足することができる。これにより、ファン装置60への粉塵の流入を抑制し、ファン装置60を粉塵から保護することができる。さらに、水脱臭部40で集塵ができなくなっても、集塵フィルタ30によって粉塵を補足することができ、酸化触媒70に粉塵が流入することによる酸化触媒70の性能低下を抑制することができる。
図3に示すように、集塵フィルタ30は、脱臭風路80の外部から取り出し可能に設けられる。例えば、酸化触媒70と集塵フィルタ30は、排気口24を形成する開口を通じて、脱臭風路80の内外に出し入れ可能となっている。集塵フィルタ30を取り出す際は、まず酸化触媒70を脱臭風路80の外部に取り出し、その後、集塵フィルタ30を脱臭風路80の外部に取り出す。この逆の順で、集塵フィルタ30および酸化触媒70を脱臭風路80内に戻すことができる。このような構成によれば、集塵フィルタ30にメンテナンスが必要になった場合、容易に集塵フィルタ30を脱臭風路80から取り出してメンテナンスまたは交換することができる。
水脱臭部40や給水部27が故障していない通常時においては、吸気口23から吸い込んだ粉塵を水脱臭部40にて集塵し、図2(b)を参照して後述するように、水とともに排水口25から排水することができる。したがって、集塵フィルタ30を脱臭風路80における水脱臭部40よりも下流に設けた構成においては、通常時は集塵フィルタ30には粉塵はほとんど流入せず、集塵フィルタ30のメンテナンス頻度を抑えることができる。そして、仮に水脱臭部40や給水部27が故障しても、集塵フィルタ30によってファン装置60への粉塵の流入を抑制することができる。
集塵フィルタ30をファン装置60の吸気面61と対面して配置することで、ファン装置60への粉塵の流入をより確実に抑制することができる。
水受け壁42は、例えば水溜め部50を流れる空気との衝突により水面が波立つことで生じた水面付近の水滴が気流に乗って集塵フィルタ30側に飛散してしまうことを抑制する。これにより、集塵フィルタ30が濡れることが抑制され、集塵フィルタ30にバイオフィルムが発生することを抑制できる。
粉塵がファン装置60に流入しやすいのは、ファン装置60の駆動時である。本実施形態における水脱臭動作は、ファン装置60の駆動によって水溜め部50に形成される負圧の作用によって水溜め部50に水を溜める。そのため、脱臭動作におけるファン装置60の駆動時は、水溜め部50に水が溜められ、その水によって確実に集塵することができ、ファン装置60側への粉塵の流入を抑制することができる。
図2(b)は、本実施形態における排水動作を説明する断面図である。
使用者が便器100から離座し、この離座に基づいてファン装置60の駆動が停止される。ファン装置60の停止により、水溜め部50は大気圧に戻り、水Wを溜まった状態に保持していた力が解除される。これにより、水溜め部50に溜まっていた水Wは、底面51の下り傾斜に沿って排水口25に向かって流れ、その排水口25から、図1に示すボウル部101に排水される。また、水溜め部50に溜められた水Wに捕捉された粉塵なども水Wとともに排水される。便器100からの使用者の離座は、便座や便器100、あるいはトイレ空間内に設けられたセンサにより検知される。
排水機構として可動部材、例えば電磁弁を用いた場合、電磁弁の固着により開弁不良が生じ排水できなくなる懸念があるが、本実施形態では、そのような排水機構を設けずに、ファン装置60による負圧の形成を停止するだけで排水できる。
以上説明したように、制御部90は、給水部27による給水およびファン装置60による吸気を実行して脱臭風路80内に吸気された空気中から臭気成分を脱臭し、その後、水溜め部50に溜めた水を排水するという脱臭モードを実行する。
さらに、制御部90は、乾燥モードを実行する。制御部90は、乾燥モードにおいて、給水部27による水溜め部50への給水を停止し、水溜め部50に溜めた水が排水口25から排水された状態でファン装置60を駆動し、水溜め部50を流れる空気によって、水溜め部50を乾燥させる。水溜め部50の乾燥により、水溜め部50に残存している菌を死滅させることができ、水溜め部50におけるバイオフィルムの形成を抑制することができる。
乾燥モードの前に水溜め部50の水は排水口25から排水されている。水溜め部50の水のすべてが排水されることに限らず、水滴が水溜め部50に残る程度の状態での乾燥モードは許容される。この場合でも、乾燥モードによって水滴を消失または量を少なくし、水に含まれる菌を死滅または量を少なくして、バイオフィルムの形成を抑制することができる。
また、仮に集塵フィルタ30へと水が飛散しても、乾燥モードにて集塵フィルタ30を乾燥させることができ、集塵フィルタ30にバイオフィルムが発生することを抑制できる。
乾燥モードを実行している間は脱臭モード時に比べて水溜め部50の水が少ないため、空気と共に吸い込まれた粉塵が水で補足されずに、水溜め部50の脱臭風路80における下流側へと流入する懸念がある。本実施形態では、乾燥モードにおいても集塵フィルタ30で粉塵を補足し集塵することができ、ファン装置60への粉塵の流入を抑制することができる。
以上説明した実施形態では、脱臭装置10を衛生洗浄装置200に設けた例を説明したが、本発明による脱臭装置は、大便器および小便器の少なくともいずれかを含むトイレ空間に設けられればよく、脱臭装置は例えば小便器に設けてもよい。この場合、排水口は小便器のボウル部面に向けて開口され、小便器のボウル部面へ排水口から排水することができる。
また、以上説明した実施形態では、負圧形成手段としてファン装置60を採用した例を説明したが、本発明は、ファン装置60の空気吸引によって水溜め部50に負圧を形成することに限らず、負圧形成手段は水溜め部50にて負圧を形成することができればよい。例えば負圧形成手段としてポンプを採用し、ポンプの空気吸引によって水溜め部50に負圧を形成してもよい。
また、吸気口23が排水口25も兼ねる構成に限らず、吸気口23と排水口25をそれぞれ別の構成要素として設けてもよい。吸気口23が排水口25も兼ねる構成の場合には、別に設ける場合に比べて、簡易な構成により、前述した本実施形態の機能を実現可能となる。
以上説明した実施形態では、水脱臭部40として、脱臭風路80中で水を溜めることが可能な水溜め部50を有する構成を説明したが、これに限らず、水脱臭部は、吸気口23から脱臭風路80中に吸気した空気に水を噴出することが可能な構成であってもよい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
1…トイレ装置、10…脱臭装置、20…水脱臭ユニット、23…吸気口、24…排気口、25…排水口、27…給水部、30…集塵フィルタ、40…水脱臭部、50…水溜め部、60…ファン装置、80…脱臭風路、90…制御部、100…便器、101…ボウル部、200…衛生洗浄装置
Claims (7)
- 吸気口を形成する吸気部と、
排気口を形成する排気部と、
前記吸気口から空気を吸気するファン装置と、
前記吸気口と前記排気口とを連通し空気を流通させる脱臭風路中に設けられ、前記脱臭風路中で水を溜める及び/又は前記吸気口から吸気した空気に水を噴出することが可能な水脱臭部と、
前記水脱臭部へ給水する給水部と、
前記水脱臭部から排水する排水口を形成する排水部と、
前記給水部による給水、及び、前記ファン装置による吸気を制御する制御部と、
前記ファン装置よりも前記脱臭風路における上流に設けられる集塵フィルタと、
を備えるトイレ空間用脱臭装置。 - 前記集塵フィルタは、前記脱臭風路における前記水脱臭部よりも下流に設けられる請求項1記載のトイレ空間用脱臭装置。
- 前記集塵フィルタは、前記ファン装置の吸気面と対面して配置される請求項2記載のトイレ空間用脱臭装置。
- 前記制御部は、前記ファン装置を駆動させ、この駆動により形成される負圧によって前記水脱臭部に流れ込む空気を、水に押し当てることで、前記給水部から給水される水を前記水脱臭部に溜め、
前記ファン装置の停止によって、前記水脱臭部に溜めた水を前記排水口から排水させる請求項2または3に記載のトイレ空間用脱臭装置。 - 前記水脱臭部と前記集塵フィルタとの間には、前記水脱臭部の底面から前記脱臭風路内へ向けて突出する水受け壁が設けられる請求項2〜4のいずれか1つに記載のトイレ空間用脱臭装置。
- 前記制御部は、前記給水部による給水を停止し、前記排水口から排水された状態で前記ファン装置を駆動し前記水脱臭部を乾燥させる乾燥モードを実行する請求項2〜5のいずれか1つに記載のトイレ空間用脱臭装置。
- 前記集塵フィルタは、前記脱臭風路の外部から取り出し可能に設けられる請求項2〜6のいずれか1つに記載のトイレ空間用脱臭装置。
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