JP2021127351A - 洗浄剤、洗浄剤の製造方法、および対象物の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】仮固定材の残渣の除去などの半導体製造プロセスにおいて、残渣を良好に除去することができる洗浄剤を提供する。【解決手段】水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を3〜10質量%、水(B)を20〜60質量%、ジメチルスルホキシド(C)、および炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)を、含有する洗浄剤。【効果】仮固定材の残渣の除去などの半導体製造プロセスにおいて、残渣を良好に除去することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、洗浄剤、洗浄剤の製造方法、および対象物の処理方法に関する。
半導体ウエハ等の対象物をガラス基板等の支持体上に仮固定材を介して接合した状態で、対象物に対して、裏面研削およびフォトファブリケーション等の加工処理を行う方法が提案されている。仮固定材には、加工処理中において支持体上に対象物を仮固定することができ、加工処理後には支持体と対象物とを容易に分離できることが必要とされる。
分離処理において、紫外線および赤外線等の光エネルギーを、支持体と仮固定材と対象物とを有する積層体中の前記仮固定材に照射することによって、仮固定材の接着力を低減させて、続いて支持体と対象物とを分離する方法が提案されている(特許文献1〜2参照)。
国際公開第2017/056662号公報 米国公開特許第2014/0106473号公報
対象物を支持体から分離すると、通常、対象物上には仮固定材の残渣が存在するため、前記残渣を除去するために、洗浄剤を用いた対象物の洗浄が行われる。しかしながら、この洗浄を行っても仮固定材の残渣を良好に除去できないことがある。
本発明は、仮固定材の残渣の除去などの半導体製造プロセスにおいて、残渣を良好に除去することができる洗浄剤を提供すること、また、前記洗浄剤の製造方法を提供すること、ならびに仮固定材を用いて支持体上に処理対象物を仮固定した状態で対象物の加工・移動処理を行い、続いて支持体と対象物とを分離する方法において、対象物上の仮固定材の残渣が少ない対象物の処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する洗浄剤により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、例えば以下の[1]〜[5]に関する。
[1]水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を3〜10質量%、水(B)を20〜60質量%、ジメチルスルホキシド(C)、および炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)を、含有することを特徴とする洗浄剤。
[2]洗浄剤に含まれる前記ジメチルスルホキシド(C)の含有割合が10〜40質量%である、前記[1]に記載の洗浄剤。
[3]洗浄剤に含まれる前記炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)の含有割合が10〜40質量%である、前記[1]または[2]に記載の洗浄剤。
[4]水酸化テトラメチルアンモニウム(A)3〜10質量部と水(B)20〜60質量部を混合し水溶液を準備する工程、前記水溶液と炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)を混合し混合液を形成する工程、および前記混合液とジメチルスルホキシド(C)を混合する工程、を有することを特徴とする洗浄剤の製造方法。
[5](1)支持体と仮固定材と処理対象物とを有する積層体を形成する工程、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており;
(2)前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程;
(3)前記対象物を前記支持体から分離する工程;ならびに
(4)前記対象物を、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の洗浄剤で洗浄する工程;
を有することを特徴とする対象物の処理方法。
本発明の洗浄剤は、仮固定材の残渣の除去などの半導体製造プロセスにおいて、残渣を良好に除去することができ、また、洗浄剤を良好に製造することができる洗浄剤の製造方法、ならびに仮固定材を用いて支持体上に処理対象物を仮固定した状態で対象物の加工・移動処理を行い、続いて支持体と対象物とを分離する方法において、対象物上の仮固定材の残渣が少ない対象物の処理方法を提供することができる。
図1は、本発明の対象物の処理に係る一実施形態を示す図である。
本明細書で例示する各成分、例えば洗浄剤中の各成分は、特に言及しない限り、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<1>洗浄剤
本発明の洗浄剤は、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を3〜10質量%、水(B)を20〜60質量%、ジメチルスルホキシド(C)、および炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)(以下、「成分(D)」ともいう)を、含有することを特徴とする。
また、本発明の洗浄剤の性能を失わない範囲で、必要に応じて、その他成分を含有することができる。
分離処理において、紫外線および赤外線等の光エネルギーを照射後の仮止め材の残渣は、高炭素含有膜であると推定される。
高炭素含有膜は、一般的に、水には溶けるが油分が多いため、それを阻害する性質を有しており、つまり、高炭素含有膜の表層にある厚い親水膜(水酸基やカルボキシル基などの酸性基)を分解した後、高炭素含有膜の内部層にある疎水膜を、非プロトン性溶剤で溶かして剥がすという洗浄剤の設計が必要になってくると考えられる。
本発明の洗浄剤では、親水膜の酸性基に作用させるために塩基性の水酸化テトラメチルアンモニウム(A)により分解させる。そして、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を溶解するためには水(B)が必要になってくる。一方で、疎水膜を溶かすためには、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)と混ざる非プロトン性有機溶剤が必要になってくる。本発明では非プロトン性有機溶剤としてジメチルスルホキシド(C)を用いているが、洗浄剤中には、厚い親水膜を分解させるために、多量の水酸化テトラメチルアンモニウム(A)およびそれに付随して多量の水(B)が含まれるため、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)と、ジメチルスルホキシド(C)とが均一に混和できず、その結果、洗浄剤の洗浄力が低下することが明らかになった。
本発明の洗浄剤では、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)にも、ジメチルスルホキシド(C)にも混和できる成分として、プロトン性溶剤の成分(D)を用いることで、均一に混和することで、良好な洗浄力を有する洗浄剤になったものと推定される。
また、成分(D)は、ジメチルスルホキシド(C)と共溶媒効果を有していると推定され、洗浄剤中に成分(D)を含有することで、良好な洗浄力を有する洗浄剤になったものと推定される。
<1−1>水酸化テトラメチルアンモニウム(A)
水酸化テトラメチルアンモニウム(A)は、仮固定材の残渣の表層にある親水膜に作用し、分解する成分である。
洗浄剤中に含まれる水酸化テトラメチルアンモニウム(A)の含有割合は、3〜10質量%、好ましくは3.5〜7質量%、より好ましくは4〜6質量%である。
前記範囲内であれば、処理対処基板に含まれる塩基に弱い部分(例えば、銅膜)に悪影響を及ぼすことなく、仮固定材の残渣を良好に除去することができる。
<1−2>水(B)
水(B)は、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を溶解させるために用いる成分である。
洗浄剤中に含まれる水(B)の含有割合は、20〜60質量%、好ましくは30〜55質量%、より好ましくは40〜50質量%である。
前記範囲内であれば、洗浄剤中に含まれる他の成分と良好に混和することができるため、白濁することなく透明な洗浄剤を得ることができ、その結果、仮固定材の残渣を良好に除去することができる。
<1−3>ジメチルスルホキシド(C)
ジメチルスルホキシド(C)は、水と混和する非プロトン性の成分であり、仮固定材の残渣の内部層にある疎水膜に作用し溶解する成分である。
ジメチルスルホキシド(C)は、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)や水(B)とは混和しにくい成分であり、一方で、成分(D)とは共溶媒効果を有すると考えられる。よって、洗浄剤に含まれるジメチルスルホキシド(C)の含有割合は、洗浄剤に含まれる水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)の合計の含有割合、ならびに成分(D)の含有割合によって調整する。
洗浄剤中に含まれるジメチルスルホキシド(C)の含有割合は、通常、10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%、より好ましくは20〜35質量%である。
前記範囲内であれば、洗浄剤中に含まれる他の成分と良好に混和することができるため、白濁することなく透明な洗浄剤を得ることができ、その結果、仮固定材の残渣を良好に除去することができる。
<1−4>成分(D)
成分(D)は、水と混和するプロトン性の成分であり、ジメチルスルホキシド(C)の共溶媒として機能する成分である。
成分(D)は、下記式(1)に示す化合物である。
Figure 2021127351
(式(1)中、Rは、炭素数1〜3のアルカンジイル基を示し;nは1〜3の整数を示し;nが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく;Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
成分(D)としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;およびプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;が挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類がジメチルスルホキシド(C)との共溶媒効果に優れ、仮固定材の残渣を良好に除去することができることから好ましい。
洗浄剤中に含まれる成分(D)の含有割合は、通常、10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%、より好ましくは15〜30質量%である。
前記範囲内であれば、洗浄剤中に含まれる他の成分と良好に混和することができるため、白濁することなく透明な洗浄剤を得ることができ、その結果、仮固定材の残渣を良好に除去することができる。
<1−5>その他成分
本発明の洗浄剤は、本発明の洗浄剤の効果を失わない範囲で、必要に応じて、その他成分を含有することができる。前記その他成分としては、塩基(ただし、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を除く)、非プロトン性有機溶剤(ただし、ジメチルスルホキシド(C)を除く)、プロトン性有機溶剤(ただし、成分(D)を除く)、防蝕剤および界面活性剤が挙げられる。
前記塩基は、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)と同様に高炭素含有膜の表層にある親水膜の分解に用いられるものである。
前記塩基としては、例えば、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、および水酸化テトラフェニルアンモニウム等の水酸化4級アンモニウム;トリメタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化カリウム、および炭酸水素カリウム、および炭酸ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン、およびジエチルアミン等のアミン;が挙げられる。
前記界面活性剤は、洗浄剤の仮固定材の残渣への濡れ性を改良するために用いられるものである。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル等の非イオン系界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤が挙げられる。
洗浄剤中に含まれる、前記界面活性剤の含有割合は、通常、0.01〜1質量%である。
<1−6>洗浄剤の使用形態
本発明の洗浄剤は、分割して、組み合わせ製品とすることができる。例えば、洗浄剤の輸送においてその重量を減らすため、洗浄剤中に含まれる水(B)は水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を溶かせる量だけにして、減らした分の水(B)を使用直前に混ぜる、組み合わせ製品とすることができる。
本発明の洗浄剤には、酸化する可能性のあるジメチルスルホキシド(C)が含まれているため、本発明の洗浄剤は、窒素などの不活性ガスを封入して保管することが好ましい。
本発明の洗浄剤中に含まれる金属を含む不純物(金属イオンも含む)の含有割合は、特に処理対象基板が半導体素子などの精密な基板である場合には、処理対象基板に悪影響を与えないためにできるだけ少ない方が好ましく、通常、1ppmw以下である。
本発明の洗浄剤のJIS Z8803(2011)による粘度は、通常、0.4〜50mPa・s、好ましくは0.8〜10mPa・sである。
本発明の洗浄剤のJIS K2258−1(2009)による蒸気圧は、通常、100hPa以下、好ましくは40hPa以下である。前記範囲内であれば、高温での洗浄性の点に優れた洗浄剤となる。
前記範囲内であれば、洗浄剤を仮固定材の残渣に均一に接触させることができることから、仮固定材の残渣を良好に除去することができる。
<2>洗浄剤の製造方法
本発明の洗浄剤は、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)、水(B)、ジメチルスルホキシド(C)および成分(D)を均一に混合すれことができれば、どのような順番で混合してもよいが、好ましくは、本発明の洗浄剤の製造方法が好ましい。
本発明の洗浄剤の製造方法は、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)3〜10質量部と水(B)20〜60質量部を混合し水溶液を準備する工程(以下、「工程(I)」ともいう)、前記水溶液と炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)を混合し混合液を形成する工程(以下、「工程(II)」ともいう)、および前記混合液とジメチルスルホキシド(C)を混合する工程(以下、「工程(III)」ともいう)、を有する。
洗浄剤に含まれる水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)と、ジメチルスルホキシド(C)とは、混和しにくいため、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)と、ジメチルスルホキシド(C)とを直接混ぜ合わせると、添加ショックにより均一に混和しない可能性がある。
そのため、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)と、ジメチルスルホキシド(C)とを混ぜ合わせる前に、ジメチルスルホキシド(C)の共溶媒である成分(D)を先に混ぜ合わせる。
また、ジメチルスルホキシド(C)は、空気中の酸素による酸化を起こす可能性があるため、できるだけ空気と触れる時間を短くする。
本発明の洗浄剤の製造法は、前記可能性を鑑みたものであり、つまり、前記工程(I)において、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)を混合して、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)の水溶液を準備し、次いで、前記工程(II)において、成分(D)を混合し、最後に前記工程(III)において、ジメチルスルホキシド(C)を混合することで、上記の可能性なく、本発明の洗浄剤を製造することができる。
<2−1>工程(I)
前記工程(I)では、撹拌翼を備えた容器に、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)3〜10質量部および水(B)20〜60質量部を混合し水溶液を準備する。
ここで、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)は、通常、水溶液の状態で販売されているため、最終的に、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)3〜10質量部および水(B)20〜60質量部となるように、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)と水(B)を、撹拌翼により混合することにより行われる。
混合中の液温は、1気圧下において、通常、5〜50℃、好ましくは15〜35℃である。混合に際しては、前記水溶液中に含まれる溶存酸素量を減らすため、窒素などの不活性ガスをバブリングしながら混合するのが好ましい。
<2−2>工程(II)
工程(II)では、前記水溶液と成分(D)を混合し混合液を形成する。
混合に際しては、前記水溶液を撹拌しながら、成分(D)を前記容器に投入することにより行われる。混合中の液温は、1気圧下において、通常、5〜50℃、好ましくは15〜35℃である。また、工程(I)と同じく、前記混合液中に含まれる溶存酸素量を減らすため、窒素などの不活性ガスをバブリングしながら混合するのが好ましい。
また、前記その他成分を洗浄剤中に含有させる場合、通常、工程(II)の前後に前記その他成分を混合する。
<2−3>工程(III)
工程(III)では、前記混合液とジメチルスルホキシド(C)を混合する。
混合に際しては、前記水溶液を撹拌しながら、ジメチルスルホキシド(C)を前記容器に投入することにより行われる。
水酸化テトラメチルアンモニウム(A)および水(B)と、ジメチルスルホキシド(C)とは混和しにくいことから、ジメチルスルホキシド(C)を投入する際には、ジメチルスルホキシド(C)の投入全量を小分割して投入することが好ましい。
混合中の液温は、1気圧下において、通常、5〜50℃、好ましくは15〜35℃である。また、工程(I)と同じく、前記混合液中に含まれる溶存酸素量を減らすため、窒素などの不活性ガスをバブリングしながら混合するのが好ましい。
工程(III)の後、混合液をエージングすることができ、通常、5〜50℃で12時間以上、好ましくは15〜35℃で24時間以上、エージングすることで貯蔵安定性に優れた洗浄剤を製造することができる。
本発明の洗浄剤には、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)とジメチルスルホキシド(C)が含まれているため、下記式(2)に示す平衡反応により、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)の水酸化アニオンと、分極したジメチルスルホキシド(C)がイオン結合した化合物(AC)を形成している可能性がある。
Figure 2021127351
前記エージングを行うことにより、前記平衡反応が安定化し、その結果貯蔵性に優れた洗浄剤を製造できるものと推定される。
以上により、本発明の洗浄剤は、水酸化テトラメチルアンモニウム(A)とジメチルスルホキシド(C)のどちらか一方、または、その両方が含まれず、中間体(AC)が含まれている場合も、本発明の洗浄剤である。
また、工程(III)の後、不純物を取り除くために、カプセルフィルターなどの濾過を行うことができる。
<3>対象物の処理方法
本発明において仮固定材とは、処理対象物を加工および/または移動するに際して、支持体から対象物がずれて動かないように支持体上に対象物を仮固定するために用いられる材料のことである。処理対象物とは、後述する工程(2)での加工処理や移動処理を受ける対象物を意味し(例えば後述する工程(1)や(2)での段階)、また、前記処理を受けた後の対象物を意味する場合もある(例えば後述する工程(3)や(4)での段階)。以下、処理対象物を単に「対象物」ともいう。
本発明の対象物の処理方法は、支持体と仮固定材と処理対象物とを有する積層体を形成する工程(以下、「工程(1)」ともいう)、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており;前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程(以下、「工程(2)」ともいう);前記対象物を前記支持体から分離する工程(以下、「工程(3)ともいう」;ならびに前記対象物を、本発明の洗浄剤で洗浄する工程(以下、「工程(4)」ともいう);を有することを特徴とする。その一実施態様を図1に示す。
<3−1>工程(1)
工程(1)では、図1(1)に示すように、例えば、支持体10および/または対象物20の表面に、前記仮固定材30を形成し、前記仮固定材30を介して対象物20と支持体10とを貼り合せることにより、対象物20を支持体10上に仮固定し積層体40を形成する。また、支持体10の表面に、前記仮固定材30を形成し、前記仮固定材30上に樹脂塗膜、配線層等の対象物を形成することにより、対象物20を支持体10上に仮固定してもよい。対象物は、必要に応じて表面処理することができる。
前記仮固定材は、1層からなる仮固定材であっても2層以上からなる仮固定材であってもよく、また、前記仮固定材の形成方法としては、例えば、仮固定材が有する各層を、支持体上および/または対象物上に直接形成する方法、離型処理が施されたフィルム上に仮固定用組成物または接着剤を用いて一定膜厚で成膜した後、各層を支持体および/または対象物へラミネート方式により転写する方法が挙げられる。膜厚均一性の点から、前記直接形成する方法が好ましい。
仮固定材を対象物上に形成するに際して、仮固定材の面内への広がりを均一にするため、対象物面(例えば回路面)を予め表面処理することもできる。表面処理の方法としては、例えば、対象物面に予め表面処理剤を塗布する方法が挙げられる。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤等のカップリング剤が挙げられる。
仮固定用組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、インクジェット法が挙げられる。仮固定用組成物を塗布して塗膜を形成した後は、必要に応じて加熱して、溶剤を揮発させることにより、仮固定材の各層を形成する。加熱の条件は、仮固定用組成物の種類に応じて適宜決定され、例えば、加熱温度が通常は100〜350℃であり、加熱時間が通常は1〜60分である。
対象物と支持体との仮固定材を介した仮固定は、例えば、好ましくは5〜400℃、より好ましくは150〜400℃で1〜20分間、0.01〜100MPaの圧力を各層の積層方向に付加することにより行う。さらに150〜300℃で10分〜3時間加熱処理することにより行う。このようにして、対象物が支持体上に仮固定材を介して強固に仮固定される。
仮固定用組成物および仮固定材としては、公知の仮固定用組成物および仮固定材が挙げられ、例えば、日本特開特許第2013−235919号公報、国際公開第2015/079863号公報、日本公開特許第2013−179135号公報、米国公開特許第2012/291938号公報、および米国公開特許第2011/065257号公報等、の機械的力により前記対象物を前記支持体から分離するタイプの仮固定用組成物および仮固定材;ならびに日本公開特許第2012−052031号公報、国際公開第2017/056662号公報、米国公開特許第2007/077685号公報、日本公開特許第2012−106486号公報、および日本公開特許第2016−215394号公報に記載の光照射により仮固定材を変質させることにより前記対象物を前記支持体から分離するタイプの仮固定用組成物および仮固定材(光照射型仮固定材)が挙げられる。
これらの中でも、好ましくは光照射型仮固定材、より好ましくは光がレーザー光による光照射型仮固定材であり、その理由は、工程(4)において、より高炭素の残渣を洗浄することになることから、本発明の洗浄剤の効果をより利用することができるからである。
加工(移動)対象である前記処理対象物としては、例えば、半導体ウエハ、半導体チップ、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、金属箔、研磨パッド、樹脂塗膜、配線層が挙げられる。半導体ウエハおよび半導体チップには、バンプ、配線、スルーホール、スルーホールビア、絶縁膜および各種の素子から選ばれる少なくとも1種が形成することができる。前記基板には、各種の素子が形成または搭載することができる。樹脂塗膜としては、例えば、有機成分を主成分として含有する層が挙げられ;具体的には、感光性材料から形成される感光性樹脂層、絶縁性材料から形成される絶縁性樹脂層、感光性絶縁樹脂材料から形成される感光性絶縁樹脂層が挙げられる。
前記支持体としては、前記処理対象物を加工および/または移動するに際して、毀損や変質が起こらないものであればどのようなものであってもよく、例えば、シリコンウエハ基板、サファイア基板、ガラス基板、石英基板および透明樹脂製基板が挙げられる。特に工程(3)において、光照射により仮固定材を変質させることにより前記対象物を前記支持体から分離する仮固定材を用いる場合、支持体としては、支持体側から光照射して仮固定材を変質させることが好ましいため、光照射で用いられる光に対して透過率の高い基板が好ましく、例えば、ガラス基板、石英基板および透明樹脂基板が挙げられる。
<3−2>工程(2)
工程(2)は、図1(2)に示すように、支持体10上に仮固定された対象物20を加工し、および/または得られた積層体41を移動する工程である。移動工程は、半導体ウエハ等の対象物を、ある装置から別の装置へ支持体とともに移動する工程である。支持体上に仮固定された対象物の加工処理としては、例えば、対象物のダイシング、対象物の薄化(裏面研削等)、フォトファブリケーション、半導体ウエハ又はチップの積層、各種素子の搭載、樹脂封止が挙げられる。フォトファブリケーションは、例えば、レジストパターンの形成、エッチング加工、スパッタ膜の形成、メッキ処理およびメッキリフロー処理から選ばれる1つ以上の処理を含む。
<3−3>工程(3)
対象物の加工処理または積層体の移動後、工程(3)では、図1(3)に示すように、前記加工後の対象物21を前記支持体10から分離する。対象物と支持体との分離方法としては、例えば、支持体面または対象物面に対して平行方向に対象物または支持体に力を付加して両者を分離する方法;対象物または支持体の一方を固定し、他方を支持体面または対象物面に対して平行方向から一定の角度を付けて持ち上げることで両者を分離する方法が挙げられる。
前者の方法では、対象物を支持体の表面に対して水平方向にスライドさせると同時に、支持体を固定する、または前記対象物に付加される力に拮抗する力を支持体に付加することによって、支持体と対象物とを分離する方法が挙げられる。
後者の方法では、支持体面または対象物面に対して略垂直方向に力を付加して、支持体と対象物とを分離することが好ましい。「支持体面または対象物面に対して略垂直方向に力を付加する」とは、支持体面または対象物面に対して垂直な軸であるz軸に対して、通常は0°〜60°の範囲、好ましくは0°〜45°の範囲、特に好ましくは0°、すなわち支持体面または対象物面に対して垂直の方向に力を付加することを意味する。分離方式としては、例えば、対象物または支持体の周縁を持ち上げ、支持体面または対象物面に対して略垂直方向に力を加えながら、前記周縁から中心に向けて順に剥離する方法(フックプル方式)で行うことができる。
前記分離は、通常は5〜100℃、好ましくは10〜45℃、さらに好ましくは15〜30℃で行うことができる。また、分離をする際、対象物の破損を防ぐため、対象物における支持体との仮止め面と反対側の面に補強テープ、例えば市販のダイシングテープを貼付することができる。
工程(3)では、前記仮固定材に光照射して前記仮固定材を分解または変質させることにより、仮固定材の強度および接着力を低減させた後、前記対象物を前記支持体から分離することが好ましい。一実施態様において、仮固定材が有する分離層(I)に、支持体側から、光照射する。光照射により、分離層(I)の含有成分である重合体(A)が光を吸収し、分離層(I)の強度および接着力が低下する。したがって、分離層(I)に対する光照射後であれば、仮固定材の加熱処理を特に必要とすることなく、対象物から支持体を容易に分離することができる。
光照射には紫外線を用いることが好ましく、例えば波長10〜400nmの紫外線が採用され、波長250〜400nmの紫外線が特に好ましい。照射光の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、レーザーが挙げられる。これらの中でも、レーザーが好ましい。支持体側から、レーザーを走査させながら分離層(I)の全面に照射することが好ましく、レーザーを分離層(I)に焦点を絞って照射することがより好ましい。
レーザーとしては、例えば、固体レーザー(例:光励起半導体レーザーを用いた全固体レーザー、YAGレーザー)、液体レーザー(例:色素レーザー)、ガスレーザー(例:エキシマレーザー)が挙げられる。これらの中でも、YAGレーザー(波長:355nm)およびエキシマレーザー(波長:200〜310nm)が好ましい。
光照射の条件は光源等の種類によって異なるが、光励起半導体レーザーを用いた全固体
レーザー、およびYAGレーザーの場合、通常は1mW〜100W、積算光量が通常は1.4×10−7〜1.4×10mJ/cmである。
続いて、対象物または支持体に力を付加することで、前記対象物を前記支持体から剥離するなどして両者を分離する。なお、光照射を終えた後に分離を行うことが好ましいが、光照射を行いながら分離を行うことができる。
<3−4>工程(4)
工程(4)は、本発明の洗浄剤50で洗浄する工程である。支持体と対象物とを分離した後、通常、仮固定材が対象物上に残存する。分離工程後の対象物上に残存する仮固定材、すなわち仮固定材の残渣31は、上述に記載のとおり、本発明の洗浄剤を用いることで良好に除去することができる。
洗浄方法としては、例えば、図1(4)に示すように、対象物を本発明の洗浄剤に浸漬する方法、および対象物に本発明の洗浄剤をスプレーする方法が挙げられ、前記浸漬時に超音波を加えてもよい。対象物を洗浄する際の洗浄剤の温度は特に限定されないが、通常は10〜80℃、好ましくは15〜55℃、より好ましくは20〜40℃、さらに好ましくは25〜40℃である。洗浄時間、例えば浸漬時間は、通常は2〜20分、好ましくは5〜15分である。
また、一実施態様において、上述した処理対象物の劣化を防止するという観点から、本発明の洗浄剤の溶存酸素量は小さいことが好ましい。このため、窒素等の不活性ガスによりバブリング処理した本発明の洗浄剤を用いて、上記洗浄を行うことが好ましい。例えば、対象物を本発明の洗浄剤に浸漬する方法において、洗浄剤を前記バブリング処理しながら上記洗浄を行うことが好ましい。
工程(4)では、本発明の洗浄剤を用いて洗浄した後に、他の洗浄剤を用いて処理対象物を洗浄することができる。一実施態様では、本発明の洗浄剤による洗浄、水よる洗浄、酸洗浄剤による洗浄、水による洗浄を順次行う。
酸洗浄剤における酸としては、例えば、硫酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。酸洗浄剤中の酸の含有割合は、通常は0質量%を超えて10質量%以下、好ましくは0.001〜8質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。このような態様であると、金属の腐食を抑制しつつ洗浄できることから好ましい。
酸洗浄剤における溶剤としては、本発明の洗浄剤において例示した溶剤が挙げられ、水が好ましく、すなわち酸洗浄剤としては酸水溶液が好ましい。酸洗浄剤を用いた洗浄方法としては、例えば、対象物を酸洗浄剤に浸漬する方法、対象物に酸洗浄剤をスプレーする方法が挙げられ、前記浸漬時に超音波を加えてもよい。酸洗浄剤の温度は特に限定されないが、通常は10〜80℃、好ましくは15〜55℃である。洗浄時間、例えば浸漬時間は、通常は0.02〜15分、好ましくは0.5〜10分である。
他の洗浄剤としては、本発明の洗浄剤において例示した各種溶剤が挙げられ、水が好ましい。他の洗浄剤を用いた洗浄方法および条件としては、酸洗浄剤を用いた洗浄方法および条件と同様である。
以上の洗浄を行った後、乾燥処理して、処理対象物を得ることができる。
以上のようにして、仮止め材の残渣の付着のない処理対象物を得ることができる。
<4>洗浄剤の使用用途
本発明の洗浄剤は、高炭素含有膜などの親水性と疎水性の両方の性質をもった残渣を良好に除去することができることから、例えば、フォトファブリケーションにおける、被加工基板のエッチング、メッキ処理の後のフォトレジストの残渣や、仮止め材の残渣などの、除去の難しい残渣を良好に除去することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
[製造例1]仮固定用組成物の製造
コンデンサー、温度計および攪拌装置を備えた反応装置に、フェノール100部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部、およびパラホルムアルデヒド50部(ホルムアルデヒド換算)を仕込み、シュウ酸2部を添加し、脱水しながら120℃で5時間加熱した。
反応溶液に水を加え攪拌を行った。沈殿物を回収した後、水にて洗浄し、50℃にて17時間乾燥して、フェノール/ホルムアルデヒド縮合物(Mw=1,550)を得た。
前記縮合物100部を、シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート=60/40(質量%)の混合溶剤550部で均一に溶解し、仮固定用組成物を製造した。
[実施例1A]
撹拌翼を備えた容器に、25℃で、35部の水、および25質量%水酸化テトラメチルアンモニウムを入れ撹拌した。撹拌しながら、成分(D)として、22部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを容器に入れ、次いで、27部のジメチルスルホキシドを少量ずつ入れた。25℃で1時間撹拌後、25℃で12時間エージングし、均一で透明な実施例1の洗浄剤を製造した。
実施例1の洗浄剤中に含まれる成分の含有割合は、水酸化テトラメチルアンモニウム/水/ジメチルスルホキシド/プロピレングリコールモノメチルエーテル=4/47/27/22(質量%)であった。
[実施例2A〜10A、および比較例1A〜11A]
実施例1Aと同様の手順にて、表1に示す、各成分およびその含有割合で含有する、実施例2A〜10A、比較例1A〜11Aの洗浄剤を製造した。表1中の数値の単位は質量%である。
Figure 2021127351
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。
TMAH:水酸化テトラメチルアンモニウム
TEAH:水酸化テトラエチルアンモニウム
DIW:水
DMSO:ジメチルスルホキシド
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
dEGBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
dPGBE:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
PG:プロピレングリコール
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGdME:プロピレングリコールジメチルエーテル
<対象物の処理>
[実施例1B]
4インチのシリコンウエハに製造例1の仮固定用組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて180℃で1分間加熱した後にさらに300℃で2分間加熱し、厚さ10μmの均一な層(I)を有する基板1を得た。
前記基板1を縦1cm、横1cmの正方形に切断した後、層(I)を介して、ガラス基板(縦1cm、横1cmの正方形;支持体)と貼り合わせ、ダイボンダー装置を用いて、250℃で0.2MPaの圧力を2分間加え、積層体を製造した。
前記積層体に、全固体高出力レーザー装置(商品名「GenesisCX355STM Compact」、コヒレント・ジャパン(株)製)にて、出力100mW、積算光量2.08×10−4mJ/cmでガラス基板側からUVレーザー(波長355nm)を照射した。光照射後の試験用積層体に対して、万能ボンドテスター(商品名「デイジ4000」、デイジ社製)を用いて、フックプル方式で、ガラス基板面に対して垂直な軸(z軸)方向に力(500μm/秒の速度、23℃)を付加し、シリコンウエハからガラス基板を分離した。シリコンウエハ上に層(I)の残渣を有する残渣基板を得た。
容器に実施例1Aの洗浄剤を入れ、スターラーチップにて250rpmで撹拌しながら、製造例2で得られた残渣基板を25℃で5分間浸漬した。次いで、シリコンウエハの表面を純水で2分間吹き付けて洗い流し、次いで乾燥した。
乾燥後の残渣の有無を光学顕微鏡で観察し、ウエハの表面の残渣の除去率を測定した。評価結果を表2に示す。
なお、光学顕微鏡による残渣の除去率の結果は、以下の基準にて評価した。評価結果を表2に示す。
A:残渣が80%以上剥がれている。
B:残渣が40%以上、80%未満剥がれている。
C:残渣が40%未満剥がれているか、剥がれていない。
[実施例2B〜10B、比較例1B〜11B]
実施例1Bにおいて、実施例1Aの洗浄剤の代わりに、それぞれ、実施例1A〜10A、比較例1A〜11Aの洗浄剤を用いた以外は、実施例1Bと同じ手順にて、対象物の処理を行い、残渣の除去率を測定し、実施例1Bと同じ基準にて評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2021127351
10:支持体
20:対象物
21:加工後の対象物
30:仮固定材
31:仮固定材の残渣
40:積層体
41:加工後の積層体
50:洗浄剤

Claims (5)

  1. 水酸化テトラメチルアンモニウム(A)を3〜10質量%、水(B)を20〜60質量%、ジメチルスルホキシド(C)、および炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)を、含有することを特徴とする洗浄剤。
  2. 洗浄剤に含まれる前記ジメチルスルホキシド(C)の含有割合が10〜40質量%である、請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 洗浄剤に含まれる前記炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)の含有割合が10〜40質量%である、請求項1または2に記載の洗浄剤。
  4. 水酸化テトラメチルアンモニウム(A)3〜10質量部と水(B)20〜60質量部を混合し水溶液を準備する工程、前記水溶液と炭素数2〜4のアルキレングリコールモノ炭素数1〜4のアルキルエーテル(D)を混合し混合液を形成する工程、および前記混合液とジメチルスルホキシド(C)を混合する工程、を有することを特徴とする洗浄剤の製造方法。
  5. (1)支持体と仮固定材と処理対象物とを有する積層体を形成する工程、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており;
    (2)前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程;
    (3)前記対象物を前記支持体から分離する工程;ならびに
    (4)前記対象物を、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤で洗浄する工程;
    を有することを特徴とする対象物の処理方法。
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