JP2024030127A - 樹脂マスクの剥離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、半導体ウエハのパッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制でき、樹脂マスク剥離性に優れる樹脂マスクの剥離方法を提供する。【解決手段】本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を用いて、アルミニウム電極、パッシベーション膜及び樹脂マスクを有する半導体ウエハから樹脂マスクを剥離する剥離工程を含み、前記洗浄剤組成物は、アルカノールアミン(成分A)と、下記式(I)で表される溶剤(成分B)とを含有する洗浄剤であり、前記洗浄剤組成物中の成分Aの含有量は、65質量%以上75質量%以下であり、前記洗浄剤組成物中の成分Bの含有量が、15質量%以上35質量%以下である、樹脂マスクの剥離方法に関する。R-O-(EO)n-H (I)【選択図】なし

Description

本開示は、樹脂マスクの剥離方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスに搭載される半導体チップの製造工程は複雑化している。半導体の種類によっては半導体ウエハの裏側の面を研磨するなど、半導体ウエハの表側の面に半導体素子の回路を形成した後、半導体ウエハの裏側の面への処理を必要とする場合がある。この場合、半導体ウエハの表側の面には既に半導体素子の回路が形成されているため、半導体ウエハの表側の最表面は回路を保護する永久保護膜(本開示では「パッシベーション膜」と表現する。)と他の電子部品と電気的に接続するための電極で構成されているが、半導体ウエハの裏側の面の処理によって半導体ウエハの表側の面のパッシベーション膜や電極の破壊や汚染を防ぐために半導体ウエハの表側の面を更に一時的に保護する必要がある。
半導体ウエハの表側の面を一時的に保護する方法として、テープやシート状の保護材を張り付ける技術がある。
例えば、特許文献1には、半導体ウエハの裏面を加工する際に、半導体ウエハの表面をフォトレジスト膜で保護することを含む、表面保護方法が記載されている。そして、半導体ウエハの裏面の加工が完了したワーク(フォトレジスト膜で保護された半導体ウエハ)をレジスト剥離液に浸漬し、超音波振動を与え、半導体ウエハ表面からフォトレジスト膜を剥離することが記載されている。
また、特許文献2には、(a)表面と、前記表面とは反対側に位置する裏面とを有するウエハの前記表面に保護シートを貼り付ける工程、(b)前記(a)工程の後、前記裏面に対して処理を実施する工程、(c)前記(b)工程の後、前記表面から前記保護シートを剥離する工程、を備える、半導体装置であって、(c)工程が特定の工程である製造方法が記載されている。そして、保護シートを貼り付ける工程より前に、配線層の形成及びパッシベーション膜の形成をする工程があることが記載されている。
一方、レジスト剥離剤は種々開発されている。例えば、特許文献3には、エッチング処理などで変質したレジストパターンに対しても十分な剥離性を有するとともに、水洗時や吸湿によるアルミニウムや銅基体に対する腐食性が低く、かつ作業環境に悪影響をもたらすことがない上、リンス処理の水洗でよいなど、極めて実用的なレジスト用剥離剤組成物として、有機アミン20~90重量%と、特定のリン酸エステル系界面活性剤0.1~20重量%と、2-ブチン-1,4-ジオール0.1~20重量%と、グリコールモノアルキルエーテル及び非プロトン性極性溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶剤とからなるレジスト用剥離剤組成物が記載されている。
特開2001-53041号公報 特開2019-197755号公報 特開平4-124668号公報
半導体素子の回路が形成された半導体ウエハの裏側の面への処理を行うために、半導体素子形成面を樹脂マスクやレジストで保護する際に、半導体ウエハの裏側の面の処理に熱処理工程がある。その場合、その熱は表側の面を一時的に保護している樹脂マスクにも伝わるため、樹脂マスクも耐熱レジストを使用した樹脂マスクが使用される傾向にある。硬化後、更に熱に晒された樹脂マスクを洗浄剤で完全に除去するために洗浄剤組成物には高い洗浄性が要求される。
樹脂マスクの残渣は半導体チップと他の部品との接続不良や電子部品の破壊の原因になるため不良品になり半導体チップの歩留まりが低下するので洗浄剤組成物には、高い樹脂マスク剥離性が要求される。
また、半導体ウエハ上の半導体素子には、配線層の電極としてアルミニウムやアルミニウム合金が用いられ、素子を保護するためのパッシベーション膜を有する場合がある。半導体素子の回路が形成された半導体ウエハの表側の面のパッシベーション膜がダメージを受けると、電子部品の破壊の原因となるため不良品になり半導体チップの歩留まりが低下するので洗浄剤組成物にはパッシベーション膜の低ダメージ性が要求される。さらに、電極にはアルミニウムが広く使用されるが、アルミニウムは腐食性が高く、アルミニウム電極の腐食も半導体チップと他の部品との接続不良や電子部品の破壊の原因になるため不良品になり半導体チップの歩留まりが低下するのでアルミニウムに対して高い腐食防止能が要求される。
そこで、本開示は、一態様において、半導体ウエハのパッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制でき、樹脂マスク剥離性に優れる樹脂マスクの剥離方法を提供する。
本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を用いて、アルミニウム電極、パッシベーション膜及び樹脂マスクを有する半導体ウエハから樹脂マスクを剥離する剥離工程を含み、前記洗浄剤組成物は、アルカノールアミン(成分A)と、下記式(I)で表される溶剤(成分B)とを含有する洗浄剤(以下、「本開示の洗浄剤組成物」ともいう)であり、前記洗浄剤組成物中の成分Aの含有量は、65質量%以上75質量%以下であり、前記洗浄剤組成物中の成分Bの含有量が、15質量%以上35質量%以下である、樹脂マスクの剥離方法(以下、「本開示の剥離方法」ともいう)に関する。
R-O-(EO)n-H (I)
上記式(I)中、Rは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、nはEOの付加モル数であって1又は2である。
本開示によれば、一態様において、半導体ウエハのパッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制でき、樹脂マスク剥離性に優れる樹脂マスクの剥離方法を提供できる。
本開示は、アルカリ剤と特定の溶剤を含む洗浄剤組成物を用いることで、半導体ウエハのパッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制しつつ、樹脂マスクを効率よく剥離できるという知見に基づく。
本開示によれば、半導体ウエハのパッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制でき、樹脂マスク剥離性に優れる樹脂マスクの剥離方法を提供できる。そして、本開示の剥離方法を用いることによって、高い収率で高品質の電子部品を得ることができる。
本開示において、半導体ウエハとは、半導体チップの製造材料である半導体物質(例えば、シリコン等)の結晶からなる円形の板である。また、半導体ウエハの表側の面には、一又は複数の実施形態において、半導体素子が形成されている。半導体素子が形成された半導体ウエハにおいて、例えば、アルミニウム電極は、半導体ウエハの表面に形成された半導体素子の一部に形成され、パッシベーション膜は、半導体素子を保護するために半導体素子の表面の一部に形成され、樹脂マスクは、半導体素子形成面の裏面を加工する際に半導体素子形成面を一時的に保護するために、半導体素子形成面の全面に形成されている。
本開示の効果発現の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。
アルカノールアミン(成分A)は樹脂マスクに浸透し樹脂マスク除去に作用するが、同時にパッシベーション膜にも浸透しパッシベーション膜へのダメージを起こす原因となる。一方、式(I)で表される溶剤(成分B)は樹脂マスク及びパッシベーション膜の表面を保護して成分Aの浸透を抑制する作用がある。式(I)で表される溶剤(成分B)による成分Aの浸透を抑制する作用は樹脂マスクへの作用に比べパッシベーション膜への作用の方が高い。そのため、成分Aと成分Bの適切な含有量を選択することで樹脂マスクを除去しパッシベーション膜へのダメージの抑止することが可能になると推察される。
但し、本開示はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において、樹脂マスクとは、エッチング、めっき、加熱等の処理から物質表面を保護するためのマスク、すなわち、工程中、一時的に保護膜として機能する最終的には半導体製品に残らないマスクである。樹脂マスクとしては、半導体ウエハの表側の面全体を保護できる樹脂マスクであればよく、一又は複数の実施形態において、加熱及び露光工程後のレジスト層、加熱及び露光の少なくとも一方の処理が施された(以下、「加熱及び/又は露光処理された」ともいう)レジスト層、あるいは、硬化したレジスト層が挙げられる。
樹脂マスクを形成する樹脂材料としては、一又は複数の実施形態において、フィルム状のネガ型感光性樹脂、レジストフィルム、又はフォトレジストが挙げられる。
樹脂マスクとしては、例えば、アクリル酸系ポリマー膜、ポリイミド系ポリマー膜が挙げられる。樹脂マスクとして用いられるポリイミド系ポリマー膜は、溶剤溶解型ポリイミド膜が挙げられ、例えば、アルカリ溶解性ポリイミド膜が挙げられる。
樹脂マスクの厚さとしては、半導体ウエハ表側の面の最表面の凹凸による段差によって選択されるが、半導体ウエハ表側の面を完全に保護できればよい。樹脂マスクの厚さとしては、例えば、1μm以上100μm以下が挙げられ、半導体ウエハの表側の面を完全に保護する観点と樹脂マスクとして使用するレジストの硬化時間や除去時間の観点から、3μm以上50μm以下が好ましい。
本開示において、パッシベーション膜とは、一又は複数の実施形態において、半導体素子を外的損傷から保護する工程中に除去されることのない表面保護膜である。
パッシベーション膜としては、ポリイミド(PI)系ポリマー、ポリベンゾオキサゾール(PBO)系ポリマー、及びシリコーン系ポリマーから選ばれる少なくとも1種のポリマー膜が挙げられる。パッシベーション膜として用いられるポリイミド系ポリマー膜は、溶剤不溶型ポリイミド膜が挙げられる。
パッシベーション膜の厚さとしては、例えば、5μm以上20μm以下が挙げられ、薄くても樹脂マスク剥離の際にダメージを抑制できる観点から、好ましくは12μm以下、より好ましくは10μm以下である。
本開示において、アルミニウム電極には、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる電極を含む。アルミニウム合金としては、アルミニウムとシリコンの合金、アルミニウムと銅の合金などが挙げられる。
[剥離工程]
本開示の剥離方法は、本開示の洗浄剤組成物を用いて、アルミニウム電極、パッシベーション膜及び樹脂マスクを有する半導体ウエハ(被洗浄物)から樹脂マスクを剥離する工程(以下、単に「剥離工程」ともいう)を含む。
前記剥離工程は、一又は複数の実施形態において、本開示の洗浄剤組成物を、70℃以下の温度で半導体ウエハに接触させることを含む。
本開示の洗浄剤組成物を用いて被洗浄物から樹脂マスクを剥離する方法、又は、被洗浄物に本開示の洗浄剤組成物を接触させる方法としては、例えば、洗浄剤組成物を入れた洗浄浴槽内へ浸漬することで接触させる方法、洗浄剤組成物をスプレー状に射出して接触させる方法(シャワー方式)、浸漬中に超音波照射する超音波洗浄方法等が挙げられる。本開示の洗浄剤組成物は、希釈することなくそのまま洗浄に使用できる。被洗浄物としては、後述する被洗浄物を挙げることができる。
本開示の剥離方法は、一又は複数の実施形態において、洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させた後、揮発性有機溶剤でリンスし、乾燥する工程を含むことができる。本開示の剥離方法は、一又は複数の実施形態において、洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させた後、揮発性有機溶剤ですすぐ工程を含むことができる。揮発性有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、フッ素系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられる。
本開示の剥離方法において、本開示の洗浄剤組成物の洗浄力が発揮されやすい点から、洗浄剤組成物の温度は20℃以上が好ましく、そして、パッシベーション膜へのダメージ抑制の観点から、半導体ウエハに対する影響低減の観点から、70℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましい。
本開示の剥離方法において、被洗浄物に洗浄剤組成物を接触させる時間は、樹脂マスク剥離の観点から、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、そして、工程の時間短縮の観点から、20分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下が更に好ましい。
[被洗浄物]
被洗浄物としては、一又は複数の実施形態において、アルミニウム電極、パッシベーション膜及び樹脂マスクを有する半導体ウエハが挙げられる。
被洗浄物としては、一又は複数の実施形態において、半導体素子回路を形成した面を樹脂マスクで保護した被洗浄物が挙げられる。半導体素子回路を形成した面を樹脂マスクで保護した被洗浄物としては、一又は複数の実施形態において、アルミニウム電極、パッシベーション膜及び樹脂マスクを有する電子部品の製造中間物が挙げられる。電子部品としては、例えば、メモリチップ、ロジック半導体チップ、パワー半導体チップ等の半導体チップから選ばれる少なくとも1つの部品が挙げられる。前記製造中間物は、電子部品の製造工程における中間製造物であって、樹脂マスク処理後の中間製造物を含む。
樹脂マスクで半導体素子回路を形成した面を保護した被洗浄物としては、例えば、半導体素子が形成された半導体ウエハ上(半導体ウエハの表側面)に電極(例えば、アルミニウム電極)を形成する電極形成工程、電極が形成された半導体ウエハ(半導体ウエハの表側面)にパッシベーション膜を形成するパッシベーション膜形成工程、パッシベーション膜が形成された半導体ウエハ上(半導体ウエハの表側面)にレジストを塗布し、加熱及び/又は露光処理し、レジスト膜(樹脂マスク)を形成するレジスト膜形成工程を経ることにより得られる、電極(例えば、アルミニウム電極)、レジスト膜(樹脂マスク)及びパッシベーション膜を有する電子部品の製造中間物が挙げられる。
樹脂マスクとしては、例えば、熱硬化型樹脂マスクでもよいし、ネガ型樹脂マスクでもよいし、ポジ型樹脂マスクでもよい。本開示において熱硬化型樹脂マスクとは、塗布したレジストに熱を加えることでレジスト中の溶媒を揮発させ、重合・架橋反応が起きることで硬化する樹脂である。ネガ型樹脂マスクとは、ネガ型レジストを用いて形成されるものであり、例えば、露光及び/又は現像処理されたネガ型レジスト層が挙げられる。本開示においてポジ型樹脂マスクとは、ポジ型レジストを用いて形成されるものであり、例えば、露光及び/又は現像処理されたポジ型レジスト層が挙げられる。
[洗浄剤組成物]
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、下記成分A及び下記成分Bを含有する洗浄剤である。
<成分A:アルカノールアミン>
本開示の洗浄剤組成物は、アルカノールアミン(アミノアルコール)(以下、「成分A」ともいう)を含有する。成分Aとしては、例えば、下記式(II)で表される化合物を含むことが挙げられる。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せもよい。成分Aは、一又は複数の実施形態において、分岐炭素鎖を有さない化合物である。成分A中の下記式(II)で表される化合物の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
Figure 2024030127000001
上記式(II)中、R1は、炭素数2以上4以下の直鎖のアルカノール基を示し、R2は、炭素数2以上4以下の直鎖のアルカノール基、メチル基又は水素原子を示し、R3は、メチル基又は水素原子を示す。
上記式(II)において、R1は、樹脂マスク剥離性向上の観点から、炭素数2又は3の直鎖のアルカノール基が好ましい。R2は、同様の観点から、水素原子が好ましい。R3は、同様の観点から、水素原子を示す。
成分Aとしては、例えば、モノエタノールアミン、N-メチルモノエタノールアミン、N-エチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-ジメチルモノエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-ジエチルモノエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)ジエタノールアミン、から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、樹脂マスク剥離性向上の観点から、モノエタノールアミンが好ましい。
本開示の洗浄剤組成物中の成分Aの含有量は、樹脂マスク剥離性向上の観点から、65質量%以上であって、68質量%以上が好ましく、そして、パッシベーション膜へのダメージ抑制の観点から、75質量%以下であって、72質量%以下が好ましい。より具体的には、本開示の洗浄剤組成物中の成分Aの含有量は、65質量%以上75質量%以下であって、68質量%以上72質量%以下が好ましい。成分Aが2種以上の組合せである場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示において「洗浄剤組成物中の各成分の含有量」とは、洗浄時(使用時)、すなわち、洗浄剤組成物の洗浄への使用を開始する時点での各成分の含有量とすることができる。
本開示の洗浄剤組成物中の各成分の含有量は、一又は複数の実施形態において、本開示の洗浄剤組成物中の各成分の配合量とみなすことができる。
<成分B:溶剤>
本開示の洗浄剤組成物は、下記式(I)で表される溶剤(以下、「成分B」ともいう)を含有する。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
R-O-(EO)n-H (I)
上記式(I)中、Rは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、nはEOの付加モル数であって1又は2である。
成分Bとしては、例えば、エチレングリコール;炭素数1以上4以下のアルキル基を有する、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のモノアルキルエーテル;等が挙げられる。これらのなかでも、成分Bとしては、樹脂マスク剥離性向上の観点から、エチレングリコール、及び、炭素数1以上4以下のアルキル基を有するジエチレングリコールモノアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種が好ましい。成分Bとしては、例えば、エチレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、樹脂マスク剥離性向上の観点から、好ましくはBDGである。
本開示の洗浄剤組成物中の成分Bの含有量は、パッシベーション膜へのダメージ抑制の観点から、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましく、そして、樹脂マスク剥離性向上の観点から、35質量%以下が好ましい。より具体的には、本開示の洗浄剤組成物中の成分Bの含有量は、15質量%以上35質量%以下が好ましく、20質量%以上35質量%以下がより好ましい。成分Bが2種以上の組合せである場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の質量比A/Bは、樹脂マスク剥離性向上の観点から、1.5超が好ましく、2以上がより好ましく、そして、パッシベーション膜へのダメージ抑制の観点から、4未満が好ましく、3.5以下がより好ましい。より具体的には、質量比A/Bは、1.5超4未満が好ましく、2以上3.5以下がより好ましい。
<成分C:水>
本開示の洗浄剤組成物は、水を含有しないか、水の含有量が15質量%以下である。水(以下、「成分C」ともいう)としては、一又は複数の実施形態において、イオン交換水、RO水、蒸留水、純水、超純水等が挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物が成分Cを含有する場合、本開示の洗浄剤組成物中の成分Cの含有量は、成分A、成分B、及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。具体的には、本開示の洗浄剤組成物中の成分Cの含有量は、アルミニウム電極の腐食抑制の観点から、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が更に好ましく、本質的には0質量%(すなわち、含まないこと)がより更に好ましい。
<その他の成分>
本開示の洗浄剤組成物は、前記成分A~B以外に、必要に応じて水(成分C)又はその他の成分をさらに含有することができる。その他の成分としては、通常の洗浄剤に用いられうる成分を挙げることができ、例えば、成分A以外のアルカリ剤、成分A以外のアミン、成分B以外の有機溶剤、界面活性剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、高分子化合物、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤等が挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態においてリン酸エステル系界面活性剤及び2-ブチン-1,4-ジオールの少なくとも一方を含まないものとすることができる。例えば、本開示の洗浄剤組成物中のリン酸エステル系界面活性剤の含有量は、0.1質量%未満が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、本質的には0質量%(すなわち、含まないこと)が更に好ましい。本開示の洗浄剤組成物中の2-ブチン-1,4-ジオールの含有量は、0.1質量%未満が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、本質的には0質量%(すなわち、含まないこと)が更に好ましい。
本開示の洗浄剤組成物は、N-メチル-2-ピロリドンを含有しないか、N-メチル-2-ピロリドンの含有量が1質量%以下である。本開示の洗浄剤組成物がN-メチル-2-ピロリドンを含有する場合、本開示の洗浄剤組成物中のN-メチル-2-ピロリドンの含有量は、安全性や各種規制に対応する観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下が更に好ましく、本質的には0質量%(すなわち、含まないこと)がより更に好ましい。
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、成分A、成分B、必要に応じて上述した任意成分(成分C、その他の成分)を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、成分A及び成分Bを配合してなるものとすることができる。
したがって、本開示は、少なくとも成分A及び成分Bを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、及び必要に応じて上述した任意成分(成分C、その他の成分)を同時に又は任意の順に混合することを含む。本開示の洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の洗浄剤組成物の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
[電子部品の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示の剥離方法を用いて、アルミニウム電極、パッシベーション膜及び樹脂マスクを有する半導体ウエハ(被洗浄物)から樹脂マスクを剥離する工程(剥離工程)を含む、電子部品の製造方法(以下、「本開示の電子部品の製造方法」ともいう)に関する。被洗浄物としては、上述した被洗浄物を挙げることができる。
本開示の電子部品の製造方法によれば、パッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制しつつ、電子部品の中間製造物の保護に用いた樹脂マスクを効果的に剥離できるため、信頼性の高い電子部品の製造が可能になる。更に、本開示の洗浄方法を行うことにより、電子部品の中間製造物の保護に用いた樹脂マスクの剥離が容易になることから、洗浄時間が短縮化でき、電子部品の製造効率を向上できる。
本開示の電子部品の中間製造物の製造方法は、一又は複数の実施形態において、下記工程(1)~(5)を含むことができる。
(1)半導体素子が形成された半導体ウエハ上(半導体素子形成面、半導体ウエハの表側面)に電極(例えば、アルミニウム電極)を形成する工程(電極形成工程)
(2)電極が形成された半導体ウエハ(半導体ウエハの表側面)にパッシベーション膜を形成する工程(パッシベーション膜形成工程)
(3)パッシベーション膜が形成された半導体ウエハ上(半導体ウエハの表側面)にレジストを塗布し、レジストを加熱及び/又は露光処理し、レジスト膜(樹脂マスク)を形成する工程(レジスト膜形成工程)
(4)半導体ウエハの裏側面をめっき、エッチング、研磨などの各種加工を行う工程(加工工程)
(5)本開示の洗浄剤組成物を用いてレジスト膜(樹脂マスク)を剥離する工程(剥離工程)
[キット]
本開示は、一態様において、本開示の剥離方法及び本開示の電子部品の製造方法のいずれかに使用するためのキット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、本開示の洗浄剤組成物を製造するためのキットである。本開示のキットによれば、半導体ウエハのパッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制でき、樹脂マスク剥離性に優れる洗浄剤組成物を得ることができる。
本開示のキットとしては、一又は複数の実施形態において、成分Aを含有する溶液(第1液)と、成分Bを含有する溶液(第2液)とを、相互に混合されない状態で含み、第1液と第2液とは使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。第1液及び第2液の各々には、必要に応じて上述した任意成分(成分C、その他の成分)が含まれていてもよい。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.実施例1~4、比較例1~9及び参考例1~2の洗浄剤組成物の調製
表1~3に示す各成分を表1~3に記載の配合量(質量%、有効分)で配合し、それを攪拌して混合することにより、実施例1~4、比較例1~9及び参考例1~2の洗浄剤組成物を調製した。
実施例1~4、比較例1~8及び参考例1~2の洗浄剤組成物の調製には、下記のものを使用した。
(成分A)
モノエタノールアミン[日本触媒株式会社製]
(成分B)
ブチルジグリコール(BDG)[日本乳化剤株式会社製、ジエチレングリコールモノブチルエーテル]
エチレングリコール[富士フイルム和工純薬株式会社製]
(非成分B)
ベンジルアルコール[ダウ・ケミカル製]
ジメチルスルホキシド[東レ・ファインケミカル株式会社製]
(成分C)
水[オルガノ株式会社製純水装置G-10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水]
2.実施例1~3及び比較例1~8の洗浄剤組成物の評価
調製した実施例1~3及び比較例1~8の洗浄剤組成物について下記評価を行った。
[アルミニウム電極、パッシベーション膜、及び樹脂マスクを有するテストピースの作製]
アルミニウム電極の周囲をポリイミドのパッシベーション膜で保護されたパターンを持つ半導体ウエハのパターンの上全面にアルカリ可溶ポリイミドを3ミクロン厚で塗布して硬化させた樹脂マスクを形成した半導体ウエハを個片化してテストピース(アルミニウム電極、パッシベーション膜、及び樹脂マスクを有する半導体ウエハ)を作製した。
[樹脂マスク剥離性の評価]
100mLガラスビーカーに、実施例1~3及び比較例1~8の各洗浄剤組成物を50g添加し、室温(25℃)で3分間テストピースを浸漬する。そして、100mLガラスビーカーにエタノールを50g添加したすすぎ槽へ2分間、2回浸漬してすすいだ後、窒素ブローにて乾燥する。テストピースの外観を、光学顕微鏡(マイクロスコープ、キーエンス社製)を用いて100倍で観察し、樹脂マスクの剥離残渣の有無を評価した。結果を表1に示した。
[パッシベーション膜へのダメージの評価及びアルミニウム電極の腐食性の評価]
100mLガラスビーカーに、実施例1~3及び比較例1~8の各洗浄剤組成物を50g添加して65℃に加温した状態で、テストピースを60分間浸漬する。そして、100mLガラスビーカーにエタノールを50g添加したすすぎ槽へ2分間、2回浸漬してすすいだ後、窒素ブローにて乾燥する。テストピースの外観を光学顕微鏡(マイクロスコープ、キーエンス社製)を用いて100倍で観察し、パッシベーション膜のクラック発生の有無とアルミニウム電極の変色の有無を評価した。
Figure 2024030127000002
表1に示すとおり、実施例1~3の洗浄剤組成物は、成分Aの含有量が65質量%未満、成分Bの含有量が35質量%超である比較例1~2、成分Aの含有量が65質量%未満である比較例3、成分Bを含まない比較例4、成分Bの含有量が15質量%未満である比較例5、成分Bを含まない比較例6、溶剤として非成分Bを含む比較例7~8に比べて、パッシベーション膜へのダメージが抑制され、かつ、樹脂マスク剥離性に優れていることが分かった。さらに、実施例1~3の洗浄剤組成物は、アルミニウム電極の腐食抑制効果に優れていた。
3.実施例4及び参考例1の洗浄剤組成物の評価
調製した実施例4及び参考例1の洗浄剤組成物について下記評価を行った。
[樹脂マスク剥離性の評価]
テストピースの洗浄剤組成物への浸漬時間を90秒間に変更したこと以外は、上述した実施例1~2の洗浄剤組成物の樹脂マスク剥離性の評価と同様にして、実施例4及び参考例1の洗浄剤組成物の樹マスク剥離性の評価を行った。結果を表2に示した。
Figure 2024030127000003
表2に示すとおり、成分Bとしてブチルジグリコールを用いた実施例4は、浸漬時間が短時間(10秒)でも樹脂マスクを完全に剥離できていた。一方、成分Bとしてエチレングリコールを用いた参考例1は、浸漬時間が短時間(10秒)では樹脂マスクを完全に剥離できなかった。このことから、ブチルジグリコールは、エチレングリコールよりも樹脂マスク剥離性に優れることがわかった。
4.実施例1及び参考例2の洗浄剤組成物の評価
調製した参考例2の洗浄剤組成物について下記評価を行った。
[樹脂マスク剥離性の評価]
テストピースの洗浄剤組成物への浸漬温度を100℃、浸漬時間を3分に変更したこと以外は、上述した実施例1の洗浄剤組成物の樹脂マスク剥離性の評価と同様にして、参考例2の洗浄剤組成物の樹脂マスク剥離性の評価を行った。結果を表3に示した。
Figure 2024030127000004
表3に示すとおり、浸漬温度が100℃である参考例2は、浸漬時間が実施例1よりも短時間(3分間)であってもパッシベーション膜にクラックが発生していた。このことから、洗浄剤組成物への浸漬温度は70℃以下が好ましいといえる。
本開示によれば、半導体ウエハのパッシベーション膜へのダメージ及びアルミニウム電極の腐食を抑制でき、樹脂マスク剥離性に優れる樹脂マスク剥離方法を提供できる。本開示の剥離方法を用いることで、電子部品の性能・信頼性の向上が可能となり、半導体装置の生産性を向上できる。

Claims (4)

  1. 洗浄剤組成物を用いて、アルミニウム電極、パッシベーション膜及び樹脂マスクを有する半導体ウエハから樹脂マスクを剥離する剥離工程を含み、
    前記洗浄剤組成物は、アルカノールアミン(成分A)と、下記式(I)で表される溶剤(成分B)とを含有する洗浄剤であり、
    前記洗浄剤組成物中の成分Aの含有量は、65質量%以上75質量%以下であり、
    前記洗浄剤組成物中の成分Bの含有量が、15質量%以上35質量%以下である、樹脂マスクの剥離方法。
    R-O-(EO)n-H (I)
    上記式(I)中、Rは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、nはEOの付加モル数であって1又は2である。
  2. 前記洗浄剤組成物は、リン酸エステル系界面活性剤及び2-ブチン-1,4-ジオールの少なくとも一方を含まない、請求項1に記載の剥離方法。
  3. 前記剥離工程は、前記洗浄剤組成物を、70℃以下の温度で半導体ウエハに接触させることを含む、請求項1又は2に記載の剥離方法。
  4. 前記洗浄剤組成物は、水を含まない、又は、水の含有量が15質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の剥離方法。
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