JP2021125909A - ステータ、及び回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】より鉄損の増大を抑えたステータを提供することである。【解決手段】回転電機のステータは、第1の材料の電磁鋼板を積層した第1の層と、第2の材料の電磁鋼板を積層した第2の層と、を積層したステータコアと、前記ステータコアを収容するハウジングと、を備え、前記ステータコアは、前記ハウジングの内周に、焼き嵌め又は圧入により固定され、前記第1の材料は、前記第2の材料と比べて、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大が少ない材料であり、前記第1の層と前記ハウジングとは接し、前記第2の層と前記ハウジングとは離れている。【選択図】図1
Description
本発明は、ステータ、及び回転電機に関する。
従来、積層鋼板で構成されたステータコアを円筒状のハウジング内に固定して成るステータが知られている。ステータコアとハウジングとは、例えば焼き嵌めによって固定される。ハウジングに固定されたステータコアの外周には、ハウジングによる圧縮応力が負荷付加され、これによりステータコアの鉄損が増大する。
これに対し、ハウジングの内周に凹凸を設けることで、ステータコアの外周に、ハウジングによる圧縮応力が負荷されない部分を形成し、鉄損の増大を抑えようとする技術が知られている(特許文献1)。
従来例によれば、ハウジングの内周に凹凸を設けることなどで、ステータコアの外周に、ハウジングによる圧縮応力が負荷されない部分を形成することができる。しかしながら、ステータコアの外周のうち、ハウジングの内周と接する部分については、圧縮応力が大きく負荷されることになり、トータルで鉄損の増大を抑えることはできても、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大は避けられない。
本発明は、より鉄損の増大を抑えたステータ、及び回転電機を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るステータは、回転電機のステータであって、第1の材料の電磁鋼板を積層した第1の層と、第2の材料の電磁鋼板を積層した第2の層と、を積層したステータコアと、前記ステータコアを収容するハウジングと、を備え、前記ステータコアは、前記ハウジングの内周に、焼き嵌め又は圧入により固定され、前記第1の材料は、前記第2の材料と比べて、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大が少ない材料であり、前記第1の層と前記ハウジングとは接し、前記第2の層と前記ハウジングとは離れている。
上記の一態様のステータにおいて、前記第2の材料は、前記第1の材料よりも鉄損が小さい材料であってもよい。
上記の一態様のステータにおいて、前記ステータコアは、2つの前記第1の層で前記第2の層を挟んでもよい。
上記の一態様のステータにおいて、前記第1の材料は、Fe−6.5%Si合金であり、前記第2の材料は、Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金のうちのいずれかであってもよい。
上記の一態様のステータにおいて、前記第1の材料は、Fe−3%Si合金であり、前記第2の材料は、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金のうちのいずれかであってもよい。
上記の一態様のステータにおいて、前記第2の層と前記ハウジングとの間に熱伝導部材を有してもよい。
上記の一態様のステータにおいて、前記熱伝導部材は、加熱硬化型膨張接着シートであってもよい。
また、本発明の一態様に係る回転電機は、上記の一態様に係るステータと、ロータと、を備える。
本発明の一態様によれば、より鉄損の増大を抑えたステータを提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
実施形態では説明を分かり易くするため、本発明の主要部以外の構造や要素については、簡略化または省略して説明する。また、図面において、同じ要素には同じ符号を付す。なお、図面に示す各要素の形状、寸法などは模式的に示したもので、実際の形状、寸法などを示すものではない。
実施形態では説明を分かり易くするため、本発明の主要部以外の構造や要素については、簡略化または省略して説明する。また、図面において、同じ要素には同じ符号を付す。なお、図面に示す各要素の形状、寸法などは模式的に示したもので、実際の形状、寸法などを示すものではない。
なお、以下の説明において、図面に示す中心軸Aが延びる方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Aを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Aを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、軸方向において、図1での左側をフロント側又は一方側と呼び、図1での右側をリア側又は他方側と呼ぶ。また、径方向において、中心軸Aに近い側を内側と呼び、中心軸Aから遠い側を外側と呼ぶ。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るモータの分解斜視図である。
本実施形態は、本発明をPMモータ(ロータに永久磁石を用いた永久磁石式モータ)に適用した場合の例である。本実施形態のモータ1は、ハウジング2を有するステータ30と、中心軸Aに沿って配置されるシャフト5を有するロータ10と、リアカバー4と、フロントカバー3と、を備える。モータ1は、PMモータである。ハウジング2は、ステータコア36(図3参照)及びロータ10を収容する。シャフト5はロータコア11に挿入される。ロータ10は、図示しない軸受により周方向に回転可能に軸支される。中心軸Aは、ロータ10の回転軸である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るモータの分解斜視図である。
本実施形態は、本発明をPMモータ(ロータに永久磁石を用いた永久磁石式モータ)に適用した場合の例である。本実施形態のモータ1は、ハウジング2を有するステータ30と、中心軸Aに沿って配置されるシャフト5を有するロータ10と、リアカバー4と、フロントカバー3と、を備える。モータ1は、PMモータである。ハウジング2は、ステータコア36(図3参照)及びロータ10を収容する。シャフト5はロータコア11に挿入される。ロータ10は、図示しない軸受により周方向に回転可能に軸支される。中心軸Aは、ロータ10の回転軸である。
ハウジング2は、例えばアルミダイカスト製であって、軸方向に延びる円筒形状の部材である。ハウジング2は、その内周にステータコア36を保持する。ステータコア36は、例えば、焼き嵌め、又は圧入によりハウジング2に固定される。ステータ30は、軸方向に延びる円筒形状の部材である。ロータ10は、ステータ30の内周に配置される。ロータ10の外周は、ステータ30の内周と径方向に隙間を介して対向する。フロントカバー3は、ハウジング2のフロント側に固定される。フロントカバー3は、ハウジング2のフロント側の開口を塞ぐ。フロントカバー3は、シャフト5が貫通する貫通孔3cを有する。リアカバー4は、ハウジング2のリア側に固定される。リアカバー4は、ハウジング2のリア側の開口を塞ぐ。
図2は、図1に示したロータ10をフロント側から見た側面図である。
ロータ10は、シャフト5と、ロータコア11と、磁石12と、を有する。シャフト5は、軸方向に延びる円柱形状の部材である。シャフト5は、円筒形状の部材であってもよい。ロータコア11は、シャフト5の外周に配置される。ロータコア11は、軸方向に延びる円筒形状の部材である。シャフト5は、例えば、焼き嵌め、又は圧入によりロータコア11に固定される。ロータコア11は、磁石12が挿入された複数のスロットを有する。磁石12は、軸方向に延びる角柱形状の部材である。磁石12は、永久磁石である。磁石12は、フェライト磁石、ネオジム磁石等の如何なる永久磁石であってもよい。磁石12は、ロータコア11の外縁の近傍に配置される。ロータ10の磁石12は、ステータ30の巻線35(図3参照)に電流が流れることによって生じる回転磁界に吸引される。磁石12は、回転磁界に吸引されることによって、中心軸Aを回転軸としてロータ10を回転させる回転トルクを発生する。
ロータ10は、シャフト5と、ロータコア11と、磁石12と、を有する。シャフト5は、軸方向に延びる円柱形状の部材である。シャフト5は、円筒形状の部材であってもよい。ロータコア11は、シャフト5の外周に配置される。ロータコア11は、軸方向に延びる円筒形状の部材である。シャフト5は、例えば、焼き嵌め、又は圧入によりロータコア11に固定される。ロータコア11は、磁石12が挿入された複数のスロットを有する。磁石12は、軸方向に延びる角柱形状の部材である。磁石12は、永久磁石である。磁石12は、フェライト磁石、ネオジム磁石等の如何なる永久磁石であってもよい。磁石12は、ロータコア11の外縁の近傍に配置される。ロータ10の磁石12は、ステータ30の巻線35(図3参照)に電流が流れることによって生じる回転磁界に吸引される。磁石12は、回転磁界に吸引されることによって、中心軸Aを回転軸としてロータ10を回転させる回転トルクを発生する。
図3は、図1に示したステータ30を、軸方向と平行であって中心軸Aを通る面で切断して示す断面図である。図3は、図中の上側がフロント側であり、下側がリア側である。
ステータ30は、ステータコア36に巻線35を巻き回して構成される。ステータ30は、巻線35に電流が流されることで回転磁界を生じる。ステータコア36は、電磁鋼板を軸方向に積層した積層鋼板で構成される。ステータコア36は、フロント側から順に、積層鋼板31、積層鋼板32、及び積層鋼板33を積層して構成される。
ステータ30は、ステータコア36に巻線35を巻き回して構成される。ステータ30は、巻線35に電流が流されることで回転磁界を生じる。ステータコア36は、電磁鋼板を軸方向に積層した積層鋼板で構成される。ステータコア36は、フロント側から順に、積層鋼板31、積層鋼板32、及び積層鋼板33を積層して構成される。
図4は、図1に示したステータ30の、図3に示すIV−IV位置での断面図である。
積層鋼板31は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成される。積層鋼板31は、第1の層の一例である。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板の材料は、第1の材料であり、例えばFe−6.5%Si合金である。Fe−6.5%Si合金は、第1の材料の一例である。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれの軸方向の厚さは、例えば約0.3mm程度である。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、板状の円環形状である。なお、別の例として第1の材料としては、例えばFe−3%Si合金を用いることもできる。
積層鋼板31は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成される。積層鋼板31は、第1の層の一例である。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板の材料は、第1の材料であり、例えばFe−6.5%Si合金である。Fe−6.5%Si合金は、第1の材料の一例である。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれの軸方向の厚さは、例えば約0.3mm程度である。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、板状の円環形状である。なお、別の例として第1の材料としては、例えばFe−3%Si合金を用いることもできる。
積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、径方向外側に、周方向全体に亘るコアバック部31aを有する。コアバック部31aは、積層鋼板31の外周部分を形成する。積層鋼板31の外周は、ハウジング2の内周に接する。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、径方向内側に、周方向全体に亘るティース部31bを有する。ティース部31bは、積層鋼板31の内周部分を形成する。ティース部31bは、周方向で所定の間隔を空けて、コアバック部31aから径方向内側に突出する。
本実施形態では、積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、電磁鋼板同士を接着剤で接着して積層して固定する。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、既知の如何なる方法を用いてもよい。積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、例えば、ボルト止めでもよいし、ダボによるカシメでもよいし、溶接でもよい。
図5は、図1に示したステータ30の、図3に示すV−V位置での断面図である。
積層鋼板32は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成される。積層鋼板32は、第2の層の一例である。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板の材料は、第2の材料であり、例えばFe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金のうちのいずれかである。Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金は、第2の材料の一例である。第1の材料は、第2の材料と比べて、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大が少ない材料である。第1の材料は、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大がない材料であることがより望ましい。第2の材料は、第1の材料よりも鉄損が小さい材料である。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれの軸方向の厚さは、アモルファス合金の場合、例えば約0.03mm程度である。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、板状の円環形状である。なお、アモルファス合金としては、例えばFe系アモルファス合金を用いることができる。アモルファス合金としては、Fe系アモルファス合金以外の他のアモルファス合金を用いることもできる。アモルファス合金としては、例えば小型のモータではCo系アモルファス合金を用いることもできる。
積層鋼板32は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成される。積層鋼板32は、第2の層の一例である。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板の材料は、第2の材料であり、例えばFe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金のうちのいずれかである。Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金は、第2の材料の一例である。第1の材料は、第2の材料と比べて、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大が少ない材料である。第1の材料は、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大がない材料であることがより望ましい。第2の材料は、第1の材料よりも鉄損が小さい材料である。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれの軸方向の厚さは、アモルファス合金の場合、例えば約0.03mm程度である。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、板状の円環形状である。なお、アモルファス合金としては、例えばFe系アモルファス合金を用いることができる。アモルファス合金としては、Fe系アモルファス合金以外の他のアモルファス合金を用いることもできる。アモルファス合金としては、例えば小型のモータではCo系アモルファス合金を用いることもできる。
第2の材料は、第1の材料と比べて鉄損が小さい材料である。Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金は、Fe−6.5%Si合金と比べて、鉄損が小さい材料の一例である。第2の材料は、第1の材料と比べて透磁率が高い材料である。Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金は、Fe−6.5%Si合金と比べて、透磁率が高い材料の一例である。第2の材料は、第1の材料と比べてヒステリシス損失が小さい材料である。Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金は、Fe−6.5%Si合金と比べて、ヒステリシス損失が小さい材料の一例である。第2の材料は、第1の材料と比べて渦電流が小さい材料である。Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金は、Fe−6.5%Si合金と比べて、渦電流が小さい材料の一例である。なお、第1の材料としてFe−3%Si合金を用いる場合は、第2の材料は、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金のうちのいずれかを用いることができる。
積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、径方向外側に、周方向全体に亘るコアバック部32aを有する。コアバック部32aは、積層鋼板32の外周部分を形成する。ステータ30は、積層鋼板32の外周とハウジング2の内周との間に隙間を有する。積層鋼板32の外周とハウジング2の内周との間の隙間は、空洞であってもよい。本実施形態では、ステータ30は、積層鋼板32の外周とハウジング2の内周との間の隙間にシート部材34を有する。シート部材34は、例えば樹脂シートである。シート部材34は、例えば加熱硬化型膨張接着シートである。積層鋼板32の外周に配置されたシート部材34は、加熱されることで積層鋼板32の外周とハウジング2の内周との間の隙間を埋めて硬化する。シート部材34として、空気よりも熱伝導率が高い材質の部材を用いることにより、積層鋼板32の外周とハウジング2の内周との間の隙間が空洞である場合と比べて、シート部材34によってステータコア36の発熱をハウジング2に放熱しやすい。シート部材34は、熱伝導部材の一例である。例えばハウジング2に冷却水の水路を設けた構成において、モータ1は、シート部材34を設けることで、より放熱効率を高めることができる。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、径方向内側に、周方向全体に亘るティース部32bを有する。ティース部32bは、積層鋼板32の外周部分を形成する。ティース部32bは、周方向で所定の間隔を空けて、コアバック部32aから径方向内側に突出する。
本実施形態では、積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、電磁鋼板同士を接着剤で接着して積層して固定する。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、既知の如何なる方法を用いてもよい。積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、例えば、ボルト止めでもよいし、ダボによるカシメでもよいし、溶接でもよい。
積層鋼板33は、図4に示した積層鋼板31と同じ形状であるため、図4、図5と同様の断面の図示は省略する。積層鋼板33は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成される。積層鋼板33は、第1の層の一例である。本実施形態では、ステータコア36は、第1の層の一例である積層鋼板31と積層鋼板33とで、第2の層の一例である積層鋼板32を軸方向において挟む。積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板の材料は、例えばFe−6.5%Si合金である。Fe−6.5%Si合金は、第1の材料の一例である。積層鋼板33は、積層鋼板31と同じ材質であってもよいし、積層鋼板31と異なる材質であってもよい。積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれの軸方向の厚さは、例えば約0.3mm程度である。積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、板状の円環形状である。
積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、径方向外側に、周方向全体に亘るコアバック部33aを有する。コアバック部33aは、積層鋼板33の外周部分を形成する。積層鋼板33の外周は、ハウジング2の内周に接する。積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板のそれぞれは、径方向内側に、周方向全体に亘るティース部33bを有する。ティース部33bは、積層鋼板33の内周部分を形成する。ティース部33bは、周方向で所定の間隔を空けて、コアバック部33aから径方向内側に突出する。
本実施形態では、積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、電磁鋼板同士を接着剤で接着して積層して固定する。積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、既知の如何なる方法を用いてもよい。積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板の積層方法は、例えば、ボルト止めでもよいし、ダボによるカシメでもよいし、溶接でもよい。
本実施形態では、第1の層(積層鋼板31及び積層鋼板33)及び第2の層(積層鋼板32)を積層して成るステータコア36において、軸方向両端は第1の層である。本実施形態では、積層鋼板31と積層鋼板32と積層鋼板33とを積層する積層方法は、電磁鋼板同士を接着剤で接着して積層して固定する。積層鋼板31と積層鋼板32と積層鋼板33との積層方法は、既知の如何なる方法を用いてもよい。積層鋼板31と積層鋼板32と積層鋼板33との積層方法は、例えば、ボルト止めでもよいし、ダボによるカシメでもよいし、溶接でもよい。ステータコア36は、積層鋼板31、積層鋼板32及び積層鋼板33のそれぞれを積層した後に、積層鋼板31と積層鋼板32と積層鋼板33とを積層してもよい。ステータコア36は、積層鋼板31を構成する複数の電磁鋼板、積層鋼板32を構成する複数の電磁鋼板、及び積層鋼板33を構成する複数の電磁鋼板を軸方向に配置して一度ですべてに接着剤を含侵して接着することで積層してもよい。
第1の層の一例である積層鋼板31及び積層鋼鈑33を構成する電磁鋼板は、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大が少ない材料の電磁鋼板である。ステータコア36を、焼き嵌め又は圧入によりハウジング2に収容したとき、積層鋼板31及び積層鋼板33はハウジング2に接し、積層鋼板31及び積層鋼板33にはハウジング2による圧縮応力が負荷される。しかしながら、積層鋼板31を構成する電磁鋼板及び積層鋼板33を構成する電磁鋼板は、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大が少ない材料であるため、鉄損の増大を抑えることができる。本実施形態によれば、鉄損の増大を抑えることができるので、これに伴いモータの温度上昇を抑えることができる。このため、放熱のための構成を省くことができ、モータを小型化することができる。
第2の層の一例である積層鋼板32を構成する電磁鋼板は、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大がある材料の電磁鋼板であってもよい。ステータコア36を、焼き嵌め又は圧入によりハウジング2に収容したとき、積層鋼板32とハウジング2とは離れており、積層鋼板32にはハウジング2による圧縮応力が直接負荷されない。積層鋼板32とハウジング2との間にシート部材34が介在する場合、ハウジング2による圧縮応力はシート部材34が吸収し、積層鋼板32にはハウジング2による圧縮応力がほとんど負荷されない。このため、積層鋼板32には、圧縮応力が負荷されず鉄損は増大しない。
<第2実施形態>
第1実施形態では、ステータコア36は、2つの第1の層(積層鋼板31及び積層鋼板33)で第2の層(積層鋼板32)を挟む構成にしたが、本発明はこれに限られるものではない。ステータコアは、フロント側から順に、第2の層、第1の層、及び第2の層を積層して構成されるものであってもよい。このようにすることで、鉄損が小さい第2の層をより多く用いることができ、鉄損をより小さくすることができる。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向両端は第2の層である。
第1実施形態では、ステータコア36は、2つの第1の層(積層鋼板31及び積層鋼板33)で第2の層(積層鋼板32)を挟む構成にしたが、本発明はこれに限られるものではない。ステータコアは、フロント側から順に、第2の層、第1の層、及び第2の層を積層して構成されるものであってもよい。このようにすることで、鉄損が小さい第2の層をより多く用いることができ、鉄損をより小さくすることができる。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向両端は第2の層である。
<第3実施形態>
また、ステータコアは、ステータコアの軸方向の長さに応じて、積層する第1の層及び第2の層の数を調整してもよい。具体的には、ステータコアの軸方向の長さが長い場合には、積層する第1の層及び第2の層の数を多くし、ステータコアの軸方向の長さが短い場合には、積層する第1の層及び第2の層の数を少なくする。このようにすることにより、ステータコアとハウジングとを焼き嵌め又は圧入により固定する際に、第1の層がハウジングに接触する箇所を軸方向の所定間隔で確保することができ、ステータの形状を安定させることができる。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向両端は第1の層であってもよい。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向両端は第2の層であってもよい。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向一方端は第1の層であり、軸方向他方端は第2の層であってもよい。
また、ステータコアは、ステータコアの軸方向の長さに応じて、積層する第1の層及び第2の層の数を調整してもよい。具体的には、ステータコアの軸方向の長さが長い場合には、積層する第1の層及び第2の層の数を多くし、ステータコアの軸方向の長さが短い場合には、積層する第1の層及び第2の層の数を少なくする。このようにすることにより、ステータコアとハウジングとを焼き嵌め又は圧入により固定する際に、第1の層がハウジングに接触する箇所を軸方向の所定間隔で確保することができ、ステータの形状を安定させることができる。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向両端は第1の層であってもよい。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向両端は第2の層であってもよい。本実施形態では、第1の層及び第2の層を積層して成るステータコアにおいて、軸方向一方端は第1の層であり、軸方向他方端は第2の層であってもよい。
上記実施形態では、本発明を、PMモータに適用した場合の構成例について説明した。しかしながら本発明はこれに限られるものではない。本発明は、ステータに積層鋼板を用いてハウジング等により圧縮応力が負荷される回転電機であれば、如何なる回転電機にも適用可能である。本発明において、ロータは、ロータコアに永久磁石を埋め込んだ構成であってもよい。本発明において、ロータは、ロータコアの外周に永久磁石を貼り付けた構成であってもよい。本発明において、モータは、かご形誘導電動機であってもよい。本発明は、モータに適用するものであってもよいし、発電機に適用するものであってもよいし、如何なる回転電機に適用するものであってもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…モータ、2…ハウジング、3…フロントカバー、3c…貫通孔、4…リアカバー、5…シャフト、10…ロータ、11…ロータコア、30…ステータ
Claims (8)
- 回転電機のステータであって、
第1の材料の電磁鋼板を積層した第1の層と、第2の材料の電磁鋼板を積層した第2の層と、を積層したステータコアと、
前記ステータコアを収容するハウジングと、
を備え、
前記ステータコアは、前記ハウジングの内周に、焼き嵌め又は圧入により固定され、
前記第1の材料は、前記第2の材料と比べて、圧縮応力が負荷されることによる鉄損の増大が少ない材料であり、
前記第1の層と前記ハウジングとは接し、
前記第2の層と前記ハウジングとは離れている、
ステータ。 - 前記第2の材料は、前記第1の材料よりも鉄損が小さい材料である、
請求項1に記載のステータ。 - 前記ステータコアは、2つの前記第1の層で前記第2の層を挟む、
請求項1又は2に記載のステータ。 - 前記第1の材料は、Fe−6.5%Si合金であり、
前記第2の材料は、Fe−3%Si合金、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金のうちのいずれかである、
請求項1から3のいずれか一項に記載のステータ。 - 前記第1の材料は、Fe−3%Si合金であり、
前記第2の材料は、アモルファス合金、及び鉄コバルト合金のうちのいずれかである、
請求項1から3のいずれか一項に記載のステータ。 - 前記第2の層と前記ハウジングとの間に熱伝導部材を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のステータ。 - 前記熱伝導部材は、加熱硬化型膨張接着シートである、
請求項6に記載のステータ。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のステータと、
ロータと、
を備える回転電機。
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