JP2021125356A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐食性と導電性を有する新たな燃料電池用セパレータを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、燃料電池の電極(21、22)に接する被覆層(112、122)を有する基板(111、121)からなる燃料電池用セパレータ(11、12)である。被覆層はFeからなる。電極側のセパレータの表面粗さ(Sa)は5〜100μmさらには10〜50μmである。被覆層は、例えば、めっき層または焼結層である。基板は、例えば、ステンレス鋼、Ti基材またはAl基材である。被覆層が接触する電極面(ガス拡散層等)は、例えば、炭素基材からなる。このとき、被覆層と電極面の間に作用する接触面圧は、5MPa以下さらには3MPa以下でもよい。燃料電池は、例えば、固体高分子型燃料電池である。
【選択図】図6

Description

本発明は、燃料電池用セパレータに関する。
燃料電池は、発電効率が高く、環境負荷が小さいため、電力供給源として注目されている。燃料電池には複数のタイプあるが、電解質と、その両側に設けられる電極(燃料極と空気(酸素)極/アノードとカソード)と、各電極の外側(電解質の反対側)に設けられるセパレータとを備える点で共通している。
電解質や電極は、燃料電池のタイプに応じて選択されるが、セパレータは燃料電池のタイプには必ずしも拘束されず、成形性、強度、コスト等も考慮して選択される。但し、いずれのセパレータでも、優れた耐食性と導電性が要求される点で共通する。このようなセパレータに関する提案は多くなされており、例えば、下記の特許文献に関連する記載がある。
特開2007−242257号公報 特開2007−305463号公報 特開2012−212644号公報
特許文献1は、FeNi合金基板に形成したガス流路の表面(溝内壁面)に、Feからなる耐腐食層を形成したセパレータを提案している。但し、特許文献1のセパレータでは、電極との接触面に形成された耐腐食層をわざわざ除去している。すなわち、そのセパレータは、電極に接触する表面に、耐腐食層(Fe)が形成されていない。
特許文献2は、ステンレス鋼からなる基板表面に導電性樹脂層を形成したセパレータを提案している。特許文献3は、チタンからなる基板表面に黒鉛層を形成したセパレータを提案している。これら特許文献は、当然、セパレータ表面に形成するFe層について、何ら言及していない。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、優れた耐食性と導電性を有する新たな燃料電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、電極に接触する基板の表面にFe層を形成して、その表面粗さを所定の面粗さとすることで、耐食性と導電性を高次元で両立させることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明が完成されるに至った。
《燃料電池用セパレータ》
本発明は、燃料電池の電極に接する被覆層を有する基板からなり、表面粗さ(Sa)は5〜100μmであり、該被覆層はFeからなる燃料電池用セパレータである。
本発明の燃料電池用セパレータ(単に「セパレータ」という。)は、Feからなる被覆層により高耐食性が確保される。また、セパレータの表面(被覆層の表面)が所定の面粗さを有するため、セパレータと電極を高面圧で圧接するまでもなく、接触抵抗が低く、セパレータ全体として高い導電性が確保される。
《燃料電池用セパレータの製造方法》
本発明は、セパレータの製造方法としても把握できる。例えば、本発明は、めっき工程や焼結工程により、基板の表面へFeからなる被覆層を形成するセパレータの製造方法でもよい。
表面粗さの制御は、例えば、被覆層の形成前でも、被覆層の形成後でもよい。例えば、被覆層が薄いとき(例えば、めっき層のとき)なら、基板の表面を予め所定の表面粗さにしておけばよい。また被覆層が厚いとき(例えば、焼結層のとき)なら、形成した被覆層を所定の表面粗さに加工(研磨、ラッピング等)してもよい。
《燃料電池》
本発明は、上述したセパレータを備えた燃料電池としても把握できる。例えば、本発明は、電解質と、電解質の各面側にある電極と、各電極に接するセパレータとを備え、そのセパレータが上述した被覆層を備える燃料電池でもよい。
《その他》
本明細書でいう「X基材」は、X単体の他、Xを主成分とするX合金(金属間化合物を含む)、X複合材等である。なお、主成分は、敢えていうと、基材全体に対してXを50原子%以上(さらに50原子%超)含むことを意味する。
本明細書でいう「x〜y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。また、本明細書でいう「x〜yμm」はxμm〜yμmを意味する。他の単位系(MPa、mΩ・cm等)についても同様である。
試料1に係る被覆層のX線回折パターンである。 接触抵抗の測定方法を示す模式図である。 試料1に係る被覆層の接触抵抗に及ぼす面圧と面粗さの影響を示すグラフである。 試料1に係る被覆層の自然電位の経時変化を示すグラフである。 試料C1に係る被覆層の自然電位の経時変化を示すグラフである。 試料1に係る被覆層の分極曲線を示すグラフである。 試料C1に係る被覆層の分極曲線を示すグラフである。 固体高分子型燃料電池のセル要部を示す模式図である。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、方法的な構成要素であっても物(例えばセパレータや燃料電池)に関する構成要素ともなり得る。
《被覆層》
被覆層はFeからなる。被覆層には、Feの他に不純物(Fe以外の酸化鉄も含む)が含まれてもよい。なお、Fe(マグネタイト)の一部は、FeがNi、Co、Mn、Zn等で置換された他の(正・逆)スピネル型フェライト(AB/AB:金属元素)でもよい。
Feからなる被覆層は、めっき、蒸着(PVD、CVD等)、焼結等により形成され得る。めっきや蒸着に依れば、膜厚の制御が可能となり、薄膜状(例えば、厚さが0.1〜10μmさらには0.5〜5μm)の被覆層が均一的に形成され得る。逆に、厚膜状(例えば、厚さが10〜200μmさらには25〜75μm)の被覆層なら、例えば、基板表面に圧着、スラリー塗布等した原料粉末を焼結させると、効率的に形成される。なお、原料粉末は、Fe粉末自体を用いてもよいし、焼結によりFeを形成する鉄源粉末と酸素源粉末の混合粉末を用いてもよい。
《表面粗さ》
電極に接するセパレータの表面粗さの指標値は複数ある。その代表例として、三次元表面性状を指標する算術平均粗さ(Sa)がある。Saは、規格(ISO25178)に沿って算出される面粗さである。例えば、本発明の場合なら、被覆層から抽出した測定域(基準領域)について、平均面からの高低差の平均値としてSaが算出される。
本発明では、被覆層の表面から任意に抽出した5箇所(基準領域)について測定を行い、それぞれ得られたSaの算術平均値をSaとして採用する。この際、各測定箇所の基準領域は1.00mm×0.75mmとする。
《基板》
セパレータの基板は、導電性材からなり、被覆層の形成が可能であれば、その具体的な材質を問わない。例えば、金属基材、樹脂基材、炭素基材、セラミック基材等により基板は構成される。金属基材は、導電性、成形性(加工性)、強度等に優れるため、基板として好適である。特に、耐食性に優れるステンレス鋼、Ti基材、Al基材等を基板に用いるとよい。
セパレータと電極の間には、通常、ガス(燃料ガス、空気等の酸化ガス)を電極内へ均一的に供給するために、ガス流路(溝等)が設けられる。ガス流路は、電極側にあっても、セパレータ側(基板)にあってもよい。セパレータ側に設けられるガス流路は、基板の電極面側を塑性加工(プレス成形等)、切削加工等して形成される。金属基材からなるセパレータなら、ガス流路をプレス成形した薄板とできる。
《燃料電池/セパレータ》
燃料電池には複数のタイプがある。例えば、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cel)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)等がある。本発明のセパレータは、いずれの燃料電池にも利用可能である。
なかでも、PEFCは、小型軽量化が可能で、可搬性があり、低温で作動させ得るため、自動車等へ利用されている。PEFCは、電荷担体が水素イオン(H+) であり、反応ガスは水素ガスと酸化ガス(通常は空気)である。
燃料電池は、複数のセルが積層されたスタックからなる。一例として、PEFCのセルPの要部を図6に模式的に示した。セルPは、固体高分子電解質膜3と、その一方側の電極である燃料極(アノード)21と、その他方側の電極である空気極(カソード)22と、燃料極21の外側にあるセパレータ11と、空気極22の外側にあるセパレータ12とを備える。
固体高分子電解質膜(単に「電解質膜」ともいう。)3は、H+のみを移動させる。燃料極21は、供給されたガスg1(水素)を透過すると共に導電性を備えるガス拡散層(GDL)211と、金属触媒を担持した電極触媒層(CL)212とを有する。空気極22は、供給されたガスg2(空気、特に酸素)を透過すると共に導電性を備えるガス拡散層(GDL)221と、金属触媒を担持した電極触媒層(CL)222とを有する。ガス拡散層211はセパレータ11(被覆層112)に接しており、ガス拡散層221はセパレータ12(被覆層122)に接している。電極触媒層212はガス拡散層211と電解質膜3に接しており、電極触媒層222はガス拡散層221と電解質膜3に接している。本発明に係るセパレータ11、12は、さらに、ガス拡散層211、221に接触する被覆層112、122を備える。被覆層112、122は、Feからなると共に、その表面は所定の面粗さとなっている。
ガス拡散層は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維を焼結させた多孔質状の炭素基材からなる。なお、ガス拡散層の一面(電解質の反対側にある面)が、被覆層と接触する電極面となる。電極触媒層は、例えば、触媒(Pt、Pt−Ru合金等)の微粒子をカーボンブラック等に担持させてなる。
被覆層は、例えば、めっき層や焼結層からなる。被覆層の表面が所定の面粗さ(Sa)であるため、セパレータと各電極の接触面圧を過大にするまでもなく、両者間(被覆層とガス拡散層の間)で十分な導電性(接触抵抗の低減)が確保される。例えば、その面圧は5MPa以下、3MPa以下さらには1MPa以下でもよい。これにより、燃料電池の構成部材の変形抑制や締結具の小型化等が可能となり、ひいては燃料電池の小型化、低コスト化も可能となる。
セパレータに用いられる金属基板の表面に被覆層を形成した。その被覆層の構造を明らかにすると共に、その被覆層の特性(導電性と耐食性)を評価した。このような具体例に基づいて、本発明をより詳しく説明する。
[第1実施例]
《試料の製造》
(1)基板
ステンレス鋼板(JIS SUS310S)からなる金属基板(150mm×200mm×t0.1mm)を用意した。この金属基板の表面をサンドペーパー(120#)で研磨し、金属基板の表面を所定の面粗さとした(下地処理工程)。
(2)被覆層
研磨後の金属基板(単に「基板」という。)を希硫酸水溶液に浸漬して酸洗した後、さらにアセトンに浸漬して脱脂した。こうして、めっきの前処理(洗浄工程)を行った。
洗浄後の基板の表面に、無電解めっきにより被覆層を形成した(めっき工程)。めっき液には、鉄イオン源剤:FeCl、酸化剤:NaNO、pH調整剤:NaOHを混合した水溶液を用いた。このとき、めっき液のpH:8.3、浴温度:70℃とした。こうして得られた試料を「試料1」という。
(3)比較例
比較例として、被覆層が形成されておらず、圧延仕上げされたステンレス鋼板(JIS SUS316L)からなる金属基板(150mm×200mm×t0.1mm)からなる試料C1も用意した。
《測定》
(1)表面粗さ
被覆層の算術平均高さ(Sa)を株式会社キーエンス製形状解析レーザー顕微鏡VK−9000を用いて測定した。測定は、被覆層の中央付近から任意に抽出した基準領域(1000μm×750μm)について行った。この測定を基準領域を変更して5回繰り返した。本実施例では、それらの算術平均値を面粗さ(Sa)とした。
試料1の面粗さは23.8μm、試料C1の面粗さは3.1μmであった。特に断らない限り、これらの試料を後述する構造解析や耐食試験で用いた。
(2)構造解析
被覆層の結晶構造をX線回折法(XRD)により特定した。そのX線回折パターンを図1に示した。図1から明らかなように、被覆層は、ほぼ、Fe結晶のみからなることがわかった。
(3)膜厚
試料断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して、被覆層の厚さを測定した。その膜厚は1.2μm(最薄部)であった。
《接触抵抗》
被覆層の面粗さが異なる複数の試料を用意した。各試料を用いて、図2に示す4端子法により、所定の面圧下における被覆層の接触抵抗を測定した。その結果を図3にまとめて示した。被覆層の面粗さは、その下地である金属基板の表面粗さにより調整した。
被覆層に接触する相手材には、ガス拡散層(GDL)を模したカーボンペーパー(東レ株式会社製TGP型)を用いた。面圧は、押圧荷重Fを、被覆層とカーボンペーパーの接触面積(10mm×10mm)で除して求めた。一例として、その面圧を3MPaとしたとき、試料1(面粗さ:23.8μm)の接触抵抗は16.5mΩ・cm、試料C1(面粗さ:3.1μm)の接触抵抗は450mΩ・cmであった。
《耐食試験》
(1)自然電位
試料1(被覆層)と試料C1の自然電位を北斗電工株式会社製電気化学測定システムHZ−5000を用いて測定した。基準電極である標準水素電極(SHE)に対する自然電位の経時変化を図4Aと図4B(両者を併せて単に「図4」という。)にそれぞれ示した。なお、試験溶液には、NaFとNaClをあわせて40ppm含有する硫酸(HSO)水溶液(pH3)を用いた。なお、本明細書でいう濃度は、特に断らない限り、質量割合である。
(2)分極試験
同じ試験溶液を用いて、試料1(被覆層)と試料C1を分極試験に供した。得られた分極曲線を図5Aと図5B(両者を併せて単に「図5」という。)に示した。
(3)定電位試験
同じ試験溶液を用いて、試料1(被覆層)と試料C1を定電位試験にも供した。定電位試験は、試験溶液への暴露面積:1cm、溶液温度:80℃、印加電位:1.0V(一定)、試験時間:8時間として行った。このとき試料1は、電流密度:0.2μA/cm以下であり、8時間経過後の溶液中におけるFeイオン濃度は0.6ng/mLであった。これを試験中の溶出速度に換算すると、0.8nmol/(cm・h)になった。同様に求めた試料C1のFeイオンの溶出速度は20.3nmol/(cm・h)であった。
《評価》
(1)導電性
図3から明らかなように、面圧が小さい範囲(5MPa以下さらには3MPa以下)では、面粗さが接触抵抗に大きく影響することがわかった。例えば、面粗さが5μm以上さらには10μm以上になると、3MPa程度の面圧でも接触抵抗が十分に低減された。
(2)耐食性
図4Aから明らかなように、Feからなる被覆層を有する試料1は、自然電位が正電位側にあり、非常に安定することがわかった。一方、図4Bから明らかなように、その被覆層がない試料C1は、自然電位の降下が観られ、腐食の進行が確認された。
図5Aから明らかなように、試料1に係る被覆層は、1.2Vの電圧を印加したときでも、漏洩電流が1μA/cm以下であり、耐食性に優れることがわかった。このことは、定電位試験の結果からもわかる。一方、図5Bから明らかなように、被覆層がない試料C1は、印加電圧が0.6V以上になると、漏洩電流が1μA/cm以上となり、耐食性が劣ることがわかった。このことは、定電位試験の結果からもわかる。
以上から、上述した被覆層を有する金属基板は、高導電性と高耐食性の両立が求められるセパレータに好適であることがわかった。
[第2実施例]
既述した洗浄後の基板の表面に、次のような焼結法により被覆層を形成した(焼結工程)。
先ず、基板表面に、Feからなる圧粉層(厚さ:約50μm)を形成した。Fe粉には、株式会社高純度化学研究所製粉末(平均粒径:約1μm)を用いた。圧粉層の形成は、常温大気中でFe粉を50MPaで加圧して行った。
圧粉層を基板と共に、Ar雰囲気中で、900℃×2時間加熱した。得られた焼結層の表面を、サンドペーパー(240#)で研磨した。こうして、表面粗さを調整した焼結層からなる被覆層を得た。上述した方法で求めた被覆層の面粗さ(Sa)は20.1μmであった。この試料を「試料2」という。
試料2を用いて、試料1の場合と同様に測定した接触抵抗は18.2mΩ・cm(面圧:3MPa)であった。
また、試料2を用いて、上述した各耐食試験を行った。その結果、試料2でも試料1と同様に、自然電位が正電位側で非常に安定しており、1.2V印加時の漏洩電流が1μA/cm以下であり、Feイオンの溶出速度も0.6nmol/(cm・h)であった。
このような焼結層からなる被覆層を有する金属基板も、高導電性と高耐食性の両立が求められるセパレータに好適であることがわかった。なお、焼結層がほぼFe層のみからなることはXRDにより確認した。
P 固体高分子型燃料電池のセル
11、12 セパレータ
111、121 金属基板
112、122 被覆層
21 燃料極
22 空気極
3 固体高分子電解質膜

Claims (6)

  1. 燃料電池の電極に接する被覆層を有する基板からなり、
    表面粗さ(Sa)は5〜100μmであり、
    該被覆層はFeからなる燃料電池用セパレータ。
  2. 前記被覆層は、めっき層または焼結層である請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記基板は、ステンレス鋼、Ti基材またはAl基材からなる請求項1または2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記電極は、少なくとも、前記被覆層と接触する電極面が炭素基材からなる請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記燃料電池は、前記基板と前記電極に作用させる面圧を5MPa以下としている請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記燃料電池は、固体高分子型燃料電池である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
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