以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
また、コインの一例として硬貨を用いたコイン処理装置と紙幣処理装置を備えた両替機を一例として説明する。
図1は、両替機の斜視図である。本実施形態の両替機1は、例えばゲーム場や商店などに設置され、投入された貨幣と異なる金種の貨幣に交換する機器である。
両替機1には硬貨などのコインを処理するコイン処理装置と、紙幣を処理する紙幣処理装置が搭載されている。例えば、硬貨と紙幣の両方を処理する貨幣処理装置である両替機1では紙幣を投入すると、投入した紙幣に等価の別金種の紙幣や硬貨が排出される。
両替機1は、箱形の筐体2と、筐体2の正面に開閉可能に取り付けられたドア3を備える。ドア3は、筐体2の上下に取り付けられた1対のヒンジ16によって、開閉可能に取り付けられている。
筐体2の下部には、両替機1が設置された場合に容易に転倒しないように、1対の転倒防止板4が取り付けられている。筐体2の底面の略角部のそれぞれに突出して設けられた脚がある。転倒防止板4は筐体2の側面に沿って左右に2枚配置されている。筐体2の前後に配置された2本の脚に転倒防止板4がそれぞれ固定されている。転倒防止板4が、筐体2の上方から見た場合に、筐体2から突出して設けられているので、筐体が転倒し難くい構成となっている。
筐体2の側面に取手5が備わり、筐体2を移動させるときに取手5を把持して移動させることができる。また、筐体2の上部前方に監視カメラ15が配置されている。監視カメラ15は、両替機1を操作している者や、ドア3を開けて作業をしている者を撮像できるように、撮像方向が斜め下方に向けられている。また、操作している者以外にも、両替機1の前方近傍の所定範囲における画像も撮影できるように配置されている。
ドア3には、硬貨入金口6、硬貨払出口7、返却レバー8、紙幣入金口9、紙幣払出口10、カードリーダー11、タッチパネル式表示装置12、スピーカー13、ロック装置14が配置されている。
硬貨入金口6は、例えば、被両替金である両替対象の500円硬貨が投入される。硬貨払出口7は、両替機1から払出された硬貨を受ける皿状の容器を備える。返却レバー8は、硬貨入金口6に投入された硬貨を返却するレバーである。返却レバー8を操作することで、硬貨入金口6に投入された硬貨が硬貨払出口7へ返却される。
紙幣入金口9は、両替対象の紙幣が入金される。紙幣払出口10からは両替紙幣が払い出される。
カードリーダー11は、非接触式のICカードを読み取る装置である。カードリーダー11にICカードをかざすことで、ICカードの情報を読み取ることが出来る。
タッチパネル式表示装置12は、ドア3の上部に位置し、操作する者が立位で目視しながら操作できるように配置されている。タッチパネル式表示装置12は、液晶表示パネル等の表示部および表示部に重ね合わされたタッチパネルを有する。タッチパネル式表示装置12は、文字記号を含む画像を表示する表示手段と、触れる位置に応じて操作信号が出力される入力手段の機能を兼ね備える。
スピーカー13は、音声などの音を出力する。ロック装置14はドア3を施錠、解錠する。監視カメラ15は、撮像方向が斜め下方に向けられているので、両替機1の前方近傍の所定範囲を撮影することができる。
図2は、両替機のドアを開けた状態の斜視図である。図2を用いて両替機1の内部構成について説明する。
筐体2の上方には、両替機1の全体を制御する制御ユニット20が配置されている。制御ユニット20には、ユニット入力装置21、ユニット表示装置22が備わり、データの入力及び文字記号などのデータの表示ができる。
制御ユニット20の下方に紙幣入出金ユニット31が配置されている。紙幣入出金ユニット31において上方に紙幣入金口9、紙幣払出口10が配置され、その下方に不図示の紙幣識別部、金種毎に紙幣を収納する紙幣収納部、紙幣を搬送する紙幣搬送部等が内蔵されている。紙幣入出金ユニット31は、紙幣入金口9に投入された被両替金である紙幣の真偽および金種を紙幣識別部で識別し、10,000円、5,000円、1,000円紙幣を金種毎の紙幣収納部に収納する。1,000円、5,000円紙幣を両替紙幣として紙幣払出口10に払い出す。すなわち、紙幣を入金手段で入金し、等価の別金種の貨幣を出金手段で出金することに他ならない。
第1硬貨払出ユニット23と第2硬貨払出ユニット25の2つの硬貨払出ユニットが配置されている。第1硬貨払出ユニット23は、例えば100円硬貨を払出し、第2硬貨払出ユニット25は、例えば500円硬貨を払出す。第1硬貨払出ユニット23は一度の取扱量が多い100円硬貨を扱うので2台のコインホッパを備える。3台など複数台も良いが、その分大型化かしてしまう。
第1硬貨払出ユニット23の上方には100円硬貨を貯留する第1硬貨貯留ユニット24が配置されている。第1硬貨払出ユニット23の下方には第1硬貨通路32が配置されている。第1硬貨通路32の下方には第1硬貨振分ユニット33が配置されている。第1硬貨振分ユニット33の下方には、第1硬貨回収通路34と第1硬貨排出開口部36が配置されている。第1硬貨回収通路34の下方には、第1硬貨回収袋35が配置されている。ドア3が閉められた状態で、第1硬貨排出開口部36はドア3に設けられた第1硬貨受け口37に接続される。第1硬貨払出ユニット23は硬貨を出金する出金手段とも言える。
第1硬貨払出ユニット23は、第1硬貨貯留ユニット24に格納されている100円硬貨を、2台のコインホッパを用いて一枚ずつ分離して排出する。排出された硬貨は、不図示の硬貨払出センサで検知し、制御ユニット20の制御により計数する。第1硬貨払出ユニット23から排出された硬貨は第1硬貨通路32を介して第1硬貨振分ユニット33へ送られる。第1硬貨振分ユニット33は、硬貨を硬貨返却ユニット51か第1硬貨回収袋35のどちらか排出するように制御ユニット20の制御により振り分ける。硬貨返却ユニット51へ排出するように制御されれば、第1硬貨振分ユニット33から第1硬貨排出開口部36、第1硬貨受け口37を通り、硬貨返却ユニット51へ送られ、硬貨払出口7へ排出される。
第1硬貨貯留ユニット24の上方には、第1硬貨計数ユニット27が配置されている。第1硬貨計数ユニット27の上方には、第1硬貨投入ユニット28が配置されている。第1硬貨投入ユニット28に硬貨を投入すると、例えば100円硬貨を投入すると、その硬貨を第1硬貨計数ユニット27が一枚ずつ分離し、排出する。排出された硬貨は不図示のセンサにより検出され、制御ユニット20の制御により計数する。排出された硬貨は、第1硬貨貯留ユニット24に収納される。第1硬貨計数ユニット27によって、硬貨を一枚ずつ計数しながら第1硬貨貯留ユニット24に収納することができる。第1硬貨貯留ユニット24に収納された硬貨は第1硬貨払出ユニット23によって一枚ずつ計数しながら排出されるので、第1硬貨貯留ユニット24に収納されている硬貨の枚数が制御ユニット20によって取得され、演算やその他の制御が可能となる。第1硬貨貯留ユニット24に入る硬貨は、第2計数手段を含む第1硬貨計数ユニット27によって検出され、出る硬貨は、第1計数手段を含む第1硬貨払出ユニット23によって検出され、制御手段である制御ユニット20に取得され、制御に使用される。
第2硬貨払出ユニット25の上方には500円硬貨を貯留する第2硬貨貯留ユニット26が配置されている。第2硬貨払出ユニット25の下方には第2硬貨通路38が配置されている。第2硬貨通路38の下方には第2硬貨振分ユニット39が配置されている。第2硬貨振分ユニット39の下方には、第2硬貨回収通路40と第2硬貨排出開口部42が配置されている。第2硬貨回収通路40の下方には、第2硬貨回収袋41が配置されている。ドア3が閉められた状態で、第2硬貨排出開口部42はドア3に設けられた第2硬貨受け口43に接続される。第2硬貨払出ユニット25は硬貨を出金する出金手段とも言える。
第2硬貨払出ユニット25は、第2硬貨貯留ユニット26に格納されている500円硬貨を、1台のコインホッパを用いて一枚ずつ分離して排出する。排出された硬貨は、不図示の硬貨払出センサで検知し、制御ユニット20の制御により計数する。第2硬貨払出ユニット25から排出された硬貨は第2硬貨通路38を介して第2硬貨振分ユニット39へ送られる。第2硬貨振分ユニット39は、硬貨を硬貨返却ユニット51か第2硬貨回収袋41のどちらか排出するように制御ユニット20の制御により振り分ける。硬貨返却ユニット51へ排出するように制御されれば、第2硬貨振分ユニット39から第2硬貨排出開口部42、第2硬貨受け口43を通り、硬貨返却ユニット51へ送られ、硬貨払出口7へ排出される。第2硬貨貯留ユニット26に入る硬貨は、第2計数手段を含む第2硬貨計数ユニット29によって検出され、出る硬貨は、第1計数手段を含む第2硬貨払出ユニット25によって検出され、制御手段である制御ユニット20に取得され、計数され、各種制御に使用される。
筐体2の下方には、電源ユニット52が配置され、制御ユニット20及び制御ユニット20で制御される各種装置やユニットに電源を供給する。停電などで、外部電源が遮断された場合に、電源を電源ユニット52に切替えることで、両替機1の動作を継続することができる。しかし、電源ユニット52の容量には限度があるので、その限度内に、機器に問題が生じないように適切な手順で電源をOFFする必要がある。電源ユニット52の残容量を検出し、所定の量に達したら、電源をOFFする処理を開始する。電源をOFFする前に、予め決められた設定値に基づいて、ロック装置14を施錠した状態で電源をOFFするか、解錠した状態で電源をOFFするかを選択できるようにしても良い。電源が切れた後で、ドア3を開けられないようにするか、開けられるようにするかは、店舗の運用方法によって決めることができる。
また、電源ユニット52が作動開始したら、管理コンピュータ80に、状態に関する情報を送信することもできる。管理コンピュータ80は、画面に電源ユニット52で両替機1が動作している旨および、対処が必要である旨の表示を行うと共に、予め管理システムに登録されているスタッフのメールアドレスにメールを送信する。メールを受信したスタッフが、電源に問題が生じたことが分かり、対処する運用ができる。
ドア3の裏面側において、上部にはタッチパネル式表示装置12、スピーカー13が固定されている。その下側には、紙幣入金口9と紙幣払出口10に対応する位置に開口部、すなわち紙幣入出開口44が設けられている。また、ドア3の裏面側には、カードリーダー11の制御ユニット、ロック装置14が取り付けられている。
硬貨を入金する入金手段について具体的に説明する。また、入金手段としては、紙幣入出金ユニット31にも紙幣用の入金手段が備わっている。硬貨入金口6に接続された硬貨入金通路45が設けられ、投入された硬貨を硬貨識別ユニット46へ案内する。硬貨識別ユニット46では、投入された硬貨の真偽および金種を判別し、硬貨入金振分ユニット48へ送る。硬貨入金振分ユニット48では、硬貨識別ユニット46が、100円正貨と識別した硬貨を第1硬貨ドア金庫49排出し、500円正貨と識別した硬貨を第2硬貨ドア金庫50へ排出する。また、硬貨識別ユニット46が偽貨または100円、500円以外の硬貨と識別した場合は、投入された硬貨を硬貨返却通路47へ送る。硬貨返却通路47に送られた硬貨は硬貨返却ユニット51へ送られ、硬貨払出口7へ排出される。第1硬貨ドア金庫49、第2硬貨ドア金庫50は、入金された硬貨を収納する貨幣収納部である。
第1硬貨ドア金庫49は硬貨入金口6から投入された100円硬貨を、第2硬貨ドア金庫50は硬貨入金口6から投入された500円硬貨を、それぞれ収納する。
硬貨返却ユニット51は、硬貨払出口7へ接続されている。また、硬貨返却ユニット51は、第1硬貨受け口37、第2硬貨受け口43が設けられている。第1硬貨受け口37、第2硬貨受け口43に入った硬貨を硬貨払出口7へ排出する。
第2硬貨貯留ユニット26の上方には、第2硬貨計数ユニット29が配置されている。第2硬貨計数ユニット29の上方には、第2硬貨投入ユニット30が配置されている。第2硬貨投入ユニット30に硬貨を投入すると、例えば500円硬貨を投入すると、その硬貨を第2硬貨計数ユニット29が一枚ずつ分離し、排出する。排出された硬貨は不図示のセンサにより検知され、制御ユニット20によって計数される。排出された硬貨は、第2硬貨貯留ユニット26に収納される。第2硬貨計数ユニット29によって、硬貨を一枚ずつ計数しながら第2硬貨貯留ユニット26に収納することができる。第2硬貨貯留ユニット26に収納された硬貨は第2硬貨払出ユニット25によって一枚ずつ計数しながら排出されるので、第2硬貨貯留ユニット26に収納されている硬貨の枚数が制御ユニット20によって取得され、演算可能に把握でき、また各種制御に用いることができる。
第1硬貨貯留ユニット24には第1メンテナンス扉53が、第2硬貨貯留ユニット26には、第2メンテナンス扉54が備えられている。第1硬貨貯留ユニット24あるいは第2硬貨貯留ユニット26の内部に不具合があった場合などに、開けてメンテナンスを行うことができる。第1メンテナンス扉53あるいは第2メンテナンス扉54を開けると、開口部があり、そこから内部に手や道具を入れて修繕して不具合を解消する。硬貨を収納する収納部の内外に連通すると共に扉により開閉することができる。通常は鍵をかけてあり、特定の者しか開けることができないように運用されている。
図3は、両替機の側方から見た場合の主要部を説明する図である。
第1硬貨貯留ユニット24の上方には、第1硬貨計数ユニット27が配置されている。第1硬貨計数ユニット27の上方には、第1硬貨投入ユニット28が配置されている。
第1硬貨投入ユニット28の下部には第1硬貨計数ユニット27に連通している開口部がある。第1硬貨投入ユニット28に硬貨を投入すると、その硬貨はその開口部を通り第1硬貨計数ユニット27に渡される。第1硬貨計数ユニット27が一枚ずつ硬貨を分離し、硬貨落口60から第1硬貨貯留ユニット24に排出する。硬貨落口60は、第1硬貨貯留ユニット24のコインを収納する収納部への硬貨投入口とも言える。硬貨落口60から落とされた硬貨は、スライダー部64の斜面を滑り、第1硬貨貯留ユニット24内に貯まる。第1硬貨貯留ユニット24内では、硬貨を第1硬貨払出ユニット23に案内するために、第1硬貨払出ユニット23方向に向かって第1斜面65、第2斜面66を含む傾斜部を設けてある。硬貨は、この傾斜部を伝って、第1硬貨払出ユニット23の貯留容器61に入る。
貯留容器61の最下部に硬貨を一枚ずつ分離する分離部62が配置されている。また、ホッパ本体63には、分離部62を駆動するモータ、モータの駆動回路、硬貨を計数するセンサが配置されている。分離部62によって一枚ずつ分離された硬貨は、第1硬貨通路32へ排出される。第1硬貨通路32へ排出された硬貨は、前述の通り、第1硬貨回収袋35または硬貨払出口7へ排出される。第2硬貨投入ユニット30、第2硬貨計数ユニット29、第2硬貨貯留ユニット26、第2硬貨払出ユニット25の内部についても、これと同様の構成となっている。
例えば、第1硬貨投入ユニット28には2,000枚の100円硬貨が、第2硬貨投入ユニット30には500枚の500円硬貨が投入される。投入された硬貨が、途中で詰まらないように第1硬貨計数ユニット27に案内する必要がある。
第1硬貨貯留ユニット24内には硬貨を収納したときに、第1硬貨払出ユニット23の分離部62にかかる硬貨の重さを分散する第1圧力緩和バー67、第2圧力緩和バー68が備わる。この第1硬貨貯留ユニット24の内部には10,000枚の100円硬貨が収納できる。10,000毎の100円硬貨が入ると第1斜面65の上端位までばら積みされる。約48kgの重さがあり、好適な圧力分散機構を備えない場合は、分離部62に多大な負荷がかかり、駆動部で駆動ができないなどの誤動作を引き起こす恐れがある。また、同様に第2硬貨貯留ユニット26にも第1圧力緩和バー67、第2圧力緩和バー68に相当する圧力緩和バーが備わる。第1硬貨払出ユニット23には2台のコインホッパが備わり、第2硬貨払出ユニット25には1台のコインホッパが備わる。単純に計算すると、第1硬貨払出ユニット23に100円硬貨が10,000枚入った場合に、コインホッパ1台当たり5,000枚の硬貨の圧がかかる。第2硬貨貯留ユニット26では500円硬貨を2,000枚収納し、約14kgの重さとなる。コインホッパが誤動作を生じないように、第1硬貨払出ユニット23と同様の圧力緩和機構を備える。
次に、バラ積みされた硬貨を1枚ずつ分離し、払出すコインホッパについて図4、図5を用いて説明する。図4は、コインホッパの斜視図である。図5は、コインホッパの動作を説明する図である。第1硬貨払出ユニット23、第2硬貨払出ユニット25、第1硬貨計数ユニット27、第2硬貨計数ユニット29にコインホッパが使用される。
コインホッパ70は、硬貨を1枚ずつ分離し、一枚ずつ払出し、払出した硬貨の枚数を検出あるいは計数することができる。コインホッパ70の主要部としてホッパ本体63、分離部62、貯留容器61を備えている。図5では、貯留容器61やカバー等を外し、硬貨71の移動が分かる様にした状態の図であり、ホッパ本体63の上方から見た図である。
第1硬貨払出ユニット23にはコインホッパが2台装着されている。コインホッパは貯留容器61に収納されている硬貨を分離部62で一枚ずつ分離して排出する装置である。この装置の動作について説明する。また、第1硬貨払出ユニット23の他に、第2硬貨払出ユニット25に1台、第1硬貨計数ユニット27に2台、第2硬貨計数ユニット29に1台のコインホッパが用いられ、硬貨を一枚ずつ排出しながら、硬貨の枚数を計数している。
貯留容器61は投入された硬貨をばら積みすることができ、最下部であるディスク73に対応した位置に開口を備えている。ホッパ本体63の上面には貯留容器61の最下部を含む部分と分離部を接続するための枠72が備わっている。ホッパ本体63の上面には、硬貨71を一枚ずつ保持する保持開口74が五つ設けられたディスク73と、分離された硬貨71を排出口77に一枚ずつ分けて移動させるホイール76が配置されている。硬貨71は、ディスク73とホイール76の動作に伴いホッパ本体63の上面の保持ベース75上を摺動する。排出口77に移動させたら硬貨71は、計数センサ78によって検知され、制御ユニット20によって計数される。硬貨71はディスク73側からホイール76側に、破線で示された矢印79で示された移動方向に移動する。ピンによって硬貨71を案内して移動させる。
貯留容器61の下部にある硬貨71は、ディスク73を反時計回りに回転させることで、1枚ずつ保持開口74に入り、保持ベース75上を摺動する。不図示のピンにより、硬貨71は、破線で示された矢印79で示された移動方向に移動させられ、ディスク73と連動して逆方向に回転するホイール76のアームに拾われて排出口77へ導かれる。ホイール76には5本のアームがあり、ディスク73の保持開口74と連動して回転する。ディスク73、ホイール76は、ホッパ本体63に設けられたモータによって駆動される。動作は制御ユニット20によって制御される。貯留容器61内にばら積みされた硬貨71を一枚ずつ分離し、計数しながら排出することができる。
次に、店舗に配置され使用されている各機材の関係を説明する。図6は、店舗における各機材を説明する図である。
ネットワーク81に、管理コンピュータ80、両替機A82、両替機B83、両替機C84が接続されている。すなわち管理コンピュータ80によって少なくとも1台以上の両替機を管理可能としている。管理コンピュータ80は、各両替機に収納されている貨幣、すなわち硬貨および紙幣の金種、枚数、金額、すなわち現金の有高を記憶し、各種制御をすることができる。各両替機は、入金、出金される貨幣の金種、数量を検出し、各種制御ができ、また管理コンピュータ80も各両替機が保持するのと同様の情報を取得でき、各両替機に収納される貨幣の金種、枚数、金額を把握し、制御ができる。
また、店舗においては、投入した貨幣に対して予め決められた処理を行う自動機が複数設置されている。例えば、機材A85、機材B86、機材C87、機材D88、機材E89、機材F90、機材G91、機材H92、機材I93などである。自動機は、硬貨を投入すると、所定の動作が可能となるビデオゲーム機、プライズゲーム機などのゲーム機、物品を販売する販売機、洗濯、乾燥、マッサージなどを行うサービス実施機などである。これらの自動機は、投入された硬貨などの貨幣を収納する金庫がそれぞれ備えられている。売上金を回収するときには、金庫内の貨幣を数え、管理コンピュータ80などに入力して、店舗内の現金の管理を行う必要がある。
機材から集金する際に、複数の機材をまとめて管理することも可能である。例えば、機材G91、機材H92、機材I93は同じフロアのあるエリアに並べて置かれた同種の機材で、一括して売上金を管理した方が便利ならば、これらをグループとして扱っても良い。また、機材A85、機材B86、機材C87はプライズ機で景品がそれぞれ異なるので、売上金を個別に管理すべきなら、個別に扱っても良い。管理コンピュータ80では、個別またはグループで管理できるようにすることができる。
両替機A、両替機B、両替機Cは、入出金により収納されている貨幣の金額に変化が生じると、内蔵されている記憶手段に、変化後の貨幣の金種毎の枚数、金額、変化の内容を記憶するように、制御手段により制御されている。また、記憶されたこれらの情報は、管理コンピュータ80へ送信される。ネットワーク81はローカルネットワークでも良いし、インターネット等の広域エリアネットワークでもよい。また、通信手段は、無線でも有線でもよい。
管理コンピュータ80は、ネットワーク81に接続されている両替機A82、両替機B83、両替機C84の複数の両替機、および店舗内の機材を管理し、これらは、両替機管理システムを構成している。
次に、管理コンピュータ80について説明する。図7は、管理コンピュータのブロック図である。
管理機制御回路100はCPUを含み、ROM101に記憶されたプログラムに従って、管理コンピュータ80の全体の制御を行う。
ROM101は制御プログラムや設定値を記憶する記憶手段である。これらプログラムや値は、ROM101に記憶されている例で説明したが、フラッシュメモリーやHDD装置などの他の記憶手段でも代替可能である。
RAM102は、管理機制御回路100の演算に用いるワークエリアや、データの一時記憶などに用いられるメモリーである。
DBメモリー103は、HDD装置や、フラッシュメモリーなどの記憶手段であり、管理機制御回路100の制御によって演算等された情報、各両替機から取得した情報を、所定の規則に基づき記憶している。各両替機に関連づけて収納されている貨幣を金種毎に枚数、金額を記憶するデータベースを構成する記憶手段である。また、収納されている貨幣は、有高、売上金、両替準備金などの属性毎に記憶している。管理機制御回路100によって所望の条件の情報を取得することができる。
第1通信手段104は、管理機制御回路100によって制御され、ネットワーク81を介して各両替機と通信を行う通信手段である。第1通信手段104は、有線でも無線でも良い。
表示装置105は、管理機制御回路100によって制御され、DBメモリー103に記憶されている情報の表示や、指示、命令などの文字、画像を表示するLDCディスプレイなどの管理コンピュータ表示手段である。管理コンピュータ表示手段は、ネットワークに接続された端末装置であっても良い。例えば管理コンピュータ80はサーバーであり、そのサーバーと接続するノートパソコンやスマートフォンなどの表示可能なモバイル装置などであっても良い。
入力装置106は、管理機制御回路100によって制御され、コマンドやデータなどを管理機制御回路100へ入力するキーボードなどの管理コンピュータ入力手段である。
カードリードライタ107は、管理機制御回路100によって制御され、ICカードに記憶されている情報を読み込み、あるいは書き込みができる。管理コンピュータ80は、ICカードの読み込み情報を取得する。そして、管理コンピュータ80を操作する者を特定し、予めICカードに関連づけられている利用権限の範囲の情報に基づき、その利用権限の範囲内で使用できるように、操作の機能制限をすることできる。また、書き込みができるので、ICカードに記憶する情報の修正、新たな発行ができる。
次に、両替機について説明する。図8は、両替機のブロック図である。ネットワーク81に接続された両替機A82について説明する。両替機A82は、上述の両替機1と同様である。また、両替機B83と両替機C84も同様の構成である。
両替機制御回路110はCPUを含み、メモリー112に記憶されたプログラムに従って、両替機A82の全体の制御を行う。両替機制御回路110は、制御ユニット20に含まれる。両替機A82は、制御ユニット20によって制御される。
メモリー112は制御プログラムや設定値の記憶、両替機制御回路110のワークエリア、情報の一時記憶、設定値などの情報を記憶する記憶手段である。メモリー112は、ROM、RAM、フラッシュメモリー、HDD装置などの記憶手段で構成することができる。収納されている貨幣の両替準備金、売上金、有高などの属性毎の収納状況について、金種毎の枚数、金額などのデータを記憶し、管理するための管理データベースとして、収納金に関する情報を記憶する記憶手段を含む。
第2通信手段111は、両替機制御回路110によって制御され、ネットワーク81を介して管理コンピュータ80と通信を行う通信手段である。第2通信手段111は、有線でも無線でも良い。
カードリーダー11は、両替機制御回路110によって制御され、ICカードを読み取る。読み取ったデータは両替機制御回路110が取得し、制御する。接触型でも非接触型でも良い。ICカードは、社員証など店舗のスタッフを特定するために持たせている。ICカードを読み取ることで、操作する者が特定できる。
タッチパネル式表示装置12は、LCD表示装置に透明なタッチパネルを配置した装置であり、両替機制御回路110によって制御される。タッチパネル式表示装置12は、操作をするためのメニュー表示、データや画像の表示を行うと共に、画面に触れることで、その位置に応じた入力を行うことができる。入力信号は両替機制御回路110によって取得され、制御に用いられる。例えば、タッチパネル式表示装置12にボタンを表示し、その部分に触れるとボタンを押したと判断する処理を行うことができる。タッチパネル式表示装置12は、両替機入力手段で有り、両替機表示手段でもある。
履歴データベース113は、HDD装置や、フラッシュメモリーなどの記憶手段を含み、両替機制御回路110の制御によって動作し、操作ログを、操作毎に時刻、監視カメラ15の映像などのログ情報を所定の規則に基づき記憶している。入金や出金によって収納状体が変化する度に更新される。また、操作される度に、どのような操作が行われたか、操作状況を記憶する。また、監視カメラ15によって撮像された画像データを、時系列に記憶する。このように、各種データを所定の条件のもと記憶している。不図示の時計から時刻データを取得し、時刻データを関連づけて記憶することができる。
ドアセンサ114は、両替機制御回路110の制御によって動作し、ドア3の開閉を検出するセンサである。ドア3の開閉によりドアセンサ114が出力する信号が変化し、それを両替機制御回路110が取得し、制御に用いる。
ロック装置14は、両替機制御回路110の制御によって動作し、ドア3の施錠、解錠を行う。カードリーダー11に触れられたICカードが認証され、解錠可能な者であると判断した場合に、両替機制御回路110の制御によってロック装置14を解錠する。解錠されると、ドア3を開けることができる。開けたらドアセンサ114が反応し、検出結果が両替機制御回路110に取得される。
ユニット表示装置22は、両替機制御回路110の制御によって動作し、両替機1の内部に配置されたLCD式の表示装置である。制御ユニット20の設定値の変更のためのメニュー表示や、入力値の表示を行う。
ユニット入力装置21は、両替機制御回路110の制御によって動作し、両替機1の内部に配置されたテンキー式の入力装置である。制御ユニット20の設定値の変更のための入力値の入力を行う。
スピーカー13は、両替機制御回路110の制御によって動作し、音声やメロディーなどの音を発する。周波数や周期や音量などは、両替機制御回路110によって制御される。例えば、不正アクセスが生じたら警報を鳴らすことができる。
監視カメラ15は、両替機制御回路110の制御によって動作し、画像を撮影する。撮影された画像データは、両替機制御回路110によって取得され、履歴データベース113、メモリー112に記憶される。また、マイクが含まれ、周囲の音も同時に取得される。不図示の時計から時刻データが両替機制御回路110によって取得され、時刻データを関連づけて記憶する。撮影時の時刻を分かるようにすることができる。
紙幣入出金ユニット31は、両替機制御回路110の制御によって動作し、紙幣の入出金を行う。入出金される紙幣の金種、枚数が両替機制御回路110に取得され、制御に用いられる。
例えば、紙幣入金口9から10,000円紙幣が入金された場合に、10,000円紙幣と識別後、1,000円紙幣5枚と5,000円紙幣1枚を紙幣払出口10か出金する制御を行う。例えば、100円硬貨5枚、500円硬貨1枚、1,000円紙幣4枚、5,000円紙幣1枚など、設定や入力指示に応じて等価の別金種の貨幣を排出する制御ができる。
硬貨識別ユニット46は、両替機制御回路110の制御によって動作し、硬貨入金口6から入金された硬貨の金種、正偽を識別し、枚数を計数する。識別された硬貨の情報は、両替機制御回路110が取得し、制御に用いる。識別された硬貨が所定の硬貨である100円または500円硬貨であれば硬貨入金振分ユニット48に送られ、偽または他の金種ならば、硬貨返却通路47に送られ、硬貨返却ユニット51を介して、硬貨払出口7に排出される。
例えば、100円、500円硬貨が入金されたことを両替機制御回路110が取得できるので、ドア硬貨収納部115へ格納される枚数をカウントすれば、金種毎の残高となり、この値を各種制御に用いることができる。
硬貨入金振分ユニット48は、両替機制御回路110の制御によって動作し、入金された硬貨の金種、正偽の情報に基づき、ドア硬貨収納部115へ格納する。ドア硬貨収納部115は、100円硬貨を収納する第1硬貨ドア金庫49、500円硬貨を収納する第2硬貨ドア金庫50を含む。入金された硬貨の搬送方向を変えることで、それぞれのドア金庫に収納する。例えば、レバーをソレノイド等のアクチュエーターで駆動し、搬送方向を切替える。100円硬貨ならば第1硬貨ドア金庫49へ、500円硬貨ならば第2硬貨ドア金庫50へ送られる。
第1硬貨計数ユニット27は、両替機制御回路110の制御によって動作し、第1硬貨投入ユニット28に投入された硬貨を一枚ずつ計数しながら第1硬貨貯留ユニット24へ送る。計数した結果は、両替機制御回路110が取得し、制御に用いることができる。
第1硬貨払出ユニット23は、両替機制御回路110の制御によって動作し、第1硬貨貯留ユニット24に格納されている硬貨を一枚ずつ計数しながら排出する。計数した結果は、両替機制御回路110が取得し、制御に用いることができる。
例えば、1,000円紙幣を100円硬貨に両替するときに、1,000円紙幣が入金されたと判断された後、第1硬貨貯留ユニット24に格納されている100円硬貨を一枚ずつ計数しながら10枚排出する。
第2硬貨計数ユニット29は、両替機制御回路110の制御によって動作し、第2硬貨投入ユニット30に投入された硬貨を一枚ずつ計数しながら第2硬貨貯留ユニット26へ送る。計数した結果は、両替機制御回路110が取得し、制御に用いることができる。
第2硬貨払出ユニット25は、両替機制御回路110の制御によって動作し、第2硬貨貯留ユニット26に格納されている硬貨を一枚ずつ計数しながら排出する。計数した結果は、両替機制御回路110が取得し、制御に用いることができる。
例えば、1,000円紙幣を500円硬貨に両替するときに、1,000円紙幣が入金されたと判断された後、第2硬貨貯留ユニット26に格納されている500円硬貨を一枚ずつ計数しながら2枚排出する。排出された硬貨を硬貨払出口7へ送られる。
次に、管理システムに記憶される主な情報について説明する。図9は、管理システムに含まれる主な情報を説明する図である。管理システムに記憶されている主な情報には、スタッフに関する情報、機材に関する情報、店舗内の機材内にある貨幣に関する情報がある。
管理システムは、スタッフ情報として管理システムを操作するスタッフを登録することができる。管理システムには、複数の機能が備わっている。また、操作するスタッフにICカードを所持さ、機材にカードリーダーを設置する。カードリーダーにICカードを認証させることで、機材を操作する者を特定することができる。スタッフについて予め操作可能な機能を設定することで、スタッフに応じた店舗の運用が可能となる。例えば、誰にでも全ての操作を可能にしてしまうと、不正などが生じる恐れがある。また、不正を隠す操作がされると、不正の発見の遅延などの問題がある。
各スタッフには、スタッフ固有番号、氏名、権限、ICカードの番号、生体認証情報、パスワード、メールアドレス、効力情報などの属性情報が登録できる。スタッフ固有番号は各スタッフに付けられた固有番号である。氏名は各スタッフの氏名を示す情報である。権限は、操作可能な機能の範囲に応じたランクを示す値などの情報である。例えば、管理システムの全てを操作可能な管理者、一部の機能を使用できる者、データ閲覧しかできない者などをランク値として記憶する。ICカード番号は、スタッフに所持させるICカードの固有番号である。生体認証情報は、スタッフの指紋や静脈情報など生体固有の情報であり、スタッフを特定することができる情報である。パスワードは、スタッフを特定するためのパスワードを示す情報である。生体認証情報、パスワードはスタッフ本人を特定する場合に使用する。メールアドレスは、管理システムから各スタッフへの連絡先を示す情報である。効力情報は、スタッフが管理システムを利用できるか否かを示す情報である。例えば、ICカードの紛失や、長期休暇などで管理システムの運用上問題となる場合などに、管理システムの利用を制限することができる。
このように、スタッフに関連づけてそのスタッフに関する情報を設定値として記憶し、管理システムの各種制御に用いる。例えば、スタッフに応じて機能制限ができる。また、データベースの検索や、情報の関連づけに用いることができる。
管理システムは、機材材情報として管理する機材を登録することができる。各機材には、番号、機材コード、機材名、機種、種別、分類、機材固有番号などの属性情報が登録できる。番号は、登録、閲覧時に管理しやすいように付ける項番号である。機材コードは、管理システム上の各機材に付ける固有番号である。機材名は、各機材を分かり易いように付ける名前を示す情報である。機種は、例えば両替機、ビデオゲーム機、プライズ機など、各機材の機種を示す情報である。種別は各機材の種別であり、例えば、両替、売上などどのような機能の機材なのかを示す情報である。分類は、例えば設置場所や特定の担当者が扱う機材であることを示すなど、所定の条件を備えることを示す情報である。機材固有番号は、製造番号などの管理システム以外が管理する機材に固有に付けられた番号である。
このように、各機材に関連づけてその機材に関する情報を設定値として記憶し、管理システムの各種制御に用いる。データベースの検索や、情報の関連づけに用いることができる。
管理システムは、機材別貨幣情報として登録された各機材に関連づけて各種データを記憶するデータベースを含み構成されている。これにより、所望の項目に関して、記憶されているデータを容易に取得ができ、また、新たなデータや更新するデータを容易に記憶できる。
例えば、各機材に関連づけて、金種別有高情報、ドア金庫の有無情報、ドア金庫別金額情報、売上金の有無情報、売上金の金種別金額情報、準備金の金種別金額情報、実査時の金種別金額情報を記憶し、管理システムの各種制御に用いる。また、金種毎に金額か枚数のどちらか一方が分かれば他方は演算できるので、金額か枚数のどちらか一方でも、両方記憶しても良い。機材に関連づけて記憶されるデータは、利用形態や運用方法に応じて、加減可能である。
管理システムは管理コンピュータ80上で実行されるプログラムによって、主要な動作が実行される。また、ネットワークに接続された両替機A82、両替機B83、両替機C84から情報を取得し、あるいは情報を渡すことができる。また、両替機A82、両替機B83、両替機C84は独自に動作すると共に、管理コンピュータ80と通信し、相互に関連しながら動作することができる。両替機A82、両替機B83、両替機C84から管理コンピュータ80へ情報を送信し、管理コンピュータ80は受信した情報に基づき、データベースの更新をすることができる。
また、両替機A82、両替機B83、両替機C84と管理コンピュータ80は、定期的に、例えば10秒毎に、各両替機から情報を管理コンピュータ80が取得する。操作などのイベント毎に行う場合、頻繁にデータ通信を行う場合が生じる。特に接続する両替機が多くなればなるほど通信頻度が高くなり、必要なときにデータ通信ができない問題が生じかねない。そこで、所定時間毎にまとめてデータ通信を行い通信障害の予防をおこなう様にすることが好ましい。
次に、両替機A82、両替機B83、両替機C84と管理コンピュータ80が接続されている場合の主要動作について説明する。図10は、両替機の各機能への分岐させる動作を説明するフローチャートである。
両替機1を操作するスタッフが、両替機A82の操作を開始するまえに、カードリーダー11に、そのスタッフが所持するICカードをかざす。
まず、ステップS1では、両替機A82のカードリーダー11によって読み取られたICカードの固有番号に基づいて、予め記憶されているスタッフ情報と比較し、操作可能なスタッフであるか判断する。操作可能ならばステップS2へ、不可ならステップS3へ移行する。
ステップS3では、この度の操作の履歴を履歴データベース113へ記憶する。時刻、操作者、撮像データなどの情報が記憶される。また、取得したデータは管理コンピュータ80へ送信される。管理コンピュータ80への送信は、所定のタイミング、例えば10秒毎など、定期的に行うこともできる。また、無理にドア3を開け、ドアセンサ114が検出された場合に、警報音をスピーカー13で鳴らす制御が行われる。
ステップS2では、ロック装置14が動作してドア3を解錠し、ドア3を開ける。そして、タッチパネル式表示装置12にメンテナンスメニューを表示する。
ここで、両替機A82のタッチパネル式表示装置12に表示されたメンテナンスメニューの画面について、図16を用いて説明する。図16は両替機のメンテナンスメニューを説明する図である。
両替機A82に収納されている全ての貨幣の理論上の金額を表示する有高合計欄120、両替準備金の合計額を表示する準備金合計欄121、売上金の合計額を表示する売上金合計額欄122が上段に表示される。
中段には、両替機A82の金種別の有高情報が一覧表示欄123に表示される。金種毎に、両替準備金額、ドア金庫がある金種の場合はドア金庫内の金額、売上金、合計金額が表示される。
下段には、メニュー表示欄124に、ボタンが表示される。このボタンにタッチすることで、その機能を実施することになる。準備金回収、準備金補充、売上金集金、売上金回収、実査の各機能を表すボタンが表示されている。これは例示で有り、他にメニューがあれば、更に表示される。エリアに表示できなければ、スクロールバーが表示され、画面を移動できるようにして、表示可能とする。
ここで、フローチャートに戻り説明を続ける。次にステップS4では、メンテナンスメニューのメニュー表示欄124から、所望の機能のボタンに触れたかどうか、すなわちボタンが押下された場合に、どの機能のボタンが押下されたかを判断し、各ボタンに対応する処理へ移行する。押下されたボタンが、準備金回収のボタンならばステップS5へ、準備金補充のボタンならばステップS6へ、売上金集金のボタンならばステップS7へ、売上金回収のボタンならばステップS8へ、現金実査のボタンならばステップS9の各処理へ移行する。ここで、現金実査のボタンは、管理コンピュータ80によって現金実査モードへ移行する指示がある場合に表示される。この場合は、他のボタンを押下できないようにする処理をすることができる。現金実査の詳細については後述する。
ここで、店舗では、スタッフにIDカードが付与される。このIDカードは、機材に備えられているカードリーダー11によって読み取ることができる。磁気カードなどの接触型のカードでも良いが、使用する使用頻度、ほこりや塵などによる影響を考慮すると、好ましくは非接触型のカードが良い。IDカードには、担当者を他の担当者と識別するためスタッフ個別番号が記憶されている。また、視認可能にするため、スタッフ個別番号や、顔写真、氏名などの情報が印刷されている。
なお、スタッフ毎に登録された属性情報が、管理システムから各両替機に送信され、各両替機はスタッフ毎に登録された属性情報を記憶している。これらの情報は、管理システムから各両替機に、登録に変更がある毎にデータが送信され、各両替機に反映される。最新の情報に基づいて、両替機1の動作を制御することができる。
スタッフが、両替機1のカードリーダー11にIDカードをかざして、データを読み込ませると、制御手段の両替機制御回路110は、読み取ったIDカードの情報と、管理コンピュータ80から取得したスタッフ情報に基づいて認証を行う。すなわち、IDカードの情報と取得したスタッフ情報を比較し、一致したスタッフの権限情報に対応する操作を許容する。さらに、パスワード入力をさせ、パスワードの比較を行い、担当者の偽装を確かめても良い。正当な担当者と判断した場合に、例えば、両替機1のドア3のロック装置14を解錠し、両替機1内部の操作を可能としても良い。ロック装置14は、モータやソレノイドなどの駆動手段で錠のバーを移動させ、施錠、解錠ができる電子式のロックを使用することができる。
監視カメラ15は、常に撮影している。IDカードをカードリーダー11にかざした時点の所定時間前から操作が終了、例えばドア3が閉められた時点か所定時間の撮影情報を操作ログに記憶する。所定時間は両替機A82に近づいてから離れるまでの時間であり、例えば10秒程度である。操作ログとして、IDカードをカードリーダー11にかざした時点で操作ログの記録が開始される。その操作ログは、日時、操作者と共に関連づけられ記憶される。操作ログの履歴を確認する場合に、日時、操作した者、操作内容、操作内容の映像を確認することが出来る。またこれらの情報に基づいて、操作ログを検索することもできる。操作内容は、センサの動作、入力などの操作情報以外に、映像による確認が可能となる。
操作ログは、両替機A82の状態変化時に操作、状態などの情報に基づいて生成され、履歴データベース113に記録する。また、管理コンピュータ80にも送信され取得される。例えば、ドア3の開け、閉めのとき、貨幣の詰り、貨幣の収納部の満杯が検出されたとき、入金額、各金種の枚数がカウントされたとき、貨幣の入金、出金のとき、ICカードをカードリーダー11にかざしたときなどある。状態変化時の所定時間前から所定時間後までの期間について監視カメラ15によって撮像し、記憶する。両替機A82内の不図示の時計から時刻データを取得し、時刻ICカードの認証があれば、誰が、何時、何をしたかを記憶でき、さらに撮影画像も取得できる。両替機A82の操作開始の所定時間前から、操作終了の所定時間後までの操作について操作ログに関連づけて監視カメラ15の映像を記憶することがきる。
スタッフが、カードリーダー11にICカードを近づけると、ICカードを認証する。そのとき、古い情報が両替機A82に記憶されていれば、不正な操作がされる恐れがある。そこで、スタッフ用のICカードを管理コンピュータ80の管理システムに登録し、管理コンピュータ80の設定更新、又は、両替機A82の電源ON時に最新のICカードの情報を含むスタッフに関しての情報が両替機A82に無線等の通信手段で送られてくる。よって常に最新のデータに基づいて制御ができ、操作ログも最新のデータに基づく情報が記録される。
例えば、管理コンピュータ80の管理システムにおいて、各両替機に対して、両替準備金の金種毎に収納金額あるいは枚数で表す収納量の下限値を、設定値として設定し記憶しておく。所定の範囲として設定された下限値を閾値として、それを下回ることを検出した場合に、準備金不足と判断された金種の補充をするように報知する。報知は、管理コンピュータ80のデータベースから、所定の担当者のメールアドレスを取得し、そのメールアドレスに、補充を行う指示と、補充先の両替機と、金種を含むメールを送信する。また、補充元の金庫、補充すべき金種と枚数など詳細なデータを含ませることもできる。また、管理コンピュータ80の管理画面にも同様にメッセージを表示する。メールを送信するスタッフは、予め設定されたスタッフ、補充が可能な権限のあるスタッフ全員など、予め設定しておくことができる。
管理コンピュータ80の管理画面での報知は、機材の一覧を表示したときに、ハイライト表示など、他の機材と異なるように表示することで、注意を喚起し、補充を促してもよい。
また、メールを受信したスタッフは、そのメールを返信することで、補充業務を実施することに同意したとみなす処理をしても良い。メールの返信により、メールを返信したスタッフが補充業務を実施する。メールを返信したときに、メールを解析し、スタッフ、補充先、補充元、補充する準備金の金種と枚数がシステムに取得されるようにすることができる。補充元の両替機のカードリーダーにIDカードをかざして認証を行う。ドアが開き、両替機の管理メニューから、回収ボタンを押すと、部分回収する金種と枚数が、表示される。確認ボタンを押すと、補充する両替準備金が払出される。払出された両替準備金を取出す。両替機のドアを閉める。次に、払出された両替準備金を持ち出し、補充先の両替機に行く。補充先の両替機のカードリーダーにIDカードをかざして認証を行う。ドアが開き、両替機の管理メニューから、補充ボタンを押す。投入口に所持している両替金を投入する。投入された両替金の計数がされ、両替準備金の収納部に収納される。金種毎に計数された枚数が、両替準備金の有高情報として管理される。払出した金額と投入された金額が一致することが好ましいが、予期せぬ原因で、一致しない場合も考えられる。システムでは、実査管理を行い、不明金などを管理することができる様にしても良い。
次に各機能の動作について図11から図15を用いて説明する。
図11は、両替機の両替準備金の回収の動作を説明するフローチャートである。ステップS5からジャンプした処理の続きである。
例えば、両替機A82から両替機B83に両替準備金を移動させる場合を説明する。移動元の両替機A82から移動する両替準備金の金種と枚数を指定して払出す。両替機A82の有高情報は払出した段階で修正される。さらに、移動先の両替機B83に投入して計数し、格納する。両替機B83の有高情報は格納した段階で修正される。また、両替機A82から両替機B83へ両替金を移動する情報が両替機A82または両替機B83で取得されていれば、移動に関して管理システムが管理すべき十分な情報を取得することができる。すなわち移動元と移動先の機材、移動する金種と枚数、移動の日時などの情報である。
まず、移動元の両替機A82から両替準備金を、金種と枚数を指定して払出す処理を行う。準備金回収処理は、準備金回収のボタンが押され、ステップS5へ移行した後の処理として説明する。
ステップS10では、補充先の機材を選択する処理をする。補充先の機材が選択された後、ステップS11へ移行する。
ステップS11では、回収する金種と枚数を入力する。入力後、回収を開始する旨のボタンが押下された場合に、ステップS12へ移行する。
ステップS12では、回収状況を金種別に払出された枚数を表示する。
ステップS13では、指定された金種および枚数が払出されたか判断し、払出された場合は、ステップS14へ移行する。
スタッフが、払出された貨幣を、両替機A82外へ取出し、ドア3を閉める運用がされる。ドア3が閉められたかを判断し、ドア3が閉められたと検出されれば、次のステップS15へ移行する。
ステップS15では、処理の履歴データおよび両替機A82から払出された金種、枚数などの収納している貨幣に関する情報を管理コンピュータ80へ送信する。回収が完了した後送信すればよい、管理コンピュータ80への送信は、ドア3が閉められたことを検出して送信することができる。また、定期的なタイミングで送信しても良い。
次に、両替金回収動作についての両替機の操作画面について説明する。図17は、両替準備金を回収する場合の、機材の選択をする動作を説明する図である。図18は、両替準備金を回収する場合の、金種と枚数を入力する動作を説明する図である。
図17では、タッチパネル式表示装置12の画面に、上段に理論上の有高の合計額等の表示がされる。中段には、選択可能な補充先の機材の一覧である補充先一覧表示領域125が配置されている。補充先の一覧が表示されるので、この中から補充先を選択する。各機材は、項番、機材コード、機材名など、対象となる機材が判断できる内容が表示されている。この中から、機材を選択することができる。選択された機材である両替機Bは、補充先選択対象機材126として他の機材と差別可能に表示される。
下段のメニュー表示欄124の部分回収ボタン127が選択されると、他のボタンと差別可能に表示される。部分回収は、金種および枚数を指定して回収するモードであり、全回収は、機材から全ての貨幣を回収するモードである。
部分回収ボタン127が押下されると、金種と枚数を入力する画面に切り替わる。図18では、金種を示す金種欄128、両替準備金の収納金額および枚数を示す準備金欄129、回収する金額および枚数を示す入力欄130、排出された金額および枚数を示す回収欄131が表示されている。金種欄128の金種に対応して、各項目の値が表示される。
入力欄130において、各金種の払出枚数を入力する。枚数に応じて金額が演算され、枚数の上方に表示される。
下段のメニュー表示欄124の部分回収開始ボタンが選択されると、回収が開始される。すなわち、各金種の収納部から、入力された枚数の貨幣が排出される。回収欄131に排出された枚数および金額が表示されるので、動作状況を確認できる。図18は、回収枚数が入力され、部分回収開始ボタンが押された後で、指定枚数の回収がされた状態を示している。回収金額、及び枚数が、指示された枚数に達していることが分かる。この状態になると、払出は停止され、完了ボタンの押下を待っている状態である。
回収が完了すると、下段のメニュー表示欄124の完了ボタンを押下する。
準備金欄129は、回収動作中に、回収された枚数に応じた金額を表示することもできるし、当初の金額を表示することもできる。ドア3を閉めたときに、回収が完了すると考えた場合に、ドア3を閉めた時に、準備金欄129の当初の金額から回収した金額を引いた金額にデータを変更しても良い。
次に、両替準備金を補充する動作について説明する。図12は、両替機の両替準備金の補充の動作を説明するフローチャートである。ステップS6からジャンプした処理の続きである。
例えば、両替機A82から両替機B83に両替準備金を移動させる場合を説明する。移動元の両替機A82から補充する両替準備金を回収後、両替準備金を両替機B83に投入して計数し、格納する。両替機B83の有高情報は格納した段階で修正される。また、両替機A82から両替機B83へ両替金を移動する情報が両替機A82または両替機B83で取得されていれば、移動に関して管理システムが管理すべき十分な情報を取得することができる。すなわち移動元と移動先の機材、移動する金種と枚数、移動の日時などの情報である。
準備金の補充の処理は、移動先の両替機B83において、ICカードが認証され、準備金補充のボタンが押され、ステップS6へ移行した後の処理として説明する。
ステップS20では、補充元の機材を選択する処理をする。補充元の機材が選択された後、両替機A82から回収した両替準備金を、両替機B83へ投入する。そして、補充開始ボタンを押す。補充開始ボタンが押されると、処理はステップS21へ移行する。
ステップS21では、補充状況について表示する。すなわち、金種別に計数された枚数を表示する。
ステップS22では、投入された両替補充金が全て補充し終えたか判断し、終了した場合は、ステップS23へ移行する。終了していなければ、ステップS21へ移行し、補充状態を表示すると共に、終了したか否かを判断する。
ステップS23では、スタッフが両替機B83のドア3を閉めたか否かを判断し、ドア3が閉められたと検出されれば、次のステップS24へ移行する。
ステップS24では、処理の履歴データおよび両替機B83へ補充した金種、枚数などの収納している貨幣に関する情報を管理コンピュータ80へ送信する。補充が完了した後送信すればよい、管理コンピュータ80への送信は、ドア3が閉められたことを検出して送信することができる。また、定期的なタイミングで送信しても良い。
次に、両替金補充動作についての両替機の操作画面について説明する。図19は、両替準備金を補充する場合の、機材の選択動作を説明する図である。図20は、両替準備金を補充する場合の動作を説明する図である。
図19では、タッチパネル式表示装置12の画面に、上段に理論上の有高の合計額等の表示がされる。中段には、選択可能な補充元の機材の一覧である補充元一覧表示領域132が配置されている。補充元の一覧が表示されるので、この中から補充元を選択する。各機材は、項番、機材コード、機材名など、対象となる機材が判断できる内容が表示されている。この中から、機材を選択することができる。選択された機材である両替機Aは、補充元選択対象機材133として他の機材と差別可能に表示される。
下段のメニュー表示欄124の補充開始ボタンが選択されると、他のボタンと差別可能に表示される。決定ボタンは、補充元一覧表示領域132で選ばれた機材を決定する処理を行うためのボタンである。
補充開始ボタンが押下されると、状態を表示する画面に切り替わる。図20では、金種を示す金種欄に対応して、両替準備金の収納金額を示す準備金欄134、補充された金額および枚数を示す補充金欄135、準備金欄134と補充金欄135の合計の金額を示す合計欄136が表示されている。金額と枚数が表示される。補充中に準備金欄134の金額等を更新して表示することもできるし、当初の金額を表示することもできる。
補充金欄135において、各金種の補充枚数に応じて金額が演算され、枚数の上方に表示される。
また、金種欄の金種に対応して、各項目の値が表示される。補充された枚数および金額が表示されるので、動作状況を確認できる。
補充が完了すると、下段のメニュー表示欄124の完了ボタンを押下する。また、ドア3を閉めたときに、補充が完了すると考えた場合に、ドア3を閉めた時に、準備金欄129の当初の金額に補充した金額を加えた金額にデータを変更しても良い。
次に、店舗内に設置された機材から売上金を集金する動作について説明する。
店舗内に設置された自動機などの機材から、売上金を集金し、両替機に一時保管することができる。一時保管された売上金は、保管された時点で、売上金として認識可能となり、管理システムに反映することができる。自動機内の金庫にある状態の貨幣は、この時点では、管理システムにおいては売上金として認識されていない。両替機によって、金種毎に計数され、記憶することで、売上金額が判明し、売上金として認識が可能となる。
また、売上金を集金した両替機は、集金した貨幣を両替準備金として使用する。両替機では、両替する場合は等価に交換されるので、両替しても収納されている貨幣の全体の金額は変わらない。また、売上金を一時保管すれば、その額だけ全体の金額が増える。回収しなければ、全体の額が減ることが無い。すなわち、両替機に売上金を収納し、これを両替準備金として使用しても、両替機内の全体の金額が変わらず、貨幣の金種が変わるだけである。両替準備金、売上金は、入出金時に金種と枚数が計数される。
各機材から実際に集金した貨幣を一時的に両替機C84に保管することで、集金元の機材またはグループと関連付けて売上金額を記憶し、管理システムに反映することができる。この例を説明する。店舗内の機材から集金する金種は、100円、500円などである。両替機C84に投入された売上金は、計数がされる。さらに、計数がされると機材毎あるいは複数の機材をまとめて集金する集金グループ毎に関連づけられ、その情報は両替機C84と管理システムが取得し、認識し、この値に基づいて各種制御ができるようになる。管理システムは売上金が店舗内にあることを把握できる。
各機材の金庫から運ばれ、両替機C84に投入された売上金は、計数され、計数結果が両替機C84の有高情報に加えられる。それと共に、売上金に加算され、また、両替準備金にも加算される。この売上金は、両替金としても使うことができる。両替機C84に投入された売上金は、第1硬貨計数ユニット27あるいは第2硬貨計数ユニット29によって計数される。計数された100円硬貨が第1硬貨貯留ユニット24へ、500円硬貨が第2硬貨貯留ユニット26へ収納される。各機材に関連づけられた売上金は属性情報として、売上金の有無情報に対して有りに相当する情報が付加され、売上金情報として管理できるようにする。
まず両替機C84での動作を説明する前に、管理コンピュータ80の管理画面での処理ついて説明する。図35は集金する対象を選択する動作を説明する図である。管理画面では、複数のウインドウをタブで切替えることができる。例えば、第1画面、第2画面、第3画面、第4画面の4つのタブがある。ここの例では、第3画面140が選択されている。
画面の左側には選択可能な機材等の一覧、右側に選択された機材等の一覧が表示される。選択可能な機材等は集金グループ別ウインドウ141と機材別ウインドウ142を選択可能である。集金グループは、複数の機材の売上をまとめて管理する場合に用いる。例えば、あるエリアにある同種の機材などを、個別に管理するのではなく、一括して集金して管理する場合などに使用することができる。また、集金カートを使用し、集金した売上金をまとめて管理するようにしてもよい。また、機材別に集金することができる。検索条件143は、例えば、分類として2Fで示される機材の一覧を表示できるように、機材に関連づけて記憶されている各種データ項目を利用して検索し、一覧表示する。ここで検索した内容を下段に一覧表示する。
点線で示したカーソル144を、集金したい対象に合わせ、矢印で示された方向に対象を移動させる移動ボタン145を押下すると、集金の対象として選択された対象146として右側の欄に表示される。また、解除したい場合は、選択された対象の中から所望の対象にカーソルを合わせて左側に向いた矢印ボタンを押下する。
このように、集金する対象を選択する。選択された集金の対象となる対象データは、両替機A82、両替機B83、両替機C84の各両替機に送信される。各両替機では、受信して取得した対象データが取得され、各種制御に用いられる。各両替機で機材の売上金を集金する前に、管理コンピュータ80によって、集金対象の機材あるいは集金グループを選択し、両替機にその情報を受け渡し、両替機が制御できるようにしておく。相互に関連して動作できるようにする。
図13は、両替機の機材から売上金を集金する動作を説明するフローチャートである。ステップS7からジャンプした処理の続きである。集金した売上金を機材あるいは集金グループ毎に分け、集金処理を行う。集めた売上金を、第1硬貨投入ユニット28や第2硬貨投入ユニット30などの投入口に入れる。
まず、ステップS30では、管理コンピュータ80から取得した集金対象の機材あるいは集金グループから、投入する売上金に対応する機材あるいは集金グループを選択する。対象のものを一覧から選んで決定し、集金開始ボタンを押下する。
次にステップS31では、投入された貨幣を計数し、第1硬貨貯留ユニット24や第2硬貨貯留ユニット26などの両替準備金を収納する容器に収納する。
次にステップS32では、集金状況を表示する。
次にステップS33では、集金が完了したか否かを判断し、終了していなければステップS31へ、終了していればステップS34へ移行する。
次にステップS34では、全ての集金対象から集金が終了したか否かを判断する。終了していればステップS35へ、終了していなければ、ステップS30へ移行して、集金対象の選択およびその機材の売上金の投入をして売上金集金の処理を続ける。
次にステップS35では、スタッフが両替機C84のドア3を閉めたか否かを判断し、ドア3が閉められたと検出されれば、次のステップS36へ移行する。
ステップS36では、処理の履歴データおよび両替機C84へ集金した金種、枚数などの収納している貨幣に関する情報を管理コンピュータ80へ送信する。集金が完了した後送信すればよい、管理コンピュータ80への送信は、ドア3が閉められたことを検出して送信することができる。また、定期的なタイミングで送信しても良い。
次に、売上金集金動作についての両替機の操作画面について説明する。図21は集金する対象を選択する動作を説明する図である。図22は、売上金の集金動作を説明する第1の図である。図23は、売上金の集金動作を説明する第2の図である。
売上金を集金する場合に、機材または集金グループの選択を行う。図21では、タッチパネル式表示装置12の画面に、上段に理論上の有高情報の合計額等の表示がされる。中段には、選択可能な売上金を集金する機材の一覧である集金対象一覧表示領域150が配置されている。集金対象の一覧が表示されるので、この中から集金対象を選択する。各機材または集金グループは、項番、機材コード、機材名など、対象となる機材または集金グループが判断できる内容が表示されている。この中から、機材または集金グループを選択することができる。選択された機材である、機材名が1Fプライズは機材コードがG001である。機材コードがGで始まるものは集金グループである。機材コードにより機材そのものか、集金グループかを判断できる。選択された対象は、他の機材と差別可能に表示される。例では、枠線が太くなり、他と区別が可能となる。他には、機材コードがG002、機材名が1Fビデオの集金グループと、機材コードが2F005、機材名が2FプライズAの機材単体の対象が表示されている。
下段のメニュー表示欄124の集金開始ボタンが選択されると、他のボタンと差別可能に表示される。決定ボタンは、集金対象一覧表示領域150で選ばれた機材を決定する処理を行うためのボタンである。
集金開始ボタンが押下されると、状態を表示する画面に切り替わる。図22では、金種を示す金種欄に対応して、売上金の収納金額を示す売上金欄151、集金された補充された金額および枚数を示す集金欄152、売上金欄151と集金欄152の合計の金額を示す合計欄153が表示されている。金額と枚数が表示される。集金中の計数中に集金欄152の金額等を更新して表示することができる。
集金欄152において、各金種の補充枚数に応じて金額が演算され、枚数の上方に表示される。
また、金種欄の金種に対応して、各項目の値が表示される。集金された枚数および金額が表示されるので、動作状況を確認できる。F1プライズから、500円硬貨が60枚集金されたことが表示されている。
集金が完了すると、下段のメニュー表示欄124の完了ボタンを押下する。引き続き他の集金対象の売上金を収納する場合は、同様の処理を行う。
図23は、既に集金対象の売上金を集金している状態で、さらに別の集金対象の売上金を集金する場合の例である。売上金欄151の金種が500円の売上金が既に50,000円が集金されている。その状態で更に、100円が300枚で30,000円、500円が40枚で20,000円集金した状態を示している。合計が、100,000円となることを示している。このように、集金対象を続けて集金し、売上金を両替機C84に一時保管することができる。両替機C84に一時保管された売上金の情報は、管理コンピュータ80に送信され、管理システムにて取得され、制御が可能となる。
次に、各機材から集金して格納した売上金を両替機から回収する動作について説明する。売上金を両替機にて集金することで、集金時点で管理コンピュータ80上では、集金対象の売上金額などの売上金情報が取得されている。この売上金は、各機材に保管されているのではなく、集金した両替機に保管されている。両替機は、貨幣を出金する際に計数を行うことができるので、保管されている売上金を容易に回収することができる。そして、管理システム上でも容易に売上金を移動することができる。すなわち、両替機にて、売上金を回収する処理を行うことで、管理システム上で売上金の移動ができる。
また、両替機から売上金を回収する場合に、所定の条件に基づき両替機から出金する。売上金額と条件に基づいて出金する金種とその枚数を演算する。例えば、金額の大きい金種から順に払出し可能な枚数の貨幣を払出す。また他の例として、金種に優先順位を付け、その順に払出し可能な枚数の貨幣を払出す。または、金種毎の枚数を入力してその入力値に基づいて払出す。このように予め決められた条件で売上金を回収することができる。
両替に使用しない金種を優先的に払出すことができる。例えば、金額の最大の金種は両替に使用しないので、その金種から順に払出し可能な枚数の貨幣を払出す。具体的には、1万円札が有れば1万円札から払出す。両替機は、金額の大きい金種を金額の小さな金種に両替する場合が多い。両替機は、両替準備金を補充する頻度を少なくしたいので、両替に使用する金額の小さな金種をなるべく両替機内に残しておくのが良い。また、残しておきたい金種に基づいて売上金を払出しても良い。例えば、払出さない金種を指定できるようにする。いずれにせよ、決められた条件に従って売上金を払出す。売上金は、全額回収する。売上金を回収する場合は、紙幣が無い場合であっても硬貨で回収する。両替機は一時的な保管場所であり、常に紙幣があるとも限らないからである。また、数百円の残となるように、中途半端な回収は管理上も複雑になり好ましくない。
図14は、両替機の集金した売上金を回収する動作を説明するフローチャートである。ステップS8からジャンプした処理の続きである。
まず、ステップS40では、両替機C84から回収する売上金を保管する格納先を選択する。対象のものを一覧から選んで決定し、全回収ボタンを押下する。ボタンを押下すると、ステップS41へ移行する。
次にステップS41では、売上金として回収する金種と枚数を演算する。上述の様に、予め決められた条件により、回収する金種と枚数を演算する。または、条件を入力する。
次にステップS42では、演算結果の金種と枚数の貨幣を払出し、払出す処理の状況を表示する。
次にステップS43では、売上金の回収が完了したか否かの判断を行い、終了していなければステップS42へ、終了していればステップS44へ移行する。
次にステップS44では、スタッフが両替機C84のドア3を閉めたか否かを判断し、ドア3が閉められたと検出されれば、次のステップS45へ移行する。
ステップS45では、処理の履歴データおよび両替機C84から回収した金種、枚数などの収納している貨幣に関する情報を管理コンピュータ80へ送信する。回収が完了した後送信すればよい、管理コンピュータ80への送信は、ドア3が閉められたことを検出して送信することができる。また、定期的なタイミングで送信しても良い。
次に、売上金回収動作についての両替機の操作画面について説明する。図24は、売上金を回収する場合の動作を説明する図である。図25は、回収した売上金の収納先を選択する動作を説明する図である。図26は、売上金の回収動作を説明する図である。
図24では、両替機C84に収納されている全ての貨幣の理論上の金額を表示する有高合計欄、両替準備金の合計額を表示する準備金合計欄、売上金の合計額を表示する売上金合計額欄が上段に表示される。それぞれ、401,000円、401,000円、100,000円が表示されている。
中段には、両替機C84の金種別の各項目の金額が表示される。金種を示す金種欄に対応して、両替準備金の収納金額を示す準備金欄154、売上金の金額を示す売上金欄155、準備金欄154とドア金庫に収納されている貨幣の合計の金額を示す合計欄156が表示されている。ドア金庫は、両替する場合に、両替金として投入した貨幣が自動的に両替準備金用の収納部に搬送されず、別に収納される場合の収納部である。ドア3に配置されるのでドア金庫と称する。両替準備金または合計に売上金が含まれていることが分かる。さらに、売上金の欄を分けて売上金だけを分かる様に区分可能にして表示している。両替に使用できる売上金がどの程度含まれているか分かるようにしている。
下段のメニュー表示欄124の売上金回収ボタンが選択されると、売上金の回収処理が開始され、画面が切り替わる。
図25は、回収した売上金の収納先を選択する動作を説明する図である。売上金の回収処理が開始されると、まず、回収した売上金の収納先を選択する。選択可能な回収する売上金を収納する機材の一覧である売上金収納先一覧表示領域157が表示される。回収する売上金の収納先の一覧が表示されるので、この中から収納先となる対象を選択する。項番、機材コード、機材名など、対象となる機材が判断できる内容が表示されている。例では、機材名が売上金金庫を選択している。選択された対象は、他の機材と差別可能に表示される。例では、枠線が太くなり、他と区別が可能となる。決定された後、全回収ボタンを押下すると、売上金が排出されることになり、画面が切り替わる。
図26は、売上金を回収するときの状態が分かる様に表示される画面である。集金した売上金の金種と枚数、回収する売上金の金種と枚数が表示される。演算結果に基づいて、各金種の収納部から貨幣が排出され、表示される。
売上金欄158は、両替機C84に収納されている売上金が、金種欄に対応して金種毎の金額が表示されている。回収欄159は、回収動作中に、回収された金額を表示している。また、回収する枚数を表示しても良い。
両替機C84に収納されている売上金は、100円硬貨で30,000円分、500円硬貨で70,000円分、である。この金種で排出すると、両替準備金として使用できなくなるので、両替に使用しない10,000円紙幣を最優先として、金額の大きな金種を回収する売上金として排出する。両替機C84には10,000円紙幣は8枚、80,000円分格納されている。これでは不足なので、不足分の20,000円は、次に金額の大きな金種である5,000円紙幣で払出す。5,000円紙幣は80,000円分格納されているので払出すことは可能である。
回収欄159では、10,000円紙幣で80,000円分、5,000円紙幣で20,000円分払出すことが表示される。払出が完了したら、完了ボタンを押下する。
売上金の合計金額と、回収する売上金は、金種は異なるが、同金額となる。売上金として集金した100円、500円硬貨は、両替準備金として残り、使用することができる。
また、集金後直ぐに売上金を回収する必要は無く、一時的に保管できる。集金した売上金のデータと、回収する売上金のデータは、両替機C84、および管理コンピュータ80によって売上金の集金時に取得されるので、各種制御に用いることができる。
次に、管理コンピュータ80によって、接続されている両替機に収納されている実際の現金の有高を確認する処理について説明する。
管理コンピュータ80によって管理している機材内の貨幣の残高のデータと実際に収納されている現金の有高に差が生じる場合がある。例えば、投入した硬貨が両替機内の壁に張り付いて落ちず、見つからないままとなる事故など、予期せぬ原因で有高に差が生じること、また故意または過失による紛失、盗難、データへの不正アクセスなど、様々な原因が考えられる。機材内の現金の有高を管理コンピュータ80およびそれに接続されている両替機が正確に把握する必要がある。両替金補充等のメンテナンス、会計上の正確さ、不正アクセスなど不正行為への対処に影響を及ぼすからである。
現金が紛失すれば、問題となる。また、差が生じた場合に、差があることを管理する必要があり、そのために両替機内の実際の貨幣の枚数を計数し確認する実査が必要となる。そこで、両替機および管理システムでは、両替機内の現金の有高を実際に確認する現金実査処理の機能を備える。
両替機での処理を実施する前に、管理コンピュータ80の管理システムで、両替機で現金実査処理を実施することを指示する入力を行うと、接続されている両替機へ現金実査モードに移行する指示が送信される。管理コンピュータ80からの指示が無い場合は、両替機は実査モードに移行できないようにすることができる。現金の有高を確認するので、機材の出入金がされない状態で確認するのが好ましいからである。
また、両替機において、現金実査処理モードに移行する場合は、ドア金庫に収納されている貨幣を、両替準備金の収納部へ環流する処理を実施する。ドア金庫に現金が収納されていると正確に現金を確認できないからである。先ずは、この処理について説明する。
両替機C84を例に説明する。図27は、ドア金庫に貨幣が収納されている状態のメンテナンスメニューを説明する図である。図28は、両替準備金をドア金庫から補充する動作を説明する第1の図である。図29は、両替準備金をドア金庫から補充する動作を説明する第2の図である。
管理コンピュータ80から現金実査モードへ移行する指示があった場合で、まだドア金庫内に現金が収納されている状態である。金種が500円硬貨の準備金欄では、ドア金庫に1,000円すなわち2枚の500硬貨が収納されていることが示されている。そのため、管理コンピュータ80から現金実査モードへ移行する指示があっても、メニュー表示欄124には現金実査ボタンの表示がされない。そこで、両替機C84の両替準備金として、ドア金庫内の貨幣を補充する処理を行う。すなわち、準備金補充ボタンを押下する。ドア金庫である第2硬貨ドア金庫50から収納されている貨幣を取出し、第2硬貨投入ユニット30へ投入する。
準備金補充ボタンが押下されると、図28に示すように、メニュー表示欄124にはドア金庫環流ボタンが表示され、これを押下する。第2硬貨計数ユニット29によって計数され、第2硬貨貯留ユニット26に収納される。第1硬貨ドア金庫49など他のドア金庫に収納されていれば、同様に計数し、両替準備金の収納部である第1硬貨貯留ユニット24に収納する。こうして、両替機C84内の全ての貨幣を準備金収納部に収納する。それと共に金種毎の枚数を取得する。
ドア金庫に収納されている貨幣を、両替準備金として収納し直す動作終了すると図29で示されるように、ドア金庫の金額が0円となり、データ上でも移動が完了したことを確認できる。メニュー表示欄124の完了ボタンを押下し、ドア金庫からの環流の動作が終了する。
ドア金庫内に貨幣が無い状態であれば、両替機C84にて現金実査の処理ができるようになる。
次に両替機C84での現金実査処理について説明する。図15は、両替機に収納されている貨幣の実際の有高を確認する動作を説明するフローチャートである。ステップS9からジャンプした処理の続きである。
ステップS50では、現金実査モードが開始され、両替機C84内に収納されている貨幣を全て回収する動作を指示する回収開始ボタンが押下されたか判断する。ドア金庫内の貨幣を両替準備金として補充し直したので、両替機C84内の貨幣は全て両替準備金として管理されていることになる。これを全て計数すると共に回収する。
次に、ステップS51では、第1硬貨貯留ユニット24、第2硬貨貯留ユニット26などの両替準備金の収納部から、一枚ずつ排出すると共に計数を行う。この処理で回収する貨幣の金種毎の枚数を取得することができる。
次に、ステップS51では、両替準備金が排出される状況を表示する。
次に、ステップS53では、両替機C84内の現金の回収が完了したか否か確認する。完了していればステップS54へ、完了していなければステップS51へ移行する。
次に、ステップS54では、回収した現金を第1硬貨投入ユニット28、第2硬貨投入ユニット30等の両替準備金の投入口へ投入し、補充開始ボタンが押下されたか判断する。押下され、処理を開始するならば捨て覆うS55へ、押下されていなければステップS54へ移行して、押下されるのを待つ。回収した現金を、両替準備金として収納するための投入口に回収した現金を全て投入する。
次にステップS55では、投入された現金、すなわち回収した現金を第1硬貨計数ユニット27、第2硬貨計数ユニット29などの計数手段によって再度計すると共に、両替準備金の収納部へ収納し直す。
次に、ステップS56では、回収された現金が、補充されている状況を表示する。
次に、ステップS57では、両替機C84内へ回収した現金の再補充が完了したか否か確認する。完了していればステップS58へ、完了していなければステップS55へ移行する。
次に、ステップS58では、スタッフが両替機C84のドア3を閉めたか否かを判断し、ドア3が閉められたと検出されれば、次のステップS59へ移行する。
ステップS59では、処理の履歴データおよび両替機C84から回収した現金の金種、枚数、補充した金種、枚数などの収納されている貨幣に関する情報を管理コンピュータ80へ送信する。補充が完了した後送信すればよい、例えば、管理コンピュータ80への送信は、ドア3が閉められたことを検出して送信することができる。また、定期的なタイミングで送信しても良い。
次に、現金実査モードの動作についての両替機の操作画面について説明する。図30は、現金実査の動作を説明する第1図である。図31は、現金実査の現金回収の動作を説明する第1図である。図32は、現金実査の現金回収の動作を説明する第2図である。図33は、現金実査の現金補充の動作を説明する第1図である。図34は、現金実査の現金補充の動作を説明する第2図である。
図30は、ドア金庫内に現金が無く、メニュー表示欄124に現金実査を実行するボタンが表示された状態である。現金実査ボタンを押下すると処理が開始される。
図31は、両替機C84の第1硬貨貯留ユニット24、第2硬貨貯留ユニット26などの両替準備金の収納部から、現金を全て回収する前の状態を示している。メニュー表示欄124の回収開始ボタンを押下すると、現金を回収する処理が開始される。
有高欄164は、最上段に表示されている金種に対応して、両替機C84内に収納されている理論上の金種毎の金額を表示している。この額が、両替機C84および管理コンピュータ80が保持している有高情報であり、この値が正しいか否かを、実際に計数することで確認をする。
実査回収欄160は、最上段に表示されている金種に対応して、回収された現金を金種毎に、金額と枚数の表示をする。両替機C84を基準に考える表示がされ、回収される場合は機外に排出されるので、回収されるとマイナス表示となる。
回収差分欄161は、最上段に表示されている金種に対応して、有高欄164の有高情報と、実査回収欄160の回収された現金の金額との差について、金種毎に金額と枚数の表示をする。回収前なので、理論上の有高と一致する表示となっている。
実査補充欄162は、最上段に表示されている金種に対応して、回収した現金を再度収納するときに計数し、両替準備金の収納部へ再度収納される現金について、金種毎に金額と枚数の表示をする。
補充差分欄163は、最上段に表示されている金種に対応して、実査回収欄160の値と、実査補充欄162の値の差について、金種毎に金額と枚数の表示をする。
このように、元々収納されている元の現金の量、回収した量、補充した量、元の現金と回収した量の差、回収した量と補充した量の差を表示する。
また、メニュー表示欄124には、現金実査モードの各段階における処理の開始あるいは終了を指示するボタンが表示される。
図32は、両替機C84から、収納されている現金が回収される状況を表示している。実査回収欄160には、回収した各金種の金額と枚数および合計が表示される。管理コンピュータ80が取得している理論上の有高である有高欄164の金額と、実査回収欄160の金額が一致していれば、双方の金額が一致していることが分かる。差分は回収差分欄161に表示される。回収が完了した場合は、回収完了ボタンを押下し、画面を切り替える。
図33は、両替機C84から、収納されている現金が全て回収された状態を表示する。次の処理である回収された現金を補充する処理に移行するため、補充開始ボタンがメニュー表示欄124に表示されている。回収が済み、回収差分が無いことが分かる。この段階で、理論上の有高と、回収した両替準備金が一致している。
図34は、両替機C84へ、回収された現金を再度補充される状況を表示している。実査補充欄162には、回収した各金種の現金を、第1硬貨投入ユニット28、第2硬貨投入ユニット30等の両替準備金の投入口へ投入する。投入された現金は、第1硬貨計数ユニット27、第2硬貨計数ユニット29等の計数手段によって金種毎に計数すると共に、第1硬貨貯留ユニット24、第2硬貨貯留ユニット26等の両替準備金の収納部へ収納し直す。そのときの、各金種の計数状況を表示している。金種毎に金額と枚数が表示される。
回収した現金と、再投入して収納する現金の差を補充差分欄163で表す。機器の不具合、故意過失による不正行為などによって、問題が生じなければ、当初の有高と、回収した現金と、再補充した現金が、一致する。メニュー表示欄124の補充完了ボタンを押下することで処理が終了する。
管理コンピュータ80は、この一連の処理の計数結果を金種毎に取得する。これにより、管理コンピュータ80の管理システムの画面上で、店舗内にある機器に収納されている現金の金額および枚数を正確に取得でき、管理でき、各種制御が可能となる。
例えば、業務終了後の出納帳上の現金残高と、実査処理によって計数された実際の現金の有高を照合することができる。出納帳上の現金残高と実査処理によって計数された実際の現金の有高に差額が生じる場合がある。この様な場合には、記帳ミスがあれば出納帳を訂正し、差額の原因が不明の場合は、現金過不足として処理する必要がある。
次に管理コンピュータ80の管理システムについて管理画面の例を用いて説明する。図36は、管理システムの管理画面の第1の例の図である。図37は、管理システムの管理画面の第2の例の図である。
表示装置105には、各種情報、メニューなどを表示画面170として表示することができる。複数のウインドウがタブによって切替えることができる。例では、第1画面171、第2画面172、第3画面140、第4画面174がタブによって切替えることができる。複数の画面は、それぞれ異なる機能を制御するために、その機能に合わせて表示される。第1画面171の例では、管理システムによって管理している各機材の貨幣の収納状況を表示している。また、貨幣の総額の理論上の有高が有高合計欄175に表示され、例では、2,532,600円である。また、両替に用いることのできる両替準備金の貨幣の総額の理論上の有高が準備金合計欄176に表示され、例では、2,532,600円である。また、売上金を収納できる両替機や金庫が、売上金として収納している貨幣の総額の理論上の有高が売上金合計欄177に表示され、例では、0円である。
管理システムの使用者に知らせるメッセージが、お知らせ欄180に、時系列に表示される。ここには、各機材の使用状況や、補充回収などのメッセージが表示される。
機材管理欄178では、各機材が収納している貨幣の理論上の有高や金種毎の金額や各機材の情報が表示される。スクロールバー179によって、画面をスクロールすることで、一度に表示できない部分を表示させることができる。各機材に関連づけて、記憶されている金種別有高、ドア金庫の有無、ドア金庫別金額、売上金の有無、売上金の金種別金額、準備金の金種別金額、実査時の金種別金額などの情報を表示させることができる。
各機材について、現在収納されている現金の理論上の有高を、離れた場所にある管理コンピュータ80によって管理することができる。
メニュー欄181では、使用できる機能をメニューとして表示し、選択することができる。選択し、押すことでその機能が実行される。図では例として、メニューA、メニューB等のボタンが表示されているが、分かり易く機能を表現する言葉であっても良い。例えば「現金実査」とすれば、現金実査モードに移行するボタンであると認識しやすい。
図37は、第4画面174が選択されている。このタブでの機能は、履歴データベース113に格納される履歴情報を閲覧することができる。
表示画面170には、複数に分割されて保存されている履歴のデータから所望のデータを見つけやすいように、検索エリア182が配置されている。例えば、検索条件としては、期間や、機材コード、機材名、スタッフ名、操作コードなどがあり、条件を欄の右側に入力し、ボタンエリア186の検索ボタンを押下してデータベースから検索することができる。
履歴データベース113から、検索条件に合致するデータを、検索結果エリア183に表示する。スクロールバー184で、表示部分を変更することができるので、表示部分を変えて結果を見ることができる。
また、検索結果エリア183に表示される検索結果を指定することで、その結果に関連づけられた日時に対応する監視カメラ15によって撮像された映像をカメラ表示エリア185に表示する。
操作は、ボタンエリア186に表示されるボタンによって各種操作が可能となる。検索結果の変更は、前へボタンや次へボタンで切替えられ、再生ボタンでその時に撮影した画像を再生することができる。
機材のイベントに応じて監視カメラ15による記録がされるので、機材を扱う者を撮影でき、また、両替機の操作時点での映像を容易に再生できるので、防犯の観点から有用な機等となる。