JP2021124603A - トナーセットおよび当該トナーセットを用いる画像形成装置 - Google Patents

トナーセットおよび当該トナーセットを用いる画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】色濁りを生じず、定着分離性に優れるトナーセット、および当該トナーセットを用いる画像形成装置を提供すること。【解決手段】本発明のトナーセットは、白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する第1のトナーと、第2の炭化水素ワックスを含有する第2のトナーと、を含む。前記第1の炭化水素ワックスの分岐度をB1、前記第2の炭化水素ワックスの分岐度をB2としたとき、前記B1と前記B2とが下記式(1)の条件を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、トナーセットおよび当該トナーセットを用いる画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーの分野では、市場からの様々な要求に応じた開発が行われている。特に、高付加価値画像への市場の要求は年々向上しており、高付加価値画像を形成するために白色、透明、銀箔、金箔、蛍光等の多種多様な特色トナーが用いられている。
たとえば、特許文献1には、炭化水素ワックス、および吸熱量が異なる結晶性樹脂を含む有色トナーおよび白色トナーが記載されている。特許文献1では、上記トナーで形成される白色画像部と、有色画像部との光沢差を低減して、発色性の高い画像を得ることができるとされている。
たとえば、特許文献2には、炭化水素ワックス、結晶性樹脂、無機顔料および金属顔料の少なくとも一方と、を含むトナー粒子を含有するトナーが記載されている。特許文献2では、吸熱温度Tm(℃)、発熱温度Tc(℃)が、Tm>Tcとなるような結晶性樹脂を含有することにより、低温定着性に優れるとされている。
特開2012−177763号公報 特開2018−084607号公報
本願発明者らが検討したところ、特許文献1、または特許文献2に記載の白色トナーおよび有色トナーを用いて、上記白色トナーの上に有色トナーを重ねて印刷したところ、定着時の圧力により白色トナーと有色トナーとが融着・相溶して、色濁りが生じることや、画像上に白スジが生じることがあった。また、紙媒体だけでなく、ラベルとして使われる、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどから構成されるフィルム基材への画像形成も求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、色濁りを生じず、定着分離性に優れるトナーセット、および当該トナーセットを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係るトナーセットは、白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する第1のトナーと、第2の炭化水素ワックスを含有する第2のトナーと、を含み、前記第1の炭化水素ワックスの分岐度をB1、前記第2の炭化水素ワックスの分岐度をB2としたとき、前記B1と前記B2とが下記式(1)の条件を満たす。
Figure 2021124603
上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置は、静電潜像を複数種のトナーにより現像してトナー像を形成するトナー像形成部と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写部と、前記トナー像を前記記録媒体の表面に定着させる定着部と、を備え、前記複数種のトナーは、白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する第1のトナーと、第2の炭化水素ワックスを含有する第2のトナーと、を含み、前記第1の炭化水素ワックスの分岐度をB1、前記第2の炭化水素ワックスの分岐度をB2としたとき、前記B1と前記B2とが下記式(1)の条件を満たす。
Figure 2021124603
本発明によれば、色濁りを生じず、定着分離性に優れるトナーセット、および当該トナーセットを用いる画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[トナーセット]
トナーセットは、白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーと、を含む。「トナーセット」とは、画像形成方法において使用されているか、または使用されるべきトナーの組み合わせを意味する。トナーセットは、例えば、フルカラー画像形成装置の各色の現像装置における現像容器中に各色のトナーの全てが収容されている状態であってもよいし、各色のトナーを収容している全色のトナーボトルのセットやプロセスカートリッジのセットであってもよい。
本発明の実施の形態に係るトナーセットは、白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する第1のトナーと、第2の炭化水素ワックスを含有する第2のトナーと、を含む。
(第1のトナーおよび第2のトナー)
本発明の実施の形態に係る第1のトナーは、白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する、白色トナーであり、本発明の実施の形態に係る第2のトナーは、第2の炭化水素ワックスを含有する、有色トナーまたは透明トナーであることが好ましい。とくに、上記第2のトナーは、白色顔料以外の顔料を含むことが好ましい。
上述したように、第1のトナーは、白色顔料を含有する。上記白色顔料の例には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、チタンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイトなどの無機顔料;ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子などの有機顔料が含まれる。また、中空樹脂粒子、中空シリカなどの中空構造を有する顔料も含まれる。上記白色顔料の中では、帯電性および隠蔽性の観点から、酸化チタンであることが好ましい。酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型などいずれの結晶構造も使用できる。
上記第1のトナーにおいて、白色顔料の含有量は、上記第1のトナーの全質量に対して10質量%以上40質量%以下であることが好ましく、20質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。上記白色顔料の含有量を10質量%以上とすることにより、記録媒体の表面を隠蔽できるので、その上の形成されるカラー画像が記録媒体の色調の影響を受けずに発色性の高い画像を得ることができる。また、上記白色顔料の含有量を40質量%以下とすることにより、定着性が良好となる。
また、上述したように、第2のトナーは、白色顔料以外の顔料を含むことが好ましい。上記白色顔料以外の顔料の例には、黒色顔料、有彩色の顔料が含まれる。
上記黒色顔料の例には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラック、さらにマグネタイト、フェライトなどの磁性粉が含まれる。
上記有彩色の顔料の例には、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同7、同15、同16、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同123、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同208、同209、同222、同238、同269、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー3、同9、同14、同17、同35、同36、同65、同74、同83、同93、同94、同98、同110、同111、同138、同139、同153、同155、同180、同181、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同15:4、同60、および、中心金属が亜鉛やチタン、マグネシウムなどであるフタロシアニン顔料が含まれる。これらの顔料は、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、上記第2のトナーは、有彩色の染料を用いてもよい。上記有彩色の染料の例には、C.I.ソルベントレッド1、同3、同14、同17、同18、同22、同23、同49、同51、同52、同58、同63、同87、同111、同122、同127、同128、同131、同145、同146、同149、同150、同151、同152、同153、同154、同155、同156、同157、同158、同176、同179、ピラゾロトリアゾールアゾ染料、ピラゾロトリアゾールアゾメチン染料、ピラゾロンアゾ染料、ピラゾロンアゾメチン染料、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93および同95が含まれる。これらの染料は、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記第2のトナーにおいて、上記黒色または有彩色の着色剤の含有量は、上記第2のトナーの全質量に対して、2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。上記着色剤の含有量を2質量%以上とすることにより、得られる画像の発色が十分となる。また、上記着色剤の含有量を25質量%以下とすることにより、定着性が良好となる。
(第1の炭化水素ワックスおよび第2の炭化水素ワックス)
本実施の形態に係る第1のトナーに含まれる第1の炭化水素ワックス、および第2のトナーに含まれる第2の炭化水素ワックスは、第1の炭化水素ワックスの分岐度をB1、第2の炭化水素ワックスの分岐度をB2としたときに、上記B1と上記B2とが下記式(1)の条件を満たすような分岐度の差を有することが好ましく、下記式(2)を満たすような分岐度の差を有することがより好ましい。
Figure 2021124603
Figure 2021124603
また、上記第1の炭化水素ワックスおよび第2の炭化水素ワックスは、分岐度(B1、B2)が1%以上60%以下の炭化水素ワックスであれば、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックスなどの直鎖状炭化水素ワックスを用いることができる。上記炭化水素ワックスの中では、パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックスであることが好ましい。なお、上記第1のトナーに含まれる第1の炭化水素ワックスと、上記第2のトナーに含まれる第2の炭化水素ワックスとは、上記式(1)または(2)を満たす分岐度の差であれば、その組み合わせは特に限定されない。
本実施の形態において、第1の炭化水素ワックスの分岐度(B1)は、0%以上80%以下であることが好ましく、1%以上20%以下であることがより好ましい。第2の炭化水素ワックスの分岐度(B2)は、10%以上80%以下であることが好ましく、20%以上60%以下であることがより好ましい。
また、第1のトナーおよび第2のトナーに、エステルワックスよりも酸価の低い炭化水素ワックスを含有することにより、上記炭化水素ワックスと、上記第1のトナーおよび第2のトナーに含まれる結着樹脂(例えばスチレン・アクリル樹脂)との酸価の差を大きくすることができる。これにより、熱溶融時に、炭化水素ワックスと結着樹脂とが相溶しにくくなるため、形成された画像表面に炭化水素ワックスが染み出しやすくなり、記録媒体(例えば、フィルム)と画像形成装置内の加熱ローラー(後述)とを分離させやすくなる。
また、分岐度(B1)が0%以上80%以下である第1の炭化水素ワックスと、分岐度(B2)が10%以上80%以下である第2の炭化水素ワックスとを用いて、上記式(1)|B1−B2|>10%、または式(2)|B1−B2|>40%の条件を満たす組み合わせを選択することが好ましく、10%<|B1−B2|<80%となるような組み合わせがより好ましく、40%<|B1−B2|<60%以下となるような組み合わせがさらに好ましい。同じ分岐度を有するワックスを使用している従来のトナーと異なり、第1の炭化水素ワックスと、第2の炭化水素ワックスとの分岐度の差が、10%<|B1−B2|となるようなワックスを組み合わせることにより、第1のトナーと第2のトナーとが、相溶しにくくなるので、定着時に融着・相溶するのが抑制され、色濁りを抑制することができる。また、第1の炭化水素ワックスと、第2の炭化水素ワックスとの分岐度の差が、|B1−B2|<80%となるようなワックスを組み合わせることにより、第1のトナーと第2のトナーとが、相溶しにくくなるので、定着時に融着・相溶するのが抑制され、より顕著に色濁りを抑制することができる。
これは、定着・溶融時において、第1のトナーおよび第2のトナーに含まれる炭化水素ワックスが、それぞれトナー表面に染み出し、擬似的なコアシェル構造を形成するためであると考えられる。つまり、第1のトナーの疑似シェル層を構成する第1のワックスと、第2のトナーの疑似シェル層を構成する第2のワックスとは、分岐度が異なり、ワックス同士の構造も異なることから、ワックスに含まれる分子同士が接近しにくくなる。これにより、ワックスに含まれる分子同士の相互作用を小さくすることができるので、形成される画像の色濁りを抑制することができると考えられる。
上記パラフィンワックスの「パラフィン」とは、炭素原子の数が20以上のアルカン(一般式がCH2n+2の鎖式飽和炭化水素)を意味する。また、パラフィンワックスとは、直鎖状炭化水素(ノルマルパラフィン)を主成分とする炭化水素ワックスである。
また、上記パラフィンワックスは、重量平均分子量(Mw)が400〜1000であり、融点が60〜90℃であるものが好ましく、重量平均分子量(Mw)が500〜800であり、融点が65〜80℃であるものがより好ましい。上記パラフィンワックスとしては、既知の技術を用いて分岐度(B1、B2)が5%以上60%以下のものを合成してもよいし、分岐度(B1、B2)が5%以上60%以下である市販品を用いてもよい。
上記パラフィンワックスの市販品の例には、Paraffin Wax−155、Paraffin Wax−135、ParaffinWax−115、HNP−3、HNP−9、HNP−11、SP−0165、SP−1039、SP−3040など(いずれも日本精蝋株式会社製)が含まれる。
上記フィッシャー・トロプシュワックスとは、フィッシャー・トロプシュ製法により得られる、合成炭化水素ワックスである。また、フィッシャー・トロプシュ製法とは、天然ガスと空気から水蒸気改質法、もしくは部分酸化法を用いて、一酸化炭素と水素の合成ガスを生成し、高温高圧状態で、鉄、コバルト、ニッケルなどの触媒を用いて、触媒反応を起すことにより合成し、分別蒸留後、精製、改質(成形)することで得られる炭化水素ワックスを生産する製法である。
上記フィッシャー・トロプシュワックスは、重量平均分子量(Mw)が400〜1000であり、融点が60〜90℃であるものが好ましく、重量平均分子量(Mw)が500〜800であり、融点が65〜80℃であるものがより好ましい。上記パラフィンワックスとしては、既知の技術を用いて分岐度(B1、B2)が1%以上20%以下のものを合成してもよいし、分岐度(B1、B2)が1%以上20%以下である市販品を用いてもよい。
フィッシャー・トロプシュワックスの市販品の例には、パラフリントC77、パラフリントC80、パラフリントH1(いずれもサゾールワックス社製)、FT100、FT−0070(日本精蝋株式会社製)、CIREBELLE108、CIREBELLE109L、CIREBELLE303(いずれもCIREBELLE社製)などが含まれる。
上記マイクロクリスタリンワックスとは、石油ワックスの中で、上述のフィッシャー・トロプシュワックスとは異なり、分岐鎖状炭化水素(イソパラフィン)や環状炭化水素(シクロパラフィン)を多く含む炭化水素ワックスである。一般に、マイクロクリスタリンワックスは、低結晶性のイソパラフィンやシクロパラフィンを多く含有しているために、上述のパラフィンワックスに比べて結晶が小さく、分子量は大きい炭化水素ワックスである。
上記マイクロクリスタリンワックスは、炭素数が30〜60であり、重量平均分子量(Mw)が500〜800であり、融点が60〜90℃であるものが好ましく、重量平均分子量(Mw)が600〜800であり、融点が60〜85℃であるものがより好ましい。また、低分子量のものでは、数平均分子量(Mn)が300〜1000であるものが好ましく、400〜800であるものがより好ましい。また、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は、1.01〜1.20であることが好ましい。
上記マイクロクリスタリンワックスは、既知の技術を用いて分岐度(B1、B2)が30%以上80%以下のものを合成してもよいし、分岐度(B1、B2)が5%以上60%以下である市販品を用いてもよい。
上記マイクロクリスタリンワックスの市販品の例には、HNP−0190、Hi−MiC−1045、Hi−MiC−1070、Hi−MiC−1080、Hi−MiC−1090、Hi−MiC−2045、Hi−MiC−2065、Hi−MiC−2095、EMW−0001、EMW−0003など(いずれも日本精蝋株式会社製)が含まれる。
なお、第1のトナーおよび第2のトナーは、上述の式(1)|B1−B2|>10%または式(2)|B1−B2|>40%の条件を満たす範囲内で、炭化水素ワックスの他に、エステルワックスを含んでいてもよい。エステルワックスの例には、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニルおよびクエン酸ベヘニルが含まれる。
上記パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、およびマイクロクリスタリンワックスの重量平均分子量(Mw)は、GPC装置「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー株式会社製)を用いて測定することができる。
また、上記パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックスおよびマイクロクリスタリンワックスの分岐度は、試料濃度1%のキシレン溶液を、GC−2010Plus(株式会社島津製作所製)で測定し、得られたクロマトグラムの面積における分岐型炭化水素の面積率(%)より算出することができる。
(分析条件)
カラム;UA−SIMDIS(HT) 5m*0.53mmi.d.*0.1um
注入口;350℃
検出;FID 430℃
また、本実施の形態において、上記第1のトナーに含まれる第1の炭化水素ワックスは、パラフィンワックスまたはフィッシャー・トロプシュワックスであることが好ましい。また、上記第2のトナーに含まれる第2の炭化水素ワックスは、マイクロクリスタリンワックスであることが好ましい。
第1のトナーに含まれる第1の炭化水素ワックスとして、パラフィンワックスまたはフィッシャー・トロプシュワックスを用いることにより、耐熱保存性を確保することができる。第2のトナーに含まれる第2の炭化水素ワックスとして、マイクロクリスタリンワックスを用いることにより耐熱保存性を確保することができる。
また、上記第1のトナーにおいて、上記第1の炭化水素ワックスの含有量は、上記第1のトナーの全質量に対して3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。上記第1のトナーにおいて、上記第1の炭化水素ワックスの含有量を3質量%以上15質量%以下とすることにより、定着性と耐熱保存性との両立が可能となる。
また、上記第2のトナーにおいて、上記第2の炭化水素ワックスの含有量は、上記第2のトナーの全質量に対して3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。上記第2のトナーにおいて、上記第2の炭化水素ワックスの含有量を3質量%以上15質量%以下とすることにより、定着性と耐熱保存性との両立が可能となる。
なお、本実施の形態において、第1の炭化水素ワックスおよび第2の炭化水素ワックスは、離型剤として用いることができる。
(結着樹脂)
本実施の形態に係る第1のトナーおよび第2のトナーは、結着樹脂を含むことが好ましい。上記結着樹脂の例には、非晶性樹脂、結晶性樹脂が含まれる。
(非晶性樹脂)
非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)により得られる吸熱曲線において、ガラス転移温度(Tg)を有するが、融点すなわち昇温時の明確な吸熱ピークがない非結晶性を示す樹脂をいう。
上記非晶性樹脂の例には、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂およびスチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂などの非晶性ポリエステル樹脂が含まれる。上記非晶性樹脂の中では、熱可塑性を制御しやすい観点から、ビニル樹脂であることが好ましい。
上記ビニル樹脂は、ビニル基を有する化合物またはその誘導体を含むモノマーの重合によって生成される樹脂である。ビニル樹脂の例には、アクリル酸エステル樹脂、スチレン・アクリル樹脂およびエチレン−酢酸ビニル樹脂が含まれる。上記ビニル樹脂の中では、スチレン・アクリル樹脂が好ましい。結着樹脂として、スチレン・アクリル樹脂を用いることにより、定着時の離型剤の過剰な染み出しを抑制し、ワックスの付着を抑制できる。
上記スチレン・アクリル樹脂は、ラジカル重合性の不飽和結合を有する化合物のラジカル重合体の分子構造を有し、例えば、当該化合物のラジカル重合によって合成することが可能である。上記化合物の例には、スチレン単量体およびその誘導体、および、(メタ)アクリル酸単量体およびその誘導体が含まれる。上記化合物は、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、それらの一方または両方を意味する。
上記スチレン単量体およびその誘導体の例には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレンおよび3,4−ジクロロスチレンが含まれる。
上記(メタ)アクリル酸およびその誘導体の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびメタクリル酸ジエチルアミノエチルが含まれる。
上記スチレン・アクリル樹脂の可塑性を制御する観点から、スチレン・アクリル樹脂におけるスチレン単量体に由来する構成単位の含有量は、40〜90質量%であることが好ましい。また、上記スチレン・アクリル樹脂における(メタ)アクリル酸に由来する構成単位の含有率は、10〜60質量%であることが好ましい。
上記スチレン・アクリル樹脂は、上記スチレン単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の他の単量体に由来する構成単位をさらに含有していてもよい。他の単量体は、多価アルコール由来のヒドロキシ基(−OH)または多価カルボン酸由来のカルボキシ基(−COOH)とエステル結合する化合物であることが好ましい。すなわち、スチレン・アクリル樹脂は、上記スチレン単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体に対して付加重合可能であり、かつ、カルボキシ基またはヒドロキシ基を有する化合物(両性化合物)がさらに重合してなる重合体であることが好ましい。
上記両性化合物の例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどのカルボキシ基を有する化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基を有する化合物が含まれる。
上記スチレン・アクリル樹脂における上記両性化合物に由来する構成単位の含有量は、0.5〜20質量%であることが好ましい。
上記スチレン・アクリル樹脂は、上記スチレン単量体の重合に過酸化物、過硫化物、アゾ化合物等の通常用いられる任意の重合開始剤を添加し、塊状重合、溶液重合、乳化重合法、ミニエマルション法、懸濁重合法、分散重合法等の公知の重合手法により重合することにより得ることができる。重合時、分子量を調整することを目的として、アルキルメルカプタン、メルカプト脂肪酸エステル等の通常用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
本実施の形態に係る第1のトナーにおいて、上記スチレン・アクリル樹脂の含有量は、上記第1のトナーの全質量に対して60質量%以上90質量%以下であることが好ましく、70質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。第1のトナーに、上記スチレン・アクリル樹脂の含有量を60質量%以上90質量%以下とすることにより、定着性と耐熱保存性との両立が可能となる。
また、本実施の形態に係る第2のトナーにおいて、上記スチレン・アクリル樹脂の含有量は、上記第2のトナーの全質量に対して60質量%以上90質量%以下であることが好ましく、70質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。第2のトナーに、上記スチレン・アクリル樹脂の含有量を60質量%以上90質量%以下とすることにより、定着性能と耐熱保管性の両立が可能になる。
(結晶性樹脂)
結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークを意味する。
上記結晶性樹脂の例には、結晶性ポリエステル樹脂および結晶性アクリル樹脂が含まれる。上記結晶性樹脂の中では、融点を調整しやすい結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂とは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られるポリエステル樹脂である。
上記多価カルボン酸化合物とは、1分子中にカルボキシ基を2個以上有する化合物であり、多価カルボン酸化合物のアルキルエステル、酸無水物および酸塩化物を用いることができる。
上記多価カルボン酸化合物の例には、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、酒石酸、粘液酸などの2価の脂肪族カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸およびドデセニルコハク酸などの2価の芳香族カルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などの3価以上の芳香族カルボン酸などが含まれる。
結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を高める観点から、上記多価カルボン酸化合物の中では、2価の脂肪族カルボン酸であることが好ましい。なお、上記多価カルボン酸化合物は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記多価アルコール化合物とは、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有する化合物である。
上記多価アルコール化合物の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなどの2価の直鎖型脂肪族アルコール;シクロヘキサンジオールなどの2価の脂環式アルコール;ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物などの2価の芳香族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の脂肪族アルコール;ヘキサメチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のグアニジン骨格を有するアルコールなどが含まれる。
結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を高める観点から、上記多価アルコール化合物の中では、2価の脂肪族アルコールであることが好ましく、2価の直鎖型脂肪族アルコールであることがより好ましい。なお、上記多価アルコール化合物は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記結晶性ポリエステル樹脂を合成するためのモノマーにおける上記多価アルコール化合物と上記多価カルボン酸化合物との割合は、多価アルコール化合物のヒドロキシ基[OH]と多価カルボン酸化合物のカルボキシ基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]で2.0/1.0〜1.0/2.0であることが好ましく、1.5/1.0〜1.0/1.5であることがより好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)は、十分な低温定着性と高温保存性とを得る観点から、50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。具体的には、試料5mgをアルミニウム製パンKITNO.B0143013に封入し、熱分析装置DiamondDSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、昇温、降温、昇温の順に温度を変動させる。1回目と2回目の昇温時には、10℃/minの昇温速度で0℃から100℃まで昇温させて100℃を1分間保持する。降温時には、10℃/minの降温速度で100℃から0℃まで降温させて0℃の温度を1分間保持する。2回目の加熱時に得られる吸熱曲線における吸熱ピークのピークトップの温度を融点(Tm)として測定する。
また、上記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は5000〜50000であることが好ましく、数平均分子量(Mn)は2000〜10000であることが好ましい。上記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)を5000〜50000にすることにより、低温定着性を向上させることができる。
上記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、以下のようにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した分子量分布から求めることができる。試料を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)中に添加し、室温において超音波分散機を用いて5分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製する。GPC装置「HLC−8120GPC」およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(いずれも東ソー株式会社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてTHFを流速0.2mL/分で流す。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて試料を検出する。そして、単分散のポリスチレン標準粒子の10点を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出する。
また、本実施の形態に係る第1のトナーは、上記結晶性ポリエステル樹脂を含有していてもよい。上記結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、第1のトナーの全質量に対して、0質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。第1のトナーにおいて、上記結晶性ポリエステル樹脂の含有量を10質量%以下とすることにより、第1のトナー(白色トナー)と第2のトナー(有色トナー)とを重ねて印刷した場合であっても、色濁りが生じることを抑制できる。
また、本実施の形態に係る第2のトナーにおいて、上記結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、第2のトナーの全質量に対して、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。第2のトナーにおいて、上記結晶性ポリエステル樹脂の含有量を5質量%以上とすることにより、十分な可塑性を得ることができ、低温定着性も良好となる。また、上記含有量を20質量%以下とすることにより、熱安定性や物理的安定性に優れる。
また、本実施の形態において、結晶性ポリエステル樹脂として、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有していてもよい。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂とは、スチレン・アクリル樹脂により変性された結晶性ポリエステル樹脂である。「結晶性ポリエステル樹脂がスチレン・アクリル樹脂により変性された」とは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントとスチレン・アクリル樹脂セグメントが化学結合していることをいう。結晶性ポリエステル樹脂のセグメントとは、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂のうち、結晶性ポエリステル樹脂に由来する樹脂部分、すなわち結晶性ポリエステル樹脂と化学構造が同じ分子鎖をいう。スチレン・アクリル樹脂のセグメントとは、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂のうち、スチレン・アクリル樹脂に由来する樹脂部分、すなわちスチレン・アクリル樹脂と化学構造が同じ分子鎖をいう。
上記ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂の存在下でスチレン・アクリル樹脂を生成する重合反応を行うか、あらかじめ用意したスチレン・アクリル樹脂の存在下で結晶性ポリエステル樹脂を生成する重合反応を行うことによっても得ることができる。
本実施の形態に係る第1のトナーおよび第2のトナーは、必要に応じて荷電制御剤、外添剤等を含有することができる。
荷電制御剤の例には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩等の公知の化合物が含まれる。荷電制御剤により、帯電性に優れたトナーを得ることができる。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、通常0.1〜5質量部の範囲内とすることができる。
外添剤の例には、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子等が含まれる。上記外添剤は、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。上記外添剤の添加量(複数の外添剤を用いる場合はその合計の添加量)は、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。
[第1のトナーおよび第2のトナーの製造方法]
本実施の形態に係る第1のトナーおよび第2のトナーを製造する方法は、公知の方法により製造できる。第1のトナーおよび第2のトナーを製造する方法の例には、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法が含まれる。これらの中でも、粒径の均一性、形状の制御性、コアシェル構造形成の容易性の観点からは、乳化凝集法が好ましい。ここでは、乳化凝集法によるトナーの製造方法について説明する。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された樹脂の微粒子(以下、「樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、着色剤の微粒子などのトナー構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒径となるまで凝集させ、その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナーを形成する方法である。
乳化凝集法によれば、乳化重合法によって得られる結着樹脂の粒子の分散液を、任意に添加される着色剤、離型剤、荷電制御剤および外添剤などの粒子と、混合し、所望の粒径の粒子が得られるまでこれらを凝集、会合または融着させ、その後、任意に外添剤を添加することにより、トナー粒子が得られる。
乳化凝集法によれば、結着樹脂を溶解させた溶液を貧溶媒に滴下して得られる結着樹脂の粒子の分散液を、任意に添加される着色剤、離型剤、荷電制御剤および外添剤などの粒子と、混合し、所望の粒径の粒子が得られるまでこれらを凝集、会合または融着させ、その後、任意に外添剤を添加することにより、トナー粒子が得られる。
上記混合の際に、着色剤の粒子の分散液を同時に混合することで、有色トナーを構成するトナー粒子を製造することができる。一方で、上記混合の際に、着色剤の粒子の分散液を同時に混合しないことで、有色トナーを構成するトナー粒子を製造することができる。
なお、上記結着樹脂の粒子の分散液に、さらに重合開始剤および重合性単量体を添加して重合処理することにより、2層以上の構造を有するトナー粒子を得てもよい。あるいは、乳化重合法によって2層以上の構造を有する結着樹脂の粒子を作製し、これを用いてトナーを製造してもよい。
(キャリア)
上記キャリアは、上述したトナー粒子と混合して2成分磁性トナーを構成する。上記キャリアは、トナーに含有され得る公知の磁性粒子であればよい。
上記磁性粒子の例には、鉄、鋼、ニッケル、コバルト、フェライト、およびマグネタイト、ならびに、これらとアルミニウムおよび鉛などとの合金などの磁性体を含む粒子が含まれる。上記キャリアは、上記磁性体からなる粒子の表面を樹脂などで被覆したコートキャリアであってもよいし、バインダー樹脂中に上記磁性体を分散させた樹脂分散型キャリアであってもよい。上記被覆用の樹脂の例には、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、およびフッ素樹脂などが含まれる。上記バインダー樹脂の例には、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、およびフェノール樹脂などが含まれる。
キャリアの平均粒子径は、体積基準のメジアン径(D50)が20μm以上100μm以下であることが好ましく、25μm以上80μm以下であることがより好ましい。上記キャリアの平均粒子径は、湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置であるシンパテック(SYMPATEC)社製へロス(HELOS)などにより測定することができる。
キャリアの含有量は、トナー粒子およびキャリアの合計質量に対して、2質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
[画像形成装置]
本発明の実施の形態に係る画像形成装置は、静電潜像を複数種のトナーにより現像してトナー像を形成するトナー像形成部と、上記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写部と、上記トナー像を上記記録媒体の表面に定着させる定着部と、を備え、上記トナーセットは、白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する第1のトナーと、第2の炭化水素ワックスを含有する第2のトナーと、を含み、上記第1の炭化水素ワックスの分岐度をB1、上記第2の炭化水素ワックスの分岐度をB2としたとき、上記B1と上記B2とが下記式(1)の条件を満たす。
Figure 2021124603
上記画像形成装置は、ホワイト、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの5種類のカラー現像装置と、1つの電子写真感光体と、により構成される5サイクル方式の画像形成装置であってもよいし、ホワイト、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの5種類のカラー現像装置と、それぞれの色ごとに設けられた5つの電子写真感光体と、により構成されるタンデム方式の画像形成装置であってもよい。
図1は、本実施形態に関する画像形成装置10の一例を示す概略構成図である。画像形成装置10は、画像読み取り部20と、トナー像形成部30と、定着装置を構成する中間転写部40および定着装置60と、記録媒体搬送部80と、を有する。
なお、画像形成装置10は、図示しないが、制御部としても機能するCPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)、ならびに記憶部としても機能するROM(Read Only Memory)などが含まれるCPUユニットなどの演算装置、ならびに通信回路を備える。
画像読み取り部20は、原稿Dから画像を読み取り、静電潜像を形成するための画像データを得る。画像読み取り部20は、給紙装置21と、スキャナー22と、CCDセンサー23と、画像処理部24と、を有する。
トナー像形成部30は、W(ホワイト)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色に対応する5つの画像形成ユニット31W、31Y、31M、31C、31Kを含む。それぞれの画像形成ユニット31は、感光体(電子写真感光体)32と、帯電装置33と、露光装置34と、現像装置35と、クリーニング装置36と、を有する。
感光体32は、光導電性を有する負帯電型の有機感光体である。感光体32は、帯電装置33により帯電される。帯電装置33は、帯電ローラーや帯電ブラシなどの接触帯電部材を感光体32に接触させて帯電させる接触式の帯電装置であり、たとえば、帯電ローラーにより接触帯電させる接触式帯電装置である。
露光装置34は、帯電した感光体32に光を照射して静電潜像を形成する。露光装置34は、たとえば、半導体レーザーである。現像装置35は、静電潜像が形成された感光体32にトナーを供給して静電潜像に応じた形状にトナーを付着させる。現像装置35は、たとえば、電子写真方式の画像形成装置における公知の現像装置である。クリーニング装置36は、感光体32の残留トナーを除去する。このようにして、それぞれのトナーに応じたトナー像が形成される。
なお、上記トナー像は、第1のトナー(白色トナー)および第2のトナー(有色トナー)を含み、上記第2のトナーは、上記第1のトナーよりも中間転写体(後述)の表面に近い側に配置される。つまり、画像形成ユニット31から、最初に、第2のトナーに含まれる、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナー像が中間転写ベルト(後述)に転写され、次に、第1のトナー(白色トナー)が、先に中間転写ベルトに転写された第2のトナーより形成されるトナー像の表面に転写されることによりトナー像が形成される。そして、上記トナー像が、記録媒体Sに転写されるときは、上記第1のトナー(白色トナー)は、上記第2のトナー(有色トナー)よりも記録媒体Sの表面に近い側に配置される。
中間転写部40は、一次転写ユニット41と、二次転写ユニット42と、を含む。
一次転写ユニット41は、中間転写ベルト43と、それぞれの画像形成ユニット31に応じて配置された一次転写ローラー44と、バックアップローラー45と、複数の第1支持ローラー46と、クリーニング装置47と、を有する。中間転写ベルト43は、無端状のベルトである。中間転写ベルト43は、バックアップローラー45および第1支持ローラー46によって張架される。中間転写ベルト43は、バックアップローラー45および第1支持ローラー46の少なくとも一つのローラーが回転駆動することにより、無端軌道上を一方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット42は、二次転写ベルト48と、二次転写ローラー49と、複数の第2支持ローラー50と、を有する。二次転写ベルト48は、無端状のベルトである。二次転写ベルト48は、二次転写ローラー49および第2支持ローラー50によって張架される。
それぞれの画像形成ユニット31から、ホワイト、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像が中間転写ベルト43に一次転写され、それぞれのトナー像は合一される。その後、中間転写ベルト43から、上記合一されたトナー像が、二次転写ベルト48上を走行する記録媒体Sに二次転写される。上記二次転写されたトナー像は、第2のトナー(有色トナー)および第1のトナー(白色トナー)を含む複数種のトナーが、上記記録媒体Sに含まれる同一の領域に付着されている。
定着装置60は、定着ベルト61と、加熱ローラー62と、第1加圧ローラー63と、第2加圧ローラー64と、ヒータと、温度センサーと、気流分離装置と、案内板と、案内ローラーと、を有する。
定着ベルト61は、基層と、弾性層と、離型層とがこの順番で積層されている。定着ベルト61は、基層を内側とし、離型層を外側にした状態で、加熱ローラー62と第1加圧ローラー63とによって軸支される。
加熱ローラー62は、回転自在なアルミニウム製のスリーブと、その内部に配置されたヒータと、を有する。第1加圧ローラー63は、たとえば、回転自在な芯金と、その外周面上に配置された弾性層と、を有する。
第2加圧ローラー64は、定着ベルト61を介して第1加圧ローラー63に対向して配置される。第2加圧ローラー64は、第1加圧ローラー63に対して接近、離間自在に配置されており、第1加圧ローラー63に対して接近したときに、定着ベルト61を介して第1加圧ローラー63の弾性層を押圧し、定着ベルト61との接触部である定着ニップ部を形成する。
加熱ローラー62により加熱された第1加圧ローラー63および第2加圧ローラー64は、光照射部65からの活性光線の照射によりトナーが軟化したトナー像を、記録媒体に対して押圧し、トナー像の定着性をより高める。
気流分離装置は、定着ベルト61の移動方向の下流側から定着ニップ部に向けて気流を生じさせて、定着ベルト61からの記録媒体Sの分離を促すための装置である。
案内板は、未定着のトナー像を有する記録媒体Sを定着ニップ部に案内するための部材である。案内ローラーは、トナー像が定着された記録媒体を定着ニップ部から画像形成装置10外へ案内するための部材である。
記録媒体搬送部80は、三つの記録媒体トレイユニット記録媒体トレイユニット81および複数のレジストローラー対82を有する。記録媒体トレイユニット記録媒体トレイユニット81には、坪量やサイズなどに基づいて識別された記録媒体(本実施の形態ではフィルム基材)Sが予め設定された種類ごとに収容される。レジストローラー対82は、所期の搬送経路を形成するように配置される。
このような画像形成装置10では、まず、帯電させた感光体32に光を照射して静電潜像を形成した後、感光体32にトナーを供給して静電潜像に応じたトナー像を形成する。記録媒体搬送部80により送られてきた記録媒体Sに、中間転写部40で記録媒体Sにトナー像が転写される。中間転写部40でトナー像が転写された記録媒体Sは、定着装置60で記録媒体Sに定着される。これにより、第1のトナー(白色トナー)および第2のトナー(有色トナー)を含む複数種のトナーが、上記記録媒体Sに含まれる同一の領域に定着される。トナー像が定着された記録媒体は、案内ローラーにより、画像形成装置10外に向けて案内される。
本実施の形態において、上記画像形成装置により形成されるトナー像が転写される記録媒体としては、普通紙などの紙以外に、フィルム基材を用いることができる。
上記フィルムには、公知のプラスチックフィルムが含まれる。上記プラスチックフィルムの例には、ポリエステル(PET)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ナイロン(NY)フィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリアクリル酸(PAA)フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、およびポリ乳酸フィルムなどの生分解性フィルムなどが含まれる。
ガスバリアー性、防湿性および保香性などを付与するために、フィルムの片面または両面にポリ塩化ビニリデンがコートされていてもよいし、金属酸化物が蒸着されていてもよい。また、フィルムには防曇加工が施されていてもよい。また、フィルムにはコロナ放電およびオゾン処理などが施されていてもよい。
また、上記フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよいし、紙などの吸収性の基材の表面にPVAコートなどの層を設けて、記録をすべき領域を非吸収性とした、多層性の基材でもよい。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置は、A4印刷の出力速度を、100枚/分以上とすることが可能である。
以下、本発明を実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。また、特記しない限り、各操作は室温(25℃)で行わった。
[非晶性樹脂微粒子分散液の調製]
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、8質量部のドデシル硫酸ナトリウムおよび3000質量部のイオン交換水を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、当該反応容器の内温を80℃に昇温させた。昇温後、得られた混合液に10質量部の過硫酸カリウムを200質量部のイオン交換水に溶解させた水溶液を添加し、得られた混合液の温度を再度80℃とした。当該混合液に、下記組成からなる単量体混合液1を1時間かけて滴下後、80℃にて上記混合液を2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液a1を調製した。
(単量体混合液1)
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、7質量部のポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムを3000質量部のイオン交換水に溶解させた溶液を仕込み、当該溶液を80℃に加熱後、80質量部の樹脂微粒子の分散液a1(固形分換算)と、下記組成からなる単量体混合液2と、を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック株式会社製、「CLEARMIX」は同社の登録商標)で、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。なお、下記炭化水素ワックス1は、分岐度が2%のフィッシャー・トロプシュワックス(分岐度:2%、融点:80℃)である。
(単量体混合液2)
スチレン 285質量部
n−ブチルアクリレート 95質量部
メタクリル酸 20質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
炭化水素ワックス1 190質量部
次いで、上記分散液に、6質量部の過硫酸カリウムを200質量部のイオン交換水に溶解させた開始剤溶液を添加し、得られた分散液を84℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液a2を調製した。
(第3段重合)
上記第2段重合により得られた樹脂微粒子の分散液a2に400質量部のイオン交換水を添加し、十分に混合した後、得られた分散液に、11質量部の過硫酸カリウムを400質量部のイオン交換水に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下で、下記組成からなる単量体混合液3を1時間かけて滴下した。滴下終了後、上記分散液を2時間にわたり加熱撹拌して重合を行った後、28℃まで冷却し、ビニル樹脂(スチレン・アクリル樹脂)からなる非晶性樹脂微粒子分散液X1(以下、「非晶性分散液X1」ともいう)を調製した。
(単量体混合液3)
スチレン 307質量部
n−ブチルアクリレート 147質量部
メタクリル酸 52質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
得られた非晶性分散液X1について物性を測定したところ、非晶性樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(d50)は220nmであり、ガラス転移温度(Tg)は46℃であり、重量平均分子量(Mw)は32000であった。
なお、メジアン径(d50)はマイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装株式会社製)で測定し、ガラス転移温度(Tg)は熱分析装置「DiamondDSC」(パーキンエルマー社製)で測定し、重量平均分子量(Mw)はGPC装置「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)で測定した。
[非晶性分散液X2〜X7の調製]
第2段重合における炭化水素ワックス1を表1に示すワックスに変更した以外は、非晶性分散液X1の調製と同様にして、非晶性分散液X2〜X7を得た。
Figure 2021124603
[結晶性ポリエステル樹脂Pの合成]
281質量部のセバシン酸、および283質量部の1,10−デカンジオールを、撹拌器、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れた。反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、0.1質量部のTi(OBu)を添加し、得られた混合液を窒素ガス気流下、約180℃で8時間撹拌し、反応を行った。さらに、当該混合液に0.2質量部のTi(OBu)を添加し、当該混合液の温度を約220℃に上げ6時間、当該混合液を撹拌し、反応を行った。その後、反応容器内の圧力を1333.2Paまで減圧し、減圧下で反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂Pを得た。結晶性ポリエステル樹脂Pの数平均分子量(Mn)は5500であり、重量平均分子量(Mw)は18000であり、融点(Tm)は70℃であった。なお、結晶性ポリエステル樹脂Pの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、GPC装置「HLC−8120GPC」で測定し、融点(Tm)は、熱分析装置「DiamondDSC」測定した。
[結晶性樹脂微粒子分散液Yの調製]
30質量部の結晶性ポリエステル樹脂Pを溶融させた状態で、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)へ毎分100質量部の移送速度で移送した。同時に、濃度0.37質量%の希アンモニア水を熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で上記乳化分散機へ移送した。上記希アンモニア水は、水性溶媒タンクにおいて70質量部の試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈して調製した。そして、上記乳化分散機を、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm(490kPa)の条件で運転することにより、固形分量が30質量部である結晶性ポリエステル樹脂Pの結晶性樹脂微粒子分散液Y(以下、「結晶性分散液Y」ともいう)を調製した。結晶性分散液Yに含まれる結晶性ポリエステル樹脂Pの粒子の体積基準のメジアン径(d50)は200nmであった。なお、上記メジアン径(d50)は、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装株式会社製)を用いて測定した。
[白色分散液Wの調製]
90質量部のドデシル硫酸ナトリウムを1600質量部のイオン交換水に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、420質量部のチタニア顔料を徐々に添加した。次いで、得られた分散液を、撹拌装置「CLEARMIX」を用いて分散処理することにより、チタニア顔料微粒子が分散されてなるチタニア顔料微粒子分散液W(以下、「白色分散液W」ともいう)を調製した。白色分散液W1における体積基準のメジアン径(d50)は、150nmであった。なお、上記メジアン径(d50)は、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」を用いて測定した。
[着色剤分散液Cの調製]
90質量部のドデシル硫酸ナトリウムを1600質量部のイオン交換水に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、420質量部のC.I.ピグメントブルー18:3を徐々に添加した。次いで、得られた分散液を、撹拌装置「CLEARMIX」を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子が分散されてなる着色剤微粒子分散液C(以下、「着色剤分散液C」ともいう)を調製した。着色剤分散液Cにおける体積基準のメジアン径(d50)は、150nmであった。なお、上記メジアン径(d50)は、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」を用いて測定した。
[非晶性ポリエステル樹脂Sの合成]
両性化合物(アクリル酸)を含む下記組成からなる、単量体混合液4を滴下ロートに入れた。なお、ジ−t−ブチルパーオキサイドは、重合開始剤である。
(単量体混合液4)
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
アクリル酸 10質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド 16質量部
また、下記の重縮合系セグメント(非晶性ポリエステルセグメント)の原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
(非晶性ポリエステルセグメント)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 285.7質量部
テレフタル酸 66.9質量部
フマル酸 47.4質量部
次いで、得られた溶液に、撹拌下で単量体混合液4を90分間かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8kPa)にて単量体混合液4の成分のうちの未反応のモノマーを四つ口フラスコ内から除去した。その後、エステル化触媒として、0.4質量部のTi(OBu)を四つ口フラスコ内に投入し、当該四つ口フラスコ中の混合液を235℃まで昇温し、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)で1時間の条件で反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂Sを得た。
[非晶性ポリエステル微粒子分散液Sの調製]
100質量部の非晶性ポリエステル樹脂Sを、400質量部の酢酸エチル(関東化学株式会社製)に溶解し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合した。得られた混合液を、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(株式会社日本精機製作所製)で、V−LEVELが300μAの条件で30分間超音波分散した。その後、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を用いて、上記混合液を減圧下で3時間撹拌して酢酸エチルを完全に除去し、固形分量が13.5質量%の非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液S(以下、「シェル用分散液S」ともいう)を得た。シェル用分散液Sにおけるシェル用樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)は160nmであった。なお、上記メジアン径(d50)は、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」を用いて測定した。
[離型剤分散液の製造]
離型剤として、200質量部の炭化水素ワックス6を95℃に加温し溶融させた。さらに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム3質量%となるよう添加した800質量部のイオン交換水に溶解した界面活性剤水溶液に投入後、超音波ホモジナイザーで分散させ、離型剤分散液を調製した。離型剤分散液中の固形分濃度(離型剤の含有量)を20質量%に調整した。離型剤分散液中の離型剤の平均粒子径は190nmであった。なお、上記炭化水素ワックス6は、マイクロクリスタリンワックス(分岐度:53%)である。
[白色トナー1の製造]
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、288質量部の非晶性分散液X1(固形分換算)および2000質量部のイオン交換水を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液をさらに添加して当該反応容器中の分散液のpHを10(測定温度25℃)に調整した。上記分散液に、30質量部の白色分散液W(固形分換算)を投入した。次いで、凝集剤として30質量部の塩化マグネシウムを60質量部のイオン交換水に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて上記反応容器に添加した。「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて上記混合液中で会合した粒子の粒径を測定し、当該粒子の体積基準のメジアン径(d50)が6.0μmになった時点で、37質量部のシェル用分散液S(固形分換算)を上記混合液に30分間かけて投入した。得られた反応液の上澄みが透明になった時点で、190質量部の塩化ナトリウムを760質量部のイオン交換水に溶解した水溶液を上記反応液に添加して粒子成長を停止させた。
さらに、上記反応液を80℃に加熱し撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、上記反応液中の粒子を測定装置「FPIA−2100」(シスメックス株式会社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定し、当該粒子の平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/分の冷却速度で上記反応液を30℃に冷却した。次いで、冷却した上記反応液から上記粒子を分離、脱水し、得られたケーキを、イオン交換水への再分散と固液分離とを3回繰り返して洗浄し、その後、40℃で24時間乾燥させることにより、白色トナー母体粒子1を得た。
100質量部の白色トナー母体粒子に、0.6質量部の疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)、および1.0質量部の疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を添加し、これらを「ヘンシェルミキサー」(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速35mm/秒、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去した。このような外添剤処理を行って、白色トナー母体粒子Bの集合体である白色トナー粒子1を製造した。
上記白色トナー粒子1と、アクリル樹脂を被覆した体積平均粒径32μmのフェライトキャリアとを、トナー粒子濃度が6質量%となるように添加して混合した。こうして、白色トナー粒子1を含有する二成分現像剤である白色現像剤1を製造した。
[白色トナー3の製造]
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、288質量部の非晶性分散液X1(固形分換算)および2000質量部のイオン交換水を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液をさらに添加して当該反応容器中の分散液のpHを10(測定温度25℃)に調整した。上記分散液に、30質量部の白色分散液W(固形分換算)を投入した。次いで、凝集剤として30質量部の塩化マグネシウムを60質量部のイオン交換水に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて上記反応容器に添加した。得られた混合液を80℃まで昇温し、40質量部の結晶性分散液Y(固形分換算)を10分間かけて上記混合液に添加して凝集させた。「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて上記混合液中で会合した粒子の粒径を測定し、当該粒子の体積基準のメジアン径(d50)が6.0μmになった時点で、37質量部のシェル用分散液S(固形分換算)を上記混合液に30分間かけて投入した。得られた反応液の上澄みが透明になった時点で、190質量部の塩化ナトリウムを760質量部のイオン交換水に溶解した水溶液を上記反応液に添加して粒子成長を停止させた。
さらに、上記反応液を80℃に加熱し撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、上記反応液中の粒子を測定装置「FPIA−2100」(シスメックス株式会社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定し、当該粒子の平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/分の冷却速度で上記反応液を30℃に冷却した。次いで、冷却した上記反応液から上記粒子を分離、脱水し、得られたケーキを、イオン交換水への再分散と固液分離とを3回繰り返して洗浄し、その後、40℃で24時間乾燥させることにより、白色トナー母体粒子3を得た。
白色トナー粒子および白色現像剤の製造は、白色トナー1と同様の方法で行った。
[白色トナー2、4〜6の製造]
非晶性分散液X1を表2に示す非晶性分散液に変更した以外は、白色トナー1と同様にして、白色トナー2、4〜6を製造した。また、白色現像剤1と同様にして、白色現像剤2、4〜6を製造した。表2に、白色トナー2、4〜6の各成分の含有量(単位は質量部)を示す。なお、非晶性分散液、結晶性分散液の含有量は、固形分換算した値である。
Figure 2021124603
[シアントナー1の製造]
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、288質量部の非晶性分散液X6(固形分換算)および2000質量部のイオン交換水を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液をさらに添加して当該反応容器中の分散液のpHを10(測定温度25℃)に調整した。上記分散液に、30質量部の着色剤分散液C(固形分換算)を投入した。次いで、凝集剤として30質量部の塩化マグネシウムを60質量部のイオン交換水に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて上記反応容器に添加した。得られた混合液を80℃まで昇温し、40質量部の結晶性分散液Y(固形分換算)を10分間かけて上記混合液に添加して凝集させた。「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて上記混合液中で会合した粒子の粒径を測定し、当該粒子の体積基準のメジアン径(d50)が6.0μmになった時点で、37質量部のシェル用分散液S(固形分換算)を上記混合液に30分間かけて投入した。得られた反応液の上澄みが透明になった時点で、190質量部の塩化ナトリウムを760質量部のイオン交換水に溶解した水溶液を上記反応液に添加して粒子成長を停止させた。
さらに、上記反応液を80℃に加熱し撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、上記反応液中の粒子を測定装置「FPIA−2100」を用いて(HPF検出数を4000個)測定し、当該粒子の平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/分の冷却速度で上記反応液を30℃に冷却した。次いで、冷却した上記反応液から上記粒子を分離、脱水し、得られたケーキを、イオン交換水への再分散と固液分離とを3回繰り返して洗浄し、その後、40℃で24時間乾燥させることにより、シアントナー母体粒子を得た。
100質量部のシアントナー母体粒子に、0.6質量部の疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)、および1.0質量部の疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を添加し、これらを「ヘンシェルミキサー」(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速35mm/秒、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去した。このような外添剤処理を行って、シアントナー母体粒子の集合体であるシアントナー1を製造した。
上記シアントナー粒子1と、アクリル樹脂を被覆した体積平均粒径32μmのフェライトキャリアとを、トナー粒子濃度が6質量%となるように添加して混合した。こうして、シアントナー1を含有する二成分現像剤であるシアン現像剤1を製造した。
[シアントナー8の製造]
313.4質量部の非晶性ポリエステル樹脂分散液S(固形分換算)と、11.6質量部の離型剤分散液(固形分換算)と、30質量部の着色剤分散液C(固形分換算)と、40質量部の結晶性分散液Y(固形分換算)と、0.5質量部のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムと、を攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応容器に投入し、撹拌しながら0.1Nの塩酸を加えてpHを2.5に調整した。次いで、ポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl換算で10質量%水溶液)0.4質量部を10分間かけて滴下した後、撹拌しながら0.05℃/minの速度で昇温し「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて適宜凝集粒子の粒径を測定した。凝集粒子の体積基準のメジアン径が5.6μmに到達したところで、昇温を停止した。その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にして粒径成長を停止した。さらに、内温を85℃まで昇温し「FPIA−2000」(Sysmex社製)を用いて平均円形度(形状係数)が0.960になった時点で10℃/minの速度で室温まで冷却し、この反応液を、濾過、洗浄を繰り返した後、乾燥することにより、シアントナー8を得た。
また、シアン現像剤1と同様にして、シアン現像剤8を製造した。
[シアントナー2〜7の製造]
非晶性分散液X1を表3に示す非晶性分散液に変更した以外は、シアントナー1と同様にして、シアントナー2〜7を製造した。また、シアン現像剤1と同様にして、シアン現像剤2〜7を製造した。表3に、シアントナー1〜8の各成分の含有量(単位は質量部)を示す。なお、非晶性分散液、結晶性分散液の含有量は、固形分換算した値である。
Figure 2021124603
4.評価
作製した白色トナー1〜6、シアントナー1〜8を表4に示すように組み合わせたトナーセットを用いて、色濁りおよび定着分離性の評価を行った。
Figure 2021124603
[色濁り評価]
(評価方法)
表4に示されるトナーセットをそれぞれ投入した5機の現像機を、画像形成装置「bizhub PRO C6500」の改造機に入れ、A4サイズの記録媒体「テンカラー(米坪152g/cm、王子エフテックス株式会社製)」を用い、5×5cm角のアルファベット「A」(20pt)を描くような画像を作製した。1枚目の形成画像および10,000枚目の形成画像における「A」画像の端部を目視および2000倍の光学顕微鏡「VHX−2000」(株式会社キーエンス製)で下層にあるカラートナーの色が識別できるかを観察した。なお、○と◎を合格とした。
(評価基準)
◎:目視でも光学顕微鏡でも識別できない
○:目視では識別できないが、光学顕微鏡では、下層のトナー色が識別できる
△:目視でも少し識別できるが、光学顕微鏡ではっきり下層のトナー色が識別できる
×:目視ではっきり識別できる
[定着分離性評価]
(評価方法)
複写機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ株式会社製)において、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜210℃の範囲内で変更することができるように改造した定着装置に、表4に示した1〜12のトナーセットをそれぞれ装填した。定着装置の加熱ローラーの表面温度を190℃に設定し、常温常圧(温度20℃、相対湿度55%)において、縦送りで搬送したA4サイズの記録媒体「テンカラー(米坪152g/cm)」上に、加熱ローラーの軸方向に伸びる10cm幅のベタ帯状画像を定着させ、その分離性を下記評価基準に従って評価した。なお、◎および○を合格とした。
(評価基準)
◎:記録媒体がカールすることなく加熱ローラーと分離できる、画像劣化なし
○:記録媒体が加熱ローラーと分離するが、画像上に白スジが観察される
×:加熱ローラーヘの巻付きが発生してしまい、当該加熱ローラーと分離できない
評価結果を表5に示す。
Figure 2021124603
第1の炭化水素ワックスの分岐度(B1)と、第2の炭化水素ワックスの分岐度(B2)との差(|B1−B2|)が10%以上とし、第2の炭化水素ワックスの分岐度(B2)は、10%以上とすることで、第1のトナー(白色トナー)と第2のトナー(有色トナー)とを重ねて印刷した場合であっても、色濁りが生じないことがわかった。
これは、定着・溶融時において、第1のトナーおよび第2のトナーに含まれる炭化水素ワックスが、それぞれトナー表面に染み出し、擬似的なコアシェル構造を形成するためであると考えられる。つまり、第1のトナーの疑似シェル層を構成する第1のワックスと、第2のトナーの疑似シェル層を構成する第2のワックスとは、分岐度が異なり、ワックス同士の構造も異なることから、ワックスに含まれる分子同士が接近しにくくなる。これにより、ワックスに含まれる分子同士の相互作用を小さくすることができるので、形成される画像の色濁りを抑制することができると考えられる。
また、本発明のトナーを用いることにより、形成される画像の劣化を抑制することができる。これは、第1のトナーおよび第2のトナーに含まれる結着樹脂と炭化水素ワックスとが相溶しにくいため、形成された画像表面に炭化水素ワックスが染み出しやすくなり、分離性が向上したためであると考えられる。
本発明によれば、基材への定着性および定着部材からの分離性に優れ、画像濃度の低下を抑制できるトナーセット、および当該トナーセットを用いる画像形成装置を提供することができる。よって、本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置における高性能化が期待され、画像形成装置のさらなる普及が期待される。
10 画像形成装置
20 画像読み取り部
21 給紙装置
22 スキャナー
23 CCDセンサー
24 画像処理部
30 トナー像形成部
31 画像形成ユニット
32 感光体
33 帯電装置
34 露光装置
35 現像装置
36 クリーニング装置
40 中間転写部
41 一次転写ユニット
42 二次転写ユニット
43 中間転写ベルト
44 一次転写ローラー
45 バックアップローラー
46 第1支持ローラー
47 クリーニング装置
48 二次転写ベルト
49 二次転写ローラー
50 第2支持ローラー
60 定着装置
61 定着ベルト
62 加熱ローラー
63 第1加圧ローラー
64 第2加圧ローラー
80 記録媒体搬送部
81 記録媒体トレイユニット
82 レジストローラー対
D 原稿
S 記録媒体

Claims (10)

  1. 白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する第1のトナーと、
    第2の炭化水素ワックスを含有する第2のトナーと、
    を含み、
    前記第1の炭化水素ワックスの分岐度をB1、前記第2の炭化水素ワックスの分岐度をB2としたとき、前記B1と前記B2とが下記式(1)の条件を満たす、トナーセット。
    Figure 2021124603
  2. 前記B1と前記B2とが、下記式(2)の条件を満たす、請求項1に記載のトナーセット。
    Figure 2021124603
  3. 前記第2の炭化水素ワックスの分岐度(B2)は、10%以上である、請求項1または請求項2に記載のトナーセット。
  4. 前記第2のトナーにおいて、前記第2の炭化水素ワックスの含有量は、前記第2のトナーの全質量に対して3質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナーセット。
  5. 前記第2のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナーセット。
  6. 前記第1のトナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、前記第1のトナーの全質量に対して10質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナーセット。
  7. 前記第2のトナーは、スチレン・アクリル樹脂を含み、前記第2のトナーにおいて、前記スチレン・アクリル樹脂の含有量は、前記第2のトナーの全質量に対して60質量%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナーセット。
  8. 静電潜像を複数種のトナーにより現像してトナー像を形成するトナー像形成部と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写部と、
    前記トナー像を前記記録媒体の表面に定着させる定着部と、
    を備え、
    前記複数種のトナーは、白色顔料および第1の炭化水素ワックスを含有する第1のトナーと、
    第2の炭化水素ワックスを含有する第2のトナーと、
    を含み、
    前記第1の炭化水素ワックスの分岐度をB1、前記第2の炭化水素ワックスの分岐度をB2としたとき、前記B1と前記B2とが下記式(1)の条件を満たす、画像形成装置。
    Figure 2021124603
  9. 前記トナー像形成部は、前記第2のトナーを、前記第1のトナーよりも中間転写体の表面に近い側に配置するように前記トナー像を形成する、請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記記録媒体は、フィルム基材である、請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
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