JP2020056893A - 電子写真画像形成方法 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重ねて可視画像を形成する場合において、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層の混色を抑制し、高い彩度又はコントラストを有する可視画像を得ることのできる電子写真画像形成方法を提供することである。【解決手段】本発明の電子写真画像形成方法は、白色トナーと有彩色又は黒色トナーを用いる電子写真画像形成方法であって、前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが8.0〜18.0μmの範囲内であり、前記有彩色又は黒色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dcが4.0〜8.0μmの範囲内であり、かつ、前記平均粒径dwと前記平均粒径dcとの差(dw−dc)が2.0μm以上であることを特徴とする電子写真画像形成方法。【選択図】図1

Description

本発明は電子写真画像形成方法に関し、より詳しくは、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重ねて可視画像を形成する場合において、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層の混色を抑制し、高い彩度又はコントラストを有する可視画像を得ることのできる電子写真画像形成方法に関する。
近年、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の分野においては、市場からの様々な要求に応じた開発が行われている。特に、画像が形成される記録媒体の種類が増加してきていることから、これらの種々の記録媒体への対応については市場からの要求が非常に高い。
例えばカラー用紙(白色以外の色紙及び透明フィルム等の非白色の記録媒体)に画像を形成する場合には、フルカラートナー、具体的には、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナーの有彩色トナー、及び黒色トナーの4色のトナーだけでは十分な発色を得ることができない。そのため、新たに5色目のトナーとして白色トナーを用い、背景となるベース層を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、白色トナーで形成されたベース層は、白色であることから、隠蔽性の観点から、当該ベース層に入射した光を、理想的には全て散乱させることが必要とされる。そのため、ベース層を形成する白トナーの隠蔽特性を向上させるための検討がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
一方、画像上での目標濃度を達成するために、中間転写ベルト上でのトナー量をIDC(Image Density Control)センサーにより光学濃度を計測し、一次転写時の電圧バイアスをコントロールし、単層の濃度をフィードバック制御して、画像上の濃度(彩度、明度)を決定している。
本発明者の検討によれば、白色トナーの粒径と有彩色又は黒色トナーの粒径が同粒径程度(例えば、いずれも7μm程度)の場合、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重層してプリントしたときに、前記IDCセンサーの計測では目標濃度(特に彩度)に達成していても、目視では有彩色又は黒色の画像層が白濁り(混色)を生じ、彩度又はコントラストが目標に到達しないという問題が発生することが判明した。
しかしながら、IDCセンサーによる光学測定は単層のみで行われているので、この重層時の問題を予測し解決するのは難しく、また、画像処理で補正することも原理的に不可能である。
また、前記特許文献2に記載の発明は、「高い隠蔽率、並びに良好な帯電性及び定着性」を課題としており、有彩色又は黒色トナーと白色トナーの白濁り(混色)については全く着目しておらず、当該有彩色又は黒色の白濁りを改善できない。
この現象は、現在の印刷業界での厳しい品質要求の中で問題になってきており、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重層してプリントしたときの白濁り(混色)を解決する手段が求められている。
特開2006−220694号公報 特開2018−49160号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重ねて可視画像を形成する場合において、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層の混色を抑制し、高い彩度又はコントラストを有する可視画像を得ることのできる電子写真画像形成方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、白色トナーと有彩色又は黒色トナーを用いる電子写真画像形成方法であって、前記白色トナー及び前記有彩色又は黒色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径及びその粒径差をそれぞれ特定の範囲内とすることによって、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層の混色を抑制し、高い彩度又はコントラストを有する可視画像を得ることのできる電子写真画像形成方法が得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.白色トナーと有彩色又は黒色トナーを用いる電子写真画像形成方法であって、
前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが8.0〜18.0μmの範囲内であり、
前記有彩色又は黒色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dcが4.0〜8.0μmの範囲内であり、かつ、
前記平均粒径dwと前記平均粒径dcとの差(dw−dc)が2.0μm以上であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
2.前記白色トナーの画像層と有彩色又は黒色トナーの画像層とを積層体として中間ベルト上に同時に一次転写し、次いで記録媒体上に二次転写した後、定着させる工程を有することを特徴とする第1項に記載の電子写真画像形成方法。
3.前記記録媒体上に定着された画像層の積層体において、前記白色トナーの画像層が最下層又は最上層のいずれかに位置することを特徴とする第2項に記載の電子写真画像形成方法。
4.前記白色トナーを構成するトナー粒子が、ルチル型酸化チタンを含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
5.前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが、12.0〜18.0μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
6.前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが、14.0〜18.0μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
7.前記白色トナーを構成するトナー粒子が、重合トナー粒子又は粉砕トナー粒子であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
本発明の上記手段により、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重ねて可視画像を形成する場合において、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層の混色を抑制し、高い彩度又はコントラストを有する可視画像を得ることのできる電子写真画像形成方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明者の検討の結果、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重層したときの白濁り(混色)の原因は、中間転写ベルト上の一次転写像において、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層の界面が明瞭でない場合に発生することが分かった。この現象が発生する要因としては、特に中間転写ベルト上で白色トナーの画像層が有彩色又は黒色の画像層の上層になっている場合(最終画像では白色トナーの画像層が有彩色又は黒色の画像層の下層に位置する場合)で、有彩色又は黒色トナーを構成するトナー粒子(以下、有彩色又は黒色トナー粒子という。)と白色トナーを構成するトナー粒子(以下、白色トナー粒子という。)の粒径差が小さい(例えば2.0μm未満の粒径差)ときに、白色トナー粒子が有彩色又は黒色トナー粒子の間に入り込んでしまうため、中間転写ベルト上で、有彩色又は黒色トナー粒子と白色トナー粒子が混ざりあい、一次転写像として前記画像層間の界面が不明瞭となるため、そのまま記録媒体上に二次転写したときに混色が発生し有彩色又は黒色の画像層の彩度又はコントラストの低下が発生するものと推測している。
図1に、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重層したときの、白濁り(混色)の発生を説明する模式図を示す。
図1(a)は、有彩色又は黒色トナー粒子(2)と白色トナー粒子(3)の粒径差が小さい場合の側面からみた模式図を示し、中間転写ベルト(1)上に、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重層した場合、界面でトナー粒子の混合が起こる。図1(b)は、これを記録媒体(4)に二次転写した場合の記録媒体の法線方向からみた模式図を示し、有彩色又は黒色の画像層に白色トナーの画像層の混色が発生し彩度又はコントラストが低下する。
図1(c)は、有彩色又は黒色トナー粒子(2)の粒径に対して白色トナー粒子(3)の粒径が大きい場合の側面からみた模式図を示し、中間転写ベルト(1)上に、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層を重層した場合、界面でトナー粒子の混合が起こらない。図1(d)は、これを記録媒体(4)に二次転写した場合の記録媒体の法線方向からみた模式図を示し、有彩色又は黒色の画像層に白色トナーの画像層の混色が発生せず、彩度又はコントラストの低下が抑制される。
したがって、有彩色又は黒色の画像層の白濁りの発生を抑制するためには、白トナー粒子と有彩色又は黒色トナー粒子とに本発明で規定する粒径差が必要であるものと推測される。
白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層の白濁り(混色)の発生を説明する模式図
本発明の電子写真画像形成方法は、白色トナーと有彩色又は黒色トナーを用いる電子写真画像形成方法であって、前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが8.0〜18.0μmの範囲内であり、前記有彩色又は黒色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dcが4.0〜8.0μmの範囲内であり、かつ、前記平均粒径dwと前記平均粒径dcとの差(dw−dc)が2.0μm以上であることを特徴とする。この特徴は、この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記白色トナーの画像層と有彩色又は黒色トナーの画像層とを積層体として中間ベルト上に同時に一次転写し、次いで記録媒体上に二次転写した後、定着させる工程を有することが、好ましい。こうすることで、プロダクション市場において要求されるような、画像形成の高速化、並びに得られる可視画像の高画質化を実現する観点から、好ましい。
前記記録媒体上に定着された画像層の積層体において、前記白色トナーの画像層が最下層又は最上層のいずれかに位置することが、有彩色又は黒色の画像層の彩度又はコントラストを低下させずに、白色トナーの画像層が画像のベース層として機能することができ、好ましい。
また、前記白色トナー粒子が、ルチル型酸化チタンを含有することが、隠蔽力の点で好ましく、前記白色トナー粒子の平均粒径dwが、12.0〜18.0μmの範囲内であることが、有彩色又は黒色の画像層の白濁り(混色)を抑制する観点と、白色トナーによるベース層としての隠蔽力を高める観点で好ましい。さらに、前記白色トナー粒子の平均粒径dwが、14.0〜18.0μmの範囲内であることが、白濁り(混色)の発生をさらに抑制する観点から、より好ましい。
また、前記白色トナー粒子が、重合トナー粒子又は粉砕トナー粒子であることが好ましく、そのどちらでも本発明の効果を発現することができる。中でも、重合トナーであると粒径分布の変動係数(CV値ともいう。)が小さい粒子(単分散な粒子)となり、本発明の効果をより発現することが可能となり、好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪本発明の電子写真画像形成方法の概要≫
本発明の電子写真画像形成方法は、白色トナーと有彩色又は黒色トナーを用いる電子写真画像形成方法であって、前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが8.0〜18.0μmの範囲内であり、前記有彩色又は黒色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dcが4.0〜8.0μmの範囲内であり、かつ、前記平均粒径dwと前記平均粒径dcとの差(dw−dc)が2.0μm以上であることを特徴とする。
ここで本発明におけるトナー粒子とは、電子写真方式における静電荷像現像用のトナー粒子をいう。また、当該トナー粒子とは、トナー母体粒子に外添剤を添加したものをいう。なお、本発明においては、トナー母体粒子とトナー粒子とを区別する必要がない場合には、単にトナー粒子と称することがある。
また、本発明に係る「トナー粒子」とは、着色剤以外に少なくとも結晶性樹脂及び離型剤を含有するものである。また、トナー粒子は、例えば、結着樹脂中に、離型剤、荷電制御剤、界面活性剤等の内添剤を含有することが好ましい。また、トナー粒子は、通常、外添剤が添加されたものをトナー粒子として使用されることが好ましいが、当該外添剤は添加されていなくてもよい。
本発明の電子写真画像形成方法は、記録媒体上に、白色トナーによる白色トナー粒子を含有する画像層と有彩色又は黒色トナーによる有彩色又は黒色トナー粒子を含有する画像層とを重層し、白色トナーの画像層及び有彩色又は黒色トナーの画像層(以下、トナー像ともいう。)を定着処理する過程を経るものである。具体的には、例えば下記(1)〜(5)の工程を有する。
(1)像担持体の表面を帯電する帯電工程
(2)露光することにより像担持体上に静電潜像を形成する露光工程
(3)像担持体上に形成された静電潜像をトナーが含有される現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程
(4)像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程
(5)記録媒体上に転写されたトナー像を熱定着処理する定着工程
上記(4)の転写工程においては、記録媒体上に、白色トナーの画像層と有彩色又は黒色トナーの画像層とが重層されたトナー像積層体が形成される。当該トナー像積層体は同時に、いわゆるワンパスで形成されることが好ましい。すなわち、前記白色トナーの画像層と有彩色又は黒色トナーの画像層とを積層体として中間ベルト上に同時に一次転写することが好ましい。
また、上記(5)の定着工程においては、記録媒体上に形成されたトナー像積層体を構成する白色トナーの画像層と有彩色又は黒色の画像層とが同時に定着処理される。
前記記録媒体上に定着されたトナー像積層体において、前記白色トナーの画像層が最下層又は最上層のいずれかに位置することが好ましい。より好ましくは、白色トナーの画像層が最下層に配置され、ベース画像となる態様である。
ここで、「白色トナー」とは、白色トナーのみを転写材上に転写した場合において、その表面をJIS Z 8781−4:2013に準拠して分光色差計で測定した、CIEL表色系における明度Lが80以上であり、かつ、a及びbがそれぞれ−10≦a≦10、−10≦b≦10の条件を満たす色(白色)を有するトナーをいう。
「有彩色トナー」とは、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等の、基本的には、色相・明度・彩度の三つの属性を有するトナーをいう。
「黒色トナー」とは、基本的には、色相と彩度がなく、明度のみ有するトナーをいう。
なお、本明細書では、上記有彩色トナーと、黒色トナーとを「有色トナー」ともいう。すなわち、最も一般的には、記録媒体(例えば記録紙)は、通常、白色のものが使用されていることから、この白色を基準色として、当該白色とは異なると認識される有彩色トナーや黒色トナーを、便宜上、「有色トナー」と称することにする。
ここに、有彩色又は黒色トナー粒子による有彩色又は黒色の画像層は、1種類の有彩色又は黒色トナー粒子によって形成されたものであってもよく、また2次色の有彩色又は黒色の画像層や3次色の有彩色又は黒色の画像層などの2種類以上の有色トナーによって形成されたものであってもよい。
本発明に用いられる白色トナー粒子の平均粒径dw及び有彩色又は黒色トナー粒子の平均粒径dcとは、それぞれ体積基準のメジアン径(d50)をいう。
白色トナー粒子及び有彩色又は黒色トナー粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出される。
具体的には、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにして頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とする。
本発明に係る前記白色トナー粒子の平均粒径dwは8.0〜18.0μmの範囲内であることを特徴とする。平均粒径dwが8.0μm未満では、有彩色又は黒色トナー粒子との粒径差が小さくなり、白濁り(混色)の発生を抑制できなくなる。平均粒径dwが18.0μmを超えると転写効率が低くなり、隠蔽率も低下する。好ましくは12.0〜18.0μmの範囲内であり、特に好ましくは14.0〜16.0μmの範囲内である。
前記有彩色又は黒色トナー粒子の平均粒径dcは4.0〜8.0μmの範囲内であることを特徴とする。平均粒径dcが4.0μm未満では、転写効率及び画像形成効率が低くなる。平均粒径dcが8.0μmを超えると、ハーフトーンの画質が劣化し、細線やドットの画質が低下する。好ましくは6.0〜8.0μmの範囲内である。
前記平均粒径dwと前記平均粒径dcとの差(dw−dc)が2.0μm以上であることを特徴とする。2.0μm未満では、有彩色又は黒色トナーの画像層と白色トナーの画像層が重層された場合、白色トナー粒子と有彩色又は黒色トナー粒子が中間転写ベルト上で混ざり合いやすくなり、混色が発生し彩度又はコントラストが低下する。より好ましくは、4.0μm以上であり、さらに好ましくは6.0〜12.0μmの範囲である。
前記白色トナー粒子及び有彩色又は黒色トナー粒子の粒径分布における変動係数(CV値)は、それぞれ好ましくは20〜30%の範囲内であると、トナー粒子間の混ざり合いをより抑制する観点から好ましい。トナー粒子の体積基準の粒径分布における変動係数は、以下の式より算出される。
変動係数(CV値)(%)=(S2/Dn)×100
(式中、S2は体積基準の粒径分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準における平均粒径を示す。)
上記トナー粒子の平均粒径は、例えば後述する乳化凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、結着樹脂の組成などによって制御することができる。体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
以下、本発明の各構成要素について説明する。
〔1〕白色トナー及び有彩色又は黒色トナー
本発明の電子写真画像形成方法に用いられる白色トナーは、少なくとも結着樹脂及び白色の着色剤(以下、「白色着色剤」ともいう。)を含んで構成されるものである。さらに、必要に応じて離型剤等その他の添加剤、外添剤を含んでいてもよい。一方、有彩色又は黒色トナーは、結着樹脂、及び白色以外の有色の着色剤(以下、「有色着色剤」ともいう。)を含んで構成されるものである。さらに、必要に応じて離型剤等その他の添加剤、外添剤を含んでいてもよい。なお、有彩色とは、白色以外の色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアンなど)を意味する。
〔1.1〕着色剤
本発明に係る白色トナーは、少なくとも結着樹脂及び白色の着色剤を含有する白色トナーであることを特徴とする。
白色トナー用の着色剤としては、無機顔料(例えば、チタンホワイト、ジンクホワイト、チタンストロンチウムホワイト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノケイ酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイト等)、又は有機顔料(例えば、ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子等)が挙げられる。
これらのうち、本発明においては、特にルチル型結晶の酸化チタン、アナターゼ型結晶の酸化チタンは白色度が高く、好ましい。10〜1000nmの範囲の粒径を持つ酸化チタンを使用することにより顔料分散性の高い白色トナーが得られ、好適である。中でも、隠蔽性の観点から、ルチル型結晶の酸化チタンを用いることが好ましい。
トナーの静電的特性を安定化させるために、着色剤に用いる顔料の電気抵抗率は1×10〜1×1012Ω・cmの範囲とするのが好ましい。
顔料表面を、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、ステアリン酸等の脂肪酸、アルコール、トリメタノールアミン等のアミンなどで表面処理することにより、極めて高い顔料分散性とトナーの帯電安定性の両立が容易に実現できる。
着色剤の含有割合は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して20〜170質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは、40〜80質量部、さらに好ましくは50〜70質量部の範囲である。
本発明に係る有彩色又は黒色トナーは、同様に少なくとも結着樹脂及び有色の着色剤を含有するトナーであることを特徴とする。
イエロートナー用のイエロー着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162等、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185等が使用可能で、これらの混合物も使用可能である。
マゼンタトナー用のマゼンタ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122等、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222等が使用可能で、これらの混合物も使用可能である。
シアントナー用のシアン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、同7、同15:3、同18:3、同60、同62、同66、同76等が使用可能である。
オレンジトナー用のオレンジ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントオレンジ63、同68、同71、同72、同78等、顔料としてC.I.ピグメントオレンジ16、同36、同43、同51、同55、同59、同61、同71等が使用可能である。
グリーン用のグリーン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントグリーン3、同5、同28等、顔料としてC.I.ピグメントグリーン7等が使用可能である。
黒色トナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラック等が使用可能であり、カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用可能である。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが使用可能である。
〔1.2〕結着樹脂
本発明に係るトナー粒子に用いられる結着樹脂は、非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有するものであることが好ましい。
<結晶性ポリエステル樹脂>
結晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸成分)及び/又はヒドロキシカルボン酸と、2価以上のアルコール(多価アルコール成分)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な融解ピークを有する樹脂をいう。明確な融解ピークとは、具体的には、上述の結晶性ポリエステル樹脂単独の示差走査熱量測定によって得られたDSC曲線において、2回目の昇温過程における融解ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、65〜85℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは75〜85℃の範囲内である。結晶性ポリエステル樹脂の融点が上記範囲であることにより、十分な低温定着性及び優れた画像保存性が得られる。なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂組成によって制御することができる。ここに、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、上述の結晶性ポリエステル樹脂単独の示差走査熱量測定によって得られたDSC曲線において、2回目の昇温過程における融解ピークのピークトップ温度である。なお、当該DSC曲線において融解ピークが複数存在する場合は、一番吸熱量の大きい融解ピークのピークトップ温度を融点とする。
結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)は、吸熱ピークのピークトップの温度であり、ダイヤモンドDSC(パーキンエルマー社製)を用いてDSCによって測定することができる。具体的には、試料をアルミニウム製パンKITNo.B0143013に封入し、熱分析装置 Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させる。1回目の加熱時には室温(25℃)から、2回目の加熱時には0℃から、10℃/分の昇温速度でそれぞれ150℃まで昇温して150℃を5分間保持し、冷却時には、10℃/分の降温速度で150℃から0℃まで降温して0℃の温度を5分間保持する。2回目の加熱時に得られる吸熱曲線における吸熱ピークのピークトップの温度を融点として測定する。
結晶性ポリエステル樹脂を形成するための多価カルボン酸成分とは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。具体的には、例えば、コハク酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;及びこれらカルボン酸化合物の無水物、又は炭素数1〜3のアルキルエステルなどが挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂を形成するための多価カルボン酸成分としては、飽和脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂を形成するための多価アルコール成分とは、1分子中にヒドロキシ基を2個以上含有する化合物である。具体的には、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなどが挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂を形成するための多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールを用いることが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、上述の多価カルボン酸と多価アルコールとを触媒下で反応させる一般的なポリエステルの重合法を用いて製造することができ、例えば直接重縮合やエステル交換法を、単量体の種類によって使い分けて製造することが好ましい。
また、直鎖脂肪族ヒドロキシカルボン酸を、前記多価カルボン酸及び/又は多価アルコールと組み合わせて用いることができる。結晶性ポリエステル樹脂を形成するための直鎖脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、5−ヒドロキシペンタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、7−ヒドロキシペンタン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、9−ヒドロキシノナン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、14−ヒドロキシテトラデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸:及びこれらのヒドロキシカルボン酸が環化したラクトン化合物、又は炭素数1〜3のアルコールとのアルキルエステルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、結晶性ポリエステル樹脂を形成する際に、多価カルボン酸と多価アルコール成分とを用いることで反応を制御することが容易になり、目的の分子量の樹脂を得ることができるため好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造に使用することのできる触媒としては、例えばチタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタン触媒や、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシドなどのスズ触媒などが挙げられる。
上記の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との使用比率は、多価アルコール成分のヒドロキシ基[−(OH)]と多価カルボン酸成分のカルボキシ基[−(COOH)]との当量比[−(OH)]/[−(COOH)]が、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2の範囲内である。
結晶性ポリエステル樹脂は、その酸価が5〜30mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜25mgKOH/g、さらに好ましくは15〜25mgKOH/gの範囲内である。この酸価は、1gの試料に含まれる酸の中和に必要な水酸化カリウム(KOH)の質量をmg単位で表したものである。樹脂の酸価は、JIS K 0070−1992に準じて下記手順により測定される。
〈樹脂の酸価の測定法〉
(試薬の準備)
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶解し、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を調製する。JIS特級水酸化カリウム7gをイオン交換水5mLに溶解し、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとする。炭酸ガスに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、濾過して、水酸化カリウム溶液を調製する。標定はJIS K 0070−1992の記載に従う。
(本試験)
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(トルエン:エタノールが体積比で2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として調製したフェノールフタレイン溶液を数滴加えて、調製した水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は指示薬の薄い紅色が約30秒間続いた時とする。
(空試験)
試料を用いない(すなわち、トルエン/エタノール(トルエン:エタノールが体積比で2:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記本試験と同様の操作を行う。
本試験と空試験の滴定結果を下記式(1)に代入して酸価を算出する。
式(1) A=〔(C−B)×f×5.6〕/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:空試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
C:本試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
f:0.1mol/リットルの水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量分布から算出された重量平均分子量(Mw)が5000〜50000の範囲内、数平均分子量(Mn)が1500〜25000の範囲内であることが好ましい。
〈樹脂の分子量の測定法〉
GPCによる分子量測定は、以下のように行う。
すなわち、装置「HLC−8320」(東ソー社製)及びカラム「TSKgel guardcolumn SuperHZ−L」及び「TSKgel SuperHZM−M」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流す。測定試料(結晶性ポリエステル樹脂)を、室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で、濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブレンフィルターで処理して試料溶液を得る。この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。
検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。
結着樹脂における結晶性ポリエステル樹脂の含有割合は、5〜20質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5〜10質量%の範囲内である。結着樹脂における結晶性ポリエステル樹脂の含有割合が5質量%以上であることにより、十分な低温定着性を確実に得ることができる。また、結着樹脂における結晶性ポリエステル樹脂の含有割合が20質量%以下であることにより、トナーの製造においてトナーに結晶性ポリエステル樹脂を確実に導入することができる。
また、結晶性ポリエステル樹脂としては、スチレン・アクリル重合セグメントと結晶性ポリエステル重合セグメントとが結合してなるスチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂を用いてもよい。
ここで、「スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂」とは、結晶性のポリエステル分子鎖(結晶性ポリエステル重合セグメント)に、スチレン・アクリル共重合体分子鎖(スチレン・アクリル重合セグメント)を化学結合させた、ブロック共重合体構造のポリエステル分子から構成される樹脂のことである。
結晶性ポリエステル重合セグメントの形成方法は、特に制限されない。当該重合セグメントの形成に用いられる多価カルボン酸及び多価アルコールの具体的な種類ならびにこれらの単量体の重縮合条件は、上記と同様であるため、ここでは説明を省略する。
一方、スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂を構成するスチレン・アクリル重合セグメントは、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。用いられるスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体は、特に制限されないが、例えば、下記のものから選択される1種又は2種以上が用いられうる。
(1)スチレン単量体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン及びこれらの誘導体など;
(2)(メタ)アクリル酸エステル単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル(n−ブチル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの誘導体など;
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸双方を包含する。
スチレン・アクリル重合セグメントは、上記の単量体に加え、以下の単量体をさらに用いて形成されていてもよい。
(3)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど;
(4)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど;
(5)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど;
(6)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど;
(7)その他の単量体
ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体など。
スチレン・アクリル重合セグメントの形成方法は、特に制限されず、上記単量体の重合に通常用いられる過酸化物、過硫化物、過硫酸塩、アゾ化合物などの任意の重合開始剤を用い、塊状重合、溶液重合、乳化重合法、ミニエマルション法、分散重合法など公知の重合手法により重合を行う方法が挙げられる。
スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂における結晶性ポリエステル重合セグメントの含有割合は、特に制限されないが、スチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂100質量%に対して、60〜99質量%の範囲内であることが好ましく、70〜98質量%の範囲内であることがより好ましい。
スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂におけるスチレン・アクリル重合セグメントの含有割合(以下、「スチレン・アクリル変性量」ともいう。)は、特に制限されないが、スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂100質量%に対して、1〜40質量%の範囲内であることが好ましく、2〜30質量%の範囲内であることがより好ましい。
スチレン・アクリル変性量は、具体的には、スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂を合成するために用いられる樹脂材料の全質量、すなわち、結晶性ポリエステル重合セグメントとなる未変性の結晶性ポリエステル樹脂を合成するための単量体と、スチレン・アクリル重合セグメントとなるスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体と、これらを結合させるための両反応性単量体を合計した全質量に対する、スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の合計の質量の割合をいう。
ここで、「両反応性単量体」とは、スチレン・アクリル重合セグメントと結晶性ポリエステル重合セグメントとを結合する単量体で、結晶性ポリエステル重合セグメントを形成するヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選択される基と、スチレン・アクリル重合セグメントを形成するエチレン性不飽和基と、の双方を分子内に有する単量体である。
両反応性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ、さらにこれらのヒドロキシアルキル(炭素数1〜3個)のエステルであってもよいが、反応性の観点からアクリル酸、メタクリル酸又はフマル酸が好ましい。この両反応性単量体を介してスチレン・アクリル重合セグメントと結晶性ポリエステル重合セグメントとが結合される。
両反応性単量体の使用量は、低温定着性を向上させる観点から、スチレン・アクリル重合セグメントを構成する単量体の総量を100質量%として1〜20質量%の範囲内が好ましい。
スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、結晶性ポリエステル重合セグメントとスチレン・アクリル重合セグメントとを化学結合させた構造の重合体を形成することが可能な方法であれば、特に制限されるものではない。スチレン・アクリル変性結晶性ポリエステル樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
(A)結晶性ポリエステル重合セグメントをあらかじめ重合しておき、当該結晶性ポリエステル重合セグメントに両反応性単量体を反応させ、さらに、スチレン・アクリル重合セグメントを形成するためのスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体を反応させることにより、スチレン・アクリル重合セグメントを形成する方法;
(B)スチレン・アクリル重合セグメントをあらかじめ重合しておき、当該スチレン・アクリル重合セグメントに両反応性単量体を反応させ、さらに、結晶性ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸及び多価アルコールを反応させることにより、結晶性ポリエステル重合セグメントを形成する方法;
(C)結晶性ポリエステル重合セグメント及びスチレン・アクリル重合セグメントをそれぞれあらかじめ重合しておき、これらに両反応性単量体を反応させることにより、両者を結合させる方法。
上記(A)〜(C)の形成方法の中でも、(A)の方法は、生産工程を簡素化できる等の観点から好ましい。
<非晶性樹脂>
本発明において、非晶性樹脂としては非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂を用いることができる。
非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークが認められないものをいう。つまり、通常は融点(示差走査熱量(DSC)測定装置を用いて測定されるDSC曲線において、明確な吸熱ピーク)を有さず、比較的高いガラス転移点(Tg)を有するものである。より具体的には、非晶性樹脂の示差走査熱量測定装置によるTgは、35〜70℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50〜65℃の範囲内である。非晶性樹脂のTgが35℃以上であることにより、トナーに十分な熱的強度を与えることができ、十分な耐熱保管性が得られる。また、非晶性樹脂のTgが70℃以下であることにより、十分な低温定着性が確実に得られる。
非晶性樹脂のTgは、ASTM(米国材料試験協会規格)D3418−82に規定された方法(DSC法)によって測定される。すなわち、測定試料(非晶性樹脂)4.5mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度−10〜120℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、昇温−降温−昇温の温度制御を行い、その2回目の昇温におけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移点とする。
非晶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量は、数平均分子量(Mn)が1500〜25000、重量平均分子量(Mw)が10000〜80000の範囲内であることが好ましい。非晶性樹脂の分子量が上記の範囲にあることにより、十分な低温定着性及び優れた耐熱保管性が確実に両立して得られる。非晶性樹脂のGPCによる分子量測定は、測定試料として非晶性樹脂を用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
(非晶性ポリエステル樹脂)
非晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂である。
非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、5〜45mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは5〜30mgKOH/gの範囲内である。酸価が45mgKOH/g以下であれば、吸湿性が高くなることもなく、高湿度下においても帯電性が低くなるのを防止することができる点で好ましい。また、5mgKOH/g以上であれば、樹脂粒子の分散安定性を保持することができ、トナー製造が行い易い点で好ましい。なお、酸価は、結晶性ポリエステル樹脂の説明にて記載の方法と同様にして求めることができる。
非晶性ポリエステル樹脂は、1種の非晶性ポリエステル樹脂でもよいが、2種以上の非晶性ポリエステル樹脂の混合物であってもよい。
非晶性ポリエステル樹脂は、公知のポリエステル樹脂を使用することができる。非晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、BPA−PO(ビスフェノールAのプロピレンオキサイドnモル付加物)、BPA−EO(ビスフェノールAのエチレンオキサイドnモル付加物)等のジオールを用いることができる。また、例えば、グリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールを用いることができる。これらの中でも、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、BPA−PO又はBPA−EOであることが好ましく、BPA−PO又はBPA−EOであることがより好ましく、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物又はビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物であることがさらに好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、多価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸;マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸;これらの塩、低級アルキルエステル及び酸無水物等が挙げられる。これらの中でも、芳香族ジカルボン酸、これらの塩、低級アルキルエステル又は酸無水物であることが好ましく、テレフタル酸、フタル酸、これらの塩、低級アルキルエステル又は酸無水物であることがより好ましい。これら多価カルボン酸成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価カルボン酸成分として、3価以上のカルボン酸を含有することにより、高分子鎖が架橋構造をとることができ、当該架橋構造をとることにより、一旦非晶性ポリエステル樹脂と相溶した結晶性ポリエステル樹脂を固定化し分離しにくくする効果をさらに得ることができる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸や1,2,5−ベンゼントリカルボン酸等のトリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリト酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、これらの塩、低級アルキルエステル及び酸無水物等が挙げられるが、トリメリット酸、その塩、低級アルキルエステル又は酸無水物が特に好適である。
多価カルボン酸成分としてジカルボン酸と、3価以上のカルボン酸とを含有する場合、3価以上のカルボン酸の添加量は、多価カルボン酸成分の総モル数に対して、1〜30モル%の範囲内であることが好ましく、5〜20モル%の範囲内であることがより好ましく、10〜15モル%の範囲内であることが好ましい。
また、多価カルボン酸成分としては、前述の化合物の他に、スルホン酸基を有するジカルボン酸成分が含まれていてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の製造は、特に制限されないが、重合温度180〜260℃として、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との重縮合反応により行い、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させることが好ましい。重合時間は、特に制限されないが、1〜10時間であることが好ましく、2〜6時間であることがより好ましい。
重合性単量体(多価カルボン酸成分、多価アルコール成分)が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え、溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分とともに重縮合させるとよい。
非晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、例えば、ナトリウム、リチウム等を含むアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等を含む第2族金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等を含む金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、Mw/Mnをより小さくするとの観点から、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等を含む金属化合物であることが好ましく、スズの金属化合物(スズ系触媒)であることがより好ましい。スズ系触媒としては、特に制限されないが、例えば、ジブチルスズオキシド等が挙げられる。
触媒の添加量としては、特に制限されないが、多価カルボン酸全量に対して0.00001〜10質量%の範囲内であることが好ましい。触媒の添加量が増加するとより確実に反応を進行させることができ、触媒の添加量が減少するとより経済性に優れる。
非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂全体の5〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。このような範囲であると得られるトナーが耐ブロッキング性に優れ、低温定着性も得ることができる。
(非晶性ビニル樹脂)
非晶性ビニル樹脂としては、ビニル化合物を重合したものであれば特に制限されないが、例えば、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の非晶性ビニル樹脂の中でも、熱定着時の可塑性を考慮すると、スチレン・(メタ)アクリル酸エステル樹脂(以下、「スチレン・アクリル樹脂」とも称する)が好ましい。したがって、以下では、非晶性ビニル樹脂としてのスチレン・アクリル樹脂について説明する。
スチレン・アクリル樹脂は、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。ここでいうスチレン単量体は、CH=CH−Cの構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの他に、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステルを含むものである。
以下に、スチレン・アクリル樹脂の形成が可能なスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例を示すが、本発明で使用される単量体は、下記に限定されるものではない。
スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル単量体等が挙げられる。これらのアクリル酸エステル単量体又はメタクリル酸エステル単量体は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。すなわち、スチレン単量体と2種以上のアクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、スチレン単量体と2種以上のメタクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、又は、スチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体とを併用して共重合体を形成することのいずれも可能である。
スチレン・アクリル樹脂中のスチレン単量体に由来する構成単位の含有率は、スチレン・アクリル樹脂の全量に対し、60〜85質量%の範囲内であることが好ましい。また、スチレン・アクリル樹脂中の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構成単位の含有率は、スチレン・アクリル樹脂の全量に対し、15〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
さらに、スチレン・アクリル樹脂は、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の他、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシ基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する化合物が付加重合されてもよい。
スチレン・アクリル樹脂中の上記化合物に由来する構成単位の含有率は、スチレン・アクリル樹脂の全量に対し、0.1〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
非晶性ビニル樹脂の含有量は、結着樹脂全体の40〜95質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは60〜90質量%の範囲内である。このような範囲であると得られるトナーが樹脂設計の自由度が高く、帯電制御が容易である。
〔1.3〕その他の構成成分
<離型剤>
本発明に係るトナーは、離型剤を含有し得る。離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
具体的には、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス;マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス;カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤としては、結着樹脂を構成する樹脂と相溶するなどの相互作用を有さないものを用いることが好ましい。
これらのうちでも、低温定着時の離型性の観点から、融点の低いもの、具体的には、融点が60〜100℃の範囲内のものを用いることが好ましい。また、離型剤としては、結着樹脂を構成する結晶性ポリエステル樹脂の融点Mp1に対して、(Mp1−10)〜(Mp1+20)℃程度の融点を有するものを用いることが好ましい。
離型剤の含有割合は、トナー中に1〜20質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%の範囲内である。トナーにおける離型剤の含有割合が上記範囲であることにより、分離性及び定着性が確実に両立して得られる。
離型剤のトナーへの導入方法としては、後述のトナーの製造方法の凝集、融着工程において、離型剤のみよりなる粒子を非晶性樹脂粒子、結晶性ポリエステル樹脂粒子などとともに水系媒体中で凝集、融着する方法が挙げられる。離型剤粒子は、離型剤を水系媒体に分散させた分散液として得ることができる。離型剤粒子の分散液は、界面活性剤を含有する水系媒体を離型剤の融点より高い温度に加熱し、溶融した離型剤溶液を加えて機械的撹拌などの機械的エネルギーや超音波エネルギーなどを付与して微分散させた後、冷却することによって調製することができる。
また、非晶性樹脂が例えばスチレン・アクリル樹脂である場合には、凝集、融着工程に供される非晶性樹脂粒子(スチレン・アクリル樹脂粒子)に離型剤をあらかじめ混合させておくことによって、当該離型剤をトナーへ導入することもできる。
具体的には、スチレン・アクリル樹脂を形成するための重合性単量体の溶液に離型剤を溶解させる。この溶液を、界面活性剤を含有する水系媒体中に加え、上記と同様に機械的撹拌などの機械的エネルギーや超音波エネルギーなどを付与して微分散させた後、重合開始剤を加えて所望の重合温度で重合を行う、いわゆるミニエマルション重合法によって、離型剤を含有する非晶性樹脂粒子の分散液を調製することができる。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、トナー中に0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%の範囲内である。
<トナーの平均円形度>
本発明に係るトナーにおいては、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、帯電特性の安定性、低温定着性の観点から、平均円形度が0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内であることがより好ましい。平均円形度が上記の範囲であることにより、個々のトナー粒子が破砕しにくくなって摩擦帯電付与部材の汚染が抑制されてトナーの帯電性が安定し、また、形成される画像において画質が高いものとなる。
本発明において、トナーの平均円形度は、「FPIA−3000」(Sysmex社製)を用いて測定されるものである。
具体的には、試料(トナー)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−3000」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
〔1.4〕トナーの製造方法
本発明に係るトナー(トナー粒子)を製造する方法としては、特に限定されず、粉砕法や、懸濁重合法、乳化重合凝集法、及び分散重合法など公知の重合方法が挙げられる。
中でも、本発明に係る白色トナーは、重合トナー粒子又は粉砕トナー粒子のいずれでも使用することが可能である。中でも、粒径分布の変動係数を20〜30%の範囲に調整するには、重合法を採用することが好ましく、特に、乳化重合凝集法を採用することが好ましい。乳化重合凝集法については、後述する。
また、粉砕法は、例えば、すべてのトナー成分をそれぞれ所定量で配合し、混合し、かつ粉砕することによって全成分を充分に混合し、次いで得られた混合物を微粉化する。トナー粉末を形成する他の周知の方法においては着色剤、樹脂及び溶媒をボールミルにかけ、そのトナー調合品混合物を噴霧乾燥させることで製造される。
また、本発明に係るトナーは、例えばコア樹脂からなるコア粒子の表面がシェル樹脂からなるシェル層によって被覆されてなるコア・シェル構造を有するものであってもよく、単層構造を有するものであってもよい。なお、コア・シェル構造とする場合、シェル樹脂は非晶性樹脂である非晶性のポリエステル樹脂や非晶性ビニル樹脂であることが好ましい。
なお、シェルは、コア粒子を完全に被覆するものに限られず、一部コア粒子表面が露出されていてもよい。トナーがコア・シェル構造であることにより、帯電安定性や耐熱保管性を得ることができる。
コア・シェル構造は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型プローブ顕微鏡(SPM)等の公知の手段を用いて、トナーの断面の構造を観察することによって確認することができる。
得られた乾燥済みのトナー粒子をそのままトナーとして用いてもよいが、外添剤を添加して混合する乾式法により、公知の外添剤を添加し、これにより本発明に用いるトナーとしてもよい。
外添剤の混合装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用することができる。
本発明に係るトナーの製造方法について、イエロートナーを製造する方法について、具体例を以下に詳述する。なお、イエロートナー以外のトナー、例えば、マゼンタトナー、シアントナー、黒色トナー及び白色トナーを製造する方法においては、使用する着色剤を変更すれば、イエロートナーを製造する方法を好適に採用できる。
なお、本発明に係るトナーの製造方法は、下記に限定されることはない。
<着色剤粒子の水系分散液の調製>
ドデシル硫酸ナトリウムをイオン交換水に撹拌溶解し、イエロー着色剤を添加し、分散処理することにより、イエロー着色剤の粒子が分散されてなる着色剤粒子の水系分散液を調製する。
<離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の調製>
(第1重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム及びイオン交換水を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、昇温させ、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させたものを添加し、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート(BA)、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)等からなる単量体混合液を滴下後、加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子の分散液(1)を調製する。
(第2重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムをイオン交換水に溶解させた溶液を仕込み、加熱後、上記の樹脂粒子の分散液(1)と、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、離型剤(ベヘニルベヘネート(融点73℃))などからなる単量体及び離型剤を溶解させた溶液を添加し、混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製する。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子の分散液(2)を調製する。
(第3重合)
樹脂粒子の分散液(2)にイオン交換水を添加しよく混合したのち、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させた溶液を添加し、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート(BA)、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート等からなる単量体混合液を滴下する。
滴下終了後、加熱撹拌することにより重合を行った後、冷却し、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液が調製される。
<結晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製>
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
付加重合系樹脂セグメント(ここでは、スチレン・アクリル樹脂セグメントとする。)の原料モノマー及びラジカル重合開始剤として、例えば、スチレン、n−ブチルアクリレート、アクリル酸、重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)を滴下ロートに入れる。
また、重縮合系樹脂セグメント(ここでは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントとする。)の原料モノマーとして、例えば、脂肪族ジカルボン酸であるセバシン酸、脂肪族ジオールである1,12−ドデカンジオールを窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、加熱し溶解させる。
次いで、撹拌下で、滴下ロートに入れた付加重合系樹脂セグメントの原料モノマー及びラジカル重合開始剤を滴下し、熟成を行ったのち、減圧下にて未反応の付加重合モノマーを除去する。
その後、エステル化触媒を投入し、昇温し、常圧下にて反応させ、更に減圧下にて反応を行う。
次に、冷却したのち、減圧下にて反応させることによりハイブリッド樹脂である結晶性ポリエステル樹脂が得られる。
(結晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製)
上記合成例で得られた、結晶性ポリエステル樹脂を溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に撹拌しつつ、溶解させる。次に、この溶解液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加する。この溶解液を撹拌しながら、水を滴下混合することで乳化液を調製する。
次いで、この乳化液から溶媒を蒸留除去することで、結晶性ポリエステル樹脂が分散された水系分散液を調製できる。
<非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製>
(非晶性ポリエステル樹脂の合成)
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に、例えば、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸、フマル酸、エステル化触媒(例えば、オクチル酸スズ。)を入れ、縮重合反応させ、さらに、減圧下で反応させ、冷却した後、例えば、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてアクリル酸、スチレン単量体としてスチレン、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてブチルアクリレート、重合開始剤(例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド。)混合物を滴下し、滴下後、付加重合反応させた後、昇温し、減圧下で保持した後、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物、スチレン単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体を除去することにより、ビニル樹脂セグメントと結晶性ポリエステル樹脂セグメントが結合してなる非晶性ポリエステル樹脂を合成する。
(非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製)
上記合成例で得られた、非晶性ポリエステル樹脂を溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に撹拌しつつ溶解させる。次に、この溶解液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加する。この溶解液を撹拌しながら、水を滴下混合することで乳化液を調製する。
次いで、この乳化液から溶媒を蒸留除去することで、非晶性ポリエステル樹脂が分散された水系分散液を調製できる。
<イエロートナーの製造>
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液、イオン交換水を投入した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを調整する。
その後、着色剤粒子の水系分散液を投入し、次いで、塩化マグネシウム水溶液を添加し混合液を調製する。この混合液を昇温し、結晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を添加して凝集を進行させる。所望の粒径になった時点で、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を投入し、塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた後、加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させる。その後、冷却する。
次いで、固液分離し、洗浄したのち、乾燥させることにより、イエロートナー粒子が得られる。
得られたトナー粒子に外添剤を添加することにより、イエロートナーを製造できる。
(イエロー現像剤の製造方法)
上記イエロートナーに対して、下記に挙げる外添剤を添加して混合することにより、イエロー現像剤を製造できる。
<外添剤>
トナー母体粒子の表面には、流動性や帯電性を制御する目的で、外添剤を付着させる。
外添剤としては、従来公知の金属酸化物粒子を使用することができ、例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子、及び酸化ホウ素粒子等が挙げられる。これらは、単独でも又は2種以上を併用してもよい。
シリカ粒子に関して、ゾル・ゲル法により作製されたシリカ粒子を用いることができる。ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子は、粒径分布が狭いという特徴を有しているため、付着強度のバラツキを抑制する点で好ましい。
ゾル・ゲル法により形成されたシリカ粒子の個数平均1次粒径は、70〜150nmの範囲内であることが好ましい。個数平均1次粒径がこのような範囲内にあるシリカ粒子は、他の外添剤に比べて粒径が大きいのでスペーサーとしての役割を有し、その他の粒径の小さい外添剤が現像機中で撹拌混合されることによって、トナー母体粒子中に埋め込まれるのを防止する効果を有し、また、トナー母体粒子同士が融着するのを防止する効果を有している。
また、スチレン、メタクリル酸メチル等の単独重合体やこれらの共重合体等の有機粒子を外添剤として使用してもよい。
外添剤として用いられる金属酸化物粒子は、カップリング剤等の公知の表面処理剤により表面の疎水化処理が施されているものが好ましい。上記表面処理剤としては、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が好ましい。
また、表面処理剤として、シリコーンオイルを用いることもできる。シリコーンオイルの具体例としては、例えば、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、又はデカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン等の環状化合物や、直鎖状又は分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができる。また、側鎖、片末端、両末端、側鎖片末端、側鎖両末端等に変性基を導入した反応性の高い、少なくとも末端を変性したシリコーンオイルを用いてもよい。該変性基の例としては、アルコキシ基、カルボキシ基、カルビノール基、高級脂肪酸変性、フェノール基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基等が挙げられるが、特に制限されるものではない。また、例えば、アミノ/アルコキシ変性等数種の変性基を有するシリコーンオイルであってもよい。
また、ジメチルシリコーンオイルと上記の変性シリコーンオイル、さらには他の表面処理剤とを用いて混合処理又は併用処理しても構わない。併用する処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、各種シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物、ロジン酸等を例示することができる。
クリーニング性や転写性をさらに向上させるために外添剤として滑剤を使用することも可能である。例えば、以下のステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら外添剤の添加量の総量は、トナー母体粒子100質量部に対して、0.1〜10質量%の範囲内が好ましく、1〜5質量%の範囲内がより好ましい。
〔2〕画像形成装置
〔2.1〕装置
本発明に係る白色トナー及び有彩色又は黒色トナーは、一般的な電子写真方式の画像形成方法に用いることができ、このような画像形成方法が適用される画像形成装置としては、例えば、静電荷像担持体である感光体と、トナーと同極性のコロナ放電によって当該感光体の表面に一様な電位を与える帯電手段と、一様に帯電された感光体の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電荷像を形成させる露光手段と、トナーを感光体の表面に搬送して前記静電荷像を顕像化してトナー像を形成する現像手段と、当該トナー像を必要に応じて中間転写体を介して転写材に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を加熱定着させる定着手段を有する装置を用いることができる。
また、本発明に係るトナーは、定着温度(定着部材の表面温度)が130〜200℃とされる比較的低温の画像形成装置において好適に用いることができる。
また、本発明に係るトナーは、定着速度(通紙速度)が50〜700mm/sec、好ましくは300〜700mm/secとされる速度範囲の画像形成装置において好適に用いることができる。
〔2.2〕記録媒体
本発明の電子写真画像形成方法において、本発明に係る白色トナーの画像及び有彩色又は黒色トナーの画像は、最終的には記録媒体上に転写され形成される。
記録媒体としては、特に制限されず、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙等の紙類;ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の樹脂製フィルム;布などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、記録媒体の色は特に限定されず、種々の色の記録媒体を使用することができる。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
<トナー及び現像剤の作製>
(マゼンタトナーの作製)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0Lを入れ撹拌溶解した。この溶液に、C.I.ピグメントレッド122 1.20kgを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。これを「着色剤分散液1」とした。又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とした。
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とした。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とした。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100Lのグラスライニング(GL)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均1次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面活性剤溶液A」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液B」全量を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0Lを加えた。
次いで、加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下した。その後、液温度を75±1℃に制御しながら、スチレン12.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kg、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン548gのあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を80±1℃に上げて、6時間加熱撹拌して重合を完了した。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス1−A」とした。
なお、「ラテックス1−A」中の樹脂粒子のガラス転移点は57℃、軟化点は121℃、重量平均分子量は1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とした。また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とした。
過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とした。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのGL反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均1次粒子径=120nm、固形分濃度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面活性剤溶液D」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液E」全量を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0Lを投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加した。次いで、スチレン11.0kg、アクリル酸n−ブチル4.00kg、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン9.02gのあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して6時間加熱撹拌を行った後、液温度を80℃±2℃に上げて12時間加熱撹拌し、重合を完了した。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス1−B」とした。
なお、「ラテックス1−B」中の樹脂粒子のガラス転移点は58℃、軟化点は132℃、重量平均分子量は24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
塩析剤として塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とした。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径及び形状のモニタリング装置を付けた100LのSUS反応釜に、上記で作製した「ラテックス1−A」を20.0kgと「ラテックス1−B」を5.2kgと「着色剤分散液1」を0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ撹拌した。
10分間放置した後に昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて加熱撹拌して塩析/融着させながら粒径成長させ、融着粒子の平均粒径が6μmになった段階で「塩化ナトリウム溶液G」を添加して粒径成長を停止した。この液を「融着粒子分散液1」とした。
次いで、温度センサー、冷却管を付けた5Lの反応容器に、上記の「融着粒子分散液1」5.0kgを入れ、液温度92±2℃にて、融着粒子の形状変化を観察しながら、形状係数の平均値が0.98以上になるまで加熱撹拌を行い、「マゼンタ粒子分散液1」(平均粒径4.1μm)とした。CV値は25%前後であった。
次いで「マゼンタ粒子分散液1」をイオン交換水による洗浄と濾過を3回行った後、ウェットケーキ状の「マゼンタ粒子分散液1」をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度50℃にて予備乾燥し、さらに流動層乾燥機を用いて55℃の温度で乾燥して「マゼンタ粒子1」を製造した。CV値は25%前後であった。
得られた各「マゼンタ粒子1」に、疎水性シリカ微粒子R805を表1に示す所定量ヘンシェルミキサーにて外添混合して「マゼンタトナー(Mトナー)1」を製造した。
同様の方法を用い、平均粒径を調整したマゼンタトナー(Mトナー)2〜4を作製した。CV値はいずれも25%前後であった。
(イエロートナーの作製)
マゼンタトナー1の製造において、着色剤をC.I.ピグメントレッド122の代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして、形状係数の平均値が0.98以上、平均粒径6.5μm、CV値は25%前後の「イエロートナー(Yトナー)1」を作製した。
(シアントナーの作製)
マゼンタトナー1の製造において、着色剤をC.I.ピグメントレッド122の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した以外は同様にして、形状係数の平均値が0.98以上、平均粒径6.8μm、CV値は25%前後の「シアントナー(Cトナー)1」を作製した。
(黒色トナーの作製)
マゼンタトナー1の製造において、着色剤をC.I.ピグメントレッド122の代わりにカーボンブラック(キャボット社製 リーガル(登録商標)330)を0.60kg使用した以外は同様にして、形状係数の平均値が0.98以上、平均粒径6.3μm、CV値は25%前後の「黒色トナー(Bトナー)1」を作製した。
(白色トナー1〜9の作製)
マゼンタトナー1の製造において、着色剤をC.I.ピグメントレッド122の代わりに酸化チタンを1.6kg使用した他は同様にして、形状係数の平均値が0.98以上、平均粒径7.7μm、CV値は25%前後の「白色トナー(Wトナー)1」を製造した。
同様の方法を用い、平均粒径を調整した白色トナー(Wトナー)2〜9を作製した。CV値はいずれも25%前後であった。
(白色トナー10の作製)
(結着樹脂の調製)
結着剤には、下記のようにして調製したポリエステル系樹脂を用いた。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、テレフタル酸とを、モル比が3:7:9の割合になるようにして、これらを重合開始剤のジブチルスズオキシドと一緒に、湿度計とステンレス製の攪拌棒と流下式コンデンサーと窒素導入管とを取り付けたガラス製の4つ口フラスコ内に入れた。
次いで、この4つ口フラスコをマントルヒーター中にセットし、上記の窒素導入管からこのフラスコ内に窒素を導入しながら、加熱撹拌させて反応させ、この反応中において酸価を測定しながら反応状態を追跡し、所定の酸価に達した時点でそれぞれ反応を終了し、これを冷却してポリエステル系樹脂を得た。
このようにして得たポリエステル系樹脂の物性は、数平均分子量(Mn)が3300、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4.2、ガラス転移温度(Tg)が68.5℃、軟化点(Tm)が110.3℃、酸価が3.3KOHmg/g及びヒドロキシ価28.1KOHmg/gであった。
ここで、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(セイコー電子社製:DSC−200)を用い、リファレンスにアルミナを使用し、10mgの試料を昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メインの吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
また、軟化点(Tm)については、フローテスター(島津製作所社製:CFT−500)を用い、細孔の直径が1mm、長さが1mmのダイスを使用し、圧力20kg/cm、昇温速度6℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点とした。
また、酸価については、10mgの試料をトルエン50mLに溶解し、0.1%のプロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、あらかじめ評定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した。また、ヒドロキシ価については、秤量された試料を無水酢酸で処理し、得られたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmgで示した。
(トナーの作製)
合成したポリエステル系樹脂を粒径が1mm以下になるように粗粉砕した。次いで、このポリエステル系樹脂と、二酸化チタンを7:3の質量比になるようにして加圧ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練した後、これを冷却し、その後、ハンマーミルで粗粉砕して、白色着色剤の含有率が30質量%になった顔料マスターバッチを得た。
次いで、上記のポリエステル系樹脂100質量部に対して二酸化チタンが7質量部の割合になるようにして、上記のポリエステル系樹脂と顔料マスターバッチとをヘンシェルミキサーに入れ、これらをヘンシェルミキサーにより周速40m/secで180秒間かけて十分に混合した。
次いで、この混合物を2軸押し出し混練機(池貝鉄工社製:PCM−30)により溶融混練し、この混練物をプレスローラーで2mmの厚みに圧延し、冷却ベルトにより冷却した後、これをフェザーミルにより粗粉砕した。その後、これを機械式粉砕機(川崎重工業社製:KTM)によって粉砕し、さらにジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製:IDS)で粉砕した後、ローター型分級機(ホソカワミクロン社製:ティープレックス型分級機100ATP)を使用して分級し、粉砕法による白色トナー(Wトナー)10を得た。形状係数は、0.980前後、平均粒径は14.3μm、CV値は30%であった。
前記平均粒径は、トナー粒子の体積基準のメジアン径(d50)を、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出した。具体的には、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにして頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径(平均粒径)とした。
前記形状係数は、トナーの平均円形度をいい、トナーの平均円形度は、「FPIA−3000」(Sysmex社製)を用いて測定した。具体的には、試料(トナー)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−3000」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出した。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
前記CV値は、上記粒径分布解析から下記式によって求めた値である。
変動係数(CV値)(%)=(S2/Dn)×100
(式中、S2は体積基準の粒径分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準における平均粒径を示す。)
作製した、マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナー、黒色トナー及び白色トナーの種類及び平均粒径を表Iに示した。
Figure 2020056893
以上作製した、マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナー、黒色トナー及び白色トナーを用いて、下記要領にて白濁り(混色)の評価を実施した。
<評価装置>
画像形成装置と定着装置は、特開2005−43532号公報の図1及び図2に示されるものを使用した。
<評価方法>
(白濁り(混色))
各実施例及び比較例につき、前記特開2005−43532号公報の図1及び図2に示される画像形成装置と定着装置を用いて、光沢紙「PODグロスコート128(128g/m)(王子製紙社製)」を用いて、紙上で白色トナー付着量が8〜9g/mでその上に有彩色又は黒色トナー付着量が8〜9g/mとなるように画像形成させ、ニップ幅11.2mm、定着時間34msec、定着圧力133kPa、システムスピード230mm/sec、定着温度150℃の条件で熱定着させた。つまり、白色トナー以外の有彩色又は黒色トナーと白色トナーとが同時に熱定着されたことになる。
画像の形成順は、紙、白色トナー画像、有彩色又は黒色トナー画像の順番(サンプル1では、(上層)マゼンタ/白色(下層)と表記。)になるように層を形成し、画像の差を判断できる被検者に評価を依頼した。結果は以下の基準で表現してもらった。評価結果を、表IIに示す。〇◎の評価を合格とする。
◎:有彩色又は黒色トナー画像に白色画像の色混ざりが全くなく、白濁りが生じていない
○:白濁りのない画像と比較すればほんの少し有彩色又は黒色の彩度又はコントラストが低く見えるが、問題ないレベル
△:白濁りのない画像と比較しなくても、有彩色又は黒色の彩度又はコントラストが低く見え、白濁りが生じていることが分かる
×:有彩色又は黒色の彩度又はコントラストが低く認識され、有彩色又は黒色に明らかに白濁りが発生している。
<実験1>
下記表IIに示すような白色トナー1〜10とマゼンタトナー1〜4とを組み合わせたサンプル1〜20について、上記のように白濁り(混色)を評価した。
<実験2>
同様の実験をマゼンタトナー以外の、イエロートナー、シアントナー及び黒色トナーに対しても同じ実験を行い、結果を表IIに示した。
<実験3>
紙、有彩色又は黒色トナー画像、白色トナー画像の順番になるように層を形成した結果について、白色に対するマゼンタ色のコンタミを評価し、結果を表IIに示した(サンプル14では、(上層)白色/マゼンタ(下層)と表記。)。
Figure 2020056893
表IIに示す結果から、白色トナー粒子の平均粒径dwの範囲、有彩色又は黒色トナー粒子の平均粒径dcの範囲、及び粒径差(dw−dc)が本発明の構成範囲を満たすサンプルは、白濁り(混色)の発生が抑制されていることが分かる。また、白色トナー粒子としては、重合法又は粉砕法のトナー粒子のどちらでも、本発明の優れた効果を発現できるが、中でもCV値の小さい重合法によって作製されたトナー粒子の方が好ましいことが分かる。
1 中間転写ベルト
2 有彩色又は黒色トナー粒子
3 白色トナー粒子
4 記録媒体

Claims (7)

  1. 白色トナーと有彩色又は黒色トナーを用いる電子写真画像形成方法であって、
    前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが8.0〜18.0μmの範囲内であり、
    前記有彩色又は黒色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dcが4.0〜8.0μmの範囲内であり、かつ、
    前記平均粒径dwと前記平均粒径dcとの差(dw−dc)が2.0μm以上であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  2. 前記白色トナーの画像層と有彩色又は黒色トナーの画像層とを積層体として中間ベルト上に同時に一次転写し、次いで記録媒体上に二次転写した後、定着させる工程を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
  3. 前記記録媒体上に定着された画像層の積層体において、前記白色トナーの画像層が最下層又は最上層のいずれかに位置することを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成方法。
  4. 前記白色トナーを構成するトナー粒子が、ルチル型酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  5. 前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが、12.0〜18.0μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  6. 前記白色トナーを構成するトナー粒子の平均粒径dwが、14.0〜18.0μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  7. 前記白色トナーを構成するトナー粒子が、重合トナー粒子又は粉砕トナー粒子であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
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