JP2018077348A - 静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂及び白色着色剤を含む芯部、並びに前記芯部を被覆し、結着樹脂を含み着色剤を含まない被覆層を有する白色トナー粒子を含む、白色トナーと、結着樹脂及び有色着色剤を含む芯部、並びに前記芯部を被覆し、結着樹脂を含み着色剤を含まない被覆層を有する有色トナー粒子を含む、有色トナーと、を有し、前記白色トナー粒子における前記芯部の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との差を[Rw2−Rw1]とし、前記有色トナー粒子における前記芯部の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との差を[Rc2−Rc1]としたとき、[Rw2−Rw1]<[Rc2−Rc1]を満たす静電荷像現像用トナーセット。
【選択図】なし
Description
本発明の課題は、結着樹脂及び白色着色剤を含む芯部並びに結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層を有する白色トナー粒子を含む白色トナーと、結着樹脂及び有色着色剤を含む芯部並びに結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層を有する有色トナー粒子を含む有色トナーと、を有する態様において、白色トナー粒子における芯部の平均円相当径[Rw1]と白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との差[Rw2−Rw1]と、有色トナー粒子における芯部の平均円相当径[Rc1]と有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との差[Rc2−Rc1]が「[Rw2−Rw1]≧[Rc2−Rc1]」の関係である場合に比べ、白色トナー画像における高い隠蔽性と有色トナー画像における高い発色性とを両立し得る静電荷像現像用トナーセットを提供することにある。
結着樹脂及び白色着色剤を含む芯部(Win)、並びに前記芯部(Win)を被覆し、結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層(Wout)を有する白色トナー粒子を含む、白色トナーと、
結着樹脂及び有色着色剤を含む芯部(Cin)、並びに前記芯部(Cin)を被覆し、結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層(Cout)を有する有色トナー粒子を含む、有色トナーと、
を有し、
前記白色トナー粒子における前記芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との差を[Rw2−Rw1]とし、前記有色トナー粒子における前記芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との差を[Rc2−Rc1]としたとき、下記式(1)の関係を満たす静電荷像現像用トナーセット。
式(1) [Rw2−Rw1]<[Rc2−Rc1]
前記白色トナー粒子における前記芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との比を[Rw1/Rw2]とし、前記有色トナー粒子における前記芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との比を[Rc1/Rc2]としたとき、下記式(2)の関係を満たす請求項1に記載の静電荷像現像用トナーセット。
式(2) [Rw1/Rw2]>[Rc1/Rc2]
前記白色トナー粒子における前記芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との比[Rw1/Rw2]が「0.95≦Rw1/Rw2<1.0」であり、
かつ前記有色トナー粒子における前記芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との比[Rc1/Rc2]が「0.8≦Rc1/Rc2<0.95である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセット。
前記白色トナー粒子の被覆層(Wout)の平均厚み[Tw1]が0.1μm≦Tw1≦0.5μmであり、かつ前記有色トナー粒子の被覆層(Cout)の平均厚み[Tc1]が0.5μm≦Tc1≦1.5μmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]とが、下記式(3)の関係を満たす請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
式(3) [Rw2]>[Rc2]
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーを含有する白色静電荷像現像剤と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーを含有する有色静電荷像現像剤と、
を含む静電荷像現像剤セット。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される白色トナーカートリッジと、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される有色トナーカートリッジと、
を含むトナーカートリッジセット。
請求項6に記載の静電荷像現像剤セットに含まれる前記白色静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤セットに含まれる前記有色静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーによる白色画像を形成する第1画像形成手段と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成手段と、
前記白色画像及び前記有色画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写された白色画像及び有色画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーによる白色画像を形成する第1画像形成工程と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成工程と、
前記白色画像及び前記有色画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写された白色画像及び有色画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項2に係る発明によれば、白色トナー粒子における芯部の平均円相当径[Rw1]と白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との比[Rw1/Rw2]と、有色トナー粒子における芯部の平均円相当径[Rc1]と有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との比[Rc1/Rc2]と、が「[Rw1/Rw2]≦[Rc1/Rc2]」の関係である場合に比べ、白色トナー画像における高い隠蔽性と有色トナー画像における高い発色性とを両立し得る静電荷像現像用トナーセットが提供される。
請求項3に係る発明によれば、白色トナー粒子における芯部の平均円相当径[Rw1]と白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との比[Rw1/Rw2]が「0.95>Rw1/Rw2」である場合、又は有色トナー粒子における芯部の平均円相当径[Rc1]と有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との比[Rc1/Rc2]が「Rc1/Rc2≧0.95」である場合に比べ、白色トナー画像における高い隠蔽性と有色トナー画像における高い発色性とを両立し得る静電荷像現像用トナーセットが提供される。
請求項4に係る発明によれば、白色トナー粒子の被覆層の平均厚み[Tw1]が「Tw1>0.5μm」である場合、又は有色トナー粒子の被覆層の平均厚み[Tc1]が「0.5μm>Tc1」である場合に比べ、白色トナー画像における高い隠蔽性と有色トナー画像における高い発色性とを両立し得る静電荷像現像用トナーセットが提供される。
請求項5に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]と有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]とが「[Rw2]≦[Rc2]」の関係を満たす場合に比べ、白色トナー画像における高い隠蔽性と有色トナー画像における高い発色性とを両立し得る静電荷像現像用トナーセットが提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセット(以下単に「トナーセット」とも称す)は、白色トナーと、有色トナーと、を有する。
白色トナーは、結着樹脂及び白色着色剤を含む芯部(Win)、並びに前記芯部(Win)を被覆し、結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層(Wout)を有する白色トナー粒子を含む。
有色トナーは、結着樹脂及び有色着色剤を含む芯部(Cin)、並びに前記芯部(Cin)を被覆し、結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層(Cout)を有する有色トナー粒子を含む。
そして、前記白色トナー粒子における前記芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との差を[Rw2−Rw1]とし、前記有色トナー粒子における前記芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との差を[Rc2−Rc1]としたとき、下記式(1)の関係を満たす。
式(1) [Rw2−Rw1]<[Rc2−Rc1]
本実施形態では、有色トナーとして複数の色のトナーを併用してもよく、例えばイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及び黒色トナーの4色のトナーを併用して、白色トナーと共にトナーセットとしてもよい。この場合、少なくとも有色トナーのうち何れか1色のトナーが前記要件を満たせばよい。ただし、併用される全ての有色トナーが前記要件を満たすことが好ましい。
この効果が奏される理由は以下の通り推察される。
なお、下地として形成される白色画像には記録媒体の着色による影響を抑制する性質、つまり隠蔽性の高さが求められており、一方でこの白色画像の上に形成される有色画像には有色トナーによる色を視認させる発色性の高さが求められている。
(1)有色画像の表面で反射する、(2)有色画像中に進入して有色着色剤に当たり光の成分の一部が吸収されると共に残りの成分が乱反射する、(3)有色画像中を透過し白色画像の表面で反射する、(4)白色画像中に進入して白色着色剤に当たり乱反射する、(5)有色画像中及び白色画像中を透過して記録媒体に到達する
そして、白色画像における隠蔽性を高めるには、「(5)有色画像中及び白色画像中を透過して記録媒体に到達する」光の量を低減することが求められ、一方有色画像における発色性を高めるには、「(2)有色画像中に進入して有色着色剤に当たり光の成分の一部が吸収されると共に残りの成分が乱反射する」ものを含めて有色着色剤に当たり乱反射する光を増やすことが求められる。
ここで、白色トナーは高い白色度を得る観点で有色トナーに比べて着色剤(白色着色剤)の含有率が多く設定される傾向にあり、特に下地として用いられる白色トナーでは、隠蔽率を高める観点から着色剤の含有率が多いのが一般的である。そして、白色トナー粒子において着色剤を多く含む芯部は、この着色剤によるチキソ性の影響で溶け辛くなっており、一方着色剤を含まない被覆層は芯部よりも溶け易くなる。本実施形態では、前記の通り白色トナー粒子の被覆層が薄く、そのため下地として形成される白色画像において、定着時に被覆層が溶けた後においても溶けにくい芯部の形状が残存し、この芯部の形状が反映されることで大きな凹凸を有する(粗さが大きい)表面形状の白色画像となる。さらに、溶けやすくかつ薄い被覆層を有するため、この被覆層が溶けたときに被覆層自体の表面が荒れてより小さな凹凸も形成される。よって、これらの大きな凹凸と小さな凹凸とで、白色画像の表面は複雑に荒れた形状となる。
複雑に荒れた形状を有する白色画像の表面は入射した光を乱反射させ易く、そのため有色画像中を透過して白色画像の表面に到達した光は、この表面において乱反射され易い。よって、「(4)白色画像中に進入して白色着色剤に当たり乱反射する」光及び「(5)有色画像中及び白色画像中を透過して記録媒体に到達する」光の量が低減され、白色画像における隠蔽性が高められる。
白色トナー粒子における芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との差を[Rw2−Rw1]とし、有色トナー粒子における芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との差を[Rc2−Rc1]としたとき、本実施形態では前記式(1)([Rw2−Rw1]<[Rc2−Rc1])の関係を満たす。
式(1)を満たすことで、白色トナー画像における高い隠蔽性と有色トナー画像における高い発色性との両立が達成される。
一方、有色トナー粒子における[Rc2−Rc1]の値は、0.5μm≦Rc2−Rc1≦1.5μmであることが好ましく、0.8μm≦Rc2−Rc1≦1.2μmであることがより好ましく、0.8μm≦Rc2−Rc1≦1.0μmであることがさらに好ましい。
白色トナー粒子における芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との比を[Rw1/Rw2]とし、有色トナー粒子における芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との比を[Rc1/Rc2]としたとき、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
式(2) [Rw1/Rw2]>[Rc1/Rc2]
一方、有色トナー粒子における比[Rc1/Rc2]は、0.8≦Rc1/Rc2<0.95であることが好ましく、0.8≦Rc1/Rc2≦0.90であることがより好ましく、0.8≦Rc1/Rc2≦0.85であることがさらに好ましい。
白色トナー粒子の被覆層(Wout)の平均厚み[Tw1]は、0.1μm≦Tw1≦0.5μmであることが好ましく、0.1≦Tw1≦0.3であることがより好ましく、0.1≦Tw1≦0.2であることがさらに好ましい。
白色トナー粒子の被覆層の平均厚み[Tw1]が0.5μm以下であることで、溶けにくい芯部の影響による白色画像表面での前記大きな凹凸の形成、及び溶けやすくかつ薄い被覆層の影響による前記小さな凹凸の形成がより促進され、白色画像の表面がより複雑に荒れた形状となり易く、その結果白色トナー画像における高い隠蔽性と有色トナー画像における高い発色性との両立が達成され易くなる。
一方、平均厚み[Tw1]が0.1μm以上であることで、外添剤の付着状態を良好に保ち、現像器内での優れた攪拌安定性と帯電安定性が得られる。
有色トナー粒子の被覆層の平均厚み[Tc1]が1.5μm以下であることで、低積層状態(有色トナー画像の厚みが薄い状態)でも良好な発色性と透過性とを両立し得る。
一方、平均厚み[Tc1]が0.5μm以上であることで、外添剤の付着状態を良好に保ち、現像器内での優れた攪拌安定性と帯電安定性が得られる。
白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]と有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]とは、下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
式(3) [Rw2]>[Rc2]
一方、有色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]は、3.0μm≦Rc2≦7.0μmであることが好ましく、3.0μm≦Rc2≦6.0μmであることがより好ましく、3.0μm≦Rc2≦5.0μmであることがさらに好ましい。
各トナー粒子をビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤とを用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機、例えばUltracutUCT(Leica社製)を用いて−100℃の下、切片化して観察用サンプルを作製する。観察用サンプルを透過型電子顕微鏡(S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)により倍率5000倍で観察する。前記トナー粒子の断面(トナー粒子の厚み方向に沿った断面)中、コントラスト、あるいは着色剤の存在頻度が異なる粒子内の界面から、トナー粒子表面及び芯部の表面を判別し、トナー粒子(一次粒子)の円相当径、及び芯部の円相当径を求める。なお、ここで円相当径とは、観察されたトナー粒子や芯部の投影面積と同じ面積の円の直径を意味する。この円相当径の測定を、50個の粒子について行い、その平均値を平均円相当径(μm)とする。
また、被覆層の平均厚みの測定は、上記の断面観察においてトナー粒子表面と芯部の表面との距離を、1つのトナー粒子について20箇所測定し、これを50個のトナー粒子について行い、その平均値を平均厚み(μm)とする。
本実施形態におけるトナーは、トナー粒子を含み、さらに外添剤を含んでもよい。
トナー粒子は、芯部と、この芯部を被覆する被覆層と、を有する。芯部には結着樹脂と着色剤とが含まれ、さらに離型剤やその他添加剤を含んでもよい。被覆層には、結着樹脂が含まれ着色剤は含まれず、また離型剤やその他添加剤を含んでもよい。
・白色トナーにおける白色着色剤
本実施形態における白色トナーでは、トナー粒子の芯部に白色着色剤を含む。
白色着色剤としては、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO、亜鉛華)、炭酸カルシウム(CaCO3)、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、鉛白)、硫化亜鉛−硫酸バリウム混合物(リトポン)、硫化亜鉛(ZnS)、二酸化ケイ素(SiO2、シリカ)、酸化アルミニウム(Al2O3、アルミナ)等の白色顔料が挙げられ、この中でも酸化チタン(TiO2)が好ましい。
白色着色剤は、1種類のみであっても、2種以上を併用してもよい。
白色着色剤は、その平均一次粒径が150nm以上400nm以下であることが好ましい。
有色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
有色着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
一方、白色トナーの場合には、白色トナー粒子全体に対して、20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましく、40質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
一方、白色トナーの場合には、白色トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、3質量%以上18質量%以下がより好ましく、5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、白色トナー粒子及び有色トナー粒子のいずれも、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−2100)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子(第1凝集粒子)が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、芯部とこの芯部を被覆する被覆層とを備えたコア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、本実施形態に係る白色トナー粒子及び有色トナー粒子を製造する。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤セットは、本実施形態に係るトナーセットを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤セットは、本実施形態に係るトナーセットにおけるトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセットのうち前記白色トナーによる白色画像を形成する第1画像形成手段と、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセットのうち前記有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成手段と、前記白色画像及び前記有色画像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写された白色画像及び有色画像を定着する定着手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、第1又は第2画像形成手段として、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、を各々有する各画像形成手段を備える形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、第1又は第2画像形成手段として、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第1及び第2現像手段と、を有する形態であってもよい。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、白色(W)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第5の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、10W(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10K、10Wは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10K、10Wは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Wの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4K、4Wのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8K、8Wに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、白色の各トナーの供給がなされる。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5K、5Wには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3Yからレーザ光線を照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第5のユニット10M、10C、10K、10Wを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち白色静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち有色静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジセットは、本実施形態に係るトナーセットに含まれる白色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される白色トナーカートリッジと、本実施形態に係るトナーセットに含まれる有色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される有色トナーカートリッジと、を含むトナーカートリッジセットである。トナーカートリッジセットは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
〔樹脂粒子分散液(1)の調製〕
・テレフタル酸:30モル部
・フマル酸:70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を210℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,500、酸価14mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
〔イエロー着色剤分散液(Y1)の調製〕
・イエロー顔料 C.I.PY74(クラリアント社製、HansaYellow5GX01):70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤分散液(Y1)を得た。
・白色顔料(酸化チタン、石原産業社製、製品名:CR−60−2) :210部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK) :10部
・イオン交換水 :480部
以上の成分を混合してホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30分間撹拌し、その後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006:スギノマシン社製)にて1時間分散処理して平均一次粒径280nmの酸化チタン顔料が分散された白色顔料粒子分散液(W1)(固形分率30%)を得た。
〔離型剤粒子分散液(1)の調製〕
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP−9):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。
〔イエロートナー粒子(Y1)の形成〕
・樹脂粒子分散液(1) :770部
・イエロー着色剤粒子分散液(Y1) :70部
・離型剤粒子分散液(1) :120部
・イオン交換水 :600部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、硫酸アルミニウム濃度が10%の水溶液13部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用い30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで一定の昇温速度にて45分かけて加熱し30分間保持した。
その後、樹脂粒子分散液(1)370部を追添加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、イエロートナー粒子(Y1)を得た。
前記イエロートナー粒子(Y1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を45分から120分に変更し、樹脂粒子分散液(1)の追添加量を370部から600部に変更したこと以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y2)得た。
前記イエロートナー粒子(Y1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を45分から30分に変更したこと以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y3)得た。
前記イエロートナー粒子(Y1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を45分から90分に変更したこと以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y4)得た。
前記イエロートナー粒子(Y1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を45分から30分に変更し、樹脂粒子分散液(1)の追添加量を370部から600部に変更したこと以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y5)得た。
〔白色トナー粒子(W1)の形成〕
・樹脂粒子分散液(1) :800部
・白色顔料粒子分散液(W1) :270部
・離型剤粒子分散液(1) :100部
・イオン交換水 :700部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、硫酸アルミニウム濃度が10%の水溶液13部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用い30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで一定の昇温速度にて120分かけて加熱し30分間保持した。
その後、樹脂粒子分散液(1)45部を追添加し5時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、白色トナー粒子(W1)を得た。
前記白色トナー粒子(W1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を120分から110分に変更し、樹脂粒子分散液(1)の追添加量を45部から120部に変更したこと以外は、同様にして白色トナー粒子(W2)得た。
前記白色トナー粒子(W1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を120分から100分に変更し、樹脂粒子分散液(1)の追添加量を45部から180部に変更したこと以外は、同様にして白色トナー粒子(W3)得た。
前記白色トナー粒子(W1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を120分から80分に変更し、樹脂粒子分散液(1)の追添加量を45部から300部に変更したこと以外は、同様にして白色トナー粒子(W4)得た。
前記白色トナー粒子(W1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を120分から75分に変更し、樹脂粒子分散液(1)の追添加量を45部から300部に変更したこと以外は、同様にして白色トナー粒子(W5)得た。
前記白色トナー粒子(W1)の形成の際、分散後の30℃から45℃までの加熱時間を120分から130分に変更し、樹脂粒子分散液(1)の追添加量を45部から0部に変更したこと以外は、同様にして白色トナー粒子(W6)得た。
イエロートナー粒子(Y1)乃至(Y5)又は白色トナー粒子(W1)乃至(W6)100部と、シリカ粒子(日本アエロジル社製RY50)1.0部と、をヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用いて周速30m/秒で3分間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してイエロートナー(YT1乃至YT5)及び白色トナー(WT1乃至WT6)を作製した。
・フェライト粒子(平均粒径50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85):3部
・カーボンブラック:0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
そして、上記キャリア100部に対して、イエロートナー(YT1)乃至(YT5)又は白色トナー(WT1)乃至(WT6)8部を混合し、イエロー現像剤(YD1〜YD5)及び白色現像剤(WD1〜WD6)を得た。
得られた白色トナー粒子及びイエロートナー粒子について、芯部の平均円相当径[Rw1]、[Rc1]、トナー粒子の平均円相当径[Rw2]、[Rc2]、被覆層平均厚み[Tw1]、[Tc1]をそれぞれ前述の方法にて測定した。
下記表1に記載の白色トナー(白色現像剤)及びイエロートナー(イエロー現像剤)を組合せてトナーセットを得た。
−隠蔽性及び発色性評価−
各実施例及び比較例のトナーセットを用いて、以下の方法で画像を形成した。
富士ゼロックス社製DocuCentreColorF450の改造機を用意し、下記表1記載のトナーセットを現像器に入れた。この画像形成装置を用い、富士ゼロックスPPC/レーザー用OHPフィルム上に、(1)トナー質量が12.0g/m2の白色ベタ画像、及び(2)トナー質量が12.0g/m2の白画像を下層にトナー質量が6.0g/m2となるイエローベタ画像をその上層に重畳した画像、を形成した。
隠蔽性の判定は、80%以上を「A(◎)」、70%以上80%未満を「B(○)」、70%未満を「C(×)」とした。
ΔE=[(L*(1)−L*(2))2+(a*(1)−a*(2))2+(b*(1)−b*(2))2]1/2 (式)
発色性については、5以下を「A(◎)」、5超え10以下を「B(○)」、10超えを「C(×)」とした。
2Y、2M、2C、2K、2W 帯電ロール(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K、3W 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K、4W 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K、5W 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K、6W 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K、8W トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K、10W 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
21 中間転写体クリーニング装置
22 駆動ロール
23 支持ロール
24 対向ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (10)
- 結着樹脂及び白色着色剤を含む芯部(Win)、並びに前記芯部(Win)を被覆し、結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層(Wout)を有する白色トナー粒子を含む、白色トナーと、
結着樹脂及び有色着色剤を含む芯部(Cin)、並びに前記芯部(Cin)を被覆し、結着樹脂を含みかつ着色剤を含まない被覆層(Cout)を有する有色トナー粒子を含む、有色トナーと、
を有し、
前記白色トナー粒子における前記芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との差を[Rw2−Rw1]とし、前記有色トナー粒子における前記芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との差を[Rc2−Rc1]としたとき、下記式(1)の関係を満たす静電荷像現像用トナーセット。
式(1) [Rw2−Rw1]<[Rc2−Rc1] - 前記白色トナー粒子における前記芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との比を[Rw1/Rw2]とし、前記有色トナー粒子における前記芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との比を[Rc1/Rc2]としたとき、下記式(2)の関係を満たす請求項1に記載の静電荷像現像用トナーセット。
式(2) [Rw1/Rw2]>[Rc1/Rc2] - 前記白色トナー粒子における前記芯部(Win)の平均円相当径[Rw1]と前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]との比[Rw1/Rw2]が「0.95≦Rw1/Rw2<1.0」であり、
かつ前記有色トナー粒子における前記芯部(Cin)の平均円相当径[Rc1]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]との比[Rc1/Rc2]が「0.8≦Rc1/Rc2<0.95である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセット。 - 前記白色トナー粒子の被覆層(Wout)の平均厚み[Tw1]が0.1μm≦Tw1≦0.5μmであり、かつ前記有色トナー粒子の被覆層(Cout)の平均厚み[Tc1]が0.5μm≦Tc1≦1.5μmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
- 前記白色トナー粒子の平均円相当径[Rw2]と前記有色トナー粒子の平均円相当径[Rc2]とが、下記式(3)の関係を満たす請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
式(3) [Rw2]>[Rc2] - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーを含有する白色静電荷像現像剤と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーを含有する有色静電荷像現像剤と、
を含む静電荷像現像剤セット。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される白色トナーカートリッジと、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される有色トナーカートリッジと、
を含むトナーカートリッジセット。 - 請求項6に記載の静電荷像現像剤セットに含まれる前記白色静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤セットに含まれる前記有色静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーによる白色画像を形成する第1画像形成手段と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成手段と、
前記白色画像及び前記有色画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写された白色画像及び有色画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記白色トナーによる白色画像を形成する第1画像形成工程と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成工程と、
前記白色画像及び前記有色画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写された白色画像及び有色画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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