JP2021124230A - 灰押出装置及び灰押出装置の改造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、このような課題に鑑み案出されたものであって、清掃を頻繁に行う必要がなく、簡易な構造で、且つ、戻り灰の堆積を抑制できる灰押出装置、及び、一般の灰押出装置を本発明の灰押出装置に安価に改造できる方法を提供することを目的する。
図1に示すように、本実施形態の灰押出装置1は焼却炉(例えばストーカ炉)に設けられ、焼却炉で生成された焼却灰を冷却槽2で冷却したのち搬送装置11(例えばコンベヤ)へと排出する。灰押出装置1は、焼却灰を冷却する貯留水が貯留された冷却槽2と、冷却槽2内に配置されたスクレーパ3及び駆動装置4とを有する。冷却槽2には、焼却灰が導入される導入口21及び冷却された焼却灰を排出する排出口22が設けられる。
スクレーパ3が往復動作すると貯留水に水流が生じ、貯留水に浸かっている焼却灰が貯留水とともに隙間Gから第二空間26に入り込んで第二空間26に堆積する戻り灰となりうる。灰押出装置1では、焼却灰が第二空間26に入り込むことを防止したり、第二傾斜面23b上に堆積した戻り灰を清掃したりする方法ではなく、第二空間26内に入り込んだ戻り灰が堆積することを抑制し、隙間Gを通じて消火加湿空間24に戻るように構成した点に特徴がある。
また、スクレーパ3の後進により、第二空間26において、戻り灰を含む貯留水の位置が所定水位より上昇し、且つ、消火加湿空間24における貯留水の位置が所定水位より下降する。このため、スクレーパ3の後進に伴って次第に広がる隙間Gを流れる水流Wrに乗り、戻り灰が第二空間26から消火加湿空間24へ排出される。
なお、スクレーパ3が後進する際、排水管8からも戻り灰を含む貯留水が排出される場合がある。
従って、第二空間26内の戻り灰の堆積が抑制される。
ここで、一般的な灰押出装置を、上述した灰押出装置1に改造するための方法について説明する。本改造方法は、二つの配置工程を有する。第一の配置工程は、上述した冷却槽2とスクレーパ3と駆動装置4と、を有する一般的な灰押出装置に対し、第一配管5を配置する工程である。この工程では、第一配管5を、第二傾斜面23bの上方、且つ、往復動作するスクレーパ3及びアーム41に接触しない位置に配置する。本実施形態では、第一配管5の一端5a側の角部が第二傾斜面23bに接触する位置に第一配管5を配置する。
(1)本実施形態の灰押出装置1によれば、第一配管5を通じて貯留水内で噴出されたガスが泡と水流を生じさせるため、貯留水内を漂う戻り灰を攪拌できるとともに、堆積し始めた戻り灰を第二傾斜面23b上から剥離させて攪拌することができる。戻り灰を含む貯留水は、スクレーパ3の往復動作により生じる水流に乗って、隙間Gを介して第二空間26から消火加湿空間24へと排出されやすく、消火加湿空間24から第二空間26へ排出されにくい。従って、簡易な構造で、戻り灰の堆積を抑制することができる。また、戻り灰の堆積を抑制することができるので、清掃を頻繁に行う必要もない。
また、冷却槽2の貯留水の液量は、スクレーパ3を動作させない場合における所定水位まで貯留される液量に制限され、それ以上の液量については、排水管8から排出される。このため、ガスではなく液体を使用する場合は、プラントの運転コストを上昇させることになりうる。これに対し、第一噴出口50からガスを噴出する構成であれば、貯留水の液量に影響しないため、プラントの運転コストを安価にすることができる。
上述した灰押出装置1は一例であり、上述した構成に限られない。例えば、図4に示す灰押出装置1′のように、灰押出装置1の構成に加えて、直線状の第二配管6を有してもよい。第二配管6は、第二傾斜面23bの上方であって、往復動作するスクレーパ3及びアーム41に接触しない位置に一端6aから他端6bまで配置される。第二配管6の一端6aは、所定水位よりも下方に配置され、他端6bは所定水位よりも上方に配置される。
第二噴出口60から噴出されたガスによる泡で、隙間Gに堆積した焼却灰を剥離し、当該ガスによる水流で、当該剥離した焼却灰のみならず、隙間Gに堆積または堆積しようとする焼却灰を押し流し、焼却灰による隙間Gの閉塞を抑制する。
第二配管6がこのように配置されることで、第二噴出口60からガスが隙間Gの近傍で噴出され、当該ガスにより生じる貯留水の水流とガスによる泡が、スクレーパ3の上面3aに堆積した焼却灰ではね返り、隙間Gの周辺に滞留する焼却灰や浮遊する焼却灰(浮遊灰)を攪拌する。
従って、隙間Gの焼却灰による閉塞が抑制されるため、灰押出装置1に比べ、灰押出装置1′は、スクレーパ3の往復運動に伴って、戻り灰を含む貯留水を第二空間26から消火加湿空間24へより確実に排出することができる。
なお、第二噴出口60の向きは、スクレーパ3に向かって直接的にガスが噴出しないように設定される。このため、上記はね返りにより間接的に泡や水流が隙間Gの近傍の壁面20Rやスクレーパ3に穏やかに接触するため、壁面20Rやスクレーパ3が削りとられる等の損傷を防止することができる。
2 冷却槽
3 スクレーパ
3a 上面
3b 押出面
3c 先端
4 駆動装置
5 第一配管
5a 一端
5b 他端
6 第二配管
6a 一端
6b 他端
7 注水管
8 排水管
9 水位計
10 制御装置
11 搬送装置
20 壁面
20b 下端部
20F 前壁
20R 後壁
21 導入口
22 排出口
23 底面
23a 第一傾斜面
23b 第二傾斜面
23c 最下面
23d 開口端
24 消火加湿空間
25 第一空間
26 第二空間
40 駆動軸
41 アーム
50 第一噴出口
51 第一コンプレッサ
52 第一電磁バルブ
60 第二噴出口
61 第二コンプレッサ
62 第二電磁バルブ
72 注水電磁バルブ
Df 前進方向
Dr 後進方向
Wf、Wr 水流
G、G1、G2 隙間
Claims (6)
- 焼却灰が導入される筒状の壁面からなる導入口及び貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、
前記冷却槽内に配置され、先端が前記冷却槽の底面の全幅に亘って接するとともに前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、
前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置され、前記スクレーパを駆動する駆動装置とを有し、
前記冷却槽の前記底面は、前記導入口の直下から前記排出口が形成された開口端に向かって上り傾斜となる第一傾斜面と、前記第一傾斜面と同一幅であって前記導入口の直下から前記第一傾斜面の逆側に向かって上り傾斜となる第二傾斜面とを備え、
前記貯留水は、前記冷却槽内に、前記壁面の下端よりも上方且つ前記排出口よりも下方である所定水位で貯えられ、
前記駆動装置は、前記第二傾斜面の上方に配置された駆動軸を備え、前記駆動軸が回動することで前記駆動軸と前記スクレーパとに接続されたアームによって前記スクレーパを前記底面に沿って前進及び後進の往復動作させる灰押出装置であって、
前記第二傾斜面の上方であって、前記往復動作する前記スクレーパ及び前記アームに接触しない位置に一端から他端まで配置された第一配管を有し、
前記第一配管は、前記一端が前記所定水位よりも下方に配置されるとともに、前記一端に、前記他端から導入されたガスを前記第二傾斜面と前記スクレーパとの間に向けて噴出する第一噴出口を備え、
前記第一噴出口から噴出された前記ガスにより生じる前記貯留水の水流と前記ガスによる泡とによって、前記第二傾斜面側に堆積しようとする戻り灰を攪拌すること
を特徴とする灰押出装置。 - 前記ガスは、圧縮空気または前記焼却灰を生成する焼却炉の排ガスであること
を特徴とする請求項1に記載の灰押出装置。 - 前記第一噴出口からの前記ガスの噴出を制御する制御装置をさらに有し、
前記制御装置は、少なくとも前記スクレーパの後進の際に、前記第一噴出口から前記ガスを噴出させること
を特徴とする請求項2に記載の灰押出装置。 - 前記第二傾斜面の上方であって、前記往復動作する前記スクレーパ及び前記アームに接触しない位置に一端から他端まで配置された第二配管をさらに有し、
前記第二配管は、前記一端が前記所定水位よりも下方に配置されるとともに、前記一端に、前記他端から導入されたガスを噴出する第二噴出口を備え、
前記第二噴出口は、前記壁面のうち前記第二傾斜面の上方に位置する壁面の下端部に形成された開孔に接続され、
前記第二噴出口から噴出された前記ガスにより生じる前記貯留水の水流と前記ガスによる泡とによって、前記壁面の前記下端部と前記スクレーパの上面との隙間に前記貯留水を流通させること
を特徴とする請求項3に記載の灰押出装置。 - 前記壁面の下端部と前記スクレーパの上面との隙間は、前記スクレーパの前進に伴って次第に狭まり、前記スクレーパの後進に伴って次第に広がること
を特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の灰押出装置。 - 焼却灰が導入される筒状の壁面からなる導入口及び貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、
前記冷却槽内に配置され、先端が前記冷却槽の底面の全幅に亘って接するとともに前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、
前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置され、前記スクレーパを駆動する駆動装置とを有し、
前記冷却槽の前記底面は、前記導入口の直下から前記排出口が形成された開口端に向かって上り傾斜となる第一傾斜面と、前記第一傾斜面と同一幅であって前記導入口の直下から前記第一傾斜面の逆側に向かって上り傾斜となる第二傾斜面とを備え、
前記貯留水は、前記冷却槽内に、前記壁面の下端よりも上方且つ前記排出口よりも下方である所定水位で貯えられ、
前記駆動装置は、前記第二傾斜面の上方に配置された駆動軸を備え、前記駆動軸が回動することで前記駆動軸と前記スクレーパとに接続されたアームによって前記スクレーパを前記底面に沿って前進及び後進の往復動作させる灰押出装置の改造方法であって、
前記第二傾斜面の上方、且つ、前記往復運動する前記スクレーパ及び前記アームに接触しない位置に配管を配置する工程と、
ガスの噴出口である前記配管の一端を、前記所定水位の下方、且つ、前記第二傾斜面と前記スクレーパとの間に向けて配置する工程と
を有する灰押出装置の改造方法。
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