JP2021122926A - 軸方向加工ヘッド - Google Patents

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Koichi Kato
孝一 加藤
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輝顕 築地
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Abstract

【課題】立旋盤に装着して軸方向加工が行えるとともに、軸方向加工で双方向の切削が行える軸方向加工ヘッドを提供する。【解決手段】軸方向加工ヘッド10は、立旋盤に工具として装着可能な本体11と、本体11から径方向に突出した先端が本体11の基準方向Rに沿って揺動可能な揺動レバー20と、揺動レバー20の先端に固定されて一対の刃先211,221が工具主軸の軸方向の一方および他方に向けて配置された刃物21,22と、を有することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は軸方向加工ヘッドに関する。
ワークに対して旋削加工する工作機械として、立旋盤が知られている。一般的な立旋盤の構成としては、ワークを回転させる回転テーブルと、回転テーブルの径方向に延在するクロスレールと、クロスレールに案内されてこのクロスレールの延在方向であるX軸方向に沿って移動可能なサドルと、このサドルに、鉛直方向となるZ軸方向に沿って移動可能に取り付けられたラムと、ラムの下端部に取り付けられた工具と、を有している(特許文献1参照)。
このような立旋盤では、回転テーブル上に被工作物が固定され、回転テーブルの回転(C軸方向)の下に、サドルのZ軸方向への移動によって切込みを行い、サドルのX軸方向への移動によって工具のX軸方向の位置を変更して回転テーブルの回転中心周りの旋削加工を行っている。
特許文献1の立旋盤では、回転テーブルの回転中心であるC軸の旋削加工しかできないため、これとは異なる形状に切削加工する場合はワークの配置を変えたり、別の工作機械にワークを移動させたりするなどの作業を行わなければならず、大きくかつ重いワークの移動には時間も労力も要するため、作業性が低下していた。
これに対し、簡単な構成を付加するだけで、ワークを様々な形状に切削加工することができる立旋盤が開発されている(特許文献2参照)。
特許文献2の立旋盤では、通常のC軸回転、X軸移動、およびZ軸移動に加え、Y軸付加機構によるY軸移動が可能となり、ワークと工具とを相対的にX軸、Y軸、Z軸の3次元方向に移動させることができ、様々な形状に切削加工することができる。
また、1台の立旋盤で様々な形状に切削加工できるため、大きくかつ重いワークを他の工作機械に移動させるなどの作業が解消でき、作業性を向上することができる。
特開2005−46940号公報 特開2012−121102号公報
前述した立旋盤においては、C軸回転するワークの上面からZ軸方向に刃物を接触させることで、ワークに円筒状の孔を形成することができる。さらに、ワークに形成された孔の内周面に刃物を当ててX軸方向に移動させることで、内周面を外向きに旋削して内径を拡げることが可能である。
ところで、前述したワークの孔の内面には、キー溝やスプラインが形成されることがある。キー溝やスプラインは、ワークの孔内面を円筒孔の軸方向(Z軸方向)に延びる1本ないし複数本の溝であり、C軸回転による旋削では対応できない。
このような問題に対し、本願発明者は、旋削から軸方向加工までを続けて行える加工方法および専用工具を開発している。
具体的に、専用工具として、立旋盤の刃物台または工具主軸に装着可能な本体と、本体に設置されて立旋盤の回転テーブルの径方向に突出する支持レバーと、支持レバーの先端に固定された刃物とを有し、刃物の刃先が回転テーブルの軸方向へ向けられている軸方向加工ヘッドを用いる。
ここで「刃物台」とは、工作機械で使用されるバイトやドリル等の刃物が取り付けられる部位を指している。また、ここで「工具主軸」とは、バイトが取り付けられたボーリングバーやドリルやエンドミルと言った刃物が取り付けられた工具を取り付け可能かつ回転可能な軸を指す。
そして、加工方法として、立旋盤に旋削工具を装着してワークの孔開け加工を行ったのち、旋削工具に替えて前述した軸方向加工ヘッドを装着し、この軸方向加工ヘッドをワークの孔内に導入し、回転テーブルの軸方向に移動させて刃物でワークの孔内面を軸方向に切削する、という動作を行う。
このような加工方法によれば、工具の交換だけで立旋盤を軸方向加工にも利用でき、旋削による孔開け加工が済んだワークを、軸方向加工するために他の工作機械に載せ替える必要がなくなり、作業効率を向上することができる。
しかし、前述した軸方向加工ヘッドを利用した軸方向加工では、基本的に一方向つまり軸方向の片側向きの切削しか行えなかった。
すなわち、軸方向加工ヘッドの刃物には、加工方向に対してすくい角および逃げ角が必要であり、逆方向には切削ができない。ここで、双方向の往復切削を行うために、2つの刃物を背中合わせに配置すること、あるいは刃物に逆向きに2つの刃先を形成することが考えられる。しかし、逆向一対の刃先とする場合、一方の刃先で切削している間に、他方の刃先がワークに接触してしまい、一方の刃先による切削が円滑に行えないばかりか、他方の刃先を損傷する可能性がある。
このように、軸方向加工ヘッドを用いた軸方向加工においては、一方向の切削しか行えず、動作効率を高めるために双方向の切削が行えるようにすることが求められていた。このような要望は、専用の立旋盤を用いる場合に限らず、マシニングセンタと呼ばれる旋盤以外の工作機械で利用する場合でも同様である。
本発明の目的は、立旋盤に装着して軸方向加工が行えるとともに、軸方向加工で双方向の切削が行える軸方向加工ヘッドを提供することにある。
本発明の軸方向加工ヘッドは、立旋盤に工具として装着可能な本体と、前記本体から径方向に突出した先端が前記本体の基準方向に揺動可能な揺動レバーと、前記揺動レバーの先端に固定されて一対の刃先が前記基準方向の一方および他方に向けて配置された刃物と、を有することを特徴とする。
このような本発明では、立旋盤にワークおよび旋削工具を装着し、ワークと旋削工具とを相対回転させてワークに孔を旋削加工する。続いて、立旋盤の旋削工具を本発明の軸方向加工ヘッドに交換し、軸方向加工ヘッドをワークの孔内へ導入する。そして、軸方向加工ヘッドを軸方向へ往復移動させ、一対の逆向きの刃先による双方向の加工を行う。
加工方向が軸方向の一方向きであるとき、揺動レバーを揺動させて軸方向の他方向きの揺動限位置に保持する。この状態では、揺動レバーの先端にある一対の刃先のうち、一方側にある刃先が外周側に突出する。このため、一方の刃先だけをワークの孔内面に接触させ、軸方向の一方向きの切削を行うことができる。
軸方向の一方向きの加工が加工範囲の端部に達したら、軸方向加工ヘッドの移動方向を軸方向の他方向きに逆転させ、揺動レバーを反対側へ揺動させて軸方向の他方向きの揺動限位置に保持する。この状態では、揺動レバーの先端にある一対の刃先のうち、他方側にある刃先が外周側に突出する。このため、他方の刃先だけをワークの孔内面に接触させ、軸方向の他方向きの切削を行うことができる。
このように、本発明の軸方向加工ヘッドを用いることで、立旋盤により旋削加工および軸方向加工が行えるとともに、軸方向の双方向の切削を行うことができる。
なお、刃物および刃先に関しては、それぞれ刃先を有する一対の刃物を反対向きに設置してもよく、1個の刃物に一対の刃先を反対向きに形成してもよい。一対の刃先は、それぞれ揺動レバーが揺動限にあるとき、ワークの切削面に対してすくい角および逃げ角となるように配置する。揺動レバーについては、本体に固定された回転軸で回転可能に支持してもよく、弾性部材を介して支持する構成などであってもよい。
また、立旋盤としては、工具主軸を備えてワークの旋削加工が可能な工作機械を用いてもよい。この場合、本発明の軸方向加工ヘッドは、その基準方向が工作機械の工具主軸の軸方向と同軸で装着されることが好ましい。
このような同軸配置により、軸方向加工ヘッドにおける揺動レバーが突出する向きを、工具主軸の回転によって任意方向に向けることができる。
本発明の軸方向加工ヘッドにおいて、前記揺動レバーの一方の揺動限および前記揺動レバーの他方の揺動限に保持可能な保持機構を有することが好ましい。
このような本発明では、各方向の切削動作に先立って揺動レバーを反対側の揺動限に保持しておくことができ、刃先の位置を安定させて適切な切削動作を行うことができる。
本発明の軸方向加工ヘッドにおいて、前記保持機構は、前記揺動レバーを一方の前記揺動限に向けて付勢する付勢手段と、前記揺動レバーを他方の前記揺動限に向けて駆動可能な駆動手段と、を有することが好ましい。
このような本発明では、付勢手段および駆動手段により揺動レバーをいずれかの揺動限に保持できるとともに、付勢手段および駆動手段により揺動レバーを動かして反対側の揺動限へ揺動させる動作も行うことができる。
なお、本発明の付勢手段および駆動手段は、全て本体内部に収容されることが好ましいが、外部に設置されるものでもよい。駆動手段としては、エアシリンダなどが用いられるほか、電気的なモータやソレノイドなどであってもよい。
本発明の軸方向加工ヘッドにおいて、前記立旋盤は、回転テーブルと、前記本体を装着可能な工具主軸と、を有し、前記付勢手段は、弾性部材またはガスばねであり、前記駆動手段は、前記工具主軸から供給されるセンタースルーエアで駆動されるエアシリンダであることが好ましい。
このような本発明では、簡単な構造で付勢手段および駆動手段を実現できるとともに、駆動手段の動力を工作機械から供給できる。とくに、センタースルーエアは工具主軸を通して供給できるため、外部に露出する配管や配線を省略することができる。
本発明の軸方向加工ヘッドにおいて、前記保持機構は、前記揺動レバーを前記揺動限の各々に保持可能かつ所定の外力で離脱可能なラッチ装置と、前記揺動レバーに接続されかつ前記本体の外部に突出した操作レバーと、を有することが好ましい。
このような本発明では、ラッチ装置により揺動レバーをいずれかの揺動限に保持した状態で、立旋盤の各軸移動により軸方向加工ヘッドを移動させ、立旋盤の表面やワークの表面、あるいは別途準備した当接部材などに操作レバーを当接させることで、揺動レバーを揺動させてラッチ装置から離脱させ、反対側のラッチ装置まで移動させて保持させることができる。従って、軸方向加工ヘッドに駆動手段などを設置する必要がなく、軸方向加工ヘッドの構造を簡素にできる。
なお、ラッチ装置としては、例えばクリップのように揺動レバーを機械的に拘束する弾性部材を用いるものであってもよく、マグネットキャッチのように磁力で吸着するものなどでもよい。
本発明によれば、立旋盤に装着して軸方向加工が行えるとともに、軸方向加工で双方向の切削が行える軸方向加工ヘッドを提供することができる。
本発明の第1実施形態で利用する工作機械を示す斜視図。 前記第1実施形態で加工するワークを示す斜視図。 前記第1実施形態の軸方向加工ヘッドを示す断面図。 前記第1実施形態の軸方向加工ヘッドを示す底面図。 前記第1実施形態の刃先を示す平面図。 前記第1実施形態の軸方向加工ヘッドによる下向き切削を示す模式図。 前記第1実施形態の軸方向加工ヘッドによる上向き切削を示す模式図。 本発明の第2実施形態の軸方向加工ヘッドを示す模式図。 本発明の第3実施形態の軸方向加工ヘッドを示す模式図。 前記第3実施形態の軸方向加工ヘッドの切替操作を示す模式図。
図1には、本発明の第1実施形態で利用する工作機械1が示されている。
工作機械1は、ワーク9が固定されるテーブル3と、工具4が装着される工具主軸5と、工具主軸5を移動自在に支持する移動機構6とを備えている。
移動機構6は、水平なガイドバー61に支持された工具主軸ヘッド62を有し、工具主軸ヘッド62から下方へ延びるクイル63により、工具主軸5が垂直に支持されている。
これらのテーブル3、工具主軸5および移動機構6は、それぞれベッド7の上面に設置され、全体を開閉自在なカバー8で囲うことができる。
テーブル3は、ベッド7に設置された駆動機構により、C軸方向へ回転可能かつ指定された角度位置に停止可能である。
工具主軸5は、工具主軸ヘッド62内の駆動モータによりZ軸廻りに回転可能かつ指定された角度位置に停止可能である。ここで、工具主軸5の回転軸の向き(軸方向R)は、Z軸方向およびC軸方向と同じ方向である。
工具主軸5は、工具主軸ヘッド62に対してクイル63を昇降させることで、Z軸方向の指定された位置に移動可能であり、工具主軸ヘッド62をガイドバー61に沿って移動させることで、X軸方向の指定された位置に移動可能である。
図2には、本実施形態で作成するワーク9が示されている。
ワーク9は、円柱状の鋼材であり、上面91の中央部から下向きに円筒孔92が形成され、円筒孔92の内面には軸方向Rに沿ったキー溝93が形成される。
このようなワーク9を加工するために、本実施形態では、第1工程でワーク9の中心に下孔を開け、第2工程で円筒孔92の回転切削を行い、第3工程でキー溝93の軸方向加工を行う。
なお、円筒孔92の内面に加工する形状としては、キー溝93に限らず、他の用途の溝であってもよい。また、キー溝93のような単一の溝に限らず、多数の溝が並んだスプライン形状などであってもよく、キー溝93より幅の広い平坦面を加工するものであってもよく、円筒孔92の内面に形成される軸方向Rに沿った平面の切削に広く適用できる。
第1工程では、テーブル3にワーク9を固定し、工具4としてドリルを装着し、工具主軸5でドリルを回転させつつ、ドリルをワーク9の上面91から中心軸線に沿って送り、ワーク9に下孔を形成する。
第2工程では、工具4として中ぐり工具を装着し、テーブル3でワーク9を回転させつつ、中ぐり工具を下孔内に導入して下孔の内面を切削し、指定された内径および深さの円筒孔92を形成する。
第3工程では、工具4として本発明に基づく軸方向加工ヘッド10を装着し、この軸方向加工ヘッド10を円筒孔92内に導入し、クイル63を進退させて軸方向加工ヘッド10でキー溝93を切削する。
図3には、本実施形態で使用する軸方向加工ヘッド10が示されている。
軸方向加工ヘッド10は、円柱状の本体11を有する。本体11の一端には工作機械1の工具主軸5でチャック可能なシャンク12が形成されている。本体11およびシャンク12は、工具主軸5の軸方向Rに沿って形成され、この軸方向Rが本体11の基準方向とされている。シャンク12から本体11の内部へと、本体11の中心軸線に沿ってセンタースルーホール13が形成されている。センタースルーホール13には、シャンク12が工具主軸5に装着された状態で、工具主軸5からセンタースルーエアが供給可能である。
図4にも示すように、本体11のシャンク12と反対側の端部近傍には、本体11を直径方向に貫通する収容孔14が形成されている。収容孔14には、内部に揺動レバー20が設置されている。
揺動レバー20は、交差方向の回動ピン15で回動自在に支持され、本体11の外部に露出された先端が本体11の軸方向Rへ変位するように揺動可能である。
揺動レバー20は、揺動して一部が収容孔14の内壁に当接することで揺動の限界が設定されている。すなわち、揺動レバー20の先端がシャンク12と反対側へ変位して一部が収容孔14と当接した状態(図3の実線の状態)が第1揺動限とされ、揺動レバー20の先端がシャンク12側へ変位して収容孔14と当接した状態(図3の2点鎖線の状態)が第2揺動限とされている。
揺動レバー20は、先端が本体11の外部に露出され、揺動レバー20の先端には一対の第1刃物21および第2刃物22が固定されている。
第1刃物21は、揺動レバー20のシャンク12側の先端縁に固定され、その刃先211はシャンク12側に向けられている。揺動レバー20が第1揺動限(図3の実線の状態)にあるとき、第1刃物21の刃先211は本体11から最も遠くに保持される。
第2刃物22は、揺動レバー20のシャンク12と反対側の先端縁に固定され、その刃先221はシャンク12と反対側に向けられている。揺動レバー20が第2揺動限(図3の2点鎖線の状態)にあるとき、第2刃物22の刃先221は本体11から最も遠くに保持される。
従って、揺動レバー20を第1揺動限または第2揺動限に移動させることで、切削に有効な刃先211,221のいずれかを選択可能である。
第1揺動限で切削に利用される第1刃物21は、第1揺動限にあるとき、すくい角および逃げ角が切削に適切な角度となるように固定されている。
第2揺動限で切削に利用される第2刃物22は、第2揺動限にあるとき、すくい角および逃げ角が切削に適切な角度となるように固定されている。
図5には、第1刃物21および第2刃物22の具体的形状が示されている。
図5の(A)部に示すように、第1刃物21および第2刃物22は、それぞれ揺動レバー20の先端縁の角隅を除く中間部分に沿って延びる形状とすることができる。
図5の(B)部に示すように、第1刃物21および第2刃物22は、それぞれ揺動レバー20の先端縁の角隅およびその近傍に一対に配置することもできる。
図5の(C)部に示すように、第1刃物21および第2刃物22は、それぞれ揺動レバー20の先端縁の一方の角隅から他方の角隅まで連続した形状とすることもできる。
図3に戻って、本体11には、揺動レバー20を第1揺動限または第2揺動限に保持する保持機構30が形成されている。
本体11には、収容孔14の内側に向けて進出可能な第1プランジャ31および第2プランジャ32が設置されている。
第1プランジャ31は、弾性部材であるコイルばね33により付勢され、揺動レバー20の回動ピン15よりも先端側に当接されており、当接する揺動レバー20を第1揺動限へと移動させてその位置で保持可能である。
第2プランジャ32は、揺動レバー20の先端側とは回動ピン15を挟んで反対側に当接され、背面側のエアシリンダ34がセンタースルーホール13に連通されている。従って、工具主軸5からセンタースルーエアが供給されると、これがエアシリンダ34に供給され、その圧力で第2プランジャ32が進出されて揺動レバー20を押圧し、揺動レバー20を第2揺動限へと移動させてその位置で保持可能である。
図3および図4において、第1プランジャ31および第2プランジャ32を収容する孔35、36は、それぞれ本体11の端面から収容孔14と交差して穿孔されている。第2プランジャ32の孔36は、背面側をエアシリンダ34として利用される。
組み立ての際には、孔35にコイルばね33および第1プランジャ31を収容し、孔36に第2プランジャ32を収容したのち、収容孔14に揺動レバー20を挿入し、更に回動ピン15挿入することで、コイルばね33、第1プランジャ31および第2プランジャ32の脱落が規制される。さらに、蓋16を装着することで各孔35、36が塞がれる。
このような本実施形態では、次のような動作を行う。
ワーク9の加工にあたっては、工作機械1のテーブル3にワーク9を固定するとともに、工具主軸5に中ぐり用の工具4を装着し、テーブル3でワーク9と工具4とを相対回転させてワーク9の上面91に円筒孔92を加工する。
続いて、工具主軸5の工具4を本発明の軸方向加工ヘッド10に交換し、軸方向加工ヘッド10をワーク9の円筒孔92内へ導入する。そして、軸方向加工ヘッド10を軸方向RすなわちZ軸方向へ往復移動させ、一対の逆向きの刃先211,221による双方向の加工を行う。
軸方向加工ヘッド10で下向きの加工を行う際には、図6のように、センタースルーエアをエアシリンダ34に供給し、コイルばね33の付勢力に抗して揺動レバー20を揺動させて第2揺動限に保持する。これにより、揺動レバー20の第2刃物22の刃先221が外周側に突出する。刃先221を外周側に吐出させた状態で刃先221を上面91の上方に軸方向加工ヘッド10を移動させる。続いて軸方向加工ヘッド10を下向きに移動させることで、刃先221によりキー溝93の下向き切削が行われる。揺動レバー20が第2揺動限まで揺動しているため、第2刃物22には適正なすくい角および逃げ角が確保される。
下向きの加工では、刃先221をキー溝93の下端を一定距離通過させて刃先221をワーク9から離脱させる。下向きの加工に続いて上向き加工を行う。
軸方向加工ヘッド10で上向きの加工を行う際には、図7のように、センタースルーエアを停止し、エアシリンダ34による揺動レバー20の押圧を解除する。揺動レバー20はコイルばね33で揺動されて第1揺動限に保持される。これにより、揺動レバー20の第1刃物21の刃先211が外周側に突出する。この状態で、軸方向加工ヘッド10を水平に移動させ、続いて軸方向加工ヘッド10を上向きに移動させることで、刃先211によりキー溝93の上向き切削が行われる。揺動レバー20が第1揺動限まで揺動しているため、第1刃物21には適正なすくい角および逃げ角が確保される。
このように、本実施形態によれば、揺動レバー20に設置した第1刃物21および第2刃物22を用いて、上向きおよび下向きの双方向の切削を行うことができる。この際、揺動レバー20の先端を工具主軸5の軸方向Rに沿って揺動させて第1揺動限または第2揺動限に保持することで、いずれか一方の刃先211,221だけをワーク9の内面に接触させ、適切な切削を効率よく行うことができる。
本実施形態では、揺動レバー20を第1揺動限および第2揺動限に保持可能な保持機構30を設けたため、上下各方向の切削動作に先立って揺動レバー20を第1揺動限または第2揺動限に保持しておくことができ、刃先211,221の位置を安定させて適切な切削動作を行うことができる。
本実施形態では、保持機構30として、揺動レバー20を第1揺動限に向けて付勢するコイルばね33と、揺動レバー20を第2揺動限に向けて駆動可能なエアシリンダ34と、を設けたため、揺動レバー20をいずれかの揺動限に保持できるとともに、揺動レバー20を動かして反対側の揺動限へ揺動させる動作も行うことができる。
とくに、本実施形態では、弾性部材であるコイルばね33を用いるとともに、エアシリンダ34には工具主軸5からのセンタースルーエアを供給するようにしたので、簡単な構造で付勢手段および駆動手段を実現できるとともに、駆動手段の動力を工作機械1から供給できる。とくに、センタースルーエアは工具主軸5を通して供給できるため、外部に露出する配管や配線を省略することができる。
図8には、本発明の第2実施形態の軸方向加工ヘッド10Aが示されている。
前述した第1実施形態では、揺動レバー20を第1揺動限および第2揺動限に保持する保持機構30として、コイルばね33およびエアシリンダ34を設置し、エアシリンダ34についてはセンタースルーホール13からのエアで駆動していた。
これに対し、本実施形態の保持機構30Aでは、本体11Aの外部にエアシリンダ34Aを設置し、別途配管でエアを供給している。なお、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。
このような本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様な効果が得られる。ただし、エアシリンダ34およびエア供給用のセンタースルーホール13が本体11の内部に形成され、外部に露出しない点で、前述した第1実施形態のほうが好ましい。
図9および図10には、本発明の第3実施形態の軸方向加工ヘッド10Bが示されている。
前述した第1実施形態では、揺動レバー20を第1揺動限および第2揺動限に保持する保持機構30として、コイルばね33およびエアシリンダ34を設置し、エアシリンダ34についてはセンタースルーホール13からのエアで駆動していた。
これに対し、本実施形態の保持機構30Bでは、本体11Bにはコイルばね33のような付勢手段およびエアシリンダ34などの駆動手段がなく、代わりに収容孔14の内面にラッチ装置としてのマグネット37,38が設置されている。
ラッチ装置としてのマグネット37,38は、それぞれ収容孔14の反対側に設置されており、揺動レバー20Bが第2揺動限にあるとき、揺動レバー20Bがマグネット37で吸着保持され(図9の状態)、揺動レバー20Bが第1揺動限にあるとき、揺動レバー20Bがマグネット38で吸着保持される(図10の状態)。
一方、揺動レバー20Bは、第1刃物21および第2刃物22が設置された先端とは反対側に操作レバー24が接続され、この操作レバー24は本体11Bの外部に突出されている。
また、ワーク9の円筒孔92の底面には、操作用アンカー25が設置されている。操作用アンカー25は、工作機械1により軸方向加工ヘッド10Bを移動させることで、操作レバー24を近接させ、操作用アンカー25の水平な突起の上下面に係合させることで、揺動レバー20Bを第1揺動限側へ揺動させることができる。そして、操作レバー24を操作用アンカー25から離脱させることで、第2揺動限側へ揺動させることができる。
このような本実施形態によっても、揺動レバー20Bに設置された第1刃物21および第2刃物22を片方ずつ用いて、前述した第1実施形態と同様な上下双方向の切削加工を行うことができる。
また、揺動レバー20Bの揺動に駆動手段を用いないため、軸方向加工ヘッド10Bないし工具主軸5まわりの構造簡略化が図れる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、それぞれ刃先211,221を有する一対の刃物(第1刃物21および第2刃物22)を反対向きに設置したが、一対の刃先が反対向きに形成された単一の刃物を用いてもよく、互いに反対向きの刃先211,221が揺動レバー20の先端に設置できればよい。
一対の刃先211,221は、それぞれ揺動レバー20が第1揺動限または第2揺動限にあるとき、ワークの切削面に対してすくい角および逃げ角となるように配置するが、これらのすくい角および逃げ角は、実施にあたって適宜選択してよい。
前記実施形態では、揺動レバー20を回動ピン15で本体11に回転可能に支持したが、このような軸支に限らず、弾性部材を介して支持する構成などであってもよい。
前記実施形態では、揺動レバー20の一部が収容孔14の内面に当接することで、揺動レバー20の第1揺動限または第2揺動限を規定したが、揺動レバー20に当接する部分は収容孔14の内面に限らず、別途ストッパを設けて揺動限としてもよい。
前記第1実施形態および前記第2実施形態では、保持機構30,30Aにおいて、コイルばね33で付勢される第1プランジャ31およびエアシリンダ34で駆動される第2プランジャ32を用いたが、第1プランジャ31を省略してコイルばね33で揺動レバー20を直接付勢してもよく、第2プランジャ32も他の形状のピストンとプッシュロッドなどで代替してもよい。
前記第1実施形態および前記第2実施形態では、保持機構30,30Aの付勢手段として、弾性部材であるコイルばね33を用いたが、板ばねその他の弾性部材、あるいはガスばねなど別の付勢手段を用いてもよい。
前記第1実施形態および前記第2実施形態では、駆動手段として、エアシリンダ34,34Aを用いたが、電気的なモータやソレノイドなど、他の駆動方式を用いてもよい。
前記第3実施形態では、保持機構30Bにおいて、ラッチ装置として一対のマグネット37,38を用い、揺動レバー20Bを磁力で吸着して第1揺動限および第2揺動限に保持したが、例えばクリップのように揺動レバー20Bを機械的に拘束する弾性部材を用いるものであってもよい。
前記第3実施形態では、ワーク9の底面に操作用アンカー25を設け、工作機械1により軸方向加工ヘッド10Bを移動させることで、揺動レバー20Bに接続した操作レバー24を操作し、第1揺動限から第2揺動限へ、または、第2揺動限から第1揺動限へ、双方向に揺動レバー20Bを揺動させるようにした。これに対し、第1揺動限から第2揺動限へ揺動させる操作用アンカーと、第2揺動限から第1揺動限へ揺動させる操作用アンカーとを別個に設けてもよい。また、揺動レバー20Bを揺動させるために操作レバー24に当接する手段は、操作用アンカー25に限らず、ワーク9の一部あるいは工作機械1の一部であってもよい。
前記各実施形態では、回転可能なテーブル3を有する工作機械1を立旋盤として利用したが、3軸移動可能な工作機械に限らず、C軸回転とX軸およびZ軸移動が可能な工作機械、あるいは専用の立旋盤を用いてもよい。
本発明は軸方向加工ヘッドに利用できる。
1…立旋盤である工作機械、10,10A,10B…軸方向加工ヘッド、11,11A,11B…本体、12…シャンク、13…センタースルーホール、14…収容孔、15…回動ピン、16…蓋、20,20B…揺動レバー、21…第1刃物、211…刃先、22…第2刃物、221…刃先、24…操作レバー、25…操作用アンカー、3…回転テーブルであるテーブル、30,30A,30B…保持機構、31…第1プランジャ、32…第2プランジャ、34,34A…エアシリンダ、35,36…孔、37,38…マグネット、4…工具、5…工具主軸、6…移動機構、61…ガイドバー、62…工具主軸ヘッド、63…クイル、7…ベッド、8…カバー、9…ワーク、91…上面、92…円筒孔、93…キー溝、R…軸方向。

Claims (5)

  1. 立旋盤に工具として装着可能な本体と、
    前記本体から径方向に突出した先端が前記本体の基準方向に揺動可能な揺動レバーと、
    前記揺動レバーの先端に固定されて一対の刃先が前記基準方向の一方および他方に向けて配置された刃物と、を有することを特徴とする軸方向加工ヘッド。
  2. 請求項1に記載した軸方向加工ヘッドにおいて、
    前記揺動レバーの一方の揺動限および前記揺動レバーの他方の揺動限に保持可能な保持機構を有することを特徴とする軸方向加工ヘッド。
  3. 請求項2に記載した軸方向加工ヘッドにおいて、
    前記保持機構は、前記揺動レバーを一方の前記揺動限に向けて付勢する付勢手段と、前記揺動レバーを他方の前記揺動限に向けて駆動可能な駆動手段と、を有することを特徴とする軸方向加工ヘッド。
  4. 請求項3に記載した軸方向加工ヘッドにおいて、
    前記立旋盤は、回転テーブルと、前記本体を装着可能な工具主軸と、を有し、
    前記付勢手段は、弾性部材またはガスばねであり、
    前記駆動手段は、前記工具主軸から供給されるセンタースルーエアで駆動されるエアシリンダであることを特徴とする軸方向加工ヘッド。
  5. 請求項2に記載した軸方向加工ヘッドにおいて、
    前記保持機構は、前記揺動レバーを前記揺動限の各々に保持可能かつ所定の外力で離脱可能なラッチ装置と、前記揺動レバーに接続されかつ前記本体の外部に突出した操作レバーと、を有することを特徴とする軸方向加工ヘッド。
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