JP2011251373A - エレベータのガイドレール加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガイドレールを往復加工できるとともに、ガイドレールを1つ加工するために消費されるエネルギーが少なく、段取り作業も容易なガイドレール加工装置を提供する。
【解決手段】ガイドレール加工装置1は、加工テーブル2と第1の刃物11と第2の刃物12とヘッド10と切換機構13とを備える。加工テーブル2は、第1の方向D1および第2の方向D2へ往復移動し、ガイドレールGが固定される。第1の刃物11は、第1の方向D1へ加工テーブル2が移動する間に、ガイドレールGの刃Bの側面Sを切削する。第2の刃物12は、第2の方向D2へ加工テーブル2が移動する間に、ガイドレールGの刃Bの側面Sを切削する。ヘッド10は、第1の刃物11および第2の刃物12を搭載する。切換機構13は、ヘッド10を切り換え、第1の刃物11をまたは第2の刃物12をガイドレールGの刃Bの側面Sに当接させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ガイドレール加工装置1は、加工テーブル2と第1の刃物11と第2の刃物12とヘッド10と切換機構13とを備える。加工テーブル2は、第1の方向D1および第2の方向D2へ往復移動し、ガイドレールGが固定される。第1の刃物11は、第1の方向D1へ加工テーブル2が移動する間に、ガイドレールGの刃Bの側面Sを切削する。第2の刃物12は、第2の方向D2へ加工テーブル2が移動する間に、ガイドレールGの刃Bの側面Sを切削する。ヘッド10は、第1の刃物11および第2の刃物12を搭載する。切換機構13は、ヘッド10を切り換え、第1の刃物11をまたは第2の刃物12をガイドレールGの刃Bの側面Sに当接させる。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、エレベータのガイドレールの延びる方向に沿って刃を切削加工するガイドレール加工装置に関する。
エレベータのガイドレールの刃を切削加工する場合、往復動するテーブルにガイドレールを設置し、ガイドレールを往動で切削して復動で戻すように、1方向の加工を繰り返す加工方法が一般的である。また、切削加工時間を短縮するために、復動するときにも切削できるように2つの加工ヘッドを有した加工装置が知られている。
特許文献1に記載された切削加工装置は、往復移動するテーブルをまたぐ横けたを有し、第1の切削工具が取り付けられた第1の刃物台(加工ヘッド)と第2の切削工具が取り付けられた第2の刃物台(加工ヘッド)とをこの横けたに搭載している。第1の刃物台および第2の刃物台は、加工送り方向がそれぞれ直交するように別々に構成されている。そして、テーブルが往動する際に第1の刃物台および第2の刃物台で同時に加工できるように第1の切削工具および第2の切削工具をセットするか、または、往動する際に第1の刃物台の第1の切削工具で加工し復動する際に第2の刃物台の第2の切削工具で加工する。このようにテーブルが一往復する間に直交する2つの面を加工している。
特許文献2に記載されたガイドレール加工装置は、加工対象となるガイドレールを載せて往復移動する載置台(テーブル)と、ガイドレールを加工するための第1の切削器(加工ヘッド)および第2の切削器(加工ヘッド)とを備えている。第1の切削器および第2の切削器は、載置台の移動する方向に面した支持柱の2つの側面に背中合わせに取り付けられ、それぞれ独立して動くように設けられている。そして、このガイドレール加工装置は、載置台が往動する際、第1の切削器をガイドレールに当接する当接位置に保持して第2の切削器をガイドレールから上方へ離れた離間位置に保持する。また載置台が復動する際、今度は逆に、第1の切削器を上方の離間位置に保持して第2の切削器をガイドレールに当接する当接位置に保持する。
ところで、どちらの加工装置も往動および復動においてそれぞれ切削加工できるように構成されており、往動および復動にそれぞれ対応する加工ヘッドを別々に作動するように構成している。しかしその結果、切削加工する対象のガイドレールをテーブルに固定した後、2つの加工ヘッドを個別にアラインメントしなければならない。そのため、切削加工を開始できるまでに要する段取り時間が少なくとも2倍になってしまう。
そこで、ガイドレールを往復加工できるとともに、ガイドレールを1つ加工するために消費されるエネルギーが少なく、段取り作業も容易なガイドレール加工装置を提供する。
ガイドレール加工装置は、加工テーブルと第1の刃物と第2の刃物とヘッドと切換機構とを備える。加工テーブルは、第1の方向および第2の方向へ往復移動し、この移動方向に沿ってガイドレールが固定される。第1の刃物は、第1の方向へ加工テーブルが移動する間に、ガイドレールの刃の側面を切削する。第2の刃物は、第2の方向へ加工テーブルが移動する間に、ガイドレールの刃の側面を切削する。ヘッドは、第1の刃物および第2の刃物を搭載する。切換機構は、第1状態および第2状態の一方にヘッドを切り換える。第1状態とは、第1の刃物をガイドレールの刃の側面に当接させ、第2の刃物をガイドレールの刃の側面から待避させる状態である。第2状態とは、第2の刃物をガイドレールの刃の側面に当接さ、第1の刃物をガイドレールの刃の側面から待避させる状態である。
第1の実施形態のガイドレール加工装置1は、図1から図13を参照して説明する。図1に示すガイドレール加工装置1は、加工テーブル2と第1の刃物11と第2の刃物12とヘッド10と切換機構13とを備える。加工テーブル2は、第1の方向D1、およびこれと逆方向の第2の方向D2へ往復移動するように構成されている。このガイドレール加工装置1は、加工テーブル2に固定されたワークであるガイドレールGの刃Bの側面Sを、第1の方向D1に加工テーブル2を移動させるときに第1の刃物11で、第2の方向D2に加工テーブル2を移動させるときに第2の刃物12で、それぞれ切削加工することを繰り返す。
加工テーブル2は、ワークを固定する止め具Jを取り付けるためのボルト穴やTスロットを上部に有しており、図1に示すように加工テーブル2の移動方向に沿ってガイドレールGが固定される。ガイドレールGを位置決めしやすくするために、加工テーブル2に専用治具を取り付け、その専用治具にガイドレールGを固定してもよい。
この実施形態のガイドレール加工装置1は、加工テーブル2を跨ぐ門形の梁3を有している。この梁3は、加工テーブル2が移動する方向を横切る方向、および加工テーブル2の上面に対して垂直な方向へ、ヘッド10を移動させる駆動装置を装備する。駆動装置は、サーボモータ、ボールねじ、リニアガイドなどによって構成される。
図1に示すガイドレール加工装置1は、加工テーブル2が移動する方向をX軸、梁3に沿って加工テーブル2を横切る方向をY軸、加工テーブル2の上面から鉛直に離れる方向をZ軸とすると、いわゆる3軸直交型の加工機である。したがって、加工テーブル2がX軸に沿って移動する代わりに、梁3がX軸に沿って移動するガントリーであっても良い。また、梁3を支持する脚部31が片側にしかない片持ちの梁であっても良い。
ヘッド10は、図2から図5に示すように、第1の刃物11と第2の刃物12を搭載している。第1の刃物11は、図6に示すように加工テーブル2が第1の方向D1へ移動する間、ガイドレールGの刃Bの側面Sに当接されてこの側面Sを切削する。第2の刃物12は、図10に示すように加工テーブル2が第2の方向D2へ移動する間、ガイドレールGの刃Bの側面Sに当接されてこの側面Sを切削する。第1の刃物11および第2の刃物12は、図4および図5に示すようにいずれもガイドレールGの刃Bを挟む一対に配置されており、両側の側面Sを同時に切削する。
第1の実施形態において第1の刃物11と第2の刃物12は、図6から図13に示すように加工テーブル2の移動方向に沿って並べて配置されている。第1の刃物11および第2の刃物12は、先端に使い捨てのチップ101,102が取り付けられるいわゆる「スローアウェイバイト」である。第1の刃物11および第2の刃物12は、ガイドレールGの刃Bの厚み方向に沿ってチップ101,102を変位可能にヘッド10に組み込まれている。
第1の刃物11および第2の刃物12は、図2、図3および図6から図13に示すように、粗加工用刃物111,121と仕上加工用刃物112,122との2つで1組に設けられている。粗加工用刃物111,121は、加工テーブル2の移動方向の上流側に配置され、仕上加工用刃物112,122は、加工テーブル2の移動方向の下流側に配置される。図4および図5に示すようにガイドレールGの刃Bに対して同じ側に並ぶ第1の刃物11と第2の刃物12は、加工テーブル2の移動方向と平行に配置される支持ロッド14で回動可能に保持される。チップ101,102は、第1の刃物11も第2の刃物12も粗加工用刃物111,121どうし、仕上加工用刃物112,122どうしそれぞれ同じものが適用される。
切換機構13は、図2から図5に示すように、シャフト130と第1のカム131と第2のカム132とを備える。シャフト130は、加工テーブル2の移動方向に沿って延びており、回転する方向および角度を制御できるサーボモータ、または二値的に変化するソレノイドにギヤなどを介して連結される。第1のカム131および第2のカム132は、シャフト130に取り付けられている。第1のカム131は、第1の刃物11と接しており、シャフト130が回動することによって、ガイドレールGの刃Bの側面Sに当接させる図4に示す加工位置P1と刃Bの側面Sから離れる図5に示す待避位置P2とに第1の刃物11を変位させる。第2のカム132は、第2の刃物12と接しており、シャフト130が回転することによって、ガイドレールGの刃Bの側面Sに当接させる図5に示す加工位置P1と刃Bの側面Sから離れる図4に示す待避位置P2とに第2の刃物12を変位させる。
切換機構13は、加工テーブル2が第1の方向D1へ移動する場合にヘッド10を図2および図4に示す第1状態H1にし、加工テーブル2が第2の方向D2へ移動する場合にヘッド10を図3および図5に示す第2状態H2にする。第1のカム131は、第1の刃物11を図2および図4に示す第1状態H1で加工位置P1にし、図3および図5に示す第2状態H2で待避位置P2にする。第2のカム132は、第2の刃物12を図2および図4に示す第1状態H1で待避位置P2にし、図3および図5に示す第2状態H2で加工位置P1にする。
つまり、第1のカム131と第2のカム132は、図2から図5に示すように、第1の刃物11が加工位置P1であるときに第2の刃物12が待避位置P2に保持され、第2の刃物12が加工位置P1であるときに第1の刃物11が待避位置P2に保持される関係に、シャフト130に取り付けられている。第1のカム131および第2のカム132は、第1の刃物11および第2の刃物12をそれぞれ加工位置P1にする場合、支持ロッド14に対してチップ101,102が取り付けられた側と反対側の端部を押し広げる。
また第1の刃物11および第2の刃物12は、弾性部材によってチップ101,102側の端部をガイドレールGの刃Bから離なす方向へ、常に付勢されている。したがって、第1の刃物11および第2の刃物12を加工位置P1にする回転位置から第1のカム131および第2のカム132が外れると、第1の刃物11および第2の刃物12は、弾性部材の力によってそれぞれ待避位置P2に保持される。第1の刃物11および第2の刃物12を加工位置P1に維持するような強い力を待避位置P2では必要としないので、上述の弾性部材は、捩りコイルバネや線細工バネまたは板バネ等の簡単なものでよい。第1の刃物11および第2の刃物12を加工位置P1および待避位置P2に変位させる機構は、第1のカム131と第2のカム132と弾性部材との組み合わせに代えて、シャフト130から半径方向に変位するカム溝を有したカムディスクと、第1の刃物11および第2の刃物12に取り付けられてこのカム溝に案内されるピンとで構成されてもよい。
第1の実施形態において、第1の刃物11の粗加工用刃物111と仕上加工用刃物112、第2の刃物12の粗加工用刃物121と仕上加工用刃物122は、それぞれ独立して変位可能に設けられている。この実施形態では、第1のカム131および第2のカム132によって、同時に変位する。第1の刃物11の粗加工用刃物111と仕上加工用刃物112、第2の刃物12の粗加工用刃物121と仕上加工用刃物122のそれぞれのチップ101,102の切り込み量は、図2から図5に示すように第1のカム131に当接する第1の刃物11の端部、および第2のカム132に当接する第2の刃物12の端部にそれぞれ設けられる例えば六角穴付きの止めネジ103、いわゆるイモネジによって調整される。
以上のように構成されたガイドレール加工装置1は、図2示す第1状態H1と図3に示す第2状態H2とに切換機構13によってヘッド10を切り換える。第1状態H1では、図4に示すように第1の刃物11をガイドレールGの刃Bの側面Sに当接させ第2の刃物12をガイドレールGの刃Bの側面Sから待避させる。第2状態H2では、図5に示すように第2の刃物12をガイドレールGの刃Bの側面Sに当接させ第1の刃物11をガイドレールGの刃Bの側面Sから待避させる。
ガイドレール加工装置1は、加工テーブル2を第1の方向D1へ移動させる場合、ヘッド10を第1状態H1にして図6および図7に示すように第1の刃物11でガイドレールGの刃Bの側面Sを切削加工する。ガイドレールGが第1の方向D1へ通過した後、ヘッド10は、切換機構13によって図8に示すように第2状態H2に切り換えられる。そして、ガイドレール加工装置1は、図9に示すように1回分の送り量だけヘッド10を移動したのち、加工テーブル2の移動方向を第2の方向D2に切り換え、図10および図11に示すように第2の刃物12でガイドレールGの刃Bの側面Sを切削加工する。ガイドレールGが第2の方向D2へ通過したのち、ヘッド10は、切換機構13によって図12に示すように第1状態H1に切り換えられる。ガイドレール加工装置1は、図13に示すようにさらに1回分の送り量だけヘッド10を移動させたのち、加工テーブル2の移動方向を第1の方向D1に切り換える。
このように、ガイドレール加工装置1は、加工テーブル2を第1の方向D1と第2の方向D2に往復移動させるたびに、切換機構13によってヘッド10を第1状態H1と第2状態H2に切り換え、かつ、1回分の送り量だけヘッド10を移動させる。ガイドレール加工装置1は、往復移動する加工テーブル2が第1の方向D1と第2の方向D2とのいずれの方向に移動する場合もガイドレールGの刃Bの側面Sを切削加工できる。したがって、ガイドレールGの刃Bの側面Sを加工する効率が良い。
また、加工テーブル2を第1の方向D1に移動させるときに使用される第1の刃物11と加工テーブル2を第2の方向D2に移動させるときに使用される第2の刃物12とは、切換機構13によって切り換えるだけであるので、ヘッド10の構造が簡単である。そして、刃物の切換動作は、第1のカム131および第2のカム132が取り付けられたシャフト130を回動させるだけであるので切換機構13を駆動する動力もほとんどかからないし、刃物を切り換えるたびにヘッド10を移動させる送り動作に要する動力もわずかである。
したがって、1本のガイドレールGの刃Bの側面Sを加工するためにガイドレール加工装置1が消費するエネルギーは、刃物ごとに駆動装置を備える加工機に比べて大巾に削減される。さらに、第1の実施形態のガイドレール加工装置1において、第1の刃物11および第2の刃物12は、1つのヘッド10に搭載されている。ガイドレールGを加工テーブル2上にセットする際の段取り作業において、ガイドレールGに対するヘッド10の位置決め作業や心出し作業が一度で済む。したがって、ガイドレールGの刃Bの側面Sを仕上げるための一連の作業の効率が向上する。
第1の刃物11と第2の刃物12とを切り換えるために、第1の実施形態のガイドレール加工装置1は、第1のカム131と第2のカム132を備える切換機構13を採用し、支持ロッド14を中心に第1の刃物11と第2の刃物12を回動させている。切換機構13は、第1の刃物11と第2の刃物12を回動させる代わりに、第1の刃物11および第2の刃物12をガイドレールGの刃Bの厚み方向に沿って平行に移動させる機構を有していてもよい。また、第1の刃物11および第2の刃物12を加工位置P1から待避位置P2に変位させる移動量は、チップ101,102がガイドレールGの刃Bの側面Sから離れる程度であればよい。したがって、図4および図5に示したほどに第1の刃物11および第2の刃物12を変位させなくても、わずかに数ミリ離れるように第1のカム131および第2のカム132が構成されていればよい。
第2の実施形態のガイドレール加工装置1は、図14から図19を参照して説明する。このガイドレール加工装置1は、ヘッド10に搭載される第1の刃物11および第2の刃物12の取付構造、および、ヘッド10を第1状態H1と第2状態H2に切り換える切換機構13の構造が第1の実施形態のガイドレール加工装置1と異なっている。その他の構成は、第1の実施形態のガイドレール加工装置1と同じであるので、同じ機能を有する構成は、各図中において同一の符号を付すとともに、第1の実施形態の記載を参酌する。また、図14から図19において図示されない構成は、第1の実施形態の記載および対応する図面を参酌する。
第2の実施形態のガイドレール加工装置1のヘッド10は、第1の刃物11および第2の刃物12を取り付けるブロック15を有している。このブロック15は、ガイドレールGが延びる方向に対して交差する方向に沿う軸を中心に回動する。本実施形態においてブロック15は、加工テーブル2の上面に対して垂直に配置される切換機構13のシャフト130を中心に回動する。
第1の刃物11および第2の刃物12は、図14に示すようにシャフト130を中心にブロック15の周方向に離れた位置に固定される。この実施形態では、シャフト130の回転角度にして90°離して取り付けられる。なお、第1の刃物11が加工位置P1に位置決めされるときに第2の刃物12が待避位置P2に保持され、第2の刃物12が加工位置P1に位置決めされるときに第1の刃物11が待避位置P2に保持されていれば良い。したがって、シャフト130に対して第1の刃物11と第2の刃物12が成す角度は、待避位置P2の刃物がガイドレールに緩衝しない角度であればよい。このときの角度は、90°以上にすることで、切換機構13によってブロック15を回動させる角度は小さくなる。例えば第1の刃物11と第2の刃物12を120°に配置すれば、切換機構13による回動角度は、60°になる。
第1の刃物11および第2の刃物12は、第1の実施形態と同様に、粗加工用刃物111,121と仕上加工用刃物112,122との2つで1組に構成されている。第1の刃物11および第2の刃物12は、どれも図15に示す同じ構造でヘッド10のブロック15に固定される。第1の刃物11および第2の刃物12は、図15に示すように、ブロック15に取り付けられた支持ロッド14に回動可能に保持される。また、第1の刃物11および第2の刃物12は、先端に取り付けられるチップ101,102の切り込み量を調整するために、例えば六角穴付きの止めネジ103を有している。止めネジ103は、支持ロッド14に対してチップ101,102が取り付けられた端部と反対側の端部に取り付けられる。第1の刃物11および第2の刃物12は、支持ロッド14と止めネジ103との間に支持ロッド14と直交する向きに装着されるボルト104で固定される。
以上のように構成された第2の実施形態のガイドレール加工装置1は、第1の実施形態と同様に、切換機構13によって図16および図19に示す第1状態H1と図17および図18に示す第2状態H2とにヘッド10を切り換え、往復移動する加工テーブル2の第1の方向D1および第2の方向D2のどちらの場合にもガイドレールGの刃Bの側面Sを切削加工する。
ガイドレール加工装置1は、加工テーブル2によってガイドレールGを第1の方向D1へ移動させる間、ヘッド10を図14および図16に示す第1状態H1にし、ガイドレールGを第2の方向D2へ移動させる間、ヘッド10を図18に示す第2状態にする。第1状態H1において、第1の刃物11は加工位置P1に位置決めされ、第2の刃物12は待避位置P2に保持される。第2状態H2において、第2の刃物12は加工位置P1に位置決めされ、第1の刃物11は待避位置P2に保持される。
図16に示すように、第1の方向D1へ移動するガイドレールGの刃Bの側面Sを第1状態H1のヘッド10で切削加工したあと、図17に示すように、切換機構13によってヘッド10を第2状態H2に切り換える。そして、図18に示すように第2の方向D2へ移動するガイドレールGの刃Bの側面Sを第2状態H2のヘッド10で切削加工したあと、図19に示すように切換機構13によってヘッド10を第1状態H1に切り換え、再度図16に示すように第1状態H1のヘッド10でガイドレールGを切削加工する。図17および図19においてヘッド10を切り換える場合、第1の実施形態のときと同様に、ガイドレール加工装置1は、その都度一定の送り量だけヘッド10を移動させる。
このように、第2の実施形態のガイドレール加工装置1は、ヘッド10の向きを切換機構13によって90°振り向けるだけで、第1の方向D1に沿って加工する第1状態H1と第2の方向D2に沿って加工する第2状態H2とに切り換える。なお、粗加工用刃物と仕上加工用刃物を一組のみ有するヘッド10を切換機構13によって180°反転させ、第1の方向D1と第2の方向D2のいずれの場合にも切削加工できるようにガイドレール加工装置1を構成することもできる。
第2の実施形態のガイドレール加工装置1の場合、第1の刃物11は、第1の方向D1に切削加工するため専用に設けられ、第2の刃物12は、第2の方向D2に切削加工するため専用に設けられている。したがって、ヘッド10の位置や刃物の取付位置を第1の方向D1および第2の方向D2のどちらにも対応するようにセッティングする場合よりも刃物のセッティングが簡単であるため、段取り時間が短縮される。
第2の実施形態のガイドレール加工装置1は、ヘッド10を回動させるシャフト130を加工テーブル2の上面に対して垂直な方向に配置している。第1状態H1において第1の刃物11が加工位置P1に位置決めされるときに第2の刃物12が待避位置P2に保持され、第2状態H2において第2の刃物12が加工位置P1に位置決めされるときに第1の刃物11が待避位置P2に保持されるように切換機構13が構成されていればよいので、ヘッド10を回動させるシャフト130の向きは、加工テーブル2の上面に垂直な方向だけでなく、どの方向を向いていても良い。
例えば、加工テーブル2の上面に平行かつ移動方向に対して垂直にシャフト130を配置する。第1の刃物11と第2の刃物12は、ヘッド10を第1状態H1と第2状態H2とに切り換えたときにそれぞれ加工位置P1と待避位置P2とになるように十分に離してヘッド10に取り付けられる。そして第1状態H1から第2状態H2に刃物を切り換える場合、第1の刃物11を第2の方向D2に向かって跳ね上げるようにシャフト130を回動させ、第2状態H2から第1状態H1に刃物を切り換える場合、第2の刃物12を第1の方向D1に向かって跳ね上げるようにシャフト130を回動させる。第1状態H1および第2状態H2にブロック15を固定するあたり止めをそれぞれ設けておけば、切削加工中に刃物が受ける反力は、シャフト130に連結される駆動装置に直接かからない。
または、加工テーブル2が移動する方向に沿ってシャフト130を配置する。この場合、シャフト130に垂直な面に沿って第1の刃物11と第2の刃物12をシャフト130の回動方向に離して配置する。第1の方向D1および第2の方向D2のいずれに切削加工する場合でも、刃物が受ける反力は、シャフト130の回動方向に作用しなくなる。そこで、シャフト130に対して対称となる半回転(180°)離して第1の刃物11と第2の刃物12を配置する。シャフト130を回転させる駆動装置は、一方向にのみ回転するように構成されていればよいので、ヘッド10の構造が簡単になる。
1…ガイドレール加工装置、2…加工テーブル、10…ヘッド、11…第1の刃物、111…粗加工用刃物、112…仕上加工用刃物、12…第2の刃物、121…粗加工用刃物、122…仕上加工用刃物、13…切換機構、130…シャフト、131…第1のカム、132…第2のカム、15…ブロック、D1…第1の方向、D2…第2の方向、G…ガイドレール、B…刃、S…側面、P1…加工位置、P2…待避位置、H1…第1状態、H2…第2状態。
Claims (7)
- 第1の方向および第2の方向へ往復移動しこの移動方向に沿ってガイドレールが固定される加工テーブルと、
前記第1の方向へ前記加工テーブルが移動する間に前記ガイドレールの刃の側面を切削する第1の刃物と、
前記第2の方向へ前記加工テーブルが移動する間に前記ガイドレールの刃の側面を切削する第2の刃物と、
前記第1の刃物および前記第2の刃物を搭載するヘッドと、
前記第1の刃物を前記ガイドレールの刃の側面に当接させ前記第2の刃物を前記ガイドレールの刃の側面から待避させる第1状態、および前記第2の刃物を前記ガイドレールの刃の側面に当接させ前記第1の刃物を前記ガイドレールの刃の側面から待避させる第2状態の一方に前記ヘッドを切り換える切換機構と
を備えることを特徴とするガイドレール加工装置。 - 前記第1の刃物および前記第2の刃物は、
前記刃の側面を切削する加工位置と前記刃の側面から離れた待避位置とに、前記ガイドレールの刃の厚み方向に沿って変位可能に前記ヘッドに設けられ、
前記切換機構は、
前記第1状態で前記第1の刃物を前記加工位置に前記第2の刃物を前記待避位置にそれぞれ保持し、前記第2状態で前記第1の刃物を前記待避位置に前記第2の刃物を前記加工位置にそれぞれ保持する
ことを特徴とする請求項1に記載されたガイドレール加工装置。 - 前記第1の刃物と前記第2の刃物とは、前記加工テーブルの移動方向に並べて前記ヘッドに配置され、
前記切換機構は、
前記加工テーブルの移動方向に沿って延びるシャフトと、
前記シャフトに取り付けられて前記第1の刃物を前記第1状態で前記加工位置にし前記第2状態で前記待避位置にする第1のカムと、
前記シャフトに取り付けられて前記第2の刃物を前記第1状態で前記待避位置にし前記第2状態で前記加工位置にする第2のカムと
を備え、前記シャフトを回動させることによって、前記第1状態と前記第2状態とに切り換える
ことを特徴とする請求項2に記載されたガイドレール加工装置。 - 前記ヘッドは、前記ガイドレールの延びる方向に対して交差する方向に沿う軸を中心に回動するブロックを有し、
前記第1の刃物および前記第2の刃物は、
前記軸を中心とする周方向に離して前記ブロックに取り付けられ、
前記切換機構は、
前記ブロックを回動させることによって前記第1の状態および前記第2の状態に前記ヘッドを切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載されたガイドレール加工装置。 - 前記切換機構は、前記加工テーブルの移動方向および前記ガイドレールの刃の厚み方向に対して交差する方向に沿う軸を中心に前記ブロックを回動させるシャフトを有し、
前記第1の刃物と前記第2の刃物とは、前記ブロックが回動することによって、前記刃の側面を切削する加工位置と前記刃の側面から離れた待避位置とに変位される
ことを特徴とする請求項4に記載されたガイドレール加工装置。 - 前記第1の刃物および前記第2の刃物は、前記加工テーブルの移動方向の上流側に粗加工用刃物を、下流側に仕上加工用刃物を、並べて配置している
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載されたガイドレール加工装置。 - 前記ヘッドは、前記加工テーブルの移動方向が切り換わるごとに前記第1の刃物および前記第2の刃物の送り量だけ前記加工テーブルへ接近する方向へ移動することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたガイドレール加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010127049A JP2011251373A (ja) | 2010-06-02 | 2010-06-02 | エレベータのガイドレール加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010127049A JP2011251373A (ja) | 2010-06-02 | 2010-06-02 | エレベータのガイドレール加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011251373A true JP2011251373A (ja) | 2011-12-15 |
Family
ID=45415742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010127049A Withdrawn JP2011251373A (ja) | 2010-06-02 | 2010-06-02 | エレベータのガイドレール加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011251373A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103182561A (zh) * | 2011-12-27 | 2013-07-03 | 财团法人金属工业研究发展中心 | 异型材成型机构 |
-
2010
- 2010-06-02 JP JP2010127049A patent/JP2011251373A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103182561A (zh) * | 2011-12-27 | 2013-07-03 | 财团法人金属工业研究发展中心 | 异型材成型机构 |
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