JP2021119591A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換部材を用いた発光装置の配光色度ムラを抑制する。【解決手段】発光装置100は、支持体と、支持体の上に配置される発光素子10と、発光素子10の上に配置され、中央部23と、その中央部23よりも肉薄である外周部24とを有する凸型の波長変換部材20と、波長変換部材20の肉薄の側方に配置された光反射部材40と、光反射部材40を覆う半球状の透光性部材50とを備えており、透光性部材50の平面視において、波長変換部材20が下記数式で表される領域を有する。r/n≦x<r(r:半球状を構成する円の半径を示す。x:透光性部材50および波長変換部材20の中心から中央部23の端縁までの距離を示す。n:透光性部材50の屈折率を示す。)【選択図】図1

Description

本開示は、発光装置に関する。
発光素子と蛍光体とを組み合わせて混色光を発する発光装置が、例えば照明や液晶のバックライトの用途に用いられている。
このような発光装置では、例えば特許文献1、2に開示されたように、発光素子の光取り出し面に波長変換部材を配置する構成が採用されている。発光素子から発される光は、波長変換部材を通過して、一部の光は波長変換されて異なる波長の光として出射される。例えば青色を発する発光素子と黄色を発する波長変換部材との組み合わせにより白色光が観察される。
しかしながら、発光素子から発される光が波長変換部材を通過する光路長が、波長変換部材の中央部分と端部とで異なり、波長変換部材の中央部分では青色光が多く出され、端部では黄色光が多く出され、配光色度ムラが生じることがある。
特開2013−179132号公報 特開2015−61066号公報
本発明の一態様の目的の一つは、波長変換部材を用いた発光装置の配光色度ムラを抑制した発光装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る発光装置は、支持体と、前記支持体の上に配置される発光素子と、前記発光素子の上に配置され、中央部と、その中央部よりも肉薄である外周部とを有する凸型の波長変換部材と、波長変換部材の肉薄の側方に配置された光反射部材と、前記光反射部材を覆う半球状の透光性部材と、を備えており、前記透光性部材の平面視において、前記波長変換部材が下記数1で表される領域を有する。
(数1)
r/n≦x<r
(r:前記半球状を構成する円の半径を示す。x:透光性部材および波長変換部材の中心から前記中央部の端縁までの距離を示す。n:前記透光性部材の屈折率を示す。)
本発明の一態様に係る発光装置によれば、波長変換部材を用いた発光装置の配光色度ムラを抑制した発光装置を提供することができる。
実施形態1に係る発光装置の垂直断面図である。 図1において、発光素子が発する光が透光性部材で全反射される様子を示す断面図である。 従来の発光装置の垂直断面図である。 図3の発光装置の要部拡大断面図である。 改良型の発光装置の垂直断面図である。 図5の発光装置の要部拡大断面図である。 図1の発光装置から発する光を示す要部拡大断面図である。 発光素子からの正面光のレンズへの入射角θを示す模式断面図である。
本発明の実施形態は、以下の構成によって特定されてもよい。
本発明の一実施形態に係る発光装置によれば、支持体と、前記支持体の上に配置される発光素子と、前記発光素子の上に配置され、中央部と、その中央部よりも肉薄である外周部とを有する凸型の波長変換部材と、前記波長変換部材の肉薄の側方に配置された光反射部材と、前記光反射部材を覆う半球状の透光性部材と、を備えており、前記透光性部材の平面視において、前記波長変換部材が下記数2で表される領域を有する。
(数2)
r/n≦x<r
(r:前記半球状を構成する円の半径を示す。x:透光性部材および波長変換部材の中心から前記中央部の端縁までの距離を示す。n:前記透光性部材の屈折率を示す。)
また本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、平面視において、前記波長変換部材の面積を、前記発光素子の面積よりも大きく形成することができる。
また本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、さらに前記発光素子の側面から、前記波長変換部材の下面であって前記発光素子の外形よりも突出した領域を連続的に覆う第二透光性部材を備えることができる。
さらにまた本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記発光素子の外形よりも突出した領域を、前記波長変換部材の外周部の少なくとも一部とすることができる。
さらにまた本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記透光性部材の上面と、前記波長変換部材の外周部の上面とを同一平面状とすることができる。
さらにまた本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記透光性部材の平面視において、前記波長変換部材の中央部の端面と、前記発光素子の端面とを同一面状とすることができる。
さらにまた本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記透光性部材の屈折率nを1.48以上1.55以下とすることができる。
さらにまた本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記波長変換部材に、希土類アルミン酸塩蛍光体を含めることができる。
さらにまた本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記波長変換部材が、平面視において、矩形であり、前記数式で表される領域を前記波長変換部材の角部とすることができる。
さらにまた本発明の他の実施形態に係る発光装置によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記光反射部材および前記透光性部材の少なくとも一方に、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂から選択された少なくとも一種を含めることができる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに限定されるものでない。また各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。さらに、本発明に係る実施形態を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施形態において説明された内容は、他の実施形態等に利用可能なものもある。さらに、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「行」、「列」および、それらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。なお、本明細書において「備える」とは、別部材として備えるもの、一体の部材として構成するものの何れをも含む意味で使用する。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る発光装置100を図1〜図2に示す。これらの図において、図1は実施形態1に係る発光装置100の垂直断面図、図2は図1の発光素子10が発する光が透光性部材50で全反射される様子を示す断面図を、それぞれ示している。これらの図に示す発光装置100は、支持体1と、この支持体1上に配置される発光素子10と、この発光素子10の上面に配置される波長変換部材20と、波長変換部材20の周囲の一部及び発光素子10の周囲に配置された光反射部材40を備える。波長変換部材20および光反射部材40の上には、透光性部材50を備えている。透光性部材50は、平面視が円形状で断面視が半円球状であるレンズ部51と、このレンズ部51の外周側に延出する鍔部52とを有する。レンズ部51は、平面視を円形状とし、断面視を半円球状としている。またレンズ部51の外周側には鍔部52を延出させている。
波長変換部材20は、平面視において矩形状とすることが好ましい。波長変換部材20が平面視において発光素子10よりも大きく形成されている。また発光素子10の側面と光反射部材40の間には、第二透光性部材30を設けている。
一般に発光ダイオード等の発光素子910と蛍光体等の波長変換部材920を組み合わせて混色光を発する発光装置900では、図3の模式断面図に示すように、発光素子910の光取り出し面に波長変換部材920を配置する構成が採用されている。発光素子910から発される光は、波長変換部材920を通過して、一部の光は波長変換されて異なる波長の光として出射される。例えば青色を発する発光素子910と黄色を発する波長変換部材920との組み合わせにより白色光が観察される。
しかしながら、図4の模式断面図に示すように、発光素子910から発される光が波長変換部材920を通過する光路長が、波長変換部材920の中央部分と端部とで異なり、波長変換部材920の中央部分では青色光が多く出され、端部では黄色光が多く出され、色ムラが生じることがある。
一方、図5の模式断面図に示すように、波長変換部材920’の端部の膜厚を薄くした領域を設けることが考えられる。この構造においては、図6の拡大断面図に示すように、波長変換部材920’の端部近傍の光路長を短くすることで、色ムラを低減することができる。
しかしながら、図6の拡大断面図に示すように、この構成においても波長変換部材920’の端部において、発光素子910からの光が波長変換部材920’の光取り出し面に対して斜めでなく垂直方向に突入する成分は光路長が短いため、相対的に発光素子910の発光色成分(例えば青色成分)が強くなり、配光色度ムラを生じることがある。
そこで本実施形態に係る発光装置100においては、波長変換部材20の形状を均一の厚さとせずに、端部で部分的に薄くしている。具体的には、図1の断面図に示すように、波長変換部材20は中央部23と、その中央部23よりも肉薄である外周部24とを有する凸型に形成している。また、肉薄とした外周部24の側面を、光反射部材40で被覆している。
また透光性部材50の平面視において、波長変換部材20は数3で表される領域を有する。
(数3)
r/n≦x<r
(r:半球状を構成する円形の半径を示す。x:透光性部材50および波長変換部材20の中心から中央部23の端縁までの距離を示す。n:透光性部材50の屈折率をnとする。)
このような構成により、透光性部材50の中心から離れるほど、発光素子10から透光性部材50への入射角を大きくして、全反射により光を外部に取り出し難くできる。この結果、発光装置100の正面方向における発光素子10の色が相対的に強く観察される事態を抑制し、配光色度ムラを低減できる。特に、図7に示すように発光素子10から出射される光の内、薄肉の外周部24の正面側に出射する正面光を抑制することで、配光色度ムラの原因となる成分を低減して全体として均一な発光が得られる。
また、式2で表される領域は、波長変換部材20の角部にあることが好ましい。このように、発光素子10からの正面光をカットできる理由を、図8に基づいて説明する。この図に示すように、レンズ状の透光性部材50の半径をr、発光素子10から正面方向に出射された正面光がレンズ部51に入射する入射角をθとすると、レンズ中心からの距離xは、
(数4)
x=r・sinθ
となる。ここで、スネルの法則より全反射時の入射角をθcriticalとすると、
(数5)
sinθcritical=n2/n1
(n2<n1)となる。ここで、レンズ部51の屈折率nをn1、空気の屈折率n2=1とすると、
(数6)
x=r/n
となる。つまり、レンズ部51の外側(≧r/nの領域)は、全反射により正面方向の光を取り出し難い状態となる。この結果、レンズ中心から離れるとレンズ部51への入射角が大きくなって、全反射により光が取り出し難い状態とすることができる。したがって、図2に示すように、波長変換部材20の端部における肉薄の外周部24と肉厚の中央部23との境界の延長線が、透光性部材50であるレンズ部51に入射する入射角θが、丁度臨界角θcriticalとなるように設計することで、図2において破線の太線より外側の、破線の細線で示す光は、透光性部材50から取り出さないようにでき、配光色度ムラの低減が図られる。
次に、レンズ部51の屈折率nを1.48、1.50および1.54に変更した各実施例1〜3に対し、正面光のカットエリアを変えたときの配光色度ムラ改善効果をシミュレーションにて確認した。ここで、「カットエリア面積」とは、透光性部材50の平面視において、数3で表される波長変換部材20の領域の面積をいう。また「配光色度ムラ改善率」は、以下のように算出した。
図3のような波長変換部材920が一様な平板状の場合を比較例として、当該比較例の配向色度ムラと、各実施例の配向色度ムラを計算する。配向色度ムラΔu’v’は、次式で表される。
(数7)
Figure 2021119591
上式において、u’0、v’ 0は0°方向(発光面に対して垂直な方向)のu’v’座標系での色度、u’Θ、v’ Θは任意の指向角θのu’v’座標系での色度を、それぞれ示している。
以上のようにして得られた比較例の配向色度ムラをA、各実施例の配向色度ムラをBとするとき、配向色度ムラ改善率は、次式で表される。
(数8)
配向色度ムラ改善率={1−(B/A)}×100[%]
このシミュレーション結果を以下の表1に示す。この表に示すように、屈折率nを大きくすると、カットエリア面積が増加して、配光色度ムラの改善率が向上することが判った。
Figure 2021119591
図1の断面図に示すように、透光性部材50の上面と、外周部24の上面とは、同一面状とすることが好ましい。また透光性部材50の平面視において、波長変換部材20の中央部23の端面と、発光素子10の端面とをほぼ同一面、すなわち同一面状とすることが好ましい。
以下、各部材について順次説明する。
(支持体1)
支持体1は、上面に発光素子10や透光性部材50等を実装するための部材である。例えば、特開2019-096842号公報に開示された支持体を使用することができる。
(発光素子10)
発光素子10は、電極を形成した実装面である発光素子の第一面11(図1において下面)と、この発光素子の第一面11と反対側に位置する光取り出し面である発光素子の第二面12(図1において上面)とを有する。
発光素子10は、例えば、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、ここで、X及びYは、0≦X、0≦Y、X+Y≦1を満たす。)を用いた半導体発光素子を用いることができる。これによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置100を得ることができる。
なお図1等に示す例では、発光素子10を平面視において正方形状とした例を説明した。ただ本発明は発光素子10の外形をこの構成に限らず、例えば長方形状等の矩形状とする他、六角形や八角形等の多角形状、あるいは円形、楕円形等としてもよい。
(波長変換部材20)
図1等に示す波長変換部材20は、発光素子10の上面に配置されて、発光素子10の第二面12から発される光の波長を、異なる波長に変換する。例えば発光素子10が青色を発光する場合、この青色を黄色に波長変換して、青色光と黄色光の混色により白色光を得る。この波長変換部材20は、第一面21(図1において下面)と、この第一面21と反対側の第二面22(図1において上面)とを有する。そして波長変換部材20の第一面21は、発光素子の第二面12よりも面積を大きくしている。これにより発光素子の第二面12すなわち発光素子10の光取り出し面の全面を波長変換部材20で覆うことができる。いいかえると、発光素子10の光取り出し面の一部が波長変換部材20で覆われないことで、発光素子10の発光(例えば青色光)が混色されずに外部に放出されることによる配光色度ムラを抑制できる。
波長変換部材20には、蛍光体と無機材料を含むセラミック製の板材や、蛍光体と樹脂を含む樹脂製の板材が利用できる。蛍光体は均一に分散していてもよいし、一方に偏在していてもよい。蛍光体は、発光素子10の発する光で励起されて、発光素子10の発する光よりも長波長の蛍光を発する。
波長変換部材20において蛍光体を含む波長変換部の厚みは、20μm以上500μm以下であることが好ましい。波長変換部材20の厚みが500μmより厚いと、放熱性が低下する傾向がある。放熱性の観点からは、波長変換部材20は薄ければ薄い程好ましいが、20μmよりも薄いと得たい発光の色度範囲が小さくなる傾向がある。
波長変換部材20において蛍光体を含む波長変換部は単層でも多層でもよい。蛍光体等の波長変換部を多層で構成する場合には、発光素子の第二面12上に赤色蛍光体を含む第一波長変換層が位置し、第一波長変換層上に黄色蛍光体を含む第二波長変換層が位置することが好ましい。これにより、発光装置100の光取り出し効率を向上させることができる。
(蛍光体)
蛍光体は、発光素子10からの発光で励起可能なものが使用される。例えば、青色発光素子又は紫外線発光素子で励起可能な蛍光体としては、希土類アルミン酸塩蛍光体が挙げられる。具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体、βサイアロン蛍光体、窒化物系蛍光体、マンガンで賦活されたフッ化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。これらの蛍光体と、発光素子と組み合わせることにより、様々な色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を製造することができる。
(第二透光性部材30)
発光素子10の側面から波長変換部材20の側面に連なる隙間を形成すると共に、この隙間に第二透光性部材30を配置している。この第二透光性部材30は、発光素子10の側面から、波長変換部材20の下面であって発光素子10の外形よりも突出した領域を連続的に覆う。また発光素子10の外形よりも突出した領域は、外周部24の少なくとも一部である。第二透光性部材30は、透光性を有する樹脂材で構成できる。第二透光性部材30は、透光性部材50と同様の材料が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が好適に利用される。
(接合部材32)
第二透光性部材30は、発光素子10と波長変換部材20との間に設けられた、透光性の接合部材32を含むことができる。接合部材32は、発光素子10と波長変換部材20とを接合する接着材とすることができる。この接合部材32は、その一部を、発光素子10の側面と波長変換部材20の発光素子10側の主面とで形成される隅部に、延在させてもよい。また図1に示すように、延在された接合部材32の断面形状は、波長変換部材20の底面周縁の方向に広がる逆三角形とすることもできる。なお接合部材32は、第二透光性部材30と別個に準備してもよい。例えば、第二透光性部材30を別途形成し、発光素子10の側面と光反射部材40の間に接着する。
接合部材32には、透光性を有する樹脂が利用できる。特に接合部材32は、光反射部材40よりも発光素子10からの光の透過率を高くする。また接合部材32は、後述する波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12とを接合できる樹脂、例えば、ジメチル系樹脂、フェニル系樹脂、ジフェニル系樹脂等が利用できる。
(傾斜面31)
波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12とを接合する際に、未硬化の接合部材32の一部は、波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12との接合界面から溢れて、発光素子10の側面に至る。すなわち、接合部材32は、波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12との接合界面から発光素子10の側面に連続して形成され、波長変換部材20の第一面21の周縁領域21bから発光素子の第一面11に向かって延長されて、図1の断面図に示すように波長変換部材20の第一面21から発光素子の第二面12の間にかけて傾斜面31を形成する。
ここで波長変換部材20の第一面21の周縁領域21bとは、発光素子の第二面12と対向する波長変換部材20の第一面21の内、周囲の部分を指す。波長変換部材20は発光素子10よりも一回り大きく形成しているため、波長変換部材20の第一面21の周縁には、平面視において発光素子の第二面12と重ならない周縁領域21bが形成される。この結果、例えば発光装置100の製造工程において未硬化の接合部材32で発光素子10と波長変換部材20を接合する際に、波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12との接合界面から溢れ出た未硬化の接合部材32は、波長変換部材20の第一面21の周縁領域21bに押し出され、さらに発光素子10の側面を伝って下降し、波長変換部材20の第一面21から発光素子の第二面12に向かって傾斜する傾斜面31が形成される。
(光反射部材40)
光反射部材40は、第二透光性部材30及び波長変換部材20を被覆するための部材である。光反射部材40を構成する樹脂材料には、シリコーン樹脂、ジメチルシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの透光性樹脂が好適に利用できる。また光反射部材40は、発光素子10が発する光を効率良く反射させるため、反射率を高めた光反射性樹脂とすることが好ましい。例えば透光性樹脂に、光反射性物質を分散させたものが使用できる。光反射性物質としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどが好適である。光反射性物質は、粒状、繊維状、薄板片状などが利用できるが、特に、繊維状のものは光反射部材の熱膨張率を低下させる効果も期待できるので好ましい。光反射部材40は、発光素子10からの光に対する反射率を70%以上とする。これにより、光反射部材40に達した光が反射されて、波長変換部材20の第二面22に向かうことにより、発光装置100の光取出し効率を高めることができる。
この例では光反射部材40は、TiO2、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種の光反射性物質を含むシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
この光反射部材40は、波長変換部材20の側面を被覆するよう、この側面と接していることが好ましい。このようにすることで、発光領域と非発光領域とのコントラストが高い発光装置100とすることができる。また光反射部材40は、発光素子の第一面11と支持部材1との間に位置していることが好ましい。このようにすることで、発光素子10からの光が発光素子の第一面11と支持部材との間に位置する光反射部材40に反射されて支持部材に吸収されることを抑制することができる。
(透光性部材50)
透光性部材50は、図1等に示すように、波長変換部材20の上面に配置される。この透光性部材50は、平面視を円形状で断面視を半円球状のレンズ部51と、レンズ部51の外周側に延出する鍔部52とを備えている。また透光性部材50は、透光性を有する部材が利用できる。透光性部材50は、透光性樹脂、ガラス等が使用できる。特に、透光性樹脂が好ましく、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。また透光性部材50には、粘度を調整する等の目的で、各種のフィラー等を含有させてもよい。
また、光反射部材40および透光性部材50の少なくとも一方が、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂から選択された少なくとも一種を含むことが好ましいが、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂あるいはそれらを混合させた樹脂や、ガラスなどの透光性材料を用いることもできる。これらのうち、耐光性および成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を選択することが好ましい。
また透光性部材50の側面を、図1の断面図に示すように光反射部材40の側面とほぼ同一面とすることが好ましい。特にレンズ部51を形成する構成においては、レンズのサイズを支持体1に対して大きくできるので、光の取り出し効率を高めることが可能となる。
なお上述した各部材は必ずしも分解可能なパーツの組み合わせとする態様に限られず、製造方法によっては、予め軟化させておいた材料を硬化させて構成する態様も包含する。すなわち、必ずしも図示されたパーツ毎に分解可能であることを要しない。
本発明の実施形態に係る発光装置は、例えば、LEDディスプレイ、液晶表示装置などのバックライト光源、照明用光源、ヘッドライト、信号機、照明式スイッチ、各種センサ及び各種インジケータ等に好適に利用することができる。
100、900…発光装置;1…支持体;10、910…発光素子;11…発光素子の第一面;12…発光素子の第二面;20、920、920’…波長変換部材;21…波長変換部材の第一面;21b…波長変換部材の第一面の周縁領域;22…波長変換部材の第二面;23…中央部;24…外周部;30…第二透光性部材;31…傾斜面;32…接合部材;40、940…光反射部材;50…透光性部材;51…レンズ部;52…鍔部

Claims (10)

  1. 支持体と、
    前記支持体の上に配置される発光素子と、
    前記発光素子の上に配置され、中央部と、その中央部よりも肉薄である外周部とを有する凸型の波長変換部材と、
    前記波長変換部材の肉薄の側方に配置された光反射部材と、
    前記光反射部材を覆う半球状の透光性部材と、
    を備えており、
    前記透光性部材の平面視において、前記波長変換部材が下記数式で表される領域を有する発光装置。
    (数9)
    r/n≦x<r
    (r:前記半球状を構成する円の半径を示す。x:透光性部材および波長変換部材の中心から前記中央部の端縁までの距離を示す。n:前記透光性部材の屈折率を示す。)
  2. 請求項1に記載の発光装置であって、
    平面視において、前記波長変換部材の面積が、前記発光素子の面積よりも大きい発光装置。
  3. 請求項2に記載の発光装置であって、さらに
    前記発光素子の側面から、前記波長変換部材の下面であって前記発光素子の外形よりも突出した領域を連続的に覆う第二透光性部材を備える発光装置。
  4. 請求項3に記載の発光装置であって、
    前記発光素子の外形よりも突出した領域が、前記波長変換部材の外周部の少なくとも一部である発光装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記透光性部材の上面と、前記波長変換部材の外周部の上面とが同一面状にある発光装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記透光性部材の平面視において、前記波長変換部材の中央部の端面と、前記発光素子の端面とが同一面にある発光装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記透光性部材の屈折率nが1.48以上1.55以下である発光装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記波長変換部材が、希土類アルミン酸塩蛍光体を含んでなる発光装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記波長変換部材が、平面視において、矩形であり、前記数式で表される領域が前記波長変換部材の角部にある発光装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記光反射部材および前記透光性部材の少なくとも一方が、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂から選択された少なくとも一種を含む発光装置。
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