[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
遊技盤1は、ベニヤ板、透明合成樹脂板などによって形成され、障害釘などが前面側に取り付けられた板部材1aと、この板部材1aの裏面側から取り付けられる裏ユニット3とから構成されている。裏ユニット3には、液晶表示装置LCDをはじめ、電飾装置、可動体役物などが組み付けられる。裏ユニット3は、板部材1aの裏面と液晶表示装置LCDの前面との間で可動体役物が出没等の動作を行うためのスペースを確保できる様に、板部材1aの裏面に取り付けられる。また、可動体等が取り付けられるセンター役物5が、板部材1aの中央開口1bを取り囲み、液晶表示装置LCDの視認領域を形成する。
遊技盤1について説明すると、図2(A)に示す様に、センター役物5は、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央に位置する様に取り付けられ、センター役物5の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物5の右上から右下にかけての部分には、右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤1には、この他、誘導レール17、普通入賞口18,18,…、アウト口19等も設置されている。
センター役物5は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈している。右打ち通路20は、遊技球を整列させながら流下させる通路幅に構成され、その下方に広がる右側遊技領域40へと遊技球を放出する。右側遊技領域40には、ゲート37が備えられると共に、第2始動入賞装置27及び普通入賞口18が設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを備えている。本実施例においては、大入賞口15も右側遊技領域40に位置させ、右打ち通路20を経由させて入賞させる大当たり遊技の方式を採用している。また、大当たり遊技終了後に確変や変短が付与された場合には、ゲート37の通過による普通図柄抽選の当選確率を「ほぼ0%の状態」から「ほぼ100%の状態」へと変更し、大当たり後も所定期間に渡って右打ち遊技を楽しませる構成も採用している。
[2 可動体の概要]
また、図2(B)に示す様に、裏ユニット3の前面側には、演出用の上部可動体110、左可動体120、右下可動体130、右上可動体140が組み付けられている。これら各可動体110〜140は、図2(A)に示す様に、動作を行う前の待機位置においては大型装飾体31と一体化している。そして、各可動体110〜140は、図2(B)に矢印で示す様に、待機位置と動作位置との間を回動動作する。これにより、図3(A)に示す様に、液晶表示装置LCDの前面に出現して可動体演出を実行する。この際、右下可動体130は、図3(B)に示す様に、シャッタ羽根135を開いてシャッタ窓136を開放するシャッタ開閉動作をも実行する。以下、右下可動体130をシャッタ付可動体130という。
これら各可動体110〜140は、上部可動体回動モータMT110、左可動体回動モータMT120、シャッタ付可動体回動モータMT130、シャッタ開閉モータMT135、右上可動体ソレノイドSOL140によって動作され、可動体演出を実行する。なお、上部可動体110の小可動部品115は、上部可動体110の回動動作に伴い、内蔵されているカム・フォロア機構によって機械的に揺動する。
本実施例では、これら回動動作やシャッタ開閉動作を精度よく実行するため、上部可動体110、左可動体120、及びシャッタ付可動体130の回動動作位置を検出する回動位置検出センサSE110,SE120,SE130が備えられている。これら回動位置検出センサSE110,SE120,SE130は、裏ユニット3側に取り付けられた透過型フォトセンサと、可動体110,120,130側に備えられた遮蔽板とによって位置検出を行うフォトインタラプタで構成されている。
また、シャッタ付可動体130には、シャッタ開閉の原位置を検出するためのシャッタ開閉位置検出センサSE135がリング枠部分の根元辺りに内蔵されている。このシャッタ開閉位置検出センサSE135も、回動位置検出スイッチSE110等と同じく透過型フォトセンサと遮蔽板とを用いたフォトインタラプタで構成されている。
なお、右上可動体140は、右上可動体ソレノイドSOL140を駆動源とするON→OFFの動作を行うだけなので、位置検出は行っていない。
[3 制御装置]
[3.1 制御装置全体]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について図4に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている特図1スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている特図2スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW37、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞装置18,18,…に備えられた入賞検知スイッチSW11〜SW14からの検知信号、及び球排出通路に備えられた排出球検知スイッチSW21の検知信号が入力される様になっている。
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、演出制御基板320は、表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、払出制御基板330を介してホールコンピュータ400へと賞球払出数等のホール管理用のデータやエラー報知等も行うことができる様に構成されている。
演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、表示制御基板370へと表示演出のための指令信号を出力している。また、演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、音声演出、発光演出、可動体演出を実行させるための指令信号を信号中継基板410へと出力する。信号中継基板410は、演出制御基板320からの指令信号を発光演出を実行するためのランプ制御基板420、音声演出を実行するための音声制御基板430、及び可動体演出を実行するためのモータ制御IC510,520,530,535、ソレノイド制御IC540へと出力する。
[3.2 演出に係る制御装置]
図5に示す様に、表示制御基板370は、演出制御基板320からの演出表示のための指令信号に基づいて、液晶表示装置LCDに対して制御信号を出力し、表示演出を実行する。また、ランプ制御基板420は、信号中継基板410を経由して受信した指令信号に基づいて、LED基板へと制御信号を出力して発光演出を実行する。同様に、音声制御基板430は、信号中継基板410を経由して受信した指令信号に基づいて、スピーカSPへと制御信号を出力して発光演出を実行する。
演出制御基板320から出力された可動体演出に関する指令信号は、信号中継基板410を経由して、モータ制御IC510,520,530,535、ソレノイド制御IC540へと入力される。モータ制御IC510,520,530,535には、それぞれモータMT110,MT120,MT130,MT135と、位置検出センサSE110,SE120,SE130,SE135が接続され、ソレノイド制御IC540にはソレノイドSOL140が接続されている。
また、本実施例では、上部可動体110と左可動体120は、単独動作による演出だけではなく、タイミングよく接近し合う連係動作による演出をも行う様に構成されている。このため、モータ制御IC510とモータ制御IC520との間でも信号の授受がなされる様に接続されている。
さらに、本実施例では、シャッタ付可動体130は、動作位置に移動した後に所定のタイミングで演出操作ボタンSが押下されたときにシャッタを開閉し、動作位置への移動が完了する前にボタン操作がなされてもシャッタを開かない演出を実行する構成としている。このため、シャッタ開閉動作を司るモータ制御IC535に対しては、位置検出センサSE130からの検出信号が入力されると共に、演出操作ボタンSからの押下信号も入力される様に接続されている。
加えて、本実施例では、上部可動体110とシャッタ付可動体130が同時に動作する演出をも行う様に構成されている。この際、動作位置におけるシャッタ付可動体130のシャッタ羽根135が、上部可動体110の戻り動作と干渉しない様に、上部可動体110の位置検出センサSE110からの検出信号がモータ制御IC135にも入力される様に接続されている。
なお、モータ制御IC510,520,530,535、ソレノイド制御IC540からの動作完了信号等は、信号中継基板410を経由して演出制御基板320へと返される様に構成されている。同じく、ランプ制御基板420,音声制御基板430からも信号中継基板410を経由して演出制御基板320へと信号が返され、表示制御基板370からも演出制御基板320へと信号が返される様になっている。これら演出制御基板320へと返される信号に基づき、本実施例では、演出制御基板320において可動体動作の不具合発生等に対する診断が可能となっている。
[3.3 可動体演出に係る制御装置]
可動体演出に係る制御装置の構成を図6に示す。本実施例においては、モータ制御IC510,520,530,535、及びソレノイド制御IC540として、複数の端子を備えると共にワンチップマイコンを搭載したIC基板を用いている。
上部可動体110の回動動作を実行するために設けられるモータ制御IC510は、一つの入力端子510aを介して指令信号を入力することができる様に信号中継基板410の出力端子410aと接続されると共に、制御対象であるモータMT110に対して駆動信号及び停止信号を出力することができる様に、出力端子510bを介してモータMT110と接続されている。また、上部可動体110の回動動作位置を検出するための位置検出センサSE110に対しては、検出信号を直接入力すると共に、反転回路512を介して反転した信号を入力する様に、二つの入力端子510c,510dを介して接続されている。
左可動体120の回動動作を実行するために設けられるモータ制御IC520も、一つの入力端子520aを介して指令信号を入力することができる様に信号中継基板410の出力端子410bと接続されると共に、制御対象であるモータMT120に対して駆動信号及び停止信号を出力することができる様に、出力端子520bを介してモータMT120と接続されている。また、左可動体120の回動動作位置を検出するための位置検出センサSE120に対しては、検出信号を直接入力すると共に、反転回路522を介して反転した信号を入力する様に、二つの入力端子520c,520dを介して接続されている。
さらに、これら上部可動体用のモータ制御IC510と、左可動体用のモータ制御IC520との間においても、互いに信号を授受できる様に、出力端子510eと入力端子520f、及び出力端子520eと入力端子510fとの間で接続がなされている。
右上可動体140の出没動作を実行するために設けられるソレノイド制御IC540は、一つの入力端子540aを介して指令信号を入力することができる様に信号中継基板410の出力端子410cと接続されると共に、制御対象であるソレノイドSOL140に対してON/OFF信号を出力することができる様に、出力端子540bを介してソレノイドSOL140と接続されている。
シャッタ付可動体130の回動動作を実行するために設けられるモータ制御IC530は、一つの入力端子530aを介して指令信号を入力することができる様に信号中継基板410の出力端子410dと接続されると共に、制御対象であるモータMT130に対して駆動信号及び停止信号を出力することができる様に、出力端子530bを介してモータMT130と接続されている。また、シャッタ付可動体130の回動動作位置を検出するための位置検出センサSE130に対しては、検出信号を直接入力すると共に、反転回路532を介して反転した信号を入力する様に、二つの入力端子530c,530dを介して接続されている。
シャッタ付可動体130に取り付けられたシャッタ羽根135の開閉動作を実行するために設けられるモータ制御IC535は、一つの入力端子535aを介して指令信号を入力することができる様に信号中継基板410の出力端子410eと接続されると共に、制御対象であるモータMT135に対して駆動信号及び停止信号を出力することができる様に、出力端子535bを介してモータMT135と接続されている。また、シャッタ羽根135の開閉動作位置を検出するための位置検出センサSE135に対しては、検出信号を直接入力すると共に、反転回路537を介して反転した信号を入力する様に、二つの入力端子535c,535dを介して接続されている。
さらに、これらシャッタ付可動体130の回動動作用のモータ制御IC530と、シャッタ羽根135の開閉動作用のモータ制御IC535との間においても信号を授受できる様に、出力端子535eと入力端子530fとの間で接続がなされている。
また、シャッタ羽根135の開閉動作用のモータ制御IC535は、上部可動体110の回動動作位置を検出するための位置検出センサSE110に対しても、その検出信号を直接入力する様に、別の入力端子535gを介して接続されている。加えて、シャッタ羽根135の開閉動作用のモータ制御IC535は、演出操作ボタンSに対しても、その操作信号を直接入力する様に、さらに別の入力端子535hを介して接続されている。
[4 可動体演出に係る制御]
次に、本実施例における可動体演出の動作内容と、そのために、各モータ制御ICのワンチップマイコンのROMに記憶させておく制御プログラムにおける処理の流れについて、図7〜図15に基づいて説明する。
[4.1 上部可動体の単独動作]
図7(A)に示す様に、上部可動体110を、待機位置から動作位置へと時計周りに振り下ろす様に回動した後、再び待機位置へと反時計周りに戻す様に往復回動させる単独動作を実行する。この回動動作は、信号中継基板410を介して上部可動体用のモータ制御IC510に対して指令信号CMD110−01が入力されたときに実行される。モータ制御IC510に内蔵されたワンチップマイコンは、図7(B)に示す様に、まず、出力端子510bを介して駆動信号を出力し(S110−01A)、モータMT110を正転させる。
ここで、可動体110の回動ギヤ部分には待機位置検出用の遮蔽板ST110と、動作完了位置検出用の遮蔽板ST111とが取り付けられている。そして、待機位置からモータを正転方向へと確実に回動動作し始めた後は、動作完了位置に至るまでの間において、位置検出センサSE110からの検出信号が直接入力される入力端子510cにはハイレベル信号が、反転入力される入力端子510dにはロウレベル信号が入力され続ける状態となる。
そして、動作完了位置に近付いて動作完了位置検出用の遮蔽板ST111によって位置検出センサSE110の光路が遮断されたときに、検出信号が直接入力される入力端子510c側には立ち下がりエッジが、反転入力される入力端子510d側には立ち上がりエッジが入力される。この最初の立ち上がりエッジの入力に応じて、モータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子510bから減速信号を出力する(S110−01B)。これにより、上部可動体110は動作完了位置の直前で減速状態となる。そして、遮蔽板ST111が光路を再び開くとき、検出信号が直接入力される入力端子510c側に立ち上がりエッジが、反転入力される入力端子510dには立ち下がりエッジが入力される。このときの立ち上がりエッジの入力を受けて、モータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子510bから停止信号を出力する(S110−01C)。既に減速状態にあることから、モータMT110は動作完了位置へと上部可動体110を精度良く振り下ろし終えた状態で停止する。
モータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンは、その後、出力端子510bから逆転信号を出力する(S110−01D)。これにより、モータMT110は、逆転を開始する。そして、動作完了位置からモータを逆転方向へと確実に回動動作し始めた後は、待機位置に至るまでの間において、位置検出センサSE110からの検出信号が直接入力される入力端子510cにはハイレベル信号が、反転入力される入力端子510dにはロウレベル信号が入力され続ける状態となる。
そして、待機位置に近付いて待機位置検出用の遮蔽板ST110によって位置検出センサSE110の光路が遮断されたときに、検出信号が直接入力される入力端子510c側には立ち下がりエッジが、反転入力される入力端子510d側には立ち上がりエッジが入力される。この最初の立ち上がりエッジの入力に応じて、モータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子510bから減速信号を出力する(S110−01E)。これにより、上部可動体110は待機位置の直前で減速状態となる。そして、遮蔽板ST110が光路を再び開くとき、検出信号が直接入力される入力端子510c側に立ち上がりエッジが、反転入力される入力端子510dには立ち下がりエッジが入力される。このときの立ち上がりエッジの入力を受けて、モータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子510bから停止信号を出力する(S110−01F)。既に減速状態にあることから、モータMT110は待機位置へと上部可動体110を精度良く戻し終えた状態で停止する。
信号中継基板410から指令信号CMD110−01を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S110−01A〜S110−01F)が上部可動体回動用のモータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.2 左可動体の単独動作]
図8(A)に示す様に、左可動体120を、待機位置から動作位置へと時計周りに所定角度だけ回動した後に再び待機位置へと反時計周りに戻す様に往復回動させる単独動作を実行する。この回動動作は、信号中継基板410を介して左可動体用のモータ制御IC520に対して指令信号CMD120−01が入力されたときに実行される。モータ制御IC520に内蔵されたワンチップマイコンは、図8(B)に示す様に、まず、出力端子520bを介して駆動信号を出力し(S120−01A)、モータMT120を正転させる。
ここで、左可動体120の回動ギヤ部分には待機位置検出用の遮蔽板ST120が取り付けられている。この左可動体120は上部可動体110に比べると長さも重量も小さく、しかも回動動作も小さな動作としてあり、慣性力による行き過ぎによる不具合は生じ難いものとなっている。このため、モータ制御IC520に内蔵されたワンチップマイコンから出力される駆動信号は、モータMT120を所定ステップ数だけ正転させる信号となっている(S120−01B)。そして、所定ステップ数だけ正転させたときに停止信号を出力する(S120−01C)。
モータ制御IC520に搭載されたワンチップマイコンは、その後、出力端子520bから逆転信号を出力する(S120−01D)。これにより、モータMT120は、逆転を開始する。この逆転開始後、待機位置に至るまでの間において、位置検出センサSE120からの検出信号が直接入力される入力端子520cにはハイレベル信号が、反転入力される入力端子520dにはロウレベル信号が入力され続ける状態となる。
そして、待機位置に近付いて待機位置検出用の遮蔽板ST120によって位置検出センサSE120の光路が遮断されたときに、検出信号が直接入力される入力端子520c側には立ち下がりエッジが、反転入力される入力端子520d側には立ち上がりエッジが入力される。この最初の立ち上がりエッジの入力に応じて、モータ制御IC520に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子520bから減速信号を出力する(S120−01E)。これにより、左可動体120は待機位置の直前で減速状態となる。そして、遮蔽板ST120が光路を再び開くとき、検出信号が直接入力される入力端子520c側に立ち上がりエッジが、反転入力される入力端子520dには立ち下がりエッジが入力される。このときの立ち上がりエッジの入力を受けて、モータ制御IC520に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子520bから停止信号を出力する(S120−01F)。既に減速状態にあることから、モータMT120は待機位置へと上部可動体120を精度良く戻し終えた状態で停止する。
なお、上述の様に慣性力の影響を受け難いにもかかわらず、逆転についてステップ数で制御しないのは、機構的な遊びや滑りなどによって待機位置へと精度良く戻すことができなくなるおそれをなくすためである。
信号中継基板410から指令信号CMD120−01を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S120−01A〜S120−01F)が上部可動体回動用のモータ制御IC520に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.3 上部可動体と左可動体の連携動作]
本実施例は、図9(A)に示す様に、上部可動体110を待機位置から動作位置へと時計周りに振り下ろす様に回動して一旦端停止させたタイミングにおいて、左可動体120を時計周りに回動させ、その後、上部可動体110と左可動体120に、それぞれ反時計周りに戻り動作させる連携動作による可動体演出も実行する様に構成されている。この連携動作を実行させる際には、信号中継基板410は、出力端子410aから指令信号CMD110−02を、出力端子410bから指令信号CMD120−02を、ほぼ同時に出力する。
すると、図9(B)の上段側のブロックに示す様に、指令信号CMD110−02を受信した上部可動体用のモータ制御IC510に内蔵されたワンチップマイコンは、出力端子510bを介して駆動信号を出力してモータMT110を正転させた後(S110−02A)、位置検出センサSE110からの検出信号が反転入力される入力端子510dに立ち上がりエッジが入力されるのを待って減速信号を出力し(S110−02B)、さらに、検出信号が直接入力される入力端子510c側に立ち上がりエッジが入力されたときに、出力端子510bから停止信号を出力すると共に、出力端子510eからも信号を出力し(S110−02C)、左可動体用のモータ制御IC520へとモータ駆動開始に相当する指令を実行する。
指令信号CMD120−02を受信した左可動体用のモータ制御IC520に内蔵されたワンチップマイコンは、図9(B)の下段側のブロックに示す様に、駆動待機状態をセットする(S120−02A)。従って、信号中継基板410からは、指令信号CMD110−02と指令信号CMD120−02がほぼ同時に出力されるものの、左可動体120は直ちに動作を開始しない。
左可動体用のモータ制御IC520に内蔵されたワンチップマイコンは、上部可動体用のモータ制御IC510からの信号を入力するための入力端子520fに対して、モータ駆動開始に相当する指令が入力されたときに、駆動待機状態を解除して所定ステップ数分の正転信号を出力端子520bから出力する(S120−02B)。これによって、モータMT120が所定ステップ数分だけ正転し、左可動体120が時計周りに回動動作する。
そして、モータMT120を所定ステップ数だけ正転させたときに、出力端子520bから停止信号を出力すると共に、出力端子520eからも信号を出力し(S120−02C)、上部可動体用のモータ制御IC510へとモータ逆転開始に相当する指令を実行する。その後、単独動作のときと同様に、逆転信号を出力し(S120−02D)、検出信号が直接入力される入力端子520c側に立ち上がりエッジが入力されたら減速信号を出力し(S120−02E)、直接入力される入力端子520c側に立ち上がりエッジが入力されたら停止信号を出力して処理を終える(S120−02F)。
一方、上部可動体110を動作完了位置で一旦停止状態としていた上部可動体用のモータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンは、左可動体用のモータ制御IC520から入力された逆転開始に相当する指令を受けたとき、図9(B)の上段側のブロックに示す様に、出力端子510bから逆転信号を出力し(S110−02D)、その後、単独動作のときと同様に、検出信号が反転入力される入力端子510d側に立ち上がりエッジが入力されたときに減速信号を出力し(S120−02E)、さらに、検出信号が直接入力される入力端子510c側に立ち上がりエッジが入力されたときに、出力端子510bから停止信号を出力して処理を終える(S120−02F)。
以上の様にして、上部可動体110と左可動体120とが連携した動作による可動体演出を、タイミングよく、正確に実行することができる。信号中継基板410から指令信号CMD110−02を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S110−02A〜S110−02F)が上部可動体回動用のモータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれ、同様に、信号中継基板410から指令信号CMD120−02を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S120−02A〜S120−02F)が左可動体回動用のモータ制御IC520に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.4 シャッタ付可動体の単純回動動作]
本実施例では、図10(A)に示す様に、シャッタ付可動体130を、待機位置から動作位置へと反時計周りに回動した後、再び待機位置へと時計周りに戻す様に往復回動させる単純回動動作を実行する。この単純回動動作は、信号中継基板410を介して指令信号CMD130−01がシャッタ付可動体用のモータ制御IC530に入力されたときに実行される。モータ制御IC530に内蔵されたワンチップマイコンは、図10(B)に示す様に、まず、出力端子530bを介して駆動信号を出力し(S130−01A)、モータMT130を正転させる。
ここで、可動体130の回動ギヤ部分には待機位置検出用の遮蔽板ST130と、動作完了位置検出用の遮蔽板ST131とが取り付けられている。そして、待機位置からモータを正転方向へと確実に回動動作し始めた後は、動作完了位置に至るまでの間において、位置検出センサSE130からの検出信号が直接入力される入力端子530cにはハイレベル信号が、反転入力される入力端子530dにはロウレベル信号が入力され続ける状態となる。
そして、動作完了位置に近付いて動作完了位置検出用の遮蔽板ST131によって位置検出センサSE130の光路が遮断されたときに、検出信号が直接入力される入力端子530c側には立ち下がりエッジが、反転入力される入力端子530d側には立ち上がりエッジが入力される。この最初の立ち上がりエッジの入力に応じて、モータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子530bから減速信号を出力する(S130−01B)。これにより、シャッタ付可動体130は動作完了位置の直前で減速状態となる。そして、遮蔽板ST131が光路を再び開くとき、検出信号が直接入力される入力端子530c側に立ち上がりエッジが、反転入力される入力端子530dには立ち下がりエッジが入力される。このときの立ち上がりエッジの入力を受けて、モータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子530bから停止信号を出力する(S130−01C)。既に減速状態にあることから、モータMT130は動作完了位置へとシャッタ付可動体130を精度良く回動し終えた状態で停止する。
モータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、その後、出力端子530bから逆転信号を出力する(S130−01D)。これにより、モータMT130は、逆転を開始する。そして、動作完了位置からモータが逆転方向へと確実に回動動作し始めた後は、待機位置に至るまでの間において、位置検出センサSE130からの検出信号が直接入力される入力端子530cにはハイレベル信号が、反転入力される入力端子530dにはロウレベル信号が入力され続ける状態となる。
そして、待機位置に近付いて待機位置検出用の遮蔽板ST130によって位置検出センサSE130の光路が遮断されたときに、検出信号が直接入力される入力端子530c側には立ち下がりエッジが、反転入力される入力端子530d側には立ち上がりエッジが入力される。この最初の立ち上がりエッジの入力に応じて、モータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子530bから減速信号を出力する(S130−01E)。これにより、シャッタ付可動体130は待機位置の直前で減速状態となる。そして、遮蔽板ST130が光路を再び開くとき、検出信号が直接入力される入力端子530c側に立ち上がりエッジが、反転入力される入力端子530dには立ち下がりエッジが入力される。このときの立ち上がりエッジの入力を受けて、モータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子530bから停止信号を出力する(S130−01F)。既に減速状態にあることから、モータMT130は待機位置へとシャッタ付可動体130を精度良く戻し終えた状態で停止する。
信号中継基板410から指令信号CMD130−01を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S130−01A〜S130−01F)がシャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.5 シャッタ羽根の単純開閉動作]
本実施例では、図11(A)に示す様に、シャッタ羽根135を、閉鎖位置から開放位置へと開放動作させた後、再び閉鎖位置へと戻す様に、シャッタ付可動体130が待機位置にある状態において、単純開閉動作を実行する。この単純開閉動作は、信号中継基板410を介して指令信号CMD135−01がシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に入力されたときに実行される。モータ制御IC535に内蔵されたワンチップマイコンは、図11(B)に示す様に、まず、出力端子535bを介して駆動信号を出力し(S135−01A)、モータMT135を正転させる。なお、モータMT135は、シャッタ羽根135を直接回動させるものではなく、6枚のシャッタ羽根135を回動可能に保持しているリング部材137を回転させることにより、シャッタ羽根135に開閉動作を実行させるリンク機構を備えている。また、このリング部材137は、モータMT135によって往復動されるアームに連結され、クランク機構と同様の仕組みによって正逆回転する構成となっている。
ここで、このリング部材137にはシャッタ窓136が閉鎖状態となる待機位置検出用の遮蔽板ST135と、シャッタ窓136が開放状態となる動作完了位置検出用の遮蔽板ST136とが取り付けられている。そして、待機位置からモータを正転方向へと確実に回動動作し始めた後は、動作完了位置に至るまでの間において、位置検出センサSE130からの検出信号が直接入力される入力端子530cにはハイレベル信号が、反転入力される入力端子530dにはロウレベル信号が入力され続ける状態となる。
そして、動作完了位置に近付いて動作完了位置検出用の遮蔽板ST136によって位置検出センサSE135の光路が遮断されたときに、検出信号が直接入力される入力端子535c側には立ち下がりエッジが、反転入力される入力端子535d側には立ち上がりエッジが入力される。この最初の立ち上がりエッジの入力に応じて、モータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子535bから減速信号を出力する(S135−01B)。これにより、リング部材137は動作完了位置の直前で減速状態となる。そして、遮蔽板ST136が光路を再び開くとき、検出信号が直接入力される入力端子535c側に立ち上がりエッジが、反転入力される入力端子535dには立ち下がりエッジが入力される。このときの立ち上がりエッジの入力を受けて、モータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子535bから停止信号を出力する(S135−01C)。既に減速状態にあることから、モータMT135は動作完了位置へとリング部材137を精度良く回動し終えた状態で停止する。これにより、6枚のシャッタ羽根135がシャッタ窓136を開放し終えた状態となる。
モータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンは、その後、出力端子535bから逆転信号を出力する(S135−01D)。これにより、モータMT135は、逆転を開始する。そして、動作完了位置からモータが逆転方向へと確実に回動動作し始めた後は、待機位置に至るまでの間において、位置検出センサSE135からの検出信号が直接入力される入力端子535cにはハイレベル信号が、反転入力される入力端子535dにはロウレベル信号が入力され続ける状態となる。
そして、待機位置に近付いて待機位置検出用の遮蔽板ST135によって位置検出センサSE135の光路が遮断されたときに、検出信号が直接入力される入力端子535c側には立ち下がりエッジが、反転入力される入力端子535d側には立ち上がりエッジが入力される。この最初の立ち上がりエッジの入力に応じて、モータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子535bから減速信号を出力する(S135−01E)。これにより、リング部材137は待機位置の直前で減速状態となる。そして、遮蔽板ST136が光路を再び開くとき、検出信号が直接入力される入力端子535c側に立ち上がりエッジが、反転入力される入力端子535dには立ち下がりエッジが入力される。このときの立ち上がりエッジの入力を受けて、モータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンは、出力端子535bから停止信号を出力する(S135−01F)。既に減速状態にあることから、モータMT135は待機位置へとリング部材137を精度良く戻し終えた状態で停止する。これにより、6枚のシャッタ羽根135がシャッタ窓136を閉鎖し終えた状態となる。
信号中継基板410から指令信号CMD135−01を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S135−01A〜S135−01F)がシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.6 シャッタ付可動体の複合動作]
本実施例では、図12(A)に示す様に、シャッタ付可動体130を動作位置へと回動した状態において、シャッタ羽根135を開閉動作させた後、シャッタ付可動体130を再び待機位置へと戻す様に回動させるシャッタ付可動体の複合動作も可動体演出として実行する様に構成されている。この複合動作を実行させる際には、信号中継基板410は、出力端子410dから指令信号CMD130−02を、出力端子410eから指令信号CMD135−02を、ほぼ同時に出力する。
すると、図12(B)の上段側のブロックに示す様に、指令信号CMD130−02を受信したシャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に内蔵されたワンチップマイコンは、出力端子530bを介して駆動信号を出力してモータMT130を正転させた後(S130−02A)、位置検出センサSE130からの検出信号が反転入力される入力端子530dに立ち上がりエッジが入力されるのを待って減速信号を出力し(S130−02B)、さらに、検出信号が直接入力される入力端子530c側に立ち上がりエッジが入力されたときに、出力端子530bから停止信号を出力する(S130−02C)。この動作においては、シャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530のワンチップマイコンは、直ちに逆転信号は出力せず、ここで、動作を一旦停止した状態となる。
指令信号CMD135−02を受信したシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に内蔵されたワンチップマイコンは、図12(B)の下段側のブロックに示す様に、駆動待機状態をセットする(S135−02A)。従って、信号中継基板410からは、指令信号CMD130−02と指令信号CMD135−02が同時に出力されるものの、シャッタ羽根135の開閉動作は直ちに開始されない。
シャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に内蔵されたワンチップマイコンは、シャッタ付可動体130の動作位置検出用の位置検出センサSE130から立ち上がりエッジが入力されたときに、駆動信号を出力し(S135−02B)、その後、単純開閉動作と同様に、シャッタ開閉動作を実行する(S135−02C,S135−02D,…)。そして、出力端子535bから停止信号を出力するときに、シャッタ付可動体回動用のモータ制御IC535に接続されている出力端子535eからモータ逆転開始に相当する指令を出力する(S135−02G)。
シャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、この逆転開始に相当する指令が入力端子530fを介して入力されたことを契機として、図12(B)の上段側のブロックに示す様に、単純回動動作における戻し動作と同様に、出力端子530bから逆転信号を出力し、減速・停止を行って待機位置へとシャッタ付可動体130を戻して処理を終了する(S130−02D〜S130−02F)。
以上の様にして、シャッタ付可動体130が動作位置へと回動した状態において、シャッタ羽根135の開閉動作を実行する可動体演出を、タイミングよく、正確に実行することができる。信号中継基板410から指令信号CMD130−02を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S130−02A〜S130−02F)がシャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれ、同様に、信号中継基板410から指令信号CMD135−02を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S135−02A〜S135−02G)がシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.7 遊技者参加型シャッタ開閉動作]
本実施例では、図13(A)に示す様に、シャッタ付可動体130を動作位置へと回動した状態において、所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタンSを操作したときにシャッタ羽根135を開閉動作させ、遊技者が操作をしなかったり、あるいは操作のタイミングが適正でなかったときはシャッタ開閉動作を行うことなくシャッタ付可動体を待機位置へと戻す遊技者参加型シャッタ開閉動作をも可動体演出として実行する様に構成されている。この遊技者参加型シャッタ開閉動作を実行させる際には、信号中継基板410は、出力端子410dから指令信号CMD130−03を、出力端子410eから指令信号CMD135−03を、ほぼ同時に出力する。
すると、図13(B)の上段側のブロックに示す様に、指令信号CMD130−03を受信したシャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に内蔵されたワンチップマイコンは、出力端子530bを介して駆動信号を出力してモータMT130を正転させた後、位置検出センサSE130からの検出信号が反転入力される入力端子530dに立ち上がりエッジが入力されるのを待って減速信号を出力し、さらに、検出信号が直接入力される入力端子530c側に立ち上がりエッジが入力されたときに、出力端子530bから停止信号を出力し、一旦停止させる(S130−03A〜S130−03C)。
指令信号CMD135−03を受信したシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に内蔵されたワンチップマイコンは、図13の下段側のブロックに示す様に、駆動待機状態をセットし(S135−03A)、位置検出センサSE130から立ち上がりエッジが入力されたときに、タイムカウントを開始する(S135−03B)。そしてタイムアップする前に演出操作ボタンSが操作されたときに初めて、駆動信号を出力し(S135−03C:YES)、その後、動作位置シャッタ開閉動作と同様に、シャッタ開閉動作を実行した後に、出力端子535eからモータ逆転開始に相当する指令を出力する(S135−03D〜S135−03J)。
一方、演出操作ボタンSが操作されることなくタイムアップしたときは(S135−03B:NO)、駆動信号を出力することなく、出力端子535eからモータ逆転開始に相当する指令を出力する。
シャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、図13(B)の上段側のブロックに示す様に、これらシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535側でのいずれかの処理の結果として逆転開始に相当する指令が入力端子530eを介して入力されたことを契機として、出力端子530bから逆転信号を出力し、その後、単純回動動作と同様に、待機位置へとシャッタ付可動体130を戻して処理を終了する(S130−03D〜S130−03F)。
以上の様にして、シャッタ付可動体130が動作位置へと回動した状態において、遊技者がタイミングよく演出操作ボタンSを操作したときにだけシャッタ羽根135の開閉動作を実行する可動体演出を、タイミングよく、正確に実行することができる。
信号中継基板410から指令信号CMD130−03を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S130−03A〜S130−03F)がシャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれ、同様に、信号中継基板410から指令信号CMD135−03を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S135−03A〜S135−03J)がシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.8 上部可動体とシャッタ付可動体の連携動作]
本実施例では、図14(A)に示す様に、上部可動体110の回動動作とシャッタ付可動体130の動作位置でのシャッタ開閉動作からなる連携動作を可動体演出として実行する様にも構成されている。この上部可動体とシャッタ付可動体の連携動作を実行させる際には、信号中継基板410は、出力端子410aから指令信号CMD110−04を、出力端子410dから指令信号CMD130−04を、出力端子410eから指令信号CMD135−04を、ほぼ同時に出力する。
すると、図14(B)の上段のブロックに示す様に、指令信号CMD110−04を受信した上部可動体用のモータ制御IC510に内蔵されたワンチップマイコンは、出力端子510bを介して駆動信号を出力してモータMT110を正転させた後、位置検出センサSE110からの検出信号が反転入力される入力端子510dに立ち上がりエッジが入力されるのを待って減速信号を出力し、さらに、検出信号が直接入力される入力端子510c側に立ち上がりエッジが入力されたときに、出力端子510bから停止信号を出力すると共に、出力端子510eからも信号を出力し、左可動体用のモータ制御IC520へとモータ駆動開始に相当する指令を実行する(S110−04A〜S110−04F)。
また、指令信号CMD130−04を受信したシャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に内蔵されたワンチップマイコンは、図14(B)の下段のブロックに示す様に、出力端子530bを介して駆動信号を出力してモータMT130を正転させた後、位置検出センサSE130からの検出信号が反転入力される入力端子530dに立ち上がりエッジが入力されるのを待って減速信号を出力し、さらに、検出信号が直接入力される入力端子530c側に立ち上がりエッジが入力されたときに、出力端子530bから停止信号を出力し、一旦停止させる(S130−04A〜S130−04C)。
指令信号CMD135−04を受信したシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に内蔵されたワンチップマイコンは、図14(B)の中段のブロックに示す様に、駆動待機状態をセットし(S135−04A)、上部可動体110の動作位置を検出する位置検出センサSE130から立ち上がりエッジが2回入力されたときに、駆動信号を出力し(S135−04B)、その後、動作位置シャッタ開閉動作と同様に、シャッタ開閉動作を実行した後に(S135−04C,S135−04D,…)、出力端子535eからモータ逆転開始に相当する指令を出力する(S135−04G)。
シャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンは、これらシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535から出力された逆転開始に相当する指令が入力端子530eを介して入力されたことを契機として、図14(B)の下段のブロックに示す様に、出力端子530bから逆転信号を出力し、その後、単純回動動作と同様に、待機位置へとシャッタ付可動体130を戻して処理を終了する(S130−04D〜S135−04F)。
以上の様にして、上部可動体110とシャッタ付可動体130を液晶表示装置LCDの中央部へ向かってほぼ同時に振り出し、上部可動体110が待機位置へと復帰させた後に、シャッタ付可動体130側において動作位置でのシャッタ開閉動作を実行する可動体演出を実行することにより、上部可動体110の回動動作と動作位置でのシャッタ開閉動作とが連携した可動体演出を可動体同士の干渉を的確に回避しつつ実行することができる。
信号中継基板410から指令信号CMD110−04を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S110−04A〜S110−04F)が上部可動体用のモータ制御IC510に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれ、同様に、信号中継基板410から指令信号CMD130−04を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S130−04A〜S130−04F)がシャッタ付可動体回動用のモータ制御IC530に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれ、同様に、信号中継基板410から指令信号CMD135−04を受信したときに以上の動作を実行するための制御プログラム(S135−04A〜S135−04G)がシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に搭載されたワンチップマイコンのROMに予め書き込まれている。
[4.9 シャッタ羽根の開閉繰り返し動作]
本実施例では、図15(A)に示す様に、シャッタ羽根135の開閉動作を複数回繰り返し実行する可動体演出も備えられている。この開閉繰り返し動作は、信号中継基板410を介して指令信号CMD135−05がシャッタ羽根開閉用のモータ制御IC535に入力されたときに実行される。モータ制御IC535に内蔵されたワンチップマイコンは、図15(B)に示す様に、まず、出力端子535bを介して正転信号を出力する(S135−05A)。これにより、モータMT135は、シャッタ羽根135を開く方向へと正転する。
シャッタ羽根135の開放動作が開始した後に反転入力の入力端子535d側に立ち上がりエッジが入力されたとき、出力端子535bから逆転信号を出力する(S135−05B)。これにより、モータMT135は、シャッタ羽根135を閉じる方向へと逆転する。シャッタ羽根135の閉鎖動作が開始した後に直接入力の入力端子535c側に立ち上がりエッジが入力されたとき、出力端子535bから正転信号を出力する(S135−05C)。これにより、モータMT135は再び、シャッタ羽根135を開く方向へと正転する。シャッタ羽根135の開放動作が開始した後に反転入力の入力端子535d側に立ち上がりエッジが入力されたとき、出力端子535bから逆転信号を出力する(S135−05D)。これにより、モータMT135は再び、シャッタ羽根135を閉じる方向へと逆転する。
こうしてシャッタ羽根135の開閉動作を繰り返した後、反転入力の入力端子535dへの立ち上がりエッジの入力に応じて出力端子535bから減速信号を出力し(S135−05E)、直接入力の入力端子535cへの立ち上がりエッジの入力を受けて出力端子535bから停止信号を出力する(S135−05F)。
この開閉繰り返し動作においては、どちらの入力端子に立ち上がりエッジが入力されたかによりリング部材137の回転方向を認識し、開閉動作を繰り返すことができる。
[5 主制御基板の記憶部の構成]
主制御基板310は、図16(A)に示す様に、特図1スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特図1判定用乱数を最大4個、特図2スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特図2判定用乱数を最大4個、それぞれ保留記憶しておくために、RAM内に、特図1保留記憶部311及び特図2保留記憶部312を備えている。これら特図1保留記憶部311,特図2保留記憶部312には、それぞれ乱数取得順に従って始動保留情報が記憶される。なお、本実施例では、始動保留情報の読み出しに当たっては、特図1保留記憶部311及び特図2保留記憶部312の全体の中で乱数記憶順の早いものから順番に読み出す構成としている。
特図1判定用乱数及び特図2判定用乱数は、それぞれ、「当たり/はずれ判定用乱数(乱数1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3)」、及び「変動パターン振分用乱数(乱数4)」から構成される。乱数1は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてハードウェアロジックによって取得され、乱数2〜4は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてソフトウェアロジックによって取得される。
主制御基板310は、所定のタイミングで実行する判定処理において、乱数1が予め設定された「大当たり判定値」と一致するときに「大当たり」と判定し、一致しない場合は「はずれ」と判定する。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。
乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、例えば、「2R」「7R」「15R」など、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。「2R」「7R」「15R」とは、特別遊技のラウンド数を意味する。なお、本実施例では、「2R」の場合は、短時間だけ大入賞口を開閉する動作となっていて実質的な出玉は期待できない遊技態様としている。
この他、乱数2による振り分けでは、「大当たり」のラウンド数が15回であっても、(1)30秒間に渡って特別入賞口15を開放する「長時間開放動作」を1ラウンドとして15回実行する特別遊技の態様、(2)途中のラウンド(例えば、7ラウンド)までを「長時間開放動作」のラウンドで構成し、残りラウンドは特別入賞口15を短時間(例えば、数秒あるいは1秒以下)だけ開放する「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、(3)15ラウンドの全てを上述の「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、のいずれかへと振り分ける構成とすることもできる。さらに、特別遊技終了後の「変短状態」の継続回数を40回、70回、100回などと複数種類設定し、これらの中のいずれかへ振り分けるための「当たり種別判定」を行う構成を備えることもできる。
乱数3は、乱数1が「はずれ」の場合に、後述の特図開始処理において「はずれリーチ」の有無を決定するのに用いられる。なお、本実施例では、乱数1が「当たり」の場合は、リーチ演出が実行されることとなっているので、この乱数3は、実質的には意味のないものとなる。
乱数4によって振り分けられる「変動パターン」は、「変動時間の長さ」を決定するものとなる。本実施例においては、この変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図16(B)に示す様に、通常状態用の変動パターンテーブル315と、変短状態用の変動パターンテーブル316が、主制御基板310のROMに記憶されている。ここで、通常状態用の変動パターンテーブル315における平均変動時間T=T0と変短状態用の変動パターンテーブル316における平均変動時間T1は、T0>T1の関係になる様に設定されている。
[6 演出制御基板の記憶部の構成]
演出制御基板320には、表示演出、発光演出、音声演出、及び可動体演出のための演出データ記憶手段325が備えられている。この演出データ記憶手段325には、図17(A)に示す様に、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDHと、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDVと、デモ中に実行するデモ中演出データDMと、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZとが記憶されている。
変動ゲーム中演出データDHnは、図17(B)に示す様に、背景表示用データ(DHn1)、キャラクタ表示用データ(DHn2)、発光演出用データ(DHn3)、音声演出用データ(DHn4)、及び可動体演出用データ(DHn5)の組み合わせとなっている。ここで、例えば、可動体演出を実行しない演出ならば、DHn5がブランクデータとなる。なお、大当たり中演出データDV、デモ中演出データDMも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成される。
大当たり中演出データDVは、大当たり種別に応じてDV1,DV2,…が備えられている。同様に、デモ中演出データDMは、デモ1用(DM1)、デモ2用(DM2)、…と複数パターンを備えている。
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、通常状態用変動パターンテーブル315に対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、変短状態用変動パターンテーブル316に対応する飾り図柄変動時間となる変短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶手段325に記憶されている。
表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データDHn1に従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データDHn2が存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1と1対1の対応であるが、飾り図柄変動パターンについては、変動パターン1に対して飾図1a,飾図1b,…の様に、複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
可動体演出用データ(DHn5)は、上述した[4.1 上部可動体の単独動作]、[4.2 左部可動体の単独動作]、[4.3 上部可動体と左可動体の連携動作]、[4.4 シャッタ付可動体の単純回動動作]、[4.5 シャッタ羽根の単純開閉動作]、[4.6 シャッタ付可動体の複合動作]、[4.7 遊技者参加型シャッタ開閉動作]、[4.8 上部可動体とシャッタ付可動体の連携動作]、[4.9 シャッタ羽根の開閉繰り返し動作]、以外に、右上可動体140の出没動作などを特定するデータとなっている。
[7 主制御基板における遊技性に関する制御処理の概要]
主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2、入賞検知センサSW7,SW11〜SW14からの入賞検知信号が入力されると、各スイッチに対応する賞球払出個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御基板330に対して出力する賞球払出処理を実行している。これを受けて、払出制御基板330は、遊技球の入賞口に対応して予め定められた個数の賞球の払出動作を実行する。
また、主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2のいずれかから検知信号が入力されると、特別図柄を決定するための乱数を取得し、その結果を始動保留情報としてRAMに記憶する特図入力処理を実行している。本実施例においては、始動保留情報として第1特図スイッチSW1による検知信号に基づく始動保留情報(特図1始動保留情報)を最大4個、第2特図スイッチSW2による検知信号に基づく始動保留情報(特図2始動保留情報)を最大4個記憶することができる構成となっている。
主制御基板310は、こうしてRAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器TKZに実行させると共に、演出制御基板320を介して音声演出、発光演出、表示演出、可動体演出等を実行させるための特図開始処理を実行している。この特図開始処理では、始動保留情報に基づく抽選処理の結果により、「変動パターン」および「最終停止図柄」を決定し、演出制御基板320に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的には、主制御基板310は、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器TKZを制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器TKZの表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
[8 演出御基板における遊技性に関する制御処理の概要]
演出制御基板320は、主制御基板310からの変動コマンドを受信することによって変動演出を実行する。この変動演出は、特別遊技中でなく、デモ表示状態でもないときに実行される。演出制御基板320は、変動コマンドを受信したら、今回の表示演出に用いる飾り図柄変動演出データDKZと変動ゲーム中演出データDHとを決定する。
ここで、本実施例においては、演出データ記憶手段325には、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の飾り図柄変動演出データDKZが記憶されているから、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDKZの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDKZを抽選によって決定する。
また、演出データ記憶手段325には、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の変動ゲーム中演出データDHが記憶されているから、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDHの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDHを抽選によって決定する。
こうして決定したDH,DKZに対応するデータを演出データ記憶手段325から読み出し、変動演出を開始する。変動ゲーム中演出データDHによる演出は、主制御基板310から全図柄停止コマンドを受信したときに、飾り図柄変動演出における確定図柄の停止を行って終了する。この飾り図柄変動表示における確定図柄停止のタイミングは、主制御基板310による特図表示器TKZへの特別図柄確定のタイミングと同期している。
なお、特別遊技中であるときは、変動ゲーム中演出データDHではなく大当たり中演出データDVを読み出し、大当たり中演出を実行する。また、デモ表示タイミングであるときは、デモ中演出データDMを読み出し、デモ中演出を実行する。
本実施例においては、これら変動ゲーム中演出、大当たり中演出、デモ中演出での発光演出として、遊技盤1に備えた装飾ランプによる役物発光演出に加えて、前枠Dに備えた装飾ランプによる枠発光演出も実行している。演出制御基板320の演出データ記憶手段325には、変動ゲーム中演出において実行する枠発光演出のためのデータについても、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定した複数の演出データを記憶させてある。
[9 可動体動作に関するエラー報知処理]
本実施例のパチンコ機Pは、上述した[4.1 上部可動体の単独動作]、[4.2 左部可動体の単独動作]、[4.3 上部可動体と左可動体の連携動作]、[4.4 シャッタ付可動体の単純回動動作]、[4.5 シャッタ羽根の単純開閉動作]、[4.6 シャッタ付可動体の複合動作]、[4.7 遊技者参加型シャッタ開閉動作]、[4.8 上部可動体とシャッタ付可動体の連携動作]、[4.9 シャッタ羽根の開閉繰り返し動作]及び右上可動体140の出没動作に不具合が生じているか否かを判定し、当該判定の結果、動作の不具合が発生した可動体があるときは、当該不具合が発生した可動体を特定する処理を、電源投入時のイニシャル動作に関連する制御処理として実行する様に構成されている。そして、このイニシャル動作に関連する制御処理において動作の不具合があると特定された可動体があるときは、当該可動体による可動体演出を制限し、かつ、液晶表示装置LCDにエラー報知情報を表示する処理も実行する様に構成されている。以下、これら可動体動作に関するエラー報知処理について説明する。
[9.1 可動体に関するイニシャル動作用データ]
本実施例においては、演出制御基板320の演出データ記憶手段325には、図17(A)に示す様に、上述のイニシャル動作を可動体に実行させるためのイニシャル動作用データDIが記憶されている。このイニシャル動作用データDIは、変動ゲーム中演出データDHnにおける可動体演出用データ(DHn5)に対応するデータのみによって構成され、[4.1 上部可動体の単独動作]〜[4.9 シャッタ羽根の開閉繰り返し動作]及び右上可動体140の出没動作のそれぞれを実行させる契機を与えるためのデータとなっている。なお、[4.7 遊技者参加型シャッタ開閉動作]については、演出操作ボタンSの押下に相当する信号を所定のタイミングにおいて擬似的に出力するデータとして構成されている。
[9.2 可動体に関するイニシャル動作]
演出制御基板320は、図18(A)に示す制御系統により、モータ制御IC510等に対して上述した可動体動作を実行させ、モータ制御IC510等から返信されてくる情報に基づいてイニシャル動作において可動体の動作に不具合が生じているか否かの判定を実行している。
演出制御基板320は、主制御基板310を介して電源投入時のイニシャル動作の実行指令を受信すると、図18(B)に示す制御処理を開始する。この制御処理において、演出制御基板320は、n=1とした上で(S1010)、イニシャル動作用データDInを読み出し(S1020)、信号中継基板410へと出力し(S1030)、タイマをリセットスタートすると共に(S1040)、信号中継基板410からの返信を待つ(S1050)。
信号中継基板410は、演出制御基板320から受信したイニシャル動作用データを受信したら、図18(C)に示す様に、当該データによる動作確認の対象となる可動体動作実行用の制御基板へと動作の契機となる信号を出力し(S2010)、当該制御基板からの返信を待つ(S2020)。
本実施例においては、モータ制御IC510等の可動体動作実行用の制御基板は、契機信号が入力されると上述した[4.1 上部可動体の単独動作]等の可動体演出動作を実行し、動作が完了したときに完了信号を信号中継基板410へと返信する。
信号中継基板410は、動作確認の対象となる制御基板からの返信があったら(S2020:YES)、直ちに演出制御基板320へと完了信号を送信する(S2030)。
図18(B)に戻り、演出制御基板320は、信号中継基板410からの完了信号を受信したら(S1050:YES)、直ちにタイマを停止し(S1060)、今回送信したイニシャル動作確認用データについて正常動作か否かを判定するために予め記憶しておいた判定基準値TKnとタイマ値TMnとを対比し(S1070)、タイマ値TMnが判定基準値TKnに対してプラス側許容値△TK+を超えた状態になっているか否かを判定する(S1080)。演出制御基板320は、(TMn−TKn)<△TK+と判定した場合は(S1080:NO)、タイマ値TMnが判定基準値TKnに対してマイナス側許容値△TK−を超えた状態になっているか否かを判定する(S1090)。そして、演出制御基板320は、(TKn−TMn)<△TK−と判定した場合は(S1090:NO)、イニシャル動作用データDInに対するエラーコードERDInとして「=0(正常動作)」を記録する(S1110)。
ここで、演出制御基板320は、(TMn−TKn)≧△TK+と判定した場合は(S1080:YES)、イニシャル動作用データDInに対するエラーコードERDInとしてて「=1(遅延動作)」を記録し(S1120)、(TKn−TMn)≧△TK−と判定した場合は(S1090:YES)、イニシャル動作用データDInに対するエラーコードERDInとして「=2(過剰動作)」を記録する(S1130)。
また、演出制御基板320は、S1050で返信を待つ間にタイムアップしたか否かの判定も実行している(S1055)。そして、返信が到達する前にタイムアップした場合は(S1055:YES)、イニシャル動作用データDInに対するエラーコードERDInとして「=3(動作不能)」を記録する(S1140)。
こうしてイニシャル動作用データDInに関する判定が完了したら、全てのイニシャル動作用データについて判定が完了しているか否かを判断し(S1200)、完了していない場合はnをインクリメントしてS1020の処理へと戻る(S1210)。こうして、二つ目のイニシャル動作用データDI02、三つ目のイニシャル動作用データDI03、四つ目のイニシャル動作用データDI04、・・・、と動作確認を順次実行し、全てのイニシャル動作用データについて動作確認が完了したら(S1200=YES)、本処理を終了する。
[9.3 可動体に関するエラー報知]
演出制御基板320は、図19(A)に示す制御系統により、イニシャル動作の結果を受けたエラー報知処理を実行している。
演出制御基板320は、可動体に関するイニシャル動作処理が完了したら、図19(B)に示す様に、n=1とした上で(S1300)、イニシャル動作用データDInに対して記録されたエラーコードERDInを読み出し(S1310)、「=3(動作不能)」が記録されているか否かを判定する(S1320)。「ERDIn=3」が記録されているときは(S1320:YES)、演出制御基板320は、当該イニシャル動作用データDInによる可動体演出の対象となった可動体番号KDnを特定し(S1330)、当該可動体KDn と「動作不能」を意味するエラー内容データDER3を対応付けて記録する(S1340)。
S1310で読み出したエラーコードERDInが「=3(動作不能)」」でなかったときは(S1320:NO)、演出制御基板320は、ERDInに対して「=2(過剰動作)」が記録されているか否かを判定する(S1350)。「ERDIn=2」が記録されているときは(S1350:YES)、演出制御基板320は、当該イニシャル動作の対象となった可動体KDnを特定し(S1360)、当該可動体について「過剰動作」を意味するエラー内容データDER2を対応付けて記録する(S1370)。
S1310で読み出したエラーコードERDInが「=2(過剰動作)」」でなかったときは(S1350:NO)、演出制御基板320は、ERDInに対して「=1(遅延動作)」が記録されているか否かを判定する(S1380)。「ERDIn=1」が記録されているときは(S1380:YES)、演出制御基板320は、当該イニシャル動作の対象となった可動体KDnを特定し(S1390)、当該可動体について「遅延動作」を意味するエラー内容データDER1を対応付けて記録する(S1400)。
次に、演出制御基板320は、nをインクリメントし(S1410)、nの値がイニシャル動作用データの個数より大きくなったか否かを判定する(S1420)。S1420が「YES」の場合は、本処理を終了し、「NO」の場合はS1310へと戻る。なお、なお、演出制御基板320は、「動作不能」、「遅延動作」、「過剰動作」のいずれも記録されていないときも(S1320:NO,S1350:NO,S1380:NO)、S1410,S1420へと進む。
本実施例においては、イニシャル動作の対象となっている可動体ごとに、同一の可動体について複数の動作があるときは擬似的に別の可動体であるものと認識し得る様に、可動体番号KDnを付与している。可動体番号KDnの付与例は以下の通りである。
KD1・・・上部可動体110(MT110によるスイング動作)
KD2・・・左可動体120(MT120によるスイング動作)
KD3・・・右下可動体130(MT130によるスイング動作)
KD4・・・右下可動体130(MT135によるシャッタ開閉動作)
KD5・・・右下可動体130(MT130によるスイング動作及びMT135によるシャッタ開閉動作)
KD6・・・右上可動体140(SOL140による出没動作)
演出制御基板320は、イニシャル動作用データ毎にエラー報知情報を記録する処理が完了したら、図20に示す様に、まず、エラー報知内容データDER1〜DER3のいずれかが対応付けられた可動体番号KDnが存在するか否かを判定する(S1510)。演出制御基板320は、S1510の判定が「NO」の場合はそのまま本処理を終了する。一方、演出御基板320は、S1510の判定が「YES」の場合は、エラー内容データDER1〜DER3のいずれかが対応付けられた可動体番号KDnを抽出し(S1520)、S1520で抽出した可動体番号KDnに対する動作制限フラグFDlimitをONに設定する(S1530)。
次に、演出制御基板320は、可動体エラー表示用の基本画像を読み出す(S1540)。この基本画像は、遊技盤全体のイメージ画像である。
続いて、演出制御基板320は、動作制限フラグFDlimitをONに設定した可動体番号KDnに対応するエラー内容データDER1〜3のいずれかを記録することとなったイニシャル動作用データDInを読み出す(S1550)。次に、演出制御基板320は、S1550で読み出したイニシャル動作用データDInに対応するイニシャル動作イメージ画像を読み出す(S1560)。
そして、演出制御基板320は、S1550,S1560の処理がエラー内容データDER1〜DER3のいずれかが対応付けられた可動体番号KDnの全てについて完了したか否かを判定する(S1570)。完了していない場合は(S1570:NO)、S1550以下の処理を繰り返す。
こうしてエラー内容データDER1〜DER3のいずれかが対応付けられた可動体番号KDnの全てについてイニシャル動作イメージ画像の読み出しが完了したら(S1570:YES)、音声制御基板430に対して「イニシャル動作エラー情報」の音声出力を指令すると共に(S1610)、表示制御基板370に対してS1540で読み出した基本画像を液晶表示装置LCDに表示させ、さらに、S1560で読み出したイニシャル動作イメージ画像と対応するエラー内容データに対応する文字情報とを基本画像の前面に重ねて液晶表示装置LCDに表示させる指令を表示制御基板370に対して出力する(S1620,S1630)。このとき、S1560で読み出したイニシャル動作イメージ画像が複数個存在する場合は、所定時間毎に表示を切り替える態様となる様に液晶表示装置LCDに表示させる。
これにより、図21に例示する様に、電源投入後のイニシャル動作において不具合のあった可動体を、当該不具合のあった動作及び不具合の内容と共に液晶表示装置LCDに表示することができる。そして、これらの表示を行う際に、音声によってエラーの発生を報知すると共に、液晶表示装置LCDにおいて遊技盤全体のイメージ画像の中にイメージ画像で表示された可動体と、その動作と、エラー内容メッセージ及び対策メッセージによる示唆とを、適確にホールスタッフに伝達することができる。本実施例では、各動作において駆動されるモータ及び動作確認用のセンサも図において理解できる様に表示している。
[10 可動体動作の制限]
本実施例では、イニシャル動作において不具合の発生した可動体動作に対しては動作制限フラグFDlimitが「ON」とされる。この情報は、演出制御基板320から信号中継基板410へと送信され、信号中継基板410側に記録する。これにより、変動演出のパターンとして可動体演出に関するデータが信号中継基板410へと送信された場合にあっては、信号中継基板410はその出力を行わないことで、可動体動作におけるさらなる不具合、例えば可動体同士の干渉など、の発生を防止することとしている。
[11 リセット処理]
可動体演出に不具合があることをホール側で認識し、簡単な対策で不具合を解消できる場合は、これを実行した後に、RAMクリアを実行する。このRAMクリアを契機として、動作制限フラグFDlimitを「OFF」にし、[9.2 可動体に関するイニシャル動作]以下の処理を実行する。これにより、動作の不具合の内、解消可能なものについては営業開始前に動作制限を解除することができる。
なお、このRAMクリアの措置は、対策前に実行してもよい。これはエラー報知が行われた遊技機におけるエラーの発生状況を目視確認することにより、対策の効果を知る上で有効な措置である。この際、イニシャル動作において発生したエラーにつき、図21に例示した態様で表示がなされることから、RAMクリアを実行したときにホール関係者がどこに注目したらよいかが明確であるから、不具合の発生状況を見落とすことなく確認することができる。
[12 営業中に生じた可動体動作の不具合]
なお、本実施例においては、モータ制御IC等から完了信号を返信させる構成としているから、演出制御基板320は可動体動作の契機を与えるだけの構成であっても、変動演出等に際して可動体動作に不具合が発生したことをチェックすることも可能である。この場合に、イニシャル動作に対してチェックしたのと同様に可動体動作の不具合に対し、可動体を特定し、動作制限フラグをONにしてその後の遊技に影響のない状態とする。その上で、遊技が終了等してデモ状態等に移行したときに、エラー報知を実行する。なお、デモ状態等の遊技中の演出が実行されていない状態になって始めてエラー報知を発動させるので、液晶表示装置LCDにおける変動演出等を妨げることがない。そして、エラー報知があったときは、ホールスタッフが実際に確認し、その後の営業に供することが可能なものか否かを判断等するに当たって、表示によるエラー報知が役立つ。
以上説明した様に、本実施例によれば、可動体の動作に不具合がある場合にこれを適確に報知することができる。
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
例えば、遊技盤に限ることなく、前枠などに装備した可動体についても動作チェックの対象とし、エラー報知に当たっては遊技機全体のイメージ図の中で動作に不具合のあった可動体を示す様にしてもよい。また、遊技機や遊技盤の全体ではなく、不具合のあった可動体の設置場所付近のイメージ図の中で可動体を示す様にしてもよい。加えて、パチンコ機に限らず、可動体演出を実行するスロットマシンに本発明を適用しても構わない。