本実施形態に係る遊技機は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、遊技者にとって有利な大当たり遊技へ移行するか否かの抽選を行う大当たり遊技抽選手段と、識別情報の変動表示及び停止表示を行う表示手段と、この表示手段に変動表示された前記識別情報を停止表示させるために遊技者による停止操作が可能な停止操作手段と、この停止操作手段が遊技者により操作されたタイミングを検知する操作タイミング検知手段と、所定の条件を満たしたときに、前記識別情報の変動表示を開始させるとともに、前記停止操作手段が遊技者により停止操作されたタイミングに応じた態様で、前記表示手段に変動表示された識別情報を停止表示させるスロットゲームを実行するスロットゲーム実行制御手段と、前記遊技盤に設けた複数の可動体と、これら可動体の動作制御を行う可動体制御手段と、を備えるものであり、前記可動体制御手段は、前記停止操作手段の遊技者による停止操作に基づき、前記各可動体の動作態様の組み合わせが遊技状態に応じた組み合わせ態様となるように各可動体の動作制御を行うことを特徴とするものである。
この遊技機では、遊技者が後述の発射ハンドルを回動操作することにより、遊技球を遊技盤上の遊技領域へ発射させ、その遊技球が遊技盤上に設けられた入賞口に入賞すると、その入賞した遊技球の個数に応じた個数の遊技球(賞球)を遊技者へ払い出すように構成している。
また、この遊技機では、遊技球が遊技盤上の所定の入賞口(始動口)に入賞したことを契機に、大当たり遊技抽選手段が遊技者にとって有利な大当たり遊技へ移行するか否かの抽選を行い、この抽選に当選すると、遊技状態を通常の遊技状態から遊技者にとって比較的有利な大当たり遊技状態へ移行させるように構成している。なお、この大当たり遊技状態では、遊技盤上の特定の入賞口(大入賞口)を所定時間遊技球が入賞しやすい開放状態に変位させて、遊技者がより多くの賞球を獲得できるようにしている。
本実施形態では、遊技機の内部に設けた後述の制御部が、遊技を行うための各種プログラムを実行することにより、上記大当たり遊技抽選手段等として機能する。
また、この遊技機は、遊技状態として、大当たりに当選する確率が比較的高い高確率状態と、大当たりに当選する確率が比較的低い低確率状態という2つの遊技状態を備えている。そして、この大当たり遊技抽選手段は、現在の遊技状態において設定されている抽選確率に基づいて大当たり遊技抽選を行うようにしている。
さらに、この大当たり遊技抽選手段は、大当たり抽選に当選したときに、当該当選した大当たり遊技終了後の通常の遊技状態を、前記高確率状態又は低確率状態のいずれか一方に設定するための抽選を行う。
また、この遊技機は、上記大当たり遊技抽選の結果を遊技者へ報知する一手段として、複数の識別情報の変動表示及び停止表示を行う表示手段を備えている。
本実施形態では、この表示手段として、スロットマシンに用いられるものと同様な構造を備えた機械式の3個の回転リール(以下「リール」という。)を用いており、この3個のリールを遊技盤の所定位置に遊技者から視認可能に配設している。
各リールの周面には、複数種類の上記識別情報(図柄)が配設されており、当該各リールを回転・停止させることによって、図柄の変動表示・停止表示を行う。
そして、この遊技機では、遊技球が始動口に入賞したことを契機に全リールを回転させて図柄を変動表示し、その後、大当たり遊技抽選の結果に応じた図柄の停止表示を行うことにより、遊技者に抽選結果を報知する。具体的には、抽選結果が当選の場合、遊技者から見て同じ図柄が一列に並ぶように各リールを停止させ、抽選結果がハズレの場合、遊技者から見て同じ図柄が一列に並ばないように各リールを停止させる。
また、この遊技機は、各リール毎に、そのリールの回転を停止させるために遊技者が停止操作する停止操作手段としての3個の操作ボタンを備えると共に、これらの操作ボタンが遊技者により停止操作されたタイミングを検知する操作タイミング検知手段としてのボタンセンサを備えている。
そして、この遊技機では、大当たり遊技抽選に当選しているときに、特定の図柄を停止表示可能な所定のタイミングで遊技者が操作ボタンを停止操作することにより、特定の図柄が一列に並んで停止するように構成している。つまり、この遊技機では、図柄を停止させることに、遊技者の技術介入性を持たせている。このリールの停止制御に関しても、遊技機内部に設けた制御部がスロットゲーム実行手段として機能して、ボタンセンサの検知結果に基づいて行うように構成している。
なお、本実施形態では、リールの回転・停止動作が行われた際は、常に操作ボタンの停止操作を有効にするのではなく、所定確率(たとえば、10回に1回の確率)で実行されるように構成している。つまり、操作ボタンの操作が有効になっているスロットゲームに限り、遊技者が略所望のタイミングでリールを停止させることができるように構成している。
このように、本実施形態の遊技機では、従来のパチンコ遊技機に、識別情報である図柄を変動及び停止表示させる表示手段として、スロットマシンと同様のリールを設け、さらに、遊技者の停止操作によりリールの回転を停止可能とした操作ボタンを設けることによって、図柄の停止に関して、所定回数に1回のスロットゲームにおいて遊技者の技術介入(関与)が可能となるので、大当たりにならずに通常の遊技状態が長時間継続した場合であっても、遊技者の遊技意欲を低下させることがない。
なお、上記スロットゲームは、遊技機の内部に設けた後述の制御部が操作タイミング検知手段により、遊技者によって操作ボタンが押下されたタイミングを検知するとともに、スロットゲーム実行制御手段により、前記検知結果に基づき、操作ボタンが押下されたタイミングに応じた態様で、回転リール装置に表示された識別情報を停止表示させることにより実行される。
さらに、本実施形態にかかる遊技機には、上記回転リール装置の他に複数の可動体が設けられている。この複数の可動体は、例えば、それぞれ人形の胴体部、頭部、腕部、及び脚部の形状を有する可動体とすることができ、これら各可動体の組合せの態様によって、人形が様々なポーズを取ることができるように構成することができる。
そして、スロットゲーム実行中において、この複数の可動体は、遊技者による操作ボタンの停止操作に基づき、当該複数の可動体同士の組合せが遊技状態に応じた組合せ態様となるように動作する。すなわち、例えば、遊技者による操作ボタンの停止操作により、各リールに表示された識別情報が所定の組合せ(例えば、「ベル」−「ベル」−「ベル」など)で停止表示された場合、複数の可動体をそれぞれ可動させることで当該複数の可動体で構成される人形を動作させる。この際、例えば、遊技状態が高確率状態(例えば、確変中)であれば、当該人形が大喜びしているような態様となるように複数の可動体を動作させ、また、通常遊技中であれば、人形が肩を落として残念がっているような態様となるように複数の可動体を動作させることにより、遊技者に遊技状態を報知することができる構成となっている。
このように、本実施形態にかかる遊技機は、変動する識別情報に対する遊技者による技術的関与と、可動体の動作とが関連性を有し、しかも、可動体の動作態様が遊技者に大きなインパクトを与えるものであり、かつ、かかる可動体の動作態様によって遊技状態が報知されることになるため、遊技者はスロットゲームへの参加意識が高まり、遊技全体に対する遊技意欲をより向上させることが可能となる。
なお、各可動体は、ワイヤー及びモータにより可動させることができ、また、各可動体の動作制御を行う可動体制御手段は、上述の制御部などにその機能を担わせるとよい。また、回転リール装置に設けられるリールは複数個ある必要はなく、例えば、1個であってもよい。この場合、操作ボタンも遊技機に1個設ければよい。
ここで、複数の可動体は、互いに合体/分離可能に構成し、可動体制御手段は、各可動体を合体/分離する態様で動作制御するようにしてもよい。
すなわち、例えば、複数の可動体が人形のそれぞれ胴体部、頭部、腕部、及び脚部である場合、スロットゲーム実行時においては、これら複数の可動体はバラバラに分離した状態(すなわち、複数の丸太が転がっている状態)とし、遊技者による操作ボタンの停止操作により、各リールに表示された識別情報が所定の組合せ(例えば、「ベル」−「ベル」−「ベル」など)で停止表示されると、バラバラに分離していた可動体同士が合体することで一体の人形が完成し、この人形に動作をさせ、或いはポーズを取らせることにより、遊技状態が確変中であるのか、或いは通常遊技中であるのかを遊技者に報知する構成とすることができる。
かかる構成とすることにより、遊技者による操作ボタンの停止操作に基づき、複数の可動体の配置、或いは構成が大きく変化するため、可動体の動作態様が遊技者により大きなインパクトを与えるものとなり、遊技全体に対する遊技意欲をより一層向上させることが可能となる。
なお、この場合も、回転リール装置に設けられるリールは複数個ある必要はなく、1個のみでもよい。
また、複数の可動体は、互いに合体/分離可能に構成し、変動表示される識別情報が複数設定され、スロットゲーム実行制御手段は、停止操作手段の停止操作が各識別情報に対して必要であるスロットゲームを実行する場合、可動体制御手段は、遊技者による停止操作毎に、各可動体を合体/分離する態様で動作制御するようにしてもよい。
すなわち、例えば、複数の可動体が上記のように互いに合体/分離可能に構成されている場合であって、さらに、回転リール装置に複数のリールが設けられており、スロットゲーム実行中において、各リールに対して操作ボタンによる回転停止操作がそれぞれ必要である場合において、スロットゲームが実行されると、遊技者が操作ボタンを押下する毎に、複数の可動体が合体するように構成することもできる。
より具体的には、例えば、複数の可動体がそれぞれ人形の胴体部、頭部、腕部、及び脚部である場合であって、回転リール装置に3個のリールが設けられている場合、スロットゲーム実行中において、遊技者による操作ボタンの停止操作のうち、1回目の押下により人形の胴体部と脚部との合体動作が行われ、2回目の押下により胴体部と腕部との合体がおこなわれ、最後に、3回目の押下により胴体部と頭部との合体動作が行われるように構成するものである。
かかる構成とすることで、各リールの停止操作を行う毎に複数の可動体の合体/分離動作が行われることから、これら複数の可動体の配置、構成の変化が複数回に亘って行われることとなるため、可動体の動作態様をよりインパクトのあるものとすることができ、遊技全体に対する遊技意欲をより一層向上させることが可能となる。
さらに、可動体制御手段は、遊技者による停止操作タイミングが所定のタイミングであることを条件として、可動体の動作制御を行うこととしてもよい。
すなわち、例えば、所定のタイミングを、遊技者によるリールの停止操作によりリールに表示された識別情報のうち特定の識別情報(例えば、「ベル」など)が停止表示された場合とし、かかる場合にのみ、複数の可動体が合体/分離等の動作を行うこととすることができる。
かかる構成とすることにより、各リールの停止操作に緊張感を持たせることができるとともに、複数の可動体を全て合体させた場合には遊技者に達成感を与えることができ、遊技全体に対する遊技意欲をより一層向上させることが可能となる。
以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態の遊技機の構成]
第1実施形態における遊技機の概観について、図1〜図4を用いて説明する。図1は第1実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す斜視図であり、図2は第1実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図であり、図3は第1実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤の概観を示す正面図であり、図4は第1実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す正面図である。なお、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を「デジパチ」とも称されるパチンコ遊技機に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10には、図1〜図2に示すように、遊技盤14が装着される本体枠12がヒンジを介して島設備に固定される木製のベース枠18に回動可能に取り付けられている。すなわち、本体枠12は、本体枠12の一方端を回動支点として支持されてそのベース枠18に開閉自在に装着される。これら本体枠12およびベース枠18で遊技機本体が構成されている。本体枠12における開口12aの内部には各種の部品が配設され、本体枠12には前方に開閉自在に扉11が、軸着されている。この扉11は、図2に示すように、本体枠12を前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26などが配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、回転リール装置3、液晶表示装置32、遊技盤14、可動体ユニット600などが配設されている。なお、図2における遊技盤14、回転リール装置3、可動体ユニット600、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
遊技盤14は、その全部が光透過性(以下、単に「透過性」という。)を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には後述の図3に示す外レール30a)に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には、複数の遊技釘13が打ちこまれている。このように、遊技盤14は、透過性領域を有する遊技盤の一例である。
液晶表示装置32は、平板状の液晶層を透明電極及び透過性を有する保護板によって挟み込んだ構造であり、非通電領域においては透過性を有するように液晶素子が向いており、通電領域においては液晶素子の向きが変位して、画像表示がなされる一枚の平板状の液晶パネルである。すなわち、液晶表示装置32は、画像表示が行われている領域以外の領域は透過性を有するようになり、後方の部材が視認可能となる。また、液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、前面側から重なるように配設される。言い換えると、この表示領域32aは、少なくとも、遊技盤14における遊技領域15の全部又は一部と重なるように遊技盤14の前方に配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の前方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。このため、遊技盤14を正面(前面)視した場合、液晶表示装置32の透過性により、遊技盤14の遊技部材が視認可能となり、しかも、遊技盤14の透過性により、回転リール装置3が視認可能となる。
扉11には、透過性を有する保護板19が配設されており、さらにこの保護板19に対面させて液晶表示装置32が配設されている。このため、保護板19及び液晶表示装置32は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14に対面する。
発射ハンドル26は本体枠12に対して左側下方に回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。更に、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者の左手によって握持され、かつ、反時計回り方向へ所定角度以上回動操作されたときには、発射ソレノイド(図示せず)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。これらの発射ハンドル26、発射ソレノイド(図示せず)、タッチセンサ(図示せず)などから構成される発射装置130(図9参照)が遊技盤14に対して左側下方に設置されている。また、下皿22の右側には、喫煙しながら遊技を行う遊技者の便宜を図る灰皿28が設けられている。このように、第1実施形態のパチンコ遊技機10は、従来の多くの遊技機とは異なり、発射ハンドル26が向かって左側に、灰皿28が向かって右側に、つまり左右が反対に設けられている。
また、上皿20の前面には、遊技者による操作が可能な操作ボタン80が備えられている。この操作ボタン80は、左操作ボタン80a、中操作ボタン80bおよび右操作ボタン80cの3つからなり、相互に水平方向に並設されている。この操作ボタン80は、回転リール装置3による変動表示を停止させることに用いられる。このように、操作ボタン80は、表示手段に変動表示された識別情報を、遊技者の変動停止操作によって停止表示させる停止操作手段の一例である。
また、本実施形態では、図4に示すように、遊技盤14における遊技領域15の左中段に始動口25が設けられ、さらに、遊技領域15の略中央上段に回転リール装置3を埋設している。この回転リール装置3は、その内部に3個の回転リール(3L,3C、3R)を内蔵し、パチンコ遊技機10の遊技状態の変化に合わせて3個の回転リール3L,3C,3Rが回転駆動される。そして、遊技盤14の下方には、回転リール装置3の内部で回転駆動される3個の回転リール3L,3C,3Rの回転を停止させるために、遊技者により操作される操作ボタン80が設けられている。この操作ボタン80には、前述した3個の回転リール3L,3C,3Rにそれぞれ対応した操作ボタンが3個(操作ボタン80a,80b,80c)設けられている。この回転リール装置の具体的な構成については、後述する。なお、以下の説明において、遊技者から見て左側の操作ボタン80aを左操作ボタン80a、真ん中の操作ボタン80bを中操作ボタン80b、右側の操作ボタン80cを右操作ボタン80cとも称する。
さらに、回転リール装置3の右側には、本実施形態のパチンコ遊技機10が備える特徴的な構成である可動体ユニット600が埋設されている。この可動体ユニット600の内部には、後述の複数の可動体が内蔵されており、これら可動体は遊技の進行に応じて可動するように構成されている。この可動体ユニット600が備える複数の可動体は、遊技盤に可動自在に設けられた可動体の一例であり、その動作態様等については、後に詳述する。
遊技盤14の左下方には、図4に示すように、特別図柄表示器35、普通図柄表示器33、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。
特別図柄表示器35は、複数の7セグメントLEDで構成されている。この7セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLEDの点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄(第1識別情報ともいう)として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“21”、“50”、又は“64”などの数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技から遊技者に有利な状態である大当たり遊技に遊技状態が移行する。この大当たり遊技となった場合には、図3に示すシャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球を受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
特別図柄表示器35の下方には、普通図柄表示器33が設けられている。普通図柄表示器33は、例えば、赤色LEDと緑色LEDの二つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返し、普通図柄として変動表示される。
普通図柄表示器33の下方には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。例えば、特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプ34aが点灯する。
普通図柄表示器33の下方には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留ランプ50aが点灯する。
特別図柄表示器35の左側には、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。このラウンド数表示器51a〜51dは、大当たり遊技の実行中において最大ラウンド数を表示する。なお、このラウンド数表示器51a〜51dは、4つのドットLEDから構成されており、ドットLED毎に点灯と消灯の2つのパターンがあるので、少なくとも16パターンの表示が可能である(2の4乗パターン)。なお、ラウンド数表示器51は、複数の7セグメントLED、液晶表示部、透過性を有する液晶表示部などから構成される場合もある。
また、遊技盤14の前方(前面側)に配設されている回転リール装置3では、特別図柄表示器35において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、特別図柄表示器35で表示される特別図柄の変動表示中においては、回転リール装置3において、数字や記号などからなる識別図柄が変動表示される。また、特別図柄表示器35において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、回転リール装置3でも演出用としての識別図柄が停止表示される。このように、回転リール装置3は、所定の条件を満たしたときに、識別情報の変動表示および停止表示が行われる表示手段の一例である。
また、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当たりであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、回転リール装置3において表示される演出用の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列において全て同じ図柄が揃った状態で停止表示される態様)となり、更に、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、「大当たり!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が表示される。
図3に示すように、遊技盤14の遊技領域上には、二つのガイドレール30(30aおよび30b)、通過ゲート54、障害物57、始動口25、シャッタ40、大入賞口39、普通電動役物23、一般入賞口56a、56b、56c、56dなどの遊技部材が設けられている。また、扉11の上部には、スピーカ46L、46R(図1参照)が設けられている。
また、図3に示すように、遊技盤14の上部には障害物57が設けられている。遊技盤14の左側に設けられているガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、前述した複数の遊技釘13、遊技盤14上に設けられた障害物57などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
遊技領域15の左側には、始動口25があり、始動口25には、普通電動役物(略して、普通電役と称する場合もある)が設けられている。この普通電動役物23は、一対の対向する羽根部材と、この羽根部材を開閉させる普通電動役物ソレノイド118(図9参照)とを備えている。羽根部材が閉鎖状態の場合には、羽根部材の上方からのみ始動口25への入球が可能となり、開放状態の場合には、羽根部材の上方および左右から始動口25への入球が可能となり、始動口25に遊技球が入りやすくなるようになる。普通電動役物ソレノイド118(図9参照)は、詳細は後述するが、メインCPU66によって駆動制御される。
前述した始動口25内には入賞領域が設けられている。この入賞領域には始動入賞球センサ116(図9参照)を備える。遊技球などの遊技媒体が、始動入賞球センサ116で検出された場合、遊技球が入賞したと判定される。遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示器35による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の変動表示が保留される。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
始動口25の上方には通過ゲート54が設けられている。この通過ゲート54には、通過球センサ114(図9参照)が設けられている。通過球センサ114は、遊技球が通過ゲート54を通過したことを検出する。そして、通過球センサ114によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器33において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、赤色LEDや緑色LEDの発光表示である。
この普通図柄が所定の発光表示、例えば赤色LEDとして停止表示されたときには、始動口25に設けられている普通電動役物23の羽根部材が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート54への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
図3に示すように、大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が大当たり遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントセンサ104(図9参照)を有する一般領域(図示せず)があり、一般領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。従って、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンドなどのラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、所定のインターバル時間の経過後、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームの終了後、所定のインターバル時間が経過すると、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。
大当たり遊技の実行中において、最初のラウンド数から最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、停止表示された特別図柄によって異なる。例えば、第1実施形態において、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が64の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が21の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が50の場合は、最大継続ラウンド数は2ラウンドとなる。なお、最大継続ラウンド数は2ラウンド又は15ラウンドに限定されない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(メインCPU66を含む主制御回路60(図9参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるようにしてもよい。
また、前述した一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22(図2参照)に払い出される。
また、前述した始動口25において入賞と判定されたときには、予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22(図2参照)に払い出される。このように、遊技盤14は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤の一例である。
なお、遊技盤14が透明である第1実施形態では、上記回転リール装置3や可動体ユニット600が液晶表示装置32及び遊技盤14を介して視認可能に配置されている。また、液晶表示装置32にかえて、例えば例えば有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)などを用いることもできる。
[回転リール装置の具体的な構成]
ここで、回転リール装置3の具体的な構成について、図面を参照して具体的に説明する。図5(a)は回転リール装置3の分解斜視図、図5(b)は回転リール装置3の斜視図である。また、図6は回転リール装置3に内蔵されている3個の回転リール3L,3C,3Rの内部を示すために一部を切欠した説明図である。図7は、3個の回転リール3L,3C,3Rの外周に印刷されている識別情報としての複数の図柄を示す図柄配置図、図8は、回転リール装置3の正面拡大図である。
図5(a)に示すように、回転リール装置は、それぞれ回転自在に配設された3個の回転リール3L,3C,3Rと、これら3個の回転リール3L,3C,3Rを内蔵するカバー体とからなり、このカバー体は、遊技盤14における3個の回転リール3L,3C,3Rに対向する部位に配設される透明な前面カバー3Fと、この前面カバー3Fに係合する裏カバー3Bとから構成されている。このように、3個の回転リール3L,3C,3Rを、前後に結合した前面カバー3Fと裏カバー3Bとから形成されるリール収容空間内に内蔵して回転リール装置3が構成されている。
すなわち、図5(b)に示すように、裏カバー3Bは、断面略C字状の湾状に形成した周壁部3cと、この周壁部3cの左右に形成された略円形の左右壁3dとからなり、この左右壁3dに、それぞれ略L字状とした係合溝3bを設けている。
一方、3個の回転リール3L,3C,3Rは心棒3aにより並列状態に連結されている。そして、前記心棒3aの両端を前記係合溝3b,3bに掛け渡して組み込み、前面カバー3Fと裏カバー3Bを一体に結合して回転リール装置3を形成し、遊技盤14に形成した所定の位置に取り外し自在に設置されることとなる。3eは前記係合溝3bに連続する案内溝であり、回転リール3L,3C,3Rを連結した前記心棒3aを係合溝3bにガイド可能としている。また、3hは裏カバー3Bに形成した係合爪であり、この係合爪3hによって裏カバー3Bと前面カバー3Fとが突合せ状態に結合される。なお、説明の便宜上、回転リール3Lの識別図柄を左図柄、左図柄の図柄列を左列、回転リール3Cの識別図柄を中図柄、中図柄の図柄列を中列、回転リール3Rの識別図柄の配列を右図柄、右図柄の図柄列を右列と称する。
また、図6に示すように、3個の回転リール3L,3C,3Rは、それぞれ同一構造からなり、リール枠本体に内蔵され、回転リール3L,3C,3Rをそれぞれ回転駆動及び停止させるステッピングモータ6と、各回転リール3L,3C,3Rの外周に印刷された識別情報である複数の図柄を、背後から照明するための発光体4a,4b,4cを設けたバックランプユニット4を具備している。このように、高速で回転するリールの背後に照明を設けることにより、遊技者にとって、識別情報である複数の図柄を見分け易くなる。さらに、リール外周に印刷される識別情報(図柄)も半透明な特殊インク等で印刷することにより、なお一層、複数の図柄の判別が容易になるため、遊技者が任意の図柄を狙って操作ボタン80a,80b,80cを操作できることとなる。
さらに、本実施形態においては、パチンコ遊技機10における様々な演出画像が、回転リール装置3を埋設した透明な遊技盤14の背後に設置された液晶表示装置32において表示される。そのため、前記裏カバー3Bを通して、液晶表示装置32で行なわれる演出画像により、遊技者による回転リール3L,3C,3Rの識別情報(図柄)の識別が妨げられる恐れがある。そのため、例えば、前記裏カバー3Bは遮光性の高い部材で形成して、背後の液晶表示装置32で実行される演出画像の影響が及ばないように構成し、なおかつ回転リール3L,3C,3Rの識別情報(図柄)を、前記バックランプユニット4により背後から照明することにより、遊技者による回転リール3L,3C,3Rの識別情報(図柄)視認性を高める事ができる。
そして、図7に示すように、3個の回転リール3L,3C,3Rの外周には、識別情報である複数の図柄がそれぞれ異なる配置で印刷されている。また、各リールには21個の図柄が印刷されており、その種類は7種類の異なる図柄が用いられている。図柄91及び図柄92は、一般にパチスロ遊技機においてボーナス図柄と呼ばれる図柄で、例えばパチンコ遊技機における大当たり遊技状態の装飾図柄に相当する図柄である。他にも、チェリー(図柄93)、スイカ(図柄96)、ベル(図柄94)、リプレイ(図柄95)等の複数の図柄が設けられ、リールゲームが開始された場合、それぞれの図柄が有効ライン上に三つ揃いで停止すれば、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技状態が示唆されることとなる。
また、図8に示すように、回転リール装置3の前面カバー3Fの前側面には5本のライン、すなわち、中段にラインL1、上段及び下段にそれぞれにラインL2、斜めに2本のラインL3が表示されている。これは、回転リール装置3に内蔵されている3個の回転リール3L,3C,3Rが停止した際の図柄の組合せを規定する有効ラインを示している。
一般にパチスロ遊技機においては、その遊技媒体であるコイン(又は、遊技メダル等と呼ばれる)をパチスロ遊技機に投入した枚数によって有効ラインは変化する。例えば、1枚のコイン投入で中段のラインL1のみ有効となり、2枚のコイン投入で中段のラインL1と共に上下段のラインL2も有効(つまり、中段、上段、下段の3ラインが有効)となる。さらに、3枚のコイン投入で中段のラインL1、上下段のラインL2にあわせて斜めラインL3も有効(つまり、中段、上段、下段、右上がり斜め、右下がり斜めの5ラインが有効)となる。
しかし、本実施形態においては、所定の条件を満たしたとき(始動口25に遊技球が入賞したとき)に、回転リール装置3に内蔵されている3個の回転リール3L,3C,3Rは回転駆動されるため、常時「5ライン」を有効ラインとしている。そして、遊技者が操作ボタン80a,80b,80cを操作して、回転中の各リールの所定の図柄を狙って停止させる場合、前記「5ライン」上のいずれかに同一の図柄が停止すれば、所謂「目押し」と呼ばれる停止ボタン操作が的確だったこととなる。
ここで、3個の回転リール3L,3C,3Rと操作ボタン80との対応関係について説明すると、操作ボタン80における左操作ボタン80a(図3参照)が左図柄(左列)、中操作ボタン80bが中図柄(中列)、右操作ボタン80cが右図柄(右列)にそれぞれ対応し、例えば、左図柄が変動中に左操作ボタン80a(図3参照)が押下されるとステッピングモータ6が停止して左図柄が停止表示される。他の図柄についても同様である。
これら左操作ボタン80a、中操作ボタン80bおよび右操作ボタン80cは、後述するサブCPU206に電気的に接続されている。そして、左操作ボタン80aが押下されると左図柄停止信号が、中操作ボタン80bが押下されると中図柄停止信号が、右操作ボタン80cが押下されると右図柄停止信号がそれぞれサブCPU206に入力されるようになっている。
なお、左図柄停止信号とは、回転リール装置3にて可変表示中の識別図柄の図柄列のうち、左図柄を停止表示させるための信号である。第1実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図9参照)により、回転リール装置3にて変動表示中の図柄列のうち、左図柄を停止表示させるための制御が行われる。つまり、左操作ボタン80aは左図柄と対応しており、左操作ボタン80aか押下されると左図柄が停止表示されるようになっている。
また、中図柄停止信号とは、回転リール装置3にて可変表示中の識別図柄の図柄列のうち、中図柄を停止表示させるための信号である。第1実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図9参照)により、回転リール装置3にて変動表示中の図柄列のうち、中図柄を停止表示させるための制御が行われる。つまり、中操作ボタン80bは中図柄と対応しており、中操作ボタン80bが押下されると中図柄が停止表示されるようになっている。
また、右図柄停止信号とは、回転リール装置3にて可変表示中の識別図柄の図柄列のうち、右図柄を停止表示させるための信号である。第1実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図9参照)により、回転リール装置3にて変動表示中の図柄列のうち、右図柄を停止表示させるための制御が行われる。つまり、右操作ボタン80cは右図柄と対応しており、右操作ボタン80cが押下されると右図柄が停止表示されるようになっている。
すなわち、左操作ボタン80a、中操作ボタン80bおよび右操作ボタン80cは、変動表示される識別図柄(つまり、左図柄、中図柄および右図柄)をそれぞれ停止させる機能を有している。このように、回転リール装置3は、所定の条件を満たしたときに、識別情報の変動表示及び停止表示が行われる表示手段の一例である。このように、左操作ボタン80a、中操作ボタン80bおよび右操作ボタン80cは、表示手段に変動表示された識別情報を、遊投者による停止操作によって停止表示させる停止操作手段の一例である。
前述のように、発射ハンドル26が向かって左側に設けられていることから、第1実施形態のパチンコ遊技機10では、左手で発射ハンドル26の操作を行いながら、右手は上皿20の手前の縁に載置しておき、所望のタイミングで左操作ボタン80a、中操作ボタン80bおよび右操作ボタン80cを押下することにより変動中の識別図柄の停止操作を行う。
[遊技機の電気的構成]
第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図9を用いて説明する。図9は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図9に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、記憶手段の一例であるメインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70などが接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される各種のテーブルも記憶されている。
本実施形態では、メインCPU66が、このメインROM68に記憶されている各種テーブルを参照して、乱数抽選を実行することにより、大当たり遊技抽選手段として機能する。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、リーチパターン選択用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄に関する保留個数を示すデータ、普通図柄に関する保留個数を示すデータ、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数などが位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームや普通図柄ゲームの制御状態を示すものである。なお、以下の説明において、単に制御状態フラグと称する場合には特別図柄ゲームの制御状態を示すものとし、普通制御状態フラグと称する場合には普通図柄ゲームの制御状態を示すものとする。
大当たり判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定するためのものである。大当たり図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定した場合に、停止表示される特別図柄を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当たりではない場合に停止表示する特別図柄を決定するためのものである。リーチパターン選択用乱数カウンタは、リーチを行うか否かを決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、演出用の変動パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、第1実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期をとるためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。なお、第1実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPUなど自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当たり遊技状態における大入賞口の開放回数(いわゆるラウンド数)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口に入賞し、カウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更に、特別図柄に関する保留個数を示すデータは、始動口25へ遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、特別図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている特別図柄ゲームの保留回数を示すものである。更に、普通図柄に関する保留個数を示すデータは、遊技球が通過ゲート54を通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、普通図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている普通図柄ゲームの保留回数を示すものである。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてシステムリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図9に示すように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、通過ゲート54にそれぞれ設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54をそれぞれ遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して始動口25に設けられる普通電動役物23の羽根部材に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図4に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時などにおけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードに記憶された情報を読み取るカードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
また、発射装置130には、前述した発射ハンドル26、発射ソレノイド(図示せず)、タッチセンサ(図示せず)などの遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、反時計回り方向へ回動操作されたときには、発射ソレノイド(図示せず)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイド(図示せず)により遊技盤14に順次発射される。
更に、主制御回路60には、ランプ74が接続されている。主制御回路60は、ランプ74に対してランプ(LED)制御信号を供給する。なお、ランプ74には、白熱電球、LEDなど、具体的には、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図4参照)、普通図柄保留ランプ50a〜50d(図4参照)、特別図柄表示器35(7セグメントLED、図4参照)、普通図柄表示器33(表示用ランプ、図4参照)などが含まれる。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、回転リール装置3における駆動制御、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、ランプ132の制御などを行う。なお、ランプ132には、白熱電球、LEDなど、具体的には、遊技盤14上を明暗表示する装飾ランプ(図示せず)などが含まれる。
なお、第1実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御手段としての表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、回転リール装置3、可動体ユニット600の制御、ランプ132や演出用の可動役物に関する制御を行う駆動回路240を備える。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210などが接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する操作タイミング検知手段、スロットゲーム実行制御手段、可動体制御手段等の各手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されている。
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に関するものである。その他にも、プログラムROM208には、複数種類の大当たり遊技の実行中の演出パターンが記憶されている。この大当たり遊技の実行中の演出パターンは、大当たり遊技におけるラウンドゲームに関連して実行される演出表示の進行に関するものである。
なお、第1実施形態においては、プログラム、テーブルなどを記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジなどの記憶媒体に、プログラム、テーブルなどが記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM208の代替としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210などに記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、識別情報の停止表示態様を決定するための停止表示態様決定用乱数カウンタ、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、停止ボタンの操作タイミングに応じた値を記憶する操作タイミング変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタなど、各種の変数などが位置付けられている。
なお、第1実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
駆動回路240は、ドライブ回路242と、装飾データROM244とを備え、サブCPU206に接続されている。ドライブ回路242を介して、回転リール装置3の各回転リールを回転駆動させるステッピングモータ6を駆動制御し、可動体ユニット600を可動制御し、ランプ132の発光を制御する。このように本実施形態では、サブCPU206が駆動回路240により回転リール装置3の動作制御を行わせることによって、スロットゲームを実行するスロットゲーム実行手段として機能する。
表示制御回路250は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データROM216、D/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、およびパレット回路などの回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
画像データROM216には、特別画像データ、背景画像データ、演出画像データなどの各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、背景画像データ、演出画像データなど、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、BGMをはじめとする各種の演出効果音の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する)などから構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
また、この副制御回路200には、操作ボタン80a,80b,80cが接続されており、これら操作ボタン80a,80b,80cの停止操作が有効であるときに、遊技者各操作ボタン80a,80b,80cを停止操作すると、各操作ボタン80a,80b,80cにそれぞれ内蔵されているボタンセンサ(図示略)から所定の検知信号(左図柄停止信号、中図柄信号、右図柄信号)がサブCPU206へ入力される。このように、ボタンセンサは、操作ボタンが遊技者により停止操作されたタイミングを検知する操作タイミング検知手段の一例である。
特に、本実施形態では、このサブCPU206が、各ボタンセンサから入力される所定の検知信号に基づいて、可動体ユニット600に設けられた複数の可動体の動作を制御する可動体制御手段として機能する。
また、各操作ボタン80a,80b,80cには、ボタンセンサの他にランプ(図示略)が設けられており、スロットゲームが実行された際、このランプが発光することにより遊技者にスロットゲームの開始を報知することができる。
[特別図柄決定テーブル]
図10は、メインROM68に記憶される特別図柄決定テーブルを示す。なお、特別図柄ゲームの大当たり抽選を特図抽選と以下略称する。また、普通図柄ゲームの大当たり抽選を普図抽選と以下略称する。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が0〜4のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドZ0が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、普図抽選が高確率状態、ラウンドごとに30秒間、大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している(いわゆる確変15R大当たり)。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が5のとき、大当たり図柄の左図柄が5、右図柄が0、図柄指定コマンドZ1が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、普図抽選が高確率状態、ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる突然確変、略して突確)。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が6〜8のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドZ2が選択され、内容は大当たり、特図抽選が低確率状態、普図抽選が高確率状態、ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる突然時短、略して突時)。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が9のとき、大当たり図柄の左図柄が1、右図柄が1、図柄指定コマンドZ4が選択され、内容は大当たり、低確率状態(いわゆる通常大当たり、確変状態の場合は、転落など)、ラウンドごとに30秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している。低確率状態の場合、大当たり乱数値が上記以外の場合、図柄指定コマンドZ3が選択され、内容ははずれを示している。
高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が0〜4のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドZ0が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、普通図抽選が高確率状態、ラウンドごとに30秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している(いわゆる確変15R大当たり)。高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が5のとき、大当たり図柄の左図柄が5、右図柄が0、図柄指定コマンドZ1が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、普通図抽選が高確率状態、ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる突然確変、略して突確)。高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が6〜8のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドZ2が選択され、内容は大当たり、特図抽選が低確率状態、普通図抽選が高確率状態、ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる突然確変、略して突時)。高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が9のとき、大当たり図柄の左図柄が1、右図柄が1、図柄指定コマンドZ4が選択され、内容は大当たり、低確率状態(いわゆる通常大当たり、確変状態の場合は、転落など)、ラウンドごとに30秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している。高確率状態の場合、大当たり乱数値が上記以外の場合、図柄指定コマンドZ3が選択され、内容ははずれを示している。なお、本実施形態における特別図柄決定テーブルの一例を示してきたが、特別図柄決定テーブルは他の態様であってもよい。例えば、大当たり図柄の左図柄や、右図柄において指定される図柄の組み合わせは他の組合せであってもよい。
[可動体の具体的な構成]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に設けられた可動体ユニット600の具体的な構成について図面を参照して詳細に説明する。図11は可動体ユニット600の外観図であり、図12は複数の可動体にそれぞれ設けられた駆動手段の構成を示す概略図であり、図13は複数の可動体により構成される人形700の動作態様を示した図であって、図13(a)は各可動体が全て分離している状態を表した図であり、図13(b)は各可動体のうち胴体部710と脚部720とが合体した状態を表した図であり、図13(c)は各可動体のうち胴体部710と脚部720と腕部730とが合体した状態を表した図であり、図13(d)は全ての可動体が合体した状態を表した図であり、図14は、複数の可動体の組合せ態様の一例を示した図であって、図14(a)は複数の可動体の組合せにより、人形が喜んでいるようなポーズを取っている状態を表した図であり、図14(b)は複数の可動体の組合せにより、人形が悲しんでいるようなポーズを取っている状態を表した図である。
図11に示すように、可動体ユニット600は、透光性を有するケース650と、当該ケース610内に収納された人形700と、同人形700を駆動させるための駆動手段を収納する駆動手段収納部670とにより構成される。
ケース650は、略たまご型の形状を有する収納部材であり、内部に収納された人形700が外部から視認できるよう透明なプラスチック素材により形成されている。なお、ケース650は、透光性を有するものであればよく、プラスチックの他、アクリル樹脂、ガラス等の素材を用いることができる。
人形700は、このケース650の内部に収納された木製の人形(所謂丸太人形)であり、複数の可動体で構成されている。すなわち、人形700は、胴体の形状をした可動体710(以下、「胴体部710」とする)と、脚の形状をした可動体720,720(以下、「脚部720,720」とする)と、腕の形状をした可動体730,730(以下、「腕部730,730」とする)と、頭の形状をした可動体740(以下、「頭部740」とする)とより構成されており、これら複数の可動体が全て合体することで人型を成すようなっている。
また、図12に示すように、各可動体には、駆動手段として、それぞれワイヤー及びモータが設けられており、モータを順回転、又は逆回転させることにより、ワイヤーを引っ張ったり、又は緩めたりすることで、各可動体同士を合体させたり、又は分離させたりすることができる。
具体的には、胴体部710にはワイヤー711、712及びモータ713,714が設けられており、ワイヤー711は、一端を胴体部710の左下部分に固定されるとともに、脚部720内を通り、他端をモータ712に連結されており、また、ワイヤー713は、一端を胴体部710の右下部分に固定するとともに、脚部720内を通り、他端をモータ714に連結されている。また、腕部730、730にはワイヤー731,731及びモータ732、732が設けられており、ワイヤー731,731は、それぞれその一端を腕部730の先端部分に固定されるとともに、胴体部710、脚部720内を通り、他端をモータ732,732に連結されている。また、頭部740にはワイヤー741及びモータ742が設けられており、ワイヤー741は、一端を頭部740の中央部分に固定されるとともに、胴体部710、脚部720を通り、他端をモータ742に連結されている。なお、モータ712,714,732,742は、ケース650の下部に設けられた駆動手段収納部670内に収納され、外部から視認できないようになっている。
ここで、各可動体の合体動作について説明すると、例えば、図13(a)に示すように、各可動体が全て分離した状態、つまり、人形700がバラバラの状態でケース650内に散乱している状態において、胴体部710に設けられたモータ712,714を駆動させると、ワイヤー711,713が引っ張られ、図13(b)に示すように、胴体部710と脚部720,720とが合体する。次に、この状態において、腕部730,730に設けられたモータ732,732を駆動させると、ワイヤー731,731が引っ張られ、図13(c)に示すように、腕部730,730が胴体部710と合体する。さらに、この状態において、頭部740に設けられたモータ742を駆動させると、ワイヤー741が引っ張られ、図13(d)に示すように、頭部740が胴体部710と合体し、これにより、人形700が完成する。
さらに、本実施形態にかかるパチンコ遊技機10では、遊技者による操作ボタン80の停止操作に基づき、各可動体710〜740の動作態様の組合せが遊技状態に応じた組合せ態様となるよう構成されている。
すなわち、各可動体710〜740に設けられたモータ712,714,732,742を駆動制御して、各ワイヤーのテンションを調整することにより、各可動体710〜740の組合せを変化させることができ、例えば、図14(a)に示すように、人形700が喜んでいるような体勢とすることができ、また、図14(b)に示すように、人形700が悲しんでいるような体勢とすることもできる。
パチンコ遊技機10に設けられた複数の可動体は以上のように構成され、本実施形態では、スロットゲームにおける遊技者による操作ボタン80の停止操作に基づき、各可動体の合体/分離動作や組合せ態様の変化等を制御することとしている。
すなわち、本実施形態では、操作ボタン80が遊技者により停止操作されたタイミングに応じて、回転リール装置3に設けられた回転リールの回転駆動を停止させるスロットゲームが実行されると、遊技者が操作ボタン80を押下する毎に、複数の可動体を合体/分離動作を行う構成となっている。かかる構成とすることにより、各回転リールの停止操作を行う毎に複数の可動体の合体/分離動作が行われることから、これら複数の可動体の配置、構成の変化が複数回に亘って行われることとなるため、可動体の動作態様をよりインパクトのあるものとすることができ、遊技全体に対する遊技意欲をより一層向上させることが可能となる。
さらに、各可動体の合体/分離動作は、遊技者が操作ボタン80を押下するタイミングが、所定のタイミングであることを条件として行われる。本実施形態では、回転リール3L,3C,3Rにそれぞれ表示された21の識別情報のうち「ベル」、「チェリー」、「スイカ」の何れかの識別情報が停止表示されるタイミングとしている。
すなわち、例えば、遊技者による操作ボタンの1回目の押下により、「ベル」の識別情報が停止表示された場合、図13(b)に示すように、複数の可動体のうち胴体部710と脚部720,720とが合体する。次に、遊技者による操作ボタンの2回目の押下により、「ベル」の識別情報が停止表示された場合、図13(c)に示すように、胴体部710に腕部730,730が更に合体する。そして、遊技者による操作ボタンの3回目の押下により、同じく「ベル」の識別情報が停止表示された場合、図13(d)に示すように、胴体部710に更に頭部740が合体する。
また、例えば、操作ボタンの1回目の押下により、「ベル」が停止表示されたものの、操作ボタンの2回目以降の押下により、「ベル」以外の識別情報が停止表示された場合、可動体同士の合体動作は行われない。
かかる構成とすることにより、各リール3L,3C,3Rの停止操作に緊張感を持たせることができるとともに、複数の可動体を全て合体させた場合には遊技者に達成感を与えることができ、遊技全体に対する遊技意欲をより一層向上させることが可能となる。
そして、本実施形態では、スロットゲームにおいて、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」の何れかの識別情報を全て揃えた場合、すなわち、各可動体が全て合体することで人形700が完成した場合、各可動体を更に可動させ、当該各可動体の組合せを変化させることにより、人形700に様々なポーズ取らせることとしている。そして、遊技者は、この人形700の取るポーズを見ることにより、パチンコ遊技機10の遊技状態を把握することができる構成となっている。
すなわち、例えば、パチンコ遊技機10の遊技状態が、確変中であるにもかかわらず遊技者に確変中であることが報知されない、所謂「潜伏確変」状態である場合、スロットゲームにより、各可動体が全て合体し人形700が完成すると、図14(a)に示すように、この人形700が喜んでいるようなポーズを取ることにより、遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する。また、パチンコ遊技機10の遊技状態が、通常遊技状態である場合、図14(b)に示すように、この人形700が悲しんでいるようなポーズを取ることにより、遊技状態が通常遊技状態であることを遊技者に報知する。
かかる構成とすることにより、変動する識別情報に対する遊技者による技術的関与と、可動体の動作とが関連性を有し、しかも、可動体の動作態様が遊技者に大きなインパクトを与えるものであり、かつ、かかる可動体の動作態様によって遊技状態が報知されることになるため、遊技者はスロットゲームへの参加意識が高まり、遊技全体に対する遊技意欲をより向上させることが可能となる。
なお、これら複数の可動体の合体/分離及び組合せの変化等の動作制御は、可動体制御手段により行われるものである。
以下、上述した遊技状態の変化に合わせてパチンコ遊技機10で実行される処理を図面を参照して具体的に説明する。
[主制御メイン処理]
図15を用いて、主制御メイン処理を説明する。
図15に示すように、ステップS9においては、初期化設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、電源投入に応じて、メインROM68から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM70に記憶されるフラグなどを初期化し、又は電源遮断前の状態に復帰する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS10に処理を移行する。
ステップS10においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移行する。
ステップS11において、メインCPU66は、システムタイマ監視タイマ値が3であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3である場合には、ステップS12に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3でない場合には、ステップS10に処理を移行する。
ステップS12においては、システムタイマ監視タイマリセット処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマをリセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS13に処理を移行する。
ステップS13においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移行する。
ステップS14においては、特別図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御処理を行う。特別図柄制御処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移行する。
ステップS15においては、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選が当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移行する。
ステップS16においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS14、ステップS15でメインRAM70に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示器35と、普通図柄表示器33と、ラウンド数表示器51とを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。メインCPU66は、後述するステップS19にて制御信号を特別図柄表示器35に制御信号を送信する。特別図柄表示器35は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示および停止表示する。普通図柄表示器33は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示および停止表示する。この処理が終了した場合には、ステップS17に処理を移行する。
ステップS17においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、台コンピュータ又はホールコンピュータ(図示せず)に送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS18に処理を移行する。
ステップS18においては、図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、後述するシステムタイマ割込処理におけるスイッチ入力検出処理(図16、ステップS46)にて検出される始動入賞球センサ116および通過球センサ114からの検知信号や、特別図柄および普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM70に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、特別図柄保留ランプ34a〜34dおよび普通図柄保留ランプ50a〜50dを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS19に処理を移行する。
ステップS19においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、上記のステップなどでメインRAM70に記憶される制御信号を各ポートに出力する処理を行う。具体的には、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図4参照)、特別図柄表示器35(7セグメントLED、図4参照)、普通図柄表示器33(表示LED、図4参照)にLED点灯のためのLED電源(コモン信号)やソレノイド駆動のためのソレノイド電源を供給する。この処理が終了した場合には、ステップS20に処理を移行する。
ステップS20においては、記憶・遊技状態コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされているか判定し、確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされていると判定した場合、確変状態コマンド、時短状態コマンドを生成し、副制御回路200に送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS21に処理を移行する。
ステップS21においては、演出制御コマンド出力制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、演出制御コマンドや大当たり後の抽選回数のデータを副制御回路200への出力制御処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS22に処理を移行する。
ステップS22においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39、始動口25、一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路126に送信する。第1実施形態においては、大入賞口39に入賞した場合には賞球として15個の遊技球、始動口25に入賞した場合には賞球として5個の遊技球、一般入賞口56a〜56dに入賞した場合には賞球として10個の遊技球が、遊技者に払い出される。この処理が終了した場合には、ステップS12に処理を移行する。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU66は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させ、これに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。図16を用いて、システムタイマ割込処理を説明する。
ステップS41においては、各レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS42に処理を移行する。
ステップS42においては、システムタイマ監視タイマの値に1を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値に1を加算する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理など)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移行する。
ステップS43においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される大当たり判定用乱数カウンタなどの乱数値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移行する。
ステップS44においては、入力ポート読込処理を行う。この処理において、メインCPU66は、各ポートからの検知信号を読み込む処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移行する。
ステップS46においては、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、始動入賞球センサ116など各スイッチからの検知信号を検出する処理を行う。スイッチ入力検出処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移行する。
ステップS47においては、各レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS42で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移行する。
ステップS49においては、割込み許可処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰させる。
[スイッチ入力検出処理]
図17を用いて、スイッチ入力検出処理を以下に説明する。
ステップS50において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、始動入賞球センサ116からの検知信号を受信したか否かをチェックし、検知信号を受信した場合に、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、始動入賞球センサ116に対応する賞球カウンタに1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS52に処理を移行する。
ステップS52において、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、始動入賞球センサ116からの検知信号を受信したか否かをチェックする処理を行う。始動入賞球センサ116からの検知信号を受信した場合に、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、特別図柄ゲームの大当たり判定用乱数値と、大当たり図柄決定用乱数値とを抽出し、メインRAM70の特別図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS54に処理を移行する。
ステップS54において、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114からの検知信号を受信したか否かをチェックする処理を行う。更に、通過球センサ114からの検知信号を受信した場合に、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、普通図柄ゲームの当たり判定用乱数値を抽出し、メインRAM70の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS56に処理を移行する。
ステップS56において、発射操作チェック処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS58に処理を移行する。
ステップS58において、その他のスイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、その他のスイッチ(例えば、下皿22が遊技球で満たされた場合にオンとなる満タンスイッチ、エラー検出用のスイッチなど)をチェックする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[発射操作チェック処理]
図18を用いて、発射操作チェック処理を説明する。
ステップS61において、メインCPU66は、払出・発射制御回路126から送信される検知信号に基づいて発射ハンドル26がオンであるか否かを判定し、発射ハンドル26がオンであると判定した場合にはステップS62に処理を移行する。オンであると判定しない(オフである)場合には本サブルーチンを終了する。
ステップS62において、発射操作開始コマンド記憶処理を行う。この処理において、メインCPU66は、発射操作開始コマンドをメインRAM70の所定領域に記憶する。なお、この処理において、記憶された発射操作開始コマンドは、図15のステップS20の処理において、副制御回路200に送信される。なお、この処理において、記憶された制御信号は、図15のS19の処理において、払出・発射制御回路126に送信され、払出・発射制御回路126は、受信した制御信号に基づいて、発射装置130を制御し、遊技球を遊技盤14上に発射する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄制御処理]
図15のステップS14において実行されるサブルーチンについて図19を用いて説明する。なお、図19において、ステップS72からステップS81の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、図19に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移行する。
なお、後述するステップS72からステップS81において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS81における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは後述する。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移行する。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移行する。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、特別遊技状態へ移行する抽選に当選したか否かを判断する。メインCPU66は、当選である場合に、大当たり遊技開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、特別遊技開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、特別遊技開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、当選ではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移行する。
ステップS75においては、大当たり遊技開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり遊技開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当たり遊技開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM68から読み出された大入賞口39を開放させるためのデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図15のステップS19の処理において、メインRAM70に記憶された大入賞口39を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口39が遊技球を受け入れやすい開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを複数回繰り返し行う可能性がある大当たり遊技が実行されることになる。
更に、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。更に、メインCPU66は、メインRAM70内のラウンド数表示カウンタに、所定の数字(例えば、“15”)を代入する。更に、メインCPU66は、メインRAM70内の特別遊技実行時間タイマを使用して特別遊技の実行時間の計測を開始する。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移行する。
ステップS77においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移行する。
ステップS78においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移行する。
ステップS79においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39に対応するカウントセンサ104を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが所定数以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当たり遊技終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当たり遊技終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり遊技終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。
一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。更に、メインCPU66は、メインRAM70内部に記憶されているラウンド数表示カウンタに“1”を減算するように記憶更新する。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移行する。
ステップS80においては、大当たり遊技終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり遊技終了インターバルを示す値(07)であり、大当たり遊技終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。
ステップS81においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、今回の特別図柄ゲームに関連した特別図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。また、メインCPU66は、始動記憶情報が“1”減少する旨の始動記憶数指定コマンドを示すデータを、メインRAM70における所定の記憶領域にセットする。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図19に示すように、特別遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図19に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS81の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、特別遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図19に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技状態への制御を実行することになる。更には、メインCPU66は、特別遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図19に示すステップS78、ステップS79、ステップS77の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を実行することとなる。なお、大当たり遊技の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図19に示すステップS78からステップS81の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を終了することになる。また、第1実施形態においては、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(パンク、第1実施形態においては、特別遊技中に大入賞口39へ1球も遊技球が入らなかったこと)、最大継続ラウンド数(第1実施形態においては、大当たり“15”ラウンド、又は“2”ラウンド)のラウンドゲームが終了することも大当たり遊技終了条件である。
[特別図柄記憶チェック処理]
図19のステップS72において実行されるサブルーチンについて、図20を用いて説明する。
最初に、図20に示すように、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを判断する(ステップS101)。制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判断した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS102において、メインCPU66は、始動記憶数データにおける特別図柄に関する保留個数がいずれも“0”であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される始動記憶数データにおける特別図柄に関する保留個数がいずれも“0”であると判断した場合には、ステップS112に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”でないと判断した場合には、ステップS104に処理を移行する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移行する。
ステップS105においては、大当たり判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄決定テーブルに記憶されている大当たり判定値を選択する。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された乱数値と、大当たり判定値とを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当たり遊技状態(特別遊技状態)とするか否かの判定を行うことになる。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移行する。
ステップS106においては、図柄決定処理を実行する。この処理において、詳しくは後述するが、メインCPU66は、メインROM68に記憶される特別図柄決定テーブルを参照し(図10参照)、ステップS105において大当たりと判定された場合には、始動入賞時に抽出された大当たり図柄決定用乱数値を抽出し、その大当たり図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。なお、大当たりと判定されなかった場合(はずれ)には、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄をはずれ図柄に決定した特別図柄を示すデータをメインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移行する。
なお、ステップS106の処理によってメインRAM70の所定領域に記憶された図柄指定コマンドは、図15のステップS21の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に停止図柄指定コマンドとして供給される。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS106により決定された特別図柄に基づいて、メインROM68に記憶される変動パターンテーブルから特別図柄変動パターンコマンドを選択する。具体的には、ステップS106により決定された特別図柄に応じた特別図柄変動パターンコマンドが選択され、メインRAM70の所定領域に記憶する。
このように記憶された演出用の特別図柄変動パターンコマンドは、図15のステップS21の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することになる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移行する。
ステップS110においては、決定した演出用の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された演出用の変動パターンに対応する変動時間をテーブルより読み出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた大当たり判定用乱数値などが記憶された記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS112においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[図柄決定処理]
図21を用いて、図柄決定処理を以下に説明する。
ステップS1500においては、図柄選択処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105において大当たりと判定された場合には、メインROM68に記憶される特別図柄決定テーブル(図10参照)を参照し、始動入賞時に抽出された大当たり図柄決定用乱数値を抽出し、その大当たり図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。なお、大当たりと判定されなかった場合(はずれ)には、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄をはずれ図柄に決定した特別図柄を示すデータをメインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS1510に処理を移す。
ステップS1510においては、確変フラグが1であるか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU66が、メインRAM70に記憶される確変フラグが1であると判断した場合には、ステップS1550に処理を移し、確変フラグが1でないと判断した場合には、ステップS1520に処理を移す。
ステップS1520においては、確変図柄で当選したか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS1500で選択された図柄が、確変図柄であるか否かを判断する。メインCPU66が、確変図柄で当選したと判断した場合には、ステップS1530に処理を移し、確変図柄で当選しなかったと判断した場合には、確変フラグに0をセットし、本サブルーチンを終了する。
ステップS1530においては、確変フラグに1をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に確変フラグに1をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1540に処理を移す。
ステップS1540においては、確変抽選回数を1にする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される確変抽選回数に1をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1550においては、確変抽選回数+1する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される確変抽選回数に1を加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、本処理で記憶された、確変フラグや、確変抽選回数に基づく演出制御コマンドが、図15のS21の処理において、副制御回路200に送信される。
副制御回路200は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
[サブ制御メイン処理]
図22を用いて、サブ制御メイン処理を説明する。
ステップS1810においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU206は、電源投入に応じて、プログラムROM208から起動プログラムを読み込むとともに、ワークRAM210に記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1820に処理を移行する。
ステップS1820においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1830に処理を移行する。
ステップS1830においては、コマンド解析制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1835に処理を移行する。
ステップS1835においては、回転リール制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール装置3において表示を行うためのデータを駆動回路240に送信する処理を行う。回転リール制御処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1840に処理を移行する。
ステップS1840においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32において表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データ、変動速度設定用画像データなど、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1850に処理を移行する。
ステップS1850においては、音制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、音を出力するためのデータを音声制御回路230に送信する。音声制御回路230は、サブCPU206からの音を出力するためのデータに基づいて、音声データROM234から曲データ、効果音データ、声データなどの、各種音データを読み出し、音を重ね合わせ、AMP236で増幅し、スピーカ46から出力する。この処理が終了した場合には、ステップS1860に処理を移行する。
ステップS1860においては、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ランプを点灯するためのデータを駆動回路240に送信する。駆動回路240は、サブCPU206からのランプを点灯するためのデータに基づいて、装飾データROM244から各種の点灯パターンデータを読み出し、ランプ132を点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS1870に処理を移行する。この処理が終了した場合には、ステップS1820に処理を移す。
[サブ制御コマンド受信割込処理]
図23を用いて、サブ制御コマンド受信割込処理を説明する。
ステップS1910においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1920に処理を移行する。
ステップS1920においては、入力されたコマンドを受信バッファへ格納する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、入力されたコマンドをワークRAM210の受信バッファ領域へ格納する処理を行う。この処理において、格納されたコマンドは、図22のステップS1830の処理で解析される。この処理が終了した場合には、ステップS1930に処理を移行する。
ステップS1930においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1910で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[回転リール制御処理]
図24を用いて、回転リール制御処理を説明する。
ステップS2100においては、変動表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60からコマンドに基づいて回転リール装置3の回転を開始させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2110に処理を移行する。
ステップS2110において、サブCPU206は、図22のステップS1830におけるコマンド解析制御処理において、主制御回路60から大当たりコマンドを受信した否かを判定する処理を行う。大当たりコマンドを受信したと判定した場合にはステップS2120に処理を移行する。大当たりコマンドを受信したと判定しない場合にはステップS2130に処理を移行する。
ステップS2120において、大当たり停止表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール装置3の回転リール3L、3C、3Rの識別図柄が大当たり停止態様(例えば、7−7−7、BAR−BAR−BAR)となるように、回転リール装置3を制御する処理を行う。大当たり停止表示処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2140に処理を移行する。
ステップS2130において、はずれ停止表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール装置3の回転リール3L、3C、3Rの識別図柄がはずれ停止態様となるように、回転リール装置3を制御する処理を行う。はずれ停止表示処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2140に処理を移行する。
ステップS2140において、待機処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技者による操作ボタン80の操作によって回転リール3L、3C、3Rを停止させた時点で、図22のステップS1830で決定された演出内容の演出時間が残っている場合に、演出時間が経過するまで回転リール3L、3C、3Rの停止態様を維持するとともに微小の揺れ表示を行いながら待機させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、サブCPU206は、遊技者による停止操作手段の停止操作のタイミングに応じて、表示手段において変動表示された識別情報を所定の態様で停止表示させるスロットゲームを実行するスロットゲーム実行制御手段の一例である。
[大当たり停止表示処理]
図25を用いて、大当たり停止表示処理を説明する。
図25に示すように、大当たり停止表示処理を開始すると、サブCPU206は、スロットゲーム抽選処理を行う(ステップS2180)。すなわち、本実施形態において、遊技者が操作ボタン80を操作して回転リール装置3の各回転リール3L,3C,3Rを停止させるスロットゲームは、所定の確率(本実施形態では、1/10の確率)で当選した場合に移行することとしている。
次に、サブCPU206は、ステップS2190において、スロットゲーム抽選処理に当選したか否かを判定する。この処理において、スロットゲーム抽選処理に当選したと判定すると(ステップS2190:YES)、サブCPU206は、処理をステップS2195に移行する。一方、スロットゲーム抽選処理に当選していないとき(ステップS2190:NO)、サブCPU206は、処理をステップS2250に移行する。
ステップS2195において、サブCPU206は、スロットゲーム抽選処理に当選したことを遊技者に報知する。これは、操作ボタン80に設けられたランプを点灯させることにより行われる。この処理を終了すると、サブCPU206は、処理をステップS2200に移行する。
ステップS2200において、サブCPU206は、操作ボタン80が操作されたか否かを判定する処理を行う。操作ボタン80が操作されたと判定した場合にはステップS2210に処理を移行する。操作ボタン80が操作されたと判定しない場合にはステップS2220に処理を移行する。
ステップS2210において、回転リール停止処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU206は、左操作ボタン80aが押下された場合には、回転リール3Lを、中操作ボタン80bが押下された場合には、回転リール3Cを、右操作ボタン80cが押下された場合には、回転リール3Rを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2220に処理を移行する。
ステップS2220において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rの中で回転中のリールがあるか否かを判定する処理を行う。回転中のリールがあると判定した場合にはステップS2240に処理を移行する。回転中のリールがあると判定しない場合にはステップS2230に処理を移行する。
ステップS2230において、待機処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS2240で監視している制限時間前に回転リール3L、3C、3Rが全て停止した場合に、制限時間に到達するまで回転リール3L、3C、3Rによる停止態様を維持しながら待機する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2260に処理を移行する。
ステップS2240において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rの回転を開始してからの時間が制限時間内であるか否かを判定する処理を行う。制限時間内であると判定した場合にはステップS2200に処理を移行する。制限時間内であると判定しない場合にはステップS2250に処理を移行する。
ステップS2250において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rの中で回転中のリールがあれば、全て停止させる処理を行う。なお、回転リール3L、3C、3Rが全て回転している状態で制限時間を越えた場合には、大当たり停止態様で停止させてもよい。この処理が終了した場合には、ステップS2260に処理を移行する。
ステップS2260において、サブCPU206は、回転リール装置3の停止表示態様が大当たり停止態様であるか否かを判定する処理を行う。大当たり停止態様であると判定した場合には、本サブルーチンを終了する。大当たり停止態様であると判定しない場合にはステップS2270に処理を移行する。
ステップS2270において、再変動処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rを再度回転させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2280に処理を移行する。
ステップS2250において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rの停止態様が大当たり停止態様となるように、回転リール3L、3C、3Rを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、処理をステップS2260に移行する。
すなわち、第1実施形態によれば、主制御回路60における大当たり抽選に当選している場合において、遊技者による操作ボタン80の操作によって、回転リール3L、3C、3Rを大当たり停止態様となるように停止できなかった場合には、再変動して自動的に大当たり停止態様となるように駆動制御される。
次に、サブCPU206は、複数の可動体が全て合体しているか否か(合体が成功しているか否か)を判定する(ステップS2281)。この判定は、ステップS2210の回転リール停止処理において、遊技者による操作ボタンの停止操作に基づき、各回転リール3L,3C,3Rに表示された特定の識別情報が全て揃ったか否かによって判定される。この処理において、複数の可動体が全て合体していると判定すると(ステップS2281:YES)、サブCPU206は、処理をステップS2282に移行する。
ステップS2282において、サブCPU206は、可動体制御手段として、遊技盤14に設けられた複数の可動体710〜740のうち所定の可動体を可動させることで各可動体同士の組合せを変化させる(すなわち、人形700に所定のポーズを取らせる)ことにより、遊技者に当該ゲームが大当たりであることを報知する。本実施形態においては、モータ732,732(図12参照)の順回転及び逆回転を交互にさせてワイヤー731,731を引っ張ったり緩めたりすることにより、人形700に万歳をしているような動作をさせることとしている。このように、人形700に特定の動作をさせることにより、遊技者に当該ゲームが大当たりであることを報知することができる。
次に、サブCPU206は、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS2283)。この判定は、図15に示す主制御メイン処理のステップS20において、メインCPU66から確変状態コマンドが送信されたか否かにより判定する。この処理において、遊技状態が確変状態であると判定すると(ステップS2283:YES)、サブCPU206は、処理をステップS2284に移行する。
ステップS2284において、サブCPU206は、可動体制御手段として、遊技盤14に設けられた複数の可動体710〜740のうち所定の可動体を可動させることにより各可動体同士の組合せを変化させて、遊技者に遊技状態が確変状態であることを報知する。本実施形態においては、モータ732,732(図12参照)を順回転させてワイヤー731,731を引っ張ることにより、図14(a)に示すように、人形700に喜んでいるようなポーズを取らせることとしている。かかる構成とすることにより、例えば、遊技状態が所謂潜伏確変状態であったとしても、スロットゲームにより特定の図柄を揃えることができれば、遊技者は、上記複数の可動体の動作態様により遊技状態が確変状態であることを把握することができる。
一方、ステップS2283において、遊技状態が確変状態ではないと判定すると(ステップS2283:NO),サブCPU206は、処理をステップS2285に移行する。そして、ステップS2285において、サブCPU206は、可動体制御手段として、遊技盤14に設けられた複数の可動体710〜740のうち所定の可動体を可動させることにより各可動体同士の組合せを変化させて、遊技者に遊技状態が通常遊技状態であることを報知する。本実施形態においては、モータ712、714、732、732、742(図12参照)を逆回転させてワイヤー711、713、731,731、741を緩ませることにより、図14(b)に示すように、人形700にがっかりしているようなポーズを取らせることとしている。このように、人形700に特定の動作をさせることにより、遊技者に遊技状態が通常遊技状態であることを報知することができる。
ステップS2285の処理が終了したとき、或いはステップS2281において、合体が成功していないと判定したとき(ステップS2281:NO)、サブCPU206は、大当たり停止表示処理を終了する。
[はずれ停止表示処理]
図26を用いて、はずれ停止表示処理を説明する。
図26に示すように、はずれ停止表示処理を開始すると、サブCPU206は、スロットゲーム抽選処理を行う(ステップS2290)。
次に、サブCPU206は、ステップS2295において、スロットゲーム抽選処理に当選したか否かを判定する。この処理において、スロットゲーム抽選処理に当選したと判定すると(ステップS2295:YES)、サブCPU206は、処理をステップS2297に移行する。一方、スロットゲーム抽選処理に当選していないとき(ステップS2195:NO)、サブCPU206は、処理をステップS2350に移行する。
ステップS2297において、サブCPU206は、スロットゲーム抽選処理に当選したことを遊技者に報知する。これは、操作ボタン80に設けられたランプを点灯させることにより行われる。この処理を終了すると、サブCPU206は、処理をステップS2300に移行する。
ステップS2300において、サブCPU206は、操作ボタン80が操作されたか否かを判定する処理を行う。操作ボタン80が操作されたと判定した場合にはステップS2310に処理を移行する。操作ボタン80が操作されたと判定しない場合にはステップS2320に処理を移行する。
ステップS2310において、回転リール停止処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU206は、左操作ボタン80aが押下された場合には、回転リール3Lを、中操作ボタン80bが押下された場合には、回転リール3Cを、右操作ボタン80cが押下された場合には、回転リール3Rを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2320に処理を移行する。
ステップS2320において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rの中で回転中のリールがあるか否かを判定する処理を行う。回転中のリールがあると判定した場合にはステップS2340に処理を移行する。回転中のリールがあると判定しない場合にはステップS2360に処理を移行する。
ステップS2340において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rの回転を開始してからの時間が制限時間内であるか否かを判定する処理を行う。制限時間内であると判定した場合にはステップS2300に処理を移行する。制限時間内であると判定しない場合にはステップS2350に処理を移行する。
ステップS2350において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rの中で回転中のリールがあれば、全て停止させる処理を行う。なお、回転リール3L、3C、3Rが全て回転している状態で制限時間を越えた場合には、はずれ停止態様で停止させてもよい。この処理が終了した場合には、ステップS2360に処理を移行する。
ステップS2360において、サブCPU206は、大当たり停止態様となるタイミングで停止操作がなされたか否かを判定する処理を行う。大当たり停止態様となるタイミングであると判定した場合には、ステップS2370に処理を移し、大当たり停止態様となるタイミングであると判定しない場合には処理をステップS2381に移行する。
ステップS2370において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール3L、3C、3Rが停止した場合の識別情報の組合せが大当たり停止態様とならないように、最後の1つの回転リールを停止させる識別情報を1コマずらして停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2380に処理を移行する。
ステップS2380において、待機処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS2340で監視している制限時間前に回転リール3L、3C、3Rが全て停止した場合に、制限時間に到達するまで回転リール3L、3C、3Rによる停止態様を維持しながら待機する処理を行う。この処理が終了した場合には、処理をステップS2381に移行する。
すなわち、第1実施形態によれば、主制御回路60における大当たり抽選に当選していないにもかかわらず、遊技者による操作ボタン80の操作によって、回転リール3L、3C、3Rが大当たり停止態様となるタイミングで操作ボタンが操作された場合に、強制的にはずれ停止態様となるように回転中の最後の回転リールが駆動制御される。
次に、サブCPU206は、複数の可動体が全て合体しているか否か(合体が成功しているか否か)を判定する(ステップS2381)。この判定は、ステップS2310の回転リール停止処理において、遊技者による操作ボタン80の停止操作に基づき、各回転リール3L,3C,3Rに表示された特定の識別情報が全て揃ったか否かによって判定される。この処理において、複数の可動体が全て合体していると判定すると(ステップS2381:YES)、サブCPU206は、処理をステップS2382に移行する。
次に、サブCPU206は、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS2382)。この判定は、図15に示す主制御メイン処理のステップS20において、メインCPU66から確変状態コマンドが送信されたか否かにより判定する。この処理において、遊技状態が確変状態であると判定すると(ステップS2382:YES)、サブCPU206は、処理をステップS2383に移行する。
ステップS2383において、サブCPU206は、可動体制御手段として、遊技盤14に設けられた複数の可動体710〜740のうち所定の可動体を可動させることにより各可動体同士の組合せを変化させて、遊技者に遊技状態が確変状態であることを報知する。本実施形態においては、モータ732,732(図12参照)を順回転させてワイヤー731,731を引っ張ることにより、図14(a)に示すように、人形700に喜んでいるようなポーズを取らせることとしている。かかる構成とすることにより、例えば、遊技状態が所謂潜伏確変状態であったとしても、スロットゲームにより特定の図柄を揃えることができれば、遊技者は、上記複数の可動体の動作態様により遊技状態が確変状態であることを把握することができる。
一方、ステップS2382において、遊技状態が確変状態ではないと判定すると(ステップS2382:NO),サブCPU206は、処理をステップS2384に移行する。そして、ステップS2384において、サブCPU206は、可動体制御手段として、遊技盤14に設けられた複数の可動体710〜740のうち所定の可動体を可動させることにより各可動体同士の組合せを変化させて、遊技者に遊技状態が通常遊技状態であることを報知する。本実施形態においては、モータ712、714、732、732、742(図12参照)を逆回転させてワイヤー711、713、731,731、741を緩ませることにより、図14(b)に示すように、人形700にがっかりしているようなポーズを取らせることとしている。このように、人形700に特定の動作をさせることにより、遊技者に遊技状態が通常遊技状態であることを報知することができる。
このように、本実施形態にかかるパチンコ遊技機10は、表示手段としての回転リール装置3、停止操作手段としての操作ボタン80、操作タイミング検知手段、スロットゲーム実行制御手段等を備えることにより、変動表示されている識別情報を遊技者に停止操作させることができ、遊技者による技術介入性を持たせ、遊技の単調さを解消することができる。さらに、遊技者による技術的関与と可動体の動作とが関連性を有し、しかも、可動体の動作態様が遊技者に大きなインパクトを与えるものであり、かつ、かかる可動体の動作態様によって遊技状態が報知されることになるため、遊技者はスロットゲームへの参加意識が高まり、遊技全体に対する遊技意欲をより向上させることが可能となる。
ステップS2384の処理が終了したとき、或いはステップS2381において、合体が成功していないと判定したとき(ステップS2381:NO)、サブCPU206は、はずれ停止表示処理を終了する。
[回転リール停止処理]
図27を用いて、図25のS2210や、図26のS2310において行われる回転リール停止処理を説明する。
ステップS2500においては、停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、左操作ボタン80aが押下された場合には、回転リール3Lを、中操作ボタン80bが押下された場合には、回転リール3Cを、右操作ボタン80cが押下された場合には、回転リール3Rを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2510に処理を移す。
ステップS2540においては、停止タイミング記憶処理を行う。この処理において、サブCPU206は、操作タイミング検知手段として、各操作ボタン80(左操作ボタン80a、中操作ボタン80b、右操作ボタン80c)の停止操作に基づく停止タイミングを検知するとともに、ワークRAM210に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2550に処理を移す。
ステップS2550においては、遊技者による操作ボタン80の停止操作が所定のタイミングで行われたか否かを判定する。本実施形態では、この所定のタイミングを、遊技者による操作ボタン80の停止操作により、特定の識別情報が停止表示されるタイミングとしている。すなわち、サブCPU206は、1回目の停止操作の場合には、「ベル」「スイカ」「チェリー」の何れかの識別情報がリールの有効ライン上で停止表示されるタイミングで遊技者が操作ボタン80の停止操作を行うと所定のタイミングであると判定する。また、2回目以降の停止操作である場合は、リールの有効ライン上に1回目の停止操作により停止表示された識別情報と同じ識別情報が停止表示されると所定のタイミングであると判定する。この処理において、遊技者による操作ボタン80の停止操作が所定のタイミングであると判定すると(ステップS2550:YES)、処理をステップS2560に移行する。
ステップS2560において、サブCPU206は、可動体制御手段として、可動体合体処理を行う。すなわち、サブCPU206は、遊技者による操作ボタン80の停止操作が所定のタイミングであると判定すると、可動体ユニット600に設けられた複数のモータ712,714,732,732,742のうち所定のモータを回転駆動させることにより複数の可動体710〜740のうち所定の可動体同士を合体させる。
具体的には、本実施形態では、1回目の停止操作において、リールの有効ライン上に特定の識別情報(「チェリー」、「ベル」、「スイカ」の何れか)が停止表示された場合は、モータ712,714を順回転させてワイヤーを引っ張ることにより、複数の可動体710〜740のうち胴体部710と脚部720,720とを合体させる。また、2回目の停止操作においては、胴体部710と脚部720,720とが合体している場合は、胴体部710と腕部730,730とをさらに合体させ、胴体部710と脚部720,720とが合体していない場合は、胴体部710と脚部720,720とを合体させる。また、3回目の停止操作においては、胴体部710と腕部730,730とが合体している場合は、さらに胴体部710と頭部740とを合体させ、胴体部710と腕部730、730とが合体しておらず胴体部710と脚部720,720とが合体している場合は、胴体部710と腕部730,730とを合体させ、胴体部710と脚部720,720とが合体していない場合は、胴体部710と脚部720,720とを合体させる。
このように、本実施形態では、遊技者による操作ボタン80の停止操作が所定のタイミングであった場合にのみ、複数の可動体の合体動作を行うこととしている。かかる構成とすることにより、各回転リール3L,3C,3Rの停止操作に緊張感を持たせることができるとともに、複数の可動体を全て合体させた場合には遊技者に達成感を与えることができ、遊技全体に対する遊技意欲をより一層向上させることが可能となる。また、遊技者による操作ボタン80の停止操作が所定のタイミングで行われた場合には、複数の可動体の配置、或いは構成が大きく変化するため、可動体の動作態様が遊技者により大きなインパクトを与えるものとなり、遊技全体に対する遊技意欲をより一層向上させることが可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、遊技者による識別情報に対する停止操作に応じて可動体を可動させるので、遊技者の操作が可動体の可動に影響を与えることになり、遊技者に大きなインパクトを与えることで、遊技に対する意欲を高めさせることが可能となる。特に、可動体は、遊技者による停止操作手段の停止操作に基づき、大当たり抽選の当選確率に応じた可動を行うため、遊技者は可動体の可動態様を確認することによって、現時点での抽選の当選確率を把握し得る。このように、遊技者は、スロットゲームにより大当たり抽選の当選確率を知るができ、その後の遊技に参考し得るという遊技的なメリットを有することができるので、スロットゲームに対する意欲を高めることにより、遊技に対する意欲を高める。このため、遊技者の識別情報に対する停止操作による技術的関与に対して、遊技者に大きなインパクトを与えるとともに、当該技術的関与に積極的なメリットを持たせることによって、遊技に対する意欲をより高めさせることが可能な遊技機を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技者の停止操作の技量により、可動体の可動態様を通じて抽選の当選確率を把握し得るため、この可動体の可動態様を確認することで、自身の技量を把握し得るとともに、現時点での抽選の当選確率を把握することに満足感を得られ、スロットゲームへの意欲を高めることも可能となる。このため、遊技者の識別情報に対する停止操作による技術的関与に対して、遊技者に大きなインパクトを与えるとともに、当該技術的関与に積極的なメリットを持たせることによって、遊技に対する意欲をより高めさせることが可能な遊技機を提供することができる。
[第2実施形態]
図28は本発明の第2実施形態におけるパチンコ遊技機の構成を示す分解斜視図である。第1実施形態におけるパチンコ遊技機においては、回転リール装置3を用いて識別情報の変動、停止を行っているが、第2実施形態のパチンコ遊技機においては、図28に示すように、液晶表示装置32を遊技盤14の後方に配置し、回転リール装置3の代わりに液晶表示装置32によって、回転リール3L、3C、3R(図2参照)を画像表示するものである。ここで、第1実施形態のパチンコ遊技機における液晶表示装置32は透過性を有する液晶パネルであったが、第2実施形態のパチンコ遊技機においては、液晶表示装置32が透過性を有する液晶パネルである必要はない。
また、図28に示すように、遊技盤14の後方(背面側)にスペーサー31が配設され、このスペーサー31によって液晶表示装置32の前方(前面側)に、遊技球の流路となる空間を形成している。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されている。なお、本実施形態においてスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。また、本実施形態において、可動体ユニット600は、遊技盤14に設けられた孔部及びスペーサー31の孔部31aの中に納まるように配置されている。
その他の構成は、図2に示すパチンコ遊技機と同一であるため、説明は省略する。また、図28に示す第2実施形態のパチンコ遊技機においては、回転リール装置3が無いため、図22に示すステップS1835の処理に相当する処理は、ステップS1840で行われる。
そして、変動表示される回転リール3L、3C、3R(図2参照)の画像を操作ボタン80の操作によって停止させることにより、遊技者は、大当たり当選か否かを判別することが可能になる。
なお、遊技盤14が透明である別実施形態では、液晶表示装置32の表示領域32aが遊技盤14を通して視認可能に配置されている。また、液晶表示装置32にかえて、例えばプラズマティスプレイ等を用いることもできる。
以上の実施形態により、以下の遊技機が実現される。
すなわち、遊技球が転動する遊技領域15を有する遊技盤14と、遊技者にとって有利な大当たり遊技へ移行するか否かの抽選を行う大当たり遊技抽選手段(例えば、大当たり遊技抽選手段として機能する主制御回路60)と、識別情報の変動表示及び停止表示を行う表示手段(例えば、回転リール装置3)と、この表示手段に変動表示された前記識別情報を停止表示させるために遊技者による停止操作が可能な停止操作手段(例えば、操作ボタン80)と、この停止操作手段が遊技者により操作されたタイミングを検知する操作タイミング検知手段(例えば、ボタンセンサ、及び操作タイミング検知手段として機能する副制御回路200)と、所定の条件を満たしたときに、前記識別情報の変動表示を開始させるとともに、前記停止操作手段が遊技者により停止操作されたタイミングに応じた態様で、前記表示手段に変動表示された識別情報を停止表示させるスロットゲームを実行するスロットゲーム実行制御手段(例えば、スロットゲーム実行手段として機能する副制御回路200)と、前記遊技盤に設けた複数の可動体(例えば、胴体部710、脚部720,720、腕部730,730、頭部740)と、これら可動体の動作制御を行う可動体制御手段(例えば、可動体制御手段として機能する主制御回路60及び副制御回路200)と、備え、前記可動体制御手段は、前記停止操作手段の遊技者による停止操作に基づき、前記各可動体の動作態様の組み合わせが遊技状態に応じた組み合わせ態様となるように各可動体の動作制御を行うことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記複数の可動体は、互いに合体/分離可能に構成されており、前記可動体制御手段は、前記各可動体を合体/分離する態様で動作制御する遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記複数の可動体は、互いに合体/分離可能に構成されており、変動表示される前記識別情報が複数設定され、前記スロットゲーム実行制御手段は、前記停止操作手段の停止操作が前記各識別情報に対して必要であるスロットゲームを実行する場合、前記可動体制御手段は、前記遊技者による停止操作毎に、前記各可動体を合体/分離する態様で動作制御する遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記可動体制御手段は、遊技者による停止操作タイミングが所定のタイミング(例えば、遊技者による操作ボタン80の操作により、特定の識別情報がリールの有効ライン上で停止表示されるタイミング)であることを条件として、前記可動体の動作制御を行う遊技機(パチンコ遊技機10)。
さらに、実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、第1種パチンコ遊技機と、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機との両方を備えたパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
また、本実施形態では、普通電動役物23を備えた構成の始動口25としたが、必ずしも普通電動役物23の有無である必要はない。
また、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。