JP2021116891A - ガスホルダーのケーブルガイド軸受交換方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスホルダーのピストンの傾斜を未然に防止する。【解決手段】ガスを貯蔵するガスホルダーに設けられており、一端がピストンに接続され、他端がカウンターウエイトに接続されている複数のケーブルを支持するケーブルガイドに設けられた軸受の交換方法であって、ガスホルダー内部とのガスの流入出口を封止し、交換対象の軸受が設けられたケーブルガイドの近傍に、当該ケーブルガイドにより支持されたケーブルを支持可能な滑車を備える軸受交換治具を設置し、ケーブルガイドにより支持されているときのケーブルの張力を保持した状態で、軸受交換治具の滑車をケーブルに接触させた後、ケーブルからケーブルガイドを離隔させて、交換対象の軸受を取り外し、新たな軸受をケーブルガイドに取り付けた後、滑車により支持されているケーブルの張力を保持した状態で、ケーブルガイドをケーブルに接触させてから、ケーブルから滑車を離隔させる。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスホルダーのケーブルガイド軸受交換方法に関する。
ガスホルダーは、その内部にガスを貯留する装置であり、ガスの需要と供給の変動(アンバランス)量をピストンの上下動により時間的に吸収することの可能な可変容量式ガスホルダーが多く用いられている。ガスホルダーのガス貯蔵量は、ピストンの上下動で決定される。ピストンには、通常、複数(例えば4本、6本等)のケーブルが、周方向に等間隔に接続されている。ケーブルの一端はピストンに接続されており、他端はカウンターウエイト(以下、単に「ウエイト」とも称する。)に接続されている。ケーブルは、両端の間に配置されたケーブルガイドのプーリーによって支持されており、プーリーはピストンの上下動に伴うケーブルの移動を可能としている。このように、ピストンにウエイトが接続されたケーブルを複数接続することで、ガスホルダー内のガス貯蔵量の増減に応じたピストンの昇降を可能としている。
ガスホルダーにおいて、ピストンの安定した昇降は重要である。特に、ピストンが水平状態から傾斜するとピストンの上下動が制約される場合があり、ピストンの安定した昇降を維持することができなくなる。
このような課題に対して、例えば特許文献1には、ガスホルダー本体と、周縁部に設けられたシール機構を介してガスホルダー本体の側壁内面に沿って昇降可能に設置された蓋状のピストンとを有するガスホルダーのピストンの傾斜を制御する方法が開示されている。かかる方法では、ピストン上に3以上の液体室を設置して液体室を相互に伝通管で連結し、傾斜センサーによりピストンの傾斜を検知し、傾斜センサーからの信号に基づいて圧力調整手段により液体室の内部圧力を調整して液体室の液体量を調整し、ピストンの傾斜を制御している。
また、例えば特許文献2には、一端をホルダーの屋根に固定し、他端をホルダーの底部に固定すると共に、その中間部をピストンの径方向に少なくとも2個設けた滑車を通して成るワイヤを、ホルダーの周方向に所定間隔離間して複数本配することで、ガスホルダーのピストンを水平に自動保持する、ガスホルダーのピストン支持構造が開示されている。
特開2006−17152号公報 特開平11−201398号公報
上記特許文献1に記載の技術では、昇降するピストンの水平度合いを検知し、傾きを検知した場合はピストン上に設けた複数の液体室間での液体移動を利用して傾斜を是正している。また、上記特許文献2に記載の技術では、ピストン上下部にわたってケーブルを円周方向複数個配置することで、ピストンの傾斜が発生した場合に傾斜を是正している。しかしながら、上記特許文献1、2に記載の手法では、ピストンの傾斜を未然に防止することができない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ピストンの傾斜を未然に防止することが可能な、ガスホルダーのケーブルガイド軸受交換方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ガスを貯蔵するガスホルダーに設けられており、一端がピストンに接続され、他端がカウンターウエイトに接続されている複数のケーブルを支持するケーブルガイドに設けられた軸受の交換方法であって、ガスホルダー内部とのガスの流入出口を封止し、交換対象の軸受が設けられたケーブルガイドの近傍に、当該ケーブルガイドにより支持されたケーブルを支持可能な滑車を備える軸受交換治具を設置し、ケーブルガイドにより支持されているときのケーブルの張力を保持した状態で、軸受交換治具の滑車をケーブルに接触させた後、ケーブルからケーブルガイドを離隔させて、交換対象の軸受を取り外し、新たな軸受をケーブルガイドに取り付けた後、滑車により支持されているケーブルの張力を保持した状態で、ケーブルガイドをケーブルに接触させてから、ケーブルから滑車を離隔させる、ガスホルダーのケーブルガイド軸受交換方法が提供される。
ガスホルダーのケーブルガイド軸受交換は、ガスホルダー内部にガスが貯蔵された状態で実施されてもよい。
軸受交換治具は、ガスホルダーに対して着脱可能なフレームと、滑車と、滑車をフレームに対して昇降させる昇降機構と、を有し、滑車をケーブルよりも鉛直下側に位置させた後、昇降機構により滑車を上昇させることにより、滑車をケーブルに接触させるように構成してもよい。
以上説明したように本発明によれば、ピストンの傾斜を未然に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るガスホルダーの全体構成を示す模式図である。 ガスホルダーの概略平面図である。 ケーブルガイドの軸受を交換する際に用いる軸受交換治具を示す概略構成図である。 本実施形態に係るケーブルガイドの軸受交換の手順を説明する模式図であって、ケーブルガイドと軸受交換治具とを示す。 本実施形態に係るケーブルガイドの軸受交換の手順を説明する模式図であって、ケーブルガイドに軸受交換治具を設置した状態を示す。 本実施形態に係るケーブルガイドの軸受交換の手順を説明する模式図であって、軸受交換治具の滑車支持部を下降させた状態を示す。 本実施形態に係るケーブルガイドの軸受交換の手順を説明する模式図であって、滑車支持部に滑車を取り付けた状態を示す。 本実施形態に係るケーブルガイドの軸受交換の手順を説明する模式図であって、滑車をケーブルに接触させた状態を示す。 本実施形態に係るケーブルガイドの軸受交換の手順を説明する模式図であって、軸受を取り外した状態を示す。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[1.ガスホルダーの概略構成]
まず、図1及び図2に基づいて、本発明の一実施形態に係るガスホルダー10の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るガスホルダー10の全体構成を示す模式図である。図2は、ガスホルダー10の概略平面図である。
本実施形態に係るガスホルダー10は、図1に示すように、ホルダー内に昇降自在に配設される円形ドーム状のピストン11と、ホルダー底部に設置される円形ドーム状の底板12と、ホルダー側面を取り囲むように起立配置された円筒形の側板13と、ホルダー上部を覆う円形ドーム状の屋根14とを主に備える。
ガスホルダー10は、全体として略円筒形状を有する乾式ガスホルダーであって、ピストン11と底板12とが略同一形状を有し、ピストン11が側板13にゴムシール機構16を介して連結されたタイプのガスホルダーである。ガスホルダー10は、例えば、高さ数十m、直径数十mの貯蔵設備であり、その内部に、例えば、転炉ガス(LDG)、高炉ガス(BFG)、コークス炉ガス(COG)、天然ガス、石炭ガス等の各種のガスを貯蔵できる。
ピストン11は、その外周がホルダー直径より若干小さい径の略円形を有し、その中心部が最高点に位置するような円形ドーム形状を有する。ピストン11は、板厚が例えば4.5mm程度の比較的薄い鋼板等で製造されており、その強度を補強するための梁材等の構造補強材は取り付けられていない。このため、ピストン11の板厚により、ピストン11の質量が定まり、この結果、ピストン11の下部に貯蔵されるガス圧が決定する。かかるピストン11は、図1に示すように、その下部側に貯蔵されるガス量に応じて、ホルダー内を昇降自在である。
底板12は、例えば、コンクリート等を打設して製造された基台の上面に、鋼板等をドーム状に貼り合わせて構成されている。底板12とピストン11とは、略同一の円形ドーム形状を有する。上述のようにピストン11には構造補強材が設置されていないので、ガスホルダー10が停止してピストン11が着底したときには、ピストン11と底板12とは、ほぼ隙間無く接触する。このように、ピストン11と底板12との間に隙間がなくホルダー内へのガス流入がない場合であっても、ピストン11と底板12との間が負圧になりにくいので、薄い板状のピストン11が変形して破損することを防止できる。
側板13及び屋根14は、例えば、複数の鋼板等を溶接等により気密に接合して構築される。また、屋根14の中心部には換気口15が設けられており、さらに、側板13には、小さな換気窓である複数のシェルベント(図示せず。)が配置されている。ピストン11が上昇したときには、ゴムシール機構16がガス圧力により側板13に押し付けられるため、シェルベントにより、側板13とゴムシール機構16との間の空気を円滑に抜くことができる。なお、屋根14の形状は、図1及び図2に示すようなドーム形状の例に限定されず、例えば、平坦な円板形状または円錐形状などであってもよい。
側板13の下部には、ガスホルダー10内にガスを流入させたり流出させたりするためのガス流出入口18が設けられている。ガス流出入口18及びホルダー出入口弁18aを備える配管を介して、外部のブロワー19によって、ガスホルダー10内にガスが流出入される。なお、本実施形態では、ガスホルダー10にガス流出入口18を1つだけ設置しているが、かかる例に限定されず、ガス流入口とガス流出口とを別々に設置してもよい。
屋根14の上部または外周部には、昇降時に発生したピストン11の傾斜を補正し、ピストン11の昇降姿勢を水平に維持するためのピストン平衡装置17が設けられている。ピストン平衡装置17は、ケーブル17Aと、ウエイト17Bと、ケーブルガイド17Cとからなる。ピストン平衡装置17のケーブル17Aの一端は、ピストン11に接続されている。ケーブル17Aの他端は、ウエイト17Bに接続されている。
ケーブルガイド17Cは、ケーブル17Aの両端の間に、1または複数設置される。例えば図1には、ピストン11と接続された端部から鉛直上方に延びるケーブル17Aをガスホルダー10の外部側へ方向変換させるケーブルガイド17Cと、ウエイト17Bと接続された端部から鉛直上方に延びるケーブル17Aをガスホルダー10の内部側へ方向変換させるケーブルガイド17Cと、ケーブルガイド17Cと17Cとの間でケーブル17Aを支持するケーブルガイド17Cとの、3つのケーブルガイド17Cが設置されている。
なお、図1では、ピストン平衡装置17は、1つのみ記載されているが、通常、図2に示すように、ガスホルダー10の周方向に等間隔で複数設置されている。図2には8つのピストン平衡装置17が設置されている。ガスの供給に伴って発生するピストン11の昇降とともに、ピストン11に接続された複数のウエイト17Bが、ピストン11と反対方向に上下動する。これにより、ピストンの昇降時にピストンに傾きが発生することを防止している。
[2.ピストンの傾斜防止]
一般に、ガスホルダー10のピストン11が傾斜する要因として、ピストン11の周方向の一部において昇降に不良が生じることが考えられる。例えば、ピストン11の昇降をガイドするレールに錆が発生したり、ケーブル17Aの移動方向を変更させるケーブルガイド17Cの一部に回転不良が発生したりする場合は、ピストン11の周方向の一部が他の部分と同様に昇降ができなくなるため、ピストン11が傾斜する。ピストン11が傾斜すると、シール不良によるガス漏れが発生するおそれがある。また、偏荷重によってゴムシール機構やホルダー本体側壁に損傷を与えることがある。
ここで、上記の要因以外でも、ケーブルガイド17Cの軸受交換時にピストン11に傾斜が発生する場合があることを本願発明者らは知見した。
ケーブル17Aに接触しているケーブルガイド17Cでは、ウエイト17Bとピストン11との間に配置されたケーブル17Aのスムースな動きを実現するために、軸受を定期的に交換する必要がある。ウエイト17Bは例えば5トン程度の重量があり、通常はウエイト17Bによりケーブル17Aには張力がかかっている。従来、ケーブルガイド17Cの軸受の交換は、ケーブル17Aからウエイト17Bを取り外してケーブル17Aの張力をなくした状態で行い、軸受の交換後にケーブル17Aにウエイト17Bを再度取り付けていた。このため、ガスホルダー10の長期停止が必要となる。
このように、軸受交換の際にケーブル17Aからウエイト17Bを取り外すため、一過的とはいえ、ピストン11の支持が不均一となる。これが、ピストン11の傾斜につながる場合がある。
そこで、本願発明者らは、ケーブルガイド17Cの軸受交換時に、後述の軸受交換治具を用いることで、ケーブル17Aからウエイト17Bを外さずに、ケーブル17Aに張力を持たせたままで軸受を交換する手法を想到した。これにより、ピストンの傾斜の発生を未然に防止することができる。以下、本実施形態に係るガスホルダー10のケーブルガイド軸受交換方法について、詳細に説明する。
[2−1.軸受交換治具]
図3に、ガスホルダー10のケーブルガイド17Cの軸受を交換する際に用いる軸受交換治具100を示す。軸受交換治具100は、図3に示すように、ガスホルダー10に対して着脱可能なフレーム110と、滑車131を有するケーブル支持部130と、滑車131をフレーム110に対して昇降させる昇降機構120を有する。
フレーム110は、昇降機構120を支持する部材であって、軸受交換治具100の使用時にケーブルガイド17Cに連結される部材である。フレーム110は、一部が開口した略U字状の形状を有しており、例えば図3に示すように、一対のフレーム脚部111、112と、フレーム脚部111、112を接続する接続部113とからなる。フレーム脚部111、112には、フレーム脚部111、112をケーブルガイド17Cに連結するためのボルトを挿通させるための貫通孔111a、112aが形成されている。接続部113には、昇降機構120のねじ軸123に対応するねじ穴115が形成されている。
昇降機構120は、滑車131を備えるケーブル支持部130を昇降させるための機構である。昇降機構120は、滑車支持部121と、滑車支持部121をフレーム110と接続し、かつ、フレーム110に対して一方向に移動させるためのねじ軸123とを有する。滑車支持部121は、フレーム110の内部に配置されており、フレーム110の開口と同一向きに開口した略U字状の形状を有している。滑車支持部121は、例えば図3に示すように、一対の脚部121a、121bと、脚部121a、121bを接続する接続部121cとからなる。脚部121a、121bには、滑車131の軸受部135が配置される軸受収容部125がそれぞれ形成されている。ねじ軸123は、一端が接続部113に固定されている。ねじ軸123は、フレーム110のねじ穴115に螺合され、回転させることでフレーム110に対して滑車支持部121を昇降させることができる。
ケーブル支持部130は、ケーブルガイド17Cの軸受交換時に、交換対象の軸受の変わりにケーブル17Aを支持する。ケーブル支持部130は、図3に示すように、滑車131と、滑車131を支持するシャフト133と、シャフト133の両端に設けられた軸受部135とを有する。軸受部135は、滑車支持部121の軸受収容部125に設置される。滑車131とシャフト133とは固定されており、軸受部135に対して一体となって回転する。ケーブル支持部130は、昇降機構120の滑車支持部121に対して着脱可能に構成されている。
[2−2.ケーブルガイド軸受交換方法]
以下、図4A〜図4Fに基づいて、本実施形態に係るケーブルガイド17Cの軸受交換方法を説明する。図4A〜図4Fは、本実施形態に係るケーブルガイド17Cの軸受交換の手順を説明する模式図である。なお、図4A〜図4Fでは、交換対象の軸受が、図1及び図2のケーブルガイド17Cの軸受である場合について説明するが、他のケーブルガイド17Cの軸受についても同様に交換すればよい。
(1)ガス流入出の停止
ケーブルガイド17Cの軸受の交換を行うにあたり、まず、ガスホルダー10内部へのガスの流入出を停止させる。ガスホルダー10内部へのガスの流入出は、例えば、ホルダー出入口弁18aを閉じることによりガス流出入口18を封止することにより停止させることができる。あるいは、ガス流出入口18に連通する管に閉止板を挿入することによっても、ガスホルダー10内部へのガスの流入出を停止することができる。
ガスホルダー10内部へのガスの流入出を停止せずケーブルガイド17Cの軸受交換を行うと、ガスホルダー10に少量ながら予期しないガスの出入りが発生してピストン11が昇降する可能性がある。その結果、後続の工程にて、新たなピストン11の傾斜を発生させる場合がある。そこで、ピストン11のわずかな昇降も防止するために、ガスホルダー10内部とのガスの流入出を停止する。
なお、後続の工程は、ガスホルダー内部にガスが貯蔵された状態で実施することも可能である。ケーブルガイド17Cの軸受交換に際してガスホルダー10内からガスをなくす必要がないため、ケーブルガイド17Cの軸受交換作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
(2)軸受交換治具の設置
次いで、交換対象の軸受が設けられたケーブルガイド17Cの近傍に、当該ケーブルガイド17Cにより支持されたケーブル17Aを支持可能な滑車131を備える軸受交換治具100を設置する。例えば、図4Aに示すように、ケーブルガイド17Cのプーリー7a上にケーブル17Aが載置されているとする。プーリー7aは、プーリーシャフト7bに固定されている。プーリーシャフト7bの両端には軸受7cが設けられており、軸受7cは基台7dに設置されている。このように、プーリー7a及びプーリーシャフト7bは、軸受7cにより、基台7dに対して回転可能に設置されている。このケーブルガイド17Cの軸受7cを交換するため、ケーブルガイド17Cの近傍に、軸受交換治具100を設置する。
例えば、軸受交換治具100は、図4Aに示すように、基台7dの上部から設置させてもよい。このとき、後の工程で軸受交換治具100の滑車131がプーリー7aと接触しないように、ケーブル17Aの延びる方向(Y方向)に軸受交換治具100をプーリー7aからずらして設置するとよい。基台7dと軸受交換治具100とは、図4Bに示すように、例えばボルト等の固定部材140により連結することができる。例えば、フレーム脚部111、112を基台7dに設置したとき、フレーム脚部111、112に形成された貫通孔111a、112aに対応する貫通孔を基台7dにも形成しておき、これらの貫通孔にボルトを挿通する。そして、ボルトの両端にナットを締結することで、基台7dと軸受交換治具100とを連結させることができる。
ここで、軸受交換治具100の滑車131によりケーブル17Aを下方から支持するため、例えば、図4Bの状態では滑車支持部121に滑車131を設けないようにしてもよい。この場合、図4Cに示すように、ねじ軸123を回転させて、滑車131が設けられていない状態で滑車支持部121を下降させ、滑車支持部121の軸受収容部125をケーブル17Aの下方に位置させる。その後、図4Dに示すように、滑車支持部121に滑車131を含むケーブル支持部130を取り付けるようにしてもよい。図4Dの状態では、ケーブル17Aはまだプーリー7aに支持されている。
(3)ケーブルガイドの軸受の取り外し
その後、図4Eに示すように、ケーブルガイドに17Cのプーリー7aより支持されているときのケーブル17Aの張力を保持した状態で、軸受交換治具100のねじ軸123を回転させ、滑車131を上昇させてケーブル17Aに接触させる。その後、図4Fに示すように、ケーブル17Aからケーブルガイド17Cのプーリー7a、プーリーシャフト7b及び軸受7cを取り外す。このように、軸受交換治具100の滑車131によってケーブルガイドに17Cのプーリー7aより支持されているときのケーブル17Aの張力を保持し、その状態で軸受7cを取り外す。これにより、ピストン11と接続されている複数のウエイト17Bのバランスを崩すことがなく、ピストン11の傾斜の発生を防止することができる。すなわち、複数のウエイト17Bの均衡を保持したまま軸受7cの交換が可能となる。
軸受7cの交換を終えると、ケーブルガイド17Cの基台7dに、プーリー7a、プーリーシャフト7b及び軸受7cを取り付ける。このとき、プーリー7aをケーブル17Aに接触させる。そして、軸受交換治具100のねじ軸123を回転させ、滑車131を下降させて、ケーブル17Aから滑車131を離隔させる。このように、ケーブル17Aの張力を保持した状態で、ケーブル17Aを滑車131からプーリー7aに支持させることができる。すなわち、複数のウエイト17Bの均衡を保持したまま、ケーブル17Aがケーブルガイド17Cに支持された状態に復元することができ、ピストン11の傾斜の発生を防止することができる。
以上、本実施形態に係るケーブルガイド17Cの軸受交換方法について説明した。本実施形態によれば、軸受交換治具100を用いて、ケーブルガイドに17Cのプーリー7aより支持されているときのケーブル17Aの張力を保持した状態で、軸受7cを交換する。これにより、ピストン11の均衡を保持しつつ軸受7cを交換することができるため、ピストン11の傾斜の発生を防止することができる。その結果、ピストン11の傾斜に起因したシール不良によるガス漏れの発生を抑制することができ、また、偏荷重によって生じるゴムシール機構やホルダー本体側壁の損傷も抑制することができる。
以下の4つの手順によりガスホルダーのケーブルガイドの軸受交換を行い、それぞれピストンの傾斜の発生の有無と軸受交換に要した時間とを調べた。なお、本検証では、図1に示したガスホルダー10において、ケーブルガイド17Cの軸受を交換した。
実施例では、上述の本発明の一実施形態に係るケーブルガイド軸受交換方法に基づき、ケーブルガイド17Cの軸受を交換した。
一方、比較例1では、ガスホルダーのガス出入りを封止し、内部のガスをホルダー外部へ放散して、ピストンを徐々に降下させ、ピストンを地面に着地させた。ピストン着地後、交換対象となるケーブルガイドの軸受に張力をかけているケーブルからウエイトを重機にて取り外した。すなわち、比較例1では、ウエイトの取り外しによって交換対象となるケーブルガイドの軸受に接しているケーブルの張力をなくした状態で、軸受の交換を実施した。
また、比較例2では、ガスホルダーのガス出入りを封止し、ピストンを地面に着地させないまま、交換対象となるケーブルガイドの軸受に張力をかけているケーブルからウエイトを重機にて取り外した。すなわち、比較例2では、ガスをホルダー内に貯蔵したままウエイトの取り外しによって交換対象となるケーブルガイドの軸受に接しているケーブルの張力をなくした状態で、軸受の交換を実施した。
さらに、比較例3では、ガスホルダーのガス出入りを封止せずに、ピストンを地面に着地させないまま、交換対象となるケーブルガイドの軸受に張力をかけているケーブルからウエイトを重機にて取り外した。すなわち、比較例3では、ガスをホルダー内に貯蔵したまま、かつ、ガスホルダーとのガス出入りがある状態で、ウエイトの取り外しによって交換対象となるケーブルガイドの軸受に接しているケーブルの張力をなくした状態で、軸受けの交換を実施した。なお、比較例3では、軸受交換中にガスホルダーが移動するため、ケーブルにウエイトを再接続させる際にケーブルの長さ調整(またはウエイトの高さ調整)が必要となった。
実施例及び比較例1〜3において、ピストンの傾斜発生の有無の判断は、ホルダーの屋根とピストンとの距離を計測する距離計の値によって行った。ピストンを平面視して中心に対して径方向に対称に設置された距離計の値の差が、推奨値であるピストン直径の1/100未満よりも安全側の1/200未満を評価基準とした。本検証の結果を表1に示す。表1において、ピストン傾斜の評価は、距離計の値の差がピストン直径の1/200未満の場合を「A」、距離計の値の差がピストン直径の1/200以上となった場合をピストンが傾斜したと判断して「B」とした。
Figure 2021116891
表1より、本発明の一実施形態に係るケーブルガイド軸受交換方法を適用した実施例では、ピストンの傾斜が発生することなくケーブルガイド軸受を交換することができた。また、ガスホルダー内部のガスを放散することなく軸受を交換できたため、作業時間も2〜3時間と短時間であった。
比較例1では、ピストンの傾斜が発生することなくケーブルガイド軸受を交換することができた。しかし、ガスホルダー内部のガスを放散し、ピストンを着地させ、ウエイトを取り外す必要があり、また、それらの復旧の時間も必要であった。このため、作業時間が実施例に比べて1日程度の時間を多く要した。
比較例2では、ケーブルガイド軸受に張力をかけているケーブルのウエイトを取り外した際に、距離計の値の差がピストン直径の1/200以上となった。このまま使用すると、実施例に比べ、距離計の値の差が1/100となるまでの時間は短くなると考えられる。比較例2は、ガスホルダーのホルダーの周方向に複数設置されたウエイトのうち1つのみを取り外したため、ウエイトの均衡が崩れてしまい、ピストンが傾斜したものと推定される。
比較例3では、比較例2と同様、ケーブルガイド軸受に張力をかけているケーブルのウエイトを取り外した際に、距離計の値の差がピストン直径の1/200以上となった。比較例3では、比較例2の条件においてガス封止をしない条件を設定したことから、上記比較例2において発生したピストンの傾斜に加え、ガス出入りに伴うピストン傾斜が発生したと考えられる。したがって、比較例2に比べ、距離計の値の差が1/100となるまでの時間は短くなると考えられる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では図3のような軸受交換治具を用いたが、本発明はかかる例に限定されない。軸受交換治具は、ケーブルガイドのプーリーに支持されているときのケーブルの張力を保持することができる機構であれば、他の構成であってもよい。また、上記実施形態では、軸受交換治具は、ケーブルガイドの基台に連結するように取り付けたが、本発明はかかる例に限定されない。軸受交換治具は、ケーブルの張力がなるべく保持されるように交換対象の軸受のケーブルガイドの近傍に設置されればよく、ケーブルガイドの基台以外に設置されてもよい。
7a プーリー
7b プーリーシャフト
7c 軸受
7d 基台
10 ガスホルダー
11 ピストン
12 底板
13 側板
14 屋根
15 換気口
16 ゴムシール機構
17 ピストン平衡装置
17A ケーブル
17B ウエイト(カウンターウエイト)
17C ケーブルガイド
18 ガス流出入口
100 軸受交換治具
110 フレーム
111、112 フレーム脚部
111a、112a 貫通孔
113 接続部
115 ねじ穴
120 昇降機構
121 滑車支持部
121a、121b 脚部
121c 接続部
123 ねじ軸
125 軸受収容部
130 ケーブル支持部
131 滑車
133 シャフト
135 軸受部
140 固定部材

Claims (3)

  1. ガスを貯蔵するガスホルダーに設けられており、一端がピストンに接続され、他端がカウンターウエイトに接続されている複数のケーブルを支持するケーブルガイドに設けられた軸受の交換方法であって、
    前記ガスホルダー内部とのガスの流入出口を封止し、
    交換対象の軸受が設けられたケーブルガイドの近傍に、当該ケーブルガイドにより支持されたケーブルを支持可能な滑車を備える軸受交換治具を設置し、
    前記ケーブルガイドにより支持されているときの前記ケーブルの張力を保持した状態で、前記軸受交換治具の前記滑車を前記ケーブルに接触させた後、前記ケーブルから前記ケーブルガイドを離隔させて、前記交換対象の軸受を取り外し、
    新たな軸受を前記ケーブルガイドに取り付けた後、前記滑車により支持されている前記ケーブルの張力を保持した状態で、前記ケーブルガイドを前記ケーブルに接触させてから、前記ケーブルから前記滑車を離隔させる、ガスホルダーのケーブルガイド軸受交換方法。
  2. 前記ガスホルダー内部にガスが貯蔵された状態で実施される、請求項1に記載のガスホルダーのケーブルガイド軸受交換方法。
  3. 前記軸受交換治具は、
    前記ガスホルダーに対して着脱可能なフレームと、
    前記滑車と、
    前記滑車を前記フレームに対して昇降させる昇降機構と、
    を有し、
    前記滑車を前記ケーブルよりも鉛直下側に位置させた後、前記昇降機構により前記滑車を上昇させることにより、前記滑車を前記ケーブルに接触させる、請求項1または2に記載のガスホルダーのケーブルガイド軸受交換方法。
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