JP2021116458A - 炭化ケイ素多結晶基板の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素多結晶基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化ケイ素の研削作業を減らして、炭化ケイ素多結晶基板の生産効率を向上させることができる、炭化ケイ素多結晶基板の製造方法を提供する。【解決手段】化学的気相蒸着法によって支持基板の成膜対象面に炭化ケイ素多結晶膜を成膜した、前記支持基板と前記炭化ケイ素多結晶膜とからなる第1積層体から、所定形状の複数の第2積層体を切り出す、切り出し工程と、前記第2積層体から、前記支持基板を除去して炭化ケイ素多結晶基板を得る、除去工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化ケイ素多結晶基板の製造方法に関する。
炭化ケイ素(以下、「SiC」と記載することがある。)は、ケイ素と炭素で構成される、化合物半導体材料である。炭化ケイ素は、シリコン(以下、「Si」と記載することがある。)と比較すると、絶縁破壊電界強度がケイ素の10倍で、バンドギャップがケイ素の3倍であり、半導体材料として優れている。さらに、デバイスの作製に必要なp型、n型の制御が広い範囲で可能であることなどから、近年、パワーデバイス用途の基板材料として単結晶の炭化ケイ素が使用され始めている。
しかしながら、炭化ケイ素半導体は、従来広く普及しているケイ素半導体と比較して、大面積の炭化ケイ素単結晶基板を得ることが難しく、製造工程も複雑である。これらの理由から、炭化ケイ素半導体は、ケイ素半導体と比較して大量生産が難しく、高価であった。
これまでにも、炭化ケイ素半導体のコストを下げるために、様々な工夫が行われてきた。例えば、特許文献1には、炭化ケイ素基板の製造方法であって、少なくとも、マイクロパイプの密度が30個/cm以下の炭化ケイ素単結晶基板と炭化ケイ素多結晶基板を準備し、前記炭化ケイ素単結晶基板と前記炭化ケイ素多結晶基板とを貼り合わせる工程を行い、その後、単結晶基板を薄膜化する工程を行い、多結晶基板上に単結晶層を形成した基板を製造することが記載されている。
更に、特許文献1には、単結晶基板と多結晶基板とを貼り合わせる工程の前に、単結晶基板に水素イオン注入を行って水素イオン注入層を形成する工程を行い、単結晶基板と多結晶基板とを貼り合わせる工程の後、単結晶基板を薄膜化する工程の前に、350℃以下の温度で熱処理を行い、単結晶基板を薄膜化する工程を、水素イオン注入層にて機械的に剥離する工程とする炭化ケイ素基板の製造方法が記載されている。
このような方法により、1つの炭化ケイ素単結晶インゴットからより多くの炭化ケイ素貼り合わせ基板が得られるようになった。
特開2009−117533号公報 特開2000−169298号公報
しかしながら、特許文献1の方法で製造された炭化ケイ素基板は大部分が多結晶基板である。このため、特許文献1の方法で製造された炭化ケイ素基板が研磨などにおけるハンドリングの際に損傷しないように、機械的な強度を有するように十分な厚さの炭化ケイ素多結晶基板を使用する必要がある。
従来、前述の炭化ケイ素多結晶基板は、化学的気相成長法によって所望の直径となるよう同径より僅かに大きいカーボン製等の支持基板上に炭化ケイ素多結晶膜を成膜したのち、端面研削により支持基板を側面から露出させ、酸化雰囲気で焼成する等の手段により、支持基板の一部もしくは全部を破壊することで炭化ケイ素多結晶膜を分離したのち、平面研削および、必要に応じて研磨加工を施すことで所望の厚さおよび面状態を有する炭化ケイ素多結晶基板を得ていた(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、硬度の高い炭化ケイ素を研削加工および研磨加工する工程を行うことは、炭化ケイ素多結晶基板の生産効率が低くなる原因となっていた。
よって、本発明は、炭化ケイ素の研削作業を減らして、炭化ケイ素多結晶基板の生産効率を向上させることができる、炭化ケイ素多結晶基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法は、支持基板と、化学的気相蒸着法によって前記支持基板の成膜対象面に成膜した炭化ケイ素多結晶膜と、からなる第1積層体から、所定形状の複数の第2積層体を切り出す、切り出し工程と、前記第2積層体から、前記支持基板を除去して炭化ケイ素多結晶基板を得る、除去工程と、を備える。
また、本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において、前記切り出し工程において、同一形状、かつ、同一面積の前記第2積層体を切り出してもよい。
また、本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において、前記支持基板が平面視で円形状であってもよい。
また、本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において、前記成膜対象面が、前記支持基板の両面であってもよい。
また、本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において、前記切り出し工程の前に、前記支持基板の前記成膜対象面に前記炭化ケイ素多結晶膜を成膜する、成膜工程をさらに備え、1回の前記成膜工程において、複数の前記支持基板に対して前記炭化ケイ素多結晶膜を成膜してもよい。
また、本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において、前記成膜工程において、複数の前記支持基板が成膜装置内に前記成膜対象面が相対するように保持され、かつ、隣り合う前記支持基板同士の間の寸法が、20mm以上であってもよい。
また、本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において、直径が10cm〜20cmの炭化ケイ素多結晶基板を製造してもよい。
本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法であれば、炭化ケイ素の研削作業を減らして、炭化ケイ素多結晶基板の生産効率を向上させることができる。
本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において用いる支持基板を示す平面図である。 本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において用いる成膜装置の一例を模式的に示す断面図である。 図2に示すHの箇所における支持基板の保持状態を示す側面図であり、図3(A)は本実施形態における支持基板の保持状態、図3(B)は従来の方法における支持基板の保持状態を示す図である。 本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法の各工程における、支持基板、炭化ケイ素多結晶膜、炭化ケイ素多結晶基板を模式的に示す断面図である。 従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法の各工程における、支持基板、炭化ケイ素多結晶膜、炭化ケイ素多結晶基板を模式的に示す断面図である。 支持基板の変形例を示す平面図である。
[炭化ケイ素多結晶基板の製造方法]
本発明の一実施形態にかかる炭化ケイ素多結晶基板の製造方法について、図面を参照して説明する。本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法により得られた炭化ケイ素多結晶基板は、例えば、炭化ケイ素単結晶基板と貼り合わせることにより、パワーデバイス用の基板として用いることができる。
本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法は、化学的気相蒸着法によって支持基板100の成膜対象面110、120に炭化ケイ素多結晶膜200を成膜する成膜工程と、支持基板100と、炭化ケイ素多結晶膜200と、からなる第1積層体300から、所定形状の複数の第2積層体400を切り出す、切り出し工程と、第2積層体400から、支持基板100を除去して炭化ケイ素多結晶基板500を得る、除去工程と、を備える。以下、本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法について、成膜工程、切り出し工程、除去工程の順に説明する。
(成膜工程)
以下の説明は成膜工程の一例であり、問題のない範囲で温度、圧力、ガス雰囲気等の各条件や、手順等を変更してもよい。
本実施形態において、支持基板として、例えば図1、図4(A)に示す支持基板100を用いることができる。なお、図4(A)は、図1のA−A線断面を示す断面図である。支持基板100は、カーボン製であり、平行平板状のもの、すなわち、図面に示すように、成膜対象面110、120がおもて面と裏面に相当する平行な平板を好適に用いることができる。本明細書において、平行平板における「平行」は、厳密な平行だけでなく、支持基板100の平行な面を作成する上で不可避な誤差を有する場合も含む。
また、支持基板100は、炭化ケイ素多結晶膜200が成膜される成膜対象面110(おもて面)、成膜対象面120(裏面)と、4つの第2積層体形成部130と、を有する。また、炭化ケイ素多結晶膜200を成膜する成膜対象面は、本実施形態の支持基板100のように、支持基板の両面であることが好ましい。これにより、片面に成膜する場合と比べて、一度の成膜工程により2倍の枚数の炭化ケイ素多結晶基板を得ることができる。
また、支持基板100の形状は特に限定されず、図1に示すように平面視で円形状でもよいし、多角形状等でもよい。ただし、炭化ケイ素多結晶膜200の成膜の偏りを抑制するためやハンドリング性を考慮して、支持基板100の形状は平面視で円形状であること、すなわち円盤状であることが好ましい。また、支持基板100の厚さは、支持基板100の変形を抑制することを考慮して、例えば5mm程度とすることができる。
また、第2積層体形成部130は、支持基板100に炭化ケイ素多結晶膜200が形成されたのち、後述する切り出し工程において分離される箇所である。第2積層体形成部130は、炭化ケイ素多結晶膜200と共に第2積層体400を形成し(図4(C))、第2積層体400から第2積層体形成部130が除去されたものが炭化ケイ素多結晶基板500(図4(D))となる。また、支持基板100において、第2積層体形成部130は、図1に示すように、成膜対象面110、120の中心を対称中心として直径上に2つ、さらに、この2つの第2積層体形成部130から90°回転した位置に2つ、合計4つ設けられている。
また、同一形状、かつ、同一面積の、複数の炭化ケイ素多結晶基板500を製造する場合、生産効率の観点から、後述する切り出し工程において複数の第2積層体400を切り出すために、支持基板100は、複数の第2積層体形成部130を有することが好ましい。
また、第2積層体形成部130の大きさ、形状は、製造する炭化ケイ素多結晶基板500の大きさ、形状に対応している。
また、一般的に、支持基板の外周部分においては、炭化ケイ素多結晶膜が厚く成膜しやすい。このことから、支持基板100の外周端から、例えば4mm〜5mm程度内側に成膜した炭化ケイ素多結晶膜200から炭化ケイ素多結晶基板500を得ることが好ましく、また、支持基板100の外周端からの余剰分を考慮して支持基板100の大きさを設定することが好ましい。
本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法において、製造する炭化ケイ素多結晶基板500は、例えば、直径が10cm〜20cm程度とすることができる。このとき、支持基板100の大きさとして、具体的には、支持基板100が平面視で円形状である場合、直径4インチ(直径101mm)の炭化ケイ素多結晶基板500を製造するための支持基板100の大きさは、例えば直径210mm以上(101mm×2枚分+余剰分4mm×2)とすることができる。また、直径6インチ(直径151mm)の炭化ケイ素多結晶基板500を製造するための支持基板100の大きさは、例えば直径310mm以上(151mm×2枚分+余剰分4mm×2)とすることができる。
また、成膜対象面110、120からそれぞれ炭化ケイ素多結晶基板500を何枚製造するかは特に限定されず、成膜装置の大きさや生産計画を考慮して適宜設定すればよい。例えば、図1に示すように、成膜対象面110から4枚生産することができるようにしてもよい。
本実施形態の成膜工程は、図1に示す支持基板100の成膜対象面110、120に、化学的気相蒸着法により炭化ケイ素多結晶膜200を成膜する工程であり、例えば、以下に説明する成膜装置1000を用いて行うことができる。支持基板100の成膜対象面110、120は、図1に示すように、それぞれ、炭化ケイ素多結晶基板500を4枚得ることができる面積を有している。
本実施形態で用いる成膜装置は、ホットウォール型であり、成膜工程において成膜装置に供給されるガスが上下方向に流れる構造を有することが好ましい。図2に示すように、成膜装置1000は、成膜装置1000の外装となる筐体1010と、支持基板100に炭化ケイ素多結晶膜200を成膜させる成膜室1020と、成膜室1020より排出された原料ガスやキャリアガスを後述のガス排出口1040へ導入する排出ガス導入室1050と、排出ガス導入室1050を覆うボックス1060と、ボックス1060の外部より成膜室1020内を加温する、カーボン製のヒーター1070と、成膜室1020の上部に設けられ、成膜室1020に原料ガスやキャリアガスを導入するガス導入口1030と、ガス排出口1040と、支持基板100を保持する基板ホルダー1080を有する。
また、基板ホルダー1080は、棒状の保持部材1081と、保持部材1081を成膜室1020内に固定する保持台座1082と、を有する。また、保持台座1082は、成膜室1020の側壁の内側の2箇所に設けられ、保持台座1082には、保持部材1081を挿し込んで固定することができる穴(不図示)が形成されており、棒状の保持部材1081の長手方向を水平に保持することができる。また、保持部材1081において、支持基板100が保持される箇所は、後述するナットN1、ナットN2を締結するためのねじ切り加工が施されている。すなわち、図2に示すように、成膜装置1000において、支持基板100は、ナットN1、ナットN2を用いて挟んで固定されることにより、保持部材1081に成膜対象面110、120が鉛直方向になるように保持される。以上に説明した、支持基板100を成膜室1020の基板ホルダー1080に固定する作業は、一般的に手作業により行われる。
なお、支持基板の保持方法は特に限定されず、例えば、成膜対象面110、120が水平方向となるように保持されてもよいが、炭化ケイ素多結晶膜200がより均一に成膜するように、本実施形態のように、支持基板100は成膜対象面110、120が鉛直方向、すなわち、支持基板100の面法線が供給されるガスが流れる方向に対して直行する方向になるように保持されることが好ましい。
また、成膜室1020内に保持される支持基板100の枚数は特に限定されず、1枚でもよいし、複数枚でもよい。複数枚である方が、生産効率が向上するため、より好ましい。すなわち、1回の成膜工程において、複数の支持基板100に対して炭化ケイ素多結晶膜200を成膜することが好ましい。また、1枚の支持基板100への成膜を複数回(複数バッチ)行ってもよいし、複数の支持基板100への成膜を複数回(複数バッチ)行ってもよい。
また、支持基板100の保持方法について、支持基板100の成膜対象面110、120の中央付近に穴を設けておいて、この穴に保持部材1081を挿し込んだ後に、ナットN1、ナットN2を用いて固定してもよい。
成膜工程において、本実施形態のように、複数の支持基板100が成膜装置1000内に成膜対象面が相対するように保持される場合には、隣り合う支持基板100同士の間の寸法が、20mm以上であることが好ましい。隣り合う支持基板100同士の間の寸法が小さすぎる場合、成膜装置1000内に支持基板100を設置する作業において、ハンドリングミス等により支持基板100が損傷する場合がある。隣り合う支持基板100同士の間の寸法の上限は特になく、設置する支持基板100の枚数や成膜装置1000の寸法等を考慮して適宜設定することができる。
また、基板間を流れるガスの流れが均一になるように、成膜室1020の内壁と一番端に設置された支持基板100との間の寸法、隣り合う支持基板100同士の間の寸法が、等間隔であることが好ましい。これにより、1度の成膜工程において複数の支持基板100を用いる場合においても、成膜の偏りを少なくすることができる。
また、複数の支持基板100を成膜装置1000内に設置する場合には、成膜の偏りを少なくして均一に成膜するために、支持基板100を等間隔で設置することが好ましい。
成膜工程の具体的な手順について説明する。まず、成膜室1020内に支持基板100を保持した状態で、成膜室1020内から大気を除去するために、ロータリーポンプ等で成膜室1020内を真空引きした後、Ar等の不活性ガスで大気圧に戻し、不活性ガス雰囲気下で、成膜の反応温度まで、ヒーター1070により支持基板100を加熱する。炭化ケイ素多結晶膜の成膜温度は、例えば、1000℃〜1400℃程度とすることができる。成膜の反応温度まで達したら、不活性ガスの供給を止めて、成膜室1020内に炭化ケイ素多結晶膜200の成分を含む原料ガスやキャリアガスを供給する。
原料ガスとしては、炭化ケイ素多結晶膜200を成膜させることができれば、特に限定されず、一般的に炭化ケイ素多結晶膜の成膜に使用されるSi系原料ガス、C系原料ガスを用いることができる。例えば、Si系原料ガスとしては、シラン(SiH)を用いることができるほか、モノクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)などのエッチング作用があるClを含む塩素系Si原料含有ガス(クロライド系原料)を用いることができる。C系原料ガスとしては、例えば、メタン(CH)、プロパン(C)、アセチレン(C)等の炭化水素を用いることができる。上記のほか、トリクロロメチルシラン(CHClSi)、トリクロロフェニルシラン(CClSi)、ジクロロメチルシラン(CHClSi)、ジクロロジメチルシラン((CHSiCl)、クロロトリメチルシラン((CHSiCl)等の有機珪素化合物を気相で還元熱分解する方法も用いることができる。
また、キャリアガスとしては、炭化ケイ素多結晶膜200の成膜を阻害することなく、原料ガスを支持基板100へ展開することができれば、一般的に使用されるキャリアガスを用いることができる。例えば、熱伝導率に優れ、炭化ケイ素に対してエッチング作用があるHガスをキャリアガスとして用いることができる。また、これら原料ガスおよびキャリアガスと同時に、第3のガスとして、不純物ドーピングガスを同時に供給することもできる。例えば、炭化ケイ素多結晶膜200を支持基板100から分離することで得られる炭化ケイ素多結晶基板の導電型をn型とする場合には窒素(N)、p型とする場合にはトリメチルアルミニウム(TMA)を用いることができる。
炭化ケイ素多結晶膜200を成膜させる際には、上記のガスを適宜混合して供給する。また、所望の炭化ケイ素多結晶膜200の性状に応じて、成膜工程の途中でガスの混合割合、供給量等の条件を変更してもよい。
支持基板100の表面や気相での化学反応により、加熱した支持基板100の両面に炭化ケイ素多結晶膜200を成膜させることができる。炭化ケイ素多結晶膜200の厚さは、所望の炭化ケイ素多結晶基板500の厚さを考慮して適宜設定することができ、例えば、300μm〜1000μm程度とすることができる。以上の成膜工程により、図4(B)に示すように、支持基板100に炭化ケイ素多結晶膜200が成膜された、支持基板100と炭化ケイ素多結晶膜200との第1積層体300が得られる。以上のように形成された第1積層体300は、常温程度まで冷却されたのちに、切り出し工程に供される。
(切り出し工程)
切り出し工程は、支持基板100と炭化ケイ素多結晶膜200とからなる第1積層体300から、所定形状の複数の第2積層体400を分離する工程である。
ここで、第2積層体400は、支持基板100の第2積層体形成部130と炭化ケイ素多結晶膜200との積層体である。また、所定形状とは、製造する炭化ケイ素多結晶基板500の形状に対応した形状であり、任意の形状とすることができ、例えば、円形状や多角形状とすることができる。第2積層体400の大きさは特に限定されないが、第2積層体400は、通常、製造する炭化ケイ素多結晶基板と同じ大きさの寸法か、後述する除去工程後に炭化ケイ素多結晶基板500の外周部分を研削して所望の直径寸法に調整する加工を施すことを考慮して、最終的な炭化ケイ素多結晶基板よりも少し(例えば数ミリ程度)大きい寸法を有する。炭化ケイ素の硬度が高いことから、製造する炭化ケイ素多結晶基板よりも大幅に大きい第2積層体を得るよりも、製造する炭化ケイ素多結晶基板と同程度の大きさを有する第2積層体を得ることが好ましい。
また、複数の第2積層体400は、すべて同じ大きさ、かつ、同じ形状を有していてもよいし、異なる大きさ、または、異なる形状を有してしてもよい。
また、切り出し工程においては、成膜工程により得られた支持基板100と炭化ケイ素多結晶膜200との第1積層体300の膜厚分布等を観察したうえで、第2積層体400を分離する箇所を決めてもよい。
第2積層体400の分離には、回転刃等を備える切削工具を用いることができる。例えば、円盤状の回転刃を有する切削工具を用いて、所定の形状に切り出すことができる。また、炭化ケイ素多結晶基板500は、一般的に、円形状に形成されることから、第2積層体400の分離には、切削対象物を円形状に切削するコアドリルを好適に用いることができる。
切り出し工程においてコアドリルを用いる場合、コアドリルの寸法は、所望の炭化ケイ素多結晶基板に対応した寸法とすることができる。本実施形態においては、図4(B)に示すように、第1積層体300を切削対象物として、支持基板100の第2積層体形成部130上に形成した炭化ケイ素多結晶膜200ごと、コアドリル(図3(B)のM1、M2)で切削することにより、第2積層体400(図3(C))を得ることができる。なお、コアドリルを用いる場合、切削した内側の部分を第2積層体400として後の工程で用いることから、円形状に切削するドリル(コアビット)のみを用いて、センタードリルは用いずに加工を行うことができる。切り出し工程においてコアドリルを用いることにより、円形状の第2積層体400を得る場合に、作業性を向上させることができる。
以上の切り出し工程により、図4(C)に示す第2積層体400が得られる。得られた第2積層体400を除去工程に供する。
(除去工程)
除去工程は、第2積層体400から、支持基板100の第2積層体形成部130を除去して炭化ケイ素多結晶基板500を得る工程である。第2積層体形成部130は、Oや空気等の酸化性ガス雰囲気下で数百度(例えば800℃程度)、例えば100時間以上加熱して第2積層体形成部130のみを燃焼させることにより、除去することができる。第2積層体400は、第1積層体300を分離して得られることから、第2積層体形成部130の側面が露出しているが、必要に応じて、第2積層体400に、図4(C)の線Cの箇所で第2積層体形成部130をスライスする、スライス加工を施してもよい。第2積層体400にスライス加工を施すことにより、第2積層体形成部130の露出面積が大きくなり、より効率的に第2積層体形成部130を燃焼除去することができる。以上により炭化ケイ素多結晶基板500(図4(D))が得られる。
さらに、除去工程ののち、必要に応じて、直径加工や面取り加工、厚さ加工や平坦度加工、洗浄を行う。直径加工や面取り加工とは、ダイヤモンド砥石等を用いて外周部分を研削することにより、所望の直径寸法に調整するとともに、炭化ケイ素多結晶基板の外周部分全体の角を落とす加工を施すものである。また、厚さ加工や平坦度加工とは、炭化ケイ素単結晶基板との貼り合わせ基板を製造する等の用途に適した厚さと平坦度とするために、成膜面に研削加工や研磨加工を施して厚さと平坦度を調整するものである。
厚さや平坦度を調整するための研削加工および研磨加工は、例えば、炭化ケイ素多結晶基板500をダイヤモンドスラリーでラップ処理し、ダイヤモンドとアルミナとの混合スラリーでハードポリッシュした後に、シリカスラリー(コロイダルシリカ、pH11)でポリッシュするという工程により行われる。これにより、炭化ケイ素多結晶基板500の厚さを調整し、また、平坦度を高くして、炭化ケイ素多結晶基板500の表面を平滑化することができる。
[従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法]
ここで、従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法について、図5を参照して説明する。従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法は、製造する炭化ケイ素多結晶基板と同じ大きさの支持基板100E(図5(A))に炭化ケイ素多結晶膜200Eを成膜して積層体300E(図5(B))を得たのち、必要に応じて、例えば図5(B)の線Eの箇所で支持基板100Eの外周部分を露出させ、支持基板100Eを除去して炭化ケイ素多結晶基板500E(図5(C))を得るというものである。
支持基板の外周端の近傍(外周部分)においては、成膜した炭化ケイ素多結晶膜の膜厚が大きくなる傾向にある。従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法においては、支持基板に成膜された全面の炭化ケイ素多結晶膜を炭化ケイ素多結晶基板として用いることから、得られた炭化ケイ素多結晶基板においても外周部分の厚さが大きくなりやすい。すなわち、得られた炭化ケイ素多結晶基板の同一平面内での膜厚差が大きくなりやすいことから、支持基板を除去したのちに、成膜面に研削加工および研磨加工を施して厚さと平坦度を調整する手間が大きくなる。
具体的には、1000μmの炭化ケイ素多結晶膜を成膜して、研削加工により最終的に400μmの炭化ケイ素多結晶基板を得ようとする場合、膜厚の分布は1000μm±600μm程度となる。支持基板の成膜対象面の内方においては700μm±300μm程度の膜厚となるが、一方で成膜対象面の外周部分では1300μm±300μm程度の膜厚となる。すなわち、支持基板を除去した後の研削加工において、1600μm程度から400μmまで、例えば図5(B)の線Fの箇所まで平坦化したうえで厚さを調整する加工を施すなど、硬度の大きい炭化ケイ素を研削しなければならないことがあり、研削加工の負担が大きかった。
[本実施形態の製造方法と従来の製造方法との比較]
一方、本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法においては、支持基板100に成膜した炭化ケイ素多結晶膜200のうち、炭化ケイ素多結晶膜200の膜厚が大きくなりやすい外周部分を避けて第2積層体400を得ることができる。これにより、同一平面内での膜厚差が小さい炭化ケイ素多結晶基板500を製造することができる。よって、本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法であれば、炭化ケイ素の研削作業を減らして、炭化ケイ素多結晶基板の生産効率を向上させることができる。
また、従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法においては、従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法は、製造する炭化ケイ素多結晶基板と同じ大きさの支持基板100Eを用いることから、1枚の支持基板100Eから、支持基板100Eの両面を成膜対象面とする場合には2枚の炭化ケイ素多結晶基板500Eが得られる。一方、本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法の場合、図1に示す支持基板100を用いる場合には、支持基板100の両面から8枚の炭化ケイ素多結晶基板500が得られる。
図3は、成膜装置1000の基板ホルダー1080に支持基板を設置した状態を示す図であり、図3(A)は本実施形態の方法における状態を示し、図3(B)は従来の方法における状態を示す図である。同数の炭化ケイ素多結晶基板を製造する場合において、従来の製造方法と本実施形態の製造方法とを比較すると、本実施形態の製造方法(図3(A))においては、成膜装置1000内に設置する支持基板100の枚数が従来の方法(図3(B))よりも少なくなる。
よって、本実施形態の製造方法においては、隣り合う支持基板100同士の間の寸法(図3(B)における寸法R)を従来の支持基板同士の寸法(図3(B)における寸法r)より大きくすることができ、従来の製造方法よりもハンドリングのミス等による支持基板の損傷を抑制して歩留まりを向上させることができる。また、設置する支持基板100の枚数を少なくすることにより、ハンドリングミス等により支持基板100や第1積層体300が損傷する機会を少なくするとともに、作業効率を向上させることができる。
また、従来の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法においては、支持基板の製造コストを抑制するために、厚さが1mm程度の4インチ〜6インチの支持基板を用いる場合がある。このような場合、厚さが薄いことから、支持基板の取り付け作業の際に支持基板が損傷することがあった。しかしながら、本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法においては、支持基板自体の強度を考慮して従来よりも厚い(例えば、5mm程度)炭化ケイ素多結晶基板を用いることから、支持基板の取り付け作業において従来よりも支持基板の損傷を抑制することができる。
また、複数の支持基板を成膜室1020内に設置する場合、成膜室1020の端では成膜の膜厚に偏りが生じて、製造した炭化ケイ素多結晶基板の良品率が低下する場合がある。よって、本実施形態の方法であれば、設置する支持基板100の枚数を少なくすることができることから、成膜室1020の端等の成膜の偏りが生じる箇所を避けて支持基板100を設置することができ、これにより、炭化ケイ素多結晶基板の良品率を向上させて、歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態の製造方法と従来の製造方法において成膜装置1000内に設置する支持基板の数が同じ場合には、本実施形態の製造方法においては、1つの成膜対象面から複数の炭化ケイ素多結晶基板を製造することができるため、本実施形態の製造方法の方が得られる炭化ケイ素多結晶基板の数が多くなる。このことから、本実施形態の製造方法であれば、炭化ケイ素多結晶基板の生産効率を向上させることができる。
以上に説明したように、本実施形態の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法であれば、従来の方法に比べて、生産効率、作業効率を向上させることができ、このことにより製造コストを低減させることができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前述した実施形態においては、支持基板100から、複数の同じ大きさの炭化ケイ素多結晶基板500を製造する方法を例示したが、支持基板から異なる大きさの炭化ケイ素多結晶基板を製造してもよい。異なる大きさの炭化ケイ素多結晶基板を製造する場合に用いられる支持基板100Aは、製造効率を考慮して、図6に示すように、同一平面上(例えば、成膜対象面110)に、異なる大きさの第2積層体形成部(例えば、6インチの炭化ケイ素多結晶基板の製造に対応する第2積層体形成部130Aと、4インチの炭化ケイ素多結晶基板の製造に対応する第2積層体形成部130B)を有することが好ましい。これにより、除去工程により得られた炭化ケイ素多結晶基板の外周を大幅に研削して大きさを調整することなく、異なる大きさの炭化ケイ素多結晶基板を得ることができる。
また、前述した炭化ケイ素多結晶基板の製造方法においては、成膜工程、切り出し工程、除去工程により炭化ケイ素多結晶基板を製造するものであったが、成膜工程を行わずに、支持基板100に炭化ケイ素多結晶膜200が成膜した第1積層体300を入手して、切り出し工程、除去工程のみを行って炭化ケイ素多結晶基板500を製造してもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下、本発明の実施例および比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されることはない。
本実施例においては、前述した実施形態の支持基板100を保持部材1081に保持し、底面から成膜ガスを導入するホットウォール型の成膜装置1000を用いて炭化ケイ素多結晶膜200を成膜する成膜工程を行ったのち、コアドリルを用いて切り出し工程を行った。さらに、得られた第2積層体400から支持基板(第2積層体形成部130)を除去して炭化ケイ素多結晶基板500を得た。また、成膜工程により成膜する炭化ケイ素多結晶膜の膜厚を1000μmと設定して、除去工程により支持基板を除去したのちに、得られた炭化ケイ素多結晶基板に対して研削加工を行い、厚さを400μmに調整した。
(実施例1)
支持基板として、直径400mm、厚さ5mmの黒鉛製支持基板を用いた。この支持基板を成膜装置1000の成膜室1020内の基板ホルダー1080に6枚設置した。具体的には、保持部材1081にナットN1、ナットN2を挿通しておき、さらにナットN1、ナットN2の間に支持基板を位置付けたのち、ナットN1、ナットN2を締結することで、支持基板を固定した。この作業を6回繰り返して、6枚の支持基板を固定した。
また、支持基板の成膜対象面は両面として、6枚の支持基板から48枚の炭化ケイ素多結晶基板を得ようとした。このとき、成膜室1020の内壁と一番端に設置された支持基板100との間の寸法、隣り合う支持基板の向かい合う成膜対象面同士の間の寸法が20mmとなるように固定した。6枚の支持基板を成膜室内に保持するために要した時間は5分間であった。また、成膜室内への保持作業中のハンドリングミス等による支持基板の割れは0枚であった。
まず、成膜工程を行った。成膜室1020内を不図示の排気ポンプにより真空引きをした後、Arガスで大気圧に戻したのちに、1400℃まで加熱した。原料ガスとして、SiCl、CHを用い、キャリアガスとしてHを用いた。炭化ケイ素多結晶膜の成膜は、SiCl:CH:H:N=1:1:10の流量比率で上記ガスを混合して成膜室1020内に供給し、2.5時間の成膜を実施した。このとき、成膜室内の圧力は20kPaとなるように制御した。
次に、切り出し工程を行った。成膜工程により得られた支持基板と炭化ケイ素多結晶膜との積層体から、ダイヤモンド砥粒を付した内径がφ151mmのコアドリルを用いて、1枚の第1積層体から4枚の第2積層体を分離した。このとき、積層体の外周縁を4mm残して第2積層体を分離した。切り出し工程に要した時間は、1枚の第2積層体について平均8分間であった。得られた第2積層体は、外周部において支持基板が露出していた。
さらに、第2積層体を、大気雰囲気で800℃、100時間の加熱することで、支持基板を焼成除去した。これにより、4枚の第2積層体から合計8枚の炭化ケイ素多結晶基板を得た。残り5枚の第1積層体も同様の工程に供した結果、6枚の支持基板を成膜工程に供して合計48枚の炭化ケイ素多結晶基板を得た。すなわち、製造工程において、割れ等の損傷はなく、予定した数量(48枚)の炭化ケイ素多結晶基板が得られた。
また、得られ炭化ケイ素多結晶基板は厚さが平均700μmで、同一平面内での厚さの差が少なく、平坦化するための研削加工および研磨加工が必要なかった。このような炭化ケイ素多結晶基板を研削加工および研磨加工により厚さを400μmに調整した。加工は、炭化ケイ素多結晶基板をダイヤモンドスラリーでラップ処理し、ダイヤモンドとアルミナとの混合スラリーでハードポリッシュした後に、シリカスラリー(コロイダルシリカ、pH11)でポリッシュすることにより行った。研削加工および研磨加工に要した時間は、1枚の炭化ケイ素多結晶基板につき平均50分であった。
(比較例1)
成膜工程において、支持基板として直径151mm、厚さ1mmの黒鉛基板を使用した。支持基板の成膜対象面は両面として、合計48枚の炭化ケイ素多結晶基板を得るために、支持基板を24枚使用した。また、比較例1においては、除去工程の前に積層体の外周部分の炭化ケイ素を研削して支持基板を露出させた。支持基板を露出させるために炭化ケイ素の研削に要した時間は、1枚の積層体につき平均15分であった。
成膜工程において、成膜室1020の内壁と一番端に設置された支持基板100との間の寸法、隣り合う支持基板の向かい合う成膜対象面同士の間の寸法が10mmとなるように固定した。上記以外の成膜条件、研削加工および研磨加工条件は実施例1と同様にして炭化ケイ素多結晶基板を製造した。24枚の支持基板を成膜室内に保持するために要した時間は30分間であった。また、成膜室内への保持作業中のハンドリングミス等による支持基板が2枚損傷した。また、炭化ケイ素多結晶基板が1枚損傷した。炭化ケイ素多結晶基板の損傷は、支持基板の保持作業中にハンドリングをミスして、支持基板の割れには至らなかったものの支持基板にクラックが入っており、クラックが入った支持基板上に炭化ケイ素多結晶膜が形成したことで、炭化ケイ素多結晶基板の割れに至ったことによるものと考えられた。以上の工程により、43枚の炭化ケイ素多結晶基板が得られた。また、得られた炭化ケイ素多結晶基板は外周部分の厚さ(平均1300μm)が大きく、平坦化してさらに厚さを400μmに調整するために研削加工および研磨加工を行った。研削加工および研磨加工に要した時間は、1枚の炭化ケイ素多結晶基板につき平均150分であった。
本発明の例示的態様である実施例1の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法であれば、炭化ケイ素の研削作業を減らして、炭化ケイ素多結晶基板の生産効率を向上させることができる。また、支持基板を扱う作業性においても、従来の製造方法よりもハンドリングのミス等による支持基板の損傷を抑制して歩留まりを向上させることができる。また、設置する支持基板の枚数を少なくすることにより、作業効率を向上させることができる。以上のことから、本発明の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法であれば、従来の方法に比べて、生産効率、作業効率を向上させることができ、このことにより製造コストを低減させることができる。
100、100A 支持基板
110、120 成膜対象面
130、130A、130B 第2積層体形成部
200 炭化ケイ素多結晶膜
300 第1積層体
400 第2積層体
500 炭化ケイ素多結晶基板

Claims (7)

  1. 支持基板と、化学的気相蒸着法によって前記支持基板の成膜対象面に成膜した炭化ケイ素多結晶膜と、からなる第1積層体から、所定形状の複数の第2積層体を切り出す、切り出し工程と、
    前記第2積層体から、前記支持基板を除去して炭化ケイ素多結晶基板を得る、除去工程と、を備える炭化ケイ素多結晶基板の製造方法。
  2. 前記切り出し工程において、同一形状、かつ、同一面積の前記第2積層体を切り出す、請求項1に記載の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法。
  3. 前記支持基板が平面視で円形状である、請求項1または2に記載の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法。
  4. 前記成膜対象面が、前記支持基板の両面である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法。
  5. 前記切り出し工程の前に、前記支持基板の前記成膜対象面に前記炭化ケイ素多結晶膜を成膜する、成膜工程をさらに備え、
    1回の前記成膜工程において、複数の前記支持基板に対して前記炭化ケイ素多結晶膜を成膜する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法。
  6. 前記成膜工程において、複数の前記支持基板が成膜装置内に前記成膜対象面が相対するように保持され、かつ、隣り合う前記支持基板同士の間の寸法が、20mm以上である、請求項5に記載の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法。
  7. 直径が10cm〜20cmの炭化ケイ素多結晶基板を製造する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化ケイ素多結晶基板の製造方法。
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