JP2021115937A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングホイールを介して運転者により適切な反力を伝達することができ、車両の安定性を向上させることが可能な操舵制御装置を提供する。【解決手段】車両10のステアリングホイール13に運転者の操作に対する反力を生じさせる反力アクチュエータ16を制御するための操舵制御装置100である。操舵制御装置100は、車両10のタイヤ11のスリップ角と横力との関係であるコーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域における反力を、コーナリングフォース特性が線形となる線形領域における反力よりも増大させる。【選択図】図1

Description

本開示は、操舵制御装置に関する。
従来からステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムのように、ステアリングホイール等の操作部材に対してアクチュエータからの力を与えることができる構成の車両用操舵装置に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載された発明は、運転者に必要な情報を適切に伝達することができ、これにより、快適な運転環境を提供できる車両用操舵装置を提供することを目的としている(同文献、第0008段落)。
上記の目的を達成するために、特許文献1は、運転者によって操作される操作部材の操作に応じて、舵取り車輪を転舵させるための舵取り機構を作動させる車両用操舵装置を開示している(同文献、請求項1、第0009段落)。この従来の車両用操舵装置は、アクチュエータと、少なくとも一つのセンサと、信号解析手段と、制御手段とを含む。アクチュエータは、運転者への情報伝達のために、操作部材に力を加える。少なくとも一つのセンサは、車両の運動に関わる物理量を検出し、検出結果に応じた検出信号を出力する。信号解析手段は、センサが出力する検出信号を解析し、解析結果を出力する。制御手段は、信号解析手段が出力する解析結果に基づいて、アクチュエータを制御する。
この構成によれば、車両の運動に関わる物理量(操作部材の操作、舵取り機構の動作、制動機構の動作、駆動系の動作、タイヤの負荷などについてのものを含む。)を検出するセンサの検出結果が解析され、その解析結果に基づいて、アクチュエータが制御される(同文献、第0010段落)。より具体的には、たとえば、タイヤに加わる負荷の変化速度または変化加速度が大きいほど大きな反力がステアリングホイールを介して運転者に伝えられ、また、車速が大きいほど大きな反力がステアリングホイールを介して運転者に伝達される(同文献、第0028段落)。
特開2004−155282号公報
上記従来の車両用操舵装置では、車両のタイヤが路面に対してすべりを生じるすべり域において、すべりを生じない粘着域と比較して、タイヤに加わる負荷の変化速度または変化加速度が小さくなる。その結果、ステアリングホイールを介して運転者に伝達される反力が減少し、運転者によるステアリング操作が過剰になり、車両の安定性が低下するおそれがある。
本開示は、ステアリングホイールを介して運転者により適切な反力を伝達することができ、車両の安定性を向上させることが可能な操舵制御装置を提供する。
本開示の一態様は、車両のステアリングホイールに運転者の操作に対する反力を生じさせる反力アクチュエータを制御するための操舵制御装置であって、前記車両のタイヤのスリップ角と横力との関係であるコーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域における前記反力を、前記コーナリングフォース特性が線形となる線形領域における前記反力よりも増大させることを特徴とする操舵制御装置である。
本開示の上記一態様によれば、ステアリングホイールを介して運転者により適切な反力を伝達することができ、車両の安定性を向上させることが可能な操舵制御装置を提供することができる。
本開示に係る操舵制御装置の実施形態1を示す概略構成図。 図1に示す操舵制御装置の機能ブロック図。 図2の非線形度算出機能の詳細を示す機能ブロック図。 車両の横加速度と転舵トルクとの関係の一例を示すグラフ。 図3の学習機能の動作の一例を示すフロー図。 図2の反力算出機能の詳細を示す機能ブロック図。 実施形態1の操舵制御装置の動作を説明するグラフ。 本開示に係る操舵制御装置の実施形態2を示す概略構成図。 図8に示す操舵制御装置の機能ブロック図。 図9に示す操舵制御装置における転舵制御機能の動作を説明するフロー図。 実施形態2の操舵制御装置の動作の一例を説明するグラフ 実施形態3の操舵制御装置における反力算出機能の機能ブロック図。 図12に示す反力算出機能の動作を説明するフロー図。 実施形態3の操舵制御装置を搭載した車両が走行する状態を示す平面図。 実施形態3の操舵制御装置の動作を説明するグラフ。
以下、図面を参照して本開示に係る操舵制御装置の実施形態を説明する。
[実施形態1]
図1は、本開示に係る操舵制御装置の実施形態1を示す概略構成図である。本実施形態の操舵制御装置100は、たとえば、車両10に搭載されたマイクロコントローラであり、ステアリングホイール13に運転者による操作方向と反対方向の反力を生じさせる反力アクチュエータ16を制御する。
図1に示す例において、車両10は、たとえば、タイヤ11と、速度センサ12と、ステアリングホイール13と、操舵角センサ14と、転舵機構15と、反力アクチュエータ16と、加速度センサ17と、通信バスライン18と、操舵制御装置100と、を備えている。タイヤ11は、たとえば、左右の前輪が転舵機構15によって転舵される操舵輪であり、左右の後輪が車両10の図示を省略するエンジンやモータなどの動力源に動力伝達機構を介して連結された駆動輪である。
速度センサ12は、たとえば、各々のタイヤ11の回転速度に基づいて、車両10の速度やヨーレートを検知する。ステアリングホイール13は、車両10の運転者によって操作される。車両10は、たとえば、ステアバイワイヤシステムを搭載している。すなわち、ステアリングホイール13は、たとえば、操舵輪であるタイヤ11に対し、機械的に連結されていないか、または、機械的に連結された状態と、機械的な連結が解除された状態とを切り替え可能に構成されている。
操舵角センサ14は、車両10の運転者によって操作されたステアリングホイール13の操舵角αおよび操舵角速度を検知する。転舵機構15は、たとえば、操舵輪であるタイヤ11を転舵させる転舵アクチュエータ15aと、この転舵アクチュエータ15aによるタイヤ11の転舵角βを制御する転舵角制御ユニット15bとによって構成されている。
反力アクチュエータ16は、ステアリングホイール13に車両10の運転者の操作に対する反力を発生させる。加速度センサ17は、車両10の前後方向の加速度と、車両10の横方向の加速度である横加速度Asとを検知する。また、加速度センサ17は、車両10の加速度と姿勢角を検知する慣性センサであってもよい。
操舵制御装置100は、通信バスライン18を介して、速度センサ12、操舵角センサ14、反力アクチュエータ16に接続されている。操舵制御装置100は、通信バスライン18を介して、車両10の速度Vおよびヨーレート、ステアリングホイール13の操舵角α、反力アクチュエータ16が発生している反力としてのトルクTrなどを取得する。また、操舵制御装置100は、加速度センサ17から、車両10の横加速度Asを含む加速度を取得する。また、操舵制御装置100は、転舵機構15から、操舵輪であるタイヤ11を転舵させるための転舵トルクTsと、タイヤ11の転舵角βを取得する。
図2は、図1に示す操舵制御装置100の機能ブロック図である。操舵制御装置100は、たとえば、図示を省略する中央処理装置(CPU)などの演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置、タイマーなどを備えたマイクロコントローラによって構成された電子制御装置またはその一部である。
操舵制御装置100は、たとえば、操舵角取得機能110と、速度取得機能120と、横加速度取得機能130と、転舵トルク取得機能140と、非線形度算出機能150と、反力算出機能160と、を備えている。これら操舵制御装置100の各機能は、たとえば、操舵制御装置100において補助記憶装置に記憶されたデータベースを参照しながら、主記憶装置にロードされたプログラムを、演算装置によって周期的に実行することで実現することができる。
操舵角取得機能110は、操舵角センサ14から運転者によるステアリングホイール13の操舵角αを取得する。速度取得機能120は、速度センサ12から車両10の速度Vを取得する。また、速度取得機能120は、加速度センサ17から取得した車両10の前後方向の加速度の積分値から車両10の速度Vを算出してもよい。横加速度取得機能130は、加速度センサ17から車両10の横加速度Asを取得する。転舵トルク取得機能140は、転舵機構15からタイヤ11の転舵トルクTsを取得する。また、これら操舵角取得機能110、速度取得機能120、横加速度取得機能130、および転舵トルク取得機能140は、たとえば、取得した各情報の信号にフィルタ処理を施してノイズや外乱を除去し、取得した各情報の信頼性を向上させてもよい。
非線形度算出機能150は、コーナリングフォース特性の非線形度Dnを算出する。ここで、コーナリングフォース特性とは、車両10のタイヤ11のスリップ角と横力との関係である。詳細については後述するが、本実施形態の操舵制御装置100において、非線形度算出機能150は、横加速度Asと転舵トルクTsとの関係に基づいて、コーナリングフォース特性の非線形度Dnを算出する。
反力算出機能160は、操舵角取得機能110によって取得した操舵角αと、速度取得機能120によって取得した車両10の速度Vと、非線形度算出機能150によって算出したコーナリングフォース特性の非線形度Dnを入力とする。反力算出機能160は、操舵角α、速度V、および非線形度Dnに基づいて、反力アクチュエータ16によって発生させる反力としてのトルクTrの指令値を算出する。
反力算出機能160は、算出した反力としてのトルクTrの指令値を、たとえば、通信バスライン18を介して反力アクチュエータ16へ出力する。反力アクチュエータ16は、たとえば、通信バスライン18を介して入力されたトルクTrの指令値に応じて、運転者のステアリングホイール13の操作に対する反力としてのトルクTrを発生させる。
図3は、図2の非線形度算出機能150の詳細を示す機能ブロック図である。図4は、車両10の横加速度Asと転舵トルクTsとの関係の一例を示すグラフである。非線形度算出機能150は、たとえば、学習機能151と、基準転舵トルク算出機能152と、非線形判定機能153とを有している。
学習機能151は、横加速度Asと転舵トルクTsとの関係を学習する。より詳細には、学習機能151は、たとえば、操舵角αと、車両10の速度Vと、横加速度Asと、転舵トルクTsと、前回の演算周期で算出された車両10のコーナリングフォース特性の非線形度Dnとを入力とする。学習機能151は、これらの入力に基づいて、転舵トルクTsの増加量ΔTsを横加速度Asの増加量ΔAsで除した変化の割合(ΔTs/ΔAs)、すなわち、図4において実線L1で示す横加速度Asと転舵トルクTsとの関係の直線部分の傾きを出力する。
図4に示すように、車両10の横加速度Asと転舵トルクTsとの関係は、車両10のタイヤ11のスリップ角と横力との関係であるコーナリングフォース特性が線形となる線形領域では、コーナリングフォース特性と同様に線形となる。なお、転舵トルクTsは、転舵アクチュエータ15aの出力トルクである。また、車両10の横加速度Asと転舵トルクTsとの関係は、コーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域では、コーナリングフォース特性と同様に非線形となる。
コーナリングフォース特性が線形となる線形領域は、タイヤ11の横力が飽和する前の状態に対応する。コーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域は、タイヤ11の横力が飽和した状態に対応する。図4に示す例において、横加速度Asが所定の値Aを超えると、転舵トルクTsが増加から減少に転じる。この領域は、タイヤ11の横力が飽和した非線形領域であると推測される。このような横加速度Asと転舵トルクTsとの関係に着目し、学習機能151は、入力された横加速度Asと転舵トルクTsとの関係を学習する。
また、車両10のアクセルまたはブレーキの操作に基づく加減速動作により、タイヤ11に作用する垂直荷重が変化すると、タイヤ11のコーナリングフォースおよびコーナリングパワーも変化する。さらに、路面の摩擦係数が変化すると、タイヤ11のコーナリングフォース特性も変化する。このように、タイヤ11のコーナリングフォースまたはコーナリングパワーが変化すると、図4に示すように、転舵トルクTsが増加から減少に転じる横加速度Asの値Aも変化することが考えられる。
したがって、学習機能151は、たとえば、操舵角αと、速度Vと、横加速度Asと、転舵トルクTsと、線形領域または非線形領域の判定結果を入力として、転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を学習する。より詳細には、学習機能151は、たとえば、横加速度Asが所定のしきい値以上であり、車両10の速度Vが所定のしきい値以上であり、かつ、コーナリングフォース特性が線形となる線形領域である場合に限り、図4のグラフにおける直線部分の傾きを学習する。
以下、図5を参照して、学習機能151の動作の一例を説明する。図5は、図3の学習機能151の動作の一例を示すフロー図である。学習機能151は、所定の周期で図5に示す開始から終了までの各処理を繰り返し実行する。学習機能151は、図5に示す処理を開始すると、まず、車両10の横加速度Asが所定のしきい値以上であるか否かの判定処理P1を実行する。
学習機能151は、判定処理P1において、車両10の横加速度Asが所定のしきい値以上である(YES)と判定すると、次の判定処理P2を実行する。また、学習機能151は、判定処理P1において、横加速度Asが所定のしきい値より小である(NO)と判定すると、前回の処理までに学習した傾き、すなわち、転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を保持する処理P5を実行する。その後、学習機能151は、図5に示す処理を終了する。
すなわち、学習機能151は、車両10の横加速度Asが所定のしきい値より小である場合は、学習処理P4を実行しない。これにより、ステアリングホイール13が直進に対応する中立点に位置するときの運転者の微小な操舵に対して学習処理P4を行うことが防止され、車両10の直進走行時に転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を学習されるのを防止できる。
学習機能151は、次の判定処理P2において、車両10の速度Vがしきい値以上であるか否かを判定する。学習機能151は、この判定処理P2において、車両10の速度Vがしきい値以上である(YES)と判定すると、次の判定処理P3を実行する。また、学習機能151は、この判定処理P2において、車両10の速度Vが所定のしきい値より小である(NO)と判定すると、前回の処理までに学習した転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を保持する処理P5を実行する。その後、学習機能151は、図5に示す処理を終了する。
すなわち、学習機能151は、車両10の速度Vが所定のしきい値より小である場合は、学習処理P4を実行しない。これにより、車両10の停車中、徐行中、または、たとえば5[km/h]以下のクリープ走行中などに、転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を学習されるのを防止できる。これにより、たとえばノイズの多いデータが学習されるのを防止できる。
学習機能151は、次の判定処理P3において、車両10のタイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域であるか否かを判定する。学習機能151は、非線形判定機能153の出力である線形領域か否か判定結果または後述するコーナリングフォース特性の非線形度に基づいて、車両10のタイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域であるか否かを判定する。
学習機能151は、この判定処理P3において、車両10のタイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域である(YES)と判定すると、次の学習処理P4を実行する。また、学習機能151は、この判定処理P3において、コーナリングフォース特性が非線形領域である(NO)と判定すると、前回の処理までに学習した転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を保持する処理P5を実行する。その後、学習機能151は、図5に示す処理を終了する。
すなわち、学習機能151は、コーナリングフォース特性が非線形領域である場合は、学習処理P4を実行しない。これにより、コーナリングフォース特性の非線形領域において非線形となる転舵トルクTsと横加速度Asとの関係が学習されるのを防止することができる。
また、たとえばタイヤ11の垂直荷重の変化や路面の摩擦係数変化などにより、横加速度Asと転舵トルクTsとの関係が変化してしまった場合は、学習時の分散が大きくなると考えられる。そのため、学習機能151は、分散が所定の値以上の場合は、学習処理P4を実行しないようにしてもよい。また、学習機能151は、分散が所定の値以上となる状態が所定の周期にわたって継続した場合、学習済みの値を消去し、再度、学習処理P4を行ってもよい。学習処理P4は、これらの処理を含んでもよい。
学習機能151は、学習処理P4において、入力された横加速度Asと転舵トルクTsに基づいて、遂次的に転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)、すなわち、図4に示す実線L1の直線部分の傾きを算出して更新する。
逐次的に傾きを求める手法の一例としては、逐次最小二乗法を採用することができる。より具体的には、図4に示すような横加速度Asと転舵トルクTsの時系列データから直線L2の原点付近の傾きを推定する場合を想定する。この場合、たとえばy=θ・ζという関係を持つデータの入力ζと出力yからθを推定するためには、あるサンプルkにおいて、以下の式(1)、(2)を逐次計算すればよい。
(出典: http://fujilab.k.u-tokyo.ac.jp/papers/2008/kanouSICE08.pdf 第4頁)
Figure 2021115937
Figure 2021115937
以上により、図5に示す各処理が終了する。また、学習機能151は、学習した転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)、すなわち、図4に示す実線L1の直線部分の傾きを、図3に示す基準転舵トルク算出機能152へ出力する。なお、学習機能151の出力の初期値は、車両10の諸元に適合した尤もらしい値を予め設定しておくことができる。
基準転舵トルク算出機能152は、学習機能151の出力である転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)、すなわち図4に示す実線L1の直線部分の傾きと、車両10の横加速度Asを入力とする。基準転舵トルク算出機能152は、たとえば、転舵トルクTsと横加速度Asの変化の割合(ΔTs/ΔAs)に、車両10の横加速度Asを乗じることで、基準転舵トルクTsbを算出して出力する。
非線形判定機能153は、基準転舵トルク算出機能152の出力である基準転舵トルクTsbと、転舵アクチュエータ15aの出力である転舵トルクTsとを入力とする。非線形判定機能153は、これらの入力に基づいて、コーナリングフォース特性が線形となる線形領域であるか、または、コーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域であるかの判定を行う。また、非線形判定機能153は、たとえば、コーナリングフォース特性の非線形性の度合い、すなわちタイヤ11がどれほどスリップしているかを表す指標である非線形度Dnを算出する。
より具体的には、非線形判定機能153は、基準転舵トルク算出機能152の出力である基準転舵トルクTsbと、転舵アクチュエータ15aの出力である転舵トルクTsとの差ΔTを算出する。ここで、基準転舵トルクTsbは、図4において一点鎖線で示す直線L2上の点である。この直線L2は、図4において実線L1で表すように、学習機能151によって学習した横加速度Asと転舵トルクTsとの関係における直線部分を含んでいる。
したがって、転舵トルクTsが、学習機能151によって学習した横加速度Asと転舵トルクTsとの関係における直線部分の上にある場合には、基準転舵トルクTsbと転舵トルクTsとの差ΔTは略ゼロになる。一方、横加速度Asが増加して、横加速度Asと転舵トルクTsとの関係が非線形になると、直線L2上の基準転舵トルクTsbと、実線L1上の転舵トルクTsとの差ΔTが増大する。
これにより、非線形判定機能153は、基準転舵トルクTsbと転舵トルクTsとの差ΔTに基づいて、コーナリングフォース特性が線形となる線形領域であるか、または、コーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域であるかの判定を行うことができる。すなわち、非線形判定機能153は、基準転舵トルクTsbと転舵トルクTsとの差ΔTがしきい値以下である場合に、コーナリングフォース特性が線形となる線形領域であると判定することができる。また、非線形判定機能153は、基準転舵トルクTsbと転舵トルクTsとの差ΔTがしきい値を超えた場合に、コーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域であると判定することができる。
さらに、非線形判定機能153は、基準転舵トルクTsbと転舵トルクTsとの差ΔTに基づいて、コーナリングフォース特性の非線形性の度合いである非線形度Dnを算出することができる。より具体的には、非線形判定機能153は、基準転舵トルクTsbと転舵トルクTsとの差ΔTを、非線形度Dnとして算出することができる。また、非線形判定機能153は、基準転舵トルクTsbと転舵トルクTsとの差ΔTを正規化することで、非線形度Dnを算出してもよい。この正規化は、たとえば、図4に実線L1で示すように、転舵トルクTsが上昇から減少に転じる臨界点における転舵トルクTsによって行うことができる。
非線形判定機能153による前周期の判定結果は、図3に示すように、学習機能151の入力とすることができる。この構成により、コーナリングフォース特性の線形領域と非線形領域との境界付近で、非線形判定機能153による判定結果の頻繁な変更を抑制することができる。
具体的には、たとえば、非線形判定機能153は、複数回にわたって実行した判定結果が同一であった場合に、判定結果を変更してもよい。これにより、後述する反力算出機能160によって算出される反力としてのトルクTrの指令値のハンチングを抑制することが可能になる。非線形判定機能153は、判定結果および非線形度Dnを、図2に示すように、反力算出機能160へ出力する。
図6は、図2の反力算出機能160の詳細を示す機能ブロック図である。反力算出機能160は、たとえば、基準反力算出機能161と、追加反力算出機能162とを備えている。基準反力算出機能161は、車両10の運転者によるステアリングホイール13の操舵角αと、車両10の速度Vとを入力とし、運転者の操作に対する基準反力としての基準トルクTrbの指令値を算出する。
基準反力算出機能161は、たとえば、操舵角αに対するばね成分、操舵角αの時間微分である操舵角速度に対する粘性成分、および摩擦成分などに基づいて、反力としてのトルクの指令値を算出する。また、基準反力算出機能161は、たとえば、車両10の速度Vに応じて、ばね成分、粘性成分、および摩擦成分などの係数を変更することで、車両10の速度Vに応じて、ステアリングホイール13に運転者による操作に対する基準反力として発生させる基準トルクTrbの指令値を変更することができる。
追加反力算出機能162は、非線形度算出機能150の出力である非線形度Dnを入力として、基準反力算出機能161で算出された基準反力の指令値に加算する追加反力としての追加トルクTraの指令値を算出する。追加反力算出機能162は、たとえば、非線形度Dnの大きさに比例した追加トルクTraの指令値を算出する。すなわち、追加反力算出機能162は、非線形度Dnが大きいほど、追加トルクTraの指令値を増大させ、非線形度Dnが小さいほど、追加トルクTraの指令値を減少させるように、追加トルクTraの指令値を算出する。
より具体的には、追加反力算出機能162は、たとえば、非線形度Dnに対して線形的または二次関数的に、追加反力としての追加トルクTraの指令値を増加させるように設計することができる。なお、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形となる線形領域では、横加速度Asと転舵トルクTsとの関係が線形となり、非線形度Dnが略ゼロとなるため、追加反力算出機能162が算出する追加反力としての追加トルクTraの指令値も略ゼロになる。
反力算出機能160は、図6に示すように、基準反力算出機能161の出力である基準反力としての基準トルクTrbの指令値と、追加反力算出機能162の出力である追加反力としての追加トルクTraの指令値とを加算する。これにより、反力算出機能160は、運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力としてのトルクTrの指令値を出力する。
以下、本実施形態の操舵制御装置100の作用を説明する。
たとえば、電動パワーステアリング装置では、運転者によるステアリングの操作力がアクチュエータによって補助され、ステアリングホイールと操舵輪との間の機械的な連結を介して操舵輪に伝達される。この場合、運転者は、たとえば、ステアリングホイールと操舵輪との間の機械的な連結を構成するステアリングコラムを通して、路面の摩擦係数や凹凸など、タイヤや路面の状態を感知して、車両を安定して走行させることが可能となる。
一方、ステアリングホイールとタイヤを転舵させる転舵機構とが機械的に連結されていないステアバイワイヤシステムでは、運転者によるステアリングホイールの操舵角を検出して、操舵輪であるタイヤを制御する。この場合、運転者は、タイヤや路面の状態をステアリングホイールと操舵輪との間の機械的な連結を通して感知することができない。そのため、たとえば、タイヤの横力が飽和してコーナリングフォース特性が非線形になったときに運転者がステアリングホイールを過剰に操作してしまい、車両がアンダーステアの状態になるなど、車両を安定して走行させることが困難になるおそれがある。
そこで、本実施形態は、前述のように、車両10のステアリングホイール13に運転者の操作に対する反力を生じさせる反力アクチュエータ16を制御するための操舵制御装置100を提供している。この操舵制御装置100は、車両10のタイヤ11のスリップ角と横力との関係であるコーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域における反力を、コーナリングフォース特性が線形となる線形領域における反力よりも増大させる。
図7は、本実施形態の操舵制御装置100の動作を説明するグラフである。図7の上のグラフは、横軸を時間t[s]、縦軸を操舵角α[deg]として、車両10の運転者の操作によるステアリングホイール13の操舵角αが、おおむね一定の角速度[deg/s]で増加している状態を示している。図7の下のグラフは、横軸を時間t[s]、縦軸を反力アクチュエータ16が発生させるトルクTr[Nm]とし、運転者の操作に対してステアリングホイール13に発生する反力であるトルクTrが、操舵角αの増加にともなって増加する様子を示している。
図7の上のグラフのように、時刻t1までの間、車両10の運転者は、ステアリングホイール13を一方向に回転させ、実線L3で示す操舵角αを一定の角速度で増加させている。時刻t1までの間は、車両10のタイヤ11の横力は飽和せず、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域にある。この時刻t1までの線形領域において、図7の下のグラフのように、操舵制御装置100は、たとえば、反力アクチュエータ16を制御して、実線L4で示す反力としてのトルクTrを、操舵角αと同様に線形に増加させる。
その後、時刻t1において、何らかの原因により、車両10のタイヤ11の横力が飽和して、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域から非線形領域に移行したとする。すると、操舵制御装置100は、反力アクチュエータ16を制御して、図7の下のグラフのように、実線L4で示す時刻t1以降の非線形領域における反力としてのトルクTrを、破線L5で示す線形領域における反力としてのトルクTrよりも増大させる。
これにより、運転者は、ステアリングホイール13を回転させて操舵角αを増加させるために、反力としてのトルクTrに逆らって、より大きな力を加える必要が生じる。その結果、運転者は、ステアリングホイール13の操作が重くなったことを感知し、操舵角αを増加させる操作を中止することができる。このように、操舵制御装置100は、反力アクチュエータ16によって運転者に伝達する反力を増大させることで、タイヤ11のグリップの限界、すなわち、それ以上のタイヤ11のパフォーマンス向上が困難な非線形領域にあることを、運転者に通知することができる。また、操舵制御装置100は、運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力を増大させることで、運転者が操舵角αを増加させようとする操作を抑制することもできる。
その結果、図7の上のグラフのように、時刻t1以降の非線形領域において、反力としてのトルクTrを増大させた場合の実線L3で示す操舵角αは、反力としてのトルクTrを増大させなかった場合の破線L6で示す操舵角αと比較して減少する。これにより、たとえば、車両10のタイヤ11のコーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域において、運転者がステアリングホイール13の操舵角αを過剰に増加させることが防止され、車両10がアンダーステアの状態になるのを抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、ステアリングホイール13を介して運転者により適切な反力を伝達することができ、車両10の安定性を向上させることが可能な操舵制御装置100を提供することができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、たとえば図1および図2に示すように、車両10の運転者の操作によるステアリングホイール13の操舵角αを取得する。そして、操舵制御装置100は、たとえば図7に示すように、タイヤ11のスリップ角と横力との関係が非線形となる時刻t1以降の非線形領域において、運転者のステアリングホイール13の操作に対する反力としてのトルクTrを、操舵角αの増加に応じて増加させる。
この構成により、タイヤ11のスリップ角と横力との関係であるコーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域において、運転者がステアリングホイール13を回転させて操舵角αを増加させようとすると、より大きな反力としてのトルクTrを受ける。これにより、タイヤ11の横力が飽和した非線形領域において、ステアリングホイール13の操舵角αの増加を抑制し、車両10の安定性を向上させることができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、たとえば図1および図2に示すように、車両10の横加速度Asと、タイヤ11を転舵させるための転舵トルクTsとを取得する。そして、操舵制御装置100は、たとえば図4に示すように、横加速度Asと転舵トルクTsとの関係が線形になる領域において横加速度Asの増加量ΔAsと転舵トルクTsの増加量ΔTsの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を算出する。さらに、操舵制御装置100は、たとえば図3に示すように、変化の割合(ΔTs/ΔAs)に横加速度Asを乗じた基準転舵トルクTsbと、転舵トルクTsとの差に基づいて、コーナリングフォース特性の非線形度Dnを算出する。
この構成により、車両10の横加速度Asと、タイヤ11を転舵させるための転舵トルクTsとに基づいて、タイヤ11のコーナリングフォース特性の非線形性の程度を推定することが可能になる。コーナリングフォース特性は、前述のように、タイヤ11のスリップ角と横力との関係である。しかし、タイヤ11の横力を測定するためには、専用のセンサが必要となり、コストの増加、メンテナンス性の低下、構成の複雑化などの課題がある。また、タイヤ11の変形などを検出するセンサによって、タイヤ11の横力を正確に測定するのは、困難である。
これに対し、本実施形態の操舵制御装置100は、前述の構成により、車両10の横加速度Asと転舵トルクTsとに基づいて、タイヤ11のコーナリングフォース特性の非線形度Dnを算出することができる。そのため、操舵制御装置100は、非線形度Dnに基づいて、タイヤ11のコーナリングフォース特性の非線形性の程度を推定し、非線形性の程度に応じて反力アクチュエータ16を制御することができ、運転者のステアリングホイール13の操作に対して適切な反力を返すことができる。したがって、本実施形態の操舵制御装置100によれば、タイヤ11が非線形領域に移行するのを抑制することができ、タイヤ11が非線形領域に移行した場合でも、車両10の安定性を向上させることができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、たとえば図6に示すように、車両10の速度Vを取得して、速度Vと操舵角αに基づいて運転者によるステアリングホイール13の操作に対する基準反力としての基準トルクTrbを算出する。また、操舵制御装置100は、非線形度Dnに基づいて、運転者によるステアリングホイール13の操作に対する追加反力としての追加トルクTraを算出する。そして、操舵制御装置100は、これら基準反力と追加反力を加算することで、反力としてのトルクTrを算出する。
この構成により、タイヤ11のコーナリングフォース特性の線形領域では、非線形度Dnが略ゼロになることで、追加トルクTraが略ゼロになる。そのため、この線形領域では、操舵制御装置100は、反力アクチュエータ16により、速度Vと操舵角αに基づく基準トルクTrbを、車両10のステアリングホイール13に、運転者の操作に対する反力として発生させる。一方、タイヤ11のコーナリングフォース特性の非線形領域では、追加トルクTraは、非線形度Dnの増加にともなって増加する。そのため、この非線形領域では、操舵制御装置100は、反力アクチュエータ16により、非線形度Dnの増加にともなって増加する追加トルクTraと、基準トルクTrbとの和を、車両10のステアリングホイール13に、運転者の操作に対する反力として発生させる。これにより、操舵制御装置100は、車両10のタイヤ11のスリップ角と横力との関係であるコーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域における反力を、コーナリングフォース特性が線形となる線形領域における反力よりも増大させることができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、たとえば図1および図3に示すように、車両10の速度Vを取得する。そして、操舵制御装置100は、たとえば図5に示すように、横加速度Asがしきい値以上であり、かつ速度Vがしきい値以上であり、かつタイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域である場合に、学習処理P4を実行する。この学習処理P4は、横加速度Asの増加量ΔAsと転舵トルクTsの増加量ΔTsとの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を学習する処理である。
この構成により、本実施形態の操舵制御装置100は、たとえば、図4に実線L1で示す横加速度Asと転舵トルクTsとの関係が線形になっている直線部分を含む直線L2の傾きを、適切な条件で学習することができる。この直線L2の傾きは、すなわち、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形となる線形領域における、横加速度Asの増加量ΔAsと転舵トルクTsの増加量ΔTsとの変化の割合(ΔTs/ΔAs)である。この変化の割合(ΔTs/ΔAs)を適切な条件で学習することで、タイヤ11のコーナリングフォース特性の非線形性の度合いを示す非線形度Dnの精度を向上させることができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、横加速度Asの増加量ΔAsと転舵トルクTsの増加量ΔTsとの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を、たとえば逐次最小二乗法によって算出する。この構成により、加速度センサ17と転舵アクチュエータ15aから逐次的に得られる車両10の横加速度Asの時系列データと転舵トルクTsの時系列データに基づいて、横加速度Asの増加量ΔAsと転舵トルクTsの増加量ΔTsとの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を精度よく求めることができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、前述のように、車両10の横加速度Asと、タイヤ11を転舵させるための転舵トルクTsとを取得する。さらに、操舵制御装置100は、前述のように、横加速度Asと転舵トルクTsとの関係が線形になる領域において横加速度Asの増加量ΔAsと転舵トルクTsの増加量ΔTsの変化の割合(ΔTs/ΔAs)を算出する。さらに、操舵制御装置100は、変化の割合(ΔTs/ΔAs)に横加速度Asを乗じた基準転舵トルクTsbと、転舵トルクTsとの差が、しきい値以下の場合に、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域であることを判定し、しきい値を超える場合に、タイヤ11のコーナリングフォース特性が非線形領域であることを判定する。
この構成により、車両10の横加速度Asと転舵トルクTsとに基づいて算出した非線形度Dnによって、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域であるか、非線形領域であるかを判定することが可能になる。したがって、本実施形態の操舵制御装置100によれば、タイヤ11の横力を測定するための専用のセンサが不要になることにより、コストの低下、メンテナンス性の向上、および構成の簡略化などを実現することができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、前述のように、車両10の横加速度Asと、タイヤ11を転舵させるための転舵トルクTsとを取得する。この場合、操舵制御装置100は、たとえば図4に示すように、横加速度Asが増加し、かつ転舵トルクTsが増加から減少へ転じた場合に、タイヤ11のコーナリングフォース特性の線形領域から非線形領域への移行を検知することができる。
この構成により、車両10の横加速度Asと転舵トルクTsとに基づいて、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域であるか、非線形領域であるかを判定することが可能になる。したがって、本実施形態の操舵制御装置100によれば、タイヤ11の横力を測定するための専用のセンサが不要になることにより、コストの低下、メンテナンス性の向上、および構成の簡略化などを実現することができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100は、前述のように、ステアリングホイール13とタイヤ11を転舵させる転舵機構15とが機械的に連結されていない場合に、ステアリングホイール13に運転者の操作に対する反力を生じさせる。この構成により、ステアバイワイヤシステムを採用した車両10において、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域から非線形領域に移行したことを、運転者のステアリングホイール13の操作に対する反力によって、運転者に通知することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ステアリングホイール13を介して運転者により適切な反力を伝達することができ、車両10の安定性を向上させることが可能な操舵制御装置100を提供することができる。
[実施形態2]
次に、図8から図11を参照して、本開示に係る操舵制御装置の実施形態2を説明する。図8は、本開示に係る操舵制御装置の実施形態2を示す概略構成図である。本実施形態の操舵制御装置100Aは、前述の実施形態1に係る操舵制御装置100と同様に、車両10Aに搭載されたマイクロコントローラであり、ステアリングホイール13に運転者による操作方向と反対方向の反力を生じさせる反力アクチュエータ16を制御する。
図8に示す例において、車両10Aは、操舵トルクセンサ19を備える点と、転舵機構15の転舵角制御ユニット15bの機能が操舵制御装置100Aによって代替される点が、図1に示す車両10と異なっている。操舵トルクセンサ19は、運転者のステアリングホイール13の操作による操舵トルクTdを検出して、通信バスライン18を介して操舵制御装置100Aに出力する。車両10Aのその他の構成は、図1に示す車両10と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、図8に示す操舵制御装置100Aの機能ブロック図である。本実施形態の操舵制御装置100Aは、実施形態1に係る操舵制御装置100と同様に、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置、タイマーなどを備えたマイクロコントローラによって構成された電子制御装置またはその一部である。
操舵制御装置100Aは、たとえば、操舵角取得機能110と、速度取得機能120と、横加速度取得機能130と、非線形度算出機能150と、反力算出機能160とを備えている。これらの各機能は、前述の実施形態1の操舵制御装置100における各機能と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施形態の操舵制御装置100Aは、さらに、操舵トルク取得機能170と、転舵角取得機能180と、転舵制御機能190と、を有している。これらの各機能は、たとえば、操舵制御装置100Aにおいて補助記憶装置に記憶されたデータベースを参照しながら、主記憶装置にロードされたプログラムを、演算装置によって周期的に実行することで実現することができる。
操舵トルク取得機能170は、たとえば、操舵トルクセンサ19によって検出された操舵トルクTdを、通信バスライン18を介して取得する。転舵角取得機能180は、たとえば、転舵アクチュエータ15aから出力されたタイヤ11の転舵角βを取得する。転舵制御機能190は、たとえば、操舵角α、操舵トルクTd、転舵角β、および非線形度Dnを入力とする。
図10は、図9に示す転舵制御機能190の動作を説明するフロー図である。転舵制御機能190は、たとえば、図10に示す開始から終了までの各処理を、所定の周期で繰り返し実行する。
転舵制御機能190は、図10に示す処理フローを開始すると、まず、入力された情報に基づいて、基準転舵トルクTsbを算出する処理P11を実行する。具体的には、転舵制御機能190は、たとえば、操舵角αと転舵角βとの関係に基づいて、転舵角βを修正するために必要となる基準転舵トルクTsbを算出する。操舵角αと転舵角βとの関係は、たとえば、疑似的なギヤ比などで定義して、操舵制御装置100を構成する補助記憶装置などに記憶させておくことができる。これにより、基準転舵トルクTsbを容易に算出することができる。
次に、転舵制御機能190は、非線形度算出機能150によって算出した非線形度Dnに基づいて、タイヤ11のコーナリングフォース特性が非線形領域か否かの判定処理P12を実行する。この判定処理P12は、たとえば、非線形度Dnがしきい値を超えているか否かを判定することによって行うことができる。
転舵制御機能190は、判定処理P12において、タイヤ11のコーナリングフォース特性が非線形領域にない(NO)、すなわち線形領域にあると判定すると、図10に示す処理フローを終了して、処理P11で算出した基準転舵トルクTsbを転舵トルクTsとして出力する。また、転舵制御機能190は、判定処理P12において、タイヤ11のコーナリングフォース特性が非線形領域にある(YES)と判定すると、次の判定処理P13を実行する。
転舵制御機能190は、判定処理P13において、操舵トルクTdがしきい値以上であるか否かを判定する。この操舵トルクTdのしきい値は、たとえば、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域から非線形領域に移行したときの操舵トルクTdに、所定のマージンを持たせた値に設定することができる。
転舵制御機能190は、判定処理P13において、操舵トルクTdがしきい値以上ではない(NO)、すなわちしきい値よりも小さいと判定すると、図10に示す処理フローを終了して、処理P11で算出した転舵トルクTsの指令値を出力する。また、転舵制御機能190は、判定処理P13において、操舵トルクTdがしきい値以上である(YES)と判定すると、次の処理P14を実行する。
転舵制御機能190は、処理P14において、操舵トルクTdの大きさに応じた追加転舵トルクTsaを算出し、処理P11において算出した基準転舵トルクTsbに追加転舵トルクTsaを加算した値を、転舵トルクTsとして出力する。また、転舵制御機能190は、処理P14において、しきい値以上の操舵トルクTdがあらかじめ規定された一定時間にわたって継続した場合、処理P11で算出した転舵トルクTsに逆方向のトルクを追加して、反力としてのトルクTrを減少させてもよい。以上により、図10に示す処理フローが終了する。
以下、本実施形態の操舵制御装置100Aの作用を説明する。
図11は、本実施形態の操舵制御装置100Aの動作の一例を説明するグラフである。図11において、各グラフの横軸は、時間t[s]である。また、図11において、一番上のグラフは、縦軸が操舵角α[deg]であり、上から二番目のグラフは、縦軸が操舵トルクTd[Nm]であり、上から三番目のグラフは、縦軸が反力としてのトルクTr[Nm]であり、一番下のグラフは、縦軸が転舵角β[deg]である。
図11の一番上のグラフのように、時刻t1までの間、車両10Aの運転者は、ステアリングホイール13を一方向に回転させ、実線L11で示す操舵角αを一定の角速度で増加させている。時刻t1までの間は、車両10Aのタイヤ11の横力は飽和せず、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域にある。
この時刻t1までの線形領域において、操舵制御装置100Aは、図11の上から三番目のグラフのように、たとえば、反力アクチュエータ16を制御して、実線L13で示す反力としてのトルクTrを、操舵角αと同様に線形に増加させる。また、操舵制御装置100Aは、図11の一番下のグラフのように、たとえば、転舵アクチュエータ15aを制御して、タイヤ11の転舵角βを、操舵角αと同様に線形に増加させる。
その後、時刻t1において、何らかの原因により、車両10Aのタイヤ11の横力が飽和して、タイヤ11のコーナリングフォース特性が線形領域から非線形領域に移行したとする。すると、操舵制御装置100Aは、反力アクチュエータ16を制御して、図11の上から三番目のグラフのように、実線L13で示す時刻t1以降の非線形領域における反力としてのトルクTrを、線形領域における反力としてのトルクTrよりも増大させる。
これにより、運転者は、ステアリングホイール13を回転させて操舵角αを増加させるために、反力としてのトルクTrに逆らって、より大きな力を加える必要が生じる。その結果、運転者が操舵角αを増加させようとする操作が抑制され、図11の一番上のグラフに示す操舵角αの増加が緩やかになる。しかし、この時刻t1以降の非線形領域においても、図11の上から二番目のグラフにおいて実線L12で示すように、運転者が操舵トルクTdを増加させている。
この場合、操舵制御装置100Aは、たとえば、転舵制御機能190による判定処理P13において、操舵トルクTdがしきい値以上であると判定し、前述の処理P14を実行する。これにより、操舵制御装置100Aは、操舵トルクTdの大きさに応じた追加転舵トルクTsaを算出し、前述の処理P11において算出した転舵トルクTsに追加転舵トルクTsaを加算した値を、転舵トルクTsとして出力する。
以上のように、本実施形態の操舵制御装置100Aは、運転者の操作によるステアリングホイール13の操舵トルクTdを取得し、非線形領域において操舵トルクTdがしきい値以上である場合に、タイヤ11を転舵させるための転舵トルクTsを増加させる。この構成により、たとえば、図11の上から二番目のグラフのように、時刻t1以降の非線形領域における操舵トルクTdの増加を検知し、転舵角βを増加させたいという運転者の意図を、車両10Aの制御に反映させることができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100Aは、たとえば、図11の上から二番目のグラフのように、時刻t1以降の非線形領域において、しきい値以上の操舵トルクTdが一定時間にわたって継続した場合に、反力としてのトルクTrを減少させる。この構成により、運転者がステアリングホイール13の、転舵角βを増加させたいという運転者の意図を、車両10Aの制御に反映させることができる。
また、本実施形態の操舵制御装置100Aは、運転者の操作によるステアリングホイール13の操舵角αと、タイヤ11の転舵角βとを取得する。そして、操舵制御装置100Aは、操舵角αと転舵角βとの関係に基づいて基準転舵トルクTsbを算出する。さらに、操舵制御装置100Aは、非線形領域において転舵トルクTsがしきい値以上である場合に、操舵トルクTdの大きさに応じた追加転舵トルクTdaを算出し、基準転舵トルクTdbに追加転舵トルクTdaを加算した値を転舵トルクTsとして出力する。
この構成により、タイヤ11を転舵させるための転舵トルクTsを増加させることができ、図11の一番下のグラフのように、時刻t1以降の非線形領域において、実線L14で示す転舵角βを増加させることができる。したがって、運転者がステアリングホイール13の、転舵角βを増加させたいという運転者の意図を、車両10Aの制御に反映させることができる。
以上説明したように、本実施形態の操舵制御装置100Aによれば、前述の実施形態1の操舵制御装置100と同様の効果を奏することができるだけでなく、運転者の操作を優先させ、運転者の操作を車両10Aの制御に反映させることができる。
[実施形態3]
次に、図1から図5を援用し、図12から図15を参照して、本開示に係る操舵制御装置の実施形態3を説明する。本実施形態の操舵制御装置は、図12に示す反力算出機能160Aの構成が、前述の実施形態1に係る操舵制御装置100の反力算出機能160と異なっている。本実施形態の操舵制御装置のその他の構成は、前述の実施形態1の操舵制御装置100と同様であるので、同様の部分には同様の符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の操舵制御装置において、反力算出機能160Aは、追加反力算出機能162に非線形度Dnに加えて、操舵角センサ14によって検出されたステアリングホイール13の操舵角αが入力される。
図13は、図12に示す反力算出機能160Aの動作を説明するフロー図である。本実施形態の操舵制御装置は、図13に示す処理フローを、所定の周期で繰り返し実行する。反力算出機能160Aは、まず、実施形態1の反力算出機能160と同様に、追加反力算出機能162により、追加反力としての追加トルクTraを算出する処理P21を実行する。
反力算出機能160Aは、次に、操舵角速度を算出する処理P22を実行する。この処理P22において、追加反力算出機能162は、たとえば、操舵角αの時間微分値である操舵角速度を算出して、次の判定処理P23に進む。この判定処理P23において、追加反力算出機能162は、前の処理P22で算出した操舵角速度が、しきい値以上であるか否かを判定する。
この判定処理P23において、追加反力算出機能162は、操舵角速度が、しきい値以上ではない(NO)と判定すると、処理P21で算出した追加トルクTraを出力とし、図13に示す処理フローを終了する。一方、この処理P23において、追加反力算出機能162は、操舵角速度が、しきい値以上である(YES)と判定すると、次の処理P24を実行する。
処理P24において、追加反力算出機能162は、操舵角速度の大きさに基づいて、処理P21で算出した追加反力としての追加トルクTraを低減する。ここで、追加トルクTraを低減する処理P24は、たとえば、処理P22で算出した操舵角速度にゲインを乗じた値を、追加トルクTraから減算する処理である。以上により、図13に示す処理フローが終了する。
次に、本実施形態の操舵制御装置の作用を説明する。
図14は、本実施形態の操舵制御装置を搭載した車両10が複数の車線を有する道路を走行している状態を示す平面図である。図15は、本実施形態の操舵制御装置の動作を説明するグラフである。図15の上のグラフにおいて、横軸は、時間[s]であり、縦軸は、ステアリングホイール13の操舵角α[deg]である。図15の下のグラフにおいて、横軸は時間t[s]であり、縦軸は、運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力としてのトルクTr[Nm]である。
図14に示すように、車両10が走行する中央の車線に隣接する左車線から、他の車両20が車両10の前方で中央の車線に割り込んできた場合を想定する。この場合、車両10の運転者は、他の車両20との衝突を回避するために、ステアリングホイール13を急操作する緊急回避を行うことが考えられる。
このような緊急回避時のステアリングホイール13の急操作では、運転者の操作によるステアリングホイール13の操舵角αが、緊急回避に必要な操舵角に対して過大になることがある。操舵角αが過大になると、タイヤ11の転舵角βが過大になり、高速走行中の車両10のタイヤ11の横力が飽和して、コーナリングフォース特性が線形領域から非線形領域に移行し、車両10の走行が不安定になるおそれがある。
これに対し、本実施形態の操舵制御装置は、図13の処理P21から処理P22に示すように、運転者の操作によるステアリングホイール13の操舵角速度を取得する。さらに、本実施形態の操舵制御装置は、図13の判定処理P23から処理P24に示すように、操舵角速度が規定のしきい値を超えた場合に、車両10の運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力の増加率を、規定の上限値に制限する。
たとえば、図14の斜線ハッチングで示す領域Rにおいて、車両10のタイヤ11のコーナリングフォース特性が、線形領域から非線形領域に移行したとする。すると、本実施形態の操舵制御装置は、たとえば図15に示すように、時刻t1で操舵角速度が規定のしきい値を超えるまでの間、運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力としてのトルクTrを増加させる。これにより、運転者は、車両10のタイヤ11のコーナリングフォース特性が、線形領域から非線形領域に移行したことを、ステアリングホイール13の操作に対する反力を通して感知することができる。
また、本実施形態の操舵制御装置は、たとえば図15に示すように、時刻t1で操舵角速度が規定のしきい値を超えると、車両10の運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力の増加率を、規定の上限値に制限する。これにより、運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力としてのトルクTrが急激に増加することが防止され、ステアリングホイール13の操舵角αが急激に減少することが防止される。
そのため、運転者によるステアリングホイール13の操作に対する反力としてのトルクTrが急激な増加と減少を繰り返すことが防止され、緊急回避時の運転者の不安感を取り除き、ステアリングホイール13の操作をより容易にすることができる。したがって、本実施形態の操舵制御装置によれば、ステアリングホイール13を介して運転者により適切な反力を伝達することができ、車両10の安定性を向上させることができる。
以上、図面を用いて本開示に係る操舵制御装置の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
たとえば、本開示の操舵制御装置は、従来の電動パワーステアリングシステムを採用する車両にも適用することができる。この場合、アシストモータの出力と車両の横加速度の関係を、前述の学習機能と同様に学習し、基準トルクと転舵トルクの差に基づいて非線形度を算出する。この非線形度に基づいて、車両のタイヤが線形領域にあると判定した場合に、従来と同様にアシスト量を付与する。また、非線形度に基づいて、車両のタイヤが非線形領域にあると判定した場合に、アシストモータの出力トルクを減少させ、モータによるアシスト量を減少させることで、運転者のステアリングホイールの操作に対する反力を増加させることが可能になる。これにより、車両の走行時の安定性を向上させることができる。
10:車両
11:タイヤ
13:ステアリングホイール
15:転舵機構
16:反力アクチュエータ
100:操舵制御装置
100A:操舵制御装置
As:横加速度
Td:操舵トルク
Tr:トルク(反力)
Tra:追加トルク(追加反力)
Trb:基準トルク(基準反力)
Ts:転舵トルク
Tsa:追加転舵トルク
Tsb:基準転舵トルク
V:速度
α:操舵角
β:転舵角
ΔAs:横加速度の増加量
ΔTs:転舵トルクの増加量
ΔTs/ΔAs:変化の割合

Claims (13)

  1. 車両のステアリングホイールに運転者の操作に対する反力を生じさせる反力アクチュエータを制御するための操舵制御装置であって、
    前記車両のタイヤのスリップ角と横力との関係であるコーナリングフォース特性が非線形となる非線形領域における前記反力を、前記コーナリングフォース特性が線形となる線形領域における前記反力よりも増大させることを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記運転者の操作による前記ステアリングホイールの操舵角を取得し、
    前記非線形領域において前記操舵角の増加に応じて前記反力を増加させることを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記車両の横加速度と、前記タイヤを転舵させるための転舵トルクとを取得し、
    前記横加速度と前記転舵トルクとの関係が線形になる領域において前記横加速度の増加量と前記転舵トルクの増加量の変化の割合を算出し、
    前記変化の割合に前記横加速度を乗じた基準転舵トルクと、前記転舵トルクとの差に基づいて、前記コーナリングフォース特性の非線形度を算出することを特徴とする請求項2に記載の操舵制御装置。
  4. 前記車両の速度を取得して、前記速度と前記操舵角に基づいて前記運転者による前記ステアリングホイールの操作に対する基準反力を算出し、
    前記非線形度に基づいて、前記運転者による前記ステアリングホイールの操作に対する追加反力を算出し、
    前記基準反力と前記追加反力を加算することで前記反力を算出することを特徴とする請求項3に記載の操舵制御装置。
  5. 前記車両の速度を取得し、
    前記横加速度がしきい値以上であり、かつ前記速度がしきい値以上であり、かつ前記コーナリングフォース特性が前記線形領域である場合に、前記変化の割合を学習することを特徴とする請求項3に記載の操舵制御装置。
  6. 前記変化の割合を逐次最小二乗法によって算出することを特徴とする請求項5に記載の操舵制御装置。
  7. 前記車両の横加速度と、前記タイヤを転舵させるための転舵トルクとを取得し、
    前記横加速度と前記転舵トルクとの関係が線形になる領域において前記横加速度の増加量と前記転舵トルクの増加量の変化の割合を算出し、
    前記変化の割合に前記横加速度を乗じた基準転舵トルクと、前記転舵トルクとの差がしきい値以下の場合に前記線形領域であることを判定し、前記差が前記しきい値を超える場合に前記非線形領域であることを判定することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  8. 前記車両の横加速度と、前記タイヤを転舵させるための転舵トルクとを取得し、
    前記横加速度が増加し、かつ前記転舵トルクが増加から減少へ転じた場合に、前記線形領域から前記非線形領域への移行を検知することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  9. 前記運転者の操作による前記ステアリングホイールの操舵トルクを取得し、
    前記非線形領域において前記操舵トルクがしきい値以上である場合に、前記タイヤを転舵させるための転舵トルクを増加させることを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  10. 前記非線形領域において前記しきい値以上の前記操舵トルクが一定時間にわたって継続した場合に、前記反力を減少させることを特徴とする請求項9に記載の操舵制御装置。
  11. 前記運転者の操作による前記ステアリングホイールの操舵角と、前記タイヤの転舵角とを取得し、
    前記操舵角と前記転舵角との関係に基づいて基準転舵トルクを算出し、
    前記非線形領域において前記操舵トルクが前記しきい値以上である場合に、前記操舵トルクの大きさに応じた追加転舵トルクを算出し、前記基準転舵トルクに前記追加転舵トルクを加算した値を前記転舵トルクとして出力することを特徴とする請求項9に記載の操舵制御装置。
  12. 前記運転者の操作による前記ステアリングホイールの操舵角速度を取得し、
    前記操舵角速度が規定のしきい値を超えた場合に、前記反力の増加率を規定の上限値に制限することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  13. 前記ステアリングホイールと前記タイヤを転舵させる転舵機構とが機械的に連結されていない場合に、前記反力を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
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