JP2004155282A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者に必要な情報を適切に伝達して、快適な運転環境を提供する。
【解決手段】ステアリングホイール1の操作に応じて、舵取り車輪5を転舵させるための舵取り機構を作動させる車両用操舵装置が提供される。この装置は、ステアリングホイール1に操作反力を与える反力アクチュエータ9と、車両のタイヤに加わる応力を検出する応力センサSL,SRと、転舵角センサS3と、転舵軸4に加わる軸力を検出する軸力センサS4とを含む。さらに、この装置は、車速センサS5、前後加速度センサS6、横加速度センサS7などの車両の運動状態に関わる物理量を検出するセンサ類を含む。これらのセンサ類S1〜S12が出力する検出信号は、制御装置14に入力されている。制御装置は、センサ類S1〜S12の検出信号に基づいて、反力アクチュエータ9を制御するとともに、一定の異常等の発生については、警報器19を介して運転者に教示を与える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムのように、ステアリングホイール等の操作部材に対してアクチュエータからの力を与えることができる構成の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ステアリングホイールと舵取り用の車輪を転舵するための舵取り機構との間の機械的な結合をなくし、ステアリングホイールの操作角を検出するとともに、その検出結果に基づいて、操舵アクチュエータからのトルクを舵取り機構に与えることによって、舵取り用の車輪の転舵を達成するようにしたシステム(いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)システム)が提案されている(たとえば、下記特許文献1)。
【0003】
操舵アクチュエータは、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置によって制御されるようになっている。すなわち、車両のイグニッションキースイッチがオン状態の間、ステアリングホイールの操作角を検出する操作角センサおよび舵取り用の車輪の転舵角を検出する転舵角センサの各検出信号が制御装置に入力されている。制御装置は、それらの入力信号に基づいて、舵取り用の車輪の転舵角がステアリングホイールの操作角に対応するように、操舵アクチュエータを制御する。
【0004】
一方、ステアリングホイールに操作反力を与えるために、ステアリングシャフトには、反力アクチュエータが付設されている。制御装置は、操作角等に応じて反力アクチュエータを駆動制御することにより、ステアリングホイールに操作反力を与える。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−198453号公報
【特許文献2】
特開平10−324120号公報
【特許文献3】
特開平11−20427号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
運転者は、車両を運転するために、意識的または無意識に、次のような情報を用いている。
▲1▼ タイヤの状態(摩耗具合:グリップ力の低下)
▲2▼ 路面の状態(滑りやすい路面、不整路、波状路、轍路)
▲3▼ 車両の異常(駆動系や足回りの部品の各部の異常、緩み、消耗
▲4▼ 走行インフラから受けた情報
運転者は、これらの情報を視覚、聴覚、座面の振動および操作端(ステアリングホイール、コントロールスティックなど)を操作するときの反力などから感知している。
【0007】
ところが、ステアリングギヤとハンドルコラムとが直結していないステア・バイ・ワイヤシステムにおいては、ステアリングホイールから舵取り機構までが機械的に連結された通常型のステアリング機構の場合とは異なり、操舵トルク伝達系での軸力やトルクの実値をステアリングホイールを介して運転者にフィードバックすることができない。
そのため、上記のような情報の運転者への伝達が不十分になる傾向にある。このことは、ステア・バイ・ワイヤシステムに限らず、車両の快適性や運動性能を高めるための各種の技術(ステア・バイ・ワイヤ技術の他、制動系、駆動系または懸架系の改良技術など)において共通の課題となっており、運転ストレスを増加させる一因となるおそれがある。
【0008】
そこで、この発明の目的は、運転者に必要な情報を適切に伝達することができ、これにより、快適な運転環境を提供できる車両用操舵装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、運転者によって操作される操作部材(1,22)の操作に応じて、舵取り車輪(5,29)を転舵させるための舵取り機構(4,6,7,24)を作動させる車両用操舵装置であって、上記運転者への情報伝達のために、上記操作部材に力を加えるアクチュエータ(9,40)と、車両の運動に関わる物理量を検出し、検出結果に応じた検出信号を出力する少なくとも一つのセンサ(S1〜S12)と、上記センサが出力する検出信号を解析し、解析結果を出力する信号解析手段(14,C,A2)と、この信号解析手段が出力する解析結果に基づいて、上記アクチュエータを制御する制御手段(14)とを含むことを特徴とする車両用操舵装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0010】
この構成によれば、車両の運動に関わる物理量(操作部材の操作、舵取り機構の動作、制動機構の動作、、駆動系の動作、タイヤの負荷などについてのものを含む。)を検出するセンサの検出結果が解析され、その解析結果に基づいて、アクチュエータが制御される。すなわち、たとえば、センサの検出信号の周波数特性が分析され、その結果に応じて制御された力が操作部材に与えられる。これにより、車両の運動に関わる情報を、操作部材を介して運転者に伝達することができるから、車両の快適性や運動性能を高めるための各種の技術(ステア・バイ・ワイヤ等)が採用されている場合であっても、運転者に対して、必要な情報を適切に伝達することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記信号解析手段による解析結果が、予め定めた第1の判定条件を満たすかどうかを判定する第1判定手段(A11,A12)と、この第1判定手段によって、上記信号解析手段の解析結果が上記第1の判定条件を満たすと判定されたときに(A11のYES,A12のYES)、この判定結果に対応した教示を運転者に与える教示手段(19,70)とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の車両用操舵装置である。
【0012】
この構成によれば、信号解析手段による解析結果(たとえば周波数特性)が第1の判定条件を満たすと判定されると、この判定結果に対応した教示が運転者に与えられるから、たとえば、運転者に対して、異常の発生などを適切に伝達できる。
上記教示手段は、音声を発生して運転者に対する教示を行うものであってもよいし、ランプ表示やメッセージ表示によって運転者に対する教示を行うものであってもよい。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記信号解析手段による解析結果が、予め定めた第2の判定条件を満たすかどうかを判定する第2判定手段(A11,A16)をさらに含み、上記制御手段は、上記第2判定手段によって、上記信号解析手段の解析結果が上記第2の判定条件を満たすと判定されたときに(A11のNO、A16のYES)、その解析結果に応じて上記アクチュエータを制御する(A18)ものであることを特徴とする請求項1または2記載の車両用操舵装置である。
【0014】
この構成によれば、信号解析手段による解析結果(たとえば周波数特性)が所定の第2の判定条件を満たすときに、その解析結果に応じてアクチュエータが制御される。これにより、たとえば、上記解析結果が異常を示すものである場合に、その異常の程度に応じてアクチュエータを制御することで、操作部材を介して、運転者に異常の発生を適切に伝達できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための概念図である。この車両用操舵装置は、ステアリングホイール1と舵取り機構との機械的な結合をなくし、ステアリングホイール1の回転操作に応じて駆動される操舵アクチュエータ2の動作を、ハウジング3に支持された転舵軸4の車幅方向の直線運動に変換し、この転舵軸4の直線運動を舵取り用の前部左右車輪5の転舵運動に変換することにより操舵を達成するようにした、いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムである。
【0016】
操舵アクチュエータ2は、たとえば、ブラシレスモータ等の電動モータを含む構成である。この操舵アクチュエータ2の駆動力(出力軸の回転力)は、転舵軸4に関連して設けられた運動変換機構(たとえば、ボールねじ機構)により、転舵軸4の軸方向(車幅方向)の直線運動に変換される。この転舵軸4の直線運動は、転舵軸4の両端から突出して設けられたタイロッド6に伝達され、さらにタイロッド6を介してキングピンPに連結されたナックルアーム7の回動を引き起こす。これにより、ナックルアーム7に支持された車輪5の転舵が達成される。転舵軸4、タイロッド6およびナックルアーム7などにより、舵取り用の車輪5を転舵するための舵取り機構が構成されている。
【0017】
ステアリングホイール1は、車体に対して回転可能に支持された回転シャフト8に連結されている。この回転シャフト8には、ステアリングホイール1に操作反力を与えるための反力アクチュエータ9が付設されている。反力アクチュエータ9は、回転シャフト8と一体の出力シャフトを有するブラシレスモータ等の電動モータを含む。
回転シャフト8のステアリングホイール1とは反対側の端部には、渦巻きばね等からなる弾性部材10が車体との間に結合されている。この弾性部材10は、反力アクチュエータ9がステアリングホイール1にトルクを付加していないときに、その弾性力によって、ステアリングホイール1を直進操舵位置に復帰させる。
【0018】
ステアリングホイール1の操作入力値を検出するために、回転シャフト8に関連して、ステアリングホイール1の操作角を検出するための操作角センサS1が設けられている。また、回転シャフト8には、ステアリングホイール1に加えられた操作トルクを検出するためのトルクセンサS2が設けられている。一方、転舵軸4に関連して、舵取り用の車輪5の転舵角(タイヤ角)を検出するための転舵角センサS3および転舵軸4に作用する軸力を検出する軸力センサS4が設けられている。
【0019】
これらのセンサの他にも、車速を検出する車速センサS5、車両の前後方向加速度を検出する前後加速度センサS6、車両の横加速度を検出する横加速度センサS7、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサS8、ショックアブソーバのストローク(変位)を検出するストロークセンサS9、ブレーキ油圧を検出するブレーキ液圧センサS10、車両の荷重を検出する荷重センサS11、および駆動回路17から操舵アクチュエータ2に供給される駆動電流を検出する電流検出部S12(駆動電流の検出により、転舵軸4に作用する力を間接的に検出することができる。)が設けられている。
【0020】
さらに、後述するように、車輪5に装着されたタイヤWの内部には、このタイヤWの左右のサイドウォール部に作用する応力を検出する左側応力センサSLおよび右側応力センサSR、ならびにタイヤWの空気圧を検出する空気圧センサSPが設けられている。
上記のセンサ類S1〜S12,SL,SR,SPの各検出信号は、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニット(ECU)からなる制御装置14に入力されるようになっている。ただし、応力センサSL,SRおよび空気圧センサSPの検出信号については、アンテナ14aを介する無線通信によって、制御装置14に受信されるようになっている。
【0021】
制御装置14は、操作角センサS1によって検出される操作角、転舵角センサS3によって検出される転舵角、車速センサS5によって検出される車速、応力センサSL,SRによって検出されるタイヤの応力、および空気圧センサSPによって検出されるタイヤの空気圧に基づいて、操舵指令値を設定し、この操舵指令値に基づいて、駆動回路17を介し、操舵アクチュエータ2を制御する。
ステアリングホイール1と舵取り機構との間には機械的な結合がないので、ステアリングホイール1の回転量と車輪5の転舵量との比(伝達比、ギヤ比)を可変設定するVGR(Variable Gear Ratio)機能を実現できる。すなわち、たとえば、制御装置14は、車速センサS5によって検出される車速と、応力センサSL,SRおよび/または空気圧センサSPによって検出されるタイヤ負荷とに基づいて上記ギヤ比を設定し、このギヤ比とステアリングホイール1の操作角とに基づいて、操舵アクチュエータ2に与えるべき電圧に対応した操舵指令値を設定する。
【0022】
一方、制御装置14は、センサ類S1〜S12が出力する検出信号に基づいて、ステアリングホイール1の操作方向と逆方向の適当な反力が発生されるように、駆動回路18を介して、反力アクチュエータ9を制御する。
また、制御装置14には、たとえば、車両のインスツルメントパネルに設けられた警報器19が接続されている。警報器19は、警報音発生装置からなっていてもよいし、警報表示(ランプ表示やメッセージ表示)を行う警報表示装置からなっていてもよい。制御装置14は、センサ類S11〜S12(とくに転舵角センサS3、車速センサS5、ストロークセンサS9)の出力信号に基づいて、たとえば、所定の異常や走行状態(悪路走行中、フラッタ発生、アンバランス発生など)を検出したときに、警報器19から警報を発生させる。
【0023】
図2は、舵取り用の車輪5のタイヤWの構成を説明するための図解的な断面図である。タイヤWは、路面に接触するトレッド部51と、このトレッド部51の両側部に結合された一対のサイドウォール部52L,52Rとを備えている。車両の進行方向に向かって右側のサイドウォール部52Rの内壁面には、右側応力センサSRが配置されており、車両の進行方向に向かって左側のサイドウォール部52Lの内壁面には左側応力センサSLが配置されている。また、トレッド部51の内壁面には、空気圧センサSPが配置されている。その他、必要に応じて、たとえば、トレッド部51の内部に応力センサSAを埋設してもよい。
【0024】
右側応力センサSRおよび左側応力センサSLは、右側サイドウォール部52Rおよび左側サイドウォール部52Lに加わる応力をそれぞれ検出するものであって、歪みゲージ等のセンサ部と、このセンサ部の検出信号を無線伝送するためのトランスポンダ部と、タイヤWの回転運動を電気エネルギーに変換して蓄電する蓄電部とを備えており、この蓄電部に蓄積された電気エネルギーによって動作するようになっている。同様に、空気圧センサSPは、タイヤWの内部に配置されていて、タイヤWの内部空気圧を検出するセンサ部と、このセンサ部の検出信号を無線伝送するためのトランスポンダ部と、タイヤWの回転運動を電気エネルギーに変換して蓄電する蓄電部とを備えており、この蓄電部に蓄積された電気エネルギーによって動作するようになっている。上記トランスポンダ部が発信する信号が、アンテナ14aから、制御装置14に取り込まれるようになっている。
【0025】
上記のような応力センサや空気圧センサとしては、たとえば、特許文献2および特許文献3に開示されているような公知のものを採用することができる。
図3は、コーナリング時におけるタイヤWの変形を説明するための図解図である。図3(A)には、摩擦係数が比較的小さな路面上において左方向操舵を行った場合における左右のタイヤWL,WRの断面形状が示されており、図3(B)には、路面摩擦係数が比較的大きな路面上において左方向操舵を行った場合における左右のタイヤWL,WRの断面形状が示されている。図3(A)(B)のいずれにおいても、タイヤWL,WRの断面形状は、車両の進行方向後方から見た形状である。
【0026】
左右のタイヤWL,WRのうち、操舵方向内側となる左側タイヤWLの変形は比較的小さく、操舵方向外側となる右側タイヤWRの変形が大きくなる。そして、左右のタイヤWL,WRのいずれにおいても、操舵方向内側となる左側サイドウォール部における変形は小さく、操舵方向外側となる右側サイドウォール部における変形が大きくなる。この変形は、路面摩擦係数が大きいほど大きくなる。そこで、この実施形態では、制御装置14は、転舵角センサS3の出力信号に基づき、操舵方向外側に位置するタイヤを特定し、そのタイヤ(図3の例では右側タイヤWR)に装着された左右の応力センサSL,SRの出力を参照する。より具体的には、操舵方向外側となる右側サイドウォール部52Rの応力を検出する右側応力センサSRが検出する外側サイドウォール部の応力Toと、操舵方向内側となる左側サイドウォール部52Lの応力を検出する左側応力センサSLによって検出される内側サイドウォール部の応力Tiとの差ΔT(=To−Ti)が求められる。さらに、制御装置14は、左右のサイドウォール部の応力差ΔTの一階時間微分値(応力変化速度、タイヤ負荷変化速度)または二階時間微分値(応力変化加速度、タイヤ負荷変化加速度)を求め、こうして求められたタイヤ負荷変化速度またはタイヤ負荷変化加速度に基づき、操舵アクチュエータ2および反力アクチュエータ9を駆動制御する。
【0027】
図4は、制御装置14による反力アクチュエータ9の制御態様の一例を示す制御特性図である。制御装置14は、たとえば、操舵方向外側のタイヤにおけるタイヤ負荷変化速度またはタイヤ負荷変化加速度に応じて、一定範囲内で、たとえばリニアに変化する反力アクチュエータ駆動目標値を設定し、この反力アクチュエータ駆動目標値が達成されるように、駆動回路18に制御信号を与える。図4の特性図では、一定値以上のタイヤ負荷変化速度またはタイヤ負荷変化加速度に対して、タイヤ負荷変化速度またはタイヤ負荷変化加速度の増加に応じてリニアに増加する反力アクチュエータ駆動目標値が設定されるようになっており、かつ、車速センサS5が検出する車速が大きいほど大きな反力アクチュエータ駆動目標値が設定されるようになっている。
【0028】
これにより、タイヤに加わる負荷の変化速度または変化加速度が大きいほど大きな反力がステアリングホイール1を介して運転者に伝えられ、また、車速が大きいほど大きな反力がステアリングホイール1を介して運転者に伝達されることになる。
図5は、運転者、車両および路面の間における情報の授受の様子を示す概念図である。たとえば路面からは、横風等の外乱が車両に加わり、また道路交通網に配置されたインフラから交通状況等の情報がたとえばITS(Intelligent Transport Systems)電子情報などとして車両に提供される。さらに、轍路、カント路、波状路および雪道などの路面状況がタイヤを通じて車両に伝達される。
【0029】
一方、車両から運転者には、制御装置14(ECU:電子制御ユニット)による反力アクチュエータ9の制御(反力制御)により、ステアリングホイール1を介して、路面情報(低周波情報)とともに、上述のタイヤ接地面過渡情報が伝達される。さらに、上述の警報器19を通じて、操舵系の不安定情報や警告が、表示または音声によって運転者に伝達される。
反力アクチュエータ9は、操舵アクチュエータ2の発生トルクや、転舵角センサS3の出力に基づいて制御されることにより、低周波情報である路面情報をステアリングホイールを介して運転者に伝達することができる。この制御と併せて、上述のように、タイヤ負荷変化速度またはタイヤ負荷変化加速度に応じて反力アクチュエータ9が制御されることにより、ステアリングホイール1を介してタイヤ接地面過渡情報が運転者に伝達される。
【0030】
警報器19によって伝達される操舵系の不安定情報とは、タイヤアンバランスやシミーの発生などである。これらの情報は、反力アクチュエータ9の制御を介して運転者に伝達されてもよいが、警報器19を用いて視覚的または聴覚的に運転者に伝達し、メンテナンスを促す方が効果的である。
制御装置14は、操舵系の振動(消耗品・機構部品に関するメンテナンス不良や異常信号による制御異常などによるフラッタ、シミーなど)やタイヤ・サスペンション系の振動(アンバランスによる振動)などを、車両および/または各コンポーネント(車両運動に関わる物理量を検出する部位)に設けた変位センサ信号(操作角センサS1、転舵角センサS3、ストロークセンサS9などの信号)、加速度センサ信号(前後加速度センサS6、横加速度センサS7)や、それらの信号に対して信号処理によって解析を施して得られた解析結果(微分値、積分値、振動のパワースペクトラム解析により得られた周波数特性など)に基づいて、運転者に伝達すべき情報の有無を判定する。そして、さらに、運転者に伝達すべき情報があれば、その情報を操作反力として運転者に伝達すべきか、警報器19を介して視覚的または聴覚的に運転者に伝達すべきかを判定し、その判定結果に応じた方法で当該情報を運転者に伝達する。
【0031】
制御装置14は、さらに、操作角センサS1などの出力や応力センサSL,SRおよび空気圧センサSPによって検出されるタイヤ負荷に応じて、操舵アクチュエータ2を制御する(操舵制御)。
一方、運転者は、警報器19またはステアリングホイール1から伝達される上記の情報の他に、車両上において加速度Gを体感し、また、車速V、ヨーレートγ、ロールφおよびピッチτを体感する。これらの情報に基づき、運転者は、予覚制御、追跡制御および補償制御を行うべく、ステアリングホイール1を操作する。
【0032】
予覚制御とは、運転者が次の状況を予知して行う制御であり、追跡制御とは、運転者が意図する車両挙動を目標としてこの目標を追跡しようとする制御であり、補償制御とは、横風などの外乱を補償するための制御である。これらの制御は、車両の運転に関する運転者の知識に基づいて行われるが、この知識は、スキルベース、ルールベースおよびインテリジェントベースに層別することができる。スキルベースの運転知識とは、体で会得した知識であり、五感により知覚した情報に基づいて無意識に行動に移されるような知識である。ルールベースの運転知識とは、運転者の記憶に基づく判断結果(たとえば一定の条件に当てはまるかどうか)に応じて行動に移されるような知識、すなわち、パターン化された行動に関する知識である。インテリジェントベースの運転知識とは、パターン化された行動に関する知識ではなく、意識的で抽象的かつ論理的な思考を経て行動に移されるような高度な知識である。
【0033】
たとえば、低周波情報としてステアリングホイール1から運転者に伝達される路面情報は、ルールベースの知識に働きかけて、運転者にパターン化された運転行動を促す。これに対して、同じくステアリングホイール1から運転者に伝達されるタイヤ接地面過渡情報は、インテリジェントベースの知識に働きかけて、より高度な判断(ステアリングトルクが抜ける限界点かどうかなど)のために用いられる。
【0034】
図6は、反力アクチュエータ9の制御または警報器19によって運転者に情報を伝達するために制御装置14が実行する処理を説明するためのフローチャートである。まず、センサ類S1〜S12が出力する検出信号が取り込まれ(ステップA1)、その後に、これらのセンサ類S1〜S12の検出信号に対する信号処理(ステップA2)が行われる。具体的には、微分処理、積分処理、信号の周期性の解析、包絡線検波、スペクトル分析による周波数特性の解析などの処理が行われる。より具体的には、転舵角センサS3の出力信号の振動周波数(転舵角振動周波数)、ストロークセンサS9の出力信号の振動周波数(ショックアブソーバ振動周波数)、転舵角センサS3の出力信号の微分値(転舵角速度)が求められる。さらに、横加速度センサS7によって検出される横加速度(横G)、ヨーレートセンサS8によって検出されるヨーレート、ストロークセンサS9によって検出されるショックアブソーバストローク、ブレーキ液圧センサS10によって検出されるブレーキ液圧の各振動周波数などが求められる。
【0035】
さらに、制御装置14は、車速センサS5が検出する車速Vが予め定める複数の車速域(この実施形態では、0km/h<V≦30km/h、30km/h<V≦60km/h、60km/h<V≦90km/h、90km/h<Vの4つの車速域)のいずれに属するかに応じて、処理を分岐させる(ステップA3,A4,A5)。
たとえば、車速Vが0km/h<V≦30km/hの車速域内の値のときには(ステップA3のYES)、転舵角振動周波数が予め定めるしきい値である5Hz以上かどうかが判断される(ステップA6)。この判断が肯定されると、操舵系または転舵系の異常が発生している可能性があるので、さらに、横加速度センサS7によって検出される横加速度(横G)、ヨーレートセンサS8によって検出されるヨーレート、ストロークセンサS9によって検出されるショックアブソーバストローク、ブレーキ液圧センサS10によって検出されるブレーキ液圧のうちの1つまたは予め定める2つ以上のものについて、その振動周波数が、予め定めるしきい値である2Hz以下かどうかが判断される(ステップA7)。この判断が否定されれば、操舵系または転舵系の異常はないものとして、反力アクチュエータ9を駆動するための目標反力トルクを通常時(異常がないとき)の目標反力トルク値であるTaに定めて(ステップA8)、リターンする。この通常時の目標反力トルク値は、応力センサSL,SRや空気圧センサSPによって検出されるタイヤ負荷を反映した値である。
【0036】
一方、ステップA7において、横加速度、ヨーレート、ショックアブソーバストロークおよびブレーキ液圧のうちの1つまたは予め定める2つ以上のものについて、その振動周波数が2Hz以下であると判断されると、操舵系または転舵系に異常があるとの判定がなされる(ステップA9)。この場合、制御装置14は、反力アクチュエータ9の駆動のための目標反力トルクを、通常時の目標反力トルク値Taに補正トルク値Tb(操舵系または転舵系異常時の補正トルク)を加えた値Ta+Tbに設定して(ステップA10)、リターンする。
【0037】
補正トルク値Tbは、たとえば、ステップA7において2Hz以下であると判断された判定対象値の振動周波数に応じて定められ、たとえば、その振動周波数が大きいほど大きく定められる。また、補正トルク値Tbは、さらに車速や転舵角に応じて定められてもよく、車速が大きいほど大きく、また、転舵角が大きいほど大きく定めることとすればよい。
転舵角振動周波数が5Hz未満のときには(ステップA6のNO)、懸架系の異常等の可能性があるので、さらに、ショックアブソーバ振動周波数が予め定める第1のしきい値である1Hz以上かどうかが判断される(ステップA11)。ショックアブソーバ振動周波数が1Hz以上のときには、さらに、転舵角速度が予め定めるしきい値である5rad/sec以下かどうかが判断される(ステップA12)。この判断が肯定されると、悪路走行中、フラッタ発生またはアンバランス発生のいずれかであると判定され(ステップA13)、これらの異常等が警報器19を通じて運転者に報知される(ステップA14)。そして、反力アクチュエータ9の制御のための目標反力トルクを、通常時の目標反力トルク値Taに設定して(ステップA15)、リターンする。
【0038】
転舵角周波数が5Hz未満であっても、ショックアブソーバ振動周波数が1Hz未満であるとき(ステップA11のNO)、または転舵角周波数が5Hz未満で、かつショックアブソーバ振動周波数が1Hz以上であっても転舵速度が5rad/secを超えているとき(ステップA12のNO)には、懸架系の異常の有無を調べるために、さらに、ショックアブソーバ振動周波数が予め定める第2のしきい値である10Hz以上かどうかが判断される(ステップA16)。この判断が肯定されると、懸架系に異常があるものと判定され(ステップA17)、制御装置14は、反力アクチュエータ9の駆動のための目標反力トルクを、通常時の目標反力トルク値Taに補正トルク値Tc(懸架系異常時の補正トルク)を加えた値Ta+Tcに設定して(ステップA18)、リターンする。
【0039】
補正トルク値Tcは、たとえば、ショックアブソーバ振動周波数に応じて定められ、たとえば、ショックアブソーバ振動周波数が大きいほど大きく定められる。また、補正トルク値Tcは、さらに車速や転舵角に応じて定められてもよく、車速が大きいほど大きく、また、転舵角が大きいほど大きく定めることとすればよい。
ステップA16における上記の判断が否定されれば、懸架系の異常はないものとして、反力アクチュエータ9を駆動するための目標反力トルクを通常時(異常がないとき)の目標反力トルク値であるTaに定めて(ステップA19)、リターンする。
【0040】
30km/h<V≦60km/h、60km/h<V≦90km/h、90km/h<Vの車速域においても、判定対象となる振動周波数の種類が適宜選択され、各振動周波数に対するしきい値が適切に設定されたうえで、上記と同様な処理が行われる。
このような処理の結果、操舵系、転舵系および懸架系の異常に関しては、ステアリングホイール1に与えられる操舵反力を通常時の値(Ta)と異ならせることによって、ステアリングホイール1を介して運転者に伝達される。その一方で、悪路走行中、フラッタ発生、アンバランス発生などの情報は、ステアリングホイール1を介さずに、警報器19を介して運転者に報知される。このように、発生した異常等の種類に応じて、適切な伝達ルートが選択されるから、運転者への情報伝達が円滑に行われ、運転ストレスを減少することができ、快適な運転環境を実現できる。
【0041】
しかも、この実施形態では、タイヤに取り付けられた左右の応力センサSL,SRや空気圧センサSPによって直接的に検出されるタイヤの負荷に応じて、反力アクチュエータ9が制御されるようになっている。そのため、舵取り機構の機械的な構成によらずに、適切な反力制御を行うことができるから、車種毎または車両毎に反力制御を異ならせるような車両適合技術を減少または排除することができる。これにより、車両用操舵装置の開発期間を大幅に短縮することができる。
【0042】
また、左右の応力センサSL,SRや空気圧センサSPによってタイヤWの負荷状況を直接的に検出し、これを用いて反力制御を行う構成であるから、複雑な演算処理が不要であり、数十ミリ秒オーダの高速な応答性で反力アクチュエータ9を制御できる。そのため、タイヤWがグリップ力を失うグリップ限界状況のようなタイヤ接地面過渡情報をステアリングホイール1を介して運転者に伝達することができる。
【0043】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。この車両用操舵装置21は、操作部材としてのステアリングホイール22に一体回転可能に連結される第1操舵軸23と、この第1操舵軸23と同軸上に設けられラックアンドピニオン機構等の舵取り機構24に連結される第2操舵軸25と、第1および第2操舵軸23,25間の差動回転を許容するための差動伝達機構を構成する遊星伝達機構としての遊星ギヤ機構26とを備える。
【0044】
舵取り機構24は、車両の左右方向に延びて配置された転舵軸27と、この転舵軸27の両端にタイロッド28を介して結合され、舵取り用の車輪29を支持するナックルアーム30とを備える。転舵軸27はハウジング31により支承されて軸方向に摺動可能とされており、その途中部に、電動モータからなる操舵アクチュエータ32が同軸的に組み込まれている。操舵アクチュエータ32の駆動回転は、ボールねじ機構等の運動変換機構等によって転舵軸27の摺動に変換され、この転舵軸27の摺動により車輪29の転舵が達成される。
【0045】
転舵軸27の一部には、ラック27aが形成されており、このラック27aには、第2操舵軸25の端部に設けられて第2操舵軸25と一体回転するピニオン34が噛み合わされている。操舵アクチュエータ32の故障時には、ステアリングホイール22の操作に応じて第2操舵軸25が回転駆動されると、この第2操舵軸25の回転がピニオン34およびラック27aにより、転舵軸27の摺動に変換され、車輪29の転舵が達成される。
【0046】
遊星ギヤ機構26は、第1操舵軸23の端部に一体回転可能に連結された入力側となる太陽ギヤ35と、出力側となるキャリア36により回転自在に保持されて太陽ギヤ35と噛み合う複数の遊星ギヤ37と、各遊星ギヤ37に噛み合う内歯38aを内周に持つリング部材としてのリングギヤ38とを含む。
リングギヤ38は外歯38bを形成することで例えばウォームホイールを構成している。この外歯38bは例えばウォームからなる駆動伝達ギヤ39を介して、ステアリングホイール22に操作反力を与えるための反力アクチュエータ40に駆動連結されている。この反力アクチュエータ40は例えば電動モータからなり、そのケーシングは車体の適所に固定されている。
【0047】
操舵アクチュエータ32および反力アクチュエータ40は、CPU61、制御プログラム等を記憶したROM62、演算処理等のワークエリアとして用いられるRAM63等を含む制御装置C(ECU:電子制御ユニット)により制御されるようになっている。
第1操舵軸23にはステアリングホイール22による操舵角を検出するための操舵角検出手段としての操舵角センサS1、およびステアリングホイール22から入力される操舵トルクを検出するための操舵トルク検出手段としてのトルクセンサS2が設けられている。これら操舵角センサS1およびトルクセンサS2からの検出信号が制御装置Cに入力される。
【0048】
また、転舵軸27には、転舵軸27の軸方向位置を検出することで、車輪29の転舵角を検出するための転舵角センサS3と、転舵軸27に作用する軸力を検出する軸力センサS4が設けられており、これらの転舵角センサS3および軸力センサS4による検出信号も制御装置Cに入力される。また、制御装置Cには、車速を検出するための車速センサS5からの検出信号が入力されるようになっている。
【0049】
これらの他、制御装置Cには、上記の第1の実施形態の場合と同じく、車両の前後方向加速度を検出する前後加速度センサS6、車両の横加速度を検出する横加速度センサS7、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサS8、ショックアブソーバのストローク(変位)を検出するストロークセンサS9、ブレーキ油圧を検出するブレーキ液圧センサS10、車両の荷重を検出する荷重センサS11、および操舵アクチュエータ32に供給される駆動電流を検出する電流検出部S12が出力する検出信号がそれぞれ入力されるようになっている。また、車輪29のタイヤの内部には、上述の第1の実施形態の場合と同様にして、タイヤ負荷検出手段として、タイヤ空気圧センサSP、左側応力センサSLおよび右側応力センサSRが設けられている。これらのセンサの出力信号は、無線通信によって、アンテナCaから、制御装置Cに取り込まれるようになっている。
【0050】
制御装置Cは、上記各センサ類からの入力信号に基づいて、操舵アクチュエータ32および反力アクチュエータ40をそれぞれ駆動するための駆動部としての駆動回路48,49に制御信号を出力する。
制御装置Cは、転舵系が正常に動作しているかどうかを常時監視している。より具体的には、転舵角センサ46および操舵アクチュエータ32の少なくとも一方における異常発生を監視している。
【0051】
転舵系に異常がなければ、制御装置Cは、反力アクチュエータ40によって、路面反力に対応した操舵反力をステアリングホイール22に与えるためのトルクを発生させる。
また、制御装置Cは、ステアリングホイール22の操作量に応じて、操舵アクチュエータ32の電圧指令値を設定し、その電圧指令値に応じた制御信号を駆動回路48に与えることによって、操舵アクチュエータ32を駆動制御する。ステアリングホイール22と舵取り機構24との間は、遊星ギヤ機構26を介して結合されているものの、反力アクチュエータ40がリングギヤ38の回転を実質的に拘束せず、ステアリングホイール22に操舵反力を与えるためにのみ動作している状態では、ステアリングホイール22に加えられた操舵トルクは舵取り機構24に実質的に伝達されることがない。その意味で、この図7に示された構成もまた、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)型の車両用操舵装置であるということができ、上述の第1の実施形態の場合と同様な可変ギヤ比制御が可能である。
【0052】
この実施形態において、制御装置Cは、上述の第1の実施形態の制御装置14と同様に、図4に示されているような特性に従って、応力センサSL,SRおよび/または空気圧センサSPによって検出されるタイヤ負荷に基づいて、反力アクチュエータ40を制御する。これによって、運転者に対して、路面状況を表す低周波域の情報のみならず、タイヤ接地面過渡情報のような高周波域の情報をも、ステアリングホイール22を介して伝達することができる。
【0053】
さらに、制御装置Cは、上述の第1の実施形態における制御装置14と同じく、図6に示されているような処理を実行し、センサ類の信号を処理して、それらの振動周波数等に基づき、操舵系、転舵系および懸架系の異常については、反力制御によって運転者に伝達するとともに、悪路走行中、フラッタ発生およびアンバランス発生についての情報は警報器70(第1の実施形態における警報器19と同様な構成のもの)を介して運転者に報知する。
【0054】
転舵系に異常が生じると、制御装置Cは、操舵アクチュエータ32の制御を中止して操舵アクチュエータ32をフリー回転状態とするとともに、反力アクチュエータ40によってリングギヤ38の回転に制限を加え、ステアリングホイール22に加えられた操舵トルクが舵取り機構24に伝達される状態とする。このとき、反力アクチュエータ40の制御によって、操舵補助を行うことができるとともに、ギヤ比の可変制御を行うことができる。
【0055】
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することができる。たとえば、図1および図7に示すように、制御部14,Cに操作部75を接続しておき、この操作部75からの操作により、操作反力の大小を調整できるようにしてもよい。
また、たとえば、ステアリングホイールと舵取り機構とを、トーションバーが介装されたステアリングシャフトによって結合するとともに、舵取り機構に対して、電動モータから操舵補助力を与える通常の電動パワーステアリング装置においても、ステアリングホイールに力を与えるアクチュエータと、警報器とを設けることによって、異常等の種類に応じて、ステアリングホイールか警報器かを使い分けて、運転者への情報伝達を行える。
【0056】
また、電動モータによって駆動されるポンプによって油圧を発生させ、この油圧によって作動されるパワーシリンダが発生する駆動力を舵取り機構に伝達する構成のパワーステアリング装置においても、同様な構成の採用が可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための概念図である。
【図2】舵取り用の車輪のタイヤの構成を説明するための図解的な断面図である。
【図3】コーナリング時におけるタイヤの変形を説明するための図解図である。
【図4】反力アクチュエータの制御態様の一例を示す制御特性図である。
【図5】運転者、車両および路面の間における情報の授受の様子を示す概念図である。
【図6】反力アクチュエータの制御または警報器によって運転者に情報を伝達するために制御装置が実行する処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 操舵アクチュエータ
4 転舵軸
5 車輪
9 反力アクチュエータ
14 制御装置
14a アンテナ
17 駆動回路
18 駆動回路
19 警報器
21 車両用操舵装置
22 ステアリングホイール
24 舵取り機構
26 遊星ギヤ機構
27 転舵軸
27a ラック
29 車輪
32 操舵アクチュエータ
34 ピニオン
35 太陽ギヤ
36 キャリア
37 遊星ギヤ
38 リングギヤ
39 駆動伝達ギヤ
40 反力アクチュエータ
44 操舵角センサ
45 トルクセンサ
46 転舵角センサ
47 車速センサ
48 駆動回路
51 トレッド部
52L 左側サイドウォール部
52R 右側サイドウォール部
70 警報器
C 制御装置
Ca アンテナ
SA 応力センサ
SL 左側応力センサ
SP 空気圧センサ
SR 右側応力センサ
W タイヤ
WL 左側タイヤ
WR 右側タイヤ
S1 操作角センサ
S2 トルクセンサ
S3 転舵角センサ
S4 軸力センサ
S5 車速センサ
S6 前後加速度センサ
S7 横加速度センサ
S8 ヨーレートセンサ
S9 ショックアブソーバストロークセンサ
S10 ブレーキ液圧センサ
S11 荷重センサ
S12 電流検出部

Claims (3)

  1. 運転者によって操作される操作部材の操作に応じて、舵取り車輪を転舵させるための舵取り機構を作動させる車両用操舵装置であって、
    上記運転者への情報伝達のために、上記操作部材に力を加えるアクチュエータと、
    車両の運動に関わる物理量を検出し、検出結果に応じた検出信号を出力する少なくとも一つのセンサと、
    上記センサが出力する検出信号を解析し、解析結果を出力する信号解析手段と、
    この信号解析手段が出力する解析結果に基づいて、上記アクチュエータを制御する制御手段とを含むことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 上記信号解析手段による解析結果が、予め定めた第1の判定条件を満たすかどうかを判定する第1判定手段と、
    この第1判定手段によって、上記信号解析手段の解析結果が上記第1の判定条件を満たすと判定されたときに、この判定結果に対応した教示を運転者に与える教示手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の車両用操舵装置。
  3. 上記信号解析手段による解析結果が、予め定めた第2の判定条件を満たすかどうかを判定する第2判定手段をさらに含み、
    上記制御手段は、上記第2判定手段によって、上記信号解析手段の解析結果が上記第2の判定条件を満たすと判定されたときに、その解析結果に応じて上記アクチュエータを制御するものであることを特徴とする請求項1または2記載の車両用操舵装置。
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JP3734440B2 (ja) 車両用操舵装置

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