JP2021115738A - 熱転写シート、熱転写シートの製造方法、及びカード - Google Patents

熱転写シート、熱転写シートの製造方法、及びカード Download PDF

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大介 福井
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Abstract

【課題】転写層の剥離性を向上させることができる熱転写シート及びその製造方法を提供する。【解決手段】熱転写シート100は、支持体4と、支持体上に設けられた転写層10とを備える。支持体は、基材1及び離型層3を含む積層構造を有し、転写層は、離型層に接する保護層5を有し、離型層の中央部は周縁部の少なくとも一部よりも厚みが小さく、保護層の周縁部の少なくとも一部は中央部よりも厚みが小さい。離型層において、中央部を矩形とし、矩形の中央部の4辺を囲む周縁部よりも厚みが小さくてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シート、熱転写シートの製造方法、及びカードに関する。
熱転写受像シートやカード基材等の被転写体に形成された画像の保護を目的として、保護層を含む転写層を備えた熱転写シートを用いて、被転写体上に転写層を転写することが行われている。転写層が転写された被転写体は、身分証明書、運転免許証、会員証等のIDカードをはじめ、その用途は多岐にわたっている。被転写体上への転写層の転写は、被転写体と、転写層を備える熱転写シートとを重ね合わせ、熱転写シートにエネルギーを印加し、被転写体上に転写層を転写させた後に、この転写層を、熱転写シートの基材側から剥離することにより行われる。
このような熱転写シートには、転写層の耐久性が良好であることに加え、被転写体上に転写した転写層を、熱転写シートの基材側から剥離するときの剥離性が良好であることが求められている。
しかし、転写層の剥離性は、転写層の耐久性とトレードオフの関係にあり、転写層の耐久性を向上させるべく、転写層の硬度を高めていった場合には、転写層の剥離性が低下していく傾向にある。例えば、転写層に耐久性を付与した場合、転写層の剥離先頭部における剥離性が低くなり、本来であれば、被転写体側に転写され、熱転写シートの基材側から剥離されるべき転写層が、基材側から剥離されずに熱転写シート側に残存してしまう転写層の先頭部の未転写(先頭未転写)が生じやすくなる。また、転写層の剥離後端部や幅方向の両端部では、バリ(尾引き)が生じやすくなる。
特開平7−186514号公報 特開2012−101370号公報 特開2000−71619号公報
本発明は、転写層の剥離性を向上させることができる熱転写シート及びその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、転写層が良好に転写されたカードを提供することを課題とする。
本発明の熱転写シートは、支持体と、前記支持体上に設けられた転写層とを備える熱転写シートであって、前記支持体は、基材及び離型層を含む積層構造を有し、前記転写層は、前記離型層に接する保護層を有し、前記離型層の中央部は周縁部の少なくとも一部よりも厚みが小さく、前記保護層の周縁部の少なくとも一部は中央部よりも厚みが小さいものである。
本発明の一態様では、前記離型層において、前記中央部は矩形であり、前記矩形の中央部の4辺を囲む前記周縁部よりも厚みが小さい。
本発明の一態様では、前記保護層は活性光線硬化樹脂を含む。
本発明の熱転写シートの製造方法は、基材シート上に離型層を形成する工程と、前記離型層上に保護層を形成する工程と、を備え、前記離型層を、薄膜部がマトリクス状に配置され、前記薄膜部よりも厚みの大きい厚膜部が格子状となるように形成し、所定方向に延びるライン状の前記厚膜部に沿って前記基材シート、前記離型層及び前記保護層を切断して熱転写シートを製造するものである。
本発明の一態様では、前記基材シート又は前記基材シート上に設けられたいずれかの層の端部に前記所定方向に延びる基準ラインを印刷し、前記基準ラインに基づいて切断位置を設定する。
本発明の一態様では、前記基材シート上にアンカー層を形成する工程をさらに備え、前記アンカー層を、前記所定方向に延びるライン状のスペース部を含むパターンとなるように形成し、前記厚膜部が前記スペース部上に位置するように、前記アンカー層上に前記離型層を形成し、前記スペース部に基づいて切断位置を設定する。
本発明のカードは、カード基材と、前記カード基材上に形成された接着層と、前記接着層上に形成された保護層と、を備えるカードであって、前記カード基材は一対の平行な辺を有し、前記保護層は、この辺に沿った辺縁部の厚みが中央部の厚みよりも小さいものである。
本発明によれば、転写層の剥離性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 熱転写シートの平面図である。 熱転写シートを用いて被転写体上に転写層を転写する状態を示す図である。 転写層が転写された被転写体の概略断面図である。 転写層が転写された被転写体の平面図である。 熱転写シートの製造方法を説明する図である。 図6のVII-VII線断面図である。 熱転写シートの製造方法を説明する図である。 図8のIX-IX線断面図である。 熱転写シートの製造方法を説明する図である。 転写層が転写された被転写体の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
<<熱転写シート>>
図1、図2に示すように、本発明の実施形態に係る熱転写シート100は、支持体4と、この支持体4の一方の面上(図示する形態では上面)に設けられた転写層10とから構成されている。ここで、支持体4は、基材1と、この基材1の一方の面(図示する形態では上面)に設けられた離型層3と、基材1と離型層3との間に設けられたアンカー層2とから構成されている。図1は図2のI−I線断面図である。
転写層10は、熱転写シート100にエネルギーを印加することで、離型層3との界面で剥離し、被転写体上に移行する層である。転写層10は、保護層を含む積層構造であり、支持体4側から、保護層5、プライマー層6、及び接着層7がこの順で積層されてなる積層構造を呈している。保護層5は、被転写体上に転写層10を転写したときに、最表面に位置する層である。保護層5は、転写層10を構成する層のうち、支持体4から最も近くに位置している。プライマー層6は省略してもよい。
離型層3は、中央部Cと比較して、中央部Cを囲む周縁部Pの厚みが大きくなっている。従って、離型層3の転写層10と接触する側の面には、凹凸が設けられている。中央部Cは、熱転写シート100と被転写体とを重ね合わせて転写層10を被転写体に転写する際に、被転写体と対向する領域である。周縁部Pの一部も被転写体に対向し、周縁部Pの他の部分は、被転写体とは対向せず、張り出した箇所に位置する。中央部Cは、被転写体のサイズよりも僅かに小さく、被転写体の平面形状が略矩形である場合、中央部Cも略矩形となる。この場合、周縁部Pは、略矩形の中央部Cの4辺を囲む。
保護層5は、離型層3上に設けられる。保護層5の離型層3と接触する側の面には、離型層3の凹凸に追従した凹凸が設けられている。保護層5の厚みは、離型層3の中央部Cにおける厚みと周縁部Pにおける厚みとの差(離型層3の段差高さ)と比較して十分に大きい。そのため、保護層5の上面(離型層3とは反対側の面)は、離型層3の凹凸の影響がほとんど現れず、ほぼ平坦になっている。保護層5は、中央部Cと比較して、周縁部Pの厚みが小さくなっている。
図3に示すように、熱転写シート100の転写層10(接着層7)と被転写体20とを重ね合わせ、熱エネルギーを印加し、被転写体20上に転写層10を転写させる。その後、図4に示すように、転写層10を、熱転写シート100の支持体4側から剥離する。図5は、支持体4を剥離した後の被転写体20の平面図であり、図4は図5のIV-IV線断面図である。
支持体4側から転写層10の先頭部分(剥離開始部)を剥離するときの剥離力(初期破断剥離力)は、その後の剥離力と比較して大きい。つまり、剥離力が大きくなる転写層10の先頭部分は、支持体4側から正確に剥離され難い部分となる。初期破断剥離力の大きさは、保護層5の強度(硬度)と密接的な関連性を有しており、保護層5の強度が高くなるに伴い、初期破断剥離力も大きくなるため、先頭未転写が発生しやすくなる。
そこで、本実施形態では、周縁部Pにおける保護層5の厚みを、中央部Cにおける保護層5の厚みよりも薄くすることで、周縁部Pの保護層5の強度を低下させている。これにより、初期破断剥離力が小さくなり、転写層10の剥離性を良好なものとし、先頭未転写の発生を防止できる。
また、中央部Cを囲む周縁部Pで保護層5を薄くしているため、剥離後端部を含め転写層10を支持体4側から正確に剥離し、バリの発生を防止できる。
また、被転写体20の大部分は、厚みの大きい保護層5の中央部Cで覆われているため、被転写体20の耐久性は良好なものとなる。
図4、図5に示すように、転写層10が転写された被転写体20は、最表面に保護層5が位置し、保護層5の周縁部Pの厚みは、中央部Cの保護層5の厚みよりも小さくなっている。例えば、被転写体20が矩形状である場合、保護層5は、被転写体20の4辺に沿った部分で厚みが小さくなっている。
転写層10が転写された被転写体20において、保護層5の厚みが小さくなっている周縁部Pの幅は、2mm以上6mm以下となっていることが好ましい。また、中央部Cにおける保護層5の厚みは、周縁部Pにおける保護層5の厚みの1.2倍以上3倍以下程度とすることが好ましい。これにより、転写層10の剥離性を良好なものとしつつ、周縁部Pにおける保護層5の段差を目立たなくできる。転写層10が転写された被転写体20の中央部Cは、例えば平面視形状が略矩形であり、長手方向のサイズが8.0cm以上14.0cm以下程度、短手方向のサイズが4.0cm以上8.0cm以下程度である。
熱転写シート100の周縁部Pにおける離型層3の厚みは、中央部Cにおける離型層3の厚みの1.2倍以上3倍以下程度とすることが好ましい。
熱転写シート100は、図1、図2に示すような、中央部Cと中央部Cを囲む周縁部Pとからなる1単位のパターンで製造してもよいが、図6に示すように、1単位のパターンを大判シートにマトリクス状に多数形成し(縦横方向に繰り返し形成し)、所定のスリット位置で長手方向に切断して、長尺帯状の熱転写シート100Aとしてもよい。
例えば、基材1となる大判の基材シート上にアンカー層2を形成し、アンカー層2上に離型層3を形成する。離型層3は、中央部Cに対応する薄膜部がマトリクス状に配置されるように形成される。離型層3の周縁部Pに対応する厚膜部は、格子状に形成される。その後、離型層3上に、保護層5、プライマー層6、接着層7を順に形成する。
熱転写シート100Aには、1単位のパターンが繰り返し設けられる。この熱転写シート100Aを巻き取ったものが熱転写プリンタ等に装填される。
図6に示すように、大判シートの端部に印刷したラインLを基準にして、各列のスリット位置を定めても良い。ラインLはどの層に印刷してもよい。図7は図6のVII-VII線断面図である。スリット位置は、離型層3の厚みが大きい厚膜部(周縁部P)に設定される。すなわち、長手方向に延びるライン状の離型層厚膜部がスリット位置となる。
図8、図9に示すように、長手方向に延びるスペース部S(未印刷部)を設けるように、有色のアンカー層2をパターン印刷し、このスペース部Sをスリット位置として大判シートを切断し、長尺帯状の熱転写シート100Bを作製してもよい。アンカー層2上に離型層3を形成する際、スペース部Sに離型層3が入り込む。有色のアンカー層2が存在しないスペース部Sに基づいてスリット位置を設定できる。スペース部Sは、長手方向に延びるライン状の離型層厚膜部の下方に位置する。
図10に示すように、離型層3の厚みの小さい部分(中央部)C1を、大判シートの短手方向(図中左右方向)に沿って連続的に延在させ、かつ長手方向(図中上下方向)に所定間隔を空けて複数形成してもよい。大判シートの端部に印刷したラインLを基準にしたスリット位置で切断して熱転写シート100Cを作製する。
この熱転写シート100Cでは、略矩形の中央部C1の前端及び後端に、離型層3の厚みの大きい周縁部P1が配置される。この熱転写シート100Cを用いて被転写体20に転写層10を転写した場合、図11に示すように、印刷方向の前端及び後端に相当する一対の平行な辺に、保護層5の厚みが小さい周縁部P1が設けられる。転写層の未転写やバリなどの転写不良は、印刷方向の前端及び後端で生じやすく、その部分の保護層5の厚みを小さくすることで、転写層10を支持体4側から正確に剥離し、転写層10を転写した後の被転写体20の美観を良好なものにできる。
次に、熱転写シート100の各構成について具体的に説明する。
(基材)
基材1は、その面上に位置する離型層2および転写層10を保持している。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有するものが好ましい。このような基材1としては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートが挙げられる。これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定でき、0.5μm以上50μm以下の範囲内が好ましく、1μm以上30μm以下の範囲内がより好ましく、4μm以上15μm以下の範囲内がさらに好ましい。
(離型層)
離型層3は、少なくともバインダー樹脂によって構成されており、当該離型層3の表面に設けられる転写層10の転写性を向上するための層である。
離型層3を構成するバインダー樹脂については特に限定はなく、たとえば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの各種シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリル−スチレン系共重合体、熱硬化性エポキシ−アミノ共重合体、及び熱硬化性アルキッド−アミノ共重合体(熱硬化性アミノアルキド樹脂)、メラミン樹脂、セルロース樹脂、尿素系樹脂、ポリオレフィン、繊維素系樹脂等の、転写層10の転写性を良好なものとできるバインダー樹脂を好適に用いることができる。離型層3は、バインダー樹脂として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、離型層3の厚みは、例えば中央部Cで0.2μm以上5μm以下の範囲内が好ましく、0.5μm以上2μm以下の範囲内がより好ましい。上述したように、周縁部Pにおける離型層3の厚みは、中央部Cにおける離型層3の厚みの1.2倍以上3倍以下程度とすることが好ましい。
(アンカー層)
支持体4は、基材1と離型層3との間にアンカー層2を備えていてもよい。アンカー層2には、ポリウレタン、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂などのポリオレフィン、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、シアノアクリレート樹脂などが使用できる。
アンカー層2の厚みは、特に限定されず、例えば0.1μm以上2.0μm以下の範囲内が好ましい。
(転写層)
離型層3上には、転写層10が設けられている。図1に示す形態の転写層10は、離型層3側から、保護層5、プライマー層6、接着層7がこの順で積層された構造となっている。プライマー層6を省略してもよい。また、プライマー層6及び接着層7を省略し、転写層10を保護層5のみからなる単層構造としてもよい。
(保護層)
保護層5の材料については特に限定されることはなく、従来から用いられているものを適宜用いることができる。
具体的には、保護層5は少なくともバインダー樹脂により構成されている。このバインダー樹脂については特に限定はなく、耐可塑剤性や耐擦過性等の耐久性を考慮して適宜決定すればよい。このようなバインダー樹脂としては、たとえば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂や紫外線吸収性樹脂等の活性光線硬化樹脂などが挙げられる。保護層5は、バインダー樹脂として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
電離放射線硬化性樹脂は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている点で保護層のバインダー樹脂として好適に用いることができる。電離放射線硬化性樹脂は、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、たとえば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。紫外線吸収性樹脂を含有する保護層5は、印画物に耐光性を付与することに優れている。
紫外線吸収性樹脂としては、たとえば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用できる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(たとえばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したもの等が挙げられる。
バインダー樹脂の含有量についても特に限定はないが、保護層5の総質量に対し85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。バインダー樹脂の含有量を好ましい範囲とすることで、保護層5に十分な耐久性を付与できる。
転写層10を保護層5のみからなる単層構造とする場合には、保護層5は、被転写体と転写層10との密着性を有する成分を含有していることが好ましい。なお、被転写体側で、転写層10との密着性を担保する対策が取られている場合には、保護層5に密着性を有する成分を含有せしめることなく、被転写体と転写層10とを密着させることができる。密着性を有する成分については、後述する接着層で説明する成分等を適宜選択して用いることができる。
また、保護層5には、必要に応じて、各種のシリコーンオイル、ポリエチレンワックス、ステアリン酸亜鉛、ステアリルリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸類、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等の離型剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系、酸化チタン、酸化亜鉛などの公知の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系、Niキレート系などの光安定剤、ヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系、ラクトン系などの酸化防止剤等を含有していてもよい。保護層5は、添加材として1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
保護層5の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂と、必要に応じて用いられる各種の添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した保護層用塗工液を調製し、この塗工液を、離型層3上に、塗布・乾燥して形成できる。
保護層5の厚みは、例えば中央部Cで2μm以上10μm以下の範囲内が好ましい。上述したように、周縁部Pにおける保護層5の厚みは、中央部Cにおける保護層5の厚みの1.2倍以上3倍以下程度とすることが好ましい。
(接着層)
図1に示すように、転写層10を、保護層5及び接着層7を有する積層構造とした場合、保護層5に被転写体との密着性を付与するための成分(密着性を有する成分)を含有せしめることなく、転写層10と被転写体との密着性を向上できる。つまりは、耐久性と、密着性の機能を、保護層5と、接着層7とに分離でき、双方の層に求められる機能を高めることができる。
接着層が有する成分について特に限定はなく、たとえば、ウレタン樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、シアノアクリレート樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂の反応型のものや、変性したもの等を好ましく使用できる。また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用できる。
接着層7の厚みは、0.5μm以上10μm以下の範囲内が好ましい。接着層の形成方法について特に限定はなく、たとえば、上記で例示した接着剤や、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した接着層用塗工液を調製し、この塗工液を、保護層5、或いは、保護層5上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成できる。
(プライマー層)
耐熱性を向上させるために、保護層5と接着層7との間に、硬化性樹脂を用いてプライマー層6を設けることもできる。硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の電離放射線硬化性官能基を有するポリマーを用いることができる。
(被転写体)
熱転写シート100の転写層10が転写される被転写体20としては、たとえば、熱転写受像シート、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等が挙げられる。また、被転写体として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体は着色されたものであってもよく、透明性を有するものであってもよい。
(転写層の転写方法)
被転写体上への転写層の転写方法について特に限定はなく、たとえば、サーマルヘッド等の加熱デバイスを有する熱転写プリンタや、ホットスタンプ、ヒートロール等の加熱手段を用いて行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 基材
2 アンカー層
3 離型層
4 支持体
5 保護層
6 プライマー層
7 接着層
10 転写層
100 熱転写シート

Claims (7)

  1. 支持体と、前記支持体上に設けられた転写層とを備える熱転写シートであって、
    前記支持体は、基材及び離型層を含む積層構造を有し、
    前記転写層は、前記離型層に接する保護層を有し、
    前記離型層の中央部は周縁部の少なくとも一部よりも厚みが小さく、
    前記保護層の周縁部の少なくとも一部は中央部よりも厚みが小さいことを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記離型層において、前記中央部は矩形であり、前記矩形の中央部の4辺を囲む前記周縁部よりも厚みが小さいことを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記保護層は活性光線硬化樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 基材シート上に離型層を形成する工程と、
    前記離型層上に保護層を形成する工程と、
    を備え、
    前記離型層を、薄膜部がマトリクス状に配置され、前記薄膜部よりも厚みの大きい厚膜部が格子状となるように形成し、
    所定方向に延びるライン状の前記厚膜部に沿って前記基材シート、前記離型層及び前記保護層を切断して熱転写シートを製造することを特徴とする熱転写シートの製造方法。
  5. 前記基材シート又は前記基材シート上に設けられたいずれかの層の端部に前記所定方向に延びる基準ラインを印刷し、前記基準ラインに基づいて切断位置を設定することを特徴とする請求項4に記載の熱転写シートの製造方法。
  6. 前記基材シート上にアンカー層を形成する工程をさらに備え、
    前記アンカー層を、前記所定方向に延びるライン状のスペース部を含むパターンとなるように形成し、
    前記厚膜部が前記スペース部上に位置するように、前記アンカー層上に前記離型層を形成し、
    前記スペース部に基づいて切断位置を設定することを特徴とする請求項4に記載の熱転写シートの製造方法。
  7. カード基材と、
    前記カード基材上に形成された接着層と、
    前記接着層上に形成された保護層と、
    を備えるカードであって、
    前記カード基材は一対の平行な辺を有し、前記保護層は、この辺に沿った辺縁部の厚みが中央部の厚みよりも小さいことを特徴とするカード。
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