JP2020147013A - 熱転写シート、熱転写受像シート、中間転写媒体及びこれらの組合せ - Google Patents
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Abstract
Description
転写層が、着色材、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含むことを特徴とする。
受容層が、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含むことを特徴とする。
受容層が、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含むことを特徴とする。
本発明の熱転写シート10は、図1に示すように、熱転写シート基材11と、転写層12とを備える。
一実施形態において、熱転写シート10は、図2に示すように、複数の転写層12A、12B、12C、12Dというように、転写層を面順次備えていてもよい。
一実施形態において、熱転写シート10は、図3に示すように、熱転写シート基材11の転写層12が設けられた面とは反対の面に、背面層13を備えていてもよい。
以下、熱転写シートが備える各層について説明する。
熱転写シート基材は、熱転写時に加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、熱転写シート基材上に設けられる層を支持できる機械的強度を有する。熱転写シート基材として、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙及び含浸紙等の紙基材やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール及びポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等の樹脂材料から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」には「アクリル」と「メタクリル」の両方が包含される。
また、本発明において、「(メタ)アクリレート」には「アクリレート」と「メタクリレート」の両方が包含される。
これら積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
転写層は、着色材、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含む。これにより、印画物の保存安定性を向上できる。また、転写層の転写性及び印画物の耐久性を向上できる。
なお、本発明において、エポキシ当量は、JIS K 7236(2009年発行)に準拠して測定する。
なお、本発明において、Mnは、JIS K 7252−1(2008年発行)に準拠して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算にて得られた値である。
無機粒子としては、例えば、タルク及びカオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、並びに窒化ホウ素等の無機粒子が挙げられる。これらの中でも、無機粒子は、作製された印画物の階調再現性の観点から、シリカであることが好ましく、疎水性シリカであることがより好ましい。疎水性シリカとは、一般に親水性であるシリカに処理材を結合させることによって疎水性としたもので、吸湿性が低く分散性に優れるものである。
一実施形態において、熱転写シートは、熱転写シート基材の転写層が設けられた面とは反対の面に、背面層を備える。これにより、熱転写シートの耐ブロッキング性をより向上できる。
無機粒子としては、上記した無機粒子が挙げられる。また、有機粒子としては、(メタ)アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、スチレン樹脂及びポリアミド等からなる有機樹脂粒子、又はこれらを架橋材と反応させた架橋樹脂粒子等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シート20は、図4に示すように、熱転写受像シート基材21と、熱転写受像シート受容層22とを備える。
熱転写受像シート基材としては、紙、コート紙、合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレン、又は、それらを紙と貼り合わせた複合材料)等の各種紙類、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテートフィルム等の単層あるいは、それらを2層以上積層した各種プラスチックフィルム又はシートを使用することが好ましい。
熱転写受像シート受容層は、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含む。これにより、印画物の保存安定性及び耐久性を向上できる。
本発明の中間転写媒体30は、図5に示すように、中間転写媒体基材31と、中間転写媒体受容層32を少なくとも備える再転写層33とを備える。
一実施形態において、中間転写媒体30が備える再転写層33は、図6に示すように、中間転写媒体受容層32下に剥離層34を備えていてもよい。
一実施形態において、中間転写媒体30が備える再転写層33は、図7に示すように、中間転写媒体受容層32と剥離層34との間に、保護層35を備えていてもよい。なお、中間転写媒体30が剥離層34を備えず、中間転写媒体受容層32下に保護層35が設けられた構成であってもよい。
以下、中間転写媒体30が備える各層について説明する。
中間転写媒体基材としては、熱転写シート基材と同様のものを使用でき、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
中間転写媒体が備える再転写層は、中間転写媒体受容層を少なくとも備える。また、一実施形態において、再転写層は、中間転写媒体受容層下に、剥離層を備えることができる。さらに、一実施形態において、再転写層は、中間転写媒体受容層下、又は中間転写媒体受容層と剥離層との間に、保護層を備えることができる。
中間転写媒体受容層は、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含む。これにより、印画物の保存安定性及び耐久性を向上できる。また、画像形成後の再転写層の再転写性を向上できる。
中間転写媒体が備える再転写層は、中間転写媒体受容層下に剥離層を備えることができる。これにより、再転写層の再転写性をより向上できる。
剥離層は、上記した樹脂材料及びワックスを共に含んでいてもよく、これらを2種以上含んでいてもよい。
一実施形態において、再転写層は、中間転写媒体受容層下、又は中間転写媒体受容層と剥離層との間に、保護層を備えることができる。これにより、印画物の耐久性をより向上できる。
図8に示される印画物40は、熱転写シートと、熱転写受像シートとの組合せを用いて作製されたものであり、熱転写受像シート基材21と、熱転写受像シート受容層22と、転写層12とを少なくとも備える。
一実施形態において、印画物40は、中間転写媒体受容層32上に剥離層34、又は保護層35及び剥離層34を備えていてもよい。
以下、印画物が備える被転写体について説明する。その他の構成については上記したため、ここでは記載を省略する。
印画物が備える被転写体としては、特に限定されるものではなく、熱転写シート基材、中間転写媒体基材と同様の紙基材、熱転写シート基材、中間転写媒体基材と同様の樹脂材料から構成される樹脂基材、木材及び金属板等、用途に応じ適宜使用できる。
これらの中でも、画像形成後の再転写層の再転写性という観点からは、ポリ塩化ビニルにより構成される樹脂基材が好ましい。
(熱転写シートの作製)
熱転写シート基材として、厚さ4.5μmのPETフィルム(東レ(株)製、ルミラー(登録商標))を準備した。PETフィルムの一方の面に、下記組成の転写層形成用塗工液A、B、C及びDを面順次に塗布、乾燥し、それぞれ厚さ0.7μmの転写層A〜Dを形成した。
<転写層形成用塗工液A>
・フタロシアニンブルー 3.5質量部
・エポキシ樹脂A 5.9質量部
(三菱ケミカル(株)製、jER1007、エポキシ当量:1750〜2200g/eq.、Mn2900、軟化点128℃)
・酸化防止材A 0.1質量部
(ヒンダードフェノール系酸化防止材、BASFジャパン(株)製、Irganox(登録商標)1010)
・無機粒子A 0.5質量部
(シリカ、日本アエロジル(株)製、AEROZIL(登録商標)R972)
・メチルエチルケトン(MEK) 90質量部
<転写層形成用塗工液B>
・カーミン6B 3.5質量部
・エポキシ樹脂A 5.9質量部
・酸化防止材A 0.1質量部
・無機粒子A 0.5質量部
・MEK 90質量部
<転写層形成用塗工液C>
・ジスアゾイエロー 3.5質量部
・エポキシ樹脂A 5.9質量部
・酸化防止材A 0.1質量部
・無機粒子A 0.5質量部
・MEK 90質量部
<転写層形成用塗工液D>
・カーボンブラック 3.5質量部
・エポキシ樹脂A 5.9質量部
・酸化防止材A 0.1質量部
・無機粒子A 0.5質量部
・MEK 90質量部
<背面層形成用塗工液>
・アクリル変性シリコーン 10質量部
(ナトコ(株)製、ポリアロイ NSA−X55)
・シリコーンイソシアネート 2質量部
(大日精化工業(株)製、ダイアロマー(登録商標)SP901)
・MEK 20質量部
・トルエン 20質量部
中間転写媒体基材として、厚さ12μmのPETフィルム(東レ(株)製、ルミラー(登録商標))を準備した。PETフィルムの一方の面に、下記組成の剥離層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1μmの剥離層を形成した。
<剥離層形成用塗工液>
・(メタ)アクリル樹脂 9.5質量部
(三菱ケミカル(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR−87)
・ポリエステル 0.5質量部
(東洋紡(株)、バイロン(登録商標)200)
・MEK 20質量部
・トルエン 20質量部
<保護層形成用塗工液>
・ポリエステル 10質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200、Mn17000、Tg67℃)
・MEK 20質量部
・トルエン 20質量部
<中間転写媒体受容層形成用塗工液>
・エポキシ樹脂A 10質量部
・MEK 90質量部
熱転写シートが備える各転写層の構成及び中間転写媒体が備える中間転写媒体受容層の構成の少なくとも一方を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シート及び中間転写媒体を作製した。
なお、表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・エポキシ樹脂B(三菱ケミカル(株)製、jER1009、エポキシ当量:2400〜3300g/eq.、Mn3800、軟化点144℃)
・エポキシ樹脂C(三菱ケミカル(株)製、jER1002、エポキシ当量:600〜700g/eq.、Mn1200、軟化点78℃)
・酸化防止材B(ヒンダードフェノール系酸化防止材、BASFジャパン(株)製、Irganox(登録商標)1076)
・酸化防止材C(ヒンダードフェノール系酸化防止材、BASFジャパン(株)製、Irganox(登録商標)259)
・酸化防止材D(リン系酸化防止材、BASFジャパン(株)製、Irgafos(登録商標)168)
・酸化防止材E(硫黄系酸化防止材、BASFジャパン(株)製、Irganox(登録商標)PS 800 FL)
上記実施例及び比較例において得られた中間転写媒体が備える中間転写媒体受容層上に、上記実施例及び比較例において得られた熱転写シートが備える転写層A〜Dを、カードプリンタ(日本データカード(株)製、CR805)を用いて、これら転写層を網点状に転写し、125階調のグレー画像を形成した。形成された画像において、重なり合う転写層が存在することが確認された。
(評価基準)
A:印画物において黄変が見られなかった。
B:印画物において黄変がわずかに見られたが、実用上問題のない程度であった。
NG:印画物において黄変が多く見られた。
上記の実施例及び比較例において得られた熱転写シートを、5cm×5cmの大きさにカットし、試験片を2枚ずつ作製した。一方の転写層と、他方の背面層とが接するように、この試験片を重ね合わせ、1.18MPaの荷重をかけながら、50℃で48時間保存した。保存後の試験片同士を手で剥がし、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:試験片同士を容易に剥がすことができた。
B:試験片同士の貼り付きが発生したが、剥がすことができ、実用上問題のない程度であった。
C:試験片同士の貼り付きが発生し、試験片同士を剥がすのが困難であった又は剥がすことができず、実用上問題があった。
上記の実施例及び比較例において得られた中間転写媒体を、5cm×5cmの大きさにカットし、試験片を2枚ずつ作製した。一方の中間転写媒体受容層と、他方の中間転写媒体基材とが接するように、この試験片を重ね合わせ、1.18MPaの荷重をかけながら、50℃で48時間保存した。保存後の試験片同士を手で剥がし、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:試験片同士を容易に剥がすことができた。
B:試験片同士の貼り付きが発生したが、剥がすことができ、実用上問題のない程度であった。
C:試験片同士の貼り付きが発生し、試験片同士を剥がすのが困難であった。
上記実施例及び比較例において得られた中間転写媒体が備える中間転写媒体受容層上に、上記実施例及び比較例において得られた熱転写シートが備える転写層A〜Dを、カードプリンタ(日本データカード(株)製、CR805)を用いて、これら転写層を網点状に転写し、0階調の均一画像を形成した。形成された画像において、重なり合う転写層が存在することが確認できた。尚、均一画像とは、全ての画素の諧調が同一である画像である。
中間転写媒体受容層上に形成した均一画像の階調を、25階調、50階調、100階調、125階調、150階調、175階調、200階調及び225階調に変更した以外は、同様の方法にて印画物を作製した。255階調の均一画像を形成した印画物の作製においては、中間転写媒体受容層上に転写層を転写せずに、再転写層を、上記ヒートシール層を介して、PVCカード上に転写し、印画物を得た。
これにより、0階調〜255階調までの画像がそれぞれ形成された10枚の印画物を得た。
(評価基準)
A:10枚すべての印画物における転写不良部の割合が1%以下であった。
B:10枚中1〜2枚の印画物において、転写不良部の割合が1%超であった。
C:10枚中3枚以上の印画物において、転写不良部の割合が1%超であった。
上記転写性及び再転写性試験において作製した10枚の印画物を、目視により観察し、下記評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:10枚すべての印画物において、均一画像の階調が忠実に再現されていた。
B:10枚中1〜2枚の印画物において、均一画像の階調再現性が不十分であった。
C:10枚中3枚以上の印画物において、均一画像の階調再現性が不十分であった。
Claims (16)
- 基材と、転写層とを備える熱転写シートであって、
前記転写層が、着色材、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含む、熱転写シート。 - 前記酸化防止材の含有量が、転写層の固形分総量に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記転写層が、無機粒子を更に含む、請求項1又は2に記載の熱転写シート。
- 前記無機粒子の含有量が、転写層の固形分総量に対して0.5質量%以上20質量%以下である、請求項3に記載の熱転写シート。
- 前記酸化防止材が、一次酸化防止材である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が、300g/eq.以上4000g/eq.以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記エポキシ樹脂の数平均分子量が、1000以上4500以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記エポキシ樹脂の軟化点が、70℃以上150℃以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 基材と、受容層とを備える熱転写受像シートであって、
前記受容層が、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含む、熱転写受像シート。 - 基材と、受容層を少なくとも備える転写層とを備える中間転写媒体であって、
前記受容層が、エポキシ樹脂及び酸化防止材を含む、中間転写媒体。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱転写シートと、請求項9に記載の熱転写受像シート又は請求項10に記載の中間転写媒体との組合せ。
- 前記熱転写受像シートが備える受容層又は前記中間転写媒体が備える受容層における酸化防止材の含有量が、受容層の固形分総量に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項9に記載の組合せ。
- 前記熱転写受像シートが備える受容層又は前記中間転写媒体が備える受容層に含まれる酸化防止材が、一次酸化防止材である、請求項11又は12に記載の組合せ。
- 前記熱転写受像シートが備える受容層又は前記中間転写媒体が備える受容層に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量が、300g/eq.以上4000g/eq.以下である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の組合せ。
- 前記熱転写受像シートが備える受容層又は前記中間転写媒体が備える受容層に含まれるエポキシ樹脂の数平均分子量が、1000以上4500以下である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の組合せ。
- 前記熱転写受像シートが備える受容層又は前記中間転写媒体が備える受容層に含まれるエポキシ樹脂の軟化点が、70℃以上150℃以下である、請求項11〜15のいずれか一項に記載の組合せ。
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