JP2021113294A - 防曇組成物、硬化皮膜、および積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランダム共重合体を含有する、硬化性、耐水性、初期防曇性、および防曇耐久性がいずれも優れた硬化皮膜、ならびに積層体を得ることが可能な、貯蔵安定性に優れた組成物を提供する。【解決手段】ランダム共重合体と溶剤とを含有する組成物であって、このランダム共重合体が、式(1)で表される繰り返し単位Aと、式(2)で表される繰り返し単位Bと、式(3)で表される繰り返し単位Cと、式(4)で表される繰り返し単位Dと、式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む共重合体である組成物とすることにより、上記課題を解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、防曇組成物、硬化皮膜、および積層体に関する。
自動車ヘッドランプ等の車両灯具などにおいて、灯室内に高湿度の空気が入り込み、外気や降雨等によってレンズが冷やされ、レンズ内面に水分が結露することにより、曇りが生じることがある。その結果、灯の輝度が低下し、またレンズ面の美観が損なわれることにより、ユーザーの不快感を引き起こす場合がある。
このようなレンズ内面の曇りなどを防ぐために、例えば、レンズ内面にブロック共重合体あるいはグラフト共重合体を含有する防曇剤組成物を塗布し、防曇塗膜を形成させる方法(特許文献1)などが知られている。
しかしながら、ブロック共重合体やグラフト共重合体よりも合成が容易であるランダム共重合体を重合体成分として含有する組成物を防曇剤として用いた場合において、硬化性、耐水性、初期防曇性、防曇耐久性などが十分でない場合があり、特に、耐水性が十分でないことが多い。また、組成物の貯蔵安定性についても十分でない場合がある。
そこで本発明は、ランダム共重合体を含有する、硬化性、耐水性、初期防曇性、および防曇耐久性がいずれも優れた硬化皮膜、ならびに積層体を得ることが可能な、貯蔵安定性に優れた組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、ランダム共重合体と溶剤とを含有する組成物であって、このランダム共重合体が、後述する式(1)で表される繰り返し単位Aと、後述する式(2)で表される繰り返し単位Bと、後述する式(3)で表される繰り返し単位Cと、後述する式(4)で表される繰り返し単位Dと、後述する式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む共重合体である組成物が、硬化性、耐水性、初期防曇性、および防曇耐久性がいずれも優れた硬化皮膜、ならびに積層体を得ることが可能であり、その貯蔵安定性も優れていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の<1>〜<16>である。
<1>ランダム共重合体と溶剤とを含有する組成物であって、
前記ランダム共重合体が、
式(1)で表される繰り返し単位Aと、
式(2)で表される繰り返し単位Bと、
式(3)で表される繰り返し単位Cと、
式(4)で表される繰り返し単位Dと、
式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む共重合体である、組成物。
<2>前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Aを20〜70質量%、前記繰り返し単位Bを5〜40質量%、および前記繰り返し単位Cを10〜70質量%含有する、<1>に記載の組成物。
<3>前記ランダム共重合体における、前記繰り返し単位Bの含有量に対する前記繰り返し単位Cの含有量の質量比が0.5〜2.0である、<1>または<2>に記載の組成物。
<4>前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Dを0.1〜30質量%、および前記繰り返し単位Eを0.1〜30質量%含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の組成物。
<5>前記ランダム共重合体における、前記繰り返し単位Dのモル数に対する前記繰り返し単位Eのモル数の比が0.05〜10である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の組成物。
<6>前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Dおよび前記繰り返し単位Eを合計量として6〜30質量%含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の組成物。
<7>前記繰り返し単位Bのmが4以上30以下である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の組成物。
<8>前記ランダム共重合体の重量平均分子量が5,000〜200,000である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の組成物。
<9>前記繰り返し単位Eに含まれる前記反応性基がアルコキシシリル基である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の組成物。
<10>前記溶剤がアルコール系溶剤を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の組成物。
<11>さらに、前記ランダム共重合体の架橋反応を促進する触媒を含有する、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の組成物。
<12>前記触媒の含有量が、前記ランダム共重合体100質量部に対して0.01〜2質量部である、<11>に記載の組成物。
<13>前記触媒が、モノリン酸エステルおよび/またはジリン酸エステルを含む、<11>または<12>に記載の組成物。
<14>さらに、界面活性剤を含有する、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の組成物。
<15><1>〜<14>のいずれか1つに記載の組成物により形成された硬化皮膜。
<16>基材と、<15>に記載の硬化皮膜とを備える、積層体。
<1>ランダム共重合体と溶剤とを含有する組成物であって、
前記ランダム共重合体が、
式(1)で表される繰り返し単位Aと、
式(2)で表される繰り返し単位Bと、
式(3)で表される繰り返し単位Cと、
式(4)で表される繰り返し単位Dと、
式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む共重合体である、組成物。
<2>前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Aを20〜70質量%、前記繰り返し単位Bを5〜40質量%、および前記繰り返し単位Cを10〜70質量%含有する、<1>に記載の組成物。
<3>前記ランダム共重合体における、前記繰り返し単位Bの含有量に対する前記繰り返し単位Cの含有量の質量比が0.5〜2.0である、<1>または<2>に記載の組成物。
<4>前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Dを0.1〜30質量%、および前記繰り返し単位Eを0.1〜30質量%含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の組成物。
<5>前記ランダム共重合体における、前記繰り返し単位Dのモル数に対する前記繰り返し単位Eのモル数の比が0.05〜10である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の組成物。
<6>前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Dおよび前記繰り返し単位Eを合計量として6〜30質量%含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の組成物。
<7>前記繰り返し単位Bのmが4以上30以下である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の組成物。
<8>前記ランダム共重合体の重量平均分子量が5,000〜200,000である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の組成物。
<9>前記繰り返し単位Eに含まれる前記反応性基がアルコキシシリル基である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の組成物。
<10>前記溶剤がアルコール系溶剤を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の組成物。
<11>さらに、前記ランダム共重合体の架橋反応を促進する触媒を含有する、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の組成物。
<12>前記触媒の含有量が、前記ランダム共重合体100質量部に対して0.01〜2質量部である、<11>に記載の組成物。
<13>前記触媒が、モノリン酸エステルおよび/またはジリン酸エステルを含む、<11>または<12>に記載の組成物。
<14>さらに、界面活性剤を含有する、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の組成物。
<15><1>〜<14>のいずれか1つに記載の組成物により形成された硬化皮膜。
<16>基材と、<15>に記載の硬化皮膜とを備える、積層体。
本発明によれば、ランダム共重合体を含有する、硬化性、耐水性、初期防曇性、および防曇耐久性がいずれも優れた硬化皮膜、ならびにこの硬化皮膜を備える積層体を得ることが可能な、貯蔵安定性に優れた組成物を提供することができる。
本発明について説明する。
本発明は、ランダム共重合体と溶剤とを含有する組成物であって、このランダム共重合体が、後述する式(1)で表される繰り返し単位Aと、後述する式(2)で表される繰り返し単位Bと、後述する式(3)で表される繰り返し単位Cと、後述する式(4)で表される繰り返し単位Dと、後述する式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む共重合体である組成物、この組成物により形成される硬化皮膜、およびこの硬化皮膜と基材とを備える積層体である。以下においては、これらを「本発明の組成物」、「本発明の硬化皮膜」、および「本発明の積層体」ともいう。
本発明は、ランダム共重合体と溶剤とを含有する組成物であって、このランダム共重合体が、後述する式(1)で表される繰り返し単位Aと、後述する式(2)で表される繰り返し単位Bと、後述する式(3)で表される繰り返し単位Cと、後述する式(4)で表される繰り返し単位Dと、後述する式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む共重合体である組成物、この組成物により形成される硬化皮膜、およびこの硬化皮膜と基材とを備える積層体である。以下においては、これらを「本発明の組成物」、「本発明の硬化皮膜」、および「本発明の積層体」ともいう。
なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、特段の断りがない限り、「〜」の前に記載される数値を下限値、および「〜」の後に記載される数値を上限値とする数値範囲を意味する。
まず、本発明の組成物は重合体成分としてランダム共重合体を含有する。このランダム共重合体は、下記式(1)で表される繰り返し単位Aと、下記式(2)で表される繰り返し単位Bと、下記式(3)で表される繰り返し単位Cと、下記式(4)で表される繰り返し単位Dと、下記式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む。
なお、上記式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Raは炭化水素基を表し、Rbは水素原子またはメチル基を表し、Rcは水素原子または炭化水素基を表し、Rdは水素原子またはヒドロキシ基を有する炭化水素基を表し、Reは繰り返し単位Dの有するヒドロキシ基と反応し架橋を形成する反応性基を有する置換基を表し、nおよびmは1以上の整数を表す。
このランダム共重合体は、限定されるものではないが、組成物の貯蔵安定性などの観点から、重量平均分子量が5,000〜200,000の範囲であることが好ましい。したがって、この重量平均分子量の範囲から算出すると、上記式中のnの好ましい上限値として2000程度が例示される。なお、この重量平均分子量は、10,000〜100,000の範囲であることがより好ましく、20,000〜80,000の範囲であることがさらに好ましい。ここで、本発明において「重量平均分子量」とは、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定したものを意味する。
そして、このランダム共重合体は、上記式(1)で表される繰り返し単位Aと、上記式(2)で表される繰り返し単位Bと、上記式(3)で表される繰り返し単位Cと、上記式(4)で表される繰り返し単位Dと、上記式(5)で表される繰り返し単位Eと、からなるものであっても良い。本発明の組成物は、このような構成であるランダム共重合体を含むことにより、上記した効果が発揮されるものと考えられる。その理由は定かではないが、現在までのところ、次のように考えられる。
すなわち、ランダム共重合体が、疎水性成分である繰り返し単位Aと、架橋性成分である繰り返し単位Dおよび繰り返し単位Eとをいずれも含むことにより、得られる本発明の硬化皮膜の硬化性および耐水性がいずれもより向上し、さらに、これらに加えて親水性成分である繰り返し単位Bと繰り返し単位Cをいずれも含むことにより、得られる本発明の硬化皮膜の硬化性、耐水性を保ちつつ、この硬化皮膜の初期防曇性および防曇耐久性がより向上するものと推察される。
そして、本発明の組成物におけるこのランダム共重合体の含有量としては、本発明の組成物100質量部において、1〜50質量部であることが好ましく、5〜40質量部であることがより好ましく、5〜30質量部であることがさらに好ましい。
次に、このランダム共重合体に含まれる各繰り返し単位について詳細に説明する。
次に、このランダム共重合体に含まれる各繰り返し単位について詳細に説明する。
<繰り返し単位A>
本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(1)で表される繰り返し単位Aを含む。この繰り返し単位Aは、疎水性成分であって、主に硬化皮膜としたときの耐水性や、基材との密着性などに関与している成分であると推定される。
本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(1)で表される繰り返し単位Aを含む。この繰り返し単位Aは、疎水性成分であって、主に硬化皮膜としたときの耐水性や、基材との密着性などに関与している成分であると推定される。
そして、前述のとおり、式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Raは炭化水素基を表す。
この炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30、さらには炭素数1〜5)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
この炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30、さらには炭素数1〜5)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
特に、上記Raは、本発明の効果がより優れることから、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
なお、この繰り返し単位Aを含むランダム共重合体を得るには、単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソノニルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用してランダム共重合体を合成するのが好適である。
<繰り返し単位B>
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(2)で表される繰り返し単位Bを含む。この繰り返し単位Bは、親水性成分であって、主に硬化皮膜としたときの初期防曇性および防曇耐久性などに関与している成分であると推定される。
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(2)で表される繰り返し単位Bを含む。この繰り返し単位Bは、親水性成分であって、主に硬化皮膜としたときの初期防曇性および防曇耐久性などに関与している成分であると推定される。
そして、前述のとおり、式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rbも水素原子またはメチル基を表す。また、mは1以上の整数を表す。なお、このmの範囲は、限定されるものではないが、本発明の効果(特に初期防曇性および防曇耐久性)がより優れることから、下限値は4以上であるのが好ましく、6以上であるのがより好ましく、7以上であるのがさらに好ましい。上限値は、30以下であるのが好ましく、25以下であるのがより好ましく、20以下であるのがさらに好ましい。
なお、この繰り返し単位Bを含むランダム共重合体を得るには、単量体として、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等を使用してランダム共重合体を合成するのが好適である。
<繰り返し単位C>
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(3)で表される繰り返し単位Cを含む。この繰り返し単位Cは、親水性(吸水性)成分であって、主に硬化皮膜としたときの初期防曇性および防曇耐久性などに関与している成分であると推定される。
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(3)で表される繰り返し単位Cを含む。この繰り返し単位Cは、親水性(吸水性)成分であって、主に硬化皮膜としたときの初期防曇性および防曇耐久性などに関与している成分であると推定される。
そして、前述のとおり、式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rcは水素原子または炭化水素基を表す。
炭化水素基としては、前述した繰り返し単位AのRaと同じものが例示される。なお、このRcは、本発明の効果がより優れることから、炭化水素基であることが好ましく、脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましい。
炭化水素基としては、前述した繰り返し単位AのRaと同じものが例示される。なお、このRcは、本発明の効果がより優れることから、炭化水素基であることが好ましく、脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましい。
なお、この繰り返し単位Cを含むランダム共重合体を得るには、単量体として、例えば、(メタ)アクリルアミドや、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのモノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等を使用してランダム共重合体を合成するのが好適である。
<繰り返し単位D>
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(4)で表される繰り返し単位Dを含む。この繰り返し単位Dは、架橋性成分であって、主に組成物の貯蔵安定性や、硬化皮膜としたときの硬化性、耐水性などに関与している成分であると推定される。
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(4)で表される繰り返し単位Dを含む。この繰り返し単位Dは、架橋性成分であって、主に組成物の貯蔵安定性や、硬化皮膜としたときの硬化性、耐水性などに関与している成分であると推定される。
そして、前述のとおり、式(4)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rdは水素原子またはヒドロキシ基を有する炭化水素基を表す。
このヒドロキシ基を有する炭化水素基中の炭化水素基の具体例および好適な態様は、上記した繰り返し単位AのRaおよび繰り返し単位CのRcと同じであり、ヒドロキシ基を有する炭化水素基としては、例えば、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
このヒドロキシ基を有する炭化水素基中の炭化水素基の具体例および好適な態様は、上記した繰り返し単位AのRaおよび繰り返し単位CのRcと同じであり、ヒドロキシ基を有する炭化水素基としては、例えば、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
なお、この繰り返し単位Dを含むランダム共重合体を得るには、単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、1,4シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等を使用してランダム共重合体を合成するのが好適である。
<繰り返し単位E>
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(5)で表される繰り返し単位Eを含む。この繰り返し単位Eは、架橋性成分であって、主に組成物の貯蔵安定性や、硬化皮膜としたときの硬化性、耐水性などに関与している成分であると推定される。
さらに、本発明の組成物のランダム共重合体は、上記した式(5)で表される繰り返し単位Eを含む。この繰り返し単位Eは、架橋性成分であって、主に組成物の貯蔵安定性や、硬化皮膜としたときの硬化性、耐水性などに関与している成分であると推定される。
そして、前述のとおり、式(5)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Reは繰り返し単位Dの有するヒドロキシ基と反応し架橋を形成する反応性基を有する置換基を表す。
この繰り返し単位Dの有するヒドロキシ基と反応し架橋を形成する反応性基の具体例および好適な態様としては、例えば、アルコキシシリル基、N−メチロール基、N−アルコキシメチロール基などが挙げられ、特にアルコキシシリル基がより好適である。
この繰り返し単位Dの有するヒドロキシ基と反応し架橋を形成する反応性基の具体例および好適な態様としては、例えば、アルコキシシリル基、N−メチロール基、N−アルコキシメチロール基などが挙げられ、特にアルコキシシリル基がより好適である。
なお、この繰り返し単位Eを含むランダム共重合体を得るには、単量体として、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するビニル系単量体等を使用してランダム共重合体を合成するのが好適である。
そして、本発明の組成物においては、本発明の効果がより優れることから、重合体成分であるランダム共重合体が、繰り返し単位Aを好ましくは20〜70質量%、より好ましくは25〜60質量%、さらに好ましくは30〜50質量%含有し、繰り返し単位Bを好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは20〜30質量%含有し、繰り返し単位Cを好ましくは10〜70質量%、より好ましくは15〜60質量%、さらに好ましくは15〜40質量%含有するのが好適である。なお、この質量%とは、ランダム共重合体の総質量における各繰り返し単位の合計質量の割合を意味する。
さらに、主に硬化皮膜の耐水性と初期防曇性および防曇耐久性とのバランスを高める観点から、ランダム共重合体中において、繰り返し単位Aの含有量に対する、繰り返し単位Bと繰り返し単位Cとの合計含有量の質量比が0.7〜2.6(繰り返し単位Aの合計質量:繰り返し単位Bおよび繰り返し単位Cの合計質量=1:0.7〜2.6)であるのが好適であり、この質量比が1.0〜2.0(繰り返し単位Aの合計質量:繰り返し単位Bおよび繰り返し単位Cの合計質量=1:1.0〜2.0)であるのがさらに好適である。また、硬化皮膜の耐水性、初期防曇性および防曇耐久性などがいずれもより優れることから、ランダム共重合体中において、繰り返し単位Bの含有量に対する、繰り返し単位Cの含有量の質量比が0.5〜2.0(繰り返し単位Bの合計質量:繰り返し単位Cの合計質量=1:0.5〜2.0)であるのが好ましく、この質量比が0.6〜1.8(繰り返し単位Bの合計質量:繰り返し単位Cの合計質量=1:0.6〜1.8)であるのがさらに好ましい。
また、本発明の組成物においては、主に硬化皮膜の硬化性や耐水性向上の観点から、重合体成分であるランダム共重合体が、繰り返し単位Dを好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%含有し、繰り返し単位Eを好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%含有するのが好適である。さらに、ランダム共重合体が、繰り返し単位Dと繰り返し単位Eとを合計量(合計含有量)で6〜30質量%含有するとより好適である。
そして、この繰り返し単位Dと繰り返し単位Eとが、ランダム共重合体中において、繰り返し単位Dのモル数に対する、繰り返し単位Eのモル数の比(モル比)が0.05〜10(繰り返し単位Dの総モル数:繰り返し単位Eの総モル数=1:0.05〜10)であるのがより好ましく、0.1〜5(繰り返し単位Dの総モル数:繰り返し単位Eの総モル数=1:0.1〜5)であるのがさらに好ましい。
ここで、このランダム共重合体の合成方法としては、例えば、撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入管、および滴下装置を備えた反応器に溶剤の一部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して20〜80℃程度とし、ここに上記した各単量体の混合物(さらに溶剤を含んでいても良い)を滴下して重合反応を行う方法が示される。また、このような合成方法において、アゾ化合物(例えば2,2´−アゾビスブチロニトリル(AIBN)など)、有機過酸化物(例えば過酸化ベンゾイルなど)等の重合開始剤を使用することが好ましい。
次に、本発明の組成物に含まれる溶剤について説明する。この溶剤は、特段限定されず、アルコール系、ケトン系、エステル系、アミド系、炭化水素系などの溶剤を使用することができる。特に、この溶剤が、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)やアルコールエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等)などの分子内に1以上のOH基を有する溶剤であるアルコール系溶剤を含むのがより好ましい。
この溶剤の含有量は、これも限定されるものではないが、本発明の組成物100質量部において10〜99質量部であることが好ましく、50〜95質量部であることがより好ましい。
さらに、本発明の組成物は、ランダム共重合体の架橋反応を促進する触媒を含むのが好ましい。この触媒による架橋反応によって、硬化性などがより優れた本発明の硬化皮膜、本発明の積層体を得ることができるからである。そして、この触媒は、リン酸エステルを含むのが好ましく、モノリン酸エステルおよび/またはジリン酸エステルを含むのがより好ましい。なお、この触媒は、触媒自体がランダム共重合体と架橋するものでなくても良い。
この触媒の含有量は、限定されるものではないが、本発明の効果がより優れることから、ランダム共重合体100質量部に対して、0.01〜2質量部であることがより好ましく、0.02〜1質量部であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の組成物は、界面活性剤を含むのが好ましい。この界面活性剤によって、初期防曇性および防曇耐久性、ならびにレベリング性がより優れた本発明の硬化皮膜、本発明の積層体を得ることができるからである。なお、この界面活性剤は、イオン系、非イオン系のいずれであっても良く、さらに、フッ素系界面活性剤(例えば、フッ素原子含有分岐状アルキル基を側鎖に有するポリオキシアルキレン等)なども使用することができる。
この界面活性剤の含有量は、限定されるものではないが、本発明の効果がより優れることから、本発明の組成物100質量部において0.01〜5質量部であることがより好ましい。
さらに、本発明の組成物は、本発明の効果に大きな影響を与えない範囲において、上記した以外の成分を含有していても良い。
そのような任意成分としては、例えば、モノマー、紫外線吸収剤、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料等が挙げられる。また、上記した特定のランダム共重合体を含有することによる効果に影響を与えない範囲であれば、これ以外の重合体成分を含有していても良い。あるいは、本発明の組成物は、含有する重合体成分が上記した特定のランダム共重合体のみであっても良い。
そのような任意成分としては、例えば、モノマー、紫外線吸収剤、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料等が挙げられる。また、上記した特定のランダム共重合体を含有することによる効果に影響を与えない範囲であれば、これ以外の重合体成分を含有していても良い。あるいは、本発明の組成物は、含有する重合体成分が上記した特定のランダム共重合体のみであっても良い。
このような本発明の組成物は、その貯蔵安定性が優れ、また本発明の組成物により形成された本発明の硬化皮膜や本発明の積層体は、重合体成分としてランダム共重合体を含有するものでありながら、硬化性、耐水性、初期防曇性、および防曇耐久性がいずれも優れたものである。つまり、本発明の組成物は、防曇組成物(防曇用組成物)として好適に使用することができるものである。
また、本発明の硬化皮膜を製造する方法は特に制限されないが、例えば、樹脂(プラスチック)、ゴム、ガラス、金属、セラミックなどにより構成された基材(好ましくは樹脂基材)上に本発明の組成物をはけやスプレーなどによって塗布し、加熱(好ましくは、20〜200℃、より好ましくは50〜120℃)する方法等が挙げられる。加熱することにより、組成物に含まれている溶剤の揮発や、ランダム共重合体の架橋反応などが促進され本発明の硬化皮膜が形成される。なお、加熱をしないで、室温環境(例えば15〜30℃程度)において大気中の湿気により架橋および硬化を行う方法により本発明の硬化皮膜を形成しても良い。そして、この硬化皮膜の厚さは、限定されるものではないが、例えば2〜10μm程度の厚さが示される。さらに、上記した基材の少なくとも一方の表面に本発明の硬化皮膜を形成させることにより、基材と、本発明の硬化皮膜とを備える本発明の積層体を得ることができる。この本発明の積層体は、前照灯、車幅灯、番号灯、制御灯、尾灯、後退灯、方向指示灯、非常点滅表示灯などの車両灯具に用いると好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
<ランダム共重合体および組成物の調製>
下記表1に示す単量体A〜E、界面活性剤(レベリング剤)、触媒、および溶剤を、それぞれ下記表1中に示す量(質量部)で使用した。そして、まず、撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入管、および滴下装置を備えた反応器に溶剤の一部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して70℃に加熱した。次に、ここに上記単量体および溶剤の一部を含む混合液、ならびに重合開始剤(AIBN)を滴下して重合反応を行い、各ランダム共重合体を100%の収率で得た。なお、得られた各ランダム共重合体の、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定した重量平均分子量は、いずれも40,000であった。その後、得られたランダム共重合体を下記表1に示す仕込み量(質量部)使用し、ここに界面活性剤、触媒および溶剤の残りを混合して実施例1〜11および比較例1〜3の組成物を調製した。そして、これらの組成物を後述する積層体の調製に使用した。
下記表1に示す単量体A〜E、界面活性剤(レベリング剤)、触媒、および溶剤を、それぞれ下記表1中に示す量(質量部)で使用した。そして、まず、撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入管、および滴下装置を備えた反応器に溶剤の一部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して70℃に加熱した。次に、ここに上記単量体および溶剤の一部を含む混合液、ならびに重合開始剤(AIBN)を滴下して重合反応を行い、各ランダム共重合体を100%の収率で得た。なお、得られた各ランダム共重合体の、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定した重量平均分子量は、いずれも40,000であった。その後、得られたランダム共重合体を下記表1に示す仕込み量(質量部)使用し、ここに界面活性剤、触媒および溶剤の残りを混合して実施例1〜11および比較例1〜3の組成物を調製した。そして、これらの組成物を後述する積層体の調製に使用した。
<積層体の調製>
ポリカーボネート平板(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、NF−2000(1.0mm厚さ))の上に、実施例1〜11および比較例1〜3の組成物をスプレーで塗布し、100℃で20分間オーブン乾燥して、ポリカーボネート平板上の組成物を硬化させ、樹脂基材であるポリカーボネート平板と硬化皮膜とを有する積層体を得た。これらの硬化性はいずれも優れたものであった。また、これらの硬化皮膜の膜厚はいずれもおよそ5μmであった。
ポリカーボネート平板(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、NF−2000(1.0mm厚さ))の上に、実施例1〜11および比較例1〜3の組成物をスプレーで塗布し、100℃で20分間オーブン乾燥して、ポリカーボネート平板上の組成物を硬化させ、樹脂基材であるポリカーボネート平板と硬化皮膜とを有する積層体を得た。これらの硬化性はいずれも優れたものであった。また、これらの硬化皮膜の膜厚はいずれもおよそ5μmであった。
<評価>
上記のとおり調製された各積層体あるいは各組成物を用いて以下の評価を行った。この結果を下記表1に示す。
上記のとおり調製された各積層体あるいは各組成物を用いて以下の評価を行った。この結果を下記表1に示す。
(初期防曇性)
40℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、硬化皮膜を有する側が下になるように各積層体を設置し、温水浴からのスチームを硬化皮膜に連続的に当てて、スチームを当て始めてから30秒後の曇りの有無を目視で確認した。そして、この曇りの有無の結果をもとに次の3段階で初期防曇性を評価した。
○:全く曇らなかった。
△:わずかに曇った。
×:はっきりと曇りが認められた。
40℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、硬化皮膜を有する側が下になるように各積層体を設置し、温水浴からのスチームを硬化皮膜に連続的に当てて、スチームを当て始めてから30秒後の曇りの有無を目視で確認した。そして、この曇りの有無の結果をもとに次の3段階で初期防曇性を評価した。
○:全く曇らなかった。
△:わずかに曇った。
×:はっきりと曇りが認められた。
(防曇耐久性)
室温にて10秒間加湿器の蒸気を各積層体の硬化皮膜に当て、積層体を一度蒸気から離し、1分程度静置させた後、また10秒間加湿器の蒸気を積層体の硬化皮膜に当て、再度蒸気から離した。これを10回繰り返し、曇りの有無を目視で確認した。そして、この曇りの有無の結果をもとに次の3段階で防曇耐久性を評価した。
○:全く曇らなかった。
△:わずかに曇った。
×:はっきりと曇りが認められた。
室温にて10秒間加湿器の蒸気を各積層体の硬化皮膜に当て、積層体を一度蒸気から離し、1分程度静置させた後、また10秒間加湿器の蒸気を積層体の硬化皮膜に当て、再度蒸気から離した。これを10回繰り返し、曇りの有無を目視で確認した。そして、この曇りの有無の結果をもとに次の3段階で防曇耐久性を評価した。
○:全く曇らなかった。
△:わずかに曇った。
×:はっきりと曇りが認められた。
(耐水性)
各積層体を、40℃の温水に240時間浸漬させ、浸漬後積層体を温水から引き上げ、積層体の硬化皮膜の外観を目視で評価した。そして、この結果をもとに次の4段階で防曇耐久性を評価した。
◎:浸漬前の硬化皮膜と全く同じで変化が認められなかった。
○:わずかに濁りが観察されたがその面積は5%未満であった。
△:濁りが観察された面積が5%以上25%未満であった。
×:濁りが観察された面積が25%以上であった。
各積層体を、40℃の温水に240時間浸漬させ、浸漬後積層体を温水から引き上げ、積層体の硬化皮膜の外観を目視で評価した。そして、この結果をもとに次の4段階で防曇耐久性を評価した。
◎:浸漬前の硬化皮膜と全く同じで変化が認められなかった。
○:わずかに濁りが観察されたがその面積は5%未満であった。
△:濁りが観察された面積が5%以上25%未満であった。
×:濁りが観察された面積が25%以上であった。
(貯蔵安定性)
各組成物を50℃のオーブンに入れて4週間静置し、その後の液性状および塗膜性能を確認した。そして、この結果をもとに次の3段階で貯蔵安定性を評価した。
○:静置前と比較して変化が確認されなかった。
△:静置前と比較してほとんど変化が確認されなかった。
×:静置前と比較して変化が確認された。
各組成物を50℃のオーブンに入れて4週間静置し、その後の液性状および塗膜性能を確認した。そして、この結果をもとに次の3段階で貯蔵安定性を評価した。
○:静置前と比較して変化が確認されなかった。
△:静置前と比較してほとんど変化が確認されなかった。
×:静置前と比較して変化が確認された。
なお、上記表1に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・メタクリル酸メチル:東京化成工業株式会社製
・ポリエチレングリコールアクリレート(PEGアクリレート):下記式(6)で表される化合物
CH2=CH−CO−O(C2H4O)m−CH3 (6)
・N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA):東京化成工業株式会社製
・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA):東京化成工業株式会社製
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業株式会社製、KBM−503
・界面活性剤(フッ素系レベリング剤;フッ素原子含有分岐状アルキル基を側鎖に有するポリオキシアルキレン):株式会社ネオス製、FTX−683
・触媒:東邦化学工業株式会社製、PPME(モノリン酸エステルとジリン酸エステルとの混合物)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM):東京化成工業株式会社製
・メチルエチルケトン(MEK):東京化成工業株式会社製
・メタクリル酸メチル:東京化成工業株式会社製
・ポリエチレングリコールアクリレート(PEGアクリレート):下記式(6)で表される化合物
CH2=CH−CO−O(C2H4O)m−CH3 (6)
・N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA):東京化成工業株式会社製
・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA):東京化成工業株式会社製
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業株式会社製、KBM−503
・界面活性剤(フッ素系レベリング剤;フッ素原子含有分岐状アルキル基を側鎖に有するポリオキシアルキレン):株式会社ネオス製、FTX−683
・触媒:東邦化学工業株式会社製、PPME(モノリン酸エステルとジリン酸エステルとの混合物)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM):東京化成工業株式会社製
・メチルエチルケトン(MEK):東京化成工業株式会社製
以上の結果からわかるように、まず、比較例1、2の積層体との対比から、実施例1〜11の積層体は初期防曇性、防曇耐久性のいずれもが特に優れていることが示され、さらに、比較例3の積層体との対比から、実施例1〜11の積層体は耐水性も特に優れていることが示された。そして、実施例1〜11の組成物はいずれも、貯蔵安定性が優れていることも示された。
Claims (16)
- ランダム共重合体と溶剤とを含有する組成物であって、
前記ランダム共重合体が、
下記式(1)で表される繰り返し単位Aと、
下記式(2)で表される繰り返し単位Bと、
下記式(3)で表される繰り返し単位Cと、
下記式(4)で表される繰り返し単位Dと、
下記式(5)で表される繰り返し単位Eと、を含む共重合体である、組成物。
- 前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Aを20〜70質量%、前記繰り返し単位Bを5〜40質量%、および前記繰り返し単位Cを10〜70質量%含有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記ランダム共重合体における、前記繰り返し単位Bの含有量に対する前記繰り返し単位Cの含有量の質量比が0.5〜2.0である、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Dを0.1〜30質量%、および前記繰り返し単位Eを0.1〜30質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ランダム共重合体における、前記繰り返し単位Dのモル数に対する前記繰り返し単位Eのモル数の比が0.05〜10である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ランダム共重合体が、前記繰り返し単位Dおよび前記繰り返し単位Eを合計量として6〜30質量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記繰り返し単位Bのmが4以上30以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ランダム共重合体の重量平均分子量が5,000〜200,000である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記繰り返し単位Eに含まれる前記反応性基がアルコキシシリル基である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記溶剤がアルコール系溶剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
- さらに、前記ランダム共重合体の架橋反応を促進する触媒を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記触媒の含有量が、前記ランダム共重合体100質量部に対して0.01〜2質量部である、請求項11に記載の組成物。
- 前記触媒が、モノリン酸エステルおよび/またはジリン酸エステルを含む、請求項11または12に記載の組成物。
- さらに、界面活性剤を含有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物により形成された硬化皮膜。
- 基材と、請求項15に記載の硬化皮膜とを備える、積層体。
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JP2020007432A JP2021113294A (ja) | 2020-01-21 | 2020-01-21 | 防曇組成物、硬化皮膜、および積層体 |
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