JP2015013911A - フッ素系グラフト共重合体及びこれを用いたコーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥油性及び耐汚染性等のフッ素特性と、滑り性等のシリコーン特性とが高度にバランス化され、更には基材密着性及び塗膜強度等にも優れた性能を発揮するグラフト共重合体及びこれを用いたコーティング剤を提供することを課題とする。【解決手段】フッ素原子を有するビニル系単量体(A)5〜60質量%、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)3〜40質量%、片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)10〜90質量%、及びその他のビニル系単量体(D)0〜50質量%を共重合して得られるフッ素系グラフト共重合体、およびこれを含むコーティング剤。【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素系グラフト共重合体およびこれを用いてなるコーティング剤に関する。さらに詳しくは、シリコーン成分が導入された特定のフッ素系グラフト共重合体を含んでなるコーティング剤に関する。
従来から、撥水・撥油性並びに耐汚染性を付与するコーティング剤として、フッ素系重合体を含む各種コーティング剤が用いられている。当該フッ素系重合体としては、パーフルオロ(メタ)アクリレートと、これ以外のラジカル重合性単量体とのランダム共重合体が知られているが、高い撥水・撥油性並びに耐汚染性を示すフッ素系重合体として、パーフルオロ(メタ)アクリレート単位からなる重合体を枝、または幹セグメントとするグラフト共重合体が知られている。
一方、複写機ロールのトナー汚れ防止用のコーティング剤や、一部の外壁用塗料等においては、上記の機能に加えて滑り性や更なる防汚性を付与したコーティング剤が要求されてきている。このような要求に対しては、シリコーン成分の導入が有効と考えられ、同一分子中にフッ素、シリコーン及びアクリルの各成分を含む共重合体からなるコーティング剤が提案されている。
例えば、特許文献1では、ウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有するフッ素樹脂、特定の片末端ラジカル重合性ポリシロキサン及びその他のラジカル重合性単量体からなるグラフト共重合体、並びにこれを含む塗料が開示されている。
また、特許文献2には、パーフルオロオレフィン及び片末端にビニルエステル結合を有するシリコーン系マクロモノマー等を共重合してなる含フッ素グラフト共重合体並びにこれを含む塗料用組成物が記載されている。
特開2000−119354号公報 特開平6−322053号公報
しかしながら、特許文献1に記載のグラフト共重合体は、原料フッ素樹脂に導入されるラジカル重合性不飽和結合の個数を制御することが難しいものである。ここで、ラジカル重合性不飽和結合が多く導入された原料フッ素樹脂を用いた場合は、フッ素系の高分子量成分が生成することにより塗料組成物の安定性が十分でなく、分離等が生じやすい。また、これを抑制するため、原料フッ素樹脂に導入されるラジカル重合性不飽和結合の平均個数を減少させると、ラジカル重合性不飽和結合が導入されないフッ素樹脂が一部生じるため、同様に塗料組成物中における分離等の原因となる。
また、特許文献2に記載の含フッ素グラフト共重合体を含む塗料用組成物では、滑り性等のシリコーン成分に由来する性能は発現するものの、撥水・撥油性等のフッ素成分に由来する特性が得られない場合があり、両者の特徴をバランス良く発揮することが難しいという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、撥油性及び耐汚染性等のフッ素特性と、滑り性等のシリコーン特性とが高度にバランス化され、更には基材密着性及び塗膜強度等にも優れた性能を発揮するグラフト共重合体及びこれを用いたコーティング剤を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、主鎖がフッ素系重合体からなり、シリコーン系マクロモノマー及び(メタ)アクリル系マクロモノマーに由来する側鎖を有する特定のグラフト共重合体を含むコーティング剤の使用が有効であることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の通りである。
〔1〕フッ素原子を有するビニル系単量体(A)5〜60質量%、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)3〜40質量%、片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)10〜90質量%、及びその他のビニル系単量体(D)0〜50質量%からなる単量体混合物を共重合して得られるフッ素系グラフト共重合体。
〔2〕重量平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする上記〔1〕に記載のフッ素系グラフト共重合体。
〔3〕前記フッ素原子を有するビニル系単量体(A)及び前記片末端に重合性官能基を含有するシリコーン系マクロモノマー(B)の質量比(A)/(B)が、1〜10であることを特徴とする上記〔1〕または〔2〕記載のフッ素系グラフト共重合体。
〔4〕前記フッ素原子を有するビニル系単量体(A)の使用量が、該フッ素原子を含有するビニル系単量体(A)及び前記その他のビニル系単量体(D)の合計量に基づいて、50質量%以上であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
〔5〕前記フッ素原子を有するビニル系単量体(A)が、下記一般式(1)で表されるビニル単量体を含むものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
〔化1〕
CH2=C(R1)−COO−(CH2m−(CF2n−Z (1)
〔式中、R1は水素原子またはメチル基、Zは水素原子またはフッ素原子、mは1〜4のいずれかの整数、nは1〜20のいずれかの整数を示す。〕
〔6〕前記片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)の重量平均分子量が、4,000〜30,000であることを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
〔7〕前記片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)が、架橋性官能基を有するものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
〔8〕上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体を含むコーティング剤。
〔9〕さらに架橋剤を含んでなる上記〔8〕に記載のコーティング剤。
本発明のフッ素系グラフト共重合体は、フッ素系重合体からなる主鎖と、シリコーン系マクロモノマー及び(メタ)アクリル系マクロモノマーに由来する側鎖とからなるグラフト構造を有するため、これから形成される塗膜は、撥油性及び耐汚染性等のフッ素特性と、滑り性等のシリコーン特性とが高度にバランス化されたものとなる。また、本発明のフッ素系グラフト共重合体を含むコーティング剤は、液分離等を生じることもなく均一であり、安定性に優れるものである。
本発明は、特定のフッ素系グラフト共重合体およびこれを含んでなるコーティング剤に関するものである。
以下、本発明について詳しく説明する。尚、本願明細書においては、アクリル酸又はメタクリル酸を、(メタ)アクリル酸と表す。
本発明におけるフッ素系グラフト共重合体は、フッ素原子を有するビニル系重合体(A)、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)及び片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)を必須の構成単量体とする単量体混合物を共重合することにより得られる。また、必要に応じてその他のビニル系単量体(D)を構成単量体に加えてもよい。
以下、上記(A)〜(D)の各成分を含め、本願発明におけるフッ素系グラフト共重合体及びこれを含むコーティング剤について説明する。
<フッ素原子を有するビニル系単量体(A)>
フッ素原子を有するビニル系単量体(A)(以下「(A)成分」ともいう)としては特に制限はなく、例えばトリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ノナフルオロブチル(メタ)アクリレート、ウンデカフルオロペンチル(メタ)アクリレート、トリデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、及び下記一般式(1)で表される単量体等の(メタ)アクリロイル型単量体;モノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン等のフルオロエチレン類;フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられるが、共重合性、フッ素特性の発現のし易さ及び取扱いの容易さ等から(メタ)アクリロイル型単量体が好ましく、入手のし易さ及びコストの点から下記一般式(1)で表される単量体が更に好ましい。
〔化1〕
CH2=C(R1)−COO−(CH2m−(CF2n−Z (1)
〔式中、R1は水素原子またはメチル基、Zは水素原子またはフッ素原子、mは1〜4のいずれかの整数、nは1〜20のいずれかの整数を示す。〕
上記一般式(1)におけるZについてはフッ素の特性が顕著となることからフッ素原子であることが好ましく、mについては入手し易さの点からm=1もしくは2が好ましい。nについては1〜20のものを用いることができるが、nが小さいとフッ素特性が十分に発揮されない場合があり、nが大きすぎると溶剤への溶解性や他の配合物との相溶性が低下する場合がある。これらの観点からn=4〜10が好ましく、n=6〜8が更に好ましい。
上記した好ましいフッ素原子を有するビニル系単量体の実例としては、商品名でケミノックスFAAC−4、ケミノックスFAAC−6、ケミノックスFAMAC−4、ケミノックスFAMAC−6(以上、ユニマテック社製)、R−1110、R−1210、R−1420、R−1620、R−5210、R−5410、R−5610、M−1110、M−1210、M−1420、M−1620、M−5210、M−5410、M−5610(以上、ダイキン社製)、ライトアクリレートFA−108(共栄社化学社製)、ビスコート−3F、ビスコート−3FM、ビスコート−4F、ビスコート−8F、ビスコート−8FM(以上、大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。これらのうちでも、粉体汚れに対する防汚性が良いことから、アクリレート型よりもメタクリレート型の方が好ましい。また、アクリレート型及びメタクリレート型を併用する場合は、アクリレート型の使用量よりもメタクリレート型の使用量を多くする方が好ましい。
上記フッ素原子を有するビニル系単量体を使用することにより表面エネルギーの低いコーティング層を与えるコーティング剤が得られ、耐汚染性に優れたものとすることができる。
本発明のフッ素系グラフト共重合体を構成する単量体混合物における(A)成分の割合は、上記(A)〜(D)各成分の総量に基づいて5〜60質量%であり、10〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。(A)成分の割合が5質量%未満の場合は撥油性等のフッ素特性が不十分となる場合があり、60質量%を超える場合は、共重合体溶液が分離する場合がある。また、コーティング剤として用いた際に塗膜が白濁したり、密着性が劣ることがある。
<片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)>
片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)(以下「(B)成分」ともいう)としては、潤滑性、離型性、撥水性、耐擦過性、耐汚染性、耐候性、光沢を有する鎖状のシリコーン系重合体であって、その片末端に重合性不飽和基(特に重合性二重結合)を有するシリコーン系マクロモノマーであればいずれを用いてもよい。そのうちでも、下記一般式(2)で表されるシリコーン系マクロモノマーが好ましく用いられる。
〔化2〕
D−O−[Si(R2)(R3)−O]p−X (2)
[式中、Dは末端に重合性不飽和結合を有する基(重合性不飽和基)、R2およびR3はそれぞれ独立して1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基または1価のハロゲン化炭化水素基、Xはラジカル重合性を持たない置換基、pは重合度を示す。]
上記の一般式(2)で表されるシリコーン系マクロモノマー、すなわちジオルガノポリシロキサンよりなるシリコーン系重合体の片末端に重合性不飽和基を有するシリコーン系マクロモノマーは、潤滑性、離型性、化学的安定性などの点で優れている。
上記の一般式(2)において、R2及びR3は炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基であることが好ましく、潤滑性の点から特にメチル基であることが特に好ましい。
片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマーとしては、上記の一般式(2)において、R2及びR3の両方がメチル基であって且つ片末端に重合性不飽和基が結合したジメチルポリシロキサン系マクロモノマー、当該ジメチルポリシロキサン系マクロモノマーにおけるR2及び/又はR3の一部がエチル基やその他のアルキル基および/またはフェニル基で置き替わったジオルガノポリシロキサン系マクロモノマーがより好ましく用いられ、特にR2及びR3の全てがメチル基であるジメチルポリシロキン系マクロモノマーが更に好ましく用いられる。
シリコーン系マクロモノマーの片末端における重合性不飽和基[例えば上記の一般式(2)におけるD]は、フッ素原子を有するビニル系単量体(A)、片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)及びその他のビニル系単量体(D)と共重合可能な重合性不飽和基であればいずれでもよいが、共重合性及びシリコーン系マクロモノマーの製造の容易性などの点から、(メタ)アクリロイル基を端部に有する重合性不飽和基であることが好ましい。
シリコーン系マクロモノマーの片末端における重合性不飽和基Dの好ましい例としては、例えば下記の一般式(3)で表されるものがある。
〔化3〕
CH2=C(R4)−COO−(CH2)q−(O)r−(CH2)3−Si(R5) (R6)− (3)
(式中、R4は水素原子またはメチル基、R5およびR6は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アセトキシ基、qはrが0のときに0〜2、rが1のときに2であり、rは0または1である。)
シリコーン系マクロモノマーにおけるもう一方の端部[一般式(2)におけるX]には、トリアルキルシリル基(例えばトリメチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルブチルシリル基など)などの化学的に安定な基が結合していることが、シリコーン系マクロモノマー、グラフト共重合体の化学的安定性などの点から好ましい。
シリコーン系マクロモノマーにおける当該もう一方の端部にシラノール基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシ基などの活性基が結合していると、シリコーン系マクロモノマーの化学的安定性が低下し易い。
本発明のフッ素系グラフト共重合体を構成する(B)成分の重量平均分子量は4,000〜30,000が好ましく、7,000〜25,000がより好ましく、10,000〜20,000がさらに好ましい。シリコーン系マクロモノマーである(B)成分の重量平均分子量が前記範囲よりも小さいと、得られたグラフト共重合体をコーティング剤として用いたときに潤滑性、離型性、撥水性、耐擦過性、耐汚染性、耐候性に優れる塗膜が形成されなくなる場合がある。一方、(B)成分の重量平均分子量が前記範囲よりも大きいと、他の単量体との共重合性が悪くなって未反応の単量体(シリコーン系マクロモノマーおよび/またはそれ以外の単量体)が残存し、共重合体溶液の分離や得られる塗膜に白濁を生じる場合がある。しかも、グラフト共重合体をコーティング剤などとして用いたときに基材への密着性が低下して、ハジキなどの問題が発生する。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ポリスチレンを基準物質とするゲル浸透クロマトグラフによる重量平均分子量をいう。
本発明では、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)として、1種類のシリコーン系マクロモノマーのみを使用してもよいし、または2種以上のシリコーン系マクロモノマーを使用してもよい。
本発明に使用し得るシリコーン系マクロモノマーは、例えば、東亞合成社製「AK−5」、「AK−30」および「AK−32」(商品名)、信越化学工業社製「X−22−174DK」、「X−24−8201」および「X−22−2426」(商品名)などとして販売されており、これらの市販品を用いてもよい。
シリコーン系マクロモノマーの製法は特に限定されない。シリコーン系マクロモノマーは既知の方法で製造することができ、例えば、(1)リチウムトリアルキルシラノレートを開始剤として環状シロキサンをアニオン重合してリビングポリマーを製造し、それにγ−メタクリロキシプロピルジメチルモノクロロシランを反応させる方法(特許文献6を参照)、末端シラノール基含有シリコーンとγ−メタクリロキシプロピルジメチルモノクロロシランなどの有機ケイ素化合物を縮合反応させる方法などによって製造することができる。
本発明のフッ素系グラフト共重合体を構成する単量体混合物における片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)の割合は、上記(A)〜(D)各成分の総量に基づいて3〜40質量%であり、5〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。シリコーン系マクロモノマー(B)の割合が3質量%未満の場合は滑り性が十分に発揮できず、40質量%を超える場合は得られる塗膜が白濁したり、強度が不足するときがある。
<片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)>
本発明におけるフッ素系グラフト共重合体は、片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)(以下「(C)成分」ともいう)に由来する側鎖を有する。(C)成分が片末端ではなく分子内に重合性官能基を有するものである場合は、共重合体の相溶性が不十分となり、得られる塗膜が白濁する等の問題が生じるときがある。
また、(C)成分は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体をその構造単位の主体とし、片末端に重合性不飽和基を有するものであれば特に限定されないが、架橋性官能基を含むものであることが好ましい。
さらに、上記(C)成分である(メタ)アクリル系マクロモノマーの片末端における重合性不飽和基は、フッ素原子を有するビニル系単量体(A)、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)及びその他のビニル系単量体(D)と共重合可能な重合性不飽和基であればいずれでもよいが、共重合性及び(メタ)アクリル系マクロモノマーの製造の容易性などの点から、(メタ)アクリロイル基を端部に有する重合性不飽和基であることが好ましい。
上記架橋性官能基を含む(メタ)アクリル系マクロモノマーは、架橋性官能基含有ビニル単量体を構成単量体とすることにより得られ、その具体的な例としては(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加させた化合物〔例えばダイセル化学工業(株)製商品名プラクセルFM2D、プラクセルFM3、プラクセルFM5、プラクセルFA1DDM、プラクセルFA2D、プラクセルFA10L等〕等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびイタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドおよびN−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−メチロール基又はN−アルコキシメチル基含有化合物;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体等が挙げられる。
また、上記とは別に水酸基含有不飽和単量体を共重合した後に、二塩基酸無水物、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸または無水フタル酸等を付加反応させることにより架橋性官能基としてカルボキシル基を導入することも可能である。
更に、例えば重合体にエポキシ基を導入した後に(メタ)アクリル酸等の重合性不飽和結合を有するカルボン酸化合物を付加させる等、官能基が導入された重合体に対して該官能基と反応可能な官能基及び重合性ビニル基の双方を有する化合物を反応させることにより架橋性官能基として(メタ)アクリロイル基等の重合性ビニル基を導入することもできる。
上記架橋性官能基の中でも製造上の安定性、架橋反応の制御のし易さ、架橋後の塗膜物性等の観点から水酸基及び(メタ)アクリロイル基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
架橋性官能基を含む(メタ)アクリル系マクロモノマーにより架橋性官能基を側鎖に導入したグラフト共重合体に対し、必要に応じて後記する架橋剤を添加した後、熱または活性エネルギー線等のエネルギーを与えて架橋することにより強靭なコーティング層が得られる。このため、長期に渡る使用においてもコーティング層の削れや剥がれ等がなく耐久性の高い塗膜が得られるようになる。
架橋性官能基を含む(メタ)アクリル系マクロモノマー中の架橋性官能基の導入量は0.7〜3.0meq/gの範囲であることが好ましく、1.0〜2.5meq/gの範囲がより好ましい。架橋性官能基の導入量が0.7meq/g未満の場合はコーティング剤の耐久性が十分でなく、3.0meq/gを超える場合はコーティング層表面が汚染されやすくなる。
尚、上記導入量は単量体の仕込み比率から求められる。
本発明の(C)成分は、そのガラス転移温度(以下、「Tg」という)が30℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。Tgが30℃未満の場合はコーティング層が軟質となり耐トナー汚染性が悪化する場合がある。
上記Tgは、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる他、「POLYMER HANDBOOK 第4版」(John Wiley & Sons,Inc.発行)に記載された各単独重合体のTgを元にして、以下の式(1)に示す計算によって求められる値を用いても良い。
〔数1〕
1/Tg={W(a)/Tg(a)}+{W(b)/Tg(b)}
+{W(c)/Tg(c)}+・・・ (1)
上記の式中、
Tg:重合体のTg
W(a):重合体における単量体(a)からなる構造単位の重量分率
W(b):重合体における単量体(b)からなる構造単位の重量分率
W(c):重合体における単量体(c)からなる構造単位の重量分率
Tg(a):単量体(a)の単独重合体のガラス転移温度
Tg(b):単量体(b)の単独重合体のガラス転移温度
Tg(c):単量体(c)の単独重合体のガラス転移温度
(メタ)アクリル系マクロモノマーにおける重合体部分を構成する他の単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレンおよびp−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらの内の1種又は2種以上を使用することができる。
これらの中でもメタクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸イソボルニルの使用が上記重合体部分のTgが高くなるために好ましく、特にメタクリル酸メチルの場合は強靭なコーティング層が得られるために好ましい。
(C)成分の好ましい重量平均分子量(以下、「Mw」という)は3,000〜20,000であり、より好ましくは5,000〜10,000である。Mwが3,000未満の場合は密着性及びフッ素の特性が劣る傾向があり、20,000を超える場合はコーティング層の耐久性が劣る場合がある。これはグラフト構造を有さない主鎖成分のみのポリマーが増加することによるものと推察される。
本発明のフッ素系グラフト共重合体を構成する単量体混合物における片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)の割合は、上記(A)〜(D)各成分の総量に基づいて10〜90質量%であり、30〜80質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。フッ素原子を含有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)の割合が10質量%未満の場合は塗膜の強度や密着性が不十分となる場合があり、90質量%を超える場合は(A)成分及び(B)成分の割合が相対的に少なくなるため、本発明の目的とする性能が十分発揮されない。
<その他のビニル単量体(D)>
本発明のフッ素系グラフト共重合体は、上記(A)〜(C)成分以外にも、これらと共重合可能なその他のビニル単量体(D)(以下「(D)成分」ともいう)を共重合させることができる。
(D)成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレンおよびp−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記のうちで(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル及びスチレン誘導体がコーティング層の強靭性が向上する点で好ましい。
また、その他にも、(D)成分として架橋性官能基を有する単量体を使用してもよい。架橋性官能基を有する単量体を使用する場合、グラフト共重合体全体に対して0.1〜0.5meq/gの官能基を主鎖に有することが好ましく、0.2〜0.4meq/g有することがより好ましい。主鎖に上記量の官能基が導入されることにより、コーティング層の耐久性が一段と向上する。
本発明のグラフト共重合体を製造するに当たり後述するように各種公知の方法を採用し得るが、いずれの方法においてもグラフト構造を有さない主鎖成分のみの重合体(フッ素系リニアポリマー)が少量生成する。該フッ素系リニアポリマーは塗膜化された際の強靭性が十分でなく、長期使用時にはコーティング層から脱離し得るために耐久性の悪化を招く場合がある。フッ素特性を損なわない範囲で主鎖に上記量の架橋性官能基を導入することにより、該フッ素系リニアポリマーも少量の架橋性官能基を有することとなり、コーティング層におけるマトリックス成分に結合されるために耐久性が向上するものと推察される。
上記主鎖中の官能基量がグラフト共重合体全体に対して0.1meq/g以上であることにより耐久性が一層向上する。一方、0.5meq/gを超えるとフッ素の特性が妨げられる場合があり、撥水・撥油性、帯電性能及び耐トナー汚染性等の低下が懸念される。
主鎖に導入される架橋性官能基は上記した片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)に導入される官能基と同様の官能基を使用することができるが、当該(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)に導入された架橋性官能基と同種類の官能基を導入することが好ましい。主鎖及び側鎖に導入された架橋性官能基の種類が別種の場合はそれぞれに対応する架橋剤を配合する必要性が生じる場合もあり、操作が煩雑となる。
また、側鎖の際と同様に製造上の安定性、架橋反応の制御のし易さ、架橋後の塗膜物性等の観点から水酸基及び(メタ)アクリロイル基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
上記の主鎖に導入される架橋性官能基は、ω位に架橋性官能基を有する炭素数10以上の単量体に由来するものであることが好ましい。例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加させた化合物がこれに該当し、具体例としては商品名でプラクセルFA1DDM、プラクセルFA2D、プラクセルFA3D、プラクセルFA10L、プラクセルFM2D、プラクセルFM3及びプラクセルFM5(いずれもダイセル社製)等が挙げられる。この他にもポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリエチレン/ポリプロピレンブロック体の(メタ)アクリレート化物等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(例えば、東亞合成社製、商品名「アロニックスM−5300」)等が挙げられ、これらの内の1種又は2種以上を使用することができる。
これらの化合物により主鎖に架橋性官能基が導入された場合は主鎖から離れた位置に架橋点が存在し、フッ素成分の特性を妨げにくいために好適である。
上記したω位に架橋性官能基を有する炭素数10以上の単量体の中でも、分子内にカプロラクトン由来の構造を有するものであるヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加させた化合物及びω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートが撥水・撥油性及び耐久性がより良好となることから好ましい。さらには、官能基が水酸基であるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
また、重合性不飽和基としては、摩擦耐久性及び耐汚染性が良好となる点からアクリレート型が好ましい。
本発明のフッ素系グラフト共重合体を構成する単量体混合物におけるその他のビニル単量体(D)の割合は、上記(A)〜(D)各成分の総量に基づいて0〜50質量%であり、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。その他のビニル単量体(D)の割合が50質量%を超える場合は、(A)〜(C)成分の割合が少なくなるため、本発明の目的とする性能が十分発揮されない。
<各構成単位の比率>
本発明のフッ素系グラフト共重合体では、フッ素原子を含有するビニル系単量体(A)及び片末端に重合性官能基を含有するシリコーン系マクロモノマー(B)の質量比(A)/(B)が、1〜10の範囲であることが好ましく、2〜5の範囲であることがより好ましい。上記の範囲よりも(A)が多い場合には、撥油性及び防汚性等のフッ素に由来する特長が強く表れるが、滑り性等のシリコーンに由来する特長が発揮されない傾向にある。また、上記の範囲よりも(B)が多い場合には、シリコーンに由来する特長が発揮されるものの、フッ素に由来する特長が表れにくい。したがって、(A)/(B)を上記の範囲に設定することにより、フッ素及びシリコーンに由来する特性をバランス化し易くなる。
また、本発明のフッ素系グラフト共重合体では、フッ素原子を含有するビニル系単量体(A)の使用量が、該フッ素原子を含有するビニル系単量体(A)及び前記その他のビニル系単量体(D)の合計量に基づいて、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。
フッ素原子を含有するビニル系単量体(A)及び前記その他のビニル系単量体(D)は、本発明のフッ素系グラフト共重合体の主鎖を形成する成分であり、上記(A)成分の使用量を50質量%以上とすることにより、フッ素の特性が発揮されやすくなる。
<フッ素系グラフト共重合体>
グラフト共重合体のMwは5,000〜50,000が好ましく、10,000〜30,000がより好ましい。Mwが5,000未満の場合はコーティング層の強度が劣るために耐久性が不十分となり、Mwが50,000を超える場合は溶液の粘度が高くなるため塗工適性が不十分となる場合があり、例えばコーティング剤として用いた際には被塗物表面へ均一に塗布するために多量の希釈溶剤を用いてコーティング剤の粘度を低減する必要がある。塗布が均一になされない場合にはコーティング層が汚染され易くなる。
本発明のフッ素系グラフト共重合体は、その製造方法について特段の制約はないが、例えば、溶液重合法等の公知のラジカル重合方法を採用して上記(A)〜(D)の各単量体を重合することにより容易に得ることができる。
溶液重合法による場合、有機溶剤、上記(A)〜(D)の各単量体を反応器に仕込み、有機過酸化物、アゾ系化合物等の熱重合開始剤を添加して、50〜300℃に加熱して共重合することにより目的とするビニル重合体を得ることができる。当該ビニル重合体は、有機溶剤に溶解された溶液として使用しても良いし、加熱減圧処理等により溶剤を留去して用いても良い。
単量体を含む各原料の仕込み方法は、すべての原料を一括して仕込むバッチ式の初期一括仕込みでもよく、少なくとも一つの原料を連続的に反応器中に供給するセミ連続仕込みでもよく、全原料を連続供給し、同時に反応器から連続的に生成樹脂を抜き出す連続重合方式でもよい。
溶液重合法に使用する有機溶剤としては、有機炭化水素系化合物が適当であり、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの重合溶剤の中では、得られるフッ素系グラフト重合体の溶解性が比較的良い点から、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。
本発明で使用する開始剤は、アゾ系化合物、有機過酸化物、無機過酸化物等を用いることができるが、特に限定されるものではない。公知の酸化剤及び還元剤からなるレドックス型重合開始剤を用いても良い。また、同じく公知の連鎖移動剤を併用することもできる。
上記アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2−(tert−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。
上記無機過酸化物としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
また、レドックス型重合開始剤としては、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、アスコルビン酸、硫酸第一鉄等を還元剤とし、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等を酸化剤としたものを用いることができる。
<コーティング剤>
本発明のフッ素系グラフト共重合体は、そのまま若しくは有機溶剤溶液等の形態でコーティング剤として用いることができる。また、コーティング剤では必要に応じてグラフト共重合体に加えてさらに架橋剤を使用することができる。用いる架橋剤は導入された架橋性官能基と架橋反応し得るものであれば特に限定はされないが、例えばエポキシ系、イソシアネート系、アミノ樹脂系、ヒドラジド系、カルボジイミド系及びオキサゾリン系等の架橋剤から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも反応性及び制御のし易さ等からイソシアネート系の架橋剤が好ましい。架橋剤の添加量はグラフト共重合体の架橋性官能基量に対して0.1〜10当量の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.2〜5当量であり、さらに好ましくは0.5〜2当量である。
架橋反応は例えば80〜200℃程度の加熱下条件で実施することができるが、使用する架橋性官能基及び架橋剤の種類に応じて適宜設定される。
イソシアネート系架橋剤は分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば種々のものが使用可能であり、具体的な例としては、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニレンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイネシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート及びカルボジイミド変性4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートが、コーティング層の耐汚染性の点から好ましい。
エポキシ系架橋剤も分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限なく使用が可能である。具体的な例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ系樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂及び水添ビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型のエポキシ樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン及び1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどを挙げることができる。
アミノ樹脂系架橋剤としては、アルキルエーテル化メラミン、アルキルエーテル化尿素樹脂及びアルキルエーテル化ベンゾグアナミン等が挙げられる。これらのうち、アルキルエーテル化メラミンとしては、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサブトキシメチロールメラミン等の完全アルキルエーテル化メラミンもしくはアルキルエーテル化度が5以下の部分アルキルエーテル化メラミン等が使用できる。また、アルキルエーテル化メラミンの2量体、3量体等の多量体も使用できる。
架橋性官能基が重合性ビニル基の場合は、必要に応じて光重合開始剤を添加することにより活性エネルギー線硬化型のコーティング剤とすることができる。
光重合開始剤を配合する場合において、該光重合開始剤としてはベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類、キサントン類、アシルホスフィンオキシド類及びα−ジケトン類等が挙げられ、これらの中でもベンゾフェノン類及びチオキサントン類のものが重合速度が速い点で好ましい。光重合開始剤の使用量は本発明のグラフト共重合体100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。
また、活性エネルギー線による感度を向上させるため、光増感剤を併用することもできる。該光増感剤としては、安息香酸系及びアミン系光増感剤等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
活性エネルギー線としては可視光線、紫外線、X線及び電子線等が挙げられ、安価な装置を使用できることから紫外線を使用することが好ましい。紫外線を使用する際の光源としては、超高圧、高圧、中圧又は低圧水銀灯、メタルハライド灯、キセノンランプ、無電極放電ランプ及びカーボンアーク灯等が挙げられ、数秒乃至数分間照射すれば良い。
本発明のコーティング剤には、さらに単独でコーティング層を形成可能なフッ素非含有のバインダー成分を配合することができる。配合されるバインダーとしては、公知汎用の各種ポリマー及びオリゴマー等を用いることができるが、本発明のフッ素系グラフト共重合体と同種の架橋性官能基を有するアクリル系ポリマーを配合するのが特に好ましい。
配合量としては、グラフト共重合体の重量1(固形分)に対し、バインダー成分の配合量を100(固形分)以下にすることが好ましく、10以下にするのがより好ましい。バインダー成分の配合量が100を超える場合にはコーティング層中のフッ素及びシリコーン濃度が薄まるため、これらの特性が損なわれる。
本発明のコーティング剤は、フッ素及びシリコーンの特性、並びにコーティング層の耐久性を損なわない範囲で塗膜強度向上及び堆積低効率調整の目的でシリカや酸化チタン等を配合することもできる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の記載において「部」は質量部を意味し、「%」は質量%を意味する。
また、各例において得られたマクロモノマー、グラフト共重合体及びコーティング剤については、以下の物性及び性質を測定することにより評価した。
(1)マクロモノマー及びグラフト共重合体の特性
a)固形分
測定サンプル約1gを秤量(a)し、次いで、通風乾燥機155℃、30分間乾燥後の残分を測定(b)し、以下の式より算出した。測定には秤量ビンを使用した。その他の操作については、JIS K 0067−1992(化学製品の減量及び残分試験方法)に準拠した。
[固形分(%)]=(b/a)×100
b)分子量
試料をテトラヒドロフラン(以下、「THF」という)に溶解して濃度0.2%の溶液を調整した後、該溶液100μLをカラム(東ソー社製、「TSK−GEL MULTIPORE HXL−M」(4本))に注入し、カラム温度40℃でTHFを流速1.0mL/分でカラムに通してカラムに吸着した成分を溶離させるゲル浸透クロマトグラフ(GPC法)により測定した。数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は分子量が既知のポリスチレンを標準物質と用いてあらかじめ作成しておいた検量線から算出した。
c)Tg
示差走査熱量計「DSC5200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、窒素雰囲気下で昇温速度が20℃/分の条件により、Tgを測定した。なお、測定に用いたサンプル量は5〜10mgとした。
(2)コーティング剤の特性
以下の評価は、いずれも23℃、60%RH雰囲気下で行った。
a)塗膜外観
各試験用塗膜サンプルを目視で観察し、下記基準に従って評価した。
○:無色透明
△:やや白色が見られる
×:明らかな白濁が見られる
b)接触角
自動接触角測定装置「OCA−20」(Dataphysics社製)を用い、各試験用塗膜サンプルに対するn−ヘキサデカンの接触角をそれぞれ測定した。
その後、塗膜サンプル上にナイロンたわしをのせ、ラビングテスター(大英科学精器製作所製、学振型染色物摩擦堅牢度試験機)で1kgの荷重をかけて10往復の摩擦試験を行い、上記と同様にn−ヘキサデカンの接触角を測定した。また、摩擦耐久性の指標として[試験後の接触角/試験前の接触角]を算出した。
c)動摩擦係数
各試験用塗膜サンプルについて、表面性測定器(新東科学製「HEIDON−14」)を用いて、荷重50g、移動速度1000mm/min.の条件における動摩擦係数を測定した。
d)鉛筆硬度
各試験用塗膜サンプルについてJIS K 5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))に準じて鉛筆引っ掻き試験を実施し、塗膜が傷つかない最大の硬度を測定した。
e)密着性
各試験用塗膜サンプルについてJIS K 5600−5−6(付着性(クロスカット法))に準じて碁盤目剥離試験を実施し、碁盤目25ピース中の剥離されなかったピース数を記録した。
f)耐マジック汚染性
各試験用サンプルに対して黒色マジックインキで線を引き、1時間後にペーパータオルでインキのふき取りを行った。その際のインキのふき取り易さを以下の基準に従い評価した。
○:完全に拭き取ることができる
△:拭き取り後に痕跡が残る
×:ほとんど拭き取ることができない
g)耐粉体汚染性
各試験塗膜サンプル板を2枚用意し、当該サンプル板間にカーボン粉末(三菱化学社製、商品名「MA100」)を挟み込み、一定の力でこすり付けを行った。その後ペーパータオルでカーボン粉末のふき取りを行い、以下の基準に従いそのふき取り易さを評価した。
◎:ほぼ跡を残さずふき取ることができる
○:拭き取り後に痕跡が残る
△:拭き取り後にカーボン汚れが明確に残る
×:汚れが付着しほとんど拭き取れない
h)耐候性
各試験用塗膜サンプルをメタリングウェザーメーター「DAIPLA METAL WEATHER KU−R5NCI−A」(ダイプラ・ウィンテス社製)を使用して100時間の耐候性試験を行った。その後塗膜の表面を観察し、以下の基準に従い評価した。
○:試験前と比較して外観上の差異が認められない
△:試験前と比較して塗膜表面の光沢が低下している
×:塗膜に凹凸や剥がれが確認される
<片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)の製造>
合成例1:マクロモノマーC1の製造
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器、窒素ガス導入管および温度計を備えたガラス製フラスコに、単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、「HEMA」という)25部及びメタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)75部、連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸(以下、「MPA」という)2.5部、及び重合溶剤として酢酸ブチル(以下、「BAC」という)80部を仕込み、窒素気流下で90℃に加熱攪拌した。別容器にてBAC20部に2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本ファインケム社製、商品名「ABN−E」)1.0部を添加、溶解して重合開始剤溶液を調整し、フラスコ内溶液を90℃に保ったままこの重合開始剤溶液を3時間かけてフラスコへ滴下した。さらに3時間加熱攪拌を継続することにより重合を完結させ、片末端にカルボキシル基を有する重合体を得た。
窒素気流を空気バブリングに切り替えて、引き続き同じフラスコ内にメトキシフェノール0.02部、テトラブチルアンモニウムブロミド1.0部、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という)3.5部を加えて110℃で8時間加熱した後に室温まで冷却し、BACを添加して固形分を50%に調整することにより片末端にメタクリロイル基を有するマクロモノマーC1のBAC溶液を得た。
得られたマクロモノマーC1の分子量を測定したところ、数平均分子量(Mn)=3,900、重量平均分子量(Mw)=7,100であった。また、このマクロモノマーC1は架橋性官能基として1.81meq/g相当の水酸基を有し、計算Tgは88℃であった。
合成例2〜5及び8:マクロモノマーC2〜C5及びC8の製造
単量体、連鎖移動剤およびGMAを表1に示す通り用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、マクロモノマーC2〜C5及びC8のBAC溶液を得た。
得られたマクロモノマーC2〜C5及びC8の物性値について表1に示す。
合成例6:マクロモノマーC6の製造
合成例1においてGMAを添加して110℃で8時間加熱した後、さらに無水コハク酸19部を加えて3時間加熱した以外は合成例1と同様の操作により、片末端にメタクリロイル基を有し架橋性官能基としてカルボキシル基を持つマクロモノマーC6のBAC溶液を得た。
得られたマクロモノマーC6の物性値について表1に示す。
合成例7及び9:マクロモノマーC7及び反応性ポリマー1の製造
表1に示す配合で、さらにテトラブチルアンモニウムブロミド1.0部をジオクチルスズジラウレート(日東化成社製、商品名「ネオスタンU−810」)0.01部に置き換え、他はマクロモノマーC1と同様にしてマクロモノマーC7及び反応性ポリマー1のBAC溶液を得た。ここで、反応性ポリマー1は分子片末端のみでなく、分子内部にもラジカル重合性のメタクリロイル基を含む。
Figure 2015013911
表1で用いた化合物の詳細を以下に示す。
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
MPA:3−メルカプトプロピオン酸
MTG:2−メルカプトエタノール
カレンズMOI:2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工社製)
<グラフト共重合体の製造>
製造例1:グラフト共重合体G1の製造
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器、窒素ガス導入管および温度計を備えたガラス製フラスコに、フッ素系ビニル単量体(A)として2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(ユニマテック社製、商品名「ケミノックスFAMAC−6」)を30g、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)として後述するシリコーンB3を10g、片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)として前記マクロモノマーC1のBAC溶液を120g(マクロモノマーC1として60g)、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という)140部を仕込み、窒素気流下で90℃に加熱した。そこにBAC30部にABN−E1.5部を添加して溶解させた重合開始剤溶液を3時間かけて添加し、そのまま90℃に保持してさらに3時間加熱攪拌を継続することにより重合を完結させた。その後、固形分が30%となるようにMIBKを追加添加し、グラフト共重合体G1の溶液を得た。
得られたグラフト共重合体G1の分子量を測定したところ、数平均分子量(Mn)=6,700、重量平均分子量(Mw)=14,000であった。
製造例2〜24及び26〜31:グラフト共重合体G2〜G24及びG26〜G31の製造
(A)〜(D)成分及びABN−Eを表2−1〜表2−3の通りとした以外は製造例1と同様の操作を行い、グラフト共重合体G2〜G24及びG26〜G31を得た。
得られたグラフト共重合体G2〜G24及びG26〜G31の物性値について表2−1〜表2−3に示す。
製造例25:グラフト共重合体G25の製造
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器、窒素ガス導入管および温度計を備えたガラス製フラスコに、フッ素系ビニル単量体(A)としてケミノックスFAMAC−6を30g、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)としてシリコーンB3を10g、片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)としてマクロモノマーC7のBAC溶液を120g(マクロモノマーC7として60g)、MIBK140部を仕込み、窒素気流下で90℃に加熱した。そこにBAC30部にABN−E1.5部を添加して溶解させた重合開始剤溶液を3時間かけて添加し、そのまま90℃に保持してさらに3時間加熱攪拌を継続することにより重合を完結させた。
更に、窒素気流を空気バブリングに切り替えて。引き続き同じフラスコ内に、メトキシフェノール0.05部、テトラブチルアンモニウムブロミド0.5部、アクリル酸7.2部を加え、90℃で12時間加熱した。その後、固形分が30%となるようにMIBKを追加添加し、グラフト共重合体G25の溶液を得た。
得られたグラフト共重合体G25の分子量を測定したところ、数平均分子量(Mn)=7,100、重量平均分子量(Mw)=17,000であった。
Figure 2015013911
Figure 2015013911
Figure 2015013911
比較製造例1〜9:グラフト共重合体H1〜H9の製造
(A)〜(D)成分及びABN−Eを表3の通りとした以外は製造例1と同様の操作を行い、グラフト共重合体H1〜H9を得た。
得られたグラフト共重合体H1〜H9の物性値について表3に示す。
Figure 2015013911
表2−1〜表2−3及び表3で用いた化合物の詳細を以下に示す。
<フッ素系ビニル単量体(A)>
FAMAC−4:2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート
(ユニマテック社製、商品名「ケミノックスFAMAC−4」)
FAAC−6:2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート
(ユニマテック社製、商品名「ケミノックスFAAC−6」)
FAMAC−6:2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート
(ユニマテック社製、商品名「ケミノックスFAMAC−6」)
FAAC−8:2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート
(ユニマテック社製、商品名「ケミノックスFAAC−8」)
FAMAC−8:2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート
(ユニマテック社製、商品名「ケミノックスFAMAC−8」)
<片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)>
シリコーンB1:片末端メタクリロイル変性ジメチルシロキサン、Mw=2,300
(信越化学工業社製、商品名「X−24−8201」)
シリコーンB2:片末端メタクリロイル変性ジメチルシロキサン、Mw=4,600
(信越化学工業社製、商品名「X−22−174DX」)
シリコーンB3:片末端メタクリロイル変性ジメチルシロキサン、Mw=12,000
(信越化学工業社製、商品名「X−22−2426」)
シリコーンB4:片末端メタクリロイル変性ジメチルシロキサン、Mw=20,000
(信越化学工業社製、商品名「X−26−5000」)
シリコーンB5:片末端メタクリロイル変性ジメチルシロキサン、Mw=30,000
(東亞合成社製、商品名「AK−32」)
<その他のビニル単量体(D)>
反応性ポリマー1:合成例9で得たラジカル重合性基を有するポリマー
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
FM2D:HEAのカプロラクトン2mol付加物
(ダイセル化学社製、商品名「プラクセルFM2D」)
FM3:HEAのカプロラクトン3mol付加物
(ダイセル化学社製、商品名「プラクセルFM3」)
<塗膜サンプル作成及びその評価>
実施例1
製造例1で得られたグラフト共重合体G1を固形分で100部、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製、イソシアネート系架橋剤)22.5部(グラフト共重合体の架橋性官能基量と当量)及び硬化促進触媒としてネオスタンU−810 0.01部(対グラフト共重合体100ppm)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液をバーコーターNo.12を用いてPETフィルム(東洋紡社製、商品名「A4300」188μm)上に塗布した後、通風乾燥機にて100℃で30分間乾燥・架橋することにより試験用塗膜サンプルG1を得た。
塗膜サンプルG1に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
実施例2〜23、27〜31及び比較例1〜9
共重合体、架橋剤及び硬化促進剤を表4に示す通り用いた以外は実施例1と同様の操作により塗膜サンプルを得た。
各塗膜サンプルの評価結果を表5−1及び表5−2に示す。
実施例24
製造例24で得られたグラフト共重合体G24を固形分で100部、架橋剤としてjER828(三菱化学社製、エポキシ系架橋樹脂)17.5部(グラフト共重合体の架橋性官能基量と当量)及び硬化促進触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(以下、「DBU」)0.5部(対グラフト共重合体0.5%)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルG24を得た。
塗膜サンプルG24に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表−2に示す。
実施例25
製造例25で得られたグラフト共重合体G25を固形分で100部及びIRGACURE907(BASF社製、光重合開始剤)1.0部(対グラフト共重合体0.5%)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を実施例1と同様の操作によりPETフィルム上にコーティングした後、80W/cm高圧水銀灯により500mJ/cm2の紫外線を照射することにより、塗膜サンプルG25を得た。
塗膜サンプルG25に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
実施例26
製造例26で得られたグラフト共重合体G26を固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルG26を得た。
塗膜サンプルG26に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
実施例32
製造例2で得られたグラフト共重合体G2を固形分で10部と比較製造例5で得られた共重合体H5を固形分で90部とを混合し、ここに架橋剤としてコロネートHX38.0部(共重合体混合物の架橋性官能基量と当量)及び硬化促進触媒としてネオスタンU−810を0.01部(対共重合体混合物100ppm)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルG32を得た。
塗膜サンプルG32に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
実施例33
製造例4で得られたグラフト共重合体G4を固形分で10部と比較製造例5で得られた共重合体H5を固形分で90部とを混合し、ここに架橋剤としてコロネートHX38.2部(共重合体混合物の架橋性官能基量と当量)及び硬化促進触媒としてネオスタンU−810を0.01部(対共重合体混合物100ppm)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルG33を得た。
塗膜サンプルG33に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
実施例34及び35
グラフト共重合体G4、共重合体H5、コロネートHX及びネオスタンU−810を表4に示す通り用いた以外は、実施例33と同様の操作によりコーティング液を調整し、試験用塗膜サンプルG34及び35を得た。
塗膜サンプルG34及び35に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
実施例36
製造例2で得られたグラフト共重合体G2を固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルG36を得た。
塗膜サンプルG36に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
比較例10
比較製造例2で得られた共重合体H4を固形分で75部と比較製造例6で得られた共重合体H6を固形分で25部とを混合し、ここに架橋剤としてコロネートHX26.2部(共重合体混合物の架橋性官能基量と当量)及び硬化促進触媒としてネオスタンU−810を0.01部(対共重合体混合物100ppm)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルH10を得た。
塗膜サンプルH10に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
比較例11
比較製造例2で得られた共重合体H4を固形分で25部と比較製造例6で得られた共重合体H6を固形分で75部とを混合し、ここに架橋剤としてコロネートHX26.2部(共重合体混合物の架橋性官能基量と当量)及び硬化促進触媒としてネオスタンU−810を0.01部(対共重合体混合物100ppm)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルH11を得た。
塗膜サンプルH11に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
比較例12
比較製造例2で得られた共重合体H4を固形分で10部と比較製造例6で得られた共重合体H6を固形分で90部とを混合し、ここに架橋剤としてコロネートHX26.2部(共重合体混合物の架橋性官能基量と当量)及び硬化促進触媒としてネオスタンU−810を0.01部(対共重合体混合物100ppm)を混合し、固形分20%になるようにメチルエチルケトンで希釈してコーティング液を調整した。
このコーティング液を用いて実施例1と同様の操作により試験用塗膜サンプルH12を得た。
塗膜サンプルH12に関し、コーティング剤の各種特性評価を行った結果を表5−1及び表5−2に示す。
Figure 2015013911
表4で用いた化合物の詳細を以下に示す。
コロネートHX:イソシアネート系樹脂、日本ポリウレタン社製
jER828:エポキシ系樹脂、三菱化学社製
ネオスタンU−810:ジオクチルスズジラウレート日東化成社製
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン
Irgacure907:光重合開始剤、BASF社製
Figure 2015013911
Figure 2015013911
本発明によるグラフト共重合体を含むコーティング剤を用いた実施例1〜34では、いずれも撥油性及び耐汚染性等のフッ素による特性と、滑り性等のシリコーンによる特性とが高度にバランス化され、更には基材密着性及び塗膜強度等にも優れた性能を発揮するものであった。
上記フッ素による特性とシリコーンによる特性についていえば、本発明の(A)成分と(B)成分との比(A)/(B)を本発明で規定する範囲(1〜10)とした実験例は、当該範囲を超えた実験例である実施例11〜13に比較して、両者のバランスに優れるものであった。
(A)成分及び(D)成分の合計量に基づく(A)成分の使用量の観点からは、当該(A)成分の使用量が50質量%に満たない実施例28に比較して、当該(A)成分の使用量が50質量%以上である他の実施例における塗膜サンプルは、フッ素特性を含めて良好な物性バランスを示すものであった。
また、(C)成分である(メタ)アクリロイル系マクロモノマーに官能基を持たない実施例26に比較して、(C)成分に架橋性官能基を導入した他の実施例はn−ヘキサデカンの摩擦試験前後における接触角の比が高く、良好な摩擦耐久性を有することが示された。
これに対して、共重合体の構造単位として本発明における(A)〜(C)成分の全てを有さない比較例1〜3、5及び6は、フッ素の特性とシリコーンの特性とをバランス化することができない結果となった。
また、上記(A)〜(C)成分の全てを構造単位とするものであっても、それらの使用量が本発明で規定する範囲外である比較例7〜9もまた、得られる塗膜性能は不十分なものであった。
比較例4は、本発明の(C)成分である片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマーの代わりに重合性官能基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを用いた例であるが、共重合体の分子量が高くなり相溶性が不良となることから、得られる塗膜が白濁し、密着性も不十分なものであった。
本発明のグラフト共重合体は、撥油性及び耐汚染性等のフッ素による特性と、滑り性等のシリコーンによる特性とが高度にバランス化され、更には基材密着性及び塗膜強度等にも優れた性能を発揮するコーティング剤として好適である。

Claims (9)

  1. フッ素原子を有するビニル系単量体(A)5〜60質量%、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)3〜40質量%、片末端に重合性官能基を含有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)10〜90質量%、及びその他のビニル系単量体(D)0〜50質量%からなる単量体混合物を共重合して得られるフッ素系グラフト共重合体。
  2. 重量平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素系グラフト共重合体。
  3. 前記フッ素原子を有するビニル系単量体(A)及び前記片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)の質量比(A)/(B)が、1〜10であることを特徴とする請求項1または2記載のフッ素系グラフト共重合体。
  4. 前記フッ素原子を有するビニル系単量体(A)の使用量が、該フッ素原子を有するビニル系単量体(A)及び前記その他のビニル系単量体(D)の合計量に基づいて、50質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
  5. 前記フッ素原子を有するビニル系単量体(A)が、下記一般式(1)で表されるビニル単量体を含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
    〔化1〕
    CH2=C(R1)−COO−(CH2m−(CF2n−Z (1)
    〔式中、R1は水素原子またはメチル基、Zは水素原子またはフッ素原子、mは1〜4のいずれかの整数、nは1〜20のいずれかの整数を示す。〕
  6. 前記片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー(B)の重量平均分子量が、4,000〜30,000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
  7. 前記片末端に重合性官能基を有する(メタ)アクリル系マクロモノマー(C)が、架橋性官能基を有するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のフッ素系グラフト共重合体を含むコーティング剤。
  9. さらに架橋剤を含んでなる請求項8に記載のコーティング剤。
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