JPH10330684A - 被覆用組成物 - Google Patents

被覆用組成物

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JPH10330684A
JPH10330684A JP9152984A JP15298497A JPH10330684A JP H10330684 A JPH10330684 A JP H10330684A JP 9152984 A JP9152984 A JP 9152984A JP 15298497 A JP15298497 A JP 15298497A JP H10330684 A JPH10330684 A JP H10330684A
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JP
Japan
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graft copolymer
meth
macromonomer
monomer unit
coating
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JP9152984A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Kimata
良典 木全
Yoshio Mori
嘉男 森
Shiro Kojima
史郎 児島
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 脂肪族炭化水素系溶剤に可溶な樹脂からな
り、落書き、貼紙等が付着し難い性質を有する被覆用組
成物の提供。 【解決手段】 (a)炭素数4〜12個の脂肪族または
脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
単量体単位の含有割合が50重量%以上でかつTg40
〜160℃のビニル重合体の片末端にラジカル重合性基
を有するマクロモノマー、(b)片末端にラジカル重合
性基を有するシリコーン系マクロモノマー及び(c)そ
の他のラジカル重合性単量体を共重合して得られる水酸
基を有するグラフト共重合体および水酸基と反応性の架
橋剤からなり、前記グラフト共重合体は、前記その他の
ラジカル重合性単量体に由来する(x)ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート単量体単位および(y)下記
一般式(1)または(2)で表される単量体単位を必須
構成単位として含み、それらの割合がモル比で、(x)
単量体単位:(y)単量体単位=(0.5〜10):1で
あり、水酸基価が80〜150KOH mg/gである。 (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、iは2
または3であり、またjは2〜60の整数である。) (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R
炭素数2〜4のアルキレン基であり、またkは1〜50
の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン系グラ
フト共重合体を主成分とする被覆用組成物に関するもの
である。本発明によれば、脂肪族炭化水素系溶剤をベー
スとする人体に対して低毒性な被覆用組成物が得られ
る。
【0002】
【従来の技術】建物、建材、構造物、自動車、車両、電
気および精密機器等に塗布されるコーティング剤には、
基材に外観上の美麗さを付与することだけでなく、以下
に述べるような耐汚染性が求められている。すなわち、
カーボン微粒子等の大気中の汚染物質が付着し難いかま
たは付着しても容易に拭いとることができる性質、また
は油性もしくは水性インキによる落書き等を容易に消し
取ることができる性質等が、一般的に耐汚染性と称され
ている。従来、塗膜に耐汚染性を与える代表的な技術手
段の一つとして、シリコーンを構成々分とする重合体を
用いることが知られていた。
【0003】シリコーン含有重合体のうちでも、アクリ
ル酸アルキル系重合体を幹ポリマーとし、シリコーンを
枝ポリマーとするシリコーン系グラフト共重合体は、基
材との密着性に優れるために、耐汚染性コーティング剤
に多用されている。一例を挙げて説明すれば、特開昭6
1−151272号公報には、ラジカル重合性シリコー
ンマクロモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルを共重
合して得られるシリコーン系グラフト共重合体が耐汚染
性塗料として提案されている。
【0004】しかしながら、従来のシリコーン系グラフ
ト共重合体による被膜では、なお耐汚染性が不十分で、
例えば該被膜上に油性インキで書かれた落書き等は長時
間経過すると、それを跡形なく拭いとることが容易でな
いという事態がしばしば発生した。また、従来のシリコ
ーン系グラフト共重合体の場合には、シリコーンを含ま
ないアクリル酸アルキル共重合体系の汎用コーティング
剤と比較して、コーティング剤溶液を塗布してから被膜
が乾燥するまでの時間が長いという問題があった。
【0005】かかる問題点を解決するための手段とし
て、本発明者らは、シリコーンマクロモノマーとともに
Tg40〜160℃のビニル重合体骨格を有するマクロ
モノマーを併用し、それらのマクロモノマーと水酸基含
有単量体を含むラジカル重合性単量体混合物とを共重合
して得られるグラフト共重合体を提案した(特願平8−
315538号)。しかしながら、該グラフト共重合体
は、溶解力の弱い脂肪族炭化水素等に溶解し難く、通常
該グラフト共重合体からなる被覆剤は、トルエン、キシ
レン、メチルエチルケトンおよび酢酸エチル等の溶解力
の強い有機化合物の溶液として取り扱われており、かか
る溶剤型の被覆剤は、溶剤の溶解力が強過ぎるため、プ
ラスチック表面に適用されるとそれを損傷させたり、す
でに他の塗料が塗布された塗装面の上に適用されると下
地の塗膜を膨潤させりするという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種樹脂に
対して溶解力の低いヘプタン、オクタン、イソオクタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族
または脂環式炭化水素(以下脂肪族系炭化水素と総称す
る)に溶解し得るシリコーン系グラフト共重合体からな
る耐汚染性被覆用組成物を提供することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、(a)炭素数4〜12個の
脂肪族または脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキル単量体単位の含有割合が50重量%以上で
かつTg40〜160℃のビニル重合体(以下特定ビニ
ル重合体という)の片末端にラジカル重合性基を有する
マクロモノマー(以下ビニル重合体系マクロモノマーと
いうことがある)、(b)片末端にラジカル重合性基を
有するシリコーン系マクロモノマーおよび(c)その他
のラジカル重合性単量体を共重合して得られる水酸基を
有するグラフト共重合体および水酸基と反応性の架橋剤
からなり、前記グラフト共重合体は、前記その他のラジ
カル重合性単量体に由来する(x)ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート単量体単位および(y)下記化3
または化4で表される単量体単位を必須構成単位として
含み、それらの割合がモル比で、(x)単量体単位:
(y)単量体単位=(0.5〜10):1であり、水酸基
価が80〜150KOH mg/gである被覆用組成物である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明における上記グラフト共重合体は、
上記(a)成分に基づく前記特定ビニル重合体を枝成分
の一部とする。グラフト共重合体の枝成分となるビニル
重合体における炭素数4〜12個の脂肪族または脂環式
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル単量体
単位〔以下特定(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位
という〕の含有割合が、50重量%未満であると、グラ
フト共重合体が脂肪族系炭化水素に溶解し難い。また、
グラフト共重合体の枝成分となるビニル重合体のTg
が、40℃未満であると得られるグラフト共重合体の乾
燥性が劣り、一方160℃を越えると被膜の耐衝撃性が
劣る。
【0011】上記ビニル重合体系マクロモノマーの好ま
しい数平均分子量は、ゲルパ−ミエ−ション・クロマト
グラフィ−によるポリスチレン換算の数平均分子量で、
1,000〜30,000であり、またマクロモノマー
におけるラジカル重合性基としては(メタ)アクリロイ
ル基またはスチリル基が好ましい。
【0012】上記マクロモノマーにおけるビニル重合体
骨格を形成する特定(メタ)アクリル酸アルキルとして
は、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル
酸イソボルニルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル等が
挙げられる。マクロモノマーにおけるビニル重合体骨格
は、50重量%を上限に、上記特定(メタ)アクリル酸
アルキル以外のラジカル重合性単量体単位を含んでいて
も良く、かかる単量体としては、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル
酸アルキル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アク
リル酸ヒドロキシアルキル;N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド等のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド;(メタ)アクリロニトリル、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリメトキシシランおよびγ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、
これらは単独でまたは2種類以上併用して用いることが
できる。ただし、単量体の種類と割合は、ビニル重合体
骨格のTgが40〜160℃の範囲になるように選択さ
れる。
【0013】グラフト共重合体における上記マクロモノ
マ−に基づく枝成分の好ましい割合は、グラフト共重合
体の全構成単位の合計量を基準にして、3〜50重量%
であり、更に好ましい割合は5〜30重量%である。上
記マクロモノマ−に基づく枝成分の割合が、3重量%未
満であると、脂肪族系炭化水素に溶解し難くさらに被膜
の耐汚染性および乾燥性が不足し易い。
【0014】シリコーン系マクロモノマ−の骨格となる
好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサン、ポリ
ジエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンお
よびポリジフェニルシロキサン等に代表されるポリオル
ガノシロキサンであり、その片末端に結合するラジカル
重合性基としては(メタ)アクリロイル基またはスチリ
ル基等が挙げられる。シリコ−ン系マクロモノマ−の好
ましい数平均分子量は、1,000〜30,000であ
る。シリコ−ン系マクロモノマ−の数平均分子量が、
1,000未満であると被膜の潤滑性および撥水性が不
足し易く、一方30,000を越えると透明なグラフト
重合体溶液が得られ難い。
【0015】上記シリコーン系マクロモノマーの合成法
としては、アニオン重合法により所定の分子量のジメチ
ルポリシロキサンリビング重合体を合成し、続いて(メ
タ)アクリル酸ハロゲンアルキルエステルと反応させる
ことにより、末端に(メタ)アクリロイル基を導入させ
る方法、またはトルエン、キシレン等の有機溶剤中で硫
酸、p−トルエンスルホン酸等の触媒の存在下に、両末
端シラノール構造のポリジメチルシロキサンにγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランを付加反応させ
るという方法(特開昭58−167606号公報)等が
挙げられる。
【0016】グラフト共重合体における上記シリコーン
系マクロモノマーに基づく枝成分の好ましい割合は、グ
ラフト共重合体の全構成単位の合計量を基準にして、
0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜10重
量%である。シリコーン系マクロモノマーによる枝成分
の割合が、0.5重量%未満であると被膜の潤滑性が低
下し油性インキをはじく性質が不足し易く、一方20重
量%を越えると被膜の硬度が低下し汚染物が付着し易く
なる。
【0017】本発明においては、上記ビニル重量体系マ
クロモノマーおよびシリコーン系マクロモノマーと、そ
の他のラジカル重量性単量体(以下共重合単量体とい
う)を共重合させて、グラフト共重合体を製造する。共
重合単量体としては、下記化5または化6で表される単
量体および前記したビニル重合体系マクロモノマーの重
合体骨格用の単量体等が使用できるが、得られるグラフ
ト共重合体において、(x)ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート単量体単位および(y)化5または化
6で表される単量体単位が、(x)単量体単位:(y)
単量体単位=(0.5〜10):1(モル比)であり、か
つ水酸基価が80〜150KOH mg/gとなるように、上記
(x)単量体および(y)単量体を用いる必要がある。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】上記比例式において、(x)単量体単位の
割合が、0.5未満であると被膜の硬度が劣り、一方10
を越えるとグラフト共重合体の架橋が不十分なために被
膜内に油性インキが染み込む、すなわち被膜が油性イン
キをはじかない。本発明においてグラフト共重合体への
水酸基の導入は、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートおよび化5または化6で表される単量体の共重
合によってなされ、グラフト共重合体の水酸基価が、8
0KOH mg/gであると被膜の架橋度が不足して被膜内に油
性インキが染み込み、一方150KOH mg/gを越えると被
膜の衝撃性および加工性が劣る。
【0021】上記化5で表される単量体は、(メタ)ア
クリル酸とアルキレンオキシドの付加反応により合成で
き、またブレンマーPE〔日本油脂(株)、商品名〕等
の市販品も使用できる。化6で表される単量体は、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチルの存在下に、ε−カプ
ロラクトンを開環重合させることにより合成でき、また
プラクセルFMまたはプラクセルFA〔いずれもダイセ
ル化学工業(株)、商品名〕等の市販品を使用してもよ
い。
【0022】本発明においては、上記した重合性成分す
なわちビニル重合体系マクロモノマー、シリコーン系マ
クロモノマーおよび共重合単量体を、それらの合計量を
基準にして、ビニル重合体系マクロモノマー3〜50重
量%、シリコーン系マクロモノマー0.5〜20重量%
および共重合単量体30〜96.5重量%の割合で共重合
することが好ましい。上記割合で共重合された各成分
は、概要を以下に説明する溶液重合法等により、いずれ
もほぼ100%の重合率で重合して、仕込み割合に対応
する構成を有するグラフト共重合体が生成する。すなわ
ち、ミネラルスピリット等の混合脂肪族炭化水素溶剤、
n−ヘキサン、イソオクタンまたはノナン等の脂肪族炭
化水素を重合溶剤として使用し、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ−オキサイド等
のラジカル発生化合物を用い、60〜150℃で重合さ
せる。さらに必要に応じ、n−ドデシルメルカプタン、
メルカプト酢酸、チオリンゴ酸、メルカプトエタノ−ル
およびメルカプトプロピオン酸等の連鎖移動剤を適量使
用して、得られるグラフト共重合体の分子量を調節でき
る。かかる重合により、本発明の被覆用組成物の一成分
として用いるグラフト共重合体の有機溶剤溶液が得られ
る。グラフト共重合体の分子量は、重量平均分子量で
8,000〜80,000、または数平均分子量で2,
000〜40,000が好ましい。
【0023】重合溶剤として、トルエン、キシレン等の
炭化水素系溶剤を用いても良く、その場合には、重合後
に溶剤をヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素に
置き換えることが好ましい。グラフト共重合体の脂肪族
系炭化水素溶液の濃度としては、30〜60重量%程度
が適当である。
【0024】本発明の被覆用組成物は、上記グラフト共
重合体、その架橋剤および有機溶剤からなり、該架橋剤
は、水酸基と反応性の化合物からなる架橋剤であり、具
体的には、ポリイソシアネートおよびアミノ樹脂等が挙
げられる。ポリイソシアネートとしては、トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートな
らびにこれらのイソシアヌレート型およびビュレット型
等のポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネ
ートの使用量は、グラフト共重合体中の水酸基価1当量
に対し、イシソアネート基0.5〜1.5当量の割合が
好ましい。硬化反応は、通常常温で行うことができ、ま
た硬化反応の触媒として、ジブチル錫ジラウレート等の
有機錫化合物を使用してもよい。
【0025】アミノ樹脂としては、アルキルエーテル化
メラミン、アルキルエーテル化尿素樹脂およびアルキル
エーテル化ベンゾグアナミン等が挙げられる。より好ま
しくは、アルキルエーテル化メラミンであり、例えば、
ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサブトキシメ
チロールメラミン等の完全アルキルエーテル化メラミン
もしくはアルキルエーテル化度が5以下の部分アルキル
エーテル化メラミン等が使用できる。また、アルキルエ
ーテル化メラミンの2量体、3量体等の多量体も使用で
きる。アミノ樹脂の好ましい使用量は、グラフト共重合
体100重量部当たり15〜50重量部である。硬化反
応は、110〜220℃で1〜30分程度の条件が採用
される。触媒として、パラトルエンスルホン酸またはリ
ン酸等を使用してもよい。
【0026】本発明の被覆用組成物は、顔料、染料およ
びその他の添加剤を添加せずにクリヤーとして、また顔
料を添加して着色エナメルとしても使用でき、被覆する
基材は、金属、コンクリートおよびプラスチック等のい
ずれでもよい。以下、実施例を挙げて、本発明を更に具
体的に説明する。なお、実施例で使用された次の略号で
表される化合物は、それぞれ以下のとおりである。 AK−32───ポリジメチルシロキサンマクロモノマ
ー〔東亞合成(株)製、商品名;AK−32、片末端メ
タクリロキシ型、数平均分子量20,000〕 MM−CH────ポリシクロヘキシルメタクリレート
系マクロモノマー〔片末端メタクリロキシ型、数平均分
子量6000、ポリシクロヘキシルメタクリレートのT
gは56℃〕 プラクセルFM1─── 下記化7で表される化合物
〔ダイセル化学工業(株)製、プラクセルFM1〕
【0027】
【化7】
【0028】St─────スチレン HA─────2−エチルヘキシルアクリレート HEMA────ヒドロキシエチルメタクリレート
【0029】
【実施例1】攪拌機、還流冷却器、滴下ロート2個、ガ
ス導入管及び温度計を装備するガラスフラスコに、ポリ
ジメチルシロキサンマクロモノマーのAK−32;1
0.0gおよびミネラルスピリット35.0gを仕込
み、130℃に昇温した。次いで一方の滴下ロートか
ら、以下の単量体からなる単量体混合物を3時間かけて
滴下し、同時に他方の滴下ロートから、2,2’アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)(以下ABN−Eと言
う)1.0gをミネラルスピリット25gに溶解した重
合開始剤溶液を3時間かけて滴下した。引き続き、AB
N−E;0.50gをミネラルスピリット溶液として1
時間かけて滴下し、その後さらに30分反応を継続し、
重合を終了させた。 (g) 単量体混合物の内容───MM−CH 30.0 フ゜ラクセル FM1 15.0 St 10.0 HA 16.8 HEMA 18.2
【0030】得られたグラフト共重合体の重量平均分子
量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポ
リスチレン換算の重量平均分子量)は、18,500で
あり、その水酸基価(KOHmg/g)は120であった。ま
た、(HEMAに基づく単位):(プラクセルFM1に
基づく単位)のモル比は、2.3:1であった。得られ
たグラフト共重合体ミネラルスピリット溶液と、ポリイ
ソシアネート〔武田薬品工業(株)製、商品名タケネー
トD−177、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソ
シアヌレート体〕を、グラフト共重合体中の水酸基1当
量当たりイソシアネート基1.1当量の割合で混合して
被覆用組成物を得た。得られた被覆用組成物に触媒とし
てブチル錫ジラウレートを加え、得られる組成物を用い
て以下の塗装を行なった。すなわち、該組成物で、市販
の2液型アクリルウレタン系塗料からなる白色塗膜を有
するアルミテスト板の該塗膜上に、バーコーターで膜厚
が20ミクロンの塗膜を形成し、室温で7日間硬化させ
た。得られた硬化塗膜の物性は以下のとおりである。
【0031】耐油性インキ汚染性 初期ハジキ ○ 12時間後 ○ 速乾性(分) 13 塗膜硬度(傷/破れ) F/2H 耐汚染持続性 ○ 密着性;残存率(%) 100
【0032】上記被膜の物性評価は、以下の方法によ
る。 イ)耐油性インキ汚染性 a.初期ハジキ──赤の油性インキペンで被膜上にマー
クしたときのインキのハジキにより評価した。判定は、
顕著にはじいたとき;○、わずかにはじいたとき;△で
表した。 b.12時間後──更にマ−クした塗板(初期ハジキが
○でもインキはまだらに付着している)を25℃で12
時間放置した後、ティッシュペーパーで拭き取り、イン
キの染み込みが全く無いとき;○、わずかに染み込みが
あるとき;△、によって評価した。
【0033】ロ)速乾性──60℃のオーブンに塗板を
投入、一定時間毎に取り出し指先で強く触れタックが無
くなるまでの時間を評価した。 ハ)塗膜硬度───JIS K 5400に規定の鉛筆
硬度。 ニ)耐汚染持続性──塗板を沸騰水中に8時間浸漬させ
た後、上記イ)の汚染性試験を行い油性インキのハジキ
程度を評価した。 ホ)密着性試験───JIS K 5400に規定の碁
盤目剥離試験。
【0034】
【発明の効果】本発明におけるグラフト共重合体は、脂
肪族炭化水素系溶剤に可溶であるため、該グラフト共重
合体を脂肪族炭化水素系溶剤に溶解して得られる本発明
の被覆用組成物によれば、基材上に既に設けられた塗膜
の上に塗布しても、下地を損傷させることがない。さら
に、本発明の被覆用組成物は、乾燥性に優れ、また該組
成物から形成される被膜は、油性インキを付着させない
性質に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 290/06 C08F 290/06 C08G 18/62 C08G 18/62 77/442 77/442

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)炭素数4〜12個の脂肪族または
    脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
    単量体単位の含有割合が50重量%以上でかつTg40
    〜160℃のビニル重合体の片末端にラジカル重合性基
    を有するマクロモノマー、(b)片末端にラジカル重合
    性基を有するシリコーン系マクロモノマーおよび(c)
    その他のラジカル重合性単量体を共重合して得られる水
    酸基を有するグラフト共重合体および水酸基と反応性の
    架橋剤からなり、前記グラフト共重合体は、前記その他
    のラジカル重合性単量体に由来する(x)ヒドロキシア
    ルキル(メタ)アクリレート単量体単位および(y)下
    記化1または化2で表される単量体単位を必須構成単位
    として含み、それらの割合がモル比で、(x)単量体単
    位:(y)単量体単位=(0.5〜10):1であり、水
    酸基価が80〜150KOH mg/gである被覆用組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 グラフト共重合体における前記(a)マ
    クロモノマーに基づく単位および前記(b)シリコーン
    系マクロモノマーに基づく単位が、全構成単位の合計量
    を基準にして、それぞれ3〜50重量%および0.5〜2
    0重量%である請求項1記載の被覆用組成物。
JP9152984A 1997-05-27 1997-05-27 被覆用組成物 Pending JPH10330684A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6900253B2 (en) * 2000-03-29 2005-05-31 Hitachi Maxell, Ltd. Ink for ink jet printer
JP2015013911A (ja) * 2013-07-03 2015-01-22 東亞合成株式会社 フッ素系グラフト共重合体及びこれを用いたコーティング剤
CN107082843A (zh) * 2017-05-12 2017-08-22 大昌树脂(惠州)有限公司 低温快干型清漆用羟基丙烯酸树脂及其制备方法和应用

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