JP2020172560A - 組成物、硬化皮膜、及び、積層体 - Google Patents

組成物、硬化皮膜、及び、積層体 Download PDF

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Yoriyoshi Yoneyama
依慶 米山
雄 新家
Yu SHINKE
雄 新家
和也 上西
Kazuya Uenishi
和也 上西
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Abstract

【課題】硬化皮膜にしたときに防曇性、耐傷付性、防曇耐久性及び外観に優れる組成物、上記組成物から形成される硬化皮膜、及び、上記硬化皮膜を備える積層体を提供する。【解決手段】ブロック共重合体とフッ素系レベリング剤とを含有する組成物であって、ブロック共重合体が、(メタ)アクリルアミド系の繰り返し単位等を有する重合体ブロックAと(メタ)アクリレート系の繰り返し単位を有する重合体ブロックBとを含むブロック共重合体であり、フッ素系レベリング剤が、表面自由エネルギーが38〜44mN/mであるフッ素系レベリング剤であり、フッ素系レベリング剤の含有量がブロック共重合体100質量部に対して0.01〜5.0質量部である組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、硬化皮膜、及び、積層体に関する。
自動車のヘッドランプ等の車両灯具において、灯室内に高湿度の空気が入り込み、外気や降雨等によってレンズが冷やされ、レンズ内面に水分が結露することにより、曇りが生じることがある。その結果、車両灯の輝度が低下し、またレンズ面の美観が損なわれることにより、ユーザーの不快感を引き起こす場合がある。このようなレンズ内面の曇りを防ぐために、レンズ内面に防曇剤組成物を塗布し、防曇塗膜を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−250601号公報
このようななか、本発明者らが、特許文献1の実施例の組成物(界面活性剤としてサーフロンS−121やサーフロンS−131を使用する組成物)について検討したところ、得られる硬化皮膜の防曇性及び外観は昨今要求されているレベルを満たすものではないことが明らかになった。また、耐傷付性や防曇耐久性についても不十分であることが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、硬化皮膜にしたときに防曇性、耐傷付性、防曇耐久性及び外観に優れる組成物、上記組成物から形成される硬化皮膜、及び、上記硬化皮膜を備える積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、表面自由エネルギーが特定の範囲にあるフッ素系レベリング剤を使用することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ブロック共重合体とフッ素系レベリング剤とを含有する組成物であって、
上記ブロック共重合体が、
後述する式(A1)で表される繰り返し単位A1、又は、後述する式(A2)で表される繰り返し単位A2を有する重合体ブロックAと、
後述する式(B1)で表される繰り返し単位B1を有する重合体ブロックBとを含む、ブロック共重合体であり、
上記フッ素系レベリング剤が、表面自由エネルギーが38〜44mN/mであるフッ素系レベリング剤であり、
上記フッ素系レベリング剤の含有量が、上記ブロック共重合体100質量部に対して、0.01〜5.0質量部である、組成物。
(2) 上記ブロック共重合体の表面自由エネルギーγに対する上記フッ素系レベリング剤の表面自由エネルギーγの割合γ/γが、1.27超1.40未満である、上記(1)に記載の組成物。
(3) 上記重合体ブロックA及び上記重合体ブロックBのうち少なくとも一方が、後述する式(C1)で表される繰り返し単位C1を有する、上記(1)又は(2)に記載の組成物。
(4) 上記重合体ブロックA及び上記重合体ブロックBのうち少なくとも一方が、後述する式(C2)で表される繰り返し単位C2を有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5) 上記ブロック共重合体において、
上記重合体ブロックAの含有量が20〜80質量%であり、
上記重合体ブロックBの含有量が20〜80質量%である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) さらに、リン酸エステルモノマー及び脂肪酸エステルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の特定エステルモノマーを含有し、
上記特定エステルモノマーの含有量が、上記ブロック共重合体の含有量に対して、0.01〜1質量%である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物から形成される、硬化皮膜。
(8) 樹脂基板と、上記(7)に記載の硬化皮膜とを備える、積層体。
以下に示すように、本発明によれば、硬化皮膜にしたときに防曇性、耐傷付性、防曇耐久性及び外観に優れる組成物、上記組成物から形成される硬化皮膜、及び、上記硬化皮膜を備える積層体を提供することができる。
以下に、本発明の組成物、上記組成物から形成された硬化被膜、及び、上記硬化皮膜を備える積層体について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明の組成物が含有する各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
[組成物]
本発明の組成物は、ブロック共重合体とフッ素系レベリング剤とを含有する組成物であって、
上記ブロック共重合体が、
後述する式(A1)で表される繰り返し単位A1、又は、後述する式(A2)で表される繰り返し単位A2を有する重合体ブロックAと、
後述する式(B1)で表される繰り返し単位B1を有する重合体ブロックBとを含む、ブロック共重合体(以下、「特定ブロック共重合体」とも言う)であり、
上記フッ素系レベリング剤が、表面自由エネルギーが38〜44mN/mであるフッ素系レベリング剤(以下、「特定フッ素系レベリング剤」とも言う)であり、
上記フッ素系レベリング剤の含有量が、上記ブロック共重合体100質量部に対して、0.01〜5.0質量部である、組成物である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。その理由は明らかではないが、特定フッ素系レベリング剤が均一性及び緻密性に極めて優れた硬化皮膜を形成するためと推測される。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について説明する。
〔特定ブロック共重合体〕
上述のとおり、本発明の組成物は、
下記式(A1)で表される繰り返し単位A1、又は、下記式(A2)で表される繰り返し単位A2を有する重合体ブロックAと、
下記式(B1)で表される繰り返し単位B1を有する重合体ブロックBとを含む、ブロック共重合体(特定ブロック共重合体)を含有する。
式(A1)、(A2)及び(B1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
式(A1)中、RA1は、水素原子又は炭化水素基を表す。2つのRA1は同一であっても異なってもよい。
式(A2)中、RA2は、水素原子又は炭化水素基を表す。pは、1以上の整数を表す。
式(B1)中、RB1は、炭化水素基を表す。
特定ブロック共重合体は、1つの重合体ブロックAと1つの重合体ブロックBとのジブロック共重合体でもいいし、各重合体ブロックの少なくとも一方が複数存在するマルチブロック共重合体であってもよい。また、特定ブロック共重合体は、重合体ブロックA及び重合体ブロックBのいずれにも該当しない重合体ブロックを有していてもよい。
特定ブロック共重合体は、本発明の組成物が硬化性により優れ、また、本発明の組成物を硬化皮膜にしたときに、防曇性、密着性、耐傷付性、防曇耐久性、耐水性及び外観により優れる理由から、1つの重合体ブロックAと1つの重合体ブロックBとのジブロック共重合体であることが好ましい。以下、「本発明の組成物が硬化性により優れ、また、本発明の組成物を硬化皮膜にしたときに、防曇性、密着性、耐傷付性、防曇耐久性、耐水性及び外観により優れる」ことを「本発明の効果等がより優れる」とも言う。
特定ブロック共重合体の形状としては、直鎖状、グラフト状及び星型等が挙げられ、なかでも、本発明の効果等がより優れる理由から、直鎖状であることが好ましい。
なお、通常、重合体ブロックAは相対的に重合体ブロックBよりも親水性であり、重合体ブロックBは相対的に重合体ブロックAよりも疎水性である。
以下各重合体ブロックについて詳述する。
<重合体ブロックA>
上述のとおり、重合体ブロックAは、式(A1)で表される繰り返し単位A1、又は、式(A2)で表される繰り返し単位A2を有する。重合体ブロックAは、本発明の効果等がより優れる理由から、繰り返し単位A1を有するのが好ましい。
重合体ブロックAは、繰り返し単位A1及び繰り返し単位A2以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位としては特に制限されない。
(繰り返し単位A1及びA2)
重合体ブロックAは、下記式(A1)で表される繰り返し単位A1、又は、下記式(A2)で表される繰り返し単位A2を有する。
式(A1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。RA1は、水素原子又は炭化水素基を表す。2つのRA1は同一であっても異なってもよい。
上述のとおり、式(A1)中、RA1は、水素原子又は炭化水素基を表す。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記RA1は、本発明の効果等がより優れる理由から、炭化水素基であることが好ましく、脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基であることが特に好ましい。
式(A2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。RA2は、水素原子又は炭化水素基を表す。pは、1以上の整数を表す。
上述のとおり、式(A2)中、RA2は、水素原子又は炭化水素基を表す。
上記RA2の具体例及び好適な態様は、式(A1)中のRA1と同じである。
上述のとおり、式(A2)中、pは、1以上の整数を表す。
上記pの上限は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、10以下であることが好ましい。
重合体ブロックA中の繰り返し単位A1及び繰り返し単位A2の合計の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。重合体ブロックA中の繰り返し単位A1及び繰り返し単位A2の合計の含有量の上限は特に制限されず、100モル%である。
なお、「重合体ブロックA中の繰り返し単位A1及び繰り返し単位A2の合計の含有量」(モル%)とは、重合体ブロックAの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位A1及び繰り返し単位A2の合計(モル数)の割合(モル%)を意味する。
(含有量)
特定ブロック共重合体において、重合体ブロックAの含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、20〜95モル%であることが好ましく、30〜90モル%であることがより好ましく、40〜80モル%であることがさらに好ましい。
なお、「重合体ブロックAの含有量」(モル%)とは、ブロック共重合体の全繰り返し単位(モル数)に対する重合体ブロックAの全繰り返し単位(モル数)の割合(モル%)を意味する。
特定ブロック共重合体において、重合体ブロックAの含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、20〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることがさらに好ましい。
<重合体ブロックB>
上述のとおり、重合体ブロックBは、式(B1)で表される繰り返し単位B1を有する。
重合体ブロックBは、繰り返し単位B1以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位としては特に制限されない。
(繰り返し単位B1)
重合体ブロックBは、下記式(B1)で表される繰り返し単位B1を有する。
式(B1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
式(B1)中、RB1は、炭化水素基を表す。
上述のとおり、式(B1)中、RB1は、炭化水素基を表す。
上記炭化水素基の具体例及び好適な態様は、式(A1)中のRA1と同じである。
重合体ブロックB中の繰り返し単位B1の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。重合体ブロックB中の繰り返し単位B1の含有量の上限は特に制限されず、100モル%である。
なお、「重合体ブロックB中の繰り返し単位B1の含有量」(モル%)とは、重合体ブロックBの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位B1(モル数)の割合(モル%)を意味する。
(含有量)
特定ブロック共重合体において、重合体ブロックBの含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、5〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることがさらに好ましい。
なお、「重合体ブロックBの含有量」(モル%)とは、ブロック共重合体の全繰り返し単位(モル数)に対する重合体ブロックBの全繰り返し単位(モル数)の割合(モル%)を意味する。
特定ブロック共重合体において、重合体ブロックBの含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることがさらに好ましい。
<重合体ブロックA/重合体ブロックB>
特定ブロック共重合体において、重合体ブロックBの含有量に対する重合体ブロックAの含有量の割合(重合体ブロックA/重合体ブロックB)は、本発明の効果等がより優れる理由から、モル比で、0.25〜19であることが好ましく、0.42〜9.0であることがより好ましく、0.67〜4.0であることがさらに好ましい。
<重合体ブロックA+重合体ブロックB>
特定ブロック共重合体において、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの合計の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。特定ブロック共重合体において、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの合計の含有量の上限は特に制限されず、100モル%である。
なお、「重合体ブロックA及び重合体ブロックBの合計の含有量」(モル%)とは、ブロック共重合体の全繰り返し単位(モル数)に対する重合体ブロックAの全繰り返し単位及び重合体ブロックBの全繰り返し単位の合計(モル数)の割合(モル%)を意味する。
また、特定ブロック共重合体において、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの合計の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。特定ブロック共重合体において、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの合計の含有量の上限は特に制限されず、100質量%である。
<繰り返し単位C1>
特定ブロック共重合体は、本発明の効果等がより優れる理由から、重合体ブロックA及び重合体ブロックBのうち少なくとも一方が、式(C1)で表される繰り返し単位C1を有するのが好ましい。
なお、本発明の効果等がより優れる理由から、少なくとも重合体ブロックBが繰り返し単位C1を有するのが好ましく、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの両方が繰り返し単位C1を有するのがより好ましい。
式(C1)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。RC11及びRC12は、それぞれ独立に、炭化水素基を表す。mは、1〜3の整数を表す。nは、0〜2の整数を表す。ただし、m+n=3である。mが2以上の整数である場合に複数存在するRC11は同一であっても異なってもよい。nが2である場合の2つのRC12は同一であっても異なってもよい。
上述のとおり、式(C1)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては、例えば、直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の脂肪族炭化水素基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO−、−NR−、−CO−、−NH−、−COO−、−CONR−、−O−CO−O−、−SO−、−NHCOO−、−SONR−、−NH−CO−NH−またはこれらを2種以上組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。ここで、Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。
上記Lは、本発明の効果等がより優れる理由から、アルキレンオキシカルボニル基であることが好ましい。
上述のとおり、式(C1)中、RC11及びRC12は、それぞれ独立に、炭化水素基を表す。
上記炭化水素基の具体例及び好適な態様は、式(A1)中のRA1と同じである。
上述のとおり、式(C1)中、mは、1〜3の整数を表す。nは、0〜2の整数を表す。ただし、m+n=3である。
上記m及びnは、本発明の効果等がより優れる理由から、m=3であり、n=0であることが好ましい。
(含有量)
重合体ブロックA中の繰り返し単位C1の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることがさらに好ましい。
重合体ブロックB中の繰り返し単位C1の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることがさらに好ましい。
なお、「重合体ブロックA中の繰り返し単位C1の含有量」(モル%)とは、重合体ブロックAの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位C1(モル数)の割合(モル%)を意味し、「重合体ブロックB中の繰り返し単位C1の含有量」とは、重合体ブロックBの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位C1(モル数)の割合(モル%)を意味する。
特定ブロック共重合体において、繰り返し単位C1の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、ブロック共重合体の全繰り返し単位に対して、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.3〜5モル%であることがさらに好ましい。
<繰り返し単位C2>
特定ブロック共重合体は、本発明の効果等がより優れる理由から、重合体ブロックA及び重合体ブロックBのうち少なくとも一方が、式(C2)で表される繰り返し単位C2を有するのが好ましい。
なお、本発明の効果等がより優れる理由から、少なくとも重合体ブロックBが繰り返し単位C2を有するのが好ましく、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの両方が繰り返し単位C2を有するのがより好ましい。
式(C2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。RC2は、水素原子、又は、ヒドロキシ基を有する炭化水素基を表す。
上述のとおり、式(C2)中、RC2は、水素原子、又は、ヒドロキシ基を有する炭化水素基を表す。
上記ヒドロキシ基を有する炭化水素基中の炭化水素基の具体例及び好適な態様は、式(A1)中のRA1と同じである。
上記ヒドロキシ基を有する炭化水素基としては、例えば、2−ヒドロキシエチル基が挙げられる。
(含有量)
重合体ブロックA中の繰り返し単位C2の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることがさらに好ましい。
重合体ブロックB中の繰り返し単位C2の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることがさらに好ましい。
なお、「重合体ブロックA中の繰り返し単位C2の含有量」(モル%)とは、重合体ブロックAの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位C2(モル数)の割合(モル%)を意味し、「重合体ブロックB中の繰り返し単位C2の含有量」とは、重合体ブロックBの全繰り返し単位(モル数)に対する繰り返し単位C2(モル数)の割合(モル%)を意味する。
特定ブロック共重合体において、繰り返し単位C2の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、ブロック共重合体の全繰り返し単位に対して、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.3〜5モル%であることがさらに好ましい。
<繰り返し単位C1+繰り返し単位C2>
特定ブロック共重合体において、繰り返し単位C1及び繰り返し単位C2の合計の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、ブロック共重合体の全繰り返し単位に対して、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましく、0.3〜5モル%であることがさらに好ましい。
<繰り返し単位C1/繰り返し単位C2>
特定ブロック共重合体において、繰り返し単位C2の含有量に対する繰り返し単位C1の含有量の割合(繰り返し単位C1/繰り返し単位C2)は、本発明の効果等がより優れる理由から、モル比で、0.1〜10であることが好ましく、0.2〜5であることがより好ましく、0.3〜3であることがさらに好ましい。
<表面自由エネルギー>
特定ブロック共重合体の表面自由エネルギーγBは、本発明の効果等がより優れる理由から、30〜40mN/mであることが好ましく、30〜34mN/mであることがより好ましい。
ここで、表面自由エネルギーは、特定ブロック共重合体のみからなる塗膜の表面自由エネルギーである。表面自由エネルギーを求める方法は後述のとおりである。
<分子量>
(数平均分子量)
特定ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、1,000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましく、20,000〜80,000であることがさらに好ましい。
(重量平均分子量)
特定ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、1,000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましく、20,000〜80,000であることがさらに好ましい。
(分子量分布)
特定ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。分子量分布の下限は特に制限されないが、通常、1.0以上である。
なお、上記Mn及びMwは、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値とする。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
<製造方法>
特定ブロック共重合体を製造する方法は特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。なかでも、リビングラジカル重合法を用いた方法が好ましく、RAFT法(可逆的付加開裂連鎖移動重合法)を用いた方法(特に、トリチオカーボナート化合物を連鎖移動剤として用いた方法)がより好ましい。
より具体的には、例えば、リビングラジカル重合法により、繰り返し単位B1となるモノマー(例えば、メタクリル酸メチル)と繰り返し単位C1となるモノマー(例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)と繰り返し単位C2となるモノマー(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とを重合して重合体ブロックBを製造してから、繰り返し単位A1となるモノマー(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド)と繰り返し単位C1となるモノマー(例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)と繰り返し単位C2となるモノマー(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とを重合して重合体ブロックAを製造して、重合体ブロックAと重合体ブロックBとを含むブロック共重合体を製造する方法(この場合、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの両方が繰り返し単位C1を有する)等が挙げられる。
<含有量>
本発明の組成物において、特定ブロック共重合体の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、組成物全体に対して、1〜60質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜25質量%であることがさらに好ましい。
〔特定フッ素系レベリング剤〕
上述のとおり、本発明の組成物は、表面自由エネルギーが38〜44mN/mであるフッ素系レベリング剤(特定フッ素系レベリング剤)を含有する。
ここで、フッ素系レベリング剤とは、親水性部分と疎水性部分とを有する化合物(界面活性剤)であって、フッ素原子を有する化合物である。
特定フッ素系レベリング剤は、本発明の効果等がより優れる理由から、疎水性部分がフッ素原子を有するのが好ましい。
特定フッ素系レベリング剤は、アニオン性であっても、カチオン性であっても、両性であっても、ノニオン性であっても構わない。なかでも、本発明の効果等がより優れる理由から、ノニオン性が好ましい。
<表面自由エネルギー>
上述のとおり、特定フッ素系レベリング剤の表面自由エネルギーγは、38〜44mN/mである。なかでも、本発明の効果等がより優れる理由から、38mN/m超42mN/m未満であるのが好ましい。
ここで、表面自由エネルギーは、フッ素系レベリング剤のみからなる塗膜の表面自由エネルギーである。
表面自由エネルギーは、Owens and Wendt法(J. Appl. Polym. Sci., 13, 1741−1747(1969).)に従って求めることができる。
すなわち、フッ素系レベリング剤のみからなる塗膜上に、表面自由エネルギーが既知の液体(試験液体)を滴下し、接触角を測定して、Owens and Wendt解析に基づく計算式(下記式(1))より、塗膜の表面自由エネルギーの非極性成分及び極性成分を算出する。そして、下記式(2)より、塗膜の表面自由エネルギーγを算出する。
式(1):1+cosθ=2[(γ・γ )/γ 1/2+2[(γ・γ )/γ 1/2
式(2):γ=γ+γ
ここで、各記号は以下を示す。
・θ:それぞれの試験液体での接触角
・γ:塗膜の表面自由エネルギーの非極性成分
・γ :試験液体の表面自由エネルギーの非極性成分
・γ:塗膜の表面自由エネルギーの極性成分
・γ :試験液体の表面自由エネルギーの極性成分
本明細書では、試験液体として水およびジヨードメタン(ヨウ化メチレン)を使用する。試験液体として使用される水およびジヨードメタンの表面自由エネルギーは、水:γ =21.8mJm−2、γ =51.0mJm−2、ジヨードメタン:γ =49.5mJm−2、γ =1.3mJm−2を用いるものとする。
また、上記接触角の測定は、25℃で、試験液体を塗膜に滴下して、着滴から測定までの待ち時間を5秒とし、JIS R3257に記載してある「静滴法」に準拠したθ/2法で行う。接触角の測定装置としては、ポータブル接触角計(KRUSS社製)を用いることができる。
なお、親水性部分及び疎水性部分の構造及び量比を調節することで、フッ素系レベリング剤の表面自由エネルギーを上述した特定の範囲にすることができる。
<好適な態様>
上述のとおり、特定フッ素系レベリング剤はノニオン性が好ましい。なかでも、本発明の効果等がより優れる理由から、フッ素原子含有アルキル基(疎水性部分)を側鎖に有するポリオキシアルキレン(親水性部分)であることが好ましい。
フッ素原子含有アルキル基は、フッ素原子を含有するアルキル基であれば特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ素原子含有アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、本発明の効果等がより優れる理由から、分岐状であることが好ましい。
ポリオキシアルキレンは−(R−O)−で表される。
ここで、Rはアルキレン基を表し、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。アルキレンは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
また、nは2以上の整数を表し、なかでも、本発明の効果等がより優れる理由から、5以上の整数であることが好ましく、10以上の整数であることがより好ましい。
<含有量>
本発明の組成物において、特定フッ素系レベリング剤の含有量は、上述した特定ブロック共重合体100質量部に対して、0.01〜5.0質量部である。なかでも、本発明の効果等がより優れる理由から、0.02〜1.0であることが好ましく、0.03〜0.1質量部であることがより好ましい。
〔γ/γ
上述した特定ブロック共重合体の表面自由エネルギーγに対する上述した特定フッ素系レベリング剤の表面自由エネルギーγの割合(γ/γ)は、本発明の効果等がより優れる理由から、1.0〜5.0であることが好ましく、1.0〜4.0であることがより好ましく、1.0〜2.5であることがさらに好ましく、1.27超1.40未満であることが特に好ましい。
〔任意成分〕
本発明の組成物は、上述した成分以外の成分を含有してもよい。
そのような成分としては、例えば、上述した特定ブロック共重合体以外の重合体、上述した特定フッ素系レベリング剤以外のレベリング剤、モノマー、溶剤等が挙げられる。
<特定エステルモノマー>
本発明の組成物は、本発明の効果等がより優れる理由から、さらに、リン酸エステルモノマー及び脂肪酸エステルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の特定エステルモノマーを含有するのが好ましい。
特定エステルモノマーは、本発明の効果等がより優れる理由から、リン酸エステルモノマーであることが好ましい。
リン酸エステルモノマーは、本発明の効果等がより優れる理由から、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するのが好ましく、リン酸とヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとのエステルであることがより好ましい。
本発明の組成物において、特定エステルモノマーの含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、上述した特定ブロック共重合体100質量部に対して、0.005〜10質量部であることが好ましく、0.01〜1.0質量部であることがより好ましい。
<溶剤>
本発明の組成物は、本発明の効果等がより優れる理由から、溶剤を含有するのが好ましい。
上記溶剤は、本発明の効果等がより優れる理由から、アルコールであることが好ましく、イソプロパノールであることがより好ましい。
本発明の組成物において、溶剤の含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、組成物全体に対して、10〜99質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましい。
〔用途〕
本発明の組成物は、例えば、防曇コーティング剤(曇りを防止するためのコーティング剤)として有用である。
[硬化皮膜]
本発明の硬化皮膜は、上述した本発明の組成物から形成される硬化皮膜である。
本発明の硬化皮膜を製造する方法は特に制限されないが、例えば、基板(好ましくは樹脂基板、より好ましくは(メタ)アクリレート樹脂基板)上に上述した本発明の組成物を塗布し、加熱(好ましくは、50〜200℃)する方法等が挙げられる。
上述した特定ブロック共重合体が繰り返し単位C1を有する場合、加熱することで、繰り返し単位C1中のアルコキシシリル基同士が反応して(架橋して)硬化皮膜が形成される。また、上述した特定ブロック共重合体が繰り返し単位C1及び繰り返し単位C2を有する場合は、繰り返し単位C1中のアルコキシシリル基同士の反応に加えて、繰り返し単位C1中のアルコキシシリル基と繰り返し単位C2中の−OH基とが反応して(架橋して)硬化皮膜が形成される。
本発明の硬化皮膜は、例えば、防曇皮膜(曇りを防止するための皮膜)として有用である。
[積層体]
本発明の積層体は、上述した硬化皮膜を備える積層体である。なかでも、樹脂基板(好ましくは(メタ)アクリレート樹脂基板)と上述した硬化皮膜とを備える積層体が好ましい。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例8〕
以下のとおり、実施例8の組成物を製造した。
<特定ブロック共重合体の合成>
メタクリル酸メチル(東京化成工業製:16mL)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(東京化成工業製:0.4mL)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製:0.4mL)、アゾビスイソブチロニトリル(東京化成工業製:10mg)、4−シアノ−4−(((ドデシルチオ)カルボチオイル)チオ)ペンタン酸(Boron Molecular製:0.12g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(関東化学製:50mL)を混合し、70℃に加熱して、攪拌した。20時間後、N,N−ジメチルアクリルアミド(東京化成工業製:15.4mL)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(東京化成工業製:0.4mL)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製:0.4mL)を投入し、70℃に加熱して、攪拌した。40時間後室温に冷却し、重合を停止した。得られたポリマー溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その結果、ブロック共重合体(31.0g,Mn=40,000,Mw=48,000,PDI=1.2)を99%の収率で得た。
得られたブロック共重合体は、N,N−ジメチルアクリルアミドに由来する繰り返し単位(上述した繰り返し単位A1に該当)(97モル%)と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来する繰り返し単位(上述した繰り返し単位C1に該当)(1モル%)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(上述した繰り返し単位C2に該当)(2モル%)とからなる重合体ブロックA(上述した重合体ブロックAに該当)と、メタクリル酸メチル(上述した繰り返し単位B1に該当)(97モル%)と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来する繰り返し単位(上述した繰り返し単位C1に該当)(1モル%)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(上述した繰り返し単位C2に該当)(2モル%)とからなる重合体ブロックB(上述した重合体ブロックBに該当)とを含むブロック共重合体(直鎖状)である。ブロック共重合体中の重合体ブロックAの含有量は50モル%、ブロック共重合体中の重合体ブロックBの含有量は50モル%である。得られたブロック共重合体は上述した特定ブロック共重合体に該当する。
<組成物の調製>
得られた特定ブロック共重合体(100質量部)と、特定フッ素系レベリング剤1(株式会社ネオス社製FTX−683)(0.05質量部)と、特定エステルモノマー(リン酸エステルモノマー)(東邦化学工業株式会社製PPME)(下記構造)(0.25質量部)と、溶剤(イソプロパノール)(300質量部)とを混合して、実施例8の組成物を調製した。
〔実施例1〜7及び比較例1〜2〕
重合体ブロックA中の各モノマーに由来する各繰り返し単位の含有量(モル%)、及び、重合体ブロックB中の各モノマーに由来する各繰り返し単位の含有量(モル%)、並びに、ブロック共重合体中の重合体ブロックAの含有量(モル%)、及び、ブロック共重合体中の重合体ブロックBの含有量(モル%)が、表1に記載のとおりになるように各モノマーの混合量を変更した以外は実施例8における特定ブロック共重合体の合成と同様の手順に従って、各ブロック共重合体を合成した。いずれも上述した特定ブロック共重合体に該当する。
さらに、上記各特定ブロック共重合体を使用し、フッ素系レベリング剤として表1に記載のフッ素系レベリング剤を使用し、特定エステルモノマーの欄に記載がある例については特定エステルモノマーをさらに混合した以外は、実施例8と同様の手順にしたがって各組成物を調製した。
表1中、組成物の欄の各成分の質量部は固形分としての質量部である。
〔評価〕
得られた各組成物について、以下の評価を行った。
<防曇性>
得られた各組成物をメチルメタクリレート樹脂基板に、硬化後の塗膜(硬化皮膜)の膜厚が3〜5μmとなるようにスプレーコート法にて塗装を行い、30℃で1分間乾燥を行った後、十分に硬化するまで100℃で加熱した。このようにして硬化皮膜を得た。
得られた硬化皮膜を、40℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に設置し、温水浴からのスチームを硬化皮膜に連続的に当てて、スチームを当て始めてから30秒後の曇りの有無を目視で確認した。
上記曇りの有無の結果をもとに次の3段階で防曇性を評価した。結果を表1に示す。実用上、2以上であることが好ましい。
3:全く曇らなかった。
2:わずかに曇った。
1:はっきりと曇りが認められた。
<密着性>
上述のとおり、硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜について、JIS K 5600−5−6(クロスカット法)により、次の8段階で密着性を評価した。結果を表1に示す。実用上、2以上であることが好ましい。
8:100マス中剥離が生じた数が5未満
7:100マス中剥離が生じた数が5以上10未満
6:100マス中剥離が生じた数が10以上15未満
5:100マス中剥離が生じた数が15以上20未満
4:100マス中剥離が生じた数が20以上25未満
3:100マス中剥離が生じた数が25以上30未満
2:100マス中剥離が生じた数が30以上35未満
1:100マス中剥離が生じた数が35以上
<耐傷付性>
上述のとおり、硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜について、鉛筆硬度試験により、鉛筆硬度(傷が生じなかった最も硬い鉛筆の硬度)を調べ、次の8段階で耐傷付性を評価した。結果を表1に示す。実用上、2以上であることが好ましい。
8:鉛筆硬度が4H以上
7:鉛筆硬度が3H
6:鉛筆硬度が2H
5:鉛筆硬度がH
4:鉛筆硬度がF
3:鉛筆硬度がHB
2:鉛筆硬度がB
1:鉛筆硬度が2B以下
<防曇耐久性>
上述のとおり、硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜に室温にて10秒間加湿器の蒸気を当て、一度蒸気から離し、1分程度静置させた後、また10秒間加湿器の蒸気を当て、一度蒸気から離した。これを10回繰り返し、曇りが生じなかったものを2、曇りが生じたものを1とした。結果を表1に示す。実用上、2であることが好ましい。
<硬化性>
得られた各組成物をメチルメタクリレート樹脂基板に、硬化後の塗膜(硬化皮膜)の膜厚が3〜5μmとなるようにスプレーコート法にて塗装を行い、30℃で1分間乾燥を行った後、100℃で加熱した。そして、硬化性を次の4段階で評価した。結果を表1に示す。
4:5分以内に硬化する。
3:5分超10分未満で硬化する。
2:10分超20分未満で硬化する。
1:硬化するのに20分以上かかる。
<耐水性>
上述のとおり、硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜を40℃の温水に240時間浸漬させ、浸漬後積層体を温水から引き上げ、硬化皮膜の外観を目視で観察した。そして、耐水性を次の7段階で評価した。結果を表1に示す。
7:浸漬前の硬化皮膜と全く同じで変化が認められなかった。
6:僅かに濁りが観察されたがその面積は5%未満であった。
5:濁りが観察された面積が5%以上10%未満であった。
4:濁りが観察された面積が10%以上15%未満であった。
3:濁りが観察された面積が15%以上20%未満であった。
2:濁りが観察された面積20%以上25%未満であった。
1:濁りが観察された面積が25%以上であった。
<外観>
上述のとおり、硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜を目視で観察した。そして、外観を次の3段階で評価した。結果を表1に示す。実用上、2以上であることが好ましい。
3:全体的に平滑であった。
2:一部に波打形状やユズ肌形状が認められた。
1:全体的に波打形状やユズ肌形状が認められた。
表1中のフッ素系レベリング剤、特定エステルモノマー及び溶剤については以下のとおりである。
・特定フッ素系レベリング剤1:株式会社ネオス社製FTX−683(フッ素原子含有分岐状アルキル基を側鎖に有するポリオキシアルキレン、表面自由エネルギー:40mN/m)
・特定フッ素系レベリング剤2:株式会社ネオス社製フタージェント602A(フッ素原子含有分岐状アルキル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを側鎖に有するポリオキシアルキレン、表面自由エネルギー:38mN/m)
・特定フッ素系レベリング剤3:株式会社ネオス社製FTX−681(フッ素原子含有分岐状アルキル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを側鎖に有するポリオキシアルキレン、表面自由エネルギー:42mN/m)
・比較フッ素系レベリング剤1:旭硝子社製サーフロンS−121(パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、表面自由エネルギー:32mN/m)
・比較フッ素系レベリング剤2:旭硝子社製サーフロンS−131(パーフルオロアルキルベタイン、表面自由エネルギー:32mN/m)
・特定エステルモノマー:東邦化学工業株式会社製PPME
・溶剤:イソプロパノール
表1中、特定ブロック共重合体の表面自由エネルギーγ、フッ素系レベリング剤の表面自由エネルギーγ、及び、γ/γについては上述のとおりである。
表1から分かるように、特定フッ素系レベリング剤を含有しない(特定フッ素系レベリング剤の代わりに比較フッ素系レベリング剤1〜2を含有する)比較例1〜2と比較して、特定フッ素系レベリング剤を含有する実施例1〜8は、得られる硬化皮膜が、優れた防曇性、耐傷付性、防曇耐久性及び外観を示した。なかでも、γ/γが特定の範囲(1.27超1.40未満)である実施例1及び4〜8は、より優れた防曇性、密着性、耐傷付性及び外観を示した。そのなかでも、特定エステルモノマーを含有する実施例4〜8は、さらに優れた密着性、耐傷付性、硬化性及び耐水性を示した。そのなかでも、重合体ブロックA及び重合体ブロックBのうち少なくとも一方が繰り返し単位C1を有する実施例5〜8は、さらに優れた密着性、耐傷付性、硬化性及び耐水性を示した。そのなかでも、重合体ブロックBが繰り返し単位C1を有する実施例6〜8は、さらに優れた密着性、耐傷付性及び耐水性を示した。そのなかでも、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの両方が繰り返し単位C1を有する実施例7〜8は、さらに優れた密着性、耐傷付性及び耐水性を示した。そのなかでも、重合体ブロックA及び重合体ブロックBのうち少なくとも一方が繰り返し単位C2を有する実施例8は、さらに優れた密着性、耐傷付性、硬化性及び耐水性を示した。

Claims (8)

  1. ブロック共重合体とフッ素系レベリング剤とを含有する組成物であって、
    前記ブロック共重合体が、
    下記式(A1)で表される繰り返し単位A1、又は、下記式(A2)で表される繰り返し単位A2を有する重合体ブロックAと、
    下記式(B1)で表される繰り返し単位B1を有する重合体ブロックBとを含む、ブロック共重合体であり、
    前記フッ素系レベリング剤が、表面自由エネルギーが38〜44mN/mであるフッ素系レベリング剤であり、
    前記フッ素系レベリング剤の含有量が、前記ブロック共重合体100質量部に対して、0.01〜5.0質量部である、組成物。
    式(A1)、(A2)及び(B1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
    式(A1)中、RA1は、水素原子又は炭化水素基を表す。2つのRA1は同一であっても異なってもよい。
    式(A2)中、RA2は、水素原子又は炭化水素基を表す。pは、1以上の整数を表す。
    式(B1)中、RB1は、炭化水素基を表す。
  2. 前記ブロック共重合体の表面自由エネルギーγに対する前記フッ素系レベリング剤の表面自由エネルギーγの割合γ/γが、1.27超1.40未満である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記重合体ブロックA及び前記重合体ブロックBのうち少なくとも一方が、下記式(C1)で表される繰り返し単位C1を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
    式(C1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Lは、単結合又は2価の連結基を表す。RC11及びRC12は、それぞれ独立に、炭化水素基を表す。mは、1〜3の整数を表す。nは、0〜2の整数を表す。ただし、m+n=3である。mが2以上の整数である場合に複数存在するRC11は同一であっても異なってもよい。nが2である場合の2つのRC12は同一であっても異なってもよい。
  4. 前記重合体ブロックA及び前記重合体ブロックBのうち少なくとも一方が、下記式(C2)で表される繰り返し単位C2を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
    式(C2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。RC2は、水素原子、又は、ヒドロキシ基を有する炭化水素基を表す。
  5. 前記ブロック共重合体において、
    前記重合体ブロックAの含有量が20〜80質量%であり、
    前記重合体ブロックBの含有量が20〜80質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. さらに、リン酸エステルモノマー及び脂肪酸エステルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の特定エステルモノマーを含有し、
    前記特定エステルモノマーの含有量が、前記ブロック共重合体100質量部に対して、0.01〜1質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物から形成される、硬化皮膜。
  8. 樹脂基板と、請求項7に記載の硬化皮膜とを備える、積層体。
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