JP2021112863A - シート材及びこれを用いたトレイ - Google Patents

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【課題】一般ごみとして廃棄が容易であり、かつ耐熱性を高めたシート材及びこれを用いたトレイを提供する。【解決手段】シート材30は、中間層32と、前記中間層32の表面と裏面にそれぞれ形成された一対の表面層31とを備える多層構造の樹脂製のシート材30である。前記表面層31は、ポリプロピレン系樹脂よりなる樹脂層であり、前記中間層32は、炭酸カルシウムと、タルクと、ポリスチレンを除く樹脂を含む。シート全体における炭酸カルシウムとタルクを合わせた配合比率は、50重量%を超える構成である。上記構成により、炭酸カルシウムとタルクを組み合わせたことで、加工性と剛性に優れたシート材を実現できる。【選択図】図1

Description

本発明は、シート材およびこのシート材を用いて成形されるトレイに関する。
従来、食品の容器や日用品などを収納する容器として樹脂を用いて成形したものが大量に出回っている。このような容器を形成するシート材として、容器に成形する際の加工性、例えば深絞り性や巻取り性など、また剛性や印刷性等が求められている。
一例として、フィラー入りの熱可塑性樹脂層を積層してなる多層シートが提案されている(特許文献1)。この公報によれば、無機質充填材5〜30重量%が配合されたゴム変性ポリスチレンからなる基層と、ポリスチレンにスチレン−ブタジエンブロック共重合体を5〜20重量%配合した印刷面を有する透明な表面層とを備えた樹脂積層体シートが提案されている。この樹脂積層体シートによれば、深絞り性や焼却性に優れ、しかも平滑性に優れた表面外観を有する樹脂積層体シートが得られるものの、この樹脂積層体シートから容器等を成形する際に、その成形方法によっては、亀裂や破断等が生じ易いという問題があった。特に、フィルムを貼り合わせていると共に無機質充填材として実際上はタルクのみを用いているため、樹脂積層体シートを製造したり、或いはこの樹脂積層体シートから容器等を成形する際に、亀裂や破断等が生じ易い。また、タルクに代えて炭酸カルシウムを用いた場合には剛性が低下してしまう。
そこで、ポリスチレン樹脂を主とする樹脂成分中に、タルクと炭酸カルシウムとの混合物を添加してなる樹脂組成物よりなる内層の両面に、ポリスチレン樹脂等の樹脂よりなる外層を積層してなる多層共押出シートであって、外層のそれぞれの厚みが全層厚みの3重量%以上としたものが提案されている(特許文献2)。この公報によれば、ポリスチレン樹脂又は該ポリスチレン樹脂とポリオレフィン樹脂との混合物からなる樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウムを添加してなる樹脂組成物よりなる内層(A)の両面に、ポリスチレン樹脂及び/又はポリオレフィン樹脂よりなる外層(B)を積層してなる多層共押出シートであって、外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3重量%以上であるポリスチレン系樹脂多層シートが提案されている。
しかしながら、この公報によれば、タルクと炭酸カルシウムを合わせた配合比率が、多層シート全体の15重量%以上、好ましくは30〜50重量%とされており、多量に樹脂が配合されている。樹脂成分が多いと、リサイクルマークが必要となり、地方自治体毎に廃棄処理が異なるという問題があった。
また、上記公報はポリスチレン系樹脂多層シートであり、ポリスチレン系樹脂を前提としているところ、本発明者らが試験したところ、ポリスチレン系樹脂でトレイを成形すると、耐熱性が低いことが判明した。また耐油性や耐薬品性も低く、コストが高くなることから、食品用のトレイのように油を含んでいる食品や加熱する用途には不適となる。加えて、耐衝撃性も他の樹脂材と比べて劣るため、長距離を搬送する際に内包物の破損や型崩れを生じる懸念もあった。
特開平4−341842号公報 特許3542363号公報
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、一般ゴミとして廃棄が容易であり、かつ耐熱性を高めたシート材及びこれを用いたトレイを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面に係るシート材によれば、中間層と、前記中間層の表面と裏面にそれぞれ形成された一対の表面層とを備える多層構造の樹脂製のシート材であって、前記表面層が、ポリプロピレン系樹脂よりなる樹脂層であり、前記中間層が、炭酸カルシウムと、タルクと、ポリスチレンを除く樹脂を含み、シート全体における炭酸カルシウムとタルクを合わせた配合比率が50重量%を超える構成である。上記構成により、炭酸カルシウムとタルクを組み合わせたことで、加工性と剛性に優れたシート材を実現できる。またポリスチレンを含まないことで、耐熱性を高め、耐衝撃性を改善し、耐油性や耐薬品性を向上でき、コストを安価にできる。
また、本発明の第2の側面に係るシート材によれば、上記構成に加えて、前記中間層の樹脂が、ポリスチレン系樹脂を含んでいない。上記構成により、シート材の耐熱性を高めることができ、加熱される用途、例えば食品用トレイなどに好適となる。
さらに、本発明の第3の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記中間層の樹脂を、ポリプロピレン樹脂、又はポリエチレン系樹脂とできる。上記構成により、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れたシート材を実現できる。
さらにまた、本発明の第4の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記中間層における炭酸カルシウムとタルクの配合比率を、1:1〜1:10とできる。上記構成により、炭酸カルシウム単体では剛性が相対的に低いというシートの剛性の問題を、タルクの比率を多くすることで解消できる。
さらにまた、本発明の第5の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、各表面層の厚さを、中間層の厚さの1%〜50%とできる。
さらにまた、本発明の第6の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、シート全体の厚さを200μm〜800μmとすることができる。
さらにまた、本発明の第7の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記中間層の厚さを100μm〜780μmとすることができる。
さらにまた、本発明の第8の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記表面層をホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーのいずれかで構成できる。
さらにまた、本発明の第9の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、前記炭酸カルシウムが球状であり、その平均粒径を1μm〜20μmとできる。
さらにまた、本発明の第10の側面に係るシート材によれば、上記いずれかの構成に加えて、シート全体で、炭酸カルシウム1重量%〜25重量%、タルク25重量%〜50重量%、ブロックコポリマー20重量%〜40重量%、低密度ポリエチレン10重量%〜25重量%又は高密度ポリエチレン10重量%〜25重量%とすることができる。
さらにまた、本発明の第11の側面に係るシート材によれば、食品用のトレイとして用いることができる。
本発明の一実施形態に係るシート材を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのシート材およびこのシート材を用いて成形される容器を例示するものであって、シート材およびこのシート材を用いて成形される容器を以下のものに限定するものではない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される素材を、実施の形態の素材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている素材、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態1]
(シート材30)
本発明の実施形態1に係るシート材の拡大断面図を図1に示す。この図に示すシート材30は、中間層32の表面にそれぞれ表面層31を積層した積層体としている。このシート材は、真空成形に適した材質であり、食品用のトレイ等に好適に利用できる。なお一般にJIS規格ではシートを厚さ250μm以上、フィルムを厚さが250μm未満と区別しているところ、本明細書においては厚さ250μm未満のものも含めて「シート材」と呼ぶ。
真空成形は、シートまたは板状の熱可塑性樹脂に熱をかけることで軟化させ、それを凸または凹型に押さえつけて熱可塑性樹脂と型の間の空気を下から吸うことで真空に近い状態を作り出し、型に熱可塑性樹脂を密着させて、所望の形状を作り出す成形法である。金型制作コストが安い、試作品を短期間で作れ、試作費用も安い、大型サイズ、薄肉成形が容易、様々な形状ができる、部分的なデザイン変更が容易、小ロット生産可能といった長所を有し、例えば部品トレイ、搬送トレイ、樹脂カバー、食品トレイ、食品パック、形状の簡単なスポイラーやオートバイのカウリング等の製造に用いられている。
このような真空成形による成形品には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の熱可塑性樹脂のシートが広く適用されているところ、近年、上記真空成形による成形品には、石油資源の枯渇や廃棄物の処理による環境問題への対応が求められている。そこで本実施形態においては、シート全体における樹脂の比率を半分以下に抑えている。ここでは、無機物の含有比率が50重量%を越えるようにしている。具体的には、シート全体における炭酸カルシウムとタルクを合わせた配合比率が50重量%を越えるようにしている。このように石油由来の熱可塑性樹脂分を少なくしたことで、石油燃料の削減や燃焼時のCO2の削減に寄与する。特に炭酸カルシウムとタルクを組み合わせたことで、加工性と剛性に優れたシート材を実現できる。さらに一般ごみとして廃棄が容易となる。容器包装リサイクル法では、容器包装を構成する素材のうち重量ベースで主要な素材の容器として分類されるので、無機物の含有比率が50重量%を越えるようなシート材を用いて容器を成形すると、斯かる容器はプラスチック製容器包装とは分類されず、引き裂き、あるいは押し潰してコンパクトに小さくまとめて不燃物として簡便に廃棄することができる。このように真空成形用シートに無機物を混合することにより、熱可塑性樹脂の使用量を低減して、廃棄し易く処理の容易な容器を実現できる。
(表面層)
中間層は、炭酸カルシウムとタルクと樹脂を含んでいる。一方、表面層31には、ポリプロピレン系樹脂を含む。一般に炭酸カルシウムを含有させることで、耐酸性が低下する。そこで、中間層の両面にポリプロピレン樹脂よりなる表面層を設けることで、シート材30の耐酸性を向上できる。特に、シート材を真空成形により食品用トレイなどに適用する場合、食品に触れた際に酸でシート材中の炭酸カルシウムが溶出する事態を回避できる。
好ましくは、表面層はポリプロピレン系樹脂のみで構成する。ポリエチレン系樹脂を表面層31に含まないことで、耐熱性を向上できる。本発明者らの行った試験によれば、表面層31にLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)などのポリエチレン系樹脂が含まれると、その分だけ耐熱性が低下するとの知見を得た。そこで、表面層からポリエチレン系樹脂を排除することで、耐熱性を向上させている。
特に低温保存用食品容器は、冷凍食品や冷蔵食品を収納した状態で販売された後、容器に入れたままオーブンや電子レンジで加熱されることがあるため、熱で容器が溶融しないよう耐熱性も求められる。その一方で、冷凍食品のような低温保存用の食品容器には耐寒性も求められる。そこで、耐寒性を維持しつつも、耐熱性を高めるようにポリエチレン系樹脂を表面層に含めず、ポリプロピレン系樹脂のみで表面層31を構成することで、耐熱性と耐寒性を両立させている。
加えて、ポリプロピレン系樹脂の内、b−PP(ブロックコポリマー)を選択して表面層31を構成することで、比重を軽くして軽量化を図ると共に、剛性も高めている。シート材の全体の比重は、1.50以下、好ましくは1.42とする。このような軽量化によって、食品用トレイとして運搬コスト等を低減しつつも、剛性を維持して好適に利用できる。あるいは、表面層31としてh−PP(ホモポリマー)やr−PP(ランダムコポリマー)を用いてもよい。h−PPは剛性や耐熱性に優れている反面、低温衝撃性に劣るものの、エチレンなどのモノマーを共重合することで改善できる。耐衝撃性を向上させたものがb−PPやr−PPである。またヒートシール性を向上させたものがr−PPである。
(中間層)
中間層には、炭酸カルシウムとタルクと樹脂とを含んでいる。炭酸カルシウムを含有させることで、耐寒性を向上でき、冷凍食品用のトレイ等に好適に利用できる。
炭酸カルシウムは、球状の粉末とし、好ましくはその平均粒径を、1μm〜20μmとする。本実施形態においては、平均粒子径を4μmとしている。平均粒径はレーザー回折法により測定されたメジアン径(D50)とする。なお、測定には日機装株式会社製マイクロトラック(バージョン10.5.4−236B)を用いた。中間層に炭酸カルシウムを用いることで剛性を増し、真空成形時にドローダウンに対する耐性を持たせ、成形性に優れたシート材とできる。また上述の通り、シート材の中間層を樹脂製の表面層で覆うことで耐酸性を高めることができる。この構成により、シート材に直接、酸を含む食品が触れても問題なく利用でき、食品用のトレイとして好適に利用可能となる。その一方で、炭酸カルシウムのみでは剛性が低下する。そこで本実施形態に係るシート材では、中間層にさらにタルクを配合することで、剛性を向上させて成形性を担保している。これにより打抜き加工なども容易となって、打ち抜かれたトレイの形状を安定的に維持できる。
また中間層における炭酸カルシウムとタルクの配合比率は、1:1〜1:10とすることが好ましい。このような配合比率に調整することで、炭酸カルシウム単体では剛性が相対的に低く、成形し難いという問題を、タルクの比率を多くすることで解消できる。
加えて、中間層の樹脂には、ポリスチレン系樹脂を含めていない。これにより、シート材の耐熱性を高めることができ、加熱される用途、例えば食品用トレイなどに好適となる。ポリスチレン系樹脂に変えて、中間層の樹脂には、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン系樹脂を使用する。これにより、耐熱性、耐候性に優れたシート材を実現できる。
各表面層の厚さは、中間層の厚さの1%〜50%とすることが好ましい。中間層の厚みが厚ければ、同じ構成であってもPE比率が高くなり耐寒性が向上する。よって、中間層が表面層よりも厚くなるように調整している。またシート材の厚さは、全体で200μm〜800μmとすることが好ましい。中間層は、100μm〜780μmとすることが好ましい。また表面層は、10μm以上50μm以下とすることが好ましい。これにより、炭酸カルシウムが中間層から表面層に露出し難くできる。
(ポリオレフィン系改質剤)
さらに、中間層にポリオレフィン系改質剤を含めてもよい。これにより、耐衝撃性向上等の効果が得られる。ポリオレフィン系改質剤には、エチレン系コポリマーやプロピレン系コポリマーが利用できる。例えば三井化学株式会社製タフマーA(エチレン系コポリマー)、タフマーBL(ブテン系コポリマー)、タフマーPN(プロピレン系コポリマー)等が利用できる。
(着色剤)
さらに、中間層に着色剤を含めてもよい。着色剤には、白色顔料を含むペレット原料等が用いられる。例えば白色マスターバッチ(MB)が好適に利用できる。
中間層32のb−PPの比率は、20〜40重量%とでき、好ましくは20重量%〜30重量%、より好ましくは20重量%とする。このように中間層32におけるb−PPの比率を表面層31と比べて相対的に下げることで、耐寒性を向上でき、冷凍食品用のトレイとして好適となる。
また中間層にはLDPE(低密度ポリエチレン)を加えることが好ましい。これにより耐寒性が向上することが期待でき、更に引張伸び率が向上することも期待できる。
シート材の全体の組成は、炭酸カルシウム1重量%〜25重量%、タルク25重量%〜50重量%、b−PP20重量%〜40重量%、LDPE10重量%〜25重量%、乃至はHDPE(高密度ポリエチレン)10重量%〜25重量%を基本とし、ポリオレフィン系改質剤0.01〜10重量%、着色剤0.01〜5重量%追加配合することが好ましい。一例として、中間層の組成を、炭酸カルシウム25重量%、タルク33重量%、b−PP22重量%、LDPE20重量%とし、表面層はb−PPとする。このように構成することで、金型成形に用いた際の形状の再現性を高めたシート材とできる。特にシート材全体としての樹脂成分を低減したことで、打ち抜き易くなり、加工性にも優れる。また食品用トレイなどに形成した際、例えば複数の区画に分割して個別に食品を包装したような態様において、個別に分割するための切り取り線やミシン目を設けている場合、使用者が手で引き裂き易くなって使い勝手の面でも有利となる。
(引張伸び率)
またシート材の引張伸び率は、20%〜600%とすることが好ましい。これによって真空成形に有利となる。なお本明細書で開示する引張伸び率は、JISに従って測定した。
中間層に炭酸カルシウムを用いたことで、引張伸び率を向上させて、真空成形時にシート材を溶融させたときのシートの引っ張り力が強くなり、成形するのに適したシート材とできる。また中間層にタルクを用いたことで剛性を増し、打ち抜き加工後のトレイ積載に必要な強度を持たせ、成形加工性に優れたシート材とできる利点が得られる。
[実施例1、比較例1〜4]
次に、実施例1〜6、比較例1〜5としてシート材を作成し、それぞれの厚み、密度、引っ張り応力、伸び率を測定した。この結果を、表1に示す。なお、引っ張り応力、伸び率については、シート製造時の搬送方向(MD方向)、及び搬送方向と直交する方向(TD方向)について、23℃における値をそれぞれ測定した。また、引張伸び率はJIS規格K7161−1:2014(ISO527−1:2012)に従った。
比較例1では株式会社エルパッケージ製の超耐寒PP(PP+PE)、比較例2では環境経営総合研究所製MAPKA(紙51重量%)を用いた。また比較例3〜5、実施例1〜6は信和プラスチック株式会社製の樹脂配合比の異なるシート材であり、比較例3はタルク26重量%、LLDPE26%、b-PP23重量%、h-PP13重量%、HDPE9重量%、着色MB3重量%、比較例4ではタルク50重量%、b-PP31重量%、LDPE17重量%、着色MB2重量%、比較例5では炭酸カルシウム50重量%、b-PP31重量%、LDPE17重量%、着色MB2重量%、実施例1ではタルク29重量%、炭酸カルシウム22重量%、b-PP31重量%、LDPE18重量%、実施例2ではタルク38重量%、炭酸カルシウム13重量%、b-PP31重量%、LDPE18重量%、実施例3ではタルク47重量%、炭酸カルシウム4重量%、b-PP31重量%、LDPE18重量%、実施例4ではタルク29重量%、炭酸カルシウム22重量%、b-PP31重量%、HDPE18重量%、実施例5ではタルク38重量%、炭酸カルシウム13重量%、b-PP31重量%、HDPE18重量%、実施例6ではタルク47重量%、炭酸カルシウム4重量%、b-PP31重量%、HDPE18重量%をそれぞれ用いた。
Figure 2021112863
この結果、伸び率がタルクを添加するほど低下する傾向を示すところ、併せて使用する樹脂としてHDPEよりもLDPEを選択した方が、MD、TDのいずれにおいても伸び率の低下を抑制できることが確認された。また引張応力の低下も、形成などの製造上許容できる範囲に抑え、比較例2の紙に比べて実用上の値を確保できている。さらに比較例2の紙や比較例3のタルクと比べ、厚さを薄くできる。この結果、伸び率がタルクを添加するほど低下する傾向を示し、併せて使用する樹脂としてHDPEよりもLDPEの方が、MD、TDのいずれにおいても伸び率の低下を抑制できることが確認された。このように引張応力が低い方が、弱い力で型に沿わせることができ、成形性に有利となる。このように、実施例に係るシート材が成形性に優れることが裏付けられた。
本発明のシート材は、食品の容器やその他日用品などを収納する容器を成形するシート材として好適に使用される。
30…シート材
31…表面層
32…中間層

Claims (11)

  1. 中間層と、
    前記中間層の表面と裏面にそれぞれ形成された一対の表面層と
    を備える多層構造の樹脂製のシート材であって、
    前記表面層が、ポリプロピレン系樹脂よりなる樹脂層であり、
    前記中間層が、炭酸カルシウムと、タルクと、ポリスチレンを除く樹脂を含み、
    シート全体における炭酸カルシウムとタルクを合わせた配合比率が50重量%を超える構成であるシート材。
  2. 請求項1に記載のシート材であって、
    前記中間層の樹脂が、ポリスチレン系樹脂を含まないシート材。
  3. 請求項1又は2に記載のシート材であって、
    前記中間層の樹脂が、ポリプロピレン樹脂、又はポリエチレン系樹脂であるシート材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート材であって、
    前記中間層における炭酸カルシウムとタルクの配合比率が、1:1〜1:10であるシート材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート材であって、
    各表面層の厚さが、中間層の厚さの1%〜50%であるシート材。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシート材であって、
    シート全体の厚さが200μm〜800μmであるシート材。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシート材であって、
    前記中間層の厚さが100μm〜780μmであるシート材。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のシート材であって、
    前記表面層が、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーのいずれかであるシート材。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のシート材であって、
    前記炭酸カルシウムが球状であり、その平均粒径が1μm〜20μmであるシート材。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のシート材であって、
    シート全体で、炭酸カルシウム1重量%〜25重量%、タルク25重量%〜50重量%、ブロックコポリマー20重量%〜40重量%、低密度ポリエチレン10重量%〜25重量%又は高密度ポリエチレン10重量%〜25重量%であるシート材。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のシート材であって、
    食品用のトレイとして用いられるシート材。
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