JP2021110378A - 車両用変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ファイナルドリブンギヤによって掻き上げられたオイルがブリーザ通路に到達することを抑制できる車両用変速機を提供すること。【解決手段】変速機ケース5は、ディファレンシャル装置17を回転自在に支持する第1の左側壁部7Cと、第1の左側壁部7Cに対してディファレンシャル装置17と反対側に位置し、かつ、第1の左側壁部7Cに対してディファレンシャル装置17の軸線方向に離れた位置に設けられ、カウンタ軸14を回転自在に支持する第2の左側壁部7Dと、開口部7aを有し、第1の左側壁部7Cと第2の左側壁部7Dを連結する第3の側壁部7Eとを備えている。シフト装置61は、ディファレンシャル装置17の軸線方向と直交する方向でディファレンシャル装置17と重なるように開口部7aに取付けられており、シフトケース62にブリーザ孔が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用変速機に関する。
シフトケースを利用して変速機ケースの圧力変動を緩和する車両用変速機が知られている(特許文献1参照)。
この車両用変速機は、上壁と、上壁の下方に位置する下壁と、上壁と下壁とを連結する側壁とを有し、オイルが貯留される変速機ケースを備えている。変速機ケースの側壁は、入力軸に対して一方側に位置する第1の側壁と、入力軸を挟んで第1の側壁に対向する第2の側壁とから構成されている。
入力軸に対して第1の側壁側に位置するようにファイナルギヤが設置されており、入力軸に対して第2の側壁側に位置するように変速機ケースの上壁に開口部が形成されている。シフトケース本体には縦壁が形成されており、縦壁は、シフトアンドセレクト軸と第2の側壁との間に設置されている。
これに加えて、シフトケース本体に連通孔が形成されており、連通孔が、縦壁と第2の側壁との間に形成されるブリーザ通路と変速機ケースの外部とを連通している。
これにより、シフトケース本体に設けられた縦壁と変速機ケースの第2の側壁とを利用して、縦壁と第2の側壁との間にブリーザ通路を形成することができ、ブリーザ通路からシフトケース本体に形成された連通孔を通して空気を排出することができる。
これに加えて、オイルを掻き上げるファイナルギヤからブリーザ通路を離すことができるとともに、オイルを縦壁に衝突させて連通孔に侵入し難くできる。
特許第6507913号公報
しかしながら、このような従来の車両用変速機にあっては、ブリーザ通路がファイナルギヤによって掻き上げられるオイルが飛散する方向に設置されているので、ブリーザ通路から連通孔にオイルが侵入することをより効果的に抑制する必要がある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、ファイナルドリブンギヤによって掻き上げられたオイルがブリーザ通路に到達することを抑制できる車両用変速機を提供することを目的とするものである。
本発明は、底部にオイルが貯留される変速機ケースと、前記変速機ケースに収容され、それぞれギヤを有する複数の回転軸と、前記変速機ケースに収容され、前記オイルを掻き上げるファイナルドリブンギヤを有するディファレンシャル装置と、シフトケースおよび前記シフトケースに取付けられ、シフトレンジの切換えを行うシフトアンドセレクト軸を有するシフト装置とを備えた車両用変速機であって、前記変速機ケースは、前記ディファレンシャル装置を回転自在に支持する第1の側壁部と、前記第1の側壁部に対して前記ディファレンシャル装置と反対側に位置し、かつ、前記第1の側壁部に対して前記ディファレンシャル装置の軸線方向に離れた位置に設けられ、前記回転軸を回転自在に支持する第2の側壁部と、前記シフトアンドセレクト軸を前記変速機ケースに収容する開口部を有し、前記第1の側壁部と前記第2の側壁部を連結する第3の側壁部とを備えており、前記シフト装置は、前記ディファレンシャル装置の軸線方向と直交する方向で前記ディファレンシャル装置と重なるように前記開口部に取付けられており、前記シフトケースの内部にブリーザ室が形成されており、前記シフトケースに、前記ブリーザ室と前記変速機ケースの外部とを連通するブリーザ通路が形成されていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、ファイナルドリブンギヤによって掻き上げられたオイルがブリーザ通路に到達することを抑制できる。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の左側面図である。 図2は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の左側面図であり、レフトケースの一部を断面で示す図である。 図3は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の動力伝達系の展開図である。 図4は、図1のIV−IV方向矢視断面図である。 図5は、本発明の一実施例に係るレフトケースの後面図である。 図6は、本発明の一実施例に係るシフト装置の正面図である。 図7は、本発明の一実施例に係るシフト装置の左側面図である。 図8は、本発明の一実施例に係るシフト装置の後面図である。 図9は、本発明の一実施例に係るシフト装置の底面図である。 図10は、図8のX−X方向矢視断面図である。
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、底部にオイルが貯留される変速機ケースと、変速機ケースに収容され、それぞれギヤを有する複数の回転軸と、変速機ケースに収容され、オイルを掻き上げるファイナルドリブンギヤを有するディファレンシャル装置と、シフトケースおよびシフトケースに取付けられ、シフトレンジの切換えを行うシフトアンドセレクト軸を有するシフト装置とを備えた車両用変速機であって、変速機ケースは、ディファレンシャル装置を回転自在に支持する第1の側壁部と、第1の側壁部に対してディファレンシャル装置と反対側に位置し、かつ、第1の側壁部に対してディファレンシャル装置の軸線方向に離れた位置に設けられ、回転軸を回転自在に支持する第2の側壁部と、シフトアンドセレクト軸を変速機ケースに収容する開口部を有し、第1の側壁部と第2の側壁部を連結する第3の側壁部とを備えており、シフト装置は、ディファレンシャル装置の軸線方向と直交する方向でディファレンシャル装置と重なるように開口部に取付けられており、シフトケースの内部にブリーザ室が形成されており、シフトケースに、ブリーザ室と変速機ケースの外部とを連通するブリーザ通路が形成されている。
これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、ファイナルドリブンギヤによって掻き上げられたオイルがブリーザ通路に到達することを抑制できる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用変速機について、図面を用いて説明する。
図1から図10は、本発明の一実施例に係る車両用変速機を示す図である。図1から図10において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の車両用変速機を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車両の幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
まず、構成を説明する。
図1において、ハイブリッド車両(以下、単に車両という)1は、車体2を備えており、車体2は、ダッシュパネル3によって前側のエンジンルーム2Aと後側の車室2Bとに仕切られている。
エンジンルーム2Aには変速機4が設置されている。変速機4は、本発明における車両用変速機を構成する。
図1、図2、図5に示すように、変速機4は、変速機ケース5を備えており、変速機ケース5は、ライトケース6、レフトケース7、減速機ケース8およびパーキングカバー9を有する。
図5に示すように、ライトケース6にはエンジン20が連結されている。エンジン20は、図示しないクランク軸を有し、クランク軸は、車両1の幅方向(左右方向、以下、単に車幅方向という)に延びるように設置されている。
すなわち、本実施例のエンジン20は、横置きエンジン20から構成されており、本実施例の車両1は、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)車両である。
ライトケース6は、右側端部がエンジン20に連結されており、左側端部がレフトケース7の右側端部に連結されている。図2に示すように、ライトケース6の右側面には仕切壁6Wが設けられている。
レフトケース7の左側面には左側壁7Kが設けられており(図1参照)、ライトケース6の仕切壁6Wとレフトケース7の左側壁7Kの間にギヤ室21が形成されている(図3参照)。
ギヤ室21には、図3に示す主入力軸11、アイドル軸12、副入力軸13、カウンタ軸14、後進軸15およびディファレンシャル装置17が収容されている。本実施例の主入力軸11、アイドル軸12、副入力軸13およびカウンタ軸14は、本発明の回転軸を構成する。
図3に示すように、主入力軸11、アイドル軸12、副入力軸13、カウンタ軸14、後進軸15およびディファレンシャル装置17は、車幅方向(左右方向)に沿って平行に設置されている。
また、主入力軸11、アイドル軸12、副入力軸13、カウンタ軸14、後進軸15およびディファレンシャル装置17は、ライトケース6の仕切壁6Wとレフトケース7の左側壁7Kに架設されている。
主入力軸11は、エンジン20からの駆動力を断接するクラッチを介してエンジン20に連結されており、クラッチを介してエンジン20の動力が伝達される。
主入力軸11の右側部分は、仕切壁6Wを貫通して仕切壁6Wの右側に突出し、クラッチに接続されている。主入力軸11は、仕切壁6Wを貫通する部分で玉軸受22Aを介してライトケース6の仕切壁6Wの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
そして、主入力軸11の左端部11fは、玉軸受22Bを介してレフトケース7の左側壁7Kの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
アイドル軸12の右端部12rは、玉軸受23Aを介してライトケース6の仕切壁6Wの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。そして、アイドル軸12の左端部12fは、玉軸受23Bを介してレフトケース7の左側壁7Kの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
副入力軸13の右端部13rは、玉軸受24Aを介してライトケース6の仕切壁6Wの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。そして、副入力軸13の左端部13fは、玉軸受24Bを介してレフトケース7の左側壁7Kの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
カウンタ軸14の右端部14rは、円錐ころ軸受25Aを介してライトケース6の仕切壁6Wの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。そして、カウンタ軸14の左端部14fは、円錐ころ軸受25Bを介してレフトケース7の左側壁7Kの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
後進軸15の右端部15rは、玉軸受26Aを介してライトケース6の仕切壁6Wの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されており、後進軸15の左端部15fは、玉軸受26Bを介してレフトケース7の左側壁7Kの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
ディファレンシャル装置17は、後述するデフケース17Bの右端部に形成された筒状部17bが、円錐ころ軸受27Aを介してライトケース6の仕切壁6Wの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
そして、後述するデフケース17Bの左端部に形成された筒状部17aが円錐ころ軸受27Bを介してレフトケース7の左側壁7Kの図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
図3に示すように、主入力軸11は、1速段用の入力ギヤ11A、2速段用の入力ギヤ11B、3速/5速段用の入力ギヤ11Cおよび4速/6速段用の入力ギヤ11Dを有する。
1速段用の入力ギヤ11Aと2速段用の入力ギヤ11Bは、主入力軸11に一体に形成されており、主入力軸11と一体で回転する。3速/5速段用の入力ギヤ11Cおよび4速/6速段用の入力ギヤ11Dは、主入力軸11にスプライン嵌合されており、主入力軸11と一体で回転する。
入力ギヤ11A、11B、11C、11Dは、入力ギヤ11Aから入力ギヤ11Dに向かうに従って径が大きくなっている。また、入力ギヤ11A、11B、11C、11Dは、エンジン20側から順に設置されている。軸線方向の位置で、入力ギヤ11Aと11Bは、カウンタ軸14に後述する同期装置31が設置できるように離れて設置されている。
軸線方向の位置で、入力ギヤ11Bと入力ギヤ11Cは、その間にカウンタ軸14に後述するリダクションドリブンギヤ14Eが設置できるように離れて設置されている。軸線方向の位置で、入力ギヤ11Cと11Dは、カウンタ軸14に後述する同期装置32や後述するアイドル軸に同期装置33が設置できるように離れて設置されている。
カウンタ軸14は、1速段用のカウンタギヤ14A、2速段用のカウンタギヤ14B、5速段用のカウンタギヤ14C、6速段用のカウンタギヤ14D、リダクションドリブンギヤ14Eおよび前進用のファイナルドライブギヤ14Fを有する。
カウンタギヤ14A、14B、14C、14Dは、ニードル軸受14a、14b、14c、14dを介してカウンタ軸14に支持されている遊転ギヤであり、カウンタ軸14と相対回転自在となっている。
リダクションドリブンギヤ14Eは、カウンタ軸14にスプライン嵌合されており、カウンタ軸14と一体で回転する。前進用のファイナルドライブギヤ14Fは、カウンタ軸14に一体に形成されており、カウンタ軸14と一体で回転する。
カウンタギヤ14A、14B、14C、14Dは、カウンタギヤ14Aからカウンタギヤ14Dに向かうに従って径が小さくなっており、それぞれ同じ変速段を構成する入力ギヤ11Aから入力ギヤ11Dに噛み合っている。
また、カウンタギヤ14A、14B、14C、14D、リダクションドリブンギヤ14E、ファイナルドライブギヤ14Fは、エンジン20側から順に、ファイナルドライブギヤ14F、カウンタギヤ14A、14B、リダクションドリブンギヤ14E、カウンタギヤ14C、14Dの順に設置されている。
アイドル軸12は、3速段用のアイドルギヤ12A、4速段用のアイドルギヤ12Bおよびリダクションドライブギヤ12Cを有する。
3速段用のアイドルギヤ12Aおよび4速段用のアイドルギヤ12Bは、ニードル軸受12a、12bを介してアイドル軸12に支持されている遊転ギヤであり、アイドル軸12と相対回転自在となっている。
リダクションドライブギヤ12Cは、主入力軸11に設けられた2速段用の入力ギヤ11Bと軸線方向で同じ位置となるように、アイドル軸12にスプライン嵌合されており、アイドル軸12と一体で回転する。
3速段用のアイドルギヤ12A、4速段用のアイドルギヤ12Bおよびリダクションドライブギヤ12Cは、エンジン20側から順に、リダクションドライブギヤ12C、3速段用のアイドルギヤ12A、4速段用のアイドルギヤ12Bの順に設置されている。
軸線方向の位置で、リダクションドライブギヤ12Cと3速段用のアイドルギヤ12Aは、その間に副入力軸13に設置される後述するリダクションドライブギヤ13Bの外周縁が入り込むことができるように離れて設置されている。
3速段用のアイドルギヤ12Aは、3速/5速段用の入力ギヤ11Cに噛み合っている。4速段用のアイドルギヤ12Bは、3速段用のアイドルギヤ12Aよりも小径に形成されており、4速/6速段用の入力ギヤ11Dに噛み合っている。
本実施例の変速機4は、3速段と5速段とが1つの3速/5速段用の入力ギヤ11Cを共用し、部品点数の削減と変速機4の小型化(軸線方向の寸法の短縮)がなされている。また、4速段と6速段とが1つの4速/6速段用の入力ギヤ11Dを共用し、部品点数の削減と変速機4の小型化(軸線方向の寸法の短縮)がなされている。
さらに、3速段用のアイドルギヤ12Aと5速段用のカウンタギヤ14Cとが同一のギヤから構成されており、4速段用のアイドルギヤ12Bと6速段用のカウンタギヤ14Dが同一のギヤから構成されている。同じギヤを用いることで、生産性の向上が図られている。
すなわち、3速段用のアイドルギヤ12Aを5速段用のカウンタギヤ14Cとして用いることが可能であり、その逆に、5速段用のカウンタギヤ14Cを3速段用のアイドルギヤ12Aとして用いることが可能である。
また、4速段用のアイドルギヤ12Bを6速段用のカウンタギヤ14Dとして用いることが可能であり、その逆に、6速段用のカウンタギヤ14Dを4速段用のアイドルギヤ12Bとして用いることが可能である。
副入力軸13は、リダクションドリブンギヤ13A、リダクションドライブギヤ13Bおよびダンパ機構16を有する。リダクションドリブンギヤ13A、リダクションドライブギヤ13Bおよびダンパ機構16は、エンジン20側から順に、ダンパ機構16、リダクションドリブンギヤ13A、リダクションドライブギヤ13Bの順に設置されている。
リダクションドリブンギヤ13Aは、リダクションドライブギヤ12Cよりも大径に形成されており、リダクションドライブギヤ12Cに噛み合っている。リダクションドリブンギヤ13Aは、ダンパ機構16で許容される範囲内で副入力軸13と相対回転自在に、副入力軸13に支持されている。
リダクションドライブギヤ13Bは、リダクションドリブンギヤ13Aよりも大径で、かつ、リダクションドリブンギヤ14Eよりも小径に形成されており、リダクションドリブンギヤ14Eに噛み合っている。リダクションドライブギヤ13Bは、副入力軸13にスプライン嵌合されており、副入力軸13と一体で回転する。
すなわち、リダクションドリブンギヤ14Eは、リダクションドライブギヤ12C、リダクションドリブンギヤ13Aおよびリダクションドライブギヤ13Bよりも大径に形成されている。このため、3速段と4速段とにおいて、アイドル軸12から副入力軸13を介してカウンタ軸14に伝達される動力は、5速段と6速段に比べて減速される。
なお、減速比に関し、アイドル軸12に設置されたアイドルギヤ12Aとアイドルギヤ12Bを用いる変速段の間に、カウンタ軸14に設置されたカウンタギヤ14Cを用いる変速段を設定することも可能であるが、後述する同期装置32、33を動作させる変速操作機構が複雑となるため、本実施例では同期装置32、33が連続する変速段を切り替えるようにしている。
本実施例のリダクションドライブギヤ12Cとリダクションドリブンギヤ13Aは、第1のリダクションギヤ対を構成しており、リダクションドライブギヤ13Bとリダクションドリブンギヤ14Eは、第2のリダクションギヤ対を構成している。すなわち、変速機4は、2組のリダクションギヤ対を有する。
リダクションドライブギヤ12C、リダクションドリブンギヤ13A、リダクションドライブギヤ13Bおよびリダクションドリブンギヤ14Eは、それぞれが設置される各軸の軸線方向の中央部に設置されている。軸線方向で、第1のリダクションギヤ対は、第2のリダクションギヤ対に対してエンジン20側に設置され、入力ギヤ11B、カウンタギヤ14Bと同じ位置に設置されている。
リダクションドリブンギヤ14Eの外周部の一部は、主入力軸11の軸線方向で2速段用の入力ギヤ11Bと3速/5速段用の入力ギヤ11Cの間に入り込んでいる。リダクションドライブギヤ13Bの外周部の一部は、アイドル軸12の軸線方向でリダクションドライブギヤ12Cと3速段用のアイドルギヤ12Aの間に入り込んでいる。
このため、大径のリダクションドライブギヤ13Bおよびリダクションドリブンギヤ14Eを用いても主入力軸11、アイドル軸12、副入力軸13およびカウンタ軸14の軸間距離を短縮でき、変速機ケース5の小型化を図ることができる。この結果、変速機4の小型化を図ることができる。
本実施例のギヤ11A、11B、11C、11D、12A、12B、12C、13A、13B、14A、14B、14C、14D、14E、14Fは、本発明のギヤを構成する。
ダンパ機構16は、外筒部材16Aと、ゴム等の弾性体16Bと、内筒部材16Cとを有する。
内筒部材16Cは、外筒部材16Aよりも小径に形成されており、外筒部材16Aの内径側に設置されている。つまり、軸線方向で、内筒部材16Cは、外筒部材16Aと同じ位置に設置されている。内筒部材16Cは、副入力軸13にスプライン嵌合されており、副入力軸13と一体で回転する。
弾性体16Bは、外筒部材16Aの内径と内筒部材16Cの外径の間に設置されており、外周面と内周面がそれぞれ外筒部材16Aと内筒部材16Cに固定されている。つまり、弾性体16Bは、径方向で外筒部材16Aと内筒部材16Cの間に設置されている。
外筒部材16Aは、弾性体16Bを収容する部位からリダクションドリブンギヤ13A側に延びる延出部を有し、延出部の内周部には内周スプライン16aが形成されている。内筒部材16Cは、弾性体16Bを取り付ける部位からリダクションドリブンギヤ13A側に延びて外筒部材16Aの延出部の内径側に入り込む延出部を有し、延出部には外周スプライン16cが形成されている。
リダクションドリブンギヤ13Aは、外筒部材16Aの延出部の内径側に入り込むとともに、内筒部材16C側に延びる延出部を有し、延出部には外周スプライン13eが形成されている。そして、外周スプライン16c、13eは、外筒部材16Aの内周スプライン16aに嵌合されている。
外筒部材16Aの内周スプライン16aとリダクションドリブンギヤ13Aの外周スプライン13eは、周方向の隙間が小さく形成されており、タイト(回転方向のガタが比較的少ない状態)にスプライン嵌合している。つまり、外筒部材16Aとリダクションドリブンギヤ13Aは、一体で回転するようにスプライン嵌合している。
これに対して、外筒部材16Aの内周スプライン16aと内筒部材16Cの外周スプライン16cは、周方向の隙間が大きく形成されており、ルーズ(回転方向のガタが比較的多い状態)にスプライン嵌合している。つまり、外筒部材16Aと内筒部材16Cとは、多少の相対回転が可能な状態にスプライン嵌合している。
ダンパ機構16は、副入力軸13とリダクションドリブンギヤ13Aとの間の動力伝達を行うが、外筒部材16Aの内周スプライン16aと内筒部材16Cの外周スプライン16cの上記したスプライン嵌合により、異なる動力伝達経路を達成可能となっている。
回転方向で、内周スプライン16aと外周スプライン16cが当接しない状態では弾性体16Bを介する動力伝達となり、内周スプライン16aと外周スプライン16cが当接する状態では内周スプライン16aと外周スプライン16cを介した動力伝達が可能となっている。
つまり、ダンパ機構16は、伝達する駆動力が比較的小さい場合、弾性体16Bを介する動力伝達を行い、伝達する駆動力が比較的大きい場合、内周スプライン16aと外周スプライン16cが当接して内周スプライン16aと外周スプライン16cを介した動力伝達を行う。弾性体16Bは、微小なトルク変動(回転変動)を吸収して、歯打ち音等を抑制することができる。
後進軸15は、後進ギヤ15Aおよび後進用のファイナルドライブギヤ15Bを有する。後進ギヤ15Aは、ニードル軸受15aを介して後進軸15に支持されており、後進軸15と相対回転自在となっている。後進ギヤ15Aは、1速段用のカウンタギヤ14Aに噛み合っている。
後進用のファイナルドライブギヤ15Bは、後進軸15に一体に形成されており、後進軸15と一体で回転する。後進用のファイナルドライブギヤ15Bは、ディファレンシャル装置17のファイナルドリブンギヤ17Aに噛み合っている。
カウンタ軸14には同期装置31が設けられており、同期装置31は、カウンタ軸14の軸線方向で1速段用のカウンタギヤ14Aと2速段用のカウンタギヤ14Bの間に設置されている。同期装置31は、ハブ31A、スリーブ31Bおよびシンクロナイザリング31C、31Dを備えている。
ハブ31Aの内周面は、カウンタ軸14にスプライン嵌合しており、ハブ31Aは、カウンタ軸14と一体で回転する。スリーブ31Bは、ハブ31Aにスプライン嵌合されており、カウンタ軸14の軸線方向に移動自在となっている。
スリーブ31Bは、シフト操作によって変速段が1速段または2速段にシフトされると、中立位置から図示しないシフトフォークによって1速段用のカウンタギヤ14A側または2速段用のカウンタギヤ14B側に移動される。なお、図示したスリーブ31Bの位置は、中立位置である。
例えば、自動によるシフト操作が行われる場合には、スリーブ31Bは、後述するシフトユニット50によって駆動される。シフトユニット50は、運転者によって操作される図示しないシフトレバーがドライブレンジにシフトされた状態あるいはリバースレンジにシフトされた状態において、予めスロットル開度と車速とをパラメータとして設定された変速マップに基づいて同期装置31および後述する同期装置32、33、34を操作して変速段の制御を行う。
スリーブ31Bの内周面にはスプライン31a、31bが形成されている。1速段用のカウンタギヤ14Aにはスプライン31aに嵌合するスプライン14gが形成されており、2速段用のカウンタギヤ14Bにはスプライン31bに嵌合するスプライン14hが形成されている。
スリーブ31Bが中立位置から1速段用のカウンタギヤ14A側に移動すると、スリーブ31Bのスプライン31aが1速段用のカウンタギヤ14Aのスプライン14gに嵌合することにより、スリーブ31Bとハブ31Aを介して1速段用のカウンタギヤ14Aがカウンタ軸14に連結され、1速段用のカウンタギヤ14Aがカウンタ軸14と一体で回転する。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から1速段用の入力ギヤ11Aおよび1速段用のカウンタギヤ14Aを介してカウンタ軸14に伝達される。
スリーブ31Bが中立位置から2速段用のカウンタギヤ14B側に移動すると、スリーブ31Bのスプライン31bが2速段用のカウンタギヤ14Bのスプライン14hに嵌合することにより、スリーブ31Bとハブ31Aを介して2速段用のカウンタギヤ14Bがカウンタ軸14とに連結され、2速段用のカウンタギヤ14Bがカウンタ軸14と一体で回転する。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から2速段用の入力ギヤ11Bおよび2速段用のカウンタギヤ14Bを介してカウンタ軸14に伝達される。
シンクロナイザリング31Cは、ハブ31Aと1速段用のカウンタギヤ14Aとの間に設けられており、外周面にスリーブ31Bのスプライン31aに嵌合するスプラインが形成されている。
シンクロナイザリング31Dは、ハブ31Aと2速段用のカウンタギヤ14Bとの間に設けられており、外周面にスリーブ31Bのスプライン31bに嵌合するスプラインが形成されている。
シンクロナイザリング31Cは、スリーブ31Bが中立位置から1速段のカウンタギヤ14A側に移動したときに、シンクロナイザリング31Cに形成されたスプラインがスリーブ31Bのスプライン31aに係合し、1速段のカウンタギヤ14Aに摩擦接触することにより、1速段用のカウンタギヤ14Aの回転をスリーブ31Bの回転(カウンタ軸14の回転)に同期させる。
シンクロナイザリング31Dは、スリーブ31Bが中立位置から2速段のカウンタギヤ14B側に移動したときに、シンクロナイザリング31Dに形成されたスプラインがスリーブ31Bのスプライン31bに係合し、2速段のカウンタギヤ14Bに摩擦接触することにより、2速段用のカウンタギヤ14Bの回転をスリーブ31Bの回転(カウンタ軸14の回転)に同期させる。
このように本実施例の同期装置31は、1速段用のカウンタギヤ14Aと2速段用のカウンタギヤ14Bを選択的にカウンタ軸14に連結し、連結時に同期動作を行うことで変速ショックや異音が発生することを抑制する。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から1速段用の入力ギヤ11Aおよび1速段用のカウンタギヤ14Aを介してカウンタ軸14に伝達される。また、エンジン20の動力が主入力軸11から2速段用の入力ギヤ11Bおよび2速段用のカウンタギヤ14Bを介してカウンタ軸14に伝達される。
カウンタ軸14には更に、上記した同期装置31と同様の働きをする同期装置32が設けられており、同期装置32は、カウンタ軸14の軸線方向で5速段用のカウンタギヤ14Cと6速段用のカウンタギヤ14Dの間に設置されている。
アイドル軸12には上記した同期装置31、32と同様の働きをする同期装置33が設置されており、同期装置33は、アイドル軸12の軸線方向で3速段用のアイドルギヤ12Aと4速段用のアイドルギヤ12Bの間に設置されている。
シフト操作によって3速段にシフトされると、同期装置33は、3速段のアイドルギヤ12Aをアイドル軸12に連結する。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から3速/5速段用の入力ギヤ11Cおよび3速段用のアイドルギヤ12Aを介してアイドル軸12に伝達される。
シフト操作によって4速段にシフトされると、同期装置33は、4速段用のアイドルギヤ12Bをアイドル軸12に連結する。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から4速/6速段用の入力ギヤ11Dおよび4速段用のアイドルギヤ12Bを介してアイドル軸12に伝達される。
アイドル軸12にエンジン20の動力が伝達されると、エンジン20の動力は、アイドル軸12からリダクションドライブギヤ12C、リダクションドリブンギヤ13A、ダンパ機構16、副入力軸13、リダクションドライブギヤ13Bおよびリダクションドリブンギヤ14Eを介してカウンタ軸14に伝達される。
これにより、3速段および4速段において、アイドル軸12からダンパ機構16、副入力軸13を介してカウンタ軸14に動力が伝達されるとともに、伝達される動力(回転速度)が減速される。
シフト操作によって5速段にシフトされると、同期装置32は、5速段用のカウンタギヤ14Cをカウンタ軸14に連結する。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から3速/5速段用の入力ギヤ11Cおよび5速段用のカウンタギヤ14Cを介してカウンタ軸14に伝達される。
シフト操作によって6速段にシフトされると、同期装置32は、6速段用のカウンタギヤ14Dをカウンタ軸14に連結する。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から4速/6速段用の入力ギヤ11Dおよび6速段用のカウンタギヤ14Dを介してカウンタ軸14に伝達される。
後進軸15には同期装置34が設置されている。シフト操作によって後進段にシフトされると、同期装置34は、後進ギヤ15Aを後進軸15に連結し、後進ギヤ15Aを後進軸15と一体で回転させる。なお、後進軸15には、エンジン20側から順に、後進用のファイナルドライブギヤ15B、後進ギヤ15A、同期装置34の順に設置されている。
これにより、エンジン20の動力が主入力軸11から1速段の入力ギヤ11A、1速段用のカウンタギヤ14Aおよび後進ギヤ15Aを介して後進軸15に伝達される。
同期装置32、33、34は、所謂、シングルコーン式であり、同期装置31は、所謂、トリプルコーン式であるが、同期装置32、33、34は、同期装置31と同様の同期動作を行うので、具体的な説明は省略する。
同期装置31は、いずれも図示しない1速/2速段用のシフトフォーク、1速/2速段用のシフタ軸および1速/2速段用のシフトヨークを介してシフトアンドセレクト軸51(図2参照)に連絡されており、シフトアンドセレクト軸51によって操作される。
同期装置32は、いずれも図示しない5速/6速段用のシフトフォーク、5速/6速段用のシフタ軸および5速/6速段用のシフトヨークを介してシフトアンドセレクト軸51に連絡されており、シフトアンドセレクト軸51によって操作される。
同期装置33は、いずれも図示しない3速/4速段用のシフトフォーク、3速/4速段用のシフタ軸および3速/4速段用のシフトヨークを介してシフトアンドセレクト軸51に連絡されており、シフトアンドセレクト軸51によって操作される。
同期装置34は、いずれも図示しない後進用のシフトフォーク、後進用のシフタ軸および後進用のシフトヨークを介してシフトアンドセレクト軸51に連絡されており、シフトアンドセレクト軸51によって操作される。
図2に示すように、レフトケース7にはシフトアンドセレクト軸51が設けられている。シフトアンドセレクト軸51は、シフトユニット50に設けられた図示しないシフトアクチュエータとセレクトアクチュエータによってセレクト方向(シフトアンドセレクト軸51の軸線51Lの方向)S1とシフト方向(シフトアンドセレクト軸51の軸線51L周り)S2に操作される(図2参照)。なお、軸線51Lの方向を、単に軸線方向という。
シフトアンドセレクト軸51の上端部には操作レバー51Aが設けられている。操作レバー51Aは、シフトユニット50のシフトアクチュエータによって操作されることにより、シフトアンドセレクト軸51がシフト方向S2(図1参照)に回転される。
また、シフトユニット50のセレクトアクチュエータは、シフトアンドセレクト軸51の上端を押圧することにより、後述するリターンスプリング54の付勢力に抗してシフトアンドセレクト軸51を下方に移動させる。
このようにシフトアンドセレクト軸51は、シフトレンジ(1速段から6速段および後進段)の切換えを行う。
図3に示すように、ディファレンシャル装置17は、ファイナルドリブンギヤ17Aと、ファイナルドリブンギヤ17Aが外周部に取付けられたデフケース17Bと、デフケース17Bに内蔵された差動機構17Cとを有する。
デフケース17Bの左端部には筒状部17aが設けられており、デフケース17Bの右端部には筒状部17bが設けられている。筒状部17a、17bには右側のドライブシャフト18L、18Rのそれぞれの一端部が挿通されている。
左右のドライブシャフト18L、18Rの一端部は、差動機構17Cに連結されており、左右のドライブシャフト18L、18Rの他端部は、それぞれ図示しない左右の駆動輪に連結されている。
ディファレンシャル装置17は、エンジン20の動力を差動機構17Cによって左右のドライブシャフト18L、18Rに分配して駆動輪に伝達する。
図1において仮想線で示すように、レフトケース7の前側の上部にはモータ35が設置されている。モータ35は、いずれも図示しないロータと、コイルが巻き付けられたステータとを有する。
モータ35において、コイルに三相交流が供給されることにより、周方向に回転する回転磁界を発生する。ステータは、発生した磁束をロータに鎖交させることにより、モータ出力軸35A(図3参照)と一体のロータを回転駆動させる。
図3に示すように、アイドル軸12の左端部にはスプロケット取付部12Mが設けられている。スプロケット取付部12Mには、モータ35の動力が入力されるスプロケット37が取付けられている。
スプロケット37とモータ出力軸35Aに取付けられたスプロケットにはチェーン38が巻き掛けられており、チェーン38を介してモータ35の駆動力がアイドル軸12に伝達される。
このため、モータ35の動力は、モータ出力軸35Aからチェーン38およびスプロケット37を介してアイドル軸12に伝達される。すなわち、アイドル軸12は、モータ35の動力が伝達される入力軸として機能する。
チェーン38は、減速機ケース8に収容されている。具体的には、減速機ケース8は、図示しない右側減速機ケースと図示しない左側減速機ケースが一体化されたものから構成されており、チェーン38は、右側減速機ケースと左側減速機ケースの内部に収容されている。
減速機ケース8は、ボルト10Aによってレフトケース7の左側壁7Kとモータ35に取付けられている。
図1、図5に示すように、レフトケース7は、右側端部がライトケース6に連結される周壁、および、周壁の左側端部に位置する左側壁7Kを有し、右側が開口した形状のケースである。
これに対して、レフトケース7の左端部は、車幅方向で、後部が前部に比較してライトケース6側に位置している。
具体的には、図4、図5に示すように、左側壁7Kは、後側の第1の左側壁部7Cと前側の第2の左側壁部7Dとを有する。
第1の左側壁部7Cにはディファレンシャル装置17のデフケース17Bの左側の筒状部17aが軸受27B(図3参照)を介して回転自在に支持されている。本実施例の第1の左側壁部7Cは、本発明の第1の側壁部を構成する。
図4に示すように、第2の左側壁部7Dは、第1の左側壁部7Cに対してディファレンシャル装置17と反対側(左側)に位置し、かつ、第1の左側壁部7Cに対してディファレンシャル装置17の軸線17Lの方向に離れた位置に設けられている。本実施例の第2の左側壁部7Dは、本発明の第2の側壁部を構成する。なお、軸線17Lの方向を、単に軸線方向という。
ディファレンシャル装置17の軸線方向は、ディファレンシャル装置17のファイナルドリブンギヤ17Aやデフケース17Bの回転中心軸の方向である。
図3に示すように、第2の左側壁部7Dには主入力軸11の左端部、アイドル軸12の左端部、副入力軸13の左端部およびカウンタ軸14の左端部(図4参照)が軸受22A、23A、24A、25Aを介して回転自在に支持されている。
図4、図5に示すように、レフトケース7には第3の側壁部7Eが設けられており、第3の側壁部7Eは、第1の左側壁部7Cと第2の左側壁部7Dを連結している。
図4に示すように、第3の側壁部7Eは、仕切壁部7Fと連結壁部7Gから構成されている。仕切壁部7Fは、第1の左側壁部7Cからディファレンシャル装置17の軸線方向と直交する方向に延びている。
仕切壁部7Fには後進軸15の左端部が玉軸受26Bを介して回転自在に支持されている(図4において玉軸受26Bは図示省略)。連結壁部7Gは、仕切壁部7Fからディファレンシャル装置17の軸線方向に延びており、第2の左側壁部7Dに連結されている。
ここで、後進軸15は、主入力軸11、アイドル軸12、副入力軸13およびカウンタ軸14よりも短く形成されている。このため、ディファレンシャル装置17の軸線方向において第1の左側壁部7Cと第2の左側壁部7Dの間に第3の側壁部7Eを設けることにより、レフトケース7に後進軸15を支持できる。
連結壁部7Gには開口部7aが形成されており(図5参照)、シフトアンドセレクト軸51は、変速機ケース5の外部から開口部7aを通してレフトケース7の内部に収容される。開口部7aにはシフト装置61が取付けられている。
シフト装置61は、ディファレンシャル装置17の軸線方向と直交する方向でディファレンシャル装置17と重なっており、仕切壁部7Fに対して第2の左側壁部7D側に設置されている。
すなわち、シフト装置61は、ディファレンシャル装置17の軸線方向でディファレンシャル装置17と並んで設置されている。仕切壁部7Fは、ディファレンシャル装置17の軸線方向でディファレンシャル装置17とシフト装置61とを仕切っている。
図1、図2に示すように、開口部7aは、シフトアンドセレクト軸51の軸線51Lに対して傾斜している。これにより、開口部7aの外周縁7bもシフトアンドセレクト軸51の軸線51Lに対して傾斜している。
具体的には、図1、図2に示すように、開口部7aと外周縁7bは、シフトアンドセレクト軸51の軸線51Lに対して後方から前方に向かって上方に傾斜している。
シフト装置61は、シフトケース62とシフトアンドセレクト軸51とを備えている。図6から図10に示すように、シフトケース62は、ベースプレート63とシフトケース本体64とを有する。
ベースプレート63は、シフトアンドセレクト軸51の軸線51Lに対して傾斜して延びており、開口部7aの外周縁7bに当接する傾斜面63aを有する。すなわち、ベースプレート63は、開口部7aおよび外周縁7bと平行に傾斜している。本実施例の傾斜面63aは、本発明の取付面を構成する。
図6、図8に示すように、ベースプレート63の傾斜面63aの外周縁63wにはボルト穴63iが設けられており、ボルト穴63iには図示しないボルトが挿通される。図6、図9に示すように、ベースプレート63は、傾斜面63aよりも内方に開口部63pを有する。ここで、傾斜面63aは、開口部63pを除いたベースプレート63の底面であり、傾斜面63aのうち、外周縁63wが開口部7aの外周縁7bに当接する。
図5に示すように、開口部7aの外周縁7bにはボルト溝7cが形成されており、ボルト溝7cには図示しないボルトが螺合される。
ベースプレート63は、傾斜面63aの外周縁63wが開口部7aの外周縁7bに当接された状態で、図示しないボルトがボルト穴63iを通してボルト溝7cに螺合されることにより、開口部7aを閉止するようにしてレフトケース7に取付けられる。
図10に示すように、ベースプレート63の上端部63bには貫通孔63dが設けられており、貫通孔63dは、シフトアンドセレクト軸51の軸線方向の上端部51a側を支持している。
ベースプレート63の下端部63cには下部突出部67が設けられている。下部突出部67は、ベースプレート63の傾斜面63aの下端部63cからシフトアンドセレクト軸51側に突出しており、下部突出部67の先端部にはシフトアンドセレクト軸51の軸線方向の下端部51b側を支持する貫通孔67aが形成されている。換言すれば、下部突出部67は、車両1の前方側で各軸の軸線方向と直交する方向に突出している。
シフトアンドセレクト軸51が貫通孔63d、67aに貫通された状態において、シフトアンドセレクト軸51は、ベースプレート63に対して軸線方向に移動自在、かつ、ベースプレート63に対して軸線51L周りに回転する。
すなわち、シフトアンドセレクト軸51は、シフトケース62に対して軸線方向に移動自在、かつ、シフトケース62に対して軸線51L周りに回転するように設置されている。
シフト装置61は、ベースプレートの傾斜面63a(すなわち、外周縁63w)が開口部7aの外周縁7bに当接した状態でシフトアンドセレクト軸51の一部、すなわち、シフトアンドセレクト軸51の軸線方向の中央部と下部(以下、シフトアンドセレクト軸51の軸線方向の中央部と下部を下側部分51Uという)がレフトケース7の内部に設置されている(図2参照)。
図7に示すように、シフトケース本体64は、ベースプレート63からシフトアンドセレクト軸51と反対側のレフトケース7の外部(ベースプレート63よりも後方)に膨出しており、車幅方向(左右方向)から見て三角形状に形成されている。
図7、図10に示すように、シフトケース62には筒状部65が設けられている。筒状部65は、ベースプレート63の上端部63bとシフトケース本体64の上壁64aからシフトアンドセレクト軸51の軸線方向の上方に突出している。
筒状部65にはリターンスプリング54が収容されている。シフトアンドセレクト軸51の上端部51aには、ばね受け51Bが設けられており、リターンスプリング54は、ばね受け51Bと筒状部65の底部との間に設けられている。
リターンスプリング54は、シフトアンドセレクト軸51の軸線方向を上方側に付勢している。図2、図6、図7、図8、図10に示すように、リターンスプリング54によってシフトアンドセレクト軸51が最も上方に付勢された位置がニュートラル位置である。
図1に示すように、シフトアンドセレクト軸51は、ニュートラル位置からセレクト方向S1に変速段に応じた距離だけ下方に段階的に移動し、各停止位置(後述する各シフトヨークの位置)で右周りまたは左周りのシフト方向S2に回転することにより、所定の変速段を成立させる。
図10に示すように、シフトアンドセレクト軸51にはカム部材52が固定されており、カム部材52は、シフトアンドセレクト軸51と一体で移動する。
カム部材52は、カム面52Aと、カム面52Aと反対側の面からシフトアンドセレクト軸51の軸線方向と直交する方向に突出するフィンガー部52Bと、カム面52Aと直交する面に形成されたガイド溝52C(図6参照)とを有する。
フィンガー部52Bは、いずれも図示しない1速/2速段用のシフトヨーク、3速/4速段用のシフトヨーク、5速/6速段用および後進用のシフトヨークのいずれか1つに嵌合して、シフトアンドセレクト軸51の軸線51L周りに回転することによって、これらシフトヨークをシフト方向S2に移動させる。
シフトアンドセレクト軸51にはカム部材52を覆うようにインタロックプレート53が取付けられており、インタロックプレート53は、シフトアンドセレクト軸51と一体で軸線方向に移動し、かつ、シフトアンドセレクト軸51と相対回転する。
図6に示すように、シフトアンドセレクト軸51の軸線方向と直交する方向(前方)からシフト装置61を見た場合に、インタロックプレート53は、C字状に形成されている。
図6、図10に示すように、インタロックプレート53には横方向に延びるスリット53aが形成されている。フィンガー部52Bの先端部52bは、スリット53aを通してインタロックプレート53の外方に突出することにより、4つのシフトヨークのいずれか1つに嵌合する。
このとき、シフトヨークの残り3つは、インタロックプレート53に嵌合して、フィンガー部52Bに係合しない。すなわち、シフトヨークのフィンガー部52Bと嵌合しない残り3つは、スリット53aに対してシフトアンドセレクト軸51の軸線方向にずれた位置を維持する。
シフト装置61は、シフトアンドセレクト軸51がセレクト方向S1に移動すると、フィンガー部52Bに嵌合される1つのシフトフォークを選択する。
その後、シフトアンドセレクト軸51がシフト方向S2に回転すると、カム部材52のフィンガー部52Bに嵌合した1つのシフトヨークに連結されるシフトフォークが、同期装置31から同期装置34のいずれか1つを主入力軸11の軸線方向に移動させる。これにより、シフトレンジの切換え、すなわち、変速が行われる。
カム部材52の上下面は、インタロックプレート53の上下内周面に接触しており、インタロックプレート53とカム部材52とはシフトアンドセレクト軸51の軸線方向に相対移動しない。
カム部材52の外周面に形成されたガイド溝52Cは、シフトパターンと同様の配列となる複数の溝から構成されており、ガイド溝52Cにはガイドピン55が挿入されている。
図7に示すように、ベースプレート63の上端部63bと下端部63cの間には中間突出部66が設けられている。中間突出部66は、シフトケース本体64の後壁64bからシフトアンドセレクト軸51側に突出するとともに、傾斜面63aからシフトアンドセレクト軸51側に突出している。
図6に示すように、シフトケース本体64の後壁64bからシフトアンドセレクト軸51側に突出する中間突出部66の部位を第1の中間突出部66Aといい、傾斜面63aからシフトアンドセレクト軸51側に突出する中間突出部66の部位を第2の中間突出部66Bという。
図7に示すように、ガイドピン55は、中間突出部66の突出方向の先端部に取付けられており、傾斜面63aに対してシフトアンドセレクト軸51側に設置されている。ガイドピン55は、軸線方向がシフトアンドセレクト軸51の軸線51Lに対して直交するように設置されており、ガイド溝52Cに挿入されている。
ガイドピン55は、シフトアンドセレクト軸51がセレクト方向S1に移動するとともに、シフト方向S2に回転するのに伴ってガイド溝52Cがガイドピン55に沿って移動し、シフト終了後(変速終了後)にガイドピン55がガイド溝52Cの壁面に当接する。
これにより、シフトアンドセレクト軸51のセレクト方向S1およびシフト方向S2への移動量が規制されて、シフトアンドセレクト軸51がセレクト方向S1およびシフト方向S2にがたつくことや、不要に移動することが防止される。
ニュートラル状態において、シフトアンドセレクト軸51は、リターンスプリング54によって上方に付勢されている。このとき、ガイドピン55がガイド溝52Cの底面に当接している。これにより、シフトアンドセレクト軸51がニュートラル位置よりも上方に移動することが規制される。
中間突出部66に対向するインタロックプレート53の壁部には上下方向(シフトアンドセレクト軸51の軸線方向)に切り欠かれた切り欠き53bが形成されており(図7、図9参照)、ガイドピン55は、切り欠き53bを通してガイド溝52Cに挿入されている。
切り欠き53bの幅は、ガイドピン55の直径よりも僅かに大きい幅に形成されており、インタロックプレート53がシフトアンドセレクト軸51の軸線51L周りに回転しようとすると、切り欠き53bがガイドピン55に当接する。これにより、インタロックプレート53の回転が規制される。
また、シフトアンドセレクト軸51が軸線方向に移動するときに、インタロックプレート53は、切り欠き53bがガイドピン55に沿って移動することにより、ガイドピン55によって案内される。つまり、切り欠き53bによってインタロックプレート53はシフトアンドセレクト軸51の軸線方向に移動し、軸線51L周りの回転が規制される。
図10に示すように、シフトアンドセレクト軸51の軸線方向と直交する方向において、カム部材52のカム面52Aと対向するシフトケース本体64には筒状のボス部64Aが設けられている。
ボス部64Aにはディテント部材56が取付けられている。ディテント部材56は、シフトケース本体64の車幅方向の中央部付近に設置されており(図8参照)、傾斜面63aに対してシフトアンドセレクト軸51と反対側に設置されている。
ディテント部材56は、ボス部64Aに取付けられた筒状体56Aと、筒状体56Aに収容された可動体56Bと、筒状体56Aに収容され、可動体56Bをカム面52Aに押圧するコイルスプリング56Cとを有する。
ディテント部材56は、カム部材52がセレクト方向S1およびシフト方向S2に移動するときに、コイルスプリング56Cによってカム面52Aに押し付け力を作用させることによって、シフトアンドセレクト軸51がセレクト方向S1およびシフト方向S2に移動するときの操作力を付与する。
図10に示すように、シフトケース本体64の内部にはブリーザプレート68が設けられている。ブリーザプレート68は、プレート本体68A、下側突出部68Bおよび上側突出部68Cを有する。
プレート本体68Aは、シフトケース本体64の上壁64aから下部突出部67まで延びており、開口部63pを覆っている。ここで、ベースプレート63の開口部63pがシフトケース本体64の開口部である。プレート本体68Aは、ボルト10B(図4参照)によってシフトケース本体64に締結されている。
下側突出部68Bと上側突出部68Cは、ボス部64Aを挟んで上下方向に対向しており、プレート本体68Aからシフトケース本体64の後壁64bに向かって突出している。下側突出部68Bと上側突出部68Cの突出方向の先端部とシフトケース本体64の後壁64bとの間には僅かな隙間が形成されている。
プレート本体68Aは、前後方向でシフトケース本体64の後壁64bとシフトアンドセレクト軸51の間に設置されている。すなわち、ブリーザプレート68は、シフトアンドセレクト軸51(ギヤ室21側)よりもシフトケース本体64の後壁64b側に設置されている。
シフトケース本体64の内部にはプレート本体68Aと、シフトケース本体64の上壁64aと、後壁64bと、左側壁64c(図7、図8参照)と、右側壁64d(図8参照)とによって囲まれる主ブリーザ室69が形成されている。
ブリーザプレート68とシフトケース本体64の間には隙間が形成されており、主ブリーザ室69は、隙間を通してギヤ室21に連通している。
シフトアンドセレクト軸51、カム部材52およびインタロックプレート53は、ブリーザプレート68よりも変速機ケース5の内部側(ギヤ室21側)に設置されている。
換言すれば、ブリーザプレート68は、シフトアンドセレクト軸51、カム部材52およびインタロックプレート53とシフトケース本体64の後壁64bとの間に設置されている。
図7、図10に示すように、シフトケース本体64の後壁64bの上部には膨出部70が設けられている。膨出部70は、シフトケース本体64からシフトアンドセレクト軸51と反対側のレフトケース7の外部(シフトケース本体64よりも後方)に膨出している。
図8に示すように、膨出部70は、ディテント部材56の上方に位置しており、ディテント部材56と膨出部70は、上下方向に並んで設置されている。すなわち、膨出部70は、車幅方向でシフトケース本体64の左側壁64cと右側壁64dの間に形成されている。また、膨出部70は、上側突出部68Cよりも高い位置に設置されている。
図10に示すように、膨出部70の内部には副ブリーザ室70Aが形成されており、副ブリーザ室70Aは、上側突出部68Cよりも高い位置において主ブリーザ室69に連通している。副ブリーザ室70Aは、主ブリーザ室69よりも容積が小さく形成されている。
膨出部70の上壁70bにはブリーザ孔70aが形成されており、ブリーザ孔70aは、副ブリーザ室70Aと変速機ケース5の外部とを連通している。本実施例のブリーザ孔70aは、本発明のブリーザ通路を構成する。
膨出部70にはブリーザホース72が取付けられている。図8に示すように、ブリーザホース72は、膨出部70から左方に延びた後、操作レバー51Aと同じ高さ位置まで上方に延びている。
ブリーザホース72は、変速機ケース5の内部、すなわち、ギヤ室21の圧力が低いときには、変速機ケース5の外部から副ブリーザ室70Aおよび主ブリーザ室69を通して外部から外気を取り入れる。
一方、ブリーザホース72は、ギヤ室21の圧力が高くなると、主ブリーザ室69および副ブリーザ室70Aと変速機ケース5の外部とを連通して、主ブリーザ室69から圧力を逃がす。
変速機ケース5の底部には潤滑用のオイルOが貯留されている(図1参照)。ファイナルドリブンギヤ17Aの下部は、オイルに浸かっており、ファイナルドリブンギヤ17Aは、オイルを掻き上げる。
ファイナルドリブンギヤ17Aの前方において主入力軸11よりも高い位置には図示しないオイルガターが設置されており、ファイナルドリブンギヤ17Aによって掻き上げられたオイルは、オイルガターに供給される。
オイルガターは、ファイナルドリブンギヤ17Aから供給されたオイルをギヤ室21に収容されたギヤの噛み合い部や同期装置31から同期装置34等の潤滑部位に供給する。
図10に示すように、シフト装置61を車幅方向から見た場合に、下部突出部67は、ベースプレート63の上端部63bからシフトアンドセレクト軸51の軸線方向に延ばした仮想直線L1と、ベースプレート63の下端部63cからシフトアンドセレクト軸51の軸線方向と直交する方向に延ばした仮想直線L2と、ベースプレート63によって囲まれた三角形の領域73内に設置されている。
また、シフトアンドセレクト軸51がニュートラル位置にある場合には、シフトアンドセレクト軸51の下端部51bは、三角形の領域73内に設置されている。すなわち、シフトアンドセレクト軸51の下端部51bは、ベースプレート63の上端部63bと下端部63cとの間に位置している。
これにより、シフトアンドセレクト軸51を、開口部7aを通してレフトケース7に収容するときに、シフトアンドセレクト軸51の下側部分51Uが開口部7aに引っ掛かることを防止できる。このため、変速機ケース5に対するシフト装置61の取付作業の作業性を向上できる。
次に、本実施例の変速機4の効果を説明する。
本実施例の変速機4は、変速機ケース5と、シフトケース62およびシフトケース62に取付けられ、シフトレンジの切換えを行うシフトアンドセレクト軸51を有するシフト装置61を備えている。
変速機ケース5は、ディファレンシャル装置17を回転自在に支持する第1の左側壁部7Cと、第1の左側壁部7Cに対してディファレンシャル装置17と反対側に位置し、かつ、第1の左側壁部7Cに対してディファレンシャル装置17の軸線方向に離れた位置に設けられ、各軸を回転自在に支持する第2の左側壁部7Dとを有する。
また、変速機ケース5は、シフトアンドセレクト軸51をレフトケース7に収容する開口部7aを有し、第1の左側壁部7Cと第2の左側壁部7Dを連結する第3の側壁部7Eを備えている。
シフト装置61は、ディファレンシャル装置17の軸線方向と直交する方向でディファレンシャル装置17と重なるように開口部7aに取付けられている。
シフトケース62の内部には主ブリーザ室69が形成されており、シフトケース62には主ブリーザ室69と変速機ケース5の外部とを連通するブリーザ孔70aが形成されている。
これにより、ファイナルドリブンギヤ17Aによって掻き上げられ、前方に飛散されるオイルO1(図4参照)の方向に、ブリーザ孔70aを有するシフト装置61が設置されないようにできる。このため、オイルO1がブリーザ孔70aに到達することを困難にできる。
これに加えて、ディファレンシャル装置17とシフト装置61の間に第1の左側壁部7Cが設置されているので、図4に示すように、ファイナルドリブンギヤ17Aによって掻き上げられたオイルO1を第1の左側壁部7Cによって遮ることができ、オイルがブリーザ孔70aに到達することをより一層困難にできる。
この結果、オイルがブリーザ孔70aから変速機ケース5の外部に漏出することを抑制でき、ブリーザ孔70aから空気Aiのみを排出できる(図10参照)。
また、本実施例の変速機4によれば、第3の側壁部7Eは、第1の左側壁部7Cからディファレンシャル装置17の軸線方向と直交する方向に延び、ディファレンシャル装置17の軸線方向でディファレンシャル装置17とシフト装置61とを仕切る仕切壁部7Fを有する。
さらに、第3の側壁部7Eは、仕切壁部7Fからディファレンシャル装置17の軸線方向に延びて第2の左側壁部7Dに連結され、開口部7aを有する連結壁部7Gを有する。
これにより、第1の左側壁部7Cに加えて、仕切壁部7Fによってディファレンシャル装置17の軸線方向でディファレンシャル装置17とシフト装置61とを仕切ることができる。
このため、ファイナルドリブンギヤ17Aによって掻き上げられたオイルO1を仕切壁部7Fによって遮ることができ、オイルがブリーザ孔70aに到達することをより一層困難にできる。
この結果、オイルがブリーザ孔70aから変速機ケース5の外部に漏出することをより効果的に抑制できる。
また、本実施例の変速機4は、シフトケース62は、開口部7aの外周縁7bに当接する傾斜面63aを有するベースプレート63と、ベースプレート63からシフトアンドセレクト軸51と反対側のレフトケース7の外部に膨出するシフトケース本体64とを有する。
また、変速機4は、シフトケース本体64からシフトアンドセレクト軸51と反対側のレフトケース7の外部に膨出する膨出部70とを備えており、ブリーザ孔70aが膨出部70の上壁70bに形成されている。
これにより、膨出部70をレフトケース7の開口部7aから後方に離すことができ、オイルがブリーザ孔70aに到達することをより一層困難にできる。このため、オイルがブリーザ孔70aから変速機ケース5の外部に漏出することをより効果的に抑制できる。
また、本実施例のシフト装置61は、主ブリーザ室69と、主ブリーザ室69に連通し、主ブリーザ室69よりも容積が小さい副ブリーザ室70Aとを有する。
シフトケース本体64の内部にブリーザプレート68が設けられている。これに加えて、ブリーザプレート68とシフトケース本体64の上壁64a、後壁64b、左側壁64cおよび右側壁64dとの間には主ブリーザ室69が形成されており、膨出部70の内部には副ブリーザ室70Aが形成されている。
ここで、オイルガターからカウンタギヤ14C、14D等に供給されるオイルは、カウンタギヤ14C、14Dに攪拌されて開口部7aを通してシフトケース本体64の内部に侵入するおそれがあるが、シフトケース本体64に侵入したオイルはブリーザプレート68に衝突して空気から分離される。
具体的には、図10に示すように、カウンタギヤ14C、14D等によって攪拌されたオイルO2は、オイルO3に示すように、ブリーザプレート68のプレート本体68Aに衝突し、空気から分離される。
また、主ブリーザ室69にオイルO4が侵入した場合には、オイルO4は、下側突出部68Bおよび上側突出部68Cに衝突して空気から分離される。
そして、副ブリーザ室70Aは、シフトケース本体64からシフトアンドセレクト軸51と反対側のレフトケース7の外部に膨出しており、レフトケース7の開口部7aから最も遠くに位置している。
これにより、オイルが副ブリーザ室70Aに到達することをより一層困難にでき、ブリーザ孔70aから外部に漏出することを抑制できる。このため、変速機ケース5の内部で飛散されるオイルがブリーザ孔70aから外部に漏出することをより効果的に抑制できる。
また、ブリーザホース72は、膨出部70から左方に延びた後、操作レバー51Aと同じ高さ位置まで上方に延びている。このため、ブリーザ孔70aから上端までのブリーザホース72の距離を長くでき、副ブリーザ室70Aからブリーザホース72を通してオイルが漏出することを効果的に抑制できる。
また、本実施例の変速機4によれば、シフトアンドセレクト軸51は、シフトアンドセレクト軸51に固定され、複数のシフトヨークに選択的に嵌合可能なフィンガー部52Bを有するカム部材52を備えている。
また、インタロックプレート53は、カム部材52を挟み込むようにシフトアンドセレクト軸51に取付けられるとともに、フィンガー部52Bの先端部52bを突出させるスリット53aを有し、シフトアンドセレクト軸51と一体で軸線方向に移動し、かつ、シフトアンドセレクト軸51と相対回転するインタロックプレート53を有する。
これに加えて、シフトアンドセレクト軸51、カム部材52およびインタロックプレート53は、ブリーザプレート68よりもレフトケース7の内部側に設置されている。
これにより、変速機ケース5の内部で飛散されるオイルがブリーザプレート68に衝突する前に、オイルO5で示すようにシフトアンドセレクト軸51、中間突出部66、下部突出部67およびインタロックプレート53に衝突させることができ、空気からオイルをより効果的に分離できる。
また、図9に示すように、シフト装置61を下方から見た場合に、下部突出部67は、ベースプレート63の下端部63c側からベースプレート63の上端部63b側まで延びており、下側突出部68Bを下方から覆っている。
下部突出部67には補強片67Aが設けられている。補強片67Aは、下部突出部67とベースプレート63の傾斜面63aを連結しており、下側突出部68Bを下方から覆っている。
これにより、変速機ケース5の内部で飛散されるオイルO6(図10参照)がブリーザプレート68に衝突する前に、下部突出部67と補強片67Aに衝突させて空気から分離できる。
このため、オイルがブリーザ孔70aに到達することをより一層困難にでき、オイルがブリーザ孔70aから変速機ケース5の外部に漏出することをより効果的に抑制できる。なお、本実施例のブリーザ通路は、ブリーザ孔70aから構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、シフトケース本体64の後壁64bに沿って所定方向に延びる通路から構成されてもよい。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、4...変速機(車両用変速機)、5...変速機ケース、7a...開口部、7b...外周縁(開口部の外周縁)、7C...第1の左側壁部(第1の側壁部)、7D...第2の左側壁部(第2の側壁部)、7E...第3の側壁部、7F...仕切壁部、7G...連結壁部、11...主入力軸(回転軸)、11A,11B,11C,11D...入力ギヤ(ギヤ)、12...アイドル軸(回転軸)、12A,12B...アイドルギヤ(ギヤ)、12C...リダクションドライブギヤ(ギヤ)、13...副入力軸(回転軸)、13A...リダクションドリブンギヤ(ギヤ)、13B...リダクションドライブギヤ(ギヤ)、14...カウンタ軸(回転軸)、14A,14B,14C,14D...カウンタギヤ(ギヤ)、14E...リダクションドリブンギヤ(ギヤ)、14F...ファイナルドライブギヤ(ギヤ)、17...ディファレンシャル装置、17A...ファイナルドリブンギヤ、17L...軸線(ディファレンシャル装置17の軸線)、51...シフトアンドセレクト軸、52...カム部材、52B...フィンガー部、52b...先端部(フィンガー部の先端部)、53...インタロックプレート、61...シフト装置、62...シフトケース、63...ベースプレート、63a...傾斜面(取付面)、64...シフトケース本体、64a...上壁(シフトケース本体の壁部)、64b...後壁(シフトケース本体の壁部)、64c...左側壁(シフトケース本体の壁部)、64d...右側壁(シフトケース本体の壁部)、68...ブリーザプレート、69...主ブリーザ室、70...膨出部、70A...副ブリーザ室、70a...ブリーザ孔(ブリーザ通路)

Claims (5)

  1. 底部にオイルが貯留される変速機ケースと、
    前記変速機ケースに収容され、それぞれギヤを有する複数の回転軸と、
    前記変速機ケースに収容され、前記オイルを掻き上げるファイナルドリブンギヤを有するディファレンシャル装置と、
    シフトケースおよび前記シフトケースに取付けられ、シフトレンジの切換えを行うシフトアンドセレクト軸を有するシフト装置とを備えた車両用変速機であって、
    前記変速機ケースは、
    前記ディファレンシャル装置を回転自在に支持する第1の側壁部と、
    前記第1の側壁部に対して前記ディファレンシャル装置と反対側に位置し、かつ、前記第1の側壁部に対して前記ディファレンシャル装置の軸線方向に離れた位置に設けられ、前記回転軸を回転自在に支持する第2の側壁部と、
    前記シフトアンドセレクト軸を前記変速機ケースに収容する開口部を有し、前記第1の側壁部と前記第2の側壁部を連結する第3の側壁部とを備えており、
    前記シフト装置は、前記ディファレンシャル装置の軸線方向と直交する方向で前記ディファレンシャル装置と重なるように前記開口部に取付けられており、
    前記シフトケースの内部にブリーザ室が形成されており、
    前記シフトケースに、前記ブリーザ室と前記変速機ケースの外部とを連通するブリーザ通路が形成されていることを特徴とする車両用変速機。
  2. 前記第3の側壁部は、
    前記第1の側壁部から前記ディファレンシャル装置の軸線方向と直交する方向に延び、前記ディファレンシャル装置の軸線方向で前記ディファレンシャル装置と前記シフト装置とを仕切る仕切壁部と、
    前記仕切壁部から前記ディファレンシャル装置の軸線方向に延びて前記第2の側壁部に連結され、前記開口部を有する連結壁部とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。
  3. 前記シフトケースは、前記開口部の外周縁に当接する取付面を有するベースプレートと、前記ベースプレートから前記シフトアンドセレクト軸と反対側の前記変速機ケースの外部に膨出するシフトケース本体と、前記シフトケース本体から前記シフトアンドセレクト軸と反対側の前記変速機ケースの外部に膨出する膨出部とを備えており、
    前記ブリーザ通路が、前記膨出部に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
  4. 前記ブリーザ室は、主ブリーザ室と、前記主ブリーザ室に連通し、前記主ブリーザ室よりも容積が小さい副ブリーザ室とを有し、
    前記シフトケース本体の内部にブリーザプレートが設けられており、
    前記ブリーザプレートと前記シフトケース本体の壁部との間に前記主ブリーザ室が形成されており、
    前記膨出部の内部に前記副ブリーザ室が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用変速機。
  5. 前記シフトアンドセレクト軸は、
    前記シフトアンドセレクト軸に固定され、複数のシフトヨークに選択的に嵌合可能なフィンガー部を有するカム部材と、
    前記カム部材を挟み込むように前記シフトアンドセレクト軸に取付けられるとともに、前記フィンガー部の先端部を突出させるスリットを有し、前記シフトアンドセレクト軸と一体で軸線方向に移動し、かつ、前記シフトアンドセレクト軸と相対回転するインタロックプレートとを備えており、
    前記シフトアンドセレクト軸、前記カム部材および前記インタロックプレートは、前記ブリーザプレートよりも前記変速機ケースの内部側に設置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用変速機。
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