JP2021109736A - 粘着層除去装置、粘着層除去方法、および、インクジェット記録装置の粘着層除去装置 - Google Patents

粘着層除去装置、粘着層除去方法、および、インクジェット記録装置の粘着層除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ベルトから効率良く粘着層を取り除くことができる粘着層除去装置を提供する。【解決手段】粘着層除去装置20は、表面7aに粘着層が形成された無端状のベルト7を周回移動させるベルト駆動部2と、ベルト7の表面7aに粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部22と、溶剤塗布部22によって塗布された溶剤の浸透による粘着層の膨潤を促進させる膨潤促進部24と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、粘着層除去装置、粘着層除去方法、および、インクジェット記録装置の粘着層除去装置に関する。
インクジェット記録装置の中には、記録媒体として布帛を搬送し、この布帛にインクを付着させて装飾を施す、インクジェット捺染装置と呼ばれるものがある。この種のインクジェット記録装置は、表面に粘着層が形成された無端状のベルトを周回移動させるベルト駆動部を備えている。ベルト駆動部は、ベルトの表面に粘着層によって布帛を密着させ、ベルトの周回移動によって布帛を搬送する。ベルトの表面には、地張り剤と呼ばれる粘着剤を用いて粘着層が形成される。
ベルト駆動部によって布帛の搬送を繰り返すと、ベルト表面の粘着層の粘着力が徐々に低下する。このため、ベルトの粘着層を形成し直す、粘着層の再生工程を定期的に実施する必要がある。粘着層の再生工程では、古い粘着層をベルトから取り除いた後、新たな粘着層をベルトに形成する。
特許文献1には、無端状のベルトを有する搬送部と、ベルトに粘着剤を塗布する粘着剤塗布部と、ベルトから粘着剤を除去する粘着剤除去部とを備えるインクジェット印刷装置に関する発明が記載されている。特許文献1に記載の発明では、粘着剤除去部に溶剤塗布ローラが設けられ、この溶剤塗布ローラによってベルトに溶剤を塗布して粘着剤を溶解させる構成となっている。
特開2017−65100号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、溶剤塗布ローラによってベルトに溶剤を塗布するだけでは粘着層に溶剤が充分に染み込まず、粘着層を溶解させるのに長い時間がかかるという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、ベルトから効率良く粘着層を取り除くことができる粘着層除去装置、粘着層除去方法、および、インクジェット記録装置の粘着層除去装置を提供することにある。
本発明の粘着層除去装置は、粘着層が形成された無端状のベルトの表面に、粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部と、溶剤の浸透による粘着層の膨潤を促進させる膨潤促進部と、を備える。
また、本発明の粘着層除去方法は、粘着層が形成された無端状のベルトの表面に、粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する工程と、溶剤の浸透による粘着層の膨潤を促進させる工程と、を含む。
また、本発明は、粘着層が形成された無端状のベルトを周回移動させるベルト駆動部を有するインクジェット記録装置の粘着剤除去装置であって、ベルトの表面に粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部と、溶剤の浸透による粘着層の膨潤を促進させる膨潤促進部と、を備える。
本発明によれば、ベルトから効率良く粘着層を取り除くことができる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の構成例を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 図2に示す粘着層除去装置をA方向から見た図である。 本発明の第1実施形態に係る粘着層除去方法を示す工程図である。 本発明の第2実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る粘着層除去装置の一部を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る粘着層除去装置の変形例を示す概略斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る粘着層除去装置の変形例を示す概略斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 図12に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。 本発明の第6実施形態に係る粘着層除去装置の応用例としてブラシの断面構造を含む模式図である。 本発明の第7実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 図15に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。 複数のカップブラシの配置状態を示す概略平面図である。 カップブラシの回転方向の設定例を説明する概略平面図(その1)である。 カップブラシの回転方向の設定例を説明する概略平面図(その2)である。 カップブラシの回転方向の設定例を説明する概略平面図(その3)である。 本発明の第8実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 図21に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。 ブラシ毛の傾斜角度を説明する模式図である。 本発明の第8実施形態に係る粘着層除去装置の変形例を示す概略斜視図である。 図24に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。 本発明の第9実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 図26に示す粘着層除去装置の一部を駆動ローラの中心軸方向から見た概略図である。 本発明の第10実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。 図28に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。 図28に示す粘着層除去装置の一部を駆動ローラの中心軸方向から見た概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
<インクジェット記録装置>
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の構成例を示す概略斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、ベルト駆動部2と、複数のキャリッジ3a,3b,3c,3d,3e,3fと、第1ガイドローラ5と、第2ガイドローラ6と、を備えている。
ベルト駆動部2は、無端状のベルト7と、このベルト7を支持する一対のローラ8,9と、押し付けローラ10と、蛇行抑制ローラ12(図2参照)を有している。一対のローラ8,9のうち、一方のローラ8は駆動ローラ、他方のローラ9は従動ローラである。駆動ローラ8と従動ローラ9とは、互いに平行に配置されている。また、駆動ローラ8と従動ローラ9とは、いずれも水平に配置されている。駆動ローラ8は、図示しないモータの駆動にしたがって回転する。
ベルト7は、駆動ローラ8と従動ローラ9とに巻き掛けられている。ベルト7は、駆動ローラ8の回転にしたがってY方向に周回移動する。従動ローラ9は、ベルト7の移動にしたがって回転する。ベルト7は、駆動ローラ8と従動ローラ9との間で、記録媒体11をY方向に搬送する。記録媒体11は、被搬送物の一例としてインクジェット記録装置1にセットされる。駆動ローラ8は、記録媒体11の搬送方向Yの上流側に配置され、従動ローラ9は、搬送方向Yの下流側に配置されている。記録媒体11は、たとえば、布帛、ロール紙などである。記録媒体11として布帛を取り扱うインクジェット記録装置1は、インクジェット捺染装置とも呼ばれる。
押し付けローラ10は、第1ガイドローラ5を経由して送り出される記録媒体11をベルト7の表面に押し付けるものである。ベルト7の表面には、記録媒体11をベルト7の表面に密着させるための粘着層(図示せず)が形成されている。粘着層は、地張り剤と呼ばれる粘着剤をベルト7の表面に塗布することにより形成されるものである。粘着剤としては、粘着性の樹脂、たとえば、水溶性樹脂、感圧性樹脂、感熱性樹脂等が用いられる。押し付けローラ10は、最上流のキャリッジ3aよりも搬送方向Yの上流側に配置されている。押し付けローラ10は、従動ローラ9と平行に配置されている。また、押し付けローラ10は、記録媒体11の移動にしたがって回転するように回転自在に支持されている。
蛇行抑制ローラ12は、ベルト7の蛇行を抑制するためのローラである。蛇行抑制ローラ12は、図示しない揺動機構によって揺動することにより、ベルト7の蛇行を抑制する。ベルト7の揺動動作は、図示しない制御部によって制御される。
複数のキャリッジ3a,3b,3c,3d,3e,3fは、ベルト7の上面に対向する状態で配置されている。ベルト7の上面は、周回移動するベルト7の表面のうち、上向きに配置される面をいう。
複数のキャリッジ3a,3b,3c,3d,3e,3fは、記録媒体11の搬送方向Yの上流側から下流側に向かって順に配置されている。キャリッジ3aにはヘッドユニット13aが収容され、キャリッジ3bにはヘッドユニット13bが収容されている。また、キャリッジ3cにはヘッドユニット13cが収容され、キャリッジ3dにはヘッドユニット13dが収容されている。また、キャリッジ3eにはヘッドユニット13eが収容され、キャリッジ3fにはヘッドユニット13fが収容されている。ヘッドユニット13a〜13fは、それぞれ所定の色のインクを吐出するものである。たとえば、ヘッドユニット13aはイエローのインクを吐出し、ヘッドユニット13bはオレンジのインクを吐出し、ヘッドユニット13cはマゼンタのインクを吐出する。また、ヘッドユニット13dはシアンのインクを吐出し、ヘッドユニット13dおよびヘッドユニット13fはそれぞれブラックのインクを吐出する。
第1ガイドローラ5は、図示しない媒体送り出し部からベルト駆動部2のベルト7に向けて送り出される記録媒体11をガイドするローラである。第1ガイドローラ5は、押し付けローラ10よりも搬送方向Yの上流側に配置されている。第2ガイドローラ6は、ベルト駆動部2のベルト7によって搬送された記録媒体11を、図示しない媒体巻き取り部に向けて案内するローラである。第2ガイドローラ6は、最下流のキャリッジ3fよりも搬送方向Yの下流側に配置されている。
上記構成からなるインクジェット記録装置1においては、媒体送り出し部から第1ガイドローラ5を経て送り出された記録媒体11が、押し付けローラ10によってベルト7の表面に押し付けられる。ベルト7は、駆動ローラ8の回転によって周回移動しており、この移動中のベルト7の表面に押し付けローラ10によって記録媒体11が押し付けられることで、記録媒体11がベルト7の表面(上面)に密着した状態となる。その後、記録媒体11は、ベルト7の表面に密着したままY方向に搬送される。このとき、各々のキャリッジ3a,3b,3c,3d,3e,3fのヘッドユニット13a,13b,13c,13d,13e,13fから、それぞれ所定のタイミングでインクが吐出される。これにより、記録媒体11の記録面に画像が形成される。その後、画像形成済みの記録媒体11は第2ガイドローラ6を経て媒体巻き取り部へと送り込まれる。
<粘着層除去装置>
図2は、本発明の第1実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図であり、図3は、図2に示す粘着層除去装置をA方向から見た図である。
図2および図3に示すように、粘着層除去装置20は、ベルト7の表面7aに形成されている粘着層14(図3参照)を除去するための装置であって、上述したベルト駆動部2の他に、溶剤塗布部22と、膨潤促進部24と、を備えている。なお、図3においては、ベルト7の一部と膨潤促進部24の一部とを拡大して示している。また、図3に示すように、駆動ローラ8はR1方向に回転し、従動ローラ9はR2方向に回転し、ベルト7は駆動ローラ8の回転にしたがってy1方向およびy2方向に周回移動する構成となっている。y1方向は、駆動ローラ8の上側周面と従動ローラ9の上側周面との間の区間、すなわち上側の区間を移動するベルト7の移動方向であり、y2方向は、駆動ローラ8の下側周面と従動ローラ9の下側周面との間の区間、すなわち下側の区間を移動するベルト7の移動方向である。
まず、粘着層除去装置20の各部の構成について説明する前に、ベルト7の表面および裏面、ならびに、ベルト7の上面および下面について、図2および図3を参照して説明する。
ベルト7の表面7aは、駆動ローラ8と従動ローラ9との間にベルト7をループ状に掛け渡した場合に、ベルト7の外周側に配置される面である。一方、ベルト7の裏面7bは、ベルト7の表面7aと反対側の面であって、ベルト7の内周側に配置される面である。したがって、ベルト7の表面7aは、ベルト7の外周面と言い換えることができ、ベルト7の裏面7bは、ベルト7の内周面と言い換えることができる。ベルト7の表面7aは、鉛直方向で上向きに配置されるベルト7の上面7a−1と、鉛直方向で下向きに配置されるベルト7の下面7a−2とを含む。ベルト7の表面7aは、駆動ローラ8の上側周面と従動ローラ9の上側周面との間の区間ではベルト7の上面7a−1を形成し、駆動ローラ8の下側周面と従動ローラ9の下側周面との間の区間ではベルト7の下面7a−2を形成する。ベルト7の上面7a−1は、ベルト7の移動方向における所定の区間、具体的には駆動ローラ8の上側周面と従動ローラ9の上側周面との間の区間において、記録媒体11を搬送するためのベルト搬送面を構成する。ベルト7の裏面7bは、ベルト7の周回移動により、駆動ローラ8の外周面と従動ローラ9の外周面とに接触する面となる。
次に、粘着層除去装置20の各部の構成について以下に説明する。
(溶剤塗布部)
溶剤塗布部22は、ベルト7の上面7a−1に溶剤を塗布するものである。溶剤塗布部22は、ベルト7の表面7a全体に溶剤を塗布するために、ベルト駆動部2により周回移動するベルト7の上面7a−1に溶剤を塗布する。溶剤は、ベルト7の表面7aに形成されている粘着層14を溶解するためのものである。溶剤は、たとえば、アセトン、酢酸エチル、ソルベントナフサミネラルスピリット、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレンなどの有機溶剤、あるいは非イオン界面活性剤などである。
溶剤塗布部22は、長尺状(ライン状)に形成されている。溶剤塗布部22にはノズル部22aが形成されている。ノズル部22aは、ベルト7の上面7a−1に向けて溶剤を吐出するノズルである。ノズル部22aは、ベルト7の上面7a−1と対向するように下向きに配置されている。ノズル部22aには、溶剤塗布部22の長手方向に所定の間隔で複数のノズル孔(図示せず)が形成され、各々のノズル孔から溶剤が吐出する構造になっている。溶剤塗布部22は、記録媒体11の搬送方向Yと交差(好ましくは直交)する向きに配置されている。また、溶剤塗布部22の長手寸法は、ベルト7の全幅に渡って溶剤を塗布できるように、ベルト7の幅寸法と同等の寸法に設定されている。
(膨潤促進部)
膨潤促進部24は、溶剤塗布部22によりベルト7の上面7a−1に塗布された溶剤の浸透による粘着層14の膨潤を促進させるものである。膨潤促進部24は、シート26を有している。シート26は、ベルト7の上面7a−1を覆うように配置されるものである。シート26の上面26aは上向きに配置され、シート26の下面26bは下向きに配置される。また、シート26の下面26bは、ベルト7の表面7aに形成されている粘着層14に対向かつ接触する状態で配置される。
シート26は、ベルト7の上面7a−1全体を覆うことができるように、ベルト7の上面7a−1よりも大きなサイズで矩形に形成されている。シート26の形状は矩形に限らず、必要に応じて任意に変更可能である。シート26は、溶剤を透過可能で、かつ、保持可能なシートである。また、シート26は、耐溶剤性と吸水性とを有する。シート26の素材の具体例を挙げると、シート26は、たとえば、タオル地または綿布によって構成される。タオル地または綿布からなるシート26であれば、溶剤塗布部22によって塗布される溶剤をベルト7の上面7a−1へと透過させることができる。また、タオル地等からなるシート26を適度な厚みとすることにより、溶剤をシート26の内部に保持することができる。したがって、ベルト7の上面7a−1をシート26で覆うことにより、溶剤塗布部22によって塗布される溶剤を粘着層14に充分に浸透させることができる。
<粘着層除去方法>
次に、本発明の第1実施形態に係る粘着層除去方法について説明する。この粘着層除去方法は、上述した粘着層除去装置20を用いて行うことができる。
本第1実施形態に係る粘着層除去方法は、図4に示すように、溶剤塗布工程F1と、膨潤促進工程F2と、剥離工程F3と、を含む。
(溶剤塗布工程)
溶剤塗布工程F1は、ベルト7の上面7a−1に溶剤を塗布する工程である。溶剤塗布工程F1は、溶剤塗布部22によって行われる。溶剤塗布工程F1においては、ベルト駆動部2によりベルト7を周回移動させながら、ベルト7の上面7a−1に溶剤塗布部22のノズル部22aから溶剤を吐出させる。これにより、ベルト7の上面7a−1を含めて、ベルト7の表面7a全体に溶剤を塗布することができる。
(膨潤促進工程)
膨潤促進工程F2は、溶剤の浸透による粘着層14の膨潤を促進させる工程である。膨潤促進工程F2は、膨潤促進部24によって行われる。膨潤促進工程F2においては、溶剤塗布工程F1でベルト駆動部2によりベルト7を周回移動させると同時に、または、ベルト7の周回移動を開始してから所定の時間が経過した後に、従動ローラ9側からシート26を供給するとともに、従動ローラ9上でベルト7の上面7a−1にシート26を押し付ける。シート26の押し付けは、図示しない押し付け部材によって行うとよい。押し付け部材としては、たとえば、ローラ形状の部材を用いることができる。従動ローラ9上でベルト7の上面7a−1にシート26を押し付けると、シート26が粘着層14の粘着力によってベルト7の上面7a−1に密着する。このため、駆動ローラ8の回転にともなうベルト7の周回移動により、シート26を従動ローラ9側から駆動ローラ8側へ、すなわちY方向に搬送することができる。
これにより、ベルト7の上面7a−1をシート26によって覆うことができる。また、シート26は溶剤を透過する性質を有するため、溶剤塗布部22のノズル部22aから吐出する溶剤を、シート26を通してベルト7の上面7a−1に塗布することができる。また、溶剤塗布部22のノズル部22aから吐出する溶剤の一部はシート26内に保持される。このため、ベルト7の表面7aに形成されている粘着層14を溶剤に浸漬させた状態、またはそれに近い状態に保持することができる。したがって、粘着層14に溶剤を充分に染み込ませることができる。また、溶剤の浸透による粘着層14の膨潤を促進させることができる。また、シート26によってベルト7の上面7a−1を覆うことにより、単に溶剤塗布部22によって溶剤を塗布する場合に比べて、粘着層14を短時間で溶解させることができる。粘着層14を溶剤によって溶解させると、粘着層14は軟化してベルト7から剥離しやすい状態になる。
なお、膨潤促進工程F2において、シート26の搬送は、ベルト7の上面7a−1全体をシート26により覆った状態で一旦停止させ、その後、所定の時間が経過してから再開してもよい。また、従動ローラ9側からのシート26の供給は、1回に限らず、必要に応じて2回またはそれ以上の回数にわたって行ってもよい。
(剥離工程)
剥離工程F3は、粘着層14をベルト7から剥離させる工程である。剥離工程F3は、作業者がスキージやヘラなどの工具を使って手作業で行ってもよいし、剥離用の機械を使って自動で行ってもよい。剥離工程F3では、膨潤促進工程F2で膨潤を促進させた粘着層14をベルト7から剥離させる。また、剥離工程F3では、ベルト駆動部2によりベルト7を周回移動させながら、ベルト7の表面7aにスキージ等の先端を押し当てる。これにより、ベルト7の表面7aから粘着層14を剥離させることができる。剥離させた粘着層14は回収して廃棄する。その結果、ベルト7の表面7aを、粘着層14のない状態に戻すことができる。なお、剥離工程F3を自動で行うための装置構成については後段で説明する。また、ベルト7の表面7aから粘着層14を取り除いた後は、別工程でベルト7の表面7aに粘着剤(地張り剤)を塗布することにより、新たな粘着層14を形成することができる。その結果、粘着層14の性能(接着力など)を回復させることができる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、ベルト駆動部2により周回移動するベルト7の表面7a(本形態例ではベルト7の上面7a−1)に溶剤塗布部22によって溶剤を塗布し、この溶剤の浸透による粘着層14の膨潤を膨潤促進部24によって促進する。これにより、溶剤塗布部22によって塗布される溶剤をベルト7上の粘着層14に充分に染み込ませることができる。このため、膨潤促進部24や膨潤促進工程を設けない場合に比べて、粘着層14を短時間で溶解させることができる。また、剥離工程においては、ベルト7の表面7aから粘着層14を容易に剥離させることができる。その結果、ベルト7から効率良く粘着層14を取り除くことができる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。
本発明の第2実施形態においては、上記第1実施形態の構成(図2)と比較して、溶剤塗布部22の位置と、膨潤促進部24が有するシート260の素材とが異なる。
溶剤塗布部22は、従動ローラ9に巻き付けられたベルト7の表面7aに対向する状態で配置されている。溶剤塗布部22のノズル部22aは、ベルト7を介して従動ローラ9の外周面に対向している。溶剤塗布部22は、横向きに傾けた姿勢で配置されている。また、溶剤塗布部22は、従動ローラ9の上側周面よりも下方に配置されている。
シート260は、溶剤を透過しないか、溶剤の透過率が低くて溶剤を透過しにくい材料で構成されている。また、シート260は、耐溶剤性および柔軟性を有する素材で構成されている。具体的には、シート260は、たとえば、ステンレスなどの金属シート、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、フッ素樹脂などの樹脂シートによって構成される。金属シートや樹脂シートには、シート厚を薄くすることによって適度な柔軟性を持たせることができる。
本発明の第2実施形態に係る粘着層除去方法においては、上記図4に示す溶剤塗布工程F1および膨潤促進工程F2が以下のように行われる。
(溶剤塗布工程)
溶剤塗布工程F1においては、ベルト駆動部2によりベルト7を周回移動させながら、ベルト7の表面7aに溶剤塗布部22のノズル部22aから溶剤を吐出させる。その際、溶剤塗布部22は、従動ローラ9に巻かれているベルト7の表面7aに向けてノズル部22aから溶剤を吐出させる。これにより、ベルト7の表面7a全体に溶剤を塗布することができる。
(膨潤促進工程)
膨潤促進工程F2においては、溶剤塗布工程F1でベルト駆動部2によりベルト7を周回移動させると同時に、または、ベルト7の周回移動を開始してから所定の時間が経過した後に、従動ローラ9側からシート260を供給する。これにより、ベルト7の上面7a−1をシート260によって覆うことができる。また、シート260は溶剤を透過しない、または透過しにくい性質を有する。このため、溶剤塗布部22によってベルト7の表面7aに塗布した溶剤の気化をシート260によって抑制することができる。一般に溶剤(有機溶剤等)は気化しやすく、気化によって乾燥が進むと、粘着層14に溶剤を浸透させるのに要する溶剤の量が多くなり、充分に浸透するまでの時間も長くなる。また、溶剤が気化すると作業環境が悪化する。これに対し、溶剤の気化をシート260で抑制した場合は、溶剤の浸透による粘着層14の膨潤が促進される。このため、粘着層14に溶剤を浸透させるのに要する溶剤の量が少なくなり、充分に浸透するまでの時間も短くなる。また、溶剤の気化を抑制すれば、作業環境の悪化を抑制することができる。また、溶剤塗布部22のノズル部22aから吐出させた溶剤は、ベルト7の上面7a−1とシート260の下面との間に入り込む。このため、ベルト7の表面7aに形成されている粘着層14に溶剤を接触させ、この状態を長く維持することができる。したがって、シート260を使用しない場合に比べて、粘着層14を短時間で溶解させることができる。
また、上述のように従動ローラ9側からシート260を供給する場合は、従動ローラ9上でベルト7の上面7a−1にシート260を接触させてもよいが、好ましくは、ベルト7の上面7a−1からシート260を少し浮かせたほうがよい。ベルト7の上面7a−1からシート260を浮かせる場合は、たとえば図6に示すように、シート260の下面(一面)260bに接着等によってスペーサー25を固定した構成を採用すればよい。スペーサー25は、適度に厚みのある帯状の部材であって、ベルト7の幅方向Wにおいて、シート260の両端部に配置されている。ベルト7の幅方向Wは、ベルト7の走行方向と直交する方向である。
スペーサー25は、シート260の各々の端部に、Y方向(図5参照)に沿ってライン状に連続して配置される。また、スペーサー25は、ベルト7の表面7aに形成されている粘着層14(図3参照)に密着して配置される。このため、シート260の下面260bとベルト7の上面7a−1との間には、スペーサー25の厚み寸法に応じた隙間Gが形成される。なお、図6においては、ベルト7の幅方向でシート260の両端部だけにスペーサー25を設けているが、たとえば、シート260の撓みなどによって隙間Gが過度に狭い部分、あるいは隙間Gがゼロとなる部分が発生しないよう、必要に応じて、シート260の両端部以外の箇所にもスペーサー25を設けてもよい。
このようにシート260にスペーサー25を設けた場合は、シート260の下面260bとベルト7の上面7a−1との間に形成される隙間Gの部分に溶剤を溜めることができる。このため、溶剤による粘着層14の膨潤を、より効果的に促進することができる。また、シート260の両端部にスペーサー25を設けた場合は、ベルト7の端部で溶剤の回り込みをスペーサー25によって抑制することができる。ここで記述する溶剤の回り込みとは、溶剤塗布部22によってベルト7の表面7aに塗布された溶剤が、ベルト7の端部でベルト7の上面7a−1側から裏面7b側へと回り込むことをいう。このような溶剤の回り込みを抑制することにより、溶剤の無駄な使用を避けることができる。また、回り込んだ溶剤によってベルト駆動部2が汚れたり、周辺の作業環境が悪化したりすることを抑制することができる。
なお、シート260は、一層からなる単層構造であってもよいし、複数の層からなる多層構造であってよい。多層構造とは2層以上の積層構造を意味する。シート260の層は、典型的には層を構成する材料の違いによって分けることができるが、同じ材料からなる層でも層の構造(たとえば、粗密度など)などによって分けることもできる。
シート260を複数の層からなる多層構造とする場合、図6に示すように、シート260の下面260bは、ベルト7の表面7aに対向して配置される「第1の面」に相当し、シート260の上面260aは、第1の面とは反対面となる「第2の面」に相当する。また、シート260の下面260b側の層は「第1の層」に相当し、シート260の上面260a側の層は「第2の層」に相当する。その場合、第1の層は、溶剤を透過可能で、かつ、保持可能な層によって構成し、第2の層は、溶剤を透過しないか、溶剤の透過率が第1の層よりも低い層によって構成するとよい。具体的には、第1の層は、たとえばタオル地または綿布などの層によって構成し、第2の層は、たとえば、金属または樹脂の層によって構成する。このような多層構造のシート260を採用した場合は、ベルト7の表面7aに形成されている粘着層14を第1の層によって溶剤に浸漬させた状態またはそれに近い状態に保持しつつ、溶剤の気化を第2の層によって抑制することができる。このため、溶剤をより短い時間で溶解させることができる。また、溶剤の気化による作業環境の悪化を抑制することができる。
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。本発明の第3実施形態においては、上記第1実施形態の構成(図2)と比較して、膨潤促進部24の構成が異なる。
(膨潤促進部)
図7に示すように、膨潤促進部24は、長尺状のシート262と、このシート262を巻き出す巻き出し機構27と、シート262を巻き取る巻き取り機構28と、一対のシート押さえ部材29a,29bと、を備えている。シート262の素材は、上記第1実施形態と同様である。巻き出し機構27は、巻き出しローラ27aを用いて構成され、巻き取り機構28は、巻き取りローラ28aを用いて構成されている。巻き出しローラ27aはローラ自身の回転によってシート262を送り出し、巻き取りローラ28aはローラ自身の回転によってシート262を巻き取る。シート262は、巻き出し機構27から巻き取り機構28に向かってy3方向に搬送される。y3方向は、ベルト7の周回移動によって搬送される記録媒体11の搬送方向Y(図2参照)や、ベルト7の上面7a−1の移動方向y1(図3参照)と同じ方向である。
一対のシート押さえ部材29a,29bは、巻き出し機構27によって巻き出されるシート260をベルト7の上面7a−1に押さえ付けることにより、シート260の下面をベルト7の上面7a−1に密着させた状態に保持するものである。各々のシート押さえ部材29a,29bは、駆動ローラ8および従動ローラ9と平行に配置されている。また、シート262の搬送方向y3において、シート押さえ部材29aは従動ローラ9側に寄った位置に配置され、シート押さえ部材29bは駆動ローラ8側に寄った位置に配置されている。また、溶剤塗布部22は、シート262の搬送方向y3において、シート押さえ部材29aの下流側に配置されている。
上記構成からなる膨潤促進部24において、巻き出し機構27の巻き出しローラ27aから送り出されたシート262は、シート押さえ部材29aおよびシート押さえ部材29bを順に経由して、巻き取り機構28の巻き取りローラ28aに巻き取られる。このとき、シート262は、シート押さえ部材29aとシート押さえ部材29bとの間でベルト7の上面7a−1に密着しつつ、ベルト駆動部2によるベルト7の移動量と同じ量ずつy3方向に搬送される。また、シート押さえ部材29aの下流側では、溶剤塗布部22のノズル部22aからシート262に向けて溶剤が吐出され、この溶剤がシート262を透過してベルト7の上面7a−1に塗布される。したがって、上記第1実施形態と同様に、ベルト7の上面7a−1をシート262で覆うことにより、溶剤塗布部22によって塗布される溶剤を粘着層14に充分に浸透させることができる。また、ベルト駆動部2の駆動によって周回移動するベルト7に対し、シート262を連続的に供給することができる。このため、上述した第1実施形態および第2実施形態に比べて、シートの供給作業を効率良く行うことができる。
なお、上記第3実施形態においては、シート押さえ部材29aの下流側に溶剤塗布部22を配置しているが、本発明はこれに限らず、たとえば図8に示すように、溶剤塗布部22を従動ローラ9と対向する位置に横向きに配置してもよい。なお、図8に示す溶剤塗布部22の位置は、図5に示す溶剤塗布部22の位置と同じである。このため、シート263の構成材料や層構造は、上記第2実施形態のシート260の場合と同様である。
[第4実施形態]
図9は、本発明の第4実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。
本発明の第4実施形態においては、上記第3実施形態の構成(図7)と比較して、膨潤促進部24の構成が異なる。
(膨潤促進部)
膨潤促進部24は、長尺状のシート264と、巻き出し機構27と、巻き取り機構28とを備え、この点は上記第3実施形態と同様である。ただし、本第4実施形態では、一対のシート押さえ部材29a,29bを備えていない。また、巻き出し機構27によるシート264の巻き出し位置27b、および、巻き取り機構28によるシート264の巻き取り位置28bは、いずれも、ベルト7の上面7a−1よりも鉛直方向の下方に設定されている。シート264の巻き出し位置27bは、巻き出しローラ27aのよって回転によってシート264が巻き出される位置である。シート264の巻き取り位置28bは、巻き取りローラ28aの回転によってシート264が巻き取られる位置である。ベルト7の上面7a−1は、上述したようにベルト搬送面に相当する。
上述のようにシート264の巻き出し位置27bと巻き取り位置28bを設定することにより、巻き出し機構27から巻き取り機構28へと搬送されるシート264は、駆動ローラ8の上側周面と従動ローラ9の上側周面とを結ぶ区間で、ベルト7の上面7a−1に押し付けられる。このため、第3実施形態で必要としている一対のシート押さえ部材29a,29bを用いなくても、ベルト7の上面7a−1にシート264を密着させ、その状態でシート264をy3方向に搬送することができる。
なお、上記第4実施形態においては、駆動ローラ8の上側周面と従動ローラ9の上側周面とを結ぶ区間内に溶剤塗布部22を配置しているが、本発明はこれに限らず、たとえば図10に示すように、溶剤塗布部22を従動ローラ9と対向する位置に横向きに配置してもよい。この場合、シート265の構成材料や層構造は、上記第2実施形態のシート260の場合と同様である。
[第5実施形態]
図11は、本発明の第5実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図である。
本発明の第5実施形態においては、上記第3実施形態の構成(図7)と比較して、溶剤塗布部22の位置と、膨潤促進部24の構成が異なる。
溶剤塗布部22は、従動ローラ9に巻き付けられたベルト7の上面7a−1と対向する状態で配置されている。また、溶剤塗布部22は、従動ローラ9の直上に配置されている。溶剤塗布部22のノズル部22aは、ベルト7を介して従動ローラ9の上側周面と対向するように下向きに配置されている。
膨潤促進部24はシート266を有し、このシート266が無端状のシートによって構成されている。シート260の構成材料は、上記第1実施形態のシート26と同様の構成材料でもよいし、上記第2実施形態のシート260と同様の構成材料でもよい。また、シート266は、上記第2実施形態のシート260と同様の層構造(単層構造または多層構造)を有するものであってもよい。
膨潤促進部24は、一対のシート搬送ローラ30a,30bと、一対のシート押さえローラ32a,32bと、一対のシートガイドローラ34a,34bと、を備えている。各々のローラ30a,30b,32a,32b,34a,34bは、駆動ローラ8および従動ローラ9と平行に配置されている。
一対のシート搬送ローラ30a,30bは、無端状のシート266を搬送するためのローラである。一対のシート搬送ローラ30a,30bのうち、一方のシート搬送ローラ30bは駆動側のローラであり、他方のシート搬送ローラ30aは従動側のローラである。一対のシート押さえローラ32a,32bは、一対のシート搬送ローラ30a,30bによって搬送されるシート266をベルト7の上面7a−1に押し付ける、またはベルト7の上面7a−1に近接させるように、シート266を押さえるローラである。一対のシートガイドローラ34は、一対のシート搬送ローラ30a,30bによって搬送されるシート266の移動をガイドするローラである。一方のシートガイドローラ34aは、シート押さえローラ32aの近傍かつ上方に配置され、他方のシートガイドローラ34bは、シート押さえローラ32bの近傍かつ上方に配置されている。
上記構成からなる膨潤促進部24において、シート266は、一対のシート搬送ローラ30a,30bによって搬送される。その際、シート266は、シート搬送ローラ30a、シート押さえローラ32a、シート押さえローラ32b、シート搬送ローラ30b、シートガイドローラ34bおよびシートガイドローラ34aを順に経由して移動する。また、一対のシート搬送ローラ30a,30bおよび一対のシート押さえローラ32a,32bは、駆動ローラ8および従動ローラ9と反対方向に回転する。また、一対のシートガイドローラ34a,34bは、駆動ローラ8および従動ローラ9と同じ方向に回転する。
このため、シート266は、一対のシート押さえローラ32a,32bの間では、図11の一点鎖線の矢印で示すようにシート押さえローラ32aからシート押さえローラ32bへと向かって移動する。また、シート266は、一対のシートガイドローラ34a,34bの間では、図11の二点鎖線の矢印で示すようにシートガイドローラ34bからシートガイドローラ34aへと向かって移動する。これにより、ベルト駆動部2の駆動によって周回移動するベルト7に対し、シート266を連続的に供給することができる。また、無端状のシート266を一対のシート搬送ローラ30a,20bによって搬送するため、シート266の搬送量に関わらず、ベルト7の上面7a−1をシート266により覆った状態を維持することができる。
[第6実施形態]
図12は、本発明の第6実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図であり、図13は、図12に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。
本発明の第6実施形態においては、上記第5実施形態の構成(図11)と比較して、剥離部40を備える点が異なる。
(剥離部)
剥離部40は、ベルト7から粘着層14を剥離させる部分である。剥離部40は、ベルト7の移動方向y1において膨潤促進部24の下流側に配置され、膨潤促進部24によって膨潤を促進させた粘着層14をベルト7から剥離させる。剥離部40は、ブラシ42を用いて構成されている。ブラシ42は、ローラブラシによって構成されている。ローラブラシは、ローラ芯部と、ローラ芯部の外周面に植毛されたブラシ毛とを有するブラシである。ブラシ42は、駆動ローラ8をバックアップ部材とするように、駆動ローラ8の直上に配置されている。また、ブラシ42は、駆動ローラ8の上側周面でベルト7の表面7aに接触する状態で配置されている。
ブラシ42は、図示しないブラシ駆動部によって回転駆動される。ブラシ42の回転方向は、ベルト7の上面7a−1の移動方向y1に対して、これに逆らう方向、すなわちRa方向に設定されている。ブラシ42の回転方向Raは、駆動ローラ8の回転方向R1と同じ方向である。また、ブラシ42の植毛部分には溝部42aが形成されている。溝部42aは螺旋状に形成されている。また、溝部42aは、ブラシ42の中心軸方向の中間部から両端部に向かって螺旋状に形成されている。
上記構成からなる剥離部40を備える粘着層除去装置20では、図示しないブラシ駆動部によってブラシ42を回転させると共に、ブラシ42の毛先をベルト7の表面7aに適度な圧力で接触させる。これにより、ベルト7の表面7aから粘着層14を取り除くことができる。また、ブラシ42の回転方向をRa方向に設定することにより、ベルト7の表面7aから効率良く粘着層14を掻き取ることができる。
また、ブラシ42の植毛部分に溝部42aを形成することにより、ブラシ42の回転によって掻き取った粘着層14の細片を、溝部42aを通してブラシ42の端部へと導くことができる。粘着層14の細片は、ベルト7の表面7aから粘着層14を剥離させるときに生じる、粘着層14の屑やカスである。本実施形態では、ベルト7の幅と同等かそれよりも長いブラシ42を採用し、ベルト7の全幅にわたってブラシ42を接触させる構成を採用している。これにより、ブラシ42の端部へと導いた粘着層14の細片を、ベルト7から外れた位置に排出することができる。このため、ブラシ42の目詰まり等を抑制しながら、ブラシ42の回転によって粘着層14を取り除くことができる。よって、粘着層14の除去効率を高めることができる。また、目詰まり等によるブラシ42の性能低下を抑制することができる。
また、本実施形態においては、駆動ローラ8の直上にブラシ42を配置している。これにより、ブラシ42の毛先をベルト7の表面7aに接触させた場合に、駆動ローラ8がブラシ42の接触圧を受けながらベルト7を支持するようになる。このため、ブラシ42の接触圧をベルト7に確実に伝えることができる。また、駆動ローラ8が第1のバックアップ部材として機能するため、第1のバックアップ部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができる。
なお、上記第6実施形態においては、ブラシ42の回転方向をRa方向に設定したが、本発明はこれに限らず、ブラシ42の回転方向を、ベルト7の上面7a−1の移動方向y1に沿う方向、すなわちRa方向と反対方向に設定してもかまわない。また、ブラシ42の回転方向を所定の時間間隔で反転させる構成を採用してもよい。
また、上記第6実施形態においては、駆動ローラ8の直上にブラシ42を配置しているが、本発明はこれに限らず、駆動ローラ8の直下、または駆動ローラ8の側部にブラシ42を配置してもよい。また、ブラシ42を設ける位置については、駆動ローラ8と従動ローラ9との間にベルト7に接触する状態でブラシ42を配置すると共に、ベルト7を挟んでブラシ42の反対側に第1のバックアップ部材(図示せず)を配置してもよい。
また、上記第6実施形態においては、ブラシ42を1つだけ設けているが、本発明はこれに限らず、ベルト7の移動方向に位置をずらして複数のブラシ42を設けてもよい。
また、剥離部40は、上記第5実施形態の構成に付加する場合に限らず、第1〜第4実施形態のいずれの構成にも付加することができる。この点は、以降の実施形態についても同様である。
また、上記第6実施形態の応用例として、たとえば図14に示すような構成を採用することも可能である。図14は、ブラシの断面構造を含む模式図である。図14に示すように、ブラシ420は、ローラブラシであって、円筒状のローラ芯部421と、ローラ芯部421の外周面に植毛されたブラシ毛422とを有している。ローラ芯部421は、中空部423と、中空部423に連通する連通孔424とを有している。連通孔424は、ローラ芯部421の外周壁を貫通する状態で設けられている。図例では、1つのブラシ420に4つの連通孔424が設けられているが、連通孔424は、少なくとも1つ設けられていればよい。また、ブラシ420には吸引機構425が接続されている。吸引機構425は、中空部423および連通孔424を通してエアーを吸引するものである。このような構成を採用すれば、ブラシ420によって掻き取った粘着層14のくずを、エアーと一緒に連通孔424から中空部423へと吸い込み、吸引機構425を通してブラシ420の外部へと排出することができる。このため、ブラシ420の目詰まり等を抑制しながら、粘着層14を効率良く取り除くことができる。
[第7実施形態]
図15は、本発明の第7実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図であり、図16は、図15に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。
本発明の第7実施形態においては、上記第6実施形態の構成(図12および図13)と比較して、剥離部40の構成が異なる。
(剥離部)
剥離部40は、複数のブラシ43を用いて構成されている。各々のブラシ43は、カップブラシによって構成されている。以降の説明では、「ブラシ43」を「カップブラシ43」と記載する。図17は、複数のカップブラシ43の配置状態を示す概略平面図である。図17に示すように、複数のカップブラシ43は、ベルト7の移動方向y1と交差(好ましくは、直交)する方向に千鳥状に配置されている。また、ベルト7の移動方向y1と交差する方向で隣り合うカップブラシ43の間隔(隙間寸法)Pは、カップブラシ43の外径Dよりも小さく設定されている。カップブラシ43の外径Dは、カップブラシ43のブラシ毛によって清掃される領域の大きさで規定される。これにより、ベルト駆動部2によってベルト7を周回移動させ、その状態で複数のカップブラシ43をベルト7の表面7aに接触させた場合に、ベルト7の表面7aに対し、ベルト7の全幅にわたって複数のカップブラシ43を隙間なく接触させることができる。
また、本実施形態では、複数のカップブラシ43のうち、第1列に配置されたカップブラシ43を第1のカップブラシ43−1と定義し、第2列に配置されたカップブラシ43を第2のカップブラシ43−2と定義する。そうした場合、第1のカップブラシ43−1の回転方向と、第2のカップブラシ43−2の回転方向とは、互いに逆方向に設定されている。図17に示すように、本実施形態では、一例として、第1のカップブラシ43−1の回転方向を反時計回り方向に設定し、第2のカップブラシ43−2の回転方向を時計回り方向に設定している。図示はしないが、他の例として、第1のカップブラシ43−1の回転方向を時計回り方向に設定し、第2のカップブラシ43−2の回転方向を反時計回り方向に設定してもよい。
上記構成からなる剥離部40を備える粘着層除去装置20では、図示しないブラシ駆動部によって複数のカップブラシ43を回転させると共に、各々のカップブラシ43の毛先をベルト7の表面7aに適度な圧力で接触させることにより、ベルト7の表面7aから粘着層14を取り除くことができる。また、駆動ローラ8の直上に複数のカップブラシ43を配置することにより、各々のカップブラシ43の毛先をベルト7の表面7aに接触させた場合に、駆動ローラ8がカップブラシ43の接触圧を受けながらベルト7を支持するようになる。このため、カップブラシ43の接触圧をベルト7に確実に伝えることができる。また、駆動ローラ8が第1のバックアップ部材として機能するため、第1のバックアップ部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができる。
なお、上記第7実施形態においては、第1のカップブラシ43−1の回転方向と、第2のカップブラシ43−2の回転方向とを、互いに逆方向に設定したが、本発明はこれに限らない。すなわち、図18に示すように、第1のカップブラシ43−1の回転方向と、第2のカップブラシ43−2の回転方向とを、互いに同じ向に設定してもよい。
また、図19に示すように、ベルト7の移動方向y1と交差する方向で隣り合うカップブラシ43の回転方向を互いに逆方向に設定してもよい。また、図20に示すように、すべてのカップブラシ43の回転方向を同じ方向に設定してもよい。
また、上記第7実施形態においては、駆動ローラ8の直上に複数のカップブラシ43を配置しているが、本発明はこれに限らず、駆動ローラ8の直下、または駆動ローラ8の側部に複数のカップブラシ43を配置してもよい。また、カップブラシ43を設ける位置については、駆動ローラ8と従動ローラ9との間にベルト7に接触する状態で各々のカップブラシ43を配置すると共に、ベルト7を挟んでカップブラシ43の反対側に第1のバックアップ部材(図示せず)を配置してもよい。
また、上記第7実施形態においては、複数のカップブラシ43を千鳥状に2列(第1列および第2列)に配置したが、カップブラシ43の列数は、たとえば、1列または3列以上など、2列以外であってもよい。
[第8実施形態]
図21は、本発明の第8実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図であり、図22は、図21に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。
本発明の第8実施形態においては、上記第6実施形態の構成(図12および図13)と比較して、剥離部40の構成が異なる。
(剥離部)
剥離部40は、ベルト状のブラシであるベルトブラシ45を用いて構成されている。ベルトブラシ45は、一対のベルト支持ローラ46a,46bによってループ状に支持されている。ベルトブラシ45は、駆動ローラ8をバックアップ部材とするように、駆動ローラ8の直上に配置されている。また、ベルトブラシ45は、ベルト7の表面7aに接触する状態で配置されている。各々のベルト支持ローラ46a,46bは、駆動ローラ8と平行に配置されている。また、各々のベルト支持ローラ46a,46bのうち、たとえば、一方のベルト支持ローラ46aは駆動側のローラであり、他方のベルト支持ローラ46bは従動側のローラである。これにより、ベルトブラシ45は、一対のベルト支持ローラ46a,46bの回転にしたがってE方向(図22参照)に周回移動する。
ベルトブラシ45は、図23に示すように、無端状のベルト基材47の外周面に多数のブラシ毛48を植毛した構造になっている。ベルト基材47に対してブラシ毛48は斜めに植毛されている。ベルト7の表面7aに対するブラシ毛48の傾斜角度θ1は、好ましくは、30度以上70度以下であり、より好ましくは、40度以上60度以下である。なお、ベルトブラシ45のブラシ毛48をベルト7の表面7aに所定の圧力で接触させると、その接触圧を受けてブラシ毛48が変形するため、ブラシ毛48の傾斜角度θ1は、接触前後で変化する。このため、ベルト7の表面7aに対するブラシ毛48の傾斜角度θ1は、ブラシ毛48をベルト7に接触させる前(直前)の角度で規定されるものとする。また、ブラシ毛48の傾斜角度θ1は、ベルト7の上面7a−1の移動方向y1に対して、ブラシ毛48の毛先が移動方向y1の上流側、ブラシ毛48の根元が移動方向y1の下流側となるように傾斜する方向で規定されるものとする。
上記構成からなる剥離部40を備える粘着層除去装置20では、一対のベルト支持ローラ46a,46bの回転によってベルトブラシ45を周回移動させると共に、ブラシ毛48の毛先をベルト7の表面7aに適度な圧力で接触させることにより、ベルト7の表面7aから粘着層14を取り除くことができる。また、ブラシ毛48の傾斜角度θ1を上述した所定の角度範囲に設定することにより、ベルト7の表面7aから効率良く粘着層14を掻き取ることができる。
また、駆動ローラ8の直上にベルトブラシ45を配置することにより、ベルトブラシ45のブラシ毛48をベルト7の表面7aに接触させた場合に、駆動ローラ8がベルトブラシ45の接触圧を受けながらベルト7を支持するようになる。このため、ベルトブラシ45の接触圧をベルト7に確実に伝えることができる。また、駆動ローラ8がバックアップ部材として機能するため、バックアップ部材を別途に設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができる。
なお、上記第8実施形態においては、ベルトブラシ45の移動方向をE方向としたが、本発明はこれに限らず、ベルトブラシ45の移動方向をE方向と反対方向に設定してもかまわない。また、ベルトブラシ45の回転方向を所定の時間間隔で反転させる構成を採用してもよい。
また、上記第8実施形態においては、一対のベルト支持ローラ46a,46bを駆動ローラ8と平行に配置し、これらのベルト支持ローラ46a,46bによってベルトブラシ45をループ状に支持した構成を採用したが、本発明は限らない。たとえば、図24および図25に示すように、一対のベルト支持ローラ46a,46bをベルト7の移動方向y1と平行に配置し、これらのベルト支持ローラ46a,46bによってベルトブラシ45をループ状に支持した構成を採用してもよい。このような構成を採用した場合、ベルトブラシ45の移動方向x(図25参照)が、ベルト7の移動方向y1と交差(直交)する方向となる。
また、上記第8実施形態においては、駆動ローラ8の直上にブラシ45を配置しているが、本発明はこれに限らず、駆動ローラ8の直下、または駆動ローラ8の側部にブラシ45を配置してもよい。また、ベルトブラシ45を設ける位置については、駆動ローラ8と従動ローラ9との間にベルト7に接触する状態でベルトブラシ45を配置すると共に、ベルト7を挟んでベルトブラシ45の反対側にバックアップ部材(図示せず)を配置してもよい。
また、上記第8実施形態においては、ベルトブラシ45を1つだけ設けているが、本発明はこれに限らず、ベルト7の移動方向に位置をずらして複数のベルトブラシ45を設けてもよい。
[第9実施形態]
図26は、本発明の第9実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図であり、図27は、図26に示す粘着層除去装置の一部を駆動ローラ8の中心軸方向から見た概略図である。
本発明の第9実施形態においては、上記第6実施形態、第7実施形態および第8実施形態と比較して、剥離部40の構成が異なる。具体的には、上記第6実施形態、第7実施形態および第8実施形態では、いずれもブラシ(42、43、45、420)を用いて剥離部40を構成しているが、本第9実施形態においては、スクレーパー50を用いて剥離部40を構成している。
(スクレーパー)
スクレーパー50は、長尺の板状部材である。スクレーパー50の先端部50aは鋭角に形成されている。スクレーパー50の先端部50aの角度は、たとえば、30度以上60度以下の範囲内に設定される。スクレーパー50の長手寸法は、ベルト7の全幅にわたってスクレーパー50を接触させることができるように、ベルト7の幅寸法と同等またはそれ以上の寸法に設定される。スクレーパー50の先端部50aは、所定の角度でベルト7の表面7aに押し当てられる。
図27に示すように、ベルト7の表面7aに対するスクレーパー50の先端部50aの接触角度θ2は、ベルト7とスクレーパー50との接点を通る接線Lと、スクレーパー50の基準面50bとのなす角度で規定される。スクレーパー50の基準面50bは、スクレーパー50の先端部50aを形作る面であって、先端部50aから真っ直ぐに引き出される。基準面50bに凹凸や段差などが存在する場合は、凹凸や段差などが存在しない部分、具体的には、ベルト7の表面7aとスクレーパー50の先端部50aとが接触する局所において、接触角度θ2が規定されるものとする。
ここで、ベルト7の表面7aに対するスクレーパー50の先端部50aの接触角度θ2を下限値で規定すると、この接触角度θ2は、好ましくは、15度以上であり、より好ましくは30度以上であり、さらに好ましくは、40度以上である。また、ベルト7の表面7aに対するスクレーパー50の先端部50aの接触角度θ2を上限値で規定すると、この接触角度θ2は、好ましくは、75度以下であり、より好ましくは、60度以下であり、さらに好ましくは50度以下である。
スクレーパー50には、上述した接触角度θ2を調整する角度調整部51が接続されている。角度調整部51は、たとえば、駆動ローラ8と平行な所定の軸を中心にスクレーパー50を揺動可能に支持するものである。角度調整部51は、上記所定の軸を中心にスクレーパー50を揺動させることにより、接触角度θ2を無段階に調整可能である。角度調整部51による接触角度θ2の調整範囲は、好ましくは、0度以上90度以下の範囲であり、より好ましくは、15度以上75度以下の範囲である。
上記構成からなる剥離部40を備える粘着層除去装置20では、ベルト駆動部2によりベルト7を周回移動させながら、ベルト7の表面7aにスクレーパー50の先端部50aを適度な圧力で接触させる。本実施形態では、ベルト7を間に挟んでスクレーパー50と反対側に駆動ローラ8が配置されている。このため、駆動ローラ8は、スクレーパー50の接触圧を受けながらベルト7を支持する第2のバックアップ部材として機能する。
上述のようにベルト7の表面7aにスクレーパー50の先端部50aを接触させると、スクレーパー50による掻き取り効果によって、ベルト7の表面7aから粘着層14(図3参照)が剥がされる。これにより、ベルト7の表面7aから粘着層14を取り除くことができる。
また、ベルト7の表面7aに対するスクレーパー50の先端部50aの接触角度θ2を上述した所定の角度、すなわち15度以上75度以下の範囲に設定することにより、ベルト7の表面7aから効率良く粘着層14を掻き取ることができる。
また、スクレーパー50の先端部50aを、駆動ローラ8に巻かれているベルト7の表面7aに接触させることにより、駆動ローラ8がスクレーパー50の接触圧を受けながらベルト7を支持するようになる。このため、スクレーパー50の接触圧をベルト7に確実に伝えることができる。また、駆動ローラ8が第2のバックアップ部材として機能するため、第2のバックアップ部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができる。
なお、上記第9実施形態においては、スクレーパー50を1つだけ設けているが、本発明はこれに限らず、ベルト7の移動方向に位置をずらして複数のスクレーパー50を設けてもよい。
[第10実施形態]
図28は、本発明の第10実施形態に係る粘着層除去装置の構成例を示す概略斜視図であり、図29は、図28に示す粘着層除去装置の一部を拡大した図である。また、図30は、図28に示す粘着層除去装置の一部を駆動ローラ8の中心軸方向から見た概略図である。
本発明の第10実施形態においては、上記第9実施形態の構成(図26および図27)と比較して、剥離部40がスクレーパーを用いて構成される点は共通するが、スクレーパーの構造を含めて剥離部40の構成が異なる。
図28〜図30に示すように、スクレーパー500は中空構造になっている。スクレーパー500の先端部500aは、上述したスクレーパー50の先端部50aと同様に鋭角に形成されている。スクレーパー500の先端部500aの近傍には吸引孔500bが形成されている。吸引孔500bは、スクレーパー500の長手方向に沿ってスリット形状に開口している。スクレーパー500の長手方向は、駆動ローラ8の中心軸方向およびベルト7の幅方向と平行な方向である。
スクレーパー500の先端部500aと反対側には、複数の排出管500cが接続されている。排出管500cの個数は必要に応じて増減可能である。排出管500cは、たとえば円筒管であって、スクレーパー500の内部空間と連通する排出路を形成する。スクレーパー500には、排出管500cを介してエアー吸引部501が接続されている。ここで、上述した排出管500cおよびエアー吸引部501は、スクレーパー500で掻き取った粘着層をエアーの吸引によって排出する排出部を構成するものである。吸引孔500bのスリット幅Sw(図29参照)は、エアー吸引部501によってエアーを吸引した際に、吸引孔500bの開口部分を流れるエアーの流速を高めるために、粘着層14の細片を吸い込み可能な範囲で、できるだけ狭い幅に設定することが好ましい。吸引孔500bのスリット長さは、ベルト7の全幅と同等の寸法に設定されている。
上記構成からなる剥離部40を備える粘着層除去装置20では、ベルト駆動部2によりベルト7を周回移動させながら、ベルト7の表面7aにスクレーパー500の先端部500aを適度な圧力で接触させる。本実施形態では、ベルト7を間に挟んでスクレーパー500と反対側に駆動ローラ8が配置されている。このため、駆動ローラ8は、スクレーパー500の接触圧を受けながらベルト7を支持する第2のバックアップ部材として機能する。
上述のようにベルト7の表面7aにスクレーパー500の先端部500aを接触させると、スクレーパー500による掻き取り効果によって、ベルト7の表面7aから粘着層14(図3参照)が剥がされる。これにより、ベルト7の表面7aから粘着層14を取り除くことができる。
また、エアー吸引部501によってエアーを吸引することにより、スクレーパー50で掻き取った粘着層14の細片を、吸引孔500bから排出管500cを通してスクレーパー500の外部に排出させることができる。このため、スクレーパー50によって掻き取った粘着層14の細片が周辺に飛散せず、後処理が容易になる。
また、スクレーパー500の先端部500aを、駆動ローラ8に巻かれているベルト7の表面7aに接触させることにより、駆動ローラ8がスクレーパー500の接触圧を受けながらベルト7を支持するようになる。このため、スクレーパー500の接触圧をベルト7に確実に伝えることができる。また、駆動ローラ8が第2のバックアップ部材として機能するため、第2のバックアップ部材を別途に設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができる。
なお、本第10実施形態においては、上述した第9実施形態と同様に、ベルト7の表面7aに対するスクレーパー500の先端部500aの接触角度を調整する角度調整部を設けてもよい。ベルト7の表面7aに対するスクレーパー500の先端部500aの接触角度については、上記第9実施形態で述べたとおりである。
また、上記第10実施形態においては、スクレーパー500を1つだけ設けているが、本発明はこれに限らず、ベルト7の移動方向に位置をずらして複数のスクレーパー500を設けてもよい。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、溶剤塗布部22は、ベルト7の表面に溶剤を線状に塗布するものに限らず、ベルト7の表面に溶剤を面状に塗布するものであってもよい。また、溶剤塗布部22は、所定の位置に固定される場合に限らず、ベルト7の移動方向y1,y2(図3参照)に移動可能な構成であってもよい。この構成を採用した場合は、ベルト駆動部2によってベルト7を周回移動させなくても、ベルト7の表面7a全体に溶剤塗布部22によって溶剤を塗布することができる。
また、剥離部40は、ブラシとスクレーパーの両方を用いて構成してもよい。
また、本発明は、インクジェット記録装置1に用いられるベルト駆動部2を備える粘着層除去装置や粘着剤除去方法に限らず、表面に粘着層が形成されたベルトから粘着層を除去する粘着層除去装置および粘着層除去方法に広く適用することが可能である。
また、本発明に係る粘着層除去装置は、ベルト駆動部、溶剤塗布部、膨潤促進部および剥離部のすべてを備えるものに限らず、たとえば、各々の機能部を次のように組み合わせた構成を採用してもよい。
(1)溶剤塗布部および膨潤促進部を備える粘着層除去装置。
(2)溶剤塗布部および剥離部を備える粘着層除去装置。
(3)ベルト駆動部、溶剤塗布部および膨潤促進部を備える粘着層除去装置。
(4)ベルト駆動部および剥離部を備える粘着層除去装置。
上記(1)〜(4)に対応する本発明の好ましい態様を以下に付記する。
(付記1)
粘着層が形成されたベルトの表面に、前記粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部と、
前記溶剤の浸透による前記粘着層の膨潤を促進させる膨潤促進部と、
を備える粘着層除去装置。
(付記2)
粘着層が形成されたベルトの表面に、前記粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部と、
前記粘着層を前記ベルトから剥離させる剥離部と、
を備える粘着層除去装置。
(付記3)
表面に粘着層が形成されたベルトを周回移動させるベルト駆動部と、
前記ベルトの表面に前記粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部と、
前記粘着層を前記ベルトから剥離させる剥離部と、
を備える粘着層除去装置。
(付記4)
表面に粘着層が形成されたベルトを周回移動させるベルト駆動部と、
前記粘着層を前記ベルトから剥離させる剥離部と、
を備える粘着層除去装置。
1…インクジェット記録装置、2…ベルト駆動部、7…ベルト、7a…表面、8…駆動ローラ(第1のバックアップ部材、第2のバックアップ部材)、14…粘着層、20…粘着層除去装置、22…溶剤塗布部、24…膨潤促進部、26,260,262,263,264,265,266…シート、27…巻き出し機構、28…巻き取り機構、40…剥離部、42,420…ブラシ(ローラブラシ)、43…カップブラシ、43−1…第1のカップブラシ、43−2…第2のカップブラシ、45…ベルトブラシ、48,422…ブラシ毛、421…ローラ芯部、423…中空部、425…吸引機構、50,500…スクレーパー、500c…排出管(排出部)、501…エアー吸引部(排出部)、F1…溶剤塗布工程、F2…膨潤促進工程、F3…剥離工程、θ1…傾斜角度、θ2…接触角度

Claims (36)

  1. 粘着層が形成されたベルトの表面に、前記粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部と、
    前記溶剤の浸透による前記粘着層の膨潤を促進させる膨潤促進部と、
    を備える粘着層除去装置。
  2. 前記膨潤促進部は、前記ベルトの表面の少なくとも一部を覆うように配置されるシートを有する
    請求項1に記載の粘着層除去装置。
  3. 前記シートは、前記溶剤を透過可能で、かつ、保持可能なシートである
    請求項2に記載の粘着層除去装置。
  4. 前記シートは、吸水性を有する
    請求項3に記載の粘着層除去装置。
  5. 前記シートは、タオル地または綿布からなるシートである
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の粘着層除去装置。
  6. 前記シートは、前記溶剤の気化を抑制するシートである
    請求項2に記載の粘着層除去装置。
  7. 前記シートは、樹脂または金属からなるシートである
    請求項6に記載の粘着層除去装置。
  8. 前記ベルトの表面と該表面に対向する前記シートの一面との間に隙間を形成するスペーサーを備える
    請求項6または7に記載の粘着層除去装置。
  9. 前記シートは、前記ベルトの表面に対向して配置される第1の面と、前記第1の面とは反対面となる第2の面とを有し、前記第1の面側には第1の層が形成され、前記第2の面側には第2の層が形成され、前記第1の層は、前記溶剤を透過可能で、かつ、保持可能な層であり、前記第2の層は、前記溶剤を透過しない、または前記溶剤の透過率が前記第1の層よりも低い層である
    請求項2に記載の粘着層除去装置。
  10. 前記膨潤促進部は、前記シートを巻き出す巻き出し機構と、前記シートを巻き取る巻き取り機構とを備える
    請求項2〜9のいずれか一項に記載の粘着層除去装置。
  11. 前記シートは、無端状のシートである
    請求項10に記載の粘着層除去装置。
  12. 前記ベルトを周回移動させるベルト駆動部を備え、
    前記ベルト駆動部は、前記ベルトの移動方向における所定の区間を、被搬送物を搬送するためのベルト搬送面とし、
    前記巻き出し機構による前記シートの巻き出し位置、および、前記巻き取り機構による前記シートの巻き取り位置は、前記ベルト搬送面よりも鉛直方向の下方に設定されている
    請求項10に記載の粘着層除去装置。
  13. 前記粘着層を前記ベルトから剥離させる剥離部をさらに備える
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の粘着層除去装置。
  14. 前記剥離部は、ブラシを用いて構成されている
    請求項13に記載の粘着層除去装置。
  15. 前記ブラシは、ローラブラシによって構成されている
    請求項14に記載の粘着層除去装置。
  16. 前記ローラブラシは、ローラ芯部と、前記ローラ芯部の外周面に植毛されたブラシ毛とを有し、
    前記ローラ芯部は、中空部と、前記中空部に連通する連通孔とを有し、
    前記ローラ芯部の前記中空部および前記連通孔を通してエアーを吸引する吸引機構をさらに備える
    請求項15に記載の粘着層除去装置。
  17. 前記ブラシは、複数のカップブラシによって構成されている
    請求項14に記載の粘着層除去装置。
  18. 前記複数のカップブラシは、前記ベルトの移動方向と交差する方向に千鳥状に配置されている
    請求項17に記載の粘着層除去装置。
  19. 前記複数のカップブラシのうち、第1列に配置された第1のカップブラシの回転方向と、第2列に配置された第2のカップブラシの回転方向とが、互いに逆方向である
    請求項18に記載の粘着層除去装置。
  20. 前記複数のカップブラシのうち、第1列に配置された第1のカップブラシの回転方向と、第2列に配置された第2のカップブラシの回転方向とが、互いに同じ方向である
    請求項18に記載の粘着層除去装置。
  21. 前記複数のブラシのうち、前記ベルトの移動方向と交差する方向で隣り合うカップブラシの回転方向が互いに逆方向である
    請求項17に記載の粘着層除去装置。
  22. 前記ブラシは、ベルトブラシである
    請求項14に記載の粘着層除去装置。
  23. 前記ベルトブラシは、前記ベルトの移動方向と逆方向に移動するように駆動され、
    前記ベルトブラシの植毛方向は、前記ベルトの移動方向に対してブラシ毛の毛先が上流側、ブラシ毛の根元が下流側となるように傾斜する方向に設定されている
    請求項22に記載の粘着層除去装置。
  24. 前記ベルトの表面に対する前記ブラシ毛の傾斜角度が30度以上70以下である
    請求項23に記載の粘着層除去装置。
  25. 前記ベルトを間に挟んで前記ブラシと反対側に、前記ブラシの接触圧を受けながら前記ベルトを支持する第1のバックアップ部材が配置されている
    請求項14〜24のいずれか一項に記載の粘着層除去装置。
  26. 前記ベルトを周回移動させるベルト駆動部を備え、
    前記ベルト駆動部は、前記ベルトを支持すると共に、前記ベルトを周回移動させるローラを有し、
    前記第1のバックアップ部材は、前記ローラによって構成されている
    請求項25に記載の粘着層除去装置。
  27. 前記剥離部は、スクレーパーを用いて構成されている
    請求項23に記載の粘着層除去装置。
  28. 前記剥離部は、前記スクレーパーで掻き取った前記粘着層をエアーの吸引によって排出する排出部を有する
    請求項27に記載の粘着層除去装置。
  29. 前記剥離部は、前記ベルトの表面に対する前記スクレーパーの接触角度を調整する角度調整部を有する
    請求項27または28に記載の粘着層除去装置。
  30. 前記ベルトの表面に対する前記スクレーパーの接触角度が15度以上75度以下である
    請求項27〜29のいずれか一項に記載の粘着層除去装置。
  31. 前記ベルトを間に挟んで前記スクレーパーと反対側に、前記スクレーパーの接触圧を受けながら前記ベルトを支持する第2のバックアップ部材が配置されている
    請求項27〜30のいずれか一項に記載の粘着層除去装置。
  32. 前記ベルトを周回移動させるベルト駆動部を備え、
    前記ベルト駆動部は、前記ベルトを支持すると共に、前記ベルトを周回移動させるローラを有し、
    前記第2のバックアップ部材は、前記ローラによって構成されている
    請求項31に記載の粘着層除去装置。
  33. 粘着層が形成されたベルトの表面に、前記粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する工程と、
    前記溶剤の浸透による前記粘着層の膨潤を促進させる工程と、
    を含む粘着層除去方法。
  34. 前記粘着層を前記ベルトから剥離させる工程をさらに含む
    請求項33に記載の粘着層除去方法。
  35. 表面に粘着層が形成された無端状のベルトを周回移動させるベルト駆動部を有するインクジェット記録装置の粘着剤除去装置であって、
    前記ベルトの表面に前記粘着層を溶解させるための溶剤を塗布する溶剤塗布部と、
    前記溶剤の浸透による前記粘着層の膨潤を促進させる膨潤促進部と、
    を備えるインクジェット記録装置の粘着層除去装置。
  36. 前記粘着層を前記ベルトから剥離させる剥離部をさらに備える
    請求項35に記載のインクジェット記録装置の粘着層除去装置。
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