JP2021107378A - 害虫防除用エアゾール製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠くの位置からでもより確実に害虫、特にハチ類を防除することができるエアゾール製品を提供する。【解決手段】害虫防除成分と有機溶剤を含むエアゾール原液と、液化ガスを含む噴射剤とからなるエアゾール組成物が充填された耐圧容器、及びアクチュエータを備えた害虫防除用エアゾール製品であって、前記アクチュエータは、複数の噴射孔が設けられた端面を有するノズルを備え、当該複数の噴射孔のうち1孔が前記端面の中央に設けられており、前記エアゾール製品の10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が60〜150gに規定されていることを特徴とする害虫防除用エアゾール製品。【選択図】なし

Description

本発明は、遠くの位置からでも害虫、特にハチ類をより確実に駆除することができる害虫防除用エアゾール製品に関する。
従来から、殺虫エアゾール製品を用いて、危険な害虫や不快感を与える害虫を少しでも遠くから駆除したいという要望がある。なかでもハチ類は益虫ではあるが、人を刺傷して被害を及ぼすことから、ハチ類を防除する際には特に遠くから駆除したいという要望が強く、エアゾール製品の噴霧の飛距離を伸ばすために、種々の検討がされてきた。
例えば、殺虫原液中に炭素数12〜18の飽和炭化水素溶剤を80%以上含有し、噴射剤の20℃における蒸気圧が0.6MPa以上であり、殺虫原液/噴射剤の体積比が50/50〜70/30である長距離噴射型のエアゾール製品が開示されており、ハチ類、クモ類及びケムシ類を殺虫することができるとされている(特許文献1)。また、噴霧されるエアゾール内容物の粒子の径と拡散幅を調整することで、エアゾール内容物の粒子をより遠方に噴霧することができるエアゾール製品も知られている(特許文献2)。
しかしながら、いずれのエアゾール製品も、より遠くに噴射することが重視されているものである。一般に、遠い位置からでは薬剤を害虫の虫体に確実に命中させることが難しい。特にハチ類等は飛翔して活動するため、エアゾール製品の飛距離を単に伸ばすだけでは、遠くからハチ類等をより確実に防除する上では必ずしも十分であるとは言えない。
特開2017−178793号公報 特開2003−192504号公報
本発明は、遠くの位置からでもより確実に害虫、特にハチ類を防除することができるエアゾール製品を提供することを目的とする。
本発明者らの鋭意検討の結果、本発明は、以下の構成が上記課題を解決するために優れた防除効果を奏することを見出したものである。
(1)害虫防除成分と有機溶剤を含むエアゾール原液と、液化ガスを含む噴射剤とからなるエアゾール組成物が充填された耐圧容器、及びアクチュエータを備えた害虫防除用エアゾール製品であって、
前記アクチュエータは、複数の噴射孔が設けられた端面を有するノズルを備え、当該複数の噴射孔のうち1孔が前記端面の中央に設けられており、
前記エアゾール製品の10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が60〜150gに規定されていることを特徴とする害虫防除用エアゾール製品。
(2)前記噴射剤は、さらに圧縮ガスを含むことを特徴とする(1)に記載の害虫防除用エアゾール製品。
(3)前記圧縮ガスは、窒素ガスを含むことを特徴とする(2)に記載の害虫防除用エアゾール製品。
(4)前記ノズルの端面の形状は、回転対称体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1に記載の害虫防除用エアゾール製品。
(5)前記端面の形状は、円形状である(1)〜(4)のいずれか1に記載の害虫防除用エアゾール製品。
(6)前記複数の噴射孔は、前記端面の中央に設けられた1孔と、その外周上に配置された6孔とから構成され、7孔とも同じ大きさの直径であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1に記載の害虫防除用エアゾール製品。
(7)前記エアゾール原液と液化ガスの容量比率(エアゾール原液/液化ガス)は、30/70〜70/30であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1に記載の害虫防除用エアゾール製品。
本発明の害虫防除用エアゾール製品は、遠くの位置においても広い範囲に拡散して、エアゾール原液を噴射することができ、遠くの位置からでもより確実に害虫、特にハチ類を防除することができる為、その有用性は極めて高い。
図1は、本発明の実施例に記載の[噴射性能試験]の参考図である。
以下、本発明について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に記載される構成に限定されることを意図しない。
本発明の害虫防除用エアゾール製品においては、エアゾール原液中に害虫防除成分を含む。害虫防除成分としては、特に限定されないが、ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を含むことが好ましい。ここで、ピレスロイド系殺虫成分としては、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、レスメトリン、フタルスリン、トラロメトリン、ビフェントリン、イミプロトリン、シペルメトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、エムペントリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、テラレスリン、アレスリン、プラレトリン、ピレトリン及びモンフルオロトリン等を例示できるが、ハチに対する防除効果を考慮すると、シフルトリン、フタルスリン、トラロメトリン、ビフェントリン、エトフェンプロックス、プラレトリン、レスメトリン、またはモンフルオロトリンが好ましく、シフルトリン、フタルスリン、またはプラレトリンが特に好ましい。
これら害虫防除成分の配合量は、特に限定されないが、エアゾール原液中に0.01〜3.0w/v%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0w/v%が適当である。尚、ピレスロイド系殺虫成分の酸成分やアルコール部分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、これらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることは勿論である。
さらに、上記したピレスロイド系殺虫成分に代えて、もしくは上記したピレスロイド系殺虫成分に加えて、他の害虫防除成分を配合することが出来る。例えば、ジノテフラン、クロチアニジン、イミダクロプリド等のネオニコチノイド系殺虫成分、フェニトロチオン等の有機リン系殺虫成分、プロポクスル等のカーバメート系殺虫成分、ベンジルアルコール等のベンジルアルコール誘導体系殺虫成分、メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系殺虫成分、ブロフラニリド等のメタジアミド系殺虫成分、フルキサメタミド等のイソオキサゾリン系殺虫成分、フィプロニル等のフェニルピラゾール系殺虫成分、フルベンジアミド、あるいはクロラントラニリプロール等のジアミド系殺虫成分等を例示できるが、これらに限定されない。
本発明の害虫防除用エアゾール製品においては、エアゾール原液中の有機溶剤としては特に限定されないが、炭素数12〜14主体のノルマルパラフィン系炭化水素(製品名:ネオチオゾール、アイソゾール、DA−1等)、炭素数14〜16主体のイソパラフィン系炭化水素(製品名:IPソルベント2028等)、炭素数10〜12主体のイソパラフィン系炭化水素(製品名:IPソルベント1620等)、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール系溶剤、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチル酸オクチル等の脂肪酸エステル系溶剤及びトリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。なかでも、ノルマルパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素及び脂肪酸エステル系溶剤が好適である。これらの有機溶剤は単独で用いても良く、また、2種以上の混合物として用いても良い。
本発明で用いるエアゾール原液は、更に水を配合して水性エアゾール剤としてもよく、この場合、必要に応じて適宜、界面活性剤もしくは可溶化剤が添加される。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類等のエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、脂肪酸のポリアルカロールアミド等の非イオン系界面活性剤や、例えば、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼン硫酸塩等のアニオン系界面活性剤等が挙げられる。
エアゾール原液には、更に、殺ダニ剤、カビ類、菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤、あるいは、安定剤、消臭剤、帯電防止剤、消泡剤、香料(害虫忌避香料を含む)、賦形剤等を適宜配合してももちろん構わない。殺ダニ剤としては、5−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル、サリチル酸フェニル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート等があり、一方、防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール等を例示できる。
本発明の害虫防除用エアゾール製品は、噴射剤としては液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、ハイドロフルオロオレフィン等の液化ガスを含む。噴射距離を伸ばし、広い範囲に拡散してエアゾール原液を噴射することができるという点において、さらに、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等の圧縮ガスを含むことが好ましい。液化ガスとしては液化石油ガス(LPG)を含むことが好ましい。また、圧縮ガスとしては窒素ガスを含むことが好ましい。なお、LPG主体の噴射剤を使用する場合のLPGの内圧は、0.15〜0.70MPa(20℃)の範囲が一般的である。
本発明の害虫防除用エアゾール製品は、エアゾール原液/液化ガスの容量比率(エアゾール原液/液化ガス)は特に限定されないが、30/70〜70/30の構成を採用することが好ましい。容量比率が上記範囲内にあれば、遠くの位置においても広い範囲に拡散してエアゾール原液を噴射することができ、遠くの位置からでも害虫を効果的に防除することができる。また、本発明の害虫防除用エアゾール製品の内圧は、エアゾール原液および噴射剤が充填された状態において、通常0.20〜0.65MPaに設定されている。
本発明の害虫防除用エアゾール製品では、10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が60〜150gに規定される。10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が60g未満であるとエアゾールの噴射距離が長くなった場合に到達量が低下しまうことにより、噴射拡散性が低下する虞がある。10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が150gを超えると経済的に好ましくない。エアゾール組成物の噴射量は噴射孔の形状、大きさ、数、又は噴射剤の種類等によって適宜調整することが可能である。
本発明の害虫防除用エアゾール製品における耐圧容器は、内部にエアゾール組成物が充填される空間が形成された略筒状の容器である。耐圧容器の材質は特に限定されないが、一例をあげると、耐圧性を有する各種金属製、樹脂製、又はガラス製等であっても良い。
本発明の害虫防除用エアゾール製品に具備されるアクチュエータとしては、特に限定されない。噴射ボタンが押下されることにより作動する作動機構を有するものや、トリガーが引かれることで作動する作動機構を有するもの等が挙げられるが、本発明の効果を奏する限りにおいて、何れかのアクチュエータを採用しうる。
本発明の害虫防除用エアゾール製品に具備されるノズルは、内部に連通路を有する中空部材であり、その一端部が耐圧容器のステムに連結されることで、アクチュエータとして機能する。ノズルの他方の端部は噴射対象物に対向する端面となっている。前記端面には複数の噴射孔が設けられており、当該複数の噴射孔のうち1孔が前記端面の中央に設けられていることを特徴とする。前記構成を採用することで、遠くの位置においても広い範囲に拡散してエアゾール原液を噴射することができ、遠くの位置からでもハチ類を効果的に防除することができる。また、複数の噴射孔が設けられた端面が2以上あり、2以上の端面から噴射されるような仕様であっても構わない。
前記噴射孔が設けられた端面の形状は、回転対称体であることが好ましい。回転対称体には1回転対称体、2回転対称体、3回転対称体、4回転対称体、5回転対称体、6回転対称体、7回転対称体、8回転対称体、9回転対称体等がある。例えば、3回転対称体とは、端面の中心を軸に(360/3)度、すなわち120度回転させると元の形状に戻るような形状のことを言う。離れた位置から噴射した際の目標範囲のカバー率の観点から、2回転対称体、3回転対称体、4回転対称体、5回転対称体、6回転対称体、7回転対称体、8回転対称体または9回転対称体であることが好ましく、3回転対称体、4回転対称体、5回転対称体、6回転対称体、7回転対称体、8回転対称体または9回転対称体であることがより好ましい。
前記端面の形状は、特に限定されないが、例えば、円形状、楕円形状や多角形状等であっても良いが、円形状であることが好ましい。また、端面は、凸面、凹面や平面のいずれの形状であっても構わない。
前記噴射孔の数は、2個以上であれば良い。離れた位置から噴射した際の目標範囲のカバー率の観点から、3個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましい。また、前記噴射孔の数は10個以下であることが好ましい。
前記噴射孔の形状は、特に限定されないが、円形状、半円状、楕円状、多角形状等が挙げられ、これらのうちで噴射孔が円形状であることが好ましい。例えば、噴射孔が円形状である場合、その直径は、0.5mm〜2.0mmであることが好ましく、0.7〜1.5mmであることがより好ましい。噴射孔の面積は、特に限定されないが、3.0mm〜15mmであることが好ましく、4.0mm〜12mmであることがより好ましく、5.0mm〜10mmであることがさらに好ましい。また、前記端面に設けられる噴射孔の在り方としては、すべて大きさが異なる場合、一部大きさが異なる場合、あるいは全て大きさが同じである場合等が挙げられるが、特に限定されない。離れた位置から噴射した際の目標範囲のカバー率の観点から、他の噴射孔と異なる大きさの噴射孔が端面の中央にのみ設けられる場合、もしくは端面に全て大きさが同じである噴射孔が設けられる場合が好ましく、なかんずく端面に全て大きさが同じである噴射孔が設けられる場合がさらに好ましい。
本発明の害虫防除用エアゾール製品の防除対象は、特に限定されないが、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチ、オオスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ等のスズメバチ、クマバチ、フタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、キボシアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ等のアシナガバチ、ミツバチ等のハチ類、アカウシアブ、イヨシロオビアブ、ヤマトアブ等のアブ類、ブユ類、カメムシ類、ケムシ類、ゲジゲジ類、ムカデ類、ヤスデ類、ガ類、クモ類、羽アリ類、ユスリカ類、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、ニクバエ、ショウジョウバエ等のハエ類が挙げられる。これらのなかでも、近づくことが特に危険とされているハチ類やアブ類の防除に用いることが、特に有用である。
次に、具体的実施例に基づき、本発明の害虫防除用エアゾール製品について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
本発明の害虫防除用エアゾール製品の噴射性能を確認するため、前記エアゾール製品のノズルの端面における噴射孔の数、直径、配置、前記エアゾール製品の10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量、噴射剤の種類を種々変更して、本発明の特徴構成を備えたエアゾール製品(実施例1〜6)を作製した。また、比較のために本発明の特徴構成を備えないエアゾール製品(比較例1〜3)を作製した。実施例1〜6、及び比較例1〜3の各エアゾール製品を、後述の噴射性能試験に供した。
(実施例1)
アクチュエータにおける、噴射孔の孔数、中央の孔の有無、直径(中央の孔の直径(a)、中央以外の孔の直径(b))、及び配置(端面形状)は、表1に示すとおりに構成した。すなわち、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):1.0mm)を形成し、端面の中央を中心とする半径2.0mmの仮想円周上に、端面の形状が6回転対称体となるように、6つの円形状の噴射孔(直径(b):1.0mm)を形成した。また、端面の形状は平面であり、円形状とした。
一方、本発明で用いるエアゾール組成物の調製は以下のとおりに行った。まず、シフルトリン(0.3w/v%)、フタルスリン(0.2w/v%)、プラレトリン(0.1w/v%)、ミリスチン酸イソプロピル(3.0w/v%)、及びノルマルパラフィンを混合してエアゾール原液を調製した。次に、このエアゾール原液と、表1に記載の噴射剤のうち液化ガスであるLPGを、容量比率が50/50の割合で耐圧容器に充填し、さらに、窒素ガスを加圧充填してエアゾール組成物を構成した。なお、エアゾール製品の内圧は0.60MPaになるように調整した。その後、耐圧容器にアクチュエータを取り付けて実施例1のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は120gであった。
(実施例2)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):1.5mm)を形成し、端面の中央を中心とする半径3.0mmの仮想円周上に、端面の形状が3回転対称体となるように、3つの円形状の噴射孔(直径(b):1.5mm)を形成した。その他は実施例1に準じて実施例2のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は140gであった。
(実施例3)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):1.2mm)を形成し、端面の中央を中心とする半径2.4mmの仮想円周上に、端面の形状が4回転対称体となるように、4つの円形状の噴射孔(直径(b):1.2mm)を形成した。また、噴射剤において、窒素ガスに替えて圧縮空気を用いた。その他は実施例1に準じて実施例3のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は120gであった。
(実施例4)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):1.5mm)を形成し、端面の中央を中心とする半径3.0mmの仮想円周上に、端面の形状が2回転対称体となるように、2つの円形状の噴射孔(直径(b):1.5mm)を形成した。その他は実施例1に準じて実施例4のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は120gであった。
(実施例5)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):1.0mm)を形成し、端面の中央を中心とする半径2.0mmの仮想円周上に、端面の形状が6回転対称体となるように、6つの円形状の噴射孔(直径(b):1.0mm)を形成した。また、窒素ガスを用いた加圧充填を行わず、その他は実施例1に準じて実施例5のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は70gであった。
(実施例6)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):1.2mm)を形成し、端面の中央を中心とする半径2.4mmの仮想円周上に、端面の形状が4回転対称体となるように、4つの円形状の噴射孔(直径(b):1.2mm)を形成した。また、噴射剤において、窒素ガスに替えて炭酸ガスを用いた。その他は実施例1に準じて実施例6のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は120gであった。
(比較例1)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの噴射孔を設けず、端面の中央を中心とする半径2.0mmの仮想円周上に、端面の形状が6回転対称体となるように、6つの円形状の噴射孔(直径(b):1.0mm)のみを形成した。その他は実施例1に準じて比較例1のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は120gであった。
(比較例2)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):0.6mm)を形成し、端面の中央を中心とする半径1.2mmの仮想円周上に、端面の形状が6回転対称体となるように、6つの円形状の噴射孔(直径(b):0.6mm)を形成した。その他は実施例1に準じて比較例2のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は40gであった。
(比較例3)
アクチュエータにおいて、表1に示すとおり、ノズルの端面中央に1つの円形状の噴射孔(直径(a):2.0mm)を形成した。端面の中央を中心とする仮想円周上には他の噴射孔を形成しなかった。その他は実施例1に準じて比較例3のエアゾール製品を作製した。本エアゾール製品の10秒当たりのエアゾール組成物の噴射量は60gであった。
Figure 2021107378




[噴射性能試験]
容積25mの試験室(面積10m、高さ2.5m)の壁に、図1に示すように、2.0m×1.0mの試験紙(E.C.G. PAPER、小林記録紙株式会社製)を貼り付けた。この試験紙上で、高さ1.5m、左右の端から幅50cmである位置に目印を設け、目印を中心とする40cm×40cmの的(噴射目標範囲)を設定した。3m離れた距離から、この試験紙の目印に向けて1秒間噴射し、エアゾール原液の付着量を確認した。
試験紙全体におけるエアゾール原液が付着して色が変色した部分の面積(a)を測定し、以下の基準で噴射拡散性を評価した。(使用した試験紙にエアゾール原液を滴下した時と同等の色になった場合、変色と判断した。)
A;(a)>1600cm、B;1600cm≧(a)>800cm、C;800cm≧(a)
的内におけるエアゾール原液が付着して色が変色した部分の面積(b)を測定し、目標範囲のカバー率(c)を以下の計算式で求めた。
(c)=(b)/1600cm×100
さらに以下の基準で目標範囲のカバー率(c)を評価した。
A;(c)>60%、B;60%≧(c)>40%、C;40%≧(c)
各試験の結果を表2に示す。
Figure 2021107378
試験の結果から、ノズルが複数の噴射孔を備える端面を有し、複数の噴射孔のうち1点が前記端面の中央に設けられており、10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が60〜150gに規定されたエアゾール製品(実施例1〜6)は、離れた位置からエアゾール製品を噴射した場合においても、エアゾール原液が十分に付着し、優れた噴射拡散性を示した。さらに、離れた位置から噴射した際の目標範囲のカバー率においても良好であった。ノズル端面の形状は、2回転対称体(実施例4)よりも6回転対称体(実施例1)、3回転対称体(実施例2)、及び4回転対称体(実施例3及び6)の方が、離れた位置から噴射した際の目標範囲のカバー率の観点から、より優れたものであった。また、噴射剤として圧縮ガスを含むエアゾール製品(実施例1〜4、及び6)は、噴射剤として圧縮ガスを含まないエアゾール製品(実施例5)と較べ、より優れた噴射拡散性を示した。一方、ノズル端面の中央に噴射孔を有さないエアゾール製品(比較例1)は離れた位置の対象物に対するエアゾール原液の付着量は多かったが、付着が局所的になる傾向があり、噴射拡散性において不十分であった。また、10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が60g未満であるエアゾール製品(比較例2)は、離れた位置におけるエアゾール原液の付着量が少なく、噴射拡散性も不十分であった。ノズル端面の中央にのみ噴射孔を有するエアゾール製品(比較例3)は、離れた位置から噴射した際の目標範囲のカバー率において不十分であった。
続いて、後述の[殺虫効力試験]を行った。
[殺虫効力試験]
容積25mの試験室(面積10m、高さ2.5m)で、高さ1.6mの位置に、セグロアシナガバチ1匹を入れた金属ゲージ1(縦40cm×横40cm×奥行40cm)を固定した。3m離れた距離から、実施例1のエアゾール製品を金属ゲージの中央に向けて5秒間噴射した。金属ゲージ1(縦40cm×横40cm×奥行40cm)を別室に移し、24時間後にセグロアシナガバチが致死しているかどうかを確認した。試験は5回繰り返し行ったが、5回ともハチを致死させることができた。これに対し、実施例1のエアゾール製品を比較例1のエアゾール製品に代えて同様の試験を行ったところ、5回中3回しかセグロアシナガバチを致死させることができなかった。なお、金属ゲージ1よりも小さい金属ゲージ2(縦20cm×横20cm×奥行20cm)で行った同様の試験では、実施例1と比較例1で大差なく、いずれのエアゾール製品でも5回ともセグロアシナガバチを致死させることができた。
殺虫効力試験の結果から、本発明の害虫防除用エアゾール製品は、離れた場所に広範囲に噴射できるため、離れた位置からでもより確実にハチを確実に駆除できることが分かった。
本発明の害虫防除用エアゾール製品は、離れた場所に広範囲に噴射できるため、ハチ類だけでなく、様々な害虫に対する防除に利用することができる。












Claims (7)

  1. 害虫防除成分と有機溶剤を含むエアゾール原液と、液化ガスを含む噴射剤とからなるエアゾール組成物が充填された耐圧容器、及びアクチュエータを備えた害虫防除用エアゾール製品であって、
    前記アクチュエータは、複数の噴射孔が設けられた端面を有するノズルを備え、当該複数の噴射孔のうち1孔が前記端面の中央に設けられており、
    前記エアゾール製品の10秒あたりのエアゾール組成物の噴射量が60〜150gに規定されていることを特徴とする害虫防除用エアゾール製品。
  2. 前記噴射剤は、さらに圧縮ガスを含むことを特徴とする請求項1に記載の害虫防除用エアゾール製品。
  3. 前記圧縮ガスは、窒素ガスを含むことを特徴とする請求項2に記載の害虫防除用エアゾール製品。
  4. 前記ノズルの端面の形状は、回転対称体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の害虫防除用エアゾール製品。
  5. 前記端面の形状は、円形状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の害虫防除用エアゾール製品。
  6. 前記複数の噴射孔は、前記端面の中央に設けられた1孔と、その外周上に配置された6孔とから構成され、7孔とも同じ大きさの直径であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の害虫防除用エアゾール製品。
  7. 前記エアゾール原液と液化ガスの容量比率(エアゾール原液/液化ガス)は、30/70〜70/30であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の害虫防除用エアゾール製品。






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